平成 26 年度 児童学研究科 博士論文 3歳未満児の 歳未満児の健康生活に 健康生活に関する健康福祉学的研究 する健康福祉学的研究 ―家庭的保育と 家庭的保育と保育所の 保育所の生活習慣の 生活習慣の比較― 比較― A Study of Health and Welfare Concerning Healthy Life of Children under 3 Years of Age: Age:In Comparison with Children in Family Day Care and Nursery School 聖徳大学大学院 児童学研究科 児童学専攻 博士後期課程 1000- 1000-090101 佐野 裕子 指導教授 指導教授 高尾 公矢 論文の 論文の目次 はじめに 方 法 序章 3歳未満児の 歳未満児の健康生活に 健康生活に関する健康福祉学的研究 する健康福祉学的研究の 健康福祉学的研究の意義 第1節 健康福祉学の視点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13 第2節 3歳未満児保育の背景・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16 第3節 3歳未満児の生活習慣研究の必要性と問題点・・・・・・・・・・・・31 第1章 3歳未満児保育の 歳未満児保育の変遷 第1節 社会的保育の変遷と現状・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・47 第2節 多様化した社会的保育の現状・・・・・・・・・・・・・・・・・・59 第3節 日本の家庭的保育の変遷・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・68 第4節 諸外国の保育の動向と家庭的保育・・・・・・・・・・・・・・・・80 第5節 総合的考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・91 第2章 3歳未満児の 歳未満児の生活習慣に 生活習慣に関する研究動向 する研究動向 第1節 日本における3歳未満児の生活習慣に関する研究動向・・・・・・・99 第2節 諸外国における子どもの生活習慣に関する研究動向・・・・・・・・103 第3節 総合的考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・106 第3章 家庭的保育 家庭的保育と保育所の 保育所の生活習慣 第1節 家庭的保育の3歳未満児の生活習慣とその課題【研究1】 ・・・・・112 第2節 保育所の3歳未満児の生活習慣とその課題【研究2】 ・・・・・・・151 第3節 総合的考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 186 第4章 家庭的保育と 家庭的保育と保育所の 保育所の生活習慣の 生活習慣の比較 第1節 家庭的保育の保育実態【研究3】 ・・・・・・・・・・・・・・・・192 第2節 家庭的保育を受ける3歳未満児の保護者の意識【研究4】 ・・・・・219 第3節 家庭的保育と保育所の3歳未満児の病欠席率の比較・分析 【研究5】 ・・・232 第4節 家庭的保育と保育所の3歳未満児の生活習慣の比較・分析 【研究6】 ・・・238 第5節 総合的考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・250 第5章 3歳未満児の 歳未満児の生活習慣に 生活習慣に関する保育者 する保育者・ 保育者・保護者の 保護者の意識 第1節 3歳未満児の生活習慣形成に関わる家庭的保育者の支援プロセス 【研究7】 ・・・258 第2節 3歳未満児の生活習慣形成に関わる保育所保育士の支援プロセス 【研究8】 ・・・300 第3節 家庭的保育児の母親からみた3歳未満児の生活習慣形成プロセス 【研究9】 ・・・334 第4節 保育所保育児の母親からみた3歳未満児の生活習慣形成プロセス 【研究 10】・・・365 第5節 総合的考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・395 第6章 研究の 研究の総括 第1節 全体的考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・405 第2節 3歳未満児の健康生活への提言・・・・・・・・・・・・・・・・・・・409 おわりに 引用文献 参考文献 謝辞 資料 はじめに 戦後の日本は著しい復興を遂げ、産業構造や社会構造が変化した。昭和 30 年代後半、 本格的な経済成長に伴う労働力の都市集中による核家族化が進み、元来、両親やきょ うだい、近隣、地域住民の人々の援助を得ながら地域社会の中でなされてきた子育て の営みは、社会で担う方向へと変化してきた。さらに、女性の晩婚化、未婚化の増加 により少子化が進行している。また、共働き世帯数は増加し(稲川 2013) 、大都市圏 では、保育所入所のニーズが増大の一途を辿っており、子育てを社会全体で担う、社 会的保育の必要性は高まっている。保育所は、入所を希望しても入所できない待機児 童が多く存在しており(逆井 2013a) 、保育所の需要増に供給が追いつかず、保育の 需要と供給のアンバランスの問題が未だに改善されていない。そのため、待機児童の 解消が社会問題となっている(逆井 2013a) 。さらに、待機児童の約8割は3歳未満 児であり(逆井 2013a) 、その時期は人間形成にとって重要な時期であるため、3歳 未満児の社会的保育の質の確保は喫緊の課題である。 わが国の子育て支援策として、政府は 1998 年以降、保育所設置に関わる主体制限の 撤廃、保育所の開所時間の延長や定員超過入所の拡大、短時間勤務保育士の割合の拡 大など様々な規制緩和策を打ち出した(逆井 2013b) 。しかし、こうした早急な保育 所の拡大は、保育の質の低下を招くのではないかという懸念もあり、様々な視点から 論議を呼ぶ結果となった(宮崎 2008,中井 2008,太田 2009,野辺 2010,徳永 2010,実方 2012) 。2015 年度から本格的なスタートをめざしている「子ども・子育 て支援新制度」 (厚生労働省 2012a)では、企業や NPO 法人なども保育の実施主体と なるため、多様な基準・条件による保育の乱立は必至であり、保育の量的な拡大の必 要性とともに、 「保育の質」の担保が重要な課題であるといえる。 とくに、3歳未満の時期は、生涯にわたる健康生活の基礎づくりの時期であり、生 活習慣が確立される時期でもある。生活習慣は、生命的な行為として日常的に繰り返 されるものであり、獲得までの過程で自律心が醸成され、生涯にわたって主体的に生 きていくための力が養われる。そのため、自己を確立していく発達の過程といえる。 厚生労働省(2013)が 2013 年に定めた「健康日本 21(第2次)」は、健康増進法に 基づき策定された、国民の健康増進の総合的な推進を図るための基本的な方針である。 その中で、国民の健康増進の一環として、乳幼児期からの健康的な生活習慣形成の重 要性が示されている。 1 3歳未満の時期は、脳が言語や社会・情緒的スキルの発達に不可欠な基本的パター ンを獲得し、生涯にわたる健康生活の基盤が作られるため、健康生活を保障すること が重要である。しかし、近年、子どもを取り巻く社会環境や生活環境が変化し、子ど もの心と身体に様々な変化が現れている。3歳未満児の健康生活の問題として、遅寝 や短時間睡眠(神山 2009,日本小児保健協会 2011)、身体活動経験の不足や身体 活動量低下(Fukutomi K・Kasuga K 2013)、偏食やよく噛めない2,3歳児の増 加(厚生労働省 2009,小川・中田 2011)、朝食欠食、朝の排便の低率(松尾・泉・ 前橋 2012)等があげられている。また、厚生労働省(2010)の調査では、生活習慣 全般について、2歳半の子どもの 51%に生活習慣の乱れがあることを報告している。 これらの問題は、3歳以降の子どもの生活習慣、日中の保育活動、体力・運動能力な ど、子どもの心と身体の問題として報告されている(Suzuki M・Nakamura T, et al 2005,神山 2011a,朝倉・前橋 2012) 。 健康生活を送るための生活習慣形成は、乳児期からスタートしており(島田・竜丘 ら 2009) 、3歳未満児の健康生活について、保育施設や家庭、地域、行政が連携して 支援していく必要がある。 保育所保育指針では3歳未満児の保育に関わる配慮事項として、子ども一人ひとり に対し、落ち着いた雰囲気の中で行われる保育が示されている(厚生労働省 2008)。 個人差の大きい3歳未満児の発達を鑑みると、きめ細かな保育が求められる。 わが国の保育の供給主体は保育所であるが、主に3歳未満児を対象とした保育とし て、60 年以上の歴史をもつ家庭的保育事業がある。 家庭的保育は、保育所と同等の通所要件をもちながら、保育所の集団保育とは異な り、家庭的保育者1名が子ども3名まで(保育補助者設置の場合は5名まで)の保育 にあたる少人数保育である。2008 年、児童福祉法の改正により、家庭的保育は保育事 業として位置づけられ、2010 年施行された。法定化に際しては、2007 年から本格的な 研究・検討を重ね(注1)、3歳未満児の保育としての質の担保、労働条件の整備などが 進められ、認定を受けた保育者が職業として保育を行えるようになった。法定化後は、 国庫補助事業として開始した自治体が2年間で倍増し、家庭的保育者数、保育児数と もに 2009 年度に比べ約2倍に増加している(福川 2011) 。 保育の特徴としては、保育者が少人数の子どもを家庭的保育環境で保育することに より、個別的で柔軟なきめ細かな対応が可能であることや、子どもと保育者間、保育 2 者と保護者間の密接な関係を築きやすい(家庭的保育研究会編 a 2011) 。デメリット としては、保育者の資質にバラツキがあることや、子どもが特定の保育者の影響を強 く受けること、第3者の監視の目がないこと等があげられている(尾木 2006) 。これ らの改善を図るために、保育者研修や連携保育所の確保、家庭的保育支援者等による 巡回指導・相談、安全対策などを定めた家庭的保育事業ガイドライン(家庭的保育研 究会編 b 2011)を設け、 「質」の確保に努めている。 家庭的保育は、待機児童対策という面で期待されているが、むしろ、3歳未満児が 健康生活を営むため社会的保育のあり方として、上記のような保育環境で、個別性に 配慮しながらきめ細かな保育を行うことの意義が大きいと考える。 社会的保育施設の供給主体である、保育所で保育を受ける子ども(以下、保育所保 育児とする)の生活習慣に関する研究は、これまでに数多く実施され、問題や課題が 示されてきた(注2)。しかし、保育所と同等の通所要件をもちながら、保育環境が保育 所と全く異なる、少人数保育である家庭的保育児の健康生活に関する実証的な調査研 究は、その必要性が提唱されてはいるものの(尾木 2006,小山・尾木・庄司ら 2008) 、 未解明のままである。 本論文では、従来未解明であった家庭的保育の生活習慣について、実証的調査をも とに、社会的保育施設の供給主体である保育所の生活習慣と比較、検証し、3歳未満 児が健康生活を営むための社会的保育のあり方について、健康・幸福な暮らしを追究 する健康福祉学の視点から検討することを目的とした。 方 法 家庭的保育と保育所保育を受ける3歳未満児の、それぞれの生活習慣を量的研究と 質的研究により比較、分析し、3歳未満児が健康生活を営むための社会的保育のあり 方について明らかにしていく。 具体的には以下、1.2に示す点を実証的に解明していく。 1.質問紙による量的研究 (1)家庭的保育を受ける3歳未満児の生活習慣を明らかにする。 (2)保育所の保育を受ける3歳未満児の生活習慣を明らかにする。 (3)家庭的保育の保育実態を明らかにする。 3 (4)家庭的保育を受ける3歳未満児の保護者の意識を明らかにする。 (5) 家庭的保育と保育所の3歳未満児の病欠席率を比較し、健康状況を明らかにす る。 (6) 家庭的保育と保育所の3歳未満児の生活習慣を比較し、生活状況を明らかにす る。 2.インタビューに基づく半構成化面接法による質的研究 (1)3歳未満児の生活習慣形成支援に関わる家庭的保育者の意識を明らかにする。 (2)3歳未満児の生活習慣形成支援に関わる保育所の保育士の意識を明らかにする。 (3)家庭的保育者から生活習慣形成支援を受ける3歳未満児の母親の意識を明らか にする。 (4)保育所の保育士から生活習慣形成支援を受ける3歳未満児の母親の意識を明ら かにする。 3.倫理的配慮 本研究の質問紙調査については、倫理的配慮として、本研究の調査協力が得られた 自治体、自治体が管轄する家庭的保育者、家庭的保育児の保護者に書面にて本研究の 主旨と調査協力の依頼を行った。その際に、研究への参加は自由意志であり、途中不 都合が生じた場合はいつでも中断することができること、また、それによる弊害はな いこと、個人名は特定しないこと、これに関連した研究以外には用いないこと、デー タは公の場で発表することなどの説明を文書で伝え、同意を得た保護者のみ調査の対 象とした。 インタビュー調査については、本研究の調査協力が得られた自治体、自治体が管轄 する家庭的保育者、家庭的保育児の保護者に書面にて本研究の主旨と調査協力の依頼 を行った。実施にあたり、インタビュー対象者には研究の主旨、方法、結果の公表に ついて説明した書面を見ながら口頭で説明を行った。その際に、研究への参加は自由 意志であり、途中不都合が生じた場合はいつでも中断することができること、また、 それによる弊害はないこと、個人名は特定しないこと、これに関連した研究以外には 用いないこと、データは公の場で発表することなどの説明を行い、文書による同意を 得た。 4 本研究は、聖徳大学倫理委員会の下に実施した(NO,聖大総 第297号)。 論文の全体構成 本論文は、序章から第6章で構成した(図1) 。 「序章」は、3歳未満児の健康生活に関する健康福祉学的意義を問う。そして、今 日における3歳未満児保育の背景、動向について概要を述べ、3歳未満児の生活習慣 研究の必要性を論じる。 第1章「3歳未満児保育の変遷」は、第1節~第5節で成る。第1節では、わが国 の社会的保育の起源を遡り、社会的保育施設の中心的供給主体である保育所の変遷に ついて、社会の動向や国の保育政策とあわせて概観した。第2節は、現代の多様化し た社会的保育の現況を概観し、3歳未満児の健康生活を掌る保育として、家庭的保育 を主眼とした。第3節は、家庭的保育の歴史、特徴、研究動向について概観した。第 4節は、諸外国の保育の動向を探り、諸外国の家庭的保育の実際を概観した。 第2章「3歳未満児の生活習慣に関する研究動向」は、第1節~第3節で成る。第 1節では、わが国の子どもの生活習慣調査研究の動向、第2節では、諸外国の子ども の生活習慣調査研究の動向を概観した。 第3章「家庭的保育と保育所の生活習慣」は、第1節~第3節で成る。第1節の研 究1では、従来研究が行われてこなかった家庭的保育児の生活習慣に関する実証的な 研究として、家庭的保育を受ける3歳未満児の生活習慣を全国で調査し、分析・検証 すると共に、その課題を示した。第2節の研究2では、社会的保育施設の中心供給主 体である保育所の保育を受ける3歳未満児の生活習慣を全国で調査し、分析・検証す ると共に、その課題を示した。 第4章「家庭的保育と保育所の生活習慣の比較」は、第1節~第5節で成る。第1 節の研究3では、家庭的保育の保育実態を全国で調査し、分析・検証した。第2節の 研究4では、家庭的保育を利用する3歳未満児の保護者の保育に関する意識を検証し た。第3節の研究5では、家庭的保育児と保育所保育児の病欠席率を比較・分析した。 第4節の研究6では、研究1の家庭的保育を受ける3歳未満児の生活習慣調査研究と、 研究2の保育所の保育を受ける3歳未満児の生活習慣調査研究を比較・分析し、それ ぞれの保育を受ける3歳未満児の生活習慣の特徴を見いだすことを主眼とした。以上 5 の研究1~6の量的研究の結果から、家庭的保育の特徴、保育所との差異を解明する。 そして、3歳未満児が健康生活を送る上で、望ましい社会的保育のあり方について明 らかにする。 第5章「3歳未満児の生活習慣に関する保育者・保護者の意識」は、第1節~第5 節でなる。本章では、これまでの研究1~6の量的な研究では解明することが困難な 3歳未満児の生活習慣の部分について、さらに検証するため、3歳未満児の健康生活 を保育の場で支える家庭的保育者や保育所の保育士、また、その保育を受ける子ども の母親の意識について、それぞれ半構成化面接法により検証した。 第1節の研究7では、3歳未満児の生活習慣形成に関わる家庭的保育者の支援プロ セスについて検証し、第2節の研究8では、3歳未満児の生活習慣形成支援に関わる 保育所の保育士の支援プロセスについて検証した。第3節の研究9では、家庭的保育 を受ける3歳未満児の母親からみた子どもの生活習慣形成プロセスを検証し、第4節 の研究 10 では、保育所の保育を受ける3歳未満児の母親からみた子どもの生活習慣形 成プロセスを検証した。 第6章「研究の総括」では、総括として家庭的保育、保育所で保育を受ける3歳未 満児の健康生活に関して全体的考察を行い、健康・幸福な暮らしを追究する健康福祉 の視点から、3歳未満児が健康生活を営むための社会的保育のあり方について論証し、 提言を行った。 6 序章 3歳未満児の健康生活に関する健康福祉学的研究の意義 第1節 健康福祉学の視点 第2節 3歳未満児保育の背景 第3節 3歳未満児の生活習慣研究の必要性と問題点 第1章 3歳未満児保育の変遷 第1節 社会的保育の変遷と現状 第2節 多様化した社会的保育の現状 第3節 日本の家庭的保育の変遷 第4節 諸外国の保育の動向と家庭的保育 第5節 総合的考察 第2章 3歳未満児の生活習慣に関する研究動向 第1節 日本における3歳未満児の生活習慣に関する研究動向 第2節 諸外国における子どもの生活習慣に関する研究動向 第3節 総合的考察 第3章 家庭的保育と保育所の生活習慣 第1節 家庭的保育の3歳未満児の生活習慣とその課題 【研究1】 第2節 保育所の3歳未満児の生活習慣とその課題 【研究2】 第3節 総合的考察 第1節 第2節 第3節 第4節 第5節 第4章 家庭的保育と保育所の生活習慣の比較 家庭的保育の保育実態 【研究3】 家庭的保育を受ける3歳未満児の保護者の意識 【研究4】 家庭的保育と保育所の3歳未満児の病欠席率の比較・分析 【研究5】 家庭的保育と保育所の3歳未満児の生活習慣の比較・分析 【研究6】 総合的考察 第5章 3歳未満児の生活習慣に関する保育者・保護者の意識 第1節 3歳未満児の生活習慣形成に関わる家庭的保育者の支援プロセス 【研究7】 第2節 3歳未満児の生活習慣形成に関わる保育所保育士の支援プロセス 【研究8】 第3節 家庭的保育児の母親からみた3歳未満児の生活習慣形成プロセス 【研究9】 第4節 保育所保育児の母親からみた3歳未満児の生活習慣形成プロセス 【研究10】 第5節 総合的考察 第6章 研究の総括 第1節 全体的考察 第2節 3歳未満児の健康生活への提言 図1 論文の全体構成 7 本研究で用いる定義 研究1~10 において用いる定義は、以下の通りである。 1.用語の定義 本研究では、厚生労働省が示した以下の分類に基づいて、3歳未満児の生活習慣を 把握し、分析した。 厚生労働省は、第1次国民健康づくり対策(1978年~)、第2次国民健康づくり対 策≪アクティブ80ヘルスプラン≫(1988年~)において、「休養」「栄養」「運動」 の生活習慣を健康づくりの3要因として示した。また、第3次国民健康づくり対策「21 世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」(厚生労働省 2000)、第4次健 康増進運動「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21(第2次))」(厚生 労働省 2013)においては、健康生活に関する生活習慣の中で、「休養」「栄養・食 生活」「身体活動・運動」が示された。このことから、本研究においても、「休養」 「栄養・食生活」「身体活動・運動」の視点から3歳未満児の生活習慣を分析するこ ととし、これらの用語の定義を以下に示した。 (1)休養 厚生労働省(2013)は、 「健康日本 21(第2次)」において、 「休養」の意味を以下の 通り示している。 「心身の疲労の回復と充実した人生を目指すための休養は重要な要素の一つである。 十分な睡眠をとり、ストレスと上手につきあうことは、こころの健康に欠かせない要 素であり、休養が日常生活の中に適切に取り入れられた生活習慣を確立することが重 要である。健康づくりのための休養には、 「休む」ことと「養う」ことの二つの機能が 含まれており、各個人の健康や環境に応じて、これら両者の機能を上手に組み合わせ ることにより、健康づくりのための休養が一層効果的なものとなる。 「休」の要素は、 主として、労働や活動等によって生じた心身の疲労を、安静や睡眠等で解消すること により、疲労からの回復を図り元の活力をもった状態に戻し、健康の保持を図るもの である。一方、 「養」の要素は、明日に向かって英気を養うというように、主体的に自 らの身体的、精神的、社会的な機能を高めることにより、健康の潜在能力を高め、健 康増進を図っていくものである。すなわち、健康づくりのための休養は、単に身体を 休めるというだけでなく、受動的な「休」の要素と能動的な「養」の要素から成る底 8 辺の広いものである。一人ひとりの実践方法が異なるのは当然であり、自分なりの休 養が実現されてこそ、生活の質の向上が図られ、健康で豊かな人生の礎が築かれるこ ととなる。 」 そして基本的な考え方の中で、目標として、 「睡眠による休養を十分とれていない者 の減少」を掲げている。また、文部科学省(2006)の「早寝早起き朝ごはん」キャン ペーンにおいても睡眠の重要性が示されている。 本研究においては、成長期にある3歳未満児の生活習慣に着目しているため、 「睡眠 習慣」を通して、休養を捉えることとした。 (2)栄養・食生活 厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会(2012)が「健康日本21(第2次)の推 進に関する参考資料」及び「健康日本21(第2次)」 (厚生労働省 2013)において、 「栄 養・食生活」の意味を以下の通り示している。 栄養・食生活は、「生命を維持し、子どもたちが健やかに成長し、また人々が健康 で幸福な生活を送るために欠くことのできない営みであり、多くの生活習慣病の予防 のほか、生活の質の向上及び社会機能の維持・向上の観点から重要である。そこで、 国民の生活の質の向上及び社会環境の質の向上を図るために、身体的、精神的、社会 的に良好な食生活の実現を図ることを目標とする。」 本研究においては、成長期にある3歳未満児の生活習慣に着目しているため、朝食 摂取状況、排便実施状況、また、朝食開始時刻や夕食開始時刻などの「食習慣」を通 して、栄養・食生活を捉えることとした。 (3)身体活動・運動 「健康日本21(第2次)」 (厚生労働省 2013)において、「身体活動」とは、「安静 にしている状態よりも多くのエネルギーを消費する全ての動きのこと」と示している。 また「運動」とは、「身体活動のうち、スポーツやフィットネスなどの健康・体力の 維持・増進を目的として計画的・意図的に行われるものを指す」としている。「健康 日本21」(厚生労働省 2000)の評価によると、身体活動・運動の分野における最大 の懸念は、歩数の減少であると指摘されており、保育所保育指針においても運動の重 要性が示されている(厚生労働省 2008)。「健康日本21」(厚生労働省 2000)の 9 評価等をふまえ、「健康日本21(第2次)」(厚生労働省 2013)における身体活動・ 運動対策の指標として、「歩数の増加」や「運動習慣者の割合の増加」など、行動の 指標を用いることが重要であると述べられている。 本研究においては、家庭的保育及び保育所を対象としたため、保育児が保育施設に 通う方法(徒歩による身体活動) 、帰宅後の遊び、遊び時間、戸外遊び時間、遊び場所 などの「運動習慣」を通して、身体活動・運動を捉えることとした。 2.健康生活の目標 (1)「睡眠習慣」における健康生活の目標 ①21 時前就寝、夜間 10 時間以上の睡眠時間 幼児期の健康的な生活習慣の基本として、佐野・松尾・前橋(2012)は、全国 90 市 町村の 54,784 名の子どもを対象とした研究結果から、21 時前就寝、夜間 10 時間以上 の睡眠時間を確保することの必要性を示し、推奨している。また、日本睡眠学会の研 修テキスト(井上・白川ら 1999)においても、幼児期には、夜間 10 時間以上の睡眠 が必要と示されている。 睡眠時間については、アメリカの睡眠研究組織である National Sleep Foundation の発表によると、1~3歳児の適正睡眠時間は、夜間で 12~14 時間であった。神山 (2011a)は、必要な睡眠時間は大きな個人差があるとし、1歳児の 2.0~98.0%は、 睡眠時間が 11~17 時間であることを示している。 以上から、本研究では、21 時前就寝、10 時間以上睡眠を健康的な睡眠習慣の目標と した。 ②起床時の機嫌・自立起床 子どもが良好な睡眠を得ている指標として、佐野・松尾・前橋(2012)は、全国 90 市町村の 54,784 名の子どもを対象とした研究から、 「起床時の機嫌」及び「自立起床」 を示している。 そこで、本研究では、 「起床時の機嫌が良いこと」 、 「自立起床できること」を健康的 な生活習慣の目標とした。 (2)「食習慣」における健康生活の目標 ①朝食摂取の有無 厚生労働省(2013)の「健康日本 21(第2次)」において、健康生活を送る上で示 10 されている「朝食を摂取していること」を健康的な食習慣の目標とした。 ②朝の家庭での排便実施状況 朝の排便は自律神経に関わることとして、前橋(2006)は健康福祉学の視点から、 また、神山(2011a)は神経科学の視点から、共に朝の排便習慣の重要性を述べている。 本研究では、 「朝の家庭での排便実施」を健康的な食習慣の目標に加えた。 ③夕食開始時刻 松尾・前橋(2007)は、生活習慣の生活要因相互の関連性の研究から、21 時前就寝 を可能にするための 19 時までの夕食開始を提案している。 本研究では、19 時までの夕食開始を健康的な食習慣の目標に加えた。 (3)「運動習慣」における健康生活の目標 厚生労働省(2013)の「健康日本 21(第2次)」において、身体活動・運動対策の 指標として、「歩数の増加」が示されている。また、前橋(2010)は、健康福祉学の 視点から徒歩で通う効果を説いて推奨し、子どもの生活習慣調査項目の中に、保育施 設に通う方法として徒歩、あるいは自家用車や園バス等の利用状況を尋ねている。 これらのことから、本研究では、運動習慣の一つとして保育施設に通う方法をあげ、 自家用車・園バス(歩数の増加が望めない)と自家用車以外(歩数の増加が望める) に分けて分析することとした。なお、公共交通機関は、最寄り駅からの徒歩の機会が 望め、自転車(補助座席に座らせる)は歩数の増加は望めないが、平衡感覚や支持力 などの身体能力の向上が図られることから、自家用車以外に含めた。また、抱っこ、 ベビーカー、その他は分析から外し、 「自家用車・園バス以外で通っていること」を健 康的な運動習慣の目標とした。 ②戸外遊び経験、保育時間外の遊び場所 日本小児保健協会(2011)の「幼児健康度に関する継続的比較研究」では、外遊び の減少、公園や児童館などの遊び場所の確保の必要性が示されている。また、神経科 学を背景とした神山(2011a,2011d)の研究では、健康生活を育む上でセロトニン活 性を高める重要性を説き、日中の光、運動の重要性を指摘している。また、健康的な 睡眠習慣を得るための午後の戸外遊びの必要性も示されている(厚生労働省 2001, 前橋 2008a) 。 以上から、本研究では、 「戸外遊び経験を図る」 、 「公園遊び」を健康的な運動習慣の 目標とした。 11 ③テレビ・ビデオ視聴時間 テレビ・ビデオの長時間視聴は、健康生活を阻害する要因として、保健指導の際の 留意事項であり(日本小児保健協会 2011) 、とくに、3歳未満児の健康に関わること として、アメリカの小児科学会では、子どもの成長発達のためには、2歳まではテレ ビは見せないことが示されている(Brandon K 2011)。日本では、日本小児科医会 (2004)の提言として、2歳までは極力テレビは見せないことが示されている。 テレビ・ビデオの長時間視聴は、身体活動・運動対策の指標である「歩数の増加」 (厚生労働省 2013)を阻害する要因でもあることから(長谷川・前橋 2010)、本 研究では、健康的な運動習慣の目標として、 「テレビ・ビデオは見ない」を加えた。 12 序章 3歳未満児の健康生活に関する健康福祉学的研究の意義 第1節 健康福祉学の視点 現代社会で生活する人間が望むことの一つは、自分や家族、友人が日々、 「健康」で 「幸福」な生活を送ることができるかということである。 健 康 の定 義で 、 最も 広く 知 られ てい る のは 、世 界 保健 機構 ( World Health Organization)憲章の前文にある、 「健康とは、完全に、身体的、精神的、および社会 的に良好(安寧な)な状態であることを意味し、単に病気でないとか、虚弱でないと いうことではない。」 (大森 2005)である。このWHOの定義は、健康を単に病気で ないとするだけでなく、完全に良好な状態(Well-being)としたことと、社会的な側 面まで含めていることから、理想的な健康像を示したものであるといえる。また、同 文には、 「到達しうる最高水準の健康を享受することは、全ての人の基本的権利の一つ である」と健康を権利の側面から言及されている。 また、 「福祉」は、 「満足すべき生活環境」 、 「幸福」 (Well-being) (中島 2008)と されており、植村(2008)は、人間を取り巻く生活空間の満足さを表すものであり、 「社会的な存在としての人間が安寧な状態にあること」と述べている。したがって、 「身体的、精神的、および社会的に良好(安寧な)な状態」というのは、「健康」と 「福祉」とがそれぞれが切り離されて存在しているのではなく一体のものであるとい える。 「健康福祉」が概念化されたのは、比較的新しい。植村(2008)は、「健康福祉」 の概念について、「身体的な健康を解明するには、医学、生理学、栄養学、工学など の知見と手法が用いられ、精神的な健康を解明するには、心理学、精神医学、行動科 学、等の知見と手法が用いられる。福祉は、それらとは異なる知見と手法で社会的な 健康を解明しようとする。しかし、それらは人間の健康の各側面であるから、知見と 手法は異なってもそれぞれがばらばらに行われるのではなく、統一した目的に向かっ て研究がすすめられることになる。」と述べている(植村 2008)。例えば、「児童 虐待」は児童の権利である心身の発達、健康、そして福祉を疎外することになる。児 童虐待は社会的な存在としての児童の安寧な生活の疎外要因であることで、「福祉」 の問題として提起される。「児童虐待」はなぜ生じるか、どのようにすればなくすこ とが可能か、ということは、児童福祉の課題である。親など虐待する側には、被虐待 13 体験や夫婦間、家族間の葛藤などがその要因として顕在化してくれば、虐待者の生育 歴、生活歴などに起因することが考えられれば心理的な問題であり、経済的な貧窮な どが生活課題であると疑われれば、社会システムがそうした状態を作ってしまってい る社会問題ということになる。また、身体(脳内)の病気が疑われるならば医学など の分野も絡んでくる。基本的に虐待を人権問題として捉えることがまず必要であり、 人間関係の健康化に向け、親子双方に、医学や精神医学、保健学、心理学、社会学な ど、「福祉」以外にも多くの分野が結集して、初めて取り組むことが可能なテーマと なるのである。このように、新たな「健康福祉」の視点から子どもの生活を捉え直す ことによって、子どもの健康が保持・増進され、「福祉」的側面からの支援によって 子どもの成長を助長するという、総合学的な意味合いをもつ。 現代社会は、高度情報化、環境の複雑化、国際化、少子高齢化などにより、人類が かつて経験したことがない速さと規模と深刻さをもって変化し続けている。 中島(2008)は、現代社会のこのような状況に適切に生存していくことを図る人間 にとって、「健康」で「幸福」な生活が保障されるためには、単独分野としての医学、 保健学、看護学、社会福祉学などからのアプローチだけでは十分ではないとし、これ ら全てを包括するような「人間」の「健康」と「幸福」を追求する総合学としての「健 康福祉」という視点からのアプ-チの必要性を述べている。 前橋(2008a,2008b)は、 「健康福祉学」について、健康福祉学とは、人の生活に直 接関わる学問の分野であり、しょうがいをもつ・もたないにかかわらず、乳児から高 齢者まで人々が身体的にも精神的にも健康で、いきいきと生きることのできる健康的 な暮らしのあり方(幸福)を考え、そのために、健康科学の研究知見や実践経験を最 大限に生かして、社会の方策までも生み出すとし、積極的かつ、前向きな社会的努力 を模索していこうとする学問であると述べている。とくに、社会政策の中では、医学、 保健(公衆衛生含む) 、福祉を連携させ、それをコミュニティレベルで考え支援してい こうという「包括支援」が重視されてきているという。そして、健康福祉学的アプロ ーチの必要性について、 「福祉」が自分に直接関わることに社会の一人ひとりが気づい ていく中で、誰もが穏やかに、自分らしく、いきいきと生きることができる健康的な 暮らしのあり方(幸福)を考え、自己実現を図るために健康科学の研究知見や実践経 験を最大限に生かしていくことが必要であるとし、社会の方策までも動かしていくよ うな、積極的かつ、前向きな社会的努力を模索していこうとする学問が「健康福祉学」 14 であり、健康福祉のめざすところでもあると述べている。 近年、子どもを取り巻く社会環境生活環境が変化し、女性の社会進出、とくに、乳 幼児をもつ母親の就労が進む中(稲川 2013)、子どもの夜型生活、睡眠リズム、食 生活、遊びなどに変化が生じ、家庭での規則正しい生活習慣と生活リズムが築きにく くなってきた。その改善のためには、家庭における前向きな取り組みが必要であり、 保育、学校教育場面だけではなく、地域を含む一般社会においても健康福祉からの教 育推進が求められる。前橋(2011a)は、「子どもの健康福祉戦略 2011」の中で、子 どもの健康福祉のための生活リズム向上の取り組みとして、栄養・運動・睡眠を大切 にした子どもや保護者への健康づくり理論と実践の必要性をあげ、行政と連携して全 国で展開を図っている。 健康福祉の視点から知見を集めた研究雑誌が刊行されている。中でも、 「子どもの健 康福祉研究」(注3)は 2003 年に刊行され、誰もが穏やかに、自分らしく、いきいきと生 きることができる健康的な暮らしのあり方(幸福)について、多くの知見が提示され ている。とくに、県、区市町村単位で地域の生活習慣実態を詳細に調査・分析し、地 域ごとの課題をあげ、行政との連携、改善のための実践など子どもの健全育成のため の知見が多数報告され、地域の健康福祉に寄与している。また、近年の研究からは、 企業内保育所における「幼児の健康福祉に関する研究」 (筑摩・前橋 2011)や、神奈 川県、大阪府他5県の小学生児童を対象とした広域研究「子どもの健康福祉戦略 2012」 (前橋 2012a) 、 「幼児期から中学校期までの朝食摂取状況とその環境―2010 年度の 生活調査結果から―」 (森・前橋 2011)として、56,495 名の生活習慣を調査した結 果をまとめ、幼児期から中学校期の健康生活課題、健全育成のための知見を示してい る。また、韓国からの投稿もあり(呉・金 2011,李京ら 2012) 、健康福祉的アプロ ーチの広がりをみせている。 本論では、子どもの健康福祉から鳥瞰し、生涯にわたり人権(尊敬)が守られ、健 康・幸福な生活が全うされるための育て方(育てられ方)について、現代における社 会的保育のあり方を論及していく。 15 第2節 3歳未満児保育の背景 わが国の保育所の3歳未満児保育について、2003 年度と 2012 年度の子どもの保育 場所の割合を比較すると(水谷 2013a) 、家庭での保育が、0歳児で 92.2%(2003 年 度)~88.1%(2012 年度) 、1,2歳児で 74.9%(2003 年度)~63.6%(2012 年度) 、 認可保育所が、0歳児で 5.4%(2003 年度)~10.2%(2012 年度) 、1,2歳児で 22.4% (2003 年度)~32.6%(2012 年度) 、認可外保育施設が、0歳児で 1.4%(2003 年度) ~1.7%(2012 年度) 、1,2歳児で 2.8%(2003 年度)~3.8%(2012 年度)であっ た(水谷 2013a) 。近年では家庭での保育が減少し、社会で保育を担う割合が増加し、 とくに、1,2歳児の認可保育所の割合が顕著である。 保育所の入所児童数は、1990 年代中ごろから増加傾向となり(水谷 2013b) 、とく に、3歳未満児は需要と供給が追いつかない待機児童の問題がある(逆井 2011) 。国 は、待機児童対策として、国と自治体とが一体となって取り組む『先取りプロジェク ト』 (中村 2011)を公表し、認可外施設等への助成も行い保育の量拡大を図っている が、一方で保育の質を危ぶむ声もあがっている(福川 2013,実方 2012,宮崎 2008, 野辺 2010) 。 3歳未満児の待機児童対策は喫緊の課題であるが、同時に、保育の質を担保し、子 どもの健康生活を保障していくことは必須である。 元来、3歳未満児の保育は、1960 年代(昭和 35 年~44 年)の第1次高度成長期に 都市における核家族化や女性の社会進出などによるニーズの高まりを受けて開始され た保育であった。保育所においては、乳児保育は必ずしも積極的には行われなかった。 それは、乳児のもつ特性はもとより、保育の条件や保母(現,保育士)の配置基準な ど、環境条件が乳児に適さなかったことがあげられる(成田 2011) 。しかし、社会の 需要増加に伴い、1969 年(昭和 44 年)に実施された乳児保育特別対策を契機に、都 市部において乳児を受け入れる保育所が徐々に増加していったが、これは住居税非課 税世帯のみを対象とする特別対策事業で、いわば貧民対策としての位置づけであった (中井 2008) 。 「3歳児神話」 「母親よ家庭に帰れ」の考えにも表れているが、当時は 「両親による愛情保育」が掲げられ、1979 年に出された自民党の「乳幼児の保育に関 する基本法(仮称)制定の基本構想(案) 」では、 「保育所が親の育児放棄の道具」と されていた(中井 2008) 。1980 年代は、 「保育所の役割は終わった」とのキャンペー ンがマスコミなどを通して広がり、保育所措置費の国庫負担率が5割に削減される等、 16 保育所利用に制限が加わわった(中井 2008) 。しかし、製造業やサービス業の低賃金 パートとしての主婦の再就職がはじまり、1990 年代に入ってからは、男性の雇用の不 安定化や育児休業制度の普及などと共に、継続就業の指向もでてきた(前田 2006a) 。 女性の高学歴化、社会構造の変化による社会進出と並行して婚姻年齢が上昇する反面、 ひのえうま 出生率は低下し、1989 年(平成1年)の合計特殊出生率は 1.57 となった。丙 午 であ った 1966 年(昭和 41 年)の 1.58 をも下回ったことから、 「1.57 ショック」として社 会的関心を集めた(宮崎 2008) 。さらに、出生率は 1990 年以降も減少を続け、2005 年(平成 17 年)には 1.26 と過去最低となった。その後はようやく上昇傾向に転じ、 2009 年(平成 21 年)に 1.37、2010 年(平成 22 年)には 1.39 となったが、わが国の 現在の人口を維持できる数値、人口の「置き換え水準」(replacement level)である 2.1 人には届かない。 戦後の日本社会は、男は外で働き、女は専業主婦として家事・育児に専念する、と いう構造を前提としたものであり、戦後最初の福祉の法律として成立した児童福祉法 に規定された保育所は、 「保育に欠ける」者(非正規労働者や病気療養中の者、親のい ない世帯、一人親世帯、収入の低い者など)の一部の貧窮対策的な児童福祉施設とし ての位置付けであった。1990 年以降は、少子化対策を契機として、仕事と子育ての両 立が望ましいとする共働きの構造を前提としたものに変化した。エンゼルプラン、新 エンゼルプランの策定にもみられるように、保育所は保育に欠ける特定の子どものた めの福祉施設ではなく、子育てをする全ての親にとって必要なものと認識されるよう になった。つまり、一部の人のための貧窮対策的な児童福祉が、国民全体の多様なニ ーズに応える児童福祉へと、その目的が大きく変わってきたのである(前田 2000) 。 少子化傾向が顕著に現れた 1990 年代からは、出生率の低下を危惧し、社会的論議が 活発化した。少子化を克服するためには、子どもが健やかに生まれ育つ環境づくりへ の取組みが必要との認識から、政府による初めての少子化問題に関する文章「これか らの家庭と子育てに関する懇談会報告書」(1990 年厚生省主催)が提出された。さら に、翌 1991 年(平成3年)には「健やかに子どもを産み育てる環境づくりについて」 という指針を発表した。1992 年(平成4年)の「国民生活白書」には「少子化社会の 到来、その影響と対策」と題し、少子化問題が社会の前面に取り上げられた。 1992 年(平成4年)には、児童手当の支給開始を第2子から第1子へと拡充した他、 育児休業(1976 年支給)につても、それまで教師、看護婦(当時) 、保母(当時)な 17 どの特定専門職に限定されていたものが、民間労働者(30 名以下の事業所は除く)に も適応されるようになった。期間は子どもが1歳に達するまでであり、休業中の賃金 保障、休業後の現場復帰などの規定はないので、休業中の無給も問題にはならなかっ た。 1994 年(平成6年)に、 「21 世紀福祉ビジョン」 (高齢社会福祉ビジョン懇談会)で 育児支援策としてエンゼルプランの策定が提起された。同年 12 月には、時の文部・厚 生・大蔵・自治の関係4大臣の合意による「今後の子育て支援のための施策の基本的 方向について(エンゼルプラン、1995~1999 年) 」が策定、施行された。この中で最 も焦点となったのが、保育所の整備を主眼とした「緊急保育対策5カ年計画」である。 3歳未満児の定員枠や延長保育の拡大、地域子育て支援センターの導入等が図られる こととなり、保育対象児の拡大化、子育て相談機能の充実化による子どもの福祉の強 化となった。同プランは、保育所入所児童数の推移に顕著に現れ、1980 年(昭和 55 年)から減少してきた入所児童数が 1995 年(平成7年)より再び増加傾向に転じ、毎 年過去最高を更新し続けた(水谷 2011) 。しかし、待機児童に関しては、その8割が 3歳未満児であり、多くの乳幼児が保育所に入所できない状況は続いた。 エンゼルプランに基づく「緊急保育対策5カ年計画」の終了時期を迎える頃、下が り続ける合計特殊出生率の緊急対応として、1999 年 12 月、国の少子化対策推進閣僚 会議において、 「少子化対策推進基本方針」が発表され、この具体的実施計画として「新 エンゼルプラン」を策定し、2000 年度から 2004 年度までに達成すべき目標値を設定 した。2004 年度には、3歳未満児の受け入れを 68 万人に増やすことが数値目標とな り、また、保育所の設置を機能的に、かつ容易にするべく、地方自治体が待機児童の 解消等の課題に柔軟に対応できるようにするため、規制緩和策として、保育所設置に 関わる主体制限の撤廃、定員規模要件の引き下げ、資産要件の緩和、公立保育所の運 営の委託先にかかる制限の撤廃などにより、保育所の増設を行った(中小企業総合研 究機構 2008) 。その結果、株式会社や NPO 法人等でも一定の基準を満たせば保育所を 設置できるように制度変更された。しかし、営利企業が子どもの安全を図り、真の保 育を担えるのか、疑問視する声もあがった(中井 2008,村山 2011) 。 2001 年には 「待機児童ゼロ作戦」 による待機児童数の削減を図る政策の実施により、 保育所の定員を 2002 年には 24,000 人、2003 年には 32,000 人に増加させているが、 待機児童は解消されることはなく、2003 年には 26,000 人の待機児童が発生し、保育 18 所入所希望者の増加の勢いは衰えを見せなかった(村田 2012) 。全国的に保育所待機 率をみると、石川県 0.0%と沖縄県 20.9%のように地域によって格差が生じていた(村 田 2012) 。これは、保育の供給と需要が地域的に偏在しており、過疎地などでは保育 所が定員割れする一方で、都心部では保育所が不足しているためである(表1) 。また、 3歳未満児の保育ニーズに対しての供給は足りないが、3歳以上児に関しては供給が 充足していることから、定員割れと待機児童が同時に発生するという現象が起きてい た(前田 2006b) 。 1990 年代は、 仕事と育児の両立支援を中心に計画的に少子化対策が打ち出されたが、 合計特殊出生率は依然として減少し続けた。 2002 年(平成 14 年)9月、政府はこのような状況を鑑み、 「少子化対策プラスワン」 を発表した。従来の施策では、就労する母親に対する仕事と子育てとの両立支援であ ったが、ここで初めて、子どもを育成する全ての家族を社会全体で支援することの必 要性を説き、一連の「次世代育成関連法」の成立が図られた。2004 年 12 月には、 「少 子化社会対策大綱に基づく具体歴実施計画」 (子ども・子育て応援プラン) 、いわゆる 「新新エンゼルプラン」は、2005~2009 年度までの5年間の具体的な政策内容と目標 を掲げ、10 年後を展望にした「目指すべき社会」の姿を提示したものであった。 国は、以上のような諸政策を推進してきたが、2005 年8月の「人口動態統計速報」 では、半年間の人口動態について初めて出生率よりも死亡率が上回り、出生数、合計 特殊出生数率ともに過去最低を記録した。政府は、1990 年代半ばからの一連の対策だ けでは少子化の流れを変えることができなかったとの問題の抜本的拡充、強化、転換 を図り、①社会全体の意識改革、②子どもと家庭を大切にする観点からの政策の拡充 の2点を重視し(中井 2008) 、 「子ども・子育て応援プラン」推進にあわせ、子ども の成長に沿った新たな政策を中心に進めることとなった。これらの政策は、 「経済財政 運営と構造改革に関する基本方針 2006」に取り上げられ(中井 2008) 、少子化対策 を国の基本に関わる最重要政策課題との認識で取り組むこととなった。 2006 年(平成 18 年) 、待機児童解消の一助であるとともに「就学前の教育・保育ニ ーズに対応する新たな選択肢」として、親の就労の有無に関わらず利用可能な施設と して、 「認定子ども園法」が制定され、 「認定子ども園」(注4)を設置することを決定し た。しかし、既存の二元体制を残した妥協の産物という評価や、運営側となる場合の 保育所、幼稚園の根拠法令や所轄官庁が異なる二重行政の問題が残り、事務手続きが 19 煩雑で、施設整備や無認可部分の運営に対する財政支援も不十分であると非難された (村田 2012,逆井 2011) 。 2008 年(平成 20 年)には「新待機児童ゼロ作戦」が発表され、 「希望する全ての人 が子どもを預けて働くことができる社会」を目指し、保育施策を質・量ともに充実・ 強化していく方針が示された。具体的には、3歳未満児に対する保育サービスの提供 割合を、現行の 20%から 38%(厚生労働省 2007)へと増加させることを目標とした。 2010 年(平成 22 年)には、 「子ども・子育てビジョン」が閣議決定され、認可保育 所の定員、延長保育などの保育サービスの利用児童数、病児・病後児保育人数、認定 子ども園数など、2015 年までの5年間の達成目標が掲げられた。そして、ビジョンの 数値目標達成に向けた新たな仕組みとして「子ども・子育て新システムの基本制度案 要綱」 (2010 年)が計画、策定され、国をあげて少子化対策に取り組んだ。 同年4月、家庭的保育は、児童福祉法上に位置づけられた保育事業(国庫補助事業) として施行され、認定を受けた保育者が職業として保育を行えるようになった。同事 業を開始した自治体は、2年間で倍増し、家庭的保育者数、家庭的保育児数共に 2009 年度と比較すると約2倍になり、家庭的保育は、3歳未満児を対象とした保育施設の 一つとして注目されるようになった(福川 2011) 。 家庭的保育事業とは、 「乳児または幼児であって、市町村が第 24 条第1項に規定す る児童に該当すると認めるものについて、家庭的保育者の居宅~略~その他の場所に おいて家庭的保育者による保育を行う事業」 (児童福祉法第6条の二第九項)である。 対象児は、保育所保育児と同じニーズをもつ、いわゆる「保育に欠ける児童」で、 「乳児,幼児」 (児童福祉法第 24 条第1項)と示されている。3歳未満児という限定 はないが、家庭的保育は保育所の乳児保育を補完するものとして発祥した経緯があり、 低年齢児を対象とした保育として 1950 年代から実施されている。 保育時間は1日8時間を原則とし、保育者1名に対して乳幼児3名以下を保育する ことができる。また、家庭的保育者(注5)が保育補助者と共に保育する場合は、5名以 下まで保育することができる。 事業は、国庫補助事業として自治体が実施する(国型)事業と、地方自治体が単独 で実施している事業がある。市町村が家庭的保育者に委託して実施する事業は、家庭 的保育者に委託するもの(個人型)と保育所などを運営するものに委託し、保育所な どが家庭的保育者を雇用して実施するもの(保育所実施型)がある。 20 従来、わが国の施設保育(集団保育)の中心的供給主体は保育所であったが、待機 児童問題の発生に伴って、行政だけではなく、企業や NPO 法人、個人など多様な団体 がその保育理念の下、時代や地域のニーズに即した保育が提供されるようになった。 しかし、一方で、子どもの生活環境の充実という観点から検討すると、待機児童の解 消を重点課題に据えた保育の拡充が、子どもの幸福増進を目指したものであるかとい う懸念の声もあがった(田村 2008,太田 2009,実方 2012) 。このような中、国は 保育の量的拡大と質の確保を目指し、2013 年8月に保育の新制度「子ども・子育て支 援新制度」が制定された。これは、2015 年(平成 27 年)に本格的なスタートを目指 すもので、 「子ども・子育て支援法」 、 「改正認定子ども園法」 、 「児童福祉法の改正を含 む関連法律の整備法」の子ども・子育て支援関連3法に基づく制度のことである。新 制度は、児童期の学校教育・保育、地域の子ども・子育て支援の質・量を充実させる ものとし、幼保連携認定子ども園制度における二重行政の解消を行い、認定子ども園・ 幼稚園・保育所を通じた共通の給付を創設することにより、財政措置の充実を行うと いうものである(逆井 2013c) 。 家庭的保育は地域のニーズをふまえ、市町村の認可事業(地域型保育事業)として、 児童福祉法上に位置づけ、地域型保育事業給付の対象として、多様な施設や事業の中 から利用者が選択できる仕組みとした(厚生労働省雇用均等・児童家庭教育保育課 2012a,2012b) 。今後、少人数の低年齢の子どもを対象に実施する家庭的保育事業を 広く普及させるため、実施形態を現行の個人実施型に限らず、保育所実施型、家庭的 保育事業の複数ユニットで成り立つ保育形態(小規模保育C型)(注6)に広げる方向を 示している(福川 2013)。しかし、ここでも規制緩和が引き継がれ、家庭的保育事 業の実施主体に「児童福祉施設最低基準を満たす認可外保育施設」が加えられたこと により、NPO 法人や認証保育室などにも委託できることになった(福川 2011) 。 近々の課題である待機児童の解消を計画的に進めるものとして、新制度の施行を待 たずに、2013 年(平成 25 年)5月に地方自治体に対して、できる限りの支援を講じ る「待機児童加速化プラン」(内閣府 2012)が示された(図1) 。これは、市町村が 認定子ども園、保育所などを計画的に整備し、家庭的保育や小規模保育などの地域型 保育も組み合わせ、待機児童の解消を計画的に進めるものであり、 「ハコ」 「ヒト」等、 5本の柱が示された。そして、 「小規模保育」など新制度の先取りとして、施設型小規 模保育事業(利用定員6人以上、19 人以下)やグループ型小規模保育事業への運営費 21 の支援もスタートした(図2) 。 2013 年(平成 25)に厚生労働省が発表した待機児童数は、22,741 人(4月1日現 在)で、その内訳は3歳未満児が 18,656 人と全体の 82.0%にも上り(表2) 、3歳未 満児の入所希望が圧倒的に多いという状況となっている。なお、待機児童数の集計方 法であるが、旧定義では認可保育所に空きがないため、やむをえず認可外保育所に入 所していた子どももカウントしていたが、新定義では、このような児童を除外してカ ウントする方式が採用されており、2007 年度以降は、新定義の値であることから、潜 在的な需要数を考慮できていないことが指摘されている(村田 2012) 。新定義をふま えた上で、3歳未満児の待機児童解消が急がれるところである。しかし、保育の質の 維持については、現場の努力に委ねられているのが現状である。 表1 都市部とそれ以外の地域の待機児童数 利用児童数(%) 待機児童数(%) 7都府県・指定都市・中核市 1,200, 018人(54.1%) 18, 267人(80.3%) その他の道県 1,019,563人(45.9%) 4,474人(19.7%) 全国計 2,219,581人(100.0%) 22,741人(100.0%) 出典)厚生労働省 [保育所関連状況のとりまとめ(平成 25 年4月1日)]より転記 表2 年齢区分別の利用児童数・待機児童数 24年利用児童数(%) 24年待機児童数(%) 低年齢児(0~2歳) 827, 773人(37.3%) 18,656人(82.0%) うち0歳児 112, 373人(5.1%) 3,035人(13.3%) うち1・2歳児 715,400人(32.2%) 15,621人(68.7%) 3歳以上児 1,391,808人(62.7%) 4,085人(18.0%) 全年齢児計 2,219,581人(100.0%) 22,741人(100.0%) 出典)厚生労働省 [保育所関連状況のとりまとめ(平成 25 年4月1日)]より転記 22 保育ニーズのピーク 2013(H25)年度 2015(H27)年度 2017(H29)年度 2019(H31)年度 40万人 20万人 緊急集中取組期間 取組加速期間 緊急プロジェクト 新制度等による取組 ※財源を検討(「保育緊急確保事業」の活用など) 消費税財源確保 2年間前倒し 待機児童解消を 目指す 新制度スタート 市長村子ども・子育て支援事業計画の期間(2015~2019年度) 緊急プロジェクト 市町村子ども・子育て支援事業計画の期間(2015 年~2019 年) 図1 待機児童加速化プラン 出典)内閣府 [待機児童加速化プラン(平成 25 年6月 10 日)]資料 10-1より転記 地域型保育事業の位置付け 19人 小規模保育 認 可 定 員 事業主体:市町村.、民間事業者等 居宅訪問型 保育 6人 5人 家庭的保育 事業主体:市町村、民間事業者等 1人 保育の実施場所等 保育者の居宅その他の場所、施設 (右に該当する場所を除く) 事業所内 保育 事業主体:市町村、 民間事業者等 事業主体:事業主等 保育を必要とする 子どもの居宅 事業所内の従業員の子ども + 地域の保育を必要とする 子ども(地域枠) 図2 地域型保育事業 出典)厚生労働省[子ども・子育て会議基準検討部会(第 11 回)合同会議 議事次第(平成 25 年 12 月 26 日)]資料1より転記 23 表3 保育所に関わる規制緩和事項 年 度 規制緩和事項 1998(平成10)年度 短時間勤務保育士の導入容認/給食調理の業務委託容認 定員超過入所の規制緩和 (定員の弾力化)―年度当初10%、年度途中15% (育休明け20%)※ 1999(平成11)年度 定員超過入所の規制緩和の拡大―年度当初15%、年度途中25% (育休明けに産休明けを加え規 制撤廃)※ 2000(平成12)年度 保育所の設置主体の制限撤廃 2001(平成13)年度 2002(平成14)年度 短時間勤務保育士の割合拡大 (定員超過分) 定員超過入所の規制緩和の拡大―年度後半の制限撤廃※ 保育所の分園の条件緩和―定員規制および分園数規制の緩和 短時間勤務保育士の最低基準上の保育士定数2割未満の規制撤廃 2003(平成15)年度 児童福祉施設最低基準緩和―保育所の防火・避難基準緩和 2006(平成18)年度 認定こども園の制度化―実質的な規制緩和による保育に欠ける子の受入可能化 定員超過入所の規制緩和の拡大―年度当初の規制撤廃※ 給食の外部搬入の容認化―3歳以上児・公私ともに 最低基準の地方条例化に関わる地域主権一括法の成立 (2011年4月) 2011(平成23)年度 ・2013年3月末日までに、都道府県・政令市・中核市で条例化 ※最低基準を達成した範囲での緩和措置 2010(平成22)年度 出典)逆井直紀,2013, 「保育所の現状と課題」 『保育白書 2013』p.79 より転記 「子ども・子育て新システム」の先取りを兼ねた「待機児童解消『先取り』プロジ ェクト」は 2011 年(平成 23 年)から実施し始めているが、ここでも保育環境などの 規制緩和が引き継がれ、保育の質を懸念する声があげられている(逆井 2011,山戸 2012,日本弁護士連合会 2013) 。 一連の規制緩和(表3)による保育の質については、様々な視点からの議論が行わ れており、中でも子どもの生活面について、以下のような問題点が指摘されている。 1.保育環境の問題 保育所の定員数は、児童福祉施設最低基準によって児童1人当たりの面積が定めら れており、 (2歳未満児が 1 人当たり 1.65 ㎡以上、匍匐室は 1 人当たり 3.3 ㎡以上で、 医務室、調理室、便所を設けることとしている。2歳以上児については、保育室また は遊戯室が1人当たり 1.98 ㎡以上、屋外遊戯場は 1 人当たり 3.30 ㎡以上で、調理室、 便所を設けることとしている(村山 2011) 。保育所の定員数は、この基準面積によっ て定員数が決まるが、保育所の定員数を増やすために採られた弾力化の政策により、 従来は保育所定員数の算出時に考慮されなかったホールや職員室、廊下についても、 24 保育所の面積に加えることとなった。これにより面積を増やし、定員数の増加を図っ たのである(宮崎 2008) 。 2002 年(平成 12 年)には、待機児童の多い地域における保育所の園庭については、 2歳未満児のみを対象とした保育所には必ずしも必要ではないとし、近隣の公園など での代用が可能となった(庄司・尾木ら 2010) 。 また、保育所の給食については、2010 年6月の最低基準改正によって、公私立とも に外部搬入事業が容認されることとなり、保育所の調理室設置の基準は外された。 さらに、2010 年度からは、保育所の定員を超えた入所は概ね 15%とされてきた、年 度当初の超過規制が撤廃され、最低基準を達成していれば何名でも入所させることが 可能になった(山戸 2012) 。こうした「詰め込み」状態から、保育を利用している子 どもへの影響などが指摘されている(野辺 2010,宮崎 2008) 。 また、安価に設置・運営ができる認可外保育施設が注目され、認可外のまま活用す る動きも出ている(逆井 2013c) 。例えば、東京都は、駅ビルなどへの保育施設設置 を推進するために認証保育所制度を発足し、営利企業の参入整備を進めている(逆井 2013c) 。 全国社会福祉協議会(2009)は、保育所の設備基準の科学的検証及び保育環境・空 間の基準に関する調査研究を実施し、2歳未満児は1人当たり 4.11 ㎡以上(日本は、 乳児室 1.65 ㎡) 、2歳以上児は1人当たり 2.43 ㎡以上(日本は、1.98 ㎡)の面積が 必要であること、また、アメリカ(カリフォルニア州、ワシントン州) 、フランス(パ リ市、メーヌ・エ・ロワール県) 、ドイツ(ザクセン州、バイエルン州) 、スウェーデ ン(ストックホルム市)などと比較すると、相対的に見て日本は児童1人当たりの面 積基準が狭いこと、職員の配置基準は低く、とくにグループ規模が大きいことが明ら かになった。諸外国では、3歳未満児については、最大6名としており、小規模なグ ループ化が規定されている等を明らかにした。保育指針に基づき、子ども一人ひとり に応じたきめ細やかな保育を提供するためには、グループの小規模化が必要であり、 職員配置基準のあり方を保育実践に照らしながら改善していくことが今後の検討課題 であると結論づけている(全国社会福祉協議会 2009) 。 国は、東京都や横浜市、仙台市などの待機児童の多い都市部に限り、待機児童解消 までの一時的措置として、面積基準を自治体の条例で設定できるようにする方針を示 している(逆井 2013b) 。 25 幼稚園については、保育サービスの量的拡大のため、預かり保育も推奨されている。 預かり保育を実施している幼稚園は、1993 年(平成5年)では全体の 19.4%であった が、2005 年(平成 17 年)には 69.9%、2012 年(平成 24 年)には、96.7%にまで増 加した(ベネッセ教育総合研究所 2012) 。また、満3歳児の受け入れは、2007 年(平 成 19 年)には 55.9%であったが、2012 年(平成 24 年)は 63.4%に増加し(ベネッ セ教育総合研究所 2012) 、こうした保育の早期化・長時間化は、幼稚園が保育所の機 能も担うという事態になってきたことを示している。 上述のように、待機児童問題がより深刻なのは0~2歳児であるため、幼稚園での 受け入れには、園舎の大改築が必要になる。調理室や沐浴室、乳児室・匍匐室などを 新たに設置するためには、多大な費用がかかるうえ、預かり保育における人数の最低 基準は設けられていないことから、保育の質の低下につながる可能性も指摘されてい る(中山 2005) 。3歳未満の時期は、とくに個別的な丁寧な保育が求められるが、保 育の定員数の増加による子ども同士のトラブル発生の高まりや集団のざわめきの中で の保育、子どもの抵抗力の弱さによる集団感染なども懸念される。 また、子どもの事故については、小山(2011)によると、1991~2000 年までの 10 年間の認可保育所における死亡事故は、6名(17.1%)であったが、2001~2010 年ま での 10 年間では、6倍の 36 名(35.6%)となった。過去 20 年間の保育所数の推移を 10 年ごとに比較すると、1991 年では、全保育所数 22,668 か所、2000 年では、22,199 か所で、469 か所が減少した(全国保育団体連絡会 2013) 。また、2010 年には、21,681 か所となり、518 か所減となった(全国保育団体連絡会 2013) 。保育所数の推移と子 どもの死亡事故率の増加について、小山(2011,2013)は認可保育所の大規模化、民 営化、定員を超えた詰め込み、職員の非正規化などをその原因としてあげている。 待機児童対策のための量的にのみ特化した保育の拡大は、保育の質の他にも、子ど もの安全・健康の低下をもたらす危険性がある。 2.保育士不足の問題 短時間保育士(1日6時間または月 20 日勤務)の導入や保育士の非正規化に伴い、 若い保育士の短期での入替えに拍車がかかっている(野辺 2010) 。その原因として、 待遇の悪さや利用者への変化への対応、職場の人間関係などによるストレス、重労働、 保育の継続性の喪失などが指摘され、人材不足が懸念されている(沢村 2013) 。 26 非正規保育士の割合について、公立保育所では全体の「40%~60%未満」が 39.2%、 「60%~70%未満」が 21.2%、私立保育所では、全体の「40%~60%未満」が 26.4%、 「60%~70%未満」 が 24.3%であった (全国社会福祉協議会・全国保育協議会 2012) 。 非正規雇用の保育士は、臨時的、補助的な仕事だけではなく、本来正規職員が担うべ き継続的かつ専門的な仕事も担っており、また、臨時・パート職員を含む複雑なシフ ト勤務による保育を行っているという実情もある(小山 2011) 。 保育士の年齢については、公立では平均 37.0 歳、私立では平均 31.4 歳であった。 年代別にみると、 公立では 50 歳代が最も多く 31.9%、 次いで 30 歳代が 25.4%であり、 私立では 20 歳代が最も多く 42.6%、次いで 30 歳代が 25.1%であった。また、勤務年 数については、公立では平均 12.9 年、私立では平均 6.2 年であった(全国社会福祉協 議会・全国保育協議会 2012) 。私立の保育士は、公立の保育士より年齢が平均 6.4 歳 若く、平均勤務年数については公立の半分程度であった。また、私立の保育者の年齢 構成は、20 歳代に偏っていた(全国社会福祉協議会・全国保育協議会 2012) 。 つまり、私立の方が、保育士の入替わりが激しいということである。保育士の勤務 年数が少ないと、経験を積んでスキルアップしていく可能性が低くなり、保育士の全 体的な質の向上にも支障が出るといえる。 子どもの健康生活、安全面の視点から、個人差が大きい3歳未満児の発達特性を鑑 みると、一人ひとりの子どもに対する丁寧な関わりが必要である。とくに、0歳児は 保育所保育指針(厚生労働省 2008)にも記載されている通り、応答的に関わる特定 の大人の存在が重要である。田宮(2013)は、保育施設では、保育者を安全基地とし て心の中にイメージできるようになると、安心して保育所で生活することが可能とな り、新しいことにもチャレンジできるようになると述べており、1,2歳児にも個別 的な関わりが必要である。特定の保育者の重要性を鑑みると、シフト制による交代勤 務や、保育士の経験年数の少なさ等が子どもの発達に与える影響も懸念される。 3.保育時間の問題 2011 年6月、児童福祉施設最低基準の一部改正の省令が厚生労働省から出され、保 育所における保育時間については、1日につき8時間を原則とし、その地、乳幼児の 保護者の労働時間、家庭の状況等を考慮して、保育所長がこれを定めることとした(第 34 条設置の基準) 。また、開所時間については、11 時間まで可能であるとし、11 時間 27 を超える保育を延長保育として補助対象にしている。2011 年の調査では、延長保育(11 時間以上開所)を実施している保育所は全国で 16,121 か所あり、全体の7割以上を占 めた他、 延長保育の実施率は、 10 年前と比較すると約2倍となっている (実方 2011) 。 公立保育所の開所時間は平均 11.1 時間、私立では 12.0 時間で、私立の方が長時間で あり、公立・私立を合わせた平均は、11.6 時間であったが、いずれも年々保育時間が 長時間化する傾向にあった(全国社会福祉協議会・全国保育協議会 2012) 。 保育所の開所時刻は 2011 年現在、公立・私立ともに「7時台」の割合が9割以上を 占めていた(全国社会福祉協議会・全国保育協議会 2012)。閉室時刻は、公立では 18 時台と 19 時台でそれぞれ4割を占めていたが、私立では、19 時台が7割を占めて いた(全国社会福祉協議会・全国保育協議会 2012) 。保護者の就労形態も多様化し、 保育所は乳児保育や休日保育、夜間保育、早朝保育、病後児保育など、保護者のニー ズに即した様々な保育サービスの提供が求められている(全国社会福祉協議会・全国 保育協議会 2012) 。近年、一部ではあるが、延長保育とともに夕食の提供を実施して いる保育所も報告されるようになった(小口 2012) 。 保育所における保育業務は拡大を余儀なくされており、保育所に求められる社会的 保育の役割はますます大きくなっている。 子どもは1週間に 50 時間を超える時間を保育所で過ごしていることになる。つまり、 大人の基本的な就労時間より長い時間を保育所で過ごすことになり、長時間保育によ る子どもの健康生活への影響 (秋山 2011, 塩谷 2007) や親子の関係性や Attachment 不足などが懸念されている(萩原 2013) 。萩原(2013)は、Attachment 関係につい て、形成期である3歳未満の時期における養育者や保育者との関係性は非常に重要で あり、青年期にまで影響することを示唆している。近年の保育所の保育時間は長時間 化しており、交代勤務による子どもと保育者の関係性も懸念される。 保育所の開所時間や延長保育、休日保育、夜間保育などの多様な保育サービスを選 択するのは保護者であるが、実際に利用するのは子どもである。選択権のある保護者 の利益優先が進行している現状がある。 4.保護者支援に関する問題 1994 年に策定されたエンゼルプラン以降、 「子育て支援」という言葉がクローズア ップされたが(成田 2011)、今や子育ては親だけではなく、社会全体で担っていく時 28 代となった。 鯨岡(1997)は、 「子育てはもともと分からないことを含み、誰かの援助を期待せざ るを得ないものである。これは援助する側にとっても生きるという大切な営みに相違 ない。新しく親になった人の両親やそのきょうだい、あるいは近所や地域の人たちな ど、子育ての経験をもつ人が行ってきたもので、経験の引き継ぎという性格をもち、 文化の世代間サイクルという性格をもっているが、昔のような自然な形で子育ての支 援ができなくなった現状がある」と述べている。核家族化や少子化が進み、地域社会 が変容してきた現代、鯨岡(1997)が述べる通り、日本の古き良き時代から脈々と行 われてきた日本の子育ての営みは、現在、家庭や社会の中で自然に継承されていくこ とが困難になった。 2008 年に改定された保育所指針では、保育所の役割として乳幼児の「発達支援」 、 「地 域の子育て支援」 、 「子どもの保護者に対する保育に関する指導を行う」と示されてい る。保育所は、親になる以前に、乳幼児と触れ合う機会や子どもが育つ様子に間近に 接する経験もないまま親になった保護者に対し、親として成長できるような支援をし ていく役割も担っている。 とくに、初めて子どもである3歳未満児をもつ保護者に対しては、保育所としても 子どもの安全を守り、健康に育てていくための子育ての基本を教えていく必要がある。 これは、保育所が親の子育ての肩代わりをするのではない。親が子どもと共に健康的 な生活を営む中で、親としての成長を支援しなければならない。また、育児不安や虐 待防止対策においても、保護者支援としての責務は重要である。保育士の専門性が期 待されるところである。 5.育児休業をめぐる問題 共働き世帯数が増加する一方で、出産前後で就業を継続している割合は増加してお らず、第1子妊娠前に就業していた女性の6割が出産退職をしている現状がある(稲 川 2013) 。1990 年代以降の保育を巡る政策として、仕事と子育ての両立を重視した 少子化打開のための保育行政が進められてきた。育児休業法もその一つである。1991 年(平成3年) 、全ての職種の男女労働者を対象に、「育児休業に関する法律」が成立 した。これにより、労働者が請求すれば、育児休業がとれるようになり、事業主には、 育児休業の付与、労働時間の短縮などの対応が求められるようになった。1997 年(平 29 成9年)には、 「育児休業、介護休業等育児又は介護を行う労働者の福祉に関する法律」 に改称され、育児、介護を担う男女労働者に対する、休業と労働時間短縮の権利を認 める法律となった。2014 年には、原則1年間、最長1年6か月の育児休暇期間が認め られている。しかし、問題は、対象となる労働者の扱いと、休業中の所得である。育 児休業法では規定はなく、各企業の就業規則に任されている。休業中に賃金が支払わ れない場合、あるいは、減額される場合は、雇用保険として、休業時の賃金の半額を 上限に給付金が支給されるが、経済的負担は解消されず、育児休業制度の活用が広が らない理由となっている(稲川 2013) 。安倍首相が「育児休暇3年」の推進を成長戦 略の軸に据え、注目されたが、その内容での法改正は行われず、企業の自主的な取り 組みを求めるものでしかなかった(稲川 2013) 。 育児休業制度の利用は徐々に広まっているものの、出産後に育児休業制度を利用し て就業を継続する割合は、17.1%とまだ低い(稲川 2013) 。今後、制度の充実を図る ことにより、育児休暇明けの1歳児、1.5 歳児の保育ニーズは今後さらに高まること が予想される。 育児休暇後の子どもの保育施設であるが、とくに、小規模保育は認可保育所の空き を待つ期間だけ利用するケースもあり、入所児の変動が激しい保育施設もある(家庭 的保育研究会 2011) 。子どもの保育場所が頻繁に変わることがないように、育児休暇 後の保育の場を保障していく必要がある。また、育児休暇明けの子どもを受け入れる 保育施設は、子どもの家庭での育児状況を十分に把握し、母子分離がスムーズにでき るよう、子ども一人ひとりへのきめ細かな配慮が必要である。近年の社会環境、生活 環境を鑑み、1歳、1.5 歳児の育児休暇明けの子どもや保護者にとって、望ましい保 育のあり方を社会全体で模索していく必要がある。 30 第3節 3歳未満児の生活習慣研究の必要性と問題点 3歳未満の時期は、生涯にわたる健康生活の基盤づくりの時期である。健康生活は、 睡眠・運動・食事(鈴木 1990,前橋 2011a,厚生労働省 2013)の生活習慣が生命 的な行為として日常的に繰り返されるものであり、獲得までの過程では自律心が醸成 され、生涯にわたって主体的に生きていくための力が養われる。そのため、自己を確 立していく発達の過程でもあるといえる。また、この時期に、脳は言語や社会・情緒 的スキルの発達に不可欠な基本的パターンも獲得することから、子どもの健康生活を 保障することが重要である。しかし、近年の子どもの生活習慣は、社会全体の夜型化 や保護者の生活の影響(泉・前橋・町田 2011a)等により、子どもの生活が乱れ、幼 児期でさえも精神的疲労症状を訴える子どもの存在が報告されている(前橋・石井ら 1997) 。 子どもの健康生活習慣に関する調査は、1970 年代からすでに実施されており、1970 年代後半には、すでに遊べない子どもや無気力な子ども、生活リズムの乱れた子ども の増加の指摘により、子どもの心とからだの育ちに警告が発せられていた(服部 2010) 。1980 年(昭和 55 年)には文部科学省から、子どもから大人までの基礎体力不 足が報告された。保育現場では、1990 年代頃から保育園や幼稚園を問わず、子どもの 育ちの問題として、 「アレルギーの増加」 「疲労の提訴」 「転んで手が出ず顔面の怪我の 増加」 「友達との関係性が築かれない」等が報告され、自律神経機能や大脳前頭葉機能 の発達不全なども指摘されるようになってきた(子どものからだと心・連絡会議 2011)。また、幼児期の体力・運動能力は、近年、向上してきた項目もあるが、1970 年代と比較すると依然と低下しており(杉原・森・吉田 2007) 、身体活動量の低下も 報告されている(前橋 2008c) 。 健康生活を営む上では、睡眠、食事、運動の3要素がバランスよく整えられている ことが重要である(鈴木 1990,前橋 2012,厚生労働省 2013) 。しかし、近年の子 どもの健康生活を鑑みると、すでに3歳未満の時期から、睡眠、食事、運動の問題が 見られる(神山 2009,日本小児保健協会 2011) 。 3歳未満児の健康生活の問題点として、健康を支える睡眠習慣、運動習慣、食習慣 の生活習慣の問題が指摘されている。 1.3歳未満児の睡眠習慣をめぐる問題点 31 睡眠は、ヒトが生きていく上で欠かすことができない健康に関わる重要なファクタ ーである。近年の保育所保育児を対象とした生活習慣調査では、加齢と共に遅寝、短 時間睡眠の傾向が検証されている(泉・前橋 2008,全国子どもの健康実態調査委員 会 2010,2011,前橋 2011a,2012a) 。 また、遅寝・短時間睡眠の子どもは、母親の生活スタイルに子どもの生活が影響さ れている(村松 1993,泉・前橋・町田 2011a)こと、注意集中の困難さや精神的な 疲労の訴えが多い(佐野・松尾・前橋 2012)こと、朝の排便がみられず不規則であ る(泉・前橋・町田 2011b)こと、テレビなどのメディア視聴時間が長い(服部・足 立ら 2004)こと等が明らかになっている。 成長期にある子どもの睡眠の重要性は、多くの研究者によって報告されているが、 とくに、3歳未満児の睡眠について、Touchette E・Côté, Sylvana M・Petit D,et al (2009)による研究では、乳幼児早期に短時間睡眠であった子どもは、十分睡眠をと っていた子どもより、6歳の時期において多動の率が高いことが報告されている。ま た、Yokomaru A, et al(2008)の研究では、3歳未満の時期の夜更かしや不規則な睡 眠習慣が、睡眠時間に関わりなく4~6歳の時期に問題行動をもたらす可能性がある ことも明らかにされている。 神経科学を背景とした Kohyama J(2002)の研究では、遅寝の子どもは、早寝の 子どもより、朝のメラトニン濃度が低い傾向になることを明らかにしている。メラト ニンは、 「抗酸化作用」や「リズム調整作用」 、 「性的な成熟の抑制」などの働きがあり、 生後1~5歳時期に、生涯のうちで最も多く分泌される。また、朝目覚めてから 14~ 16 時間後、夜間に暗くなると分泌されることから、遅寝で明るい部屋で過ごす乳幼児 期の子どもたちは、本来十分に分泌されるべき時を逸してしまうことによる身体への 影響が懸念されている(Kohyama J 2002) 。また、成長ホルモンや自律神経(交感 神経、副交感神経) 、体温、心拍数、血圧などの生理機能は脳内の体内時計(視交叉上 核)で制御されている(神山 2011a) 。体内時計は地球の1日の長さ(24 時間)より わずかに長く、生後1か月過ぎると機能し始め、生後3か月近くになると、朝の光に よる同調作用が機能し、起床時刻や就寝時刻が一定してくるといわれている(神山 2011a) 。反対に、夜間の光は体内時計を延長させることから、就寝時刻が遅くなり体 内時計と地球時間とのズレが拡大し、時差ボケと同様の状態を呈するようになること が指摘されている(神山 2011a) 。3歳未満の時期からの早寝、早起き、睡眠の重要 32 性はここにある。 乳幼児期からの生活習慣と健康に関する調査研究では、 「富山出生コホート研究(富 山スタディー) 」に示されている(関根・山上・沼田ら 2001) 。研究によると、3歳 の時に 21 時以前に寝ていた子どもの 56.8%は、小学4年生になっても就寝時刻が 21 時 30 分より前という早寝の傾向にあり、また、逆に3歳の時に 22 時以降に就寝して いた子どもの 42.0%は、小学4年生なっても 22 時以降に就寝しており、3歳までの 睡眠習慣はその後も継続する傾向にあることが示唆されている(濱西・関根・立瀬 2011) 。富山スタディーの研究を行った関根・山上・沼田ら(2001)は、子どもの睡眠 習慣は低年齢児期からすでにパターン化がスタートしており、中学1年生の時ではす でに生活の質との強い関連が見られたことからも、望ましい睡眠の確立は、早いほど 有効であると説き、早期からの睡眠習慣作りの必要性を述べている。 上記の通り、3歳未満の時期に健康的な睡眠習慣を確立することは、将来の健康生 活に繋がる重要な意味をもつといえる。 神山(2011c)は、子どもが健康的な生活を営むための「早寝、早起き、朝ごはん」 の必要性を説き、子どもの生活習慣改善の啓発活動を国をも巻き込んだ国民運動へと 展開している(文部科学省 2006) 。この啓発活動は、2000 年から 2010 年にかけての 10 年間で、22 時以降に就床する子どもの割合を減少させた(神山 2011c) 。しかし、 神山(2009)がアジア太平洋小児睡眠連合(Asia Pacific Paediatric Sleep Alliance: APPSA)の一員として、世界 17 か国の0歳から3歳未満児の養育者に行った睡眠調 査(午睡と夜間の睡眠時間)では、日本は最も短く、最長のニュージーランドとの差 は、101 分であった。また、ニュージーランド、オーストラリア、イギリス、アメリ カ、カナダ、タイ、フィリピン、インドネシア、中国の3歳未満児の午睡時間は、日 本より長くとっていたが、夜間の就床時刻は、日本より早かった(表5) 。この調査を 行った神山(2011a)は、午睡後から夜間の就床時刻までの生活習慣(午睡後の活動や 夕食時刻、メディア接触時間など)の詳細な分析の必要性を唱えている。 神山(2011a)は文献に基づき、子どもに必要とされる睡眠時間について、生後3~ 5か月は 14 時間、1歳児 13 時間、2~3歳児 12 時間であることを示し、これらの睡 眠時間が生理的に必要な睡眠時間かどうかは不明であるとしている。しかし、上記、 いずれを基準にしても日本の1,2歳児の睡眠時間は、短いといえよう。島田ら(1999) の睡眠時間に関する経年変化の文献研究によると、1歳児の 1993~1995 年の値は、従 33 来より1~2時間減少していた。 日本の3歳未満児の睡眠時間は、国際的にみても短く、健康生活を営むための睡眠 の重要性を鑑みると、問題とするところである。 表5 世界 17 ヶ国で0~36 ヶ月児の養育者に実施した子どもの睡眠調査結果 (n=29,287) 国あるいは地域 オーストラリア カナダ 中華人民共和国 香港 インドネシア インド 日本 韓国 マレーシア ニュージーランド フィリピン シンガポール タイ 台湾 英国 米国 ベトナム 昼寝時間 (時間) 2.99 2.90 3.00 3.14 3.36 3.41 2.19 2.49 3.27 2.70 3.53 3.11 2.81 3.34 2.61 3.18 3.67 総睡眠時間(昼寝+夜間) 就床時刻 (時間) 13.16 19:43 12.87 20:44 12.49 20:57 12.16 22:17 12.57 20:27 11.83 22:11 11.62 21:17 11.90 22:06 12.46 21:47 13.31 19:28 12.69 20:51 12.36 21:38 12.71 20:53 12.07 22:09 13.10 19:55 12.93 20:52 12.99 21:44 出典)神山 潤[日本小児科学会雑誌 115(12),pp.1870-1879,2011 年より転記] 2.3歳未満児の食習慣をめぐる問題点 食事も睡眠と同様に、健康生活を送るための重要な要因である。 また、0~3歳時期は、大人食に向けての食習慣および味覚が形成される重要な時 期でもある。日本小児保健協会の調査でも、子どもの食事についての心配ごととして 「好き嫌いが多い(偏食) 」は、1歳児で 8.3%、1.5 歳児で 16.9%、2歳児で 21.6%、 3歳児で 28.4%と加齢と共に増加傾向にある。4歳児では、71.0%に「食物の好き嫌 い」がみられ(日本小児保健協会 2011) 、厚生労働省(2004)の「保育所における食 育に関する指針」の「食べたいもの好きなものが増える子ども」と相反する結果であ った。また、 「よく噛んで食べるか」については、3歳児の 28.0%が「いいえ」であ り(日本小児保健協会 2011)、保育所の全国調査では、「あまり噛まないで食べる」 「口の中に残っている」等の摂食機能に関する問題が、0歳以上~3歳未満児で約2 34 ~3割、3歳以上~6歳未満児でも約1~2割にみられ(前橋 2012) 、「偏食」と同 様に解消されないままの状況である。 佐々木・村上(2010)は、とくに、3歳までの味覚の体験が一生継続することを指 摘し、これは、味覚の体験学習により、大脳辺縁系に感応された脳細胞が出現するた めであると述べている。言い換えると、3歳までに脳内活動で主導的な大脳辺縁系に、 幅広い味覚嗜好性を定着させることが、一生涯偏らない食行動の基礎づくりとなると 説き、そのためには、素材を生かした薄味が適しており、食体験の乏しい幼児の食べ る意欲や興味を強化する因子として、空腹と周囲からの働きかけの必要性を示唆して いる(佐々木・村上 2010)。乳児期から大人食への移行期である3歳未満の時期は、 食習慣の形成から見ても重要な時期であるが、上述のように偏食や摂食機能に関する 課題があるといえる。 また、食事は光と共に体内時計(視交叉上核)の同調因子といわれ、とくにバラン スのよい食事は朝の光と同様に体内時計のリセット効果が高いことが説かれている (田原・柴田 2011) 。保育所保育児の朝食摂取状況については、全国子どもの健康実 態調査委員会(2010)によると、朝食を毎日摂る子どもは、1歳児 88.7%、2歳児で 87.2%、3歳児 84.9%、4歳児で 87.3%、5歳児 89.6%、6歳児で 89.1%と、いず れも 90%に満たなかった。 朝食は上述の体内時計(視交叉上核)の同調因子の他に、日中活動するための脳へ のエネルギーの補給や生活習慣病の予防、朝の排便の促進など、その重要性が指摘さ れている(神山 2011d) 。朝の排便は自律神経に関わることとして、前橋(2010)は 健康福祉学の視点から、また、神山(2011a)は神経科学の視点から、共に朝の排便習 慣の重要性を述べている。しかし、朝に排便が見られる子どもは、5.5%~14.0%と低 率である(松尾・泉ら 2012) 。 健康生活を送るための生活習慣形成は、乳児期からスタートしているが、就寝時刻 の遅さによる食リズムの乱れや朝食摂取、偏食、咀嚼摂食機能、朝の排便などの状況 を鑑みると、3歳未満児の食生活が懸念される。 3.3歳未満児の運動習慣をめぐる問題点 近年、子どもの体力低下(杉原・森・吉田 2007,森・杉原・吉田・筒井ら 2010, 赤堀 2011)や基本的動作の習得の遅滞(中村・武長・川路ら 2011)が指摘されて 35 いる。日本小児保健協会の 10 年ごとの調査(家庭児、保育所保育児全て含む)では、 1~1歳5ヶ月の「階段を這い登る」の通過率は、昭和 55 年値で 84.0%、平成 22 年 値で 78.0%、2歳児の「ピョンピョン跳ぶ(両足跳び) 」は、昭和 55 年値で 89.0%、 平成 22 年値で 77.0%と下がっている(日本小児保健協会 2011) 。また、子どもの体 力の二極化が進行していることも指摘されており(平川・高野 2008,豊島 2006) 、 幼児期からすでに体力に差が出ていることも明らかになっている(春日・中野ら 2010) 。運動を好んで行う群と好まない群の二極化現象は、3歳未満の時期からの身体 活動経験の差であることが示唆されており(鈴木・上地ら 2005) 、この時期の運動経 験は、その後の体力・運動能力にもつながる非常に重要な要因である。 カナダの乳幼児期の子どもに対するガイドライン(JD.Barnes・RC.Colley・ MS.Tremblay 2012)は、身体活動を促すために、日中の静的な活動時間を最低限に する必要があるとしており、ベビーカーやイスの使用は、一度に1時間以上にならな いように注意喚起を行っている。日本の研究では、子どもが3歳に達しても約4割が ベビーカーを使用しているという報告がある(Fukutomi K・Kasuga K 2013) 。3 歳未満の時期は歩行が開始し、様々な運動技能の基礎となる「初歩的な運動能力の段 階」である。この時期に十分に身体を動かせる環境を整えることは重要である。 また、テレビ・ビデオ視聴時間と体力・運動能力には関係があり(長谷川・前橋 2010) 、 長時間視聴は、保健指導の際の留意事項となっている。しかし、子どもにテレビ・ビ デオを「見せている」が、94.0%であり、加齢と共に長時間視聴の傾向にあった(日 本小児保健協会 2011) 。また、1日4時間以上は1歳児から全ての年齢で約1割あっ たことから(日本小児保健協会 2011) 、長時間視聴の習慣化が懸念される。 子どもの健康生活には、日中の十分な遊び(運動習慣)と、空腹感を得ることによ り美味しく食べられる(食習慣) 、夜になると、日中の快い疲れが早めの就寝を促し、 質の良い眠りにつくことで、早起きとなる(睡眠習慣) 、そして、快い朝の目覚めと朝 食摂取、朝の排便に連動するという生活サイクル(佐野 2011)が必要である。 以上、3歳未満児の健康生活を支える睡眠習慣、食習慣、運動習慣を鳥瞰したが、 これらの生活習慣に大きな問題点が指摘された。また、保育については、待機児童解 消のための様々な規制緩和による保育の質も問われ、子どもの健康生活が危惧された。 本研究では、これらの問題点について、健康福祉の視点からアプローチしていくも のである。 36 【注】 (注1) 「家庭的保育のあり方に関する調査研究(1)~(6) 」日本子ども家庭総合 研究所や「保育の質の評価に関する研究」保育科学研究などがある。その他、 先行研究として、本論、第1章3節に載せた。 (注2)広域調査研究では、ベネッセ次世代育成研究所の『幼児の生活アンケート』 や、全国子どもの健康実態調査委員会が実施している「幼児の生活実態(全国 保育園) 」などがある。また、日本小児保健協会の「幼児健康度調査」があるが、 これは、家庭で養育されている子どもや保育所、その他全て含まれている。 (注3) 「こどもの健康福祉研究」 (明研図書発行)は、2003 年創刊され現在に至る。 従来は年1回の発行であったが、子どもを対象とした健康福祉に関する研究報 告が多く寄せられ、2014 度より年、2回の発行となった。 (注4)認定子ども園は、 「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推 進に関する法律」 (平成 18 年法律 77 号)に基づき、2006 年(平成 18 年)10 月 1日から設置された保育施設。保護者の就労の有無などに関わらず入園が可能。 (注5)家庭的保育者とは、 「市町村長(特別区の区長を含む)が行う研修を修了した 保育士その他厚生労働省令で定めるものであって、これらの乳児または幼児の 保育を行う者として、市町村長が適当と認めるものをいう」。家庭的保育事業ガ イドラインでは、保育者が受講すべき「基礎研修」が示されているが、3歳未 満児を対象としたものであり、ガイドラインの留意事項において、 「3歳以上児 を対象に家庭的保育事業を実施する場合は、3歳以上児の発達や保育に関する 内容に留意した研修を実施すること」と明記されている(家庭的保育研究会 2011) 。本研究では、家庭的保育児を3歳未満児と限定した。 国庫補助事業として自治体が実施する(国型)は、家庭的保育者全員に基礎 研修が義務付けられており、さらに、現任研修や家庭的保育支援者の研修も奨 励されている。各地で研修事業が奨励されており、保育の質の向上が期待され ている。 (注6)小規模保育は、新制度の5つの柱の一つである。これは、3歳未満児を対象 とした保育形態で、 「子ども・子育て支援新制度」の地域型保育に位置づけられ ている。利用定員6名以上、19 名以下の保育で、A型・B型・C型に3分類し、 それぞれの施設の職員配置や面積の基準を設け、運営費などを国の財源から補 37 助するという仕組みである。空き教室や公民館、空き店舗などでも開所できる ことから待機児童の受け皿として期待されている。新制度は 2015 年4月からで あるが、小規模保育の認可制度は、2008 年度より前倒しで実施している。 【引用文献】 秋山千恵子,2011, 「保育政策研究委員会企画シンポジウム」 『保育学研究 』49(3) , pp.69-70. 赤堀光哉・征矢英昭,2011, 「運動生理学からみた子どもの知力と体力」 『子どもと発 育発達』2,pp.80-81. 朝倉 洸・前橋 明,2012,「幼児の生活習慣と体力・運動能力との関連性」『幼児体 育学研究』4(1) ,pp.33-40. ベネッセ教育総合研究所,2012, 「第 2 回幼児教育・保育についての基本調査」 『ベネ ッセ教育情報サイト,benesse.jp』berd.benesse.jp/jisedai/research/detail Brandon Keim,2011,“It’s Official,To Protect Baby’s Brain, Turn Off TV”, American Academy of Pediatrics http://www.wired.com/2011/10/infant-tv-guidelines/ Fukutomi K・Kasuga K,2013,“Creating Stroller Guidelines to Ensure Appropriate Physical Activity:Rearing Active Children from Infancy”SSF スポーツ政策研究, 2(1),pp.287-294. 福川須美,2011,「家庭的保育事業」全国保育団体連合会・保育研究所編『保育白書 2011』ひとなる書房,pp.77-80. 福川須美,2013,「家庭的保育事業」全国保育団体連合会・保育研究所編 『保育白書 2013』ひとなる書房, pp.76-78. 呉 賢玉・金 成宰,2011, 「韓国の慶北地域の幼児の身体健康と基本生活習慣との関 連」 『子どもの健康福祉研究』15,pp.153-158. 萩原英俊,2013, 「3歳未満児保育から見た、親子関係が、青年期前後の人格形成に及 ぼす影響について その1. 精神分析学の流れをくむ、 Bowlby の Attachment 理論や、 Erikson の Life cycle 理論から見た保育問題」 『淑徳短期大学研究紀要』 52, pp.43-60. 服部伸一・足立 正・嶋崎博嗣・三宅孝昭,2004,「テレビ視聴時間の長短が幼児の 生活習慣に及ぼす影響」『小児保健研究』63(5),pp.516-523. 38 服部伸一,2010, 「子どもの健康問題の変遷」 『幼少児健康教育研究』16(1),pp.92-98. 濱西島子・関根道一・立瀬剛志,2011, 「子どもの睡眠リズムとおとなの睡眠リズム- 小児期の睡眠リズムの社会背景と継続性、その健康影響について-」 『子どもと発育 発達』9(1) ,pp.4-7. 平川和文・高野 圭,2008, 「体力の二極化進展において両極にある児童生徒の特徴」 『発育発達研究』37,pp.57-67. 稲川登史子,2013,「増える共働き世代と育児休業法」全国保育団体連合会・保育研 究所編『保育白書 2013』ひとなる書房,pp.9-10. 井上昌次郎・白川修一郎・神山 潤・清水徹男・杉田義郎・稲見康司,1999, 「初心者 のための基礎と臨床」 『睡眠科学・医療専門研修』日本睡眠学会テキスト,pp.1-16. 泉 秀生・前橋 明,2008,「神奈川県の子どもたちの生活実態とその課題」『食 育学研究』3,pp.1-33. 泉 秀生,前橋 明,町田和彦,2010,「幼児の生活実態に関する考察-保育園児の 朝食欠食と生活要因との関連-」『運動・健康教育研究』 18(1),pp.17-27. 泉 秀生・前橋 明・町田和彦,2011a, 「幼児の生活実態に関する研究-保育園5・ 6歳児とその保護者の1週間の生活記録分析-」 『 保育と保健 』17(2) ,pp.75-79. 泉 秀生・前橋 明・町田和彦,2011b, 「朝の排便時間帯別にみた保育園 5・6 歳児の 生活実態」 『厚生の指標』58(13) ,pp.7-11. JD.Barnes ・RC.Colley・MS.Tremblay,2012,“Results from the Active Healthy Kids Canada,2011,Report Card on Physical Activity for Children and Youth”, Appl.Physical.Nutr.Metab.37,pp.793-797. 長谷川 大・前橋 明,2010, 「保育園幼児の生活状況と体力・運動能力に関する研究 -テレビ・ビデオ視聴時間とのかかわりを中心に―」『幼児体育学研究』3(1), pp.33-43. 家庭的保育研究会,2011a, 『家庭的保育の基本と実践』福村出版,p.11. 家庭的保育研究会,2011b, 「増補資料 家庭的保育事業ガイドライン」 『家庭的保育の 基本と実践 改訂版』福村出版,pp.5-12. 春日晃章・中野貴浩・小栗和夫,2010, 「子どもの体力に関する二極化出現時期―5歳 児に両極にある集団過去への追跡調査に基づいて―」 『教育医学』55,pp.332-339. 神山 潤,2009, 「日本の幼児の睡眠状況―国際比較調査の結果から―」 『小児保健研 39 究』68(2) ,pp.219-223. 神山 潤,2011a,「子どもの眠りの基礎知識」『日本小児科学会雑誌』115(12), pp.1870-1879. 神山 潤,2011b, 『子どもの睡眠外来』中山書店,pp.34-36. 神山 潤,2011c, 「早寝早起き朝ごはん―啓発活動の実際―」 『睡眠医療』5,pp.432-438. 神山 潤,2011d, 「発達睡眠生理学」 『子どもと発育発達』8(4) ,pp.248-253. 神山 潤,2011e, 「睡眠と子供の成長発達」 『公衆衛生』75(10) ,pp.774‐779. Kohyama J,2002,“Late nocturnal sleep onset impairs a melatonin shower in young children ”Neuroendocrinol Lett 23,pp.385-386. 厚生労働省,2000, 「健康日本 21」 www.kenkounippon21.gr.jp/kenkounippon21/about/ 厚生労働省,2001, 『精神・神経疾患研究委託費 睡眠障害の診断・治療ガイドライン 作成とその実証的研究班平成 13 年度研究報告書』 厚生労働省,2006, 「平成 17 年度乳幼児栄養調査 概要」 www.mhlw.go.jp/houdou/2006/06/h0629-1.html 厚生労働省,2008, 『保育所保育指針』フレーベル館,pp.19-20. 厚生労働省,2009, 『保育所保育指針解説』フレーベル館,pp.58-59. 厚生労働省,2010, 『第3回 21C 出生児縦断調査第8回(平成 21 年)21C 出生児縦断 調査結果概要』 www.mhlw.go.jp/toukei/list/27-8.k 厚生労働省雇用均等・児童家庭局 保育課,2012a, 「子ども・子育て支援制度に関する Q&A」 ,p.1.www8.cao.go.jp/shoushi/10motto/08kosodate/.../pdf/s7.pdf 厚生労働省雇用均等・児童家庭局 保育課,2012b, 「待機児童解消加速化プランの支援 パッケージについて」 ,p.5 www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/ 厚生労働省,2013,「健康日本 21(第2次)」,www.kenkounippon21.gr.jp/ 小山 修・尾木まり・庄司順一,2008, 「家庭的保育のあり方に関する研究(2) 」 『日 本子ども家庭総合研究所紀要』44,pp.65-92. 小山義夫,2011, 「保育施設における子どもの死亡事故」全国保育団体連合会・保育研 究所編『保育白書 2011』ひとなる書房,p.20. 小山義夫,2013, 「保育施設における子どもの死亡事故」全国保育団体連合会・保育研 究所編『保育白書 2013』ひとなる書房,pp.18-19. 子どものからだと心・連絡会議編,2011, 『子どものからだと心白書 2011』有限会社 40 ブックハウス・エイチデイ,pp.120-121. 鯨岡 峻,1997, 「子育て支援をめぐるいくつかの視点」 『発達』72,pp.1-10. 前橋 明・石井浩子・渋谷由美子・中永征太郎,1997, 「幼稚園児ならびに保育園児の 園内生活時における疲労スコアの変動」 『小児保健研究』56(4),pp.569-574. 前橋 明,2006, 『保育園児の健康福祉に関する研究』 「保育と保健」12(1),pp.31-35. 前橋 明,2008a, 『健康福祉学概論―健やかでいきいきとした暮らしづくり―』朝倉 書店,pp.1-6. 前橋 明,2008b, 「健康を支える福祉(2)」木村一郎編『 「健康福祉」人間科学』朝 倉書店,pp.184-195. 前橋 明,2008c,「近年の保育園児の身体活動量と睡眠との関係」『保育と保健』14 (2) ,pp.24-28. 前橋 明,2011a, 「子どもの健康福祉戦略 2011」 『食育学研究』6(2) ,pp.3-7. 前橋 明,2011b,同上,pp.71‐94. 前橋 明,2012, 『子どもの健康福祉学 子どもの生活リズム向上作戦』明研究図書, pp.1-14. 前橋 明,2012a,「子どもの健康福祉戦略 2012」『子どもの健康福祉研究』16, pp.103-111. 前田正子,2000, 「保育サービスの供給サイドから見た改革―民営化について―」 , 『社 会福祉研究』77,鉄道弘済会社会福祉部,pp.93-99. 前田正子,2006a, 『子育てしやすい社会』ミネルヴァ書房,pp.152-153. 前田正子,2006b, 『子育てしやすい社会』ミネルヴァ書房,pp.62-64. 松尾瑞穂・前橋 明,2007, 「沖縄における離島幼児の健康福祉に関する研究(Ⅰ)―石 垣島児の生活習慣とその課題―」 『食育学研究』2(1) ,pp.32-42. 松尾瑞穂・泉 秀生・前橋 明,2012, 「保育園幼児の生活実態(2010 年調査報告) とその課題」 『保育と保健』18(2) ,pp.61-67. 