進化したソリューションと 運用管理の自動化で 「仮想化」をさらに

Dell Solutions
Vol.10 │2014 February
www.dell.co.jp/dellsolutions
Executive Vision
日本マイクロソフト × Dell
進化したソリューションと
運用管理の自動化で
「仮想化」をさらに強力な
ITインフラストラクチャへ
The Latest Technology
オールインワンパッケージから
GPU 仮想化まで、多様なニーズに対応
進化する Dell の
VDIソリューション
Solutions Column
より高速なデータ IO が求められる時代に必須
企業での活用シーンを広げる
インテルの SSDソリューション
Solutions Column
お客様の IT 活用を強力に支援する
「デル・プロサポートプラス」
Case Study
日本パレットレンタル株式会社
物流にまつわるビッグデータの処理・分析を
SQL Server SSD Appliance for Dellで実現
2
Dell
Solutions
Vol.10 │2014 February
[発行]
デル株式会社
神奈川県川崎市幸区堀川町580 番地 ソリッドスクエア東館20F
[発行責任者・編集長]
エンタープライズ サービス &ソリューション マーケティング本部 クラウド ソリューション ブランドマネージャー 布谷恒和
[編集スタッフ]
エンタープライズ サービス &ソリューション マーケティング本部 ブランドマネージャー 川船奈穂美
マーケティング・コミュニケーション本部 マネージャー 小山智子
CONTENTS
4
Executive Vision
進化したソリューションと
運用管理の自動化で
「仮想化」をさらに強力な
ITインフラストラクチャへ
日本マイクロソフト株式会社
デベロッパー&プラットフォーム統括本部
ITアーキテクチャー推進部
エバンジェリスト
高添修氏
10
デル株式会社
東日本支社
ソリューション・サービス・デリバリー統括本部
コンサルティング第2 部 部長
高橋明
The Latest Technology
オールインワンパッケージから GPU 仮想化まで、多様なニーズに対応
進化するDellの VDIソリューション
14
Solutions Column
16
Solutions Column
より高速なデータ IO が求められる時代に必須
お客様の IT 活用を強力に支援する
「デル・プロサポートプラス」
企業での活用シーンを広げる
インテルの SSDソリューション
20
Case Study
日本パレットレンタル株式会社
物流にまつわるビッグデータの処理・分析を
SQL Server SSD Appliance for Dell で実現
February 2014. ©Dell Inc.
*本文掲載の記事、写真、図表の無断転写を禁じます。
*本誌掲載の記事において、日本では発表されていない Dell 製品の機能、サービスについて言及、説明している記述がある場合がありますが、ご了承ください。
●PowerEdge、EqualLogic、PowerVault 、SonicWALL、Wyse、Dell ロゴは、米国Dell Inc. の商標または登録商標です。
●Intel、インテル、Intel ロゴ、IntelInside、Intel Inside ロゴ、Xeon、Intel Xeon Phi、Xeon Inside は、アメリカ合衆国および / またはその他の国における Intel Corporation の商標です。
●Microsoft、Windows、Windows Server は、米国Microsoft Corporation の米国およびその他の国における商標または登録商標です。
●その他の社名及び製品名は各社の商標または登録商標です。
●本カタログに記載されている仕様は、2014 年2 月現在のものであり、予告なく変更される場合があります。最新の仕様については、弊社営業またはホームページにてご確認ください。
デル株式会社 〒212-8589 神奈川県川崎市幸区堀川町580 番地 ソリッドスクエア東館20F Tel. 044-542-4047 www.dell.co.jp
3
Executive Vision
日本マイクロソフト × Dell
進化したソリューションと運用管理の自動化で
「仮想化」をさらに強力な ITインフラストラクチャへ
仮想化やクラウド、スマートデバイスなどさまざまなテクノロジーが企業・組織において本格的に活用されている中、その効果的
な導入や運用を実現し、より強力な ITインフラを築き上げていくためにどのような方策を採っていけばよいのか。本稿では、日
本マイクロソフト株式会社の高添修氏とデル株式会社の高橋明が 2013 年の ITインフラに関するトレンドを振り返りつつ、2014
年の展望を語り合った。
デル株式会社
日本マイクロソフト株式会社
デベロッパー&プラットフォーム統括本部
ITアーキテクチャー推進部
エバンジェリスト
高添修(たかぞえ おさむ)氏
インフラ系技術担当のエバンジェリストとして、最新技術の
日本向けメッセージ開発、年間 120を超えるイベントやセミ
ナーなどでのセッション、そして Web の記事や書籍の執筆
活動などを行っている。担当分野は広く、仮想化や自動化、
VDIとSDN、DevOps、さらには Windows Azure を含
めたシームレスハイブリッドクラウドなどのテーマで活動中
4
東日本支社
ソリューション・サービス・デリバリー統括本部
コンサルティング第2 部
部長
高橋明(たかはし あきら)
Microsoft Platformソリューションを専門とするコンサ
ルティングサービスチームを責任者として担当し、IT 計画
立案、現状調査などの上流工程からシステム設計、実装、
運用引継ぎまでのサービスを提供している。直近 5 年間で
Microsoft Partner Awardを 4 回受賞し、ユニファイドコ
ミュニケーション、レガシー基幹システムの Windows およ
び SQL Server への移行、Microsoft 仮想化と運用管理の
分野で高い評価を得ている
仮想化とクラウド、マルチデバイス
最新トレンドはすべて 1 つの流れに
レースがありました。新しいクライアントの選択肢として、
高橋 2013 年を振り返ってみて、ITインフラに対するお
一方、経営の側面から見ると、ビジネスのグローバル
客様の関心や導入に対する意識は昨年 1 年間でどのよう
化推進に伴い、海外拠点における ITインフラの運用管理
に変化したと見られていますか。
をどう進めていくか、という課題も浮上しています。デー
高添氏 ここ数年のトレンドであるサーバ仮想化に対する
タセンターやネットワークといった IT 基盤の物理的状況だ
関 心 は 依 然 高く、マ イクロソフト 製 品 で 見 た 場 合 、
けでなく、ガバナンスに対する考え方、さらには文化や国
「 Windows Server 2012 R2 Hyper-V 」
(以下、
民性の異なる海外拠点において、いかに効率よく IT イン
Hyper-V)が十分に活用できるソリューションとして選択
フラを展開し、日本国内と同じような運用管理を実現でき
の俎上に載せられるようになりました。また、印象的だっ
るか、頭を悩ませているお客様は少なくありません。
たのは 2013 年の前半と後半でパブリッククラウドに対す
高添氏 仮想化やクラウド、マルチデバイス化といった新
るお客様の反応が明らかに変わってきたことです。前半は
しいテクノロジー、そして企業のグローバル化は、それぞ
情報収集の段階だったものが、後半には実際に導入する
れが個別の課題として存在しているのではなく、すべて一
ことを目的とした動きが増えてきました。
直線上にあると考えています。グローバル化が進展して
マイクロソフトのパブリッククラウドサービスである
いく中で効率的な ITインフラの展開や運用管理を実現し
「Windows Azure」についても関心を持ってもらえるよ
ていくには仮想化やパブリッククラウドが有効なソリュー
うになってきたので、私自身の活動は Hyper-V の普及活
ションとなりますし、それをうまく活用していくためには利
動から Hyper-V+ Windows Azure へとシフトしてい
用者の手元にあるデバイスも重要で、マルチデバイス化
ます。特に「2014 年に Windows Azure のデータセン
は自然な流れでしょう。
デスクトップ仮想化やスマートデバイスを活用したマルチ
デバイスへの導入を進めるお客様は増えています。
ターを日本に開設する」というアナウンスを行って以後、
お客様からの問い合わせが本格的に動き始めました。
高橋 この数年間は基幹システムや新規システム開発へ
の投資を抑え、延命措置を図るというお客様が多かった
お客様が求める機能を
開発し提供することに注力
印象があります。IT 投資はコスト削減に紐づけられてお
高橋 仮想化の中でも、ここ最近、特に脚光を集めてい
り、そうした目的を実現するテクノロジーとして、改めて
るものがデスクトップ仮想化です。実際、
「 Microsoft
仮想化やクラウドに注目が集まっていました。
VDI」を活用した案件が増えています。
そうしたテクノロジーを適用していくにあたり、今後の
高添氏 私たちから見ても、この半年で一気に加速した
システムの方向性を考慮しながら、既存 IT 資産の
“棚卸し”
観があります。
を行っているお客様も増えています。これまでシステム単
高橋 2012 年には、デスクトップ仮想化を導入するにあ
位や部門単位で導入してきたことで、つぎはぎとなってい
たり仮想化ベンダーの製品を利用するケースがほとんど
た社内システムをどのように見直していくのか、また、シ
でした。しかし、Microsoft VDIは、そうした競合製品と
ステム開発や運用保守のアプローチも大きく変化してい
機能的にも遜色がなくなり、多くのお客様に検討されて
る中で、IT のライフサイクル全体を見渡しながら、いかに
います。実際、
“マイクロソフト製品史上最大のローンチ
理想的なシステムを実現していくべきか、お客様はこれま
イヤー”
と呼ばれた 2012 年には、Windows Server
で以上に真剣に考え始めています。
2012 をはじめとして多くのソリューションがリリースされ
高添氏 また、スマートフォンやタブレットといったスマー
ましたが、現在に至って大幅に製品の機能や成熟度が向
トデバイスの台頭に伴って、次のクライアント端末を模索
上していると感じています。マイクロソフト製品だけで十
する動きも出ていますね。
分に強力な ITインフラを実現できるようになっており、実
高 橋 D e l l として も 、昨 年 、大 きく動 い た 案 件 に
際、お客様もサードパーティ製品を組み合わせることで発
Windows XP のサポート終了に伴うクライアントのリプ
