日文 - ビューティビジネス学会

第 9 回東ア
回 アジア経
経営管
管理国際学術
術大会
第 3 回ビュー
回
ーティ
ィビジネ
ネス学
学会全 国大会
会
Proceed
ding
gs
予 稿 集
日
主
共
時
催
催
:20
014 年 9 月 12 日(金)
)~9 月 13
3 日(土)
:ハ
ハリウッド大
大学院大学
学
:ビ
ビューティビ
ビジネス学
学会、
実践経営学会
実
会・東アジ
ジア経営研究
究会、韓国
国・実践経営
営学会
第 9 回東
東アジア
ア経営管理国際学
学術大会
会
第 3 回ビ
ビューティ
ィビジネ
ネス学会
会全国大会
会
Procee dings 予稿集
日時
時:2014 年 9 月 13 日(土 )9 時~19 時 30 分
(東
東アジア経営
営管理国際学
学術大会:20 14 年 9 月 12
2 日(金)17 時 30 分~
~ウエルカムパーティ)
場所
所:ハリウッド大学院大学
学(六本木
木ヒルズ ハリウッ
ッドプラザ)
目次
z
第 3 回全国大会の開催によせて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
z
東アジア経営管理国際学術大会(ハリウッド大学院大学)の開催にあたり・・・・・7
z
大会プログラム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
z
ビューティビジネス学会
1.
A 会場・・・・・・・・・・・・・・・・・10
全国大会
株式会社リクルートライフスタイル ビューティ総研
野嶋明・齋藤陽子
「ベトナム-日本の理美容サービス研修に関する報告」・・・・・・・・・・・10
2.
淑徳大学
葉山彩蘭
「日中台における女子大学生の就業意識調査から見た日本の女性活躍推進の課
題」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14
3.
早稲田大学大学院・株式会社グレース
石川雅一/早稲田大学
長沢伸也「製薬企業リスクマネ
ジメント理論の化粧品会社への援用」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
4.
株式会社リクルートライフスタイル ビューティ総研
田中公子
「ASEAN と日本、サロン利用の対比から見た日本の美容サロンの「特殊性」と 「優位
性」」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
5.
国際ビジネス研究センター
金崎賢希
「新興国多国籍企業から何を学ぶか―ブラジル化粧品メーカー、ナチュラの事例から
―」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25
z
ビューティビジネス学会
1.
全国大会
B 会場・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29
早稲田大学商学学術院産業経営研究所 里見泰啓 / 高崎経済大学
清水さゆり「中小石けん・洗
剤メーカーの事業継続の要因について−エスケー石鹸の事例分析−」・・・・・・・・・・・29
2.
桜美林大学大学院
蓑地章子「日中韓台における美容師・美容学校生のキャリア意識調査から
みた各美容業界の特徴と課題」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・32
3.
S KING ACADEMY
4.
美容雑誌社(行睿传媒)HAIR FASHION 相談役
運営総監
Vicky Lin「台灣美髮業創新經營」・・・・・・・・・・・36
尚生国
「30 年間に亘る中国の美容業の発展」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40
5.
上海明之镜室内设计有限公司 社長
王学明
「サロン内装デザイン及びサロン経営のブランディング」・・・・・・・・・・・・・・・45
6.
广州肯威贸易商行 会長
邱晓忠
「サロン用美容器具販売への多元化的提案」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・55
7.
南京美界时尚集团公司
8.
(社)大韓美容師 會中央會付設ビューティー産業研究所
会長
呉虹磊「サロンの総合的経営のメリット」・・・・・・・・61
宋姈優
「美容業におけるサービス伝達プロセスに関する考察」・・・・・・・・・・・・・・・・64
z
実践経営学会
1.
東アジア経営研究会
東アジア経営管理国際学術大会
C 会場・・・・・・・・72
MUINE 朴俶伊
「ニーズに基づいた 商品差別化の実践 :韓国の化粧品に関する経営学的一考察 」・・・・72
2
3.
北海商科大学
菊池真一
「Business strategy aimed at Asia from the Far East Russian.」
4.
ハリウッド大学院大学
村上良三
「The subject of the "woman's labor" in Japan, and a view~woman's work –A root is
explored」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・75
5.
法政大学大学院博士課程
殿崎正芳
「Study on architecture theory in the plant factory」・・・・・・・・・・・・・・・・・77
6.
ハリウッド大学院大学
横澤利昌
「ホスピタリティ概念導入から現状と将来」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・80
7.
日本貿易振興機構
今野彰三
「国際展開における品質経営―新たな価値創造への試み―」・・・・・・・・・・・・・・・83
8.
経営コンサルタント
藪野正明
「経営理念の集合形成―日本企業と世界思想 」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・88
z
実践経営学会
1.
東アジア経営研究会
日本経済大学
東アジア経営管理国際学術大会
D 会場・・・・・・・・90
後藤俊夫
「我が国における理容・美容業者の長寿性について」・・・・・・・・・・・・・・・・・90
2.
日本経済大学
落合康裕「事業承継における自律性と後見.」・・・・・・・・・・・・・・92
3.
東京都美術館
川越仁恵「伝統工芸の現状と課題―新意匠開発を志向して」・・・・・・・・94
4.
東義大學校
金昌泰/申昭鴻
「医療情報システム導入が病院経営に及ぼす影響.」・・・・・・・・・・・・・・・・・・97
5.
東義大學校
6.
Sojunghan Nun Ophthalmology Clinic
李廷元/ 鄭文欽「漢洋方医療機関の満足度比較研究.」・・・・・・・・・・・99
申勝惠
「美容はあなたの大切な目から.」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・105
z
実践経営学会
東アジア経営研究会
1.
経営コンサルタント
2.
IST コンサルテイング
東アジア経営管理国際学術大会
E 会場・・・・・・・・109
加納良一「ファミリー企業の長期生存要因」・・・・・・・・・・・109
石井洋之
「リスクマネジメントとレジリエンス~辰馬本家酒造の被災を事例として
~」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・111
3.
静岡大学博士課程後期
森下あや子
「持続型企業における共生的な相互作用に関する考察」・・・・・・・・・・・・・・・・114
4.
嘉悦大学大学院
博士課程後期
津島晃一
「中小企業の非親族承継研究における日欧の概念の違いに関する考察」・・・・・・・・・118
5.
関西大学
上野恭裕/大阪府立大学大学院経済学研究科博士課程
院経済学研究科客員研究員
福田隆吉/大阪府立大学大学
船本多美子
「ネットワーク組織の持続的成長―機械器具卸商協同組合の事例」・・・・・・・・・・・121
6.
【特別講演】株式会社藤波タオルサービス
波克之「事業継承とイノベーション」
3
代表取締役会長
藤波璋光/代表取締役社長
藤
z
実践経営学会
1.
東アジア経営研究会
東アジア総合研究所
東アジア経営管理国際学術大会
F 会場・・・・・・・・125
堤一直
「 Verifying the Conversion of Military Related TechnologyTo Civilian Use in North
Korea」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・125
2.
Inje University
金鳳熙/姜漢均
「 The Comparative Study on the Characteristics and Effects of Economic Effects of
U.S./Japanese FDI in Korea」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・128
3.
東義大學校
張輝/元井喜
「A Comparative Study on the Accounting System between Korea and China」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・131
4.
東義大學校
李靜銀/安沶柾「物流原価節減のための最適在庫管理」・・・・・・・・・・・135
5.
東義大學校
金燦烋/李瓊球
「アメーバ經營が企業の效率的成長に及ぼす理論的硏究」・・・・・・・・・・・・・・・138
6.
【ポスター発表】東義大學校
黃小龍/ 尹末順/ 朴相鳳
「韓国・地方所得税の還給地について改善方案」
7.
【ポスター発表】東義大學校
李東喆/韓輝哲
「ブルーオーシャン戦略の成功事例分析」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・140
8.
【ポスター発表】Pohang University 金濟玕
「医療観光産業の現況と活性化方案.」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・143
9.
【ポスター発表】釜山大學校
白相旭/呉徳子
「 The Effects of Participation in Badminton Programs After School on the Physical
Strength and Blood Bone Metabolic Indexes of Obese 」・・・・・・・・・・・・・・・144
z
基調講演・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・146
1.
ハリウッド大学院大学
2.
早稲田大学
教授
教授
山中祥弘「サービス産業の現状と将来」
永井猛
「美容サロン業界の研究課題(モチベーションサーベイと顧客サーベイから見えてきたこ
と)」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・146
3.
日本写真印刷株式会社 情報コミュニケーション事業部 事業戦略部 エキスパート
岡部謙介
「美容サロンのサービスマーケティング」
4.
早稲田大学大学院
教授
長沢伸也
「ラグジュアリーブランディングとビューティビジネス」
・・・・・・・・・・・・・・・149
4
5
第 3 回全国大会の開催に寄せて
ビューティビジネス学会が設立されてから、早くも 3 年の歳月が流れて、この度、め
でたく第 3 回全国大会を開催いたす運びとなりました。
今回の大会は、実践経営学会
東アジア研究会との共同開催という形式で計画・実施
されることとなりました。このため共通論題は、『東アジアにおけるサービス経営』に
決定しました。
今回の全国大会の共通論題については、大会委員の先生方とのさまざまな検討を経て、
ビューティビジネスをサービスビジネスという、より広い視野と高い立ち位置から接近
することが、今後の学会の発展にとって意義深い取り組みになるだろうとの判断に到達
した結果にほかなりません。
折しも実践経営学会東アジア研究会でも、ほぼ同じ時期に、同じく学校法人メイ・ウ
シヤマ学園ハリウッド大学院大学のご支援のもと、第九回東アジア経営管理国際学術大
会を計画・実施することを知りました。
そこで両者で相談を重ね、またハリウッド大学院大学のご意向をも反映して、共同開
催することとなったしだいです。
これによって大会のプログラムには、サービス経営政策からラグジュアリーブランデ
ィングに及ぶ広い範囲にわたる基調講演、本学会員によるビューティビジネスプロパー
の研究報告、両学会・研究会が招聘した中国、台湾、韓国からの研究者や実務家による
プレゼンテーションやポスター発表など、実に多種多彩で多文化的な内容のプログラム
を組むことができました。
会員各位には、この大会への参加を通じて、さまざまな知見や体験、そして海外から
参加された研究者や実務家の方々との積極的な交流によって、各位の今後の研究や業務
の参考に資することができれば、と心より期待いたします。
最後に、いつものことですが、学会の発展、大会の成功のために惜しみないサポート
をくださっている学校法人メイ・ウシヤマ学園の役員ならびにスタッフの皆さんに深甚
なる感謝の意を表します。
2014 年 9 月吉日
ビューティビジネス学会
会長
6
江夏
健一
東アジア経営管理国際学術大会
(ハリウッド大学院大学)の開催にあたり
この大会は、2005 年、日本の実践経営学会の呼びかけで第 1 回の中国・上海大会
から「日中韓経営管理学術大会」として 開催されてきました。その目的は日中韓の
学術交流ならびに友好関係の維持強化を目的にし、調和と共生を目指すとともに、
21 世紀人類の歩むべき方向を示すものであります。そのために各国独自の歴史や文
化の歩みともに構築してきた経営哲学及び多様な経営モデルを構築・検証し、内外
に発信し、実戦に向けて取り組もうとするものであります。 この基本方針に基づき、
以下のような会を重ねてまいりました。
第1回
第2回
第3回
第4回
第5回
第6回
第7回
第8回
2005 年 11 月
2006 年 10 月
2007 年 10 月
2008 年 10 月
2009 年 10 月
2010 年 10 月
2011 年 10 月
2013 年 10 月
中国;上海経済管理幹部学院(上海)
韓国;東義大学校(釜山)
日本;亜細亜大学(日本)
中国;上海経済管理幹部学院(上海)
韓国;東義大学校(釜山)
日本;ハリウッド大学院大学(東京)
中国;上海経済管理幹部学院(上海)
韓国;ソウル大学(ソウル)
第 9 回となる今回はアベノミクス 第 3 の矢のひとつである「サービス産業」を
統一テーマにし、ビューティビジネス学会(江夏健一会長)と共同で実施します。
なお、 6 カ国からの参加者も予想されるため、 今後は地域を拡大し、大会名を東
アジア経営管理学術大会に改めました。
その間、国際情勢の厳しさが続く中、我々の招聘状に対して、中国から 3 月に感
謝のメッセージが届いております。
第 6 回の大会に引き続き, 今回の第 9 回も六本木ヒルズのハリウッド大学院大学
で開催できること、また今年度が 90 周年を迎える時期にビューティビジネス学会と
共同で実施できることは大変意義深いこととであり感激にたえません。
大会の目的を再認識し、真に実りあるものとするため奮励してまいりますのでご
支援のほどよろしくお願い申し上げます。
最後に山中祥弘学長はじめ江夏健一先生、各事務局長、 関係各位のご支援・ご努
力に感謝申し上げます。
2014 年 9 月吉日
実践経営学会・東アジア経営研究会
会長 横澤利昌
第 9 回 東アジア経営管理国際学術大会 後援:
実践経営学会・顧客価値からの発想研究会、盛和塾大阪・事業継承講座、一般社団
法人・事業承継学会、一般社団法人東京都中小企業診断士協会中央支部「老舗研究
会」、一般社団法人日本ファミリービジネスアドバイザー協会(FBAA)、非営利法
人ファミリービジネスネットワーク・ジャパン(FBNJ)(五十音順)
7
ビューティビジネス学会 第3回全国大会 / 実践経営学会 東アジア経営研究会 第9回東アジア経営管理国際学術大会 プログラム
日時 2014年9月13日(土)
場所 ハリウッド大学院大学(六本木ヒルズ ハリウッドプラザ)
8:45 受付開始(5Fホール)
ビューティビジネス学会 全国大会 セッション
共通論題:東アジアにおけるサービス経営
(Service Business Management in East Asian Countires)
共通
時間
9:00
スケジュール
受付開始
5F Aホール
5F Bホール
受付:5Fホール
時間
スケジュール
10F A会場
10F B会場
9:00
理事会
9:30
理事会会場:11F 教員会議室
9:30
ビューティビジネス学会 会員総会
会員総会
10:00
会員総会会場:5F Aホール
休憩
10:05
早稲田大学商学学術院産業経営研究所 里見泰啓 / 高
株式会社リクルートライフスタイル ビューティ総研 野嶋
崎経済大学 清水さゆり
明・齋藤陽子
「ベトナム-日本の理美容サービス研修に関する報告」
10:30
司会・コメンテーター:上智大学 竹之内秀行
「中小石けん・洗剤メーカーの事業継続の要因について
−エスケー石鹸の事例分析−」
司会・コメンテーター::富山大学 岸本寿生
10:45
淑徳大学 葉山彩蘭
11:00
自由論題
司会・コメンテーター:桜美林大学 齋藤泰浩
11:25
司会・コメンテーター:拓殖大学 佐藤幸志
S KING ACADEMY 運営総監 Vicky Lin
早稲田大学大学院・株式会社グレース 石川雅一/早稲 「台灣美髮業創新經營」
司会・コメンテーター:ハリウッド大学院大学 川島鋼太
田大学 長沢伸也
郎
「製薬企業リスクマネジメント理論の化粧品会社への援
美容雑誌社(行睿传媒)HAIR FASHION 相談役 尚生
用」
国
「30年間に亘る中国の美容業の発展」
司会・コメンテーター:九州産業大学 土井一生
司会・コメンテーター:ハリウッド大学院大学 川島鋼太
郎
11:30
11:45
12:00
桜美林大学大学院 蓑地章子
「日中台における女子大学生の就業意識調査から見た 「日中韓台における美容師・美容学校生のキャリア意識
日本の女性活躍推進の課題」
調査からみた各美容業界の特徴と課題」
お弁当引き渡し場所
12:05
昼食会場:5F Bホール
昼食
理事懇談会会場:11F 教員会議室
昼食
12:30
12:35
上海明之镜室内设计有限公司 社長 王学明
株式会社リクルートライフスタイル ビューティ総研 田中 「サロン内装デザイン及びサロン経営のブランディング」
公子
司会・コメンテーター:ハリウッド大学院大学 川島鋼太
郎
「ASEANと日本、サロン利用の対比から見た日本の美
容サロンの「特殊性」と「優位性」」
广州肯威贸易商行 会長 邱晓忠
司会・コメンテーター:株式会社リクルートライフスタイル 「サロン用美容器具販売への多元化的提案」
司会・コメンテーター:ハリウッド大学院大学 川島鋼太
ビューティ総研 野嶋明
郎
13:05
13:00
13:15
自由論題
国際ビジネス研究センター 金崎賢希
13:30
「新興国多国籍企業から何を学ぶか―ブラジル化粧品
メーカー、ナチュラの事例から―」
13:35
司会・コメンテーター:山梨大学 竹之内玲子
13:55
14:00 基調講演①
ハリウッド大学院大学 学長 山中祥弘
↓
司会:ハリウッド大学院大学 教授 横澤利昌
14:50
「サービス産業の現状と将来」
15:00 基調講演②
早稲田大学 教授 永井猛
↓
司会:ハリウッド大学院大学 教授 横澤利昌
16:00
16:00 基調講演③
↓
「美容サロン業界の研究課題(モチベーションサーベイと顧客サー
ベイから見えてきたこと)」
日本写真印刷株式会社 情報コミュニケーション事業部 事業戦略
部 エキスパート 岡部謙介
司会:ハリウッド大学院大学 教授 江夏健一
17:00
「美容サロンのサービスマーケティング」
17:00 基調講演④
早稲田大学 教授 長沢伸也
↓
司会:ハリウッド大学院大学 教授 江夏健一
18:00
「ラグジュアリーブランディングとビューティビジネス」
18:00 閉会の挨拶
↓
18:15
18:20 懇親会
↓
19:30
ハリウッド大学院大学 学長 山中祥弘
懇親会
8
休憩
南京美界时尚集团公司 会長 呉虹磊
「サロンの総合的経営のメリット」
司会・コメンテーター:ハリウッド大学院大学 川島鋼太
郎
(社)大韓美容師 會中央會付設ビューティー産業研究所
宋姈優
「美容業におけるサービス伝達プロセスに関する考察」
司会・コメンテーター:ハリウッド大学院大学 川島鋼太
郎
ム
実践経営学会 東アジア経営研究会 東アジア経営管理国際学術大会 セッション
時間
第1分科会 テーマ:経営戦略・国際ビジネス
座長:鈴木忍(亜細亜大学)/Inje University 姜
漢均
第2分科会 テーマ:事業承継・医療経営
座長:中瀬 昭(東アジア経営研究会)
7F C会場
7F D会場
スケジュール
第4分科会 テーマ:経済・会計
第3分科会 テーマ:ファミリービジネス
座長:水野隆張 (日本経営管理教育協会)/後 座長:金昌泰(東義大学校)/夏目重美(亜細亜
大学)
藤俊夫(日本経済大学)
7F E会場
7F F会場
9:00
9:30
MUINE 朴俶伊
日本経済大学 後藤俊夫
経営コンサルタント 加納良一
「ニーズに基づいた 商品差別化の実践 :韓国の 「我が国における理容・美容業者の長寿性につ
いて 」
化粧品に関する経営学的一考察 」
コメンテーター:調整中
10:00
10:05
北海商科大学 菊池真一
「Business strategy aimed at Asia from the Far
East Russian.」
コメンテーター:東義大學校 朴相鳳
10:35
自由論題
11:05
コメンテーター:経営コンサルタント 藪野正明
「ファミリー企業の長期生存要因」
コメンテーター:日経リサーチ 曽根原敬悦
ISTコンサルテイング 石井洋之
日本経済大学 落合康裕
東アジア総合研究所 堤一直
「Verifying the Conversion of Military Related
TechnologyTo Civilian Use in North Korea」
コメンテーター:東アジア総合研究所 姜 英之
Inje University 金鳳熙/姜漢均
「The Comparative Study on the Characteristics
「リスクマネジメントとレジリエンス~辰馬本家酒
and Effects of Economic Effects of
造の被災を事例として~」
U.S./Japanese FDI in Korea」
「事業承継における自律性と後見.」
コメンテーター: 東義大學校 李東喆
コメンテーター:日経リサーチ 曽根原敬悦
コメンテーター:兵庫県立大学 市川一夫
東義大學校 張輝/元井喜
ハリウッド大学院大学 村上良三
東京都美術館 川越仁恵
「The subject of the "woman's labor" in Japan,
and a view~woman's work –A root is explored」
「伝統工芸の現状と課題―新意匠開発を志向し 「持続型企業における共生的な相互作用に関す 「A Comparative Study on the Accounting
System between Korea and China」
て」
る考察」
コメンテーター:亜細亜大学 鈴木忍
コメンテーター:明治大学大学院 柳義久
コメンテーター:日本経済大学 落合康裕
法政大学大学院博士課程 殿崎正芳
東義大學校 金昌泰/申昭鴻
嘉悦大学大学院 博士課程後期 津島晃一
「Study on architecture theory in the plant
factory」
「医療情報システム導入が病院経営に及ぼす影 「中小企業の非親族承継研究における日欧の概
「物流原価節減のための最適在庫管理」
響.」
念の違いに関する考察」
コメンテーター:亜細亜大学 鈴木忍
コメンテーター:東義大學校 李延元
静岡大学博士課程後期 森下あや子
コメンテーター:日本経済大学 落合康裕
11:35
ハリウッド大学院大学 横澤利昌
東義大學校 李廷元/ 鄭文欽
「ホスピタリティ概念導入から現状と将来」
「漢洋方医療機関の満足度比較研究.」
コメンテーター:小倉光雄
コメンテーター:東義大學校 金昌泰
関西大学 上野恭裕/大阪府立大学大学院経済
学研究科博士課程 福田隆吉/大阪府立大学大
学院経済学研究科客員研究員 船本多美子
「ネットワーク組織の持続的成長―機械器具卸
商協同組合の事例」
コメンテーター:明治大学大学院 柳義久
コメンテーター:亜細亜大学 夏目重美
東義大學校 李靜銀/安沶柾
コメンテーター:東義大学校 李瓊球
東義大學校 金燦烋/李瓊球
「アメーバ經營が企業の效率的成長に及ぼす理
論的硏究」
コメンテーター:兵庫県立大学 市川一夫
12:05
昼食
12:45
昼食会場:5F Bホール
日本貿易振興機構 今野彰三
「国際展開における品質経営―新たな価値創造
「美容はあなたの大切な目から.」
への試み―」
コメンテーター: Inje University 金鳳熙
13:15
【ポスター発表】東義大學校 黃小龍/ 尹末順/
朴相鳳
「韓国・地方所得税の還給地について改善方
案」
Sojunghan Nun Ophthalmology Clinic 申勝惠
コメンテーター:調整中
【特別講演】株式会社藤波タオルサービス
代表取締役会長 藤波璋光/
代表取締役社長 藤波克之
【ポスター発表】東義大學校 李東喆/韓輝哲
「ブルーオーシャン戦略の成功事例分析」
「事業継承とイノベーション」
【ポスター発表】Pohang University 金濟玕
「医療観光産業の現況と活性化方案.」
自由論題
経営コンサルタント 藪野正明
モデレーター:日本経済大学 後藤俊夫
「経営理念の集合形成―日本企業と世界思想 」
コメンテーター:東義大學校 李静銀
【ポスター発表】釜山大學校 白相旭/呉徳子
「The Effects of Participation in Badminton
Programs After School on the Physical
Strength and Blood Bone Metabolic Indexes of
Obese 」
13:45
休憩
第9回 東アジア経営管理国際学術大会 後援:
実践経営学会・顧客価値からの発想研究会、盛和塾大阪・事業継承講座、一般社団法人・事業承継学会、一般社団法人東京都中小企業診断士協会中央支部「老舗研究会」、一般社団法人日本
ファミリービジネスアドバイザー協会(FBAA)、非営利法人ファミリービジネスネットワーク・ジャパン(FBNJ)(五十音順)
※プログラムおよび報告者には変更が入る可能性がございますのでご了承ください。
9
日越美容関係者との研修プロジェクト(※)を通して見えた
「ベトナムの美容の現状と日本の海外競争力」
( ※ ) 平 成 25 年 度
新興国での新中間層獲得による日本再生事業(現地産業人材育成)
「ベトナムの理美容サービスに関する研修」
(株)リクルートライフスタイル
ビューティ総研
野嶋朗/齋藤陽子
<論旨>
目次:
1.