松村京子,1993, 「児童の生活リズムに関する研究(第3報)-母と子の生活リズム-」 , 『日本家庭科教育学会誌』36(1),pp.81-85. 宮崎元裕,2008, 「1990 年代以降の保育政策の変化とその問題点」 『愛知江南短期大学 紀要』37,pp.107-119. 水谷百合子,2011, 「保育所入所児童の年齢別割合」全国保育団体連合会・保育研究所 41 編『保育白書 2011』ひとなる書房,p.62. 水谷百合子,2013a, 「就学前の子どもの育つ場所」全国保育団体連合会・保育研究所 編『保育白書 2013』ひとなる書房,p.17. 水谷百合子,2013b, 「保育所入所児童の年令別割合」全国保育団体連合会・保育研究 所編『保育白書 2013』ひとなる書房,p.63. 文部科学省,2006, 「早寝早起き朝ごはん」国民運動の推進について http://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/asagohan/index.htm 本保恭子・中居麻有・前橋 明,2004, 「子どもの健康な発達と子育て環境」『子ども の健康福祉研究』2,pp.3-26. 森 菜緒・前橋 明,2011, 「幼児期から中学校期までの朝食摂取状況とその環境―2010 年度生活調査結果から―」 『子どもの健康福祉研究』16,pp.90-97. 森 司朗・杉原 隆・吉田伊津美・筒井清次郎・鈴木康弘・中本浩揮・近藤充夫,2010, 「2008 年の全国調査からみた幼児の運動能力」『体育の科学』60(1),pp.56-66. 村田 久,2012, 「待機児童解消と保育政策―総合子ども園のゆくえ―」 『ESTRELA』219, pp.40-45. 村山祐一,2011, 「保育所保育の公的責任」全国保育団体連合会・保育研究所編『保育 白書 2011』ひとなる書房,pp.54-55. 内閣府,2012, 「待機児童加速化プラン(平成 25 年6月 10 日) 」資料 10-1. 中井紀代子,2008, 「少子化問題と家族政策」 『共栄学園短期大学紀要』24,pp.53-71. 中島義明,2008a, 「 「人間科学」とは何か」中島義明・木村一郎編集, 『 「健康福祉」人 間科学』朝倉書店,pp.11-13. 中山 徹,2005, 『子育て支援システムと保育所・幼稚園・学童保育』かもがわ出版 成田朋子,2011, 「子どもの発達における家族の重要性について」 『名古屋柳城短期大 学研究紀要』 33,pp.50-51. 中村和彦・武長理栄・川路昌寛・川添公仁・篠原俊明・山本敏之・山縣然太郎・宮丸 凱史,2011, 「観察的評価法による幼児の基本的動作様式の発達」『発育発達研究』 51,pp.1-18. 中村強志,2011, 「少子化対策・次世代育成支援対策の動向と保育制度改革」全国保育 団体連絡会・保育研究所編『保育白書 2011』ひとなる書房,p.48. 日本弁護士連合会,2013, 「子どもの保育を受ける権利を実質的に保障する観点から子 42 ども・子育て関連三法(子ども・子育てシステム)が施行されることを求める意見 書」全国保育団体連絡会・保育研究所編『保育白書 2013』ひとなる書房,pp.211-203. 日本小児保健協会,2011, 「平成 22 年度幼児健康度調査 速報版」 『小児保健研究』 ,70(3), pp.448-457. 野辺英俊,2010, 「保育制度の現状と課題」 『調査と情報 』667,pp.1-11. 尾木まり,2006, 『平成 17 年度児童関連サービス調査研究報告書 在宅保育の効果に 関する研究-利用の効果および利用後の意識の変化』財団法人子ども未来財団, pp.1-16. 小口将典,2012, 「保育所給食の福祉的意義とその役割 名古屋市圏の夕食の提供から」 『人間福祉学会誌』12(1) ,pp.53-60. 大森豊緑,2005, 「ライフステージと健康管理」緒方正名監修・前橋 明編集『最新健 康科学概論』 ,朝倉書店,pp.110-117. 大宮勇雄,2013, 「保育制度・政策の原理と動向」全国保育団体連合会・保育研究所編 『保育白書 2013』ひとなる書房,p.54. 太田素,2009, 「 『保育の質』をめぐる研究動向と課題保育シンポジウムをふり返って」 『和光大学総合文化研究所年報』 ,pp.108-112. 小川雄二・中田典子,2011, 『食育』新日本出版社,p38. 李 京・李 清茂,2012, 「韓国仁川市における児童の生活状況とその課題」『子ども の健康福祉研究』17,pp.33-35. 逆井直紀,2011, 「認定子ども園幼保一体化」全国国保育団体連絡協議会・保育研究所 編『保育白書 2011』ひとなる書房,pp.91-96. 逆井直紀,2013a, 「深刻な保育所の待機児童問題」全国保育団体連合会・保育研究所 編『保育白書 2013』ひとなる書房,pp.59-60. 逆井直紀,2013b, 「保育所と規制緩和、地域主権改革」全国保育団体連合会・保育研 究所編『保育白書 2013』ひとなる書房,p.79. 逆井直紀,2013c, 「認可外保育施設の現状と新制度」全国保育団体連合会・保育研究 所編『保育白書 2013』ひとなる書房,pp.70-71. 逆井直紀,2013d, 「認定子ども園概要」 ,全国保育団体連合会・保育研究所編『保育白 書 2011』ひとなる書房,pp.90-92. 実方伸子,2011, 「保育所の現状と課題 保育所の開所時間と延長保育」全国保育団体 43 連絡会・保育研究所編『保育白書 2011』ひとなる書房,pp.60-61. 実方伸子,2012, 「子ども・子育て支援法で待機児童問題は解消され、保育サービスの 質は向上するのか」 『 保育改革と労働・貧困,新世代にための雇用問題総合誌』16, pp.104-117. 佐々木洋・村上直樹,2010, 「 「食」への支援」 『小児科臨床』l63 増刊号,pp.119‐126. 佐野裕子,2011, 「千葉県における保育園児の健康福祉に関する研究(Ⅰ)―野田市の 子どもの健康生活課題の分析―」 『幼少児健康教育研究』17(1) ,pp.17-29. 佐野祥平・松尾瑞穂・前橋 明,2012, 「幼児の良好な睡眠についての検討」『保育と 保健』18(1) ,pp.27-30. 沢村 直,2013, 「保育者の労働実態」全国保育団体連合会・保育研究所編『保育白書 2013』ひとなる書房,pp.68-69. 塩谷 香,2007, 「低年齢児保育実践における家庭との連続性について」 『和泉短期大 学紀要』28,pp.95-101. 島田三恵子・瀬川昌也・日暮 眞,1999, 「最近の乳児の睡眠時間の月齢変化と睡眠覚 醒リズムの発達」 『小児保健研究』58,pp.592-598. 島田三恵子・竜丘久枝・乾 つぶら・早瀬麻子・白井文恵・足立智美,2009, 「乳児の 睡眠の発達を促す育児法」 『保健の科学』51(1) ,pp.11-19. 杉原 隆・森 司朗・吉田伊津美,2007, 「1960 年代~2000 年代に至る幼児の運動能 力発達の時代変化」 『体育の科学』57(1) ,pp.69-73. 庄司順一・尾木まり・斎藤多江子・須永美紀・水枝谷早苗・糀澤早苗,2010, 「保育の 質の評価に関する研究」 『保育科学研究』1,pp.1-21. Simada M・Segawa M・Higurashi M・Akamatsu H,1993, “Development of the sleep and wakefulness rhythm in preterm infants discharged from a neonatal care unit”, Pediatr Res,33-2,pp. 159-163. Suzuki M・Nakamura T・Kohyama J・Nomura Y・Segawa M,2005,Children's ability to copy triangular figures is affected by their sleep-wakefulness rhythms, Sleep & Biological Rhythms,3 (1), pp.86-91. 関根道一・山上高司・沼田直子・濱西島子・陳 暁茉・飯田恭子・斎藤友博・吉村健 清・鏡森定信,2001, 「3歳児の生活習慣と小学4年次の肥満に関する6年間の追跡 研究―富山出生コホート研究より―」 『厚生の指標』48(8) ,pp.14‐21. 44 鈴木正成 1990, 『食生活論』同文書院,pp.60-61. 鈴木裕子・鈴木英樹・上地広昭,2005, 「幼児の身体活動評価尺度の開発:子どもアク ティビテイ尺度」 『体育学研究』50(5) ,pp.557-568. 田原 優・柴田重信,2011「日内リズムを作る身体のしくみ」 『子どもと発育発達』8 (4) ,pp.259-263. 田村和之,2008, 「家庭的保育事業は保育所保育の「補完」ではなく「代替」である~ 家庭的保育事業の法制化案への疑問」 『賃金と社会保障』1474,pp.15-22. 田宮 緑,2013, 『体験する・調べる・考える 領域人間関係』萌文書林,pp.34-65. 筑間綾香・前橋 明,2011, 「幼児の健康福祉に関する研究―機能性飲料の製造・販売 会社が保有する保育所の幼児の生活実態とその課題―」 『子どもの健康福祉研究』15, pp.54-74. 徳永幸子,2010, 「保育政策の変遷にみる児童養育の私事化」 , 『活水論文集 人間関係 学』49,pp.41-56. 豊島広之,2006, 「子どものスポーツ運動実施動態」 『体育の科学』56,pp.344-348. Touchette, Evelynel ・Côté, Sylvana M・Petit, Dominique・Liu, Xuecheng・Boivin, Michel・Falissard, Bruno・Tremblay, Richard E; Montplaisir, Jacques Y1,2009, “Short nighttime sleep-duration and hyperactivity trajectories in early childhood”,Pediatrics,124(5) ,pp.985-993. 中小企業総合研究機構,2008, 「第3章保育政策の歴史的展開と現在の保育制度」 『少 子化時代における中小企業と子育て関連ビジネスに関する調査研究』平成 20 年度通 巻番号 113,p.26. 植村尚志,2008, 「健康福祉を支える福祉」 ,中島義明・木村一郎編集, 『 「健康福祉」 人間科学』朝倉書店,pp.168-177. 山戸隆也,2012, 「保育政策における保育所の規制緩和と生活環境」『四条綴学園短期 大学紀要』45,pp.69-74. Yokomaru A・Misao K・Omoto F・Yamagishi・R・Tanaka K・Takada K・Kohyama J, 2008,“A study of the association between sleep habits and problematic behaviors in preschool children”,Chronobiology International,25(4) ,pp.549-564. 全国子どもの健康実態調査委員会,2010, 「幼児の生活実態―2009 年度報告―」 『食育 学研究』5(2),pp.36-58. 45 全国子どもの健康実態調査委員会,2011, 「幼児の生活実態-2010 年度報告-」 『食育 学研究』6,pp.73-94. 全国社会福祉協議会,2009, 「機能面に着目した保育所の環境・空間に係わる研究事業 研究結果の概要」 http://www.shakyo.jp/research /09kinokukenkyu.htm 全国社会福祉協議会・全国保育協議会,2012,『全国の保育所実態調査報告書 2011』 全国社会福祉協議会・全国保育協議会編著,pp.8-51. 全国保育団体連絡会・保育研究所,2013, 「資料9 保育所数・児童数の推移 」全国保 育団体連絡会・保育研究所編著『保育白書 2013』ひとなる書房,p.238. 【参考文献】 中村千代,2013,「家庭的保育に関する一考察―大阪市の保育ママ授業を中心に―」, 『保育研究』第 41 号,pp.15-22. 46 第1章 3歳未満児保育の変遷 第1節 社会的保育の変遷と現状 わが国の社会的保育の起源を遡り、保育の中心的供給主体である保育所の変遷につ いて、社会の動向や国の保育政策とあわせて概観したうえで、3歳未満児保育研究の 道筋を明らかにする。 1.保育の起源 日本の保育に関する最初の記述は、日本書紀の「乳母」であり、 「めのと(乳母)」ま たは「ちおも」と呼ばれる女性が、宮中や貴族の家庭で生まれた子どもの子育てにあ たっていた(中谷 1986) 。 戦国時代から江戸時代にかけて、武士の家庭における「めのと(乳母) 」は、仕える 主君の命令や家訓を忠実に守り、各家庭の教育観に従って立派に子どもを養育すると いう重要な役目を果たすようになった。そのため、厳しい道徳観や高い教養をもつ女 性が求められるようになり、乳母の候補は厳選されたようであった。 江戸時代になると、 「乳母」は「めのと」ではなく、「うば」と呼ぶようになった。 また、身分の高い人々だけではなく、裕福な町人も乳母を雇うようになったが、一般 の庶民の子育てについては、子守による保育が浸透していた。 子守は、きょうだいや近隣の人々の協力によるものの他、7歳くらいの女子が奉公 先の商家などで行うケースも多く、子どもの仕事の一つとしても広く認知されていた。 2.明治時代から大正時代の保育 明治時代になり、義務教育制度になると、子守の年齢が 11 歳以上から 13 歳以上に 制限されるようになった。しかし、実際には義務教育を受けることができず、子守を するケースが多くあり、就学率が思うように上がらなかった。また、義務教育を受け ていない無教育の子どもに乳幼児の養護をゆだねることによる乳幼児への悪影響や、 子守児童の不注意の結果、乳幼児に障害を負わせてしまう事故などの問題もあり、子 守児童自身のためにも乳幼児のためにも、国家政策上、子守児童の学校が必要であっ た(フリー百科事典 2013) 。 1880 年(明治 13 年)に、全国の都道府県に子守学校の設置が命じられ、子守をし 47 ながら学ぶことができる「子守学校」が設立された。その後、こうした学校は 41 の都 道府県に広がった。また、学校まで設けられない場合には、子守学級が設けられた。 子守学校(学級)では、当初、乳幼児の世話をしてくれる職員が配置されていたわけ ではなかった。授業の妨げにならぬよう子守児童が連れてきた乳幼児を初めて保育し たのは、1883 年(明治 16 年)、茨城県猿島郡小山村に渡辺嘉重が開設した、日本最初 の子守学校であった。これが保育施設の基になったといわれている(渡辺 2013)。 一方、家庭の事情や社会的経済的事情により家庭で育児が困難であるという理由か ら、家庭外で保育を行う日本で最初の保育事業としては、1890 年(明治 23 年)に赤 沢鐘美、仲子夫妻によって、新潟市で始められた家塾「新潟静修学校」付設の託児所 があげられる(古坂 2008) 。 そして、日清戦争(1894 年~1895 年)により、女性労働力の確保を目的として、1894 年(明治 27 年)に大日本紡績株式会社(東京深川)の工場付設託児所が設立された。 それを契機に、その後、鐘渕紡績株式会社(東京隅田)にも託児所が開設された。ま た、 1896 年 (明治 29 年) には三池炭鉱にも福岡市にも託児所が開設された (古坂 2008) 。 大正時代には、都市部の低所得者の生活不安解消のために、社会政策として、大阪 市(1919 年) 、京都市(1920 年) 、東京市(1921 年)に公立託児所が開設され、その 後、全国に普及し、大正末期から乳幼児を託児する施設として農繁期だけ開設する農 繁期託児所も設置されるようになった(古坂 2008) 。 3.昭和時代初期から昭和 30 年代までの保育 昭和時代になると、1938 年(昭和 13 年)に制定された社会事業法の中で、託児所 が社会事業施設の一つとして位置づけられ、経常費の一部助成、宮内省御下賜金、民 間団体による助成などにより託児施設が普及していった。 第 2 次世界大戦後、保育政策の「児童福祉領域」において法の整備が本格化し、1946 年(昭和 21 年)には、 「託児事業」として保育が位置づけられた。翌年 1947 年(昭和 22 年)には児童福祉法が制定され、 「託児事業」から「保育所」として位置づけられ た(網野・迫田・栃尾 2007) 。児童福祉法に規定されている児童福祉施設による援助 の対象は、家庭での養育が不可能と考えられるような保護性が極めて必要な子どもで あり、具体的な疾患がある子どもを中心としたものであったと考えられている。この 児童福祉法を基底とし、1948 年(昭和 23 年)に厚生省(現、厚生労働省)に「中央 48 児童福祉審議会」が設立され、1951 年(昭和 26 年)には児童福祉法が改正され、 「保 育に欠ける子どもを保育所に措置入所させる」文言が入った。終戦直後にはベビーブ ームや海外からの引き揚げ等による出生率の増加があり、1945 年(昭和 20 年)から 1950 年(昭和 25 年)までの5年間で総人口は 1000 万人以上増加したとされている。 その反面、日本の経済は戦争によって荒廃し、人口の増加を十分に支えられる状況で はなかった。こうした社会状況の中、1952 年(昭和 27 年)に、厚生省(現、厚生労 働省)が「保育指針」を策定、昭和 30 年代後半は、本格的な経済成長やこれに伴う人口 移動が始まった。そして、労働力の不足や過疎化、過密化の問題が取り上げられるよ うになった(網野・迫田・栃尾 2007) 。 4.昭和 40 年代以降の保育 1965 年(昭和 40 年) 、厚生省(現、厚生労働省)は「保育所保育指針」を策定し、 昭和 42~45 年度まで年次的に保育所の整備が図られた。また、1969 年(昭和 44 年) に乳児保育特別対策が実施され、それまで積極的に行われてこなかった保育所におけ る乳児保育についても重視し、乳児の特性に十分に配慮した保育所の設備や運営面を 整備したことにより、乳児を受け入れる保育所が増加した。 1973 年(昭和 48 年)の石油ショックを境に高度経済成長は終息し、低成長の時代 に移行した。長引く経済の停滞の中で国や地方自治体の財政が悪化し、 「福祉の見直し」 などの議論や取り組みが行われるようになった(網野・迫田・栃尾 2007) 。とくに保 育サービスからは、ベビーホテルの増加と乳幼児の死傷事故が当時の大きな社会問題 として国会でも取り上げられ、国はベビーホテルの一斉点検を行った。そして、規制 や保育所の対応体制の強化などについて審議が展開され、認可外児童福祉施設に対す る規制措置の強化を図った(網野・迫田・栃尾 2007) 。また、一方で、認可外保育施 設に入所する児童の受け入れ態勢を整備するため、乳児院への短期入所措置、夜間保 育事業、延長保育特別対策の創設、保育所への年度途中入所の円滑化、乳児保育を中 心とする小規模保育所の設置促進など各種の措置を講じてきた(古坂 2008) 。 5.昭和 50 年代以降の保育 国の財政事情の悪化を反映し、地方との機能分担や費用負担のあり方が検討され、 財政改革が進められていった。1986 年(昭和 61 年)に、 「行政改革一括法」 (地方公 49 共団体の執行機関が国の機関として行う事務の整理及び合理化に関する法律)が公布 された。保育所についても入所措置が市町村の事務になり、それまで行政通知であっ た保育所への入所措置基準が政令で定められ、その基準に従って市町村は具体的な基 準を条例として定めることとなった。これにより、保育政策に係る行政運営は、市町 村の主体性、独自性が重要視されるようになった(網野・迫田・栃尾 2007) 。 6.平成時代の保育 ひのえうま 1989 年(平成1年)の合計特殊出生率が、 丙 午 であった 1966 年(昭和 41 年)の 1.58 をも下回り、 「1.57 ショック」として社会的、政策的にも大きな影響を与えた。 わが国では、 「1.57 ショック」により、国は仕事と子育ての両立支援など子どもを産 み育てやすい環境づくりに向けて、新しい保育サービスのあり方について検討を始め た。1980 年(昭和 55 年)以降、保育所数は減少していたが、1994 年(平成6年)以 降には、保育所の需要構造に変化が起こり、女性の社会進出の進行、長引く経済不況、 共働き世帯の増加により、少子化の影響を大きく上回る保育需要が発生した(村田 2012) 。 1994 年(平成6年)には、 「21 世紀福祉ビジョン」 (高齢社会福祉ビジョン懇談会) 育児支援策としてエンゼルプラン策定が提起された。同年 12 月、当時の文部・厚生・ 労働・建設の4大臣合意による「今後の子育て支援のための施策基本方針について(エ ンゼルプラン) 」を策定、今後 10 年間をめどに子育ての社会的支援を総合的・計画的 に推進するための方法と重点施策が提示された。これは、1989 年(平成1年)のゴー ルドプラン、1994 年(平成6年)の新ゴールドプラン、1995 年(平成7年)の障害者 プランと共に福祉3プランといわれたが、法的根拠もないことから計画化が進まなか った。具体的に予算化され実際に進行したのは、1995 年(平成7年)の「緊急対策5 カ年事業」であった。この事業は、育児と仕事の両立に重点が置かれ、保育所需要の 多様化に対応するため、保育所の低年齢児の受け入れ枠の拡大や延長保育の推進を図 るなど、育児と就労の両立支援を推進したが、その一方で、都市部での待機児童の解 消が課題となった。 1997 年(平成9年)には、50 年ぶりに児童福祉法が抜本的に改正され、保育所への 入所の仕組みが措置(行政処分)から選択利用方式に改められ、利用者が保育所を選 択して利用する仕組みへと大きな転換が図られた。また、保育所運営及び設備の規制 50 緩和、基準の弾力化が図られるなど、保育所制度の再構築が図られることになった(古 坂 2008) 。 1998 年(平成 10 年)には保母の名称が保育士に変更され(2001 年には、保育士資 格が国家資格となった) 、1999 年(平成 11 年)には保育所保育指針が改定された。当 時の3歳未満児の保育所入所待機率については、石川県が 0.0%、沖縄県が 20.9%等、 地域により格差も生じた(東洋経済新報社 1999) 。 2000 年(平成 12 年)には、 「緊急対策5カ年事業」の終了に伴い、 「少子化対策推 進基本方針」に基づく重点施策の具体的実施計画として「新エンゼルプラン」が策定 された。2004 年(平成 16 年)までに、子ども 15 万人の保育所の受け入れ増大を図る ことが掲げられ、待機児童の多い都市の保育施設を重点整備する取り組みが行われる ことになった。また、政府は依然、合計特殊出生率が上昇しない事態から、2002 年(平 成 14 年)に「少子化対策プラスワン」を発表し、就業せずに子育てを行っている家庭 も含め、全ての家庭の支援を盛り込んだ「地域における子育て支援」を提言した。そ して、翌年 2003 年(平成 15 年)の「次世代育成に関する当面の取り組み方針」の中 では、子育ての社会化、つまり、子どもを養育する全ての家族を社会全体で支援して いくことの重要性を指摘し、次世代支援推進法の制定及びさらなる児童福祉法の改正 を方向づけた。 2003 年(平成 15 年)は、 「次世代育成関連法」が成立した。これは、少子化社会対 策基本法、改正児童福祉法、次世代育成支援法からなり、①雇用環境の整備、②保育 サービスの充実、③地域子育て支援体制の整備、④母子保健医療体制の充実、⑤ゆと りある教育の推進、⑥生活環境の整備、⑦経済的負担の軽減、⑧教育及び啓発の8項 目をあげている。そして、改正された児童福祉法は、子育て家庭の孤立、子育てに対 する親の負担感の増大、地域の子育て機能の低下に対応する「全ての子どものための 児童福祉法」に改めることとして述べられている(古坂 2008) 。これにより市町村は、 地域における子育て支援事業を実施するために必要な措置をとること、及び、待機児 童が多い市町村や都道府県は、保育の実施に係る事業及び、子育て支援事業等の供給 に関する計画を定めることが規定された。 地域における子育て支援事業については、①保護者からの相談に応じ、情報提供及 び助言を行う事業、②保育所等において、児童の養育を支援する事業、③居宅におい て児童の養育を支援する事業(家庭的保育事業等)の3事業の計画を示した。改正さ 51 れた児童福祉法においては、子育て支援事業を市町村の責務であるとし、その業務は 民間に委託できることに変更したことから、従前、原則として市町村・社会福祉法人 に限られていた設置主体も企業や NPO 法人などでも保育所の設置が可能になった。 2004 年(平成 16 年)には、新エンゼルプランに続くものとして、 「子ども・子育て 応援プラン」が策定された。そして、少子化対策は規制緩和と結びつきながら推進さ れていった。 また、中央教育審議会幼児教育部会と社会保障審議会児童部会の合同検討会議で、 「就学前の教育、保育を一体として捉えた一貫した総合施設として」が取りまとめら れた。そして、2006 年(平成 18 年)には、幼稚園の機能と保育園の機能をあわせた 幼保一元化の「認定こども園法」が制定された。これは、就学前の教育・保育ニーズ に対応するもので、保護者の就労に関わらず利用が可能であるとし、新たな選択肢と して設置された。しかし、所轄官庁が厚生労働省と文部科学省の2重行政の問題があ り、事務手続きも煩雑で、施設整備や無認可部分の運営に対する財政支援も不十分で あるといわれた(古坂 2008) 。 2008 年(平成 20 年)には、厚生労働省は「新待機児童ゼロ作戦」で、保育施策の 質・量ともに充実、強化を図った。また、経済産業省では、 「コミュニティビジネス」 「ソーシャルビジネス」という視点で保育・子育て支援について検討を始めた(経済 産業省 2012) 。厚生労働省は、2009 年度(平成 21 年度)から企画競争として「保育 サービス実施民間団体育成事業」を公示した。 2009 年(平成 21 年)民主党が政権をとると、先の政策構想は「幼保一体化」政策 へと継承された。その翌年、内閣府に「子ども・子育て新システムの基本制度案要綱」 が公にされ、2010 年(平成 22 年)に、 「子ども・子育てビジョン」 (少子化対策大綱) が閣議決定された。少子化対策から、子ども・子育て支援へ、さらに社会全体での子 育てへと方向づけられた。 民主党の掲げた「子ども手当て」は野党の反対で実現せず、従来の児童手当が復活 した。国と自治体とが一体となって取り組む待機児童対策会議「先取りプロジェクト」 が 2011 年度(平成 23 年度)より実施され(中村 2007) 、施設整備費は、①保育所緊 急整備事業、②賃貸物件による保育所整備事業、③家庭的保育改修事業が対象とされ、 ①と②は定員要件が解除された。また、運営費支援については、①グループ小規模保 育施設運営支援事業、②認可外保育施設運営支援事業、③地域型保育・子育て支援事 52 業が加えられた。 2012 年(平成 24 年)に待機児童対策として、 「総合子ども園」の導入などを盛り込 んだ子育て支援改革法案の骨子を正式に決定し、2015 年(平成 27 年)創設を柱に「子 ども・子育て新システム」の関連法案が少子化社会対策会議で決議された。これは、 幼稚園と保育園の機能を一体化させた、先の「認定子ども園」とは異なり、煩雑とさ れた手続きも新制度では内閣府の補助金に一本化され、幼稚園の総合子ども園の移行 により待機児童は大幅に減少すると期待されている(図1) 。 保育所は、全国約 23,000 施設の大半を3年程度かけて、総合子ども園に移行させる 方針で、3歳未満児のみを預かる数百か所の保育所は、 「保育所型子ども園」として存 続させる方針である。 しかし、待機児童の問題が取り上げられているのが首都県(東京、埼玉、神奈川、 千葉)や近畿圏(大阪、兵庫) 、その他政令指定都市、中核市に多いという特徴がある (表1) 。また、待機児童が全くない自治体もあり、郡部では、少子化と過疎化の影響 で定員割れしている保育所もあり、依然、待機児童の二極化が続いている。 都市部では待機児童対策としての保育所の増設が図られたが、待機児童は解消しな い状況が続いた。そして、待機児童対策の切り札として注目されたのが幼保一元化で あり、 「総合子ども園」が 2015 年度から本格的に導入されるまでに至ったのである。 しかし、その後、民主党・自民党・公明党の3党の修正協議の中で、総合子ども園 構想はとん挫し、認定子ども園のままにして消費税引き上げの 2015 年度のメドに充実 させる方針に変わった。 新たな認定子ども園には補助金や認可・指導監督を内閣府に集約するという政府の 案が採用されているものの、幼稚園・保育所共に「以降は義務付けない」と明記され た。 制度の実施主体は、市町村(基礎自治体)とし、国、都道府県が制度の実施を重層 的に支える一元的な制度であるとしている(逆井 2011) 。2013 年度(平成 25 年度) の本格的な実施を目指す「子ども・子育て新システム」は、2011 年度(平成 23 年度) から前倒しで一部実施されている。 新システムでは、指定制度を導入し、質の確保のために客観的な基準を満たすこと を条件に、認可外施設を含めて、株式会社、NPO 法人等の多様な事業主の参入を認め るというもので、保育の量の拡大を図るとしている(厚生労働省 2012a) 。指定につ 53 いては現行の幼稚園、保育所等の基準を基礎として、人員配置基準、面積基準等、客 観的な基準を定め、適合すれば原則として指定を行うことで透明性を確保し、質の確 保の観点からは、指定については、5年ごとに更新するとしている(山戸 2012) 。 2013 年(平成 25 年)8月に、 「子ども・子育て支援法」 、 「認定子ども園法の一部改 正法」 、 「子ども・子育て支援法及び認定子ども園法の一部改正法の施行に伴う関係法 律の整備等に関する法律」の子ども・子育て関連3法に基づく制度である「子ども・ 子育て支援新制度」が成立した。実施にあたっては、消費税引き上げに伴う財源の一 部をあてることとし、2015 年度(平成 27 年度)の本格的なスタートを目指している。 新制度は、学校教育・保育、地域の子ども・子育て支援の質・量を充実させるもの とし、幼保連携認定子ども園制度における二重行政の解消を行い、認定子ども園・幼 稚園・保育所を通じた共通の給付を創設することにより、財政措置の充実を行うとい うものである(厚生労働省 2012a)。また、地域のニーズをふまえ、市町村が認定子 ども園、保育所などを計画的に整備し、家庭的保育や小規模保育等の地域型保育も組 み合わせ、待機児童の解消を計画的に進めるとしている(厚生労働省 2012b) 。 新制度では、多種多様な保育の場が提供されたが、生涯の健康の基礎を培い、人格 形成期である乳幼児期の、それぞれの発達段階に沿って、何より質の高い保育、教育 を保障することが必須である。 以上、わが国の保育の変遷と共に保育政策を概観した。上述したように、共働き世 帯数は増加する一方である。しかし、出産前後で就業を継続している割合は、増加し ておらず、第1子妊娠前に就業していた女性の6割が出産を機に一旦退職をしている (稲川 2013) 。そこで、次に、わが国の育児休業法について概観しておく。 1990 年代以降の保育を巡る政策として、仕事と子育ての両立を重視した少子化打開 のための保育行政が進められてきた。育児休業法もその一つである。1991 年(平成3 年)、全ての職種の男女労働者を対象に、 「育児休業に関する法律」が成立した。これ により、労働者が請求すれば、育児休業がとれるようになり、事業主には、育児休業 の付与、労働時間の短縮などの対応が求められるようになった。1997 年(平成9年) には、 「育児休業、介護休業等育児又は介護を行う労働者の福祉に関する法律」に改称、 育児、介護を担う男女労働者に対する、休業と労働時間短縮の権利を認める法律とな った。2014 年には、原則1年間、最長1年6か月の育児休暇期間が認められている。 しかし、問題は、対象となる労働者の扱いと、休業中の所得である。育児休業法では 54 規定はなく、各企業の就業規則に任されている。休業中に賃金が支払われない場合、 あるいは、減額される場合は、雇用保険として、休業時の賃金の半額を上限に給付金 が支給されるが、経済的負担は解消されず、育児休業制度の活用が広がらない理由(稲 川 2013)となっている。首相が「育児休暇3年」の推進を成長戦略の軸に据え、注 目されたが、その内容は、法改正は行わず、企業の自主的な取り組みを求めるもので しかなかった(稲川 2013) 。 育児休業制度の利用は徐々に広まっているものの、出産後に育児休業制度を利用し て就業を継続する割合は 17.1%と、まだ低い(稲川 2013) 。しかし、今後、制度の 拡充を図ることにより、育児休暇明けの1歳児、1.5 歳児の保育ニーズはさらに高ま り、社会で保育を担う社会的保育も増幅してくる。 社会的保育の需要と共に、低年齢児ならではの健康生活を保障する保育が求められ る。 まとめ わが国の保育の歴史は日本書紀の「乳母」の時代から始まった。江戸時代から明治 時代の「子守」を経て、要保護児童を対象に児童福祉領域から「託児所」となり、1948 年(昭和 23 年)に実質的に保育所制度がスタートした。さらに、戦後の人口増加と昭 和 30 年代後半の本格的な経済成長時代を迎え、保育所の増設整備が図られていった。 そして、平成に入ると、 「1.57 ショック」を契機に少子化の問題が社会的、政策的 にも大きな影響を与えた。また、女性の社会進出も増加し、共働き世帯が増加してい った。従来、子育ては、家庭で行う私事とされてきたが、1990 年代以降は、仕事と子 育ての両立を積極的に支援する「子育て支援」に公的に取り組むという方針へと変化 した。そのため、保育所はサービスの拡大の政策がとられるようになり、エンゼルプ ラン・新エンゼルプランが策定され、子育ての社会的支援を総合的・計画的に推進す るための方法と重点施策が提示された。具体的に予算化され実際に進行したのは、1995 年(平成7年)の「緊急対策5か年事業」であった。とくに、保育所の低年齢児の受 け入れ枠の拡大や延長保育の推進を図るなど、育児と就労の両立支援を推進したが、 一方で、都市部での待機児童の解消が課題となった。また、2003 年(平成 15 年)に 「次世代育成関連法」が成立し、改正児童福祉法においては、子育て支援事業を市町 村の責務であるとした。業務を民間に委託できることに変更したことによって、保育 55 に対する公的な責務が次第に薄れていく観もあった。 戦後の日本社会の構造は、女性は専業主婦として家事・育児に専念し、男性は外で 働くというものであった。0歳から3,4歳ごろまでは家庭内での子育て、それ以降 は幼児教育として幼稚園が主流であった。また、税制も専業主婦を優遇したものであ った。 しかし、1990 年代以降の少子化社会対策を契機に、わが国の社会構造は、専業主婦 による子育てを前提にしたものから、 「仕事と子育ての両立」と、共働きを前提にした ものへと変化し、子育てを社会全体で引き受ける時代となった。 都市部では待機児童対策としての保育所の増設が図られたが、待機児童は解消しな い状況が続いた。そして、待機児童対策の切り札として注目されたのが幼保一元化で あり、 「総合子ども園」が 2015 年度から本格的に導入されるまでに至った。 しかし、その後、認定子ども園のままにして消費税引き上げの 2015 年度のメドに充 実させる方針に変わった。新たな認定子ども園には補助金や認可・指導監督を内閣府 が集約するという政府の案が採用されているものの、幼稚園・保育所共に「移行は義 務づけない」と明記された。認定子ども園については、次節(第2節)で述べること とする。 国の少子化対策を振り返ると、1994 年(平成6年)の「エンゼルプラン」の策定が 第1弾で、社会全体で子育てをしていくことが初めて提起された。第2弾は、1999 年 (平成 11 年)に策定された、 「新エンゼルプラン」である。これは 2000 年(平成 12 年)~2004 年(平成 16 年)を目途に、保育、医療、雇用、など幅広い施策であった。 第3弾は、2004 年(平成 16 年)に策定された、 「子ども・子育て応援プラン」である。 これは 2005 年(平成 17 年)~2009 年(平成 21 年)を目途に、保育事業からさらに 踏み込んで、地域の子育て支援などにも重点を置いた内容であった。そして、第4弾 は、2010 年(平成 22 年)に策定された、 「子ども・子育て応援ビジョン」である。こ れは 2010 年(平成 22 年)~2014 年(平成 26 年)を目途とし、子ども手当の創設、 幼保一元化制度の構築などであった。そして、2013 年(平成 25 年)に、子ども・子 育て関連3法に基づく制度である「子ども・子育て支援新制度」が成立し、2015 年度 (平成 27 年度)に本格的なスタートとなった。 新制度は、児童期の学校教育・保育、地域の子ども・子育て支援の質・量を充実さ せるものとし、幼保連携認定子ども園制度の充実と拡大、財政措置の充実を行うとい 56 うもので市町村が認定子ども園、保育所などを計画的に整備し、家庭的保育や小規模 保育等の地域型保育も組み合わせ、待機児童の解消を計画的に進めるとしている。 質の確保のために客観的な基準を満たすことを条件に、認可外施設を含めて、株式 会社、NPO 法人等の多様な事業主の参入を認めるというもので、保育の量の拡大を図 るとしている。指定については現行の幼稚園、保育所等の基準を基礎として、人員配 置基準、面積基準等、客観的な基準を定め、5年ごとに更新するとしている。 新制度は、急速に進行する少子化を鑑み、共働き家庭の増加や核家族化の進展、地 域の繋がりの希薄化、そして、依然として解消されない待機児童、きょうだい数の減 少など、変化する家庭、地域環境に対して、子どもや保護者に必要な支援を行い、子 どもの健やかな成長を保障し、教育及び保育に対する需要に応えるべき社会を実現す ることを目的として創設され多種多様な保育の場が提供された。 生涯の健康の基礎を培う乳幼児期の子どもにとって、何より質の高い保育、教育を 保障することが重要である。 図1 子ども子育て支援提供イメージ 出典)子ども・子育て支援法案(内閣府及び厚生労働省と共同提出) :子ども・子育 て関連3法について,内閣府・文部科学省・厚生労働省,p6,平成 25 年.より 転記 57 表1 都道府県・政令市都市・中核市別 保育所待機児童数 集約表 平成 25 年4月1日,10 月1日 注 1)都道府県の数値には政令指定都市・中核 都市は含まない。 注 2) (参考)地方単独保育施策は、保育所の 入所申し込みが提出され、入要件に該当し ているが、地方公共団体の所単独保育施策 (保育室)に入所しているため、待機児童 に含まれない児童数 出典)厚生労働省「保育所関連状況取りまとめ」 平成 25 年より転記 58 第2節 多様化した社会的保育の現状 わが国の保育は、従来、地域の中で、家族や近隣の人々の協力のもとに行われてき たが、近年、社会環境や生活環境が変化し、少子化の反面、大都市圏では保育所に入 所できない待機児童の問題が発生し、国の保育政策により、2015 年4月から施行され る、 「子ども・子育て支援新制度」 (厚生労働 2012a)において、多様な保育を設置し た(図2) 。 保育所 幼稚園 施設型保育 (20名以上) 幼保連携型 認定子ども園 <認定子ども園> 幼稚園型 保育所型 認定子ども園 認定子ども園 地方裁量型 認定子ども園 従来の幼稚園 家庭的保育 (3~5名) 地域型保育 ・東京都認証保育所 ・横浜保育室 ・仙台保育室等 ・東京都江戸川区の 家庭的保育 小規模保育 (6~19名まで) A型(従来の分園方式と同様) B型(A型とC型の中間) C型(家庭的保育の複数ユニット) 事業所内保育 その他、新制 度の枠に入ら ない・入れな い保育施設 居宅訪問型保育 図2 子ども・子育て支援新制度における保育施設 出典)内閣府・文部科学省・厚生労働省「子ども・子育て新システム」説明資料より、筆者作成 59 新制度の保育供給方式は、施設型給付と地域型保育給付の2類型に大きく区別され る。施設型給付は、保育所や幼稚園、認定こども園が該当する。さらに認定こども園 は、4類型あり、幼保連携型、幼稚園型、保育所型、地方裁量型である(以下、 (2) 認定子ども園(表4)参照) 。地域型保育給付は、家庭的保育、小規模保育、事業所内 保育、居宅訪問型保育の4事業がある。加えて、東京都や横浜市、仙台市など、自治 体による独自の保育施設も設置されている。また、東京都江戸川区の家庭的保育室は 区独自の方式で実施している。 このように、多様な選択肢が用意されることは、子育て支援の一助となるが、保育 給付方式を多様化し、区別することは、多様な基準を設定することであり、保育の格 差が生まれることにつながる。 本論では、現行の社会的保育施設を把握し、次に必要な研究への示唆を得る。 1.施設型保育 (1)認可保育所 現在の保育所の基になった託児所は、1947 年(昭和 22 年) 、児童福祉法の制定に伴 い「 (認可)保育所」となった。その後、変更を重ね、 「日々保護者の委託を受けて、 保育に欠けるその乳幼児または幼児を保育することを目的とする施設である」として、 「児童福祉法第 39 条の1」に位置づけられている(山本 2009a) 。また、国の設置基 準に基づき児童福祉法施行令、施設最低基準を基に各地方自治体が地域の実情に反映 して詳細に規定していくことになっている。 保育所は、就学前の児童を対象に、保育を行う通所による保育施設であり、また、 保育に欠ける乳児または幼児を保育することを目的とする施設である。この定義につ いての詳細は市町村が決定することとなっているが、改正政令第9条の3に市町村条 例策定の参考様式が添付されている。保育の実施については、 「児童の保護者のいずれ もが次の各号のいずれかに該当することにより当該児童を保育することができないこ とが認められる場合であって、かつ同居の親族その他の者が当該児童を保育すること ができないことが認められる場合に行うものとする」 (山本 2009a)として、 「①昼間 労働することを常態としていること、②妊娠中であるかまたは、出産後間がないこと、 ③疾病にかかり、若しくは負傷し、または精神若しくは身体に障害を有していること、 ④同居の親族を常時介護していること、⑤震災、風水害、火災その他の災害の復旧に 60 あたっていること、⑥前各号に類する状態にあること」の6つが示されている(山本 2009a) 。これらのうちいずれかに該当する状態にあり、昼間日常的に保育することが できない状態にある児童を保育するとしている。 設置主体は、区市町村及び社会福祉法人の他、学校法人、株式会社など、民間主体 の参入も可能になった。区市町村は、保護者の保育所選択及び保育所の適正な運営の 確保に資するため、区域内の保育所についての情報提供を行わなければならないこと が定められた。保育所の利用にあたっては、保護者が申込みを行い、その申込みに対 して、市町村が保育所においての保育を実施するという関係になった(全国社会福祉 協議会・全国保育協議会 2012) 。 原則としては、開所時間は 11 時間で、そのうち8時間は保育時間、1年間の開所日 数は約 300 日と定められている。また、延長保育や病児・病後児保育サービスなどが ある(表2) 。 保育所の実施形態は、①公営(公立保育所:都道府県立保育所,市町村立保育所) 、 ②民営(公設民営保育所) 、③公設民営がある。 (表3) 。 私立保育所を建設、修理、改造する場合は、児童福祉法により設置主体が社会福祉 法人、日本赤十字社またはその他の民法上の公益法人である場合に限り、行政は補助 が可能であり、設置主体が上記法人以外の企業、NPO 法人、個人の場合は、補助を受 けることはできない。 (2)認定子ども園 認定子ども園は、幼稚園や保育所と共に、幼児期の保育を行う施設で、法的には、 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(以下、就 学前教育保育法)をその根拠とする。 幼稚園や保育所と共に、幼児期の保育を行う幼保一元化の議論は、戦前からあった (村田 2012) 。当初の議論の視点は、就学前施設が二元的に存在することの分かりに くさ、また、社会階層により分かれることの不適切さ、全ての子どもが等しい内容の 保育を受ける権利を保障するという観点からの問題があった(村田 2012) 。戦後は、 新しい生活基盤を形づくる時代の中で、幼稚園と保育所の一元化を求める動きもみら れたが、1947 年(昭和 22 年)3月に学校教育法、同年 12 月に児童福祉法が制定され、 幼稚園は、学校教育法による文部科学省所管の教育施設、保育所は児童福祉法による 厚生労働省所管の福祉施設となり、これにより、幼稚園と保育所の二元制度が法的根 61 拠をもつようになったが、戦後の混乱期という背景の中、ニーズに要請されたもので はなく、法制度として明らかな区分がなく、曖昧さが残る二元制度であった(村田 2012)。幼稚園の保育所化が進む状況が出現し、今日では、保育内容としては実質近似 したものになりつつある。 幼稚園と保育所の施設数・入所児童数は共に、1960 年~1970 年代の急増期を経て、 1980 年(昭和 55 年)前後をピークに減少し始めている。その後保育所数は、入所児 童数と共に、1995 年頃を境に増加に転じたが、幼稚園は微減傾向が続いている。幼保 園は、現実的な問題として、保育時間など子どもが必要とする保育が異なる状況にあ り、両制度が併存する形であったが、1998 年、 「幼稚園と保育所の施設の共用化に関 する指針」 (2005 年改定)が示され、二元制度を前提とした共用化や一体的運営に関 する方針が打ち出された(村田 2012) 。 2006 年(平成 18 年) 、待機児童解消の一助としてまた、 「就学前の教育・保育ニー ズに対応する新たな選択肢」として、親の就労の有無に関わらず利用可能な施設とし て、 「認定子ども園法」が制定され、文部科学省と厚生労働省が幼保連携推進室を設け、 「認定子ども園」を設置することを決定した(逆井 2011) 。しかし、既存の二元体制 を残した妥協の産物という評価もあり、運営側にとっても、保育所、幼稚園の根拠法 令や所轄官庁が異なる二重行政の問題が残り、事務手続きが煩雑で、施設整備や無認 可部分の運営に対する財政支援も不十分であるともいわれた(村田 2012) 。 そして、待機児童対策の切り札として注目されたのが幼保一元化であり、 「総合子ど も園」が 2015 年度から本格的に導入されるまでに至ったが、その後、認定子ども園の ままにして消費税引き上げの 2015 年度をメドに充実させる方針に変わった。新たな認 定子ども園には補助金や認可・指導監督を内閣府が集約するという政府の案が採用さ れているものの、幼稚園・保育所共に「移行は義務付けない」と明記された。 「子ども・子育て支援新制度」で示された認定子ども園は、地域の実情に応じて、 以下の4つのタイプに分類される(表4) 。 職員配置については、0~2歳児については、保育所と同様の体制で、3~5歳児に ついては、学級担任を配置し、長時間利用児には個別対応が可能な体制となった。 職員資格については、0~2歳児については、保育士資格保有者で、3~5歳児に ついては、幼稚園免許と保育士資格の併用が望ましいが、学級担任には、幼稚園教諭 免許の保有者、長時間利用児の対応については、保育士資格の保有者を原則としつつ、 62 片方の資格しか有しないものを排除しないように配慮する(文部科学省・厚生労働省 幼保連絡推進室 2013) 。 としている。 表2 保育サービスに関する数値目標 現状 項 目 目標 (平成26年度) (平成20年度) ※もしくは直近のデータ 平日昼間の保育サービス 認可保育所等 215万人 (平成21年度見込み) 家庭的保育(内数) 0.3万人 (平成21年度見込み) 241万人 (102万人) 1.9万人 夜間保育(内数) トワイライトステイ(内数) 79万人 (平成21年度見込み) 77か所 304か所 96万人 280か所 410か所 7万人 (平成21年度見込み) 12万人 延べ200万人 (3歳未満児) (75万人) 延長等の保育サービス 延長保育等 その他の保育サービス 休日保育 病児・病後児保育 認定こども園 延べ31万人 ※体調不良児対応型は、すべての保育所 において取組を推進 358か所 (平成21年4月) 2,000か所以上 (平成24年度) 出典)社会福祉小六法(平成 26 年)度 版) p.333. 表3 保育所の設置主体と運営主体の関係 運営主体 公設 公営 民営 公立保育所 公設・民営保育所 ・都道府県立保育所 ・社会福祉法人運営 ・市町村立保育所 ・公益法人・日赤運営 ・株式会社運営 ・その他 設置主体 民設・民営(私立)保育所 ・社会福祉法人立 ・公益法人・日赤立 民設 ・株式会社立・有限会社立 ・NPO法人立 ・宗教法人立 ・個人立 出典)文部科学省中央教育審議会初等中等教育分科会(第10回)議事録・配布資料[資料2-1] より筆者一部改変作成 63 表4 子ども・子育て支援新制度で示された認定子ども園の4タイプ <認定子ども園の4つのタイプ> 認定子ども園の認定を受けても、幼稚園・保育所は、その位置付けを失うことはない [幼保連携型] 認可幼稚園と認可保育 所とが連携して一時的な 運営を行うことにより、認 定子ども園としての機能 を果たすタイプ [幼稚園型] 認可幼稚園が、保育に欠 ける子どものための保育 時間を確保する等引く所的 な機能を備えて、認定子ど も園としての機能を果たす タイプ [保育所型] 認可幼稚園が、保育に欠 ける子ども以外のこども も受け入れる等、機能を 備えて、認定子ども園と 幼稚園の機能を備えるこ とで認定子ども園として の機能を果たすタイプ [地方裁量型] 幼稚園・保育所いずれの 認可もない地域の教育・ 保育施設が、認定子ども 園としての必要な機能を を果たすタイプ 出典:文部科学省・厚生労働省幼保連絡推進室「認定子ども園パンフレット より転載 一部改変 (3)認可外保育所 認可外保育所に該当するのは、企業が従業員の子どもを対象として、事業所内また は隣接地に設置する保育施設である。そのため、利用者の勤務時間帯にあわせて、一 般の認可保育所には対応できない深夜や休日等にも対応した保育運営ができ、産後休 暇や育児休暇後に、すぐに職場復帰できる体制を整えていることが多いという特徴が ある。また、自治体独自の制度である、 「東京都認証保育所」 「横浜保育室」 「仙台保育 室」東京都江戸川区独自の乳児保育室で、保育者の居宅で行う区独自の保育などがあ る。 ① 東京都認証保育所 東京都は、2001 年度(平成 13 年度)から「福祉改革推進プラン」の一つとして「認 証保育所制度」が導入された。これは、国の保育所設置認可基準より緩和された、東 京都独自の認証基準を満たして設置する保育施設設置制度で、低年齢児保育や延長保 育など大都市に暮らす多様な保育ニーズに対応するための子育て家庭の支援を行うと いう試みでスタートした(古坂 2008) 。この背景には、低年齢児の待機児童が多く、 保育所を設置するにも地価が高いという大都市ならではの事情がある。 東京都認証保育所の運営は、民間企業や NPO 法人、社会福祉法人、個人など多様な 事業者が実施主体となって保育・教育施設所運営を行っている。2001 年(平成 13 年) 制度開始から2年余りで、認可保育所の約1割に及ぶ認証保育所が設立されている。 認証保育所には、A型とB型があり、A型は駅型など利便性が配慮され、定員 20~ 120 人(うち、0~2歳児が2分の1以上)規模の施設を対象としている。開所時間 64 については、13 時間以上が義務づけられている(柏女 2009) 。利用者と保育所との 直接契約により入所決定がなされ、保育料も各保育所が独自に設定できる。 認可外保育施設の運営費に行政が補助を行うという点では、特徴的な制度であり、 今後の動向が注目されている(柏女 2009) 。 ②横浜保育室 横浜市は 1997 年(平成9年) 、待機児童対策として、3歳未満児を対象に市が適格 施設の認定を与える横浜保育室事業をスタートさせた。 施設設備は基本的には児童福祉施設最低基準に準じているが、国の基準にあたる園 庭の設置義務や土地の所有など、大都市では満たしにくい条件を外し、保育環境や保 育料、保育時間などに一定の基準を設け、それらの基準を満たす施設を横浜保育室と して認定し、横浜市が助成している。運営主体についても社会福祉法人だけでなく、 民間企業も対象にしている。民定された施設には、横浜市が単独で、児童1人当たり 月額 81,700 円を横浜市が補助している(古坂 2005) 。 その他、政令指定都市では名古屋市、川崎市、さいたま市、仙台市、千葉市、堺市、 浜松市、大阪市、中核都市では相模原市、東大阪市などが①②と同様に市独自の基準 で保育所を創設している。 (4)事業所内保育施設 企業などが職場の労働力確保と福利厚生サービスの一環として企業の建物等の一部を 使用して行っている保育サービス施設のことで、労働者の仕事と育児を両立させるた めの環境を整備することを目的として開始された(福田 2009)。とくに、病院や女 性労働者を多く雇用している企業に設置されている(福田 2009)。 病院内保育所運営費補助事業(地方自治体の助成により、病院内保育所運営費補助 事業に代えて事業所内保育所を対象とする助成を受けることも可能)である。 利用する場合は病院・診療所の管理者に申し込む。保育料等は病院・診療所の内部 規定によるが、比較的低価である。 (5)へき地保育所 交通条件及び自然的、経済的、文化的諸条件に恵まれない山間地、開拓地、離島等 のへき地など、児童福祉法第 39 条に規定する通常の保育所を設置することが困難であ ると認められる地域で保育を行う保育施設で、へき地保育所設置要綱に基づき市町村 が設置した保育所である。入所及び保育料は市町村が決定する。 65 定員は概ね 30 人程度で、1日当たりの平均入所児童数が 10 人以上いることとされ ている。保育士は常時2人を設置することとなっているが、うち1人については、事 情がある場合に限り、資格を有しない熱意あるものとすることができる。保育時間・ 内容等は、地域の事情に応じて決定することができる(西村 2009) 。 (6)季節保育所 季節保育所設置要綱に基づき市町村が設置した保育所である。 農繁期などで地方産業の繁忙期において、保護者の労働のために保育に欠ける乳幼 児の保育を行う施設で、1957 より、季節保育所設置要綱に基づき国庫補助が開始され ている。開設は、原則として1か所につき 20 日間とし、30 人以上であるものとされ ている。設置主体は市町村で、設備及び運営については、児童福祉施設最低基準に基 づくこととなっており、児童の保育を行う者は保育士の資格を有する者でなければな らないとされているが、やむを得ない場合は、代用保育士の認定を有する者があたる ことも可能であるとしている。地域において開設期間は異なるが3~6か月の長期間 実施しているところもみられる(石田 2009) 。 2.居宅訪問型保育 (1)ベビーシッター 子どもの家庭や指定された場所において、保育や世話をする人のことで、わが国で は、法的に位置づけられていないが、社団法人全国ベビーシッター協会が研修などを 通じて、ベビーシッターの育成・普及を全国的に図っている。 保育所では対応できないニーズに対応するなど、家庭の事情に応じて柔軟に利用で きる形態の在宅保育サービスである。利用する子どもは、就学前の子どもが多く、と くに、3歳未満児の乳幼児が多い。施設型の集団保育ではなく、個別的、家庭的な保 育を行うところに特徴があり、子どもの特性にあわせた保育ができる。また、保護者 の多様なニーズにも対応が可能であるが、現在は都市部を中心とした一部地域にしか 整備されておらず、利用料も高額である。財団法人子ども未来財団が利用補助制度を 実施しており(福田 2009) 、今後の発展が望まれるサービスである。 育児と就労の両立支援のため、ベビーシッターサ-ビスを利用する事業に、ベビーシ ッター育児支援サービス事業がある。財団法人子ども未来財団を通して、全国ベビー シッター協会に助成されている。1994 年度(平成6年度)に創設された「在宅保育サ 66 ービス援助事業」が廃止され、2002 年度(平成4年度)より新たに「ベビーシッター 育児支援サービス事業」として実施されている。事業は、社団法人全国ベビーシッタ ー協会と協定を締結した企業の従業員、または保育所等職員が対象となる。乳幼児及 び小学校低学年の送迎について、協会に加盟した場合、企業従事者には 1500 円、保育 所等の職員には 2000 円の割引券として使用料の一部が助成される制度もある(全国ベ ビーシッター協会 2007) 。 利用料は、高額であることがあるが、子どもの特性にあわせた保育や保護者の多様 なニーズに対応できるなど、今後の発展が望まれるサービスである。 近年では、インターネットのマッチングサイトを使って、利用者と提供者とがネッ ト上で直接契約を行う簡易な流れもある。2014 年、ベビーシッターに預けた2名の幼 児が亡くなるという事件がおきた。安易に子どもを預けられる時代になったが、再発 を防ぐべき、国の法規制が急がれる。 (2)ファミリーサポートセンター事業 ファミリーサポートセンター事業は、会員組織により、保育所の開始や終了後の育 児や送り迎え等、育児に関する互助援助活動を行うものである。就労と育児を両立さ せる目的で、1994 年(平成6年)から、旧労働省の補助事業として実施されている住 民同士による相互互助のサービスである。預かる側の援助会員サービス、利用側の利 用会員が共に登録し、サービスコーディネーターが組み合わせ、相互援助する仕組み である。人口5万人以上の市町村特別区等で設置された。 実施方法やサービスの利用方法は、利用者や提供者の居宅など、利用者のニーズに よって異なる。親の急な残業や、緊急時等の一時的な保育、病児保育、保育所での保 育サービスで十分対応しきれないニーズの他、保育所、幼稚園の送迎や放課後の保育 などにも利用されている(山本 2009b) 。 67 第3節 日本の家庭的保育の変遷 本節では、日本の家庭的保育の歴史、特徴、研究動向、諸外国の家庭的保育とその 支援体制について概観し、次に必要な研究への示唆を得ることを目的とした。 1.家庭的保育の歴史 家庭的保育の創設は、1948 年(昭和 23 年)国が保育所不足を補おうと、京都府で 始めた「昼間里親制度」である(家庭的保育研究会 2011a)。この制度は、地方自治 体が独自に実施する事業としてスタートしており、児童福祉法第 24 条で保育に欠ける 乳幼児の保育責任を負っている自治体が、第1項の「その他の適切な保護」条項を活 用したものであった(家庭的保育研究会 2011a) 。 戦後のベビーブームの影響により、就労する母親の増加に対し、保育所は設立当初 より量的な整備が課題であった(家庭的保育研究会 2011a)。この背景には、戦争に よって夫を失い、女手一つで子どもを抱えながら働かなければならない、多くの母親 たちのニーズがあった(亀崎 2011) 。 そして、家庭的保育は、保育所制度の推移や動向と密接に関連しながら推進してい った。1958 年(昭和 33 年)に大阪市で「家庭的保育実施要綱」が制定され、1960 年 (昭和 35 年)4月に神奈川県で「家庭的保育福祉員制度」 、同年に東京都で「家庭福 祉員制度」 、横浜市で「家庭保育福祉員制度」 、1965 年に川崎市で「家庭福祉員制度」 がそれぞれ発足した。これらは、上述の児童福祉法第 24 条のその他の但し書きにある、 「その他の適切な保護」の事業化であり、創設以来、現在も続く長い歴史をもつもの である(家庭的保育研究会 2011a)。実施の背景には、高度成長経済があり、女性労 働者に対する需要や職域の拡大、既婚女性の就業者数の増加などがあった。そして、 それに伴い保育に欠ける乳幼児も増加した。 1965 年(昭和 40 年)に厚生省(現、厚生労働省)は「保育所保育指針」を策定し、 1970 年度(昭和 45 年)まで保育所の整備を図った。家庭的保育を実施する自治体は 1970 年代に増加したが、保育所の整備が進み 1980 年代の施設数が頭打ちになる頃に は乳児保育に取り組む保育所が増え始めたことから、家庭的保育は一時終業したかの ようにみえた(家庭的保育研究会 2011a) 。新たな保育者の募集を停止する自治体、 あるいは、事業自体を廃止する自治体も増加した(家庭的保育研究会 2011a) 。 1990 年(平成2年)には、 「東京都児童福祉審議会」から家庭福祉員に対し、家庭 68 的保育は、保育所と比較して保育水準が低い等の否定的な答申が出された。しかし、 1991 年(平成3年)には、 「家庭福祉員制度を支援する会」が発足して署名運動が展 開されるようになり、全国規模の「家庭的保育ネットワーク」も結成された。また、 1993 年(平成5年)には、全国初の「家庭福祉員制度の実態調査」が報告された。1994 年(平成6年)のエンゼルプラン発表以降、国・都・市区町村」レベルの公的文書の 中に、家庭的保育制度への言及が多々なされるようになった。少子化が進行する中で、 就労する母親も増加し、保育所入所待機児童の問題が徐々に大きくなってきた(家庭 的保育研究会 2011a) 。 1999 年(平成 11 年) 、国は保育所入所待機児童対策の応援策として、新エンゼルプ ランに家庭的保育事業を新設し、 「平成 12 年度保育関係概算要求」として家庭的保育 を行う者への支援が初めて盛り込まれた。 2000 年(平成 12 年)には、国の「家庭的保育事業」が創設され、特別保育対策の 一環として位置づけられた(家庭的保育研究会 2011a) 。それは、従来より、家庭的 保育の問題点として指摘されることが多かった保育者の孤立化や保育の不透明性を解 消するため、地域に連携保育所を設け、家庭的保育者への相談・指導を行うことを補 助要件とするものであった。また、保育者の要件を、保育士または看護士と限定した (家庭的保育研究会 2011a) 。国が家庭的保育事業を創設したことにより、新たに家 庭的保育を導入する自治体も現れ、家庭的保育は国の待機児童対策という役割を再度 担うこととなった。同年には、 「全国在宅保育サービス実施等状況実態調査(平成 11 年度) 」報告書が発表されている。2001 年(平成 13 年)には、東京都の家庭福祉員要 綱に国の「家庭的保育事業」が盛り込まれ、同年には広島市、2002 年(平成 12 年) には千葉市でも「家庭的保育事業」が始まった。 2007 年(平成4年) 、 「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議においても、 多様で弾力的な保育サービスの一環として、家庭的保育の法定化の必要性が示された (家庭的保育研究会 2011a)。また、小山・庄司・尾木ら(2007)が、全国の自治体 (人口 10 万人以上)を対象に行った調査研究では、家庭的保育拡大のためには、児童 福祉法上に位置づけることや国がガイドラインを定めることが必要であるという意見 が多くみられた。 2008 年(平成 20 年度)12 月、改正児童福祉法の成立により、家庭的保育は法定化 され、2009 年(平成 21 年)には「家庭的保育事業」が盛り込まれ、2010 年度(平成 69 22 年度)より家庭的保育が児童福祉法上に位置づけられた保育事業として、認定を受 けた保育者が職業として保育を行えるようになった。国は、省令(実地基準)により 家庭的保育の最低基準、通知(ガイドライン)により目指すべき基準を示し、これに 基づき市町村が家庭的保育を実施することになった(家庭的保育研究会 2011b)。国 庫補助事業としての同事業を開始した自治体は、2年間で倍増した(福川 2011) 。家 庭的保育者数、家庭的保育児数も 2009 年度(平成 21 年度)と比較すると約2倍にな っている(福川 2011) 。地方単独事業も、実施市区町村、家庭的保育者数、家庭的保 育児数は前年より若干増加した(福川 2011)。国庫補助事業としての家庭的保育事 業を実施している市区町村数と、地方単独型事業を実施している市区町村数(重複を 除く)は、2009 年度の 77 から 90 市町村に増加した(福川 2011)。2010 年度現在、 家庭的保育実施の市区町村は、北海道が2市1町、秋田県が1市、山形県が1市、宮 城県が2市2町、茨城県が1市、栃木県が2市、埼玉県が1市、千葉県が8市1町、 東京都が 20 区 22 市、神奈川県が8市、5市3町、愛知県が2市、滋賀県が2市、京 都府が3市、大阪府が2市、兵庫県が3市、島根県が1市、徳島県が2市、福井県が 2市、鹿児島県が1市である(福川 2011) 。また、保育所が家庭的保育者を雇用する 保育所型は、大阪市、名古屋市、松山市、宇治市、世田谷区である(福川 2011) 。 2010 年(平成 22 年)6月、 「子ども、子育て新システムの基本制度案要待機児童対 策の要綱」が提示された。その目的の最初には、全ての子どもへの良質な生育環境を 保障し、子どもを大切にする社会の実現が示されており、家庭的保育はその中で、主 に3歳未満児に重点化した需要やへき地などの人口減少地域などに対応するため、家 庭的保育サービスや複数の家庭的保育者によるサービス、訪問型サービス、保育所な どと連携した形態による「小規模保育サービス」の一環として、保育体系に位置づけ られた(家庭的保育研究会 2011a)。今後、国の方針として少人数の低年齢の子ども を対象に実施する家庭的保育事業を広く普及させるため、実施形態を現行の個人実施 型(個人が事業者となり実施)に限らず、保育所実施型(保育所が雇用する家庭的保 育者が、賃貸アパート等、市町村が適当と認めた保育場所で実施)に広げる方向を示 している。これは、諸外国における家庭的保育にみられるものであって(小山・庄司・ 尾木ら 2008)、今後、わが国の保育事業の広がりを期待させるものであった。 家庭的保育は、児童福祉法上に位置づけられスタートしたが、2015 年度(平成 27 年度)から導入する「子ども・子育て支援新システム」においては、家庭的保育は、 70 「地域型保育事業」に分類された(図2) 。地域型保育は、事業者と保護者の直接契約 で、家庭的保育事業(定員3名~補助者設置の場合は5名以下) 、小規模保育事業(定 員6名~19 名,A型・B型・C型の3種類がある)、居宅訪問型事業、事業所内保育 事業の4形態がある。 小規模保育事業C型は、家庭的保育事業の複数ユニットで成り立つものである。保 育者1名と補助者1名の2名で、家庭的保育児5名までの保育スタイルを外さなけれ ば、子ども 15 名まで受託できる。小規模保育事業は、ビルの一室や空店舗、アパート などで容易に設置できる保育事業である。国は 2011 年、「待機児童解消『先取り』プ ロジェクト」として、 「小規模保育事業」をスタートさせた(福川 2011) 。そして、 実施主体として、 「児童福祉施設最低基準を満たす認可外保育施設」が加えられた。こ れにより、家庭的保育事業は、NPO 法人やその他認証保育室などにも委託できること になった。従来の家庭的保育者の居宅で行う、家庭的な保育ではなく、小規模な認可 外保育施設に限りなく近い保育が、家庭的保育者の行う保育として実施可能になった のである(福川 2013) 。 保育所保育指針の保育の「ねらい」の中では、一人ひとりの子どもの健康と安全が しっかり守られ、保育所全体で子どもの健康増進を図っていくことが求められている (厚生労働省 2008) 。健康を保障する保育環境の整備は重要であり、とくに家庭的保 育が対象としている3歳未満児は、個人差が大きく、個別的な丁寧な関わりが必要で ある。また、初めて子どもをもつ保護者に対しては、子育ての基本を教えていく役割 も担っている。 保育の質を鑑みると、従来の、国の研修を受けた家庭的保育者が居宅という環境で 補助者と共に多くて5人までの子どもを保育する保育が本来の家庭的保育であると考 える。家庭的保育は、福川(2011,2013)が述べるように、再度、家庭的保育の意義 を確認し、 「個人実施型」や「小規模保育事業」の位置づけとその基準を明確にするべ きであろう。 2.家庭的保育の特徴 家庭的保育とは、保育所保育児と同じニーズをもつ「保育に欠ける」子どもであり、 主に、保育者の居宅で家庭的保育者1人が子ども3人まで(保育補助者設置の場合は 5人まで)の少人数の乳幼児を対象に行われる保育である(家庭的保育研究会 2011a) 。 71 対象児の年齢は、多くの自治体では産休明けから3歳未満と規定されている。実施す る保育形態は、1日8時間を基本とする通常保育であり、その保育の実際については、 「保育所保育指針」 (厚生労働省 2009)に準ずることが求められている(家庭的保育 研究会 2011b) (表5) 。とくに、保育の目標として掲げられている「子どもが将来に わたる人間形成にとって、極めて重要な時期に、その生活時間の大半を過ごす場」が 家庭的保育であることを認識し、 「子どもが現在を最もよく生き、望ましい未来をつく り出す力の基礎を培う」ことを目標にしている(家庭的保育研究会 2011a) 。 保育者は、保育士を基本とし、保育士と同等以上の知識及び経験を有する者として 市町村が認める者と拡大されている。勤務形態は、登園から降園まで同じ保育者が保 育を行っており、複数の保育補助者がいる場合もあるが、基本的には主たる保育者が 保育に携わっている。保護者の勤務状況によっては、1日の保育時間が長くなること がある(家庭的保育研究会 2011a) 。 保育者の居宅で行われる家庭的保育は、乳児を含む異年齢の少人数保育であり、年 度途中の入園や退園も多い。対象児の昼食は、地方自治体により規定が異なり、給食 がある所や給食か弁当を選択できる所、弁当のみの所など様々である。おやつも、手 作りや市販のものに限られている等、様々である(家庭的保育研究会 2011a) 。 家庭的保育の基底をなすのは家庭的環境であり、その最大要因として家庭的保育者 の居宅があげられるが、現在、保育の場として、居宅ではない空き店舗、空き教室な ども活用されている(福川 2011) 。庄司・小山・尾木ら(2011)は、家庭的保育の構 成要素として、①規模(少人数) 、②日常生活の状況、③空間(狭さ)、④地域性(地 域に根ざす) 、⑤物(設備・備品) 、⑥保育者(専門性・人間性)を示し、家庭以外の 施設において家庭的保育を実施する場合、これらの条件が備わっていることの必要性 を説いている。 家庭的保育の保育スタイルは、その実施主体により様々であり、福川(2013)の述 べる、従来の家庭的保育の規模を超える最大 15 名の保育も「家庭的保育」と称されて いる小規模な認可外保育施設に近い雰囲気の家庭的保育事業もある。家庭的保育の定 義について、再検討する必要がある。 3.家庭保育の事故 小山(2013)によると、厚労省の事故集計と「赤ちゃんの急死を考える会」で把握 72 した内容として、2012 年1月~12 月までの1年間で、意識不明や骨折事故を含む負傷 事故が、2011 年の 75 件から 2012 年では、127 件に増加し、死亡事故も 14 件から 18 件に増加し、負傷事故、死亡事故共に認可保育所での増加が顕著であることが報告さ れている。死亡事故は、0~1歳児が8割を占めており、無認可保育所では、一時預 かりで初めて預けた日の死亡が3件あった。家庭的保育での事故は、2005 年(平成 17 年) 、世田谷区、2011 年(平成 23 年)横浜市の死亡事故の例がある。2013 年1~12 月の1年間の死亡事故件数は、認可保育所4件、認可外保育施設 15 件で、保育士資格 者が少ないことが要因となっている(藤井 2014) 。さらなる安全対策が求められる。 家庭的保育では、2008 年の法令化を受け、 「実施基準」 「ガイドライン」 、 「家庭的保 育の安全ガイドライン」(注1)などが示され、研修会等で徹底している(家庭的保育研 究会 2011b) 。安全対策の一つとして、家庭的保育補助者の設置の必要性がいわれて いる。家庭的保育は、保育者が一人で何役もの仕事を担う負担のかかる業務である。 日中保育の他に、会計や必需品の買い出し、清掃など多くの業務を一人で行うことか ら、保育する子どもの人数に関わらず、補助者設置が重要である。 また、国の新たな成長戦略として「育児経験豊かな主婦らを『子育て支援員』とし て認定する仕組みを創設する」とし、家庭的保育事業などの保育従事者にあてようと する動きがある(藤井 2014) 。保育の質の保障を鑑みると、数時間の研修のみで取得 できる『子育て支援員』は不安が残る。 4.家庭的保育者の要件 家庭的保育者は、市町村の認定を受けた者で、要件としては、ガイドラインに以下 のように記されている。 ① 保育士、②看護士、幼稚園教諭、その他の者が研修(以下「認定研修」という。 ) で、 〔別添1〕(注2)「基礎研修」修了し、市町村長が家庭的保育者として適当と 認める者。ただし、平成 21 年度に家庭的保育を実施していた者(補助者を除く) に必要な研修については、平成 22 年3月 31 日までに受講した研修をもって充て ることにより、家庭的保育者とすることを可能とする。なお、その場合であって も平成 23 年度末までに本ガイドラインに基づく研修を受講すること。 ―留意事項― ・市町村は、認定研修により家庭的保育者として認定する際は、研修における試験、 73 レポートの提出、実習施設での評価等適切な方法により評価を行い、認定すること。 ・市町村は、家庭的保育者に対する現任研修等により、適切に評価を行うこと。 ・3歳以上児(年度途中で3歳に達した場合は当該年度末までの幼児を除く。 )を対 象に家庭的保育事業を実施する場合は、3歳以上児の発達や保育に関する内容に留 意した研修を実施すること。 出典)家庭的保育研究会, 『家庭的保育の基本と実践』 ,別添増補資料「家庭的保育事業ガイ ドライン」, pp.5-11,より転記、筆者一部改変 5.家庭的保育の研究動向 家庭的保育に関する先行研究では、家庭的保育の制度化に向けての研究が主流であ り、以下の観点からの問題提起がなされていた。 第1に、家庭的保育制度について、家庭的保育者がおかれている不安定な処遇や条 件等に関する指摘である。収入の不安定さ、身分保障、休暇の保障、保育所との連携、 援助体制の整備に関する指摘により、家庭的保育者の労働条件の問題やその課題につ いて、熟視することができるようになった。この先駆け的な研究を行っているのが、 福川や尾木らの研究である(表6) 。 また、相馬(2004)は、社会学の視点から、家庭的保育の事例をあげ、 「子育ての社 会化」の可能性と課題について検討した。今後は、家庭的保育が公的保育の重要な役 割としてその専門性の向上、労働条件、資格要件の見直しが求められるとし、専業主 婦や子育て経験のある女性のみを事実上、対象としたような資格要件の改革など、男 性の保育士や子育て経験者も従事できるような、ジェンダー中立的な条件整備が求め られよう。さらに、実際の利用者や保育者の意識の醸成も必要であると説いている。 そして、これは、いわゆる少子化対策、待機児童対策という発想からではなく、 「子ど も男女共同参画社会」の実現という理念の下ではじめて可能になると述べている。 第2に、家庭的保育が普及しなかった理由や背景を問題化する議論である。家庭的 保育制度が普及しなかった理由や背景を問題化する際に、最も焦点があてられるのは、 まず、日本の保育制度における「保育所神話」 (畠中 2000)の存在や、 「家庭か、施 設保育か」 (福川 2000)という硬直的な供給体制における構造的な問題があげられる。 また、家庭的保育制度に対して、地方自治体は一定の監督、責任があるが、その具体 的な責任の程度や範囲について明確ではなく(上村・福川 1998) 、行政の問題から制 74 度拡大が積極的に図られてこなかった事情もある。 (注3) 福川(1997)は、1980 年代初期に社会的な問題となった「ベビーホテル問題」 をあげ、無認可保育施設の歴史的背景を指摘し、家庭的保育が普及しなかった背景を 述べている。 第3に、家庭的保育の保育のあり方、少人数保育の効果に関する研究である。広域 調査研究では、益満・福川・尾木・網野ら(1995)の研究がある。家庭的保育やベビ ーシッターを含めた、在宅保育のあり方に関する研究で、今後の在宅保育、訪問在宅 保育の役割とそのあり方について検討を加えている(表6) 。在宅保育のあり方に関す る研究は、尾木(2006)による研究まで継続されていった(表6) 。この研究は、調査 対象者が保育者や家庭的保育を利用する保護者、ベビーシッターを利用する保護者な ども加わり、保育をする側と、その保育を受ける側の保育サービスの意識について検 討した。調査内容は、①家庭的な保育環境が低年齢児にとって好ましいものであるか 否か、②在宅保育に対する意識の変化(在宅保育利用前後の意識の変化)などで、在 宅保育の継続的な利用による効果のメリット・デメリットを具体的、客観的に明らか にすることにより、家庭的保育やベビーシッターによる保育の効果を検証しようとし たものであった。調査結果から、家庭的保育、ベビーシッターは共通して、個別的な 対応性や家庭的保育環境、また、子どもを主体とする保育の効果と特性が評価された。 家庭的保育のメリットとして、異年齢児による小集団の保育は、子どもの社会性の 発達を促すうえで効果があり、個別的対応が可能な少人数保育は、集団保育と個別保 育の効果をあわせもつ点で評価された。さらに、保育者が一日の保育の中で同一であ ることから、保育者と子どもの愛着関係を結ぶうえで効果的な保育であるとし、保護 者にとっては、密接な関係から子育てを学ぶことができるなどの効果が認められたと 結論づけていた。また、デメリットとして、①保育者の質のバラツキ、②閉鎖性、③ 密室性・安全性、④地域の人々との触れ合い、⑤トラブル時の対応、などがあげられ、 改善策として、個別保育に熟知した保育者の養成や評価制度の充実、複数担当制の良 さ、社会資源の活用、相談機能の強化などがあげられた(尾木 2006) 。 そして、この研究から、低年齢児保育としての「家庭的保育環境」は、今後の集団 保育、施設保育のあり方にも反映させることができる可能性が示唆された。 尾木(2006)は、今後、 「家庭的保育環境」のメリットを掘り下げ、これを保育シス テム全般に拡充していくことは、十分に検討に値するとし、低年齢児保育を担う家庭 75 的環境での保育の意義を実証していくことは、家庭的保育が低年齢児保育の一つの制 度的拠点となる可能性があると説いた。そして、家庭的保育制度の研究へと進行して いった。 福川・尾木・網野らの研究グループに主任研究者として小山(2006 年度~2009 年 度) ・庄司(2010 年度) 、岩田(2011 年度)らが加わり、2006 年度から6年間の継続 で、家庭的保育の制度化に向けて、家庭的保育のあり方に関する研究が本格的に始ま った。法定化に向けて、小山・庄司・岩田・尾木らは検討会を重ね、保育の質の担保、 保育者が心身ともにゆとりをもって保育することができる労働環境の整備、密室性や 家庭的保育者の孤立を回避するための方策などが検討された。そして、家庭的保育は、 2010(平成 22)年4月、児童福祉法上に位置づけられた公的な保育事業として施行さ れ、認定を受けた保育者が職業として保育を行えるようになった。 上述のように、これまでの家庭的保育の研究では、家庭的保育やベビーシッターを 含めた、在宅保育のあり方に関する研究、保育制度に関する研究が主流であった。家 庭的保育の保育内容に関する研究では、小野・伊志峯ら(2004)の家庭的保育の地域 交流に関する研究や相馬(2004)の社会学の視点から家庭的保育の意味を問いただし た研究、中村(2013)の家庭的保育事業に関する研究、諸外国の家庭的保育の研究(上 村 2002,斎藤 2010,椨 2007~2010)等が行われてきた。しかし、上記、尾木(2006) が述べる、低年齢児保育を担う家庭的環境での保育の意義や施設保育との比較研究に よる子どもの発達への効果、保護者の満足度などについて、実証的かつ客観的な研究 による検討の必要性が指摘されてきた(小山・庄司・尾木ら 2008)が、未だ実施さ れていない。 本研究は、このような社会の必要性に応えるものでもある。 76 表5 家庭的保育と保育所の比較 保育所 目的 家庭的 日々保護者の委託をうけて保育に欠ける乳児または幼児 日々保護者の委託をうけて保育に欠ける乳児または幼児を保育す を保育する。【児福 39】 る。【児福 39】 ゼロ歳児から就学前の乳幼児 乳児または幼児、ただし3歳以上児を対象とした場合は3歳以上の発 達や保育に関する内容に留意した研修を実施すること 1日8時間を原則として、その地方における状況を考慮し て、保育所の長が定める。 【児設基 34】 保育時間・保育日数等 保育日数については規定はない。およその年間保育日数 は300日。11時間以上の延長保育に補助金交付。 【児童家庭局長通知雇児発第0609001号】 1日8時間を原則とし、乳幼児の保護者の就労状況その他家庭の状 況、家庭的保育者の状況等を考慮して、保育実施日及び保育時間を 市町村が定める。 【家庭的保育事業ガイドライン第5,5】 対象年齢 保育者 職員の配置 保育内容 保育料 実施場所 家庭的保育者として市町村長の認定を受け家庭的保育を行う者で あって、市町村長が行う「基礎研修」を修了した者。要件として、一保 育士,二看護士,幼稚園教諭、その他の者が「認定研修」を修了し、 市町村長が家庭的保育者として適当と認める者。 保育士 【児福第1章第6節各条文】 (2001年11月改正、2003年11月施行) 保育士、調理員、嘱託医の必置。ただし、調理業務の全部 を委託する施設は調理員をおかないことができる。保育士 家庭的保育者が1人で保育をするときは、保育する『乳幼児の数は、 の数は乳児は、 おおむね3人につき1人以上 3人以下である事。家庭的補助者と共に2人以上で保育する場合は 3歳未満児 は、おおむね6人につき1人以上 5人以下とすること。 ただし、1保育所2人を下ることはできない。 【児設基 33】 保育内容の最低基準として「保育所保育指針」が厚生労 働大臣によって告示される。 【児設基 35】 保育内容は「保育所保育指針(平成20年厚生労働省告示第141 号)」に準じることとし、家庭的保育事業の特性に留意して、哺育する 乳幼児の状態に応じた保育を行うこと 市町村が国の徴収基準に基づき独自の基準表を定めて保 護者の所得に応じた徴収基準(保育料)を徴収。国基準 保育の実施に要する費用を勘案し、かつ、利用者の家計に与える影 第1~8階層。 響を考慮して市町村がが定めること。 私的契約児は保育単価全額徴収。 【児福 56③項】 【厚生省事務次官通知発児第59号の2】 (1)保育を行う専用居室等 保育を行う部屋は、面積9.9㎡以上あって、採光及び換気の状況が良 好であること。3人を超えて保育する場合は、3人を超える乳幼児1人 設置基準は、2歳未満児が1人当たり1.65㎡以上、匍匐室 につき3.3㎡を加算すること。 は1人当たり3.3㎡以上で、医務室、調理室、便所を設ける (2)設備 こととしている。 衛生的な調理設備及び便所を有すること。 居宅の敷地内に乳幼児の遊戯等に適する広さの庭を有するかこれに 代るべき公園、空き地、神社境内等の開かれた場所があること。 出典)全国保育団体連絡会・保育研究所編,2013, 「保育所の設備運営基準の概要」 『保育白 書 2013』 ,ひとなる書房,p31,を基に筆者作成 77 表6 家庭的保育制度に関する先行研究一覧 No 1 2 著者 年 タイトル 発表誌 巻・ page 益満孝一・福川須美 網野武博・尾木まり 坂本健・柏女霊峰他 子ども家庭サービスの機能分権化及 日本総合愛 び民間化のあり方に関する研究-保 1995 育研究所紀 育ネットワークの構築に関する研究 要 Ⅰ保育動向分析- 第31集 115-126 益満孝一・福川須美 網野武博・尾木まり 坂本健・柏女霊峰他 子育て支援サービスの在り方に関す 日本総合愛 る 研 究- 保育 ネッ トワ ーク の構 築に 1996 育研究所紀 関する研究Ⅱ家庭的保育、訪問在宅 要 保育の在り方- 第32集 149-160 3 網野武博・福川須美尾 木まり・相澤弘美 2000 日本保育学 在宅保育に関する研究Ⅰ我が国にお 会大会論文 ける在宅保育の動向 集53 4 網野武博・福川須美 尾木まり・相澤弘美 2000 日本保育学 在宅保育に関する研究Ⅱ 在宅 保育 会大会論文 サービスの実施状況 集53 5 網野武博・福川須美 尾木まり・相澤弘美 2000 日本保育学 在宅保育に関する研究Ⅲ保育者によ 会大会論文 る保育サービス提供の実態 集54 6 網野武博・福川須美 尾木まり・相澤弘美 2000 日本保育学 在宅保育に関する研究Ⅳ 利用 者の 会大会論文 ニーズと利用状況 集54 7 福川須美 2000 転期に立つ家庭的保育制度の現状と 現代のエス 課題 プリ 8 上村康子 2000 家庭的保育制度における保育者の労 天理大学社 働条件・社会的権利保障について 会学紀要2 9 上村康子 2000 家庭的保育の位置付けについて 10 網野武博・福川須美 尾木まり・相澤弘美 2000 在宅保育に関する研究Ⅵ在宅保育の 日本学会大 子どもへの効果 会論文集55 218-219 11 福川須美 2006 次世代育成支援行動計画と子育て家 住民と自治 庭支援 523 12-17 日本保育学 会大会論文 集53 在宅保育の効果に関する研究-利用 財団法人 1 2 尾木まり(主任研究員) 2006 効果及び利用後の意識の変化-報告 子ども未来 書概要 柏女霊峰・渋谷昌史・ 1 3 尾木まり・小林理・佐 20-21 22-23 34-47 7-16 480-481 報告書 1-16 日本子ども家 児童家庭福祉制度再構築のための児 庭総合研究 童福祉法改正要綱試案(最終版) 所紀要 第42集 51-69 2007 子ども家庭福祉行政機関の機構 改革と運営に関する研究(1) 日本子ども家 庭総合研究 所紀要 第43集 43-70 柏女霊峰・渋谷昌史・ 藤ますみ・網野武博他 240-04 -28 2006 藤ますみ・網野武博他 1 4 尾木まり・小林理・佐 財団 238-239 78 小山修・庄司順一・渋 日本子ども家 第43集 庭総合研究 89-109 所紀要 2007 家庭的保育のあり方に関する研究 (1) 2008 日本子ども家 家庭的保育のありかたに関する研究 庭総合研究 (2) 所紀要 第44集 65-92 柏女霊峰・有村大士・ 1 7 尾木まり・渋谷昌史・ 佐藤ますみ・小林理他 子ども家庭福祉行政機関の機構改革 日本子ども家 と運営に関する研究(2)-保育子 2008 庭総合研究 育て支援、児童健全育成分野を中心 所紀要 に- 第44集 37-64 1 8 田村和之 2008 家庭的保育事業は「補完」ではなく 賃金と社会保 「代替」である 障1374 2009 日本子ども家 家庭的保育のありかたに関する研究 庭総合研究 (3) 所紀要 第45集 85-91 2009 家庭的保育のあり方に関する検討会 月刊『保育情 報告書 報』 NO391 10-22 2010 家庭的保育のあり方に関する研究 (4) 日本子ども家 庭総合研究 所紀要 第46集 85-93 保育科学研 究 第1巻 1-21 1 5 谷昌史・尾木まり・網 野武博・福川須美他 小山修・庄司順一・尾 1 6 木まり・斎藤多江子・ 須永美紀・網野武博他 小山修・庄司順一・ 1 9 尾木まり・斎藤多江子 須永美紀・網野武博他 庄司順一・岡 健 2 0 尾木まり・鈴木道子・ 福川須美・鹿島田和弘 小山修・庄司順一・ 2 1 尾木まり・斎藤多江子 須永美紀・網野武博他 庄司順一・尾木まり・ 2 2 斎藤多江子・須永美紀 2010 保育の質の評価に関する研究 水枝谷早苗他 15-22 網野武博・尾木まり・ 23 斎藤多江子・須永美紀 他 「家庭的保育者(保育ママ)の研修 財団法人 についての調査研究」平成20年度児 2010 子ども未来財 童関連サービス調査研究等事業報告 団 書 報告書 2 4 栗山陽子 2011 家庭的保育のこれまでとこれからに 子ども学研究 ついて 論集(3) 79-91 2011 家庭的保育のあり方に関する研究 (5) 日本子ども家 第47集 庭総合研究 87-101 所紀要 2012 家庭的保育のあり方に関する研究 (6) 日本子ども家 庭総合研究 所紀要 庄司順一・小山修・尾 2 5 木まり・斎藤多江子・ 須永美紀・網野武博他 岩田力・小山修・網野 2 6 武博・尾木まり・斎藤 多江子・須永美紀他 79 第48集 1-26 第4節 諸外国の保育の動向と家庭的保育 現在、政府が女性の就業を成長戦略の中核と位置づけているが、核家族化が進むこ とで(日本子ども家庭総合研究所 2013) 、子どもをもち就業する母親は、保育所等に 子どもを預けることが必要になってくる。本章第1節でも述べたが、とくに、わが国 では3歳未満児の保育需要が高く、政府の対応が追いついていかないのが現状である。 そこで、先進諸外国に目を向け、保育に特徴がみられる先進国の保育について、社 会の動向や国の保育政策、育児支援などを概観し、次に必要な研究の示唆を得ること とした。 用語の定義 本論では、保育に特徴がみられる先進国として、就労する母親の育児支援の視点か ら特徴のある先進6か国を取りあげ、保育政策や育児支援などについて分析した前田 (2006a,b)の研究にある、スウェーデン、フランス、ドイツ、オランダ、アメリカ、 イギリスを対象とし、保育の特徴を概観することとした。 1.スウェーデン スウェーデンでは、就労を支援するために 1970 年代後半から保育所を整備し、1985 年(昭和 60 年)には国会で、1歳半からの全ての子どもに保育を保障するという決議 を行っている。そして、1980 年代後半には量的には充足されるようになった。地方自 治体には、親が就労・就学している子どもに対して、保育を提供する厳しい責任と義 務がある。 親が育児休業ないし失業中でも、保育機関にアクセスできる権利を保障する方向に 視点を拡大し、現在では、通常申し込みから3~4か月以内には必ず保育所に入所で きることを自治体に義務づけるようになってきた。 1990 年代までは待機児童の課題解決を優先してきたが、待機児童の解消が実現した 2000 年代には、本格的に保育の質の向上を目指す政策へと変化してきている。仕事と 子育ての両立を容易にする様々な制度が整っているこの国は、専業主婦がいない国と いわれるほど共働き率が高く出生率も回復している。 スウェーデンは、保育所は母親の就労のための支援というよりは、むしろ、子ども の発達を保障する場であり、保育所に行き保育を受けることが子どもの権利としてと らえられており、保育所の確保が各自治体の責務となっている。保育カリキュラムを 80 自治体と共に利用者が関与し策定されていることが特徴といえよう。 スウェーデンの家庭的保育は、1996 年に保育が教育システムに組み込まれ就学前教 育となったが、家庭的保育もその一環として、存続し、自治体の研修を受けた保育者 (municipal child minder)が、保護者のスケジュールにあわせた保育を実施してい る。保護者が変則的な勤務の場合や家の近くに就学前学校がない場合、小さい集団が 適している子どもなどに利用されている。 家庭的保育は保育所と並ぶ公的な保育であり、保育者は公務員である。よって、労 働者としての権利や福利厚生が充実しており、年間5週間の有給休暇や老齢年金等の 社会保障がある。また、多くの自治体は保育者のために、100 時間の特別初期研修コ ースを開設しているほか、国の勧告によって有給で実施される年間 30 時間の現職研修 がある。また、家庭的保育者の孤立を回避するため、国は自治体にスーパーバイザー を配置するよう勧告している。スーパーバイザーは、地域の家庭的保育のコントロー ルセンターとしての役割も果たしており、定期的に会議を開催する等、家庭的保育児 を連れてきて、他の家庭的保育者との交流の場ともなっている。 2.フランス フランスでは、19 世紀末から上流階級では乳母に保育させることが歴史的に行われ てきた経緯があり、自然発生的に実施されてきた家庭的保育者に行政が認定や支援を 行うことにより、質を担保し促進することで家庭的保育を実施してきた。家庭的保育 の利用数は、2000 年には、53 万人であった。2003 年には企業保育所などに補助を出 し、2万人の保育定員を増加させたことや、家庭的保育者の地位向上計画を発表し、 認定家庭的保育者制度を促進させてきた経緯があり、日本の家庭的保育制度とは異な る土壌がある。これは、財政上の理由から、日本のように保育所を全国的に普及させ る政策はとらずに、家庭的保育制度を促進させてきた経緯があったからである。家庭 的保育は、保育ママ(Assistantes Maternelle)と家庭保育園(Crechers‐Familiales) があり前者には認定保育ママと無認定の保育ママがある。家庭保育園は、家庭的保育 者の連合体で、保育形態は同様であり個別的配慮と同時に単独保育から組織的な保育 にすることで、保育者が休暇をとれる等の利点もある。 フランスでは、3歳になると保育学校(Ecoles Maternelles)に 100%就学する。こ の保育学校は、週 35 時間開設しており給食もある。水曜が休みのため、家庭保育制度 81 やベビーシッターなどをあわせて利用することにより、就労しながら子育てを実現で きる。ベビーシッターや家庭保育、保育所、保育学校と様々な制度が並行している。 ベビーシッターや家庭保育制度を利用する場合は、AGED(家庭保母手当)やAF EAMA(家庭保育者補助制度)を利用して補助が受けられる。また、乳児の死亡率 を下げるために医療機能をもたせた保育所も整備されており、様々な支援制度を活用 しながら育児にあたることができる仕組みが整えられている。 フランスの出生率の高さは、子育てしながら共働きが可能な家族支援政策にあると いわれている(神尾 1999)。さらに、2004 年1月1日以降に生まれた子どもには、 AGED(家庭保母手当)とAFEAMA(家庭保育補助制度)を統合してさらに充 実させたPAJEという手当が保育所利用者にも支給されるようになるため、保育形 態の自由選択権が保障される。このような手厚い保育政策と他所の人にわが子の育児 をゆだねることが慣例化されてきた歴史的な経緯があることがフランスの保育の特徴 といえよう。 また、保育ワーカー(保育ママ)中継所があり、幼少期に携わる職種の人たちの交 流の場や相談の場でもある。また、親の援助や保育ママの悩みや問題にも援助し、問 題解決仲介支援を担っている。また、自治体には、1980 年から乳幼児の受け入れサー ビスについての調整を行うコーディネーターも設置されており、保育ママや親を様々 に支援する場所や機能がある(クロード・ギッシュマン 2012) 。このように、フラン スでは、幼少期に関わる多岐にわたるシステムが作られ、必要に応じて保育政策が整 えられてきたことが女性の働きやすい環境づくりとなり、高出生率に結びついたので ある。 3.ドイツ ドイツは、フランスと同様に現金給付が充実しながら、出生率が下がる原因として、 フランスのように手厚い保育制度がないことや保育所が不足していること等が指摘さ れている(前田 2006a) 。 東西ドイツは 1990 年の統一まで、かなり異なった発展を遂げてきた。その中で、保 育、幼児教育に関する政策も大きく異なっていた。旧西ドイツでは、子どもが小さい 間は母親が家にいることが当然視されてきたが、旧東ドイツ側は社会主義政権下で女 性労働力は貴重な国家資源であり、保育も整備され、女性が就労を継続するのに困難 82 ではなかった(前田 2006a) 。しかし、統合によって特に低年齢児保育は閉鎖し、国 家補助も削減されたことにより、保育を受ける子どもは、低年齢児が 56%から 3%に、 3歳以上児が 94%から 68%に減少した(前田 2006a) 。 また、女性の失業率の増加 と共に、旧東ドイツでは出生率も低下した。統合以来、保育所が相次いで閉鎖される と共に、女性の雇用主であった国営企業も閉鎖され、女性は子どもを預ける場も就労 の場も失った。その後、PISAショクや移民背景をもつ子どものドイツ語能力の問 題から就学前教育について注目が集まった。 2005 年にドイツ連合保護法が改正され、保育機関以外の教育機関・社会福祉機関と の連携性が義務づけられ、次第に各州の教育要領にも反映されてきている。現在、連 邦政府により教育制度も大きな変化を遂げ幼稚園入園の補遺的権利や幼稚園最終年度 の無償化を可決し、保育者養成カリキュラム改正なども行い、専門性や技術などを高 めていく傾向にある。近年、ドイツでは出生率がわずかながら上昇の気運がみられる ようになった背景には、育児休暇に伴う育児手当が 2007 年度より親手当に改められ、 育児休暇中、両親が分けて 14 か月分受給できることなり、休暇前の手取り所得の 67% が保障されるようになった。 4.オランダ オランダは、保育整備が始まったばかりである。保育・教育は、0~4歳未満児と 4歳以上児に区分され、4歳以上は幼児教育である。また、保育者の資格は、4歳未 満児の保育者は中等教育機関での養成である。保育は、これまで教会などが慈善事業 で行っており、全国的に統一された保育の最低基準もなく、公的な援助の出し方も様々 で、ルール化されてこなかった。1985 年からは、新たに4歳から 12 歳までの児童が 対象となる統合小学校制度により、幼児教育と小学校教育との連携が図られている。 オランダは元来、育児は母親の仕事という概念が強いが、女性の就業率の増加と短 い育児休業によって仕事の復帰が早く、短時間労働との組み合わせで、保育不足と仕 事の両立を図っている(前田 2006a) 。 2002 年保育基本法が制定され、保育の最低基準と共に、育児休業制度の充実、利用 者保育費用の援助も定めた。民間が経営する保育所の定員枠を雇用主の企業が従業員 のための確保や、従業員の保育料を企業側が半額負担すること等も行われており、政 府は保育コストの 3 分の1ずつを政府、雇用主、利用者で負担することを基本として 83 いる。また夫婦共同で就労と子育てを両立させるという“コンビネーションシナリオ” のキャンペーンを展開しており、若い高学歴の男性で子どもが小さい間はパートタイ ムで働く指向をもつ人も増えている(前田 2006b) 。 保育は、民間保育施設が担っており、保育施設の一つである「SKON」は、Stichtung Kinderopvang Nederland の略であり、2~3の企業が従業員のために出資して創 立した財団であったが、現在では、国内で 50 か所以上の保育施設を運営している。保 育については、顧客のニーズにあわせた柔軟性のある保育で、緊急保育や子どもホテ ル、移動託児所など公立の施設では対応できないニーズが満たされるよう、利便性を 追求した保育であると共に、安心、安全、教育レベルの高いクオリティの確保に努め ている。保育施設の管理、職員の訓練、研修、安全の確保などに一定の基準を設けて いる。また、保育者が変わらないように固定化し、3か月から4歳までの子どもグル ープは、最大3~7グループで小規模の個別保育に努めている。このような一般的な 保育施設の他に、オランダに移民してきた外国人労働者の子どもを対象に、移民して きたモロッコやトルコ出身の親子と共に活動することによって、教育を底上げしてい こうとする「Stichtung Samenspel opmaat」 民間の財団もある。ここは、外国人 労働者の親子どもに対して、学校教育の基礎的準備をするよう働きかけていこうとす る主旨である。保育料は、保健所などの公共の場を使用する等して無償にしている。 活動は、週に1,2回で、母子相互の遊びを通して、教育的な感化を与えるものであ り、教育的な基礎を獲得させるための有効な手段と考えられている。 5.アメリカ アメリカでは、子どもをもつ家庭の過半数は共働き世帯であるといわれているが、女 性の高学歴化とサービス業の拡大、職場の男女平等の進展、近年では離婚の増大など により母親の就業率が拡大しており、6歳未満の子どもをもつ母親6割強、2歳未満 の乳幼児をもつ母親の5割強が就業している(前田 2006a) 。 アメリカは、基本的には家族政策はない。ただし、家族・疾病休業法(Family and Medical Leave Act:FMLA)が 1993 年に施行され、該当者は 12 週間の無給休業が補 償されているに過ぎない。また、わが国のような児童手当はないが、税制による所得 控除、税額控除(児童税額控除および保育費用控除)といった子育て支援策がとられ ている。 84 アメリカは国家としての統一した幼児教育、公的な保育制度はなく、州ごとで独自 に行われており、保育理念の異なる多様な私立の保育施設が多数存在する。保育所は 家庭の就労支援を目的として3~5歳児を対象とすることが多く、2歳までの子ども の保育形態は様々で、保護者がネットワークを駆使して探す状況である。保育ママや ベビーシッターがアメリカに多いのは、低年齢児に対応する保育施設の少なさにある といえよう。利用者は保育所、プレスクール、幼稚園、保育園、保育ママ、シッター など様々保育手段を選択し、利用することになるが、価格が高く、質も高い保育と、 価格も安く質も悪いサービスの保育となる。親の経済力がそのまま子どもたちの保育 環境、ひいてはその後の発達なども左右することになる(前田 2006a) 。国内の低学 歴層が保育労働者となっており、保育者は低賃金労働者の代名詞になっている。親は 保育ママやベビーシッター保育所など様々な手段を組み合わせてしのいでいる状況で あるが、シッターによる虐待などが問題になり、施設型保育への志向が強まっている。 そのような中、アメリカでは Thelma Hams, et al(2007)によって、保育の質を構 造的視点からチェックする保育環境評価スケールが考案され、2007 年には家庭的保育 のスケールも出版され、保育の質をめぐる研究も進められている。 