生していたコスト負荷や運用管理負荷が、マイクロソフト
5
Executive Vision
図1 拡大し続ける Windows Azure
アプリケーション
サービス
データサービス
インフラサービス
cloud
services
caching
identity
service
bus
media
mobile
services
web sites
integration
hpc
analytics
SQL
database
HDInsight
table
blob
storage
virtual
virtual
machines network
vpn
traffic
manager
プライベートクラウドの
延長として
Windows Azure 活用も
cdn
製品だけで揃えれば不要になると認識し始めています。
われることのない数字を競合他社と競い合うよりも、実際
高添氏 Windows Serverだけで仮想サーバ/仮想デ
に現場が求める機能の拡張に重きを置いたからです。引
スクトップをはじめとしたさまざまなインフラが実現でき
き続き、私たちは、そうした要望を満たし、よりお客様の
るようになりましたからね。
満足度を上げられるような製品開発を行っていきます。
高橋 そうした製品の機能強化は、どのようにして行われ
てきたのでしょうか。
高橋 一方で、Windows Azureに対してもお客様から
高添氏 マイクロソフトが推し進める
「クラウド OS」
ビジョ
はどのようなニーズが挙げられているのでしょうか。
ンがきっかけです。例えば、マイクロソフトは 200 を超え
高添氏 Windows Azure 上の Active Directory や
るサービスをクラウドで提供していて、そこで培った構築
メディアサービス、Hadoop や HPC など、Windows
と運用のノウハウが、仮想化技術やデータベース、開発・
Azureはお客様のニーズに合わせて次々にサービスを追
運用管理ツール群にも活かされています。クラウドファー
加しています。その中でも、仮想化の次の投資対象とし
ストで Windows Azure を進化させようとすれば、
て IaaS へのニーズが高まっていて、仮想マシンに加えて
Windows Azure のベース技術として利用されている
Hyper-V も良くなっていくという相乗効果も生まれまし
た。Hyper-V の多様な機能拡充 1 つ 1 つが、現場での利
仮想ネットワークに対する注目が大きく、機能強化を進め
ています。例えば「社内インフラの延長上で Windows
用を考慮したものへと進化しているわけです。例えば仮
A z u r e を 使 い た い 」と いう要 望 は 多 かった の で 、
Windows Azureに VPN 接続できるようになって注目
想マシンを稼働させたままクローンが作れるようになりま
度が一気に上がりました。
した。これは今のところ他社製品には実装されていない
Windows Azure なら、お客様の運用にまつわる課題
機能で、エラーが出ていても止められないシステムのトラ
を受け止めることができます。例えばプライベートクラウ
ブルシューティングや、パッチテストの際などに一時的に
ドを自社運用している企業に「新しいサーバの立ち上げを
作成したクローンを活用できるようになります。挙げたら
申請して、実現されるまで 3 週間かかった」といった声も
きりがありませんが、ほかにも操作性や管理性の大幅な
少なくありません。対して Windows Azure であれば、
向上が図られています。
数クリックで実現できます。単純に比較できないにして
また、マイクロソフトでは製品開発や機能強化にあた
も、こうしたスピード感に加え、規模感でもメリットがあり
り、改めて「本当にお客様が求める機能を開発して提供す
ます。Windows Azure を利用すればメモリ 56GB の
る」ことを主軸に据えています。実は機能面を見ると、
仮想マシンを何台でも増設できますが、これをプライベー
Windows Server 2012 から大きく変わっていません。
トクラウドで実現しようとしたら、物理サーバの増設が必
しかし、明らかにやれることが変わっています。これは、使
要となり、仮想化のメリットの話だけでは済まなくなってし
6
図2 マイクロソフトのシームレス ハイブリッドクラウド
仮想マシンの相互利用
VHD on Hyper-V
Hyper-V
Hyper-V
データベースの同期
SQL Data Sync
アプリケーションの
接続とメッセージング
Services Bus
プライベートクラウド
リソースプール
パブリッククラウド
リソースプール
Active Directory の同期
Azure Active Directory
Windows
Linux & OSS
共通の開発ツールと
アーキテクチャ
稼働管理
構成管理
Windows
Linux & OSS
サイト間の VPN 接続
Virtual Network
運用管理
更新管理
共通のツールで統合的に管理
まうでしょう。
共通の開発ツールと
アーキテクチャ
ログ収集
仮想管理 バックアップ ウイルス対策
たい分野には、何がありますか?
高橋 これから加速させていきたいことは 3 つあります。
高橋 マイクロソフトのパブリッククラウドサービスとい
えば、
「Microsoft Office 365」を導入したお客様から
1 つが Windows Azure です。先に述べた通り、グロー
バル化を推進している多くの企業から
「ITインフラを海外
も「運用のトラブル対応に悩まされることがなくなった」
と
のデータセンターに集約したい」
というご相談を受けるこ
いう声も数多く聞かれますね。
とが増えています。その場合、データセンターの選定から
回線状況の把握、保守や管理など、契約面を含めて越え
Windows 8.1タブレットと
Microsoft Lync 2013 で
なければならない多くのハードルが存在し、当初想定した
以上の大プロジェクトとなるケースは少なくありません。
より効果的なクライアント運用を実現
しかし、Windows Azureを活用すれば、日本国内に
いながら世界中どこでも変わらない SLAを有したプラット
高添氏 2014 年に Dellさんが重点的に取り組んでいき
フォームを、クリックするだけで導入できます。つまり、
Windows Azureによりグローバル拠点
における IT インフラの導入や運用管理の
図3 仮想化の次は自動化とオーケストレーション
負荷から解放され、ひいては海外のビジネ
仮想化の処理も
IT のプロセスに
組み込み
スを加速できるようになります。そうしたこ
とから、Dell では、マイクロソフトとの戦略
的 提 携 を 基 盤 に 、世 界 中 の お 客 様 に
Windows Azure を提案していくことを
発表しています。
Active Directory
仮想化管理
インシデント管理
稼働監視
SAP 管理
ハードウェア
・・・
高添氏 2 つ目の取組み分野についてはい
かがでしょう。
高橋 モビリティの領域です。その中でも
お客様への提案において有効であると考え
ているのが、Windows 8.1 を搭載したタ
ブレットと「 Microsoft Lync 2013 」で
7
Executive Vision
す。スマートデバイスの業務活用の拡大に伴い、会社側
の使い勝手が良くなれば、データベースなどバックエンド
が社員に支給するデバイスは、PCをはじめ携帯電話やス
システムもさらに生きていくことになります。ビッグデー
マートフォン、さらにはタブレットなど多様化、複数化して
タの活用が盛んに求められていますが、外部の SNS など
います。これらをすべて社員に支給していたのでは、コス
から情報を集めずとも、既に社内には利用すべきデータ
トだけでなく管理負荷も増加しています。
がたくさんあります。これまで、そうしたデータを使い切
対して、Dell の「XPS 12」や「Venue 11 Pro」のよう
れていなかった企業でも、
「Microsoft Power Query
にタブレットの利便性とノートパソコンの生産性を実現する
Preview for Excel」などの Excel ベースの BIソリュー
「 2 in 1 PC 」を導入すれば、1 台で済むようになります。
ションをフロント側で利用することで、バックエンドのデー
また、社員に提供する電話環境についても、
「Microsoft
タベースの活用もさらに向上し、結果、業務システムの
Lync for Mobile Clients」を使えば、個人所有のス
価値をさらに上げられるようになるはずです。
マートフォンを使用していながらも、会社の電話番号で発
着信が可能になります。最近、脚光を浴びている BYOD
の推進にも対応できるようになりますね。
高 添 氏 2 0 1 4 年 に 出 てくる新 製 品とい えば S Q L
運用管理を自動化し
ITインフラの価値を向上
「データ」を中心とした取り組みもいろ
Server 2014 で、
高橋 新しいテクノロジーを取り入れたインフラを適切に
いろとやっていたりするのですが、近年話題となっている
運用していくためには、運用管理の効率化が重要になる
ビッグデータに関連する取組みなどはいかがでしょう。
と考えています。そこで Dell は「 Microsoft System
高橋 それがまさに3 つ目の注力分野であり、その中でも
Center」の提案にも注力しています。
高添氏 System Centerには、仮想化の管理、稼働監
「Microsoft Power BI」に注目しています。専門家でな
くても、だれでも簡単にデータ分析が行えるソリューショ
視、サービスデスクなどのツールがあります。
ンであり、データが生きたかたちで使えるようになれば、
まだまだ仮想化に多くの視線が集まっていますが、シス
確実にビジネスは加速します。これまでの BI はレポート
テム全体を見渡した場合、それはほんの一部に過ぎませ
ツール化することも多く、充分な活用が出来ないこともあ
ん。運用管理にまつわるコストや負荷、時間を削減し、IT部
りました。しかし、Microsoft Power BI+SQL Server
門が本来行うべき業務に専念するためには、
「ITプロセスの
に Dell の Flash Storage を組み合わせれば、大がかり
自動化」
を実施していく必要があります。そうした課題に応
な投資を行わずとも、身近にビッグデータを扱えるように
えるものが、System Center 2012 R2 Orchestrator
なります。
です。実際、あるお客様では、System Center 2012
高添氏 現場の社員が利用するフロントエンドシステム
R2 Orchestrator を導入して Active Directory の
ユーザ管理の自動化を行い、その有効性を
図4 マイクロソフトのクラウドビジョン