プロジェクトの背景・概要
2.
ベトナムの美容の現状
3.
日本の海外競争力
1.
~第三次産業を海外競争力のある産業へ~
~課題と、マーケットの可能性~
~ベトナムから見えた日本の美容の競争力とは~
プロジェクトの背景・概要
~第三次産業を海外競争力のある産業へ~
2014 年 2 月、ベトナムの美容関係者及び行政関係者 21 名が来日し、日本の美容マ
ーケットについて学ぶという研修が行われた。このプロジェクトは、経済産業省の「
平成 25 年度
新興国での新中間層獲得による日本再生事業(現地産業人材育成)」の
「ベトナムの理美容サービスに関する研修」として実施されたもの。研修参加者は、2
週間にわたり、日本における美容の歴史や産業構造、経営実態や消費者の動向、教育
体系などをサロン経営者や業界関係者から座学で学ぶとともに、実際のサロンや教育
機関の視察、カット技術などを体験。日本の美容について広く学び、最終日には研修
を通じて得た成果を発表した。
この研修プロジェクトが行われた背景には、日本の産業構造の変化と合わせて少子
高齢化問題がある。第一産業から第三次産業へ産業構造の転換が進み、かつ少子高齢
化で国内の人口減少に歯止めがかからない中、日本の第三次産業を海外でも勝負でき
る強い産業に育てようという動きだ。日本の美容業界は、技術力・接客力など強みが
あるにも関わらず、他の産業に比べても海外進出が遅れている分野であると言われて
10
おり、日本の理美容サービス事業者がベトナムで事業展開する上でのビジネス環境を
整備することを目的として行われた。
2.
ベトナムの美容の現状
~課題と、マーケットの可能性~
ベトナムは、GDP 成長率が 6%台と高く人口 8600 万人を抱える ASEAN 諸国
の中でもマーケットとして高い注目が集まっている国である。彼らが 2 週間の研
修を終え、日本とベトナムの美容マーケットを見た上で、自国の美容産業におい
て挙げた課題がいくつかある。
1.
法整備(美容師免許、開業にあたっての許認可、補助金制度など)
2.
情報格差(最新トレンドやカット技術、経営ノウハウなど)
3.
商品流通(流通ルートの未整備や粗悪品の流通など)
4.
教育体系(公的な美容学校がなく、各サロンでの独自教育など)
5.
経営ノウハウ(マーケティングや予約・顧客管理などのノウハウ)
上記のような要素が複数重なり、美容室自体のクォリティ、そこで働く美容師の
技術・接客のバラつきが大きいというのが全体の課題感である。
一方で、ベトナムの美容には大きな可能性もある。まずベトナム人の平均年齢
は 27 歳で、日本の 45 歳に比べると圧倒的に若い世代の人数が多いということだ。
若い人が多いが故に美容に対する意識や使う金額も多く、美容サロンの利用率・
利用頻度も高い。人口構成を見ていると日本の戦後、高度経済成長期に近い時代
イメージがあるが、一方当時の日本と最も大きく違うのは IT インフラがあるとい
う点だ。国民の 60%がスマホを持ち、簡単に世界中の情報が入手できる手段を持
っている。日本の美容産業が戦後 50 年かけて作ってきた美容産業の発展のプロセ
スは、IT インフラがある今のベトナムでは一気に距離を縮められる大きな可能性
を秘めているとも言える。
3.
日本の海外競争力
~ベトナムから見えた日本の美容の競争力とは~
11
では、そんな中、日本の美容が海外で勝負できるポイントはどこにあるのか。
彼らか上がった声も含めて、日本の美容の海外競争力について考察してみたい。
1.
技術力
美容師免許が国家資格として整備されていない国が多い中、専門学校と
いう公的教育機関で一定の教育を受けることにより圧倒的に技術が平準
化されている。またサロンに入ってからもサロン内の独自教育体系やサロ
ン同士で技術を競う各種コンテストの開催など継続学習の仕組みが業
界全体で取り組めている点。
2.組織オペレーション能力
例えばベトナムでは、そもそもお客様に予約文化がなく、忙しい時は大行
列ができ、ヒマな時は全くお客様が来ない、またどんなお客様が来てくれ
ているのか、カルテさえないという店舗もまだまだ多い。日本のサロンで
は、予約を平準化する仕組みや、顧客カルテによるコミュニケーション設
計、お客様が来店してから施術に入りお帰りになるまでの店内オペレーシ
ョンが磨かれている点などが強みとして挙げられる。
3.衛生管理力
サロン専売商品を中心としたサロンでお客様に使う商材が一定のクォリ
ティがあり、質がいいこと。また美容サロンを開業する際の衛生管理基
準・審査も整備されている。ここには、日本人が本来持っている几帳面で
キレイ好きな国民性もプラス要素として働いていると言える。
4.デザイン力
女性誌やアパレル系企業などが連携したイベント、サロン同士が競い合え
12
るコンテストの各種開催、専門メディアの発信、多くの技術・デザイン
系セミナーなど、世界のトレンド及びその中での日本のデザイン力向上
に向けた学ぶ機会が多くある
上記のように日本の美容産業の中には、戦後 50 年で培われてきた独自のノウハ
ウや仕組みが実は多くあることが分かる。一方で、ベトナムの研修生から聞かれ
た課題もある。それは、美容業界としての将来のビジョンがないことだ。ほぼ全
ての業界関係者が少子高齢化・人口減少に課題を感じている一方で、それを受け
てどんな美容の未来を描くのか、今岐路に立っていると言える日本の美容業界は
業界を挙げてビジョンを描くということを考えていく必要があると言える。
(以上)
13
日 中 台 における女 子 大 学 生 の就 業 意 識 調 査 から見 た
日 本 の女 性 活 躍 推 進 の課 題
淑徳大学
葉 山 彩 蘭 (はやま さいらん)
1. はじめに
2 0 1 3 年 に 入 っ て か ら 、安 倍 晋 三 政 権 は 女 性 活 躍 推 進 政 策 を 日 本 の 成 長
戦略の柱の一つとして位置づけており、女性管理職の数値目標を示すな
ど企業の取り組みを促すと同時に、子育ての負担軽減策や復職支援など
に取り組んでいる。これを受けて、女性活用を掲げ、女性管理職目標な
ど を 設 定 す る 大 手 企 業 が 増 え て き て い る ⁽¹⁾。
周 知 の 通 り 、日 本 で は 人 口 の 減 少 と 少 子 高 齢 化 は 急 速 に 進 行 し て い る 。
医療、年金、福祉といった社会保障にかかわる様々な問題が存在し、高
齢者の増加は必然的にこれらに関する支出の増大につながるのである。
また、人口減少が始まると、若年層を中心とした労働力不足が発生し、
労働力供給の減少による労働生産性の上昇率が低下することが懸念され
ている。そのため、女性の労働力は日本の社会と経済の活性化にとって
不可欠である。女性の積極的な社会進出および労働への高い意欲が将来
の日本の発展にとって重要な要素となってきている。
本稿では、日本、台湾および中国で実施した「女子大学生の就業意識
調査」のアンケート結果分析を通して、女性の社会進出を阻む原因を明
らかにし、今後女性の活躍が期待される日本において、どのような政策
を取れば、女性の労働への意欲が高められるかについて考察したい。
2.女 性 活 躍 推 進 に 関 す る 先 行 研 究
本 研 究 で は 、女 性 活 躍 推 進 を ダ イ バ ー シ テ ィ ・ マ ネ ジ メ ン ト の 一 環 と し
て 捉 え て い る 。 ダ イ バ ー シ テ ィ ・ マ ネ ジ メ ン ト に つ い て 、 脇 ( 2012) は
「多様な人材や多様な人材が持つ価値観、考え方をビジネスに活用し、
従 来 の ビ ジ ネ ス の や り 方 を 変 化 さ せ る 手 法 」と し て 捉 え て い る ⁽ ² ⁾ 。ま た 、
馬 越 ( 2011) は 「 ジ ェ ン ダ ー 、 国 籍 、 年 齢 な ど の 多 様 性 、 属 性 や 価 値 観
を活用して、ビジネス環境の変化に迅速かつ柔軟に対応し、企業の競争
力と社会的評価を高め、また個人の幸せを実現しようとする新しいマネ
ジ メ ン ト ・ ア プ ロ ー チ で あ る 」と 論 じ て い る ⁽ ³ ⁾ 。女 性 の 活 躍 推 進 は ダ イ
バーシティ・マネジメンの重要事項であり、企業や国の競争力につなが
るのである。
日 本 で は 、「 男 女 雇 用 機 会 均 等 法 」 が 1 9 8 6 年 に 施 行 さ れ た が 、 日 本 の
14
女性の活躍が先進国の中で遅れていることが周知である。具体的に言え
ば 、 2013 年 10 月 、 日 本 の 人 事 院 は 初 め て 21 府 省 庁 の 課 長 ・ 室 長 以 上 の
ポ ス ト に 占 め る 女 性 の 比 率 ( 2011 年 度 ) を 統 計 し 、 女 性 管 理 職 比 率 は
2.6% に と ど ま っ て い る こ と を 発 表 し た ⁽⁴⁾。 ま た 、 総 務 省 「 労 働 力 調 査
( 基 本 集 計 ) 」 に よ る と 、 2013 年 の 管 理 的 職 業 従 事 者 に 占 め る 女 性 の 割
合 は 11.2% で あ り 、諸 外 国 と 比 べ 低 い 水 準 と な っ て い る 。こ れ ら の 数 値
発表を受けて、政府の成長戦略では、全国の官庁や民間を含めて指導的
地 位 に あ る 女 性 の 割 合 を 2020 年 ま で に 全 体 の 30% に す る 目 標 を 掲 げ て
いる。また、労働力人口が減少する中、女性の力は社会と経済の活力維
持に欠かせないため、企業においても、女性管理職を増やし、数値目標
を導入するなど、さまざま知恵を絞り始めている。どうすれば企業など
の組織で女性の能力が発揮されるのかを検討し、女性が働きやすい仕組
み を 整 え 、管 理 職 候 補 の 女 性 の 層 を 広 げ よ う と い う 動 き が 見 ら れ て い る 。
3.日本、中国、台湾の女子大学生の働く意識に関するアンケートの
比較分析
筆者は日本の女性の社会進出が先進国の中で遅れている一つの理由と
し て 、 [女 性 自 身 の 就 業 意 識 に 原 因 が あ る の で は な い か ]と 考 え る 。 こ の
仮 説 の 基 で 、2011 年 6 月 か ら 9 月 に か け て 、日 本 と 中 国 で 女 子 大 学 生 各
1 0 0 名 を 対 象 に 、ま た 2 0 1 3 年 1 1 月 に 台 湾 の 女 子 大 学 生 3 0 0 名 を 対 象 に 、
就業意識についてのアンケート調査を実施した。その結果は次の通りで
ある。
(1)調 査 期 間 : 2011 年 6 月 ~ 9 月 ( 日 本 、 中 国 ) 、 2013 年 11 月 ( 台 湾 )
(2)調 査 対 象 : 日 本 、 中 国 、 台 湾 の 女 子 大 学 生
(3)有 効 ア ン ケ ー ト : 日 本 と 中 国 の 女 子 大 学 生 か ら 各 83 名 の 有 効 回 答 を
得
た 。 ま た 、 台 湾 か ら 288 名 の 有 効 回 答 を 得 ら れ た 。
(4) 調 査 結 果 の 分 析 :
中国、日本と台湾の女子大学生を対象に行ったアンケート調査から次
のことをまとめることができる。
① 中 国 、台 湾 、お よ び 日 本 の 女 子 大 学 生 は 卒 業 後 、就 職 し た い 気 持 ち が
強 い 。し か し 、中 国 と 台 湾 で は 、女 性 に と っ て 、働 く と は 長 期 的 な キ
ャ リ ア 構 築 で あ り 、結 婚 や 出 産 に よ っ て 中 断 さ れ る も の で は な い 。一
方 、日 本 の 女 性 に と っ て は 、卒 業 後 、8 割 近 く の 学 生 が 就 職 を 選 択 す
る が 、 結 婚 や 出 産 な ど で 仕 事 を や め る 傾 向 が あ る ( わ ず か 30% の 日
本 女 子 大 学 生 が 仕 事 の 継 続 を 回 答 し た )。 中 国 と 台 湾 で は 、 結 婚 や 出
産は退職する理由にはなっておらず、キャリア継続が主流である。
15
② 就 業 意 識 に 関 し て は 、日 本 の 女 子 大 学 生 の 働 き た い 気 持 ち が 強 い と は
言えない。アンケート結果で分かるように、金銭的に余裕があれば、
仕 事 を 続 け た い 比 率 は 中 国 と 台 湾 よ り は る か に 低 い ( 日 本 35% 、 中
国 87% 、 台 湾 83% ) 。
③ 昇進に関しては、日本は女性にとって厳しい働く環境のようである。
66% の 日 本 の 女 子 大 学 生 は ど ん な に 頑 張 っ て も 会 社 で は 評 価 さ れ な
い と 回 答 し て い る 。「 会 社 に は 差 別 待 遇 が あ り 、 男 女 社 員 を 平 等 に 扱
っ て い な い 」「 女 性 は ど ん な に 頑 張 っ て も 、 会 社 で は な か な か 昇 進 で
き な い 」な ど の 女 性 の 声 が あ る 。女 性 に と っ て 、働 き や す い 環 境 が 整
っているとは言えない。
④ 家 庭 と 仕 事 の 両 立 に 関 し て 、日 本 側 は か な り 厳 し い 結 果 を 示 し て い る 。
7 7 % の 女 子 大 学 生 は 両 立 が 難 し い と 回 答 し て い る 。ま た 、日 本 、台 湾 、
中 国 の 女 性 は 男 性 が 家 事 を 分 担 す れ ば 、仕 事 や 育 児 の 両 立 が 可 能 で あ
る と 考 え て い る 。さ ら に 、日 本 と 中 国 の 女 性 に と っ て 、残 業 が 働 き 続
ける障害の1つの原因となっている。
⑤ 正 規 社 員 と し て の 再 就 職 に 関 し て は 、日 本 の 女 性 に と っ て は 難 し い 課
題であるが、中国では難しい課題として認識されていない。
4 .お わ り に : 日 本 の女 性 活 躍 推 進 の課 題
女性の視点および女性の能力や経験が企業に利益をもたらす研究結果
が発表されている。また、経済産業省と東京証券取引所が選ぶ「なでし
こ 銘 柄 」の 株 価 が 市 場 平 均 を 上 回 っ て い る と い う 事 実 も あ る ⁽ ⁵ ⁾ 。女 性 労
働問題の改善や女性のさらなる社会進出は、日本経済にとって重要な課
題となってきている。
本研究では、国際比較調査を通じて、日本女性の活躍推進を実現する
に は 、「 会 社 で の 男 女 平 等 待 遇 」 お よ び 「 出 産 、 育 児 に 関 す る 支 援 策 」 を
さらに充実させることが必要であることを明らかにした。また、家事や
育児などの負担を軽減できる家族などからのサポート必要であることも
明 白 と な っ た 。1986 年 に 施 行 し た「 男 女 雇 用 機 会 均 等 法 」を 受 け て 入 社
した女性が現在、管理職のポストに就く年齢となっているが、今後日本
企業の管理職に占める少ない女性の割合について、もっと議論し改善し
ていかなければならない。
女性が仕事を続けるためには、様々な課題がある。これらの課題を解決
するために、まず、職業と育児との計画的な調和を図れるような制度・環
境作りや労働条件の整備を進めるとともに、男性も家事・育児などの家庭
責任を分担し、介護・看護も含めた共同分担の共通意識を確立することが
重要になっている。つまり、男女双方のワーク・ライフ・バランスが求め
16
ら れ て い る の で あ る 。女 性 が 出 産 や 介 護 な ど の 多 様 化 し た 原 因 を 契 機 に 退
職 し な く て も 済 む よ う に 、正 社 員 の ま ま で 勤 務 時 間 を 短 縮 で き る 育 児 勤 務
や介護・看護勤務の制度の導入をはじめ、フレックスタイム制など労働時
間面での柔軟化、多様化を図るとともに、在宅勤務やサテライトオフィス
などについても一層検討していく必要がある。また、女性の活躍推進と家
庭を両立させるためには、男性の理解と協力が必要であるため、男性を含
む日本社会全体の意識変革が必要であろう。
(注 )
1 ) 日 本 経 済 新 聞 ,2014 年 7 月 14 日 。 例 え ば 、 ト ヨ タ 自 動 車 は 現 在 約
100 人 居 る 女 性 管 理 職 を 2020 年 に 3 倍 に し 、 30 年 に は 5 倍 に す る
と目指している。
2 )脇 夕 希 子( 2012)
「 ダ イ バ ー シ テ ィ・マ ネ ジ メ ン ト が 実 行 可 能 な 職 場
創
感
3) 馬
グ
造
」
越
ロ
: A 社 を 事 例 と し て (<特 集 >「 関 西 に お け る テ レ ワ ー ク の 方 向
に 寄 せ て ) 」『 日 本 テ レ ワ ー ク 学 会 誌 』 1 0 ( 1 ) , 6 - 1 1 .
恵 美 子( 2 0 1 1 )
『 ダ イ バ ー シ テ ィ・マ ネ ジ メ ン ト と 異 文 化 経 営 :
ーバル人材を育てるマインドウェアの世紀』新評論。
4 ) 日 本 経 済 新 聞 ,2013 年 12 月 18 日 。
5 ) 日 本 経 済 新 聞 ,2014 年 7 月 22 日 。
(参考文献)
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接 点 」『 国 際 ビ ジ ネ ス 研 究 』 1 ( 2 ) , 1 9 - 2 9
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性 人 材 の 活 躍 2 0 1 3 』日 本 生 産 性 本 部 生 産 性 労 働 情 報 セ ン
ター
馬 越 恵 美 子 ( 2 0 1 1 )『 ダ イ バ ー シ テ ィ ・ マ ネ ジ メ ン ト と 異 文 化 経 営 : グ
17
ロ
ーバル人材を育てるマインドウェアの世紀』新評論
山 口 一 男( 2 0 0 9 )
『ワークライフバランス
実 証 と 政 策 提 言 』日 本 経 済 新
聞出版社
脇 夕 希 子 ( 2 0 1 2 )「 ダ イ バ ー シ テ ィ ・ マ ネ ジ メ ン ト が 実 行 可 能 な 職 場
創 造 : A 社 を 事 例 と し て (<特 集 >「 関 西 に お け る テ レ ワ ー ク の 方 向
感 」 に 寄 せ て ) 」『 日 本 テ レ ワ ー ク 学 会 誌 』 1 0 ( 1 ) , 6 - 1 1 .
18
2014/8/24
研究の背景
研究の背景としては、カネボウ化粧品の美白化粧品で肌がまだらに白くなる「白斑」現象
が確認され発症者数は2014年5月末時点で1万8909人にものぼるなど、化粧品に関する
リスクの表象化が目立ってきていることが挙げられる。この事件の裏には、特殊な効果効
能を持った成分を含んだいわゆる「機能性化粧品」が増えてきているという事情があると
筆者はみる。
「製薬企業リスクマネジメント理論の
化粧品会社への援用」
石川雅一, 長沢伸也
早稲田大学大学院商学研究科
出典: YOUTUBE 「(ANNニュース 2013/08/19)」
製薬企業のリスク事例と他との比較検討
デセインとサットンは、製品リスク分析を実施することが重要であるとして、様々なリスクを
ありとあらゆるプロセスの時点でハザード(危険因子)を推測して、その重大性と可能性を
ランク付けするように推奨している。
表1
製薬企業のリスク管理の実例を過去の事件で振り返り、それが非製薬企業のリスク
管理とどう違っていたかを比較検証する。
直接口に入る医薬品、同じく直接口に入る食品、そして直接肌に塗る化粧品、これ
らは安全性が最も求められる商品であり、米国ではこの3つの商品群が同じ規制当
局:FDA(食品医薬品局)によって規制を受けているのはそういった理由からである。
とは言え、食品も化粧品も医薬品の厳格なリスク管理にはいまだ及ばない。本章で
は、製薬会社と化粧品会社と食品会社のリスク管理の違いが大きく表出した事例に
ついて比較検討する。
リスクレベルの判定表
① 参天製薬
② カネボウ化粧品
×許容できない!