6.イギリス イギリスでは 18 世紀中ごろの産業革命以降、女性が家庭外で就労するようになった ことから、必然的に子どもは他人に預けるようになり、この保育の形態がチャイルド マインダーと称され、日本でいう家庭的保育にあたる。現在、イギリスではこの職業 が家庭外保育として最もポピュラーになっており、2007 年の調査では、約7万人が従 事し、30 万人(定員数)の保育を担っていた(椨 2011) 。保育・科学省と保健・社 会省の二中央官庁の指導の下、地方教育当局と地方教育当局福祉課とが分担し合って きた。保育施設の維持、運営、管理は公立、私立に分けられ、前者は貧困層に対する 施設で、後者は裕福層が自らの子女のために資産で設立したもので、 「ナーサリー・ス クール」 (保育学校)と「デイ・ナーサリー」 (保育所)で、1970 年代後半に至るまで 困窮層のケア施設であった。裕福層は、家庭内にナニ-(専属養育係り)からの教育、 そして家庭では補えない教育として、フレーベル幼稚園を設立し、そこで教育した。 貧困層と裕福層の中間層は、5歳になると義務教育の小学校に就学するが、それまで は母親が近隣の社会資源などを利用しながら家庭で子どもの面倒をみていた。 85 1960 年代以降は、 「プレスクール・プレイグループ」協会の運営する施設を利用す るものである。そのほか、公立のナーサリー・クラス、デイ・ナーサリー・クラス、 デイ・ナーサリーなど就学前初等教育として様々な施設がある。1989 年、児童法が制 定され、1991 年より施行された。その基本精神は、「子どもの権利と利益が最優先」 とされ、そのうえで、家族こそが子育てに最適な場所であり、子どもは家族との生活 を最大限保障されるとし、親に対して子どもに関する多くの権利と責務を負わせてい る。子どもの保育・教育にあたっては、チャイルドマインダーやプレイ・グループや ナーサリー・スクールと併用する保護者も多い。 イギリスでは、チャイルドマインダーに対して地方自治体への登録と定期的な審査 を課している。保育者の大多数は独自経営者、次いで地方自治体からの委託者、ごく 少数が地方自治体の雇用者である。一人で自分の子どもを含めて、5歳未満児の場合 は3人まで、5~7歳児は6人まで保育でき、保育時間は1日2時間以上、保育料は 地方当局の指導を受けて保育所と親との間で協定・契約される。 以上、保育に特徴がみられる先進国の保育について、社会の動向や国の保育政策、 育児支援などを概観した。各国とも低年齢児の保育を担う社会的保育の需要は高まり をみせている。そこで、次に、就労する保護者に対して、EU加盟国の育児休業制度 について概観する。EUを取り上げた理由は、加盟国では、育児休業制度に対する育 児両親休暇の枠組み協定があり、出産休暇については、通常 14 週から 16 週の休暇が 認められ、出産休暇を取得する女性の解雇は許されず、給与(各国によって額、割合 が決められる)も保障される。育児休暇は男女とも認められる権利として保障しなけ ればならないとしている(山崎 2005) 。また、育児休暇中は解雇されず、給与の支払 いについては加盟国等の制度に任されているが、復帰後は休業前と同じか、同種の職 に就くことが決められている(山崎 2005) 。 各国の育児休業制度については、少子化を打開したフランスでは、子どもが3歳に なるまで育児休暇をとることができ(ただし、子どもが2人以上の場合に限定) 、育児 手当が最初の子どもに対しては6か月、2人目以降の子どもに対しては、全育児期間 中支給されるなど手厚い(独立行政法人労働政策研究・研修機構 2008) 。そして、上 述したように、子どもの幼少期に多岐にわたるシステムが作られ、必要に応じて保育 政策が整えられ、子育て支援策による手厚い保障と一体となった乳幼児受け入れサー ビスの提供がなされている。 86 EU各国の育児休暇は、子どもが3歳になるまでが多く(一部の国を除く) 、オラン ダでは8歳まで取得することができる(表7) 。スウェーデン、フランス、イギリスで は出産後も仕事と子育てが両立できるように、短時間勤務制度が充実している。 日本でも、労働者の身分保障や労働条件など、育児休業制度の改善を図り、産休、 育児休暇明けから安心して子どもを預け働くことができる保育の整備が必要である。 87 表7 EU 加盟各の出産休暇、育児休暇制度 スウェーデン ● 両親ともに60日の育児休暇が認められる。 ● 加えて、子供が8歳になるまで、あるいは就学1年目を終えるまでの間に、どちらかの親に対して360日の育児休暇が与えられる。 ● 給与は360日の間は最高80%、それを超える90日についてはより低い定額の給与を保障。 ● 父親に対しても有給の育児休暇を保障。 ● 育児休暇を分割してとることができる。また、両親ともに、子供が就学1年目を終えるまでの間は、労働時間を75%に減少することができる。 デンマーク ● 子供が9歳になるまでの間に、両親ともに32週間の休暇が与えられる。 ● 両親合わせて64週の休暇の半分(32週)の間は給与の90%を保障。 ● 父親に対しては、有給の育児休暇は保障されない。 スロヴェニア ● 出産休暇の後、両親合わせて260日の育児休暇を取得できる。 ● 父親は、出産休暇後、75日の育児休暇、および、出産休暇中15日間の父親出産休暇を請求できる。 75日間の育児休暇は低い定額の給与が支払われる。 ● 育児休暇を分割してとることができる。 ハンガリー ● 子供が3歳になるまでの間に育児休暇を取得できる。 ● 子供が2歳になるまでは平均70%の給与が支払われる。子供が3歳になると、より低い定額の給与となる。 ● 育児休暇を分割してとることができる。また、育児休暇をとった者は、子供が18か月から3歳の間はパートタイムで働くことができる。 フィンランド ● 母親に対しては出産休暇ののち、26週間の育児休暇を保障。 ● 父親に対しては、12日間の出産休暇、その後、12週間の休暇を受けられる。 ● 出産休暇後の育児休暇については、子供が3歳になるまで取ることができる。 ● 休暇期間の給与は平均して66%を保障。 ● 育児休暇を分割してとることができる。また、子供が就学年齢に達するまで、両親は労働時間を短くすることができる。 イタリア ● 子供が8歳になるまでの間に、両親のどちらかに対して10か月の育児休暇が与えられる。 ● 父親が最低3か月の育児休暇をとった場合、11か月まで育児休暇を延長できる。 ● 子供が3歳になるまでの間、6か月の休暇に対しては給与の30%を保障。 オーストリア ● 子供が3歳になるまで、育児休暇をとることができる。 ● 給与は6か月の間は定額保障。18か月の間は、世帯に応じて手当が出る。 ● 育児休暇を分割してとることができる。従業員が15人以上の企業に勤めている場合は、育児期間中、パートタイムの仕事ができる。 フランス ● 両親ともに、6か月のフルタイムの休暇または12か月のパートタイムの育児休暇をとることができる。 ● 定額の育児手当を支給される。 ● 育児休暇を分割してとることができる。また、育児休暇をとった者は、Career break schemeという法律によって、最高5年までパートタイムで 働くことができる権利が保障されている。 ルクセンブルク ● 双方の両親が、子供が5歳になるまでの間に6か月のフルタイム休暇、または12か月のパートタイム休暇をとることができる。 ● 最低賃金に近い定額の育児手当が支払われる。 ● 育児休暇を分割してとることができる。 チェコ ● 子供が4歳になるまでの間に、両親合わせて定期の育児休暇を取得できる。 ● 定額の育児手当(最低生活水準の2%未満)。 ポーランド ● 子供が4歳になるまでの間に、両親合わせて定期の育児休暇を取得できる。 ● 収入の低い家庭に対しては、24か月の間最低賃金の60%が支給される。 ● 4歳未満の子供を持っている両親は、1日当たり8時間を超える労働、夜勤、及び家庭を離れた場所に赴任することを拒否できる。 88 ラトビア ● 子供が3歳になるまでの間に、両親合わせて定期の育児休暇を取得できる。 ● 低い定額の育児手当が支給される。 ギリシャ ● 私企業では、子供が3.5歳になるまでの間、双方の両親が3.5か月の育児休暇を、公式セクターでは子供が6歳になるまでの間2年間の育児 休暇を取れる。 ● 無給 スペイン ● 子供が3歳になるまでの間に、両親合わせて定期の育児休暇を取得できる。 ● 無給 ポルトガル ● 子供が3歳になるまでの間、双方の両親が6か月のフルタイムの育児休暇を取得できる。 ● 父親は、出産休暇直後15日の育児休暇を取得できる。 ● 父親がとる出産休暇直後15日の育児休暇は100%、給与を保障。そのほかは無給。 ● 子供が3歳になるまでの間は、育児休暇の分割取得は一部認められる。また、子供が12歳になるまでの間は、パートタイムまたは短時間勤務 で働くことを要求できる。 オランダ ● 子供が8歳になるまでの間、3か月のフルタイム、または、6か月のパートタイム休暇を取得できる。 ● 無給 ● 育児休暇を分割してとることができる。また、従業員は、雇用主に対してパートタイムで働くことを要求できる。 逆に、パートタイムで働いていたものはフルタイムで働くことを要求できる。 アイルランド ● 子供が5歳になるまでの間、双方の両親が3か月の育児休暇を取得できる。 ● 無給 ● 育児休暇を分割してとることができる。 イギリス ● 子供が5歳になるまでは、両親ともに3か月の育児休暇をとることができる。 ● 無給 ● 育児休暇の分割取得は、1年につき4週間に限り認められている。 ● 2003年以降、幼い子供がいる場合は、雇用主に対してパートタイムないしはフレックス制度で働くことを要求できる。 キプロス ● 子供が6歳になるまでの間、双方の両親が3か月の育児休暇を取得できる。 ● 無給 ● 1年につき最大で4週間の育児休暇を取得できる。 出典)独立行政法人 労働政策研究・研修機構 [JILPT 資料シリーズ NO.45「ヨーロッパに おけるワークライフバランス」 (2008 年,pp.51-54.)]より、筆者作成 89 ま と め 本節では、先進国の保育がどのように展開してきたかを概観した。いずれの国にお いても専業主婦が減少し、就労する女性の割合が増えている。就労家庭への保育供給 は国により特徴がみられた。 各国の保育の歴史の中で、子育ては家庭で母親が行うという概念は薄れ、国や自治 体が社会的に育児を支援し、保育を拡大することが図られていた。また、民間サイド でも保育の質の向上、母親の育児支援も図られてきた。保育所や幼稚園、家庭的保育、 ベビーシッターなど様々な保育がその歴史の中で行われ、保育を受ける保障と質の向 上が各国の財政事情の中で繰り広げられてきた。また、出生率と保育行政との関連性 も指摘され、ドイツの例として、フランスと同様に現金給付が充実しながら、出生率 が下がる原因として手厚い保育制度がないことや保育所の不足があげられた。 家庭的保育は、スウェーデンのマレーネ・カールソンらにより、すでに 1986 年、家 庭的保育の国際的な調査研究組織・交流組織を創立している(福川 2009) 。現在は、 ヨーロッパ各国、イスラエル、オセアニア、アメリカ、カナダ等多様な国々で国際組 織に成長し、2年ごとに国際大会を開催している。 アメリカの家庭的保育は、5つ星で評価する制度があるが、日本でも、各家庭的保 育の様々な情報が公開され、基準に則った評価がなされることは保育の質の向上に繋 がり、日本全体の家庭的保育の質が向上するであろう。また、家庭的保育を受ける保 護者と、家庭的保育者の橋渡し的な機関としては、日本では、各自治体の保育課など が行っているが、諸外国のように、専門機関としての家庭的保育に特化した第3者機 関の存在が必要である。 90 第5節 総合的考察 長い歴史の中で日本の保育は、それぞれの時代を背景に、 「乳母」の個別保育から託 児所、保育所の集団保育へと時代のニーズに呼応し、変化してきた。そして、現在で は少子化を背景に、幼稚園と保育所を一体化させる方向で保育改革が余儀なくされ、 認定子ども園が注目されている。また、都市部では待機児童、とくに3歳未満児の問 題を抱え、保育のニーズも地域によって格差が生じている現況があり、自治体レベル で対応していく時代になったといえよう。 認可保育所や幼稚園、認定子ども園、家庭的保育、認証保育所、認可外保育所など 様々な形態の保育、様々な設置主体の保育が提供されるようになり、保護者のニーズ に応えるべき、保育サービスも図られるようになってきた。 しかし、諸外国の例として、ドイツのように保育給付が充実しながら、出生率が下 がる原因として、手厚い保育制度がないことや保育所が不足していること等が指摘さ れた。就労する母親への保育の充実度の差が、母親の就労の可能性を規定し、さらに 出生率までも影響するこということである。 保育の充実度の差とは量と質の差でもあり、量の拡大には保育の質が当然伴わなけ ればならない。保護者のライフスタイルに合った保育施設を選択できる時代になりつ つあるが、しかし、その施設を利用するのは子どもであり、子どもの健やかな育ちを 保障する場としての保育施設の提供が何より重要である。 各国の保育の推移をみると、保育の質を高め、現場の保育を支えるための行政的な サポートがあった。 家庭的保育については、フランスでは 19 世紀末から、オランダ、イギリス、スウェ ーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランド等でも古くから低年齢児保育の一つ として取り組まれていた。それは、低年齢児保育のあり方として、家庭環境での個別 保育の必要性が示されていたことでもある。 アメリカは国家としての統一した幼児教育、公的な保育制度はなく、州ごとで独自 に行われており、保育の質も様々である。アメリカでは Thelma Hams, et al(2007) によって、保育の質を構造的視点からチェックする保育環境評価スケールが考案され、 保育の質をめぐる研究も盛んに進められている。 わが国では、多様な保育が提供されるようになった。その中で、一連の規制緩和が 行われ、保育の質が問われている。とくに、3歳未満児については、待機児童対策と 91 して認可保育所以外の保育の場が設けられ、保育のスタイルは様々になった。 保育の量的な拡大の必要性と共に、 「保育の質」をどのように担保するかに関しても 重要な問題である。 日本の家庭的保育は、スーパーバイザーの設置や研修制度などが、ようやく出来上 がってきたところであり、まだ、待機児童対策としての域から脱していない。各国の ように、質の高い家庭的保育を実践するための家庭的保育者が増えるためには、国の 法整備がさらに必要であろう。 92 【注】 (注1) NPO 法人家庭的保育全国連絡協議会では、「家庭的保育の安全ガイドライ ン」(www.familyhoiku.org/publish/pdf/guidline01.pdf)を作成し、安全 の確保に特化した取り組みについてまとめた。保育上のリスクをふまえ、 保育計画や対応マニュアル、記録、報告の作成、保存など詳細に示されて いる。 (注2) 別添1:基礎研修は、全ての保育者に対する家庭的保育の基礎知識・技術 等の習得で、合計 21 時間+2日以上。認定研修会は、保育の知識・技術用 の習得で、看護士、幼稚園教諭、家庭的保育経験者(1年以上)は、合計 88 時間+2日以上、家庭的保育の経験のない者及び家庭的保育経験者(1 年未満)は、合計 88 時間+20 日。 (注3) 「ベビーホテル問題」とは、1970 年代後半から都市部に急増した、宿泊を 伴う保育を行うことができる営利目的の無認可保育施設で死亡事故が相次 いだ問題である日本弁護士連合会(www.nichibenren.or.jp)。 【引用文献】 網野武博・迫田圭子・栃尾 勲,2007, 『三訂保育所運営マニュアル 子育て環境の変 化と保育所の子育て支援』 ,中央法規出版, pp.3-8. 独立行政法人 労働政策研究・研修機構,2008, 「ヨーロッパにおけるワークライフバ ランス」 『JILPT 資料シリーズ』45,pp.51-54. 福川須美,1997, 「私も家庭的保育の味方です!」 『応援します 働くお母さん』ひと なる書房,pp.72-141. 福川須美,2000, 「座談会なぜ今家庭的保育なのか(家庭的保育のすすめ」 『現代のエ スプリ』401,pp.10-33. 福川須美,2009, 「世界の家庭的保育」 『はじめよう!0・1・2歳児の家庭的保育』 福村出版,pp.46-49. 福川須美,2011,「家庭的保育事業」全国保育団体連絡会・保育研究所編『保育白書 2011』ひとなる書房,pp.77-80. 福川須美,2013,「家庭的保育事業」全国保育団体連絡会・保育研究所編『保育白書 2013』ひとなる書房,pp.76-78. 93 福田公教,2009, 「事業所内保育施設」森上四朗・柏女霊峰編集『保育用語辞典5版』 ミネルヴァ書房,p.37. フリー百科事典, 『ウィキペディア(Wikipedia) 』子守学校:ja.wikipedia.org/wiki/ 藤井伸生,2014, 「子ども・子育て支援新制度の概要」全国保育団体連絡会・保育研究 所編『保育白書 2014』ひとなる書房,pp.68-70. 畠中宗一,2000, 「わが国における家庭的保育の展望」 『現代のエスプリ』401,pp.34-47. 稲川登史子,2013, 「増える共稼ぎ世帯と育児休業法」全国保育団体連絡会・保育研究 所編『保育白書 2013』ひとなる書房,pp.9-10. 石田慎二,2009, 「季節保育所」森上四朗・柏女霊峰編集『保育用語辞典5版』ミネル ヴァ書房,p.36. 岩田 力・小山 修・網野武博,2012, 「保育形態の多様性と質に関する研究」 『日本子 ども家庭総合研究所紀要』 49,pp.2-3. 亀崎美沙子,2011, 「戦後の保育所における保育内容―保育所保育指針発行以前に着目 して―」 『東京家政大学博物館紀要』 16,pp.34-47. 上村康子,2002, 「現状報告 カナダの家庭的保育―オンタリオ州を中心に」 『天理大学 福祉学研究紀要』4,pp.17-22. 上村康子・福川須美,1998, 「家庭的保育制度の全国実態調査報告書(上) 」 『保育情報』 262,pp.21-28. 柏女霊峰,2009, 「認可外保育サービス」森上四朗・柏女霊峰編『保育用語辞典5版』 ミネルヴァ書房,p.41. 家庭的保育研究会,2011a, 「増補資料,家庭的保育事業ガイドライン」 『家庭的保育の 基本と実践』福村出版, pp.1-17. 家庭的保育研究会,2011b, 『家庭的保育の基本と実践』 ,福村出版,pp.7-17. 経済産業省,2012, 「平成22年度 地域新成長産業創出促進事業( ソーシャルビジネ ス/コミュニティビジネス連携強化事業) 」 www.meti.go.jp/policy/local_economy/sbcb/ 神尾真知子,1999, 「児童福祉サービス」藤井義治編『先進諸国の社会保障 6 フラン ス』東京大学出版会. クロード・ギッシュマン,2012, 『パリの保育士たち』新読書社,p.372-374, 厚生労働省,2008, 『保育所保育指針』厚生労働省告示第 141,フレーベル館,pp.12-15. 94 厚生労働省,2009, 「家庭的保育事業実施について」雇児発 1030 第2号 平成 21 年 10 月 30 日. 厚生労働省,2012a, 「子ども・子育て支援制度に関するQ&A」 ,厚生労働省雇用均等・ 児童家庭局保育課 p.1.www8.cao.go.jp/shoushi/10motto/08kosodate/.../pdf/s7.pdf 厚生労働省,2012b, 「待機児童解消加速化プランの支援パッケージについて」 『厚生労 働省雇用均等・児童家庭教区 保育課』p.5. www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/ 古坂正人,2008, 「第3章保育政策の歴史的展開と現在の保育制度」『少子化時代にお ける中小企業と子育て関連ビジネスに関する調査研究』通巻番号 113,中小企業総 合研究機構,pp.20-38. 小宮山潔子,2010, 「日本の就学前教育・保育の状況と政策の方向―諸外国と比較しつ つ日本の今後を考える―」 『海外社会保障研究』NO.173,pp .4-15. 小山 修・庄司順一・尾木まり,2007, 「家庭的保育のあり方に関する調査研究(1) 」 『日本子ども家庭総合研究所紀要』43,pp.89-109. 小山 修・庄司順一・尾木まり・斎藤多江子・須永美紀・網野武博ら,2008, 「家庭的 保育のあり方に関する研究(2) 」 , 『日本子ども家庭総合研究所紀要』44,pp.65-109. 小山 修・庄司順一・尾木まり・斎藤多江子・須永美紀・網野武博ら,2009, 「家庭的 保育のあり方に関する研究(3) 」 『日本子ども家庭総合研究所紀要』45,pp.85-91. 小山 修・庄司順一・尾木まり・斎藤多江子・須永美紀・網野武博ら,2010, 「家庭的 保育のあり方に関する研究(4) 」 , 『日本子ども家庭総合研究所紀要』46,pp.75-80. 小山義夫,2013, 「保育施設における子どもの死亡事故」全国保育団体連合会・保育研 究所編『保育白書 2013』ひとなる書房,pp.18-19. Lambrecht,Matthias,2013, 「保幼小連携における移行期の理論と 実践モデル-統一後ドイツの動向を中心に‐」 『東京家政大学紀要』53(1) ,pp.13 ‐21. 前田正子,2006a, 『子育てしやすい社会』ミネルヴァ書房,pp.44-50. 前田正子,2006b, 『子育てしやすい社会』ミネルヴァ書房,pp.54-57. 松浦真理,2009, 「オランダの就学前教育・保育の実態―親の教育権を政府が保障する (世界の保育と子どもの最善の利益)―(世界の保育現場でいま起きていること)」 『文民教育協会子どもの文化研究所』41(8) ,pp.55-59. 松田茂樹,2011, 「家庭的保育推進は待機児童対策とは別に」 『ライフデザインレポー 95 ト』199,pp.51-53. 益満孝一・福川須美・尾木まり・網野武博・柏女霊峰・坂本健,1995, 「子ども家庭サ ービスの機能分権化及び民間化のあり方に関する研究-保育ネットワークの構築に 関する研究Ⅰ保育動向分析-」 『日本総合愛育研究所紀要』31,pp.115-126. 村田 久,2012, 「待機児童解消と保育政策―総合子ども園のゆくえ―」 『ESTRELA』219, pp.40-45. 文部科学省・厚生労働省幼保連絡推進室,2013, 「認定子ども園パンフレット」 www.youho.go.jp/data/09nkpamphlet.pdf 内閣府,2010,「子ども・子育て新システムの基本制度案要綱平成 22 年 6 月」 www8.cao.go.jp/shoushi/10motto/08kosodate/.../youkou.pdf (2013 年3月4日ア クセス) 中谷君恵,1986, 『子育ての歴史 若い母たちにおくる』三一書房,pp.168-179. 中西さやか,2011, 「ドイツの保育システムに関する研究―システムの位置付けについ て―」 『広島大学大学院教育研究科紀要 第三部』60,pp.267‐273. 中村強士,2007, 「保育所の現状と課題」全国保育団体連合会・保育研究所編『保育白 書 2011』ひとなる書房,p.48. 中村強士,2013, 「保育所における死亡事故の教訓」全国保育団体連合会・保育研究所 編『保育白書 2013』ひとなる書房,pp.169-172. 西内久美子,2000, 「チャイルドマインダーの使命と役割-家庭的保育の原型であるチ ャイルドマインディングの展望」 『 現代のエスプリ』401,pp.189-203. 西村真美,2009, 「へき地保育所」森上四朗・柏女霊峰編集『保育用語辞典5版』ミネ ルヴァ書房,pp.36-37. 大澤 裕,1998, 「オランダにおける民間保育施設の現状」 『日本保育学会大会論文集』 51,pp.704-705. 日本子ども家庭総合研究所,2013, 『日本子ども資料年鑑 2013』KTC中央出版会, p.62. 太田素子,2009, 「保育の「質」めぐる研究動向と課題保育シンポジウムをふり返って」 『和光大学総合文化研究所年報東西南北』pp.108-122. 尾木まり,2006, 「平成 17 年度児童関連サービス調査研究等事業報告書 在宅保育の効 果に関する調査研究―利用の効果及び利用後の意識の変化-【報告書概要】」 ,財団 96 法人子ども未来財団平成 18 年2月,pp.1-16. 小野壽美・伊志峯美津子・櫃田紋子,2004, 「家庭型保育における地域交流に関する調 査」 『横浜女子短期大学紀要』19,pp.55-67. 逆井直紀,2011, 「認定子ども園の概要」全国保育団体連絡会・保育研究所編『保育白 書 2011 年』ひとなる書房,pp.93-95. 斎藤 修,2010, 「家庭的保育制度について-デンマークと日本-」『盛岡短期大学紀 要』20,pp.17-22. 庄司順一・小山修・尾木まり・斎藤多江子・須永美紀・網野武博,2011, 「家庭的保育 のあり方に関する研究(5) 」 『日本子ども家庭総合研究所紀要』47,pp.87-101. 相馬直子,2004, 「 「子育ての社会化」のゆくえ―「保育ママ制度」をめぐる政策・保 育者の認識に着目して―」 『社会福祉学』45(2) , pp.35~45. 椨 瑞希子,2007, 「イギリスの家庭的保育(チャイルドマインティング)調査(1) -制度的一付けに変改と職業生活の実際―」 『聖徳大学短期大学部紀要』40,pp.9-16. 椨 瑞希子,2008, 「イギリスの家庭的保育(チャイルドマインティング)調査(2) -第3者評価機関 Ofsted と保育の質の保障―」『聖徳大学短期大学部紀要』41, pp.17-24. 椨 瑞希子,2009, 「イギリスの家庭的保育(チャイルドマインティング)調査(3) -養成と専門性発達―」 『聖徳大学児童学部・人文学部・音楽部紀要』20,pp.9-16. 椨 瑞希子,2010, 「イギリスの家庭的保育(チャイルドマインティング)調査(4) -保育食資格の再構築を通してみた旧労働党の保育拡充策―」 『聖徳大学児童学部・ 人文学部・音楽部紀要』21,pp.47-54. 椨 瑞希子,2011, 「世界の幼児教育レポート」 (CRN) (2011 年 6 月 30 日掲載) www.blog.crn.or.jp 東洋経済新報社編,1999, 「都市で急増する“保育難民” 」 『地域経済総覧 2000』東洋 経済新報社,pp.45-46. 鳥光美緒子,2012, 「ドイツの保育政策と陶冶の概念」 ,Child Research Homepage (http//www.blog.crn.or.jp.lab/01.35.Html) , (2012 年 12 月アクセス) Thelma Hams・Debby Cryer・Richard Clifford ,2007,“Family Child Care Environment Rating Scale”,Teachers College Press,New York. Touchette, Evelyne1・Côté, Sylvana M Petit, Dominique・Liu, Xuecheng・Boivin, 97 Michel・Falissard, Bruno・Tremblay, Richard E・Montplaisir,Jacques Y,2009, “ Short nighttime sleep-duration and hyperactivity trajectories in early childhood” ,Pediatrics,124(5) ,pp.985-993. 若林俊郎,2011, 「保育所の現状と課題」全国保育団体連合会・保育研究所編『保育白 書 2011』ひとなる書房,pp.5-6. 渡辺嘉重,『日本の歴史と雑事記録子守学校』,red.ap.teacup.com/hangui/334.html (2013 年3月4日アクセス) 山戸隆也,2012, 「保育政策における保育所の規制緩和と生活環境」『四条綴学園短期 大学紀要』45,pp.69-74. 山本真美,2009a, 「保育所」森上四朗・柏女霊峰編『保育用語辞典5版』ミネルヴァ 書房,pp.32-33. 山本真美,2009b, 「ファミリー・サポート・センター」森上四朗・柏女霊峰編『保育 用語辞典5版』ミネルヴァ書房,p.45. 山崎隆志,2005,「主要国における仕事と育児の両立支援策―出産・育児・看護休暇 を中心に―」『総合調査 少子化・高齢化とその対策 少子化 高齢化とその対策』 総 合調査報告書,pp.46-58. 全国社会福祉協議会・全国保育協議会編,2012, 「全国の保育所実態調査報告書 2011」 社団法人全国社会福祉協議会・全国保育協議会,p.7. 全国ベビーシッター協会,2007, 『在宅保育の考え方と実際ベニーシッター講座第二版』 中央法規,pp.76-77. 98 第2章 3歳未満児の生活習慣に関する研究動向 第1節 日本における3歳未満児の生活習慣に関する研究動向 日本の幼児期の子どもを対象とした生活習慣に関する研究は数多く報告され、子ど もたちが抱える問題や課題が検討・分析され、多くの研究知見が示されている。 幼児期の子どもを対象とした研究で代表的なものは、ベネッセ次世代研究所が 1995 年(平成7年)より5年ごとに継続実施している「幼児の生活アンケート」がある(ベ ネッセ次世代育成研究所 2010) 。また、日本小児保健協会が 1980 年(昭和 55 年)よ り 10 年ごとに継続実施している「幼児健康度調査」がある(日本小児保健協会 2011) 。 これらは、子どもや保護者の生活習慣を把握する情報源で、先行研究として取り上げ られるばかりではなく、新聞や雑誌などにも掲載されることが多い。 ベネッセ次世代研究所の「幼児の生活アンケート」は、子育てについての親の考え やインターネット、携帯電話の項目など、多項目にわたっており、現代の子育て事情 が把握できる。しかし、子どもの生活面については、食事や排便といった、栄養面の 項目がほとんどみられないことや、運動面の項目においても、年齢別に分析されてな いため、詳細に把握することができない。また、対象が関東近郊(東京・神奈川・千葉・ 埼玉)に限定されており、関東圏以外の動向は把握することができない。 社団法人日本小児保健協会の「幼児健康度調査」は、10 年ごとに継続的に行われて おり、1歳児からの生活習慣全般が把握できるが、幼稚園児と保育所保育児、家庭児 などに区別して分析していないため、保育施設別の詳細な実態を把握することが十分 ではない。 発達神経科学から医師の神山(2011)は、日本の子どもの睡眠覚醒リズムに焦点を あて、生活習慣改善の取り組みとして、医師、保育研究者などが生活リズムを整える ことについての研究成果を持ち寄り、生活リズム向上のための国民運動( 「子どもの早 (注1) 起きを進める会」 を結成した。2006 年、文部科学省の「早寝早起き朝ごはん」運 動、東京都の「そうだやっぱり早寝早起き」運動の火つけ役となった。また、神山(2009) は、世界 17 か国の子ども(3歳未満児)の睡眠調査に加わり、日本の3歳未満児の睡 眠時間は世界 17 か国の中で最も短時間であったことを報告し、低年齢児からの生活習 慣改善の必要性を説いている。また、新小田・神山ら(2011)は、睡眠習慣調査研究 を1歳6か月検診と3歳児検診時にコホート研究として実施し、養育者の意識改善の 99 必要性、 「眠育」の提案を行っている。 健康福祉から前橋(2004)は、子どもの健やかな育ちを保障するためには、健康づ くりの3要素である、睡眠・食事・運動について、保育所や幼稚園など施設ごと、地 域ごとに分類し、分析する必要性があると述べている。そして、多くのサンプル数を 用いた幼児の生活習慣に関する調査研究から詳細な分析を行い課題解決のための対策 を講じている(前橋・泉 2009,泉・前橋 2010,前橋 2011,2013, )。また、全国 子どもの健康実態調査委員会(注2)は、毎年、全国 35 市町村の保育園児2万名以上、 全国 28 市町村の幼稚園児3万名以上の他、小学生、中学生、高校生を対象に、睡眠状 況や起床状況、帰宅後の生活など 38 項目にわたる子どもの生活習慣調査を実施してい る。佐野・松尾・前橋(2012)は、上記、全国子どもの健康実態調査委員会の2万名 以上の保育児の生活実態を詳細に分析し、近年の保育園児の生活状況として、午後 10 時以降に就寝する割合が約4割と多く、夜間に必要とされる 10 時間以上の睡眠を満た していない幼児は約7割、とくに、9時間半未満の短時間睡眠が4割程度あり、具体 的な朝の疲労症状に「ねむそう」という幼児が約1割いることを示した。また、近年 の保育所保育児は、注意集中の困難さとともに精神的な疲労を幼児期から抱えている 可能性があることが確認されている(前橋・石井・中永 1997,前橋 2006,長谷川・ 前橋 2008) 。 その他、生活時間の関連性について、幼児の就寝時刻には夕食開始時刻が関与する こと(松尾・前橋 2007)が報告されている。 保健学からは、日本体育大学学校保健研究室が 1978 年(昭和 53 年)から5年ごと に継続的に実施している「子どものからだ調査( “実感”調査) 」がある(子どものか らだと心・連絡会議 2010) 。これは、幼稚園や保育所の保育者、小学校や中学校、高 等学校の教員を対象に、保育・教育現場で「最近ふえている気になる子ども」の生活 状況について全国調査を行ったものである。2010 年(平成 22 年)の保育所の調査結 果では、第1位「皮膚がカサカサ」 、第2位「すぐ疲れたという」 、第3位「保育中じ っとしていない」等が報告されている。この調査報告が載せられている「子どものか らだと心白書」には、体格や体力・運動能力テストの年次推移、虫歯の罹患率、長期 欠席率など、保健領域の調査の他に、脳の前頭葉機能の測定なども継続的に実施され ている(子どものからだと心・連絡会議 2010) 。 「子どものからだ調査」の対象は保 育所保育児、幼稚園児、小学生、中学生、高校生であるが年齢の区分がないため、3 100 歳未満児については把握することができない。 保育の視点からは、安梅(2004,2013)の長時間保育の子どもに焦点をあてた、乳 児期~児童期を対象としたコホート研究がある。これは、子どもの発達に影響を与え る要因として、 「家庭における育児環境」が強く関連しており、 「保育時間の長さ」に は関連がないと結論づけている。安梅(2013)は、12 年間のコホート研究から、根拠 に基づく保育として、子どもの生活においては、24 時間の生活リズムをふまえた乳児 期からの養護と教育の重要性をあげ、睡眠習慣や生活リズム、食習慣、基本的生活習 慣などの「生活習慣の確立」、 「しつけ」等を含めた子どもが育つ環境、「子育ち環境」 (注3) の重要性を示した。 その他、日本の家庭生活に関する大規模なコホート研究では、 「大阪リポート」 (服 部・原田 1999) 、 「兵庫リポート」 (原田 2006)等があり、ここでも、家庭生活にお ける健康的な生活習慣確立の重要性が述べられている。 子どもの生活習慣病に関する代表的なコホート研究として、関根・鏡森(2007)に よる、いわゆる、 「富山スタディー」では、3歳の時期に9時間台の睡眠時間の子ども と11時間台の子どもでは、中学1年の時に肥満になる率が、11時間以上の子どもでは 12.2%、9時間台の子どもでは15.1%、9時間未満の子どもでは、20%と、短時間睡 眠になるほど肥満の発生が上昇していたことが明らかにされている。 また、栄養学からのコホート研究として、Nagasaki Keisuke , Kikuchi Toru , Uchiyama Makoto(2009)は、小児期からの生活習慣病予防の食生活の重要性を説 いている。 養育者(母親)の生活習慣に関する研究では、泉・前橋・町田(2012) ,岡本・武藤 (2013) ,松村(1993)などは、子どもへの影響を詳細に分析している。松村(1993) によると、朝型の母親には朝型の子ども、夜型の母親には夜型の子どもが多いことや、 母親が子どもの生活を規制しているほど、母子の生活リズムが一致する傾向にあるこ とが報告されている。 以上、3歳未満児の生活習慣に関する研究では、その対象は、家庭で養育者に育児 される家庭児や保育所保育児、あるいは分類をせずに3歳未満児全般を対象とした研 究であり、家庭的保育(子ども3~5名を対象とした保育)などの少人数保育を受け る3歳未満児を対象とした生活習慣に関する全国規模の調査研究は見あたらなかった。 家庭的保育の広域調査では、家庭的保育が保育事業として 2010 年に施行される以前の、 101 尾木まり(2006)の研究がある。これは、在宅保育の効果に関する研究で、在宅保育 の利用効果および利用後の意識の変化をベビーシッターと家庭的保育を対象に実施し た。生活習慣に関する内容については、生活リズムの項目のみで乏しく、単純集計や 実態の把握に重点がおかれているため、詳細な分析ができていなかった。 102 第2節 諸外国における子どもの生活習慣に関する研究動向 子どもを対象とした生活習慣に関する研究の中で、諸外国の研究動向としては、生 活習慣病に関する研究が多く、肥満防止(Stenhammar C・Sarkadi A・Edlund B 2007)や運動習慣(Karin A・Kerry L・Dowda M・Maria J 2006)の必要性を説 いている研究が多い。 アメリカにおける研究では、生活習慣病の抑制に関する研究が多く報告されている。 乳幼児期の子どもを対象とした研究では、就学前の幼児期(2~5歳児)の肥満防止、 生活習慣病の予防策として、州単位で介入研究が行われ、効果を上げている。 肥満は、2つのタイプの糖尿病、高血圧、高脂血症、早熟、整形外科の問題、睡眠 時無呼吸、心理社会的ストレスといった、多くの病気と関係していることが明らかに され、早期からの介入の必要性が述べられている(Sara EB・Alice A et al 2007) 。 子ども時代の肥満の原因の一つに、3~5歳の子どもたちの低レベルな身体活動(テ レビなどを観て座っている)と寝室にテレビがあること、甘味飲料や高果糖コーンシ ロップを飲むことが肥満の原因となること、そして、母親の就労も子どもの太り過ぎ に関係していることが検証されている(Sara EB・Alice A et al 2007) 。 また、運動習慣に着目した研究は、乳幼児期より、児童期の子どもを対象とした研 究が主流であった。本研究は、3歳未満児が対象であるが、示唆を与えるものとして、 次の研究に着目した。睡眠の質と運動強度の関係について、睡眠の深さは、高強度の 運動が関与し、高強度の運動の確保が睡眠の質を高めることが明らかにされている (Levine Ja 2004) 。ただ単に、運動の時間(長さ)だけに注視するのではなく、運 動の質についても配慮していく必要がある。また、運動習慣を身につけ、肥満防止に 役立てることを目的に、児童期の子どもを対象にしたユニークな介入研究もある(PJ Horne, CA Hardman, CF Lowe, AV Rowlands 2009)。これは、架空のキャラクター (子どもたちに支持されているキャラクター)から個人的に手紙をもらうというもの で、手紙には、個人宛てに、日々の目標歩数と、目標歩数を達成するたびに、ささや かな報酬を受け取ることができるという内容が書かれており、対象児は手紙に動機づ けられ、歩数測定のために歩数計を身につけ、目標歩数達成のために身体活動量を上 げた。その結果、12 週間を超過しても申し分なく高い値が維持され、この介入プログ ラムの有効性が示唆された。児童期の子どもの習慣的な行動を変容させるためには、 子どもが意欲的に取り組むことができ、継続させる効果的なプログラムの必要性が述 103 べられている。 また、睡眠時間や就寝時刻といった生活時間や朝食摂取や排便実施の有無などに関 する研究が報告されていた。ここでも、乳幼児期を対象とした研究より、児童期を対 象とした研究が主流であったが、示唆を与えるものとして、次の研究に着目した。 スペインにおける研究では、Children's Sleep Habits Questionnaire を用いて、6 ~14 歳の子どもを対象とした睡眠環境に関する研究がある。これは、睡眠状況や睡眠 習慣の乱れは、居住環境など、年齢にみあった睡眠環境の改善策を考えることの必要 性が述べられていた(Arboledas GP,Alarcon MC,et al 2011) 。また、スペインに おける他の研究では、小学生 321 名を対象として、1週間の睡眠習慣に関する記録を 通して、学校のある日とない日や性別による、睡眠の実態の違いについて詳細に比較・ 分析した研究がある(Canet T 2010) 。この研究からは、学年が上がるにつれて就寝 時刻が遅くなっていることや、女子より男子の方の睡眠時間が短いこと等が報告され ていた(Canet T 2010) 。 ブラジルの調査では、7~10 歳の小学生 2482 名を対象として、睡眠習慣について の実態調査を行い、小学校の開始時刻(7:00~12:00 と 13:00~18:00)別に比較・検討 した結果、小学校の開始時刻が遅い子どもの方が、就寝時刻が遅くなっていることや、 入眠儀式として、寝る前に牛乳を飲む子どもの多いことが報告されていた(Silva TA・ Carvalho LBC・Silva L・Medeiros M・Natale VB・Carvalho JEC・Prado LBF・ Prado GF,2005) 。 いずれの国においても、就寝時刻の遅れや睡眠不足が報告されていた。また、生活 習慣を変容することは、児童期では難しいことも窺える。 生活習慣は、国ごとに生活する環境や文化の違いがあることから、国や地域ごとに 異なる生活習慣を把握・分析し、その国ならではの健康的な生活習慣を形成すること が求められる(Westerlund L・Ray C・Roos E 2009,Russo PM・Bruni O ・Lucidi F・Ferri R・Violani C 2007,Ba Hammam A・AlFaris E・Shaikh S・Bin Saeed 2006,Silva TA・Carvalho LBC et al 2005,Ong LC・Yang WW・Wong SW・ alSiddiq F・Khu YS 2010) 。 睡眠に関する世界 17 か国の3歳未満児の養育者に行った調査研究がある。これは、 本論序章3節で述べたが、日本の子ども(3歳未満児)の睡眠時間は最も短かった。 この研究に携わった神山(2011)は、研究課題として、昼寝から起床した後、夜寝る 104 までの子どもの活動(帰宅時間や夕食時刻、メディアとも接触時間との関わりなど) の詳細な分析の必要性を述べている。 睡眠の研究は世界的に進み、各国で健康政策として取りあげられつつある。アメリ カでは、Healthy People 2020 の中に、Sleep Health を新たに設定し、国民の健康・ 安全対策を示している(Yuriko Doi 2012) 。1988 年には、世界睡眠学会連合(World Federation of Sleep Research Societies) が結成されており、世界の研究者が協力す る国際的・学術的な研究ネットワークも進展しつつある。上記の世界 17 か国の3歳未 満児を対象とした睡眠に関する研究は、アジア太平洋小児睡眠連合(Asia Pacific Paediatric Sleep Alliance:APPSA)の国際的なテーマとして各国で研究された。今 後、国際的な子どもの睡眠研究が期待されている。 保育の視点から、アメリカの国立小児保健・人間発達研究所(National Institute of Child Health and Human Development;NICHD)(注4)の早期保育における子どもの 心身の成長や発達への影響に関する研究がある(CRN 2000) 。これは、全米 24 の病 院で 1991 年に誕生した 1,364 名を長期的に追跡調査した研究で、 対象児が受ける育児、 保育の種類別に分析しており、父親や母親、保育所、とともに家庭的保育、在宅保育 なども保育の種類の中に含まれている。研究では、母子関係や保育の質などが、子ど もの成長・発達に影響を及ぼしていることが説かれているが、生活習慣の観点からの 詳細な分析はみあたらなかった。 なお、Pro Qust を使用し、Sleep child ,Sleep period child ,Llite child Lifestyle child ,Sleep pre school ,nursery school, kindergarten ,Childminder ,Child Care,Day Child Care ,Day Carer、Day Care Person,Family Kindergerten Assistant,Family Day Carer,Mother's Assistant,Of Love,Child Minding Daghem, Assistantes Maternelle,Crechers‐Familiales,GuestParent につい て、少人数保育を受ける3歳未満児を対象とした生活習慣に関する調査研究を検索し たが、みあたらなかった。 105 第3節 総合的考察 日本の幼児期の子どもを対象とした生活習慣調査は数多く報告され、子どもたちが 抱える問題や課題が検討・分析され、多くの研究知見が示されている。とくに、保育 所保育児の生活習慣は遅寝で短時間睡眠の傾向にあり、その弊害が指摘されていた。 中でも、前橋ら(2009,2011,2013) 、泉・前橋ら(2010,2011)による、健康生活を 支える、休養面・栄養面・運動面に着目し、多くのサンプル数を用いた幼児の生活習 慣に関する調査研究に注目した。これは、1~6歳児を対象に、全国 35 市町村の保育 園児2万名以上、全国 28 市町村の幼稚園児3万名以上について、38 項目にわたる子 どもの生活習慣調査を実施し、詳細な分析、検討を行い、幼児が健康生活を送る上で の課題が明らかにされている。しかし、家庭的保育等の少人数保育を受ける3歳未満 児に焦点をあてた広域調査研究はなされていない。 諸外国の子どもの生活習慣研究の動向としては、生活習慣病を抑制することに着目 した内容が多く、幼児期の子どもの肥満を予防することや身体活動量を増やすこと、 そして、幼児期から規則正しい生活を送ること等の必要性が提起されている。 睡眠に関しては、日本を含む世界 17 か国で実施された3歳未満児の就床時刻や総睡 眠時間(昼と夜の合計睡眠時間)などの調査研究(Kohyama J・ Mindell J・Sadeh A 2011)に注目した。日本を含む世界 17 か国の中で、日本は睡眠時間が一番短いと いう結果であり、3歳未満児の健康的な睡眠習慣の必要性が示唆された。この研究に 携わった神山(2011)は、3歳未満児の生活習慣(起床から夜寝るまでの子どもの生 活活動、帰宅時間や夕食時刻、メディアとの接触時間や関わりなど)の詳細な調査研 究の必要性を指摘している。 安梅(2013)のコホート研究からは、乳児期からの健康的な生活習慣形成やしつけ の重要性を説いている。 子どもが心身ともに健康に成長していくためには、3歳未満の時期からの健康的な 生活習慣形成が重要であり、本研究が取組む、3歳未満児の健康生活に関する研究の 意味もここにあるといえる。 106 【注】 (注1) 「子どもの早きを進める会」 、 「早寝早起き朝ごはん」全国協議会は、PTAや スポーツ団体、経済界など 130 を超える関係団体から成り、平成 18 年4月に発足 した。民間主導で、より多くの地域や市民、団体や企業を呼び込みながら、この 運動の輪を全国に広げて行くとし、とくに、これまで「子ども」や「生活習慣づ くり」に携わってきた数多くの団体や専門家の経験や知見、社会貢献企業から発 信するメッセージなどの資源を、有機的にコーディネートしながら進めるとし、 「研究事業」と「普及啓発事業」を展開している。 (注2) 「全国子どもの健康実態調査委員会」は、早稲田大学前橋明研究室に委員会を 置き、2010 年からは、子どもの生活習慣調査を、幼稚園、保育所、小学校、中学 校、高等学校に分類し、全国規模で実施している。また、地域ごとに詳細に分類 し、行政と連携して生活習慣改善のための啓発活動も行い、多くの成果を上げて いる。全国子どもの健康実態調査委員会(2010)を参照。 (注3) 「子育ち環境」は、安梅勅江(2011)が用いた用語で、子ども一人ひとりの力 を最大限に引き出し、いきいきとした子どもの育ちを育む、 「子育ちをエンパワメ ントする環境」の意味。 (注4)アメリカの国立小児保健・人間発達研究所(National Institute of Child Health and Human Development;NICHD)の早期保育における子どもの心身の 成長や発達への影響に関する研究である。日本においては、Child Research Net 主催の「21 世紀の子育てを考える働く母親を支援するチャイルド・ケア~米国 NICHD の研究から学ぶ~」として国際シンポジウムが開催された。 http://www.crn.or.jp/LIBRARY/EVENT/SYMPO2000/NICHD_1.HTM 【引用文献】 安梅勅江,2004, 「長時間保育の子どもの発達への影響に関する追跡研究―3年後の子 どもの発達に関連する要因に焦点をあてて―」 『日本保健福祉学会誌』10(2) ,pp. 9-17. 安梅勅江,2013, 「子育ち環境が学童期の心身に及ぼす影響―コホート研究からみたエ ンパワメントの必要性―」 『子どもと発育発達』11(3) ,pp.163-166. Arboledas GP,Alarcon MC・Gonzalez GM,Rosello AL・Salort MM ,2011,Habits 107 and problems with sleep from 6 to 14 years in the valencian community,View own children,ANALES DE PEDIATRIA ,74(2) ,pp.103-115. ベネッセ次世代育成研究所,2010, 『幼児の生活アンケート』 http://www.benesse.co.jp/jisedaiken/research/research_13.html Ba Hammam A・AlFaris E・Shaikh S・Bin Saeed,2006,Prevalence of sleep problems and habits in a sample of Saudi primary school children,ANNALS OF SAUDI MEDICINE ,26(1),pp.7-13. Canet T,2010,Sleep-wake habits in Spanish primary school children,SLEEP MEDICINE,11(9),pp.917-921. CRN(チャイルド・リサーチ・ネット),2000, 「子育てのスタイルは発達にどう影響 するか―乳幼児 1,364 人を7年間にわたり追跡調査・米国NICHD―,CRN国 際ジンポジウム「21 世紀の子育てを考える」の報告.pp.1-82. 長谷川 大・前橋 明,2008,「保育所幼児の朝の疲労度と生活要因との関係-2007 年度幼児生活習慣調査(青森県)結果より-」 『食育学研究』3(2),pp.10-15. 服部伸一・足立 正・嶋崎博嗣・三宅孝昭,2004, 「テレビ視聴時間の長短が幼児の生 活習慣に及ぼす影響」 『小児保健研究』63(5) ,pp.516-523. 服部祥子・原田正文,1991, 「乳幼児の心身発達と環境―大阪レポートと精神医学的視 点-」名古屋大学出版会. 原田正文,2006, 『子育ての変貌と次世代育成支援-兵庫レポートにみる子育て現場と 子ども虐待予防-』名古屋大学出版会. 泉 秀生・前橋 明,2010, 「幼児の生活実態に関する考察-保育園児の朝食欠食と生 活要因との関連-」 『運動健康教育研究』18(1) ,pp.17-27. 泉 秀生・前橋 明・町田和彦,2011, 「幼児の生活習慣に関する研究-保育園5・6 歳児とその保護者の1週間の生活記録分析-」 『保育と保健 』17(2) ,pp.75‐79. 泉 秀生・前橋 明・町田和彦,2012, 「幼児期の生活習慣に関する研究―母親の就労 のある日とない日の保育園 5・6 歳児の生活習慣―」『小児保健研究』7(13), pp.371-372. 神山潤,2009, 「日本の乳幼児の睡眠状況~国際比較調査結果から~」 『小児保健研究』 68(2) , pp.219‐223. 神山 潤,2011, 「子どもの眠りの基礎知識」 『日本小児科学学会誌』115(12) ,p.1872. 108 子どものからだと心・連絡会議編,2010, 『子どものからだと心白書 2011』有限会社 ブックハウス・エイチデイ,pp.120-121. 子どもの早起きをすすめる会,http://www.hayaoki.jp/gakumon/gakumon.cfm 厚生労働省,2008, 「保育所保育指針<平成 20 年告示>」厚生労働省告示第 141 号, p.20. Ikeda T・Aoyagi O,2009,Testing the causal relationship between children's moto ability and lifestyle-How does life rhythm influence physical activity and motor ability? -,発育発達研究,42,pp.11‐23. Kohyama J,2001,Late nocturnal sleep onset impairs a melatonin shower in young children Neuroendocrinol Lett 23,pp.385‐386. Kohyama J Mindell J・Sadeh A,2011,Sleep characteristics of young children in Japan,Pediatr Int 53,pp.649-655. Karin A・Kerry L・Dowda M・Maria J,2006,Validation and Calibration of the Actical Accelerometer in Preschool Children,Medicine & Science in Sports & Exercise38,pp.152‐157,2006. Levine Ja,2004,Non‐exercise activity ther,mogenesis (NEAT).Untr Rev.62, pp.82‐97. Liu XC・Liu LQ・Wang RZ,2003,Bed sharing sleep habits and sleep problems among Chinese school- aged children,SLEEP 26(7),pp.839‐844. 前橋明・石井浩子・中永征太郎,1997, 「幼稚園児ならびに保育所保育児の園内生活時 における疲労スコアの変動」 『小児保健研究』56(4) ,pp.569-574. 前橋 明,2004,『いま、子どもの心とからだが危ない』大学教育出版. 前橋 明,2006,「幼児の健康福祉促進のための基礎的研究(Ⅰ)-幼児の身体およ び生活習慣の問題とその対策-」『子どもの健康福祉研究』4,pp.3-24. 前橋 明,2008a,「近年の保育園児の身体活動量と睡眠との関係」『保育と保健』14 (2) ,pp.24-28. 前橋 明,2008b, 「近年の子どもたちが抱える3つの問題」 『こころのオアシス』6(62) , pp.18-20. 前橋 明・泉 秀生,2009, 「保育園幼児の生活習慣 2007 の考察」 『幼少児健康教育研 究』15(1) ,pp.21-31. 109 前橋 明,2011, 「子どもの生活実態-2010 年度調査結果-」 『食育学研究』6(2) , pp.71-112. 前橋 明,2013, 「子どもの健康福祉戦略 2013 子どもの生活白書 2012 からの検討」 『子どもの健康福祉研究』 ,pp.77-113. 松尾瑞穂・前橋 明,2007, 「沖縄県における離島幼児の健康福祉に関する研究(Ⅰ) -石垣島の幼児の生活習慣とその課題-」 『食育学研究』2(1),pp.32-42. 松村京子 1993, 「児童の生活リズムに関する研究(第3報)-母と子の生活リズム-」 『日本家庭科教育学会誌』36(1) ,pp.81-85. Nagasaki Keisuke ・Kikuchi Toru ・Uchiyama Makoto ,2009,「小児科学の観点 から(食と健康をめぐる諸問題,第 635 回新潟医学会) 」『新潟医学会雑誌』,123 (6),pp.285-289. 日本小児保健協会,2011, 「平成 22 年度幼児健康度調査 速報版」 『小児保健研究』70 (3) ,pp.448-457. 岡本美紀・武藤慶子,2013,「母親の行動変容過程が子どもの食習慣・食生活に与える 影響」 『長崎県立大学看護栄養学部紀要 』12,pp.1-10. Ong LC・Yang WW・Wong SW・AlSiddiq F・Khu YS,2010,Sleep habits and disturbances in Malaysian children with epilepsy,JOURNAL OF PAEDIATRICS AND CHILD HEALTH,46(3),pp.80-84. PJ Horne・CA Hardman・CF Lowe・AV Rowlands, 2009, Increasing children's physical activity: a peer modelling, rewards and pedometer-based intervention, European Journal of Clinical Nutriton,63,pp.191-198. Russo PM・Bruni O ・Lucidi F・Ferri R・Violani C,2007,Sleep habits and circadian preference in Italian children and adolescents , JOURNAL OF SLEEP RESEARCH ,16(2),pp.163-169. 佐野祥平・松尾瑞穂・前橋 明,2012, 「幼児の良好な睡眠についての検討」『保育と 保健』18(1) ,pp.27-30. 新小田春美・末次美子・加藤則子・浅見美恵理子・内村直尚・樗木晶子・西岡和男・ 大久保一郎・松本一弥・南部由美子・加来恒壽,2012「幼児の遅寝をもたらす親子 の睡眠生活習慣の分析」 『福岡医学雑誌』103(19) ,pp.12-23. 110 Sara EB・Alice A・Janice S・Janice D・Brian N,2007, Jouranl of Nutrition Education and Behavior,Official Publication of Society for Nutrition Education and Behavior ,39(3), pp.142-149. Silva TA・Carvalho LBC・Silva L・Medeiros M・Natale VB・Carvalho JEC・Prado LBF・Prado GF,2005,“Sleep habits and starting time to school in Brazilian children”,Arquivos de neuro-psiquiatria,63(2B),pp.402-406. Stenhammar C・Sarkadi A・Edlund B,2007,The role of parents' educational background in healthy lifestyle practices and attitudes of their 6-year-old children, Public Health Nutrition,10,pp.1305-1313. 関根道和・鏡森定信,2007,「子ど子もの睡眠と生活習慣病」『医学のあゆみ』20, pp.833-836. Westerlund L・Ray C・Roos E,2009,Associations between sleeping habits and food consumption patterns among 10-11-year-old children in Finland,BRITISH JOURNAL OF NUTRITION ,102(10),pp.1531-1537. Yuriko Doi,2012,“Sleep Health issues in Japan and overseres :from evidence to sction”,J.Natl.Inst.Public. Health,61(1) ,pp.1-5. 全国社会福祉協議会編著,2009, 「機能面に着目した保育所の環境・空間に係る研究事 業総合報告書」全国社会福祉協議会発行. 全国こどもの健康実態調査委員会,2010, 「幼児の生活習慣-2009 年度報告-」 『食育 学研究』5,pp.36-76. 111 第3章 家庭的保育と保育所の生活習慣 本章、研究1,研究2において用いる「健康」の定義は、本論(pp.8~12)に示し た。 第1節 家庭的保育の3歳未満児の生活習慣とその課題【研究1】 目 的 3歳未満の時期は、生涯の健康生活の基礎づくりがなされる時期である。これまで、 保育所や幼稚園に通う子どもたちについては様々な調査や研究、全国規模の生活習慣 調査が行われており、保育所保育児の遅寝・短時間睡眠の実態やその改善策などが検 証されている(泉 秀生 2006,長谷川・前橋 2008,前橋 2012) 。 保育所と同等の通所要件をもつ家庭的保育は、2010 年児童福祉法上に位置づけられ た保育事業(国庫補助事業)として施行された。同事業を開始した自治体は2年間で 倍増し、家庭的保育者数、家庭的保育児数共に 2009 年度と比較すると約2倍になり、 3歳未満児を対象とした保育施設の一つとして注目されるようになった(福川 2011) 。 家庭的保育は、60 年以上の歴史をもつ保育であるが、家庭的保育児の生活習慣に関す る調査・研究は未だなされていない。家庭的保育の制度化に向けて、長年研究を行っ てきた尾木(2006)や小山・庄司ら(2008)は、家庭的保育と保育所との比較研究や 客観的なデータによる家庭的保育の有効性に関する研究の必要性を指摘している。 本研究では、従来実施されてこなかった、家庭的保育児の生活習慣を全国規模で調 査し、子どもの年齢や生活状況を把握・分析の上、3歳未満児が健康生活を営むため の家庭的保育の特徴を詳細に把握すると共に、家庭的保育児の抱える健康生活上の問 題を解明する。そして、得られた結果から、その問題改善策と具体的な保育・育児実 践のあり方を検討し、家庭的保育を受ける3歳未満児の健康生活に寄与するための知 見を得る。 方 法 1.研究対象と研究期間 (1)対象の限定 本研究の家庭的保育は、国庫補助事業、市区町村の単独事業の家庭的保育事業者で、 保育者の居宅で子ども3~5名(保育補助者設置)を保育する個人実施型の家庭的保 112 育事業と限定し、NPO 法人や企業が実施主体となっている家庭的保育や小規模保育は 除外した。なお、東京都江戸川区の家庭的保育室は独自の方式(乳児保育のみ実施) であることから、本研究では除外した。 (2)対象地域、対象者 調査対象者の選定は、 「家庭的保育実施自治体情報」(NPO 法人家庭的保育全国連絡 協議会 2011)の家庭的保育実施市区町村に掲載されている、2010 年 10 月現在で保 育者数が6名以上の 55 自治体に書面で本調査を依頼し、協力が得られた全国の 11 都 道府県(北海道、山形県、千葉県、東京都、神奈川県、静岡県、愛知県、滋賀県、京 都府、兵庫県、福岡県)の区市町村 25 自治体が管轄する家庭的保育利用者とした。ま た、NPO 法人家庭的保育全国連絡協議会に調査協力を依頼し、79 か所の家庭的保育室 を利用する保護者を調査対象者として加えた。今回の研究では、地域差は入れないで 分析した。 (3)調査期間 2011 年9月~2011 年 12 月。 2.調査内容 調査内容は、健康生活を送る上で基本となる、①就寝時刻、②睡眠時間、③起床時 刻、④朝食開始時刻、⑤登園のために家を出る時刻、⑥夕食開始時刻などの生活リズ ムに関する項目と、⑦朝の機嫌、⑧朝食摂取状況、⑨テレビ・ビデオ視聴時間など生 活状況に関する内容で、計 27 項目であった(資料1) 。 調査は、郵送法による無記名自記式質問紙調査を実施した。調査票は、2,086 枚配 布し、回収数は、899 枚、回収率は 43.1%であった。そのうち有効回答者数の 698 名 (男児 380 名・女児 318 名)を分析対象とした。また、男女別としたのは、厚生労働 省の生活習慣に関する調査(注1)では男女別に詳細に分析していることから本研究でも 男女別に集計、分析した。 3.倫理的配慮 倫理的配慮として、本研究の調査協力が得られた自治体が管轄する家庭的保育児の 保護者、自治体、家庭的保育者に書面にて本研究の主旨と調査協力の依頼を行った。 その際に、研究への参加は自由意志であり、途中不都合が生じた場合はいつでも中断 することができること、また、それによる弊害はないこと、個人名は特定しないこと、 これに関連した研究以外には用いないこと、データは公の場で発表することなどの説 113 明を文書で伝え、同意を得た者のみ調査を実施した。 4.分析方法 χ2検定、2要因の分散分析を行い、あわせて、生活時間をはじめとする数値項目間 の相関係数を算出した。統計処理は、SPSS(ver20)を用いた。 結 果 家庭的保育児の生活時間の平均値と標準偏差について、表1-1と表1-2に男女 別にそれぞれ示した。 1.家族形態 家庭的保育児の家族形態を、祖父母(祖父母あるいは祖父か祖母どちらか)と父母 (父母あるいは父親か母親どちらか)が同居と核家族(父母あるいは父親か母親どち らか)に分けると、同居が 14.7%(1歳児)~18.9%(0歳児) 、核家族が 81.1%(0 歳児)~85.3%(1歳児)であった(図1) 。 2.きょうだいの有無 きょうだいの有無は、きょうだい有りが、46.9%(1歳児)~53.3%(0歳児)で あった。第 1 子のみ(一人っ子)は、46.7%(0歳児)~53.1%(1歳児)であった (図2) 。 3.平均就寝時刻 平均就寝時刻は、男児では、21 時3分(±43 分) (1歳児)~21 時 14 分(±38 分) (2歳児)で、女児では、21 時4分(±45 分) (1歳児)~21 時 32 分(±62 分) (0 歳児)であった(表1-1,表1-2) 。 就寝時刻の時間帯別に幼児の人数割合をみると、健康的な生活リズムを得るための 就寝時刻の目標である、21 時前までに就寝(佐野・松尾ら 2012)している幼児は、 男児で 16.1%(2歳児)~32.6%(0歳児) 、女子では 12.9%(0歳児)~25.3%(1 歳児)であった(図3-1,3―2) 。 年齢によって、就寝時刻の割合に差があるか、クロス集計、χ2検定により分析した 結果、男児では有意差が認められた(χ2(6)=28.80,p<.01)ので残差分析を行った。 その結果、1歳児の 21 時 30 分~22 時(p<.01) 、2歳児の 22 時以降(p<.01)が有意 に多かった(図3-1)。 また、女児でも、有意差が認められた(χ2(6)=13.69,p<.05)ので残差分析を行 114 った。その結果、1歳児の 21 時前 (p<.05) 、2歳児の 22 時以降(p<.05)が有意に 多かった (図3-2)。 年齢(0,1, 2歳児)及び家族形態(核家族・同居)によって、就寝時刻に差が みられるかどうか分析した。その結果、年齢(0,1, 2歳児)要因、家族形態(核 家族・同居)要因、交互作用(年齢、家族形態)において有意差は認められなかった (n.s. ) 。 4.平均睡眠時間 夜間の平均睡眠時間は、男児では、9時間 43 分(±58 分) (0歳児)~9時間 54 分(±64 分) (1歳児)で、女児では9時間 18 分(0歳児) (±56 分)~9時間 53 分(±42 分) (1歳児)であった(表1-1,表1-2) 。 年齢によって、睡眠時間の割合に差があるか、クロス集計、χ2検定により分析した 結果、男児では有意差が認められた(χ2(10)=28.71,p<.01)ので残差分析を行った。 その結果、 0歳男児の9時間未満 (p<.05) 、 1歳児の 10 時間 30 分~11 時間未満 (p<.01) が有意に多かった(図4-1) 。 女児でも、有意差が認められた(χ2(10)=28.90,p<.01)ので残差分析を行った。 その結果、0歳女児の9時間未満(p<.01) 、2歳児の9時間 30 分~10 時間未満(p<.01) が有意に多かった(図4-2) 。 10 時間以上睡眠は、1歳児で 52.3%(男児)~62.7%(女児) 、2歳児で 44.3%(女 児)~46.5%(男児)であった(図4-1,4-2) 。 5.起床時刻 家庭的保育児の平均起床時刻は、男児が6時 47 分(±40 分) (0歳児)~7時0分 (±34 分) (2歳児)で、女児が6時 54 分(±40 分) (0歳児)~7時1分(±31 分) (2歳児)であった(表1-1,表1-2) 。 年齢によって、起床時刻の割合に差があるか、クロス集計、χ2検定により分析した 結果、男児では有意差が認められなかった(χ2(8)=12.21,n.s.) (図5-1) 。 また、女児でも、有意差が認められなかった(χ2(8)=6.15,n.s.) (図5- 2) 。 年齢(0,1, 2歳児)及び家族形態(核家族・同居)によって、起床時刻に差が みられるかどうか分析した。その結果、年齢(0,1, 2歳児)要因、家族形態(核 家族・同居)要因、交互作用(年齢、家族形態)において有意差は認められなかった 115 (n.s.) 。 6.起床の仕方 家庭的保育児の起床の仕方について、 「いつも自分で起きる」と「自分で起きる時の 方が多い」を合わせて「自分で起きる」とすると、男児では、0歳児で 26.1%、1歳 児で 56.4%、2歳児で 45.4%であり(図6-1)、女児では、0歳児で 13.0%、1歳 児で 56.3%、2歳児で 48.6%であった(図6-2) 。 年齢によって、起床の仕方の割合に差があるか、クロス集計、χ2検定により分析し た結果、男児では有意差が認められなかった(χ2(8)=4.82,n.s.) 。 また、女児でも有意差は認められなかった(χ2(8)=7.81,n.s.) 。 7.起床時の機嫌 家庭的保育児の起床時の機嫌について、 「いつも機嫌が良い」は、男児で 25.9%(2 歳児)~28.2%(1歳児)で、 「機嫌の良い時の方が多い」を合わせて「機嫌が良い」 とすると、男児では、0歳児で 65.2%、1歳児で 70.1%、2歳児で 75.9%であった(図 7-1)。女児では、 「いつも機嫌が良い」は、19.4%(0歳児)~24.7%(1歳児) で、 「機嫌の良い時の方が多い」を合わせて「機嫌が良い」とすると、0歳児で 67.8%、 1歳児で 74.1%、2歳児で 68.0%であった(図7-2) 。 年齢によって、起床時の機嫌の割合に差があるか、クロス集計、χ2検定により分析 した結果、男児では有意差が認められなかった(χ2(8)=7.90,n.s.) 。 また、女児でも有意差が認められなかった(χ2(8)=4.37,n.s.) 。 8.朝食開始時刻 家庭的保育児の平均朝食開始時刻は、男児で平均7時 24 分(1歳児)~7時 28 分 (2歳児) 、女児で平均7時 27 分(2歳児)~7時 28 分(0,1歳児)であった(表 1-1,表1-2) 。 年齢によって、朝食開始時刻の割合に差があるか、クロス集計、χ2検定により分析 した結果、有意差が認められなかった(χ2(8)=4.83,n.s.) (図8-1) 。 また、女児でも、有意差が認められなかった(χ2(8)=7.68,n.s.) (図8-2) 。 9.朝食摂取状況 毎朝、 朝食を食べる子どもの人数割合は、 男児で 63.9%(0歳児)~81.8% (1歳児) 、 女児で 66.7%(0歳児)~82.5%(1歳児)であった(図9-1,図9-2)。 116 年齢によって、朝食摂取状況の割合に差があるか、クロス集計、χ2検定により分析 した結果、有意差が認められた(χ2(8)=35.29,p<.01)ので残差分析を行った。そ の結果、0歳男児の「食べない」が有意に多かった(p<.01) (図9-1) 。 また、女児でも有意差が認められた(χ2(8)=24.48,p<.01)ので残差分析を行っ た。その結果、0歳児の「食べない」 (p<.01)と、1歳の「食べる」 (p<.05)が有意 に多かった(図9-2) 。 10.排便時刻 家庭的保育児の平均排便時刻は、男児で平均9時 54 分(1歳児)~12 時 43 分 (2歳児) 、女児で平均9時 28 分(0歳児)~12 時 51 分(2歳児)であった(表1 -1,表1-2) 。 11.排便状況 朝に排便する割合について、 「毎朝する」が男児で 13.0%(0歳児)~18.5%(2 歳児) 、女児で 14.3%(0歳児)~28.4%(2歳児)であった(図 10-1,図 10- 2) 。 年齢によって朝に排便する割合に差があるか、クロス集計、χ2検定により分析した 結果、男児については、有意差が認められなかった(χ2(8)=3.18,n.s.) (図 10 -1) 。 また、女児では、有意差が認められた(χ2(8)=26.20,p<.01)ので残差分析を行 った。その結果、0歳女児の「毎朝しない」 (p<.01)と、2歳児の「毎朝する」 (p<.01) が有意に多かった(図 10-2) 。 12.家庭的保育室に通うために家を出るときの子どもの様子 家庭的保育室に通うために、朝、家を出るときの様子について、 「眠そう」が男児で、 8.8%(1歳児)~17.4%(0歳児) 、女児で、12.2%(2歳児)~22.6%(0歳児) であった。 「元気がある」は、男児で 73.9%(0歳児)~89.8%(2歳児) 、女児では 87.1%(0歳児)~92.3%(2歳児)であった(図 11-1,図 11-2) 。 13.家庭的保育室に通うために家を出る平均時刻 家庭的保育室に通うために、朝、家を出る平均時刻は、男児で8時 23 分(0歳児) ~8時 27 分(1歳児) 、女児で8時 25 分(2歳児)~8時 34 分(0歳児)であった (表1-1,表1-2) 。 また、起床時刻から家を出るまでに要する、朝の生活時間は、男児では、0歳児で 117 1時間 36 分、1歳児で1時間 31 分、2歳児で1時間 26 分であった。また、女児では、 0歳児で1時間 40 分、1歳児で1時間 29 分、2歳児で1時間 24 分であった。 14.家庭的保育室に通う方法(複数回答) 家庭的保育室に通う方法は、自家用車利用が 34.5%(1歳男児)~48.4%(0歳女 児) 、一般交通機関が 22.6%(0歳女児)~48.0%(1歳男児) 、自転車が 22.6%(0 歳女児)~48.0%(1歳男児) 、その他(抱っこ、ベビーカー、徒歩など)が 0.6%(2 歳男女児)~13.3%(0歳男児)であった(図 12-1,図 12-2) 。 15.家庭的保育室に子どもを預け入れる時の様子 朝、家庭的保育室に子どもを預ける時の様子について、 「とても楽しそう」と「やや 楽しそう」を合わせて「楽しそう」とすると、男児では、95.6%(0歳児)~97.1% (2歳児)が「楽しそう」であった(図 13-1) 。 女児では、93.5%(0歳児)~96.1%(2歳児)が「楽しそう」であった(図 13- 2) 。 16.遊び時間(保育時間を除く) 遊び時間(家庭的保育室での保育時間を除く)は、男児で平均2時間 20 分(1歳児) ~2時間 22 分(0歳,2歳児) 、女児で平均2時間 16 分(2歳児)~2時間 36 分(1 歳児)であった(表1-1,表1-2) 。 17.戸外遊び時間(保育時間を除く) 戸外遊び時間(家庭的保育室での保育時間を除く)は、男児で平均 12 分(0歳児) ~30 分(1,2歳児) 、女児で平均9分(0歳児)~28 分(1歳児)であった(表1 -1,表1-2) 。 18.主な遊び場(保育時間を除く,複数回答) 主な遊び場(家庭的保育室での保育時間を除く)は、家の中が 93.5%(0歳女児) ~100%(0歳男児) 、次いで公園が0歳児で 25.9%(女児)~30.4%(男児) 、1歳 児で 64.3%(女児)~68.5%(男児) 、2歳児で 69.9%(女児)~71.0%(男児)で あった(図 14-1,図 14-2) 。 19.保育時間外の遊び(多い遊び3項目選択) 保育時間外の遊び(3項目選択)は、男女ともに第1位が室内玩具 59.1%(1 歳女 児)~71.3%(1 歳男児) 、第2位がテレビ・ビデオ 45.7%(0歳男児)~58.1%(0 歳女児) 、第3位が室内探索 33.3%(2歳女児)~54.8%(0歳女児) 、絵本・本読み、 118 親と子のふれあい遊び等が続き、公園遊具は、2.6%(2歳女児)~5.7%(2歳男児) と少なかった(図 15-1,15-2,15-3) 。 20.1日のテレビ・ビデオ視聴時間(保育時間を除く) 家庭的保育児の1日の平均テレビ・ビデオ視聴時間(保育時間を除く)は、男児で 1日平均 27 分(0歳児)~1時間 22 分(2歳児) 、女児で1日平均 25 分(0歳児) ~1時間 36 分(2歳児) 、であった(表1-1,表1-2) 。 年齢によって1日の平均テレビ・ビデオ視聴時間(保育時間を除く)の割合に差が あるか、クロス集計、χ2検定により分析した結果、男児では、有意差が認められた(χ 2 (8)=91.81,p<.01)ので残差分析を行った。その結果、0歳児の「見ない」が有意 に多かった(p<.01) (図 16-1) 。 また、女児でも、有意差が認められた(χ2(8)=84.87,p<.01)ので残差分析を行 った。その結果、0歳児の「見ない」が有意に多かった(p<.01) (図 16-2) 。 21.夕食開始時刻 家庭的保育児の平均夕食開始時刻は、男児で平均 18 時 33 分(1歳児)~18 時 41 分(0歳児) 、女児で平均 18 時 34 分(1,2歳児)~18 時 44 分(0歳児)であった (表1-1,表1-2) 。 健康生活の目標である、19 時までに夕食を開始する割合は、男児で 54.3%(0歳児) ~57.5%(1歳児) 、女児で 56.0%(0歳児)~61.6%(2歳児)であった(図 17- 1, 図 17-2) 。 年齢によって夕食開始時刻の割合に差があるか、クロス集計、χ2検定により分析し た結果、男児では有意差は認められなかった (χ2(6)=4.37,n.s.) (図 17-1) 。 また、女児では有意差が認められた(χ2(6)=38.37,p<.01)ので残差分析を行っ た。その結果、0歳児の 20 時以降が有意に多かった(p<.01) (図 17-2) 。 22.生活時間相互の関連性 相関係数を算出し、生活時間相互の関連性について、1%水準でかつ、r≧|0.3| のものを抜粋し、図示した(図 18-1,図 18-2) 。 男児では、①夕食時刻が早いと、就寝時刻が早い(r=0.34)。②就寝時刻が早いと、 睡眠時間が長く(r=-0.67) 、起床時刻が早い(r=0.45) 。朝食開始時刻も早く(r=0.35) 、 排便時刻も早い(r=0.30) 。③起床時刻が早いと、朝食開始時刻が早く(r=0.81) 、登 園のために家を出る時刻も早い(r=0.44) 。排便時刻も早い(r=0.36) 。④朝食開始時 119 刻が早いと、登園のために家を出る時刻が早く(r=0.69) 、排便時刻も早い(r=0.30) という結果となった。 女児では、①就寝時刻が早いと、睡眠時間が長く(r=-0.72) 、起床時刻が早く(r=0.42) 、 朝食開始時刻も早く(r=0.30) 、排便時刻も早い(r=0.30) 。②起床時刻が早いと、朝 食開始時刻が早く(r=0.83) 、登園のために家を出る時刻も早く(r=0.39) 。排便時刻 早い(r=0.30) 。③朝食開始時刻が早いと、登園のために家を出る時刻が早い(r=0.50) という結果となった。 120 図・表 表1-1 家庭的保育児の生活活動の時間・内容および人数(男児) 対象 0歳児(46人) 1歳児(189人) 2歳児(168人) 項目 平均値 標準偏差 平均値 標準偏差 平均値 標準偏差 就寝時刻 21時04分 53分 21時03分 43分 21時14分 38分 夜の睡眠時間 9時間43分 58分 9時間54分 64分 9時間47分 44分 起床時刻 6時47分 40分 6時56分 40分 7時00分 34分 朝食開始時刻 7時25分 40分 7時24分 36分 7時28分 31分 排便時刻 9時59分 249分 9時54分 251分 12時43分 317分 登園時刻 8時23分 34分 8時27分 35分 8時26分 30分 あそび時間 2時間22分 94分 2時間20分 75分 2時間22分 77分 外あそび時間 12分 33分 30分 33分 30分 27分 TV・ビデオ視聴時間 27分 40分 1時間15分 53分 1時間22分 52分 夕食開始時刻 18時41分 38分 18時33分 34分 18時37分 37分 表1-2 家庭的保育児の生活活動の時間・内容および人数 (女児) 対象 0歳児(31人) 1歳児(160人) 項目 平均値 標準偏差 平均値 標準偏差 就寝時刻 21時32分 62分 21時04分 45分 夜の睡眠時間 9時間18分 56分 9時間53分 42分 起床時刻 6時54分 40分 6時57分 35分 朝食開始時刻 7時28分 44分 7時28分 33分 排便時刻 9時28分 261分 11時31分 295分 登園時刻 8時34分 58分 8時26分 31分 あそび時間 2時間26分 80分 2時間36分 91分 外あそび時間 9分 18分 28分 33分 TV・ビデオ視聴時間 25分 48分 1時間17分 59分 夕食開始時刻 18時44分 59分 18時34分 36分 121 2歳児(157人) 平均値 標準偏差 21時16分 40分 9時間45分 38分 7時01分 31分 7時27分 30分 12時51分 306分 8時25分 30分 2時間16分 90分 27分 31分 1時間36分 63分 18時34分 33分 核家族(父母・父か母) 0歳児 (N=74) 祖父母・祖父か祖母と同居 81.1 18.9 1歳児 (N=327) 85.3 14.7 2歳児 (N=324) 84.6 15.4 0% 20% 40% 60% 80% 図11 家庭的保育受託児の家族形態 図 1 家庭的保育児の家族形態 きょうだい有り 0歳児 (N=75) NS きょうだい無 53.3 46.7 1歳児 (N=320) 46.9 53.1 2歳児 (N=301) 48.1 51.9 0% 20% 100% 40% 60% 80% 図12 図2 家庭的保育受託児のきょうだいの有無 家庭的保育児のきょうだいの有無 122 100% NS 21時前 21時~21時半前 0歳児 (N=46) 21時半~22時前 32.6 37.0 22時以降 13.0 17.4 ** 1歳児 (N=181) 26.0 35.9 27.1 11.0 ** 2歳児 (N=174) 16.1 42.9 0% **p<.01 **:p<0.01 20% 13.7 40% 27.4 60% 80% 100% 図1-1 家庭的保育児の就寝時刻(男児) 家庭的保育受託児の就寝時刻(男児) 図3-1 χ2(6)=28.806,p<0.01 21時前 21時~21時半前 21時半~22時前 41.9 19.4 22時以降 * 0歳児 (N=31) 12.9 25.8 * 1歳児 (N=158) 25.3 43.0 22.2 9.5 * 2歳児 (N=131) 14.5 0% *p<.05 41.2 20% 22.9 40% 60% 21.4 80% 図3-2 家庭的保育児の就寝時刻(女児) 123 100% 9時間未満 9~9.5時間未満 9.5~10時間未満 10時間~10.5時間未満 10.5時間~11時間未満 11時間以上 * 14.6 0歳児 (N=41) 14.6 26.8 24.4 17.1 4.0 1歳児 (N=181) 14.4 29.3 2.4 ** 16.1 31.0 5.2 7.1 2歳児 (N=168) 20.2 0% 26.2 20% 29.8 40% 4.2 12.5 60% 80% 100% 図2-1 家庭的保育受託児の睡眠時間 (男児) 図4-1 家庭的保育児の睡眠時間(男児) **p<.01 *p<.05 NS 9時間未満 9~9.5時間未満 9.5~10時間未満 10時間~10.5時間未満 10.5時間~11時間未満 11時間以上 1歳児 (N=158) 3.3 ** 0歳児 (N=30) 20.0 20.0 20.0 36.7 0.0 6.3 12.7 18.4 38.0 16.5 8.2 ** 2歳児 (N=131) 13.0 0% **p<.01 7.6 20% 3.1 35.1 30.5 40% 60% 10.7 80% 図2-2 家庭的保育受託児の睡眠時間 (女児) 図4-2 家庭的保育児の睡眠時間(女児) 124 100% NS 6時半前 6時半~7時前 7時~7時半前 7時半~8時前 8時以降 4.3 0歳児 (N=46) 17.4 1歳児 (N=169) 18.2 2歳児 (N=152) 9.8 0% 26.1 41.3 21.5 33.7 21.4 37 20% 10.9 17.1 23.1 40% 60% 80% 9.4 8.7 100% NS 図3-1図5-1 家庭的保育受託児の起床時刻 (男児) 家庭的保育児の起床時刻(男児) 6時半前 0歳児 (N=30) 6時半~7時前 16.7 1歳児 (N=141) 9.1 2歳児 (N=132) 7.2 0% 7時~7時半前 23.3 33.3 24.0 40.9 20.9 20% 13.3 16.2 38.6 40% 7時半~8時前 24.2 60% 80% 図3-2 家庭的保育受託児の起床時刻 (女児) 図5-2 家庭的保育児の起床時刻(女児) 125 8時以降 13.3 9.7 9.2 100% いつも自分で起きる 自分で起きる時と起こされる時が半々 いつも起こされる 2.2 0歳 23.9 28.3 (N=46) 自分で起きる時の方が多い 起こされる事の方が多い 26.1 19.5 4.0 1歳 (N=181) 28.8 27.6 30.5 9.1 6.1 2歳 (N=174) 22.5 0% 22.9 20% 28.7 40% 19.8 60% 80% 100% 図6-1 家庭的保育児の起床の仕方(男児) 図5-1 起床の仕方(男児) いつも自分で起きる 自分で起きる時と起こされる時が半々 いつも起こされる 0歳 (N=31) 自分で起きる時の方が多い 起こされる事の方が多い 6.5 6.5 1歳 (N=154) 32.3 27.5 2歳 (N=156) 25.1 0% 38.7 28.8 23.5 20% 40% 16.1 26.1 15.3 29.3 60% 18.1 80% 図5-2 起床の仕方(女児) 図6-2 家庭的保育児の起床の仕方(女児) 126 2.3 4.0 100% いつも機嫌が良い 機嫌が良い時と悪い時が半々 いつも機嫌が悪い 機嫌が良い時の方が多い 機嫌が悪い時の方が多い 6.5 0歳児 (N=46) 26.1 39.1 28.3 8.3 1歳児 (N=169) 28.2 41.9 21 0.6 4.6 2歳児 (N=152) 25.9 0% 50.0 20% 40% 1.7 17.8 60% 80% 100% NS 図4-1 家庭的保育受託児の起床時の機嫌(男児 ) 図7-1 家庭的保育児の起床時の機嫌(男児) いつも機嫌が良い 機嫌が良い時と悪い時が半々 いつも機嫌が悪い 機嫌が良い時の方が多い 機嫌が悪い時の方が多い 9.7 0歳児 (N=31) 19.4 48.4 22.5 6.5 1歳児 (N=141) 24.7 49.4 18.8 0.6 4.5 2歳児 (N=136) 24.4 0% 43.6 20% 40% 60% 26.2 1.3 80% 100% NS 図4-2 家庭的保育受託児の起床時の機嫌(女児) 図7-2 家庭的保育児の起床時の機嫌(女児) 127 7時前 0歳児 (N=31) 7時~7時半前 6.5 1歳児 (N=171) 8時~8時半前 38.7 15.1 2歳児 (N=159) 7時半~8時前 10.8 36.9 27.5 0% 20% 16.1 29.0 28.5 8時半以降 60% 6.7 12.8 37.7 40% 9.7 6.6 17.4 80% 100% 図5-1 家庭的保育受託児の朝食開始時刻の人数割合(男児) 図8-1 家庭的保育児の朝食開始時刻の人数割合(男児) 7時前 0歳児 (N=25) 7時~7時半前 16.0 1歳児 (N=142) 11.7 2歳児 (N=132) 10 0% 7時半~8時前 16.0 38.3 26.8 8時半以降 8.0 44.0 27.3 20% 8時~8時半前 13.6 42.3 40% 60% 16.0 9.1 4.7 16.1 80% 100% 図5-2図8-2 家庭的保育受託児の朝食開始時刻の人数割合(女児) 家庭的保育児の朝食開始時刻の人数割合(女児) 128 食べる 食べる時の方が多い 半々 食べない時の方が多い 5.6 0歳児 (N=36) ** 16.7 13.9 63.9 食べない 1.3 3.3 1.7 1歳児 (N=172) 81.8 0.6 2.3 2.9 2歳児 (N=162) 78.7 0% **p<.01 20% 14.4 40% 60% 1.7 80% 100% 図13-1図9-1 家庭的保育受託児の朝食摂取状況の人数割合(男児) 家庭的保育児の朝食摂取状況(男児) 食べる 食べる時の方が多い 半々 食べない時の方が多い 3.3 3.3 0歳児 (N=30) 66.7 食べない ** 16.7 10.0 1.3 1.9 * 1歳児 (N=148) NS 82.5 0.6 13.6 3.9 3.3 2歳児 (N=139) 73.2 0% 20% 3.3 16.3 40% 60% 80% 100% 図9-2 家庭的保育児の朝食摂取状況(女児) **p<.01図13-2 家庭的保育受託児の朝食摂取状況の人数割合(女児) NS *p<.05 129 毎朝する 0歳児 (N=46) 朝する時の方が多い 13.0 1歳児 (N=179) 半々 30.4 16.2 27.4 朝しない時の方が多い しない 30.4 15.2 10.9 28.5 18.4 9.5 5.8 2歳児 (N=173) 18.5 0% 27.7 20% 30.1 40% 17.9 60% 80% 100% 図10-1 図 10-1 家庭的保育受託児の朝の排便状況(男児) 家庭的保育児の朝の排便状況(男児) 毎朝する 朝する時の方が多い 半々 毎朝しない 朝しない時の方が多い ** 0歳児 (N=30) 13.3 20.0 1歳児 (N=154) 14.3 30.0 32.5 16.7 29.2 20.0 14.3 9.7 1.9 ** 2歳児 (N=155) 28.4 0% **p<.01 **p<.01 32.3 20% 40% 23.2 60% 図10-2 家庭的保育児の朝の排便状況合(女児) 14.2 80% 100% 図 10-2 家庭的保育児の朝の排便状況(女児) χ2(8)=26.20,p<.01 130 0歳(N=46) 1歳(N=172) 2歳(N=162) 8.7 5 5.7 あくびがでている 17.4 眠そう 8.8 9.1 0 0.6 0 横になりたそう 0 物事が気にかかる 3.3 3.4 気持ちが良さそう 19.6 23.2 25 73.9 87.3 元気がある 89.8 0 20 40 60 80 100 (%) 図16-1 家庭的保育利用児が朝、家を出る時の様子(男児) 図 11-1 家庭的保育室に通うために家を出る時の子どもの様子(男児) 0歳(N=31) 1歳(N=148) 0 あくびがでている 2.6 5.8 22.6 14.3 眠そう 12.2 0 0.6 横になりたそう 2.6 0 5.2 物事が気にかかる 2.6 22.6 30.5 気持ちが良さそう 27.6 2歳(N=139) 87.1 90.3 92.3 元気がある 0 20 40 60 80 100 (%) 図 11-2 家庭的保育室に通うために家を出る時の子どもの様子(女児) 図16-2 家庭的保育利用児が朝、家を出る時の様子(女児) (%) (%) 131 0歳(N=45) 1歳(N=172) 2歳(N=159) 42.2 34.5 自家用車 44.5 24.4 48 42.8 一般交通機関 24.4 48 42.8 自転車(単車) 13.3 1.7 抱っこ 0.6 13.3 9.6 ベビーカ― 4.6 6.7 6.2 7.5 徒歩 1 0 20 40 60 80 100 図6-1 家庭的保育受託児の通園方法(男児) 図 12-1 家庭的保育室に通う方法(男児) (複数回答) 132 (%) 0歳(N = ) 3 1 1歳 ( N = 1) 4 2 2歳 ( N = 1) 3 2 4 8 . 4 3 5 . 5 4 1 . 6 自 家 用 車 2 2 . 6 4 5 . 3 4 6 . 1 一 般 交 通 機 関 2 2 . 6 4 5 . 3 4 6 . 1 自 転 車 ( 単 車 ) 1 2 . 9 2 0 . 6 抱っこ 9 . 7 ベ ビ ー―カ 8 . 6 3 . 2 徒 歩 6 . 5 8 . 6 8 . 4 1 0 20 40 60 80 1 0 0 ( % ) 児 ) 家庭的保育室に通う方法(女児) 図図612-2 -家 2 庭 的 保 育 受 託 児 の 通 園 方 法 ( 女 (複数回答) 133 とても楽しそう やや楽しそう あまり楽しそうでない 全く楽しそうでない 4.4 0歳児 (N=45) 62.2 33.3 0 3.3 1歳児 (N=172) 72.8 22.2 1.7 2.9 2歳児 (N=162) 74.3 0% 20% 22.9 40% 60% 80% 0 100% NS 図17-1 家庭的保育受託児 朝の預入時の子どもの様子(男児) 図 13-1 朝の受け入れ時の子どもの様子(男児) 児) 方法(女児) とても楽しそう やや楽しそう あまり楽しそうでない 全く楽しそうでない 6.5 0歳 (N=31) 61.3 32.3 3.3 1歳 (N=148) 71.9 24.2 0.7 3.2 2歳 (N=139) 70.5 0% 20% 25.6 40% 60% 80% 0.6 100% 図17-2 家庭的保育受託児 朝の預入時の子どもの様子(女児) NS 図 13-2 朝の受け入れ時の子どもの様子(女児) 方法(女児) 134 0歳(N=46) 0 1歳(N=172) 2歳(N=162) 3.9 4.5 神社・寺 0 1.1 1.1 空き地 0 1.1 2.8 団地廊下・階段 2.2 6.1 8.5 道路 0 0.6 2.3 田んぼ・畑 30.4 68.5 71 公園 10.9 7.7 友だちの家 18.2 13 家の庭 19.3 22.2 100 95 96.6 家の中 1 0 20 40 60 80 100 (%) (%) 図7-1 家庭的保育受託児の保育時間外の 図 14-1 家庭的保育児の保育時間外の主な遊び場(男児) 主なあそび場 (男児) (%) (複数回答) 図 14-2 家庭的保育児の保育時間外の主な遊び場(女児) 135 0歳(N=31) 神社・寺 0 0.6 1.3 空き地 0 1.9 0.6 0 団地・廊下階段 1歳(N=154) 2歳(N=156) 2.6 2.6 0 9.7 8.3 道路 0 0.6 0.4 田んぼ・畑 25.9 64.3 69.9 公園 6.5 友だちの家 3.2 家の庭 12.3 12.2 14.3 15.4 93.5 95.5 94.2 家の中 1 0 20 40 60 80 100 (%) 図14-2 家庭的保育受託児の保育時間外の (%) 図 14-2 家庭的保育児の保育時間外の主な遊び場(女児) 主なあそび場 (女児) (複数回答) 136 男児(N=46) 女児(N=31) 21.7 19.4 音楽鑑賞 41.3 41.9 親と子のふれあい 21.7 乗り押し玩具 12.9 45.7 テレビ・ビデオ 58.1 4.3 3.2 人形あそび 17.4 19.4 ボールあそび 43.5 探索あそび 54.8 65.2 67.7 室内玩具 8.7 ブロック 32.3 17.4 絵本読み 29.0 15.2 16.1 お絵かき 0 20 40 60 図 15-1 家庭的保育児の保育時間外の遊び 80 (%) (%) 図18-1 家庭的保育受託児の帰宅後のあそび :3項目選択(0歳児) :3項目選択(0歳児) 137 男児(N=172) 21 音楽鑑賞 26 23.8 26 親と子のふれあい 砂あそび 公園遊具 乗り押し玩具 女児(N=148) 0.6 0.6 3.3 4.5 16 20.1 50.3 テレビ・ビデオ 人形あそび ボールあそび 10.5 13.6 12.2 10.4 39.2 39.6 探索あそび 室内玩具 ブロック 59.1 12.2 71.3 19.5 31.5 絵本読み お絵かき 57.1 37.7 20.4 22.7 0 20 40 60 80 図18-2 家庭的保育受託児の帰宅後のあそび 図 15-1 図 15-2 家庭的保育児の保育時間外の遊び 家庭的保育児の保育時間外の遊び (%) (%)(%) :3項目選択(0歳児) :3項目選択(1歳児) :3項目選択(1歳児) 138 男児(N=162) 女児(N=139) 15.9 音楽鑑賞 23.7 25.6 27.6 親と子のふれあい 0.6 0.6 砂あそび 5.7 2.6 公園遊具 19.9 乗り押し玩具 26.9 53.4 48.1 テレビ・ビデオ 13.1 14.7 人形あそび 10.2 12.8 ボールあそび 35.2 33.3 探索あそび 65.3 62.8 室内玩具 18.8 18.6 ブロック 31.3 絵本読み 39.1 23.3 お絵かき 32.1 0 20 40 60 図18-3 家庭的保育受託児の帰宅後のあそび 図 15-3 家庭的保育児の保育時間外の遊び :3項目選択(2歳児) :3項目選択(2歳児) 139 80 (%) 見ない 30分以内 1時間以内 2時間以内 2時間以上 ** 0歳児 (N=46) 43.9 1歳児 (N=168) 2歳児 (N=174) 8.3 5.7 0% 31.7 24.4 28.6 23.0 14.6 40% 2.5 31.5 37.4 20% 7.3 7.1 24.7 60% 9.2 80% 100% 家庭的保育受託児のテレビ・ビデオ視聴時間(男児) **p<.01図16-1 図 16-1 1日のテレビ・ビデオ視聴時間(男児) **p<.01 見ない 30分以内 1時間以内 2時間以内 2時間以上 0.0 ** 0歳児 (31人) 50.0 1歳児 (154人) 7.8 2歳児 (138人) 9.4 0% 18.8 20.3 20% 30.7 32.5 30.5 32.6 40% 15.4 20.3 60% 3.8 10.4 17.4 80% 図16-2家庭的保育受託児のテレビ・ビデオ視聴時間(女児) **p<.01 図 16-2 1日のテレビ・ビデオ視聴時間(女児) 140 100% 19時前 19時~19時半前 19時半~20時前 20時以降 2.9 0歳児 (N=35) 54.3 1歳児 (N=169) 40.0 57.5 2歳児 (N=152) 55.6 0% 20% 40% 2.9 29.3 11.5 31.6 8.8 60% 1.7 4.1 80% 100% 図9-1図家庭的保育受託児の夕食開始時刻の人数割合(男児) 17-1 家庭的保育児の夕食開始時刻(男児) 方法(女児) 19時前 19時~19時半前 19時半~20時前 4.0 0歳児 (N=25) 56.0 20時以降 ** 24.0 16.0 9.7 1歳児 (N=142) 61.4 28.3 0.7 6.0 2歳児 (N=132) 61.6 0% 20% 29.8 40% 60% 80% 2.6 100% 図9-2 図 家庭的保育受託児の夕食開始時刻の人数割合(女児) 17-2 家庭的保育児の夕食開始時刻(女児) **p<.01 **p<0.01 χ2(6)=38.368,p<0.01 141 r=0.35 r=-0.67 r=0.31 r=0.35 睡眠時間 就寝時刻 起床時刻 r=0.81 r =0.34 r=0.45 夕食時刻 朝食開始時刻 r=0.44 r=0.36 r=0.69 登園時刻 r=0.30 r=0.30 排便時刻 (N=353) 図 18-1 家庭的保育受託児の生活時間相互の関連性( 0歳~2歳男児) p<0.001,r≧|0.3| のもののみを抜粋 〔数値は相関係数(r)〕 受 託児の 夜 10 時 以降の r=0.30 活動(女 児) r=-0.72 就寝時刻 r=0.31 r=0.31 睡眠時間 起床時刻 方 法 (女児) r=0.83 r=0.42 朝食開始時刻 r=0.39 r=0.30 r=0.50 登園時刻 r=0.30 排便時刻 (N=304) 図 18-2 家庭的保育受託児の生活時間相互の関連性( 0歳~2歳女児) p<0.001,r≧|0.3| のもののみを抜粋 〔数値は相関係数(r)〕 受 託児の 夜 10 時 以降の 活動(女 児) 方 法 142 考 察 調査によって得られた家庭的保育児の家族形態は、核家族が約8割で、第1子(一 人っ子)は約半数であった。