クラウドの場所、
プロダクトを超えた総合的かつ戦略的なビジョン
App Development
理解していただきまして、今では適用範囲
Database
を広げてくれています。これまでスクリプト
を記述したり、担当者が画面を見ながらク
リックすることによって行われていた運用管
カスタマー
Platform
ONE
一貫した
プラット
フォーム
マイクロソフト
こうした自動化に留まらず、アプリケー
ションのパフォーマンス監視機能とチーム開
発 ツ ー ル の 連 携 による D e v O p s には
サービス
プロバイダー
Microsoft
Cloud OS Vision
理業務が、着々と自動化されつつあります。
System Center 2012 R2 Operations
Manager が有効です。まだまだ認知度が
provisioning & Management
低いので、これらの現場で使える機能を、
より多くのお客様にアピールしていきたい
8
と考えています。
ます。また、システム導入の障壁は、企業文化などテクノ
高橋 これまで多くのベンダーでは独自の管理ツールをリ
ロジーとは別の側面にあることも少なくありません。そう
リースしていたことから、お客様への提案にあたっては自
した面も踏まえ、お客様をより深く理解し、ベストな提案
社製品を前面に出す傾向があったように思います。しかし、
を行うことに注力していきたいと考えています。
「マイクロソフト製品の管理はマイクロソフトの管理ツール
私たちのチームはお客様が理想のシステムを実現でき
で行う」のがベストだと Dellでは考えています。導入や運
るよう、必ずしも Dell 製品だけにこだわらない、幅広いソ
用に関するリスクも少ないうえ、マイクロソフトの技術革
リューションを提案しています。マイクロソフトとの強力な
新 の 恩 恵を享 受できるようになりますからね。実 際 、
アライアンスやワールドワイドでの導入実績で培ったノウ
System Centerを導入したお客様からの評価も高く、皆
ハウを基に、多くの付加価値をお客様に提案していきた
さんがそれを使いこなそうとされています。
いと考えています。そこでの新しい取り組みの 1 つに
「Microsoft Office 365 サービス」があり、お客様が
新しいクラウドビジョンの
実現に向けて協業を推進
ニューを用意しています。
高添氏 最後に、お客様へ今後どのような提案をされて
ソリューションを提案する Dell さんには、期待していま
いくのかお聞かせください。
す。特に System Center 2012 R2 は、Windows
高橋 部分最適化されたシステムの継ぎ足しにより、IT
Azureとオンプレミスのシステムをシームレスに連携さ
インフラを構築されてきたお客様は少なくありません。そ
せたハイブリッドクラウドの管理も容易に行えるように
うしたシステム構築を今後も続けていたのではいずれ行
なっており、マイクロソフトが提唱する新しいクラウド OS
き詰まってしまい、システムを見直そうとしても、コストや
のビジョンを実現していくために不可欠です。 そうした
負担が大きなものとなってしまいます。そうした状況に陥
クラウドに対するビジョンを共に実現できるパートナーと
る前に、将来にわたって矛盾のない一貫性のあるシステ
して、今後も共にお客様への付加価値を提供していきた
ムを実現する提案を継続して行っていきたいと考えてい
いと考えています。
Office 365 へスムーズに移行していくための多彩なメ
高添氏 自社製品にこだわらず、お客様が求める適切な
Dell「マイクロソフト パートナー オブ ザ イヤー2013」を受賞
∼Management and Virtualizationコンピテンシーアワードで表彰∼
Dell は、マイクロソフトが主催する「マイクロソフト パートナー オブ ザ イヤー 2013 」の「コンピテンシーア
ワ ード 」部 門 を 2 0 1 2 年 から 2 年 連 続 で 受 賞した 。過 去 5 年 間 で 4 度 目 の 受 賞となる 。今 回 受 賞した
「Management and Virtualizationコンピテンシーアワード」は、顧客の経費削減、可用性の向上、組織の IT
インフラストラクチャの機敏な対応を改善するようなデスクトップやサーバのシステム管理および仮想化ソリュー
ションを提供したパートナーに対して授与されたもの。
Microsoft System Center 2012 の製品発表時からいち早くメニューの展開を行い、System Center 2012 の全てのシステム管理コンポーネントで導入の実績を作り上げてきた。さらに Dell ハードウェアと
Microsoftプラットフォームのインフラにおけるシステム管理を System Center 2012 で高度に実現したことが今回評価されての受賞となる。
「これまで十分に訴求できていなかった運用管理の領域について、
チームのメンバー全員がお客様に対して System Center 2012 の提
案を行うよう目標を定めました。チームのメンバーが競って提案を行っ
たほか、簡易コンサルティングサービスなども実施。その結果、日本国
内でトップの System Center 2012 案件を獲得できました。運用管
理が効率化されればお客様の負担も大幅に削減されますし、導入され
たお客様からは多くの喜びの声を頂いています。2014 年も引き続き、
自動化による運用管理の効率化を焦点として、マイクロソフトの技術革
新をお客様にもっと享受していただけるよう、System Center
2012 を 1 つのキーとし、VDI や Azure を含めた提案を進めていきた
いと考えています」
(高橋)
9
The Latest Technology
オールインワンパッケージから GPU 仮想化まで、多様なニーズに対応
進化する Dell の VDIソリューション
マルチデバイス化や BYOD の進展、そして Windows XP のサポート終了を背景として、企業における VDI
(Virtual Desktop
Infrastructure:仮想デスクトップ)の導入はさらに進んでいくと予想されている。実際、調査会社の報告によれば、2013 年の
法人向けクライアント端末の仮想化導入率は 24%を超え、2017 年には 48.7%にまで到達するとされており、今後、導入の裾野
はますます広がりそうだ。そうした市場動向を見据え、中小企業における導入ニーズや、グラフィックスワークステーションを
VDI 化するGPU の仮想化など、VDI の活用促進を支援するために、Dellでは多彩なソリューションを展開している。
①「Active
System BRS for VDI」VDI オールインワンパッケージ
Dell は、中堅・中小規模企業が VDI 環境をシンプルかつ迅速に導入可能なオールインワン・パッケージソリューション「 Dell Active
System BRS for VDI」を提供しています。これは導入設計サービスから仮想化基盤、VDI 管理ソフトウェア、そして検証済みのハードウェ
ア、保守サービスをすべてパッケージングしたもので、導入、維持・管理のための総コストが分かりやすい形で検討可能です。そして、200
ユーザまでを対象に IT セキュリティと優れたユーザ エクスペリエンスを実現するのが「Active System BRS for VDI VRTX」です。
オールインワンパッケージ
(PoC/100/300/VRTX)
構築サービス
(インフラストラクチャ・
コンサルティング・サービス)
仮想化基盤
VDI管理
Windows Server 2012 Hyper-V
VMware vSphere 5
Windows Server 2012 RDS/VDI
VMware Horizon View
サーバ/ストレージ/
ネットワーク
(オプション)
(オプション)
仮想デスクトップ設計や移行支援、QA対応サービス等
●
クライアントを含む
トータルソリューション
Active System BRS for VDI のラインナップ
・本番導入の前に機能検証
や動作確認を行いたいお
客様向け
・小∼中規模のお客様向け
・本番環境で順次拡張した
いお客様に最適
・中規模以上のお客様向け
・本番環境で順次拡張した
いお客様に最適
VDI PoC
VDI 100
VDI 300
5シート
100シート
300シート
・小∼中規模のお客様向け
・特定部門やラックが置けな
い拠点等に最適
VDI VRTX*
Max 200シート
*Microsoft VDIのみ
(2014年2月1日現在)
280万円∼
1,300万円∼
※価格は全て税抜き/ 配送料、
VDA、RDS CAL料金は含まれません
10
2,000万円∼
980万円(80ユーザ)∼
1,500万円(200ユーザ)
革新的なコンパクトデータセンター「PowerEdge
VRTX」
タワー型の筐体にサーバ、ストレージ、ネットワークを統合した「PowerEdge
“革新的なコンパクトデータセンター”
を謳い、ビ
VRTX」は、
ジネスに必要なインフラを 1 台に搭載。ミッションクリティカルな VDI 環境においても信頼性を向上する冗長性、拡張の柔軟性、さらには導
入、運用管理の容易性を提供します。
●優れた拡張性と信頼性
PowerEdge Mシリーズを 最大4 台搭載
最大 4 台の PowerEdge M シリーズ ブレードサーバモ
ジュールが搭載可能です。モジュール追加により、テスト導入
から開始、順次 VDI ユーザを拡張できるほか、冗長構成にも
対応。信頼性の高い VDI 環境を構築可能です。
3.5”HDD 12 基、または 2.5”HDD 25 基のストレージを搭載
シャーシ内に最大 48TBまでストレージ容量の拡張が可能です。また、全 4 サーバからストレージの全領
域へアクセス、各サーバから直結のストレージのように認識させたり、仮想ディスクを 1 台または複数台
のサーバに柔軟にアサインできます。さらに仮想化環境でのライブマイグレーションもシャーシ内で行え
ます。
●運用負荷を抑制する管理性
VRTX CMC
GEO View
専 用 マ ネ ジメント モ ジュー ル「 V R T X C M C( C h a s s i s
各地に分散するシステムの状態を視覚的に一元的に把握でき
Management Controller)」を搭載。サーバ、ネットワーク、
ストレージの管理、監視を GUIを使って一元的に行えます。さら
に最大で 9 台までの VRTXを単一コンソールで管理可能です。
る、
「GEO View」を実装。地図データ上にマッピングされた
VRTX のアイコンを見るだけで状態把握ができ、アイコンを
クリックすることで、詳細の確認が可能です。
「Active System BRS for Microsoft VDI の『 PowerEdge VRTX 』パッケージは、冗長化により価格を