△条件付きで許容可能。
出典:
③ 雪印乳業
○許容出来るレベル
デセインら(2006)の表を元に筆者作表
製薬企業レベルのハザードとハーム
製薬企業レベルのリスク管理手法
モラーらの表に、「成分による想像し得ぬ未知の副作用」と「倫理の欠如」を筆者が付加。
製薬企業の高度なリスク管理手法について語るには、まずリスクをめぐっての諸定義の確定が欠かせない。
モラーとロングとベイスマン(Mollah, A. H., Long, M. & Baseman, H. S., 2013)は、「リスク(Risk)」と「ハーム
(Harm)」と「ハザード(Hazard)」の諸定義について、以下の表のように説明している。
リスク、ハザード 、ハームの諸定義
出典: Mollah, A. H., Long, M. & Baseman, H. S.(2013)を筆者が翻訳作表
出典: Mollah et al. (2013)を筆者が翻訳加筆作表
19
1
2014/8/24
R&Dに関係するリスク
リスク・ファクターの検出
上田(2003)は製薬企業の研究開発に関係する主なリスクとして、以下の12項目を挙げている。
上田(2003)はまた医薬品研究開発のリスクマネジメントにおいてはリスク・ファクターの検出が
重要であるとし、そうしたリスク・ファクター検出は以下の4つの項目において実施されるべきだ
としている。
① 研究開発体制(経営戦略)に関係するリスク
② 医薬品の副作用(薬害の発生)に関係するリスク
③ 研究開発のプロセス(意思決定、研究人事など)に関係するリスク
④ 安全性情報(適正使用情報)の処理に関係するリスク
⑤ 臨床試験(信頼性保証体制)に関係するリスク
⑥ 薬事法(各種の基準)、PL法の遵守に関係するリスク
⑦ 生産工場、研究所(安全作業、公害の発生など)に関係するリスク
⑧ 患者対応(消費者への情報提供)に関係するリスク
⑨ 不良医薬品の回収(当局、医療機関、マスコミなど)に関係するリスク
⑩ 市販後調査体制(国内外の情報収集)に関係するリスク
⑪ 医療機関のGCP (Good Clinical Practice: 医薬品臨床試験の実施基準)体制に関係
するリスク
⑫ 製造販売承認申請に関係するリスク
①
②
③
④
「原薬の副作用」にかかわるリスク・ファクターの検出
「溶出不良」にかかわるリスク・ファクターの検出
「異物の混入」にかかわるリスク・ファクターの検出
「開発スケジュール」にかかわるリスク・ファクターの検出
こうしたリスク・ファクターの検出において優先順位が設けられるべきだとし、1の「原薬の副作
用」に関しては、「患者の健康被害の防止」→「臨床試験サンプルの製造手順」→「毒性試験の
信頼性」→「原薬の不純物」→「規格・試験法」→「原薬の化学的安定性」の優先順位とすべきだ
としている。
薬害防止のリスク管理手順
産業俯瞰: リスク着眼点の違い
上田(2003)は、一般的な薬害防止のリスク管理手順を以下の3段階にまとめている。
製薬会社:医薬品メーカーは、その製造品内容から新薬メーカーと後発薬メーカーとに大別され
るが、特に新薬メーカーの場合はかつて無かった成分を市場に出すため、薬害に対するリスク
感応度が本能的にきわめて高い。また後発薬メーカーでさえ、特許切れの先発薬の構造を熟
知した上で厳格な規制下で安全性を最重視して製造しなければならないため、やはり製品安全
性に対する感応度が非常に高い。こうした企業としてのリスクに対する高感応度の特性が個別
事例ではなく、製薬産業全体にあてはまることを立証するのが本章である。研究方法としては、
有価証券報告書に記載義務がある「事業等のリスク」項目を比較する。この手法での調査は医
薬産業政策研究所が製薬企業26社を日経225企業と比較した調査があるが、筆者はそれに化
粧品会社10社を調査して上記研究に付加追記した。
① 初めのリスクと対応するリスク・ファクターの検出
・初めのリスク: 少数例の未知の副作用
・リスク・ファクター: 医薬情報の提供、適正使用、市販直後調査、副作用評価、被害
の拡大の予測 など
② 波及リスク1の予測と対応するリスク・ファクターの検出
・予測される波及リスク1: 類似した副作用の増加傾向
・リスク・ファクター: 被害拡大の防止(企業、医療機関、行政)、重篤な副作用情報の
提供と公表、迅速な意思決定 など
③ 波及リスク2の予測と対応するリスク・ファクターの検出
・予測される波及リスク2: 類似した副作用による被害の拡大(薬害の発生)
・リスク・ファクター: 緊急被害防止対策、製品の回収、患者の救済、規制の見直し
など
すなわち配合成分が新規物質であればあるほど未知の副作用の危険性が潜在しているおそれ
があるので初期に表出するリスクを注意深く見張っていなければならないということである。その
ために市販直後の調査と副作用評価や被害の拡大の予測が重要であるとしているのである。
製薬企業26社と、化粧品会社10社と、
日経225企業の事業リスク比較
参考文献
<参考文献>
江口武志『製薬企業における事業リスクマネジメントの実態と課題』(医薬産業政策研究所, リサーチペーパー・シリーズ
No.53, 2012)
DeSain, C., Sutton, C., Risk Management Basics, (Advanstar Marketing Services, 2000) デセイン, C., サットン, C., 榊原敏之
監訳・松村美也訳『医療・医薬品業界のためのリスクマネジメント入門』(薬事日報社, 2006)
Doherty, N. A., Integrated Risk Management: Techniques and Strategies, (McGraw‐Hill, 2000) ドハーティ, N. A., 森平爽一
郎・米山高生 監訳『統合リスクマネジメント』(中央経済社, 2012)
Downes, J., Goodman, J. E., Dictionary of Finance and Investment Terms, (Barrons Educational Series Inc.) ダウンズ, J., グッ
ドマン, J. E., 西村信勝, 田中志ほり, 井上直樹, 佐々木賢治 訳『バロンズ金融用語辞典』(日経BP社, 2009)
Dupuy, J., 桑田光平・本田貴久訳 『ありえないことが現実になるとき - 賢明な破局論にむけて』(筑摩書房, 2012)
原 正雄『美白化粧品問題から学ぶリスク管理体制』(ビジネス法務, 13(12);2013.12 中央経済社)
加藤 高『香料メーカーにおけるリスク管理の実際』(FRAGRANCE JOURNAL, 30(11), 54‐57, 2002‐11 フレグランスジャーナ
ル社)
経済産業省経済産業政策局産業資金課『先進企業から学ぶ事業リスクマネジメント実践テキスト -企業価値の向上を
目指して』(経済産業調査会, 2005)
Kendrick, T. Identifying and Managing Prokect Risk: Essential Tool for Failure‐Proofing Your Project,(AMACOM, 2009)
今野浩・刈屋武昭・木島正明 編『金融工学事典』(朝倉書店, 2011)
宮林正恭『リスク危機マネジメントのすすめ』(丸善出版, 2013)
Mollah, A. H., Long, M., Baseman, H. S., Risk Management Applications in Pharmaceutical and Biopharmaceutical Manufacturing, (WILEY, 2013)
日本製薬医師連合会 『薬害再発防止のための提言』(日本製薬医学会, 2008)
仁木一彦『図解 ひとめでわかるリスクマネジメント』(東洋経済新報社, 2012)
小野 敦『化粧品の自主配合原料の安全性確認に必要とされるリスク評価情報の収集に関する研究』(小野 敦, 厚生労
働科学研究費補助金厚生労働科学特別研究事業, 2013 )
聳城 豊『新規化粧品原料に潜む安全性リスクの考え方』(Cosmetic stage, 8(3)=53:2014.2, 技術情報協会)
上田芳雄『新・薬のリスク管理 -製薬企業における薬害回避の手だて』(薬事日報社, 2003)
US.Dept. of Health and Human Services Food and Drug Administration, くすりの適正使用協議会監訳『FDAのリスクマネジ
メントプラン 製薬企業のためのガイダンス』(レーダー出版センター, 2005)
横田博史『化粧品原料ビジネスにおけるリスクマネジメント』(FRAGRANCE JOURNAL, 30(11), 54‐57, 2002‐11 フレグランス
ジャーナル社)
リスク項目は、金融庁の「企業内容等開示ガイドライン」のリスク分類を元に用いている。表下部の
「内:外」とは、内部要因 対 外部要因の比率を指す。
出典: 医薬産業政策研究所のリサーチペーパーの表を元に筆者加筆作図
20
2
「ASEAN と日本、サロンの対比から見た
日本の美容サロンの「特殊性」と「優位性」」
「ASEAN6 か国
美容行動の実態調査」からの考察
(株)リクルートライフスタイル
ビューティ総研
田中公子
<論旨>
目次:
1.
はじめに(アジア・ASEAN におけるサービス産業の海外展開)
2.
ASEAN と日本、美容サロンの利用実態
3.
サロンサービスの利用傾向から見たマーケット考察<特殊性と優位性>
4.
ASEAN のサロン利用促進要素から見た日本美容の可能性
1.はじめに
日本国内での少子高齢化はますます進み、人口も減少に転じている。国立社会保障・人口問
題研究所によると、日本の平均年齢は 2013 年時点で 45.9 歳と予測されており、国内の消費マ
ーケット全体が成熟期を迎えている。美容のマーケットにおいても成長の速度は緩やかとなり、
停滞感が出始めている。一方で海外に目を向けると、ASEAN 諸国の躍進は著しい。急激な経
済成長を遂げ、人口動態(平均年齢)の要素からも国として若くマーケットとしてのポテンシャ
ルが期待される。そして工業化からサービス化社会へと転換し、サービス業が今後さらに発展
する過程にある。カスタマーの消費モチベーション、美容・ファッションなどライフスタイルが多
様化し、求めるサービスの品質も従来よりも高くなっている。日本の美容サロンが次のマーケッ
トとして ASEAN へ展開する余地・ポテンシャルは十分にあると考えられる。
日本の美容サロンのアジア・ASEAN への出店は、大手エステティックサロン「ソシエ」が上海・
台湾で、ジャストカット市場最大手の「QB ハウス」がシンガポール、香港、台湾で 81 店舗展開
するなど、個店だけではなく大手による出店も加わり規模が拡大している。直近では、美容関
連企業 27 社により設立されたジャパンビューティアソシエーション株式会社(JBA)のヴェトナム
での総合美容サロンと美容アカデミーの展開も予定されている。美容以外のサービス分野に
おいては、 既に先行事例として外食産業における「 味仙ラーメン」、教育産業における
21
「KUMON」などアジア・ASEAN での受入が進み市場が拡大している領域があり、美容もこれら
に続く領域となりうる可能性は高い。
2. ASEAN と日本、美容サロンの利用実態
今回、(株)リクルートライフスタイル ビューティ総研で実施した 2 つの調査を軸に、ASEAN と
日本のサロンの消費者行動の対比によって、①美容サロンの利用実態 ②提供サービス(メニ
ュー)の利用実態・分析 ③利用促進要素をそれぞれ検証することで、日本の美容がどこにチ
ャンスがあるのかを提示する。なお、美容サロンは、「美容室、ネイルサロン、エステサロン(フェ
イシャル、痩身、脱毛)、リラクゼーションサロン(着衣、脱衣)、アイビューティサロンの 5 領域の
サロンを対象とした。
調査1
「美容センサス 2014 上期」(国内の美容サロン利用実態調査)調査概要
調査2
「ASEAN6 か国 美容行動の実態調査」調査概要
2-1.日本での美容サロンの利用実態
日本の美容サロンの利用率は、美容室以外の領域では 1 割~3 割に留まっている。しかもサロ
ン利用者の頻度からは、過去 1 年間利用のないカスタマーが 7 割以上の領域も存在すること
がわかる。言い換えると、美容室以外のサロンは未経験者・休止者が多く存在するポテンシャ
ルの高いマーケットと捉えることもできる。現在、市場では美容家電の普及が進んでいるが、ヘ
アサロン以外でのビューティサロンにとっては未経験に対する経験価値マーケティングによる
土壌づくりともいえる。が、一方でサロン価値が浸透しないまま、専門サロンが群雄割拠してい
るレッドオーシャンの状況が続くともいえる。今後、美容市場が進展していくために未経験者に
対する経験・体験価値を美容業界全体でどのように組み込んでいくかで市場の可能性の振れ
幅は大きいのではないであろうか。
2-2.ASEAN6 か国の美容サロンの利用実態
一方、今回調査した ASEAN6 か国のサロンの利用実態調査からは、利用率・頻度の面で、日
本とは異なる傾向が明らかになった。まずは美容室以外のサロンにおける利用率の高さが挙
げられる。ネイルサロンは 4 割以上、リラクゼーションサロン(マレーシア、ヴェトナム除く)は 6
割以上と日本と比べると著しく高い。
またサロンへの年間の利用回数から、平均で月に 1 回以上ヘアサロンへ通う(タイ、マレーシア、
ヴェトナム)、ネイルサロンへ通う(タイ、インドネシア、フィリピン、ヴェトナム)などを筆頭に、日
本と比べると著しく利用頻度も高いことが分かった。ASEAN のカスタマーにとっては、美容サロ
ンは日本と比べてより日常的な存在と考えてよい。むしろ ASEAN 諸国と比べると、日本のサロ
22
ンの利用率・利用頻度の低さが特殊だともいえよう。つまり、日本のサロンは消費者にとっては
非日常の存在であることがわかる。これは後述もするが、カット技術から派生していった日本の
サロン業界の進化も背景にあるだろう。結果的に消費者にとっては、「伸びた髪をケアする場
」でしかなく、その価値を転換するハードルが日本のサロンの課題・特殊性ともいえよう。
3. サロンサービスの利用傾向から見たマーケット考察
ここでは美容室における「サロンサービスの利用傾向」の分析を通して、各国の有望市
場を特定した。アーリアダプター(高感度ユーザ)の利用が高く、一方レイトマジョリ
ティ(一般ユーザ)の利用はまだ進んでいないメニューが、今後の市場を牽引すると仮
定し検証した。
<ASEAN 各国の特徴>
全体的な特徴として、ASEAN 各国では「発展市場」
「有望市場」
「成熟市場」それぞれ
メニューがプロットされており、カット以外にも浸透率の高いメニューが見受けられる
ことである。(これは後述する日本と比べると大きく異なる点である)また、フィリピ
ン・タイ・インドネシア・ヴェトナムは、もともとサロンでのメニューの種類も多く、
「成熟市場」(一般ユーザの利用率も高く、高感度ユーザの利用率も高い)に移行して
いるメニューも多いことが分かる。
<日本の特徴>
次に日本のメニュー利用も同様にプロットしたのが図 5 である。ASEAN 各国が国によ
って違いがあっものの日本と比較すると、日本のマーケットの「特殊性」が浮かび上が
ってくる結果となった。
「カット」は他の ASEAN 各国と同じく、一般ユーザの利用率、
高感度ユーザの利用率ともに高く成熟市場にプロットされるものの、それ以外のメニュ
ーは一般ユーザの利用率、高感度ユーザの利用率ともに低い「発展市場」に留まってい
る。
23
これは日本の「カット文化」の影響が多分に出ていると考えられる。日本はサロンでは
カットを中心にビジネスが考えられている。技術者もカット技術を修練し、極めていく。
日本の高い技術(カット)たるゆえんである。一方で他のメニューについては「カット
のオプション」の意味あいが強かった。このため「カット」に比べて未成熟な市場とな
っていると考えられる。これは現在日本で「トータルビューティー」の普及が進みづら
い理由の一つとしても挙げられるのではないだろうか。
4.ASEAN のサロンの利用促進要素から見た日本美容の可能性
ASEAN のカスタマーは、サロンに何を求めているのか?何があればもっと使いたいと
思うのか?上位 5 位に入った項目はどの国も「技術力」と「衛生管理・セキュリティ」
の要素であった。「デザイン」「オペレーション」「コミュニケーション・雰囲気」と比
べると優先度が極めて高いことが明らかになった。各国に共通していえることは、「施
術のクオリティの高さ」に並んで「安心・安全」の要素がサロン通いを促進するのに重
要な役割を担っていることが分かる。
この結果は、日本の美容サービスが ASEAN のサロン利用者に対して提供できる役割の
一つを示しているのではないだろうか。日本の技術力は、国家資格をもとに平準化され
ており海外に比べて非常に高いクオリティである。またカラー等のケミカルクオリティ
も高い基準にあることも忘れてはならない。サロンの衛生管理についても、厚労省・保
健所による管理のもと施設・施術内容・商材すべてにおいて高い水準・基準が担保され
ている。我々日本人にとっては「当たり前」の基準が、ASEAN からは「魅力」なのだ。
弊社での調査からも 6 か国に聞いた「美容で憧れる国」の上位 3 位に、必ず「日本」は
入っていた(表 5)。理由は「美容の技術が進んでいるから」という回答が各国に共通
して挙げられた。日本の美容は、まさに彼女たちの「現状に足りないもの」を十分に補
い、ASEAN のマーケットをさらに活性化させる可能性を持っている。
これまでを総括すると、海外と対比した日本のサロンの優位性は「技術力」
、
「組織オペ
レーション力」、
「衛生管理力」
、
「デザイン力(デザインの多様性)」
、
「対応力、対話性」
、
「人材育成力」の 6 点に集約される。日本の美容サロンは、絶え間ない技術の修練とタ
ーゲットの科学によって現在のマーケットを作り上げてきた。今後ますます進む海外へ
のサービス展開に対し、マーケットへの基礎資料となることを期待する。
(以上)
24
JABB 第 3 回全国大会(ハリウッド大学院大学、2014 年 9 月 13 日)
新興国の多国籍企業から何を学ぶことができるか
-ブラジル化粧品企業、ナチュラの事例から-
千葉商科大学
金﨑賢希
1.主題
本研究の主題は、新興国を出自とする多国籍企業(Multinational corporations from
emerging countries, 以下、EMNC)の成長発展プロセスである。
報告者は、かつて同様のテーマについて論じたが(金﨑, 1997; 2002)、当時は周辺的な
テーマとして関心をもつ研究者はほとんどいなかったように思う。しかし、今日では、主
要学会誌でも特集が組まれるなど、関心が高まっている。
こうした研究の動向は、研究者が先進国以外の国々、つまり途上国でイノベーション活
動を行っている(行おうとしている)
、つまり途上国をイノベーションの源泉として見るよ
うになったことと深い関係があるだろう。
新興国はこれまで、第三世界ないしは発展途上国と呼ばれてきたが、ビジネスの世界で
は、
「技術・市場ともに未熟であり、対象外か良くて旧モデルを売りさばく場所」もしくは
「技術的に劣る安価な商品を供給する下請け」という位置づけであった。
そうした国々が、なぜそしていかにして、先進国が生み出すことのできない価値ある商
品」を生み出し、先進国や他の新興国ないし途上国に提供できるようになったのか、その
プロセスを明らかにすることに関心が集まっている。
しかし、何よりも興味深いのは、先進国多国籍企業(DMNC)の子会社ではなく、新興
国の現地企業がそれを行っていることである。近年、一部の EMNC は本国と同じような
環境の他の途上国で勢力を伸ばす一方、途上国を梃子に先進国でもプレゼンスを拡大しつ
つあり、これまでとは違った文脈や視点から EMNC の成長発展プロセスや戦略および能
力を説明する必要性が高まっている。
そこで、本報告では、とくにブラジルの化粧品企業、ナチュラ・コスメティコ(Natura
Cosméticos, 以下、ナチュラ)をとりあげ、以下の点について歴史的に検討する。なおそ
の範囲は、創業からビジネスモデルを確立し、国際化の基盤を整えた 2000 年代半ばまで
とする。
・ナチュラとはどのような企業か
・なぜこのような企業が生まれたのか
・われわれにとってどのような意味があるのか
25
2.背景
本研究の背景と問題意識を述べる1。第 2 次大戦後、世界の対外直接投資(FDI)の大
半は、先進国から先進国へ、そして途上国へ向かった。つまり、MNC の大半が先進国を
出自としていた。当然のことながら、研究も DMNC を中心に行われてきた。
1970 年代末から 80 年代初頭、途上国の対外 FDI の「第 1 波」が起きた。なぜいかにし
て、技術と市場で後れをとる途上国から MNC が生まれたのか?国際ビジネス理論の基本
理論は、多国籍化するためには「外国性の劣位を相殺するだけの所有優位をもたなければ
ならない」と考えられていたため、この一見矛盾する事実に対して研究者は関心をもった。
そこで、当時の FDI の特徴をもとに、ルクロウやウェルズが拡張 PLC 理論を展開した。
しかし、その後しばらく、当該テーマに関する研究は停滞した。ピーク時でさえ、1970
年代における途上国の対外 FDI フローは世界全体のわずかな部分を占めるに過ぎなかっ
た。加えて、当該 FDI は先進国に影響を及ぼさなかったため、先進国から多くの関心を集
めるに至らなかった。また何よりも、主要投資国であったラテンアメリカが 1980 年代に
債務危機に陥り、FDI 自体減少したのである。
1980 年代後半に、途上国の対外 FDI の第 2 波がアジアの新興国から興り、1990 年代初
頭にさらに多くの国で行われるようになった。このとき、新興国の対外 FDI は世界全体の
FDI フローの 7%に達し、1970 年代よりもはるかに高かった。そして、このうち 3 分の 1
が先進国に向かった。これは世界全体からみれば、10 分の 1 以下に過ぎなかったが、先進
国に与える心理的なインパクトは大きかった。
このとき、再び当該テーマに関する研究意欲が高まった。しかし、第 1 波とは特徴も問
題意識も異なっており、何よりもこの新たな波を予測できなかった第 1 波の理論が顧みら
れることはなかった。新たな現象を説明する新たな理論が必要であると考える者もいた。
マシューズなどは「優位性を獲得するために」多国籍化すると説明した。彼らは、事前の
所有優位を多国籍化の必要条件として考えなかった。
ダニングとその後継者は、当該企業が「発展段階とともに、技術力を獲得していった」、
すなわち、先進国が辿った「投資発展経路」を、輸出志向政策を採用し国際生産ネットワ
ークに自らを組み込んだ一部の途上国も辿っていると主張した。DMNC を説明した OLI
パラダイムで間に合っており、新しい理論は必要ないとの立場をとった。
その後、新興国(途上国と移行経済国)からの対外 FDI は 2000 年に 1460 億ドルに達
し、その後減少したものの、2010 年に 4130 億ドルに達し、もはや世界全体にとって無視
できないものとなった。
2000 年には、途上国の対外 FDI のうち先進国に向かう割合は 35%
に達した。現在では、レノボ、ミタル・スチール(現アルセロール)
、アンベブ(現インベ
ブ)、グルポ・ビンボなど、EMNC による先進国企業の買収が多く行われるようになった。
しかしながら、その量的側面もさることながら、近年台頭している EMNC のなかには、
その特徴において、第 2 波とは異なる企業があるように思われる。一部の EMNC は新た
な価値提案を行い、独自のビジネスモデルを構築し、途上国を梃子に先進国でも存在感を
26
増しつつある。たとえば、ブラジルのエンブラエルは、世界の寡占市場にジャンボ・ジェ
ット機ではなく、120 席未満のリージョナル・ジェット機で挑み、顧客である航空会社に
効率性・安全性といった価値と高収益をもたらした。
こうした EMNC はマイナーチェンジ、キャッチアップではなく、ゲームのルール自体
を変え、グローバル産業の秩序に大きな影響を与える可能性がある。そして、結果的に、
グローバル・ビジネス・ランドスケープ2を一変させようとしている。他にも、本報告で
取り上げるナチュラ、セメックス、ホアウェイ、ウィプロ、ビンボ、スズロン、などがあ
ろう。
これら第 3 波を構成する企業は新しいタイプの強みをもっており、それが本国の環境と
関係がありそうだということについては、研究者の間で合意が得られつつある。しかし、
まだ解明されていない部分も多い。既存理論では説明できない点はどこにあるだろうか。
次の 2 点を指摘することができよう。
・EMNC は所有優位をもっていないわけではなく、DMNC とは異なる種類の所有優位
をもっている。すなわち、異なる環境下で異なる所有優位をもつに至った。投資発展経路
説はキャッチアップ志向から脱却することができず、また先進国との違いはもとより、新
興国同士の違いについても説明することができない。
・それぞれに異なる本国の状況、その立地優位が大きく関係しているとしても、投資発
展経路説はそれがどのように所有優位に変わっていくのか、DMNC の子会社ではなくて