これらをふまえて、健康生活の基盤となる、睡眠習慣、 食習慣、運動習慣について考察する。 1.睡眠習慣 佐野・松尾・前橋(2012)は、幼児が健康生活を営むための生活習慣の目標として 21 時前就寝、夜間 10 時間以上の睡眠、起床時の機嫌が良いこと等を説いている。こ れらをふまえ、家庭的保育児の睡眠習慣をみると、1歳児の就寝時刻は男女児平均 21 時3分で 21 時前就寝に近似していたが、2歳児になると就寝時刻が男女児平均 21 時 15 分と遅寝の傾向になった。22 時以降の就寝については、日本小児保健協会が昭和 55 年度より 10 年ごとに行っている「幼児健康度に関する継続的比較研究」の調査(日 本小児保健協会 2011)では、平成 22 年度値で、1.5 歳児 30%、2歳児 35%であっ た。単純計算ではあるが、本研究結果と比較すると、家庭的保育児は、1歳児で男女 平均 10.2%、2歳児で男女平均 24.4%であり、日本小児保健協会の調査値よりも低率 であり、注目すべき結果であるといえよう。日本小児保健協会の調査対象者は、1歳 6か月や3歳児等の健康診査の対象者であり、家庭で育児されている家庭児や保育所 保育児などが全て含まれている。今後、対象者別に調査することで、より詳細に低年 齢児の睡眠習慣に関する知見を得ることができるであろう。 0歳児の平均就寝時刻は、男児で 21 時4分(±53 分)~女児で 21 時 32 分(±62 分)であり、21 時前就寝は、12.9%(女児)~32.6%(男児) 、22 時以降就寝が 17.4% (男児)~25.8%(女児)と、個人差が大きく、睡眠リズムが一定していない。睡眠 がまとめてとれるようになるのは、卒乳の目安の 1.5 歳児といわれている(三池 2013)が、生後3か月近くになると朝の光による同調作用が機能し、24 時間周期の生 活が可能となり、次第に就寝時刻や起床時刻が定まることが説かれている(神山 2011a) 。そして、生後5か月頃になると夜間には7時間はまとまって眠ることができ るようになり、睡眠覚醒の 1 日のリズムが確立してくるともいわれている(島田・竜 丘ら 2009) 。島田・竜岡ら(2009)によると、乳児の睡眠は、中枢神経系生理機能の 成熟と共に発達して、月齢を経るにしたがって1日の合計睡眠時間や昼間睡眠時間が 減少し、夜間睡眠時間や持続して眠る時間、覚醒する時間が相対的に長くなり、生後 5か月の離乳食を開始したら、食のリズムと睡眠リズムを整え、早寝、早起きの習慣 143 をつけていくことがその後の健康生活に繋がることを指摘している。母子保健サービ スの一環として、0歳時期からの生活習慣形成について、妊婦などへの啓発が必要で あろう。 夜間の睡眠時間については、1歳児の 52.3%(男児)~62.7%(女児) 、2歳児の 44.3%(女児)~46.5%(男児)が 10 時間以上の睡眠がとれていた。しかし、2歳児 の 20.6%(女児)~27.3%(男児)が9時間 30 分未満の短時間睡眠であり、短時間 睡眠の弊害(Suzuki M・Nakamura T et al 2005 前橋 2008)が懸念された。 自立起床がみられた子どもは、1,2歳で約2割であったが、起床時の機嫌につい ては、約7割が機嫌良く起きられており、夜間の良好な睡眠がとれている(佐野・松 尾・前橋 2012)ことが示唆された。また、朝、家を出る時の様子について、73.9% ~92.3%が「元気がある」とし、子どもを家庭的保育室に預ける時の子どもの様子に ついては、61.3%(0歳女児)~74.3%(2歳男児)の保護者が子どものとても楽し そうな様子をあげており、子どもと家庭的保育者との関係性も概ね良好であることが 推察された。 1日のスタートである起床時に子どもの機嫌が良いことや朝、家を出る時に元気な 様子、朝の母子分離時の家庭的保育室での子どものとても楽しそうな様子は、保護者 の精神的な安寧に繋がり、保護者が安心して社会で働ける条件でもあろう。 Touchette E ・Cote SM・Petit Det al(2009)による研究では、乳幼児早期に短時 間睡眠であった子どもは、十分睡眠をとっていた子どもより6歳児期において、多動 の率が高いことが報告されている。また、神経科学を背景とした小児科医の神山 (Kohyama J,2001)の研究では、遅寝の子どもは、早寝の子どもより、朝のメラト ニン濃度が低い傾向になることを明らかにしている。メラトニンは、 「抗酸化作用」や 「リズム調整作用」 、 「性的な成熟の抑制」等の働きがあり、生後1~5歳時期に生涯 最も多く分泌し、また、1日の中で、朝目覚めてから 14~16 時間して夜間暗くなると 分泌されることもいわれている(神山 2011a) 。つまり、遅寝で明るい部屋で過ごす 乳幼児期の子どもたちは、本来十分に分泌されるべき時を逸してしまうことになる。 身体への影響として、 「低セロトニン」や「生活習慣病」 (神山 2011a)などが指摘さ れていることからもこの時期の生活習慣を整えていくことは重要である。 子どもの睡眠と行動障害に関する研究からは、睡眠リズムを整える低年齢児からの 規則的な生活習慣形成が重要課題とされている(Lam P・Hiscock H,・Wake M 144 2003) 。 生活習慣は、保護者自身の睡眠や保護者の生活行動への健康認識などの影響を受け やすい(泉・前橋・町田 2011,新小田・末次ら 2012) 。松村(1992)によると、 朝型の母親には朝型の子ども、夜型の母親には夜型の子どもの多いことや、母親が子 どもの生活を規制しているほど、母子の生活リズムが一致する傾向にあることが報告 されている。保護者の早寝への意識は重要であり、子どもに夜型生活をさせないよう、 早寝で十分な睡眠時間をとること等、保護者啓発の必要性がある。 2006 年、文部科学省から「早ね早おき朝ごはん」のキャンペーンが展開されたが、 2008 年に3歳未満児を対象に、世界 17 か国で実施された睡眠調査結果では、日本が 最も睡眠時間が短かった(神山 2009) 。この調査に携わった神山は、2002 年から子 どもの早寝・早起きの習慣を提唱し、啓発活動を実践してきた一員である(神山 2008)。しかし、このような結果をふまえ、中村・肥田ら(2009)は、保護者への啓 発活動のあり方を見直し、少人数グループ単位で行う実践型相互学習、グループワー クの有効性を指摘している。 本研究の対象となった保育者の居宅で行う家庭的保育は、保育者1人につき、子ど も3~5人(補助者設置)の小グループであり、保育所のように交代勤務ではなく、 1人の保育者が保育に従事し、子どもの送迎時は保護者と必ず対面する保育形態であ る。よって、保護者との連絡も密に取ることができ、子どもの生活習慣形成に保護者 と共に携わることができ、確立までのプロセスは保護者同士、保護者と保育者などが 相互学習できる場ともなると推察する。家庭的保育は、中村・肥田ら(2009)の説く、 少人数グループ単位で行う実践型相互学習ができる保護者啓発の有効な場であると もいえよう。 今後、保護者と保育者の関係性についても、第4章、第5章の研究から詳細に分析、 検証し、家庭的保育児の睡眠習慣の特徴を明らかにしていく。 2.食習慣 朝食摂取状況については、毎朝朝食を食べている子どもは、63.9%(0歳男児)~ 82.5%(1歳女児)であった。成長期にある子どもの朝食摂取は、100%であることが 望まれる。 ヒトの身体は、睡眠-覚醒リズム以外にも心拍数、血圧、細胞分化、肝機能、脂肪 合成、代謝、体温、ホルモン分泌などの様々な生理機能に 24 時間の変動をもっており、 145 生体リズムは、外からの繰り返される刺激によって影響を受ける(田原・柴田 2011) 。 そして、食事は、体内時計のメカニズムの研究から、光に次いで強力な体内時計の同 調因子と考えられている(田原・柴田 2011) 。生後5か月頃になり離乳食を開始する と、離乳食の時刻をある程度決めて与えるようになる。この時期になると、夜間にま とめて約7時間は続けて眠るようになり、夜間の入眠時刻もほぼ定まってくる(島田・ 竜丘ら 2009) 。また、この頃は睡眠覚醒のリズムが確立してくる時期でもあり、遅寝 するほど夜間の睡眠時間が短くなってくることが明らかにされており、十分な夜間の 睡眠時間を確保するためには、生後5か月頃からの離乳食開始時期からの早寝早起き の重要性が指摘されている(Simada M・Segawa M et al 1993,島田・竜丘ら 2009) 。 また、離乳食が完了する1歳から 1.5 歳頃は、手づかみ食べから食具食べの移行期 でもあることから、食事に費やす時間に余裕をもちたいものである。2歳を過ぎると、 奥歯が生えてきて噛み合わせも安定し、食物を上手く噛みすりつぶすことができるよ うになり、食事のメニューも広がるので(高橋 2006) 、子どもがしっかり噛んで食べ るゆとり時間が必要である。朝は気忙しいが、一日の健康生活をスタートさせる時で もある。朝の時間の使い方を工夫することが必要であろう。 保護者が、食事中子どもの様子を見て気になる点について、どの年齢においても「遊 びながら食べる」や「テレビを見ながら食べる」が上位にあげられていた。朝に必要 な情報はラジオや新聞から得る等、テレビは消して、食事に集中できる環境を整えた いものである。また、 「あまり噛まないで食べる」 「口の中に残っている」もあげられ た。咀嚼力は、口腔内の感覚刺激(触・熱・味)や食べさせ方、調理形態(食べ物の 大きさ、硬さ) 、歯の生え具合等も関係することから(高橋 2006) 、子どもの発達段 階や個人差をよく考慮する必要がある。食べこぼしや丸呑み、咀嚼不全など後に問題 行動とならないように、一人ひとりの発達にあわせた援助が重要である。朝食に費や される時間も加味すると、神山(2011a)の提唱する、ゆっくり朝食、ゆっくりトイレ タイムの Morning Luxury Time が必要であろう。 家庭的保育者の居宅で行われる保育は、保育児が3~5名の少人数であることから、 一人ひとり異なる摂食行動についてもきめ細やか保育を行うことができる(家庭的保 育研究会 2011) 。家庭との連携を密にして行うことで、個々の子どもに必要な健康的 な食習慣を図ることができよう。 夕食開始時刻については、19 時までの夕食開始が 21 時前までの就寝時刻に繋がる 146 ことが示唆されている(松尾・前橋 2007a) 。本研究では、夕食を開始する平均時刻 は、どの年齢においても 19 時前であった。しかし、1,2歳児の約4割は 19 時以降 であったことから、夕食の再考が必要である。夕食開始時刻は、買い物や調理の工夫 によって早められる(松尾・前橋 2007b) 。保護者に生活の知恵や工夫のアドバイス など、子育て期に必要な家庭生活支援を行っていくことが必要であろう。 3.朝の排便習慣 食習慣の一環として排便習慣がある(前橋 2006,神山 2011c) 。本研究では、 朝に排便する割合は、 「毎朝する」割合は2歳児が 18.5~28.5%であり、1歳児より 高率であった。排便は、朝、食物が空腹の胃に入ることで生じた刺激を大脳へ伝えて から、腸が蠕動運動を開始し、食物残さを押し出そうとすることで生じるが(二木・ 帆足ら 1995) 、腸の中に満ちるだけの残りかすがたまっていなければ、なかなか便 の排泄はできない。つまり、日頃から、腸内に残りかすとして、しっかりとした重さ と体積のつくれる食事内容の充実が望まれることになり、1 食でも欠食をすると、腸 内の量が満たされず、排便のための反射も示しにくいので、朝の排便を促すためには、 朝の朝食摂取はもちろん、定期的な3食の食事の充実が必要である。 神山(2011d)は、朝食後の排泄は、自律神経系の活動の昼夜の区別が生理的になさ れていることを判断する重要なポイントであると述べ、前橋(2006)は、朝、排便を 済ませていないと、日中、快適に集中して活動できないことをあげ、朝の排便は健康 生活を送るうえで、重要な習慣の一つであると述べている。 2歳の時期は、食事、排泄の自立のための身体機能も整ってくることから、2歳の 時期の朝の排便習慣は重要である。 4.運動習慣 日中保育以外の家庭的保育児の主な遊び場は、 「公園」 が1, 2歳児で 64.3%~71.0% であった。家庭的保育室に通う方法が車以外の自転車や公共交通機関などを利用して いることから、帰宅途中に公園に立ち寄りやすいことが考えられる。また、家庭での 戸外遊びの平均時間は、約 30 分であったことから、少しの時間でも公園に立ち寄って いることが推察される。早寝を促すためには、午後の運動遊びの必要性が説かれてお り(松尾・前橋 2007c) 、家庭的保育児の帰宅後の公園での遊びは、理にかなってい るといえよう。 帰宅後の家庭での遊び時間は、平均2時間 16 分(2歳女児)~2時間 36 分(1歳 147 女児)であり、その内、1日のテレビ・ビデオ視聴時間の平均は、25 分(0歳女児) ~1時間 36 分(2歳女児)で、0歳児の 43.9%~50%は見ないであった。また、1 歳児の1時間以内(見ない含む)は、59.1%~61.3%であり、日本小児保健協会(2011) の広域調査では1歳児の1時間以内(見せないを含む)は、27.3%であり、単純計算 ではあるが、家庭的保育児はテレビ・ビデオをあまり見ていないことになる。アメリ カの小児科学会では、2歳まではテレビは見せないこと(Brandon Keim 2011) 、日 本小児科学会でも、2歳までの長時間視聴は警告を発している(日本小児科学会 2003)。家庭的保育児のテレビ・ビデオ視聴は短時間であったことから、健康生活を送 る上で望ましいといえよう。 帰宅後の遊びとしてあげられたのが、テレビ視聴以外では室内玩具、親と子のふれ あい遊び、探索遊び、絵本などであった。テレビ視聴時間が短いことは、これらの遊 びが充実していることでもあると考える。また、親と子のふれあい遊びや絵本などは、 保護者や他者が関わる遊びでもある。とくに、探索遊びは安全面を配慮することが必 要であることから、保護者や家族の者が見守り、関わって遊んでいることが推察され る。短時間ではあるが保護者が子どもと関わり、遊ぶことは子どもの発達にとって非 常に重要なことである(安梅 2004,2011) 。 5.生活相互要因の関連性 起床から就寝までの一日の生活時間相互の関連性をみると、就寝時刻と起床時刻と の関連性が確認され、就寝時刻が遅くなると起床時刻も遅くなり、起床時刻が遅くな ると朝食開始時刻も遅くなり、登園時刻も遅くなるという結果となった。生活リズム を後退させないよう、同調作用の一つとして説かれている朝の光や食事の時間(神山 2011a)に着目し、遅くなりがちな生活リズムを整えていくことが必要であろう。 生活活動は循環しており、生活時間要因相互が深く関わっていることから、どこか 1点が早まれば他の要因も早まってくる。 3歳未満の時期の生活習慣は、生涯にわたる健康生活の基礎となることから、家庭 生活とあわせて、日中の大半を占める保育現場の役割は大きい。家庭的保育は、その 保育形態から、個々の生活状況をふまえたきめ細やかな保育が可能である。就寝時刻 の遅れで午前睡が必要な子どもには、ある程度の午前睡を確保し、戸外遊びや運動量 のある遊び環境を整え、昼食時刻を多少ずらしながら午睡も確保し、午睡後も活動的 な遊びを行うことで、夜間の就寝時刻も遅くにずれ込むことがなく、生活リズムが整 148 ってくる。このような一人ひとりにきめ細かく配慮できるのは、少人数保育の家庭育 ならではの利点であるともいえよう。ある程度時間を融通できる少人数制の家庭的保 育の利点を生かし、子ども一人ひとりの一日の生活習慣を考慮した柔軟な保育計画を 準備し、日中保育が家庭に連続するように、家庭との連携を深めることが大切である。 ま と め 本研究では、従来行われてこなかった家庭的保育児の生活習慣を広域で調査し、子 どもの年齢や性を分析の条件に入れて検討し、家庭的保育児の生活習慣を明らかにし た。 その結果は、以下の通りである。 (1)家庭的保育児の家族形態は、核家族が 81.1%(0歳児)~85.3%(1歳児)で、 第1子のみ(一人っ子)は約半数であった。本研究からは、家族形態、きょうだ いによる生活習慣への影響はみられなかった。 (2)睡眠習慣 1歳児の就寝時刻は、男女児平均 21 時3分で、2歳児になると男女児平均 21 時 15 分と遅寝の傾向になった。21 時前を基準にすると、1,2歳児の約6~7割は 21 時 30 分前就寝であったことから、就寝時刻を約 30 分程度早めることが課題とし てあげられた。夜間の睡眠時間については、1歳児の 52.3%(男児)~62.7%(女 児) 、2歳児の 44.3%(女児)~46.5%(男児)が 10 時間以上睡眠であった。2歳 児の約半数の睡眠時間の確保が課題であることを確認した。また、0歳児について は、17.4%~25.8%は、22 時以降の就寝であった。 自立起床は、1,2歳で約2割であったが、起床時の機嫌については、約7割が 機嫌よく起きられており、夜間の良好な睡眠がとれていることが示唆された。また 朝、家を出る時の様子について、73.9%~92.3%が「元気がある」とし、子どもを 家庭的保育室に預ける時の子どもの様子については、93.6%(0歳女児)~97.1% (2歳男児)の保護者が子どもの楽しそうな様子をあげていた。 (3)食習慣 毎朝、朝食を食べている子どもは、63.9%(0歳男児)~82.5%(1歳女児)で あった。 夕食開始時刻については、19 時までの開始を目標にすると、夕食開始時刻の平均 149 は、どの年齢においても 19 時前であったが、0歳児の 2.9%~24.0%は、20 時以降 であった。 毎朝、定期的に排便がみられる子どもは、13.0%(0歳男児)~28.4%(2歳女 児)であった。 (4)運動習慣 朝、家庭的保育室に通う方法は、自家用車が約4割、自転車や公共交通機関など が約6割であった。 主な遊び場(日中の保育以外)は、 「公園」が1,2歳児で 64.3~71.0%であり、 戸外遊び時間(日中の保育以外)の平均は、約 30 分であった。帰宅後の家庭での遊 び時間は、平均2時間 16 分(2歳女児)~2時間 36 分(1歳女児)であった。 また、1日のテレビ・ビデオ視聴時間の平均は、25 分~1時間 36 分で、0歳児 の 43.9%~50%は見ない、また、1歳児の1時間以内(見ない含む)は、59.1%~ 61.3%であったことが明らかになった。 以上、家庭的保育児の生活習慣は、2歳児になると遅寝の傾向がみられ、また、0 歳児の約2割は、22 時以降の就寝であったことから、離乳食開始を目安に生活リズム を整えることが示唆された。また、家庭的保育は、ある程度時間を融通できる保育の 利点を生かし、子ども一人ひとりの 24 時間の生活習慣を考慮した柔軟な保育計画と、 家庭との連携を図ることにより、課題となった就寝時刻を早めることができると推察 した。 150 第2節 保育所の3歳未満児の生活習慣とその課題【研究2】 目 的 本研究では、社会的保育施設の中心供給主体である保育所の保育を受ける3歳未満 児の生活習慣を全国規模で調査を実施し、子どもの年齢や生活状況を分析の上、3歳 未満児の健康生活上の特徴を把握する。また、保育所の3歳未満児の抱える健康生活 上の問題を明らかにし、得られた結果から、その問題改善策と具体的な保育・育児実 践のあり方を検討し、保育所の3歳未満児の健康生活に寄与するための知見を得る。 1.研究対象と研究期間 (1)対象の限定 本研究の対象とした保育所は、認可保育所、つまり、児童福祉法(第 39 条)に基づ き、都道府県または政令指定都市、中核市が設置を認可した施設である。 設置主体は、区市町村、社会福祉法人が運営する保育所とした。なお、小規模保育 所、夜間保育所は除外した。 (2)対象地域、対象者 調査対象地域は、地域の偏りがないように、全国、1都1府 13 県(東京都・大阪府・ 宮城県・埼玉県・神奈川県・石川県・三重県・滋賀県・和歌山県・兵庫県・岡山県・ 高知県・福岡県・長崎県・沖縄県)で、調査は、郵送法による無記名自記式質問紙調 査を実施した。調査票の配布は、事前に調査の協力が得られた保育所に配布枚数を申 請してもらい、必要枚数だけ郵送した。 対象者は、1,2歳の保育所保育児 4,121 名(1歳男児 861 名・女児 851 名、2歳 男児 1,213 名・女児 1196 名)の保護者であった。事前に調査協力が得られたこともあ って 100%の回収率であった。なお、0歳児については、回収できなかったことから、 対象者に含めなかった。 (3)調査期間 2011 年1月~2011 年 12 月。 2.調査内容 調査内容は、子どもの生活習慣に関する内容で、健康生活を送る上での基本となる 項目として、①就寝時刻、②睡眠時間、③起床時刻、④朝食開始時刻、⑤保育所に通 うために家を出る時刻、⑥夕食開始時刻などの生活リズムに関する項目と、⑦朝の機 151 嫌、⑧朝食摂取状況、⑨テレビ・ビデオ視聴時間、⑩朝、家を出るときの様子など生 活状況に関する計 27 項目であり、本章第1節、研究1の家庭的保育児を対象とした質 問紙調査と同一とした。ただし、家庭的保育児の調査項目の通園方法「ベビーカー」 等は含まれていない。 また、男女別としたのは、厚生労働省の生活習慣に関する調査(注1)と同様に、本研 究でも男女別に集計、分析した。 3.倫理的配慮 倫理的配慮として、本研究の調査協力が得られた保育所、保育所の保護者に書面に て本研究の主旨と調査協力の依頼を行った。その際に、研究への参加は自由意志であ り、途中不都合が生じた場合はいつでも中断することができること、また、それによ る弊害はないこと、個人名は特定しないこと等の説明を文書で伝え、同意を得た者の み調査を実施した。 4.分析方法 統計処理として SPSS(ver.20)を用いて、χ2検定を行った。また、あわせて生活時 間をはじめとする数値項目間の相関係数を算出した。 結 果 保育所保育児の生活時間の平均値と標準偏差を表1-1と表1-2に示した。 1.就寝時刻 平均就寝時刻は、男児では、1歳児 21 時6分(±41 分) 、2歳児 21 時 19 分(±41 分) 、女児では、1歳児 21 時9分(±33 分) 、2歳児 21 時 23 分(±41 分)であった (表1-1,表1-2) 。 21 時前までに就寝している幼児は、男児では、16.0%(2歳児)~26.5%(1歳児) 、 女子では、13.2%(2歳児)~25.7%(1歳児)であった(図1-1,図1-2)。 年齢によって就寝時刻の割合に差があるか、クロス集計、χ2検定により分析した結 果、男児では有意差が認められた(χ2(4)=57.18,p<.01)ので残差分析を行った。 その結果、1歳児の 20 時 30 分前(p<.01)と 20 時 30 分~21 時前(p<.01) 、2歳児 の 22 時以降(p<.01)が有意に多かった (図1-1)。 また、女児でも有意差が認められた(χ2(4)=62.15,p<.01)ので、残差分析を行 った。その結果、1歳児の 20 時 30 分前(p<.01)と 20 時 30 分~21 時前(p<.01) 、 152 2歳児の 21 時 30 分~22 時(p<.01)と 22 時以降(p<.01)が有意に多かった (図1 -2)。 2.睡眠時間 平均睡眠時間は、男児では、1歳児9時間 47 分(±40 分) 、2歳児9時間 39 分(± 37 分) 、女児では、1歳児9時間 46 分(±41 分) 、2歳児9時間 39 分(±39 分)で あった(表1-1,表1-2) 。 夜間 10 時間以上の睡眠時間を満たしていない幼児の割合は、47.1%(1歳男児)~ 58.8%(2歳男児)で、9時間 30 分未満の幼児の割合は 21.7%(1歳男児)~29.2% (2歳男児)であった(図2-1,図2-2) 。 年齢によって睡眠時間の割合に差があるか、クロス集計、χ2検定により分析した結 果、男児では有意差が認められた(χ2(5)=37.48,p<.01)ので、残差分析を行った。 その結果、1歳児の 10 時間 30 分未満(p<.05)と 11 時間未満(p<.01) 、2歳児の9 時間~9時間 30 分(p<.01)と9時間 30 分~10 時間未満(p<.05)が有意に多かった (図2-1)。 また、女児でも有意差が認められた(χ2(5)=15.28,p<.01)ので、残差分析を行 った。その結果、1歳児の 11 時未満が有意に多かった(p<.01)(図2-2)。 3.起床時刻 平均起床時刻は、男児では、1歳児6時 53 分(±32 分) 、2歳児6時 58 分(±33 分) 、女児では、1歳児6時 56 分(±32 分) 、2歳児7時2分(±33 分)であった(表 1-1,表1-2) 。 起床時刻の時間帯別に幼児の人数割合をみると、7時~7時 30 分に起床する割合が 最も多く、42.2%(1歳男児)~46.0%(2歳女児)であった(図3-1,図3-2) 。 年齢によって起床時刻の割合に差があるか、クロス集計、χ2検定により分析した結 果、男児では有意差が認められた(χ2(4)=18.67,p<.01)ので、残差分析を行った。 その結果、1歳児の6時 30 分~7時前が有意に多かった(p<.01) (図3-1)。 また、女児でも有意差が認められた(χ2(4)=16.32,p<.01)ので、残差分析を行 った。その結果、1歳児の6時 30 分前が有意に多かった (p<.01)(図3-2)。 4.起床の仕方 起床の仕方について、 「いつも自分で起きる」は、男児では、1歳児 32.0%、2歳 児 24.0%であり、女児では、1歳児で 29.4%、2歳児で 19.7%であった(図4-1, 153 図4-2) 。 年齢によって起床の仕方の割合に差があるか、クロス集計、χ2検定により分析した 結果、男児では有意差が認められた(χ2(4)=41.51,p<.01)ので残差分析を行った。 その結果、1歳児の「いつも自分で起きる」 (p<.01) 、 「自分で起きることの方が多い」 (p<.01) 、2歳児の「自分で起きることと、起こされることが半々」 (p<.05) 、 「起こ されることの方が多い」 (p<.01)は有意に多かった(図4-1)。 また、女児でも有意差が認められた(χ2(4)=45.0,p<.01)ので残差分析を行った。 その結果、1歳児の「いつも自分で起きる」 (p<.01) 、 「自分で起きることの方が多い」 (p<.05) 、2歳児の「自分で起きることと、起こされることが半々」(p<.01) 、 「起こ されることの方が多い」 (p<.01)が有意に多かった(図4-2)。 5.起床時の機嫌 起床時の機嫌について、 「いつも機嫌が良い」は、男児では 15.3%(2歳児)~17.6% (1歳児)で、 「いつも機嫌が良い」と「機嫌の良い時の方が多い」を合わせて「機嫌 が良い」とすると、1歳児 63.2%、2歳児 57.0%が「機嫌が良い」であった(図5- 1)。 女児では、 「いつも機嫌が良い」は、17.5%(2歳児)~22.0%(1歳児)で、 「機 嫌の良い時の方が多い」を合わせて「機嫌が良い」とすると、1歳児 65.2%、2歳児 57.4%が「機嫌が良い」であった(図5-2) 。 年齢によって起床時の機嫌の割合に差があるか、クロス集計、χ2検定により分析し た結果、男児では有意差が認められた (χ2(4)=9.20,p<.05)ので残差分析を行っ た。その結果、2歳児の「機嫌が良い時と悪い時が半々」 (p<.05)が有意に多かった(図 5-1)。 また、女児でも有意差が認められた(χ2(4)=18.02,p<.01)ので残差分析を行っ た。その結果、1歳児の「いつも機嫌が良い」 (p<.05) 、2歳児の「機嫌が良い時と悪 い時が半々」 (p<.05) 、 「機嫌の悪い時の方が多い」 (p<.01)が有意に多かった(図5- 2)。 6.朝食開始時刻 平均朝食開始時刻は、男児では、1歳児7時 17 分(±28 分) 、2歳児7時 21 分(± 28 分) 、女児では、1歳児7時 15 分(±49 分) 、2歳児7時 23 分(±26 分)であっ た(表1-1,表1-2) 。 154 午前8時を過ぎて朝食を摂っている幼児は、男児では、1歳児 10.1%、2歳児 13.0% であった(図6-1)。女児では、1歳児 11.9%、2歳児 14.1%であった(図6-2)。 年齢によって朝食開始時刻の割合に差があるか、クロス集計、χ2検定により分析し た結果、男児では有意差は認められなかった(χ2(4)=7.73,n.s.) (図6-1)。 また、女児でも有意差は認められなかった (χ2(4)=7.33,n.s.) (図6-2)。 7.朝食摂取状況 朝食摂取状況をみると、 「毎日食べている」は、男児では、1歳児 80.5%、2歳児 71.5%、女児では、1歳児 78.6%、2歳児 72.2%であった ((図7-1,図7-2)。 年齢によって朝食摂取状況の割合に差があるか、クロス集計、χ2検定により分析し た結果、男児では有意差が認められた(χ2(4)=22.47,p<.01)ので、残差分析を行 った。その結果、1歳児の「毎日食べている」 (p<.01)と2歳児の「だいたい食べて いる」 (p<.01) 、 「食べる日と食べない日が半々」 (p<.05)が有意に多かった(図7- 1)。 また、女児でも有意差が認められた(χ2(4)=18.04,p<.01)ので、残差分析を行 った。その結果、1歳児の「毎日食べている」 (p<.01)と2歳児の「食べる日と食べ ない日が半々」 (p<.05) 、 「あまり食べていない」 (p<.05)が有意に多かった(図7- 2)。 8.排便時刻・排便状況 排便時刻の平均は、男児では、1歳児 10 時 11 分(±251 分) 、2歳児 13 時 21 分(± 295 分) 、女児では、1歳児 10 時 46 分(±270 分) 、2歳児 14 時 17 分(±274 分)で あった(表1-1,1-2) 。 年齢によって、排便状況の割合に差があるか、クロス集計、χ2検定により分析した 結果、男児では有意差が認められた(χ2(4)=104.56,p<.01)ので、残差分析を行っ た。その結果、1歳児の「朝する」 (p<.01)と「朝する時が多い」 (p<.01) 、2歳児の 「朝しない時が多い」 (p<.01)と「朝しない」 (p<.01)が有意に多かった(図8-1)。 また、女児でも有意差が認められた(χ2(4)=145.16,p<.01)ので、残差分析を行 った。その結果、1歳児の「朝する」 (p<.01)と「朝する時が多い」 (p<.01) 、2歳児 の「朝しない時が多い」 (p<.01)と「朝しない」 (p<.01)が有意に多かった(図8- 2)。 9.保育所に通うために家を出る時刻 155 保育所に通うために家を出る時刻の平均は、男児では、1歳児8時 10 分(±22 分) 、 2歳児8時 12 分(±22 分) 、女児では、1歳児8時 10 分(±23 分) 、2歳児8時 13 分(±22 分)であった(表1-1,1-2) 。 8時 30 分以降に家を出る割合は、男児では、1歳児 26.7%、2歳児 27.3%、女児 では、1歳児 25.8%、2歳児 28.5%であった(図9-1,図9-2)。 年齢によって保育所に通うために家を出る時刻の割合に差があるか、クロス集計、 χ2検定により分析した結果、男児では有意差は認められなかった (χ2(4)=7.44, n.s.) 。 また、女児でも、有意差は認められなかった (χ2(4)=4.31,n.s.) 。 起床時刻から家を出るまでに要する、朝の生活時間は、男児では、1歳児1時間 17 分、2歳児1時間 14 分であった。女児では、1歳児1時間 14 分、2歳児1時間 11 分 であった。 10.保育所に通うための主な方法 朝、保育所に通うための主な方法は自家用車利用が最も多く、男児では、1歳児 57.7%、2歳児 61.6%、女児では、1歳児 59.5%、2歳児 61.6%であった(図 10- 1,10-2) 。 11.朝、家を出るときの様子(朝の疲労症状有訴率) 朝、保育所に通うために家を出るときの様子について、 「眠そう」が男児では、1歳 児 11.0%、2歳児 11.2%で、女児では、1歳児 13.4%、2歳児 12.0%であった(図 11-1-1,図 11-1-2,図 11-2-1,図 11-2-2) 。 12.主な遊び場(3項目選択)(保育時間を除く) 保育時間を除く帰宅後の主な遊び場は、家の中が 93.8%(2歳女児)~96.0%(1 歳男・女児) 、次いで公園が 42.7%(1歳男児)~47.6%(2歳女児)であった(図 12-1-1,12-1-2,12-2-1,12-2-2) 。 13.遊び(3項目選択) (保育時間を除く) 保育時間を除く遊びは、男児では、1,2歳児ともに、第1位が室内での乗り物の おもちゃ、57.7%(1歳児)~61.9%(2歳児) 、第2位がテレビ・ビデオ、50.5%(1 歳児)~60.3%(2歳児)であった(図 13-1-1,図 13-2-1) 。 女児では、1歳児で第1位がテレビ・ビデオ 55.1%、2 歳児でままごと 56.8%、第 2位が1歳児で絵かき 38.5%、2歳児でテレビ・ビデオ 55.6%であった(図 13-1 156 -2,図 13-2-2) 。 14.遊び時間(保育所での保育時間を除く) 保育時間を除く遊び時間(保育所での保育時間を除く)の平均は、男児では、1歳 児3時間 13 分(±93 分) 、2歳児3時間 13 分(±88 分) 、女児では、1歳児3時間7 分(±97 分) 、2歳児3時間9分(±91 分)であった。 (表1-1,表1-2) 。 15.戸外遊び時間(保育所での保育時間を除く) 戸外遊び時間(保育所での保育時間を除く)の平均は、男児では、1歳児 24 分(± 34 分) 、2歳児 29 分(±36 分) 、女児では、1歳児 24 分(±33 分) 、2歳児 26 分(± 32 分)であった(表1-1,表1-2) 。 16.1日のテレビ・ビデオ視聴時間(保育時間を除く) 1日のテレビ・ビデオの平均視聴時間(保育所での保育時間を除く)は、男児では、 1歳児1時間 40 分(±80 分) 、2歳児2時間1分(±78 分) 、女児では、1歳児1時 間 42 分(±72 分) 、2歳児1時間 53 分(±76 分)であった(表1-1,表1-2)。 年齢によって1日の平均テレビ・ビデオ視聴時間(保育時間を除く)の割合に差が あるか、クロス集計、χ2検定により分析した結果、男児では、有意差が認められた (χ2(4)=86.04,p<.01)ので残差分析を行った。その結果、1歳児の「見ない」 (p<.01) 、 「30 分以内」 (p<.01)が有意に多く、2歳児の「2時間以内」 (p<.05)と 「2時間以上」 (p<.01)が有意に多かった(図 16-1) 。 かった(図 16-1) 。 また、女児でも、有意差が認められた(χ2(8)=33.13,p<.01)ので残差分析を行 った。その結果、1歳児の「見ない」 (p<.01) 、 「30 分以内」(p<.05)が有意に多く、 2歳児の「2時間以内」 (p<.01)と「2時間以上」 (p<.01)が有意に多かった(図 16 -2) 。 17.夕食開始時刻 平均夕食時刻開始時刻は、男児では、1歳児 18 時 32 分(±40 分) 、2歳児 18 時 37 分(±38 分) 、女児では、1歳児 18 時 36 分(±39 分) 、2歳児 18 時 38 分(±38 分) であった(表1-1,1-2) 。 健康生活の目標である、19 時までに夕食を開始する割合は、男児では、55.3%(2 歳男児)~60.6%(1歳男児) 、女児では、55.5%(2児歳)~55,8%(1歳児)であ った(図 15-1, 図 15-2) 。 157 年齢によって、夕食時刻開始時刻の割合に差があるか、クロス集計、χ2検定により 分析した結果、男児では、有意差が認められた(χ2(4)=10.33,p<.05)ので、残差 分析を行った。その結果、1歳児の 18 時~18 時 30(p<.05)が有意に多かった(図 15-1) 。 また、女児では、有意差が認められなかった(χ2(4)=2.58,n.s.) ( 図 15-2) 。 18.生活時間相互の関連性 相関係数を算出し、生活時間相互の関連性について、1%水準でかつ、r≧|0.3| のものを抜粋し、図示した(図 16-1,図 16-2) 。 男児では、①夕食時刻が遅いと、就寝時刻が遅い(r=0.32)。②就寝時刻が遅いと、 睡眠時間が短く(r=-0.68) 、起床時刻(r=0.46)や朝食開始時刻が遅い(r=0.43) 。③ 起床時刻が遅いと、朝食開始時刻や(r=0.87) 、登園のために家を出る時刻が遅い (r=0.60) 。④朝食開始時刻が遅いと、登園のために家を出る時刻が遅い(r=0.69) 、 という結果であった。 女児では、①夕食時刻が遅いと、就寝時刻が遅い(r=0.34)。②就寝時刻が遅いと、 睡眠時間が短く(r=-0.66) 、起床時刻(r=0.45)や朝食開始時刻が遅い(r=0.43) 。③ 起床時刻が遅いと、朝食開始時刻や(r=0.88)登園のために家を出る時刻が遅い (r=0.55) 。④朝食開始時刻が遅いと、登園のために家を出る時刻が遅い(r=0.68)と いう結果であった。 158 図・表 表1-1 保育所保育児の生活活動時間(男児) 対象 項目 就寝時刻 夜間の睡眠時間 起床時刻 朝食時刻 排便時刻 通所時刻 あそび時間 外あそび時間 TV・ビデオ視聴時間 夕食時刻 1歳児(859人) 平均値 標準偏差 21時06分 41分 9時間47分 40分 6時53分 32分 7時17分 28分 10時11分 251分 8時10分 22分 3時間13分 93分 24分 34分 1時間40分 80分 18時32分 40分 2歳児(1213人) 平均値 標準偏差 21時19分 41分 9時間39分 37分 6時58分 33分 7時21分 28分 13時21分 295分 8時12分 22分 3時間13分 88分 29分 36分 2時間01分 78分 18時37分 38分 表1-2 保育所保育児の生活活動時間(女児) 対象 項目 就寝時刻 夜間の睡眠時間 起床時刻 朝食時刻 排便時刻 通所時刻 あそび時間 外あそび時間 TV・ビデオ視聴時間 夕食時刻 1歳児(851人) 平均値 標準偏差 21時09分 33分 9時間46分 41分 6時56分 32分 7時15分 49分 10時46分 270分 8時10分 23分 3時間07分 97分 24分 33分 1時間42分 72分 18時36分 39分 159 2歳児(1184人) 平均値 標準偏差 21時23分 41分 9時間39分 39分 7時02分 33分 7時23分 26分 14時17分 274分 8時13分 22分 3時間09分 91分 26分 32分 1時間53分 76分 18時38分 38分 20時半前 20時半~21時前 21時~21時半前 21時半~22時前 22時以降 ** ** 1歳児(852人) 14.3 12.2 16.5 20.0 37.0 ** 2歳児(1211人) 図1-1 就寝時刻の人数割合(男児) **p<.01 **p<0.01 χ2(3)=56.513,p<0.01 20時半前 1歳児(843人) 20時半~21時前 ** ** 10.4 15.3 21時~21時半前 36.3 21時半~22時前 17.1 35.5 8.1 0% 20% ** 23.7 40% 60% 22時以降 20.9 ** 5.1 2歳児(1189人) 100% 80% 60% 40% 20% 0% 27.2 23.3 33.6 8.7 7.3 27.6 80% 100% 図1-2 就寝時刻の人数割合(女児) **p<.01 **p<.01 χ2(4)=61.633,p<0.01 160 9時間未満 9~9.5時間未満 9.5~10時間未満 10.5時間未満 11時間未満 11時間以上 * 1歳児(850人) 6.8 2歳児(1209 人) 14.9 8.6 0% 25.4 16.2 31.8 ** * 20.6 29.6 20% ** 40% 9.3 27.5 60% 4.8 80% 4.5 100% 図2-1 睡眠時間の人数割合(男児) **p<.01 *p<.05 NS 9時間未満 9~9.5時間未満 9.5~10時間未満 10.5時間未満 11時間未満 11時間以上 ** 1歳児(841人) 7.1 2歳児(1185人) 8.1 0% **p<.01 17.6 26.5 20.3 20% 13.6 27.7 29.5 40% 9.0 28.2 60% 80% 7.5 4.8 100% 図2-2 睡眠時間の人数割合(女児) NS 161 6時半前 6時半~7時前 7時~7時半前 7時半~8時前 8時以降 ** 1歳児(853人) 13.8 2歳児(1209人) 11.2 0% 23.7 20.6 20% **p<.01 6時半前 42.2 15.9 43.1 40% 18.8 60% 80% 7時~7時半前 6.3 100% NS 図3-1 起床時刻の人数割合(男児) 6時半~7時前 4.3 7時半~8時前 8時以降 ** 1歳児(844人) 12.3 2歳児(1185人) 7.3 0% **p<.01 21.0 43.8 19.9 20% 18.4 46.0 40% 20.7 60% 80% 図3-2 起床時刻の人数割合(女児) 162 4.5 6.1 100% NS いつも自分で起きる 自分で起きることと起こされることが半々 いつも起こされる 1歳児(857人) 2歳児(1209人) 自分で起きることの方が多い 起こされることの方が多い ** ** 31.9 28.0 24.0 0% 22.2 20% 40% いつも自分で起きる 自分で起きることと起こされることが半々 いつも起こされる * ** 28.6 19.3 60% 80% 4.0 5.9 100% 自分で起きることの方が多い 起こされることの方が多い ** * 29.4 27.5 22.8 ** 2歳児(1189人) 12.3 図4-1 起床の仕方(男児) **p<.01 *p<.05 1歳児(847人) 23.8 19.7 0% **p<.01 *p<.05 23.5 20% 60% 図4-2 起床の仕方(女児) 163 3.3 ** 26.7 40% 17.0 24.2 80% 5.9 100% いつも機嫌がよい 機嫌のよい時と悪い時が半々 いつも機嫌が悪い 1歳児(856人) 17.6 機嫌のよい時の方が多い 機嫌の悪い時の方が多い 45.6 26.5 8.9 1.4 9.1 2.0 * 2歳児(1210人) 15.3 0% 41.7 20% 31.9 40% 60% 80% 図5-1 起床時の機嫌(男児) 起床時の機嫌(男児) 図4-1 *p<.05 いつも機嫌がよい 機嫌のよい時と悪い時が半々 いつも機嫌が悪い 100% NS 機嫌のよい時の方が多い 機嫌の悪い時の方が多い * 1歳児(845人) 22.0 2歳児(1189人) 43.2 17.5 0% **p<.01 *p<.05 27.3 39.9 20% 40% 60% * ** 31.5 9.8 80% 図5-2 起床時の機嫌(女児) 図4-2 起床時の機嫌(女児) 164 6.0 1.4 1.2 100% NS 7時前 1歳児(820人) 7時~7時半前 16.7 2歳児(1163人) 8時~8時半前 8時半以降 34.1 9.5 39.0 13.9 0% 7時半~8時前 38.8 20% 34.2 40% 60% 11.5 80% 図6-1 朝食時刻の人数割合 (男児) 図5-1 朝食時刻の人数割合(男児) 7時前 1歳児(813人) 7時~7時半前 13.2 2歳児(1149人) 41.7 10.7 0% 7時半~8時前 20% 8時~8時半前 33.2 38.2 60% 1.5 100% NS 8時半以降 10.8 37.0 40% 0.6 1.1 12.9 80% 1.2 100% 図6-2朝食時刻の人数割合(女児) 朝食時刻の人数割合 (女児) NS 図5-2 165 毎日食べている 食べる日と食べない日が半々 食べていない だいたい食べている あまり食べていない 4.6 2.0 ** 1歳児(855人) 80.5 12.7 *7.2 3.5 ** 2歳児(1204人) 71.5 0% 20% **p<.01 *p<.05 40% 60% 17.5 0.2 80% 100% 図6-1 朝食摂取状況(男児) 図7-1 朝食摂取状況 (男児) 毎日食べている 食べる日と食べない日が半々 食べていない NS だいたい食べている あまり食べていない 4.3 0.4 ** 1歳児(843人) 0.2 78.6 14.8 1.9 * * 6.6 4.3 2歳児(1182人) 72.2 0% **p<.01 *p<.05 20% 16.7 40% 60% 80% 図6-2 朝食摂取状況(女児) 図7-2 朝食摂取状況 (女児) 166 0.3 100% NS 毎朝する 朝する時としない時が半々 朝しない ** 1歳児(855人) ** 14.9 2歳児(1210人) 朝する時の方が多い 朝しない時の方が多い 8.0 23.2 12.5 0% 28.0 24.5 20% **p<.01 40% ** 38.5 16.4 80% NS 朝する時の方が多い 朝しない時の方が多い ** 12.6 18.6 27.7 29.4 11.7 ** 5.6 0% **p<.01 100% 図7-1 排便状況(男児) 図8-1 排便状況 (男児) ** 2歳児(1187人) 9.7 ** 60% 毎朝する 朝する時としない時が半々 朝しない 1歳児(840人) 24.3 8.7 20.1 20% ** 38.5 40% 27.0 60% 80% 図8-2 (女児) 図7-2 排便状況 排便状況(女児) 167 100% NS 7時前 7時~7時半前 7時半~8時前 8時~8時半前 8時半以降 5.2 0.5 1歳児(825人) 13.2 54.4 26.7 2.8 0.4 2歳児(1191人) 13.4 56.2 0% 20% 40% 27.3 60% 80% 100% 図9-1 保育所に通うために家を出る時刻 (男児) 図8-1 朝,登園のため家を出る時刻(男児) NS 7時前 7時~7時半前 7時半~8時前 8時~8時半前 8時半以降 3.8 1歳児(823人) 13.1 56.6 25.8 0.7 2.7 2歳児(1166人) 13.6 54.9 28.5 0.4 0% 20% 40% 60% 80% 100% 図9-2 保育所に通うために家を出る時刻 (女児) 図8-2 朝,登園のため家を出る時刻(女児) NS 168 通園用バス 自転車(単車)で送迎 徒歩通園 車で送迎 一般交通機関(バス・電車) その他 1.7 2.4 1歳児(842人) 57.7 30.2 7.1 1.0 1.4 3.3 2歳児(1197人) 61.6 0% 20% 40% 60% 29.3 3.6 0.8 80% 100% 図9-1保育所に通う主な方法 主な通園方法(男児) (男児) 図 10-1 通園用バス 自転車(単車)で送迎 徒歩通園 NS 車で送迎 一般交通機関(バス・電車) #REF! 1.9 2.5 1歳児(837人) 59.5 28.8 6.5 2.0 2.0 2歳児(1182人) 61.6 0% 20% 30.3 40% 60% 80% 主な通園方法(女児) 図 10-2 図9-2 保育所に通う主な方法 (女児) 169 3.4 1 100% NS 1歳児(861人) ねむい 11.0 あくびがでる 3.3 きちんとしていられない 1.6 物事に熱心になれない 0.0 からだがだるい 0.2 手足がふるえる 0.0 気分がわるい 0.0 横になりたい 0.0 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 図図10-111-1-1 朝の疲労症状有訴率(男児) (%) (%) 1 朝の疲労症状有訴率(男児) 1歳児(851人) ねむい あくびがでる きちんとしていら… 物事が気にかかる 物事に熱心にな… からだがだるい 手足がふるえる 気分がわるい 横になりたい 頭が痛い 物事が気にかかる 0 13.4 4.6 1.5 1.8 0.4 0.5 0.0 0.4 1.4 2.9 20 40 60 80 100 図10-2- 1 朝の疲労症状有訴率(女児) 図 11-1-2 朝の疲労症状有訴率(女児) (%) (%) 170 2歳児(1213人) ねむい 11.2 あくびがでる 3.5 きちんとしていられない 1.8 物事に熱心になれない 0.4 からだがだるい 0.7 手足がふるえる 0.0 気分がわるい 0.1 横になりたい 0.5 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 (%) 図図10-1-2 11-2-1 朝の疲労症状有訴率(男児) 朝の疲労症状有訴率(男児) (%) 2歳児(1196人) 12.0 あくびがでる 2.9 1.8 2.4 0.4 0.1 物事が気にかかる からだがだるい 気分がわるい 0.1 0.9 頭が痛い 4.0 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 図 11-2-2 (%) 図10-2-朝の疲労症状有訴率(女児) 2 朝の疲労症状有訴率(女児) (%) 171 1歳児(861人) 家の中 家の庭 友人の家 公園 道路 田んぼ・畑 空き地 団地のろうか・階段 土手 神社・寺の境内 その他 95.9 26.2 13.9 42.7 10.0 2.2 3.1 2.0 0.8 0.8 5.5 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 図11-1-1 主なあそび場(男児) 100.0 (%) 図 12-1-1 保育時間外の主な遊び場(男児) (複数回答) 1歳児(851人) 家の中 家の庭 友人の家 公園 道路 田んぼ・畑 空き地 団地のろうか・階段 土手 神社・寺の境内 その他 96.0 25.9 14.0 43.8 8.5 3.2 2.7 2.5 1.4 1.5 6.1 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 図11-2-1 主なあそび場(女児) 100.0 (%) 図 12-1-2 保育時間外の主な遊び場(女児) (複数回答) 172 2歳児(1213人) 家の中 家の庭 友人の家 公園 道路 田んぼ・畑 空き地 団地のろうか・階段 土手 神社・寺の境内 その他 94.4 33.6 15.4 46.8 10.1 4.0 3.3 2.6 1.5 2.0 5.6 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 図11-1-2 主なあそび場(男児) (%) 図 12-2-1 保育時間外の主な遊び場(男児) (複数回答) 2歳児(1196人) 家の中 家の庭 友人の家 公園 道路 田んぼ・畑 空き地 団地のろうか・階段 土手 神社・寺の境内 その他 93.8 32.9 16.2 47.6 7.9 3.2 3.0 3.2 0.8 1.1 5.4 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 図11-2-2 主なあそび場(女児) 図 12-2-2 12-2-2 図 12-2-2 保育時間外の主な遊び場(女児) 保育時間外の主な遊び場(女 主な遊び場(女児) 児 100.0 (%) (%) (複数回答) 173 1歳児(861 人) 21.5 お絵かき 10.8 ままごと 0.5 自転車 50.5 テレビ・ビデオ 34.6 絵本・本読み 6.7 人形あそび 57.7 乗り物のおもちゃ 2.1 砂あそび 3.6 公園の遊具あそび 0.6 折り紙 44.4 ブロックあそび 33.0 ボールあそび 5.5 ヒーローごっこ カードゲーム 0.1 工作 0.1 テレビゲーム 0.5 4.8 鬼ごっこ 0.1 なわとび 11.8 その他 0 20 40 60 80 100 図 13-1-1 保育時間外の遊び:3項目選択(男児) 図12-1-1 帰宅後のあそび:3項目選択(男児) 174 (%) 1歳児(851 人) 38.5 お絵かき 31.8 ままごと 0.7 自転車 55.1 テレビ・ビデオ 43.4 絵本・本読み 24.2 人形あそび 21.5 乗り物のおもちゃ 2.7 砂あそび 4.1 公園の遊具あそび 0.9 折り紙 32.7 ブロックあそび 20.1 ボールあそび ヒーローごっこ 0.9 カードゲーム 0.4 工作 0.2 テレビゲーム 4.5 鬼ごっこ なわとび 12.9 その他 0 20 40 60 80 100 (%) 図 13-1-2 保育時間外の遊び:3項目選択(女児) (%) 図12-2-1 帰宅後のあそび:3項目選択(女児) 175 2歳児(1213 人) 25.8 お絵かき 14.4 ままごと 3.5 自転車 60.3 テレビ・ビデオ 31.1 絵本・本読み 6.1 人形あそび 61.9 乗り物のおもちゃ 4.0 砂あそび 5.2 公園の遊具あそび 2.1 折り紙 37.9 ブロックあそび 21.7 ボールあそび 23.2 ヒーローごっこ 0.4 カードゲーム 工作 1.5 テレビゲーム 2.1 4.4 鬼ごっこ 0.3 なわとび 8.3 その他 0 20 40 60 80 100 (%) 図12-1-2 帰宅後のあそび:3項目選択(男児) 図 13-2-1 保育時間外の遊び:3項目選択(男児) 176 2歳児(1196 人) 53.7 お絵かき 56.8 ままごと 2.4 自転車 55.6 テレビ・ビデオ 40.4 絵本・本読み 32.4 人形あそび 13.4 乗り物のおもちゃ 2.4 砂あそび 5.8 公園の遊具あそび 4.6 折り紙 27.7 ブロックあそび 12.6 ボールあそび 3.6 ヒーローごっこ 0.6 カードゲーム 2.5 工作 1.4 テレビゲーム 3.4 鬼ごっこ 0.3 なわとび 8.2 その他 0 20 40 60 80 100 (%) 図 13-2-2 保育時間外の遊び:3項目選択(女児) 図12-2-2 帰宅後のあそび:3項目選択(女児) 177 見ない 1歳児 (N=861) 30分以内 ** ** 8.0 18.2 25.0 2.6 2歳児 (N=1212) 8.7 25.9 0% 20% 40% 2時間以上 28.0 20.8 * ** 32.5 30.2 60% 80% 100% 図14-1 保育所保育児のテレビ・ビデオ視聴時間 (男児) **p<.01 *p<.05 見ない 1歳児 (N=851) 30分以内 ** * 6.8 15.4 1時間以内 2歳児 (N=1196) 2時間以上 26.7 21.7 ** 12.2 0% 2時間以内 29.4 2.9 **p<.01 *p<.05 2時間以内 1時間以内 25.8 20% ** 32.9 40% 60% 26.2 80% 100% 図14-2 保育所保育児のテレビ・ビデオ視聴時間 (女児) 178 18時前 18時~18時半前 18時半~19時前 19時~19時半前 19時半以降 * 1歳児(829人) 2歳児(1173人) 9.2 6.8 0% 28.5 22.9 24.2 28.0 24.3 20% 40% 11.5 31.7 60% 13.0 80% 100% 図13-1 夕食時刻(男児) 図 15-1 夕食時刻(男児) *p<.05 18時前 1歳児(827人) 8.0 2歳児(1156人) 6.3 0% 18時~18時半前 24.9 24.6 20% 18時半~19時前 19時~19時半前 22.9 24.6 40% 31.3 12.9 31.2 13.3 60% 図13-2 夕食時刻(女児) 図 15-2 夕食時刻(女児) 179 19時半以降 80% 100% r=0.43 r=0.33 r=-0.68 r =0.32 r=0.36 睡眠時間 就寝時刻 起床時刻 r=0.88 r=0.47 夕食時刻 朝食開始時刻 r=0.60 r=0.69 朝、家を出る時刻 (N=2002) 図 16-1 図 15-1 保育所保育児の生活要因相互の関連性(1~2歳男児) p<0.001,r≧|0.3| のもののみを抜粋 〔数値は相関係数(r)〕 受 託児の 夜 10 時 以降の 活動(女 児) 就寝時刻 方 r=-0.66 法 r=0.43 r=0.31 r=0.36 睡眠時間 起床時刻 (女児) r=0.88 r=0.34 r=0.45 朝食開始時刻 夕食時刻 r=0.55 r=0.68 朝、家を出る時刻 (N=1983) 図 16-2 図 15-2 保育所保育児の生活要因相互の関連性(1歳~2歳 女児) p<0.001,r≧|0.3| のもののみを抜粋 〔数値は相関係数(r)〕 受 託児の 夜 10 時 以降の 活動(女 児) 方 法 (女児) 180 考 察 健康生活の基盤となる、睡眠習慣、食習慣、運動習慣の視点から、以下に考察する。 1.睡眠習慣 幼児期が健康生活を営むための生活習慣の目標である、21 時前就寝、夜間 10 時間 以上の睡眠時間の確保(佐野・松尾・前橋 2012)を基準に、保育所保育児の睡眠習 慣をみると、1歳児の就寝時刻は平均 21 時8分、2歳児になると、21 時 21 分と遅寝 の傾向になった。21 時前までに就寝している幼児は、13.2%(2歳女児)~26.5%(1 歳男児)しかおらず、また、22 時以降の就寝が、1歳児の約2割、2歳児の約3割に 確認された。また、2歳児は1歳児よりさらに遅寝で、夜間に必要とされる 10 時間以 上の睡眠(佐野・松尾・前橋 2012)を満たしていない2歳児は、約5~6割に上っ た。とくに、9時間 30 分未満の短時間睡眠(佐野・松尾・前橋 2012)の2歳児は、 約3割確認された。短時間睡眠による弊害については、注意集中の困難さ(Suzuki M・ Nakamura T et al 2005)や自律神経機能の低下(前橋 2008) 、疲労症状の提訴(長 谷川・前橋 2008)などが報告されており、懸念される。 自立起床は、夜間に良好な睡眠状況の目安であるが(佐野・松尾・前橋 2012) 、 「い つも自分で起きる」や「いつも起床時の機嫌が良い」は、2歳になるとその割合が1 割程度に減少し、懸念するところであった。睡眠は、大脳を休息させるノンレム睡眠 と活性化させるレム睡眠が繰り返し現れるが、2歳を過ぎるとその周期が長くなり、 まとまって睡眠をとることができるようになる(神山 2011a)ことから、生活リズム を整え、十分な睡眠時間を確保させる必要がある。 先行研究では、保育所保育児の生活習慣は、加齢と共に遅寝、短時間睡眠の傾向に なることから(全国子どもの健康実態調査委員会 2010,2011) 、3歳未満の時期から の生活習慣改善のための取り組みが重要である。 生活要因相互の関連性からは、就寝時刻が遅くなると、睡眠時間が短くなることが 示された。睡眠時間が短時間となっても、翌朝の保育所に行く時間は決まっているの で、睡眠不足から、朝から眠気を訴える子どもも出てくるであろう。朝の疲労症状に 「ねむそう」という子どもが1,2歳児に約1割、朝の機嫌の悪い子どもも約1割程 度確認された。1歳頃までは午前睡は必要ではあるが、過剰な睡眠が生活リズムを乱 すことも懸念される。朝から眠気を訴える子どもについては、その子どもの 24 時間の 生活リズムを念頭に早寝のリズムに調整をしていく必要があろう。生活活動は毎日循 181 環しており、あわせて、生活時間要因が相互に深く関わっている。個人差が大きい3 歳未満児は、子ども一人ひとりの生活スタイルを考慮し、個々に対する丁寧な援助、 配慮が必要である。日中の多くの時間を保育所で生活する子どもにとって、心身共に 健康的な生活を確立していくスタートである3歳未満児の健康生活のあり方を検討す る必要性がある。 また、母親の生活習慣が子どもに反映されることも報告されている(松村 1992, 泉・前橋・町田 2011) 。大人の夜型の生活習慣が子どもに移行されないように、3 才未満児からの生活習慣形成について、保護者の啓発が重要である。 2.食習慣 朝食を毎日食べている割合は約7~8割しかなかった。朝食欠食はエネルギー不足 を招き、午前中の活動低下が懸念される。生体リズムは、外からの繰り返される刺激 によって影響を受け、朝食を規則正しく摂っていると、その1時間前から消化液の分 泌の準備や腸の蠕動運動などが始まり、食欲が湧いてくる(仁木・帆足・河合 1995) 。 しかし、欠食の場合はこうした準備態勢は起こらず食欲も湧かないことから、朝食欠 食が習慣になることが懸念される。また、欠食することで、食事による体温上昇が得 られないことから、不活発となり、自身の能力を十分に発揮できていない子どもの状 況も懸念される。幼児期には、生活の維持の他にも、成長に必要な栄養を取り込む必 要性がある。1日3食の食事が必要不可欠であるが、幼児は胃腸の大きさ・機能がと もに未熟であるため、3度の食事に加えて、午前 10 時や午後3時頃に摂取する間食も 重要な栄養となってくる。朝食欠食は、おやつ時間が朝食に代ることにもなりかねな い。これは、食のリズムが後退することにも繋がり、生活リズムの乱れの要因ともな る。是非とも朝食摂取は、100%にする必要がある。 夕食開始時刻については、19 時までの開始が 21 時前までの就寝時刻に結びつくこ とが示唆されている(松尾・前橋 2007a) 。本調査では、夕食を開始する平均時刻は、 どの年齢においても 19 時前であった。しかし、19 時半以降がどの年齢においても約 1割おり、遅寝が懸念される。 食習慣と関連する朝の排便の状況については、毎朝している幼児は1歳児で 12.6% (男児)~14.9%(女児) 、2歳児になると 5.6%(女児)~8.0%(男児)となり、 加齢と共に減少傾向にあった。朝は、空の胃に食物が入ることで蠕動運動が促進され る。1日の中で最も排便をしやすい時間帯は朝であるが、朝の排便率が低率であった 182 ことから、朝食の量や質の不足、朝の排便に費やす時間の短さ等が懸念される。 3.運動習慣 朝、保育所に通う方法は、自家用車が約6割あった。主な遊び場は(日中の保育以 外) 、家の中が9割を占めていた。戸外遊び時間の平均(日中の保育以外)は、24 分 ~29 分であった。就寝時刻を早め、十分な睡眠時間を確保するためには、午睡後の運 動の必要性が説かれていることから(前橋 2000) 、日中保育の中で、午睡後の戸外遊 びを励行する必要があろう。 テレビ・ビデオ視聴時間は、1時間 40 分~2時間1分であった。遊び時間が平均3 時間であるから、遊び時間の約半分以上はテレビ・ビデオ視聴の時間に充てられてい ることになる。テレビ・ビデオなどの光刺激は、睡眠作用や抗酸化作用、性的成熟の 抑制作用などのメラトニンの分泌が抑制されるので(神山 2011a)、テレビ・ビデオな どの光刺激、夜間の明るい環境は好ましものではない。睡眠環境を良好にするために は、就寝1~2時間前にメラトニン分泌に影響の少ない 50 ルクス程度に生活照明を落 とし、寝るときには 10 ルクス以下にするべきといわれている(駒田 2006) 。1~5 歳の時期は、メラトニンの分泌量が最も高い時期である(神山 2011d)。メラトニンは、 夜間の光によりその分泌が抑制される(神山 2011d)ので、テレビ・ビデオの光刺激、 夜間の明るい環境は好ましくないといえる。就寝時刻を早めるためにも、就寝前のテ レビ・ビデオ視聴は避ける必要がある。先行研究から保護者が子どものテレビ・ビデ オ視聴の時間や時間帯を統制しているほど、その時間は減り、就寝時刻が早く、睡眠 時間が長くなることが説かれている(服部・足立 2006,栗谷・吉田 2008, ) 。家庭 では、帰宅後の遊び時間を有効に過ごせるように、テレビ・ビデオ視聴の時間や時間 帯を検討する必要がある。近年、保育所では延長保育の設置が増え、2011 年 10 月現 在では、74.1%の保育所が延長を実施しており(実方 2013) 、保育時間の平均は、11.6 時間で(全国社会福祉協議会・全国保育協議会 2012) 、12 時間保育も年々増加して いる(実方 2013) 。保護者の就労形態にもよるが、家庭での生活時間の短時間化が懸 念される。安梅(2004,2011,2013)は、長時間保育を受ける子どもについて、子ど もの発達に強く関連する要因として、保護者が子どもと一緒に買い物に行く機会や絵 本(本)の読み聞かせの機会、子どもと一緒に食事を摂ること等、家庭における子ど もとの関わりが重要であること、また、保護者への育児サポート(育児の相談相手) の存在が必要であり、長時間の保育形態ではないことを指摘している。 183 保育所保育指針では(厚生労働省 2008) 、健康で安全な子どもの生活を確立するた めには、保護者や家庭の協力は不可欠であるとし、保護者と常に密接な連携を図るこ とが必要であると述べられている。保育現場においては、保護者の帰宅後の生活時間 の配分や子どもへの配慮が行えるよう、子どもの日中の生活状況を詳細に保護者に伝 え、家庭と連携して子どもの健康生活を図っていくことが求められる。 ま と め 2011 年に、保育所に通う3歳未満児の生活習慣を広域で調査し、子どもの年齢や性 を分析の条件に入れて検討し、子どもたちの抱える健康上の課題を明らかにした。 その結果は、以下の通りである。 (1)睡眠習慣 1歳児の就寝時刻は平均 21 時7分で、2歳児になると就寝時刻が 21 時 21 分と遅 寝の傾向になった。21 時前まで就寝している幼児は、13.2%(2歳女児)~26.5% (1歳男児)で、22 時以降の就寝が、16.5%(1歳男児)~27.6%(2歳女児)確 認された。また、夜間に必要とされる 10 時間以上の睡眠を満たしていない約5~6 割、9時間 30 分未満の短時間睡眠は、約2~3割であった。 起床の仕方は、 「いつも自分で起きる」は、2歳になると約2割に減少し、起床時 の機嫌については、 「いつも機嫌が良い」は、15.3%(2歳男児)~22.0%(1歳女 児)しかいなかった。1,2歳児ともに、睡眠習慣の改善が課題であることが明ら かとなった。 (2)食習慣 朝食摂取状況は、 「毎日食べている」が、71.5%(2歳男児)~80.5%(1歳男児) であり、約2~3割の朝食欠食が懸念された。 夕食を開始する平均時刻は、1,2歳男女児ともに、19 時前であった。 朝の排便状況については、定期的に朝の排便がみられる幼児は、1歳児で 12.6% (女児)~14.9%(男児)であり、2歳児になると 5.6%(女児)~8.0%(男児) に減少した。朝の定期的な排便が課題であることが明らかとなった。 (3)運動習慣 朝、保育所に通う方法は、自家用車が約6割あったことを確認した。 帰宅後の遊び場は家の中が9割を占め、戸外遊び時間の平均(日中の保育以外) 184 は、24 分~29 分であった。また、テレビ・ビデオ視聴時間は、1時間 40 分~2時 間1分であった。遊び時間が平均3時間であるから、遊び時間の約半分以上はテレ ビ・ビデオ視聴の時間に充てられていた。 保育時間を除く遊びは、男児では、1,2歳児ともに第1位が室内での乗り物 のおもちゃで、57.7~61.9%、第2位がテレビ・ビデオで、50.5~60.3%であった。 女児では、第1位がテレビ・ビデオで、55.1~55.6%、第2位がお絵かきで、38.5 ~53.7%であった。 (4)生活時間相互の関連性 起床から就寝までの一日の生活時間相互の関連性をみると、男女児ともに、就寝 時刻と起床時刻との関連性が確認され、就寝時刻が遅くなると起床時刻も遅くなり、 起床時刻が遅くなると朝食開始時刻も遅くなり、登園時刻も遅くなるという結果と なった。生活リズムを後退させないよう、同調作用の一つとして説かれている朝の 光や食事の時間に着目し、遅くなりがちな生活リズムを整えていくことが必要であ ろう。また、男女児ともに、夕食開始時刻と就寝時刻との関連性も確認された。 以上の結果から、保育所に通う3歳未満児の生活習慣調査からは、遅寝で睡眠時間 が短時間になる傾向や朝の排便の低率などが2歳児になると顕著になった。夕食開始 時刻を早め、早寝による十分な睡眠時間の確保の必要性について、保護者啓発の必要 性があろう。また、保育所においては、就寝時刻を早め、十分な睡眠時間を確保する ために、午睡後の戸外遊びの励行が課題としてあげられた。 185 第3節 総合的考察 第1節、研究1では、従来実施されてこなかった家庭的保育に通う子どもの生活習 慣調査を広域で実施した。また、研究2では、保育所に通う3歳未満児の生活習慣調 査を広域で実施した。その結果、家庭的保育と保育所の3歳未満児の平均就寝時刻や 平均睡眠時間は、健康的な生活を送る上での目標となる 21 時までの就寝、10 時間以 上の睡眠時間には及ばなかった。近年、保育所保育児の就寝時刻の遅さと、睡眠時間 の短さが示されているが(全国子どもの健康実態調査委員会 2010,2011) 、本調査の 結果も同様であった。近年の社会的保育の特徴ともいえよう。 家庭的保育児の生活習慣を詳細にみると、家庭的保育児は、朝の機嫌が良いとする 割合が6~7割、定期的な朝の排便習慣は、1歳児より、2歳児になると高率になっ た。保育所保育児は家庭的保育児と反対に、定期的な朝の排便習慣は2歳児で減少し、 1割にも満たなかった。家庭的保育児の帰宅後の遊び場としての公園利用が約7割、 家庭でのテレビ・ビデオ視聴時間は約1時間 30 分で、保育所保育児や他の広域調査と 比較すると(日本小児保健協会 2011) 、単純計算ではあるが短時間であった。 家庭的保育は、保育所と同等の通所要件をもつが、小人数保育であり、集団保育の 保育所とは、保育形態が全く異なり、それぞれ保育の特徴があった。 今後、家庭的保育と保育所の3歳未満児の生活習慣を比較、分析することにより、 社会的保育における3歳未満児の健康生活に寄与するための知見を得ることとする。 186 【注】 (注1)厚生労働省の「国民健康・栄養調査」 「健康日本 21」 「健康日本 21(第2次)」 (序論巻末引用文献参照)など、生活習慣に関する調査項目は、男女別に集計分 類している。 【引用文献】 秋山千恵子,2011, 「保育政策研究委員会企画シンポジウム」 『保育学研究』 49(3) , pp.69-70. 安梅勅江,2004, 「長時間保育の子どもの発達への影響に関する追跡研究―3年後の子 どもの発達に関連する要因に焦点をあてて―」 『日本保健福祉学会誌』10(2) ,pp. 9-17. 安梅勅江,2011, 「乳児期に大切な「子育ち環境」とは、~追跡研究からみた根拠に基 づく保育の必要性~」 『保育の友6月号』全国社会福祉協議会出版部,pp.24-25. 安梅勅江,2013, 「子育ち環境が学童期の心身に及ぼす影響―コホート研究からみたエ ンパワメントの必要性―」 『子どもと発育発達』11(3) ,pp.163-166. ベネッセ次世代育成研究所,幼児の生活アンケート http://www.benesse.co.jp/jisedaiken/research/research_13.html Brandon Keim,2011, “It’s Official,To Protect Baby’s Brain, Turn Off TV”, American Academy of Pediatrics http://www.wired.com/2011/10/infant-tv-guidelines/ 福川須美,2011, 「保育所の現状と課題」全国保育団体連絡会・保育研究所編『保育白 書 2011 年版』ひとなる書房,p.77. 長谷川 大・前橋 明,2008,「保育所幼児の朝の疲労度と生活要因との関係-2007 年度幼児生活習慣調査(青森県)結果より-」 『食育学研究』3(2),pp.10-15. 服部伸一・足立 正,2006, 「幼児の就寝時刻と両親の帰宅時刻並びに降園後のテレビ・ ビデオ視聴時間との関連」 『小児保健研究』65(3),pp.507-512. 泉 秀生,2006, 「地域別・季節別にみた保育園児の生活状況」 『子どもの健康福祉研 究』5,pp.19-22. 泉 秀生・奥富庸一・前橋 明,2007,「幼児期の健康福祉に関する研究-保育園に通 う5歳児の生活時間と朝の排便状況-」 『食育学研究』2(1) ,pp.63-65. 泉 秀生,前橋 明,2010, 「幼児の生活習慣に関する考察-保育園児の朝食欠食と生 187 活要因との関連-」 『運動・健康教育研究 』18(1) ,pp.17-27. 泉 秀生・前橋 明・町田和彦,2011, 「幼児の生活習慣に関する研究-保育園5・6 歳児とその保護者の1週間の生活記録分析-」 『保育と保健 』17(2) ,pp.75-79. 家庭的保育研究会編,2011, 『家庭的保育の基本と実践 改訂版』福村出版,p.13. 家庭的保育全国連絡協議会編,2011, 『家庭的保育のいま・これから 家庭的保育実施 自治体情報 2010」 』NPO 法人家庭的保育全国連絡協議会,pp.4-79. 栗谷とし子・吉田由美,2008, 「幼児のテレビ・ビデオ視聴時間 ゲーム時間と生活習 慣との関連」 『小児保健研究』67(1),pp.72-80. 厚生労働省編,2008, 『保育所保育指針解説』フレーベル館,pp.178-179. Kohyama J,2001,Late nocturnal sleep onset impairs a melatonin shower in young children, Neuroendocrinol Lett 23,pp.385-386. 神山 潤,2008, 「小児の睡眠関連病態―新たな病態「失同調 ASYSDHRONIZATTON」 の提唱」 『脳と発達』40,pp.277-283. 神山 潤,2009, 「日本の乳幼児の睡眠状況~国際比較調査結果から~」 『小児保健研 究』68(2) , pp.219-223. 神山 潤,2011a,「子どもの眠りの基礎知識」『日本小児科学会雑誌』115(12), pp.1870-1879. 神山 潤,2011b, 「早寝早起き朝ごはん―啓発活動の実践―」 『睡眠医療』5,pp.432-438. 神山 潤,2011c, 「発達睡眠生理学」 『子どもと発育発達』8(4),pp.248-253. 神山 潤,2011d, 「睡眠と子どもの成長発達」 『公衆衛生』75(10) ,pp.774-779. 駒田陽子,2006, 「睡眠相談と睡眠障害の認知・行動療法」上里一郎監修・白川修一郎 編『睡眠とメンタルヘルス』ゆまに書房,p.343. 小山 修・庄司順一・尾木まり・斎藤多江子・須永美紀・網野武博,2008, 「家庭的保 育のあり方に関する研究(2) 」 『日本子ども家庭総合研究所紀要第』44,p.67. Lam P,Hiscock H, Wake M,2003,Outcomes of Infant Sleep Problems;A Longitudinal Study of Sleep,Behavior,and Maternal Well-Being, Pcdiatrics,111(3) ,pp.203-207. 前橋 明,2006, 『保育園児の健康福祉に関する研究』 「保育と保健」12(1),pp.31-35. 前橋 明,2012, 『子どもの健康福祉学 子どもの生活リズム向上作戦』明研究図書, pp.8-14. 188 松尾瑞穂・前橋 明,2007a,「沖縄における離島幼児の健康福祉に関する研究(Ⅰ)石垣島児の生活習慣とその課題-」 『食育学研究』2 (1) ,pp.32-42. 松尾瑞穂・前橋 明,2007b,「沖縄県における離島幼児の健康福祉に関する研究(Ⅱ) -夕食を早める知恵集め調査(その1)-」『食育学研究』2(1),pp.43-51. 松尾瑞穂・前橋 明,2007c,「石川県における幼児の健康福祉に関する研究」『子ど もの健康福祉研究』11,pp.42-50. 松村京子,1992, 「児童の生活リズムに関する研究(第3報)-母と子の生活リズム-」 『日本家庭科学会誌』36,pp.81-85. 三池輝,2013, 「子どもの睡眠-就学前に夜間基本睡眠を身につける」 『食べ物文化』 10(464) ,pp.8-20. 中村加奈重・肥田有紀子・沢口茂代・関口久恵・山下益美・北川ゆかり・神山 潤, 2009, 「子どもの生活リズム改善の取り組み~生活リズム調査がもたらす養育者の行 動変容に関する考察~」 『小児保健研究』68(2) , pp.293-297. 日本小児保健協会,2011, 「平成 22 年度幼児健康度調査 速報版」 『小児保健研究』70(3), pp.448-457. 日本小児科学会,2003,http://www.fine-club.com/child/baby/media.html 新小田春美・末次美子・加藤則子・浅見美恵理子・内村直尚・樗木晶子・西岡和男・ 大久保一郎・松本一弥・南部由美子・加来恒壽,2012, 「幼児の遅寝をもたらす親子 の睡眠生活習慣の分析」 『福岡医学雑誌』103(19) ,pp.12-23. 日本小児保健協会,2011, 「平成 22 年度幼児健康度調査 速報版」 『小児保健研究』70(3), pp.448-457. 日本小児科学会,2003,http://www.fine-club.com/child/baby/media.html 仁木 武・帆足栄一・河合 菜緒,1995, 「審判 小児の発達栄養行動―摂食から排出 まで―/生理・心理・臨床―」 『医歯薬出出版株式会社』pp.211-214. 尾木まり,2006, 『平成 17 年度児童関連サービス調査研究報告書 在宅保育の効果に関 する研究-利用の効果および利用後の意識の変化-』財団法人子ども未来財団,p.16. 実方伸子,2013, 「保育所の開所時間と延長保育」全国保育団体連絡会・保育研究所編 『保育白書 2013』ひとなる書房,pp.62. 佐野祥平・松尾瑞穂・前橋 明,2012, 「幼児の良好な睡眠についての検討」『保育と 保健』18(1) ,pp.27-30. 189 Simada M・Segawa M・Higurashi M・Akamatsu H,1993, “Development of the sleep and wakefulness rhythm in preterm infants discharged from a neonatal care unit” ,Pediatr Res,33(2) ,pp. 159-163. 島田三恵子・竜丘久枝・乾 つぶら・早瀬麻子・白井文恵・足立智美,2009, 「乳児の 睡眠の発達を促す育児法」 『保健の科学』51(1) ,pp.11-19. Suzuki M・Nakamura T・Kohyama J・Nomura Y・Segawa M,2005,Children's ability to copy triangular figures is affected by their sleep-wakefulness rhythms, Sleep & Biological Rhythms,3(2) ,pp.86-91. 高橋美穂,2006, 「改めて「食育」ってなんだろう―食育指針が実現をめざす5つの子 ども像をもとに考える―」 『食べ物文化』 359,pp.9-25. 田原 優・柴田重信,2011, 「日内リズムをつくる身体のしくみ」 『子どもと発育発達』 8(4),pp.259-263. 田宮 緑,2013, 『領域人間関係』萌文書林,pp.34-65. Touchette, Evelyne1 ・Côté, Sylvana M・Petit, Dominique・Liu, Xuecheng・Boivin, Michel・Falissard, Bruno・Tremblay, Richard E; Montplaisir, 2009,“Short nighttime sleep-duration and hyperactivity trajectories in early childhood” , Pediatrics,124(5) ,pp.985-993. 全国子どもの健康実態調査委員会,2010, 「幼児の生活実態-2009 年度報告-」 『食育 学研究』5(2) ,pp.36-76. 全国子どもの健康実態調査委員会,2011, 「幼児の生活実態-2010 年度報告-」 『食育 学研究』6(2) ,pp.71-94. 全国社会福祉協議会・全国保育協議会編,2012, 『全国の保育所実態調査報告書 2011』 社団法人全国社会福祉協議会・全国保育協議会,p.23. 190 第4章 家庭的保育と保育所の生活習慣の比較 第3章の研究1では、従来行われてこなかった、家庭的保育を受ける子どもの生活 実態の広域調査を実施した。また、研究2では、保育所で保育を受ける3歳未満児の 生活実態調査を実施し、各々の課題を見出した。 本章、研究3は、家庭的保育が児童福祉法上に位置づけられた保育事業(国庫補 助事業)として、2010 年に施行された後の初めての保育実態の広域調査である。 研究4では、家庭的保育を受ける3歳未満児の保護者の家庭的保育に対する意識調 査である。研究5では、家庭的保育と保育所の3歳未満児の病欠席の実態を比較する ものである。従来、家庭的保育では感染症などの影響が少なく、欠席が少ないことが 家庭的保育者や保護者の実感として言われてきたが、実証的な研究は未解明であり、 本研究が初めて行うものである。研究6では、研究1~5をふまえ、家庭的保育と保 育所の3歳未満児の生活習慣を比較、分析することにより、3歳未満児の健康生活に 関する知見を得る。 なお、本章、研究3~6において用いる「健康」の定義は、本論(pp.8~12)に示 した。 191 第1節 家庭的保育の保育実態 【研究3】 目 的 第1章、第3節、家庭的保育の変遷の中で述べたように、家庭的保育に関する研究 動向としては、制度化に向けて保育者の要件や、資格、勤務体制、サポート体制、財 政措置のあり方、評価システムなどの研究が多数を占めていた。家庭的保育の保育内 容に関する広域調査は、2005 年に「在宅保育の効果に関する調査研究」 (尾木 2006) の中で、ベビーシッターと共に家庭的保育の効果を保育者や保護者の実感調査として まとめ、保育のメリット、デメリットとして報告しているが、近年では見あたらない。 本研究では、家庭的保育が児童福祉法上に位置づけられた保育事業として 2010 年施 行された後の保育実態を全国で調査し、家庭的保育の特徴や課題を明らかにすること により、3歳未満児の健康生活に寄与するための知見を得る。 方 法 1.研究対象と研究期間 (1)対象の限定 本研究の対象となる家庭的保育は、国庫補助事業、市区町村の単独事業の家庭的保 育事業者で、子ども3~5名(保育補助者設置)を保育する個人実施型の家庭的保育 と限定し、NPO 法人や企業が実施主体となっている家庭的保育や子ども6~15 名を保 育する家庭的グループ保育は除外した。なお、東京都江戸川区の家庭的保育室は独自 の方式(乳児保育のみ実施)であることから、本研究では除外した。 (2)対象地域、対象者 調査対象地域の選定は、 「家庭的保育実施自治体情報」 (NP0 法人家庭的保育全国連 絡協議会 2011)の家庭的保育実施市区町村に掲載されている、2010 年 10 月現在で 保育者数が6名以上の 55 自治体に書面で本調査を依頼し、協力が得られた全国の 11 都道府県(北海道、山形県、千葉県、東京都、神奈川県、静岡県、愛知県、滋賀県、 京都府、兵庫県、福岡県)の区市町村 25 自治体が管轄する家庭的保育とした。 調査対象者は、上記、地方自治体が管轄する家庭的保育の保育者 572 名を調査対象 者とした。 (3)調査期間 192 2011 年 11 月~2012 年1月 2.調査内容 調査は、郵送法による無記名自記式質問紙調査を実施した。 質問項目は、保育者の属性と、①保育の場所、②保育時間、③延長保育の実施の有 無、④土・日保育の実施の有無、⑤病後児保育の実施の有無など 18 項目とした(資料 2) 。 調査票は、572 枚配布し、調査票の回収数は、381 枚、回収率は 66.6%であった。 そのうちの有効回答者数は 373 名で分析対象とした。 3.倫理的配慮 調査実施にあたっては、倫理的配慮として、対象とした地方自治体の家庭的保育事 業を管轄する部署と家庭的保育者に研究の主旨や方法、個人情報に関する取扱いや配 慮(研究への参加は自由意志であり、途中不都合が生じた場合はいつでも中断するこ とができること、また、それによる弊害はないこと、個人名は特定しないこと、これ に関連した研究以外には用いないこと)、また、データは公の場で発表することなど の説明を文書で伝え、同意を得た者のみ調査を実施すること等について説明した調査 協力依頼状を郵送し、同意を求めた。そして、同意書が返送されてきた自治体に、電 話にて調査内容や質問紙回収までの手続き、結果報告までの経緯について説明した。 4.分析方法 統計処理として、SPSS(ver20)を用いてχ2検定を行った。また、保育補助者の有 無と戸外遊び時間の平均値の差については、ノンパラメトリック、Mann-Whitney の U 検定で(竹原 2008)で行った。今回の研究では、地域差は入れないで分析した。 また、家庭的保育が保育事業として児童福祉法上に位置づけられる前に実施された、 在宅保育に関する研究(尾木 2006)と一部比較した。 結 果 1.保育者の年齢 調査によって得られた家庭的保育者の年齢別人数割合は、20 歳代(1.6%)~50 歳 代(39.2%)の範囲にあり、平均年齢は、46.7 歳(±10.3 歳)であった(図1) 。 2.保育経験年数 年齢によって保育経験年数の割合に差があるか、χ2検定により分析した結果、有意 193 差が認められた(χ2(20)=83.09,p<.01)ので、残差分析を行った。その結果、60 歳 代の 11~15 年(p<.01)と 26 年以上、50 歳代の 11~15 年(p<.01)が有意に多かっ た(図2) 。 また、家庭的保育が児童福祉法上に位置づけられる前の 2005 年の調査(尾木 2006) では6~10 年の割合が多かったが、位置づけられた後の本調査では0~5年の割合が 多かった(図3) 。 3.家庭的保育児の年齢割合 家庭的保育児の年齢割合は、1歳児が最も多く全体の 41.7%(709 名)で、次いで 2歳児 32.4%(552 名) 、0歳児 19.4%(330 名)の順であった(図4) 。 また、家庭的保育児の年齢は、尾木(2006)の調査と比較すると、0歳児の割合が 減少し、1~2歳児が増加する傾向がみられた(図5) 。 4.保育補助者の設置 保育補助者が設置されている家庭的保育は、71.0%で、設置されていない家庭的保 育は、29.0%であった(図6) 。 また、保育補助者の年齢は、40 歳代が最も多かった(図7) 。 5.保育の場所 家庭的保育を行っている場所は、保育者の居宅が 77%(287 か所)で最も多く、次 いで、賃貸アパート 12%(44 か所)であった(図8) 。 6.開室時刻 開室時刻の平均は8時 14 分±37 分であり、8時 30 分~9時未満が 37.0%で最も多 く、次いで8時~8時 30 分未満が 32.6%であった。8時台の割合が 69.6%を占め、 次いで、7時台が 17.4%、9 時以降が 13%であった(図9) 。 また、家庭的保育が児童福祉法上に位置づけられる前の 2005 年の調査(尾木 2006) では、7時台が 12.3%、8時台が 68.5%で最も多く、本調査と概ね同様であったが、 7時台が若干増加した(図 10) 。 保育所の開所時刻と比較すると、保育所は、7時台が 94.4%で最も多く、次いで8 時台が 4.2%であった(全国社会福祉協議会・全国保育協議会 2012) (図 11) 。 7.閉室時刻 閉室時刻の平均は 17 時 11 分±99 分であり、 17 時~17 時 30 分が 36.7%で最も多く、 次いで 18 時~18 時 30 分が 20.4%であり、17 時台が 54.1%、18 時台が 30.5%を占め 194 ていた(図 12) 。 また、家庭的保育が児童福祉法上に位置づけられる前の 2005 年の調査(尾木 2006) では 17 時前が8%であったが、位置づけられた後の本調査では、15.5%と約2倍に増 加した(図 13) 。 保育所の閉所時刻と比較すると、保育所は 19 時台が最も多く、次いで 18 時台が 28.5%であり、17 時台は 3.5%であった(全国社会福祉協議会・全国保育協議会 2012) (図 14) 。 8.開室時間 家庭的保育の開室時間を平均すると、平均 9.1 時間(±21 分)であった。 9.早朝保育時刻 早朝保育の実施は、25.5%(94 か所)で、無しが 74.5%(138 か所)であった。 家庭的保育の早朝保育時刻は、7時 30 分~8時未満が最も多く 55.3%で、次いで、 8時~8時 30 分未満であった(図 15) 。 10.延長保育 延長保育の実施は、63.3%(238 か所)で、無しが 36.7%(138 か所)であった。 延長時刻は、18 時~18 時 30 分未満が最も多く 42.3%で、次いで、19 時~19 時 30 分 未満であった(図 16) 。 保育補助者の設置の有無と延長保育の実施の有無について、χ2検定により、その比 率を分析したところ、有意差が認められた(χ2(1)=13.57,p<.01)ので、残差分析 を行った。その結果、保育補助者が設置されている保育室は、延長保育有りが有意に 多く(p<.01) 、保育補助者が設置されていない保育室は、延長保育無しが有意に多か った(p<.01) (図 17) 。 11.力を入れている保育内容(複数回答) 力を入れている保育内容は、第1位が「生活リズム」88.7%(330 か所) 、第2位が 「戸外遊び」で 88.4%(329 か所) 、第3位が「保育者とのふれあい」69.1%(257 か 所)であった(図 18) 。 12.遊び場 家庭的保育の遊び場は、保育室の中と外と同じくらいが 39.6%であった。また、 「ど ちらかといえば外」32.5%、 「ほとんど外」12.8%を合わせて「外」とすると、45.3% が「外」であった。同様に、 「どちらかといえば家の中」13.1%(48 施設)と「ほと 195 んど家の中」1.9%(7施設)を合わせて「家の中」とすると、15.0%が「家の中」で あった(図 19) 。 13.戸外遊び時間 家庭的保育の戸外遊び時間は、1時間~1時間 30 分未満が 38.8%で最も多く、次 いで、1時間 30 分~2時間未満が 27.6%、2時間以上が 27.0%であった(図 20) 。 また、保育補助者設置の有無と戸外遊び時間との差について、ノンパラメトリック、 Mann-Whitney の U 検定(竹原 2008)で分析を行った。その結果、補助者設置有 りの戸外遊びの平均時間 88.9 分(±37.2 分)は、補助者設置無しの平均時間 67.0 分 (±35.9 分)より有意に長かった[Z=-2.71,p<.01]。その差は 21.9 分であった。 保育補助者設置の有無によって、戸外遊び時間(1時間未満、1時間~1時間 30 分 未満、1時間 30 分~2時間未満、2時間以上)の間の割合に差があるか、χ2検定に より分析した結果、有意差が認められた(χ2(3)=12.54,p<.01)ので残差分析を行 った。その結果、保育補助者有りでは2時間以上が有意に多く(p<.01) 、保育補助者 無しでは、1時間未満が有意に多かった(p<.01) (図 21) 。 14.戸外遊びの内容(上位3項目選択) 家庭的保育の戸外遊びの内容は、1位が公園遊具で 89.6%、2位が散歩で 83.2%、 3位が追いかけごっこ等身体を使う遊び 63.0%であった(図 22) 。 15.地域資源の利用状況 家庭的保育の地域資源の利用状況は、第1位が公園 91.7%で、第2位が児童館 45.7%、第3位が子育て支援センター31.7%であった(図 23) 。 16.室内遊びの内容(3項目選択) 家庭的保育の室内遊びの内容は、1位が保育者とのふれあい遊び 72.8%、2位が絵 本・本読み 65.6%、3位がブロック 47.6%、4位が乳児用玩具 38.7%、5位が音楽 遊び 35.2%であった(図 24) 。 17.近隣保育所との連携 近隣保育所との連携は、よくあるが 7.6%、時々あるが 92.4%、 「あまりない」 「全 くない」については、皆無であった(図 25) 。 18.近隣保育所との連携の内容 家庭的保育の近隣保育所との連携の内容は、 第1位が行事の参加 66.6%で最も多く、 第2位が交流保育で 32.0%(109 か所) 、第3位が一時保育 19.6%(67 か所)であっ 196 た(図 26) 。 19.巡回指導 家庭的保育の巡回指導の有無の割合は、 「よくある」26.0%(92 か所)と、 「時々あ る」58.0%(207 か所)を合わせて「ある」とすると、84.0%が「ある」であった(図 27) 。 20.土日保育 家庭的保育の土日保育実施の有無の割合は、有りが 35.7%(127 か所)で、無しが 64.3%(229 か所)であった(図 28) 。 保育補助者設置の有無と土日保育実施の有無との関連について、χ2検定を行ったと ころ、有意差は認められなかった(n.s.) 。 21.一時預かり 家庭的保育の一時預かり実施の有無の割合は、有りが 7.6%(26 か所)で、無しが 92.4%(315 か所)であった(図 29) 。 保育補助者設置の有無と一時預かり実施の有無との関連について、χ2検定を行った ところ、有意差は認められなかった(n.s.) 。 22.病後児保育 家庭的保育の病後児保育実施の有無の割合は、有りが 9.9%(34 か所)で、無しが 90.1%(308 か所)であった(図 30) 。 保育補助者設置の有無と病後児保育実施の有無との関連について、χ2検定を行った ところ、有意差は認められなかった(n.s.) 。 197 図・表 20歳代 (N=6) 1.6 30歳代 (N=35) 9.6 40歳代 (N=92) 25.2 50歳代 (N=143) 39.2 60歳代 (N=89) 24.4 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 (%) 図1 図1 家庭的保育者の年齢別人数割合 家庭的保育者の年齢別人数割合 21~25年 (n=6) 26年以上 (n=15) 16~20年 (n=15) 20歳代 11~15年 (n=58) 6~10年 (n=72) 0~5年 (n=199) 100 30歳代 17.2 6.5 40歳代 18.5 2.1 50歳代 82.8 75 ** 4.2 ** 60歳代 23.8 22.4 3.4 16.9 0% 10% ** p<.01 ** 22.5 10.1 20% 47.6 30% 40% 16.9 50% 60% 30.3 70% 80% 図2 図2 家庭的保育者の保育経験年数と年齢との関係 家庭的保育者の保育経験年数と年齢との関係 198 90% 100% 0~5年 2005年 (N=217) 6~10年 33.2 11年以上 38.7 2011年 (N=365) 28.1 54.5 0% 20% 19.7 40% 60% 25.8 80% 100% 図3 調査年別の家庭的保育者の保育経験年数 ※2005 年の数値は、尾木まり(2006), 「在宅保育の効果に 関する調査研究-利用の効果及び利用後の意識の変化-」 『平成 17 年度児童関連サービス調査研究等事業報告書』 財団法人こども未来財団平成 18 年 2 月の資料から筆者が 試算 3歳児 (N=111) 6.5 2歳児 (N=552) 32.4 1歳児 (N=709) 41.7 0歳児 (N=330) 19.4 0 10 20 30 図9 家庭的受託児の年齢 図4 家庭的保育児の年齢 199 40 50 (%) 0歳児 1歳児 2歳児 その他 9.5 2005年 (N=225) 27.2 36.0 27.3 6.5 2011年 2011 年 (N=1591) (N=1702) 19.4 0% 41.7 20% 32.4 40% 60% 80% 100% 図5 調査の年別家庭的保育児の年齢割合 ※2005 年の数値は、尾木まり(2006) , 「在宅保育の効果 に関する調査研究-利用の効果及び利用後の意識の変化-」 『平成 17 年度児童関連サービス調査研究等事業報告書』 財団法人こども未来財団平成 18 年 2 月の資料から筆者が 試算 補助者あり (N=264) 補助者なし (N=108) 29.0 % 71.0 % 図6 家庭的保育の保育補助者設置の有無 200 10歳代 (N=2) 0.3 20歳代 (N=51) 30歳代 (N=114) 8.6 19.2 40歳代 (N=201) 33.9 50歳代 (N=141) 23.8 60歳代 (N=77) 13.0 70歳代 (N=7) 1.2 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 (%) 図8 家庭的保育補助者の年齢別人数割合 図7 家庭的保育補助者の年齢別人数割合 保育者の居宅 (N=287) 賃貸アパート・マンション (N=44) 2.9% 公共施設の空室 (N=11) 8.3% 11.8% 76.9% 図16 家庭的保育の場所 図8 家庭的保育の場所 201 その他 (N=31) 7時~7半未満 (N=7) 1.9 7半~8時未満 (N=57) 15.5 8時~8時半未満 (N=120) 32.6 8時半~9時未満 (N=136) 37.0 9時以降 (N=48) 13.0 0 10 20 30 40 50 (%) 図8 家庭的保育の開室時刻 図9 家庭的保育の開室時刻 7時~7半未満 7半~8時未満 8時半~9時未満 9時以降 8時~8時半未満 1.9 2005年 (N=224) 10.4 35.1 33.4 19.2 1.9 2011年 (N=368) 15.5 0% 32.6 20% 37.0 40% 60% 13.0 80% 図11 家庭的保育の開室時刻の年代別割合 図 10 調査年別の家庭的保育の開室時刻 100% NS ※2005 年の数値は、尾木まり(2006) , 「在宅保育の効果 に関する調査研究-利用の効果及び利用後の意識の変化-」 『平成 17 年度児童関連サービス調査研究等事業報告書』 財団法人こども未来財団平成 18 年 2 月の資料から筆者が 試算 202 6時台 7時台 8時台 9時台以降 無回答 ** 家庭的 (N=368) 17.4 69.6 0.6 13 4.2 ** 保育所 (N=8205) 94.4 0% 20% 40% 0.1 60% 80% 100% 図12 家庭的保育と保育所の開室(所)時刻の割合 図 11 家庭的保育と保育所の開室(所)時刻の割合 χ2(4)=127.279,p<0.01 **p<0.01 ※保育所の数値は、全国社会福祉協議会・全国保育協議会 (2012) , 『全国の保育所実態調査報告書 2011』平成 24 年 9 月の資料から筆者が試算 17時以前 (N=57) 15.5 17時~17時半未満 (N=135) 36.7 17時半~18時未満 (N=64) 17.4 18時~18時半未満 (N=75) 20.4 18時半以降 (N=37) 10.1 0 10 20 30 図9 家庭的保育の閉室時刻 家庭的保育の閉室時刻 図 12 203 40 50 (%) 17時以前 17時~17時半未満 18時~18時半未満 18時半以降 17時半~18時未満 ** 2005年 (N=225) 8.0 34.4 20.5 19.2 17.9 ** 2011年 (N=224) 15.5 36.7 0% 20% 40% 17.4 20.4 60% 80% 10.1 100% 図14 家庭的保育受託児の降園時刻の年代別割合 図 13 調査年別の家庭的保育児の退室時刻の割合 χ2(4)=13.670,p<0.01 ** p<0.01 ※2005 年の数値は尾木(2006) , 「在宅保育の効果に関す る調査研究-利用の効果及び利用後の意識の変化-」 『平成 17 年度児童関連サービス調査研究等事業報告書』財団法 人こども未来財団平成 18 年 2 月の資料から筆者が試算 17時前 家庭的 (N=368) 17時台 18時台 ** ** 15.4 54.1 19時台 20時台 無回答 0 0 0 30.5 0.6 3.5 保育所 (N=8205) 0 0% **p<0.01 ** 28.5 58.9 ** 7.2 1.9 20% 40% 60% 80% 100% 図14 家庭的保育と保育所の閉室(所)時刻の割合 図 14 家庭的保育と保育所の閉室時刻の割合 χ2(5)=126.256,p<0.01 ※保育所の数値は、全国社会福祉協議会・全国保育協議会 (2012) , 『全国の保育所実態調査報告書 2011』平成 24 年 9 月の資料から筆者が試算 204 7時~7半未満 (N=13) 13.8 7半~8時未満 (N=52) 55.3 8時~8時半未満 (N=29) 30.9 0 10 20 30 40 50 60 (%) 家庭的保育の早朝保育開始時刻 図図16 15 家庭的保育の早朝保育時刻の割合 17時半~18時未満 (N=15) 14.4 18時~18時半未満 (N=44) 42.3 18時半~19時未満 (N=17) 16.3 19時~19時半未満 (N=23) 22.1 19時半以降 (N=5) 4.8 0 10 20 30 40 図30 家庭的保育の延長保育時刻 図 16 家庭的保育の延長保育時刻の割合 205 50 (%) 延長保育有 延長保育無 ** 補助者無 (N=112) 23.2 76.8 ** 補助者有 (N=264) 42.4 0% 57.6 20% 40% 60% 80% 100% 17 保育補助者設置の有無と延長保育の割合 図31図 保育補助者設置の有無と延長保育有無の割合 χ2(1)=13.572,p<0.01 **p<.01 **p<0.01 生活リズム (N=330) 88.7 食育 (N=216) 58.1 運動あそび (N=190) 51.1 外あそび (N=329) 88.4 室内あそび (N=207) 55.6 保育者とのふれあい (N=257) 69.1 その他 (N=48) 12.9 0 20 40 60 80 100 (%) 図17 (複数回答) 図 家庭的保育で力を入れている保育内容 18 力を入れている保育内容(複数回答) 206 ほとんど外 (N=47) 12.8 どちらかといえば外 (N=119) 32.5 家の中と外と同じくらい (N=145) 39.6 どちらかといえば家の中 (N=48) 13.1 ほとんど家の中 (N=7) 1.9 0 10 20 30 40 50 (%) 家庭的保育のあそび場 図 19図18 家庭的保育の遊び場 30分以下 (N=7) 1.9 30分~1時間未満 (N=17) 4.6 1時間~1時間30分未満 (N=142) 38.8 1時間30分~2時間未満 (N=101) 27.6 2時間以上 (N=92) 27.0 0 10 20 30 図21 図 20 家庭的保育の外あそび時間 家庭的保育の外遊び時間 207 40 50 (%) 1時間未満 1時間半~2時間未満 1時間~1時間半未満 2時間以上 4.5 ** 補助者有 (N=220) 41.3 25.1 29.1 ** ** 補助者無 (N=108) 12.9 0% **p<.01 **p<0.01 43.6 20% 27.8 40% 60% 15.7 80% 100% 図 図22 21 家庭的保育補助者の有無別外遊び時間の人数割合 家庭的保育補助者の有無と外遊び時間の割合 χ2(3)=12.538,p<0.01 散歩 (N=297) 83.2 公園遊具 (N=320) 89.6 乗押玩具 (N=79) 22.1 ボールあそび (N=88) 24.6 砂あそび (N=184) 51.5 追いかけごっこ等 身体を使うあそび (N=225) 63.0 その他 (N=23) 6.4 0 20 40 60 80 家庭的保育の外あそび内容 (3項目選択) (3項目選択) 図 図19 22 家庭的保育の外遊び内容 u naiyo u 208 100 (%) 公園 (N=341) 91.7 図書館 (N=117) 運動あそび場 (N=82) 31.5 22.0 児童館 (N=170) 子育て支援 センタ-(N=118) 45.7 31.7 その他 (N=29) 7.8 0 20 40 60 80 100 (%) 図 23図20 家庭的保育の地域資源の利用状況(複数回答) 家庭的保育の地域資源の利用状況 (複数回答) 保育者とふれあい (N=271) リズムあそび (N=80) 音楽あそび (N=131) わらべうた (N=37) テレビ・ビデオ (N=22) リトミック (N=22) 72.8 21.5 35.2 9.9 5.9 5.9 人形 (N=67) 18.0 お絵かき (N=85) 絵本・本読み (N=244) ボールあそび (N=54) 乗押玩具 (N=90) 22.8 65.6 14.5 24.2 ブロック (N=177) 乳児用玩具 (N=144) 47.6 38.7 その他 (N=56) 15.1 0 20 40 60 家庭的保育の室内あそび内容 (3項目選択) 図 24 図23 家庭的保育の室内遊び内容(3項目選択) 室内遊びの(複数回答) 209 80 (%) (%) よくある (N=26) 時々ある N=315) あまりない (N=0) 7.6 % 全くない (N=0) 92.4 % 図24 家庭的保育と近隣保育所との連携 図 25 家庭的保育と近隣保育所との連携 一時保育 (N=67) 19.6 交流保育 (N=109) 32.0 66.6 行事参加 (N=227) 保育者交流 (N=50) 14.7 健康診断 (N=24) 7.0 その他 (N=25) 7.3 0 10 20 30 40 50 60 70 (%) 図 26 家庭的保育の保育所との連携内容 家庭的保育と保育所の連携内容(複数回答) 図25 (複数回答) 室内遊びの(複数回答) 210 よくある (N=92) 時々ある (N=207) あまりない (N=117) 全くない (N=4) 5.1 % 11.0 % 25.8 % 58.1 % 図 27 家庭的保育の巡回指導の有無 図26 家庭的保育の巡回指導の有無 有 (N=127) 無 (N=229) 35.7 % 64.3% 図27 図 28土日保育の有無 家庭的保育の土日保育の有無 211 有 (N=26) 無 (N=315) 7.6 % 92.4 % 図 29 家庭的保育の一時預かりの有無 有 (N=34) 無 (N=308) 9.9 % 90.1% 家庭的保育の病後児保育の有無 図図29 19 家庭的保育の病後児保育の有無 図 30 家庭的保育の病後児保育の有無 212 考 察 1.