抑えながらも信頼性を高めているのが特徴です。具体的には、サーバモジュールを管理サーバとハイパーバ
イザーで冗長化し、1 対 1 の高可用性環境で運用可能です。VDI ユーザの増加にもサーバモジュールを差し込
むだけで対応できるので、別途サービスコスト等も不要です。必要なコンポーネントが 1 つの筐体にすべて搭
載されているほか管理機能も充実しているため、中堅・中小企業だけでなく、大企業の部門 VDI サーバ、拠点
VDI サーバとしても最適です」
エンタープライズ・ソリューション統括本部 エンタープライズ・ビジネス開発本部 馬場健太郎
「VRTX CMCにより、搭載されたストレージ、ネットワーク、サーバの集中管理が行えます。さらに、工場やブ
ランチオフィスなど、VRTXを拠点で利用する場合にも、GEO Viewを用いることで、全国に設置されている
VRTX のステイタスが一目で分かるようになっています。このように、専任のシステム管理担当者が不在であ
るブランチオフィスへの展開にあたってもセンター側から集中管理が行えるため、システム部門の管理負荷が
抑制されます」
エンタープライズソリューションズグループ エンタープライズ・テクノロジスト 日比野正慶
11
The Latest Technology
②VDI の活用シーンを広げる「GPU 仮想化」
グラフィックス仮想化は、GPUをデスクトップ仮想化の環境で利用可能とする技術で、実装方法には、下記の3タイプが存在します。その中
でも、複数の仮想マシンから GPUを共有できる Citrix
vGPUと NVIDIA GRIDを活用した「GPU 仮想化」は、アプリケーションの制約が
なく高いパフォーマンスを発揮することから、注目を集めています。実際、GPU 仮想化への実用性は高まっており、2014 年には、3D/
CADや CG 制作、医療画像など、幅広い領域での活用が進むと予想されています。
APIインターセプト
GPU仮想化
GPUパススルー
VMware vSGA
Citrix vGPU
VMware vDGA
Horizon View
OS
Horizon View
OS
XenDesktop
OS
XenDesktop
OS
Horizon View
OS
Horizon View
OS
API
Intercept
API
Intercept
NVIDIA
Driver
NVIDIA
Driver
NVIDIA
Driver
NVIDIA
Driver
Translation、Execution
Readback
ESXi
DirectX 9
OpenGL 2.1
ESXi
NVIDIA Driver
NVIDIA
ESXi Driver
XenServer
NVIDIA Quadro
NVIDIA Quadro
NVIDIA GRID
NVIDIA GRID
より画像リッチなソリューション向け
Dell のエンド・ツー・エンド GPU 仮想化ソリューション
Dellでは、企業が GPU 仮想化のメリットを享受できるよう、サーバ、ストレージ、ネットワークから、クライアントデバイスまで、トータルで
のソリューションを提供しています。これにより、従来ワークステーション上で行われていた高度なグラフィックス処理を、シンクライアント上
やスマートデバイスなどからでも行えるようになります。すなわち、社内だけでなく、客先、自宅、出張先など、どこからでも、パフォーマン
スやセキュリティを確保しながらスムーズに利用できるようになり、ワークスタイルの変革を実現します。
セキュリティゲートウェイ
ファイアウォール Dell SonicWALL
SSL-VPN Dell SonicWALL Aventail
携帯端末
WAN
ゼロクライアント
Dell Wyse シリーズ
仮想マシン
仮想デスクトップを提供
VDl サーバ
Dell PowerEdge R720
w/NVIDIA GRID
仮想ネットワーク
Dell Networking
ストレージ
Dell Compellentシリーズ
Dell EqualLogicシリーズ
Volume
12
「GPU 仮想化」サーバ・ラインナップ
Dellでは、GPU 仮想化にあたり、用途や規模、高密度性といったさまざまな用途に応えられるよう、幅広いラインナップを揃えています。
大規模
クラスタ
オールインワン型
PowerEdge VRTX(対応予定)
(GPU 1枚内蔵)
規模
高密度型
PowerEdge C8000
(GPU 8∼10枚搭載)
ラックマウント型
PowerEdge R720
(GPU 2枚内蔵)
タワー型
PowerEdge T620(対応予定)
(GPU 4枚内蔵)
シングル
システム
タワー型
搭載密度
高密度実装
「GPUソリューションラボ」で実機を交えたグラフィックスアプリケーション検証も実施
「GPUソリューションラ
Dell 東日本支社(東京都三田)内に設置された、
ボ」では、お客様が GPU 仮想化のメリット、実用性を体感してもらえるよ
う、デモンストレーションや検証が可能な設備を整えています。
「昨年 11 月の開設以来、すでに 10 社以上のお客様にご来訪いただき、実
機とお客様が実際に利用しているアプリケーションを用いた検証やデモ
を行っています。実際に参加されたお客様からの評価も高く、検証結果
を見て、GPU 仮想化の実導入に取り組みだしたお客様も増えています」
(大塚)
(左より)
デル・ソリューション・センター ソリューション・アーキテクト 大塚卓也
エンタープライズソリューション統括本部 エンタープライズ・ビジネス開発本部
ビジネスデべロップマネージャ 田上英昭
デル・ソリューション・センター シニア・ソリューション・アーキテクト ワーナー・ジョナス
「GPU 仮想化はさまざまなメリットをもたらします。例えば部品製造企業では、取引先企業によって CAD のア
プリケーションが異なるため、複数のワークステーションを机上で使っているケースも少なくありません。こう
したケースでは GPU 仮想化によるワークステーション環境のコンソリゼーションが有効となります。最近では、
研究開発部門における HPC 環境においても GPU 仮想化による可視化処理のリモートグラフィクス化のニー
ズが高まっています。また、データセンターで設計データを管理し、ユーザが VDI でアクセスするという手法
は、知的財産を保護するという観点からも有効となります」
(田上)
13
│ Intel Column
Dell
Solutions
Alliance
お客様の IT 活用を強力に支援する
「デル・プロサポートプラス」
昨今の変化するデータセンターや複雑な IT 環境におけるシステム導入や運用を支援するため、専門知識や技術、環境情報を組
み合わせてサポートするのが、
「デル・プロサポートプラス」です。このエンタープライズクラスのサポートにより、重要なシステ
ムの性能と安定性をプロアクティブに改善することが可能になり、お客様は戦略目標に重点的に取り組むことができます。
変化する IT 環境
。
です
(図1)
①専門知識を有するスペシャリスト集団によるサポート:専任のテ
大容量のデータ処理、クラウドへの移行、仮想化環境、アプリ
クニカルアカウントマネージャー、およびストレージやサーバだ
ケーションの収益化など、データセンターの統合により、企業にお
けでなく、エンタープライズ製品全域についてトレーニングを受
ける IT 環境は大きく変化しており、これまでより複雑さを増し、対
けたシニアエンジニアへ直接相談ができます。他のエキスパート
応が難しくなったさまざまな問題が見られます。例えば、メンテナン
に引き継ぐ必要がないため、迅速に問題解決可能です。
スコストの増大、ワークロード管理の重要性、ハードウェア・ソフト
②卓越したテクノロジー:SupportAssistリモートモニタリング機
ウェアの両面でサポートすべきベンダー数の増加、社員の移動性
能により、お客様環境で発生した障害、機器構成、ファームウェ
確保に対するユーザ要望の高まり、短時間の停止も許されないクリ
アをシニアエンジニアとプロサポートプラスのお客様のみに送信
ティカル性担保など、システム担当者は、日々頭を悩ませていま
します。Dell のインテリジェントエンジンは SupportAssist 情報
す。これらの問題により、新しいレベルのサポート、つまり本格的な
にお客様の品質とサポート傾向を組み合わせたデータを収集し、
エンタープライズクラスのサポートへのニーズが高まっているので
分析し、トレンドや品質の問題、処理パワーを統合すべき分野を
す。こうした課題を解決するため、デルは以下の項目を満たすエン
タープライズクラスのサポートが不可欠と考えています。
把握することにより、パフォーマンスを向上します。
③インテリジェンス:専任TAM
(テクニカルアカウントマネージャー)
①サポート連絡窓口の一元化:さまざまなテクノロジーが混在する
がお客様と協力しながらインテリジェントエンジンから分析デー
現代の IT 環境では、サポート窓口を一本化することによりトラブ
タを取得、推奨事項の導入を計画します。ファームウェアのアッ
ルシューティングにかける時間を劇的に削減できるはずです。
プデートの場合、デルのシニアエンジニアがお客様に代わってリ
② 1 つのハードウェアにとどまらない幅広くかつ深い専門知識:サ
モートで作業を行います。
ポート窓口を一元化するために、複数のテクノロジーに精通した
プロサポートプラスのご利用をお勧めするのは、重要なワーク
専門家を備えることが求められます。
ロードをサポートする、クリティカルなシステムを備えたエンタープ
③自動化:サポート自動化ツールにより問題検知が自動化されれば、
障害対応迅速化に加えて管理コストの削減につながります。
④グローバル化:現代の IT は国内にとどまりません。グローバルに
展開するサポート・インフラストラクチャが必須条件になります。
ライズのお客様です。このカテゴリに当てはまるシステムにはすべ
て、プロサポートプラスのご利用をお勧めします。プロサポートプ
ラスは個別機器ごとに契約・管理されるため、重要なワークロード
をサポートするクリティカルシステムはどれかをただちに判断する
ことができます。これは、ハイレベルのプロアクティブサポートを実
デル・プロサポートプラスとは
現する際には欠かせない作業です。また、お客様の環境にどんな
「デル・プロサポートプラス」は、次のメリットを統合したサービス
ポートプラスへの移行で大きなメリットを得る可能性があります。
機器があるかを確実に把握します。こうしたお客様の場合、プロサ
図1 クリティカルなエンタープライズシステムの価値を最大化する「デル・プロサポートプラス」
インテリジェンス
・プロアクティブな対応策の推奨
・稼働状況診断
・システムメンテナンス
お客様にとってのメリット
● プロアクティブかつカスタマイズされた提案に
より、
パフォーマンスと安定性が向上します
● 選抜されたエキスパートに任せることで安心し