なぜ現地企業がそれをできるのかについては答えていない。とくに後者の点につては、立
地優位をすべての企業が利用可能であると仮定している。新興国をイノベーションの源泉
と見るなら、この点についての理解は欠かせないだろう。
3.事例
ナチュラは 1969 年にブラジルのサンパウロで創業した。直接販売モデルで順調に成長
を遂げ、2010 年時点で、同国のビューティ産業(化粧品、香水、トイレタリー)でリーダ
ーであり、市場シェアは 23.6%、世帯浸透率は 55%、ブランド認知度は 100%近い。従業
員は 7000 人、訪問販売員は 120 万人で、ブラジル、アルゼンチンペルー、コロンビア、
メキシコ、フランスで事業を展開している。2004 年には、ブラジル株式市場に上場を果た
した。2010 年度の業績は純収入 51 億レアル、EBITDA12 億レアル、純利益 7 億 4410 万
レアルである。世界のビューティ産業のなかでも 20 位以内に入っている。
ナチュラは創業以来、同社は組織の目的に関して独特の視点をもってきた。経済的な観
点からのみ目的をみるというよりも、
「繁栄のためにバランスをとる必要のあるより大きな
システムの一部である」という考えをもっている。1970 年代から 80 年代において、企業
を取り巻くステークホルダーとの関係を構築、強化することに焦点を当てる戦略を通して、
こうした信念が育まれていった。直接販売モデルを開発したのもこの時期であった。
27
1990 年代初めには、企業の社会および環境に対する責任と持続可能な発展に焦点を当て
た戦略へと進化した。これは、現在の持続可能な戦略の先駆けであり、この観点から戦略
目標-経済・社会、環境に関する-パフォーマンスの向上を目指した、こうした戦略が同
社の目覚ましい成功を支えていると言ってよいだろう。
ナチュラはブラジルでもっとも強力なブランドの 1 つを創り出したが、それが高収益を
支える 1 つの要因となっている。販売員を含めた従業員のモチベーションは高く、生産性
は競争相手よりも高い。ブラジルでナチュラは働きたい職場の 1 つとして、これまでずっ
と挙げられている。こうした社会および環境に対して責任を負うという姿勢が、同社のビ
ジネスの基盤となっている。
なお、紙幅の関係から、事例の詳細については当日報告いたします。
4.事例の解釈、インパクト
ここでは、事例について、ナチュラが提供する価値とバリューチェーンに注目する。す
なわち、①市場で認められている価値は何であったのか、②いかにしてその価値を実現す
ることができたのか、である。そして、これらの点について、
「コンテクスト」、
「場の感覚
と理解」、「補完的現地資産」などの概念を援用しながら、同社の成長発展プロセスを説明
しようと思う。そして、最後に、このプロセスの解明が、理論的に、そして当該産業や他
産業企業にどのような意味をもつのかという点についても考えてみたい。
この点につても、当日報告いたします。
図表
新興国の対外 FDI フロー
FDIと国際生産に関する主要指標( 1 9 9 0 -2 0 1 2 )
2005~
1990 2007(危機
前平均)
対内FDI( フロー)
対外FDI( フロー)
先進国
欧州
日本
米国
途上国
アフリカ
ラテンアメリカおよびカリブ海諸国
アジアおよびオセアニア
西アジア
南、東、および東南アジア
移行経済国
世界
207
241
1491
1534
2010
2011
2012
1409
1505
1652
1678
1351
1391
地域ごとにみるFDIフロー( %)
対外FDI
1978-1980 1988-1990 1998-2000 2003-2005 2008-2010 2011-2012
97
93.1
9 0 .4
85.8
7 5 .5
68.2
44.8
50.6
64.4
54.6
43
32.4
4.9
19.7
2.6
4.9
5.9
7.5
39.7
13.6
15.9
15.7
20.9
23.7
3
6.9
9 .4
12.3
2 0 .6
27.6
1
0.4
0.2
0.2
0.5
0.6
1.1
1
4.1
3.5
4.6
6.8
0.9
5.6
5.1
8.6
15.5
20.2
0.3
0.5
0.1
1
1.8
1.6
0.6
5.1
5
7.7
13.7
18.5
NA
0 .2
1.8
3 .9
4.2
100
100
100
100
100
100
(UNCTAD, 2011および2013を基に作成)
1既存研究について詳しくは、金﨑賢希 (2002) 『アジア多国籍企業研究の検討-進化プロセスの解明をめぐって-』
、
『世界経済評論』第 46 巻 7 号, 38-52 頁、2002 年を参照。
2ビジネス・ランドスケープについては、Ghemawat, P., (2002) Strategy and the Business Landscape: Core Concept,
Prentice Hall, 2002 を参照。
28
はじめに
2014年9月13日
ビューティービジネス学会第3回全国大会
中小石けん・洗剤メーカーの事業継続の要因について
−エスケー石鹸の事例分析−
早稲田大学商学学術院産業経営研究所 里見泰啓
高崎経済大学経済学部 清水さゆり
`
現在の大手メーカーと中小メーカーの棲み分け
大手メーカー
→グローバルに事業を展開
中小メーカー
→嗜好が多様であり市場が細分化している化粧石けんなどの分野
で、独自のポジションを築いて事業を展開
`
石けん・合成洗剤製造業は、揺籃期から現在に至るまで、戦時下での統
制経済と戦後の石けん配給制・油脂製品価格統制、公害問題、地球環境
に対する意識の高まりなどの影響を受けながら発展。
`
時代の潮流に適応して、事業を維持・発展させてきた中小企業も多い。本
報告は、1918年に創業し、独自のポジションを築いてきたエスケー石鹸の
事例分析から、事業継続の要因を探ることを目的とする。
2
エスケー石鹸の変遷
-創業-
エスケー石鹸の概要
1918年 東京 東十条で倉橋平三商会として創業
1923年 製造方法と原料精製法の特許を取得
1931年 新工場竣工
`
創 業:1918年(大正)
代表者:倉橋公二
資本金:4,500万円
従業員:80名
本 社:東京都北区 (工場)埼玉県川口市
事業内容:
油脂製品および化学製品の製造販売、化粧品の製造販売
【OEM製品】トイレタリー石けん類、日用石けん類、歯みがき
【自社製品】台所用石けん、洗濯石けん、ヘアケア、ボディケア
など
→「エコレア」、「うるおい」、「しっとり」、
「すっきり」シリーズなど
`
`
`
`
`
`
`
`
→洗濯石けんは固形石けんが主流だったが、「水に溶けやすい」
をキャッチフレーズに
粉石けんで経営基盤を築く。
昭和初期の製品
出所:エスケー石鹸㈱HP http://www.sksoap.co.jp/
3
4
エスケー石鹸の変遷
-戦時統制下-
エスケー石鹸の変遷
-復興期から1970年頃まで-
1949年 ヱスケー油脂工場に改称
1923年 ヱスケー石鹸を設立
1969年 川口市に工場を移転。ヱスケー油脂工場とヱスケー石鹸
を統合
1972年 家庭用粉石けんの製造を再開
`
`
1940年 米穀より食用油を精製し、石けん原料を抽出する油脂製
造法を考案
`
→戦時下での統制経済と戦後の石けん配給制・油脂製品価格統
制により同社の操業は停滞。
`
`
→復興期を経て、同社の生産量は上昇するが、高度成長期に洗濯
機が普及すると合成洗剤が主流に。家庭用粉石けんの需要が減
退、クリーニング店向けの販売に軸足を移した。
→公害が社会問題化するなか、「合成洗剤追放運動」が起こり、
1972年に家庭用粉石けんの販売を再開。生協などで販売。
5
6
29
エスケー石鹸の変遷
-OEMと製品の多様化-
エスケー石鹸の変遷
-OEMと製品の多様化-
1973年 大手メーカーのOEMを開始。以降、台所用石けん、シャ
ンプーなどの液体石けんも開発、製造。
1981年 「中和法」を粉石けんの製造に取り入れる。
1983年 歯みがき工場を新設。「自然派ハミガキ」を開発。
1984年 「学校給食用石けん」シリーズの販売開始。
`
`
`
`
1984年 「学校給食用石けん」シリーズの販売開始。
1988年 化粧品工場を設置
1989年 コンパクト粉石けん「高密度粉石鹸」の開発
`
`
`
→高度成長を経て、浴用石けんの他、手洗い用、シャンプーなど
の身体用石けんが現れる。衣類用、食器・野菜用、住居用など
の品目で様々な品種が供給されるようになる。
→同社は、OEMを契機に液体洗剤、シャンプー、歯磨きなどへと
生産品目を拡大した。
1980年代初めの製品
出所:エスケー石鹸㈱HP
http://www.sksoap.co.jp/
7
8
エスケー石鹸の変遷
-環境配慮と自社ブランドの展開-
エスケー石鹸の変遷7
-環境配慮と自社ブランドの展開-
2001年 「URUOi」シリーズの販売開始
2002年 「SiTORI」シリーズの販売開始
2002年 化粧石けんグレードのリサイクル石けんの製造に成功
`
`
`
`
`
`
`
「URUOi」シリーズ
業務用廃食用油リサイクルせっけん
シリーズ
出所:エスケー石鹸㈱HP
http://www.sksoap.co.jp/
出所:エスケー石鹸㈱HP
http://www.sksoap.co.jp/
9
10
エスケー石鹸の変遷
-環境配慮と自社ブランドの展開-
`
`
2003年 ISO14001の認証を取得
2005年 ISO9001の認証を取得
2006年 「うるおい」、「すっきり」、「しっとり」、「オーラルケア」など自
社ブランド製品の製法を「中和法」に切替え、リニューアル
2007年 業務用廃食用油リサイクル石けんシリーズの販売開始
事業継続の要因
-市場、業界内の競争の観点から-
2011年 環境省のエコアクション21の認証を取得
2012年 廃食用油リサイクル石けんシリーズでエコマークを取得
→製薬会社からOEMの引合いがあった際、衛生面で難色を示さ
れ、これを教訓に衛生面を大幅に改善。
→ISO9001も取得し、品質重視の姿勢を示す。環境面では
ISO14001を取得、エコアクション21の認証も取得。
11
`
①明治期に創業した石けん問屋が大手メーカーに発展するなか、
固形石けんが主流であるにもかかわらず、機能性に優れた粉石け
んでスタートして経営基盤を築いた。
`
②偶然性の強い要因ではあるが、公害が社会問題化するなかで、
有害物質の少ない粉石けんが再度注目された。
`
③石けん・洗剤の多品目化・多品種化に対応して生産品目を拡げ
ている。これは生産能力に限りがあり、規模の経済性よりもむし
ろ範囲の経済性によって効率性を高められる中小メーカーの強み
を活かすことになった。
12
30
事業継続の要因
-市場、業界内の競争の観点から-
`
④多品目化・多品種化への対応とともに、自社ブランドや自社流
通経路にこだわらず、大手メーカーのOEM生産にも取り組み、売
上の基盤を築いている。
`
⑤生産品目の拡大とOEM生産を契機に、製品技術と製造技術の両
面で向上に努めている。設備投資にも前向きで、多品種にわたる
製品を高品質な石けん・洗剤の開発と供給を可能にしている。
`
⑥技術進歩を梃子に、時代の要請にあった製品を自社ブランドと
して製造販売している。自社ブランドは、技術力と示すとともに、
地球環境に配慮した同社の企業理念をアピールしている。
事業継続の要因
-経営者一族の価値観の観点から-
13
`
エスケー石鹸の経営と所有は、4代にわたって、血縁を通じて継
承されてきた。
`
経営者一族にとって、石けん・洗剤の製造は家業であり、代々、
個人資産を賭して経営環境の変化に対応してきた。そして漸進的
ではあるが、進歩を遂げてきた。
`
事業を継続してきた背景には、石けん・洗剤製造が社会にとって
有用な行為であるとする価値観、石けん・洗剤製造に真摯に取り
組むとする規範を受け継いできたことがある。
`
この価値観や規範によって、代々、家業維持・発展への意欲を駆
り立て実践したことが同社の継続の要因であると考えられる。
14
31
美容学校生・美容師のキャリア形成意識が美容業界に与える影響
―
日中韓台の実態の比較研究
―
桜美林大学大学院
博士課程
蓑地章子
1.問題意識
近年、雇用不安などの社会背景からキャリアに対する注目が増え、学生としても社会人
としても早期に目的や目標を打ち出す事が求められ、キャリアの明確化が重要視されてい
る。雇用の縮小などにより進路の選択肢を広める傾向がある一方で、目標・目的の設定の
具体化が妨げられている。このような状況の中で、より学習の質を高め、キャリアを極め
るための動機づけとなるキャリア教育の不足(またはキャリア教育の質の向上)が課題で
あるが、それは美容師や美容学校生においても同様である。
例えば、日本の美容業界においては美容師の離職率の高さや社会的地位の低さが積年の
課題となっているが、キャリア形成意識という視点からもその理由の一端を説明できよう。
そしてこのような美容業界における問題点への根本的な部分からのアプローチは人を資源
とするサービス業において重要な視点であると考える。
そこで本研究では、更に美容師と美容学校生のキャリア形成意識について日中韓台の4
ヵ国でアンケート調査を行い、その実態を明らかにすることでそれぞれの美容業界に与え
ている影響を探る。そして互いに課題を見出すことで今後のアジアの美容業界の発展への
第一歩としたい。
2.日本における美容業界のキャリア教育の現状
美容師は国家資格であり、「美容師法」という法律によって、その職務や資格要件が
定められている。これらの資格を得るためには、国家試験に合格しなければならない。
また、国家試験の受験資格を得るために、美容師の場合は美容学校で学ぶ必要がある。
美容学校ではキャリア教育に関連する科目としては「運営管理」がある。国家試験には
含まれないが必修科目であり、接客からサロン経営の基礎まで幅広く学習する。その他、
就職試験対策やサロン就職説明会等の学校独自の科目やイベント等でキャリアについ
て学習する機会がある。
美容師としてはサロンごとに独自の社員教育システムが存在する。通常、スタイリス
トデビューするまでは最低でも3年、平均して4~5年はかかる。社内・社外共にさま
ざまな種類の研修があり、勉強会、講習会、メーカー研修から自社アカデミーを持つも
のまで多岐に渡る。内容も最近は技術に関するもの以外にも一般教養やコミュニケーシ
ョン、マネジメントにまで広がりを見せている。
32
3.日中韓台におけるキャリア形成意識アンケート調査
(1)対象とした国と地域
下記の国や地域の美容学校生・美容師を対象にペーパーアンケートを行った。
(美容学校生)
国
日本
中国
韓国
台湾
(美容師)
国
日本
中国
韓国
台湾
地域
(東京)
(山梨)
(長野)
(三重)
(大阪)
(宮崎)
(北京)
(ソウル)
(新竹)
地域
(東京)
(北京)
(ソウル)
(台北)
(2)キャリア形成意識アンケート調査の結果
特に各国の回答に特徴が見られたいくつかの主要な質問項目について以下の視点からま
とめる。(概要においては美容学校生に対するアンケートの一部の結果を紹介)
A-1:制度的要因
(美容学校生)
国によってそれぞれに定められた法や行政の仕組みなどに基づき、学校制度や資格試験
制度が異なるため、当然のそれぞれの国の制度による影響を受けた質問項目も存在する。
例としては、
「現在の学校に決めた理由」では中国は「雰囲気が良いから」、「友達、先輩の
薦め」、「国家試験の合格率が高い」がトップ 3 である。韓国は「就職に有利そう」だけで
50%を超えている。台湾は「友達、先輩の薦め」、「美容師以外に資格が取れる」、「家が近
い」がトップ 3 である。日本は「国家試験の合格率が高いから」が 1 位で、「雰囲気が良い
から」、「家が近いから」の順になっている。これらは文化的な要因も多少は関係するが、
国家試験自体の存在の有無が大きく影響している。
A-2:文化的要因
(美容学校生)
国独自の文化や国民性から回答が分かれる「どのような美容師になりたいか」では、そ
れぞれ中国は「稼げる(3)」→「信頼される(5)」→「上手い(1)
」、韓国は「上手い
(1)」→「稼げる(3)
」→「有名な(2)」、台湾は「上手い(1)」→「稼げる(3)」
→「楽しく仕事(7)」
、日本は「信頼される(5)」→「楽しく仕事(7)」→「必要とさ
れる(4)」
、
「いつも笑顔(8)」の順であった。
他にも、
「美容学校の情報を何で知ったか」では韓国はインターネットが 61%で圧倒的に
33
多かった。
B:キャリア形成意識への積極性
(美容学校生)
「今後の自身のキャリアに関する展望はあるか」では日本は東京以外の地域は 50%を切
っているのに対し、中国・韓国・台湾はいずれも 50%を超えている。
「展望がある」と答え
た者のうち、5年後の展望は中国では「店長またはオーナー」「トレーナーやインストラク
ター」をイメージしているのに対し、その他の国と地域では「スタイリスト」と回答して
いる。10 年後の展望となるとどの国においても半数近く以上が、店長・オーナークラスと
いう展望を持っている一方で、美容師の仕事をしていないと回答する者も日本各地と台湾
ではいた。
(美容師)
美容師を対象に、同様の「今後の自身のキャリアに関する展望はあるか」という質問に
中国が約 8 割の人が「ある」としている。韓国、台湾、日本は半数前後の人が「ある」と
しているが、逆に 4 割強が「ない、または、わからない」としている。
4.キャリア形成意識アンケート調査からみた各美容業界への影響と課題
各国の美容業界の実態をキャリア形成意識アンケート調査から、各美容業界における影
響と課題を以下のように考察する。
(1)キャリア形成に対する意識
典型的な労働集約型である美容業において全体的にキャリアに対する意識が欠如してい
るという事自体も問題であるが、美容市場の動向を見ると、中国における美髪・美容市場
の伸びは、一時ほどではないにせよ現在も大きい。そういう成長の中では自身のキャリア
展望も総合的には明るく見えるはずである。それに対して、日本の美容市場は、横ばい状
態で今後も単独領域として大きな成長は望みにくい。韓国も同様の動向が見られる。そう
いう状況の下では、強い・明るいマインドを持ちにくいし、社会的な不安に押されて焦燥
感から起こしたアクションは本当の意味での“キャリアへの積極性のある行動”であると
はいえないだろう。美容学校生・美容師のどちらの視点に立っても質のあるキャリア形成
への意識を生むことが第一歩である。
しかし、ヘア(美容)だけでなく、エステ、ネイル、まつげエクステ、ブライダル、フ
ァッションにまで拡張して考えれば、そのプロセスにおいて従来的技術の実質的な市場を
拡大する道は開かれているし、ヘア、メイク、エステ領域についても、新しいサービス市
場を創造できる余地がいくらでもあると考えられる。
そういう中で、このような回答結果の現状があり、加えて「キャリアアップの展望がな
い」理由の第一として「キャリアアップの姿が見えない」があった。この姿を見せるには、
人材として身につけていくべきスキル・知識を具体的かつ体系的に示す必要がある。トー
タルビューティとしての美容業界、美容サービス業界の明るい未来を実現可能な印象をも
34
って示していけるかが、マクロ的に見ればこれが第一の課題であると感じざるを得ない。
(2)美容学校教育制度とキャリア教育
日本の美容市場としての成長がほぼ横ばいを続ける中で、美容学校生の自発的なキャ
リア形成とモチベーションの持続において美容学校でのキャリア教育としてのサポートが
必要不可欠である。また、日本の美容業界の課題となっている美容師の社会的地位の低さ
の原因として美容師の経営能力の欠如が挙げられるが、学校制度としてカリキュラムに経
営能力の育成につながる科目の設定も重要である。日本においては、
「2.日本における美
容業界のキャリア教育の現状」で述べたとおり国家試験制度が日本の美容技術の質保証と
なり美容業界を支える柱となっている。そして、更に経営に関連する科目として「運営管
理」が必修として存在するが、「経営能力の向上」として見ると内容は必要最低限のレベル
である。その点、中国においては「職業基礎科目」として「サロン店内業務運営(必修)」
「サロンのマーケティング企画とコミュニケーションテクニック(選択)」
、
「商業素養科目」
として「キャリア開発と就職指導(必修)」など、経営に関する科目は豊富で、さらに専門
的である。韓国においては2年生で就職対策に関する授業が多い点は日本と同様であるが、
経営科目よりは技術に重点を置いたカリキュラム設定であり、キャリア形成意識の視点か
ら美容業界を盛り上げるための人材育成としてのキャリアサポートの工夫が必要である。
(3)社員教育とキャリアアップ
日本においても様々な社員教育システムが存在するが、中国や台湾では規模の大きさに
より社員教育システム確立に大きな格差が生じている。特に中国では師弟制度が今も多く
残っており、そこでは資格も必要としていない。また、具体的にどのようにキャリアアッ
プしたらよいか、美容師に対して「キャリアアップするための方法」を尋ねると、「研修」
に対するニーズが大きいこともアンケートの調査結果は物語っている。メーカーやディー
ラーは美容サロン等のニーズに合わせて実にさまざまなセミナーやイベントを実施してい
る。そのラインアップを見ると、明らかにスキルアップに役立つ内容のものは多い。もし
身の回りで、役立つセミナーが比較的手軽に受けられ、かつ、それらのセミナーがもつキ
ャリア・パス上の位置づけが明確で、実際参加率が高いのであれば、キャリアに対しても
っと明るい展望が開けてくるだろう。研修の指針となるスキル・技術体系を構築する、セ
ミナー等の情報を一元管理してわかりやすいように再発信できるようなシステムが必要で
ある。
(4)国民性による違い
「3.日中韓台におけるキャリア形成意識アンケート調査」の「どのような美容師にな
りたいか」の一例の結果のように、それぞれの国における各種人材育成プログラムの優先
度は変わってくる。スキル体系・知識体系などに基づいたキャリア・アセスメントの仕組
み構築なども、それをアジア標準としていくには、このような国民性の違いをどのように
乗り越えたらよいか、大きな課題であるといえる。
35
議題大綱
ƒ S KING品牌發展策略
ƒ S KING創新經營模式分享
台灣美髮業創新經營
S KING ACADEMY, TAIWAN
2014/09/12
2
S KING品牌
負責人
總管理處
專注專業,更專注對生活的熱情
品牌總監
營運總監
技術總監
教育總監
行政總監
Hair Salon
3
Not only Hair, but also Life.
不只提供髮型。
我們不只提供髮型
更讓顧客體驗WOW的美髮經驗
進而影響其生活態度與方式
使更多人感受生活的美好、創造更多自信的微笑
並協助員工達成
個人事業與生活的平衡、擁有有品質的好生活
5
6
36
From Hair salon to Academy.
S KING organization chart
除了沙龍,我們也成立學院 。
S KING組織
S KING品牌
負責人
生活上的
改變
顧客需求
顧客上沙龍
除了髮型還要什麼?
S KING
生活學院
變美的方法/生活體驗
總管理處
營運總監
誕生
技術總監
教育總監
行政總監
品牌總監
行政總監
品牌總監
Academy
Hair Salon
7
What can we do for hair designers?
S KING organization chart
我們可以為台灣髮型設計師做些什麼?
S KING組織
S KING品牌
負責人
髮型設計師
總管理處
顧客
提案!
營運總監
技術總監
教育總監
Academy
Hair Salon
Marketing
9
From Hair to Nail.
S KING organization chart
顧客需求在改變,我們也要變
S KING組織
S KING品牌
負責人
顧客重視
整體形象
總管理處
美髮+美甲
營運總監
Hair Salon
11
37
技術總監
教育總監
Academy
行政總監
Marketing
品牌總監
Nail
Our Positioning strategy & Service
S KING學院市場定位與服務項目
台灣唯一以經管為主的美髮學院
全台灣各區域NO.1沙龍指定顧問
生活
美髮
消費者
品牌
(上班族)
生活體驗課程
美力相關課程
職場進修課程
+
品牌經營
經管輔導
國際交流
廠商
案例分享
整合性課程
連鎖體系
大眾班課程/管理處輔導
70%
20%
10%
13
14
15
16
17
18
38
19
20
Our key success factors
成功創新經營的關鍵
21
Before
Now
技術
經營管理
管理
市場行銷
經營
技術
22
THANK YOU !
23
39
中国90年代至今的美发行业发展概论
中国现代美发行业
前言:
任何一个行业的发展,都离不开整个社会环境的影响。中
国美容美发业的发展,从人民基本的生理需求到精神面貌
需求,再到时尚和个性需求。这一切皆因改革开放带来国
家富强,人民生活水平提高,随着自信心的增强,对美的
事物追求也就逐渐增强。
下面我们大致讲讲中国近30年美容美发业的发展,因为在
这之前,美和时尚还是极少数有消费力和审美情趣的人的
追求,更加没有形成产业化的规模。
发展概论
Andy
尚生国
2014 . 9 .13.