家庭的保育者・保育補助者・家庭的保育児について 本研究で得られた家庭的保育者の年齢は、50 歳代が約4割で最も多かったが、保育 所の全国調査と比較すると、保育所(公立、私立の総和)は 20 歳代が 32.0%で最も 多く(全国社会福祉協議会・全国保育協議会 2012) 、とくに、私立保育所では 20 歳 代が 42.6%を占めていた。保護者にとっては、家庭的保育の 50 歳代の保育者は、育 児や子育ての先輩、またサポーター的存在であり、地域の生活情報も提供してくれる アドバイザー的な存在であろう。保育所の保育士と家庭的保育者の年齢の差は、それ ぞれ保育を受ける子どもや保護者にどのように影響しているかについては、先行研究 では確認されなかったため、今後の課題としてあげられた。また、本研究では、家庭 的保育者の 30 歳代が占める割合は 9.6%しかなかったが、尾木(2006)が 2005 年に 行った在宅保育の保育実態調査と比較すると単純計算ではあるが、今回の調査では、 2倍に増加していた。今後、家庭的保育者の若年化が進むのではないかと推察される。 保育経験年数については、尾木(2006)の調査では6~10 年が多く、本調査では0 ~5年が有意に多かった。これは、2010 年に家庭的保育が児童福祉法上に位置づけら れたことから、家庭的保育を職業として行えるようになったという認識が高まり、新 規の参入に繋がったと推察される。さらに、国による家庭的保育の普及を目的とした ガイドラインの改訂なども(家庭的保育研究会 2011a) 、その背景にあるといえよう。 従来、家庭的保育は保護者にとっては、 「子どもを実家の母親に預ける」というイメ ージがあった(家庭的保育全国連絡協議会 2009a)。しかし、近年の保育者の若年化 傾向により、今後、従来とは異なる新しい家庭的保育者像も示されるであろう。 保育補助者は、家庭的保育児が4名以上5名までの場合に1名の設置が義務づけら れており、本調査と尾木(2006)の調査を単純に比較すると、補助者の設置有りは 2005 年の方が多く、本調査では補助者の設置無しの方が多かった。家庭的保育補助者の設 置は、家庭的保育児が3人未満であれば、設置の義務はない。しかし保育補助者は、 家庭的保育のデメリットとしてあげられる密室保育の防止や、子どもの安全配慮の強 化などにも有効であると考えられる。本研究より、保育補助者設置の家庭的保育は、 設置無しの家庭的保育より戸外遊び時間が有意に長時間であり、また、2時間以上が 多かったことから、保育補助者設置は、保育の質にも関わることが示唆された。 保育補助者設置は、保育児3名以下は義務づけられていないが、保育の質を鑑みる 213 と、保育児の人数に関わらず、保育補助者の設置は必要である。 保育補助者の雇用費補助は、地方自治体の規定により異なり、家庭的保育児が3名 以下の場合は全く補助のない自治体もある。今後、保育補助者の設置拡大のためには、 雇用時における自治体の規定の見直しも必要である。 家庭的保育児の年齢は、尾木(2006)の調査と比較すると、0歳児の割合が減少し、 1~2歳児が増加する傾向がみられた。増加する傾向の背景の一つとして、育児休業 制度の普及が考えられる。育児休業制度は、1992 年に制定されて以来、仕事と家庭の 両立の条件が整備されてきた。現在では、産休明け翌日から子どもが1歳になる日の 前日まで適用され、育児給付金も受けることができる制度である。しかし、取得者は まだ限られた労働者であるが、少しずつ増えてきている(稲川 2013) 。この背景には、 ファミリーフレンドリー企業(家庭生活と両立しやすい職場条件を整えている企業) の増加もある(前田 2006) 。 「子育ての社会化」という問題が問われて久しいが、育 児休業制度のさらなる普及が望まれる。 1,2歳児の時期は生活習慣形成の基礎となす時期である。子どもの自我の育ちを 見守り、一人ひとりの丁寧な保育が求められよう。 2.保育時間について 家庭的保育の開室時刻を保育所の保育実態調査(全国社会福祉協議会・全国保育協 議会 2012)と比較すると、家庭的保育は、保育所より1時間遅い8時台が最も多く、 閉室時刻は、保育所より2時間早い 17 時台が最も多かった。保育所との時間の差につ いては、家庭的保育室の選定が保育児の居住地域の家庭的保育室の利用であるため、 通うのに時間がかからないこと、また早朝保育や延長保育の実施が約3割と少ないこ とが理由としてあげられる。 保育時間は8時間保育が原則とされ、 「乳幼児の保護者の労働時間その他、家庭の状 況等を考慮して、保育実施日及び保育時間は市町村が定めること。 」 (家庭的保育研究 会 2011a)としている。 本研究では、家庭的保育の1日の開室時間の平均は 9.1 時 間で、保育所の開所時間は平均 11.6 時間(全国社会福祉協議会・全国保育協議会 2012)であることから、単純計算ではあるが、家庭的保育は 2.5 時間短時間であった。 家庭的保育は、保育所と比較すると、就労する保護者への保育サービスは十分とはい い難い。しかし、子どもにとっては、保護者と過ごす時間が長いことになり、大切な な時間でもある。また、保護者自身が家庭で子育てを行う時間の確保にも繋がるとい 214 える。 3歳未満児は心身の成長が最も著しい時期で、健康的な生活リズムや生活習慣獲得 の時期であり、生涯の健康生活の土台となる時期である。社会で保育を担う時代にな ってきたが、家庭においては、子育てに費やす時間は非常に重要である(安梅・田中・ 酒井ら 2004,安梅 2013) 。家庭的保育は保育所より保育時間は短時間であるが、保 護者の通勤時間を考慮すると、家庭的保育の開室時間の平均 9.1 時間は、3歳未満児 にとっては、適切であると考える。 3.保育環境について 本研究では、保育の実施場所は家庭的保育者の居宅が 77%を占めていたが、23%は 賃貸アパートや公共施設の空室などであった。NPO 法人や企業が実施主体となってい る家庭的保育や、家庭的保育の複数ユニットで成り立つ小規模保育(子ども6~19 名) は除外したが、これらを含めると実際には様々な保育環境で家庭的保育が実施されて いる。これでは、従来の保育者の居宅で行う家庭的保育ならではの保育が発揮できな いのではないかと危惧する。 家庭的保育は、保育児が生活する家庭環境と類似した保育者の居宅という保育環境 で保育する点に特徴がある。しかし、家庭的保育の普及とともに、保育の実施場所は 保育者の居宅に留まらず、家庭環境以外の環境で実施される保育も「家庭的保育」と して扱われている。60 年以上の歴史をもつ家庭的保育であるが、規制緩和により家庭 的保育の真の意味が薄れつつあり、早急に家庭的保育の意義を検討していくことが求 められよう。本研究はこのような課題に答えるものでもある。 保育所については、2011 年に厚生労働省令児童福祉施設最低基準が「児童福祉施設 の設備及び運営に関する基準」 (2012 年4月施行)に変更させられた(村山 2013) 。 子どもの保育に必要最低限の部屋以外は、医務室や調理室、トイレが義務づけられて いるが広さの規定もなく、雨天時などに子どもの運動欲求を満たし、身体活動を行う ためのホールなどのスペースもなく、事務室、職員室なども基準に含まれていない(村 山 2013) 。園庭については、近所の公園でも代替が可能になり、0,1歳児について は、「屋外遊戯場」設置の規定はない(村山 2013) 。職員は、保育士、調理員、嘱託 医の配置が義務付けられているだけで、園長や主任、フリー保育士の配置は義務付け られていない(村山 2013) 。従来の保育所のイメージとはかけ離れた保育環境である。 保育時間も長時間化しており、日中の大半を保育所で生活する子どもの健康生活が懸 215 念されるところである。 3歳未満児が健康的な生活を営むための保育環境について、早急に検討しなければ ならない。 4.保育活動について 日中保育の主な遊び場として「戸外」をあげた保育室は、 「室内」の約3倍多く、戸 外では、公園遊具や散歩、追いかけごっこ、ボール遊び等、身体を動かす運動遊びが 大半を占め、次いで、砂遊びであった。室内遊びでは、 「保育者とのふれあい遊び」 、 次いで「絵本・本読み」であり、保育者と密接に関わりながらの遊びであった。3歳 未満児の発達を鑑みると、運動機能の発達と共に1,2歳児では探索活動が活発にな り、2歳児になると、さらに行動範囲が広がり探索活動が盛んになる(厚生労働省 2008a)ことから、上記のような家庭的保育の戸外での身体活動は子どもの探索欲求、 運動欲求を満たすのに相応しい活動であるといえよう。 また、保育所保育指針(厚生労働省 2008b)では、乳幼児期の特性として、大人と の関係を土台とし、次第に子ども同士が相互に働きかけ関係性が構築してくることが 示されている。家庭的保育は、少人数であることから、保育者と子どもとの距離が近 く、子ども自身も保育者の存在が常に身近にあることから安心感がある。田宮(2013) は、Bowlby(1976)のいう「安全基地(secure base;自分にとって安全や安心感が得 られる活動の拠点) 」としての保育者の重要性を述べている。子どもは、自宅と変わら ない家庭的な雰囲気の中で保育者と遊び、自然に他の子どもとの遊びを広げることが できる。このような家庭的保育の遊び環境で行われる遊び・活動は、年齢的にも相応 しい遊びであるといえよう。 5.保育の連携について 国が定めたガイドラインでは、家庭的保育者に対する支援体制として、連携保育所 の確保をあげている。これは、保育者の孤立化や不透明性を防ぐために地域に連携保 育所を定め、条件として保育所が家庭的保育者の相談や助言を行うこととしている。 本調査では、近隣の保育所との連携については、 「よくある」と「時々ある」を合わ せて「ある」とすると、全ての家庭的保育室について連携がなされていることが確認 できた。しかし、 「よくある」と回答した割合は 7.6%に過ぎなかった。保育所との連 携は、各地方自治体が行うべき業務の中に掲げられている事項であり、今後の課題と いえよう。 216 連携の内容は、行事の参加が約7割(66.6%)と最も多く、次いで交流保育であっ た。保育の資質向上を図るために示されている保育者交流の実施率は、14.7%とまだ 少なく、また、保育者の休暇に充てる代替え保育や巡回指導等もこれからの課題であ った。保育所との連携体制については、家庭的保育のデメリットである保育の密室性 からの解放や、保育者の質の確保・向上等が期待されよう。 6.特別保育について 土日保育や病後児保育、一時預かり保育などの特別保育の実施率は低率であった。 また、保育補助者設置の有無と土日保育、病後児保育、一時預かり実施の有無との 関連については、それぞれ有意な差はみられなかったが、延長保育においては、保育 補助者が設置されている保育室は実施率が有意に多かったことから、保育補助者が設 置されれば、特別保育についても実施率が増加するであろう。 低率ではあるが、特別保育は多様に展開されるようになってきた。これからの家庭 的保育は、一時的、短期的な保護者のニーズへの個別対応も求められるであろう。し かし、日常保育の他に様々な業務が課せられている保育者への負担は、さらに増大す る。特別保育実施については、保育補助者の設置を積極的に検討していく必要性があ る。 今後、さらに、家庭的保育の特徴や課題を明らかにすることにより、3歳未満児の 健康生活に必要な知見を得ることとする。 ま と め 2010 年児童福祉法改訂後の家庭的保育の保育実態を調査し、家庭的保育の特徴や課 題を明らかにすることにより、3歳未満児の健康生活に必要な知見を見いだそうとし た。 その結果は以下の通りである。 (1) 家庭的保育者の年齢は 50 歳代が有意に多かった。 (2) 家庭的保育児の年齢は、1歳児が最も多く全体の 41.7%(709 名)で、次 いで2歳児 32.4%(552 名) 、0歳児 19.4%(330 名)の順であった。 (3)家庭的保育の開室(所)時刻を比較すると、家庭的保育は保育所より1時間遅 い8時台が多く、閉室時刻は保育所より2時間早い 17 時台が多かった。 家庭的保育室の1日の開室時間の平均は 9.1 時間で、保育所の開所時間の平均 217 は 11.6 時間であることから、家庭的保育の開室時間は、保育所より 2.5 時間短時 間であった。 (4)力を入れている保育内容は、第1位が「生活リズム」で 88.7%(330 か所)、 第2位が「戸外遊び」で 88.4%(329 か所)、第3位が「保育者とのふれあい」 で 69.1%(257 か所)であった。 (5)戸外遊びの平均時間は、保育補助者設置有りでは、88.9 分(±37.2 分)で、保 育補助者設置無しの平均時間 67.0 分 (±35.9 分) より有意に長かった[U=2866, p<.01]。また、保育補助者設置有りでは、戸外遊び時間の2時間以上が有意に多 く、保育補助者設置無しでは、1時間未満が有意に多かった[χ2(3)=12.538, p<.01]。 以上、家庭的保育の保育時間(開室時間)は、保育所より遅い始業、早い終業であ り、保育内容としては、戸外遊びと生活リズムに保育の力点がおかれていたことが示 された。また、保育補助者設置有りでは、戸外遊び時間が長いことから、保育の質を 高めるためにも保育補助者の設置が望まれる。 218 第2節 家庭的保育を受ける3歳未満児の保護者の意識【研究4】 目 的 家庭的保育は 2010 年、児童福祉法上に位置づけられた保育事業として施行された。 研究3では、施行後初の家庭的保育に関する保育内容や事業内容について広域調査を 実施し、家庭的保育の特徴を検証した。また、保育所との差異を確認した。 本研究では、家庭的保育を受ける3歳未満児の保護者の保育に対する意識を明らか にするものであり、保護者の視点から家庭的保育の特徴や課題を解明することにより、 3歳未満児の健康生活に寄与するための知見を得る。 方 法 1.研究対象と研究期間 (1)対象の限定 本研究では、国庫補助事業、市区町村の単独事業の家庭的保育事業者で、保育者の 居宅で子ども3~5名(保育補助者設置の場合は5名以下)を保育する個人実施型の 家庭的保育事業を受ける子どもの保護者と限定し、NPO 法人や企業が実施主体となっ ている家庭的保育室や子ども6~15 名を保育する家庭的グループ保育は除外した。な お、東京都江戸川区の家庭的保育室は独自の方式(乳児保育のみ実施)であることか ら、本研究では除外した。 (2)対象地域、対象者 調査対象地域の選定は、 「家庭的保育実施自治体情報」の家庭的保育実施市区町村に 掲載されている、2010 年 10 月現在で保育者数が6名以上の 55 自治体に書面で本調査 を依頼し、協力が得られた全国の 11 都道府県(北海道、山形県、千葉県、東京都、神 奈川県、静岡県、愛知県、滋賀県、京都府、兵庫県、福岡県)の区市町村 25 自治体が 管轄する家庭的保育利用者(家庭的保育児の保護者)とした。加えて、家庭的保育全 国連絡協議会に調査協力を依頼し、79 か所の家庭的保育室を利用する保護者を調査対 象者とした。 (3)調査期間 2011 年9月~2011 年 12 月。 219 2.調査内容 家庭的保育を受ける保護者の保育に対する意識調査項目は、次の9項目であった。 ①保育時間、②遊び・活動、③子どもの友人関係、④昼食・おやつ、⑤子育て相談の 割合、⑥子どもの体調不良による病欠席状況、⑦家庭的保育内での感染状況、⑧家庭 的保育内でのケガの状況、⑨保育全体の意識(資料1:設問 28~33) 。 本調査は、本研究1の家庭的保育児の生活習慣調査(郵送法による無記名自記式質 問紙調査)の質問項目に、本調査の質問項目を付け加える形で行った。 調査票は、2,086 枚配布し、回収率は、43.1%(899 枚)であった。そのうち有効回 答者数の 741 名を分析対象とした。 3.倫理的配慮 倫理的配慮として、本研究の調査協力が得られた自治体が管轄する家庭的保育児の 保護者、自治体、家庭的保育者に書面にて本研究の主旨と調査協力の依頼を行った。 その際に、研究への参加は自由意志であり、途中不都合が生じた場合はいつでも中断 することができること、また、それによる弊害はないこと、個人名は特定しないこと、 これに関連した研究以外には用いないこと、データは公の場で発表することなどの説 明を文書で伝え、同意を得た者のみ調査を実施した。 4.分析方法 統計処理として SPSS(ver.20)を用いて、χ2検定を行った。 結 果 1.家庭的保育の保育時間に対する保護者の意識 家庭的保育の保育時間について、 「とても満足」が 52.9%(1歳児の保護者)~59.4% (2歳児の保護者)の範囲にあった。 「とても満足」と「やや満足」を合わせ「満足」 とすると、88.3~96.0%が「満足」であった(図1) 。 子どもの年齢によって、保護者の保育時間の満足度に差があるか、χ2検定により分 析した結果、有意差は認められなかった (χ2(3)=3.017,n.s.) 。 2.家庭的保育の遊び・活動に対する保護者の意識 家庭的保育で行われる遊びや活動について、 「とても満足」が 69.5%(1歳児の保 護者)~70.6%(0歳児の保護者)の範囲にあった。 「とても満足」と「やや満足」を 合わせ「満足」とすると、93.8~98.4%が「満足」であった(図2) 。 220 子どもの年齢によって、保護者の家庭的保育の遊び・活動の満足度の割合に差があ るか、χ2検定により分析した結果、有意差は認められなかった (χ2(4)=1.965, n.s.) 。 3.家庭的保育の子どもの友達関係に対する保護者の意識 家庭的保育の子どもの友達関係について、 「とても満足」が 74.3%(0歳児の保護 者)~77.7%(2歳児の保護者)の範囲にあった。 「とても満足」と「やや満足」を合 わせ「満足」とすると、96.6~97.2%が「満足」であった(図3) 。 子どもの年齢によって、子どもの友達関係の満足度の割合に差があるか、χ2検定に より分析した結果、有意差は認められなかった (χ2(3)=4.34,n.s.) 。 4.家庭的保育の昼食・おやつに対する保護者の意識 家庭的保育の昼食・おやつについて、 「とても満足」が 73.0%(1歳児の保護者) ~76.4%(0歳児の保護者)の範囲にあった。 「とても満足」と「やや満足」を合わせ 「満足」とすると、91.6~93.3%が「満足」であった(図4) 。 子どもの年齢によって、保護者の昼食・おやつの満足度の割合に差があるか、χ2 検定により分析した結果、有意差は認められなかった (χ2(3)=4.32,n.s.) 。 5.保護者が子育て相談をする割合 保護者が家庭的保育者に育児や教育の相談をする割合について、 「良くする」が、 34.7%(0歳児の保護者)~39.9%(2歳児の保護者)の範囲にあった。また、 「良く する」と「時々する」を合わせ「相談する」とした場合、87.1~90.7%が「相談する」 であった(図5) 。 子どもの年齢によって、保護者の子育て相談の割合に差があるか、χ2検定により分 析した結果、有意差は認められなかった(χ2(6)=2.96,n.s.) 。 6.子どもの病欠席に対する保護者の意識 体調不良による子どもの病欠席の割合について、 「全く休まない」が 10.9%(2歳 児の保護者)~14.7%(0歳児の保護者)の範囲にあった。 「全く休まない」と「あま り休まない」を合わせ「休まない」とすると、62.5%(1 歳児の保護者)~73.4%(0 歳児の保護者)が「休まない」であった(図6) 。 子どもの年齢によって、体調不良による子どもの病欠席状況の割合に差があるか、 χ2検定により分析した結果、有意差は認められなかった (χ2(6)=5.43,n.s.) 。 7.家庭的保育内での感染に対する保護者の意識 221 家庭的保育内での感染の割合について、 「全く感染しない」が 14.4%(1歳児の保 護者)~20.5%(0歳児の保護者)の範囲にあった。 「全く感染しない」と「あまり感 染しない」を合わせ「感染しない」とすると、65.2%(1 歳児の保護者)~72.6%(0 歳児の保護者)が「感染しない」であった(図7) 。 子どもの年齢によって、家庭的保育内での感染の割合に差があるか、χ2検定により 分析した結果、有意差は認められなかった(χ2(6)=4.06,n.s.) 。 8.家庭的保育内でのケガに対する保護者の意識 家庭的保育内でのケガについて、 「全くケガをしない」が 37.1%(1歳児の保護者) ~54.7%(0歳児の保護者)の範囲にあった。 「全くケガをしない」と「あまりケガを しない」を合わせ「ケガをしない」とすると、88.8%(2歳児の保護者)~98.7%(0 歳児の保護者)が「ケガをしない」であった(図8) 。 子どもの年齢によって、家庭的保育内のケガの割合に差があるか、χ2検定により分 析した結果、有意差が認められたので(χ2(6)=13.15,p<.05) 、残差分析を行った。 その結果、0歳児の保護者の「全くケガをしない」が有意に多かった(図8) 。 9.家庭的保育の保育全体に対する保護者の意識 家庭的保育の保育全体の意識について、 「とても満足」が、80.8%(0歳児の保護者) ~81.9%(1歳児の保護者)の範囲にあった。 「とても満足」と「やや満足」を合わせ 「満足」とすると、97.6~100%が「満足」であった(図9) 。 子どもの年齢によって、保育全体の意識の割合に差があるか、χ2検定により分析し た結果、有意差は認められなかった (χ2(2)=1.31,n.s.) 。 222 図・表新 とても満足 やや満足 あまり満足ではない 全く満足ではない 3.9 0歳児保護者 (N=76) 59.2 1歳児保護者 (N=333) 36.8 52.9 2歳児保護者 (N=330) 35.4 59.4 0% 0.0 30.0 20% 40% 60% 80% 10.5 1.2 9.4 1.2 100% 図1 家保育時間に対する保護者の意識 とても満足 やや満足 あまり満足ではない 全く満足ではない 1.6 0歳児保護者 (N=75) 70.6 27.8 0.0 5.5 1歳児保護者 (N=333) 69.5 0.7 24.3 5.4 2歳児保護者 (N=329) 69.8 0% 20% 40% 60% 80% 図2 図2家庭的保育保護者による遊び・活動の満足度 遊び・活動に対する保護者の意識 のの意識 223 0.3 24.5 n.s. 100% NS とても満足 やや満足 あまり満足ではない 全く満足ではない 1.6 0歳児保護者 (N=75) 74.3 22.9 1歳児保護者 (N=332) 76.1 20.5 1.1 3.4 0.0 2.4 2歳児保護者 (N=329) 77.7 0% 20% 19.0 40% 60% 0.9 80% 100% 図3 子どもの友人関係に対する保護者の意識 のの意識 とても満足 やや満足 n.s. あまり満足ではない 全く満足ではない 8.4 0歳児保護者 (N=73) 76.4 0.0 15.2 6.1 1歳児保護者 (N=327) 73.0 0.7 20.3 6.9 2歳児保護者 (N=322) 75.8 0% 20% 15.8 40% 60% 80% 図4 家庭的保育の昼食・おやつに対する保護者の意識 のの意識 n.s. 224 1.5 100% よくする 0歳児保護者 (N=75) 時々する 34.7 1歳児保護者 (N=332) あまりしない 39.9 0% 8.0 56.0 37.7 2歳児保護者 (N=326) 全くしない 20% 40% 1.3 50.9 9.9 1.5 47.2 11.0 1.8 60% 80% 100% 図5 保護者が子育て相談をする割合 よく休む 1.3 0歳児保護者 (75人) 2.7 1歳児保護者 (333人) 2.1 2歳児保護者 (331人) 0% 時々休む あまり休まない 25.3 58.7 34.8 14.7 51.4 31.1 20% 全く休まない 11.1 55.9 40% 60% 10.9 80% 図6 子どもの病欠席に対する保護者の意識 225 100% よく感染する 時々する あまりしない 全くしない 2.7 0歳児保護者 (73人) 24.7 52.1 20.5 3.9 1歳児保護者 (333人) 30.9 50.8 14.4 4.0 2歳児保護者 (327人) 30.0 0% 20% 49.5 40% 16.5 60% 80% 100% 図7 子どもの感染状況に対する保護者の意識 よくする 1.3 0歳児保護者 (44人) 0.0 10.8 1歳児保護者 (181人) 時々 あまりしない 全くしない * 44.0 54.7 51.8 37.1 11.2 2歳児保護者 (176人) 0.0 0% *p<.05 47.1 20% 41.7 40% 60% 80% 図8 子どものケガに対する保護者の意識 226 100% とても満足 やや満足 あまり満足ではない 全く満足ではない 0歳児保護者 (N=76) 80.8 19.2 0.0 1歳児保護者 (N=332) 81.9 16.9 1.2 2歳児保護者 (N=331) 81.5 16.1 0% 20% 40% 60% 80% 2.4 100% 図9 家庭的保育の保育全体に対する保護者の意識 考 察 家庭的保育を受ける保護者の保育時間に対する意識は、約9割の保護者が「満足」 と回答しており、家庭的保育が保育事業として児童福祉法上に位置づけられる以前の 2005 年の調査(尾木 2006)と比較すると約 1.3 倍に増えていた。 「満足」とする割 合が増加した背景には、家庭的保育児の年齢があげられる。家庭的保育児の年齢は、 尾木(2006)の調査と比較すると、本調査では0歳児の割合が減少し、1~2歳児が 増加する傾向がみられた。増加の背景の一つとして、育児休業制度の普及が考えられ た。また、生活習慣形成の基礎となす1,2歳の時期は、保護者と共に過ごす家庭で の生活時間は重要である(安梅・田中・酒井・庄司 2004) 。保護者の8時間労働に通 勤時間を加えると、家庭的保育の平均 9.1 時間(±21 分)は、1,2歳児を抱える保 護者を想定すると、概ね適した保育時間であると推察される。 「遊び・活動」の意識については、約9割が「満足」としていた。本論、研究5の 保育内容調査の中では、日中保育の主な遊び場として「戸外」をあげた保育室は、 「室 227 内」の約3倍多く、公園遊具や散歩、追いかけごっこ等、身体を動かす運動遊びを行 っていた。また、室内遊び(3択)では、 「保育者とのふれあい遊び」が 72.8%、次 いで「絵本・本読み」が 65.6%であり、保育者と密接に関わりながらの遊びであった。 このように、家庭的保育の「遊び・活動」は、戸外では公園を利用した運動遊び、室 内では、家庭的保育者とふれあい、関わって遊ぶ遊びであった。1,2歳児の発達を 鑑みると、運動機能の発達と共に探索活動が活発になり、2歳児になると、さらに行 動範囲が広がり探索活動が盛んになる(厚生労働省 2008a)ことから、上記のような 家庭的保育の戸外での身体活動は子どもの探索欲求、運動欲求を満たすに相応しい活 動である。また、少人数の家庭的保育は、保育者と子どもとの距離が近く、子ども自 身も保育者の存在が常に身近にあり、安心感がある。子どもの発達を鑑みると、大人 との関係を土台とし、次第に子ども同士が相互に働きかけ関係性が構築してくる(厚 生労働省 2008b)ことから、保育者と子どもとのふれあい遊びは、保育者と子どもと の関係性の構築のためにも、この時期に相応しい遊びといえよう。このような室内遊 びや戸外遊びが3歳未満児をもつ保護者のニーズにも合致し、満足感を高めたと推察 する。 また、保護者の「遊び・活動」に対する満足度が高いことは、保護者がどのような 遊びを日中の保育で行っているか、家庭的保育の内容について把握できていることで もある。つまり、日中保育の遊びや活動の様子が保護者に十分に知らされていること でもあり、保護者との連絡が密に取れていることが窺える。家庭的保育は、1人の保 育者が変わらずに保育にあたる。日々の子どもの送迎時には必ず保護者と保育者が対 面することができるので、子どもの様子を十分に伝えることができることから、保護 者の安心感にも繋がる。これらのことが、 「遊び・活動」に対する満足感に繫がった一 因でもあると推察する。今後、保育者と保護者との関係性について、詳細に検証する ことが家庭的保育の特徴を明らかにする上で必要である。 「子どもの友人関係」の意識については、約 81%が「とても満足」とし、「やや満 足」を加えると約 97%が「満足」であった。家庭的保育は、異年齢の縦割り小集団保 育である。本研究1より、家庭的保育児は、きょうだいなしが約5割であることから、 家庭的保育では、家庭では味わうことが難しいきょうだいの関係が体験できる。年齢 の高い子どもは年長の自覚をもって、年齢の低い子どもの世話をし、年齢の低い子ど もは年齢の高い子どもの真似をするというように、各々の体験を通して社会性を身に 228 つけていく。このような小集団社会を体験しながら、時々、連携保育所や児童館など の集団体験を重ねることにより、やがて大きな集団保育へと無理なく移行することが できる。家庭的保育は、保護者と子どもだけの関係から、大集団へ移行する中間施設 の役割(家庭的保育研究会 b 2011)もある。保護者が子どもの友人関係について、 「満 足」とした割合が高率であった背景には、きょうだい体験や大集団への移行準備とし て、小集団の経験をしながらが連携保育所での集団経験もできるという家庭保育の特 徴(注1)にもあると推察する。 「昼食・おやつ」の意識については、約9割が「満足」としていた。家庭的保育に おける「昼食・おやつ」は、自治体により指導が異なり、自宅からの弁当の他、保育 者による手作りという場合もある。いずれにしても、ガイドライン(家庭的保育研究 会 2011a)に沿った「望ましい食習慣の定着を促す」ものであり、離乳食から幼児食 の摂食行動の自立を援助していく重要な役割がある。保護者の約9割が「満足」と回 答した背景には、摂食行動の援助が十分になされていることが窺われる。また、家庭 的な人数で食卓を囲み、食事の準備を子どもが手伝う等、家庭的保育ならではの食育 (家庭的保育全国連絡協議会 2009b)が行われていることも一因としてあげられる。 家庭的保育室の「病欠」については、約6~7割が「休まない」であった。また、 「感染」の割合は、約6~7割が「感染しない」であった。保育所保育指針にも、3 歳未満児については感染症の罹患が多いことが示されており(厚生労働省 2008c) 、 また、この時期の病気の大半を占める(菅原・大日・安井・岡部 2011) 。とくに、乳 児は疾病に対する抵抗力が弱く、また、かかった場合には重症に陥ることがあり、さ らに、心身の未熟にともなう疾病異常の発生も多い(菅原・大日・安井・岡部 2011) こと等を鑑みると、本研究で「病欠」や「感染」の割合が比較的低率であったことは、 家庭的保育が低年齢児の健康的な保育環境として適していることが推察される。就労 する保護者にとって、子どもが元気でいることは、仕事と家庭の両立を図る上で最も 基本的かつ重要なことである。しかし、家庭的保育は保育所と比較してどれくらい低 率であるかについては、客観的な研究は未だなされていない。今後、保育所と比較す る等して、より詳細な分析を行うことにより、3歳未満児の健康生活のあり方につい て、知見が得られるであろう。この研究については、次節の研究5において行う。 「ケガ」については、約 90%~100%が「ケガをしない」であった。とくに、1歳 6か月~2歳児は、ものの取り合い等の場面で攻撃あるいは防御の手段としての『噛 229 みつき』がしばしば発生するといわれる年齢(庄司 2009)である。1歳児の割合が 多い家庭的保育児は、 「噛みつき」や「引っ掻き」などのケガが多いと推察するが、本 研究では低率であった。1歳6か月前後になると「二語文」が出現するが、使用語彙 数はまだ 300 語以下であり、子ども同士の関わりも稚拙である。この年齢は、保育者 が子ども一人ひとりに丁寧に関わることにより、子どもの思いを言語化し、お互いの 存在に気づくよう配慮するなど、子ども同士の関係性を育んでいくことにより、 「噛み つき」や「引っ掻き」などのケガの防止に繋がる。 家庭的保育は、保育者一人で担当する子どもの人数は3人までである。そのため、 個別的な配慮が行いやすく、一人ひとりの子どもの発達過程、体質や気質、その時々 の興味や関心、日々の体調や機嫌に応じて、きめ細やかに保育を行うことができる(家 庭的保育研究会 2011c) 。家庭的保育のケガの低率を鑑みると、保育者の子どもとの 関わりが十分になされていると考える。 家庭的保育者に育児の相談をする割合について、 「よく相談する」が若干ではあるが、 加齢と共に増加しており、全体では、87.1%~90.7%が「相談する」であった。とく に、2歳児は自我の育ちの表れとして、自己主張が強く、自立と依存の欲求が交代で 現れる(家庭的保育研究会 2011d)ことから、子育て経験の少ない保護者にとっては ストレスの多い時期でもある。家庭的保育は、1人の保育者が変わらずに保育にあた り、日々の子どもの送迎時には必ず保護者と保育者が対面することができるので、保 護者にとっては相談しやすい体制である。安梅(2002,2013) 、安梅・田中・酒井ら(2004) は、子どもの発達にとっては、保護者が子育てについて相談できるサポーターの存在 の重要性を説いており、保育所保育指針においても、保育者の役割として保護者支援 の重要性が掲げられている。家庭的保育者は、まさに、保護者のサポーターでもある といえよう。この時期を親子双方が上手く乗り越えるためにも家庭的保育は、望まし いと考える。 「保育全体」に対しての満足度については、約 100%が「満足」と高率であった。 家庭的保育が保護者から高い評価を受けたことについて、次章の研究でさらに詳細 に検証することにより、3歳未満児の健康生活に寄与するための知見を得る。 230 ま と め 家庭的保育児の保護者を対象に家庭的保育に関する意識を調査し、家庭的保育の特 徴や課題を解明することにより、3歳未満児の健康生活に必要な知見を得ることを目 的とした その結果は以下のとおりである。 (1)保育時間については、88.3%~96.0%が「満足」であった。 (2)保育内容について、 「満足」と答えた割合は、遊び・活動が 93.8%~98.4%、 友達関係が 96.6%~97.2%、昼食・おやつが 91.6%~93.3%であった。 (3)保育全体に対する意識は、97.6%~100%が「満足」であった。 (4)体調不良による病欠席状況は、62.5%(1 歳児)~73.4%(0歳児)が「休ま ない」 、感染状況は、65.2%(1 歳児)~72.6%(0歳児)が「感染しない」、ケ ガの状況は、88.8%(2歳男児)~98.7%(0歳児)が「ケガをしない」であっ た。 以上により、保護者の家庭的保育に関する保育の意識については、 「満足」と回答し た割合が高率であり、とくに、保育時間は保育所より短時間である(本研究3)にも 関わらず満足度も高率であった。あわせて、病欠席やケガの割合が低いと感じている 保護者の割合も多かった。保護者の家庭的保育に対する満足度が高い背景には、少人 数保育であることや一人の保育者が変わらずに保育を行うこと、保護者と保育者が対 面する機会が多いこと等、家庭的保育の特徴が確認された。今後、家庭的保育が保護 者から高い評価を受けたことについて、次章でさらに詳細に検証することにより、3 歳未満児の健康生活に寄与するための知見を得る。 231 第3節 家庭的保育と保育所の3歳未満児の病欠席率の比較・分析【研究5】 目 的 子どもが健康で日常生活を送ることは保護者にとっては何よりの願いであることは いうまでもない。 乳幼児期は脳・神経系や免疫臓器、身長・体重が急激に発達する時期でもあり(八 木 2012) 、この時期に健康的な生活を送ることは、子どもの成長・発達を助長する上 でも重要である。とくに、乳児は抵抗力が弱く、また、罹患すると重篤な状態に陥る 危険性もある(菅原・大日・安井・岡部 2011,東京都感染症情報センター) 。 子育てをしながら社会で働く保護者にとっては、子どもが病気で病欠席せずに元気 で通園することは、安心して仕事に従事できることでもあり、子どもの健康は社会で 働くための条件といっても過言ではない。 また、子どもが健康的な生活を送るための支援を行うことは、保育者の責務でもあ る(厚生労働省 2008d) 。 家庭的保育の子どもの健康生活に関する先行研究では、家庭的保育における家庭的 保育児の健康管理について、小山・庄司・尾木ら(2010 年)の家庭的保育者による保 育の自己評価に関する調査報告がある。この中で、家庭的保育者自身が子どもの健康 面の管理については、90%以上ができていると自己評価しており、健康支援は取り組 まれていることが示されている。しかし、先行研究でも、保育される側の子ども自身 の健康生活に関する研究は見あたらない。 集団保育である保育所と比較すると、保育対象児が3~5名の少人数であることか ら、保育所の集団保育と異なり感染症にかかることが少ないことがいわれてきた(小 山・庄司・尾木ら 2007) 。前節、研究4の家庭的保護者の保育実感調査でも感染や病 欠席率が低いと実感している保護者の割合が多かった。しかし、客観的なデータによ る論述ではなく、これまでも解明されていない。 そこで、本研究では、客観的指標から家庭的保育と保育所の病欠席状況を比較・分 析することにより、家庭的保育児の健康生活習慣を検証し、3歳未満児の健康生活に 寄与するための知見を得る。 232 方 法 1.研究対象と研究期間 (1)対象の限定 本研究の家庭的保育は、国庫補助事業、市区町村の単独事業で、保育者の居宅で子 ども3~5名(保育補助者設置)を保育する個人実施型の家庭的保育事業と限定し、 NPO 法人や企業が実施主体となっている家庭的保育や家庭的保育者が子ども6~19 名 を保育する小規模保育は除外した。なお、東京都江戸川区の家庭的保育室は独自の方 式(乳児保育のみ実施)であることから、本研究では除外した。 保育所については、社会福祉法人の認可保育所とし、認証保育所や認可外保育所は 本研究では除外した。 (2)対象地域、対象者 調査対象地域の選定は、家庭的保育については、 「家庭的保育実施自治体情報」 (家 庭的保育全国連絡協議会 2011)に掲載されている自治体の中で、2010 年 10 月現在 で保育者数が6名以上の 55 自治体に書面で本調査を依頼し、協力が得られた6地域 (宮城県2か所、山形県1か所、神奈川県2か所、東京都3か所、京都府1か所、大 阪府1か所、 )の家庭的保育事業者(家庭的保育者)10 名を対象とした。 保育所については、調査の協力が得られた7地域(山形県1か所、宮城県2か所、 東京都2か所、千葉県2か所、埼玉県1か所、京都府1か所、福岡県1か所)の保育 所の保育士 10 名を対象とした。 (3)調査期間 2011 年 12 月~2012 年3月 2.調査内容 調査は、郵送法による無記名自記式質問紙調査であった。調査者への調査の依頼、 調査内容、手続き(調査票の送付回収方法など)は、書面や口頭で行った。 調査内容は、対象者に、0~2歳児の 2009 年度(2009 年4月~2010 年3月)の出 病欠席状況(出席者数、病欠者数) 、保育日数、月別の保育児数などについて実施した (資料2) 。なお、病欠席状況は、2011 年3月の震災の影響がない、2009 年度(2009 年4月~2010 年3月)の一年間とした。また、今回の研究では、地域差は含めずに分 析した。 調査票の配票数は、20 枚(家庭的保育者 10 名分、保育所の保育士 10 名分) 、回収 233 数は 20 枚、回収率は 100%で、回収数も 20 枚、100%であった。 3.倫理的配慮 倫理的配慮として、本研究の調査協力が得られた自治体が管轄する家庭的保育者、 保育所の保育士に書面にて本研究の主旨と調査協力の依頼を行った。その際に、研究 への参加は自由意志であり、途中不都合が生じた場合はいつでも中断することができ ること、また、それによる弊害はないこと、個人名は特定しないこと、これに関連し た研究以外には用いないこと、データは公の場で発表することなどの説明を文書で伝 え、同意を得た者のみ調査を実施した。 4.病欠席率の算出 2009 年度の1年間について、月別、年齢別に、①保育児数に保育日数を掛け算し、 延べ人数を算出した。次に、②病欠人数を延べ人数で割り算し、病欠席率を算出した。 5.分析方法 保育形態(家庭的保育、保育所)および年齢によって、病欠席率に差があるかどう かをみるために、2要因の分散分析、Bonferroni の方法による多重比較を行った。 統計処理には、SPSS(ver.20)を用いた。 結 果 保育形態(家庭的保育、保育所)および年齢(0,1, 2歳児)によって、病欠席 率に差がみられるかどうか、2要因の分散分析を行った。 その結果、保育形態(家庭的保育、保育所)による差、年齢(0,1, 2歳児)に よる差が認められた。また、保育形態(家庭的保育、保育所)および年齢(0,1, 2 歳児)との交互作用は、認められなかった(F(3,656)=0.80,n.s.) 。 1.保育形態(家庭的保育と保育所)による病欠席率の比較 家庭的保育と保育所の病欠席率には差が認められ、保育所で高かった(F(3,656) =45.45,p<.01) 。 家庭的保育と保育所の病欠席率には差が認められ、保育所で有意に高かった(F(3, 656)=45.45,p<.01) 。家庭的保育と保育所を比較すると、0~2歳児では、家庭的 保育 4.52 に対して保育所では 9.35 で、家庭的保育の病欠席率は、保育所の約 2.1 倍 低かった(図1) 。 また、年齢別にみると0歳児で約 2.1 倍、1歳児で約 1.6 倍、2歳児で約3倍も低 234 かった(表1) 。 2.年齢による差 家庭的保育と保育所の病欠席率は、年齢による差が認められた (F(3,656)=9.67, p<.01) 。1歳児が2歳児に比べ有意に高かった(表1) 。 また、0歳児が2歳児に比べ有意に高かった(表1) 。 表1.家庭的保育と保育所の病欠席率 年齢 保育形態 0歳児 1歳児 2歳児 0~2歳児の平均 家庭的保育 5.36 5.89 2.32 4.52a 保育所 11.56 9.43 7.05 9.35b 年齢ごとの平均 8.46a 7.66a 4.69b 注:添え字(a・b)は、各要因間で、同一文字で1%水準で差がないことを示す。 14 家庭的保育 11.6 12 病欠席率 保育園 9.4 10 8 7.0 5.4 6 5.9 4 2.3 2 0 0 1 2 図1 家庭的保育利用児と保育園児の病欠席率 235 (年齢) 考 察 本調査で得られた家庭的保育の病欠席率は、保育所より有意に低く、0歳児で保育 所の約 2.1 倍、2歳児では約3倍も低かった。 集団保育である保育所は、発達年齢ごとに、0歳児の乳児室と1,2歳児、3歳以 上児で保育室をそれぞれ別にしているが、集団生活のため集団感染、二次感染が起こ りやすい。 本研究では、家庭的保育児の病欠席率は保育所保育児より有意に低率であった。こ れは、第1に、家庭的保育児が3~5名(補助者設置)という少人数保育であるため、 感染源が少ないことがあげられる。第2に、家庭的保育室は、保育者の居宅という限 られたスペースであり、保育者と子どもの距離が近いために、子どもの微妙な変化に も気づきやすい。第3に、保育者の居宅という空間構成は、部屋の換気や湿度、室温 調節も容易で、健康の維持管理が行われやすい保育環境であるといえる。 2歳児では、家庭的保育、保育所はともに病欠席率は低率となった。これは、2歳 になると体力(防衛体力・行動体力)がついてくることによるものと推考する。とく に、家庭的保育の2歳児は保育所と比較すると約3倍も低率であった。この差は、保 育児の人数や家庭的保育の保育環境などに起因するものと推察する。 保育所の0歳児の病欠席率については、他のどの年齢より高かったことから、罹患 防御の再検討が必要である。しかし、家庭的保育では、0歳児より1歳児の方が若干 高く、保育所の0歳児、1 歳児より低率であった。保育所では、0歳児は幼児とは別 室である。家庭的保育は、保育所のように0歳児を別室にはしていないが、本研究結 果より0歳児と1歳児の病欠席率の差が顕著でなく、低率であったことから、感染予 防の点からは別室にする必要性はなく、乳児保育室としても適用できることが窺われ た。 子どもが病気で欠席せずに元気で保育施設に通うことは、子どもを育てながら社会 で働く保護者にとって、安心して仕事に従事できることでもあり、社会で働く条件と いっても過言ではない。 本研究で明らかとなった、家庭的保育児の病欠の低率は、3歳未満児が健康生活を 営むための示唆に富んだ結果であった。 今後、病欠席率の低率の背景について、保護者の働き方や家庭での過ごし方、家族 構成など、詳細に検証することが必要であろう。 236 まとめ 2012 年 10 月から 12 月に、家庭的保育室と保育所の3歳未満児を対象として、2009 年度(2009 年4月~2010 年3月)の病欠席状況(出席者数、病欠の者数)を調査し、 欠席率を算出した。 その結果、家庭的保育と保育所の病欠席率を比較すると、家庭的保育の病欠席率は 保育所保育児より、0歳児で約 2.1 倍、1歳児で約 1.6 倍、2歳児で約3倍も低かっ た(表1) 。 これは、保育児の人数や家庭的保育の保育環境などに起因するものと推察した。 237 第4節 家庭的保育と保育所の3歳未満児の生活習慣の比較・分析【研究6】 目 的 近年の都市化による家族規模の小規模化、少子化の進行など、現代の社会環境の変 化に伴い、共働き世帯が増加し、大都市圏では、待機児童が多く存在している(逆井 2013) 。保育の需要と供給のアンバランスの問題は未だに改善されていない。その原因 の一つとして、待機児童の約8割が3歳未満児(逆井 2013)という問題が背景にあ る。 2015 年から導入予定の子ども・子育て支援新制度では、企業や NPO 法人など様々な 実施主体による、多様な基準・条件による保育の供給方法が混在している。保育の量 的な拡大の必要性と共に、 「保育の質」の担保も重要である。3歳未満の時期は、生涯 にわたる健康生活の基礎づくりの時期であり、基本的生活習慣が確立される時期でも あり、一人ひとりの発達をふまえた丁寧な保育が求められる。 本研究では、研究1~5をふまえ、少人数保育の家庭的保育と集団保育の保育所で 保育を受ける3歳未満児の生活習慣を比較・分析することにより、3歳未満児の健康 生活に寄与するための知見を得る。 方 法 1.分析対象者 本研究1「家庭的保育の3歳未満児の生活習慣とその課題」で対象となった、家庭 的保育児 683 名(1歳男児 189 名・2歳男児 177 名,1歳女児 160 名・2歳女児 157 名)と本研究2「保育所の3歳未満児の生活習慣とその課題」で対象となった、保育 所保育児 4,121 名(1歳男児 861 名・2歳男児 1,213 名,1歳女児 851 名・2歳女児 1,196 名)を比較・分析対象者とした。なお、保育所の0歳児については対象から除 外したことから(本文 p.151 参照) 、本研究では1,2歳児を分析対象者とした。 2.分析内容 比較する内容は、健康生活を送る上で基本となる、①就寝時刻、②睡眠時間、③起 床時刻、④起床の仕方、⑤起床時の機嫌、⑥朝食開始時刻、⑦朝の排便状況、⑧朝、 保育施設に通うために家を出る時刻、⑨保育施設に通う方法、⑩遊び時間、⑪戸外遊 238 び時間、⑫主な遊び場(保育時間を除く) 、⑬テレビ・ビデオ視聴時間(保育時間を除 く) 、⑭夕食開始時刻である。 3.分析方法 ノンパラメトリック、Mann-Whitney の U 検定で分析(竹原 2008)を行った。 また、χ²検定を行った。 統計処理は、SPSS(ver.20)を用いた。 結 果 家庭的保育児と保育所保育児の生活時間の平均値と標準偏差について男女別にそれ ぞれ示した(表1-1,表1-2) 。 1.平均就寝時刻 家庭的保育児と保育所保育児との平均就寝時刻について、Mann-Whitney の U 検 定を行ったところ、1歳男児では、家庭的保育児が平均 21 時3分(±43 分) 、保育所 保育児が平均 21 時6分(±41 分) 、2歳男児では、家庭的保育児が平均 21 時 14 分(± 38 分) 、保育所保育児が平均 21 時 19 分(±41 分)で、家庭的保育児と保育所保育児 との有意差は、それぞれ認められなかった(n.s.) 。 また1歳女児では、家庭的保育児が平均 21 時4分(±45 分) 、保育所保育児が平均 21 時9分(±33 分)で、家庭的保育児と保育所保育児との有意差は認められなかった (n.s.) 。2歳女児では、家庭的保育児が平均 21 時 16 分(±40 分) 、保育所保育児 が平均 21 時 23 分(±41 分)で、家庭的保育児と保育所保育児との有意差は、それぞ れ認められなかった(n.s.) 。 2.平均睡眠時間 家庭的保育児と保育所保育児との平均睡眠時刻について、Mann-Whitney の U 検 定を行ったところ、1,2歳男児、1歳女児において家庭的保育児と保育所保育児と の有意差が認められ、1歳男児では、家庭的保育児が平均9時間 54 分(±64) 、保育 所保育児が平均9時間 47 分(±40 分)であり、家庭的保育児は保育所保育児より有 意に長時間であった(Z=-2.00 p<.05) 。2歳男児では、家庭的保育児が平均9時間 47 分(±41 分) 、保育所保育児が平均9時間 39 分(±37 分)であり、家庭的保育児 は保育所保育児より有意に長時間であった(Z=-1.90 p<.05) 。 1歳女児では、家庭的保育児が平均9時間 53 分(±42 分) 、保育所保育児が平均9 239 時間 46 分(±41 分)であり、家庭的保育児は保育所保育児より有意に長時間であっ た(Z=-2.70 p<.01)。2歳女児では、家庭的保育児が平均9時間 45 分(±38 分) 、 保育所保育児が平均9時間 39 分(±39 分)であり、家庭的保育児と保育所保育児の 有意差は認められなかった(n.s.) 。 また、家庭的保育児(男女児合算)・保育所保育児(男女児合算)と睡眠時間(10 時間以上と 10 時間以下)について、χ2検定により、その比率を分析したところ、1 歳児は有意差が認められた(χ2(1)=8.64,p<.01)ので残差分析を行った。その結果、 家庭的保育児は、10 時間以上が有意に多く(p<.01) 、保育所保育児は 10 時間未満が 有意に多かった(p<.01)。2歳児についても有意差が認められた(χ2(1)=4.09, p<.01])ので残差分析を行った。その結果、家庭的保育児は、10 時間以上が有意に多 く(p<.01) 、保育所保育児は 10 時間未満が有意に多かった(p<.01) 。 3.平均起床時刻 家庭的保育児と保育所保育児との平均起床時刻について、Mann-Whitney の U 検 定を行ったところ、家庭的保育児と保育所保育児との有意差が1,2歳男女児全てに おいて認められなかった(n.s.) 。1歳男児では、家庭的保育児が6時 56 分(±40 分) 、保育所保育児が6時 53 分(±32 分) 、2歳男児では、家庭的保育児が7時 00 分 (±34 分) 、保育所家庭的保育児が6時 58 分(±33 分)であった。1歳女児では、家 庭的保育児6時 57 分(±35 分) 、保育所保育児6時 56 分(±32 分) 、2歳女児は、家 庭的保育児7時 01 分(±31 分) 、保育所保育児7時 02 分(±33 分)であった。 また、保育形態(家庭的保育児・保育所保育児)によって起床時刻の割合に差があ るか、χ2検定により分析した結果、男児では有意差が認められた(χ2(4)=10.03, p<.05)ので残差分析を行った。その結果、保育所保育児の7時前~7時半(p<.05) と家庭的保育児の8時以降(p<.05)が有意に多かった。 女児については、有意差が認められなかった (χ2(4)=1.86,n.s.) 。 4.起床の仕方 保育形態(家庭的保育児・保育所保育児)により起床の仕方( 「いつも自分で起きる」 「自分で起きる時の方が多い」 「自分で起きる時と起こされる時が半々」 「起こされる 時の方が多い」 「いつも起こされる」 )の割合に差があるか、χ2検定により分析した結 果、1歳男児(χ2(4)=2.25,n.s.) 、2歳男児(χ2(4)=8.02,n.s.) 、1歳女 児(χ2(4)=5.88,n.s.) 、2歳女児(χ2(4)=6.97,n.s.)の全ての年齢につ 240 いて有意差は認められなかった。 5.起床時の機嫌 保育形態(家庭的保育児・保育所保育児)により起床時の機嫌( 「いつも機嫌が良い」 「機嫌の良い時の方が多い」「機嫌が良い時と悪い時が半々」 「機嫌が悪い時の方が多 い」 「いつも機嫌が悪い」 )の割合に差があるか、χ2検定により分析した結果、1歳男 児では有意差が認められた(χ2(4)=58.95,p<.01)ので残差分析を行った。その結 果、家庭的保育児の「いつも機嫌が良い」 (p<.01) 、 「機嫌の良い時の方が多い」 (p<.01) 、 と保育所保育児の「機嫌が悪い時の方が多い」 (p<.01)が有意に多かった。また、2 歳男児でも有意差が認められた(χ2(4)=11.30,p<.05)ので残差分析を行った。そ の結果、家庭的保育児の「いつも機嫌が良い」 (p<.01)が有意に多かった。 女児については、1歳では有意差は認められなかった(χ2(4)=5.81,n.s.) 。 2歳児については有意差が認められた(χ2(4)=9.54,p<.05)ので残差分析を行っ た。その結果、保育所保育児の「機嫌の悪い時の方が多い」 (p<.05)が有意に多かっ た。 6.平均朝食開始時刻 家庭的保育児と保育所保育児との平均朝食開始時刻について、Mann-Whitney の U 検定を行ったところ、1歳男児では、家庭的保育児が平均7時 24 分(±36 分) 、保 育所保育児が平均7時 17 分(±28 分)で、家庭的保育児は保育所保育児より有意に 遅く(Z=-2.153 p<.05) 、2歳男児では、家庭的保育児が平均7時 28 分(±32 分) 、 保育所保育児が平均7時 21 分(±28 分)で、家庭的保育児は保育所保育児より、有 意に遅かった(Z=-2.728 p <.01) 。 女児では、1歳児で、家庭的保育児が平均7時 28 分(±33 分) 、保育所保育児が平 均7時 15 分(±49 分)で、家庭的保育児は保育所保育児より有意に遅く(Z=-3.80 p <.01) 、2歳女児では、家庭的保育児が平均7時 27 分(±25 分) 、保育所保育児が平 均7時 23 分(±26 分)で、家庭的保育児と保育所保育児の有意差は認められなかっ た(n.s.) 。 7.朝食摂取状況 保育形態(家庭的保育児・保育所保育児)により朝食摂取状況( 「毎朝食べる」 「朝、 食べる時の方が多い」 「食べる時と食べない時が半々」 「朝、食べない時の方が多い」 「毎朝、食べない」 )の割合に差があるか、χ2検定(2×5)により分析した結果、 241 1歳男児(χ2(4)=1.21,n.s.) 、2歳男児(χ2(4)=8.28,n.s.) 、1歳女児 (χ2(4)=3.87,n.s.) 、2歳女児(χ2(4)=7.57,n.s.)の全ての年齢につい て有意差は認められなかった。 8.朝の排便状況 保育形態(家庭的保育児・保育所保育児)により朝の排便状況( 「毎朝する」 「朝す る時が多い」 「朝する時と朝しない時が半々」 「朝しない時が多い」 「毎朝しない」 )の 割合に差があるか、χ2検定により分析した結果、1歳男児では有意差は認められなか った(χ2(4)=3.28,n.s.) 。2歳男児では有意差が認められた(χ2(4)=73.41, p<.01)ので残差分析を行った。その結果、家庭的保育児は「毎朝する」 (p<.01)と「朝 する時が多い」 (p<.01) 、保育所保育児は、 「毎朝しない」 (p<.01) 、 「朝しない時が多 い」 (p<.01)が有意に多かった。 1歳女児では有意差が認められた(χ2(4)=52.68,p<.01)ので残差分析を行った。 その結果、家庭的保育児は「朝する時が多い」 (p<.01) 、保育所保育児は、 「朝しない 時が多い」 (p<.01)が有意に多かった。2歳女児でも有意差が認められた(χ2(4) =212.51,p<.01)ので残差分析を行った。その結果、家庭的保育児は「毎朝する」 (p<.01) 、 「朝する時が多い」 (p<.01)が有意に多く、保育所保育児は、 「毎朝しない」 (p<.01) 「朝しない時が多い」 (p<.01)が有意に多かった。 9.家庭的保育室や保育所に通うために朝、家を出る時刻 家庭的保育児と保育所保育児との朝、家を出る時刻について、Mann-Whitney の U 検定で分析を行ったところ、1,2歳男女児全ての年齢で、家庭的保育児と保育所 保育児との差が認められ、1歳男児では、家庭的保育児8時 27 分(±34 分) 、保育所 保育児8時 10 分(±22 分)で、家庭的保育児は保育所保育児より有意に遅かった (Z=-7.621 p<.01) 。2歳男児では、家庭的保育児8時 26 分(±48 分) 、保育所保育 児8時 12 分(±22 分)で、家庭的保育児は保育所保育児より有意に遅かった (Z=-7.40 p<.01) 。 1歳女児では、家庭的保育児は平均8時 26 分(±78) 、保育所保育児は平均8時 10 分(±23 分)で、家庭的保育児は保育所保育児より有意に遅く(Z=-6.75 p<.01) 、 2歳女児では、家庭的保育児は平均8時 25 分(±78 分) 、保育所保育児は平均8時 13 分 (±22 分) で、 家庭的保育児は保育所保育児より、 有意に遅かった (Z=-5.51 p<.01) 。 10.家庭的保育室や保育所に通う方法 242 保育形態(家庭的保育・保育所)と保育施設に通う方法について、車利用(保育所 の送迎バスや自家用車など)と車以外(公共交通機関や自転車、徒歩など)について、 χ2検定により、その比率を分析したところ、有意差が認められた(χ2(1)=936.72, p<.01)ので残差分析を行った。その結果、家庭的保育児は車以外が有意に多く、保育 所保育児は車利用が有意に多かった(p<.01) 。 11.家庭での平均遊び時間(保育時間を除く) 家庭的保育児と保育所保育児の家庭での平均遊び時間(保育時間を除く)について、 Mann-Whitney の U 検定で分析を行ったところ、1,2歳男女児全ての年齢で、家 庭的保育児と保育所保育児との差が認められた。 1歳男児では、家庭的保育児が平均2時間 20 分(±75 分) 、保育所保育児が平均3 時間 13 分(±93 分)で、家庭的保育児は保育所保育児より有意に短時間であった (Z=-7.79 p<.01) 。2歳男児では、家庭的保育児が平均2時間 22 分(±77 分) 、保 育所保育児が平均3時間 13 分(±88 分)で、家庭的保育児は保育所保育児より、有 意に短時間であった (Z=-8.07 p<.01) 。 また、1歳女児では、家庭的保育児が平均2時間 36 分(±91 分) 、保育所保育児が 平均3時7分(±97 分)で、家庭的保育児は保育所保育児より有意に短時間であった (Z=-4.77 p<.01) 。2歳女児では、家庭的保育児が平均2時間 16 分(±90 分) 、保 育所保育児が平均3時間9分(±91 分)で、家庭的保育児は保育所保育児より、有意 に短時間であった(Z=-8.26 p<.01) 。 12.平均戸外遊び時間 家庭的保育児と保育所保育児の家庭での平均戸外遊び時間(保育時間を除く)につ いて、Mann-Whitney の U 検定で分析を行ったところ、1歳男児では、家庭的保育 児が平均 30 分(±33 分) 、保育所保育児が平均 24 分(±34 分) 、2歳男児では、家庭 的保育児が平均 30 分(±27 分) 、保育所保育児が平均 29 分(±36 分)で、家庭的保 育児と保育所保育児との有意差はそれぞれ認められなかった(n.s.) 。1歳女児では、 家庭的保育児が平均 28 分(±33 分) 、保育所保育児が平均 24 分(±33 分) 、2歳女児 は、家庭的保育児が平均 27 分(±31 分) 、保育所保育児が平均 26 分(±32 分)であ り、家庭的保育児と保育所保育児との有意差は認められなかった(n.s.) 。 13.主な遊び場(保育時間を除く) 保育形態(家庭的保育・保育所)と保育時間を除く、主遊び場( 「公園」と「公園以 243 外」 )について、χ2検定(2×2)により、その比率を分析したところ、有意差が認 められた(χ2(1)=22.53,p<.01)ので残差分析を行った。その結果、家庭的保育児 は公園利用が有意に多かった(p<.01) 。 14.1日の平均テレビ・ビデオ視聴時間(保育時間を除く) 家庭的保育児と保育所保育児の家庭での1日の平均テレビ・ビデオ視聴時間(保育 時間を除く)について、Mann-Whitney の U 検定を行ったところ、1,2歳男女児 全ての年齢で、家庭的保育児と保育所保育児との差が認められた。1歳男児では、家 庭的保育児が平均1時間 15 分(±53 分) 、保育所保育児が平均1時間 40 分(±80 分) で、家庭的保育児は保育所保育児より有意に短時間であった[Z=-3.93 p<.01]。2歳 男児では、家庭的保育児が平均1時間 22 分(±52 分) 、保育所保育児が平均2時間1 分(±78 分)で、家庭的保育児は保育所保育児より、有意に短時間であった(Z=-7.04 p<.01) 。 また、1歳女児では、家庭的保育児が平均1時間 17 分(±59 分) 、保育所保育児が 平均1時間 42 分(±72 分)で、家庭的保育児は保育所保育児より有意に短時間であ った(Z=-4.48 p<.01) 。2歳女児では、家庭的保育児が平均1時間 36 分(±63 分) 、 保育所保育児が平均1時間 53 分(±76 分)で、家庭的保育児は保育所保育児より、 有意に短時間であった(Z=-2.79 p<.01]) 。 15.夕食開始平均時刻 家庭的保育児と保育所保育児の平均夕食時刻開始時刻について、Mann-Whitney の U 検定を行ったところ、1歳男児では、家庭的保育児が平均 18 時 33 分(±34 分) 、 保育所保育児が平均 18 時 32 分(±40 分) 、2歳男児では、家庭的保育児が平均 18 時 37 分(±37 分) 、保育所保育児が平均 18 時 37 分(±38 分)で家庭的保育児と保育所 保育児との有意差はそれぞれ認められなかった(n.s.) 。また、1歳女児では、家庭 的保育児が平均 18 時 34 分(±36 分) 、保育所保育児が平均 18 時 36 分(±39 分) 、2 歳女児は、家庭的保育児が平均 18 時 34 分(±33 分) 、保育所保育児が平均 18 時 38 分(±38 分)で、家庭的保育児と保育所保育児との有意差はそれぞれ認められなかっ た(n.s.) 。 244 図・表 表1-1 家庭的保育児の生活活動時間と保育所保育児児との比較(男児) 1歳児 家庭保(N=189) 0歳児 家庭保(N=46) 保育所(N=859) 対象 項目 平均値 21時04分 標準偏差 平均値 標準偏差 2歳児 家庭保(N=177) 保育所(N=1213) 平均値 標準偏差 53分 21時03分 43分 21時14分 38分 就寝時刻 21時06分 41分 21時19分 41分 9時間43分 58分 9時間54分 64分 9時間47分 41分 夜間の睡眠時間 * 9時間47分 40分 9時間39分 * 37分 6時47分 40分 6時56分 40分 7時00分 34分 起床時刻 6時53分 32分 6時58分 33分 7時25分 40分 7時24分 * 36分 7時28分 32分 朝食時刻 7時17分 28分 7時21分 * 28分 9時59分 249分 9時54分 251分 12時43分 317分 排便時刻 10時11分 251分 13時21分 295分 8時23分 34分 8時27分 34分 8時26分 48分 朝、家を出る時刻 ** ** 8時10分 22分 8時12分 22分 2時間22分 94分 2時間20分 75分 2時間22分 77分 あそび時間 ** ** 3時間13分 93分 3時間13分 88分 12分 33分 30分 33分 30分 27分 外あそび時間 24分 34分 29分 36分 1時間07分 40分 1時間15分 53分 1時間22分 52分 TV・ビデオ視聴時間 ** ** 1時間40分 80分 2時間01分 78分 18時41分 38分 18時33分 34分 18時37分 37分 夕食開始時刻 18時32分 40分 18時37分 38分 ※家庭保:家庭的保育児 保育所:保育所保育児 *p<0.05 , **p<0.01 家庭保 保育所 家庭保 保育所 家庭保 保育所 家庭保 保育所 家庭保 保育所 家庭保 保育所 家庭保 保育所 家庭保 保育所 家庭保 保育所 家庭保 保育所 表1-2 家庭的保育児の生活活動時間と保育所保育児との比較(女児) 1歳児 家庭保(N=160) 0歳児 家庭保(N=31) 保育所(N=851) 対象 項目 平均値 21時32分 標準偏差 62分 平均値 標準偏差 21時04分 45分 就寝時刻 21時09分 33分 9時間18分 56分 9時間53分 42分 夜間の睡眠時間 9時間46分 * 41分 6時54分 40分 6時57分 35分 起床時刻 6時56分 32分 7時28分 44分 7時28分 33分 朝食時刻 ** 49分 7時15分 9時28分 261分 11時31分 295分 排便時刻 10時46分 270分 8時34分 58分 8時26分 78分 朝、家を出る時刻 8時10分 ** 23分 2時間26分 80分 2時間36分 91分 ** あそび時間 3時間07分 97分 12分 33分 28分 33分 外あそび時間 24分 33分 1時間18分 48分 1時間17分 59分 TV・ビデオ視聴時間 ** 72分 1時間42分 18時44分 59分 18時34分 36分 夕食開始時刻 18時36分 39分 ※家庭保:家庭的保育児 保育所:保育所保育児 家庭保 保育所 家庭保 保育所 家庭保 保育所 家庭保 保育所 家庭保 保育所 家庭保 保育所 家庭保 保育所 家庭保 保育所 家庭保 保育所 家庭保 保育所 245 2歳児 家庭保(N=157) 保育所(N=1184) 平均値 標準偏差 21時16分 40分 21時23分 41分 9時間45分 38分 9時間39分 39分 7時01分 31分 7時02分 33分 7時27分 25分 7時23分 26分 12時51分 306分 14時17分 274分 8時25分 78分 8時13分 ** 22分 2時間16分 90分 3時間09分 ** 91分 27分 31分 26分 32分 1時間36分 63分 ** 1時間53分 76分 18時34分 33分 18時38分 38分 *p<0.05 , **p<0.01 考 察 調査結果をもとに健康生活の基盤となる睡眠習慣、食習慣、運動習慣の視点から、 以下に考察する。 1.睡眠習慣 健康生活の目標とした、就寝時刻(21 時前) ・睡眠時間(夜間 10 時間以上) ・起床 の仕方(自分で起きる) ・起床時の機嫌(起床時の機嫌が良い)などから睡眠習慣を検 討する。 (1)就寝時刻 平均就寝時刻は、健康生活の目標である 21 時前就寝が家庭的保育児は、14.5%(2 歳女児)~26.0%(1歳男児) 、保育所保育児が 13.2%(2歳女児)~26.5%(1歳 男児)しかおらず(本研究1,2より) 、21 時前就寝に届かなかった。家庭的保育児 と保育所保育児の差も認められず、近年の社会的保育の課題である「遅寝」が本研究 でも家庭的保育児、保育所保育児共に確認され、21 時前就寝の課題があげられた。 就寝時刻が 22 時以降の子どもについては、 家庭的保育児の1歳児で男女平均 10.2%、 2歳児で男女平均 24.4%、保育所保育児の1歳児で男女平均 18.7%、2歳児で男女平 均 27.4%であり、家庭的保育児、保育所保育児共に2歳になると 22 時以降就寝の割 合が増加することから、留意すべき課題である。 (2)睡眠時間・起床の仕方・起床時の機嫌 夜間の平均睡眠時間は、家庭的保育の1歳男女児、2歳男児は、保育所保育児より 有意に長時間睡眠であり、健康生活の目標である 10 時間以上の睡眠も、保育所保育児 より有意に多かった。とくに、家庭的保育の1歳児は 52.3%(男児)~62.7%(女児) が 10 時間以上の睡眠がとれていた。 また、夜間の良好な睡眠を得ている目標の一つとして、起床時の機嫌、自立起床が ある。自立起床は、家庭的保育児の 22.5%(2歳男児)~28.8%(1歳男児) 、保育 所保育児の 19.7%(2歳女児)~31.9%(1歳男児)が自立起床をあげ、家庭的保育 児と保育所保育児の差はみられず、低率であった。起床時の機嫌については、家庭的 保育の1,2歳男児は保育所保育児より、 「起床時の機嫌が良い」とする割合が有意に 多く、70.1%(1歳男児)~75.9%(2歳男児)と高率であった。保育所保育児は、 10 時間以上の睡眠時間を確保し、良好な睡眠を得ることにより、起床時の機嫌が良く なる割合も増加するであろう。 246 子どもの睡眠習慣は保護者、とくに、母親の生活習慣との関連性が示されている(新 小田・末次・加藤・神山ら 2011,泉・前橋・町田 2011) 。健康的な睡眠習慣を形成 するためには、母親の意識改善も必要である。 第5章では、質的研究により、家庭的保育と保育所の3歳未満児をもつ母親の生活 習慣に関する意識を明らかにする。 2.食習慣 毎朝の朝食摂取状況は、家庭的保育児、保育所保育児はともに約7~8割で、約2 ~3割の未摂取が課題となった。 また、定期的な朝の排便は、家庭的保育児の2歳男女児で約2~3割にみられた。 保育所保育児と比較すると、家庭的保育は「毎朝する」と「朝する時が多い」が保育 所保育児より有意に多く、保育所保育児は、 「毎朝しない」と「朝しない時が多い」が 有意に多かった。また、定期的な朝の排便は、2歳児になると家庭的保育児は高率に なり、反対に、保育所保育児は低率になった。2歳の時期は、食事、排泄の自立のた めの身体機能も整ってくることから、2歳時期の朝の排便習慣は重要である。 神山(2011)は、朝食後の排泄は、自律神経系の活動の昼夜の区別が生理的になさ れていることを判断する重要なポイントであると述べ、前橋(2006)は、朝、排便を 済ませていないと、日中、快適に集中して活動できないことをあげ、朝の排便は健康 生活を送るうえで、重要な習慣の一つであると述べている。 朝の排便は、排便を促すための朝食摂取や定期的な3食の食事の充実、前日の夕食 開始時刻に加えて、朝の排便に費やすゆとり時間が必要である(神山 2011) 。家庭的 保育児の起床から家庭的保育室に行くために家を出る時間は、保育所保育児より有意 に長く、平均 12 分(2歳男児)~15 分(1歳女児)であった。これは、家庭的保育 の始業時間(開所時間)に起因する。家庭的保育の始業時間(開所時間)は、8時台 が 69.6%で最も多く、保育所は7時台で 94.4%を占めていた。保護者の就労支援を考 えるなら、早い始業は必要であるが、子どもの健康生活を鑑みると、朝のゆとり時間 が必要である。 家庭的保育児、保育所保育児の食習慣は、約2~3割の朝食の未摂取が課題となっ た。習慣化しないように留意しなければならない。また、定期的な朝の排便習慣につ いては、排便を促す朝のゆとり時間の確保が課題となった。とくに、保育所保育児は 加齢とともに減少傾向がみられ、2歳児では、約1割に満たなかったことが懸念され 247 た。 3.運動習慣 「運動習慣」であるが、保育時間以外の主な遊び場として、家庭的保育は「公園」 を約6~7割があげ、保育所より有意に多く、また、家庭での戸外遊び時間は、1, 2歳児で約 30 分であった。これは、保育所より終業時刻が早いため、公園に行くゆと り時間が確保できること、また、通園方法が車以外の自転車や公共交通機関などを利 用していることから、帰宅途中に公園に立ち寄れやすいことが考えられる。また、本 論、研究3の家庭的保育の保育実態調査では、日中保育の中で、公園利用が9割と、 頻繁に利用されており、公園遊びが保育の中に根付いていることから、家庭にも連続 したものと推考した。 早寝を促すためには、午後の運動遊びの必要性が説かれており(松尾・前橋 2007) 、 家庭的保育児の公園利用は、早寝のために重要であるといえよう。 帰宅後の家庭での遊び時間は、平均2時間 16 分(2歳女児)~2時間 36 分(1歳 女児)で、保育所保育児と比較すると、家庭的保育児の方がどの年代においても有意 に短時間であり、また、1日のテレビ・ビデオ視聴時間も保育所保育児と比較すると 家庭的保育児の方が有意に短時間であった。これは、就寝までに遊び以外で費やす時 間、つまり、夕方の買い物時間や衣服の着替え、手洗い、排泄、入浴、などの生活時 間に費やしていることが考えられた。今後、さらに、帰宅後の子どもの生活について 詳細な分析が必要である。 ま と め 先行研究で未解明であった家庭的保育児の生活習慣を全国的に調査し、子どもの年 齢や性、健康条件分析の条件に入れて検討の上、保育所保育児の生活習慣と比較検討 し、3歳未満児の生活習慣の特徴を明らかにした。 その結果は以下のとおりである。 (1)睡眠習慣については、家庭的保育、保育所ともに健康生活の目標である 21 時 前就寝には届かず、就寝時刻を早めることが課題としてあげられた。睡眠時間に ついては、家庭的保育児は、保育所保育児と比較すると有意に長時間睡眠であり、 健康生活の目標である 10 時間以上睡眠も保育所保育児と比較すると有意に多か った。10 時間以上睡眠は、1歳児で5~6割、2歳児で約5割となり、加齢と共 248 に減少傾向になることから、留意しなければならない。保育所1,2歳児は、10 時間以上の睡眠時間を確保することも課題となった。 また、健康生活の目標である「起床時の機嫌が良い」とする割合は、家庭的保 育児は保育所保育児より有意に高率で、1,2歳児の約7割に起床時の機嫌の良 さが確認できた。 (2)食習慣については、朝食摂取率は、家庭的保育児、保育所保育児はともに約7 ~8割で、毎日欠食する子どもは、約2~3割であるが習慣化しないよう留意す べき課題であった。 朝の排便については、家庭的保育2歳児は保育所保育児より有意に高率で、定 期的な朝の排便が、約2~3割にみられた。 (3)運動習慣については、保育施設に通う方法として、家庭的保育児は、保育所保 育児より、車以外が有意に多かった。また、家庭的保育児の帰宅後の公園利用が 約7割あり、保育所と比較して有意に多いことが明らかになった。 家庭でのテレビ視聴時間は、1 歳児の約6割は1時間以内であり、家庭的保育児 は、保育所保育児より有意に短時間であった。 以上、健康を支える睡眠習慣、運動習慣、食習慣において3歳未満児が健康生活を 送る上で、家庭的保育児、保育所保育児の特徴や課題が明らかになった。睡眠習慣、 運動習慣、食習慣に関わる生活活動は、循環しており、あわせて、生活時間相互が深 く関わりあっており、早寝になることにより、次第に関連性が深い要因が引き連れら れて、健康的な生活リズムが作られていく。 日中保育においては、子ども一人ひとりの 24 時間の生活習慣を考慮した柔軟な保育 計画と、家庭との連携を強化して家庭と共に子どもの健康生活を育むことにより、3 歳未満児の健康的な生活習慣が形成されるであろう。 249 第5節 総合的考察 家庭的保育は、保育所と同等の通所要件をもつ子どもを保育する保育施設であり、 保育所保育指針に基づき、子どもの健康生活を保障していく保育の場でもある。 従来、乳幼児期の子どもを対象とした生活習慣調査は数多く実施され、子どもの生 活習慣が報告されるとともに、子どもたちが抱える問題や課題が分析され、子どもの 健康生活へ寄与されてきた。 しかし、 60 年以上の長い歴史をもつ家庭的保育であるが、 家庭的保育児の生活習慣研究は、これまで実施されてこなかった。 本論では、研究1において、家庭的保育を受ける3歳未満児の生活習慣を検証し、 研究2において、保育所の3歳未満児の生活習慣を検証した。また、研究1,2をふ まえ、研究3として、2010 年家庭的保育が児童福祉法上に位置づけられ、保育事業(国 庫補助事業)として施行された後の家庭的保育の事業内容や保育内容の広域調査研究 を行った。 家庭的保育の保育者の平均年齢は 46.7 歳で、保育所の保育士(私立保育所)との年 齢差は、約 20 歳であった。2005 年の家庭的保育の保育調査(尾木 2006)をみると、 本研究では、30 歳代が増えており、若返りの兆しがみえた。これは、家庭的保育が 2008 (平成 20)年に改正児童福祉法の成立により、家庭的保育は保育事業として児童福祉 法上に位置づけられ、保育者の位置づけが明確になったこと、家庭的保育が社会の中 で、認知されてきたことによるものと推察される。 家庭的保育の開所時刻は8時台、閉室時刻は 17 時台、保育時間は平均 9.1 時間で、 9~10 時間未満保育が有意に多かったが、保育所の開所時刻は7時台、閉室時刻は 19 時台で、保育時間は平均 11.6 時間、11 時間以上の延長保育が 74.1%を占めていた(全 国社会福祉協議会・全国保育協議会編 2012,実方 2013)ことから、家庭的保育は、 保育所より遅く始まり、早く終わることが明らかとなった。就労する保護者にとって は、保育時間の不足を感じているのではないかと推察したが、本論、研究4の家庭的 保育を受ける保護者の家庭的保育に関する意識では、保育時間については、88.3%~ 96.0%が「満足」と高率であった。その他、家庭的保育の「遊び・活動」 、 「子どもの 友人関係」 、「保育全体」の保護者の満足度は、約8~9割と高率で、尾木(2006)に よる、在宅保育調査の家庭的保育の 2005 年の調査より高率であり、家庭的保育の質の 向上が窺えた。また、研究1からは、家庭的保育室に子どもを預ける時の様子につい て、93.6%(0歳女児)~97.1%(2歳男児)の保護者が子どもの楽しそうな様子を 250 あげており、子どもと家庭的保育者との関係性も良好であることが示唆された。 保育所保育指針(厚生労働省 2008c)にもあるように、低年齢の時期は感染の罹患 率は高い時期でもあるが、保護者の実感では「病欠」や「感染」の割合が低率であっ た。しかし、保育所の集団保育と比較し、どれくらい低率であるかについては、客観 的な研究はなされていなかった。保育所と比較し、より詳細な分析を行うことにより、 家庭的保育の特徴が明らかになると考え、研究5では、家庭的保育児の体調不良によ る病欠席状況について分析を行った。その結果、家庭的保育児の体調不良による病欠 席率は保育所保育児と比較して 1.6~3倍低率であった。このことから、子ども3~ 5人を対象に、保育者の居宅で行う家庭的保育の保育時間や保育環境は、体力や抵抗 力が少ない3歳未満児にとって、健康的な生活を送る上で示唆に富むものであった。 上記、研究1~5をふまえ、研究6では、研究1の家庭的保育児の生活習慣と研 究2の保育所保育児の生活習慣について、睡眠習慣、食習慣、運動習慣の視点から比 較・分析を行った。 睡眠習慣については、家庭的保育、保育所ともに健康生活の目標である 21 時前就寝 には届かず、社会的保育の課題としてあげられた。 夜間の睡眠時間については、家庭的保育児は保育所保育児と比較すると有意に長時 間睡眠であり、健康生活の目標である 10 時間以上睡眠も有意に多かった。しかし、家 庭的保育児の 10 時間以上睡眠は、1歳児で5~6割、2歳児で約5割となり、加齢と 共に減少傾向になることから、留意しなければならない。保育所の1,2歳児は、10 時間以上の睡眠時間を確保することも課題となった。 「起床時の機嫌」については、家庭的保育児は、保育所保育児より「起床時の機嫌 が良い」が有意に多く、約7割が朝の機嫌の良さをあげており、夜間の良好な睡眠が 得られていることが示唆された。 食習慣については、朝食摂取率が家庭的保育児、保育所保育児は共に約7~8割で あり、毎日欠食する子どもは、約2~3割であった。習慣化しないよう留意すべき 課題としてあげられた。 朝の排便については、2歳児において、家庭的保育児は保育所保育児より有意に高 率で、約2~3割に朝の定期的な排便があることを確認した。 運動習慣については、家庭的保育児は保育所保育児より、帰宅後の公園利用が約7 割と有意に多く、公園を利用した運動の習慣化が示唆された。また、家庭でのテレビ 251 視聴時間が保育所保育児より有意に短時間であることを明らかにした。 以上、健康を支える睡眠習慣、運動習慣、食習慣から、家庭的保育、保育所の3歳 未満児の生活習慣の特徴を明らかにした。また、家庭的保育、保育所の課題をあげた。 次の研究7~10 では、上記の結果をふまえ、日中保育における3歳未満児の生活 習慣形成に関して質的研究にて詳細に分析し、3歳未満児の健康生活に寄与するため の知見を得ることとする。 252 【注】 (注1)本研究3より、家庭的保育の連携保育所は 92.4%であった。子どもは、行事 参加や交流保育との機会を通し、徐々に保育所の集団保育に慣れていく。 東京都葛飾区では、連携保育所の歯科検診を受診できるようになった(葛飾 区家庭的保育の会報 2013) 。自治体によって異なるが、今後、様々な連携が期 待される。 【引用文献】 安梅勅江,2002, 「長時間保育の子どもの発達への影響に関する追跡研究―2年後の子 どもの発達に関連する要因に焦点をあてて―」 『社会福祉学』43(1) ,pp.125-134. 安梅勅江・田中裕・酒井初枝・庄司ときえ,2004, 「長時間保育の子どもの発達への影 響に関する追跡研究」 『日本社会福祉学会誌』10(2) ,pp.9-17. 安梅勅江,2013, 「子育ち環境が学童期の心身に及ぼす影響―コホート研究からみたエ ンパワメントの必要性―」 『子どもと発育発達』11(3) ,pp.163-166. Bowlby J,1976, 『母子関係の理論Ⅰ-愛着行動-(新版) 』 ,黒田実郎・大羽葵・岡 田洋子・黒田誠一 訳,岩崎学術出版社. 稲川登史子,2013, 「増える共稼ぎ世帯と育児休業法」 『保育白書 2013』全国保育団体 連絡会,pp.9-10. 泉 秀生・前橋 明・町田和彦,2011, 「幼児の生活習慣に関する研究-保育園5・6 歳児とその保護者の1週間の生活記録分析-」 『保育と保健』 17(2)pp.75-79. 葛飾区家庭的保育の会報,2013. 家庭的保育全国連絡協議会,2009, 『はじめよう!0,1, 2歳児の家庭的保育』福 村出版,pp.22-23. 家庭的保育全国連絡協議会,2011,『家庭的保育のいま・これから 家庭的保育実施自 治体情報 2010』NPO 法人家庭的保育全国連絡協議会,pp4-79. 家庭的保育研究会,2011a, 『家庭的保育の基本と実践 家庭的保育基礎研修テキスト改 訂版(増補資料) 』福村出版,pp.1-15. 家庭的保育研究会,2011b, 『家庭的保育の基本と実践 家庭的保育基礎研修テキスト』 福村出版,p.14. 家庭的保育研究会,2011c, 『家庭的保育の基本と実践 家庭的保育基礎研修テキスト』 253 福村出版,p.13. 家庭的保育研究会,2011c, 『家庭的保育の基本と実践 家庭的保育基礎研修テキスト』 福村出版,p.27. 厚生労働省,2008a, 『保育所保育指針解説書』フレーベル館,p.113-114. 厚生労働省,2008b, 『保育所保育指針』フレーベル館,p.8. 厚生労働省,2008c, 『保育所保育指針』フレーベル館,p.20. 厚生労働省,2008d, 『保育所保育指針』フレーベル館,pp.27-30. 神山 潤,2011, 「発達睡眠生理学」 『子どもと発育発達』8(4),pp.248-253. 小山 修・庄司順一・尾木まり他,2006, 「家庭的保育のあり方に関する調査研究(2) 」 『日本子ども家庭総合研究所紀要』44,p.67. 小山 修・庄司順一・尾木まり他,2007, 「 [チーム研究3-2]家庭的保育のあり方 に関する調査研究(1) 」 『子ども家庭総合研究所紀要』43,p.90. 小山 修・庄司順一・尾木まり他,2010, 「家庭的保育のあり方に関する調査研究」 『子 ども家庭総合研究所紀要』46,p.88. 前橋 明,2006, 『保育園児の健康福祉に関する研究』 「保育と保健」12(1),pp.31-35. 松尾瑞穂・前橋明,2007, 「石川県における幼児の健康福祉に関する研究」 『子どもの 健康福祉研究』11,pp.42-50. 前田正子,2006, 『子育てしやすい社会』ミネルヴァ書房, p.145. 水谷百合子,2013「保育所入手御児童の年齢別割合」全国保育団体連絡会・保育研究 所編『保育白書 2013』ひとなる書房,p.63. 村山祐一,2013,「保育制度・政策の原理と動向」全国保育団体連合会編『保育白書 2013』ひとなる書房,pp30-35. 本保恭子・中居麻有・前橋 明,2004,「子どもの健康な発達と子育て環境」『子ども の健康福祉研究』2,pp.3-26. 二木 武・帆足英一・川井 尚・庄司順一,1995, 『新版 小児の発達栄養行動-摂食 から排泄まで/生理・心理・臨床-』医歯薬出版株式会社,pp.211-214. 尾木まり,2006, 「在宅保育の効果に関する研究-利用の効果および利用後の意識の変 化-」 『平成 17 年度児童関連サービス調査研究等事業等報告書』財団法人子ども未 来財団,pp.1-16. 逆井直紀,2013, 「深刻な保育所の待機児童問題」全国保育団体連合会・保育研究所編 254 『保育白書 2013』ひとなる書房,pp.59-60. 佐野祥平・松尾瑞穂・前橋 明,2012, 「幼児の良好な睡眠についての検討」『保育と 保健』18(1) ,pp.27-30. 新小田春美・末次美子・加藤則子・浅見美恵理子・内村直尚・樗木晶子・西岡和男・ 大久保一郎・松本一弥・南部由美子・加来恒壽,2012, 「幼児の遅寝をもたらす親子 の睡眠生活習慣の分析」 『福岡医学雑誌』103(19) ,pp.12-23. 実方伸子,2013, 「保育所の開所時間と延長保育」全国保育団体連絡会・保育研究所編 『保育白書 2013』ひとなる書房, p.62. 菅原民枝・大日康史・安井良則・岡部信彦,2011, 「保育所サーベランス,保育所欠席 者・発症者情報収集システム」 『小児科』52(10) ,pp.1371-1374. 相馬直子,2004, 「子育ての社会化」のゆくえ―「保育ママ制度を」をめぐる政策 保 育者・保育者の認識に着目して―, 『社会福祉学』45(2) ,pp.35-45. 庄司順一,2009, 「かみつき」森上史郎・柏女霊峰編『保育用語辞典第5版』ミネルヴ ァ書房,p.315. 竹原卓真,2008, 『SPSSのススメ1』 (株)北大子書房,p.228. 田宮 緑,2013, 『領域人間関係』萌文書林,pp.34-65. 東京都感染症情報センター idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/sars/sars/spreader/ 八木 保,2012, 「秘められた力」 『子どもと発育発達』9(4) ,pp.276-279. 全国社会福祉協議会・全国保育協議会,2012,『全国の保育所実態調査報告書 2011』 , pp.6-74. 255 第5章 3歳未満児の生活習慣に関する保育者・保護者の意識 本論、研究3~6では、家庭的保育児と保育所保育児の生活習慣を比較・分析し、 家庭的保育児の健康を支える睡眠習慣、運動習慣、食習慣において、その課題と保育 の特徴を明らかにした。とくに、家庭的保育は、病欠席率が低率な保育環境や日中保 育における頻繁な戸外遊び、保護者の保育に関する満足度が高率であること、また、 家庭での公園利用が多く、テレビ視聴時間が短時間であること等、3歳未満児が健康 生活を送る上で、望ましい生活の特徴もみられた。また、これらは、量的な研究では 説明がつかない点もいくつか示された。 本章では、これまでの研究1~6の結果をふまえ、量的な研究では説明がつかない 点やみえてこなかった、日中保育の生活習慣形成支援について、質的研究にて詳細に 分析し、3歳未満児が健康生活を送る上で望ましい社会的保育のあり方を明らかにし ていく。 研究7,8では、3歳未満児の生活習慣形成に関わる家庭的保育者や保育所の保育 士の支援プロセスを検証する。そして、研究9,10 では、家庭的保育や保育所の保育 を受ける3歳未満児の母親からみる子どもの生活習慣形成プロセスを検証する。 なお、本章、研究7~10 において用いる定義は、本論(pp.8~12)に示した。 また、本章では、以下の用語の定義を加えた。 用語の定義 ・生活習慣 本研究における生活習慣とは、 保育所保育指針に示されている (厚生労働省 2008a) 、 生活に必要な基本的な習慣である食事、排泄、睡慣、衣服着脱、清潔習慣に、生活 リズム、遊びを加え、生活習慣とした。 ・保育の協力者 本研究における保育の協力者とは、保育者の家族や地域住民などを指し、子ども の遊び相手や家庭的保育室の安全面で協力してくれる人とした。 倫理的配慮 本研究の調査協力が得られた自治体、自治体が管轄する家庭的保育者、家庭的保育 児の保護者に、それぞれ書面にて本研究の主旨と調査協力の依頼を行った。実施にあ たり、インタビュー対象者には筆者から研究の主旨、面接方法及び参加の自由意志、 中途辞退の権利、不利益からの保護、プライバシーの保護、個人情報の保護、得られ 256 た情報を本研究以外の目的で使用しないこと、研究結果の公表などについて、文書と 口頭にて説明し、同意書に署名を得た。面接より得られたデータは、研究者が厳重に 保管した。 本研究は、聖徳大学倫理委員会の承認(NO,聖大総 第297号)を得た。 分析方法 分析は、KJ法により、インタビュー内容の全体を把握、分析した。KJ法は、 「分 析と集約を通して、分析前には気付かなかったことを創造的に示す」(田垣 2008, 川喜田 1967)という特徴をもつ分析手法である。保育者や母親の思いや考え等、イ ンタビュー内容を構造化するために適した方法であると判断した。 分析手順は次の通り行った。①逐語録から、それぞれ意味のひとまとまりの文章を 1単位として付箋紙に記す(文章が長文の場合でも、ひとまとまりの文章であれば1 単位とする)。また、一文で付箋紙が2枚付く(文章を分割すると意味が読み取とれ なかったり、また、保育の特徴が顕現しないため)場合は、該当する部分をアンダー ラインで示す。②模造紙を用意し、模造紙上に付箋紙をランダムに配置する。③複数 の付箋紙から、内容の似たものを集めグループ化し、各グループに表札(ラベル)を 付けコード化する。④次にグループ間の関係性について検討し、関係性のあるグルー プを集めカテゴリーを生成する。グループ間の関係性を見いだせないコードは、単独 でカテゴリーとする。⑤さらに、関係性のあるカテゴリーを集めコアカテゴリーを生 成し、相互の関係を検討する。 なお、本研究では、コードを生成する際に付箋に記した逐語をまとめて、コードご とに表示した。 コード、カテゴリー、コアカテゴリーの生成、分析において、研究協力者として、 保育士養成課程をもつ大学の研究者1名、保育士1名、計3名とともに行い、また、 大学の研究者1名にスーパービジョンを受けた。 257 第1節 3歳未満児の生活習慣形成に関わる家庭的保育者の支援プロセス【研究7】 目 的 家庭的保育者が日中保育の中で、3歳未満児の健康的な生活習慣確立に向けて、ど のような思いや考えで生活習慣形成支援を行っているのか、その支援プロセスを明ら かにし、家庭的保育を受ける3歳未満児の健康生活に寄与するための知見を得る。 方 法 1.調査対象と調査期間 (1)調査対象地域 調査対象地域の要件として、以下、①~⑤を設定し、T市,M市を選定した。 ①自治体の取り組みとして家庭的保育が旧来から実施され、現在も積極的に取り組 まれている。②連携保育所が設置されている。③家庭的保育者同士の連絡会があり、 研鑽を積んでいる。④待機児童が比較的多い(900 名以上)都道府県(全国保育団体 連絡会 2013) 。⑤本研究への協力が可能であること。 (2)調査対象者の要件 対象者の選定要件として、以下の5要件を満たしていることとした。 ①自治体の認定を受けて家庭的保育事業を行っている保育者であること。②保育形 態は、保育者の居宅で子ども3名までの保育を行っている家庭的保育であること。③ 保育補助者、あるいは、保育の協力者が設置されていること。④家庭的保育経験が6 年以上(注1)の経験者であること。⑤保育者の年齢は、40~60 歳代(注2)であること。 以上、①~⑤をふまえ、T市,M市の家庭的保育の担当部署を通して、研究協力の 説明・依頼を行い、協力の承諾を得られた家庭的保育者7名を研究対象者とした。な お、研究対象者7名の内6名は保育士資格を有し、1名は自治体の認定者を受けた家 庭的保育者であったが、本対象者は、家庭的保育経験年数が 15 年を有しており、自治 体からの推薦もあり対象者に加えた。 対象者の概要は、表1に示した。 (3)調査期間・場所 調査期間は、2013 年5月9日~5月 29 日。 インタビューの場所は、家庭的保育者の勤務時間外に安心して話ができる場として、 258 各対象者が希望した保育者の居宅、地域の公民館で行った。 2.調査方法・内容 半構成化面接法(寺下 2011)を用いて、対象者にインタビューによる面接を実施 した。事前にインタビューガイドを作成し、インタビューガイドに沿って一人約 30 分 間の面接を行った。また、対象者の了解を得て IC レコーダーへ録音を行い、後に逐語 録をおこした。質問は、以下の3項目であった。 <質問内容> 1)保育児の生活習慣形成を支援する際に、どのようなことを心がけているか。 2)家庭での生活習慣形成に対して、保護者にどのような支援を心がけているか。 3)その他自由な語り。 表1 対象者の概要 対象者 年齢 性別家庭的保育経験年数資格 保育人数 F1 50歳代 女 6 保育士 3 F2 60歳代 女 7 保育士 3 F3 50歳代 女 17 保育士 3 F4 40歳代 女 11 保育士 3 F5 60歳代 女 15 保育士 3 F6 50歳代 女 7 保育士 3 F7 60歳代 女 15 自治体認定者 3 結 果 1.研究対象者の背景 対象者は、平均 55.0 (±6.5)歳で、保育経験年数は、平均 11.1 (±4.6)年であった。 2.分析結果 逐語録から、生活習慣や遊びに関するデータ(付箋の総数)は 99 であった。そこか ら、28 のコード、13 のカテゴリー、さらに、6のコアカテゴリーが生成された。記述 にあたっては、コードは<>、カテゴリーは【 】、コアカテゴリーは[太字]で示 259 した。 (1)[個々のペースを尊重した健康的な生活習慣形成支援] このコアカテゴリーは、4のカテゴリーで構成される。 ①【同じ保育者の日々一貫した支援】 家庭的保育者は、保育者が1日中交代することなく、保護者が迎えに来るまで<同 じ保育者による生活習慣形成>は、子どもの心の安定、保護者の安心感に繫がると考 えていた。また、とくに、保育所勤務経験のある家庭的保育者は、家庭的保育は<子 どものペースに合わせた生活習慣形成支援>であることを強調していた。 ②【個々の遊び心を満たす環境】 家庭的保育者は、子どもがその遊びに<没頭できる遊び環境>整え、<個々の遊び 心の充足>を意識した、遊び環境を整えることに努めていた。 ③【保育補助者が支える生活習慣】 <保育者の家族が支える生活習慣><保育補助者が支える生活習慣>など、保育の 担い手としての保育補助者の存在を大切に思っていた。 ④【遊びや生活を支えるバラエティな人的環境】 地域の高齢者や家庭的保育の卒業生などの<遊びを支える地域住民>や<生活を支 える地域住民>らの人的環境は、家庭的保育の特徴であると考えていた。 (2)[遊びを通したきめ細やかな基本的生活習慣形成支援] このコアカテゴリーは、3のカテゴリーで構成される。 ①【遊びを通しての排泄習慣支援】 およそ何時ぐらいになると尿意をもよおしてくるか、<個々の排泄状況の把握>に 努め、排尿のタイミングに気をつけていることが示された。また、<遊びを通しての 排泄習慣支援>であることを心掛けていた。 ②【オンリーワンの衣服着脱支援】 衣服着脱が苦手な子どもの背景を探り、その子どもに適した衣服着脱遊びの考案< オンリーワンの着脱習慣の工夫>や<個々に楽しみながらの着脱習慣>となるよう、 玩具やゲーム等を用いて、楽しみながらの生活習慣形成を心掛けていた。 ③【満喫しながらの食習慣形成支援】 自食を促すために<その子に合わせた食習慣形成の工夫>や、手づかみ食べ・食具 食べを満足するまで十分に行うことができるように<満喫する手づかみ・食具 260 食べ>の工夫に努めていた。 (3) [個々への戸外遊び支援] このコアカテゴリーは、2のカテゴリーで構成される。 ①【保育者同士で工夫する公園遊び】 <日課の公園遊び>が行われ、近隣の家庭的保育者同士が集まり、役割を分担して、 子どもの発達に沿った遊びを工夫しながら、<保育者同士による公園遊びの充実>に 努めていた。 ②【個々に必要な運動遊び経験】 個人差が大きい子どもの運動発達を鑑み、<個々に必要な運動遊び経験>を保障す るように努めていた。また、戸外での運動遊びを十分に取り入れることを心がけ<戸 外運動遊びの充実><午睡後の戸外遊び>を図っていた。 (4) [個々への健康的な生活リズム支援] このコアカテゴリーは、2のカテゴリーで構成される。 ①【巧みな生活リズムの調整】 子どもの 24 時間を見据え、健康的な生活リズムに同調できるように、昼食時間や午 睡時間を微調整し、個々の子どもの<24 時間を見据えた巧みな生活リズムの調整> が図られていた。 ②【楽しみながらの入眠】 子どもの発達年齢や癖を把握し、<熟睡できる睡眠環境の工夫>に努め、一人ひと りの子どもが楽しみながら入眠できるように、<子ども心を満たす入眠儀式>を意識 していた。 (5) [家庭と共に育む生活習慣形成支援] このコアカテゴリーは、1のカテゴリーで構成される。 【きめ細かく繋げる生活習慣】 保育室での排泄習慣や食習慣を家庭でも連続して行うことができるように<家庭に 繋ぐ排泄習慣>や<家庭に繋ぐ食習慣>を意識し、保護者にきめ細かく伝えることを 心掛けていた。また、保育室での遊びが家庭でも行われるように<親子を繋ぐ遊びの 伝承>を意識していた。 (6)[個々に必要な健康的な生活習慣の確立] このコアカテゴリーは、1のカテゴリーで構成される。 261 【個々の健康的な生活習慣の確立】 <個々の食習慣の確立> や<楽しみながらの衣服着脱習慣の確立>、<個々の健康的 な生活リズムの確立>などを意識し、3歳未満の時期に必要な生活習慣形成に努めて いた。 3.コード、カテゴリー、コアカテゴリーの関係 コードの生成(表2)、コードとカテゴリーの関係(表3)、コードとカテゴリー、 コアカテゴリーの関係を表にまとめ(表4)、それを基に模式図(図1)を作成した。 (1)コード 生成した 28 のコードとその表札(ラベル)、ラベルの意味、付箋に記した逐語など をまとめて、コードごとに表示した(表2)。 逐語については、逐語録(インタビュー)通りに記したが、括弧内は必要に応じて、 筆者が補足した。 262 表2. 家庭的保育者による3歳未満児の生活習慣形成支援プロセス ― コード(ラベル)・意味 ― コード1 意 味 ( )内の数字は付箋紙の数 同じ保育者による生活習慣形成 同じ保育者が一貫して子どもの生活習慣獲得のプロセスに携わること F1:一人ひとりに目をかける、かけ方が違うんですね。 F2: 「今日は私が食べさせる」 「今日はあなたが食べなさい」じゃなくて、 「今 日から食べようね」と決めたらもうその日からずっとお任せして、子どもを 信じてどんなにひっくり返そうとこぼそうと、絶対に叱らないで、 「あらあら」 逐 っていう感じで言うようにしています。 語 録 F4:ここは常に私しかいないので、決まった大人が対応するっていうのも、 デ 子どもの心の安定には繋がってくるのかなってすごく感じます。 | タ (4) F5:1対1でいつも同じですから、子どもにもお母さんにも親しめる距離も 時間も早いと思います。それだけ安心につながっているのかと。 263 コード2 意 味 子どものペースに合わせた生活習慣形成支援 保育者が子どものペースに合わせて生活習慣形成支援を行っていること F2:子どもたち一人ひとりに合わせるってことが一番大きいかなって思うん ですね。どうしても人数が多いと、一人ひとりに対しての保育をしたいと思 っていても、そうできないんですよね。でも人数が少ないこと、こっちが子 どもに合わせて援助をしていけることがいいとこかなと思いますね。 F5:具合が悪そうな子には毛布にしたり、パジャマを厚手のものに変えてみ 逐 たり、他の子と昼寝の時には距離をおいたりして。 語 録 F6:それはもう本当に一人ひとり、その子に合った手助けができるというか、 デ 決して一律ではないので、きっと保育園だとそのクラスだけじゃなくて他の | クラスとの兼ね合いもあって、給食のひとたちの給食を作る時間とか、その タ 働く時間とかの都合もあって、いろいろ決まって行くところがあると思うん (4) ですけど、そういうところがやっぱりないので、本当にその子の生活に合わ せた手助けがしやすいかなと思います。 F7:子どものペースがあるので、無理にやらせるのではなく自然に、あらで きちゃった、ていうようになるんです。こちらがしつけるのではなく、子ど もが自分でできる力をもっているので、ちょっと手伝うだけなんです 264 コード3 意 味 没頭できる遊び環境 子どもが没頭して遊ぶことができる遊び環境を整えること F1:それはすごいです。本当に集中して遊びます。お部屋の中ではままごとの色々 な細かい豆のようなのがお気に入りの遊びでね、1歳児がいないときはね、2歳 児以上は特別に、こうフェルトの球になってる羊毛のこうなんて言うんですか、 丸いボールみたいな玉みたいなの出すんですけど、小さい子がいた時には危ない からお口に入れちゃうから隠しとくんですけど、それを出すと、2歳以上の子は ね、つまんで移したりいつまでもごちそう作りしたり、おままごとになったり、 逐 いろいろで、遊びます。本当にすごいんですよ、時々、こうしておもちゃを出す 語 んです。 録 デ F2:例えばお絵かきでも、クレヨンを使ったり、フェルトペンを使ったり、絵の | 具を使ったり、というような例えば、なかなかお家では絵の具までは使えないっ タ ていう風におっしゃるんですね、うちは、フィンガーペインティングを含めたそ (4) の絵の具を使っての遊びや、あとは、そうですね、人数が少ないのでこちらもあ まり後片付けが負担にならないし、遊びそのものの展開もじっくりできるので、 やっぱり、ひとつの遊びにも集中してやる時間が長いかもしれませんね。 F5:3個必ず準備するんですが、誰かが使っているものが欲しくて、もちろんと ったりとられたりあります。 F7:保育士として子どもに接するときには、やっぱり自分が心が穏やかでないと、 もうその心が伝わっちゃうんですよね。同じ言葉かけでもね。表情にも出るし、 自分が穏やかにいないと子どもに失礼だなって思いますね。心穏やかにね。その 為には家庭の環境も穏やかでないと自分も穏やかでいられないわけだからね。子 どもは大人の顔見てますから、自分も環境の一つであることを意識して、子ども が遊びを楽しんで、集中して遊べるようように、心掛けています。 265 コード4 意 味 個々の遊び心の充足 子ども一人ひとりの遊び心を十分満たしてあげること F1:探索遊び、家のなかもそうですし、あとは外もそうですね。もちろん危 ないので、必ず、森の中まで下見はこまめにしています。まだどうしても転 びやすい年齢なのでちょっと危険な場所には行かせないようにはしてますけ ど、ある程度面白く、冒険や探検やってます。子どもたちはもう楽しくて、 夢中で探検やっています。うちの子どもたちは家の中よりも外が大好きなん ですね、庭もそうですし、小さな木の実とか落ちてきた葉っぱとか、自然で 逐 遊ぶのがとっても好きですね。 語 録 F2:遊びの邪魔をされないので、人数が少ないので、自分の遊びをしっかり デ 経験できていますし、そのように遊べるのがここの良いところでもあるので、 | 子どもの遊びたい気持ちを大切にしています。子どもどうしでもとても楽し タ そうに遊んでいますよ。 (5) F4:自分でこう遊びを探して、自分でこうどんどん工夫をしてあそんでいく 力があるのかもしれないですね、ほんとうに、よく遊びます。こちらも子ど もが満足して遊べるようには心がけていますね、子どもは遊びが仕事ですか ら。 F5:朝散歩に行くんですけど、アリがいるともう急がせることなく、皆で一 緒に見て、ずーっと見たりしています。それが家庭的な保育のいいところで もあるし、私が、大事にしているところだと思うんですね。 F6:すごく遊びたい気持をもっている子はそれでじっくり遊ばせてあげたい ので、今この子が一番これで遊びたいよねっていうところは見極めて、満足 するまで遊ばせています。時間が自由に使えるからできますね。 266 コード5 意 味 保育者の家族が支える生活習慣 保育者の家族が子どもの生活習慣を支えてくれること F1: (朝)最初に到着した子は誰もお友達もいないし自分も頭半分起きたかな っていうぼーっとて来るでしょ、そうすると絵本、前の日に読んでもらった 絵本とか覚えていて、補助員の私の主人の膝にぽんってのっかって次々に読 んでもらうんですね。次つぎ次つぎって。5、6冊は持ってきますね。ちゃ んと覚えていますからね。主人の男性の声とか、おばあちゃんの声とかいろ いろな年齢、男女いろいろな人の声で読んでもらえるっていうのは子どもた 逐 ち、すごく幸せそうな感じです。お迎えが遅い子は、おばあちゃんが来ると 語 絵本を持ってきて、これ読んでって、読んでってと言えない子は「あ、はー」 録 って持ってきて、読んでもらいます。 デ | F2:2歳半ぐらいまでの子は全部おんぶで寝かしつけています。うちは主人 タ もいるし、保育補助者も手伝ってくれていましたので、おんぶ紐が今は2つ (3) ですけれども、3つありましたね。その子その子の好みの。 F5:主人が遊び相手になってくれて、子どもも慣れていて。 267 コード6 意 味 保育補助者が支える生活習慣 保育補助者が子どもの生活習慣獲得を支えてくれること F1:外に出る時には、早く支度ができた子は補助者と庭で待っててもらった り、外に出るとよく動く子は目が離せないので、補助者がいるので助かって います。 F2:2歳半ぐらいまでの子は全部おんぶで寝かしつけています。うちは主人 もいるし、保育補助者も手伝ってくれていますので、 逐 語 F6:わりとよく寝る子は 3 時間くらいは寝ちゃうんですね、で、そういう子 録 たちはうち、 補助者もいて 2 人でやっているので先に 11 時半くらいに寝始め デ られるように、先にお昼を食べたりだとか。補助者がいるから一人ひとりに | あたることができるので、 タ (3) 268 コード7 意 味 遊びを支える地域住民 地域住民が子どもの遊びを支えてくれること F3:おじいちゃんとおばあちゃんは 10 個聞かれたら、絶対に 10 個答えるん です。だから雨の日にみんなに遊びに来てもらうんです。コーヒーを飲みに (子どもがおままごとで作ってくれる疑似) 。おじいちゃん、おばあちゃんた ちは面倒くさがらずに食べてくれて(食べる真似)ごちそうさまと言ってく れて。 逐 F5:S 君(卒業生)がアルバイトに来てくれたんです。もう小学校 6 年生に 語 なって、小さい子を公園に行くまで手をひいてくれたりとか、ありがたかっ 録 たですね、S 君、 「お母さんが行って来いと言うんだ」と言って、子どもも、 デ お兄ちゃんお兄ちゃんと言って。もう 15 年なりますので、本当に広がってい | て。 タ (3) F6:近所に児童館があって、プールはよく誘ってくれ、声もかけてくれます。 269 コード8 意 味 生活を支える地域住民 地域住民が子どもの生活を支えてくれること F3:この前みたいな地震がきたときも、子どもが寝てる時間だったんです。 そうしたら近所の人が 2 人くらいすぐに走ってきてくれて大丈夫なの、1 人 抱いてくよって言ってくれて、私は 1 人抱いてもう 1 人ずつ抱いてもらって、 みんなで道に出て、1 人ずつ抱いていたんです。 F6:朝、ここに来るときに近所の人から「おはよう」を言ってくれて、挨拶 逐 をしてくれたり、スーパーでもAさんのとこの子だねと声をかけてくれる。 語 地域の人に見守られているっていう感じですかね。 録 デ F7:地域が園庭で、ちょっと 1 歩出ると地域の人たちが声かけてくださって、 | 3 人見ているのが分かってらっしゃるから、今日は 2 人ですか1人ですか? タ お散歩どっちにいくんですか?と声かけてくれたり。支えてもらっているっ (3) ていうか、外に出ても全然不安じゃないし、かえってあんまり見ないと「元 気だったの?」とか声をかけてくださったり、気にしてくれて、地域の人が 子たちを見守ってくれているっていうのは本当嬉しいことだなって思いま す。気にかけてくださってね。散歩しているとお年寄りとか近所の人とか、 初めは挨拶くらいだった人が声をかけて下さったりとかするんですよね。お 年寄は、小さい子を見ると自然に笑顔になるんですよね。 270 コード9 意 味 個々の排泄状況の把握 子ども一人ひとりの排泄状況を十分把握していること F2:おむつの時からよく観察していると、だいたい何時ぐらいになると尿意 をもよおしてくるというのが何となく分かるんですね。そのときにタイミン グよくおまるにお座りさせたりすると結構ちゃんと成功する子が多いです ね。そのときに良く「よかったね」って褒めてあげること、一緒に喜んであ げると、それが自信になっておまるに座ることも嫌がらなくなるし、楽しみ にしているということが一番多いですね。 逐 語 F3:トイレの時間が 2 時間以上空く子からじゃないとまずトイレトレーニン 録 グ始めても無理なので、朝、例えば私が 9 時 35 分に出て(戸外遊びに)行 デ って 11 時 20 分くらいに帰ってくるので、だいだい 2 時間トイレがもつ子に | なるとトイレをすすめて「トイレに行ってみようか」と言って嫌だと言わな タ い子はトイレに誘うんです。たいがい成功しますね。子どもが少ないので、 (3) よく見れますから。 F4:お子さんの様子を見ながら、だいたい 2 時間を目安に誘っています。電 車ごっこでみんなでトイレにいったりして。遊びながら、出る子も出ない子 も一緒に行くんですが、この子は出そうだなという子は、はじめに声かけす るんです。 271 コード 10 意 味 遊びを通しての排泄習慣支援 遊びをとりいれながらじっくり排泄習慣を進めること F1:おまるに座るのも、お兄ちゃんたちお姉ちゃんたちのおまるがあるんで すけど、並んで座っているのを見たら、憧れの関係じゃないけど、まだおむ つ外れてないのに座りたがったりします。最初はお尻出して座るって言うの が怖くて泣いたりするので、おむつを着けたまま、そのまま座って立つとい うお遊びみたいにしておすわりみたいな練習にすると、遊びの延長で、おま るの遊びなんですね。 逐 語 F2:おまるに座らせるのは、おむつをしているときから。特に午睡から覚め 録 たときにしています。おまる自体がおもちゃのように遊具のように子どもた デ ちが慣れ親しめるような、1歳7、8か月になると、自分で跨ぐことが出来 | るようになるので、それぐらいからはずっとやってますね。 タ (4) F3:トイレに行ってみようかーと言って嫌だと言わない子はトイレに誘うん です。トイレには可愛いカレンダーがかけといてそれでまずトイレを嫌いに ならないように明るくして、これこの猫だよ来月は犬だねみたいなそれでで るおしっこー?でないーってじゃあまた今度行こうねって言ってもう初めか らトイレのトラウマだけをつけたくなくてやってるんです。 F4:お子さんの月齢と様子を見ながら、今 3 人、2 歳過ぎているので、3人 で遊びながらやっています。やはりトイレトレーニングも遊びながら、楽し みながらでやっていかないと、と思っています。そうお母さんにも伝えてい ます。 272 コード 11 意 味 個々に楽しみながらの着脱習慣 個々に楽しみながら衣服着脱習慣を進めていること F1:楽しく楽しくと思っていってやったたはずなんですけど1人の子が自信がなくなった んでしょうね、それで、これは楽しいからやってごらん、と言っても、もう自分ができな いと思い込んじゃって、それでボタンとか見るとべそをかくようになっちゃったんです。 すごくよくできる子なんですよ。すごくよくできる子なんだけど、競争のようにするのよ くないなぁと思って、速い子は速い子で、遅い子は遅い子でいいんだよーって一緒にやる のも楽しいよねってね。楽しくできるようにその子だけのボタンのフェルトでボタンのお 逐 目めと口を付けたのを作ったんですね、手作りでボタンちゃんっていうお顔を作って、大 語 きなボタン、コートなんかについてるようなボタンをつけて簡単にフェルトだと柔らかく 録 てあの子どもの手でもうまくいくんですね。かたいコートと違って。それをやったり魚と デ お目めと尻尾のところをボタンホールを尻尾につけて目のボタンをくるくるくるくるず | ーと長くお魚が繋がるのとかちょっと作ったんですね、そしたらね、嬉しくって、得意に タ なってね、上手になったから、自信がついていろいろできるようになったんですね。 (4) F1:着るのがひとつのゲームとして、みんな面白がってぱっとばんざいしてさっとこう手 を広げるとぱっと瞬時に着れる、それからチャックをこうして。それもばんざいって手が 短いのでなかなかばんざいとしてもぐるっとこううまくいけないんですが、最初は。それ をうまくこうさっといくようにこうタイミングを逃さないでさっとやる。するとみんな喜 んであっ着れた!!もう喜んでお母さんたちにお迎えくるとね、はい早技って、お母さん たちもびっくりして。だんだんそうして普通に着れるようになるんですけどね、他の保育 ママさんたちにもこの技を教えしています。 F2:マジックテープに興味があり、何度もつけたりとったり、遊びながら楽しんでいます。 冬はジャンパーのファスナーの上げおろし、もう夢中になってやっていますね。上げたり、 下ろしたりしてります。電車ごっこの気分ですかね、発車なんて言ってあげると喜んで、 F5:2 歳ではまた全然違いますし、男のお子さんと女のお子さんも違いましたし、だいた いもう外に行くときには早く行きたいものだから、靴下なんかは一生懸命です。1人がは けるようになると真似して頑張るんですね。子ども同士で遊びながら時間がかかりますが 根気よくやっています。 273 コード 12 意 味 オンリーワンの着脱習慣の工夫 その子が楽しんで着脱習慣に取り組めるような遊びを工夫していること F1:着るのがひとつのゲームとして、そして上下バラバラの時はジャンパー の時は逆さまに置いてあげて、袖を、両方の手を頭の方にたてて、袖を両方 いれてばんざーい!とすると早技でぱっと着れる、それをやらせています。 F1:その楽しくできるように、その子だけの、ボタンのフェルトでボタンの お目めと口を付けたのを作ったんですね、手作りで。100 均でフェルトもた 逐 くさん売ってるので。たくさんそれを作ってボタンちゃんっていうお顔を作 語 って、大きなボタン、コートなんかについてるようなボタンをつけて簡単に 録 フェルトだと柔らかくてあの子どもの手でもうまくいくんですね。かたいコ デ ートと違って。それをやったり魚とお目めと尻尾のところをボタンホールを | 尻尾につけて目のボタンをくるくるくるくるずーと長くお魚が繋がるのとか タ ちょっと作ったんですね、そしたらね、嬉しくって、得意になってね、上手 (4) になったから、自信がついていろいろできるようになったんですね。 F2:すべると危ないから、まず、靴下を脱ぐことから始めます。まず私が脱 いで見せるんですね。それから、お散歩に行くのが大好きなんですね。お出 かけに結び付けて、早く出かけたいから靴下も一生懸命に履くんです。でも、 見守るんです。じれったいのですが、我慢して見守ります。こちらも早く出 かけたいのですが、手を出さないで待っています。で、少しでもできたらほ めます。繰り返しですね。 F8:時間がかかることを前提で、焦らせないで、その子の性格がありますか ら、私も一緒に自分の靴下をはくんです。少しでもできたら本当にうれしい んですね、帰りにはお母さんにも伝えるようにすると、もっと喜んで、お母 さんも喜んでね。 274 コード 13 意 味 その子に合わせた食習慣形成の工夫 その子に合わせた食習慣形成のために工夫していること F2:食事は、1歳2か月くらいからテーブルの下にシートをひいて、こぼし ても良いような状況で、1人で食べさせるようにしていますね。そういう風 になるとこちらはもうタッチしないで、1人でこぼしてもいいような状況に してこぼす分も考えて、量も多めにしています。 F5:野菜嫌いな子のために、プランターで野菜を作るんです。子どもも好き 逐 で、小松菜とかができれば、嫌いな子も食べますね。 語 録 F6: (家では)ご飯を食べるときに、Mちゃんが離乳食を食べないで、すぐ デ に立ちあがってしまう。でも、ここではその合間、合間にスプーンでちょっ | と麦茶をあげたりとかすると、そのあとまたご飯を食べたりとかができるん タ ですね。 (3) 275 コード 14 意 味 満喫する手づかみ・食具食べ 手づかみ食べ・食具食べを満足するまで十分に行うこと F1:まだ、手づかみ食べの方がいい子は、手づかみ食べで。そのうちに、 人のを真似してスプーンで食べるようになるんです。 F2:スプーンとフォークもつけるんですが、手づかみ食べということもすご く大切なことなので、それはしっかり経験させてほしいなあと思って手づか み食べもどんどんさせています。でも、食べた後、最初は鶏小屋のようにな 逐 るのですが、3か月もするとだんだんもう上手になってきますね。フォーク 語 を使うことにも興味があって、そういうものを使って上手に食べて、もう大 録 体3か月もするとこぼさなくなってきますね。 デ | F7:この少人数ですとね、お友達同士って刺激し合うんです。ですから、M タ ちゃんがママがいれてくれた人参は食べてるよ、 「おいしそう」て言うと、人 (3) 参よけて(手づかみで)食べてた子が手をのばしてぱくっと食べたりね、お 互いに刺激し合って、3 人が育っていくって感じです。手づかみだったり、 スプーンだったり、それぞれの食べ方を楽しんで食べること大切にしていま す。 276 コード 15 意 味 日課の公園遊び 毎日のように公園遊びを行っていること F1:雨が降ってもですね、赤ちゃんは別としてです。うちの場合は、外に行 かないと 1 日が長いしもたないです。毎日、ほとんど行っていますね。 F4:今日も一緒に公園で遊びましたね。地域のお母さんと。2 人お子さんが いるお母さんと。福祉員も、家庭的保育者も、私たちみたいなのがいるので、 毎日、公園で集まって、一緒に地域のお子さんも集まって遊んだりしていま 逐 す。 語 録 F5:季節がいいので、だいたいもう外ですね。 デ | F6:子どもも私も気分転換が必要ですし、少しの時間でも外に出ます。すぐ タ に出られますから。 (5) F7:うちは男の子3人でやんちゃな子たちですし、男の子の特性が現れてい ますので、お天気のときは必ず、毎日、お散歩、近所に公園がありますので、 そこまでお散歩に行って帰ってきたら庭でお手手を洗ってそこのお庭から帰 るって感じなんですけどね。小さな狭い庭があるんですけど、手洗いができ ますので、お天気や、3人のうちの1人が体調悪かったりすると体調が悪い 子に合わせて、庭だけでも、でも、ちょっと外に出たり、気分転換したり、 やっぱり大人でも外の空気、気分転換はいいものですから、子どもも必ず外 には出るようにしています。 277 コード 16 意 味 保育者同士による公園遊びの充実 保育者同士が公園で子どもたちを一緒に遊ばせて保育すること F3:公園に行く時はM公園に集まって全員 3 人ずつなので 9 人、2 年く らい来ている I ちゃん、Uちゃん、Wちゃんを連れてきたママとか、Dち ゃんのママとか必ずみんなでそこに集まって遊んでいる。シートの上で赤 ちゃんたちが遊んでいたらそこに 1 人いて、自分の子どもっていう意識じ ゃなくて今日は何人?みたいな数え方をしてみんなで見ています。そうす ると大体幼稚園か保育園に入った時に、誰かしら 1 人くらいは一緒の所に 逐 入ったりできるんですね、地域的にも。 語 録 F4:近所の公園には、3 人の福祉員が集まって保育する、だから9人の子 デ どもを3人で見るようなかたちで、自分の担当の子じゃなくても見ている | ので、色々な複数の目があるのはいいと思いますね。 タ (3) F5:公園で会うと、よその子も見ますし、うちの子も見てもらいます。 まあ、いろんな人に見てもらえますね。 278 コード 17 意 味 個々に必要な運動遊び経験 その子に必要な運動遊び経験を保障するように努めていること F1:その子は1歳5カ月くらいですからもう歩けるんですね、でも、2、3 歩あるくと転ぶんですね。そして転んだら自分で起き上がらないんです。だ っこしてもらうのこうして待ってるんです。お母さんも全部車で、自分の子 どもを見たらすっとお父さんもだっこしちゃうんです。これはダメだと思っ て、自分もこうしてこうやって起きるんだよって、お空が見えた、ちょうち ょが見えたあっはっはなんて言いながらそしてまず起きるのからさせて、少 逐 しゆっくりのお散歩から始まって、そしたら歩くようになったんです。次に 語 坂登り、次に階段、少しずつハードルをあげていきましたが、子どもはすご 録 いですね、どんどんできるようになって。 デ | F2:地域全体が庭のようなもので、外に出た時には、小さい時から、いろい タ ろなことをしながら遊んでいます。人数が少ないから、いろんなことができ (3) ますね。あそびながら、いろいろな動きができるようにと思っています。 F5:子どもの興味は違いますよね。同じ男のお子さんで月齢も同じでも、ウ ルトラマンが好きなお子さんとか、運動遊びが好きだったりで、砂場とかね。 月齢が高いともっと遠出するんですね。公園のところまで行ったりとか、身 体動かして遊ぶとか、いろんな遊びをして、しっかり体を動かせるようにな りますね。 279 コード 18 意 味 戸外運動遊びの充実 戸外での運動遊びを十分に取り入れていること F1:メニュー作ったんです。階段も歩けないし、とにかく後ろにころんころ んお人形さんみたいに後ろに尻もち付くんです。何にもしてないでもただ立 ってるだけでもころんっと尻もち付くんです。でも遊ぶのはすごく楽しそう だからこれは何とかなると思ってお散歩したりあと少しずつ距離を長くした り石段を登らせたり。あっちとこっちと補助員と私で。1・2・3・4タッ チで、3段、次4段って気づかれないようにだんだん長くしていって、そし 逐 たらね大好きになっちゃってね、行ったり来たり行ったり来たり何往復もし 語 て。今ではすっごい飛び跳ねて遊んでます。まだちょっとひ弱な感じなんで 録 すけど、でもトランポリンさせたり、運動遊びはもうこの子には絶対必要だ デ と思って。 | タ (4) F4:公園が近所なので、雨の日以外は、寒くても毎日欠かさず行って身体を 動かすようにしています。 F5:季節がいいので、大体もう外ですね。砂に触れたりだとか、身体を動か したり、昨日できなかったことができている。走ったりとかね、この前より はうんと足腰がしっかりしてきたり、戸外遊びでたっぷり遊ばせることも大 事にしています。 F6:毎日公園に行って、ほかの保育ママの子どもたちとも一緒に、みんなで ワイワイやっています。手分けして、走る子について行ったり、いろいろ動 きがあるので、よちよちの子もいますし。よちよちもよちよちなりに刺激を 受けて、上手に歩くようになるんです。 280 コード 19 意 味 午睡後の戸外遊び 午睡後の遊びとして戸外に出て遊ぶこと F1:うちは補助がいるので、庭や外に出やすいですね。昼寝のあと、お迎え の遅い子は外に出ます。散歩の途中で(保護者と)会ったりするとお母さん も喜んで、 F2:午後から午睡の後、おやつが終わって、ゆっくり5時くらいから、公園 にお散歩にいきます。そういうことは、近くの保育園の先生にお話ししまし 逐 たら、羨ましいっていわれました。やっぱり大きな保育所ではもうお迎えの 語 時間とかも保護者の方がお迎えにくるので、午後からの散歩っていうのはし 録 たことがないと。ちょっと園庭で遊ぶくらいのことは、ありますけれどもそ デ ういうことはしてないので、羨ましいですって。 | タ (3) F6:でも 5 時のお迎えの子たちはそうみんなが帰ったあと、4 時以降、今だ いぶ日も高く長いので、そうするとちょっとお散歩に出たり、 281 コード 20 意 味 24 時間を見据えた巧みな生活リズムの調整 24 時間を見据え、個々の生活リズムの調整を図ること F2:家庭での過ごし方が違うので、午前睡を、どうしても眠い子は 30 分だけ させます。30 分経ったら目覚められるように、午睡はしっかりとってが基本 ですけれども、午前睡で散歩に行きそびれた子は午後からその子だけ遊ばせ て。 F3: 1 時にふとんをひいて、1 時 15 分から 20 分に寝て 3 時 15 分に起こした 逐 ので、まるまる寝ても 2 時間、でも 1 時間半くらいの子が多かったんですけ 語 れども、今年は 2 月生まれの 1 歳がいるので、12 時半くらいから眠くなっち 録 ゃうんです。初めは 12 時 10 分くらいにふとんをひいて、残りの2人が 2 歳 デ 児なので、1 時に寝かせてたんですけれども、ちょうど3、40 分でちょうど | 眠りが浅くなっちゃった時に 2 人を寝かせると起きちゃうので、極力ちょっ タ とずつちょっとずつずらしていって、12 時 40 分くらいにふとんをひくと、1 (3) 歳は、2、3分で寝てしまうんです。おふとんひかれるのを待っていて、ど うぞと言うと「ぼん」といって、こう自分の顔の位置を決めるともうそのま まなんですね。夜も寝つきがいいと言うから、今年の子は、この時間でやっ ています。 F6:ある程度寝ないと、子どもによって必要な睡眠時間が違うのかなって思 うので、時間で起こすと言うよりは、お迎えの時間とか最後が決まっている ので、そこから逆算していくようなかたちで、その睡眠時間は十分とれるよ うに。でも、夜ねることも考えて、お母さんと家に帰ってからのことも聞き ながらやっています。 282 コード 21 意 味 熟睡できる睡眠環境の工夫 個々に熟睡できる環境を工夫すること F2:まだ小さいので、一人ひとりがしっかり熟睡できることを心がけていま す。 F5:よく寝る子は3時間くらいは寝るんですね、そういう子は先に 11 時半く らいに寝始められるように、先にお昼を食べます。お迎えの時間が決まって いるのでそこから逆算していくようなかたちで、睡眠時間は十分とれるよう 逐 に。早く寝る子も熟睡できるようにと。 語 録 F6:以前、お母さんから、家で、本当に寝れない、寝ても2、3時間ですぐ デ に起きてしまうっていう子がいて、確かにお昼寝のときでも 30 分で起きたり | とか、でもまた抱っこしていると眠るんですね。でも、ふっくらした子で、 タ 普段はこう寝返りはできるんですけど、よく見ていたら、寝てる時に寝がえ (3) りをしようとしたときに起きちゃうように見えて、で、クッション、頭にあ の大きなクッションをひいてあげたら、そのまま 2 時間くらい眠れるように なったので、それをお母さんい伝えたら、家でも寝られるようになりました と、ちょっとしたことですが工夫ですかね。 283 コード 22 意 味 子ども心を満たす入眠時儀式 午睡に入るときに子どもの要求を十分満たしてあげること F1:昼寝の時は、絵本をその子その子で選んで、10 冊くらい枕元に持って、 1冊2冊を読んであげて、子どもたちが大体、暗記しているので、子どもた ちはそれくらいになると、何冊かまだ字は読めないのにそれを見ながら、自 然に眠っていきますね。 F2:2歳半ぐらいまでの子は全部おんぶで寝かしつけています。うちは主人 逐 もいるし、保育補助者も手伝ってくれていましたので、おんぶ紐が今は2つ 語 ですけれども、3つありましたね。その子その子の好みの。喜びますね。そ 録 れで、他の子をおんぶしてると「おんぶいいなー」っていって、その子も寝 デ るときのはしないんですけれども、 「いいなー」って羨ましがるときには、し | てあげています。2歳半を過ぎると、だいたいお布団を敷いて、そこで寝る タ んですけれど。 (3) F4:午前中は外遊びが多いので、お昼を食べるか食べないかのうちに、こっ くり、こっくりしてすぐに寝入ってしまいますね。寝つきの悪い子はいませ んが、その子の癖を知っていますから、満たしてあげると、だいたい直ぐに 寝ついてくれますね。 284 コード 23 意 味 家庭に繋ぐ排泄習慣 保育室での排泄習慣を家庭でもできるようにきめ細かく繋ぐこと F1:便でも、細かく、どんな便か細かく伝えています。便の回数ごとに、具 わいが悪い時の様子は早く目に付いて、対処も早い、だから親にも早い対応 ができるんです。 F2:もし失敗しても絶対に叱らないことと、まず私たちが気にしないという ことですね。一緒におもらしぞうきんとかを決めて「ちょっとやっちゃった 逐 ね。 」という感じで、とにかく排泄に関しては特に絶対に叱らないこと。これ 語 は、お母さんにも家でも絶対に叱らないこととお話してきました。 「気にしな 録 い」 ・ 「叱らない」 ・ 「褒める」ということが排泄の場合はとても重要だという デ こと、こっちが神経質になると、余計に子どもは神経質になって、失敗も多 | くなることを伝えると、家と一緒にできるから、とれるのは早いですね。 タ (4) F3:今日はこういうことをして、トイレで 10 分も楽しく遊んでたんだけど、 出ないからまたやってみますねと。お家でも気長にやっていきましょうと、 絶対にあせらないようにって言っています。お家と一緒にやることを心掛け ています。ここだけじゃできませんから。 F7:やっぱり、トイレトレーニングはすごく焦るんですよ。もうしなきゃし なきゃ、早くしなきゃ、他の子がもう取れているのに、って感じで。でもね、 大丈夫よ、いつかとれるから、いつかとれるからーもう 5 歳までは絶対とれ るから大丈夫よ絶対。ゆったりしてた方がいい、子どもにも、そういう気持 で接してたほうが子どもも楽だし、ママも楽よって言ってね。今日できたこ とを伝えて、一緒に喜んでいます。本当はそんなにかかりませんけどね。 285 コード 24 意 味 家庭に繋ぐ食習慣 保育室での食習慣を家庭でもできるようにきめ細かく繋ぐこと F2:食事は楽しく食べるということがまず基本なので、それが1番ていうこ とと、あとは、うちではそんなことはないですけど、おうちでご飯を食べる ときにテレビをつけないでもくださいって言っています。どうしてもテレビ のつけながらの食事っていうのはそっちに気持ちが行ったときに、お行儀も 悪くなるし、こぼしやすくなるし、やっぱり「食べるときには、テレビは消 してくださいね」そしてみんなで楽しくお話をしながら食べましょうってい 逐 うことをお母さんたちに言ってます。食育の一番大切なことは、家族でみん 語 なで楽しくお食事をするそのことを教えてくださいって経験させてください 録 っていうことで、あまり手作りだ、手作りだとそういうことにはこだわらず デ に、まず、楽しい食事、みんなで家族団らんの楽しさ、食事、食卓を囲むと | いうことが楽しさ、孤食をできるだけ避けるようにというのをお願いしてい タ ます。 (4) F2:やはり季節、季節のものとか、あと私もこちらの出身ではないので、分 からないこともあるんですが、郷土料理、そういうのは聞いて作り方を教わ って子どもたちに食べさせたり、土地ならではのものを大切にして、お母さ んに伝えています。 F6:具体的に遊びの様子とか、あと、食事もメニューを1回1回毎日カメラ でとって CD―R におさめてお渡ししています。献立表もお渡しするんです けれども。家でも作りたいから、作り方を教えてくださいって言われる時も。 切り方のコツや使い方を教えることもあって、喜ばれていますよ。 F7:全部は伝えられませんけど、ポイントだけね、 (お母さんは)忙しいか ら、だからちょっとコツを言ってあげたり、食事も残した量とか伝えますし ね、 「いつも食べてて好物なのに今日は眠いみたいで、残しましたー」とか、 お弁当箱は、きれいに洗ってお返しして。 286 コード 25 意 味 親子を繋ぐ遊びの伝承 保育室での遊びが家庭でも行われるように繋ぐこと F1:お迎えの時に、今日は色鉛筆を持ってこんな絵を描きましたって、毎日 遊んだことをみせたり、一緒にやったりしますね。 F2:私も必ず、うちでの保育ママの遊びをそのままお家で繋がるように、伝 える意味でお母さんたちに、こういう遊びしていましたって、お迎えの時に にそういうことを伝えたり、 (お母さんは)忙しいから様子を見ながら、でも 逐 お母さんも一緒に遊んでほしいし、 (お母さんは)遊び方がわからないから教 語 えるようにしています。 録 デ F3: (お母さんに)お子さんの方にも目を向けてもらわないといけないので、 | お子さんのその好きな遊びだとか、こういうことやったら喜んでいましたよ タ とか、そういうことを極力報告して、おうちでも、そういうことをしてあげ (4) るように。子どものわかる、好きなことがわかると、やってあげると子ども も喜ぶし、きっと喜んでくれたっていうことで可愛く思えると思うので、そ ういうことを心がけていますね。 F6:お家でもやってほしいと思って、こんなことして遊んでいましたって、 (お母さんと)一緒に遊んで伝えることもあります。 287 コード 26 意 味 個々の健康的な生活リズムの確立 健康的な生活リズムが確立した子どもの姿が見られること F2:ほんとうに家庭での過ごし方が違うので、もう午前睡、どうしても眠い 子は、30 分だけさせます。30 分経ったら、自然に目覚められるように音楽 をかけたり、声掛けをしたりして、自然に。午前睡は 30 分くらいで目覚めら れるようにそういう雰囲気に持っていって。そして、やっぱり午後からの午 睡はしっかりとることが基本ですけれども、午前睡で散歩に行きそびれた子 は、午後からその子だけ遊ばせて、そうすると、生活リズムが健康的になっ 逐 て整いますね。外気にふれるというだけでも全然違うんですよね。そういう 語 ことが保育ママではできることなのかなって。 録 デ F4:月曜日はやっぱりよく寝ますよね。月曜日と金曜日はよく寝るんです。 | 疲れるんです一週間。リズムはよくできてきて、午前中目一杯遊ぶから、よ タ く食べて、疲れて、スッと寝てしまいます。やはり、よく遊ぶから、元気で (3) すよね、みんな。本当に、休みませんね。 F6:2時半まで結局寝てしまうので、3時のおやつを食べ始めて、もう4時 のお迎えですね。でも 5 時のお迎えの子たちはそうみんなが帰って帰ったあ と、4時以降、今だいぶ日も高く長いので、そうするとちょっとお散歩に出 たりとか、子どものリズムができてきて、睡眠時間も決めている。だから小 さい子も生活リズムができてきますね。夜に寝られないといといけないので、 気をつけています。 288 コード 27 意 味 個々の食習慣の確立 個々の食習慣が確立した子どもの姿が見られること F2:食事なんかは、1歳2か月くらいからテーブルの下にシートをひいて、 こぼしても良いような状況で、1人で食べさせるようにしていますね。そう いう風になるとこちらはもうタッチしないで、1人でこぼしてもいいような 状況にしてこぼす分も考えて、量も多めにしています。スプーンとフォーク もつけるんですが、手づかみ食べということもすごく大切なことなので、そ れはしっかり経験させてほしいなあと思って手づかみ食べもどんどんさせて 逐 います。でも、食べた後最初は、鶏小屋のようになるのですが、3か月もす 語 るとだんだんもう上手になってきますね。 録 デ F6:離乳食から幼児食と自然に育ってきますね。子どもが少ないからその子 | に合わせて、だんだんいろいろ食べられるようになってきますし、噛むこと タ も上手になってきます。噛むことも個人差がありますが、皆、上手に噛んで (3) 食べられるようになります。 F7:3人が刺激し合って、いつの間にかスプーンもフオークも上手になりま すね。 289 コード 28 意 味 楽しみながらの衣服着脱習慣の確立 楽しみながら衣服着脱習慣が確立した子どもの姿が見られること F1:楽しくできるようにボタンのフェルトでボタンのお目めと口を付けたの を作ったんですね、手作りでボタンちゃんっていうお顔を作って、大きなボ タン、コートなんかについてるようなボタンをつけて簡単にフェルトだと柔 らかくてあの子どもの手でもうまーくいくんですね。かたいコートと違って。 それをやったり魚とお目めと尻尾のところをボタンホールを尻尾につけて目 のボタンをくるくるくるくるずーと長くお魚が繋がるのとかちょっと作った 逐 んですね、そしたらね、ボタンはめが得意になって、上手になって、自信が 語 ついて、いろいろできるようになったんです。 録 デ F1:するとみんな面白がってぱっとばんざいしてさっとこう手を広げるとぱ | っと瞬時に着れる、それからチャックをこうして。それもばんざいって手が タ 短いのでなかなかばんざいとしてもぐるっとこううまくいけないんです最初 (4) は。それをうまくこうさっといくようにこうタイミングをさっと逃さないで さっとやる。するとみんな喜んで「あっ、着れた」って、喜んでお母さんた ちがお迎えにくるとね、 「はい速技」って、お母さんたちもびっくりして。だ んだんそうして普通に着れるようになるんですけどね、 F2:初めに、靴下から、それからズボン、上着と順にできるようになります。 F5:だんだん器用になってくるから、ボタンもかけられるようになってくる んですね。時間はかかりますが、できるようなると嬉しくて、そこで褒てあ げると自信になりますよね。ここに来る子は皆、自然にできるようになって、 時間の制限もないし、楽しんでやるからですかね。 290 (2)コードとカテゴリーの関係 28 のコード(表2)から、13 のカテゴリーが生成された(表3)。 表3. 家庭的保育者による3歳未満児の生活習慣形成支援プロセス ―コード・カテゴリーの関係― <コード> 意 味 【カテゴリー】 <同じ保育者による生活習慣形成> 同じ保育者が一貫して子どもの生活習慣獲得のプロセスに携わること <子どものペースに合わせた生活習慣形成支援> 子どものペースに合わせて生活習慣形成支援を行っていること <没頭できる遊び環境> 子どもが没頭して遊ぶことができる遊び環境を整えること 【個々の遊び心を満たす環境】 <個々の遊び心の充足> 子ども一人ひとりの遊び心を十分満たしてあげること <保育者の家族が支える生活習慣> 保育者の家族が子どもの生活習慣を支えてくれること 【保育補助者が支える生活習慣】 <保育補助者が支える生活習慣> 保育補助者が子どもの生活習慣獲得を支えてくれること <遊びを支える地域住民> 【遊びや生活を支える 地域住民が子どもの遊びを支えてくれること バラエティな人的環境】 <生活を支える地域住民> 地域住民が子どもの生活を支えてくれること <個々の排泄状況の把握> 子ども一人ひとりの排泄状況を十分把握していること 【遊びを通しての排泄習慣支援】 <遊びを通しての排泄習慣支援> 遊びをとりいれながらじっくり排泄習慣を進めること <個々に楽しみながらの着脱習慣> 個々に楽しみながら衣服着脱習慣を進めること 【オンリーワンの衣服着脱支援】 <オンリーワンの着脱習慣の工夫> その子が楽しんで着脱習慣に取り組めるような遊びを工夫していること <その子に合わせた食習慣形成の工夫> その子に合わせた食習慣形成のために工夫していること 【満喫しながらの食習慣形成支援】 <満喫する手づかみ・食具食べ> 手づかみ食べ・食具食べを満足するまで十分に行うこと <日課の公園遊び> 毎日のように公園遊びを行っていること 【保育者同士で工夫する公園遊び】 <保育者同士による公園遊びの充実> 保育者同士が公園で子どもたちを一緒に遊ばせること <個々に必要な運動遊び経験> その子に必要な運動遊び経験を保障するように努めていること <戸外運動遊びの充実> 【個々に必要な運動遊び経験】 戸外での運動遊びを十分に取り入れていること <午睡後の戸外遊び> 午睡後の遊びとして戸外に出て遊ぶこと <熟睡できる睡眠環境の工夫> 個々に熟睡できる環境を工夫すること 【楽しみながらの入眠】 <子ども心を満たす入眠儀式> 午睡に入るときに子どもの要求を十分満たしてあげること <24時間を見据えた巧みな生活リズムの調整> 【巧みな生活リズムの調整】 24時間を見据え、個々の生活リズムの調整を図ること <家庭に繋ぐ排泄習慣> 保育室での排泄習慣を家庭でもできるようにきめ細かく繋ぐこと <家庭に繋ぐ食習慣> 【きめ細かく繋げる生活習慣】 保育室での食習慣を家庭でもできるようにきめ細かく繋ぐこと <親子を繋ぐ遊びの伝承> 保育室での遊びが家庭でも行われるように繋ぐこと <個々の食習慣の確立> 個々の食習慣が確立した子どもの姿が見られること <楽しみながらの衣服着脱習慣の確立> 【個々の健康的な生活習慣の確立】 楽しみながら衣服着脱習慣が確立した子どもの姿が見られること <個々の健康的な生活リズムの確立> 健康的な生活リズムが確立した子どもの姿が見られること 【同じ保育者の日々一貫した支援】 291 (3)カテゴリーとコアカテゴリーの関係 13 のカテゴリーから6のコアカテゴリーが生成された(表4)。 表4. 家庭的保育者による3歳未満児の生活習慣形成支援プロセス ― コード・カテゴリー・コアカテゴリーの関係 ― ( )内の数字は付箋の数 [コアカテゴリー] [個々のペースを尊重した 健康的な生活習慣形成支援] (29) [遊びを通したきめ細やかな 基本的生活習慣形成支援] (21) [個々への戸外遊び支援] (18) [個々への健康的な 生活リズム支援] (9) [家庭と共に育む 生活習慣形成支援] (12) [個々に必要な健康的な 生活習慣の確立] (10) 【カテゴリー】 <コード> 【同じ保育者の日々一貫した支援】 <同じ保育者による生活習慣形成>(4) (8) <子どものペースに合わせた生活習慣形成支援>(4) 【個々の遊び心を満たす環境】 <没頭できる遊び環境>(4) (9) <個々の遊び心の充足>(5) 【保育補助者が支える生活習慣】 <保育者の家族が支える生活習慣>(3) (6) <保育補助者が支える生活習慣>(3) 【遊びや生活を支える <遊びを支える地域住民>(3) バラエティな人的環境】(6) <生活を支える地域住民>(3) 【遊びを通しての排泄習慣支援】 <個々の排泄状況の把握>(3) (7) <遊びを通しての排泄習慣支援>(4) 【オンリーワンの衣服着脱支援】 <個々に楽しみながらの着脱習慣>(4) (8) <オンリーワンの着脱習慣の工夫>(4) 【満喫しながらの食習慣形成支援】 <その子に合わせた食習慣形成の工夫>(3) (6) <満喫する手づかみ・食具食べ>(3) 【保育者同士で工夫する <日課の公園遊び>(5) 公園遊び】(8) <保育者同士による公園遊びの充実>(3) <個々に必要な運動遊び経験>(3) 【個々に必要な運動遊び経験】(10) <戸外運動遊びの充実>(4) <午睡後の戸外遊び>(3) <熟睡できる睡眠環境の工夫>(3) 【楽しみながらの入眠】(6) <子ども心を満たす入眠儀式>(3) 【巧みな生活リズムの調整】(3) <24時間を見据えた巧みな生活リズムの調整>(3) <家庭に繋ぐ排泄習慣>(4) 【きめ細かく繋げる生活習慣】(12) <家庭に繋ぐ食習慣>(4) <親子を繋ぐ遊びの伝承>(4) <個々の健康的な生活リズムの確立>(3) 【個々の健康的な生活習慣の確立】 <個々の食習慣の確立>(3) (10) <楽しみながらの衣服着脱習慣の確立>(4) 292 (4)全体像 コード、カテゴリー、コアカテゴリーの関係性を模式図に示した(図1)。 矢印は因果関係を示す。 個々に必要な健康的な生活習慣の確立 【個々の健康的な生活習慣の確立】 <個々の食習慣の確立> <楽しみながらの衣服着脱習慣の確立> <個々の健康的な生活リズムの確立> 家庭と共に育む生活習慣形成支援 【きめ細かく繋げる生活習慣】 <家庭に繋ぐ排泄習慣> <家庭に繋ぐ食習慣> <親子を繋ぐ遊びの伝承> 個々への戸外遊び支援 個々への健康的な生活リズム支援 【巧みな生活リズムの調整】 <24時間を見据えた 巧みな生活リズムの調整> 【保育者同士で工夫する公園遊び】 <日課の公園遊び> <保育者同士による公園遊びの充実> 【楽しみながらの入眠】 <熟睡できる睡眠環境の工夫> <子ども心を満たす入眠儀式> 【個々に必要な運動遊び経験】 <個々に必要な運動遊び経験> <戸外運動遊びの充実> <午睡後の戸外遊び> 個々のペースを尊重した 健康的な生活習慣形成支援 【同じ保育者の日々一貫した支援】 <同じ保育者による生活習慣形成> <子どものペースに合わせた生活習慣形成支援> 【個々の遊び心を満たす環境】 <没頭できる遊び環境> <個々の遊び心の充足> 遊びを通したきめ細やかな 基本的生活習慣形成支援 【遊びを通しての排泄習慣支援】 <個々の排泄状況の把握> <遊びを通しての排泄習慣支援> 【オンリーワンの衣服着脱支援】 <個々に楽しみながらの着脱習慣> <オンリーワンの着脱習慣の工夫> 【満喫しながらの食習慣形成支援】 <その子に合わせた食習慣形成の工夫> <満喫する手づかみ・食具食べ> 【保育補助者が支える生活習慣】 <保育者の家族が支える生活習慣> <保育補助者が支える生活習慣> 【遊びや生活を支えるバラエティな人的環境】 <遊びを支える地域住民> <生活を支える地域住民> 図1. 3歳未満児の生活習慣に関わる家庭的保育者の支援プロセス 293 考 察 本研究結果からは、家庭的保育者による3歳未満児の[個々に必要な健康的な生活習 慣の確立]への支援が導き出された。以下に、詳細を考察する。 1.[個々のペースを尊重した健康的な生活習慣形成支援] 本研究対象の家庭的保育は、家庭的保育児の家庭環境と同種の家庭的雰囲気の中で 行われる【同じ保育者の日々一貫した支援】であった。田宮(2013)は、保育施設で は、保育者を安全基地として心の中にイメージできるようになると安心して保育所で 生活することが可能となり、新しいことにもチャレンジできるようになると述べてい る。日中の大半を保育施設で生活する子どもにとって、情緒の安定を図る上でも心の 拠り所となる特定の保育者の存在は重要である。とくに3歳未満児の発達を鑑みると、 交代することなく、日々一貫した保育を行う家庭的保育者は、田宮(2013)のいう安 全基地としてイメージしやすいであろう。保育所保育指針では、3歳未満児の保育に 関わる配慮事項として、子どもの情緒の安定を図ることが示されており(厚生労働省 2008a) 、情緒の安定を図ることで、子どもの自発的な活動としての生活習慣形成もな されてくる。家庭的保育の保育環境や【同じ保育者の日々一貫した支援】は、このよ うな3歳未満児の生活習慣形成において、望ましいものといえよう。 家庭的保育者は、<個々の遊び心の充足>や<没頭できる遊び環境>を工夫し、 【個々の遊び心を満たす環境】を整えることに努めていた。これは、保育児が3名以 下という少人数保育であることに加え、保育者の居宅は限られた空間であることから、 保育者と子どもとの距離が近く、子どもの興味や関心を十分に把握することができ、 個々に応じた配慮が可能になると推察した。 家庭的保育者の家族や地域住民など、家庭的保育を支える人的環境も明らかになっ た。保育者の家族は子どもを抱きかかえながら、子どもが満足するまで絵本を読んだ り、おんぶで寝かしつけたりする等、保育者の家族や【保育補助者が支える生活習慣】 が示された。雨天で戸外遊びができない時には、子どもが飽きるまで遊び相手になっ てくれる近隣の住民や、家庭的保育の卒業生、外出の際に子どもに声をかけてくれる 地域住民、災害時の応援を申し出てくれる近隣住民など、家庭的保育ならではの【遊 びや生活を支えるバラエティな人的環境】があった。これは、鯨岡(1997)のいう、 戦前の保育を彷彿とさせる、保護者の親世代や近所の子育て経験の豊かな人々に囲ま れた、地域に根差した子育ての姿であるといえよう。 294 家庭的保育児の家族形態は、核家族が約8割を占めており(佐野 2013)、保護者が 一人で子育てを担う割合が多い。地域の人々が家庭的保育児に愛情をもって関わり、 支えている保育環境は、保育児や保護者にとっても貴重である。 このように、家庭的保育者は、個人差の大きい3歳未満児の[個々のペースを尊重 した健康的な生活習慣形成支援]に努めていた。しかし、【同じ保育者の日々一貫し た支援】は、反面、保育者の質に関わるところが大きく、家庭的保育室間の差も顕現 する。質の向上をめざし保育者研修が実施されているが、保育者が研修に参加するた めの保育体制はまだ未整備である。保育者が研修に参加しやすい体制を整えるために も、代替保育が行われやすいように近隣の保育所との連携を深めることが必要である。 2.[遊びを通したきめ細やかな基本的生活習慣形成支援] 日中保育においては、家庭的保育者は、上記、[個々のペースを尊重した健康的な 生活習慣形成支援]をベースに、[遊びを通したきめ細やかな基本的生活習慣形成支 援]に努めていた。例として、子ども独特の不安を抱える排泄行為については、トイ レ内の環境の整備やおまるを遊び用具にみたてて遊ぶなどの【遊びを通しての排泄習 慣支援】がなされていた。また、この時期に十分経験させたい手づかみ食べは、こぼ す分も考えて量を多めにしていることや、こぼして差し支えないように食環境を整え る等、子どもが【満喫しながらの食習慣形成支援】に努めていた。また、衣服着脱が 苦手な子どもに対しては、遊びの中で楽しく着脱が習得できるように、その子ども一 人だけのために考案した着脱習得玩具などを用いた【オンリーワンの衣服着脱支援】 など、きめ細かな支援が明らかになった。生活習慣の習得には、子どもが意欲的に自 分でしようとする気持ちを尊重することが示されている(厚生労働省 2008a) 。家庭 的保育者の[遊びを通したきめ細やかな基本的生活習慣形成支援]は、遊びであるが 故、楽しく、子どもの自主性が重んじられた支援である。その子どもに必要な生活習 慣形成をタイミングよく、遊びを通して行う支援は、3歳未満児が基本的生活習慣を 獲得する上で参考となろう。 3.[個々への戸外遊び支援] 家庭的保育は、園庭がないため、近隣の公園や広場、児童館、子育て支援施設等が 頻繁に利用されており、家庭的保育者は、地域全体を「園庭」に見立てているユニー クさもあった。そして、<日課の公園遊び>の実態が明らかになった。保育補助者が 設置されている保育室はもとより、保育補助者が設置されていない保育室でも、日常、 295 公園遊びを実施し、保育者同士がお互いに協力して他の家庭的保育児の援助を行った り、公園に来ている地域の家庭の親子も巻き込んで【保育者同士で工夫する公園遊び】 が展開されていた。 3歳未満児の発達の特徴として歩行の開始がある。歩行の獲得は、自己の欲求を生 活のあらゆる場面で発揮することができ、自己実現につながる。また、一人歩きを十 分に経験する中で脚力やバランス感覚が発達し、体力が養われてくる。しかし、この 時期の子どもは発達面でも個人差が大きく、一人ひとりに合わせた支援が必要な時期 でもある。本研究結果からは、家庭的保育者は午前のみならず、午睡後の戸外遊びも 設け、 【個々に必要な運動遊び経験】を図り、 [個々への戸外遊び支援]を行っていた。 家庭的保育の保育実態調査(佐野 2013)では、力を入れて行っている遊びは「戸外 遊び」が 88.4%、地域資源の利用は、第1位が公園で 91.7%であった。従来、家庭的 保育の密室性が懸念されてきた(小山・庄司ら 2007)が、積極的に戸外に出て体を 動かす戸外遊びが頻繁になされていた。また、集団保育と異なり、外出する際の手続 き、準備などに手間がとられることはなく、少人数だからこそ戸外遊びが頻繁にでき るという利点があった。家庭的保育の密室性は、頻繁な戸外遊びによっても回避する ことができていると推察された。 4.[個々への健康的な生活リズム支援] 家庭的保育者は、健康的な生活リズムが獲得できるように、午前の戸外遊びや主活 動、昼食、午睡など家庭的保育の生活リズムに個々の子どもの<24 時間を見据えた巧 みな生活リズムの調整>を行い、子ども一人ひとりに配慮しながら、家庭的保育なら ではの【巧みな生活リズムの調整】を行っていた。これを可能にしたのは、家庭的保 育ならではの融通の利く指導計画にある。栗山・吉田(2008)は、子どもの健全育成 のためには、子どもの生活は極めて情緒的な部分を多く有していることから、保育計 画のもとに一律に保育が行われるものではなく、保育計画は一人ひとりの子どもの個 性に沿って個別のメニューを組み立てられるものと述べている。家庭的保育は、少人 数であるが故、保育計画も子どもの現況に合わせ柔軟に対応できる利点がある。 家庭的保育の保育実態調査(佐野 2013)では、「力を入れて行っている保育内容」 として、第1位に生活リズムが挙げられた。本研究結果からも[個々への健康的な生 活リズム支援]が示された。とくに、子ども一人ひとりを十分観察し、子どもの習性 を把握しながら<熟睡できる睡眠環境の工夫>が示され、子どもが満足するまで行う 296 絵本の読み聞かせや0,1歳児へのおんぶの安心感で寝かせる工夫など、子ども一人 ひとりの発達を考慮し、それぞれの保育室で<子ども心を満たす入眠儀式>があった。 そして【楽しみながらの入眠】を心がけ、午睡に導いていた。神山(2011a)は入眠儀 式について、ヒトとしての眠りを考えた時に、眠りは無防備な状態であり、信頼でき る安心な状況でなければ眠れないものであり、眠るまでの状況把握はヒトにとって重 要であると述べ、寝かしつける積極的な手段として入眠儀式を取り入れることを提唱 している。 上述した家庭的保育の入眠儀式は、家庭的保育児の家庭と似かよった安心できる環 境で行われる入眠儀式であり、保育所保育指針に掲げられている、子ども一人ひとり 状況に応じ、落ち着いた雰囲気の中で行うとする3歳未満児の配慮(厚生労働省 2008b)を鑑みても望ましいものであると推考する。 また、保育所保育指針には子ども一人ひとりの生活リズムの尊重(厚生労働省 2008c)が掲げられている。生活リズムを整え健康的な生活習慣を獲得するための方策 として、午後の運動遊びの有効性が説かれている(松尾・前橋 2007)が、上述の日 中保育における個々の戸外遊びは、食習慣、睡眠習慣にも影響を及ぼし健康的な生活 リズムを確立するための一助となろう。 5.[家庭と共に育む生活習慣形成支援] 家庭的保育者は、<家庭に繋ぐ排泄習慣>や<家庭に繋ぐ食習慣>、<親子を繋ぐ 遊びの伝承>など、日中保育で形成される生活習慣や遊びをきめ細かく家庭に繋げる ことにより、保育室での生活が家庭でも連続してなされるよう、 [家庭と共に育む生活 習慣形成支援]を心がけていた。本論第4章第2節の家庭的保育を受ける3歳未満児 の保護者の意識に関する調査結果から、保護者が家庭的保育者に子育ての相談をする 割合は、87.1~90.7%と高率で、保護者の子育ての良きサポーターとしての保育者の 存在が確認されている。とくに、2歳児は、わがままに見える自己主張が目立ち、対 応に苦慮する時期でもある(鯨岡ら 2014) 。また、家庭的保育者の年代は、平均 55.0 (±6.5)歳であり、保護者にとっては実家の母親と近似した年代でもあった。保護者に とっては、家庭的保育者は子育てのよき相談相手として頼れる身近な心強い存在であ ろう。本研究の逐語録からは、歩行開始時期を過ぎているのに抱っこの生活であった り、夜間の睡眠環境整備がうまくできない等が示されたが、家庭的保育者は、 【きめ細 かく繋げる生活習慣】を心がけ、[家庭と共に育む生活習慣形成支援]に努めていた。 297 家庭的保育では、日々同じ保育者と保護者が子どもの送迎時に顔を合わせる。そこで は、子どもの情報交換を行うことから、保育者と保護者の距離も近くなり、信頼関係 が生じやすい(家庭的保育研究会 2011)。安梅(2004a、2004b)は、子どもの発達 に関連する要因として、家庭における保護者の育児態度や保護者への育児サポートの 有無などが強く関連することを説いている。家庭的保育者は、まさに、保護者の育児 サポーターであり、自我が強く対応に苦慮する3歳未満の時期の子どもを抱える保護 者の良き相談相手でもあった。 3歳未満の時期は、生涯にわたる健康生活の基礎づくりの時期であり、生活習慣を 習得していく過程は、心身の発達過程でもある。本研究から明らかになった家庭的保 育者の生活習慣形成支援は、3歳未満児の[個々に必要な健康的な生活習慣の確立]に 至る支援であることが示唆された。 3歳未満児の生活習慣形成支援については、保育の供給主体である保育所において は、保育士の交代勤務による集団保育である。複数の保育士が関わり、1人の保育士 に偏ることなく一定の保育の質が保たれている。一方、家庭的保育は、【同じ保育者 の日々一貫した支援】であり、保育者の質に関わる部分が大きく、密室保育も懸念さ れるところであった。近隣保育所や子育て支援センター等、地域資源の利用や保育交 流、家庭的保育同士の交流など、積極的な支援の取り組みも求められる。 近年、家庭的保育は待機児童対策の一環として注目されているが、質の高い家庭的 保育は、子どもの発達をきめ細やかに保障する貴重な保育形態であるともいえよう。 まとめ 3歳未満児の生活習慣に関わる家庭的保育者の支援は、家庭的保育児の家庭環境と 同じような家庭的雰囲気の中で、【同じ保育者の日々一貫した支援】をベースに、家 庭的保育ならではの【遊びや生活を支えるバラエティな人的環境】が背景にあった。 家庭的保育者は、 【個々の遊び心を満たす環境】を整え、 [遊びを通したきめ細やかな 基本的生活習慣形成支援] 、 [個々のペースを尊重した健康的な生活習慣形成支援]に 努めていた。とくに、家庭的保育での経験の乏しさが懸念されてきた戸外遊びは、 【保 育者同士で工夫する公園遊び】を日課として行い、 [個々への戸外遊び支援]に展開さ れていた。 298 また、24 時間を見据えた【巧みな生活リズムの調整】、家庭に【きめ細かく繋げる 生活習慣】の重要性を意識しながら、 [家庭と共に育む生活習慣形成支援]を心がけて いた。その結果、 [個々に必要な健康的な生活習慣の確立]に至った。 このような家庭的保育者の支援は、子ども一人ひとりの状況に応じた関わりが必要 な3歳未満児の生活習慣形成に求められる支援であることが示唆された。 一方で、同じ保育者の日々一貫した支援は、保育者の質に関わる部分が大きいこと から、質の向上を目指した研修や研修への参加体制の整備などの必要性が求められた。 299 第2節 3歳未満児の生活習慣形成に関わる保育所保育士の支援プロセス 【研究8】 目 的 保育所の保育士が日中保育の中で、3歳未満児の健康的な生活習慣確立に向けて、 どのような支援を行っているのか、その支援プロセスを明らかにし、保育所の保育を 受ける3歳未満児の健康生活に必要な知見を得る。 研究方法 1.調査対象と調査期間 (1)調査対象地域 調査対象地域の選定は、本研究7と対比させることから、研究7で選択したT市, M市とした。 (2)調査対象者の要件 対象者の選定は、本研究7と対比させることから、調査対象者の選定要件を以下の 4要件を満たしていることとした。 ①T市かM市の社会福祉法人の認可保育所の保育士。②3歳未満児保育の経験6年 以上(注1)の経験者とし、現在も3歳未満児の保育に関わっている保育士。③保育士の 年齢は、30 歳代、40 歳代、50 歳代。④本研究への協力が可能である。 以上、①~④をふまえ、T市,M市の保育所の担当部署を通して、研究協力の説明・ 依頼を行い、協力の承諾を得られた保育所の保育士8名を研究対象者とした。 対象者の概要は、表1に示した。 (3)調査期間・場所 調査期間は、2013 年5月9日~5月 29 日。 インタビューの場所は安心して話ができる場として、各対象者が希望した保育所内 にある職員休憩室で行った。 2.調査方法・内容 半構成化面接法(寺下 2011)を用いて、対象者にインタビューによる面接を実施 した。事前にインタビューガイドを作成し、インタビューガイドに沿って一人約 30 分 間の面接を行った。また、対象者の了解を得て IC レコーダーへ録音を行い後に逐語録 をおこした。質問は、以下の3項目であった。 300 <質問内容> 1)保育児の生活習慣形成を支援する際に、どのようなことを心がけているか。 2)家庭での生活習慣形成に対して、保護者にどのような支援を心がけているか。 3)その他自由な語り。 表1 対象者の概要 対象者 年齢 性別 保育所経験年数 N1 50歳代 女 38 N2 50歳代 女 36 N3 40歳代 女 19 N4 30歳代 女 8 N5 30歳代 女 10 N6 50歳代 女 32 N7 40歳代 女 15 N8 40歳代 女 10 結 果 1.対象者の背景 対象者の年齢は、平均 41.3(±10.0)歳で、経験年数は 21.6(±12.6)年であった。 2.分析結果 逐語録から、生活習慣や遊びに関する生データ(付箋の総数)は 76 であった。そこ から、23 のコード、12 のカテゴリー、さらに、6のコアカテゴリーが生成された。記 述にあたっては、コードは<>、カテゴリーは【 】、コアカテゴリーは[太字]で 示した。 (1)[基準を満たした生活習慣形成支援] このコアカテゴリーは、2のカテゴリーで構成される。 ①【交代勤務内の生活習慣支援】 保育士同士が<チームによる連携>をとりながら、<交代勤務内の生活習慣形成支 援>をベースに進められていた。 301 ②【保育所内での遊び環境調整】 保育士は<遊びを保障する保育士の数>を整え、<集団内の遊び環境整備>を図る よう努めていた。 (2)[集団内における個々の生活習慣形成支援] このコアカテゴリーは、2のカテゴリーで構成される。 ①【集団で行う排泄習慣支援の工夫】 排泄習慣については、一人の子どもに対し、複数の保育士から排泄を促す言葉がけ が集中しないような配慮など、<集団内で行う個々の排泄習慣形成支援>や配慮が窺 えた。そして、一人ひとりの対応に漏れがないように、保育士どうしで<申し送りな がらの排泄習慣形成支援>を心掛けていた。 ②【集団内で行う個々の生活習慣形成支援】 保育士は、<集団内での個々の食習慣形成支援>や<時間内で手伝う着脱・清潔習 慣支援>など、集団であるがゆえに、決められた時間内における生活習慣形成支援に 努めていた。 (3)[集団での遊び支援] このコアカテゴリーは、2のカテゴリーで構成される。 ①【集団ならではの遊び技】 子ども一人ひとりが<集団内での遊び心の充足>を得られるよう配慮し、トラブル の原因を作らぬよう<いざこざ回避の技>を駆使して、遊び場を整えていた。 ②【譲りあう遊びの工夫】 子ども同士の遊びが重なった場合は、<保育士介在の譲り合う遊び>や<集団内で の遊びの工夫>に努めていた。 (4)[保育所の生活リズム形成支援] このコアカテゴリーは、2のカテゴリーで構成される。 ①【保育所内の生活リズムに同調】 保育士は保育所のデイリープログラムに合わせ、<保育所の生活リズムに同調>し、 <保育所の給食時間に同調>するように、子どもの遊び時間を意識し、調節を心掛け ていた。 ②【入眠環境の整備・工夫】 子ども一人ひとりが快く午睡がとれるように、<集団内での入眠環境の整備・工夫 302 >に努めていた。 (5)[家庭での生活習慣形成をリード] このコアカテゴリーは、1のカテゴリーで構成される。 ①【家庭をリードする生活習慣形成支援】 保護者に対しては<家庭をリードする排泄習慣形成>や食習慣形成など<家庭との 生活習慣形成の連携>を意識していた。 (6)[集団を見据えた健康的な生活習慣が確立] このコアカテゴリーは、2のカテゴリーで構成される。 ①【保育所の規則正しい生活リズムが確立】 保育士は、<保育所の規則正しい生活リズムが確立>するように、<延長保育の生 活リズムの調整>を図っていた。 ②【集団内での生活習慣が確立】 保育士は、集団内で形成される個々の基本的生活習慣形成支援に努め、その結果、 <集団内での生活習慣が確立>し、健康的な生活習慣が確立するというプロセスを辿 った。 (7)コアカテゴリーに入らないカテゴリー このコアカテゴリーは、1のカテゴリーで構成される。 ①【集団内での生活習慣支援の限界】 保育士は生活習慣形成過程で、<集団内でのリズム同調に懸念><困難な休日明け の生活リズム調整><集団内での遊び環境への限界>など、個と集団の狭間で【集団 内での生活習慣支援の限界】を感じている姿もみられた。 3.コード、カテゴリー、コアカテゴリーの関係 コードの生成(表2)、コードとカテゴリーの関係(表3)、コードとカテゴリー、 コアカテゴリーの関係を表にまとめ(表4)、それを基に模式図(図1)を作成した。 (1)コード 生成した 23 のコードとその表札(ラベル)、ラベルの意味、付箋に記した逐語など をまとめて、コードごとに表示した(表2)。 逐語については、逐語録通りに記したが、括弧内は必要に応じて、筆者が補足した。 303 表2. 保育所保育士による3歳未満児の生活習慣形成支援プロセス ― コード(ラベル)・意味 ― コード 1 意 味 ( )内の数字は付箋紙の数 交代勤務内の生活習慣形成支援 交代勤務内で、できるだけ子どもの生活習慣支援を行うように努力すること N2:朝は担任と他のクラスの担任が入ってる場合があるんですね。本当に 細かく言ってしまうといろいろなんですけど、あとは日中は担任が揃って るんです、だいたい9時すぎくらいから5時くらいまでは担任が揃ってる んですけど、どうしてもあとは入れ替わって他の保育士が1人はいるって いう機会があったり、あとはお休みもいるので公休の保育士がいた時は私 たちもフリーとかそういう職員が入った時にも、お互い声を掛け合って、 逐 「今出ました」とか、この子たち誘ったので、やっぱり何回も(トイレに) 語 誘われたら子どもたちも嫌じゃないですか。だから声掛けも重ならないよ 録 うにお互い保育士の動きを見て、今、声かけてるかなとか、 デ | N5:連絡ノートって、やっぱり書くところが限られていることで、書きき タ れなかったりとか様子が生身で伝えられなかったりとかするので、極力話 (3) しかけというか、こちらからの声掛けも大事にしていきながら。もちろん 交代勤務なのでね、朝晩必ず顔を合わせるわけではないので難しいご家庭 もあるんですが。 N6:交代勤務ですが、担当がかわっても分かるように、漏れがないように 気を付けています。メモで残すようにしていますが、 304 コード 2 意 味 チームによる連携 チームで引き継ぎながら生活習慣形成支援を行っていること N1:未満児の場合は全て副担になってますので、誰かかれかがそこの担任 が1人はいるんです。朝の受け入れの時から、その先生が把握したならば 同じクラスの先生たちに伝えるっていうのを徹底しています。一応全部同 じチームの先生達には一人ひとり体調とか保護者からの引き継ぎ事項は 伝えるようになってます。 逐 N3:担任間では、お話はして連携はとってはいて、もしその他の先生、担 語 任以外の先生であったりとか、朝早く来る子であったりとかっていう子 録 は、やっぱりその他の先生にも伝えはしていて、そういうところで細かい デ ところで連携はとって。 | タ N4:子どもが寝ている間に、 「今日こうだったね、こういうとこ伝えたい (4) よね」っていうのをできるだけ部屋の中で話をして、あの伝えたいことの 共通理解じゃないですけど情報を共有することで、どの人が対応に立って も話せるようにっていうのは、心がけてきています。 N6:人数が多くなってしまうところもあるので、出来るだけ全員のことを 伝えないといけないというところもあるので、本当に0(歳)のうちは自 分で言えないところもあるので、まずお昼寝の時に午前中あったことをま ず伝え合う、午後になって入れ替わりとかそういうところでは帰る前に、 こういうことがあったというところを口頭で伝えられない時もあるので、 上がる前にメモをして、これはこういう姿があったっていうのをまず渡し て、伝えるようにしています。 305 コード 3 意 味 遊びを保障する保育士の数 遊び環境が安全となるように保育士の人数を調整すること N2:朝は担任と他のクラスの担任が入ってる場合があるんですね。本当に 細かく言ってしまうといろいろなんですけど、あとは日中は担任が揃って いるんです、だいたい9時すぎくらいから5時くらいまでは担任が揃って いるんですけど、どうしてもあとは入れ替わって他の保育士が1人入る機 会があったり。 逐 N3:22 人みていて、6 対 1 じゃないですか、やっぱり 6 人を 1 人で見るよ 語 うな感じにはなってはくるんですけれども、その子どもの姿によりけり 録 で、こう落ち着かない日とかは、じゃあどうしたらこう切り替えられてい デ けるかなって考えて、切り替えられなくってみんな泣いちゃったりとか、 | みんなこう連鎖して中々落ち着かない時期はあったんですけど、5 人とか タ 6 人とか例えば 2 人でちょっと多い人数見て、1 人だけ 4 人とか 5 人とか (3) 見るっていう風にちょっと体制を変えたりとか、子どもによってどの環境 が遊びやすいのかなっていうところで、対応は変えていったりはして、だ いぶ今、落ち着いては来てるのかなって。 N8:1人で5人を見ていますが、集団ですから5人だけ見るという訳には いかないですね。保育士の人数はそろっているんですが、未満児ですから、 なるべる仕切りをしたり、でもやっぱり、集団になってしまいますけど。 306 コード 4 意 味 集団内の遊び環境整備 集団内の遊び環境を整備すること N3:食後、集団になっちゃうとすごいこうガヤガヤしちゃうところも、子 どもたちが少しじっくり遊べる時間が持てるので、分かれて遊んだりし て、2、3 グループには分かれて、22 人だったので最後の時期は 4 グルー プとか 3 グループに分かれて遊んで。 N4:今は天気がいいのでとにかく園庭まで出なくてもテラスがあるので、 テラスであの過ごしてもらっているんですけど、掃除が終わるまでの間ど 逐 うしてもテラスで、子どもたちの好きなマットを出したりちっちゃなすべ 語 り台があるのでそれを使って遊んでると、大きい子たちが自然声をかけて 録 くれるので、そこで一緒に遊んだりお世話係が来るので、年長児さんが1 デ 歳児にちょっと当番に来てくれてたりするので、そこで一緒に遊んだり、 | 本を読んでもらったりというふうに過ごしながら、掃除が終わって部屋が タ 整った時には、子どもたちの様子を見ながら体を動かしたいようなら体を (3) 動かす遊びを、そうじゃないなっていう時は落ち着いた遊べる遊びをって いうふうに、一応いろんなタイプで出せるようには準備してあるので。 N7:集合しちゃうと噛み付きだったり、どうしても場所の取り合いで引っ かくっていうことが多かったので、その噛み付いたり引っかかないための 環境作りを工夫して、いくつかの遊びを用意して、子どもたち興味がある ところに自分たちで行くので、その姿に合わせて職員も一緒に動いたり、 ちょっと見守ってあげたり。 307 コード 5 意 味 集団内で行う個々の排泄習慣形成支援 集団全体の子どもの発達を見据えて排泄習慣を行うこと N2:尿の感覚をつかまないことにはトイレには誘えないので、保育園の方 では定期的に時間をみて、トイレに誘っていて、その中で感覚が一人ひと りによって違うじゃないですか、結局大きいからと言って感覚が長い訳で はないですし、その子そのお子さんによっての感覚をこう掴んでいって。 ある程度感覚がついてくれば必ずそのご飯の前とか寝る前とかには一斉 に声掛けももちろんするんですけど、今はどちらかというと個人に合わせ た間隔で誘うようにはなってきてます。昔は、集団集団みたいな感じでし 逐 たけど、 語 録 N4:トイレットトレーニングが進められそうな時は、1歳児クラスの中の、 デ 例えばこの子とこの子が、じゃあ排泄の時に声をかけてみようかとか、一 | 緒に行って便座に座ってみようかとか、あとは、お昼寝明けにおむつが濡 タ れてなかったら、もしかしたらトイレで出るかもしれないという可能性が (3) あったとしたら、そのお子さんだけ行ってみるとか。やっぱり、1 歳児ク ラスとかだと、月齢差も大きいですから、いっしょくたに何月になったか らトイレトレーニングを始めるとかではなくて、そのお子さんの状況を見 て、発達に合わせて支援っていうのが求められてくるかなという風には思 っています。 N5:様子をみて、その子一人ひとりに声をかけているので。大体、必ず決 まっておやつ前、ごはん前、お昼寝後、夕方、必ず4回は子どもたちは行 っているんですけれども、その間に一人ひとりのその間隔っていうかタイ ミングで声をかけて、失敗しないことを一緒に喜ぶようにしていました。 308 コード 6 意 味 申し送りながらの排泄習慣形成支援 保育士同士が申し送りながら個々の子どもの排泄習慣支援を行っていること N2: 「今出ました」とか、この子たち誘ったので、やっぱり何回も(トイ レに)誘われたら子どもたちも嫌じゃないですか。だから声掛けも重なら ないようにお互い保育士の動きを見て、今声かけてるかなとか、あと「今 Aちゃんが出たので大丈夫ですよ」とかBちゃん出たのとか、終わったの にまた声かけられたりするようなことだけはどの場面もですけどね。トイ レにかかわらず手洗いとかそういったところもやっぱりあの、褒められる 声だけはたくさんあってもいいと思うんですけど何かをしなくちゃいけ 逐 ないという声がけはできるだけ重ならないように、そこも連携をとってと 語 いうか、お互いの動きをみるだけじゃなくて、今こうしましたっていう感 録 じで声掛けをするようには心がけてはいるんですね、 デ | N4:朝、例えば来たときに朝からいる先生に、 「今この時間出ました」と タ か、あとはその都度クラスのなかでも「この時間だよね」っていうのをお (3) 互い連携をとっているのでそれで把握はするんですけど。何かをしなくち ゃいけないという声がけはできるだけ重ならないようにそこも連携をと ってというか、お互いの動きをみるだけじゃなくて、 「今こうしました」 っていう感じで声掛けをするようには心がけてはいるんですね。 N8:声掛けは、漏れないようにこまめにやりながら、早番でも遅番でも引 き継ぎの先生が困らないようにはしていますが。 309 コード 7 意 味 集団内での個々の食習慣形成支援 集団内でできるだけ個々の子どもの食習慣形成支援を行っていること N1:うちは、給食に 90 分かけていて、子どもの好きな時間に給食を食べ るようにしていますが、低年齢児は保育士がよく子どもの様子をみていな いと、お腹がすくタイミングに給食をもってくるのは難しいですね。まあ、 3年かけてようやくできるようにはなりましたが。 N6:朝、あきらかに空腹で機嫌が悪いお子さんは、他のお子さんとは別に、 少しだけおやつをあげることもありますが、給食の時間にお腹がすいて、 逐 美味しく食べられるようにって思っています。 語 録 N7:苦手なものは無理には食べさせませんが、皆で食べると結構食べられ デ るようになってくるんですね。スプーンもフォークもそのうち上手に使え | るようになりますし、まあ、その子に合わせてですね、個人差があります タ から。 (3) 310 コード 8 意 味 時間内で手伝う着脱・清潔習慣支援 時間内で手伝いながら着脱・清潔習慣支援を行っていること N3:1 歳児はやっぱり歩けるようになってきて行動範囲も広くなっては来 るんですけれども、まだまだその生活面では、自分でできるっていうのは まだ難しい部分ではあるので、自分でやりたいっていう気持ちがちょっと 出てきたんであれば、極力、じゃあどこまでやれるかなってところで少し 手をかけてあげたりとか、前半の方はまだまだ言葉で出ないので、やって あげることは多いんですけど、後半の方になるとちょっとじゃあ、お洋服 脱ぐにしても、じゃあここまで、こう脱ぐとこまで頑張るから、じゃあ先 逐 生は頭の脱ぐとこから手伝うねって、 語 録 N7:こちらがやってあげる部分を用意しつつも、子どもたちが自分でやろ デ うとする気持ちを大切に保育しています。具体的に言うと食後の口拭きだ | ったり、手を洗う時だったり、あとは排泄の時ですねズボンの着脱面だっ タ たり、やってって持ってきてくる子もいるんですけど中には自分でやるっ (3) て言って一生懸命やる子もいるので、ちょっとそこを見守ってあげて自分 でやろうとする気持ちを大切に、やれたら出来たーって思って子どもたち も満足感得るし、そこで一緒に喜んであげることで生活習慣の自立に向か います。 N8:個人差があるので、やりたい気持ちを大事にしながら、時間もありま すができるだけ1人でできるように、少しだけ手伝うっていう感じですか ね。お友達ができるのを見たり真似しながらできるようになる子もいます が、大体時間が決まっているので、あまりのんびりできない時も正直言っ てありますが 、やりたい気持ちがある子は、励まして喜んであげながら、 少しだけ手伝うていう感じですかね。でも、そのうちにできるようになる んですね。みんな。 311 コード9 意 味 集団内での入眠環境の整備・工夫 集団内で個々の入眠環境を工夫し、整えようと努力していること N3: やっぱり、みんな肌ふれ合いたいのは一緒なので、絶対ふれないで ってことはないので、そういうふれ合いが気持ちいいんだよっていうとこ ろを、寝る時に、入眠する時に大切にして、普段集団で過ごしてる中で、 なかなか触れ合えなかったりするじゃないですか、1対1にはいかない時 もあるので、だから入睡の時はふれ合って安心できればいいかなっていう ところで、誘ってはいますね。 逐 語 N4:風通しやすいように窓も開けて、気持ちよく寝れるように、やっぱり、 録 お昼寝の時こそ何か騒いじゃうっていうか、お話したくなっちゃう、眠く デ なるとお話したくなる子もいるので、まぁそういう時はその寝たい子もい | ると思うので、そこは何か静かにしなさいって怒るのではなくって、お話 タ にちょっと耳傾けつつ、ゆったり流れていけるように、そういう時はお友 (3) 達同士、どの子とどの子だとちょうどよく寝れるのか、配置とかも考えて。 N6:なかなか寝付けない子どももいますし、無理に寝かせませんが 、遅 いリズムにならないように、寝付きやすいように、トントンしてあげたり、 寝かせるようにしています。 312 コード 10 意 味 保育所の生活リズムに同調 保育所の生活リズムに子どもの生活リズムを同調させること N1:遊ぶ・寝るそれから食べるとか、お昼寝するとか、そういった保育園 の生活の流れがはっきりしてくることによって、健康が保たれるんです ね。やっぱり、きちっと寝るとか食べるというリズムが保たれると子ども というのは、健康になってくる。成長も順調になってくる。ということが 集団でいるメリットというところがありますね。 N4:1 歳後半とか 2 歳ぐらいになってくるとお昼寝しなくなる子もいるん 逐 ですね、お家で何か寝る時の癖とか、赤ちゃんの時とか、お話はしてもら 語 って。 録 デ N5:時間で、遊ぶ時間や給食の時間が進んでいくので、自分が満足するま | で遊んで、そこで、 「今日はもう十分に満足したぞ」と思って、 「お腹空い タ た」っていうふうにいくのがベストかなと思うんですが。一応給食の時間 (4) とか、お昼のご飯の提供の時間、昼寝の時間、遊び時間っていうのが決め られている関係で、そのお子さんがどうしても、遊び込めていない、その 一歩手前で給食の声掛けをしなきゃいけないときもあるんですが、その時 は、まず、 「時間だから終わり」ってことではなくて、 「今日はこういうこ として楽しかったね」って、 「Aちゃんこれが好きだったんだね、良かっ たね」っていうような声掛けをしながら、 「もうそろそろお腹すいたんじ ゃない?」って「皆、お腹すいたって言ってるから一緒に行ってみない?」 みたいな形で、自ら給食の方に興味が持てるような声掛けをしていきなが ら。「あ、給食だったら行こうかな」みたいな気持ちの切り替えができる ようにしてるんですが。 N8:給食時間やお昼寝など、保育所の生活リズムに合わせていけることが 健康的な生活リズムになると思いますが、 313 コード 11 意 味 保育所の給食時間に同調 保育所の給食時間に合わせて個々の遊びを調整すること N4:一応給食の時間とか、お昼のご飯の提供の時間っていうのが決められ ている関係で、そのお子さんがどうしても遊びこめていない、その一歩手 前で給食の声掛けをしなきゃいけないときもあるんですが、 N5:一応給食の時間とか、お昼のご飯の提供の時間、昼寝の時間、遊び時 間っていうのが決められている関係で、そのお子さんがどうしても、遊び 込めていない、その一歩手前で給食の声掛けをしなきゃいけないときもあ 逐 るんですが、その時は、まず、 「時間だから終わり」ってことではなくて、 語 「今日はこういうことして楽しかったね」って、 「Aちゃんこれが好きだ 録 ったんだね、良かったね」っていうような声掛けをしながら、 「もうそろ デ そろお腹すいたんじゃない?」って「皆、お腹すいたって言ってるから一 | 緒に行ってみない?」みたいな形で、自ら給食の方に興味が持てるような タ 声掛けをしていきながら。 「あ、給食だったら行こうかな」みたいな気持 (3) ちの切り替えができるようにしてる。 N6:給食の時間は決まっているので、遊びが途中になる子どももいますが、 給食は、給食でお腹を空かせている子もいますし、 314 コード 12 意 味 いざこざ回避の技 集団内で子ども同士のいざこざを回避するために遊びを調整すること N1:1歳すぎてくると、まだその自己主張の時ですから、自分だけが欲し いし、人には貸したくない。そこでおもちゃの取り合いなんかするので、 よく出てくるのは噛みつきとか、引っ掻きとかそのあたり出てくるんで す。まだあの言語もよく発達してないので、 「ダメ―」くらいしか言えな いので、でも、それは集団だからそういうことが頻繁に起きて大変なこと もあるのですが、でも、それも1人遊びが十分にできる、その環境を作っ てあげると、そういったトラブルはあまり起きなくなる。だから1歳は1 逐 人遊び、それから大人が相手になってあげる遊びというのを十分にする、 語 2歳になったらちょっとお友達と近づける遊びを用意してあげる、それは 録 私たちプロが常に考えてやっていることなんですよね。 デ | N3:何かこう手が出たりとかしちゃう子が重なってきてしまうと、そこで タ トラブルもあったりしたりもあるのでそこはちょっとうまく、そういう姿 (3) をこっちで見て、分けていた部分もあるんですけど。 N4:とりあえず1個では出さないようにして、必ず3つ4つ複数で出すよ うにはしているんですけれども、その中で取り合いが出てきたときに、そ こが順番を教えるチャンスでもあるのかなと思っていたので、子どもが覚 えやすい歌で、この歌を区切りに次ねっていうふうにして、一人ひとりが 待った、必ず自分の番が来るっていうことを覚えてもらいながら、そばに ついて、はいおしまい、で次に、次の歌を歌ってはいおしまい、っていう ふうにこう出来るだけ待っている時間も一緒に歌うとかで、楽しめるよう な工夫は心がけていました。 315 コード 13 意 味 集団内での遊び心の充足 子どもの遊びたい気持ちを受けとめて、できるだけ満たしてあげること N2:小さい子だと一応、とにかく、人数を把握して必ず保育士の目がある 中で遊べるようにということは心がけてはいるんですね。見てないところ でってことだけはないように、やっぱり大切なお子さんですし、だからで きる環境の中で、どれだけ満足してできるかっていうところはあるかって 思うんですね、もちろん広いですし、ただやりたいからなんでもいい訳で はないですし、広いところにいっぱいいるからと言って満足するかと言っ たらそういう訳でも。ただ単にうろうろしているのか。 逐 語 N3:すぐに、走ったりとかっていうのが出てきて、部屋に大人数でいるの 録 もやっぱり発散できないので、園内探索してきますって言って、2階とか デ に行って、少しこう外気に当たって気分転換して、お散歩(園庭)したり | とか、2歳に上がる前の後半とかは、お外で遊んだり、夕方少し遊んだり。 タ (3) N5:例えばお子さん自身が集中して、何かにこう、十分に集中して満足し て遊んでいるときは、逆に大人からの支援をしすぎないというか、声掛け のしすぎって邪魔な時もあると思うんですよね。お子さんが楽しんでいる と、大人ってこう、 「いいね」って声かけたくなるんですけれども、逆に、 私も最近気づいたんですけど、子どもの世界っていうのはほんとに自分の ペースで、自分の興味の中で進んでいて、それがこう十分に没頭出来てす ごく遊び込めるっていう時は、逆に外からの働きかけっていうのは、うる さいんじゃないかなって時々思うんですね。なので、遊び込んでいるとき は「あ、こういうことして楽しんでるな」って見守りは必要だと思うんで すけれども、逆にそれを阻害してしまうような、うるさい声掛けは逆にい らないかって。 316 コード 14 意 味 集団内での遊びの工夫 集団内において子ども同士の遊びが重ならないように工夫すること N3:同じおもちゃがない時は、喧嘩になってしまう時も、同じものがある ときは「こっちにあるよ」って誘いかけて、ない時は他の遊びに誘ってこ れやって待ってたり、結局、いくらおもちゃがあっても、人の物がほしく なっちゃうんですよね。 N4:取り合いが出てきたときに、そこが順番を教えるチャンスでもあるの かなっと思っていたので、子どもが覚えやすい歌、この歌を区切りに次ね 逐 っていうふうにして、1人ひとりが待ったら必ず自分の番が来るっていう 語 ことを覚えてもらいながら、そばについて、はいおしまい、次に、で次の 録 歌を歌ってはいおしまい、っていうふうにこう出来るだけ待っている時間 デ も一緒に歌うとかで、楽しめるような工夫は心がけています。 | タ N6:一つの遊びに集中しないように、コーナー遊びを作ったり、できるだ (4) け誘ったり、おもちゃの取り合いが始まりそうな時は、他のおもちゃで遊 ぶように誘ったり、 N8:おもちゃの取り合いになって喧嘩になることも、エスカレートしてし まう時には、気分転換でちょっと離して。 317 コード 15 意 味 保育士介在の譲り合う遊び おもちゃは譲り合って遊ぶことを保育者が介在して示すこと N4:順番を待つことがむずかしい時には、抱っこしたりして一緒に待つこ とを覚えるようにしています。 N6:0、1(歳児)と言っても、やはり、友達とのやり取りっていうとこ ろを今のうち、0、1(歳児)の間から教えていかないと、大きくなった 時に自分が使いたかったって譲れなくなってしまうと思うので、「使いた かったんだね、ただ最初にお友達が使ってたから、あとから借りようか」 逐 っていう妥協策じゃないですけれども、他の考えを提案してあげたりと 語 か、あとは「じゃあ貸してって言うと良いんだよ」っていうやり取りがで 録 きるように、保育者が間に入って行うようにしています。 デ | N7:同じものがない時、同じものがあるときは「こっちにあるよ」って誘 タ いかけて、ない時は他の遊びに誘ってこれやって待ってよってだったり、 (3) それでも嫌だって時はどうするって考えて、あれがどうしても欲しいって いうんであれば、一緒に行って「貸して」って言ってみたり嫌だっていう 時もあるんですけど、 318 コード 16 意 味 家庭との生活習慣形成の連携 家庭での子どもの生活習慣を把握し、連携しながら支援すること N2:朝のお家での様子を聞いた上で、どうしても色々な事情はありますか ら、何が何でもとはお願いできないことはありますが、 (休日の生活リズ ムから)少しずつ園の生活に戻っていけるように、急に園の生活に戻りま しょうと言ったところで、子どもはすごく負担だろうと思うので、徐々に 戻っていくようにはしているんですけれども、 N3:お家での生活リズムも兼ね合いが出てくるので、お母さんたちとはお 逐 話をして、どう過ごしているのかとか、やっぱり1歳後半とか2歳ぐらい 語 になってくるとお昼寝しなくなる子もいるんですね。 録 デ N5: (3歳)未満児は特にそうなんですけども、トイレに限らず個別性が | やっぱりありますので、一人ひとりの今ある状況をしっかりと把握した上 タ で、なおかつ、お家でどのような形で進めてらっしゃるかという所を聞き (5) 取り等、お父さんお母さんからのお話をお聞きしたうえで、今この子に何 が必要かということを考えた上で、支援をしていくようにしていますが。 N6:連絡ノートって、やっぱり書くところが限られていることで、書きき れなかったりとか、様子が生身で伝えられなかったりとかするので、極力 話しかけとか、こちらからの声掛けも大事にしていきながら、もちろん交 代勤務なので、朝晩必ず顔を合わせるわけではないので、難しいご家庭も あるんですが。 N8:連絡ノートでお知らせしていますが、なるべく顔を合わせるようには 心がけていますが。 319 コード 17 意 味 家庭をリードする排泄習慣形成 家庭をリードしながら子どもの排泄習慣形成を行うこと N2:出た時とか「出るよ」とか「おしっこしようね」とか言って、出たと きには、大体保育園の方で感覚がつかめるようになって、トイレができる ようになってきているから、お母さん「今日、出たんですよ」とか、こう いうふうに誘ったら出ましたとかっていうようにお話をして、そこで「あ っ、こうやっていけばいいんだな」っていうお母さんの方で分かって頂い て、じゃあ無理ないかたちで進めてみてくださいっていうかたちで、 逐 語 N5:おむつが外れちゃうと、失敗をすることも逆に多くなってきて、逆に、 録 「汚されるのが嫌だから紙パンツさせといてください」っていう方もなか デ にはいらっしゃるので、例えば「1時間くらいはもつようですよ」とか、 | 「お家でも声かけてみてあげると、お子さんも喜びますよ」 、とかってい タ う形で声掛けが必要になっていたり。保育園にいる時間が長いので、どう (3) してもこちらが進めていますが、 N7:ご家庭と一緒に進めているんですけど、どうしても家に帰ると紙パン ツになってしまうようで。こちらがリードしていかないと長引いてしまう お子さんもいますね。 320 コード 18 意 味 保育所の規則正しい生活リズムが確立 保育所内で決められた規則正しい生活リズムが確立すること N1:ただ、やっぱり、集団ということなので、成長にしたがってある一定 の生活リズムが作れるように自然になってくるんですね。1歳を迎えるこ ろには、大体午前中に一回午前睡をして、ご飯を食べて遊んでその後にお 昼寝をするような生活リズムに自然と整ってくるんですね。やっぱりこう きちっと寝るとか食べるというリズムが保たれると、子どもというのは健 康になってくる。成長も順調になってくる。ということが集団でいるメリ ットというところがありますね。それでメリットと言えば、そのお子さん 逐 はその日によっても全然ちょっと違ったりするのでね、やっぱりそこをき 語 ちっと見極められる保育士がしなければ、お子さんのそういう変化に気づ 録 いて個別の対応をしてあげられないことになるんですね、 デ | N2:0(歳)から来ているお子さんであったりすれば、ある程度のリズム タ はできてきていますが。 (3) N8:1歳ぐらいになってくると、保育所のリズムができてくるんですね。 おやつの時間や給食時間や昼寝の時間などがはっきり決まっていますか ら、生活リズムは整ってきますね。 321 コード 19 意 味 延長保育の生活リズムの調整 延長保育の子どもの生活リズムを整えていること N3: (午後)8時 15 分に帰るお子さんがいるので、着いて9時じゃないで すか、すぐにお風呂にいれて寝かせても 10 時、そのリズムできちっと生 活しているので朝も早く起こしてご飯を食べて登園してくれるので結構 丈夫ですね。 N4:延長のお子さんは、延長のリズムの生活で慣れているので、延長の生 活リズムで整っていると思います。 逐 語 N6:延長保育のお子さんは、お子さんの生活リズムができますね。遅くな 録 りますが、もう決められているので、ただおうちの人とあまり接する時間 デ がないのではと心配になることもありますね。 | タ (3) 322 コード 20 意 味 集団内での生活習慣が確立 集団内で子どもの基本的生活習慣が確立すること N2:遊ぶ・寝るそれから食べるとか、お昼寝するとか、そういった保育園 の生活の流れがはっきりしてくることによって、健康が保たれるんですか ね。やっぱり、きちっと寝るとか食べるというリズムが保たれると子ども というのは、健康になってくる。成長も順調になってくる。ということが 集団でいるメリットというところがありますね。 N3:1歳児は、前半の方はまだまだ言葉で出ないので、やってあげること 逐 は多いんですけど、後半の方になると、お洋服脱ぐにしても、あのじゃあ 語 ここまで、こう脱ぐとこまで頑張るから、先生は頭の脱ぐとこから手伝う 録 ねって、時間はかかりますが、そのうちだんだんできるようになってきま デ す。 | タ N7:食後の口拭きだったり、手を洗う時だったり、あとは排泄の時ですね。 (3) ズボンの着脱面だったり、やってって持ってきてくる子もいるんですけ ど、中には自分でやるって言って一生懸命やる子もいるので、ちょっとそ こを見守ってあげて自分でやろうとする気持ちを大切に、やれたら出来た ーって思って子どもたちも満足を感得るし、そこで一緒に喜んであげるこ とで生活習慣の自立に向かいました。 323 コード 21 意 味 集団内でのリズム同調に懸念 集団生活のリズムに同調させてしまうことに懸念していること N1:お子さんはその日によっても全然違ったりするのでね、お子さんの変 化に気づいて個別の対応をしてあげられないことになるんですね、もう、 一律の流れで子どもを動かしてしまうというところになってしまうので、 私はそのへんが保育の質を問われる部分だと思うので、0(歳)の担任は 特にそういったところを敏感に受け止める力がない保育所の保育士だと お子さんに負担をかけてしまうといったデメリットがあると思う。 逐 N3:1歳後半とか2歳ぐらいになってくるとお昼寝しなくなる子もいるん 語 ですね。おうちで何か寝る時の癖とかありますか、とか赤ちゃんの時とか 録 お話はしてもらって。未満児なので、寝かせるようにはしています、その デ 子のその日のリズムがあるので、 | タ N4:一応給食の時間とか、お昼のご飯の提供の時間っていうのが決められ (4) ている関係で、そのお子さんがどうしても、遊びこめていない、その一歩 手前で給食の声掛けをしなきゃいけないときもあるんですが、 N5: 「あ、給食だったら行こうかな」みたいな形の気持ちの切り替えがで きるようにしていますが、まあ、なかなか難しかったりもするんですけど。 そこで「やだ、もっと遊ぶ」ってごねたりすると「ごめんね」って言うと きも中にはありますけど。まあ、極力子どもの気持ちがしっかりとそちら の方に向いてから、給食の方だったり、色んな活動に切り替えができるよ うになればいいなというふうには思ってるんですけど、まだ未満児なの で、なかなか難しいなーって思う時も、どうしてもありますね。 324 コード 22 意 味 困難な休日明けの生活リズム調整 休日明けの子どもの生活リズムの調整に困難を感じていること N1:保育園でよく私たちが感じるのは、月曜日の朝に機嫌が悪かったりす る子とか、体調を崩す子とかが多いですね、月曜日に、それはなぜかって 言うと、土日に大人のペースの生活リズムですごさせちゃうもんですから から、子どもは急にそれが適応できないですから、そうなると明けて月曜 日に週のスタートの時になんとなく寝不足で来たり、なんか調子悪い状態 で登園してしまうというお子さんが結構いるんです。 逐 N2:朝のおうちでの様子を聞いた上で、どうしても色々な事情はあります 語 からね、何が何でもってことはお願いできないことはありますが、(休日 録 明けから)少しずつ園の生活に戻っていけるように、急に園の生活に戻り デ ましょうと言ったところで子どもはすごく負担だろうと思うので徐々に | 戻っていくようにはしているんですけれども、 タ (4) N4:だいたい2歳くらいですともう(休日の)次の日くらいからはある程 度戻ってきたりはしますけど、やっぱり保育園の良さっていうのは子ども 同士の育ち合いというか、お子さんをみていると、お家だけだと、もしか したらお母さんだけなのでゆったりしているかもしれませんが、いい意味 で(保育園は)にぎやかですし、お友達が何かやってたらやりたいってい う気持だったり食べたいっていう気持ちが繋がったりとかしますので、そ うするとやっぱりそういうリズムに自分もやりたい真似しようっていう ところで戻ってきやすいかとは思うんですね。ただ 1 歳児、月齢が低かっ たりしますと、なかなかというところはありますけど、 N6:寝る時間や食べる時間も一人ひとりやっぱり違うんですよね、とくに 休日明けはリズムが戻るのが難しい、家庭が違えばその子の生活リズムが 違ってくるので、 325 コード 23 意 味 集団内での遊び環境への限界 集団内で個々の子どもが満足して遊ぶ遊び環境に限界を感じていること N2:遊びが中断する時があるので、もし、それがなければそこでじっくり とその子がもっともっと満足して遊べるところも正直あるのかなって思 う場面もあります。そこでやっぱり何かしら、特に1・2歳なら泣いてし まったり、それで気持が切り替わるまでに時間がかかってしまうと、それ がなければもっと遊び込んで楽しんで満足してっていうところには行け たのかなって思いますが。 逐 N3:落ち着かない日とかは、どうしたらこう切り替えられていけるかなっ 語 て考えて、やっぱり切り替えられなくってみんな泣いちゃったりとか、み 録 んなこう連鎖しちゃって中々落ち着かない時期はいっぱいあったんです デ けど、 | タ N7:集中して遊べるように工夫していますが、なかなか遊び込むっていう (3) か、落ち着いて遊ばせたい思っていますが、その日の子どもの具合で、ち ょっかいだしたり、一人でじゅっくり遊ぶ環境にもっていくのは、子ども の人数があるので、まだ1歳は難しいなって思ったりする時も。 326 (2)コードとカテゴリーの関係 23 のコードから、12 のカテゴリーが生成された(表3)。 表3.保育所保育士による3歳未満児の生活習慣形成支援プロセス ― コード・カテゴリーの関係 ― <コード> 意 味 <交代勤務内の生活習慣形成支援> 交代勤務内で、できるだけ子どもの生活習慣支援を行うように努力すること 【交代勤務内の生活習慣支援】 <チームによる連携> チームで引き継ぎながら生活習慣形成支援を行っていること <集団内の遊び環境整備> 集団内の遊び環境を整備すること 【保育所内での遊び環境調整】 <遊びを保障する保育士の数> 遊び環境が安全となるように保育士の人数を調整すること <集団内で行う個々の排泄習慣形成支援> 【集団で行う 集団全体の子どもの発達を見据えて排泄習慣を行うこと 排泄習慣支援の工夫】 <申し送りながらの排泄習慣形成支援> 保育士同士が申し送りながら個々の子どもの排泄習慣支援を行っていること <集団内での個々の食習慣形成支援> 【集団内で行う個々の 集団内でできるだけ個々の子どもの食習慣形成支援を行っていること 生活習慣形成支援】 <時間内で手伝う着脱・清潔習慣支援> 時間内で手伝いながら着脱・清潔習慣支援を行っていること <いざこざ回避の技> 集団内で子ども同士のいざこざを回避するために遊びを調整すること 【集団ならではの遊び技】 <集団内での遊び心の充足> 子どもの遊びたい気持ちを受けとめて、できるだけ満たしてあげること <集団内での遊びの工夫> 集団内において子ども同士の遊びが重ならないように工夫すること 【譲りあう遊びの工夫】 <保育士介在の譲り合う遊び> おもちゃは譲り合って遊ぶことを保育者が介在して示すこと <保育所の生活リズムに同調> 【保育所内の 保育所の生活リズムに子どもの生活リズムを同調させること 生活リズムに同調】 <保育所の給食時間に同調> 保育所の給食時間に合わせて個々の遊びを調整すること <集団内での入眠環境の整備・工夫> 【入眠環境の整備・工夫】 集団内で個々の入眠環境を工夫し、整えようと努力していること <家庭との生活習慣形成の連携> 【家庭をリードする 家庭での子どもの生活習慣を把握し、連携しながら支援すること 生活習慣形成支援】 <家庭をリードする排泄習慣形成> 家庭をリードしながら子どもの排泄習慣形成を行うこと <保育所の規則正しい生活リズムが確立> 【保育所の規則正しい 保育所内で決められた規則正しい生活リズムが確立すること 生活リズムが確立】 <延長保育の生活リズムの調整> 延長保育の子どもの生活リズムを整えていること <集団内での生活習慣が確立> 【集団内での生活習慣が確立】 集団内で基本的生活習慣が確立すること <集団内でのリズム同調に懸念> 集団生活のリズムに同調させてしまうことに懸念していること 【集団内での <困難な休日明けの生活リズム調整> 生活習慣支援の限界】 休日明けの子どもの生活リズムの調整に困難を感じていること <集団内での遊び環境への限界> 集団内で個々の子どもが満足して遊ぶ遊び環境に限界を感じていること カテ ゴ リー 327 (3)カテゴリー、コアカテゴリーの関係 12 のカテゴリーから6のコアカテゴリーが生成された(表4)。 