て複雑なテクノロジーを導入できます
パフォーマンス
と安定性
専門知識
・専任のTAM
● Support Assistが実 現する自動 化されたサ
ポートで、
ワークロードの可用性を最大化します
テクノロジー
・Support Assist
・インテリジェントエンジン
・選抜されたシニアプロサポートエンジニア
14
プロサポートとの比較
表 1 は他のサポートサービスとの比較を示し
たものです。プロサポートプラスは、他のデル
プロサポート商品を凌ぐ数多くのメリットを提供
します。もっとも大きなメリットの一つはシニア
エンジニアに対するダイレクトアクセスです。プ
ロサポートプラスを担当するシニアエンジニア
は、プロサポートを担当するエンジニアの中で
も特に選抜された精鋭部隊です。エンタープラ
イズ製品の全ての基礎トレーニングを終了し、
か つ 、最 低 で も 1 つ もしくは 2 つ の 製 品 群
(PowerEdge、PowerVault、ストレージ、ソ
表1 サポートサービスの比較
フトウェア、もしくはネットワーク)
に精通するこ
ベーシック
プロサポート
プロサポートプラス
テクニカルサポートへのアクセス
9 時から6 時まで
24 時間365 日
とが最低条件です。その上で、特にコミュニ
オンサイトサービス
(とパーツ)
のレスポンス
翌営業日対応のみ
翌営業日対応、
当日対応
24 時間365 日
翌営業日対応、
MC 当日4 時間対応
ケーション能力等の適性を見極めた上で選抜さ
TechDirectによるオンラインでの
ケース管理とディスパッチ
SupportAssistリモート監視
3
3
3
3
3
3
3
3
う。清水と加瀬は、日々お客様対応をしている
ハイパーバイザーとOS サポート
サードパーティ製品へのコラボラティブサポート
3
3
3
3
3
3
現役のシニアエンジニアです。清水は 2008 年
SupportAssist の自動化されたサポート
3
3
選抜されたシニアプロサポートエンジニアに直接アクセス
3
専任テクニカルアカウントマネージャー
月次稼働状況チェックとパフォーマンス推奨事項
月次契約更新とサポート履歴レポート
3
3
3
システムメンテナンス
(必要と判断された場合)
3
れます。
ここで二人のシニアエンジニアを紹介しましょ
にデルに入社後、ノートパソコンのサポートを皮
切りにサーバ、ストレージ、ネットワーク、ソフト
ウェア、VMware サポート等 Dell のエンタープ
オンサイトパーツディスパッチのモニタリングと危機管理
エスカレーション管理
ライズ製品群の豊富なサポート経験を有しています。加瀬は 2011
ですが、プロサポートプラスの場合は、マンスリーレポートの項目
年にデルに入社、最初は個人向けサポートを担当していましたが、1
を増やすことができます。サービス履歴のレポートの他、ファーム
年後ストレージ製品サポートに異動。ストレージ製品にかかわらずさ
ウェアとソフトウェアの修正に関する 提案やアレイ、ボリューム、容
まざまな製品群を横断した要望が法人のお客様から寄せられること
量のストレージ残量に関する使用率提案、ストレージ領域における
を知り、お客様全般の一元窓口となるプロサポートプラス・シニアエ
アレイや商品のパフォーマンスに関する詳細情報を作成します。プ
ンジニアに立候補しました。両名とも、日々の業務に加えてさらに
ロサポートプラスで提出されるレポートは非常に詳細で内容が深い
製品知識を広げようと資格取得に取り組んでいます。
ものになります。表 2 下の例は、ファームウェアと構成レポートに関
そんな二人がプロサポートプラスになって変わった点として口を
する詳細さのレベルを示しています。これは単にサンプルであり、
揃えるのは、トラブルシューティングにかかる時間の短縮です。お
お客様との間でテストされたレポートのスナップショットです。お客
客様からも「すぐに的確な回答が返ってきた」
「転送時間が減った」
様のエクスペリエンスを高め、より良い関係を築くものになると思
という声が寄せられているとのことです。
います。
複数の製品に精通したシニアエンジニアの真価発揮というところ
ですが、実はもう一つ大きな理由があります。それはお客様の契約
状態や IT 構成を正確に把握してシニアエンジニアをサポートする
専任 TAM
(テクニカルアカウントマネージャー)の存在です。シニア
エンジニアはトラブルシューティングの際に、予め用意されたパラ
メータ
(お客様ネットワーク図、機器リスト)
を参照できるので、速や
かに問題切り分けにとりかかれます。シニアエンジニアと TAM の
チームプレイこそが、トラブルシューティング時間を短縮し、お客様
機器の利用価値を引き上げる秘訣なのです。
プ ロ サ ポ ート プ ラ ス の も う 一 つ の 大 き な メ リット は
「SupportAssist」の存在です。SupportAssistを活用することに
より、サポートオペレーションの自動化
(表2)
とIT運用上必要な情報
表2 SupportAssist のメリット
システム環境の概況レポート
インストールベース、保守契約状況、
有効期限
インシデントの概要レポート
(使用年数、製品ごと)
ディスパッチの概要レポート
(使用年数、製品ごと)
サポートケース/インシデントの
詳細レビュー
ファームウェアとソフトウェア更新の提案
使用率のレポート
SupportAssistなし SupportAssist あり
✔
✔
✔
✔
✔
✔
ストレージエンクロージャ概要サマリ
ストレージボリューム全体の容量と使用率
詳細なストレージ容量レビュー
ページプール構成
✔
✔
✔
✔
✔
✔
サンプル:ファームウェア更新レポート
(傾向障害や資産情報、推奨アクション等)
を毎月入手できます。
SupportAssist そのものは、通常のプロサポートでも提供可能
Global Support and
Deployment Division, JAPAN
Enterprise Technical Support
Sr. Analyst
サンプル:構成概要レポート
加瀬 駿介
Global Support and
Deployment Division, JAPAN
Enterprise Technical Support
Sr. Analyst
清水 亮
15
│ Intel Column
Dell
Solutions
Alliance
より高速なデータ IO が求められる時代に必須
企業での活用シーンを広げる
インテルの SSDソリューション
コンシューマ市場を中心として利用が進んできた SSD(Solid State Drive)
だが、法人向け市場においてもその活用領域が広
がっている。本格的なビッグデータ時代を迎える中で、より高速な IOを実現するソリューションとして脚光を集めているからだ。
データベースでの活用はもとより、さまざまな領域においてその利用シーンを拡大し続けている SSD は今後、どのような機能を
搭載し、さらに進化を遂げていくのか。本稿では、インテル株式会社の幸村裕子氏と Dell Solutions 編集長の布谷恒和が、企
業向け SSDにおける最前線とその活用シーンの広がり、そしてインテルの SSDソリューションの優位性と今後の展望について語
り合った。
布谷 恒和
幸村裕子氏
Dell Solutions 編集長
デル株式会社
インテル株式会社
クラウド・コンピューティング事業本部
インテリジェント・システムズ・グループ
事業開発マネージャー
エンタープライズ サービス &
ソリューション マーケティング本部
クラウド ソリューション ブランド マネージャー
企業における SSD 導入が
いよいよ本格化
を踏む事業者は少なくありませんでした。しかし最近で
布谷 近年、SSD に対して急速に市場からの注目が高
中心として導入が加速しました。
まっていますね。法人市場での SSD の導入状況には、ど
布谷 実際、B2C などのネットサービスを提供している
のような変化が見られていますか。
事業者で SSD を一本も採用していない企業は稀でしょ
幸村氏 まずは 2012 年、データセンター市場において
う。アクセスのピークが予測できない中で、SAS などの
一気に導入が加速しました。もとよりデータセンター市場
HDD をベースにシステムをサイジングしてしまうと、と
では SSD に対して高い関心を持たれていたのですが、
てつもなく巨大なインフラになってしまいます。そこで、
2011 年の検討・試用フェーズを経て、2012 年には必要
SSDを導入して、サイズをコンパクトにする一方、ある程
不可欠なソリューションとして導入が進みました。一方、
度のピークを抑えられるような仕組みを構築している事
一般企業については 2013 年が試用期間にあたり、今年
業者は増えています。
以降、本格的に導入が進んでいくものと考えています。
幸村氏 そうしないと、SLA を守れずユーザが離れて
布谷 先行してデータセンター市場で導入が進んだ理由
いってしまいますからね。
は、やはりパフォーマンスに対する要件ですよね。
布谷 また、これまではサービスサイトにおけるデータ
幸村氏 おっしゃる通りです。例えば、インターネットを介
ベース等のパフォーマンスを向上させるには、データベー
してサービスを提供している事業者にとってパフォーマン
スエンジニアが詳細なチューニングを行ってきました。し
スは命となります。そうしたことから EC サイトやオンライ
かし、ソフトウェアに対するチューニングには限界がありま
ンゲームといったサービスにおける IO 高速化を実現する
すし、そのノウハウも属人的な部分が少なくありません。
ため、SSDは必須のソリューションとなりました。
しかし、SSDを使うことで簡単にパフォーマンスを上げる
2008 年頃、SSD は市場に登場したのですが、当時は
ことができるようになります。エンジニアの間では、
「禁断
容量も少なく価格も高額であったことから、導入に二の足
のチューニング」と揶揄されることもありますが、一度
16
は、技術革新も進み GB あたりの価格も安価になったこと
から、先に述べたようなインターネットサービス事業者を
使ったら、この便利さは手放せなくなりますよね。
幸村氏 アプリケーションにもよりますが、弊社のお客様
の中にはディスクを SSD に替えただけで、3 倍以上に処
理速度が高速化されたケースもありました。そうした確か
な効果を評価する事業者は多く、着実に市場に受け入れ
図1 「インテル ® SSD DC S3700 シリーズ」の特徴
Fast and Consistent
Performance
Stress-Free Protection
SATA III 6 Gbps Interface
75K/36K IOPS 4K Random R/W
50/65µs Average Latency
<500µs Max Latency
500/460 MBps Sustained Seq.