1
2
中国美发行业在不同时期
1979年-1989年美发行业特点
(技术、教育、经营管理) 的变化
年代
行业特点
技术
教育
经营
管理
90年代之前
落地开花
品牌孕育期
×
×
×
1989-1999
注重技术
品牌出现期
○
△
△
1999-2009
连锁模式
品牌扩张期
◎
○
○
2009-至今
优胜劣汰
品牌成长期
◎
◎
◎
×没有期
△ 薄弱期
1979年-1989年
○ 开始期
随着中国改革开放的进行,私营美发业主开始大量涌现,
主要由国营美发店垄断的市场格局被打破。
国营店代表有:
上海华安美发厅、上海南京美发厅、北京四联美发厅
◎
3 重视期
4
1979年-1989年发廊特点表现
国营店代表
‹ 规模小
1)一般在社区
2)面积小于20平方米
‹ 传统手工业
1)没有形成商业化
2)没有与时尚接轨
‹ 项目单一
1932年创办国营至今
1)男理发、吹风、修面
2)女理发、烫发、冷烫、
‹ 技能比较差
1)师傅带徒弟、口头传授
2)边做客人边学习
‹ 无细节管理、服务意识淡泊
1)职务分工不细化
2)从业者年龄普遍偏大
3)大锅饭、固定工资,无奖励和绩效
6 05年私有化
1926年创办
5
40
1989年-1999年美发行业特点
追星、国外品牌等对中国美发的影响
这一时期的中国美发开始了第一次转型期(品牌孕育期)。
随着改革开放的开始,经济开始繁荣。外来文化对大陆的影响渐渐显现
出来,比如对港台明星的追捧和形象克隆,以及欧美美发品牌进入中国。
人们从原来的生理需求转向时尚需求。随着人们对美的追求变高、对
美发的需求变多、发廊对自身提高也重视起来,逐步有了品牌意识。
7
8
1989年-1999年发廊特点表现
在欧美品牌进入中国美发专业线和日化线的大环境下
1) 专业产品:威娜、欧莱雅、黑人头。
2)专业学院:标榜、沙宣、托尼•盖。
‡ 沙龙里开始有了教育、并在国外品牌的影响下逐步系统化。
‡ 沙龙面积变大,沙龙项目增多、收费标准增高。
‡ 初步有了连锁经营以及美容美发综合店的雏形。 (单笔现金交易转向
充值卡)
‡ 美发已经不仅是谋生手段、有了品牌意识
9
1999年-2009年美发行业特点
这一时期中国美发进入第二次转型期(品牌扩张)。
中国经济快速增长,发廊进入扩张期。出现连锁店和综合店,卖预售
卡、
快速回笼资金、投资开店,形成滚雪球模式。
随着大量扩张,发廊改变经营模式、对消费者的消费模式产生影响(售
卡),连锁店开始做自己的后台系统,对顾客、产品、教育以及品牌文化
进行管理。
发廊为了获取更多客人、赚取更多利润,开始注重营销。从原来的等
客
人到主动出击,在追求技术成长的同时、开始卖发型、推销项目,这一时
期的日韩发型大行其道。
12
41
综合店/连锁店
1999年-2009年发廊特点表现
‡ 市场容量和需求扩大、员工数量急增、沙龙进入膨胀期
‡ 综合店迅速扩张、对专业美发店造成威胁
‡ 教育出现技术培训和销售技巧培训
‡ 因为急速的扩张经营,这一时期的中国美发处于混乱状态
1)打价格战
2)为了降低成本使用廉价产品
3)经营项目繁杂:美发沙龙里面有美容、养生、足浴..
4)大量售卡、快速回笼资金而扩张开店,使资金利用不合理而导致负债经营。
迅速达到全国1000多家连锁店
13
14
2009年-至今的行业特点
1999年-2009年美发行业另一个特点
这一时期美发店的另一个特点:开始逐渐分化出优质品牌
●在急速扩张的浪潮中、出现不随波逐流,专注做品牌、企
业文化、形象和技术的专业美发沙龙。
●冷静分析市场、摸索自己的企业定位,思考企业长远发展
的经营方法。
●用诚信、有品质的服务、扎实的技术来获得顾客的信赖。
●开始尝试利用互联网帮助,拓展业务范围,初步取得成效。
这一时期为中国美发行业的第三次转型(优胜劣汰期)
中国经济出现下滑,贫富悬殊明显。顾客消费观念趋于成熟,促使沙龙
专业化、细分化,进入到品质时期,一些未能及时转型的综合连锁出现
萎缩。日本专业美发品和技术培训进入中国,同时带动对服务细节的关
注。部分沙龙利用互联网的发展,开始加强网络营销策略,并取得成效。
受到少子化影响,沙龙缺少新生力量,导致工资上涨,同时房租和社保
持续上涨,沙龙经营面临挑战。
15
16
2009年-至今的发廊特点表现
‡ 技术要求因人而异的量身定制的发型设计。
‡ 沙龙注重环境与品牌定位一致,装修由富丽堂皇转向简约低调的奢华。
‡ 注重网络营销、利用社交平台招揽客户。
‡ 出现多品牌经营和集团化经营,由管理公司统一管理。
‡ 中国专业美发品市场占有率增强,产品品质得到认可,品牌形象和教育深入
人心。
‡ 中国美发教育品牌趋于成熟,发型师普遍开始接受各美发机构的短期技术培
训。
‡ 数字化管理时代来临,通过应用财务软件,经营者开始更理性的管理客户和
员工。
2014/9/10
42
20
参考:北京美发机构
每年约5%
的中级美
发厅升入
高级
每年约
5%美发
厅面临倒
闭
参考:中国美发机构
构成图
特高级发廊约100家
剪发价格180元以上
每年中级
发廊约
5%进入
高级
高级发廊约1000家
剪发价格100元以上
中级发廊约1.5万家
剪发价格35~100元
每年约
5%左右
的发廊倒
闭
普通发廊约1万家
剪发价格20-30元
21
构成图
特高级发廊约2万
剪发价格180元以上
高级发廊约10万家
剪发价格100元以上
中级发廊约80万家
剪发价格35~100元
普通发廊约56万家
剪发价格20-30元
22
2013年中国美发专业品牌市场份额
2008-2013年的复合增长率为5.2%。专业线美发
市场总量仍在增长,但是增速较2012略有下降,主要
源于国内整体经济形势的下滑所致。一线品牌增长低
于预期,二线品牌或与上年持平或下滑,流通品牌略
有上升。
23
43
结语:
2013年专业线美发
市场规模为50.6亿人民币。
由目前美容美发产业概况分析,这是一个竞争成长型产
业。由于中国是超级人口大国,而美容美发又属于不可替
代的朝阳产业,随着新生代逐渐融入社会,他们的审美情
趣和消费意识超前,必然会带来更为广阔的发展空间。
中国美业人有较强的危机感。他们始终坚持学习,不仅
仅是强化技术进步,还在服务精神、品质管理上要求进步。
相信通过更多的学习交流,在其他国家的精英前辈的帮助
下,创造更加美好的未来。
2013年美发沙龙数
量约为150万家(含综合店),
比2012年略有上升。高端沙龙
受影响较小,数量持续增长。
26
Thanks a lot!
27
44
品牌定位思维在美业中的应用
王学明
(上海明之镜室内设计有限公司,中国上海,200433)
【主旨】:针对美业运营过程中普遍对品牌定位思维的缺失,本文旨在通过对品牌定位的相关概念的阐释,以
及品牌定位思维在美业中应用的意义和方法做基础的说明,以期望品牌定位的思维能在美业中合理的运用。
【关键词】:品牌定位;美业;装饰设计
The Application of Brand Positioning Thinking in the Beauty Industry
John wang
(shanghai bright mirror interior design,shanghai ,200433,china)
Abstract:To fill the blank of brand positioning thinking in the beauty industry
operations, this article interprets the related concepts of brand positioning and
outlines the significance and specific ways of the application of brand positioning
thinking in the beauty industry, with a view to helping the brand positioning thinking
get used wisely in the beauty industry.
Key words: brand positioning; beauty industry; interior design
一:品牌定位思维在美业商户中应用的现状
当今世界是一个传播过度的社会,产品激增,竞争残酷,消费者面临太多的信息和选择,
企业唯有让自己的品牌进入消费者的心智并占据一个独特的差异化定位,才能赢得顾客。从根
本上说,企业经营的目的是为了创造顾客,缺乏定位的运营活动将停留于产品经营,难以打造
出品牌而有效赢得顾客。品牌是竞争的基本单位,实现品牌打造需要以明确的市场竞争定位为
前提。
美业是一个人力服务行业,对服务过程中的技术,质量以及对美理解上的能力都有着非常
高的要求。对技术的创新创造,以及对差异化的追求,企业人力资源的管理等等难题,都使得
我们的企业几乎把全部的精力都放在“店务管理”上,对“品牌管理”的理解要么做的很肤浅,
要不因为企业店面数量很少,而不愿意投入精力和资金去做,大多数小的企业主都会认为“我
们店面少,我一个人能监控的过来”
,而大的企业主,却又很容易流入到“伪定位”的层面上来,
不够系统,以及落地性不够。
虽然,已经有很多的美业品牌在市场竞争中非常关注 “定位”,但是企业眼中的“定位”
是不是真正意义上的定位,我们对此还需有所保留,现在有一个普遍的误区:脱离了心智这个
基础来谈定位,会产生大量的伪定位。定位是确立品牌在心智中的位置,这个位置切实存在于
心智,并且可以影响消费者购买行为,而不是抽象的形象。
45
在中国,目前是90%的企业是处于品牌建设的初期,或者说是没有开始,他们目前依然处在
原始的靠“店务管理”来取得收益的阶段,很多的企业甚至都没有考虑过品牌战略的规划,因
此而导致的问题也比较突出,大致分为以下几类:
1:员工流失:因为没有做过品牌战略规划,因此导致员工对企业发展的未来,以及员工自
身对在企业的发展预期不明确,从而会导致优秀员工看不到自己的未来而产生的流失问题。
2:凝聚力不强:不清定位,员工对企业的关系,因为感受不到太多明确的方向,而导致成
为一种明确的劳资或者劳务关系,这是一种最脆弱的联系性,也使企业的凝聚力不够强。
3:同质化现象突出:市场激烈的竞争同样反应在企业自身有没有自己的坚持和差异化。没
有定位会导致企业的竞争对抗性因为自身的同质化现象比较严重而成倍的增长。
4:市场风险加大:企业对于市场预期的判断,也会因为缺少定位思维而没有足够的预判,
对市场的评估很多是取决于一个个人的理解行为。
5:没有特别明确努力的方向:企业的发展是需要坚守自己制定的战略规划。在不清楚历史,
现在,而又不花精力去判断未来,企业所追求的方向就会变的模糊。
综上所述,美业对于品牌建设,尤其是品牌定位思维在行业中的运用重视程度是非常不够。
企业不论大小,能做出自己的特色,塑造自有的个性,给企业自身塑造符合且独特的个性及包
装,能为后期的营销及企业发展做好基础,这就是我们所需要品牌定位思维的开始。
二:品牌定位思维在美业中应用的价值
2.1:界定产品定位,品牌定位及市场定位的概念
为了方便我们在美业中对于品牌定位思维的落地,我们首先需要针对市场上大量的因为概
念不够清晰,而导致的定位思维混乱而做以下概述:
在里斯&特劳特所著的《定位》一书中,可以找到这样的定义与理解:定位是对预期客户要
做的事,这件事大意是指要确保在预期客户的头脑里占据一个位置。而从科特勒&泰勒
所合著《营销管理》(第 12 版)上,关于定位的定义如下:对公司的供应品和形象进行设计,
从而使其能在目标顾客心目中占有一个独特的位置的行动。两者基本相同,只不过前者的思考
出发点是从传播开始的,而后者明显更侧重在营销的各方面,包括战略、战术和传播等个层面。
所以“定位”这个概念,本身是针对所面对的对象心理层面而言的,并不是针对实施定位的主
体。不管哪种定义都可以让我们沿着一个阶梯走开去,产生出许许多多运用了定位方式、方法
与技巧的心理占位的行动。
而当我们脱口而出讲到所谓的产品定位、品牌定位或者企业定位、市场定位、价值定位、
城市定位甚至人生定位等等概念及词句时,认知上不应该拘泥在“定位”这个单词上从而产生
概念混淆,所有的这些都是在运用了“定位”这个工具或者讲技巧之上的一种人为创造的细分
概念。因此使得“定位”如同“营销”这个单词所延伸出来的许多概念一样,有很多人尤其是
中国市场中很多的“理论家”们,整出许许多多的所谓绿色营销、1P 营销、概念营销、实战营
销等等名词,只不过都是在“营销”上面的一种再次细分而已。顺着这个思路下去我想应该就
比较好去归纳和理解,而基于“定位”上的一些模糊也可以得到一定的解答。
“定位”作为一种
方法,所谓的**定位或许有技术上的关联,但其本质是分属于你具体把“定位”去运用的再次
细分概念。
有了上面的共识,我们再来看“产品定位”、
“品牌定位”以及“市场定位”的区别,就
46
相对比较的简单和清晰了。当明确了“定位”之后,所有附加在“定位”这个单词之前的词语
才是造成概念区分的本体。因此如果要针对“产品定位”和“品牌定位”,或者再讲到“市场定
位”等概念时候,我们不妨把产品、品牌、市场这些词先拿出来解释,就会豁然开朗。当然这
几个词也是平常比较容易混淆的词语。其实就“产品定位”、“品牌定位”、“市场定位”三者而
言,除了从置于“定位”之前的词语来区分概念之外,把各个概念之间的“目标顾客”先界定
清楚,也是一个非常重要的步骤,也会更简化对上述三种概念的区分。
2.1.1、 市场定位:概念中的目标顾客到底是谁?是外部普通的消费者还是企业内部的相
关人员?这个问题首先必须得弄清楚。其实市场本身就是一个个消费者的族群集合体,因此在
“市场定位”的目标顾客或者讲服务对象上,主要还是以内部人员为主,因此“市场定位”是
一种为内部沟通服务的概念。主要的目的是为了让内部的策略制定者、参与者以及执行者包括
外脑(广司、媒体等)去了解、认知和共识的市场态势,包括:宏观市场环境,竞争对手的市
场特点、消费者有哪些细分形态及概貌、如何去选择目标市场、要设定怎样的策略等等一系列
的问题。在共识了市场资讯之后从而进行企业层面的、战略层面的定位。这个定位应该可以看
作为解决企业的整体策略上在选择目标市场后要“如何有效分配资源?”的问题的解答。在“市
场定位”上,我们自然而然的就常常会听到所谓的“领导者定位。
2.1.2、 产品定位:说到“产品定位”,其要解决的是“卖什么?”的问题。“产品定位”
这个概念的目标顾客对外是一个个的消费者而对内是企业内部所有涉及与产品相关联的人员
(包括研发、生产、sales、marketing、财务等)
。是做好“市场定位”之后的一种重要的营销
措施。因为“产品”这个概念的外延性很大且可关联的目标顾客也很宽泛,因此“产品定位”
的方法也非常多。“产品定位”仍然受“市场定位”的关联和影响。什么样的“市场定位”,导
引出的“产品定位”也不尽相同。
“产品定位”所涉及的产品利益、大小、价格、性别属性、包
装、颜色、名称、服务、通路、口味、用途、生活形态、效用、独特性、使用者以及各种竞争
产品之间的关系以及产品生命周期的策略点等都是可以单独加以定位并展开的。对外而言典型
的案例有:利益面——奔驰车庄重豪华;价格面——丰田车经济可靠;用途面——海尔滚筒洗衣机的
干洗;使用者面——强生婴儿洗发水同样适用柔性香波成年人;竞争——baidu 中文搜索等。透过如
上的“产品定位”,从而为共识制定的“市场定位”打造出适合的产品进行定位。除却对外的需
要,对内也有涉及到研发人员的产品研发、包装设计;生产人员对产品线的长度、宽度共识;
marketing 对产品 USP 的挖掘以及产品营销组合策略;sales 人员对通路的合理布建等等方面的
整合与指导共识。
2.1.3、 品牌定位:相对于“产品定位”,
“品牌定位”是偏重针对消费者这样一个目标顾客群
体的。因此不可避免最易与产品产生认识上的混淆。但本质上的不同在于,品牌是基于传播层
面才会有品牌存在的价值。当然这里面一定需要涉及到内部的相关人员,但那并不是主体,内
部人员只应在已定位的品牌原则下遵循其传播规则。因为“品牌定位”解决的是“如何与消费
者沟通或传播?”这样一个问题。但沟通或者讲传播的方式选择看似内部人员选择,实际严格
意义上讲完全是由目标顾客即消费者所决定的。透过品牌的识别管理系统,即:MI——品牌理念
识别;VI——品牌视觉识别;BI——品牌行为识别;SI——品牌销售识别等这类 CIS.依靠这套整体系
统去规范化及一致化的指导内部系统与外部目标顾客的沟通或者传播,而那些围绕着品牌的一
系列的管理要素,才是“品牌定位”与“产品定位”要解决的问题之不同之处。本质上就是围
绕着消费者如何记忆或者了解品牌的最愿意接受的要素去进行定位并传播。使得品牌在这样有
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规则的定位下,透过附含在其中的讯息的有效接收,使得消费者认知到品牌以下的讯息:1)品
牌之独一无二的特色;2)累积熟悉感减少购买前思考时间;3)品牌所代表的质量水准;4)产
生再次购买活动从而累计忠诚;5)品牌的相关联想。因此,在如上 5 点上,更印证了“品牌定
位”与“产品定位”是有完全形式上的不同。做好“品牌定位”就要探究好目标顾客如何接收
讯息,并运用合适的传播工具和方式去达到这个品牌定位的目的。当然在“品牌定位”上,一
定会涉及与“产品定位”的融合。比如“产品定位”中有关的营销策略一定需要与品牌整体系
统和传播紧紧的整合在一起,才能达到最终在经营上的成功。针对传播这一点,里斯&特劳特所
著的《定位》一书做了大篇幅的著述,如:品牌在定位上如何占据大脑第一层阶梯、如何进行
品牌名称的传播、如何在挖掘消费者的需求及欲望上进行品牌定位与传播等。而在传播方式选
择上,戴维阿克所著的品牌类著述也提供了很多建立品牌可采用的诸多传播技巧,如一个好的
品牌定位一定不是单一的广告就能达到的,可综合运用 PR、比如非广告的活动、赞助活动、社
团聚会等非广告的形式来建立。因此,
“品牌定位”可理解为是在“产品定位”确定之下的策略
面指导下的一种关于品牌专业的传播和传递的作业。
2.2:品牌定位的意义
2.2.1. 有助于潜在顾客记住企业所传达的信息
现代社会是信息社会,人们从睁开眼睛就开始面临信息的轰炸,消费者被信息围困。在这
个“感觉过量的时候,企业只有压缩信息,实施定位,为自己的产品塑造一个最能打动潜在顾
客心理的形象,才是其惟一明智的选择。品牌定位使潜在顾客能够对该品牌产生正确的认识,
进而产生品牌偏好和购买行动,它是企业信息成功通向潜在顾客心智的一条捷径。
2.2.2. 品牌定位的理论基础
品牌定位,是建立品牌形象的提供价值的行为,是要建立一个与目标市场相关的品牌形象
的过程和结果。品牌定位的提出和应用是有其理论基础的。
2.2.2.1 人们只看他们愿意看的事物
人们只看接受他们喜欢的事物,对于不喜欢的东西看得越多反而越感厌恶,不但没有美感,
反而更觉得丑陋。一个定位准确的品牌引导人们往好的、美的方面体会,反之,一个无名品牌,
人们往往觉得它有很多不如其他商品的特点。广告之所以是促销的有力武器,就在于他不断向
潜在顾客传达其所期望的奇迹和感觉。
2.2.2.2 人们排斥与其消费习惯不相等的事物
消费者在长期的购买、消费行为中往往形成了特定的好习惯。如有的人喜欢去大商场买服
装、家电,去超级市场购买日常用品、食品;而有人喜欢喝果汁,有人喜欢饮用可乐……消费
习惯具有惯性,一旦形成很难改变,需要企业付出巨大的努力。品牌定位有利于培养消费习惯,
提高顾客忠诚度。
2.2.2.3 人们对同种事物的记忆是有限度的
正如我们前面所讲到的,这是个信息超量的时代,产品种类多到前所未有的地步,然而人
们的记忆是有限的,很少有人能准确列出同类商品七个以上的品牌,人们往往能记住能是市场
上的“第一、第二”,在购买时首先想到也往往是某些知名品牌。
2.2.3. 品牌定位是市场营销发展的必然产物
任何企业都不可能为市场上的所有顾客提供所有产品或服务,而只能根据自己的具体情况
选择具有优势的细分市场,否则,就会处处兼顾、处处失败,处于被动境地。品牌定位作为市
48
场定位的核心,就是帮助企业确定最有吸引力的、可以提供有效服务的目标。。
三:品牌定位具体在美业中应用的体现
如前述,
“品牌定位”解决的是“如何与消费者沟通或传播?”这样一个问题。本质上就是
围绕着消费者如何记忆或者了解品牌的最愿意接受的要素去进行定位并传播。因此我们可以通
过以下七大定位分类体系来完善定位的要素:
3.1:产品定位;针对美业的产品策略,我们需要有更开阔的思维。除了我们常规外卖的产
品之外,对于我们服务的内容或者技术成果也需要通过某种形式去转化为产品体系。比如新推
出的“荧光接发”或者是针对于某一类客群而设计的发型,如“都市型男”发型系列等。通过
在确定的大的产品定位思路下,对我们产品核心策略,产品概念确定,产品卖点提炼,产品价
格策略,产品核心创作,产品终端应用设计等的细化和完善,来充实和更具落地性。
3.2:价值定位;价值定位需要解决两个问题:价值主张以及策略。价值主张是基于市场定
位和产品定位的,既表现为产品的一种策略体现,也表现为一张文化主张,价值观的理念。我
们的沙龙想定位于年轻时尚的青年人,所以我们可能会针对于这个市场定位而衍生出“我的发
型,我作主”
,或者“我型我秀”等鼓励年轻人去尝试不同发型的价值理念等。
3.3:市场目标定位;有了明确的市场定位后,我们需要继续深化市场目标定位。同时更进
一步确立我们进入目标市场的方式:可以是集中进入,有选择的专门化,专门化进入,无差异
化进入,差异化进入等等不同的方式来体现。当然从企业战略规划的角度来说,也有类似品质
单店,稳扎稳打;关注品牌系统建设,以连锁化的方式出击等等不同的进入方式。
3.4:情感定位;是指运用产品直接或间接地冲击消费者的情感体验而进行定位,用恰当的
情感唤起消费者内心深处的认同和共鸣,适应和改变消费者的心理。在常规的产品属性定位的
基础上赋予品牌情感,培养品牌的个性,从而延长产品的生命周期。同时,个性鲜明的品牌将
脱离所代表的产品的生命周期的限制,获得持久的生命力。一个店铺的技术和服务,已经有了
最原始的情感表现,如果我们从一开始就对情感表现做好理想化的预期,我们美业的品牌就有
了更为清晰的发展路线图。
3.5:消费定位;常见的消费动机有价值、规范、习惯、身份、情感等几种。根据杰克·特劳
特的定位理论,有人把消费者的消费动机称为消费者心理定位。相应地,消费者心理定位也就
有价值心理、规范心理、习惯心理、身份心理、情感心理等。充分的理解和分析客户的消费心
理,是消费定位的基础。在中国的美业,有大量卖储值卡销售的品牌,也有只卖会员打折卡(不
充值的卡)的品牌,这些品牌的区别就取决于它们不同的经营模式以及对客户消费定位的判断。
3.6:竞争定位;对于竞争定位,我们需要先了解竞争对手的诉求,市场接受程度,竞争差
异性以及自身公司内部资源的允许条件而展开。
3.7:形象定位。从品牌形象的塑造的角度考虑,每一个企业在做广告时,都应该认真想一
想以下几个问题:
a:我们究竟想塑造一个什么样的品牌形象?