表4. 保育所保育士による3歳未満児の生活習慣形成支援プロセス ― コード・カテゴリー・コアカテゴリーの関係 ― ( )内の数字は付箋の数 [ コアカテゴリー] 【 カテゴリー】 <コード> 【交代勤務内の生活習慣 支援】(7) 【保育所内での遊び 環境調整】(6) 【集団で行う排泄習慣支援 [集団内における個々の の工夫】(6) 生活習慣形成支援] 【集団内で行う個々の (12) 生活習慣形成支援】(6) 【集団ならではの遊び技】 [集団での遊びの支援] (6) (13) 【譲りあう遊びの工夫】 (7) 【保育所内の生活リズムに [保育所の生活リズム形成支援] 同調】(7) (10) 【入眠環境の 整備・工夫】(3) [家庭での生活習慣形成をリード] 【家庭をリードする (8) 生活習慣形成支援】(8) 【保育所の規則正しい [集団を見据えた 生活リズムが確立】(6) 健康的な生活習慣が確立] 【集団内での生活習慣が (9) 確立】(3) [基準を満たし た生活習慣形成支援] (13) <交代勤務内の生活習慣形成支援>(3) <チームによる連携>(4) <集団内の遊び環境整備>(3) <遊びを保障する保育士の数>(3) <集団内で行う個々の排泄習慣形成支援>(3) <申し送りながらの排泄習慣形成支援>(3) <集団内での個々の食習慣形成支援>(3) <時間内で手伝う着脱・清潔習慣支援>(3) <いざこざ回避の技>(3) <集団内での遊び心の充足> (3) <集団内での遊びの工夫>(4) <保育士介在の譲り合う遊び>(3) <保育所の生活リズムに同調>(4) <保育所の給食時間に同調>(3) <集団内での入眠環境の整備・工夫>(3) <家庭との生活習慣形成の連携>(5) <家庭をリードする排泄習慣形成>(3) <保育所の規則正しい生活リズムが確立>(3) <延長保育の生活リズムの調整>(3) <集団内での生活習慣が確立>(3) <集団内でのリズム同調に懸念>(4) 【集団内での生活習慣支援の <困難な休日明けの生活リズム調整>(4) 限界】(11) <集団内での遊び環境への限界>(3) 328 (4)全体像 コード、カテゴリー、コアカテゴリーの関係性を模式図に示した(図1)。 矢印は因果関係,両矢印は対立関係を示す。 集団を見据えた健康的な生活習慣が確立 【保育所の規則正しい生活リズムが確立】 <保育所の規則正しい生活リズムが確立> <延長保育の生活リズムの調整> 【集団内での生活習慣が確立】 <集団内での生活習慣が確立> 家庭での生活習慣形成をリード 【家庭をリードする生活習慣形成支援】 <家庭との生活習慣形成の連携> <家庭をリードする排泄習慣形成> 保育所の生活リズム形成支援 集団での遊びの支援 【保育所内の生活リズムに同調】 <保育所の生活リズムに同調> <保育所の給食時間に同調> 【入眠環境の整備・工夫】 <集団内での入眠環境の整備・工夫> 【集団ならではの遊び技】 <いざこざ回避の技> <集団内での遊び心の充足> 【譲りあう遊びの工夫】 <集団内での遊びの工夫> <保育士介在の譲り合う遊び> 集団内における個々の 生活習慣形成支援 【集団で行う排泄習慣支援の工夫】 <集団内で行う個々の排泄習慣形成支援> <申し送りながらの排泄習慣形成支援> 【集団内で行う個々の生活習慣形成支援】 <集団内での個々の食習慣形成支援> <時間内で手伝う着脱・清潔習慣支援> 基準を満たした生活習慣形成支援 【集団内での生活習慣支援の限界】 <集団内でのリズム同調に懸念> <困難な休日明けの生活リズム調整> <集団内での遊び環境への限界> 【交代勤務内の生活習慣支援】 <交代勤務内の生活習慣形成支援> <チームによる連携> 【保育所内での遊び環境調整】 <集団内の遊び環境整備> <遊びを保障する保育士の数> 図1 3歳未満児の生活習慣に関わる保育士の支援プロセス 考 察 保育士の生活習慣形成支援は、人的環境や物的環境を考慮しながら、安全配慮の基 に子どもの生活環境・遊び環境を整え、認可保育所ならではの[基準を満たした生活 習慣形成支援]に努めていた。その特徴として、<チームによる連携><交代勤務内 の生活習慣形成支援>が示された。保育所の開所時間は、2012 年では、全体の 75.6% が 11 時間以上であり、年々開所時間が長時間化する傾向にある(水谷 2014) 。開所 時間の長時間化により、保育現場における保育士の交代勤務は避けられず、臨時・パ 329 ート職員を含む複雑なシフト勤務による保育の実情もある(小山 2011) 。そのような 勤務体制の中で、保育士は交代する時には、声を掛け合い、メモを取り合い、申し送 りに漏れが無いよう最大限の努力がされていた。そして、<時間内で手伝う着脱・清 潔習慣支援>や<集団内での個々の食習慣形成支援>、 【集団で行う排泄習慣支援の工 夫】など、 [集団内における個々の生活習慣形成支援]に努めていた。 3歳未満の時期は、基本的生活習慣の形成の時期であり、 「自立」に向かう時期でもあ る。しかし、 「自立」がうまくいかなかった場合、社会的な受容や承認が得られないた めに劣等感が生じ、その後の課題達成が困難になるといわれている(宮田 2013) 。3 歳未満児の生活習慣獲得のプロセスは、心身の発達のプロセスでもある。Havighurst R(1993)は、 「ヒト」が社会的存在としての「人間」になっていくためには、乳幼児 期に獲得していかなければならない課題として、①歩行の学習、②固形食物をとるこ との学習、③話すことの学習、④排泄の仕方の学習等をあげている。とくに、個人差 が大きい3歳未満児の生活習慣は、その確立に向けて、子ども一人ひとりの生活経験 の積み重ねが重要である。 「生活経験の質」 「プロセスの質」の重要性(大宮 2013) も指摘されている。保育所保育指針(厚生労働省 2008d)でも、子どもの心身の発達 過程に合わせ、一人ひとりの状態に応じた保育が求められている。 保育所では、複数の保育者から生活習慣形成支援を受けるため、特定の保育者に偏 ることのない、一定の保育の質が保たれると推察する。とくに3歳未満児は言語での 表現も未熟であることから、子どもの状況を複数の保育士が様々な視点から把握する ことは、個々の発達や生活習慣形成などにおいて適切な支援につながると推察する。 しかし、保育士は、集団内で個々の子どものペースを尊重しつつ、ある程度時間を 区切り、<保育所の生活リズムに同調>しながら、交代勤務内の時間の中で保育を行 わなければならないという、集団保育の難しさも示された。保育士からは、生活習慣 形成過程において、昼食時間や午睡時間など保育所内で決められた時間に合わせるた めに、子どもの遊びを中断しなければならない<集団内でのリズム同調に懸念>する 声があった。また、<困難な休日明けの生活リズム調整>などに苦心し、 【集団内での 生活習慣支援の限界】を感じている姿もみられた。 個人差が大きい3歳未満の時期の生活習慣支援は、子どもの自我の育ちを見守り、 その気持ちを受け止めるとともに、一人ひとりの状態に応じた落ち着いた雰囲気の中 で行うこと(厚生労働省 2008b)が求められている。西・津留ら(2012)は、3歳未 330 満児保育において、クラスの規模が大きくなるにつれて、保育士が集団の全体として 子どもを一様の状態で捉えることにより、個別の状態が捉えにくくなる可能性と、個 別に把握することの難しさを示唆している。そして、保育規模の目安として、1歳児 は6~12 人(保育士2人以上) 、2歳児は7~12 人(保育士2人以上)を提案してい る。これは、保育所の国が定める設備・運営基準(省令)の職員配置(1,2歳児6 人につき保育士1人) (村山 2013)より保育士の人数が多く、子ども6人に対し保育 士2人以上である。 保育所の入所人数は、1948 年に制定され 60 年余り見直されてこなかったが、2010 年度からは、保育所の定員を超えた入所は概ね 15%とされてきた年度当初の超過規制 が撤廃され、最低基準を達成していれば何人でも入所させることが可能になった(逆 井 2013) 。しかし、3歳未満児の発達をふまえ、保育士が集団の中で個々の子どもへ の支援を行うことを鑑みると、集団の規模を十分に考慮しなければならない。全国社 会福祉協議会(2009)は、保育所の保育環境について研究チームを編成して集団の規 模などを検証し、集団の規模の縮小、グループ保育を推奨している。 今後、職員配置基準については、3歳未満児が健康生活を送るための基準として、 早急に検討していく必要があろう。 従来、母親が中心となって家庭で担っていた保育は、現在、保育士などの専門家も 交えて社会全体で行われるようになってきた。保育士は保護者に対し、<家庭との生 活習慣形成の連携>を図りながらも、<家庭をリードする排泄習慣形成>や食習慣形 成など、 [家庭での生活習慣形成をリード]することを意識していた。子どもは、日中 の大半を保育所で過ごすのであるから、保護者も子どもの生活習慣形成を保育所で担 ってもらうとする意識は高いと推察する。今後、社会での子育ての役割のさらなる拡 充が推察されるが、保育所での生活時間が長時間の子どもについては、家庭で保護者 と子どもとが関わり、共に過ごす時間が短時間になることが懸念される。 子どもの発達における保育の影響について 、アメリカの NICHD(National Institute of Child Health and Human Development;NICHD)の早期保育における子 どもの心身の成長や発達への影響に関する研究(CRN 2000)がある。これは、早期 保育における子どもの心身の成長や発達への影響について、全米 24 の病院で 1991 年 に誕生した 1,364 人を長期的に調査した研究である。研究の目的であった早期保育に よる影響は認められなかったが、保育は、家族が子どもに対して負わなければならな 331 い重要な責任を全て担うことはできないものであり、保育は家族に代ることができな いものであることが示された。そして、乳幼児時期は母子関係と家庭のあり方が最も 重要であることが明らかにされた。さらに、保育時間が長くなればなるほど母親のセ ンシティビティ(Sensitivity:子どもの心を読み取る力)が低下すると共に、子どもと の関わりが少なることもあげられている。 保育時間が長時間化する傾向にある現代(水谷 2014) 、母親のセンシティビティの 低下と母子関係が危惧される。とくに、2歳になると自我が強くなり、旺盛な自己主 張に保護者にとってはストレスを抱えることもある(鯨岡ら 2014) 。保育士は母親の 育児のサポーターであり、母親の良き相談者としての重要な保育士の役割もある(安 梅 2004a) 。認可保育所全体で母親をサポートしていくことが必要である。 子どもの遊びに関しては、保育士は個々の子どもが十分遊べるように<遊びを保障 する保育士の数>を整え、<集団内の遊び環境整備>に努めていた。3歳未満児は、 まだ言葉が十分でなく自分の欲求が伝わらないと手が出るなど、トラブルが多い(井 戸 2006) 。保育士は、遊びから発生するトラブルについては、保育士が介在して譲り 合うことや順番を守ること等を教え、社会性を身に付けさせることも意識していた。 子ども一人ひとりが<集団内での遊び心の充足>を得られるよう配慮し、トラブルの 原因を作らぬよう<いざこざ回避の技>や<集団内での遊びの工夫>など、 【集団なら ではの遊び技】を駆使して、 [集団での遊びの支援]がなされていた。一方で、子ども 同士のトラブルによる遊びの中断に対し、 <集団内での遊び環境への限界>を感じて いる保育士の姿もあった。3歳未満児の遊びの発達をふまえると(田宮 2013) 、一人 遊びで十分に遊び込む経験も重要である。保育室をパーテーションで区切る、コーナ ー遊びを増やすなどして、一人遊び環境を整えることも必要である。また、安全配慮 のためにも保育者や保育補助者の増員が求められる。 しかし、近年、保育士不足が深刻化している。保育士の職場環境や処遇改善の必要 性が叫ばれており、2013 年度に創設された「保育士等処遇改善臨時特例事業」 (澤村 2013)では、国が保育士の処遇の低さを正式に認め、緊急に保育士の処遇を引き上げ るとしているが、あくまでも臨時的な対応である。保育士不足は保育の質の低下につ ながるため、早急な改善が望まれる。 332 我が国の子育て支援策の一環として 2015 年度から本格的にスタートした「子ども・ 子育て支援新制度」 (内閣府 2014)では、さまざまな実施主体における多様な基準・ 条件に基づく保育が行われることから、保育の質の担保が重要な課題であるといえる。 健康生活の基礎となる基本的生活習慣を形成する時期である、3歳未満児の保育に ついて、今一度保育規模や保育士の配置・人数などを鑑み、集団内における個々の保 育の質の向上に努めることが重要である。 まとめ 3歳未満児の生活習慣形成に関わる保育士は、保育士同士で<チームによる連携> をとりながら<交代勤務内の生活習慣形成支援>をベースに、子どもの生活環境・遊 び環境を整え、 [基準を満たした生活習慣形成支援]に努めていた。その結果、 【集団 内での生活習慣が確立】し、 【保育所の規則正しい生活リズムが確立】する等、 [集団 を見据えた健康的な生活習慣が確立]することが明らかになった。また、個々の生活 習慣確立に向けて<家庭との生活習慣形成の連携>を図りながらも、必要に応じて、 【家庭をリードする生活習慣形成支援】がなされていた。 一方で、保育士は生活習慣形成過程で、昼食時刻や午睡の時刻など、保育所内で決 められた時間に合わせるために遊びを中断しなければならない<集団内でのリズム同 調に懸念>し、 【集団内での生活習慣支援の限界】を感じている保育士の姿もみられた。 3歳未満児の生活習慣形成に適した保育環境や集団の規模、保育士の人数などにつ いて再検討する必要性が示唆された。 333 第3節 家庭的保育児の母親からみた3歳未満児の生活習慣形成プロセス【研究9】 目 的 本論、研究7では、3歳未満児の生活習慣形成に関わる家庭的保育者のプロセスを 検証した。その結果、家庭的な雰囲気の中で、一人の家庭的保育者が少数の子どもを 保育し、保育者の家族や保育補助者、地域住民らの協力を得ながら、個々の子どもに 合わせた柔軟な生活習慣支援プロセスを確認した。 本研究では、家庭的保育者から生活習慣形成支援を受けた3歳未満児の母親からみ た子どもの生活習慣形成プロセスを明らかにし、家庭的保育を受ける3歳未満児の健 康生活に必要な知見を得る。 方 法 1.調査対象と調査期間 (1)調査対象地域 調査対象地域の選定は、本研究7,8の家庭的保育者、保育士を対象とした研究と 対比させることから、研究7,8で選択したT市,M市とした。 (2)調査対象者の要件 対象者の選定は、本研究7,8と対比させることから、調査対象者の選定要件を他 の研究に合わせ、以下の5要件を満たしていることとした。 ①T市かM市の管轄にある、市が認定した家庭的保育を利用している。また、保育 形態は、保育者の居宅で子ども3名までの保育を行っている家庭的保育。②家庭的保 育は、初めて利用する者。③家庭的保育を受ける子どもは3歳未満児で、第1子であ る。④家族構成は、父親と母親、子どもの3人家族。⑤本研究への協力が可能な者。 以上、①~⑤をふまえ、T市,M市の家庭的保育の担当部署を通して、家庭的保育 者に研究協力の説明・依頼を行った。協力の承諾を得られた家庭的保育者から家庭的 保育を利用している母親に研究協力を呼び掛け、申し出のあった母親8名を研究対象 者とした。 対象者の概要は、表1に示した。 (3)調査期間・場所 2013 年6月1日~6月 20 日 334 インタビューの場所は、安心して話ができる場として、各対象者が希望した家庭的 保育者の居宅や公民館などの一室で行った。 2.調査方法・内容 半構成化面接法(寺下 2011)を用いて、対象者にインタビューによる面接を実施 した。事前にインタビューガイドを作成し、インタビューガイドに沿って一人約 30 分 間の面接を行った。また、対象者の了解を得て IC レコーダーへ録音を行い後に逐語録 をおこした。以下の3項目であった。 <質問内容> 質問は、家庭的保育で行われる子どもの生活習慣支援について、母親はどのような 思いを抱いているのか、以下の3項目を行った。 1)家庭的保育に子どもを預けることによって、子どもの生活習慣(排泄や食事、睡 眠、衣服の着脱、その他)に変化がみられたか。また、変化がみられた場合、どの ような変化であったか。 2)家庭的保育に子どもを預けることによって、子どもの遊びや遊び方に変化がみら れたか。また、変化がみられた場合、どのような変化であったか。 3)その他、家庭的保育で行われている子どもの生活習慣形成について思うこと。 自由な語り。 表1 対象者の概要 対象者 年齢 フルタイム 子どもの年齢 FM1 30歳代 フルタイム 2 FM2 30歳代 フルタイム 2 FM3 20歳代 フルタイム 2 FM4 30歳代 フルタイム 2 FM5 40歳代 フルタイム 0 FM6 20歳代 フルタイム 1 FM7 30歳代 フルタイム 1 FM8 30歳代 フルタイム 2 335 結 果 1.対象者 対象者の年齢は 20~40 歳代で、平均 28.6(±6.9)歳であった(表1)。 対象者は、保育所入所希望者であったが、保育所の空きがないため保育所に入所で きなく、自治体から家庭的保育を紹介された者であった。 2.分析結果 逐語録から、本研究の生活習慣や遊びに関する生データ(付箋の総数)は 88 であっ た。そこから、20 のコード、11 のカテゴリー、さらに、5のコアカテゴリーが生成さ れた。記述にあたっては、コードは<>、カテゴリーは【 】、コアカテゴリーは[太 字]で示した。 (1)[家庭的保育ならではの生活習慣形成] このコアカテゴリーは、4のカテゴリーで構成される。 ①【同じ保育者からの安心できる生活習慣形成支援】 家庭的保育児の母親は、保育者が交代することなく<同じ保育者からの安心できる 生活習慣形成支援>や<保育者の巧みな生活リズム調整>などに満足していた。 ②【小康を保つ家庭的な遊び環境】 家庭的保育の<きょうだいのような遊び仲間>や<温和な家庭的遊び環境>は、低 年齢児である我が子に適している遊び環境であると思っていた。 ③【感染が少ない生活環境】 <感染が少ない生活環境>が家庭的保育のメリットであることを実感していた。 ④【地域で守られる子どもの遊びや生活】 地域住民が声をかけてくれたり、我が子と一緒に遊んでくれていること等、家庭的 保育は<地域で守られる子どもの遊びや生活>があることを知り安堵していた。 (2)[遊びを通して育まれる生活習慣形成] このコアカテゴリーは、2のカテゴリーで構成される。 ①【家庭的保育ならではの遊びの充足】 家庭的保育ならではの、<保育者との遊びの充足>や<対人遊びを満喫する子ども の姿>、<保育者の家族と遊ぶ充足感>などに満足していた。 ②【頻繁な戸外遊び経験】 家庭的保育は園庭がない代りに、<頻繁な戸外遊び経験><午睡後の戸外遊び経験 336 >等がなされ、戸外遊び経験が多いことに安堵していた。 (3)[遊びを楽しむ子どもの姿に満足] このコアカテゴリーは、2のカテゴリーで構成される。 ①【再現して楽しむ子どもの姿】 家庭においては、我が子が家庭的保育室で行われている遊びを<再現して楽しむ日 中の遊び><生活遊びを楽しむ子どもの姿>に満足していた。 ②【テレビより遊びに夢中な子どもの姿】 家庭においては、<テレビより楽しいごっこ遊び><遊びに夢中な子どもの姿>に 満足していた。 (4)[家庭で心がける生活習慣形成] このコアカテゴリーは、1のカテゴリーで構成される。 【家庭で心がける早寝早起き】 家庭では<寝つきが良い子どもの姿>があった。母親も<家庭で心がける早寝・早 起き>は、子どもの健康づくりに大切であると考えていた。 (5)[わが子に必要な健康的な生活習慣が確立] このコアカテゴリーは、2のカテゴリーで構成される。 ①【身につく規則正しい生活リズム】 我が子が家庭的保育を受けることで、規則正しい生活リズムが身についてきたこと を実感していた<身につく規則正しい生活リズム>。 ②【発達に即した生活習慣が確立】 <必要な運動習慣の確立><必要な食習慣の確立>等、我が子の【発達に即した生 活習慣が確立】してきたことを実感していた。 3.コード、カテゴリー、コアカテゴリーの関係 コードの生成(表2)、コードとカテゴリーの関係(表3)、コードとカテゴリー、 コアカテゴリーの関係を表にまとめ(表4)、それを基に模式図(図1)を作成した。 (1)コード 生成した 20 のコードとその表札(ラベル)、ラベルの意味、付箋に記した逐語など をまとめて、コードごとに表示した(表2)。 逐語については、逐語録(インタビュー)通りに記したが、括弧内は必要に応じて、 筆者が補足した。 337 表2. 家庭的保育児の母親からみた3歳未満児の生活習慣形成支援プロセス ― コード(ラベル)・意味 ― コード1 意 味 ( )内の数字は付箋紙の数 同じ保育者からの安心できる生活習慣形成支援 日々同じ保育者からの安心できる生活習慣形成支援があること FM1:同じ先生がずっと見ていてくれるので、保育所だと変わったりとか 時間帯によって担任の先生がいたり、いなかったりすると思うんですけど それがないので、体調だったり、ずっと同じ方が見ていてくれるという安 心感がすごくあります。 FM2:ずっと通して見ていてくれるからこそできたりとか、やっぱり大き 逐 な保育所、施設とは違う家庭で見てもらっているので、何度以上の熱だと、 語 という決まりじゃなく、あれ?ってなった時に早めに連絡いただける、検 録 温とかも何回もしてもらっているみたいでとても安心ですね。 デ | FM4:Nさんに預かってもらって、彼のペースとか機嫌とかも見てもらい タ ながら、調子を合わせてもらいながら、ゆったりと見ていただいているよ (4) うな感じがします。 FM5:Fさんにすごく上手にリズム作りとかをしてもらっていて、今はま だ寝て起きてなんですけど、 (私には) 「朝はしっかり起こすようにしてね」 と声がけとかしてくださっているとか、外に出たりとかしてくださってい るみたいなんで、リズムがとてもきれいに出来てきて、私、何もしていな いのに、すごいその辺は気を遣ってやってくれているんだなと感じます ね。 338 コード2 意 味 きょうだいのような遊び仲間 遊び仲間がきょうだいのようであること FM3:Mちゃんの中ではお姉ちゃんだと思っていると思います。なんかす ごい赤ちゃんになんかメロメロで、おむつとかなんか渡してあげてるみた いなんで、お姉ちゃん気取りみたいな感じだと思います。H ちゃんとは姉 妹みたいな感じですね。 FM5:NちゃんとかYくんの 2 人のお友達とかを見て多分受ける刺激とい 逐 うのがすごくあるかと。昨日もちょうど来た時に、Nちゃんが音楽に合わ 語 せて歌っていていたんです。それをじーっと見てすごいニコニコってして 録 いたので、多分きっと自分も同じ、遊んでいるつもりなんだろうな。本当 デ に兄弟みたいに、年の近い兄弟の刺激を受けているのだろうなっていう感 | じが、見ていて思いますね。 タ (3) FM6:兄弟みたいな感じで、まだ1歳児なんてまだ集団生活する必要なん てないと思うんです。3人くらいの兄弟くらいだったら、小さい社会を学 ぶっていう面では良いと思いますし、かえって保育園の集団生活は感染病 とかもあって気になったりしますので、ある意味この月齢ではすごく適当 かなって思います。 339 コード3 意 味 温和な家庭的遊び環境 子どもの遊び環境が温和な家庭的な環境であること FM1:家庭保育だとやっぱり、家庭的な中で、1日見ていただけるので、 保育ママだけじゃなく、A さんだったり、おばあちゃんだったり、子ども 自身、同じ年代の子だけじゃなく、いろんな世代の人とのふれあいとかも あるので、あとは、車が好きなので、車で遊んだりだとか、車が好きなの を先生が分かってくれて、前の工事現場をよく見せてくれたりだとか、車 の見えるところ、安全なところで、見せてくれたりとかもするので、 逐 語 FM2:Mさんのお宅で、旦那さんやお姉さんも見てくれて、一緒に遊んで 録 くれていて、大切にされているんだなって、 デ | FM3:こちらに来てからは、2 人でおままごとをしていたりだとか、小さ タ い赤ちゃんをやさしく見ていたりだとか、そういうのがありますね。子ど (5) も同士のけんかもみないし、穏やかな感じで、こちらで良かったと思って います。 FM7:お友達とよく遊んでいるみたいで、保育ママさんの家だから落ち着 いて、よくみてくれるから安心ですね。 FM8:私が思っていたよりも、いっぱい戸外遊びとか、お家の中でもかま って頂けるので、よく遊んでもらっているみたいですね。最近慣れてから は自分で行きたい行きたいっていってカバン持って玄関に行くので、よっ ぽど楽しいんだなって思って。人数が少ないから、穏やかですよね。 340 コード4 意 味 感染が少ない生活環境 感染が少ない保育環境で子どもが健康的な生活を送っていること FM1:少しの変化も連絡してくれて、よく見てくれるので、安心して仕事 に行かれますね。ここに来てからは元気になったような、ほとんど休みま せんね。 FM2:病気が治ってすぐに集団の中に入れるのが心配でしたが、ここは少 ないので、すごい安心して再開させて頂いたというか、預ける時も病後だ 逐 から、まだ弱っているじゃないですけど、人数が少ないのですごく安心し 語 て預けられるというか、検温とかも何回もしてもらっているみたいでとて 録 も安心で、病気とかなるとすごい心配ですけど今のところは、毎日元気に デ 過ごしているので安心です。 | タ FM3:怖い新型のインフルエンザなんかを考えると、ここは、安心です。 (7) まだ小さいので、よく面倒を見てくれるので、ここでよかったかなと思っ ています。 FM5:集団じゃないので、色々風邪とかいろんな病気をもらう率が少ない というのは見ていて本当にそう思うので。 FM6:保育園の集団生活は感染病とかもあって気になったりしますので、 この月齢ではすごく適当かなって思います。 FM7:ほとんど休みませんね。調子が多少悪くてもよく見てくれて、電話 で様子も聞くこともできますし、安心ですね。まだ小さいので。 FM8:近所に保育園のお子さんがいますが、子どもが風邪だと仕事を休ま なくてはならないので、大変そうです。うちは、休みませんね。おかげで、 私も仕事に集中できますし、子どもの元気が一番ありがたいですね。 341 コード5 意 味 地域で守られる子どもの遊びや生活 地域の人から見守られている安心感があること FM4:まず 8 時に行くんですけど、それから 1 時間ぐらい、外遊びに連 れてって頂けるので、思いっきり遊んで。ご近所中の方と顔見知りにな っているみたいで。 FM7:地域の方もここが保育ママさんのお家で預かっている子がいて、 顔もどの子だってわかっていてもらえているっていう、散歩では挨拶し 逐 てくれるので、いざっていう時も安心かなって思いますね。 語 録 FM8:道を歩いている時に、挨拶されて、Sさんのところのお子さんで デ すね、しっかりしたお子さんですね、と言ってもらえて、見守られてい | るっていう感じで、 タ (3) 342 コード6 意 味 保育者との遊びの充足 保育者に十分遊んでもらっている子どもの姿が見られること FM1:車の絵本を保育室においてくれたり、車が好きなので、喜んでいま す。先生と一緒に車の絵を描いて遊んだり、今何が、どんな遊びにはまっ ているかよく分かってくれて、 FM2:補助の人いもいるので、よく遊んでもらっています。子どもも楽し そうですね。朝から行くって、行くって、いっぱい遊んでもらっているみ 逐 たいです。 語 録 FM4:そうですね。彼も、まず 8 時に来るんですけど、それから 1 時間外 デ 遊びに連れて行って頂けるので、思いっきり遊んで。なんか安心ですね。 | まず、いっぱい遊んでもらっています。 タ (4) FM8:私が思っていたよりも、いっぱい外遊びとか、お家の中でも保育所 とかよりも、かまって頂けるので、最近慣れてからは自分で行きたい行き たいって言ってカバン持って玄関に行くので、よっぽど楽しいんだなって 思って。 343 コード7 意 味 対人遊びを満喫する子どもの姿 人と関わって遊ぶ遊びを満喫している子どもの姿が見られること FM1:先生だけじゃなく、Aさんだったり、おばあちゃんだったり、いろ んな世代の方ともふれあっているので、子ども自身自分から積極的に関わ るようになりましたね。 FM2:おままごとも好きですね。どっちかというと人との関わりが上手に なって、お友達と遊んでいるのか、人との関わりがすごく、関わって遊ぶ 逐 ということが増えたっていうのが多いですね。1人で自分で遊ぶっていう 語 よりは人を相手にしてっていうことが多くなったので。 録 デ FM3: (ここには)赤ちゃんがいるんで、 (我が子は)赤ちゃんが好きなの | を知りました。お友達の赤ちゃんとか見に行っても、顔くっつけたりとか タ 抱っこしたみたいですけど、Mちゃんの中ではお姉ちゃんだと思ってると (5) 思います。赤ちゃんに、なんかメロメロで、おむつとかなんか渡してあげ てるみたいなんで、お姉ちゃん気取りみたいな感じだと思います。ぬいぐ るみ相手にやってます。おむつは(おむつに興味を示したのは)ここ入っ てからですね、 (ぬいぐるみ相手に)おむつやり始めたのは。 FM4:こちらに来てからは、2 人でおままごとをしていたりだとか、小さ い赤ちゃんをやさしく見ていたりだとか、友達と遊ぶのが好きみたいです ね。上手に遊んでいます。 FM7:公園とかに行っても前は、大きい子としか遊ばなかったんですけど、 ここ入ってからはけっこう同じくらいの子とか小っちゃい子のところに も行くようになった気がします。遊びが広がったように見えますね。 344 コード8 意 味 保育者の家族と遊ぶ充足感 保育者の家族から子どもが満足するまで十分遊んでもらっていること FM1:家庭保育だとやっぱり、家庭的な中で、1日見いていただけるので、 保育ママだけじゃなく、Aさんだったり、おばあちゃんだったり、いろん な世代の方ともふれあっているので、子ども自身、こう同じ年代の子だけ じゃなく、いろんな世代の人とのふれあいとかもあるので。 FM2:よく絵本を読んでもらっているようです。ご主人やおばあさんが飽 逐 きるまでつきあってくださるので、なかなか家ではここまで相手はしてあ 語 げられないので、助かります。 録 デ FM4:ここの旦那さんとかには、抱っこして外に連れて行ってもらえる人 | ともう認識しているみたいで、もう甘えまくっていますね。 タ (4) FM8:お昼寝は、ご主人ににおんぶしてもらっているようです。 345 コード9 意 味 午睡後の戸外遊び経験 午睡後も戸外遊びがなされていること FM1:夕方もよくお散歩して待ってくれたりするので。ボールで遊んだり だとか、走り回ったりとかもしているようなので、 FM3:ここが4時くらいに終わって、遊び足りなそうなときは公園行って 5時半、5時かな帰ってきて6時に夕飯で、私の中で9時に寝かせるので、 ちょっとばたばたです。 逐 語 FM6:帰りに公園があるので、寄ったりしますね。ちょっと遊んでから、 録 買い物に行ったり、公園でよく遊びますよ。 デ | FM7:よく公園に行っているみたいで、午後も外で遊んでいるようです。 タ だから、家では家の中の遊びでも落ち着いているのかなって。 (5) FM8:ノートとかにも「今日1時間位行ってきました」とか書いてあるん で、すごいなと思って。しかも1対1だからまた保育園とは違うなと思っ て。ちょうど迎えに行ったりするとこの辺で歩いてたりしてくれるので、 ただいまーって言って。 346 コード 10 意 味 頻繁な戸外遊び経験 戸外遊び経験が充足されていること FM1:小児科の先生に預けるところ選ぶときは、園庭が広いほうがいいよ っていうことをいわれたので、家庭保育はどうするのかな思っていたんで すけれども、公園や外によく連れて行ってくれて、 FM2:公園とか近くにあってそちらの方によく連れていってもらっている ので、実際に預けてみては特に園庭がないからあまり運動が少ないのでな 逐 いかっていうイメージはなくなりましたね。 語 録 FM3:夕方も良くお散歩して待ってくれたりするので。ボールで遊んだり デ だとか、走り回ったりとかもしているようなので、 | タ FM4:私が思っていたよりも、いっぱい戸外遊びとか、お家の中でもかま (6) って頂けるので、最近慣れてからは自分で行きたい行きたいって言ってカ バン持って玄関に行くので、よっぽど楽しいんだなって思って。 FM7:児童館に連れて行ってくださったりですとか、他の遊びに行った 先に保育園の子がいたとか、いろんな子どもとの交流があるみたいなの で、別に物足りなさは感じてないですけど。 FM8:ノートとかにも「今日1時間位行ってきました」とか書いてあるん で、すごいなと思って。しかも1対1だから、また保育園とは違うなと思 って。ちょうど迎えに行ったりするとこの辺で歩いてたりしてくれるの で、ただいまーって言って。 347 コード 11 意 味 保育者の巧みな生活リズム調整 子どもの生活リズムを健康的に上手に調整してくれていること FM2:普段平日のリズムが整っているっていうことが、すごく、多分家 にいたらそうはいかないだろうなっていう点ですね。バラバラになるけ れどきちっとしたリズムができている。 FM3:遊んだり、お昼寝したり、リズムをしっかり作ってくれているっ て感じで、だから、家でも早く寝かせようと思って。 逐 語 FM5:Fさんにすごく上手にリズム作りとかをしてもらっていて、今は 録 まだ寝て起きてなんですけど、 (私には) 「朝はしっかり起こすようにし デ てね」と声がけとかしてくださっているとか、外に出たりとかしてくだ | さっているみたいなんで、リズムがとてもきれいに出来てきて、私、何 タ もしていないのに、すごいその辺は気を使ってやってくれているんだな (5) と感じますね。 FM6:日中の様子を見せてもらっても、昼寝の時間がきちんと整ってき ているのでありがたいなと思います。 FM7:休みの日は遅くなったりしますが、ここで、リズムを戻してくれ ているっていう感じです。 348 コード 12 意 味 再現して楽しむ日中の遊び 日中の保育室での遊びを家庭で再現して楽しむ子どもの姿 FM1:家でも車で遊んだりとかしていますね。1人で集中して遊んで待っ ててくれて、ちょっと見てほしいときに呼びにくるような感じですね。 最近は歌を歌ってみせたり、色鉛筆でかきながら、何かこう言いながら、 FM2:おままごとにしても、お友達と遊んでいてなのか人との関わりがす ごくこう関わって遊ぶということが増えたっていうのが多いですね。家で 逐 も一人自分で遊ぶっていうよりは、人を相手にしてっていうことが多くな 語 ったと思います。 録 デ FM3:そうですね。でもMちゃんの中ではお姉ちゃんだと思ってると思い | ます。なんかすごい赤ちゃんになんかメロメロで、おむつとかなんか渡し タ てあげてるみたいなんで、お姉ちゃん気取りみたいな感じだとおもいま (5) す。家ではぬいぐるみ相手にやってます。おむつ(に興味を示したのは) ここ入ってからですね、 (ぬいぐるみ相手に)おむつやり始めたのは。 おむつとHちゃんと。ここ入ってからですねおむつやり始めたのは。もう 夢中になって。 FM4:公園に行ったこととか、あと、ポケットにいつも木の実を持ち帰っ てきていて、お散歩の途中で木の実を拾って、 「パパに見せる」って言っ て、大切に持ってきて遊んだりとか。絵とか折り紙と結構もってきて、パ パや私に見せて遊んでいます。 FM8:音楽流して一緒にパンパーンってやったりしています。あとはこん なの喜んでやってましたよっていわれたやつを私も家でやってみると、本 当に喜んでやっているのですごいなって思って、今、パパも三人でやって います。 349 コード 13 意 味 生活遊びを楽しむ子どもの姿 家庭において日常生活場面を遊びとして楽しみながら行っている子ども の姿 FM2:洗濯物を入れるので、それを一緒に畳んで、なんかそういうのが好 きみたいで、あとは最近はお歌聞くか、あとお絵かき、あと大人の真似が 好きみたいで,あたしとかお父さんが読んでる雑誌を一緒に読む。でも一 緒じゃなきゃだめなんですよ。1人じゃなくて横に並んで一緒じゃないと 「来て」って言って「座って」って、そういう遊びが多いですね。 逐 FM3:家だとぬいぐるみ相手に、おむつやり始めて。家では、ぬいぐるみ 語 相手に夢中にやってます。 録 デ FM7:そうですね。じっと見ているときもあります。お買い物の袋を下 | げたり、生活が遊びみたいな感じで、バックを持ったりするのはこっちに タ 来てからなんですかね。私がバックに本とか荷物入れてあげると喜んで、 (4) 自分の荷物持つとか。 FM8:生活の中でやっていることが遊びみたいで、洗濯物をたたんだり 、買い物ごっこのようなことをしたり、本人は やっているつもりなんで、 よく見ているなぁと。 350 コード 14 意 味 テレビより楽しいごっこ遊び 家庭でテレビは見ないでこっご遊びに夢中になっていること FM1:テレビはつけていますが、あまり見ませんね。車が好きで、車のお もちゃで遊んだり、お絵かきしたり、よく遊んでいますね。 FM2:テレビはあんまり観ないんですよね。ご飯作る時どうしても観てて ほしいなって時ぐらいなので、遊んでいますね。例えばテレビをつけてい てもテレビにずっとくいるっていうよりは、テレビついてちょっと興味あ 逐 る時にぱっと観るんですけれど、あとはおままごとだったりお人形で遊ん 語 でいる方が多いんですよ。 録 デ FM3:テレビもつけていますが、遊びが面白いみたいで、ぬいぐるみの | 赤ちゃんごっこのような遊びにはまって、保育ママのところで刺激をうけ タ て。 (4) FM8:テレビもニュースとかつけててもあまり興味がないみたいで、歩い たり、おもちゃで遊んだり、たまに子ども番組をかけると見てますけど、 そんなに見たい見たいとはいわれないですね。お家の中を散策してます。 あとはペンとか持ってガーってやったりしてます。 351 コード 15 意 味 遊びに夢中な子どもの姿 夢中に遊ぶ子どもの姿が見られること FM1:自分で集中をして、お絵かきをしたりだとか、あとは、車が好きな ので、車で遊んだりだとか、車が好きなのを先生が分かってくれて、前の 工事現場をよく見せてくれたりだとか、車の見えるところ、安全なところ で、見せてくれたりとかもするので、そういうところで、家でも車で遊ん だりとかしていますね。1人で集中して遊んで待っててくれて、ちょっと 見てほしいときに呼びにくるような感じですね。 逐 語 FM3:そうですね。でもMちゃんの中ではお姉ちゃんだと思ってると思い 録 ます。なんかすごい赤ちゃんになんかメロメロで、おむつとかなんか渡し デ てあげてるみたいなんで、お姉ちゃん気取りみたいな感じだと思います。 | 家ではぬいぐるみ相手にやってます。おむつとHちゃんと。ここ入ってか タ らですねおむつやり始めたのは。もう夢中になって。 (3) FM5:1歳、N ちゃんとか Y くんの 2 人のお友達とかを見て多分受ける 刺激というのがすごくあるなというのが。昨日もちょうど来た時に、Mち ゃんが音楽に合わせて歌っていていたんですよ。それをじーっと見てすご いニコニコってしていたので、N ちゃんや Y 君も好きみたいで、よくかま ってくれているみたいです。 352 コード 16 意 味 家庭で心がける早寝・早起き 家庭で早寝・早起きを心がけていること FM3:遊んだり、お昼寝したり、リズムをしっかり作ってくれているって 感じで、だから、家でも早く寝かせようと思って。 FM3:ここが4時くらいに終わって、遊び足りなそうなときは公園行って 5時半、5時かな、帰ってきて6時に夕飯で、なんかなんとなく私の中で 9時に寝かせるんで、ちょっとばたばたしてるかもしれないです。とりあ 逐 えず9時に布団に入れる感じ。 語 録 FM4: 9 時から 9 時半くらいにはみんなで寝るように。朝が 6 時から 6 デ 時半くらいにという感じですね。 | タ (5) FM7:早く寝よう、早くご飯を食べようなど規則正しい生活をしようと心 がけるようになりました。 FM8:夜(午後)も遊んでもらって疲れるのか、寝つきはすごいですね、 気が付いたら寝ていますね。8時、遅くても9時くらいには寝ます。何回 かは起きますけど、朝6時くらいまでぐっすり寝ますね。私もこのリズム に合わせるように、早寝早起きって言いますから。 353 コード 17 意 味 寝つきが良い子どもの姿 入眠に際しての寝つきが良い子どもの姿が見られること FM1:自分から、ゴロンっていって布団の部屋に行って、一緒に添い寝を すると、すぅーっと眠る感じですね。 FM3:よく遊んでいるせいか、すぐに寝入ってしまいますね。 FM5:そうですね。なんか、すごく疲れて、夜というか夕方になっちゃう 逐 んですけど、夕方からはもう眠くなっちゃっているみたいな感じで。夜も 語 また眠くなって、すぐに寝ちゃいますね。 録 デ FM8:夜(午後)も遊んでもらって疲れるのか、寝つきはすごいですね、 | 気が付いたら寝ていますね。8時、遅くても9時くらいには寝ます。何回 タ かは起きますけど、朝6時くらいまでぐっすり寝ますね。私もこのリズム (4) に合わせるように、早寝早起きって言いますから。 354 コード 18 意 味 身につく規則正しい生活リズム 規則正しい生活リズムが身についてきたこと FM4:規則正しくなりました。やっぱり家にずっと、預ける前はいたので。 きっちりこの時間には出ていくとか。 FM5:多分、すごく疲れて、夕方からはもう眠くなっちゃってみたいな感 じで。夜もまた眠くなって、すぐに寝ちゃいますね。で、朝もパチって起 きると言うか。なんかとてもリズムが出来てきてる。で、日中の様子を見 逐 せてもらっても、昼寝の時間がきちんと整ってきているので、 語 録 FM6:ちゃんとしたリズムで、土曜日も6時に起きてっていうのがあって、 デ おやつをあげている時間におなかを空かして、規則正しくはなってるので | はないかなと思います。 タ (4) FM8:ずっと家に2人でいると、どうしてもだらだらしちゃってメリハリ がないので、お昼寝の時間とか食事の時間とかもぐちゃぐちゃになっちゃ うんですけど、ここで預かってもらうようになってからは、家でもお昼寝 の時間とかも結構決まった時間になるようになったりとか、夜(午後)も 遊んでもらって疲れるのか、寝つきはすごいですね、気が付いたら寝てい ますね。8時、遅くても9時くらいには寝ます。何回かは起きますけど、 朝6時くらいまでぐっすり寝ますね。私もこのリズムに合わせるように、 早寝早起きって言いますから。 355 コード 19 意 味 必要な運動習慣の確立 必要な運動習慣が形成されてきた子どもの姿が見られること FM1:小児科の先生に預けるところ選ぶときは、園庭が広いほうがいいよ っていうことをいわれたので、家庭保育はどうするのかな思っていたんで すけれども、公園などによく連れて行ってくれて、ボールで遊んだりだと か、走り回ったりとかもしているし、ボール蹴ったり、いろんなことがで きるようになりましたね。 逐 FM2:保育所に入るよりはマイナスになるのかって選ぶ時は思っていたん 語 ですけれども逆に公園とか近くにあってそちらの方によく連れていって 録 もらっているので、実際に預けてみては特に園庭がないからあまり運動が デ 少ないのでないかっていうイメージはなくなりましたね。最初はやっぱり | 比べてどっちがいいのかなって悩みますけど、実際に預けてみるとその辺 タ は、あの天気いい日は公園に行ってという形でやってもらっていたので全 (4) 然イメージは変わりましたね、よく歩くようになったと思いますが。 FM4:外でよく遊んでくれているので、しっかりしてきたように思います。 FM5:多分変わってきたんじゃないかな。どこでもはいはいしたがるって いうのはありましたね。すごく刺激を受けていると思います。病院とか行 っても、待合室でじっとできないんですよね。はいはいしたいっていう意 思がすごい目立ちましたね。ずっとはいはいが伝い歩きだったり、家具を 押して歩くようになったりとか、本当によく遊んでくれるので、すごい成 長感じます。 356 コード 20 意 味 必要な食習慣の確立 必要な食習慣が確立されてきた子どもの姿が見られること FM1:食べることも自分でできるようになってきて、すごいなーって思い ますね。後片付けも手伝ってくれるようになりましたし、少ない集団です けど、いろんなことを学んでいるんじゃないかと。 FM2:他の子と一緒にここで見てもらって集団といっても3人でいるので すごくなんかこう自分でできることが増えていったということ、早く早く 逐 なんでもこうきちんと食べるも上手にみんなでなどよその子にお母さん 語 たちにいわれると上手に食べるねとかいわれることが多かったですね。こ 録 う成長が早いというか結構そういうのが早め早めにできていて、刺激をた デ くさん受けているんだなっていうのが一番の実感ですね。 | タ FM6:1歳3か月で預けて、それまでは結構与えて食事をしてたのが、こ (4) っちで自主的に食べさすという形なので、自分で食べたがるんです。私が スプーンで渡そうとしても、スプーンをとって自分で口に入れないと嫌だ とかっていうのはありますね。 FM7:食事とかも自分から椅子に座ってフォークとかスプーンとか上手に 使えるようになったので、すごいなって思って。今、1歳2か月なんです けど、家にいる時は椅子に座ったり座れなかったり遊びながらだったんで すけど、最近は椅子を用意するとご飯だよーって自分で椅子に座って食べ たりするので。 357 表3.コードとカテゴリーの関係 (2)コードとカテゴリーの関係 コードと定義 20 のコードから、11 のカテゴリーが生成された(表3)。 表2. 保育所保育児の母親からみた3歳未満児の生活習慣形成プロセス ― コード・カテゴリー・コアカテゴリーの関係 ― ( )内の数字は付箋の数 【カテゴリー】 【同じ保育者からの 安心できる生活習慣支援】 【小康を保つ家庭的な遊び環境】 【感染が少ない生活環境】 【地域で守られる 子どもの遊びや生活】 【家庭的保育ならではの 遊びの充足】 【頻繁な戸外遊び経験】 <コード> 意 味 <同じ保育者からの安心できる生活習慣形成支援> 日々同じ保育者からの安心できる生活習慣形成支援があること <保育者の巧みな生活リズム調整> 子どもの生活リズムを健康的に上手に調整してくれていること <きょうだいのような遊び仲間> 遊び仲間がきょうだいのようであることこと <温和な家庭的遊び環境> 子どもの遊び環境が温和な家庭的な環境であること <感染が少ない生活環境> 感染が少ない保育環境で子どもが健康的な生活を送っていること <地域で守られる子どもの遊びや生活> 地域の人から見守られている安心感があること <保育者との遊びの充足> 保育者に十分遊んでもらっている子どもの姿が見られること <対人遊びを満喫する子どもの姿> 人と関わって遊ぶ遊びを満喫している子どもの姿が見られること <保育者の家族と遊ぶ充足感> 保育者の家族から子どもが満足するまで十分遊んでもらっていること <午睡後の戸外遊び経験> 午睡後も戸外遊びがなされていること <頻繁な戸外遊び経験> 戸外遊び経験が充足されていること <再現して楽しむ日中の遊び> 【再現して楽しむ子どもの姿】 日中の保育室での遊びを家庭で再現して楽しむ子どもの姿 <生活遊びを楽しむ子どもの姿> 家庭において日常生活場面を遊びとして楽しみながら行っている子どもの姿 <テレビより楽しいごっこ遊び> 【テレビより遊びに夢中な 子どもの姿】 家庭でテレビは見ないでこっご遊びに夢中になっていること <遊びに夢中な子どもの姿> 夢中に遊ぶ子どもの姿が見られること <家庭で心がける早寝・早起き> 【家庭で心がける早寝早起き】 家庭で早寝・早起きを心がけていること (9) <寝つきが良い子どもの姿> 入眠に際しての寝つきが良い子どもの姿が見られること 【身につく規則正しい <身につく規則正しい生活リズム> 生活リズム】 規則正しい生活リズムが身についてきたこと <必要な運動習慣の確立> 【発達に即した 必要な運動習慣が形成されてきた子どもの姿が見られること 生活習慣が確立】 <必要な食習慣の確立> 必要な食習慣が形成されてきた子どもの姿が見られること 358 (3)カテゴリーとコアカテゴリーの関係 11 のカテゴリーから5のコアカテゴリーが生成された(表4)。 表3. 家庭的保育児の母親からみた3歳未満児の生活習慣形成プロセス ― コード・カテゴリー・コアカテゴリーの関係 ― ( )内の数字は付箋の数 [コアカテゴリー] 【カテゴリー】 <コード> 【同じ保育者からの安心できる 生活習慣形成支援】(9) [家庭的保育ならではの 生活習慣形成] (27) 【小康を保つ家庭的な遊び環境】(8) <同じ保育者からの安心できる生活習慣形成支援>(4) <保育者の巧みな生活リズム調整>(5) <きょうだいのような遊び仲間>(3) <温和な家庭的遊び環境>(5) <感染が少ない生活環境>(7) 【感染が少ない生活環境】(7) 【地域で守られる子どもの遊びや生活】(3) <地域で守られる子どもの遊びや生活>(3) <保育者との遊びの充足>(4) [遊びを通して育まれる 【家庭的保育ならではの遊びの充足】(13) <対人遊びを満喫する子どもの姿>(5) 生活習慣形成] <保育者の家族と遊ぶ充足感>(4) (24) <頻繁な戸外遊び経験>(6) 【頻繁な戸外遊び経験】(11) <午睡後の戸外遊び経験>(5) <再現して楽しむ日中の遊び>(5) 【再現して楽しむ子どもの姿】(9) [遊びを楽しむ <生活遊びを楽しむ子どもの姿>(4) 子どもの姿に満足] 【テレビより遊びに夢中な <テレビより楽しいごっこ遊び>(4) (16) 子どもの姿】(7) <遊びに夢中な子どもの姿>(3) [家庭で心がける <家庭で心がける早寝・早起き>(5) 【家庭で心がける早寝早起き】(9) 生活習慣形成](9) <寝つきが良い子どもの姿>(4) 【身につく規則正しい生活リズム】(4) <身につく規則正しい生活リズム>(4) [我が子の健康的な <必要な運動習慣の確立>(4) 生活習慣が確立](12) 【発達に即した生活習慣が確立】(8) <必要な食習慣の確立>(4) 359 (4)全体像 コード、カテゴリー、コアカテゴリーの関係性を模式図に示した(図1)。 矢印は因果関係を表す 我が子の健康的な生活習慣が確立 【身につく規則正しい生活リズム】 <身につく規則正しい生活リズム> 【発達に即した生活習慣が確立】 <必要な運動習慣の確立> <必要な食習慣の確立> 遊びを楽しむ 子どもの姿に満足 【再現して楽しむ子どもの姿】 <再現して楽しむ日中の遊び> <生活遊びを楽しむ子どもの姿> 家庭で心がける 生活習慣形成 【家庭で心がける早寝早起き】 <家庭で心がける早寝・早起き> <寝つきが良い子どもの姿> 遊びを通して育まれる 生活習慣形成 【テレビより遊びに夢中な 子どもの姿】 <テレビより楽しいごっこ遊び> <遊びに夢中な子どもの姿> 【家庭的保育ならではの遊びの充足】 <保育者との遊びの充足> <対人遊びを満喫する子どもの姿> <保育者の家族と遊ぶ充足感> 【頻繁な戸外遊び経験】 <午睡後の戸外遊び経験> <頻繁な戸外遊び経験> 家庭的保育ならではの生活習慣形成 【感染が少ない生活環境】 【小康を保つ家庭的な遊び環境】 【同じ保育者からの安心できる生活習慣形成支援】 <感染が少ない生活環境> <きょうだいのような遊び仲間> <同じ保育者からの安心できる生活習慣形成支援> <温和な家庭的遊び環境> <保育者の巧みな生活リズム調整> 【地域で守られる子どもの遊びや生活】 <地域で守られる子どもの遊びや生活> 図1 家庭的保育児の母親からみた3歳未満児の生活習慣形成プロセス 考 察 家庭的保育児の母親は、当初、保育所入所希望者であったが、保育所の空きがなか ったことから、自治体から家庭的保育を紹介された者であった。調査対象者8名全員 は、家庭的保育が初経験で、保育者の居宅で行われる少人数保育のイメージは乏しか った。しかし、我が子が日々【同じ保育者からの安心できる生活習慣形成支援】を受 け、トラブルが少ない<温和な家庭的遊び環境>の中で、<きょうだいのような遊び 仲間>がいる環境は、 [家庭的保育ならではの生活習慣形成]がなされていると考え安 堵していた。 とくに、【感染が少ない生活環境】は、母親自身の生活の安定にも繋がり、調査対 象者の8名中7名が病気の感染が少ないことやほとんど休まないことをあげていた。 360 仕事をもつ母親にとっては、生活の安定は、社会で自己発揮できる条件でもある。本 論、第4章、研究5の家庭的保育児と保育所保育児の体調不良による病欠席率の比較 では、家庭的保育児は保育所保育児より有意に低率であり、その差は、1.6 倍(1歳 児)~3倍(2歳児)であった。家庭的保育の【感染が少ない生活環境】は、第1に、 家庭的保育児が3人という少人数保育であることがあげられる。第2に、保育者の居 宅という限られたスペースであるから、保育者と子どもの距離が近い。よって、子ど もの微妙な変化にも気づきやすく、個別的な配慮が行われやすい環境でもあるから、 健康の維持管理が行われやすい。第3に、保育者の居宅という空間構成は、部屋の換 気や湿度、室温調節も容易で、ウィルスの拡散も防ぎやすいと推察する。 【感染が少な い生活環境】は、3歳未満児をもつ母親にとっては、何より安心できる環境であり、 家庭的な環境で行われる少人数保育のメリットといえよう。 そして、母親からは、 「保育ママだけじゃなく、Aさんだったり、おばあちゃんだっ たり、いろんな世代の方ともふれあっているので、子ども自身、こう同じ年代の子だ けじゃなく、いろんな世代の人とのふれあいもあるので、 」 (FM1) 、 「ここの旦那さん とかには、抱っこして外に連れて行ってもらえる人ともう認識しているみたいで、甘 えまくっていますね」(FM4)等、我が子が保育者や保育者の家族(保育者の夫や父 母、娘、息子)など、異世代の人々に可愛がられ、十分に遊んでもらえるという【家 庭的保育ならではの遊びの充足】感を得ていた。このような家庭的保育の人的環境は、 核家族化が進む現代社会(日本子ども家庭総合研究所 2011)において貴重であると いえよう。保育者の家族にとっても、幼い子どもと遊んだり、世話をしたりする体験 は貴重であり、世代間の交流効果も実証されている(七木田・上村 2007)。保育者 の娘や息子などの親になる前の世代は、子育てについての知識が乏しく、親業が求め られている(中本 2009)が、家庭的保育は、まさに、親業ができる貴重な場でもあ る。 家庭的保育室の保育環境は、保育者の「生活の場」でありながら、子どもの「遊び の場」であり、生活と遊びとが併存している保育環境でもある。例えば、日常生活で 行う洗濯物をたたむ行為は、それ自体が子どもにとっては遊びとなり、家庭に帰って からも<生活遊びを楽しむ子どもの姿>があった。生活時間の多くを保育施設で過ご す現代社会の子育てにおいて、体験する機会が減少した「生活体験」が家庭的保育に はあり、家庭的保育ならではの貴重な遊び体験がなされているといえよう。 361 母親は家庭で、保育室の遊びを【再現して楽しむ子どもの姿】や【テレビより遊び に夢中な子どもの姿】等、 [遊びを楽しむ子どもの姿に満足]していた。本論4章、第 4節研究6における家庭的保育児の生活調査では、テレビ・ビデオ視聴時間が保育所 保育児より有意に短時間であった。1日のテレビ・ビデオ視聴時間の平均は、25 分(0 歳女児)~1時間 36 分(2歳女児)で、0歳児の 43.9%~50%は見ない、1歳児の 1時間以内(見ない含む)は、59.1%~61.3%であった。日本小児保健協会(2011) の広域調査では、1歳児の1時間以内(見せないを含む)は 27.3%であり、単純計算 ではあるが、家庭的保育児はテレビ・ビデオをあまり見ていないといえよう。 アメリカの小児科学会は、テレビ視聴に関する家庭の役割への提言を行い、テレビ 接触時間に関しては2歳以下の子どもたちのテレビ接触は推奨できないこと、また年 長児においても1日1~2時間以内の教育的番組の視聴に留めることが望ましいとし ている(Brandon 2010) 。また、こうした動きを追って、2004 年には日本小児科学 会から、乳幼児のテレビ・ビデオ視聴への長時間視聴に警告を発している(日本小児 科学会 2003) 。上記をふまえると、家庭的保育児のテレビ視聴時間が短いことは、健 康生活を送る上で望ましいことである。 また、母親は当初、園庭が無いことに不安であったが、 【頻繁な戸外遊び経験】がな されていることで不安は払拭され、我が子に<必要な運動習慣の確立>が確立されて いると実感していた。家庭的保育で定められている保育人数は、3~5名(保育補助 者設置)と少ないことから外出の際の準備や帰ってきてからの清潔習慣、排泄習慣も 短時間ででき、すぐに次の保育活動に移行できる。このような少人数保育の利点が頻 繁な戸外遊び経験を可能にした一因でもあると推察した。 日中の活動量は就寝時刻を早めること(Kohyama J 2007)が説かれている。本研 究からも家庭においては、<寝つきが良い子どもの姿>があった。母親からは、 「9時 から9時半くらいにはみんなで寝るように。朝が6時から6時半くらいにという感じ になりましたね。」 (FM4)や「 (午後)も遊んでもらって疲れるのか、 (午後)8時、 遅くても(午後)9時ぐらいには寝ます。 」 (FM8)等、【家庭で心がける早寝早起き】 を目指し、努力する母親の姿があった。<保育者の巧みな生活リズム調整>が家庭に 連続し、母親も[家庭で心がける生活習慣形成]がなされ、その結果、[我が子の健 康的な生活習慣が確立]するというプロセスを辿った。このように、日中の保育が家 庭にも連続し、生活習慣形成への母親の意識を高め、母親(家庭)と家庭的保育者が 362 連携して子どもの生活習慣形成を目指すことは、保育所保育指針(厚生労働省 2008e) にも掲げられているように、社会的保育に求められていることである。また、この連 携を可能にした背景には、母親の帰宅後の生活時間がある程度確保できる家庭的保育 の保育時間にあると推察した。本論、第4章、研究3の家庭的保育の保育実態調査で は、家庭的保育室の開室時間は、平均 9.1 時間であり、閉室時刻は 17 時台までが約7 割であった。近年、保育所の保育時間は長時間の一途を辿っており、2011 年度の開所 時間は平均 11.6 時間、12 時間以上も年々増加傾向(全国社会福祉協議会・全国保育 協議会 2012)にある。早寝早起きの睡眠習慣や食習慣などの家庭での生活習慣形成 をふまえると、家庭での生活時間はある程度確保することは必要であり、母子共に過 ごす時間は重要である。とくに、3歳未満児の生活習慣形成は、家庭における生活が 充実したものとなるように、母親に日中の子どもの様子や情報の提供を行うことは必 要である。本論、研究7では、家庭的保育者は家庭的保育室での生活が家庭でも連続 してなされるように、 [家庭と共に育む生活習慣形成支援]を心がけていることが示さ れた。本論第4章、研究4の保護者の意識調査では、保護者か家庭的保育者に育児や 教育の相談をする割合は、約9割と高率であり、保護者の子育ての良きサポーターと しての家庭的保育者の存在が明らかにされている。とくに、2歳児は、わがままに見 える自己主張が目立ち、対応に苦慮する時期(鯨岡ら 2014)でもある。保護者にと っては、家庭的保育者は実家の母親と近似した年代(佐野 2013)でもあり、子育て のよき相談相手として身近な心強い存在であろう。 3歳未満の時期は、健康生活の基礎となる生活習慣を形成、確立していく時期であ る。本研究からは、母親の意識を分析することにより、この時期の生活習慣形成支援 として、子ども3名を対象に家庭的な環境で行われる家庭的保育の有効性が示唆され た。しかし、家庭的保育の同じ保育者の日々一貫した支援は、保育者の質に関わると ころが大きく、家庭的保育室間の差も顕現する。保育者が研修に参加できるように、 連携保育所の協力体制を整える必要があろう。 363 ま と め 家庭的保育を受ける3歳未満児の母親は、【同じ保育者からの安心できる生活習慣 形成支援】を受け、子ども同士のトラブルが少ない【小康を保つ家庭的な遊び環境】 や【感染が少ない生活環境】【地域で守られる子どもの遊びや生活】など、[家庭的保 育ならではの生活習慣形成]に安堵していた。このような家庭的保育環境の中で、我 が子が【家庭的保育ならではの遊びの充足】を得ながら【頻繁な戸外遊び経験】を重 ねていることに満足感をしており、家庭的保育は、[遊びを通して育まれる生活習慣 形成]であると感じていた。そして、日中保育が家庭に連続し、母親も【家庭で心が ける早寝早起き】を実践することで、[我が子の健康的な生活習慣が確立]すると考 えていた。 この背景には、保育者の交代がなく 1 人の保育者が家庭的な保育環境で行われるき め細かな生活習慣支援、日中保育の連続性、保育児の人数、家庭的保育の保育時間に あることが示唆された。 364 第4節 保育所保育児の母親からみた3歳未満児の生活習慣形成プロセス【研究 10】 目 的 本論、研究8では、3歳未満児の生活習慣形成に関わる保育所の保育士のプロセス を検証した。その結果、交代勤務内でチームによる交代勤務内において、3歳未満児 の生活習慣形成支援がなされ、担当保育士や園長、栄養士等の複数の保育の専門家が、 集団内における個々の子どもの生活習慣形成を支援するというプロセスを確認した。 本研究では、保育所の保育士から生活習慣形成支援を受けた3歳未満児の母親から みた子どもの生活習慣形成プロセスを明らかにし、保育所の保育を受ける3歳未満児 の健康生活に必要な知見を得る。 方 法 1.調査対象と調査期間 (1)調査対象地域 調査対象地域の選定は、本研究7,8,9の家庭的保育者、保育士、家庭的保育を 利用する母親を対象とした研究と対比させることから、研究7,8,9で選択したT 市,M市とした。 (2)調査対象者の要件 対象者の選定は、本研究7,8,9と対比させることから、調査対象者の選定要件 を他の研究に合わせ、以下の5要件を満たしていることとした。 ①T市かM市の管轄にある、認可保育所を利用している。②保育所は、初めて利用 する者。③保育を受ける子どもは3歳未満児とし、第1子である。④家族構成は、父 親と母親、子どもの3人家族である。⑤本研究への協力が可能な者。 以上、①~⑤をふまえ、本研究協力者である保育所所長T市,M市の保育所所長に 対象者の選定を依頼し、T市,M市在住で上記①~⑤の要件を満たしている8名を対 象とした。 家庭的保育の担当部署を通して、研究協力の説明・依頼を行い、協力の承諾を得ら れた家庭的保育者7名を研究対象者とした。なお、研究対象者7名の内6名は保育士 資格を有し、1名は自治体の認定者を受けた家庭的保育者であったが、本対象者は、 家庭的保育経験年数が 15 年を有しており、自治体からの推薦もあり対象者に加えた。 365 対象者の概要は、表1に示した。 本研究協力者(本論、p.261 に示した)である保育所所長に対象者の選定を依頼し、 T市,M市在住で上記①~⑤の要件を満たしている8名を対象とした。 対象者の概要は、表1に示した。 (3)調査期間・場所 2013 年6月1日~6月 20 日 インタビューの場所は、安心して話ができる場として、各対象者が希望した勤務先 や公民館、市役所などの一室を借りて行った。 2.調査方法・内容 半構成化面接法(寺下 2011)を用いて、対象者にインタビューによる面接を実施 した。事前にインタビューガイドを作成し、インタビューガイドに沿って一人約 30 分 間の面接を行った。また、対象者の了解を得て IC レコーダーへ録音を行い後に逐語録 をおこした。以下の3項目であった。 <質問内容> 質問は、保育所で行われる子どもの生活習慣支援について、母親はどのような思い を抱いているのか、以下の3項目を行った。 1)保育所に子どもを預けることによって、子どもの生活習慣(排泄や食事、睡眠、 衣服の着脱、その他)に変化がみられたか。また、変化がみられた場合、どのよう な変化であったか。 2)保育所に子どもを預けることによって、子どもの遊びや遊び方に変化がみられた か。また、変化がみられた場合、どのような変化であったか。 3)その他、保育所で行われている子どもの生活習慣形成について思うこと。 自由な語り。 366 表1 対象者の概要 対象者 NM1 NM2 NM3 NM4 NM5 NM6 NM7 NM8 年齢 30歳代 30歳代 30歳代 30歳代 30歳代 40歳代 40歳代 30歳代 勤務形態 フリータイム フルタイム パートタイム フルタイム フルタイム フルタイム フリータイム フリータイム 子どもの年齢 2 2 2 2 2 2 1 2 結 果 1.対象者 対象者の年齢は 30~40 歳代で、平均 32.5(±4.6)歳であった。 2.分析結果 逐語録から、生活習慣や遊びに関する生データ(付箋の総数)は 79 であった。そこ から、20 のコード、11 のカテゴリー、さらに、6のコアカテゴリーが生成された。記 述にあたっては、コードは<>、カテゴリーは【 】、コアカテゴリーは[太字]で 示した。 (1)[基準を満たした生活習慣形成] このコアカテゴリーは、3のカテゴリーで構成される。 ①【交代勤務内の生活習慣支援】 母親は、<チームによる連携>を図りながら、<交代勤務内での生活習慣支援>者 として我が子の生活習慣形成に向けて努力している保育士の立場を尊重していた。 ②【連絡帳が介する生活習慣形成支援】 母親は<連絡帳での排泄習慣形成支援>、<連絡帳での生活習慣形成支援>に物足 りなさも感じていた。 ③【身近な園庭遊び】 母親は、認可保育所ならではの<身近な園庭遊び>環境に満足していた。 (2)[集団内で育まれる生活習慣形成] このコアカテゴリーは、2のカテゴリーで構成される。 ①【集団ならではの遊びの充足】 367 母親は、保育所内で行う<集団ならではの遊び体験>や<友達との遊びを楽しむ子 どもの姿>に満足していた。 ②【年上モデルに習う生活習慣】 母親は、保育所ならではの<年上モデルに習う生活習慣>を好ましく思っていた。 (3)[家庭での遅れがちな生活リズム] このコアカテゴリーは、1のカテゴリーで構成される。 【家庭で遅れがちな生活リズム】 家庭では<登園までの慌ただしい時間>、帰宅から<就寝までの慌ただしい時間> があり、【家庭での遅れがちな生活リズム】は否めなかった。 (4)[集団生活で成長した子どもの姿に満足] このコアカテゴリーは、1のカテゴリーで構成される。 【保育所の生活習慣を再現】 家庭においては、<再現して楽しむ保育所の遊び>や<再現する保育所の衣服着脱 習慣>など、成長した我が子の姿を見ることができ満足していた。 (5)[我が子の健康的な生活習慣が確立] このコアカテゴリーは、2のカテゴリーで構成される。 ①【集団内で育つ生活習慣】 子どもの生活習慣形成は、保育所の<集団内で育つ食習慣>や<集団内で育つ生活 習慣>により、我が子の生活習慣が確立されると考えていた。 ②【集団内で身につく生活リズム】 母親は、<保育所内の生活リズム調整>によって、保育所の生活リズムが身につく こと<身につく保育所の生活リズム>を実感していた。 (6)[集団生活での生活習慣形成への懸念] このコアカテゴリーは、2のカテゴリーで構成される。 ①【画一的な生活習慣支援】 一方で、<マニュアル的な生活習慣支援>や保育士の<忙しそうな生活習慣支援>、 <決められた生活リズムへの懸念>など、【画一的な生活習慣支援】に不満を抱いて いた。 ②【集団内での遊び環境の懸念】 集団での<いざこざが見られる遊び環境>に懸念していた。 368 3.コード、カテゴリー、コアカテゴリーの関係 コードの生成(表2)、コードとカテゴリーの関係(表3)、コードとカテゴリー、 コアカテゴリーの関係を表にまとめ(表4)、それを基に模式図(図1)を作成した。 (1)コード 生成した 20 のコードとその表札(ラベル)、ラベルの意味、付箋に記した逐語など をまとめて、コードごとに表示した(表2)。 逐語については、逐語録(インタビュー)通りに記したが、括弧内は必要に応じて、 筆者が補足した。 369 表2. 保育所保育児の母親からみた3歳未満児の生活習慣形成支援プロセス ― コード(ラベル)・意味 ― コード1 意 味 ( )内の数字は付箋紙の数 交代勤務内での生活習慣支援 複数の保育者が交代勤務内で子どもの生活習慣支援を行っていること NM1:先生は2人とか、目が行き届かなかったりすると、他の人が指示を 出すんですよね、おむつが濡れているから替えて?と、そしたら他の人が 替えてくれる人が別にいるんですよ。で、その替えてくれる人っていうの が、パートさん?おばちゃんみたいな、パートさんだと思うんですけど。 NM2:基本的には担任の先生が2人プラス補助の方が1人か2人か、その 逐 方がいれば、いつもの人が必ず2人くらいはいるので、交代することはそ 語 んなに気になることはないですが、差がありますね。今、2 歳 9 か月です 録 が、そろそろやらないといけないですね。保育園でおトイレできた時は教 デ えてくれるっていうのくらいですかね、あとは、「定期的におトイレ誘っ | てあげたらいいんじゃない」というアドバイスくれる先生もいますが、も タ っと本格的にやりましょうって感じではとくにない。 (3) NM4:延長なので、うちは担任の先生じゃない先生に書いてもらうので、 行ったときにはその担任じゃない延長の先生がノートを見ながら「今日の B君はこうでした」って聞きます。 370 コード2 意 味 チームによる連携 保育者同士チームを組み連携して生活習慣形成を行っていること NM3:担任が2人いますが、パートの先生とか、時間によって先生が入り ますが、皆よくみてくれています。今日は出ましたよ、とか、上手にでき ましたとか。先生同士で分かってくれているようです。 NM4:うちの子アレルギーなんですけど、すごくちゃんとしてくれていて、 そうですね、面談も月に一回あって、栄養士、担任の先生、園長先生と私 逐 で月に一度必ずあって、メニューについて話し合いをしたり、行っている 語 アレルギー科の進捗具合を話し合ったりして、先生方で、かなり気を遣っ 録 てもらっている。だから、思っていたより何の心配もないです。 デ | NM8:先生が交代するから、担任じゃない先生からも話を聞きます。先生 タ 同士で連絡しているんですよね。 (3) 371 コード3 意 味 連絡帳での排泄習慣形成支援 保育所と連絡帳でやり取りしながら排泄習慣形成支援を行っていること NM1:先生は忙しそうで、トイレトレーニングのことなどよく書いてきま すが。 NM3:この間の保護者会のときでは、最近、園ではトイレでしているので、 家でトイレに行くって言ったら、そこはやってあげて、無理せず、出ない のにやるのにやるといやになっちゃって、トイレ嫌いになっちゃうので、 逐 そこは子どもの気持ち優先で、といわれまして、家ではトイレトレーニン 語 グを始めましたって書いたら、(その後、連絡帳で)おむつからトレーニ 録 ングパンツにするときには、園にも連絡くださいって、これは、一緒にや デ りましょうっていうこと?かと、 連絡帳だけでは、分からない時があり | ますね。 タ (4) NM5:もう家では大きい方はトイレでできるようになったんで、教えてく れるようになった。だから、やってみようかなっていうのはあるし、本人 も上の子たちをみていると、トイレに行って興味あるらしくて、保育園の 連絡帳でもうんちを教えてくれ、お兄さんとお姉さんと一緒にやりました って書かれているので、きっと本人も興味あるのかなって、いつらいに始 めたらいいのかって相談しました(連絡帳で相談した) 。 NM8:子どもの性格をみて、「もうトレーニングパンツにしましょう」と 書いてあったので、思い切ってやってみることにしました。 372 コード4 意 味 連絡帳での生活習慣形成支援 保育所と連絡帳でやり取りしながら生活習慣形成支援を行っていること NM1:昼寝で、起こされるまでよく寝ていて、寝たりないんじゃないかと 書いてありましたが、家でもよく寝ますが、と書きましたが。 NM3:ちょうど昨日なんですけど、着替えをするときに脱いだものをバッ と投げるらしいんです。それをちょっと教えていくように、良くないって ことを教えるように両方でやりましょうと書いてありました。ノートに。 逐 時間があれば、先生も話したりするんですけど、結構、忙しいと先生が少 語 ないので、他の子がわーってなっちゃうと、なかなか話がとぎれちゃうん 録 ですよね。 デ | NM4:両方ですね、連絡帳は多分子どもの昼寝の時間に書いていると思う タ んですよ、先生が。だから、午前中の出来事しか書いていなくて、追加で (5) 書いていることもあるんですけど、今日はこうやって遊びましたって午前 中のことが書いてあったり、昼はこうやって食べましたっていうのが、昼 寝している間までのことしか書かれていなくて、行ったときに聞いたのは お昼寝の後、こうでしたよとか、ちょっと鼻水が出ていますねとか、書い てないことを伝えてもらったり、あとは延長なので、うちは担任の先生じ ゃない先生に書いてもらうので、行ったときにはその担任じゃない延長の 先生がノートを見ながら今日のB君はこうでした、って聞きます。 NM7:給食の残しを知らせてくれますが、おやつとかちゃんと食べたか、 その後の様子は書いてないので、 NM8:そろそろ箸も使わせましょうと書いてあったので、箸のタイミング かと思って使わせるようにはしています。 373 コード5 意 味 身近な園庭遊び 頻繁に園庭での遊びを行っていること NM4:園庭があるから、外で遊べるからいいかなって思います。 NM6:わりと園庭が広くて、たぶんS区のここらへんでは一番広いのか な?思ったのも気に入ったんで、お外では良く遊んでいるようですね。 NM7:園庭にお散歩という形で出ているみたいですけど、小さな、低年齢 逐 児用の園庭があるので、そこで、小さいんですけどね、外が好きみたいな 語 んで。 録 デ | タ (3) 374 コード6 意 味 集団ならではの遊び体験 集団だからこそできる遊びを保育所で行っていること NM2:友達に電話したり?誰に電話しているの?って聞いたら、M ちゃ んとかって、友達の名前が出てきたり、影響されていることはいっぱいあ りますね、歌とかも知らないうちにいっぱい歌を覚えてきて、披露してく れて。 NM3:ただ、うちの保育園はおもちゃが全部、木とかで、多分そういうの は気を遣っていて、うちではプラスチックとか気にせず使わせているんで 逐 すけど、多分本当は木とかで揃えた方がいいんだろうなって思うところも 語 ある。保育園がそういうところをやってくれているのはいいなって。 録 デ NM4:あと、自分がやらせていなかったことを勝手にもうできるようにな | って、友達と遊べるようになったり、コマ回せるようになったよ~みたい タ に言ってきたり、なんかもういろいろできるんだなって思います。 (4) NM6:よく知らない歌を歌っていることがありまして、それは明らかに私 が教えたものではないので、保育園で教わってきたダンスや歌なんだと思 います。そういうものは、明らかに保育園で覚えてきているものなので、 楽しいですよね、今はこういう歌を歌うんだなってみたいなことがありま して、まぁ歌とダンスが多いんですかね。あとは、お絵かきとかあまりや らないんですけど、保育園ではやっているようなので、いろいろ自分が(家 で)遊ぶようなことと違う遊びをしているのはいいですよね。家だと、電 車が好きすぎて、プラレールやトミカみたいなものが、すごい多いんです けれども、 375 コード7 意 味 友達との遊びを楽しむ子どもの姿 友達と遊びを楽しむ子どもの姿が見られること NM2:友達に電話したり、誰に電話しているの、って聞いたら、Mちゃん とかって、友達の名前が出てきたり、影響されていることはいっぱいあり ますね、 NM4:お友達の名前が出てきます。こうして友達とあそんでいるんだなあ と思いますね。 逐 語 NM6:Hちゃんと何とかなんて話を聞くと、まぁ預けてよかったなってい 録 うのはありますよね。 デ | NM8:話の中で友だちの名前がでてくるので。 タ (4) 376 コード8 意 味 年上モデルに習う生活習慣 年上の子どもの真似をしながら生活習慣が形成されてくること NM5:そうですね、はい、もう家では大きい方はトイレでできるようにな ったんで、教えてくれるようになった。だから、やってみようかなってい うのはあるし、本人も上の子たちを見ていると、トイレに行って興味ある らしくて、保育園の連絡帳でもうんちを教えてくれ、お兄さんとお姉さん と一緒にやりましたって書かれているので、きっと本人も興味あるのかな って、 逐 語 NM7:保育園では、お兄さん、お姉さんといっしょにやることもあるらし 録 くて、真似させるようにしているんですかね。 デ | タ (2) 377 コード9 意 味 就寝までの慌ただしい時間 帰宅から就寝までの時間を慌ただしく過ごしていること NM2:もう毎日バタバタしています。早く寝かせたいとは思っていますが。 NM4:だいたい、1 時間延長して 7 時 15 分に、私がいつもぎりぎりに駆 け込んで、7 時半にうちに着いて 20 分間いつも同じテレビ、トーマスが好 きなんで、これを 20 分だけ見せるという風に決めていて、準備は前日に しておくんですけど、食事の準備を配膳までした状態を整えて、7 時 50 逐 分から席について、30 分くらいご飯を食べます。主人も割と早いので 9 語 時くらいにはお風呂に入って、ただうち子どもが寝るのが遅いので、だい 録 たい 10 時くらいにお風呂に入ってダラダラして、それから遊んで 10 時半 デ から絵本を読んで 11 時くらいに寝るのがなっちゃう感じですかね。 | タ (5) NM5:そうですね、夜はバタバタして、私も 8 時半から 9 時までには寝か せてあげたいなと思っていたので、はい。 NM6:夜は早く寝かせなくちゃと思いながら、つい遅くなってしまいます ね。私も疲れて子どもと一緒に寝てしまい夜中に起きて家のことをやるこ とも結構あります。 NM8:大体 5 時 30 分過ぎに家に帰って、洗濯しながら夕食準備をして、 6時 30 分~7時 30 分ぐらいに夕食を食べて、少し遊んで8時にはお風呂 に入り、9時 30 分過ぎには寝かせるようにはしていますが、遅くなるこ ともありますね。すぐには寝ないので 10 時とか 11 時とかになることもあ りますね。 378 コード 10 意 味 登園までの慌ただしい時間 起床から登園までの時間を慌ただしく過ごしていること NM2:保育園に行くまでは、戦争。私は食べないことが多いですね。 NM3:朝は、起こして食べさせて家を出るので精いっぱい。 NM4:大体、7 時半から 8 時半の間に起きて、夫が食べるパンとコーヒー を焼きだした後に子どもを 8 時くらいに起こして、それからなんとなく 逐 NHK の教育番組をつけながら、ご飯を食べさせたり牛乳を飲ませたりし 語 ている間にそうですね、着替えの準備、着替えは前日にしておくんですけ 録 ど、そのあと、連絡帳だと朝、当日の調子とかあるので、連絡帳は朝書く デ んですけど、自分で朝ご飯食べながら連絡帳を食べながら書いたりして、 | で、8 時半頃に夫を起こしたりして、夫が起きてくる間に着替えさせて、9 タ 時に送り出して、朝は 9 割がた主人が送りに行くので、9 時に行くという。 (5) NM6:えーと、朝 7 時に起きて、9 時に送り出すっていうことにしている んですけど、今日なんかは 8 時過ぎまで起きなかったですね。はい、それ で急いで起きてからご飯を急いで食べて、言いたいところなんですが、す ぐ食べない、20 分くらいは寝起きなんでぐずぐずしていて、機嫌が悪いん で、ご飯を、朝はあんまり食べないので、 NM8:朝は戦争で、7 時には起きるようにして、8 時半に家を出るんです が、パンを食べさすのがやっとで、ぐずぐずしているから、私は食べてい る時間はないですね。 379 コード 11 意 味 再現して楽しむ保育所の遊び 保育所の遊びを家庭で再現して楽しむ子どもの姿が見られること NM2:友達に電話したり?誰に電話しているの?って聞いたらMちゃんと かって、友達の名前が出てきたり、影響されていることはいっぱいありま すね、歌とかも知らないうちにいっぱい歌を覚えてきて、披露してくれて。 NM5:お絵かき他、保育園でやっている体操とかを私が知らないから、そ れがちょっとかわいそうだなって思うんですけど、身体はすごく動かすよ 逐 うになりましたね。はい、テレビとかダンスとか体操とかすると、すごく 語 テンションあがって、自分ですごく遊んでいますけど、 録 デ NM6:よく知らない歌を歌っていることがありまして、それは明らかに私 | が教えたものではないので、保育園で教わってきたダンスや歌なんだと思 タ います。そういうものは、明らかに保育園で覚えてきているものなので、 (3) 楽しいですよね、今はこういう歌を歌うんだなってみたいなことがありま して、まぁ歌とダンスが多いんですかね。あとは、お絵かきとかあまりや らないんですけど、保育園ではやっているようなので、いろいろ自分が(家 で)遊ぶようなことと違う遊びをしているのはいいですよね。家だと、電 車が好きすぎて、プラレールやトミカみたいなものが、すごい多いんです けれども、 380 コード 12 意 味 再現する保育所の衣服着脱習慣 保育所で行われている衣服着脱習慣が家庭でも見られること NM2:服を着替えられるようになったりとか、知らない間に成長してて、 びっくりすることがこの一年でありました。 NM3:全部、上も下も、家でもやるようになりましたね。お風呂上りとか、 自分で着替えるって言うようになりまして、 逐 NM5:着替えはだいぶできるようになって、家でも自分でやりたくて、や 語 るようになりましたよね。 録 デ NM6:着替えは自分でやるようになって。 | タ NM8:朝は、どうしても、ぐずぐずするので、私がやってしまうことが多 (5) いですね、やらせなくてはいけないと思っていますが、でも大分できるよ うになって。 381 コード 13 意 味 マニュアル的な生活習慣支援 生活習慣の支援がマニュアル的であること NM2:今、2 歳6か月ですね、そろそろやらないといけないですね。保育 園でおトイレできた時は教えてくれるっていうのくらいですかね。あと は、定期的におトイレ誘ってあげたらいいんじゃないというアドバイスく れるくらいで、もっと本格的にやりましょうって感じではとくにない。う ちの子がまだいつもおむつがパンパンなんで、保育園のやり方があるか ら、急がせないのか、 逐 語 NM3:先生はさばさばしてそう、あんまりアットホームなのではないんで 録 すが、一生懸命にやってくれていてね。でも、マニュアル通りっていうか、 デ 先生もそれ以上、踏み入ったりしたら。親もいろいろあるじゃないですか、 | クレームとかそういう問題もあるから、先生の方もマニュアルみたいのが タ あるのか、言えないんだと思うんですよね。もっと、いろいろ言ってもら (3) っていいんですけど。 NM5:この間の保護者会のときでは、最近、園ではトイレでしているので、 家でトイレに行くっていったら、そこはやってあげて、無理せず、出ない のに、やるといやになっちゃって、トイレ嫌いになっちゃうので、そこは 子どもの気持ち優先で、といわれまして、家ではトイレトレーニングを始 めていいかどうか、おむつからトレーニングパンツか、それにするときに は、園にも言ってくださいっていうのは、一緒にやりましょうっていう? ことはいわれました。保育園の方針ででやってくれているので、心配はし ていませんが。 382 コード 14 意 味 忙しそうな生活習慣支援 保育士が忙しそうに生活習慣支援を行っていること NM3:園からですか?ちょうど昨日なんですけど、着替えをするときに脱 いだものをバッと投げるらしいんです。それをちょっと教えていくよう に、良くないってことを教えるように両方でやりましょうと書いてありま した。ノートに。時間があれば、先生も話したりするんですけど、結構、 忙しいと先生が少ないので、他の子がわーってなっちゃうと、なかなか話 がとぎれちゃうんですよね。 逐 語 NM4:両方ですね、連絡帳はたぶん子どもの昼寝の時間に書いていると思 録 うんですよ、先生が。だから、午前中の出来事しか書いていなくて、追加 デ で書いていることもあるんですけど、今日はこうやって遊びましたって午 | 前中のことが書いてあったり、昼はこうやって食べましたっていうのが、 タ 昼寝している間までのことしか書かれていなくて、行ったときに聞いたの (4) はお昼寝の後、こうでしたよとか、ちょっと鼻水が出ていますねとか、書 いてないことを伝えてもらったり、あとは延長なので、うちは担任の先生 じゃない先生に書いてもらうので、行ったときにはその担任じゃない延長 の先生がノートを見ながら今日のB君はこうでした、って聞きます。 NM5:そうですね、前の保育園はそれこそ人数が多くても、保育士さんの 数も多かったので、本当に一人ひとりみてくれていたんですけど、やっぱ り今の認可保育園になると、やはり人数が減ったかなという感覚はありま すよね。ちょっとこう、どうしても流れ作業というか、一人ひとりそんな にじっくり見てられないのかなって印象はあります。 NM7:私が行くときって送り迎えのタイミングなんで、忙しいっていうの もあると思うんですけど、ひとり来た~って抱っこしながら様子とか話聞 いてノート連絡とか、こっちおんぶしながらこっち抱っこしてこうみたい な、忙しそうだなって感じなんですけどね。 383 コード 15 意 味 決められた生活リズムへの懸念 保育所の決められた生活リズムに同調させられることへ懸念しているこ と NM6:保育園に入れたことによって、彼がこう生活のリズムが変わったこ とというと、昼寝が長いんですよ。そう、いつも 3 時間寝ているので、う ち 2 か所入れているんですけど、認証保育園に最初に入れて 5 か月くらい 入れて、それから認可保育園に行ったんですが、どっちも 3 時間だったん ですね。聞いてもだいたいどっちも 3 時間なので、なので夜なかなか寝な いっていうのはあるのかなって思っていて。 逐 語 NM8:保育園の生活のリズムにあわせてもらっているので、助かります。 録 助かる反面、うちでは帰りが遅くなるのでどうしても寝かせるのが遅くな デ りますね。その分、睡眠不足だなーってわかるんですが、朝少し寝かせて | もらうと、やはり皆さんがいるからうちの子だけというわけにもいかない タ と思うんですね。それはわかっていますが、 (2) 384 コード 16 意 味 いざこざが見られる遊び環境 子ども同士の遊びの中で、けがやいざこざが見られること NM1:うちの子ひっかくんですよね。ひっかく時は、それも先生によりま すよね NM4:かまれることありますね。これだけの人数だからいろいろあります けど。 逐 NM6:噛まれてきたりとか、よくありますね。そうそれで、先生が絶対言 語 うんですよ。今日ちょっとひっかかれちゃって、 「お友達に」というのが 録 あるので、それに関してはよくありますね。後頭部を打ったとか、倒され デ て、こちらはそうですか、まあ大事がないならみたいな感じなんですけど | ね、まぁ頻繁です。 タ (4) NM7:先生も、Kちゃんってそれダメって止めたんですけど、メガネのこ のところが取れちゃってメガネがガシャンって取れちゃって、プラスチッ クのメガネなんで割れることはないんですけど、一発目くらいは止められ ないな、二発目からは止められるぐらいな感じなので、結構びっくりした んですけど、あーって。手薄とかはないんですけど、 385 コード 17 意 味 集団内で育つ食習慣 集団内で食習慣が形成されてくること NM2:周りの子をあんまり見て育たなかったんですよね。なので、その周 りの子とご飯を食べることによって上手に、スプーンが上手に使えるよう になったりだとか NM3:食事は、一口が大きくて、食べていたみたいですけど、ゆっくり食 べるといいねっていわれました。家でも結構、いっぱい口に入れちゃって、 逐 「おえっ」てなるんですけど。大概のものは食べれるようになって、好き 語 嫌いもあまりないし、 録 デ NM 4:彼の生活のことはご飯をちゃんと食べるとか、こういろんなこと | がしつけされているので、保育園でしつけしていただいてて、そうですね、 タ 物を残さない、いただきます、ごちそうさま、そういうことは全部できる (6) ようになっていて。 NM6:お外では良く遊んでいるようですね。寝るのは一番先に寝ている上 に、食べるのもおかわりか、完食、給食も美味しいし、よく何でも食べら れていますって言われます。 NM7:食事のことで、主に、保育士さんも苦心して食べさせているような ところもわりとあったので、自分で食べられるようにはなってきたので、 だいぶ成長したように思います、 NM8:そろそろ箸も使わせましょうと書いてあったので、箸のタイミング かと思って使わせるようにはしています。 386 コード 18 意 味 集団内で育つ生活習慣 集団内で排泄や着脱習慣、運動習慣などの生活習慣が育まれていること NM2:服を着替えられるようになったりとか、知らない間に成長してて、 びっくりすることがこの一年でありました。 NM3:着替えですかね、自分でやらしているみたいで、全部上も下も、家 でもやるようになりましたね。お風呂上りとか、自分で着替えるっていう ようになりまして、 逐 語 NM4:最近、園ではトイレでしているようです。 録 デ NM5:身体はすごく動かすようになりましたね。 | タ NM6:お外では良く遊んでいるようですね。 (6) NM8:服の着替えやいろんなことができるようになって、保育園でしつけ てもらっています。先生もよくしてくれて、 387 コード 19 意 味 身につく保育所の生活リズム 保育所の生活リズムが身についてきたこと NM1:ペースは本人なりに、きちっとしたのかなって思いますね。 NM4:保育園に入れたことによって、彼がこう生活のリズムが変わったこ とというと、昼寝が長いんですよ。いつも 3 時間寝ているので、保育園の リズムになっていますね。 逐 NM5:やはり規則正しくなりましたよね。お昼寝をきちんとお昼寝の時間 語 にする、休日でもするようになりました 録 デ NM8:夜はどうしても遅くなってしまいますが、朝は保育園行く時間が決 | まっているのでその時間には起きて行けるようになりましたね。 タ (4) 388 コード 20 意 味 保育所内の生活リズム調整 保育所内で生活リズムの調整をしてくれること NM3:朝からすごく眠そうな子は、子どもが遊んでいる横で布団を敷いて 1人だけ寝かしてもらっていました。 NM5:保育園でのリズムは、決まっているので、保育園のおかげでできて いるし、家では夜が遅くなってしまい、寝不足させていると思いますが。 逐 NM7:保育園に行っているから、きちっとしたリズムができるかなって、 語 休みの時とかは、バラバラになってしまいますが。 録 デ NM8:家ではどうしても遅くなってしまうので、保育園のリズムに合わせ | てもらっているので、 タ (4) 389 (2)コードとカテゴリーの関係 20 のコードから、11 のカテゴリーが生成された(表3)。 表3. 保育所保育児の母親からみた3歳未満児の生活習慣形成プロセス ― コード・カテゴリーの関係 ― ( )内の数字は付箋の数 <コード> 意 味 【カテゴリー】 <交代勤務内での生活習慣支援> 複数の保育者が交代勤務内で子どもの生活習慣支援を行っていること 【交代勤務内の生活習慣支援】 <チームによる連携> 保育者同士チームを組み連携して生活習慣形成を行っていること <連絡帳での排泄習慣形成支援> 【連絡帳が介する生活習慣形成支援】 保育所と連絡帳でやり取りしながら排泄習慣形成支援を行っていること <連絡帳での生活習慣形成支援> 保育所と連絡帳でやり取りしながら生活習慣形成支援を行っていること <身近な園庭遊び> 【身近な園庭遊び】 頻繁に園庭での遊びを行っていること <集団ならではの遊び体験> 【集団ならではの遊びの充足】 集団だからこそできる遊びを保育所で行っていること <友達との遊びを楽しむ子どもの姿> 友達と遊びを楽しむ子どもの姿が見られること <年上モデルに習う生活習慣> 【年上モデルに習う生活習慣】 年上の子どもの真似をしながら生活習慣が形成されてくること <就寝までの慌ただしい時間> 帰宅から就寝までの時間を慌ただしく過ごしていること 【家庭で遅れがちな生活リズム】 <登園までの慌ただしい時間> 起床から登園までの時間を慌ただしく過ごしていること <再現して楽しむ保育所の遊び> 保育所の遊びを家庭で再現して楽しむ子どもの姿が見られること 【保育所の生活習慣を再現】 <再現する保育所の衣服着脱習慣> 保育所で行われている衣服着脱習慣が家庭でも見られること <マニュアル的な生活習慣支援> 生活習慣の支援がマニュアル的であること <忙しそうな生活習慣支援> 【画一的な生活習慣支援】 保育士が忙しそうに生活習慣支援を行っていること <決められた生活リズムへの懸念> 保育所の決められた生活リズムに同調させられることへ懸念していること <いざこざが見られる遊び環境> 【集団内での遊び環境の懸念】 子ども同士の遊びの中で、けがやいざこざが見られること <集団内で育つ食習慣> 【集団内で育つ生活習慣】 集団内で子どもの食習慣が形成されてくること <集団内で育つ生活習慣> 集団内で排泄や着脱習慣、運動習慣などの生活習慣が育まれていること <身につく保育所の生活リズム> 【集団内で身につく生活リズム】 保育所の生活リズムが身についてきたこと <保育所内の生活リズム調整> 保育所内で生活リズムの調整をしてくれること 390 (3)カテゴリーとコアカテゴリーの関係 11 のカテゴリーから6のコアカテゴリーが生成された(表4)。 表4. 保育所保育児の母親からみた3歳未満児の生活習慣形成プロセス ― コード・カテゴリー・コアカテゴリーの関係 ― ( )内の数字は付箋の数 [コアカテゴリー] 【カテゴリー】 【交代勤務内の生活習慣支援】(6) [基準を満たした生活習慣形成] (18) 「集団内で育まれる生活習慣形成」 (10) 【連絡帳が介する 生活習慣形成支援】(9) 【身近な園庭遊び】(3) 【集団ならではの遊びの充足】(8) 【年上モデルに習う生活習慣】(2) [家庭で遅れがちな生活リズム](10) 【家庭で遅れがちな生活リズム】(10) [集団生活で成長した 子どもの姿に満足](8) [我が子の健康的な生活習慣が確立] (20) [集団生活での 生活習慣形成への懸念] (13) 【保育所の生活習慣を再現】(8) 【集団内で育つ生活習慣】(12) 【集団内で身につく生活リズム】(8) 【画一的な生活習慣支援】(9) 【集団内での遊び環境の懸念】(4) 391 <コード> <交代勤務内での生活習慣支援>(3) <チームによる連携>(3) <連絡帳での排泄習慣形成支援>(4) <連絡帳での生活習慣形成支援>(5) <身近な園庭遊び>(3) <集団ならではの遊び体験>(4) <友達との遊びを楽しむ子どもの姿>(4) <年上モデルに習う生活習慣>(2) <就寝までの慌ただしい時間>(5) <登園までの慌ただしい時間>(5) <再現して楽しむ保育所の遊び>(3) <再現する保育所の衣服着脱習慣>(5) <集団内で育つ食習慣>(6) <集団内で育つ生活習慣>(6) <身につく保育所の生活リズム>(4) <保育所内の生活リズム調整>(4) <マニュアル的な生活習慣支援>(3) <忙しそうな生活習慣支援>(4) <決められた生活リズムへの懸念>(2) <いざこざが見られる遊び環境>(4) (4)全体像 コード、カテゴリー、コアカテゴリーの関係性を模式図に示した(図1)。 矢印は因果関係、両矢印は対立関係を表す。 我が子の健康的な生活習慣が確立 【集団内で育つ生活習慣】 <集団内で育つ食習慣> <集団内で育つ生活習慣> 【集団内で身につく生活リズム】 <保育所内の生活リズム調整> <身につく保育所の生活リズム> 集団生活での 生活習慣形成への懸念 家庭で遅れがちな 生活リズム 【家庭で遅れがちな生活リズム】 <就寝までの慌ただしい時間> <登園までの慌ただしい時間> 【画一的な生活習慣支援】 <マニュアル的な生活習慣支援> <忙しそうな生活習慣支援> <決められた 生活リズムへの懸念> 【集団内での遊び環境の懸念】 <いざこざが見られる遊び環境> 集団生活で成長した 子どもの姿に満足 【保育所の生活習慣を再現】 <再現して楽しむ 保育所の遊び> <再現する 保育所の衣服着脱習慣> 集団内で育まれる 生活習慣形成 【集団ならではの遊びの充足】 <集団ならではの遊び体験> <友達との遊びを楽しむ子どもの姿> 【年上モデルに習う生活習慣】 <年上モデルに習う生活習慣> 基準を満たした生活習慣形成 【連絡帳が介する生活習慣形成支援】 <連絡帳での排泄習慣形成支援> <連絡帳での生活習慣形成支援> 【交代勤務内の生活習慣支援】 <交代勤務内での生活習慣支援> <チームによる連携> 【身近な園庭遊び】 <身近な園庭遊び> 図1. 保育所保育児の母親からみた3歳未満児の生活習慣形成プロセス 考 察 本研究対象となった保育所は全て認可保育所であり、母親は、国の基準に基づく保 育の質が確保された[基準を満たした生活習慣形成]がなされることに安堵していた。 そして、<保育所内の生活リズム調整>を受け、【集団内で身につく生活リズム】や 【集団内で育つ生活習慣】等、保育所内で生活習慣形成支援を受けることにより、子 どもの健康的な生活リズムや生活習慣は整えられると考え、[我が子の健康的な生活 習慣が確立]されるプロセスを好ましく思っていた。 家庭においては、起床から<登園までの慌ただしい時間>や、帰宅から<就寝まで 392 の慌ただしい時間>など[家庭で遅れがちな生活リズム]は否めず、むしろ、保育士 による<保育所内の生活リズム調整>がなされていることにより、子どもの健康的な 生活リズムや生活習慣は形成され、[我が子の健康的な生活習慣が確立]されると考 えていた。 保護者の就労時間と通勤時間などを加味すると、子どもは1週間に約 50 時間を超え る時間を保育所で過ごしていることになる。つまり、大人の基本的な就労時間より長 い時間を保育所で過ごしている訳である。母親にとっては、子どもの生活習慣形成は 保育所で担ってもらう部分が大きいといえよう。母親からは、「服を着替えられるよ うになり、知らない間に成長して、びっくりすることがこの一年でありました。 」 (N M2)にあるように、家庭で【保育所の生活習慣を再現】する子どもの姿を見て、 [集 団生活で成長した子どもの姿に満足]していた。 従来、母親を中心に育てられてきた乳幼児は、現在、保育士などの専門家も加わっ て社会の中で育てられるようになってきた。子どもの発達における保育の影響に関す る、先行研究として、代表的な研究がアメリカの NICHD(National Institute of Child Health and Human Development;NICHD)の早期保育における子どもの心身 の成長や発達への影響に関する研究(CRN 2000)がある。日本の広域調査研究では、 養育環境が子どもの発達に及ぼす影響について調査した大阪レポート(注3)、その 20 年後に実施された兵庫レポート(注4)、安梅(2004a,2004b)の研究などがある。いず れも、子どもの心身の発達は、母親を中心とする養育環境が強く影響していると述べ ている。近年、子育ての社会化が進行する中、社会が家庭の子育てを肩代わりするの ではなく、あくまでも家庭を支援するものであることをふまえておきたい。 安梅(2013)は、長時間保育による子どもの発達に関する研究の中で、子どもの発 達は保護者が短時間でも密度の濃い関わり(子どもの気持ちを読み取りきちんと関わ ること)をすること、そして、保護者に相談できるサポーターがいることの重要性を 説いている。とくに、3歳未満児の生活習慣形成は、家庭における生活が充実したも のとなるように、母親に子育てに関する情報提供を十分に行い、日常生活の中で母親 への社会的なサポートが必要である。 保育所保育児の母親は、【交代勤務内の生活習慣支援】者として、我が子の生活習 慣形成に向けて努力している保育士の立場を尊重しつつ、<連絡帳での排泄習慣形成 支援>や【連絡帳が介する生活習慣形成支援】に物足りなさも感じていた。しかし、 393 相談しようにも保育士の忙しそうな姿があり、対面での相談が困難な状況もあった。 保育士の勤務体制は、保育時間が年々長時間化する傾向にある中(実方 2011) 、交代 勤務は避けられないことであり、臨時・パート職員を含む複雑なシフト勤務による保 育の実情もある。母親には、保育士が忙しそうに生活習慣支援を行ていると映ったの であろう。 これらの母親の懸念は、きめ細かなサポートを行うことにより、母親が抱いていた 【集団内での遊び環境の懸念】や【画一的な生活習慣支援】など、[集団生活での生 活習慣形成への懸念]も払拭できると考える。 