End-to-end data protection
Power loss protection
256-bit AES Encryption
ECC protected memory
2.0 Million hours MTBF
られています。
企業向けに多彩な機能を搭載した
®
インテル SSD DC S3500/3700シリーズ
布谷 一方、一般的な企業において SSD 導入を加速さ
せる主な市場要因は何でしょうか。
幸村氏 データセンター市場と同様にパフォーマンスに
High-Endurance
Technology
Capacity
10 DWPD over five years
Meets JEDEC endurance standard
2.5-inch: 100/200/400/800 GB
1.8-inch: 200/400GB
対する要件です。実際、ビッグデータ時代を迎えた中、膨
大な量のデータを蓄積、共有するだけでなく、ネットワー
テル SSD DC S3500 シリーズ」の販売を開始しまし
クを介して複数のユーザが共同作業を行っていく中では、
た。これらの製品群の特徴は、優れたパフォーマンスに加
データ IO がボトルネックとなります。その課題を解消す
え、企業で求められているデータ保護に関する信頼性や
るために SSDが求められています。
セキュリティ機能を付加している点にあります。
布谷 データセンターと一般的な企業において、SSDに
布谷 これらの製品群の具体的な機能とその優位性につ
対して求める機能要件に違いはありますか。
いて、教えてください。
幸村氏 企業の場合、パフォーマンスに加え、データ保
幸村氏 「パフォーマンス」
「データ保護」
「高耐久性」
護や耐久性、さらにはセキュリティといった機能が求めら
れています。そうした要件に応えるため、インテルでは、
®
「容量」の観点から、多彩な優位性を持っています。まず
パフォーマンスについてですが、インテル
®
幸村氏 2012 年末に「インテル SSD DC S3700」シ
SSD DC
S3700 は 4KBランダム読み出しで最大 75,000IOPS、
4KB ランダム書き込みで最大 36,000IOPS、一方、イ
ンテル SSD DC S3500 も 4KBランダム読み出しで最
大 7 5 , 0 0 0 I O P S 、4 K B ランダム書き込 み で 最 大
11,500IOPSという優れた性能を発揮します。
リーズをリリース、そして 2013 年 5 月から新製品の「イン
布谷 一方、データ保護については、どのような特徴を有
企業向けにさまざまな機能を搭載した SSDソリューション
を展開しています。
布谷 インテルが提供している主な企業向け SSD 製品の
ラインナップと、その特徴についてお聞かせください。
®
®
図2 パリティチェックや CRCにより転送中のデータを保護
SATA
Frontend
Media
RAM
(NAND)
Write flow
iCRC
Data
Data
iCRC
Data
Parity
Data
Parity
Data
CRC
Data
CRC
Data
CRC
ECC
Data
CRC
ECC
Data
CRC
Data
CRC
Data
CRC
ECC
Data
CRC
ECC
Read flow
17
Solutions Column
しているのでしょうか。
しています。
幸村氏 インテル SSD DC S3500/S3700 では、
布谷 これらの充実した機能が搭載されているインテル
データロスに対処する、エンドツーエンドのデータ保護
SSD DC S3500/S3700 ですが、それぞれの利用シー
が可能な仕組みを実現しています。例えば、NAND 、
ンの使い分けの例について、お聞かせください。
SRAM、DRAMメモリーには高度なエラー訂正回路が組
幸村氏 両者の違いは、書き込みにおける耐久性です。
み 込 ま れ て おり、パリティチェックや 巡 回 冗 長 検 査
例えばメールサーバなどさほど書き込みを繰り返さない
(Cyclic Redundancy Check:CRC)、論理ブロック
ような用途ではインテル SSD DC S3500 が、キャッ
アドレス
(LBA)
タグチェックにより転送中のデータを保護
シュの用途など常にデータの読み出しや書き込みが行わ
することができます。また、誤り検出訂正においても、従
れるような場合はインテル SSD DC S3700 を推奨し
来の 100 分の 1 以下の詳細なチェックが可能となり、これ
ています。実際にインテル SSD DC S3700 では、
まで見過ごされていたようなエラーも検出することが可
MTBF(平均故障間隔)について 200 万時間を達成して
おり、ドライブ全域への書き込みを 1 日 10 回、5 年間連続
®
能になりました。
®
®
®
®
して実行できる優れた耐久性を備えています。
データロスに対処し、
企業が求める信頼性を確保
幸村氏 また、フラッシュメモリー領域が用意されてお
多方面へと広がりを見せる
SSD の活用シーン
り、コントローラーが通常の NAND アレイに異常を検出
布谷 これらの充実した企業向け機能が実装されること
した場合、自動的に予備の NAND アレイが使用される
で、SSDの企業内ITにおける活用がより進みそうですね。
ことによりデータを保護できるようになっています。
幸村氏 実際、ビッグデータ時代が本格的に到来する中
さらにシステム電源の突然の損失を検出する機能が内
では、動画像などデータはサイズ、量ともに増えていく一
蔵されており、書き込み時にキャッシュ内に格納された
方です。先に述べたように増え続けるビッグデータに対処
データをすべて保存してからシャットダウンすることで、
するためにも、高速な IO が求められるようになっていき
データ消失の危険性を最小限に抑えることが可能となっ
ます。実際、分析対象となるデータが増え、より詳細な分
ています。加えて、突然の電源断時に、内部で電力供給
析結果を求めようと計算処理のパラメーターを増やせば、
を行い、データの保護を実現するキャパシタを搭載して
さらに処理時間が長くなり、迅速な分析、ひいては経営判
おり、万が一の停電の発生時にも最後まで処理を継続す
断につながる意思決定が困難となります。そうしたことか
ることが可能です。
ら、今後企業における SSD の需要は増える一方になると
そして、データ情報漏洩から守るため、Advanced
考えています。
Encryption Standard(AES)による暗号化機能も搭載
布谷 特にデータベースでは、今後、SSD が不可欠に
なっていくと考えています。中規模程度
のデータベースであれば、SSD に丸ご
図3 電源断時にも内部で電源供給が可能
と格納することもできますし、SSD に
Positive Power
Close Switch
Supply
During PLI Event
NAND Flash
Channel 0
Open Switch
During PLI
Event
SSD ASIC
Controller
Energy Strong
Capacitors
Ground
PLI Block Diagram
18
切り替えるだけでチューニングすること
NAND
Flash
Memory
になりますから。
幸村氏 投資コストに対して、何倍もの
リターンを享受できるようになるでしょ
NAND Flash
Channel “n”
NAND
Flash
Memory
う。一方で、読み出し用のキャッシュとし
て活用することも可能ですね。
布谷 実際に Dell 社内で 16 基の SAS
HDDで Microsoft SQL Serverを稼働
させレスポンスタイムを計測するという検証を行ったのです
ラインナップを広げていきます。
が、1 基だけ SSDに追加しキャッシュとして利用したところ、
布谷 最近では、複数の x86 サーバを束ねてストレージ
レスポンスタイムは半分以下にまで高速化されました。
として利用するようなソリューションも登場しています。
幸村氏 通常、RAID コントローラに搭載されている
そのディスクに SSDを採用すれば、フラッシュアレイとし
キャッシュは 1 6 G B 程 度 で す が 、これ が 1 0 0 G B 、
て活用できるようになるわけです。さらに、サーバもスト
200GBといった大容量になることで、大幅にレスポン
スは変わってきます。もちろん、SSD をキャッシュとして
レージもインテルのアーキテクチャですべて実現可能に
ではなく、設定を変えることで通常のストレージとして使
ますね。
うことも可能ですから、より柔軟なデータ管理環境が構築
特にベンダー側として期待しているのは、PCIe ネイ
できるようになります。SSD をアクセス用途として使い、
ティブ接続の SSD ですね。インテル Xeon プロセッ
従来の SATAディスクをアーカイブの用途として併用する
サー E5 ファミリーでは、PCIe コントローラがプロセッ
など、ストレージ階層化もその一例ですね。
サー内部に搭載されたことにより、さらに少ない遅延で高
布谷 ビッグデータ以外の用途には、どのようなものがあ
速に PCIe 機器を使用できるようになりました。最新世代
りますか。
の PowerEdge では、オンボードでインテルのマザー
幸村氏 1 つには、起動ディスクでの活用があると思いま
ボードの設計もシンプルになりましたし、パフォーマンス
す。例えば VDI の運用においては、多数のユーザが同時
もさらに期待できるようになります。
にシステムにログインすることで「ブートストーム」が発生
また、近年ではサーバの高密度化がどんどん進む方向
します。対して SSDを効果的に活用することで、そうした
にあります。共有型シャーシの限られたユニットの中によ