定的方向在努力地耕耘?
b:我们是否正在朝着既
c :我们是否了解消费者对我们品牌形象的观感和印象?
d:今
年的广告与去年、前年的广告之间有没有连续性?我们的品牌形象是否保持一贯? e 如果从品
牌形象的观点去检讨一下,我们的企业形象与品牌的形象是否一致?有没有可能发生冲突?同
时透过品牌的识别管理系统,即:MI——品牌理念识别;VI——品牌视觉识别;BI——品牌行为识别;
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SI——品牌销售识别等这类 CIS.依靠这套整体系统去规范化及一致化的指导内部系统与外部目标
顾客的沟通或者传播,而那些围绕着品牌的一系列的管理要素,是我们需要靠形象定位来完成。
这个部分同时也包含着品牌形象,品牌个性,品牌诉求以及产品特性等品牌内容的构建过程。
理解了以上定位的分类,我们就可以有更清晰的思路来深化各种品牌传播的渠道,让美业
品牌的形象与目标市场产生纽带,是塑造美业品牌个性化非常重要的途径,是占领市场的前提,
是传播的基础。所以美业店铺除了在做常规的店务管理的同时,如何确立更为明确的品牌定位
是美业品牌往体系化,成熟化方向非常重要的一环。
至于相关的品牌定位的策略和方法本文不做重点表述。
四:案例的结合与展示
在中国的美容美发业以中小型店占主流,其中 50 平方米以下的小型美容美发店占总量的
65.04%;50—100 平方米的中小型美容美发店占总量的 24.12%;100 平方米以上美容美发店仅占
)而在南京的高端美发沙龙这个板
总量的 10.84%。(《中国美容美发行业市场调研报告 2013 年》
块,一共有十几家企业,他们坚守着美发人对于事业的坚持。在这十几家企业里,他们的品牌
定位大部分是在运营过程中的理解和思考中,无意识的形成了适合自己品牌发展的一种松散而
零碎化的定位。这种完全基于市场需求而产生,一方面体现出了很强的实用性,但同时也会因
为没有系统性的思考,而导致差异化定位的不清晰,对企业中长期发展战略规划的不定性等问
题。南京美界造型沙龙连锁机构在南京市场乃至全
国范围内做出了非常有建设性的表率,以下部分,我们
简要的梳理一下 PHILOSOPHY&MAGI 时尚造型连锁公司
的品牌定位思维。
PHILOSOPHY&MAGI 时尚造型连锁公司是 PETER(吴
虹磊)先生【中国美发艺术家协会理事、美国 TIGI 中
国区形象大使、世界发型设计家协会(ICD)江苏分会
长】于 1999 年创办的集发型设计、整体造型、形象顾问、
时尚摄影等核心业务为一体的专业造型连锁机构。
PHILOSOPHY&MAGI 技术力量的高端连锁品牌,一直被业
界誉为“流行时尚的风向标”。 目前旗下的美界发型品
牌已成为国内颇具影响的高端时尚发型连锁机构,在业界
享有很高的声誉。
PHILOSOPHY&MAGI 时尚造型连锁公司采用的是多品
牌策略(Multi-Brand Strategy),根据各目标市场的不
同利益分别使用不同品牌的品牌决策策略。多个品牌能较
好地定位不同利益的细分市场,强调各品牌的特点,吸引
不同的消费者群体,从而占有较多的细分市场。
公司下属的品牌有: PHILOSOPHY 沙宣理念、MAGI
美界造型、Sopen Salon、美界美发学院(图 2)、美界时
50
(图 1):四大品牌的 LOGO
(图 2):美界美发学院教学
尚摄影(图 3)等五大独立的品牌机构,他们在坚持着统一的品牌核心价值理念的同时,针对于
每个品牌确立了不同的品牌定位。
4.1 公司的产品定位无论是有形层
级,核心层级还是附加值层级都做了相对
完善的规划。在有形层级层面,针
对于发型款式不断推陈出新,不断优化。
依托于美界美发学院,可以实时的制定发
型款式的品类创新和优化,同时制定发型
款式的竞争策略,他们可以从发型概念确
定,卖点提炼,价格策略制定,核心创作
以及终端应用设计方面做出系统性的规
划。在核心层级以及附加值方面通过大量
的公司化运作的模式来实现和落地。
4.2 公司的价值定位从公司创办初期
就非常明晰。他们以高度敏锐的时尚触觉
(图 3):美界视觉的作品(图片来源:网上下载)
、独特超凡的想象力,引领发型潮流的先行地位为己任,一直以近乎苛刻的要求来坚持艺术、
时尚、品位、及品质的追求。
4.3 目标市场定位明确:对艺术、时尚、品位、及品质有追求的中高端人群。在地理细分的
层面,通过公司下属分品牌各自的品牌定位来有所差异化的选择。(图 5,6,7,8,9,10)都
是针对于不同的地段以及不同的市场人群而专门定制的不同的店面形象和品牌定位。
4.4 情感定位是结合在公司营销企划部下来实现的,他们非常重视品牌美誉度,忠诚度,联
(图 4):各自品牌的微博页面(图片来源:互联网)
想度的建设,专门成立了品牌公共关系部来深化品牌的管理和传播过程。(图 4)是他们开通的
微博界面,不仅有公司的微博账号,每个品牌也都有自己独立的微博账号,通过这些微博账号,
营销企划部每天传递着大量的“定位”咨询,在保持品牌和客户不断互动的同时,既保持了品
51
牌的活跃程度,同时也把“情感定位”的要素很好的传递到消费人群之中,以取得更大程度的
品牌共鸣。
(图 5):sopen 造型水游城店(图片来源:互联网)
(图 6):sopen 造型北门桥店(图片来源:上海明之镜室内设计有限公司提供)
(图 7):沙宣理念德基一期店(图片来源:互联网)
(图 8):美界造型东方商城店(图片来源:上海明之镜室内设计有限公司提供)
52
(图 9):美界造型金陵饭店店(图片来源:上海明之镜室内设计有限公司提供)
(图 10):美界造型水游城店(图片来源:上海明之镜室内设计有限公司提供)
4.5 消费定位:针对不同地段和品牌,消费习惯和模式会有所不同,(图 7)沙宣理念德基
一期店是针对次高端时尚类客户,收费价位偏高,(图 8)美界东方商城店的人流量比较大,而
且地理位置相对突出,它主要是满足 18—38 岁年轻时尚的女性人群,价位不高。(图 9)美界造
型金陵饭店店由于人流量较少,区域内以高端办公楼客户为主,所以店内座位数量较少,消费
定位偏高。
(图 6)sopen 造型北门桥店(图 5)sopen 造型水游城店则完全针对个性化,有时尚
气息的年轻人,收费价位偏低。(图 10)美界造型水游城店的定位为中端客户,所以价位适中。
4.6 竞争定位:针对于引领发型潮流的先行地位
的诉求,创新和探索一直是他们保持自身竞争优势的
手段。进攻就是最好的防守,只有不断拉开和其他竞
争对手的差距才是真正意义上的竞争优势地位。在品
牌战略的层面,《美界视觉》以及《美界美发学院》
为其他品牌的店面提供制度和结构的竞争优势,他们
从侧面对店面的品牌提供着更为系统性的支持。
4.7 形象定位:通过定位反向来管理整个视觉形象的
建设过程。在任何他们对外出现的场合,都保持着一
致价值主张,以及品质和品味的高度。(图 11)是员
(图 11):员工服装(图片来源:微信)
工的着装要求。(图 12)是员工工作照。他们非常
重视 vi 和 si 系统的建设,通过这些系统的建设来
保持 PHILOSOPHY&MAGI 时尚造型连锁公司的形象
诉求。
(图 15)是品牌宣传画。
(图 5-10)则都是聘
(图 12):员工工作照(图片来源:互联网)
请专业的设计公司量身打造的店面形象设计。
PHILOSOPHY&MAGI 时尚造型连锁公司的特长是善于做资源整合以及品牌构建的工作,他们
下属品牌之间既是互相竞争的关系,同时也保持了非常好的支持和协同作用。他们通过对企业
定位的确立,然后不断完善市场定位,产品定位,到最后强化品牌定位。
(图 14):员工在各大
秀场的表演(图片来
源:互联网)
53
五:品牌定位思维在美业中的展望。
传统的沙龙品牌已经习惯于用传统美业人的思维去
考虑问题,当面对市场竞争更为复杂和多元的今天,我们
需要有跨界和融合的思维体系来思考着我们传统行业的
品牌建设的事情,这不仅是市场在未来所要求的素质之
一,同时也是我们美业人在把传统的美业去深化和更进一
步建设的需要。具备品牌定位的思维,是我们站在品牌建
设的角度来重新启航的必然之路,也是品牌可持续性发展
的必然之路。
我们期待着未来的美业,是大家都有着自己清晰的定
位思路,都能够在自我特色上表现的更自信和从容。未来
的美业竞争,也应该是在传统的店务管理基础上,沿着定
位思维来不断完善和建设品牌体系的竞争,是一种战略和
策略层面上的竞争;而不是单纯的直接为了暂时的生意逐
利的竞争方式。同时,在我们更能充分的去理解我们美业
品牌创办初期的想法时,尤其是从赚钱的角度还是
(图 15):宣传画之一(图片来源:互联网)
做事业的角度来考虑的时候,我们就能更理解我们的创业是需要如何去考虑品牌定位思维的运
用的。
未来美业品牌的竞争,一定是品牌定位思维的竞争。我们美业人需要用品牌定位的思维来
思考着美业品牌的事。
54
一、中國沙龍零售業的現狀及數據分析
1)中國美髮沙龍空間零售外賣比重低;
中國沙龍外賣利潤占沙龍整體利潤的 5%-15%
沙龍零售(产業)的多元化思路
2) 外賣零售單一,模式傳統;
沙龍主要外賣零售産品洗髮水、熱燙護理産品
3) 沙龍零售重視不夠,零售外賣培訓專業化弱;
4) 沙龍零售缺少色彩、多元化産品、創新性思維;
沙龍空間、設備、工具以黑白爲主,缺少色彩和創新産品
肯葳智造
5) 未來中國沙龍空間零售外賣潛力巨大。
全渠道零售、數字化時代沙龍空間、顧客互動與體驗式營銷
邱晓忠
二、中國沙龍消費者群體分析後的零售
産品多元化定位(數據分析詳見圖1-圖5)
美容美髮消費者年齡分佈
图1
美容美髮消費者學歷分佈
图3
1)20歲~40歲人群比例高。
(剛入職或奮鬥期、有家庭有孩子、時間少)
方便快捷的産品
2)美容美髮消費者多數是城市裏有固定職業的消費群體。
功能性
強的産品
3)受過高等教育,有一定的判斷能力
創新、吸引眼球的産品
4)中産階級占有很大比例
性價比高的産品
5)女性消費者占絕大比例
研發女性化産品
美容美髮消費者職業構成
图2
55
美容美髮消費者收入狀況分佈
沙龍零售男女比例分配
图4
案例分享:
為何發明設計多元化產品
專業美髪沙龍的零售产品
A 抓住顧客眼球(零售外賣産品上架,注重包裝、創新和質量,品牌其次,
CANWAY-CEO 創立于 2005 年,是一個活躍的美髪工具潮流創意
設計品牌,主要針對20-40歲中國女性在中國沙龍的巨大潛力零
售市場創新産品,品牌名稱代表著創作理念,C創造性
(Creative),E探索性(Explore),O原創性
(Original).CANWAY-CEO一直不斷的研發新産品,並把它融入
新穎獨特的設計中,曆年來申請了多項專利,並也將這些原創
設計帶到了國際市場,更深受各地美髪人士喜愛,我們的品牌
也擁有了更多的20-40歲中國女性潮流追隨者。
外賣産品需要抓人眼球的産品創新、設計和包裝,只有第一時間抓住
顧客的眼球,才可能有一個良好的外賣零售開始。);
B 幫助顧客(宅用也方便);
C 配合髮型師(使用方便快捷的工具在家裡也可以盡量復原髮型師的髮
型);
D 提高沙龍外賣、增強顧客粘度;
肯葳在做的事情—差異化
‹
图5
沙龍零售多元化
56
‹
做中國美業的發明家
相同是無趣
我選擇與衆不同
把簡單、趣味、實用、色彩的概念
帶入沙龍
改變顧客生活
創新發明
是一種思想
創新是一種勇氣
之所以能夠延續
因爲它會沖擊
是因爲本身具有巨大的生命力
並對傳統具體有挑戰性
創新 能讓産品更獨特
創新 能提升大衆品味
偉大的革新
提升沙龍零售業績
增加髮型師的工作樂趣
57
當不可能被精妙的創想推翻
這就是偉大的革新
58
歡迎參觀肯葳展廳
來享受新創意
‹
讓您知道好設計
給沙龍增添樂趣和色彩
獨家專利調淺配方
任意調淺您所需要的顏色
59
JUSTCOLOR
在數學界,因為眾多數學家夜以繼日的鑽研和考證,
才使每個公式都只有唯一的標準答案。
在美髮屆,也有這樣一群美髮專家,
對色彩有著極度的狂熱和專注。
耗時10多年建立專業美髮行業色彩體系,創造出革命性原
色染膏配方,
打造顏色最為標準的染膏品牌——潤色
從此美髮行業對染膏色彩有了統一標準,我們不必再為染
色偏差而爭論。
完全不含阿摩尼亞,無殘留的弱酸性
標准體系生産的物理性染膏。
潤色告訴我們:
這,才是顏色!
三、多元化創新産品如何推廣和運營
1.在沙龍建立零售區域讓我們的商品陳列像一個創意品超市;
在美術屆,偉大的畫作都由豐富細膩的
顏色所完美詮釋
在美髮屆,
潤色就像世界上最優質的顏料,
帶給髮型師極大的自由度和創造性。
2.讓傳統的美髮工具變得絢麗多彩,增加視覺的沖擊力;
3.原創專利的産品增加髮型師的信心及客人的喜愛度;
4.傳播和增強沙龍老板零售外賣意識;
每一位專業髮型師都會清楚懂得:
5.增加沙龍團隊創新多元化産品對客人的有針對性指導培訓;
這,才能讓我肆意發揮!
6.在零售多元化産品開發、創新、質量、價格及高附加價值上增大投入
。
四、沙龍零售業多元化的前景
1.沙龍成功零售外賣與員工的整體素質和被消費者信任度息息相關;
2.增強沙龍髮型師零售産品專業化培訓勢在必行;
3.豐富和創新多元化産品選擇在沙龍零售的重要性;
4.沙龍零售創新性原創專利産品未來市場潛力巨大;
5.沙龍零售業産品銷售路徑的保護;
6.數字化時代,借助沙龍空間與顧客的粘性和實體店體驗將爲全渠道零
售開發和開拓新的展示、體驗和零售空間。
Thank you!
60
多品牌经营的发展思路
呉虹磊
我是 PETER,来自中国·南京,现在经营的公司是美界造型,目前美发类门店有 12 家,
涵盖四个美发品牌。针对不同消费层次的顾客群,这四个品牌定位各有侧重,其中高端品牌有
两个,分别是 AKOZO BEAUTY SALON 和 PHILOSOPHY SALON,满足了高端人群的绝大部
分需求!中端品牌是 MAGI 造型,对应的人群更多的是白领上班族,另外一个品牌是 SOPEN
日式造型,定位更个性潮流,价格相应也亲民一些,目前我们的年销售额约$2300 万。
通过以上的介绍,大家可以看到,美界造型走的是多品牌经营之路,那么今天,我想和大
家分享的就是关于多品牌经营的发展思路。
每一间发廊、每一个品牌的背后都凝结着经营者的智慧。无论在座的经营者,今天以什么
方式做战略规划,都要从人性的角度出发,只要顺应了人性的规律,就很容易找到适合美发沙
龙长久、健康、持续发展之路。
企业经营如同一棵树,扎根沃土。顾客资源,为我们提供了伸展的空间;员工就像沃土,
是我们的基础——在以往的经营中,我们更多的是考虑顾客层次的分类,却极少想过发廊员工
的层次划分。其实企业走得远不远、稳不稳,有稳定的员工队伍,才是最首要的关键。
所以我今天的话题,第一个,便是谈谈基于员工的多品牌发展思路。
第一、基于员工的多品牌发展思路
发廊员工中,有一部分是“技术流”,他们的发展方向是朝着美发行业的顶级技术冲刺,
他们对色彩、造型的精益求精远远超过对其他事物的关心程度,他们钻研技术,关心行业内的
动向,不仅善于学习,善于复制,还执着于创新,这部分员工,是发廊发展的技术中坚。所以
在我们的品牌定位中,我们就更多的将这部分员工放在高端品牌中,比如 AKOZO BEAUTY
SALON,PHILOSOPHY SALON 这两个品牌,技术上的成熟,从深度上赢得顾客的认可。
还有一部分员工,对于潮流和时尚的敏锐度极高,爱炫爱酷,从骨子里透出时尚行业的张
扬与不羁,他们本身就是一道风景,这不仅表现在发型作品上,从他们自己的生活方式,包括
思维、穿着、社交圈子都是这样,这部分员工是美发行业的生动风景,在顾客中颇具影响力。
根据这部分员工的特点和辐射面,我们认为一个年轻、活力,标榜个性的品牌更加适合他们,
这也就是我们现在一个非常活跃的品牌——SOPEN 日式造型诞生的初衷。
当然,更多比重的美发从业人员,没有前两类的特点,他们中规中矩,技术上达不到最尖
端的造诣,风格上也不会过于犀利和个性,但他们迎合了社会上绝大部分顾客的需求,比如写
61
字楼的白领人群,他们既要求优雅,有一定的时尚度,也不会特立独行彰显个性,这部分员工
数目恰恰与客群数对等,也是 MAGI 造型的品牌策略。
由此可见,每一类员工都有自我发展的需要,适合他们的环境和土壤决不能一刀切,环境
很重要,所以这也是我们多品牌经营出发点之一,顺应员工的不同类别,让每个品牌的发展都
有合适的土壤。
员工团队的经营策略确定了,我们的目标转向顾客群,下面就来谈谈基于顾客层面的多品
牌经营的发展思路。
第二、基于顾客层面的多品牌经营的发展思路
品牌是企业的灵魂,是企业的无形资产,也是企业保持市场地位的重要支柱。作为多品牌
经营策略,我们更在意的是如何划分多品牌?
1、从客户的消费能力区分
顾客消费能力很自然的分为高中低端,对应不同等级的客群,美界造型设有四个不同品牌
定位,相应对客户进行了有效区分,具体的品牌特质在开始已经和大家分享过。
2、从客户的年龄层次区分
年龄层次不同,认可的时尚度也有差异,比如时尚活跃的年轻人更愿意尝试潮流前端的色
彩造型,他们进店的机会和频率会更高,更喜欢彰显与众不同的自我,但他们的消费能力一般
不是很高,针对这样的特点,我们专门设立了 SOPEN 日式造型这个品牌,一推出就得到很好
的评价,并且在管理上我们也安排了适合这个品牌特色的员工去服务客人,顾客和员工很容易
产生共鸣成为朋友,所以这个品牌非常活跃,口碑极好。
3、划分客户的文化属性
品牌店铺其实只是一个载体,而品牌本身所倡导的生活方式才是根本,这就是品牌文化,
顾客有着各自的文化属性,所以在考虑“多品牌经营”的最后一点,我们要做的就是让顾客在
品牌中找到归属感,唤醒顾客对品牌的认同甚至崇拜。
文化虽然是一种无形的力量,但是它蕴含者巨大的潜能。消费者行为学的理论已经揭示,
文化是影响消费者行为的深层次因素之一。企业只要做好品牌的定位,客人自己会对号入座。
综上所述,前两点决定了我们对多品牌经营的划分,第三点是我们培养顾客忠诚度的法宝。
第三、基于人性的经营策略——我们为什么选择在 Shopping Mall 开店
对于顾客,去传统的街边美发店消费,时间成本是巨大的,这需要顾客专程抽出时间去指
定的地点消费,而且往往停车、交通都不太便利,尤其对于高端客群,他们希望能够集购物、
62
休闲、娱乐、美食……一站式解决,权衡之下,只有大型购物茂(Shopping Mall)才是最佳的选
择,Shopping Mall 环境优美,四季如春,舒适度极高,消费心情愉悦。目前我们只保留了一
家街边店,其他所有品牌门店都开设在商场中,而这仅有的一家街边店,也是极富特色,在装
修和品牌的设定上不同于任何一家店铺,走的就是个性情调的路线。
第四、目前美界造型的发展
在大量沙龙涌现的今天,拥有适合自己的商业模式,才可能获得持续顺势的发展。美界造
型就是基于对上述层面的思路,开辟出适合自己的多品牌发展之路,通过把合适的员工安插在
合适的品牌,激发了人的创造性;通过合理的多品牌策略,经营好各层次的顾客;通过一年两
次的大型美发造型发布秀,构建完整的品牌文化体系,如此,形成了良性循环。
目前一般中国发廊人均创造价值¥2 万,美界造型的员工超过这个平均值 250%——
500%,而同比单店营业额相当于普通发廊的 5 倍左右!
我们不认为自己在经营上有独门秘诀,如果一定要说有,只能说美界更懂得员工,了解顾
客,能沉下心,不浮躁,经营好属于自己的文化,才能立于不败之地。
企业的背后是经营者的智慧,经营沙龙,经营品牌,只有顺应了人性的规律,才能长久、
健康、持续的复制和发展。无论是生活,还是投资,也只有顺应了人性,才能更快悟出人生的
经营方法。
顺应规律即为天道。
佛经说,道法自然,如来。
63
A Study on service delivery process of beauty services business
- Focusing on hair salon -
Song Yeong Woo
Institute for Beauty Industry
概要 人間の生活の質が高まり、美しさへの欲求も高まっている。これ現在の美容室は、過去の美容
技術中心の経営から脱して、顧客の期待を超えるサービスを提供するサービス経営をしている。成
功サービス管理のために経営者は何よりもサービスを伝達するプロセスの全体的な概念と専門知識
を備えて効果的なサービスを提供するように管理する必要がある。特に、サービスを提供する主体
である従業員の職務満足度とサービスの実践能力などは、美容室の重要な成功要因の一つとなる。
Key words : ビューティー、 美容業界、 美容、美容室、 サービス、美容サービス、 サービス業、プロセス、 顧客満足度,
サービスの品質
Abstract According to increasing the people's living standard, desire for being beautiful also be
increased. Therefore, current hair salon business management try to provide its service which exceed
customer expectations of service-oriented management rather than technology-oriented
management which provided in the past. So, overall understand of service delivery system and its
expertise will bring the achievement the success in beauty business. Also, success of service
providing process should be managed. In particular, one of the critical success factors for delivering
a service in beauty salon is the subject of employee job satisfaction and their service capabilities.