保護者一人ひとりへのきめ細かなサポートとして、情報提供や子育てアドバイスな ど、子どもの担当保育士と保護者とが随時情報交換できる情報システムを活用するこ とも必要であろう。 ま と め 保育所保育を受ける3歳未満児の母親は、保育所内の【身近な園庭遊び】環境、保 育士による<保育所内の生活リズム調整>や<集団内で育つ食習慣>等、保育所で我 が子が生活習慣形成支援を受けることにより、子どもの健康的な生活リズムや生活習 慣は整えられると考えていた。そして、認可保育所ならではの[基準を満たした生活 習慣形成]がなされていることに満足していた。家庭では、起床から<登園までの慌 ただしい時間>や帰宅から<就寝までの慌ただしい時間>など【家庭で遅れがちな生 活リズム】は否めず、子どもの生活習慣形成を保育所に頼る姿も見られた。 一方で、<チームによる連携>を図りながら、【交代勤務内の生活習慣支援】者と して、我が子の生活習慣形成に向けて努力している保育士の立場を尊重しつつ、【連 絡帳が介する生活習慣形成支援】に物足りなさも感じていた。 保育所保育を受ける3歳未満児をもつ母親への支援として、きめ細かなサポートの 必要性が示唆された。 394 第5節 総合的考察 本論、第4章研究3,4,5,6では、家庭的保育の保育実態を把握し、家庭的保 育児と保育所保育児の生活習慣の比較・分析を行った。家庭的保育児と保育所保育児 は共に、就寝時刻を早め睡眠時間を確保することの課題があげられたが、家庭的保育 児の健康生活の営みとして、起床時の機嫌の良さ、病欠席率の低率、日中保育におけ る頻繁な戸外遊び、家庭での頻繁な公園利用、テレビ・ビデオ視聴時間が短時間であ ること等が明らかになった。また、保護者の家庭的保育に対する満足度が高率であっ たことや家庭的保育者の子育てサポーターとしての存在も明らかとなった。 本章では、これらの結果をふまえ、日中の大半を保育施設で過ごす3歳未満児の生 活習慣形成について、研究7,8では、3歳未満児の生活習慣支援形成に関わる家庭 的保育者や保育所の保育士は、日中保育の中でどのような支援プロセスを辿り、生活 習慣確立までに至るのかを質的調査によって検証する。そして、研究9,10 では、3 歳未満児の母親からみた、子どもの生活習慣形成プロセスを検証する。 以下に、総合的に考察する。 1.睡眠習慣 家庭的保育は、個々の子どもが健康的な生活リズムを獲得できるように、午前の戸 外遊びや主活動、昼食、午睡、午後の遊び等の家庭的保育の生活活動時間に、個々の 子どもへの 24 時間を見据えた【巧みな生活リズムの調整】、個々の家庭へ【きめ細か く繋げる生活習慣】を心がけていた。家庭的保育の母親からは、<寝つきがよい子ど もの姿>があげられ、母親自身も【家庭で心がける早寝早起き】を行い、家庭的保育 者と母親の連携による生活習慣形成支援が確認された。そして、日中保育が家庭に連 続して生活習慣が確立するというプロセスを辿っていた。 また、本研究対象の家庭的保育は、【同じ保育者の日々一貫した支援】で、保育者 の居宅という限られた空間で、子ども3名の生活習慣形成支援を行うというものであ った。よって、保育者と子どもとの距離は近く、子どもの少しの変化も見逃さずに対 応できる環境でもあった。また、保育児が3名と少ないことから、保育計画もある程 度融通をきかせることができ、[個々への健康的な生活リズム支援]が可能になり、 [個々に必要な健康的な生活習慣の確立]に至った。 一方、保育所では、安全配慮の基に子どもの生活環境を整え、[基準を満たした生 活習慣形成支援]に努めていた。そして、保育士同士の【交代勤務内の生活習慣支援】 395 や【保育所内での遊び環境調整】[保育所の生活リズム形成支援]が図られ、[集団 を見据えた健康的な生活習慣が確立]するというプロセスを辿った。母親は[集団 生活で成長した子どもの姿に満足]していた。 しかし、保育士は、生活習慣形成過程で、昼食時間や午睡時間など保育所内で決め られた時間に合わせるために遊びを中断しなければならず、<集団内でのリズム同調 に懸念>や<困難な休日明けの生活リズム調整>など、個と集団の狭間で【集団内で の生活習慣支援の限界】も感じていた。 母親も保育所において、[我が子の健康的な生活習慣が確立]することを好ましく 思っていたが、【画一的な生活習慣支援】や【集団内での遊び環境の懸念】も示され た。保護者一人ひとりに丁寧に寄り添う子育てサポーター的な保育士の存在も必要で あろう。 2.食習慣 家庭的保育者は、一人ひとりの<その子に合わせた食習慣形成の工夫>を行い、子 どもが<満喫する手づかみ・食具食べ>ができるように食環境を整え、この時期に経 験させたい手づかみ食べを十分に行うこととして、【満喫しながらの食習慣形成支援 】を心掛けていた。また、家庭的保育の食育が家庭にも繋がるように、[家庭と共に 育む生活習慣形成支援]を心掛けており、母親からは、我が子に<必要な食習慣の確 立>がみられることが示された。 一方、保育所の保育士は、お腹がすくタイミングや給食への興味付けなど<集団内 での個々の食習慣形成支援>や工夫を心がけていた。母親は、食育計画に基づいた認 可保育所ならではの<集団内で育つ食習慣>に安堵していた。 近年、アレルギーの子どもへの対応が求められているが(厚生労働省 2008f)、栄 養士の配属もある、調理室の整った認可保育所の担う役割は重要である。 3.運動習慣 園庭が設置されていない家庭的保育は、園庭の代用として、近隣の公園や広場にお いて頻繁な戸外遊び、<日課の公園遊び>が確認された。公園では、家庭的保育者同 士が協力して他の家庭的保育児の支援を行い、地域の家庭児をも巻き込んで【保育者 同士で工夫する公園遊び】が展開され、 【個々に必要な運動遊び経験】が図られていた。 また、家庭的保育は午前のみならず、午睡後、帰宅までに時間がある子どもは<午睡 後の戸外遊び>を設け、 【頻繁な戸外遊び経験】がなされていた。本論第4章、研究3 396 では、2010 年、家庭的保育が児童福祉法上に位置付けられ、保育事業(国庫補助事業) として施行された後の事業内容や保育内容を調査したが、力を入れている保育内容は、 「戸外遊び」が 88.4%(329 ヶ所) 、地域資源の利用は、第1位が公園で 91.7%(341 ヶ所)であった。従来、家庭的保育の密室性が懸念されてきた(家庭的保育全国連絡 協議会 2009)が、現況は、積極的に戸外に出て体を動かす戸外遊び経験が頻繁にな されていた。日中の活動量が多い子どもほど早寝であること(Kohyama J 2007)が 説かれているが、このような[個々への戸外遊び支援]が[個々への健康的な生活リ ズム支援]に結びついたと考えた。本論第3章、研究1では、家庭的保育児の帰宅後 の主な遊び場所として「公園」が1,2歳児で 64.3%~71.0%であった。家庭的保育 室に通う方法が車以外の自転車や公共交通機関などを利用していることから、帰宅途 中に公園に立ち寄りやすいことが考えられた。早寝を促すためには、午後の運動遊び の必要性が説かれており(松尾・前橋 2007) 、家庭的保育児の午睡後や帰宅後の公園 での遊びは、早寝に繋がることが推察された。 一方、認可保育所は園庭が設置されており、母親も認可保育所ならではの<身近な 園庭遊び>に満足していた。保育士は、子ども同士の<いざこざ回避の技>や【譲り 合う遊びの工夫】等、3歳未満児の発達をふまえた<集団内での遊びの工夫>を行い 、母親も<集団ならではの遊び体験>に満足していた。しかし、低年齢児であるが故 、<いざこざがみられる遊び環境>に懸念する母親の姿もあった。 3歳未満児の発達を鑑みると、遊びにおいてもまだ大人の介在が必要(厚生労働省 2008b)であり、グループのさらなる小規模化を図るなど、丁寧な関わりが求められよ う。 4.生活習慣形成支援 家庭的保育は、保育者による遊びを通した[遊びを通したきめ細やかな基本的生活 習慣形成支援]がなされていた。例えば、子ども独特の不安を抱える排泄行為もおま るを遊び用具にみたてて遊ぶなど【遊びを通しての排泄習慣支援】や、着脱が苦手な 子どもに対して、遊びの中で楽しく着脱ができる着脱の技の考案、ゲーム感覚で<個々 に楽しみながらの着脱習慣>を心がけていた。また、その子専用の衣服の着脱を習得 する玩具の製作など、その子だけの【オンリーワンの衣服着脱支援】が示された。身 に付けるべき生活習慣は躾の要素が強調されがちであるが、家庭的保育は遊びながら 自然に確立されるプロセスが確認された。 397 一方、保育所は、保育士同士で<チームによる連携>をとりながら、 【交代勤務内の 生活習慣支援】をベースに進められていた。保育士は交代する時には、声を掛け合い、 メモを取り合い、一人ひとりの子どもに対し漏れがないように配慮がなされていた。 そして、個々の生活習慣確立に向けて、 【集団で行う排泄習慣支援の工夫】や<時間内 で手伝う着脱・清潔習慣支援>、<集団内での個々の食習慣形成支援>など、 [集団内 における個々の生活習慣形成支援]により、 [集団を見据えた健康的な生活習慣が確立] するというプロセスを辿っていた。 しかし、集団の中でいかに3歳未満児の個々の発達を支援するか、保育士からは、 「遊びが中断する時があるので、もし、それが無ければそこでじゅっくりとその子が もっともっと満足して遊べるところも正直あるのかなって思う場面もあります」 (N2) に示されるように、個と集団のはざまで保育士の苦悩する姿、 【集団内での生活習慣支 援の限界】もみられた。3歳未満児の集団の規模や保育士の数、勤務体制など抜本的 な見直しが必要であろう。 5.個々の遊び環境 本研究の対象となった家庭的保育は、家庭的保育児3名までの少人数保育であるこ とから、子ども同士のトラブルが少ない<温和な家庭的遊び環境>、【小康を保つ家 庭的な遊び環境】があった。また、近隣の住民や保育室の卒業生など【遊びや生活を 支えるバラエティな人的環境】も背景にあり、母親は、<きょうだいのような遊び仲 間>や保育者、保育者の家族などに遊んでもらい、我が子が【家庭的保育ならではの 遊びの充足】を得ていることに満足していた。また、子どもが<没頭できる遊び環境 >が工夫され、【個々の遊び心を満たす環境】が整えられていた。家庭的保育児は帰 宅後も家庭で、保育室の日中の遊びや洗濯物を畳んだり、人形を赤ちゃんに見立て、 おむつ交換をしたりする等、生活を遊びとして【再現して楽しむ子どもの姿】や【テ レビより遊びに夢中な子どもの姿】があった。家庭的保育児は、帰宅後の家庭でのテ レビ・ビデオ視聴時間が保育所保育児より有意に短時間であり(本論第4章研究6)、 家庭児を含めた広域調査(日本小児保健協会,2011)よりも低率であった。これは、 帰宅後の遊びとして、テレビ・ビデオより室内玩具の割合が1,2歳男女児ともに多 く、この時期の特徴である探索遊びも3~4割みられた。日中の保育室での遊び経験 が家庭に連続し、家庭においても自発的に遊ぶ子どもの姿があった。メディア視聴が 子どもの生活にネガティブな影響(服部・足立 2006,栗谷・吉田 2008)を及ぼす 398 ことが報告されているが、家庭的保育の遊びや遊び環境は、3歳未満児が健康生活を 送る上で参考になろう。 一方、保育所は、家庭では整えることができない認可保育所ならではの玩具や園庭 での遊び等、<集団ならではの遊び体験>ができ、子どもが安全に遊ぶことができる ように<遊びを保障する保育士の数>が整えられていた。保育士は個々の子どもが十 分遊べるように、クラス内や【保育所内での遊び環境調整】を行っていた。また、遊 びから発生するトラブルについても、<いざこざ回避の技>や【譲りあう遊びの工夫】 など、日ごろ培った【集団ならではの遊び技】がみられた。このような保育者の工夫 があり、集団保育の中で個々の子どもの遊び環境が整備されていた。 母親は、<友達との遊びを楽しむ子どもの姿>に満足し、 【集団ならではの遊びの充 足】を得ていた。 しかし、3歳未満児の<集団内での遊び環境への限界>も感じていた保育士の姿も あった。人的環境を含め、3歳未満児の保育環境の再考が求められる。 6.家庭生活との連携 家庭的保育者は、<家庭に繋ぐ排泄習慣><家庭に繋ぐ食習慣><親子を繋ぐ遊び の伝承>など、家庭的保育で形成されている生活習慣や遊びをきめ細かく家庭に繋げ ることにより、保育室での生活が家庭でも連続してなされるよう、 [家庭と共に育む生 活習慣形成支援]を心がけており、家庭的保育児の母親も【家庭で心がける早寝早起 き】を目指し、努力する姿があった。中村・肥田・沢口ら(2009)の説く、実践型相 互学習、いわゆる井戸端会議が実践できる保護者啓発の有効な場でもあった。 一方、保育士からは、個々の生活習慣確立に向けて<家庭との生活習慣形成の連携 >を図りながら、 【家庭をリードする生活習慣形成支援】が示された。また、保育所保 育児の母親は、わが子の生活習慣形成に向けて努力している保育士の立場を尊重しつ つ、<連絡帳での排泄習慣形成支援>【連絡帳が介する生活習慣形成支援】に物足り なさも感じていた。しかし、相談しようにも保育士の<忙しそうな生活習慣支援>の 姿があり、保育士との対面での相談が困難な状況もみられた。保育所では、個々の保 護者に向けたきめ細かな情報提供が必要であろう。電子メールの活用や情報の配信も 行われているが、より積極的な活用が期待される。 家庭においては、起床から<登園までの慌ただしい時間>や帰宅から<就寝までの 慌ただしい時間>を過ごしていることが示された。[家庭で遅れがちな生活リズム] 399 は否めず、【集団内で育つ生活習慣】に頼る母親の姿もあった。 保育所は就労する保護者の支援から、8時間の保育時間を超える長時間保育を実施 しており、臨時・パート職員を含む複雑なシフト勤務による保育体制がある(小山 2011) 。常に一人の担当保育者が保護者の相談相手になることは困難な状況であるが、 所長や主任保育士などによる保育経験の蓄積があり、栄養士などの専門性を備える 様々な人的環境が設置されている。一人の保育者に偏らず、多角的な視点から子ども の生活習慣形成に向けて支援することができる利点がある。また、認可保育所は国家 資格を持つ保育士により一定の保育の質が保たれており、認可保育所ならではの安心 感があるといえよう。一方、家庭的保育は、同じ保育者の日々一貫した支援であり、 反面、保育者の質に関わるところが大きく、家庭的保育室間の差も顕現する。 2015 年4月から「子ども・子育て支援新制度」 (内閣府 2014)がスタートすると、 多様な基準・条件による保育が可能となる。しかし、保護者がどの保育を選択しても 子どもの健康生活が保障されなければならない。 多様な保育の中でそれぞれの保育の知見を共有し、連携することにより質の向上が 図られるものと考える。 なお、本研究対象の家庭的保育は、旧来からある、保育者の居宅で家庭的保育者が 保育補助者とともに、子ども3人までを保育する個人実施型の家庭的保育と限定し、 また、対象地域も2市に限定した。保育所についても対象者や対象地域が限定された。 今後、多様な地域、多様な保育を受ける家庭的保育児や保育所保育児の健康生活に ついて、研究する必要があることを指摘しておきたい。 400 【注】 (注1)全国社会福祉協議会・全国保育協議会(2012)によると、私立認可保育所の 保育士の平均勤務年数は、6.2 年であったことから、研究対象の家庭的保育者、 保育所保育士の経験年数を6年以上と限定した。 (注2)本研究3の結果より、家庭的保育者の年齢の9割が 40~60 歳代で占めていた ことにから、研究対象者を 40 歳代~60 歳代とした。 (注3)大阪レポートは、1980 年に出生した、大阪府の保健所管内の子ども 2000 名 と母親を対象に子どもが就学する時点まで行われた子育て実態の追跡調査で、 様々なクロス集計の結果から子育ての正確な実態把握を行った調査である。科 学的検討に耐えるデータとして、平成15年度の「厚生労働白書」の育児不安 の項でも「大阪レポート」のデータが使用されている。 服部祥子・原田正文,1991, 「乳幼児の心身発達と環境―大阪レポートと精神医 学的視点-」名古屋大学出版会がある。 (注4)兵庫レポートは、大阪レポートから約 20 年後に行われた、厚生労働科学研究 による広域調査で、2003 年に4か月、10 か月、1.5 歳、3歳の乳幼児をもつ母 親を対象に、行った大規模な子育て実態調査。 原田正文,2006, 「子育ての変貌と次世代育成支援-兵庫レポートにみる子育て 現場と子ども虐待予防」名古屋大学出版会がある。 【引用文献】 安梅勅江,2004a, 「長時間保育の子どもの発達への影響に関する追跡研究―3年後の 子どもの発達に関連する要因に焦点をあてて―」 『日本保健福祉学会誌』 ,10(2) , pp.9-17. 安梅勅江,2004b, 「乳児期に大切な「子育ち環境」とは、~追跡研究からみた根拠に 基づく保育の必要性~」 『保育の友6月号』全国社会福祉協議会編,pp.24-25. 安梅勅江,2013, 「子育ち環境が学童期の心身に及ぼす影響―コホート研究からみたエ ンパワメントの必要性―」 『子どもと発育発達』11(3) ,pp.163-166. Brandon Keim, “It’s Official,To Protect Baby’s Brain, Turn Off TV”, American Academy of Pediatrics http://www.wired.com/2011/10/infant-tv-guidelines/ Canet Teresa,2010,“Sleep-wake habits in Spanish primary school children”, 401 Sleep Medicine ,1(9) , pp.917-921. Bowlby J,1976, 『母子関係の理論Ⅰ-愛着行動-(新版) 』 ,黒田実郎・大羽葵・岡 田洋子・黒田誠一 訳,岩崎学術出版社. CRN(チャイルド・リサーチ・ネット),2000, 『21 世紀の子育てを考える働く母親を 支援するチャイルド・ケア~米国 NICHD の研究から学ぶ~』 ,ベネッセコーポレーシ ョンチャイルド・リサーチ・ネット. www.crn.or.jp/LIBRARY/EVENT/SYMPO2000/ 福川須美,2011,「家庭的保育事業」全国保育団体連絡会・保育研究所編『保育白書 2011』ひとなる書房,pp.77-80. 初塚眞喜子,2010, 「アタッチメント(愛着)理論から考える 保育所保育のあり方」 『相愛大学人間発達学研究』3,pp.1-16. 服部伸一・足立 正,2006, 「幼児の就寝時刻と両親の帰宅時刻並びに降園後のテレビ・ ビデオ視聴時間との関連」 『小児保健研究』65(3),pp.507-512. Havighurst R,1993,“Human DevelopmentandEducation”,Longmans,Green & Co,INC, 荘司雅子(監訳) , 『人間の発達課題と教育』 ,玉川出版会. 井戸ゆかり,2006, 『保育内容・健康―保育のための健康教育―』岸井勇雄・無藤 隆・ 芝崎正行監修,同文書院,p.71. 家庭的保育研究会,2011, 『家庭的保保育の基本と実践 改定版』福村出版,pp.12-14. 家庭的保育全国連絡協議会編,2009, 『はじめよう0,1, 2歳児の家庭的保育』福村 出版,p.11. 川喜田二郎,1967,『発想法』,中公新書,中央公論社,pp.66-94. 栗谷とし子・吉田由美,2008, 「幼児のテレビ・ビデオ視聴時間,ゲーム時間と生活習 慣との関連」 『小児保健研究』67(1),pp.72-80. 鯨岡 峻,1997, 「子育て支援をめぐるいくつかの視点」 『発達』72,pp.1-10. 鯨岡 峻・鯨岡和子,2014, 『よくわかる心理学』 ,ミネルヴァ書房,p.106. 厚生労働省,2008a, 『保育所保育指針<平成 20 告示 >』フレーベル館,p.13. 厚生労働省,2008b, 『保育所保育指針解説書』フレーベル館,pp.113-115. 厚生労働省,2008c, 『保育所保育指針解説書』フレーベル館,p.24. 厚生労働省,2008d, 『保育所保育指針解説書』フレーベル館,p.58. 厚生労働省,2008e, 『保育所保育指針解説書』フレーベル館,pp.186-189. 402 厚生労働省,2008f, 『保育所保育指針解説書』フレーベル館,pp.173. 小山 修・庄司順一・尾木まり・渋谷昌史・福川須美・網野武博,2007, 「家庭的保育 のあり方に関する調査研究(1) 」 『日本子ども家庭総合研究所紀要』43,pp.89-109. 小山道雄,2011, 「保育所の現状と課題 保育者の労働実態」全国保育団体連絡会・保 育研究所編『保育白書 2011』ひとなる書房,pp.70-71. 神山 潤,2011, 「発達睡眠生理学」 『子どもと発育発達』8(4),pp.248-253. Kohyama J , 2007 , Eary rising children are more active tyan late risers. Neuropsychiatric Dis Treat,3,pp.959-963. 松尾瑞穂・前橋明,2007, 「沖縄における離島幼児の健康福祉に関する研究(Ⅰ)-石垣 島児の生活習慣とその課題-」 『食育学研究』2(1) ,pp.32-51. 水谷百合子,2011, 「保育所入所児童の年齢別割合」全国保育団体連合会・保育研究所 編『保育白書 2011』ひとなる書房,p.62. 水谷百合子,2014, 「保育所と幼稚園の保育時間・開所時間」全国保育団体連合会・保 育研究所編『保育白書 2013』ひとなる書房,p.87. 宮田 緑,2013, 『領域人間関係』萌文書林,pp.37-39. 村山祐一,2013, 「保育制度・政策の原理と動向」全国保育団体連合会・保育研究所編 『保育白書 2013』ひとなる書房,pp.30-35. 内閣府,2014,子ども・子育て支援新制度,www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/ 中本時仁,2009,親業訓練について(特集保護者),更生保護,60(3),pp.18-21. 中村加奈重・肥田有紀子・沢口茂代・関口久恵・山下益美・北川ゆかり・神山 潤, 2009, 「子どもの生活リズム改善の取り組み~生活リズム調査がもたらす養育者の行 動変容に関する考察~」 『小児保健研究』68(2) , pp.293-297. 七木田 敦・上村眞生・岡花祈一郎・若林紀乃・松井剛太,2007,「世代間交流が幼 児・高齢者に及ぼす影響に関する実証的研究」『幼年教育研究年報』29,pp.65-71. 西 智子・津留明子・高尾公矢・高橋健一郎,2012,「保育所における1,2歳児担 当保育者の疲労感と子どもの心身の安定に関する研究」『2012 年度科学研究費補助 金事業実施報告書 2013』. 日本子ども家庭総合研究所,2011,「世帯構造別推計世帯数及び構成割合の推移」『子 ども資料年鑑』,KTC中央出版,p.72. 日本小児保健協会,2011, 「平成 22 年度幼児健康度調査 速報版」 『小児保健研究』70 403 (3) ,pp.448-457. 日本小児科学会,2003,http://www.fine-club.com/child/baby/media.html 大宮勇雄,2013, 「私たちがめざす質のよい保育を明らかにするために」 ,全国保育団 体連絡会・保育研究所編, 『保育白書 2013』ひとなる書房,pp.54-56. 逆井直紀,2013, 「保育所と規制緩和」全国保育団体連合会・保育研究所編『保育白書 2013』ひとなる書房,p.79. 実方伸子,2011, 「保育所の現状と課題 保育所の開所時間と延長保育」全国保育団体 連絡会・保育研究所編『保育白書 2011』ひとなる書房,pp.60-61. 佐野裕子,2013,「家庭的保育利用児の健康福祉に関する研究 研究資料 3、家庭的保 育の保育実態調査 2011 年」『平成 23 年度科学研究費補助金基礎基盤C研究報告 書』. 澤村 直,2013, 「保育者の労働実態」 ,全国保育団体連絡会・保育研究所編『保育白 書 2013』ひとなる書房,pp.68-69. 田宮 緑,2013, 「領域人間関係」萌文書林,pp.34-65. . 全国保育団体連絡会・保育研究所編, 「統計資料」 『保育白書 2013』ひとなる書房,p.248. 全国社会福祉協議会,2009, 「機能面に着目した保育所の環境・空間に係わる研究事業 研究結果の概要」 http://www.shakyo.jp/research /09kinokukenkyu.htm 全国社会福祉協議会・全国保育協議会編,2012, 『全国の保育所実態調査報告書 2011』 社団法人全国社会福祉協議会・全国保育協議会発行,pp.23-54. 【参考文献】 服部祥子・原田正文,1991, 『乳幼児の心身発達と環境―大阪レポートと精神医学的視 点-』名古屋大学出版会. 原田正文,2006「子育ての変貌と次世代育成支援-兵庫レポートにみる子育て現場と 子ども虐待予防 名古屋大学出版会. 404 第6章 研究の総括 第1節 全体的考察 本論文は、家庭的保育を受ける3歳未満児の生活習慣に関する健康福祉学的研究と して、少人数保育の家庭的保育児と集団保育の保育所保育児の生活習慣分析を中心に 論述したものである。 具体的には、健康・幸福な暮らしを追究する健康福祉学の視点から、3歳未満児が 健康生活を営むための社会的保育のあり方を明らかにするために、量的研究法と質的 研究法で行う合計 10 編の学術的研究に取り組んだ。本研究で解明されたことは、保育 者の居宅で、保育補助者とともに行われる、保育児3名を対象とした家庭的保育は、 3歳未満児が健康生活を営む上で、また、保護者支援として示唆に富む保育であった。 以下、本論文の総括として整理しておく。 序章では、健康福祉学における3歳未満児の健康生活に関する研究の意義として、 健康福祉学の視点、3歳未満児保育の背景、生活習慣からの研究の必要性と問題点を あげた。 第1章では、わが国の社会的保育施設の中心供給主体である保育所の変遷を辿った。 また、2015 年に「子ども・子育て支援新制度」が施行され、多様な保育が併存する時 代を迎えるまでの保育制度を追った。第3節では、子ども・子育て支援新制度の地域 型保育に組み込まれた、3歳未満児保育としての家庭的保育を取り上げ、その変遷と 現況を確認した。第4節では、3歳未満児保育の需要の増加と社会的保育の拡充が図 られる中、保育の質の維持向上の重要性を鑑み、先進諸外国がどのように3歳未満児 の保育需要に対応しているかを探った。 第2章では、社会的保育が拡充する中、保育の対象となる子どもの健康生活、生活 習慣に関する研究動向を国内外から探った。 諸外国においては、主に児童期の生活習慣病予防のための睡眠習慣や運動習慣、生 活リズムの研究が盛んに行われていた。日本においては、1980 年代から子どもの健康 問題の研究が盛んに行われるようになった。近年の日本の子どもの生活は夜型化して おり、遅寝、短時間睡眠による大脳の高次神経機能への影響、体力低下など生活課題 が数多く報告されていた。乳幼児期の子どもを取り上げた研究として、アジア太平洋 小児睡眠連合会(Asia pacific paediatric Sleep Alliance:APPSA)の研究に着目し、 405 日本の3歳未満児は、アジア太平洋 17 ヶ国の中で最も就床時刻が遅く最も短時間睡眠 であることを確認した。上記の研究は、乳幼児期の発育・発達検診や保育所、幼稚園、 小学校などにおいて実施された研究であり、家庭的保育に代表される少人数を対象と した生活習慣研究は実施されていないことを示した。 第3章では、社会的保育を受ける子どもの生活習慣として、就寝時刻や睡眠時間、 起床時刻、テレビ・ビデオ視聴時間など、計 27 項目を調査した。 研究1として、従来行われてこなかった、少人数保育である家庭的保育の3歳未満 児の生活習慣調査を全国調査として広域に行った。研究2として、施設型集団保育で ある保育所の3歳未満児の生活習慣調査を、家庭的保育と同様に、全国調査として広 域で行った。 第4章では、3歳未満児の生活習慣に関する研究として、家庭的保育と保育所の比 較を行った。研究3は、家庭的保育の保育実態の広域調査である。これは、家庭的保 育が児童福祉法上に位置づけられ、保育事業(国庫補助事業)として 2010 年に施行さ れた後の初めての家庭的保育の保育実態を検証した。家庭的保育者の年齢は 50 歳代が 最も多く、保育所の保育士より 20~30 歳高齢であることや家庭的保育の開所時間は保 育所より平均 2.5 時間短時間であること、その他、保育内容や特別保育などが示され た。研究4では、家庭的保育を受ける保護者の保育に関する意識調査として、保育時 間や保育内容、友人関係など、保育に関する満足度が 80~90%と高率であったこと、 また、保護者に寄り添う子育てのサポーターとしての家庭的保育者の存在が明らかに なった。研究5では、家庭的保育と保育所保育児の3歳未満児について、病欠席率を 調査した。家庭的保育児は保育所保育児と比較して、1.6~3倍も低率であることを明 らかにした。保護者にとっては、子どもの病欠による欠勤が少なく、安心して就労で きる保育環境であることが示唆された。研究6では、家庭的保育児と保育所保育児と の生活習慣を比較・分析した。就寝時刻については、家庭的保育児と保育所保育児と の有意差はみられなかったものの、夜間の平均睡眠時間は、家庭的保育児は保育所保 育児より有意に長時間であった。また、健康的な生活を送るうえで必要な夜間 10 時間 以上睡眠(井上、白川ら 1999,佐野・松尾・前橋 2012)をとっている家庭的保育児 は保育所保育児より有意に多かった。また、 「起床時の機嫌が良い」とした家庭的保育 児は、保育所保育児より有意に多く、夜間の良質な睡眠(佐野・松尾・前橋 2012) が得られていることが示唆された。その他、帰宅後の遊び場としての公園利用が約7 406 割と高率であったこと、テレビ・ビデオ視聴時間が保育所保育児より有意に短時間で あったこと等が明らかになった。 以上から、家庭的保育は、3歳未満児にとって健康的な生活を送る上で示唆に富む 保育の場であることが推察された。 第5章では、これまでの研究1~6の結果をふまえ、研究7,8では、3歳未満児 の生活習慣形成に関わる家庭的保育者や保育所の保育士は、日中保育の中でどのよう な生活習慣形成支援を行うか、その支援プロセスについて質的調査法によって検証し た。研究9,10 では、家庭的保育や保育所の保育を受けた3歳未満児の母親からみた、 子どもの生活習慣形成プロセスについて検証した。その結果、家庭的保育は、同じ保 育者の日々一貫した支援であり、保育者の居宅という限られた空間で行う生活習慣形 成支援であったことから、保育者と子どもとの距離は近く、子どもの少しの変化も見 逃さずに対応できる環境でもあった。このような環境であったからこそ保育者による 個々のペースを尊重した生活習慣形成支援や個々への生活リズム支援が行いやすく、 トラブルが少ない<温和な家庭的遊び環境>など小康を保つ遊び環境、感染が少ない 生活環境など、安定した生活環境があり、母親も同じ保育者による安心できる生活習 慣形成がなされていると考えていた。また、従来、家庭的保育の密室性が懸念されて きたが、保育者の家族や保育補助者の協力、近隣の住民、保育室の卒業生など、遊び や生活を支えるバラエティな人的環境が家庭的保育の密室性回避の一助にもなってい ることが明らかになった。家庭的保育は、鯨岡(1997)のいう、戦前の保育を彷彿と させる、 「自分の親世代や近所の経験豊かな人」に囲まれた、地域に根差した子育ての 姿が家庭的保育にみられた。また、園庭の代用として、近隣の公園や広場、児童館、 子育て支援施設等が頻繁に利用されており、地域全体を「園庭」に見立てているユニ ークさもあった。そして、日課としている公園遊びの実態が明らかになった。公園遊 びは、保育者同士が協力し、地域の家庭の子どもや保護者も巻き込んで公園遊びを展 開していた。家庭的保育の密室性は、頻繁な戸外遊びによっても回避することが示唆 された。 母親からは、家庭的保育児が帰宅後も家庭で保育室の日中の遊びを再現して楽しむ 姿やテレビより遊びに夢中な子どもの姿が示された。本研究6では、家庭的保育児が 保育所保育児よりテレビ・ビデオ視聴が有意に短時間であったことが明らかにされた が、この背景には、日中の保育室での遊び経験や生活経験が家庭に連続し、家庭にお 407 いてもテレビ・ビデオ以外の探索遊びや生活遊びに費やされていることが推察された。 一方で、保育所の保育士は交代勤務内で行われる生活習慣形成支援であり、安全配 慮の基に、 [基準を満たした生活習慣形成支援]に努めていた。そして、保育所で行わ れる生活習慣形成支援は、健康的な生活習慣確立に向けた【集団内で行う個々の生活 習慣形成支援】であると考えていた。研究 10 では、保育所保育児の母親は家庭におい て、起床から<登園までの慌ただしい時間>や帰宅から<就寝までの慌ただしい時間 >を過ごしていることが示された。家庭では遅れがちな生活リズムは否めず、保育所 の集団内で確立される生活習慣形成を好ましく思い、保育所に子どもの生活習慣形成 を頼る母親の姿もみられた。また、認可保育所は、所長、主任保育士、栄養士などの 保育の専門家が控えており、多くのアドバイスを受けることができ、保護者の安心感 につながっていることが示された。しかし、保育士の<忙しそうな生活習慣支援>の 姿や子ども同士のいざこざがみられる【集団内での遊び環境の懸念】も示され、保護 者へのきめ細かなサポートの必要性が示唆された。 保育所の保育士からは、生活習慣形成過程で、昼食時間や午睡時間など保育所内で 決められた時間に合わせるために、遊びを中断しなければならない<集団内でのリズ ム同調に懸念>する声や<困難な休日明けの生活リズム調整>など、個と集団の狭間 で集団内での生活習慣支援の限界も感じている保育士の姿も示された。 保育所では開所時間が年々長時間になり、それに伴い子どもの在所時間の長時間化 も報告されている(全国社会福祉協議会・全国保育協議会 2012) 。保育現場では、交 代勤務は避けられないことである。本研究からは、3歳未満児の発達をふまえ、集団 やグループの規模、子どもの人数の検討、個々の保護者への支援体制などが求められ た。 以上のことが、本論文の研究結果から導きだされた。 次に、これらの研究結果をふまえ、健康福祉学の視点から、3歳未満児の健康生活 における社会的保育のあり方について、提言を述べておきたい。 408 第2節 3歳未満児の健康生活への提言 本研究では、社会的保育を受ける3歳未満児の健康生活に関して、従来行われてこ なかった、少人数保育の家庭的保育児の生活習慣を取り上げた。 健康生活を支える、 「睡眠習慣」 「食習慣」 「運動習慣」の視点から、集団保育の保育 所保育児と比較し、家庭的保育児の生活習慣や日中保育における保育者の生活習慣形 成支援、その保育を受ける子どもの保護者の意識などについて、詳細に把握すること ができた。そこで、研究結果や得られた知見をもとに、3歳未満児の健康生活を担う 社会的保育への提言を行うこととする。 研究では、社会的保育の変遷について、2015 年の「子ども・子育て支援新制度」に 至るまでを検証した。家庭的保育は、2010 年、児童福祉法上に位置付けられた保育事 業(国庫補助事業)として施行され、認定を受けた保育者が職業として保育を行える ようになった。法定化後、国庫補助事業として同事業を開始した自治体は2年で倍増 し、家庭的保育者数、家庭的保育児数は共に 2009 年度と比較すると約2倍になった(家 庭的保育研究会 2011) 。家庭的保育は3歳未満児を対象とした待機児童対策のための 保育施設として注目されるようになったが、保育事業としては 60 年以上の歴史がある。 家庭的保育制度とその実践が、本格的にスタートしたといえよう。 諸外国の家庭的保育の状況を鳥瞰すると、イギリスでは、子ども約 22 万5千人の約 3割がチャイルドマインダーで担っており、フランスでは家庭的保育が担う保育の割 合は、2007 年の調査では保育所の約 2.5 倍(自治体国際化協会 2012)となっている。 デンマークやスウェーデンでは、家庭的保育は保育所と同列の保育機関で、施設型保 育にはない特徴を生かす保育として再認識され、保育者は公務員並みの待遇(家庭的 保育全国連絡協議会 2009a)でもある。各国の家庭的保育は、その質を確保すべく、 取り組みがなされている。これは、3歳未満児の保育の重要性が再認識され、保育の 質が問われていることでもあると考える。 社会で保育を担う社会的保育は多様化し、拡大化する方向にある。わが国において 2015 年に開始される「子ども・子育て支援新制度」では、地域の保育所を拠点とし、 多様な運営主体による家庭的保育や小規模保育などが設置されるという構想である。 家庭的保育は、保育者の居宅で実施する従来の「個人実施型」に限定せずに、株式会 社や NPO 法人が運営する「法人実施型」など、実施主体の幅を広げた。また、小規模 保育事業のC型として、家庭的保育事業の複数ユニット(複数の家庭的保育者が共同 409 の場所を使用して保育する形態)も広がりつつある。 近年、共働き世帯が増加し、保護者の保育ニーズに即した保育サービスの拡充も図 られているが、重要なことは、保育を必要とする保護者がどの保育を選択したとして も、等しく一定の質が担保されなければならない。 3歳未満児という発達をふまえ、健康・幸福な暮らしを追究したとき、本研究から 明らかになった家庭的保育は、3歳未満児が健康生活を営む上で、また保護者支援の 観点からも、示唆に富む保育であった。しかし、保育人数や保育時間、保育環境など が集団保育とは異なり、長時間保育のニーズには応えることが困難である。 国の「育児・介護休業法」の見直しやファミリーフレンドリー企業(職業と家庭と の両立条件が整っている企業)の拡充が求められる。併せて、その制度が実際に利用 できるようにすることも重要である。 3歳未満児の健康生活の営みは、保育者や保護者のみでなせるものではなく、行政 や企業、社会全体の協力が必要である。 おわりに 3歳未満児が健康生活を営むための社会的保育のあり方を明らかにするために、量 的研究法と質的研究法で行う合計 10 編の学術的研究に取り組んだ。その内、5編が 広域調査研究であった。多くのサンプル数により、家庭的保育の実態や保育児の生活 状況、保護者の意識なども把握でき、これまでに報告されていない有意義なデータを 集めることができ、分析を行うことができた。しかし、家庭的保育は、同じ保育者の 日々一貫した支援であり、保育者の質に関わるところが大きく、家庭的保育室間の差 も顕現する。その実態をより詳細に調べるためには、家庭的保育者の背景や保育環境、 個々の子どもの保育状況、保護者の就労状況や家庭生活など、多角的に捉えること必 要である。 また、質的研究については、対象者の選定がT市とM市の二か所であったことから、 結果についても地域的に限定された。今後の研究としては、対象者の選定についても 検討することが課題として挙げられた。 2015 年に開始される「子ども・子育て支援新制度」において、家庭的保育は、従来 の「個人実施型」の他に、株式会社や NPO 法人が運営する「法人実施型」 、小規模保育 事業のC型として、家庭的保育事業の複数ユニット(複数の家庭的保育者が共同の場 410 所を使用して保育する形態)などが実施される。今後、保育形態や保育環境の異なる 多様な保育との比較、分析を進めることで、より詳細な分析が可能になると思われる。 これらは、今後の課題としたい。 411 本論文の引用文献 秋山千恵子,2011「保育政策研究委員会企画シンポジウム」 『保育学研究 』49(3) , pp.69-70. 赤堀光哉・征矢英昭,2011, 「運動生理学からみた子どもの知力と体力」 『子どもと発 育発達』2,pp.80-81. 網野武博・迫田圭子・栃尾 勲編 2007, 『三訂保育所運営マニュアル 子育て環境の 変化と保育所の子育て支援』中央法規出版,pp.3-8. 安梅勅江,2002, 「長時間保育の子どもの発達への影響に関する追跡研究―2年後の子 どもの発達に関連する要因に焦点をあてて―」 『社会福祉学』43(1) ,pp.125-134. 安梅勅江,2004a, 「長時間保育の子どもの発達への影響に関する追跡研究―3年後の 子どもの発達に関連する要因に焦点をあてて―」 『日本保健福祉学会誌』10(2) , pp.9-17. 安梅勅江,2004b, 「乳児期に大切な「子育ち環境」とは、~追跡研究からみた根拠に 基づく保育の必要性~」 『保育の友6月号』全国社会福祉協議会出版部,pp.24-25. 安梅勅江,2013, 「子育ち環境が学童期の心身に及ぼす影響―コホート研究からみたエ ンパワメントの必要性―」 『子どもと発育発達』11(3) ,pp.163-166. Arboledas GP,Alarcon MC・Gonzalez GM,Rosello AL・Salort MM,2011“Habits and problems with sleep from 6 to 14 years in the valencian community,View own children”,Anales De Pediatria ,74(2),pp.103-115. ベネッセ次世代育成研究所, 『幼児の生活アンケート』 http://www.benesse.co.jp/jisedaiken/research/research_13.html Ba Hammam, Ahmed・ AlFaris, Eiad; Shaikh, Shaffi;・Saeed, Abdulaziz Bin,2006, “Prevalence of sleep problems and habits in a sample of Saudi primary school children”,Annals Of Saudi Medicine 26(1),pp.7-13. Bowlby J,1976, 『母子関係の理論Ⅰ-愛着行動-(新版)』,黒田実郎・大羽葵・岡 田洋子・黒田誠一 訳,岩崎学術出版社. Brandon Keim,2011,“It’s Official,To Protect Baby’s Brain, Turn Off TV”, American Academy of Pediatrics http://www.wired.com/2011/10/infant-tv-guidelines/ Canet Teresa,2010,“Sleep-wake habits in Spanish primary school children”,Sleep 412 Medicine ,11(9),pp.917-921. CRN(チャイルド・リサーチ・ネット),2000, 『21 世紀の子育てを考える働く母親を支 援するチャイルド・ケア~米国 NICHD の研究から学ぶ~』ベネッセコーポレーショ ンチャイルド・リサーチ・ネット(CRN) www.crn.or.jp/LIBRARY/EVENT/SYMPO2000/ 独立行政法人 労働政策研究・研修機構,2008, 「ヨーロッパにおけるワークライフバ ランス」 『JILPT 資料シリーズ』45,pp.51-54. Dworak, Markus・Wiater, Alfred・Alfer, Dirk・Stephan, Egon・Hollmann, Wildor, “Increased slow wave sleep and reduced stage 2 sleep in children depending on exercise intensity”,Sleep Medicine,9(3), pp.266-272. 福川須美,1997, 「私も家庭的保育の味方です!」 『応援します 働くお母さん』ひとな る書房,pp.72-141. 福川須美,2009, 「保育所と家庭的保育の連携による子育て支援の実際」 『子ども未来』 3,pp.7-9. 福川須美,2011,「家庭的保育事業」全国保育団体連絡会・保育研究所編『保育白書 2011』ひとなる書房,pp.77-80. 福川須美,2013,「家庭的保育事業」全国保育団体連絡会・保育研究所編『保育白書 2013』ひとなる書房,pp.76-78. 福原須美・尾木まり,2009, 『はじめよう!0・1・2歳児の家庭的保育』NPO法人 家庭的保育全国連絡協議会編,p.80. 福田公教,2009, 「事業所内保育施設」森上四朗・柏女霊峰編集『保育用語辞典第5版』 ミネルヴァ書房,p.37. 古谷真樹・山尾 碧・田中秀樹,2008, 「幼児の夜ふかしと主養育者に対する睡眠教育 の重要性」 『小児保健研究』67(3),pp.504-512. 藤井伸生,2014, 「子ども・子育て支援新制度の概要」全国保育団体連絡会・保育研究 所編『保育白書 2014』ひとなる書房,pp.68-70. Fagnain J,1998,“Helping mothers to combine paid and unpaid work or fighting unemployment? the Ambiguities of French family policy”, Community Work Family, 1(3),pp.297-312. Havighurst R,1993,“Human DevelopmentandEducation”,Longmans,Green & 413 Co,INC, 荘司雅子(監訳) , 『人間の発達課題と教育』玉川出版会. Hukutomi K・Kasuga K, 2013,“Creating Stroller Guidelines to Ensure Appropriate Physical Activity: Rearing Active Children from Infancy”,SSF スポーツ政策研究, 2(1),pp.287-294. 濱西島子・関根道一・立瀬剛志,2011, 「子どもの睡眠リズムとおとなの睡眠リズム- 小児期の睡眠リズムの社会背景と継続性、その健康影響について-」 『子どもと発育 発達』9(1) ,pp.4-7. 長谷川 大・前橋 明,2008,「保育所幼児の朝の疲労度と生活要因との関係-2007 年度幼児生活習慣調査(青森県)結果より-」 『食育学研究』3(2), pp.10-15. 長谷川 大・前橋 明,2010, 「保育園幼児の生活状況と体力・運動能力に関する研究 -テレビ・ビデオ視聴時間とのかかわりを中心に―」『幼児体育学研究』3(1), pp.33-43. 初塚眞喜子,2010, 「アタッチメント(愛着)理論から考える保育所保育のあり方」 『相 模大学人間発達学研究』3,pp.1-16. 平川和文・高野圭,2008, 「体力の二極化進展において両極にある児童生徒の特徴」 『発 育発達研究』37,pp.57-67. 畠中宗一,2000, 「わが国における家庭的保育の展望」 『現代のエスプリ』401,pp.34-47. 服部伸一・足立 正・嶋崎博嗣・三宅孝昭,2004, 「テレビ視聴時間の長短が幼児の生 活習慣に及ぼす影響」 『小児保健研究』63(5),pp.516-523. 服部伸一・足立 正,2006「幼児の就寝時刻と両親の帰宅時刻並びに降園後のテレビ・ ビデオ視聴時間との関連性」 『小児保健研究』65(3),pp.507-512. 萩原英俊,2013, 「3歳未満児保育から見た、親子関係が、青年期前後の人格形成に及 ぼす影響について その1.精神分析学の流れをくむ、Bowlby の Attachment 理論 や、Erikson の Life cycle 理論から見た保育問題」 『淑徳短期大学研究紀要』52, pp.43-60. 井上昌次郎・白川修一郎・神山 潤・清水徹男・杉田義郎・稲見康司,1999, 「初心者 のための基礎と臨床」 『睡眠科学・医療専門研修テキスト』日本睡眠学会,pp.1-16. 稲川登史子,2013, 「増える共稼ぎ世帯と育児休業法」全国保育団体連絡会・保育研究 所編『保育白書 2013』ひとなる書房,pp.9-10. 井戸ゆかり,2006, 『保育内容・健康―保育のための健康教育―』岸井勇雄・無藤 隆・ 414 芝崎正行監修,同文書院,p.71. 泉 秀生,2006, 「地域別・季節別にみた保育園児の生活状況」 『子どもの健康福祉研 究』5,pp.19-22. 泉 秀生・奥富庸一・前橋 明,2007,「幼児期の健康福祉に関する研究-保育園に通 う5歳児の生活時間と朝の排便状況-」 『食育学研究』2(1),pp.63-65. 泉 秀生・前橋 明,2008,「神奈川県の子どもたちの生活習慣とその課題」『食育学 研究』3,pp.1-33. 泉 秀生,前橋 明,2010, 「幼児の生活習慣に関する考察-保育園児の朝食欠食と生 活要因との関連-」 『運動・健康教育研究 』18(1) ,pp.17-27. 泉 秀生・前橋 明・町田和彦,2011, 「幼児の生活習慣に関する研究-保育園5・6 歳児とその保護者の1週間の生活記録分析-」 『保育と保健 』17(2) ,pp.75-79. 泉 秀生・前橋 明・町田和彦,2012, 「幼児期の生活習慣に関する研究―母親の就労 のある日とない日の保育園 5・6 歳児の生活習慣―」『小児保健研究』71(3), pp.371-372. 自治体国際化協会パリ事務所,2012,「フランスの子育支援―家政策を中心に―」 『ClirReport』374, (財)自治体国際化協会,p.40. JD.Barnes ・RC.Colley・MS.Tremblay,2012,“Results from the Active Healthy Kids Canada,2011,Report Card on Physical Activity for Children and Youth”, Appl.Physical.Nutr.Metab,37,pp.793-797. 春日晃章・中野貴浩・小栗和夫,2010, 「子どもの体力に関する二極化出現時期―5歳 児に両極にある集団過去への追跡調査に基づいて―」 『教育医学』55,pp.332-339. 柏女霊峰,2009, 『保育用語辞典5』版森上四朗・柏女霊峰編集,ミネルヴァ書房,p.41. 葛飾区家庭的保育の会報,2013. 家庭的保育研究会,2011,『家庭的保育の基本と実践 改訂版』福村出版,pp.8-14, pp.229-240. 家庭的保育研究会,2011, 「増補資料 家庭的保育事業ガイドライン」 『家庭的保育の基 本と実践 改訂版』福村出版,pp.5-12. 家庭的保育全国連絡協議会,2009a,『はじめよう!0,1, 2歳児の家庭的保育』福 村出版,p.48,pp.76-78. 加藤忠明,2005,「保育所における子どもの成長発達とヘルスケア」『小児科臨床』58 415 (4) ,pp.501-507. 神尾真知子,1999, 「児童福祉サービス」藤井義治編『先進諸国の社会保障6フランス』 東京大学出版会. 上村康子,2002, 「現状報告 カナダの家庭的保育―オンタリオ州を中心に」 『天理大学 福祉学研究紀要』4,pp.17-22. 片岡あゆみ・原田健次・奥田豊子,2006, 「生活リズムの形成と基本的生活習慣の自立 に向けての取組み」 『食育学研究』1(1),pp.46-47. 川喜田二郎,1967,『発想法』(中公新書),中央公論社,pp.66-94. 栗谷とし子・吉田由美,2008, 「幼児のテレビ・ビデオ視聴時間 ゲーム時間と生活習 慣との関連」 『小児保健研究』67(1),pp.72-80. クロード・ギッシュマン著大野豊子訳,2012, 『パリの保育士たち』新読書社,p.372-374, 経済産業省,2012, 「平成 22 年度 地域新成長産業創出促進事業( ソーシャルビジネ ス/コミュニティビジネス連携強化事業) 」 www.meti.go.jp/policy/local_economy/sbcb/ 鯨岡 峻,1997, 「子育て支援をめぐるいくつかの視点」 『発達』72,pp.1-10. 厚生労働省,2000, 「健康日本 21」 www.kenkounippon21.gr.jp/kenkounippon21/about/ 厚生労働省,2001, 「精神・神経疾患研究委託費 睡眠障害の診断・治療ガイドライン 作成とその実証的研究班」 『平成 13 年度研究報告書』 厚生労働省,2006, 「平成 17 年度乳幼児栄養調査 概要」 http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/06/h0629-1.html 厚生労働省,2008, 『保育所保育指針<平成 20 告示 >』 ,厚生労働省告示第 141 号, フレーベル館. 厚生労働省編,2008,『平成 20 年 保育所保育指針解説』 ,フレーベル館. 厚生労働省,2010, 『第3回 21C 出生児縦断調査第8回(平成 21 年)21C 出生児縦断 調査結果概要』 ,www.mhlw.go.jp/toukei/list/27-8.k 厚生労働省,2011,平成 23 年度厚生労働省委託事業, 『保育士の再就職に関する報告 書,第2章資料集[1] 』株式会社ポピンズ,p.2. 厚生労働省,2012a, 「子ども・子育て支援制度に関するQ&A」 ,厚生労働省雇用均等・ 児童家庭局 保育課 p.1. www8.cao.go.jp/shoushi/10motto/08kosodate/.../pdf/s7.pdf 416 厚生労働省,2012b, 「待機児童解消加速化プランの支援パッケージについて」 『厚生労 働省雇用均等・児童家庭局 保育課』p.5. www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/ 厚生労働省,2013, 「少子化対策基本方針(要旨) 」Copyright © Ministry of Health, Labour and Welfare, All Right reserved. www2.mhlw.go.jp/topics/topics/syousika/syousika01.pdf 厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会,2012,健康日本21(第2次)の推進に 関する参考資料」次期国民健康づくり運動プラン策定専門委員会 www.mhlw.go.jp/stf/houdou/...att/2r9852000002xpqt.pdf 厚生労働省,2013, 「健康日本 21(第2次) 」www.hennkounipponn21.gr.jp/ 神山 潤,2003, 『子どもの睡眠 眠りは脳と心の栄養』芽ばえ社,pp.6-11. 神山 潤,2006, 「小児の睡眠とその障害」上里一郎監修白川修一郎編『睡眠とメンタ ルヘルス』ゆまに書房,pp.197-199. 神山潤,2008, 「小児の睡眠関連病態―新たな病態「失同調 ASYSDHRONIZATTON」 の提唱」 『脳と発達』40,pp.277-283. 神山潤,2008, 『子どもの眠りの基礎知識』 , (株)新興医学出版,pp.13-15. 神山潤,2009,「子どもの生活リズム改善の取り組み」『小児保健研究』68(2), pp.219-297. 神山 潤,2011,「子どもの眠りの基礎知識」『日本小児科学会雑誌』115(12), pp.1870-1879. 神山 潤,2011, 「睡眠と子どもの成長発達」 『公衆衛生』75(10) ,pp.774-779. 神山 潤,2011, 「早寝早起き朝ごはん―啓発活動の実践―」 『睡眠医療』5,pp.432 -438. 神山 潤,2011, 「発達睡眠生理学」 『子どもと発育発達』8(4),pp.248-253. Kohyama J Mindell J・Sadeh A,2011,Sleep characteristics of young children in Japan,Pediatr Int 53,pp.649-655. Kohyama J,2001, “Late nocturnal sleep onset impairs a melatonin shower in young children”, Neuro endocrinology Letters,23(5‐6),pp.385-386. Kohyama J, 2007, “Early rising children are more active than late risers.” , Neuropsychiatric disease and treatment,3(6),pp.959-963. 国土交通省 HP,http://www.mlit.go.jp/report/press/city10_hh_000056.html 417 国土交通,2014,『都市公園における遊具の安全確保に関する指針(改定第2版)』 www.mlit.go.jp/common/000022126.pdf 古坂正人,平成 20 年度, 「第3章保育政策の歴史的展開と現在の保育制度」 『少子化時 代における中小企業と子育て関連ビジネスに関する調査研究』通巻番号 113,中小 企業総合研究機構,pp.20-34. 駒田陽子,2006, 「睡眠相談と睡眠障害の認知・行動療法」上里一郎監修・白川修一郎 編『睡眠とメンタルヘルス』ゆまに書房,p.343. 小宮山潔子,2010, 「日本の就学前教育・保育の状況と政策の方向―諸外国と比較しつ つ日本の今後を考える―」 『海外社会保障研究』173,pp.4-15. 小山 修・庄司順一・尾木まり・渋谷昌史・福川須美・網野武博,2007, 「家庭的保育 のあり方に関する調査研究(1) 」 『日本子ども家庭総合研究所紀要』43,pp.89-109. 小山 修・庄司順一・尾木まり・斎藤多江子・須永美紀・網野武博,2008, 「家庭的保 育のあり方に関する研究(2) 」 『日本子ども家庭総合研究所紀要』44,pp.65-92. 小山 修・庄司順一・尾木まり・斎藤多江子・須永美紀・網野武博,2010, 「家庭的保 育のあり方に関する研究(4) 」 『日本子ども家庭総合研究所紀要』46,pp.85-93. 小山道雄,2011, 「保育所の現状と課題 保育者の労働実態」全国保育団体連絡会・保 育研究所編『保育白書 2011』ひとなる書房,pp.70-71. 小山義夫,2013, 「幼い子ども・家族の今 保育施設における子どもの死亡事故」全国 保育団体連絡会・保育研究所編『保育白書 2013』ひとなる書房,p.18. 子どものからだと心・連絡会議編,2010, 『子どものからだと心白書 2011』有限会社 ブックハウス・エイチデイ, pp.120-121. 子どもの早起きをすすめる会:http://www.hayaoki.jp/gakumon/gakumon.cfm(2012 年3月アクセス) Lambrecht,Matthias,2013, 「保幼小連携における移行期の理論と 実践モデル-統一後ドイツの動向を中心に‐」『東京家政大学紀要』53(1),pp.13 ‐21. Lam P・Hiscock H・Wake M,2003,“Outcomes of Infant Sleep Problems: A Longitudinal Study of Sleep, Behavior, and Maternal Well-Being”,Pediatrics, 111(3),pp.203-207. Liu, Xianchen ・ Liu, Lianqi ・ Wa , “Outcomes of Infant Sleep Problems: A 418 Longitudinal Study of Sleep, Behav ng,2003, “Bed Sharing, Sleep Habits, and Sleep Problems Among Chinese School-Aged Children ”, SLEEP , 26(7) , pp.839-844. Levine, James A,2004, “Non-Exercise Activity Thermogenesis (NEAT)” ,Nutrition Reviews,62(7),pp.82-97. 前橋明・石井浩子・中永征太郎,1997, 「幼稚園児ならびに保育所保育児の園内生活時 における疲労スコアの変動」 『小児保健研究』56(4),pp.569-574. 前橋 明,2000, 「子どもの生活リズムの乱れと運動不足の実態」 『保健室』87,pp.11-21. 前橋 明,2003, 『児童福祉論』チャイルド本社,pp.270-275. 前橋 明,2004, 「こどものからだの異変とその対策」 『体育学研究』49(3),pp1-13. 前橋 明,2006, 『保育園児の健康福祉に関する研究』 「保育と保健」12(1),pp.31-35. 前橋 明,2006, 「幼児の健康福祉促進のための基礎的研究(Ⅰ)-幼児の身体および 生活習慣の問題とその対策-」『子どもの健康福祉研究』4,pp.3-24. 前橋 明,2008, 「近年の保育園児の身体活動量と睡眠との関係」 『保育と保健』14(2) , pp.24-28. 前橋 明,2008, 「近年の子どもたちが抱える3つの問題」 『こころのオアシス』6(62), pp.18-20. 前橋 明,2008, 『健康福祉学概論―健やかでいきいきとした暮らしづくり―』朝倉書 店,pp.1-2. 前橋 明,2008, 『 「健康福祉」人間科学』 ,木村一郎編集,朝倉書店,p.184. 前橋 明・泉 秀生,2009, 「保育園幼児の生活習慣 2007 の考察」 『幼少児健康教育研 究』15(1),pp.21-31. 前橋明・泉 秀生・松尾瑞穂・石井浩子・浅川和美・佐野祥平・尾木文次郎・有木信 子,2010, 「子どもの生活実態(2010) 」 『食育学研究』6(2) ,pp.71-112. 前橋 明, 2010, 「保育園児の生活習慣調査(2009 年報告)」 『食育学研』 5 (1) , pp.69-91. 前橋 明,2011, 「子どもの健康福祉戦略 2011」 『食育学研究』6(2) ,pp.3-7. 前橋 明,2012, 『子どもの健康福祉学 子どもの生活リズム向上作戦』明研究図書, pp.8-14. 前原 寛,2009, 「基本的生活習慣」森上史朗・柏女霊峰編『保育用語辞典』ミネルヴ ァ書房,p.74. 419 前田正子,2006, 『子育てしやすい社会』ミネルヴァ書房,pp.44-145. 松浦真理,2009, 「オランダの就学前教育・保育の実態―親の教育権を政府が保障する (世界の保育と子どもの最善の利益)-(世界の保育現場でいま起きていること)」 『子どもの文化』41(8) ,pp.55-59. 松尾瑞穂・前橋明,2007a, 「沖縄における離島幼児の健康福祉に関する研究(Ⅰ)-石 垣島児の生活習慣とその課題-」 『食育学研究』2(1) ,pp.32-51. 松尾瑞穂・前橋明,2007b, 「沖縄における離島幼児の健康福祉に関する研究(Ⅱ)-夕 食を早める知恵集め調査(その1)-」 『食育学研究』2(1) ,pp.43-51. 松尾瑞穂・泉 秀生・前橋明,2012, 「保育園幼児の生活実態(2010 年調査報告とそ の課題」 『保育と保健』18(2) ,pp.61-67. 松田茂樹,2011, 「家庭的保育推進は待機児童対策とは別に」 『ライフデザインレポー ト』199,pp.51-53. 松村京子,1993, 「児童の生活リズムに関する研究(第3報)-母と子の生活リズム-」 『日本家庭科教育学会誌』36(1) ,pp.81-85. 三池 輝,2013, 「子どもの睡眠-就学前に夜間基本睡眠を身につける」 『食べ物文化』 10(464) ,pp.8-20. 宮田 緑,2013, 『領域人間関係』 ,萌文書林,pp.37-39. 水谷百合子,2013「保育所入所児童の年齢別割合」全国保育団体連絡会・保育研究所 編『保育白書 2013』ひとなる書房,p.63. 村田 久,2012, 「待機児童解消と保育政策―総合子ども園のゆくえ―」 , 『ESTRELA』 219,pp.40-45. 村山祐一,2011, 「保育所保育の公的責任」全国保育団体連合会・保育研究所編『保育 白書 2011』ひとなる書房,pp.54-55. 村山祐一,2011, 「子どもの権利保障と保育所最低基準・幼稚園設置基準」全国保育団 体連合会・保育研究所編『保育白書 2011』ひとなる書房,pp.31-35. 村山祐一,2013,「保育制度・政策の原理と動向」全国保育団体連合会編『保育白書 2013』ひとなる書房,pp.30-35. 本保恭子・中居麻有・前橋 明,2004,「子どもの健康な発達と子育て環境」『子ども の健康福祉研究 2』pp.3-26. 森 菜緒・前橋 明,2011, 「幼児期から中学校期までの朝食摂取状況とその環境―2010 420 年度生活調査結果から―」 『子どもの健康福祉研究』16,pp.90-97. 森 司朗・杉原 隆・吉田伊津美・筒井清次郎・鈴木康弘・中本浩揮・近藤充夫,2010, 「2008 年の全国調査からみた幼児の運動能力」 『体育の科学』 ,60(1) ,pp.56-66. 文部科学省・厚生労働省編,2009, 『平成 20 告示幼稚園教育要領・保育所保育指針解 説<原本>』チャイルド本社,pp.38- 45. 文部科学省・厚生労働省幼保連絡推進室,2013, 「認定子ども園パンフレット」 www.youho.go.jp/data/09nkpamphlet.pdf 文部科学省,2006, 『 「早寝早起き朝ごはん」国民運動の推進について』 http://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/asagohan/index.htm Mindell, Jodi A・Sadeh, Avi・Wiegand, Benjamin・How, Ti Hwei・Goh, Daniel Y. T, 2009“Cross-cultural differences in infant and toddler slee“,Sleep Medicine, 11(3) ,pp.274-280. 内閣府,2010, 「子ども・子育て新システムの基本制度案要綱平成 22 年 6 月」 www8.cao.go.jp/shoushi/10motto/08kosodate/.../youkou.pdf (2013 年 3 月アクセ ス) 中井紀代子,2008, 「少子化問題と家族政策」 『共栄学園短期大学紀要』24,pp.53-71. 中島義明,2008a, 「 「人間科学」とは何か」中島義明・木村一郎編集, 『 「健康福祉」人 間科学』朝倉書店,pp.11-13. 中谷君恵,1986, 『子育ての歴史 若い母たちにおくる』三一書房,p.168-179. 中西さやか,2011, 「ドイツの保育システムに関する研究-システムの位置付けについ て‐」 『広島大学大学院教育研究科紀要』第三部(60) ,pp.267-273. 中村強志,2011, 「少子化対策・次世代育成支援対策の動向と保育制度改革」全国保育 団体連合会・保育研究所編『保育白書 2011』ひとなる書房,p.48. 中村強士,2013, 「保育所における死亡事故の教訓」全国保育団体連合会・保育研究所 編『保育白書 2013』pp.169-172. 中村和彦・武長理栄・川路昌寛・川添公仁・篠原俊明・山本敏之・山縣然太郎・宮丸 凱史,2011, 「観察的評価法による幼児の基本的動作様式の発達」『発育発達研究』 51,pp.1-18. 長崎 啓祐 , 菊池 透 , 内山 聖 , Nagasaki Keisuke , Kikuchi Toru , Uchiyama Makoto ,2009,「小児科学の観点から(食と健康をめぐる諸問題,第 635 回新潟医 421 学会) 」『新潟医学会雑誌』123(6),pp.285-289. 中本時仁,2009, 「親業訓練について(特集保護者)」 『更生保護』,60(3),pp.18-21. 七木田 敦・上村眞生・岡花祈一郎・若林紀乃・松井剛太,2007,「世代間交流が幼 児・高齢者に及ぼす影響に関する実証的研究」『幼年教育研究年報』29,pp.65-71. 仁木 武・帆足栄一・河合菜緒,1995, 『審判 小児の発達栄養行動―摂食から輩出ま で―/生理・心理・臨床―』医歯薬出版株式会社,pp.211-214. 新小田春美・末次美子・加藤則子・浅見美恵理子・内村直尚・樗木晶子・西岡和男・ 大久保一郎・松本一弥・南部由美子・加来恒壽,2012「幼児の遅寝をもたらす親子 の睡眠生活習慣の分析」 『福岡医学雑誌』103(19) ,pp.12-23. 西内久美子,2000,チャイルドマインダーの使命と役割-家庭的保育の原型であるチ ャイルドマインディングの展望, 現代のエスプリ(401) ,pp.189-203. 日本弁護士連合会,2013, 「子どもの保育を受ける権利を実質的に保障する観点から子 ども・子育て関連三法(子ども・子育てシステム)が施行されることを求める意見 書」全国保育団体連合会・保育研究所編『保育白書 2013』ひとなる書房,pp.211-203. 日本子ども家庭総合研究所,2011,「世帯構造別推計世帯数及び構成割合の推移」『子 ども資料年鑑』KTC中央出版,p.72. 日本子ども家庭総合研究所,2013, 『日本子ども資料年鑑 2013』KTC中央出版会, p.62. 日本小児保健協会,2011, 「平成 22 年度幼児健康度調査 速報版」 『小児保健研究』70(3), pp.448-457. 日本小児科学会,2003,http://www.fine-club.com/child/baby/media.html 2012 年 3 月アクセス 日本ベビーシッター協会,2000,『全国在宅保育サービス実施状況等実態調査 平成 11 年度報告書』 . 家庭的保育全国連絡協議会,2011, 『家庭的保育のいま・これから 家庭的保育実施自 治体情報 2010』NPO 法人家庭的保育全国連絡協議会,pp.4-79. 緒方正名監修大森豊緑・前橋 明編著: 『最新健康科学概論』朝倉書店,p.8,2005. 大澤 裕,1998, 「オランダにおける民間保育施設の現状」 『日本保育学会大会論文集』 (51) ,pp.704-705. 太田素子,2009, 「保育の「質」めぐる研究動向と課題保育シンポジウムをふり返って」 422 『和光大学総合文化研究所年報東西南北』 ,pp.108-122. 大森豊緑,2005, 『最新健康科学概論』朝倉書店,pp.110-117. 岡本美紀・武藤慶子,2013,「母親の行動変容過程が子どもの食習慣・食生活に与える 影響」 『長崎県立大学看護栄養学部紀要 』12,pp.1-10. 小川雄二・中田典子,2011, 『食育』新日本出版社,p38. 小口将典,2012, 「保育所給食の福祉的意義とその役割 名古屋市圏の夕食の提供から」 『人間福祉学会誌』12(1) ,pp.53-60. 尾木まり,2006, 「在宅保育の効果に関する研究-利用の効果および利用後の意識の変 化-」 『平成 17 年度児童関連サービス調査研究報告書』財団法人子ども未来財団, pp.1-153. 小野壽美・伊志峯美津子・櫃田紋子,2004, 「家庭型保育における地域交流に関する調 査」 『横浜女子短期大学紀要』19,pp.55-67. Russo, Paolo M・Bruni, Oliviero・Lucidi, Fabio・Ferri, Raffaele・Violani, Cristiano, 2007, “Sleep habits and circadian preference in Italian children and adolescents” , Journal of sleep research,16(2),pp.163-169. 逆井直紀,2010, 「認定子ども園の概要」全国保育団体連絡会・保育研究所編『保育白 書 2010 年』ひとなる書房,pp.93-94. 逆井直紀 ,2011, 「認定子ども園概要」全国保育団体連合会・保育研究所編『保育白 書 2011』ひとなる書房,pp.93-95. 逆井直紀 ,2013, 「認定子ども園概要」全国保育団体連合会・保育研究所編『保育白 書 2011』ひとなる書房,pp.90-93. 逆井直紀,2013, 「保育所と規制緩和」全国保育団体連合会・保育研究所編『保育白書 2013』ひとなる書房,p.79. 逆井直紀,2013, 「深刻な保育所の待機児童問題」全国保育団体連合会・保育研究所編 『保育白書 2013』ひとなる書房,pp59-60. 斎藤 修,2010, 「家庭的保育制度について―デンマークと日本―」『盛岡短期大学紀 要』20,pp.13-22. 関根道一・山上高司・沼田直子,濱西島子,陳 暁茉,飯田恭子,斎藤友博,吉村健 清,鏡森定信,2001, 「3歳児の生活習慣と小学4年次の肥満に関する6年間の追跡 研究―富山出生コホート研究より―」 『厚生の指標』48(8) ,pp.14-21. 423 佐藤まゆみ,2009,版森上四朗・柏女霊峰編集『保育用語辞典5』ミネルヴァ書房, p.40. 佐野祥平・松尾瑞穂・前橋 明,2012, 「幼児の良好な睡眠についての検討」『保育と 保健』18(1) ,pp.27-30. 佐野裕子,2011, 「千葉県における保育園児の健康福祉に関する研究(Ⅰ)―野田市の 子どもの健康生活課題の分析―」 『幼少児健康教育研究』17(1) ,pp.17-29. 佐野裕子,2013,「家庭的保育利用児の健康福祉に関する研究 研究資料 3、家庭的保 育の保育実態調査 2011 年」『平成 23 年度科学研究費補助金基礎基盤C研究報告 書』 塩谷 香,2007, 「低年齢児保育実践における家庭との連続性について」 『和泉短期大 学紀要』28,pp.95-101. 島田三恵子・瀬川昌也・日暮 眞,1999, 「最近の乳児の睡眠時間の月齢変化と睡眠覚 醒リズムの発達」 『小児保健研究』58,pp.592-598. 島田三恵子・竜丘久枝・乾 つぶら・早瀬麻子・白井文恵・足立智美,2009, 「乳児の 睡眠の発達を促す育児法」 『保健の科学』51(1) ,pp.11-19. 渋谷由美子・石井浩子・前橋明・中永征太郎,1999, 「幼児期の健康管理に関する研究 ―(2)朝の登園前の生活習慣について―」 『運動・健康教育研究』8(1),pp.79-82. 菅原民枝・大日康史・安井良則・岡部信彦:保育所サーベランス,2011, 「保育所欠席 者・発症者情報収集システム」 『小児科』52(10) ,pp.1371-1374. 杉原 隆・森 司朗・吉田伊津美,2007, 「1960 年代~2000 年代に至る幼児の運動能 力発達の時代変化」 『体育の科学』57(1) ,pp.69-73. 鈴木正成 1990, 『食生活論』同文書院,pp.60-61. 鈴木 明,2006, 「からだと運動」 『保育内容・健康』同文書院,pp.23-26. 相馬直子,2001, 「子育ての社会化のゆくえ―「保育ママ制度」をめぐる政策・保育者 の認識に着目して―」 『社会福祉学』45(2) , pp.35-45 Sara E・Benjamin ,Alice Ammerman, Janice Sommers, Janice Dodds, Brian,2007, “Nutrition and Physical Activity Self-assessment for Child Care (NAP SACC): Results from a Pilot Intervention”39(3),pp.142-149. Silva TA・Carvalho LBC・Silva L・Medeiros M・Natale VB・Carvalho JEC・Prado LBF・Prado GF,2005,“Sleep habits and starting time to school in Brazilian 424 children”,Arquivos de neuro-psiquiatria,63(2B),pp.402-406. Simada M・Segawa M・Higurashi M・Akamatsu H,1993, “Development of the sleep and wakefulness rhythm in preterm infants discharged from a neonatal care unit”, Pediatr Res,33-2,pp. 159‐163. Suzuki M・Nakamura T・Kohyama J・Nomura Y・Segawa M,2005, “Children's ability to copy triangular figures is affected by their sleep-wakefulness rhythms” , Sleep and Biological Rhythms,3 (1), pp.86-91. 関根道和・鏡森定信,2007,「子ど子もの睡眠と生活習慣病」『医学のあゆみ』20, pp.833-836. 田垣正晋,2008, 『これからはじめる医療・福祉の質的研究入門』中央法規出版,p.135. 高橋美穂,2006, 「改めて「食育」ってなんだろう―食育指針が実現をめざす5つの子 ども像をもとに考える―」 『食べ物文化』 359,pp.9-25. 竹原卓真,2008, 『spssのススメ1』 (株)北大子書房,p.228. 田原 優・柴田重信,2011, 「日内リズムをつくる身体のしくみ」 『子どもと発育発達』 8(4) ,pp.259-263. 椨 瑞希子,1995, 「イギリスの保育と保育者養成の新動向」 『聖徳大学紀要短期大学 部』28(1) ,pp.85-93. 椨 瑞希子,2007「イギリスの家庭的保育(チャイルドマインティング)調査(1) -制度的一付けに変改と職業生活の実際―」 『聖徳大学短期大学部紀要』40,pp.9-16. 椨 瑞希子,2008「イギリスの家庭的保育(チャイルドマインティング)調査(2) -第3者評価機関 Ofsted と保育の質の保障―」『聖徳大学短期大学部紀要』41, pp.17-24. 椨 瑞希子,2009「イギリスの家庭的保育(チャイルドマインティング)調査(3) -養成と専門性発達―」 『聖徳大学児童学部・人文学部・音楽部紀要』20,pp.9-16. 椨 瑞希子,2010「イギリスの家庭的保育(チャイルドマインティング)調査(4) -保育食資格の再構築を通してみた旧労働党の保育拡充策―」 『聖徳大学児童学部・ 人文学部・音楽部紀要』21,pp.47-54. 田宮 緑,2013, 「領域人間関係」萌文書林,pp.34-42,58-65. 田村和之,2008, 「家庭的保育事業は保育所保育の「補完」ではなく「代替」である~ 家庭的保育事業の法制化案への疑問」 『賃金と社会保障』1474,pp.15-22. 425 豊島広之,2006, 「子どものスポーツ運動実施動態」 『体育の科学』 ,56,pp.344-348. チャイルド・リサーチネット(CRN)編集,2000, 「子育てのスタイルは発達にどう 影響するか―乳幼児1364人を7年間にわたり追跡調査・米国NICHD―,C RN国際ジンポジウム「21 世紀の子育てを考える」の報告,pp.1-82. 筑間綾香・前橋 明,2011, 「幼児の健康福祉に関する研究―機能性飲料の製造・販売 会社が保有する保育所の幼児の生活実態とその課題―」 『子どもの健康福祉研究』15, pp.54-74. 東京都感染症情報センター,2012 idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/sars/sars/spreader/ 東洋経済新報社編,1999, 「都市で急増する“保育難民” 」 『地域経済総覧 2000』東洋 経済新報社,pp.45-46. 鳥光美緒子,2012, 「ドイツの保育政策と陶冶の概念」 ,Child Research Homepage (http//www.blog.crn.or.jp.lab/01.35.Html) (2012 年 12 月アクセス) Thelma Hams・Debby Cryer・Richard Clifford ,2007,“Family Child Care Environment Rating Scale” ,Teachers College Press,New York. Touchette, Evelyne1 ・Côté, Sylvana M・Petit, Dominique・Liu, Xuecheng・Boivin, Michel・Falissard, Bruno・Tremblay, Richard E; Montplaisir, 2009,“Short Nighttime Sleep-Duration and Hyperactivity Trajectories in Early Childhoo” , Journal of the American Academy of Pediatrics,124(5) ,pp.985-993. 植村尚志,2008, 「健康福祉を支える福祉」 ,中島義明・木村一郎編集, 『 「健康福祉」 人間科学』朝倉書店,pp.168-177. 若林俊郎,2011, 「保育所の現状と課題」全国保育団体連合会・保育研究所編『保育白 書 2011』ひとなる書房,pp.5-6. 若林俊郎,2013, 「公立保育所の廃止・民営化、民間委託」全国保育団体連合会・保育 研究所編『保育白書 2013』ひとなる書房,pp.64-65. 渡辺嘉重,日本の歴史と雑事記録子守学校,red.ap.teacup.com/hangui/334.html, (2013 年 3 月 4 日アクセス) Westerlund, Lisa・Ray, Carola・Roos, Eva,2009,“Associations between sleeping habits and food consumption patterns among 10-11-year-old children in Finland” ,The British Journal of Nutrition,102(10),pp.1531-1537. 426 Yokomaru A・Misao K・Omoto F・Yamagishi・R・Tanaka K・Takada K・Kohyama J, 2008,“A study of the association between sleep habits and problematic behaviors in preschool children” ,Chronobiology International,25(4),pp.549-564. 山戸隆也,2012, 「保育政策における保育所の規制緩和と生活環境」『四条綴学園短期 大学紀要』47,pp.69-74. 山本真美,2009, 「保育所」森上四朗・柏女霊峰編集『保育用語辞典5版』 ,ミネルヴ ァ書房,pp.32-33. 山本真美,2009, 「ファミリー・サポート・センター」森上四朗・柏女霊峰編集『保育 用語辞典5版』 ,ミネルヴァ書房,p.45. 八木 保,2012, 「秘められた力」 『子どもと発育発達』9(4) ,pp.276-279. 全国ベビーシッター協会編,2007, 『在宅保育の考え方と実際ベニーシッター講座第二 版』 ,中央法規,pp.39-77. 全国子どもの健康実態調査委員会,2009, 「中学校生徒の生活習慣-2009 年度報告」 『食 育学研究』5(1) ,pp.101-115. 全国子どもの健康実態調査委員会,2010, 「幼児の生活実態-2009 年度報告-」 『食育 学研究』5(2) ,pp.36-76. 全国子どもの健康実態調査委員会,2011, 「幼児の生活実態-2010 年度報告-」 『食育 学研究』6,pp.73-94. 全国社会福祉協議会,2009, 「機能面に着目した保育所の環境・空間に係わる研究事業 研究結果の概要」 http://www.shakyo.jp/research /09kinokukenkyu.htm 全国社会福祉協議会・全国保育協議会,2012,『全国の保育所実態調査報告書 2011』 全国社会福祉協議会・全国保育協議会,pp.7-74. 427 【謝 辞】 「家庭的保育の子どもの生活習慣」を研究テーマにして調査活動を始めてから、約 7年の歳月を経ました。ここに、ようやく博士学位請求論文としてまとめることがで ました。これまでに、多くの方々のご指導、ご協力をいただきました。 聖徳大学、高尾公矢教授には、主査をお引き受けいただき、長期にわたり、多くの 貴重なご助言と温かいご指導をいただきました。心から感謝申し上げます。 松浦信夫教授、北川慶子教授には、副査をお引き受けいただきまして、懇切丁寧な ご指導、温かい励ましをいただきました。心からお礼申し上げます。 早稲田大学人間科学学術院の前橋 明教授には、乳幼児、保育所保育児の生活習慣に ついてご指導いただき、心からお礼申し上げます。山梨大学の浅川和美教授には、乳 幼児の健康生活について、ご指導いただきました。心からお礼申し上げます。 また、家庭的保育全国協議会理事の尾木まり先生、事務局の水島昌子様、調査にご 協力いただきました、自治体の職員の皆様、保育所の所長、職員の皆様、保育所保護 者の皆様、家庭的保育事業者、家庭的保育者、補助者の皆様、家庭的保育の保護者の 皆々様に心から感謝のお礼申し上げます。 なお、本研究の一部は、平成 23 年度科学研究費(基礎基盤(C)課題番号 23500889) の助成を得て実施することができました。 2014 年 12 月吉日 428 ―資料1― 家庭的保育児の生活習慣調査・保護者の意識調査 調査票 429 コード番号 保護者用 乳幼児の生活調査へのご協力のお願い 将来を担う子どもたちの健やかな成長を願い、子どもたちの生活や身体状況に関する調査・測定を行ってお ります。本調査は、家庭的保育を受けてい子どもたちの健康教育を推進するために、子どもたちの生活状況を 把握することを目的としています。そして、この調査結果から得られた知見を、今後の保育や育児、教育に少 しでも生かしていきたいと考えております。本調査の対象は、家庭的保育を利用しているお子様の保護者様を 対象としております。何卒ご理解をいただき、ご協力の程、よろしくお願い申し上げます。 本調査の結果は、すべて統計的に処理され、個人名ならびに個人のプライバシーに関する事柄が公表される ことは一切ありません。この点をご理解いただき、ありのままお答えいただければ幸いです。 ご回答いただいた用紙は、 月 日までに、 にご提出ください。 ※はさんであるアンケート用紙は、離さないで、はさんだまま回収いたします。 なお、この調査についてのお問い合わせは、下記へご連絡下さい。 佐野 裕子 〒- 大学 TEL: E-mail: 記 入 例 ※はさんであるアンケートにもご記入下さい ← この大きい四角の中には、文字や数字を一文字ずつ記入してください。 文字が枠にふれないように、中央に記入してください。 時刻は、24時間表示で記入してください。たとえば、午後6時は、 [ お早うございます ]は、 ← お 早 う ご ざ い 1 ま 8 す 時 となります。 となります。 この小さな四角の中には、○を書きます。 なるべく中央に記入してください。 ※お子様が複数いらしゃる場合は、年齢の低いお子様についてお答えください。 年齢にそぐわない質問はとばして下さい。 ※はさんであるアンケートにもご記入下さい これよりご記入をお願いいたします 記入日 2 年 0 月 日 □に○を入れて下さい。 家族構成 : 同居している方の左の 母親 父親 祖母 祖父 きょうだい その他 これ以降は、現在家庭的保育を利用しているお子様についてお答え下さい お子さまの現在の年齢 お子様の現在の身長 お子様の性別に○を入れて下さい。 歳 ヶ月 体重 cm ・ 男 女 430 ・ kg 1.お子さまの平日の就寝時刻は、平均すると何時ごろですか。 時 分ごろ 時 分ごろ (24時間表示で記入) 2.お子さまの平日の起床時刻は、平均すると何時ごろですか。 3.お子さまは、どのようにして起きることが多いですか。(回答欄に数字を記入) 回答欄 1 いつも起こされる 2 起こされることの方が多い 4 自分で起きることの方が多い 5 いつも自分で起きる 起こされることと、自分で起きる ことが半々である 3 4.お子さまの朝起きた時の機嫌は、いかがですか。(回答欄に記入) 回答欄 1 いつも機嫌がよい 2 機嫌がよい時の方が多い 4 機嫌が悪い時の方が多い 5 いつも機嫌が悪い 機嫌がよい時と機嫌が悪い 時が半々である 3 5.お子さまは、朝ごはんを食べる(食べさせる)前に、何か活動をしていますか。(回答欄に記入) 回答欄 1 する 2 しない ・活動を「する」と答えた人は、お子さまは、何をしていることが最も多いですか。(回答欄に記入) 回答欄 1 おもちゃで遊ぶ 2 絵本・本読み 3 テレビ・ビデオを見る 4 探索(室内を動きまわる)して遊ぶ 5 散歩 6 体操 その他 6.お子さまは、朝食を食べていますか。(回答欄に記入) 回答欄 1 食べていない 2 4 だいたい食べている (食べる日の方が多い) 5 あまり食べていない (食べない日の方が多い) 3 食べる日と食べない日 とが半々である 毎日、食べている 7.お子さまが、朝食を食べ始める時刻は、平均すると何時ごろですか。 午前 時 分ごろ 8.お子さまは、朝食を食べる時、テレビを見ていますか。(回答欄に記入) 回答欄 1 いつもテレビを見ている 2 テレビを見ている方が多い 4 テレビを見ていない方が多い 5 テレビは見ない 3 テレビを見ている時と いない時が半々である 回答欄 9.お子さまは、朝食をいっしょに食べる人がいますか。 → 1 いる 2 いない ・「いる」と答えた人は、誰といっしょに食べますか。(複数回答可) きょうだい 母親 父親 祖母 祖父 その他 10.お子さまは、ふだん、朝食を食べる場所は,どこが多いですか。(回答欄に記入) 回答欄 1 家 2 車の中 3 喫茶店(ファーストフード店を含む)4 ファミリーレストランなど その他の場所 11.お子さまの食事の様子を見て,気にかかることや、問題に思うことがありますか。(複数回答可) テレビを見ながら食べる あまり噛まないで食べる 好き嫌いが多すぎる 遊びながら食べるので 時間がかかる その他 431 くち 口の中に残っている ボーッとしていて食が進まない 落ち着きがない 12.お子さまの、排便(ウンチ)の状況を教えてください。(回答欄に記入) 回答欄 1 朝しない 2 朝しない時の方が多い 4 朝する時の方が多い 5 毎朝する 3 朝しない時と、する時が半々 13.お子さまの、排便をする時間帯を教えてください。 おおよそ 時 分ごろ 不定期である 14.朝、家を出る頃のお子さまは、どのような様子ですか。(複数回答可) からだがだるそう あくびがでている ねむそう 横になりたいようである 物事に熱心になれない 物事が気にかかる きちんとしていられない 頭が痛そう 手足がふるえている 気分が悪そう 気持ちがよさそう 元気がある 15.お子さまが通園のため、家を出る時刻は、平均すると何時ごろですか。 時 分ごろ 16.お子さまの主な通園方法は何ですか。(回答欄に記入し、所要時間をご記入下さい。) 回答欄 1 徒歩 2 ベビーカー 3 抱っこ 4 自転車での送り迎え 4 一般交通機関(バス・電車) 5自動車での 送り迎え その他 分 通園にかかる時間 分 そのうち徒歩 17.お子さまは、家に帰ってから、何をして遊ぶ(遊んであげる)ことが多いですか。多いものを3つ選んでください。 (家庭的保育室にいる時間を除く) お絵かき 絵本・本読み ボールあそび 人形あそび 公園の遊具 砂あそび ブロックあそび 室内おもちゃ テレビ・ビデオ 探索(室内を動きまわる)あそび 乗ったり、押したりして遊ぶおもちゃ 親と子のふれあいあそび 音楽を聴いたり歌ったりして遊ぶ その他 18.お子さまは、ふだん、何人くらいで遊ぶことが多いですか。 → 約 人 [ 本人も含む ] (家庭的保育室にいる時間を除く) 19.平日、お子さまが遊ぶ(遊んであげる)時間は、1日に、平均どのくらいですか。 (家庭的保育にいる時間を除く) (1)そのうち、外でのあそび(遊んであげる)はどのくらいですか。 (2)1日の中で、テレビやビデオを見る時間は、 平均どのくらいですか。 1日約 時間 分 1日約 時間 分 時間 分 1日約 20.お子さまは、家の中と外では、どちらで遊ぶ(遊んであげる)ことが多いですか。(回答欄に記入) (家庭的保育室にいる時間を除く) 回答欄 1 ほとんど家の中 2 どちらかといえば家の中 4 どちらかといえば家の中 5 ほとんど外 その他 432 3 家の中と外と同じくらい 21.お子さまはどのようなところで遊ぶ(遊んであげる)ことが多いですか。(家庭的保育室にいる時間を除く) ※複数回答可 家の中 家の庭 友達の家 公園 田んぼ・畑 道路 団地のろうか、階段 空き地 神社・寺の境内 その他の場所 22.お子さまは、習い事(スイミング、体操などの運動も含む)をしていますか。 → ・「している」人は,いくつ行なっていますか。 している していない 種類 ・また、何をしていますか。(複数回答可) 体操 スイミング 英語 知育教材 リトミック ピアノ・エレクトーン その他 23.お子さまは、夕食前1時間ぐらいの間に、おやつを食べますか。(回答欄に記入) 回答欄 1 毎日食べる 4 食べない時の方が多い 2 食べる時の方が多い 3 食べる時と食べない時が半々である 5 毎日食べない ・「毎日食べる」「食べる時の方が多い」と答えたお子さまは、どういったものを食べますか。 主なものを2つ書いてください。 1 2 24.お子さまが夕食を食べ始める時刻は、平均すると何時ごろですか。 (24時間表示で記入) 時間 25.お子さまは、夕食後、寝るまでに、おやつや夜食などを食べますか。(回答欄に記入) 回答欄 1 毎日食べる 4 食べない時の方が多い 2 食べる時の方が多い 5 毎日食べない 3 食べる時と食べない時が半々である ・「毎日食べる」「食べる時の方が多い」と答えたお子さまは、どういったものを食べますか。 主なものを2つ書いてください。 1 2 26.午後10時以降に就寝しているお子さまは、午後10時以降に何をしていることが多いですか。 (複数回答可) 絵本を読む おもちゃで遊ぶ 食事をしている テレビを見る ビデオを見る 音楽を聴く 外出している 何をするわけでもないが、起きている 母親と遊ぶ 父親と遊ぶ きょうだいで遊ぶ 祖父母と遊ぶ その他 27.お子さまは、夜、ぐっすりねむっていますか。(回答欄に記入) 回答欄 途中で起きないこと の方が多い 3 途中で起きないことと 、 起きることが半々である 1 よく眠る(途中で起きない) 2 4 途中で起きることの方が多い 5 眠りが悪い(うなされたり、夜泣き等) とじ込んであるアンケートもお答えください。 433 分ごろ 28.病気や風邪で、家庭的保育室を休むことがありますか。(回答欄に数字を記入)) 回答欄 1 よく休む 2 時々休む 3 あまり休まない 4 全く休まない 29.家庭的保育室で病気や風邪に感染することがありますか 回答欄 1 よく感染する 2 時々感染する 3 あまり感染しない 4 全く感染しない 30.家庭的保育室で、ケガをすることがありますか 回答欄 1 よくする 2 時々する 3 あまりしない 4 全くしない 31.朝、家庭的保育室にお子様を預ける時のお子様の様子はいかがですか 回答欄 1 とても楽しそう 2 やや楽しそう 3 あまり楽しそうではない 4 全く楽しそうではない 32.家庭的保育室の保育内容についてお聞きします。(回答欄に記入) 回答欄 ①保育時間について 1 とても満足 2 やや満足 3 あまり満足ではない 4 全く満足ではない 回答欄 ②あそび・活動について 1 とても満足 2 やや満足 3 あまり満足ではない 4 全く満足ではない 回答欄 ③友だち関係について 1 とても満足 2 やや満足 3 あまり満足ではない 4 全く満足ではない 回答欄 ④昼食やおやつについて 1 とても満足 2 やや満足 3 あまり満足ではない 4 全く満足ではない 回答欄 ⑤保育全体に関して 1 とても満足 2 やや満足 3 あまり満足ではない 4 全く満足ではない 33.保育者に、育児や子育て(その他)の相談をしますか 回答欄 1 よくする 2 時々する 3 あまりしない 4 全くしない 家庭的保育に関するご意見、こ感想などがありましたら、ご自由にお書きください。 ご協力いただきまして、心からお礼申し上げます。 434 ―資料2― 家庭的保育の保育実態調査 調査票 435 コード番号 家庭的保育調査へのご協力のお願い(保育者用) 将来を担う子どもたちの健やかな成長を願い、子どもたちの生活や身体状況に関する調査・測定を行ってお ります。子どもたちの健康教育を推進するにあたっては、まず子どもたちの実態を把握することが大切であり、 本調査は、家庭的保育の保育内容ならびに家庭的保育を利用している子どもの健康状態や生活状態を把握する ことのを目的としています。そして、この調査結果から得られた知見を、今後の保育や育児、教育に少しでも 生かしていきたいと考えております。 本調査の主旨を何卒ご理解をいただき、ご協力の程、よろしくお願い申し上げます。 本調査の結果は、すべて統計的に処理され、個人名ならびに個人のプライバシーに関する事柄が公表される ことは一切ありません。この点をご理解いただき、ありのままお答えいただければ幸いです。 ご回答いただいた用紙は、 月 日までに、 にご提出ください。 なお、この調査についてのお問い合わせは、下記へご連絡下さい。 佐野 裕子 〒 大学 TEL:E-mail: 記 入 例 ← この大きい四角の中には、文字や数字を一文字ずつ記入してください。 文字が枠にふれないように、中央に記入してください。 時刻は、24時間表示で記入してください。たとえば、午後6時は、 [ お早うございます ]は、 お 早 う ご ざ い 1 ま 8 す 時 となります。 となります。 ← この小さな四角の中には、○を書きます。 なるべく中央に記入してください。 これよりご記入をお願いいたします。 記入日 2 年 0 月 □に○を入れて下さい。 ご記入者について: 該当する方の左の ■ 保育者 ■ 家庭的保育歴 ■ 保育補助者 その他 年 年齢 歳代 どちらかに○を入れて下さい 男 女 家庭的保育について 1.保育の場所について 回答欄 1 保育者の居宅 2 賃貸アパート その他 436 3 公共施設等の空き部屋 3 公共施設などの空き部屋 日 2.保育者・保育補助者の人数と年齢(年代) ①保育者数 ②保育補助者数 人, そのうち, 歳代が 人, 歳代が 人, 歳代が 人 人, そのうち, 歳代が 人, 歳代が 人, 歳代が 人 3.子どもの年齢と人数 ①男児 0歳児が 人 1歳児が 人 2歳児が 人 3歳以上児が 人 ②女児 0歳児が 人 1歳児が 人 2歳児が 人 3歳以上児が 人 4.現在の保育時間について 通常 時 分~ 時 分まで 時 分から受け入れ 帰りは、 ①延長時間 決まっている 朝は 時 分まで保育 決まっていない(保護者のニーズによって柔軟に対応している) ②土曜・日曜保育 あり なし ③病後時保育について あり なし ④一時預かりについて あり なし 人 5.認可保育所との連携について 回答欄 1 よくある 2 時々ある 3 あまりない 4 全くない その他 ■「ある」「時々ある」と回答した方は、どんな連携がありますか。(あるもの全てに○印を付けてください) 一時保育 日常的な交流 行事への参加 保育者同士の交流 保健センター その他 6.保育所以外に、地域の社会資源の活用はありますか。(あるもの全てに○印を付けてください) 公園 図書館 運動あそび 児童館 地域子育て支援センター その他 7.巡回指導はありますか。 回答欄 1 よくある 2 時々ある 3 あまりない 4 全くない その他 8.保育内容について ①どんな点に力を入れて保育をしていますか。(複数回答可) 生活リズム 食育 運動あそび 外あそび 室内あそび その他 ■その他で書ききれない場合は、以下にご自由にお書き下さい。 437 保育者とのふれあいあそび ②家の中と外では、どちらで遊ぶことが多いですか。(回答欄に記入) 回答欄 1 ほとんど家の中で遊ぶ 2 どちらかといえば、家の中で遊ぶ 4 どちらかといえば、外に出て遊ぶ 3 家の中と外と同じくらい 5 ほとんど外で遊ぶ ③外で遊ぶ時は、だいたいどのくらい遊びますか。 だいたい 時間 分 ④外では、どのようなあそびをすることが多いですか。 (主なあそびを3つ選んでください) 散歩(徒歩・ベビーーカー・おんぶ等で) ボールあそび 砂あそび 公園の遊具でのあそび おもちゃに乗ったり、押したりしてのあそび 追いかけごっこやふれあいあそび等、身体を使うあそび その他 ⑤室内では、どんなあそびをすることが多いですか。 (主なあそびを3つ選んでください) 保育者とのふれあいあそび 乳児用おもちゃ ボールあそび 絵本・本読み お絵かき 人形あそび リトミック テレビ・ビデオ わらべうたあそび 音楽を聴いたり歌ったりしてのあそび リズムあそび ブロックあそび おもちゃに乗ったり、押したりしてのあそび その他 ⑥食事(偏食)について、該当するお子様の人数をお書き下さい。 1.全くない 人 2.あまりない 人 3.時々ある 人 4.よくある 人 9.風邪や病気の感染について、該当するお子様の人数をお書き下さい。 1.全くしない 人 2.あまりしない 人 3.時々する 人 4.よくする 人 ■家庭的保育に関することで、ご意見ご感想などがありましたら、以下にお書きください。 ご協力をありがとうございました。 438 ―資料3― 家庭的保育児と保育所保育児の病欠席状況調査票 439 2009年度 欠席状況(月別) 月 保育日数 利用児数 ※延べ人数は保育日数と利用児人数を掛け算した数 欠席者数 出席者数 病欠(風邪含む) その他 延べ人数 0歳児 4 1歳児 2歳児 3歳児 0歳児 5 1歳児 2歳児 3歳児 0歳児 6 1歳児 2歳児 3歳児 0歳児 7 1歳児 2歳児 3歳児 0歳児 8 1歳児 2歳児 3歳児 0歳児 9 1歳児 2歳児 3歳児 0歳児 10 1歳児 2歳児 3歳児 0歳児 11 1歳児 2歳児 3歳児 0歳児 12 1歳児 2歳児 3歳児 0歳児 1 1歳児 2歳児 3歳児 0歳児 2 1歳児 2歳児 3歳児 0歳児 3 1歳児 2歳児 3歳児 440
© Copyright 2026 Paperzz