問題を解決することが可能です。
り多くのサーバを搭載していくにあたってはマザーボード
布谷 起動時間が半分になり、それが数百、数千という
の小サイズ化が必要となり、小型で低消費電力かつ企業
ユーザに適用されると波及効果も大きくなりますね。さら
向け機能が搭載された SSDに対する需要はさらに増えて
に、1 年間といったスパンで見れば、膨大な時間の節約、ひ
いくと考えています。
いては業務効率の向上につながります。SSD によるパ
幸村氏 その一方で、従来の SATA の HDD もある程度
フォーマンス向上をクライアント PCからサーバまで適用す
は混在して使われていくと考えています。アーカイブなど
れば、生産性がさらにアップしていくことが期待されます
大量のデータを保管する用途ではより安価な SATA で、
ね。
パフォーマンスを求めるものは PCIe SSDによる、さらに
幸村氏 このほかにも HPC( High Performance
高速化されたソリューションといった使い分けが進むので
Computing)など、さまざまな領域での活用が広がって
はないでしょうか。また、将来的には PCIeという形状で
いくと考えています。
はなく、全く異なる新しいテクノロジーが登場しているか
なることで、インテルの技術革新を取り込めるようになり
®
®
もしれません。デバイスの小型化、省スペース化という傾
SSD はどのような
進化を辿っていくのか
向が進む中で、今後 SSD は今よりもずっと小型の筐体に
なっているかもしれませんね。
布谷 そうした活用シーンの拡大と共に、今後、インテル
の SSDソリューションはどのような広がりを見せていくの
でしょうか。
幸村氏 1 つには、多様なニーズに対応するためのライ
ンナップの拡充です。企業において SSDに対する需要が
増えるとともに、コストや容量、機能性などさまざまな要
望が上げられるようになるでしょう。そうしたユーザから
の要求に対して、適材適所での導入が行えるよう製品の
19
│ Intel
DellCase
Study
Alliance
カスタマー・プロファイル
物流にまつわるビッグデータの処理・分析を
SQL Server SSD Appliance
for Dellで実現
日々発生する膨大な物流データの高速かつ高度な分析処理を行っていくため、
Microsoft SQL Server 2012をベースとした、SQL SSD Appliance for
Dellを採用。1 億数千万件を超えるイベント処理が可能なシステム基盤を構築
企業名
日本パレットレンタル株式会社
業 種
パレットおよび物流機器のレン
タル、管理運用マネジメント、IT
サービスの提供
本社所在地 東京都千代田区
231 名(2013 年3 月現在)
Web サイト www.jpr.co.jp/
社員数
課題
• 物流管理ソリューションシステム
「
Llink」の開始に
あたり、取扱いの容易性、コストの抑制、そして早
急な立ち上げが可能なデータベースの選定が急
務となっていた
1 億数千万イベント以上に達する物流ビッグデー
タに対応可能な超高速分析処理基盤が求められ
ていた
• ソリューション
• 性 能 、価 格 、実 績 、サ ポ ート 体 制 を 考 慮し
Microsoft SQL Server 2012を選択
• 高速フラッシュメモリ・ストレージを採用した、
SQL Server SSD Appliance for Dell(爆速
メモリストレージサーバ )
を選択
TM
導入効果
• 約半年間という短い限られたスケジュールの中
で、処理能力、コスト等要件を満たすシステムを
構築
• 細かいチューニングなしで、最大
理能力向上を実現
12 倍以上の処
ソリューションエリア
• ビッグデータ
• ビジネスインテリジェンス
導入システム
ハードウェア
「限られたスケジュールの中でシステム構築を行ってい
SQL Server SSD Appliance for Dell ×2
- PowerEdge R820
- Fusion-io ioDrive2 Duo
くにあたって、SQL Server SSD Appliance for
ソフトウェア
Dell は、私たちの求めるさまざまな要件を満たすソ
Microsoft SQL Server 2012
リューションであると判断し、採用を決定しました」
日本パレットレンタル株式会社
情報システム部 情報システムグループ 情報システム 1 チーム
係長
黒岩暁氏
20
日本パレットレンタル株式会社(以下、日本パレットレンタル)は、パレットをはじめと
するさまざまな物流機器類のレンタル事業によりそのビジネスを成長させてきた。
近年では RFID の技術開発やクラウドサービスへの取り組みにより、物流における情
報サービス分野にもその事業領域を拡大させている。そうした取り組みをさらに推し
進めるとともに、新しい物流情報サービスの柱の 1 つとして日本パレットレンタルが
2013 年 9 月から提供開始したのが、物流管理ソリューションシステム「Llink(エルリ
ンク)」である。Llink 上で日々発生する膨大なイベントデータの収集、分析を行うた
め、日本パレットレンタルは、そのプラットフォームとして「 SQL Server SSD
Appliance for Dell」を導入。物流ビッグデータの超高速処理、および分析が可能
なシステム基盤を実現した。
物流ビッグデータの収集、分析に向け
して詳細な管理や分析が可能になる。
新たな顧客向け情報サービス「Llink」を開始
加えて、システム上に集積された個体情
1971 年創業の日本パレットレンタルは、
報を活用した分析・レポート機能も用意。物
物流に不可欠なパレットをはじめとして、さ
流機器の流れを可視化することで、日々の
まざまな物流機器類のレンタル事業により
運用改善策、長期的な課題改善策や予防
社会の物流インフラを支えるとともに、そ
策の立案を支援する。
のビジネスを成長させてきた。特に近年で
情報システム部 情報システムグループ
は物流機器のレンタル事業に加え、IT を活
情報システム1チーム 係長の黒岩暁氏は、
用した物流情報サービスの提供も積極的に
「近年、物流データは経営やマーケティング
推進。例えば、Web を利用して物流機器
に不可欠な情報資産として捉えられていま
「今回導入した SQL Server
SSD Appliance for Dellは、
まだ拡張の余地を残しているの
で、当面はデータ増にも対応し
ていけると考えています。とは
いえ、さらなるユーザの獲得等
によりデータ量の増加も予測さ
れますが、ノード追加により柔
軟に拡張できる基盤が整備でき
ています」
の情報をリアルタイムに把握できる ASP
す。Llinkは、物流機器の個体情報を RFID
サービスの「 epal(イーパル)」では、約
によって収集するとともに、詳細な分析を
400 の企業、約 2,500 の物流拠点で利用
行うことで情報資産として活用することを
されている。また、これまで枚数でしか把
可能とするサービスです。情報を収集、可
日本パレットレンタル株式会社
情報システム部
情報システムグループ
情報システム 1 チーム
係長
握できなかったレンタルパレットの個体管理
視化するだけでなく、4 月には BI 機能で分
黒岩暁氏
を目的として、2006 年より RFIDタグを活
析力を強化する予定。これが大きな特徴で
用した 物 流 機 器 の 管 理 も 開 始 。現 在 、
RFIDタグの累積実装数はすでに 200 万枚
を超え、2013 年度中には、保有するプラス
チック製レンタルパレットの 70 %に装着さ
れる計画だ。
こうした取り組みをさらに推し進めるとと
もに、新しい物流情報サービスの柱として
日本パレットレンタルが 2013 年 9 月から開
始したのが、
「 Llink(エルリンク)」である。
Llink は、同社がレンタルパレット事業で
培ってきた物流機器の運用・管理ノウハウを
結集、RFID 等で個体認識した物流機器の
Llink の画面イメージ
情報を管理する物流管理ソリューションシス
テムだ。パレットやロールボックスパレットと
いった物流機器を入出庫する際に、RFIDな
どで個体認識を行い、Llink に入出庫情報
を集積。枚数ではなく個体で識別すること
により、従来のような数量による管理と比較
21
│ Intel
DellCase
Study
Alliance
大手小売業A社
Llink の概要図
初めてSQL Serverを導入してみての評価
「マネジメントツールが非常に使いやすいと思いま
す」
と、強調する。
ルが新たなシステム基盤の検討に着手した
このような物流にまつわるビッグデータ
のは 2013 年 2 月に遡る。黒岩氏は、
「ユー
の収集や分析を行っていくに当たっては、
ザ第 1 号として、大手小売業での導入が決
高度な処理能力を備えたシステム基盤が不
定し、2013 年 9 月の運用開始がターゲット
可欠となる。そして、日本パレットレンタル
と定められました。その時点で、私たちが
が Llink の実現に向け、そのプラットフォー
システム開発に充てられる期間は半年程
ムとして選 択したのが、
「 SQL
度。そうした厳しいスケジュールの中で、確
Server
SSD Appliance for Dell」だった。
ければなりませんでした」
と振り返る。
す。SQL Server は、1 つの管理画面でほとんどのこ
とができるため、管理面が特に優れていると感じてい
ます。データベースのデフォルト設定など、Oracleと
異なる部分はありますが、慣れてしまえば、運用負荷
は総じて低いと言えるのではないでしょうか」
(黒岩氏)
実に稼働可能なシステムを選択、構築しな
データベース基盤に
さらに当初、ユーザ第 1 号となった大手