Key Words Beauty, Beauty Industry, services, beauty services, services, processes, customer satisfaction,
quality of service
64
1. 序論
急速に変化する美容業界の內外部環境のために、最近年の美容室はこれまで以上に多様な競争
力を必要とする。過去の技術中心の経営から脱し、顧客が要求するさまざまなサービスに対応す
るためには、それに合った経営的戦略が必要な時代になった。したがって、今回の研究では、こ
のような経営的戦略を立てるのに必要な一般的のサービスとサービス産業の基礎的な概念と特徴
、サービス管理の必要性と条件、サービス品質と顧客満足度、サービスの価値と伝達プロセス、
サービスの伝達と収益との関係などを紹介する。これにより、サービスの伝達プロセスを理解し
、サービスの経営のための美容室の成長戦略を構想することができるきっかけを提供することを
目標とする。
2. サービスと美容産業
2.1 サービスの定義と特徴
サービスとは、米国マーケティング協会(AMA、1960)での定義によると、「娯楽サー
ビス、ホテルサービス、電力サービス、輸送サービス、理髪美容サービス、クレジッ
トサービスなど、独自に販売したり、製品の販売に関連して提供されている活動、メ
リットや満足」である。 サービスの特徴は ① 無形性(非可視性、intangibility)、
② 非分離性 ( inseparability ) 、③ 消滅性 (
perishability ) 、④ 異質性
( heterogeneity、variability)であり、これらのさまざまな特徴に基づいて、多様
な経営戦略を立てることもある。.
2.2 美容業界と美容サービス産業の範囲と特徴
2.2.1 美容産業の概要と範囲
美容産業は、人間の美しさに対する心理的充足と美的表現を通じた他人とのコミュ
ニケーションへの欲求を満たすために提供されている有無形の商品のうち、人体に直
接物理的または化学的な方法で影響を与え外見を美しく整え与えるための商品と、こ
れを顧客に販売する産業と定義し、詳細な分類は以下のように化粧品産業,美容サービ
65
ス産業、美容ヘルス産業に区分することができる。(韓国保健産業別の主要な成果と課題
レポート、2012)
2.2.3 韓国美容サービス産業の現状と変化
美容サービス産業は、新たな消費トレンドと所得水準の向上に応じて、美しさに対す
る欲求の増加に需要が増え、高い成長の可能性を内包している。美容サービス産業は
、国民所得が2万ドルを超え、美容サービスを必要とする消費者のニーズの高まりに伴
い、市場規模が急激に拡大される傾向を示して(図1参照), それに伴う美容室の成功
の要因にも変化を見せている。
<表1>美容経営環境の変化に応じた成功要因の流れ
区分
1980年代
1990年代
美容学院時代 美容学院時代
2000年代
〜2010年
現在 ~
大学、大学時代
産学協同の時代
政策主導の時代
ネットワーク
美容室
認証された
美容室
フランチャイズ
フランチャイズ
拡大, 個人美容室
登場
の企業化
産業
主体
個人
美容室
重要
成功
要因
技術
+資本
+経営
+人的資本
+政策の理解
美容学院
大学教授
現場と連携した
の教師
、成功した
美容師
検証された
主体
先輩
美容師
学界と社会団体
美容人
敎育
內容
美容
技術
+ サービス
+経営
+コミュニ
ケーション
+ 社会的
教育
責任感
出典: 宋姈優 (2009), 美容経営のためのサービスのマーケティング, 青藍, p25
3. サービス 経営
3.1 サービス 経営の必要性と条件
サービス経営の必要性は、サービス經營の基本と同様に、顧客とサービス企業間の相互作用の中で説
明することができる。顧客がサービスに価値を感じれば、継続的にサービスを購入することになり、サー
ビスを提供する企業も収益が確保されると、継続的にサービスを提供することになるだろう。企業の形態
66
や顧客の変化はもちろん、企業と顧客との関係の変化も企業がサービス管理に集中できるようにする要因とな
る。
美容サービスの最大の特徴の一つは、サービス·プロバイダである美容師と消費者の顧客が同時に同じ
空間の中で生産と消費に参加することになるである。したがって、美容サービスマネジメントにおけるサ
ービスを提供する従業員の採用と訓練は、顧客満足度に何よりも大きな影響を与える。これをもっともよ
く説明しているのがフィリップ·コトラーのサービスマーケティングの三角形である。(Philip
Kotler:
Marketing Management 1994)
4. サービス品質とサービス伝達システム
4.1 サービス品質の概念と構成 の次元
サービス品質は、企業が市場競争に参加する差別化の手段であり、継続的な改善と
完璧の追求は、企業の発展の根本である。これに多くの学者たちの主張を総合すると
、サービスの品質は、「ユーザーの知覚と顧客の期待とどのように一致するかの尺度」
と定義することができるし, サービス品質は顧客の 知覚 されたサービスと 期待した
サービスの比較評価と定義した。( Gronroos, 1984 ).高いサービス 品質は、 顧客と
の関係維持につながってこれがコスト削減、購買量増大、料金プレミアム、口コミ効
果までもたらし、究極的に企業の収益を増大する結果になる。(Valarie A. Zeithaml,
1990) このようにサービスの品質は 、サービスに対する消費者の期待と成果の違いで
サービスの品質を評価する5つの次元と、これに対する10種類の基準は、次の<表2>の
通りである。
< 表 2> サービス品質の構成 の次元
5つの次元
10つの要因
定義
有形性
有形性
物理的な要素の外観
信頼性
信頼性
正確で信頼性に約束したサービスを実行する能力
対応性
反応性
迅速なサービスを提供して、顧客を助ける姿勢
能力
確信性
マナー
従業員の知識とマナーと信頼性を提供する能力
信用性
67
安全性
利用しやすい
共感性
コミュニケーション
顧客に個別的関心と愛情を表示する能力
顧客の理解
出典:: A. Parasuraman, V. A. Zeithaml, & L. L. Berry(1988),"SERVQUAL: A Multi- Item Scale for Measuring Customer Perceptions of Service Quality",
Journal of Retailing, Vol.64, No.1, p.15.
4.1.1 過程品質と結果品質
過程品質はサービスプロセスの経験に対する顧客の
主観的評価(Lehtinen
and
Lehtinen, 1999)と関連したもので、サービス品質全体に大きな影響を及ぼす要因とな
っている。 過程品質は、顧客と従業員がお互いに相互作用を通じてとらえられる機能
的品質と過程を通じて得られた結果の品質を指す技術的品質に該当される結果品質に
分けられる。
4.2 サービス伝達システム
顧客に伝達して提供したいサービスのパフォーマンス全体を包括点の観点から把握
した後、差別化が可能な要素を強調し、企業が提供するサービスの価値を提供しなけ
ればならない。正しい価値提案のためには中核なサービス、付加サービス、サービス
の提供プロセスの3つの要素を企業環境に合わせて適切に設定することが重要である。
構成されたサービス伝達システムは顧客にとっての企業が提供するサービスのプロパ
ティを明確に把握できるようにして、サービスの意思決定(サービスリピーター)に積
極的な役割を実行する。
サービス伝達システムでサービスのプロパティについた組織と従業員の認識には差
があり、この差を縮めることがサービス品質を向上させることができる方法である。<
図1> のように美容室でサービス伝達システムを標準化することにより、多様で複雑な
要素で決定される過程品質と結果品質の水準を一定に保つことができるようになる。
<図 1> 美容室サービスプロセスシステム
68
4.2.1 サービス伝達システムの重要性
顧客が期待するサービスが最終的に満足な結果をもたらすために<図4>でみられることと
一緒に顧客は多様なサービスプロセスを経験する間、顧客が持っている期待サービスと経
験する過程での知覚サービスのギャップを最小化することだ。結局、顧客が知覚するサー
ビス品質が 顧客の期待に及ばないか、顧客が認識することと違うことになる原因の大半は
サービス伝達に問題があるのだ。美容室でサービスを伝達するのは物理的環境を含めて様々
な要素が存在するが、何より人的資源によるところがほとんどである。結果的に美容
室の顧客を満足させて、それが収益につながるようにするのは、サービスプロセスを
遂行する従業員のサービス伝達能力に起因するということだ。
5 結論および提言
美容経営現場で顧客の満足、サービス品質を論ずることは当然のことだ。しかし、美
容現場で多くの経営者は、まだサービス品質の大半を'結果品質'のみに限定して技術
の練磨にのみ邁進する場合が多い。これから'過程品質'に対するサービス品質を考慮
しなければ、サロンの持続的な成長を期待し難いだろう。 大部分の顧客たちはサービ
ス品質をより広く深く理解して経験しているためだ。
結果的にビューティーサービス産業は美容技術はもちろん、顧客に提案しようとす
る美容室の価値が成功的に送られたとき、サービス価値伝達の成功可否によってサロ
69
ンの成否が左右されるということだ。美容室経営者は、サービス、伝達に対する認識
をお客様からサービスが提供されるように支援しなければならない。
前述したように整理すると, 美容ーサービス産業の発展のためサービスを提供するに
あたり、以下のように提言したい。
第一に、美容室のサービス経営に対する知識とマインドが必要である。美容技術だ
けでは顧客が望むサービス品質を提供することができない.
顧客らは生活の質が高く
なっており、それだけ期待するサービスの水準も高く、多様である。これらのことを
十分に把握し、顧客の期待と満足をマッチングすることができるサービス伝達体制を
整えなければならない。
第二に、サービスに対する顧客の満足度が高くなると、再訪問サイクル、客単価の増
加などにつながり、サロンの売上高の増加につながる。したがって、サービスと売上
高は、直接的な相関関係があることを考慮する必要がある。
第三に、従業員のサービスマインドの向上と実践能力が重要である。そのためには
美容人材を養成する時期からサービスの能力とマインドに体得して実践できる能力を
育てなければならない。サービスは無形のもので暗黙知が重要であり、多くの顧客と
のコミュニケーションの経験が必要正しく実践することができる。
最後に、適正なサービスが提供されるべきである。美容室の顧客のサービスに対する期待と満足、収入
と支出などを考慮して、適正なサービスを選択して適用する必要がある。 美容室の規模と収益などに比
べて過剰なサービスによる不実経営で美容室に悪影響を与える可能性があるからである。
<参考文献>
① K. Albrecht," At America's Service: How Your Company Can Join the Customer Service Revolution", New York:
Warner Books, 1988.
②C. Gronroos, “A Service Quality Model & Its Marketing
Implication”, European Journal of Marketing, Vol.18, No.4,
p.36, 1984
③A. Parasuraman, V. A. Zeithmal, L. L. Berry, "A Conceptual Model of Service Quality & Lts Lmplications for Future
Research", J ournal of Marketing, Vol.52, pp.41-50, 1985
④A. Parasuraman, V. A. Zeithaml, & L. L. Berry(1988),"SERVQUAL: A Multi- Item Scale for Measuring Customer
70
Perceptions of Service Quality", Journal of Retailing, Vol.64, No.1, p.15.
⑤Robert Johnston and Graham Clark, ‘Service Operations Management, Third Edition, Prentice Hall,
⑥キムレス,美容産業の育成に関する政策ネットワーク分析、湖西大学校ベンチャー専門大学院博士論文、2011
⑦ジンヨンミ,理容室*美容室の利用実態とサービスの品質が顧客満足度と顧客ロイヤルティに与える影響、西経大学博士
学位論文、2010
⑧チェチョンミ,美容サービス品質·価値·回復の努力が顧客満足度に及ぼす影響に関する研究、コンヤン学校の博士論文、
2008
⑨ジャンウンジン,美容サービス組織でサービスの公平、顧客没入および顧客の市民行動との間の関係、東洋大学博士学
位論文、2010
⑩ソンヨンウ,美容経営のためのサービス、マーケティング、青藍、2009
⑪パクジョンヒ,美容業界のサービス品質が顧客満足度と再訪問に及ぼす影響に関する研究、西経大学修士論文、2013
⑫イセフヮン,美容室の内部のマーケティングが職務満足と顧客指向性に及ぼす影響に関する研究、東亜大学大学院の学
位論文、2012
⑬キム・ユンシク,美容サービス業の顧客満足経営案、韓南大学校修士学位論文、2004
⑭チョベベ,サービス品質管理、顧客満足の成果に及ぼす影響に関する研究、セミョンデ学校修士学位論文、
71
もくじ
ニーズに基づいた
商品差別化の実践
•
•
•
•
•
•
•
•
•
:韓国の化粧品に関する経営学的一考察
Park, Sook Yee
はじめに
韓国におけるビューティ産業の動向
消費者がモノを購入するとき考慮する要因
安全不感症とビューティ産業
事例分析
どのような経営実践をしているのか?
経営環境の分析
理論に基づいた考察
むすびにかえて
はじめに
つづき
• 本研究を取り掛かった理由として,いままでの
産業の空洞化やグローバル情報経済化により,
商品の単一化が進んでいる.また,地域なるも
のやアイデンティティが失われていくのも現状で
ある.
• そこで,本研究は,グローバルではなく,地域
における消費者のニーズに基づいた経営実
践が有効であることを事例分析などを用いて
示唆する.
• ターゲット地域は,韓国であり,事例分析では,
AIOTH(アイオス)というある地方都市に本拠
地を構える企業の財(商品)を取り上げるとす
る.
• 化粧品産業でも同じことがいえよう.ほとんどの
企業が世界市場に基づき生産をしている.つま
り,地域の消費者の性向より,グローバルスタン
ダードが重視されるようになった.
韓国におけるビューティ産業の動向
韓国におけるビューティ産業の動向
• 中国人観光客の増加により,韓国における産業
への経済波及効果が期待される.
• けれども,ビューティ製品およびその関連サービ
ス,美容整形のようなサービス商品の支出水準
は他の商品と比べ,相対的に低い水準だった.
• 中国人観光客の総支出が韓国の産業全体にお
ける生産誘発効果は13兆3,717億ウォン(2013
年)で,2010年の5兆5,812億ウォンの2.4倍の規
模に増加した.
• その原因として,財やサービスに対する品質や
価格水準が標準化されていないため,購入や利
用に対する不安感やサービス提供者と需要者間
の意思疎通の不便さがあると判断された.
Korea Institute for Industrial Economics & Trade(2014)
から一部抜粋,筆者翻訳,また修正・加筆あり.
Korea Institute for Industrial Economics & Trade(2014)
から一部抜粋,筆者翻訳,また修正・加筆あり.
72
消費者がモノを購入するとき考慮する要因
安全不感症とビューティ産業
• こうしたビューティ製品に対する不安感や消
費において「使用安全」さを重視する風潮は
「安全不感症(safety frigidity)」といった社
会的現象が背景にあった.
• そこで,次項にて,こうした「安全」というある種
のトレンド(ニーズ,デマンド)にもとづき,経営
実践する企業を取り上げたいと思う.
消費の際,もっとも考慮に入れることとして
「使用安全」にかかわる項目だった.
Korean Standard-Wellbeing Consumer Index(2013)
の調査結果から一部抜粋,筆者翻訳,また修正・加筆あり.
事例分析
どのような経営実践をしているのか?
• アイオトを製造および販売するアミアン社は,
2009年に創立され,2011年にアイオトを特許
庁の商品登録がされた.
• すべての製品に“6無”を適用している.6無と
いうのは,人体や環境にやさしくない6種類の
化学物質を使わない.以下の図表が詳細で
ある.
• 2012年は世界的に化粧品の研究・開発・製
造を行う株式会社cosmaxとの生産契約を締
結し,2014年現在,中国文化院とのMOUの
締結およびヴェトナム・ダナンへの輸出が確
定された.
パラベン
色素
タルク
鉱物性油
ステロイド
ベンゾフェノン
つづき
その他
• 他社(ここでは,基礎化粧品を生産するほとん
どの化粧品会社のことを指す)と比べ,美容成
分にこだわっている.
• 人や環境にやさしくない重金属にかかわる検
査(韓国化学試験研究院)にて“重金属のゼ
ロ”を実現したことや二重機能性を食薬庁の
に認証してもらった.
たとえば,このエッセンスの
場合,カタツムリ粘液抽出物
12,000mlを使い,国内外最
大20%含有しているのが特徴
である.
• 入れ物にも有効成分を保護するための工夫
がされている.特に,光による変化を防ぐため,
不透明な容器を使っていて,また酸素による
変化を防止するポンプ型容器が特徴である.
73
経営環境の分析:SWOT分析
Strength
世界的に信頼あるcosmax社で
生産される.
認知度が低い.
• マーケティングにまつわる概念として「シーズ
志向とニーズ志向」がある.
美人投票に弱い.
美容に有効な成分を使っている.
流通面において劣っている.
男女問わずに使用可能である.
ブランドのイメージが
確立されていない.
• この企業の場合,生み出す製品やサービスに
焦点をあて,より良いものを提供していこうとい
うシーズ志向のすがたと顧客のニーズやウォ
ンツを満たしていこうとするニーズ志向の姿勢
がある.
Threat
Opportunity
社会的ニーズが満たされている.
トレンドに乗っている.
理論的考察
Weakness
資本が豊かな大手企業や多国籍
企業との競争に巻き込まれる
可能性がある.
海外展開を拡張する可能性がある. 韓国人の消費段階における
性向の変化が激しい.
小林真理・片山泰輔 [編] [2009] 「アーツ・マネジメント概論 三訂版」 水曜社
から一部抜粋,また修正・加筆あり.
つづき
むすびにかえて:結論及びまとめ
• 企業のニーズやシーズに基づいた経営の実践は顧客
のデマンドや社会的必要を充足することもさることなが
ら,世の中における多様な財やサービス(消費者の選
択が多様になる)が確保され,社会の成員の厚生が高
くなることにもつながる.
• また,その時代のトレンドというのは,単なる社会的な
現象ではなく,このトレンドというのもある種のニーズと
して解釈しえる.
• モノやサービスの多様性というのは,はじめにで述べた,
グローバル情報経済ではなく,地域社会にもとづいた
ニーズを考慮にいれた経営実践の結果ともいえ,した
がって,この経営戦略は有効であることが示唆される.
• 中尾 [2009]では,マーケティングはもともと顧客
志向を持つものであるが,消費者は新しい製品
を見聞きして初めてニーズを感じる,新しい製品
を示されてほしくなるということもある.シーズ志向
とニーズ志向はどちらも必要であり,そのバランス
が重要だということはしばしばいわれることである.
• また,極端なシーズ志向となれば顧客との乖離
が生ずる.他方,極端なニーズ志向となればポ
ピュリズムに陥る場合があり,…創造性(本研究
では,モノの多様性)を損なうことにもなりかねな
い. 小林真理・片山泰輔 [編] [2009] 「アーツ・マネジメント概論 三訂版」 水曜社
から一部抜粋,また修正・加筆あり.
参考文献・資料・URL
むすびにかえて:今後の課題
• 後藤和子 [2013] 「序章 クリエイティブ産業をめぐる課題と理論的展
開」「終章 農村と地方都市におけるクリエイティブ産業発展のかの生」
『クリエイティブ産業の経済学』 有斐閣 pp.1-24, pp.209-232
• 中尾知彦 「第5章 芸術文化と組織経営」小林真理・片山泰輔 [編] [20
09] 『アーツ・マネジメント概論 三訂版』 水曜社 pp.176-pp.221
• Korea Institute for Industrial Economics & Trade(2014)「중국
인 관광객 증가가 산업에 미치는 영향과 정책제언 (中国人観光客増
加が産業にもたらす影響と政策提言)」 KIET産業研究員(http://www.
kiet.re.kr/kiet_web/?sub_num=12&state=view&idx=48178)
• Korean Standard-Wellbeing Consumer Index(2013)「2013年 韓
国消費者ウェルビーイング指数(KS-WCI)調査」KSA韓国標準協会
(http://www.ksa.or.kr/download/2013_ks_wci.pdf)
• AMIEN社のHP(http://www.aioth.com/index.php アクセス:8月10
日)
• 考えられる今後の課題として,事例分析で取
り上げた企業の場合だと,本社が首都ではな
く,地方都市に本拠地を構えていることも特徴
なので,地域経済の活性化といった視点も排
除できない.
• また,安全不感症など,心理学的な側面でも
実践経営をみることも必要であると思う.