Microsoft SQL Server 2012を採用
小売業において収集、処理されるイベント
Llink の実現に向け、日本パレットレンタ
数は年間で 1 億 2,000 万件以上に達するこ
とが予測された。ここで言うイベントとは、
効率的な設計により、価格とパフォーマンスを最適化し、
さらに高度な柔軟性と拡張性も実現する高密度なSQL Server SSD Appliance
「出荷」
「入荷」
「棚卸」、さらには「物流容器
の洗浄」など、RFIDが装着された物流機器
の移動や発生する事象のデータを指す。無
PowerEdge R820
論、管理対象となる物流機器や拠点が増加
超高速を実現する
超高速フル・メモリストレージ
ioDrive2 Duo 2.4TB×2
すれば、イベント数も一挙に跳ね上がるこ
とになる。
「 RFID によって収集されるデータです
PCIe Gen3スロット直結
Dell Express FlachPCIe SSD 350GB×4
が、そのサイズ自体は小さいものの、トラ
ンザクション量が従来とは比較にならないく
・PCIe Gen3 スロット直結
・フロントアクセス/ホットプラグ
・2.5インチスタンダードサイズディスクキャリア
らい膨大なものとなるため、その分析には
多大な処理能力が必要になると考えていま
すべてのコンポーネントを2Uラックマウントフォームファクタに内蔵 ・7×PCIe拡張スロット
・マルチRAIDコントローラ
できるとともに、定められたスケジュールま
・インテル® Xeon® プロセッサー
・E5-4600×4CPU/32コア
・最大1.5TB/DIMMスロット×48
でに確実に稼働可能なシステムを早急に検
80PLUS Platinum(94%)高効率冗長化電源モジュール
22
した。そのような物流ビッグデータを処理
討、選択しなければならなかったのです」
(黒岩氏)
2 0 1 3 年 4 月 、S Q L
Server SSD
平均値で 300%以上の高速化を実現
日本パレットレンタルでは、限られたスケ
Appliance for Dell の採用が決定した
ジュールの中で、さまざまなデータベース
後、急ピッチでシステム構築が進められた。
よれば、一般的な 4 コア CPU 、および物理 HDD 搭
およびプラットフォームの検討を急ピッチで
5 月のシステム納入と 6 月のテスト運用を
載サーバと SQL Server SSD Appliance for 重ねた。
経て、スケジュール通りの 9 月には無事、
高速化、トランザクション処理についても、12 倍の高
同社が長らく使ってきた Oracle 社のア
カットオーバーに漕ぎ着けることができた。
ミットした処理能力は、十分に発揮されています。そ
プライアンス製品から、コストを意識して
トランザクション処理を 12 倍に高速化
No SQLデータベースまで、黒岩氏はあり
ユーザに“意識させない”使い勝手を実現
とあらゆる製品を比較検討したという。そし
2013 年 9 月から運用が開始された SQL
て、最終的にデータベース基盤として採用
Server SSD Appliance for Dell だが、
SQL Server
当初期待していたパフォーマンスを十二分
に発揮しているようだ。
2012」であった。
黒岩氏は Microsoft
Dell で処理を比較した場合、平均値で 300% 以上の
速化が図れているという。
「実際、ユーザと事前にコ
れ以上に Llink の利用者にバックエンドの処理を意識
オープンソースのデータベース、さらには
されたのが、
「 Microsoft
例えば、実運用と同時に進めている検証の結果に
させることなく、
“ボタンを押して処理を開始すれば、
待たされることなくきちんと結果が返される”
ことが当
たり前のこととして行われており、そうした私たちが掲
(黒岩氏)
げた要件を満たすことができています」
高可用性向上に向け
SQL Server AlwaysOn 機能を活用
SQL Server
黒岩氏は、
「現在、アプリケーション側の
「 AlwaysOnとの組み合わせによって可用性を高
2012を選択した理由について、次のように
細かなチューニングを行っている段階です
めていくための調整に苦労しました。SQL Server
説明する。
が 、そ れ で も
SQL Server SSD
2012と AlwaysOnについては、これまでの案件で
培ってきたノウハウがありましたが、今回、利用してい
「納期が短い中で、確実に顧客にサービ
Appliance for Dellによって構築された
るサードベンダーのバックアップ製品が AlwaysOnと
スを提供できることが条件の 1 つでした。そ
Llink は想定内のパフォーマンスを実現し
ました、そこで SQL Server 2012 の標準機能とバッ
うしたことから、開発に時間を要するような
ています」
と話す。
私たちが触れたことのない製品は検討から
また、導入前後の Dell のサポートについ
(デル
リストアを行えるような仕組みを構築しました」
外されました。また、商用サービスとして利
ても、
「運用開始前のトレーニングや、スキ
ルタント 田中雄一)
完全に対応していなかったという課題が挙げられてい
クアップ製品のバージョンや機能を都度、検証しつつ、
Active-Passive構成において効率的にバックアップ、
株式会社 コンサルティング第3 部 テクニカル・コンサ
用するにあたっては、信頼性やサポート面
ルトランスファーについても手厚い支援を
も重視しました。オープンソースソフトウェ
行ってもらえました。例えば、バックアップ
アを利用すれば導入コストは抑制できます
やリストアについて手順書を用意してくれ
が、万が一障害が発生した場合、自分たち
るなど、稼働を開始した後でも私たちだけ
(災害復旧)対策についても、Microsoft
でサポートを行わなければなりません。こ
で運用が行えるような手筈を完全に整えて
SQL Server 2012 の「AlwaysOn」機能
れらの要件を総合的に評価し、性能、価格、
くれました」
と、黒岩氏は話す。
を利用し、展開のための環境を整えている。
実績、さらにサポート体制なども含めて比
較検討した結果、SQL
そして、よりユーザが使いやすく経営や
ビジネスに役立てる情報を提供するための
たちの要求に対してもっとも適合するとい
BCP/DR 対策の推進とともに
BI 機能の充実にも取り組む
う評価が下されたのです」
今後、第 1 号ユーザにおいて管理対象と
取り組みが行われている。
Server 2012 が私
BI 機能についても本格的な提供に向けた
なる機器の増加が見込まれるほか、他ユー
「収集、分析した大量データを分かりやす
大規模データ分析に威力を発揮する
ザの引き合いも増えていることから、日本
くビジュアライズできるようにするため、
SQL Server SSD Appliance for Dell
パレットレンタルでは、さらなるシステム拡
SQL Server 2012 の Power Viewによ
そして SQL
張を進めていく構えだ。
る視覚効果の高いグラフ、レポーティング
Server 2012を稼働させる
ハードウェア基盤として選択されたのが、
黒岩氏は、
「今回導入した SQL
Server
機能といった BI 機能の活用を進め、より顧
Dell から提 案を受けた「 SQL Server
SSD Appliance for Dell は、まだ拡張
客満足度の高いサービスを提供していきた
SSD Appliance for Dell(爆速メモリス
の余地を残しているので、当面はデータ増
いと考えています」
(黒岩氏)
トレージサーバ )」である。
にも対応していけると考えています。とは
SQL
SQL
いえ、さらなるユーザの獲得等によりデー
Dellによって、短期間でのシステムの立ち
Dell は、PowerEdge R820 をベースに
タ量の増加も予測されますが、ノード追加
上げを実現し、顧客への高品質な物流情報
4 ソケットの最新インテル
により柔軟に拡張できる基盤が整備できま
管理ソリューションの提供を実現した日本パ
セッサーと合計最大 9.4TB のフラッシュメ
した」
と話す。
レットレンタル。さらなるユーザ獲得に向
モリを搭載可能な大容量かつ超高速な処
一方、万が一の障害や災害の発生により
け、同社の IT 基盤は Dell のパートナーシッ
理能力を実現するアプライアンス製品だ。
サービス停止を回避するための今後の DR
プのもと、進化を続けていく。
TM
Server SSD Appliance for
®
Xeon
®
プロ
Server SSD Appliance for
23
デルがお勧めする Windows 。
A whole new range of Windows 8
optimized devices. For a whole
new way of working.
Say hello to our latest tablets, Ultrabooks and all-in-one desktops, all optimized for
Windows 8. As a leader in Microsoft deployments, Dell has the experience to help
you seamlessly migrate to Windows 8 with products that boost productivity, enhance
security and ease system management for your evolving workforce. We’ll be your
dedicated partner every step of the way.
TM
®