74
1.今なぜ女子労働か
1.少子高齢化社会における日本の労働市場にお
ける重要課題である。
⇒ 日本社会における人材不足への対応
2.日本企業のグローバル化に伴う人事戦略上の
課題である。
⇒ 有能な女性の積極的任用・管理職登用
3.働く人々の意識変化への対応
⇒ ワーク・ライフ・バランスの推進
第9回東アジア経営管理国際学術大会発表論文
日本における『女性労働』の課題と展望
-女性の仕事こと始め
ハリウッド大学院大学/産業能率大学
村上 良三
MURAKAMI RYOZO
2014.8.13
2.女子労働の理論的系譜
3.日本における女子労働形成の類型
1.労働史の視点
⇒ 人間労働の発展過程での位置づけ
2.社会学・社会史の視点
⇒ 家族における社会関係での推移
3.職業論の視点
⇒ 女性の能力・専門性の形成過程
4.社会変動論の視点
⇒ 婦人運動、女性の地位・権利の拡大
5.特殊日本女性論
⇒ 日本における賃金労働者形成の特殊論
1.職業人の形成
⇒ 髪結い・美容師
/ 助産婦
2.労働者の形成
⇒ 女工・職工
3.保護・資源の形成
⇒ 多能工・社会人・人材
4.女性論ー事始め
5.日本における女子労働論俯瞰
先駆的・啓蒙的「女性労働論」(蘇峰徳富猪一郎「婦人問題」1863)
1.創生期の職業教育
① 女紅場 (授産施設)の設立
② 女工伝習所 (官営富岡製糸場)
③ 女子高等専門学校 (女専)女子師範学校
女子医学校 美容学校 等 (高度職業教育)
2.先駆的取り組み
① 婦人運動 (普選活動 女性解放運動)
② 生活運動 (生活改善 産制活動)
③ 労働運動 (男女平等 時短・同一賃金等)
3.女子労働の進化
① 余業労働から専業労働へ (保護・福利)
② 辺縁労働から中核労働へ (指導・育成)
③ 定型労働から技術革新による開発、クリエイティブ労働へ
⇒(快適化・自律活動・バランス)
まとめ ⇒
1.女性の多様性/ダイバーシチィに着目
⇒ 位置境遇、千差万別
2.女性特有の能力を指摘
⇒ 婦人独特の能力に適した職業
3.イノベーション/技術革新による健康破壊を警告
⇒ 機械化の進展は女子労働者を増加させた
⇒ 女子の健康破壊をもたらし、国家的な損失
4.真の同一労働・同一賃金を主張
⇒ 専業主婦は過去の職業
⇒ 工場労働は熟練も体力も男女同一
⇒ 賃金も同一であるべき
5.女子の社会進出は新たな社会関係を求める
⇒ 婦人労働の範囲を拡大・新しい職業を開発
⇒ dilution/dilute of labor(労働の希釈化)を避ける
75
6.課題と展望
女子労働論の新たな構築に向けて
1.日本的特性を取り込む新たな戦略
⇒ 国家、産業、企業レベルのシナリオ
2.新たなる“保護”概念の構築
⇒ 新しい職務に対応したシステム・環境
3.労働観に対する男女の意識改革・覚悟
⇒ 自律・個性・公私・自他の確立
4.女子労働に対するグローバル化対応
⇒ 男女に関する情報・文化・歴史観の共有
5.事業家・企業家の育成と環境整備
⇒ 学校教育、社会教育における早期教育
以上
・リカレント教育の取り組み
76
≪分析の枠組み(前提)≫
第9回東アジア経営管理学術大会
「植物工場とアーキテクチャ」
• 完全制御型の植物工場 では、完全に外界と
遮断された人工的な環境で野菜を栽培して
いる。人工物としての植物工場野菜 である。
2014年9月
• まず、「製品=人工物=設計情報+媒体」と
いう構図を前提とする。
法政大学大学院博士後期課程
殿﨑 正芳
≪分析の枠組み≫
【アーキテクチャの定義】
• 本論は、アーキテクチャ論の枠組みを植物工
場(完全制御型)に適用して分析を試みるも
のである。具体的には、植物工場野菜のアー
キテクチャの種類について考察を加える。
どのようにして製品を構成部品に分割し、そこ
に製品機能を配分し、それによって必要となる
部品間インターフェース(情報やエネルギーを
交換する「継ぎ手」の部分)をいかに設計・調整
するか」に関する基本的な設計構想のこと 。
• 更に、一般的な加工・組立型産業などとの相
違点や植物工場独自の特徴を明らかにする
ことを目的とする。
≪先行研究≫
• 藤本(2004)は、『サービス業であろうが、製
造業であろうが、あるいはデジタルであろうが
アナログであろうが、とにかく「設計情報が媒
体にのっている」という形式は共通である』と
している。
・「アーキテクチャ」は、K.Ulrich(1995)が唱え始
めた概念とされている 。
・その後、藤本隆宏氏らを中心に研究が進めら
れ、この概念を日本産業論に広く適用し、理論
と実証の両面で議論を深めている 。
• 人工物としての植物工場野菜を
・この概念は、自動車、鉄鋼、半導体、化学、食
品、金融、その他、様々な産業に適用されてい
る
「製品=人工物=設計情報+媒体」という構図
が前提となる。
77
定義を植物に置き換えると、
• 植物工場は、基本的に装置系・プロセス系の
産業であり、灌水装置、照明、水槽、空調機、
各種センサーなどの装置を連結し、環境制御
システムにより野菜を栽培する。
• そのための「プラント設計」「プロセス設計」 が
野菜の出来(要求機能の達成)の鍵を握ると
考えられる。
• 植物は一体物である。
(部品・装置に分解することができない)
• そのため、「植物を構成している要素(生長
[化学反応が行われている元素]の仕組み)と
植物が生長に必要な要素(元素)に分割し、
そこに顧客が求める品質・機能性を持たせる
ために、それに必要な要素間の設定・調整を
いかにするか」に関する基本的な設計構想で
あると言える。
• これらは無数にある変数の相互調整で成り
立つ工程システムであり、アーキテクチャの
概念が適用できると考える。
≪植物工場野菜の商品特性≫
藤本(2003)
• 狙った製品の組成は明白であっても、それを
生産工程で直接制御することは出来ないこと
が多い。
1) 商品の構造が単純(一体物であり分解
できない )
2) ニーズが曖昧な感性消費財
3) 環境条件と生長及び機能(特性)の関係
に未知な部分が多い
4) 人工光での栽培技術は発展途上
(実用化という点では課題が残されている)
5)機械・装置ではなく植物(生物)であること
• そうした場合、製品構造はブラックボックスと
みなし、一つ飛ばして生産工程と製品機能と
の対応関係を直接みよう、という考え方が出
てくる。
• それが、「工程・機能アーキテクチャ」である』
としている。
≪アーキテクチャの観点からの植物工場①≫
≪アーキテクチャの観点からの植物工場②≫
ここでは、実際どのような要求機能が、工程間
の擦り合わせを必要としているのかを観察する。
• 例えば、野菜を「単に生長させる(重量を増やす
だけ)」ことは、設備が整っていれば達成可能で
ある。
• つまり、良い設備(パッケージ化された設備)さえ
あれば野菜は育つであろう。
• しかし、例えば、「生長速度」、「栄養素」「味」
「食感」「外観」といった感性品質などの要求機
能を実現するためには、当然、工程単位での調
整と工程間の緊密な連携・調整が必要になる。
• 野菜の味や食感は、それを実現するための
植物工場内の最適環境には未知な部分が多
く、簡単に栽培(設計 )することができない。
•
• また、プロセス製品は、構造設計自体に意味
がなく、機能設計から工程設計に直接翻訳さ
れる。
• 工程設計パラメータ群(温度・湿度・二酸化炭素の濃度・照
明・養液の成分・風流など)
• 特性設計パラメータ群(生長速度・光合成速度など)
• 機能設計パラメータ群(味・栄養素・食感など)
78
≪工程設計の困難性≫
• 例えば、工程設計において、光合成を促進さ
せるだけでも野菜の品種と生育時期において
二酸化炭素の濃度・光(波長)・湿度・温度等
の変数の組み合わせの中から最適な条件を
見つけ出さなければならない。
• 各変数が一連の工程の中で木目細かな相互
調整が必要とされるのが植物工場の工程で
ある。
• さらにこの変数が多いのが植物工場の特徴
であり、高度な技術が必要とされる所以であ
る。
≪コーディネーション≫
≪植物の一塊性と転写≫
• 植物工場の設備は、内部コーディネーション
化できるまで精度を高めていく工程(調整過
程)が複雑多岐であり、直接コーディネーショ
ン的な要素が強いといえる。
• 野菜の最適な環境条件を特定するまでの間
は、人間が操作を繰り返す。
• 植物工場は、機械による自動制御(内部コー
ディネーション)、人間の操作(直接コーデ
ネーション)、外部環境入力の3要素の合成
的な結果として、ある要求機能を満たした野
菜を栽培する。
•
植物工場の植物(生物)は、プロセス製品で
はあるが、転写に関しては組立製品とプロセ
ス製品の両方の特徴を持ち合わせた「一括転
写」+「逐次転写」が特徴であるといえる。
• 具体的には、生育段階に応じて異なった「一
括転写」がその都度行われるのである。また、
それと同時に、養液や培地からは、プロセス
産業と同様の「一括転写」が累積的に行われ
る。
• しかし、各生育段階では、それぞれ異なった
「設計情報の転写」が「一括転写」されている
のが特徴といえる。
≪結 論≫
植物工場のアーキテクチャの種類は「イン
テグラル型工程アーキテクチャ」を特徴とする
人工物である。
• 更に内部コーディネーションと直接コーディ
ネーションの異なるコーディネーション手法を
組み合わせることによって初めて要求機能を
満たすことが可能となる。
• 植物工場の植物は、プロセス製品であるが、
一般のプロセス製品とは異なる「転写(「一括
転写」+「逐次転写」)」が行われている。
•
ご清聴ありがとうございました。
79
ホスピタリティ研究の背景と経緯
‘90 コーネル大学等からホスピタリテイ概念の導入
大学にホスピタリティ・ビジネス・コース創設(日本初)
大学院においてホテルとホスピタルの比較研究
‘90(社)日本看護協会、清瀬研修センターにてホスピタリティを教授
‘91-92 企業の社会的貢献度調査(当時のアサヒジャーナルと共同)
ホスピタリティと社会貢献の関係を考える
‘95 顧客価値経営研究会(実践経営学会)=米国経営品質賞=MB賞の研
究
ホスピタリティと顧客価値の関係を考える
‘99 100年企業5000社にアンケート調査(618社回収)
老舗企業とホスピタリティの関係を考える
‘05 第1回・日中韓経営管理学術大会(於;上海)
—東アジアの経営モデルの構築(ホスピタリティを含む)ーー
‘07 K研究会 テーマ=CSR,(ホスピタリティを思考して参加)
‘14 老舗企業の美学ーーホスピタリティを含む(試論)
‘14 今回、ホスピタリテイ概念の導入から現在までの状況を発表
現在担当科目=理念経営戦略論およびホスピタリテイ・ビジネス
根底にある方法論
経営とは?=人間、科学、自然 実践理論科学 主体的行為存在を思考
ホスピタリティ概念導入から
現在と将来
ハリウッド大学院大学
横澤利昌
2012・5・23
ホスピタリティの語源
古代ラテン語
ホスピタリティのルーツ
中世ラテン語
HOSPES
客人の保護者
HOSPITALE
大きな館
巡礼や旅人の宿
HOSPITALIS
手厚いもてなし
スイスのセントバーナード教会
セントバーナード犬(援助犬)
(10世紀前)
HOSPITALITY
歓待・もてなし
16世紀
18世紀フランス語
^
HOSPITAL
HOTEL
19世紀英語
「貧乏人には助けを、巡礼者には快適さを、
一文無しには休息を、病人には慰めを、そして
生きている者にはまさかのための備えを与えて
くれる所。」(水野潤一)
HOTEL
HOSTEL
5世紀から10世紀にかけて聖地への巡礼の
ために協会や修道院が提供した「ホスペス
(古代ラテン語)」が時代を経て変化した
INN
ヨーロッパのホテル
5~10世紀
聖地巡礼
11~13世紀
十字軍
18世紀末
産業革命
19世紀後半
日本の宿泊業
8世紀 教会から独立した
イン(inn)が誕生
645年
奈良時代
平安末期
駅戸
創業600年 湯主一條
布施屋(難民救済施設)
宿(しゅく)
熊野信仰
札所めぐり 旅篭(はたご)~木賃宿
江戸時代 参勤交代本陣、脇本陣
(元禄)
宿屋~旅館
「長崎屋」オランダ人相手
傷病兵向けホスピス
フランスで始めてホテル
という名称が使用され、
イギリスで発展。
商業ホテル:鉄道会社、船会社によるホテル
名門ホテル:王侯貴族や特権有産階級のためのホテル
1889年
サボイホテル(ロンドン)
1898年
ホテルリッツ(パリ)
80
大化の改新
ホスピタリティの定義
ホスピタリティとサービスの共通性
† 茶道の主人と客人との関係から
◎人格(心)と人格(心)の響き合い
† 企業と顧客との響き合い(顧客価値経営
† 三方よし(売り手よし、買い手よし、世
間よし)=老舗の要諦
† そのための仕掛けが必要
† 人間教育
† もの、空間、時間、情報、技術
①無形性(intangibility)
②不可分性(inseparability)
サービスを需要する前には
そのサービスを評価できない
サービス行為は生産と消費を
空間的・時間的に分離できない
④消滅性(perishability)
③多様性(variability)
誰が、いつ、どこで、どのように
サービスは在庫・貯蔵ができない
サービスを行ったかによって
後々の消費に備えて蓄える
提供するサービスが異なる
ことができない
Kotler,PhilipMarketing management 10thEd.Prince-hoaa,pp.429-434
サービスとホスピタリティの違い②
サービスとホスピタリティの違い①
サービス
ホスピタリティ
サービス
⑪主人
ホスピタリティ
いる
画一的なもの
①どんなものか
個別的なもの
いない
効率的
②効率性
非効率的
良設定
⑫範囲
不良設定
間接的なもの
③客との関係
直接的なもの
測定可能
⑬測定可能か
測定不可能
一対一
社会性
⑭めざすもの
文化性
される
⑮マニュアル化
されない
求めない
一対多数
④関与の仕方
最低限の物をより多くの
人に
⑤定義
その人に
最高の物を
求める
⑯利益追求か
不快になる
⑥なされない場合
不快にならない
出る
⑰不満の有無
出ない
等価関係
⑦損得関係
不等価関係
目指す
⑱100%を
目指さない
欠如の論理
⑧論理
「足るを知る」論理
より安くする
⑨コストの理念
高くてもOK
⑲過剰になるか
過剰も欠如もない
⑳責任の有無
問われない
2014/9/8
過剰になると
ざったい
9
上下
⑩接する対象
2014/9/8
対等・共創
組織・チーム成立の要因とリーダーの関
係(C.I.Barnard)人格との響き合い
共通の目的
協働(組織全体
)の目的
う
問われる
ホスピタリティ経営と顧客価値
意思決定
リーダーシップ
(目的・目標の設定・実
施過程)
事業の結果
情報と分析
コミュニケーショ
ン(人格と人格の
響き合い)
組織編成
顧客第一主義
顧客満足(使命)
組織構造づくり
プロセス・
マネジメント
(コミュニケーションシ
ステム)
協働意欲
個人の意志
動機付け(やる気)
経営組織成立
経営組織存続
経営管理機能
(リーダーシップ)
戦略計画
人的資源の開発と
マネジメント
81
10
ハリウッドの美の体系
看られるものから看るものへ
老舗企業の経営美の対応
ホスピタリテイ
精神美
おもいやり
心の響き合い
健康美
元気な笑顔
容姿美
外観の配慮
バランス経営、匠の技、デザイン性、社風
服飾美
調和のとれた空間
老舗の風格、ブランド(のれん)、ファッション性
生活美
習慣
環境美
参考文献
○横澤利昌編著(2012)「老舗企業の研究」(改訂新版)生産性出版
実践経営学会(JSAM)の「顧客価値経営」研究会で1995年から日本経営品質賞(日本生産性本部)の研究が始まり、この枠組みで
100年以上存続する「老舗企業」の調査・研究が始まった。現在、13年を経て改訂新版を出版 、老舗企業のもてなしを思考してい
る
○土屋嵩雄著「日本経営理念史」日本経済新聞社 1971年
「老舗の研究」は多くの経営史や経済史、歴史家の貴重な研究の蓄積を忘れてはならない。ホスピタリティ経営に基本になる。
○横澤稿(2004)「ホスピタリティとはなにか」道都大学、特別寄稿論文 Aurora ; Manegement Review No.9 pp49-70
○名東孝二・山田𥇍・横澤編著(1993)「ホスピタリティとフィランソロピィ」経理税務協会 ホスピタリティ」を冠した書物はこれが日
本初。1990年、米国のコーネル大学他4大学を訪問・調査し、亜大にホスピタリティ・ビジネスコースを創設、現・日本ホスピタリ
テイ・マネジメント学会の創設に参加。筆者は「ホスピタリティ」の訳を茶道や西田哲学(私と汝)から「人格と人格の響きあい」と
翻訳した。今や「ホスピタリティ」は日本で一般的に使用されるようになった。「フランソロピー」は当時の「アサヒジャーナル」と
共同で1991-2年「企業の社会貢献度」調査を実施し、実践経営学会の責任者の一人として大企業の70社(第一回)、99社(第2
回)を回収した。 筆者は「響存のマネジメント」(心と心の響き合いがヒント)として提示した。社会貢献やホスピタリティを考え
る下地になっている。社会貢献度調査は現在のCSRそしてSRに展開、発展している。
○ P.コトー他著、ホスピタリティ・ビジネス研究会(横澤他)訳(1997)「ホスピタリティと観光のマーケティング」東海大学出版部
○角山栄著(2005)「茶ともてなしの文化」NTT出版
○山本安次郎・加藤勝彦編著(1982)「経営学原論」第7章担当 文眞堂
1989年から3年間、山本安次郎・加藤勝康両先生を中心に集まった諸先輩や同僚と共に研究会及び合宿を重ね「経営の学」を歴史的に論理
的、論理的に歴史的、すなわち、その中で生成・発展する経営存在として全体的・統一的に研究した。そこで学習・研究したことが筆
者のこの小論の基底にある。
○Milton Mayeroff ”On Caring” 田村真・向野宣之訳(1971)「ケアの本質」ゆるみ出版
1990年「ホスピタリティ」概念を日本に導入し、その語源と関連する「ホテルとホスピタルの比較研究を行っている。この書は、「生きる
ことの意味」を問う書物で、医療だけでなく、哲学、心理学、教育(学)そして経営(学)の存在にも展開できると思われる。
○J.Argenti“Theory and Practice of Corporat Planning”.古川栄一監訳(中村元一・林鉄也・横澤利昌・大河内信司訳(1974)「
経営計画の理論と実践」‘76年、日刊工業新聞社。
この書には存立目的と倫理目的の重要性が記されている。例えば、フランスのワイン会社がこれ以上拡大することは当時、町にあふれる酔っ
払いを増やし「倫理目的」に抵触するとして討論の結果、これ以上拡大せず、事業転換した事例を紹介している。
○P.Lorang“Implanting strategic planning” 横澤・木谷訳(1984)「戦略計画の実行 」
○清水博著(2003)「場の思想」東京大学出版会、清水博士の研究会に参加
○後藤俊夫著(2009)「3代100年潰れない会社のルール」プレジデント社 、研究会の同僚
E.F.Schumacher(1973, “Small Is Beautiful ” ここでは環境問題とホスピタリティを考える。
○横澤編(1998)「顧客価値経営」生産性出版 顧客価値とホスピタリティ経営の関係性が重要である。
愛、夢、志、品格、永続意識 以下・ケアの主な要素
知識、リズム、忍耐、正直、信頼、謙遜、希望、勇気
長期堅実経営、先義後利、創意工夫
礼儀、マナー、日常の 身の丈経営、リスクマネジメント
癒しの仕掛け 5S
ファミリズム(家族の絆)
承継
自然の癒し、共生
空間の仕掛け
適切な場 グローバル
ホスピタリティに直接・間接に関係ある文献
陰徳善事、価値創造 立地 グローバル
コミュニテイ、ステークホルダー重視、CSR、共生
ご清聴ありがとうございました。
82
目次
平成26年9月12日
1.問題提起
2.調査内容
2-1 調査内容とその方法
2-2 調査対象企業の属性
第9回東アジア経営管理学術大会:
3.品質経営の実施状況とその評価
3-1 品質経営への経営者意識 3-2 品質経営のPDCA
3-3 仕入れ先との品質体制
3-4 製造プロセス上の品質管理
“国際展開における品質経営”
4.品質経営を試みる国際展開の事例
4-1 IT部品検査装置製造業
4-2 電子・樹脂製品・半導体製造業
4-3 医療補助装置製造業
-新たな価値創造への試み-
5.国際展開が品質経営に果たす役割
5-1 日本の技術水準への認識 5-2 過剰品質追求の視点
5-3 品質経営の段階的活用
5-4 国際展開による人材開発
日本貿易振興機構(ジェトロ)
今野彰三
6.おわりに
6-1 おわりに
2014/9/12
国際展開における品質経営
1
6-2 今後の研究の焦点
2014/9/12
国際展開における品質経営
2
1.問題提起
【リサーチ・クエスチョン】
「品質経営の実態を解明し、国際展開による人材開発の有効性を探る」
<研究の狙い>
本稿では実態調査を通じて中小企業における品質経営に対する意識
低下を振り返り、日本のモノ作りの変化を検討した。その分析を通じて国
際展開における「過剰品質」と「適正品質」の混同を整理した。その品質
経営への課題を解決するには世界的視野を持ち、安定した企業品質を
創造できる人材が求められる。このように国際展開による人材開発の有
効性を、実践経営の立場から新たな視点の提供を行う。
2.調査内容
<定義>
品質経営: 「品質」とは、製品の品質だけでなく、企業活動全体の質を指し、
その成果として高い品質の製品を生む経営総体を指す(山田正美)。
<提案>
①国際分業の実践とは品質経営を基調とした双方の国の繁栄の追求
②国際展開での品質経営による人材開発の有効性
③環境負荷、安全性からの「社会的品質」の意義と重要性の認識
2014/9/12
国際展開における品質経営
3
2.調査内容
2.調査内容
2-2 調査対象企業の属性
属性: 回答企業の売上高属性は以上の通りである(図1)
2-1 調査内容とその方法
結果: 回答企業の中で輸出実績を開始している企業は8社、2社は間接輸出
テーマ
: 品質管理及び経営への取り組み状況について
対象
: 東北・北海道の各業界から10社の経営者又はマネージャー
: 5年以上の輸出実績を持つ輸出企業は4社、4社は5年以内の輸出
企業数
調査の範囲: 地域限定的だがこのテーマを論じる際の有力な材料になる
7
6
期間
5
: 2014年3月中旬から4月末まで
4
企業数
3
調査方法 : アンケート方式及びインタビュー方式による調査
2
1
要件
: いずれの企業も資本的には全て独立企業体である
0
1‐9億円
10-14億円
15-19億円
20‐29億円
30億円以上
出所:筆者調査 2014年 (図1)
2014/9/12
国際展開における品質経営
5
2014/9/12
83
国際展開における品質経営
6
3.品質経営の実施状況とその評価
3-1 品質経営への経営者意識
1) アンケートの指標: 0点から3点に区切る。0点は取組み無、1点は時
々有る、2点が形式的に実施、3点が全面取組みあり、のランク付け
2) 品質経営戦略及びその戦略実行についての質問への結果: ① 「経営
方針化」しているのが1.8ポイント ②「実行計画書」は2.3ポイント
③ 「定期監査」は1.3ポイント ④平均1.85ポイントであった
図2:品質経営・標準
3.品質経営の実施状況とその評価
2.3
2.5
軸ラベル
2
2.3
2.2
2
1.8
2.2
1.3
1.3
1.5
1.1
1
0.5
0
経営方針
実行計画書
定期監査
方針管理
出荷停止
品保責任者
品保ものさし
人材育成方針
教育・訓練
軸ラベル
出所: 筆者調査 2014年
2014/9/12
国際展開における品質経営
3.品質経営の実施状況とその評価
8
3.品質経営の実施状況とその評価
3-3 仕入れ先との品質体制
1)中小企業での内製化率は低く仕入れ先との連携が強い。仕入れ先との品質
契約は、中小企業の品質維持に大きく影響する。
3-2 品質経営のPDCA
図3: 仕様書規格の決定・変更保証について
図4: 外からのバラツキ管理(購買・外注管理)
2.5
2.1
2.5
2
1.8
2
1.5
1.5
1.3
1.3
1.5
1
1
0.5
0.5
0
購買取引書
購買仕様書
品質協定書
受入検査書
受入先パトロール
0
仕様書無し注文
仕様書無し設計
価格無し製造
設計変更の価格改訂
クレーム率
出所: 筆者調査 2014年
出所: 筆者調査 2014年
2)①「購買取引書締結」2.2ポイント、②「購買仕様書」2.2ポイント、③「品質
協定書」1.8ポイント、④「受入検査書」1.7ポイント、⑤「受入先パトロール」1.
1ポイント、⑥定期品質体制確認の受入先パトロールが1.1ポイントと平均以下
1)品質経営計画に対する実行項目への質問
①品質経営への方針・計画立案1.8、②「仕様書無し注文」1.3、③「仕様
書無し設計」1.5、④「価格無し製造」も1.3、⑤平均は1.5
1
2014/9/12
3)これは受け入れ先への品質に対する相互信頼度が高い結果とも言える。
国際展開における品質経営
9
2014/9/12
国際展開における品質経営
3.品質経営の実施状況とその評価
3-4 製造プロセス上の品質管理
図5: 製造工程の現場管理
3
2.5
2
1.5
4.品質経営を試みる国際展開の事例
1
0.5
0
計測管理
不良検討会
監督管理
出荷検査
クレーム対策
出所: 筆者調査2014年
1)製造工程上での品質管理の導入状況の質問。①調査結果から判明し
たのは、計測管理による標準化の進行。②内部的な問題として、監督者へ
の管理が平均以下の1.1ポイント。③これは品質管理面の体制は整った
ものの、その検証、チェック機能が十分確立されていない結果となった。
2014/9/12
国際展開における品質経営
11
84
10
4.品質経営を試みる国際展開の事例
4.品質経営を試みる国際展開の事例
【IT部品検査装置製造業:創業30年・従業員45名】
当該企業はIT部品の最終自動検査装置の製造メーカーである。OUTPUT
部品の進化に応じその性能はもとより、求められる機能も常に変化する。
検査装置の受注に際しての問題を整理すると以下の3点があげられる。
(1)仕様未定での受注、設計
(2)品質監督教育・訓練が不十分
(3)生産の標準化が困難
【電子・樹脂製品・半導体製造業: 創業23年 従業員数200名】
同社は下請業が中心。受託生産、派遣業務から知識集約型への転換が急
務。この事業転換への課題は、
(1)親企業からの独立。
(2)競争力ある技術力確保。
(3)自前の営業力の醸成。
その結果的に得られた品質経営としての打開策は、
(1)現場での頻繁なコミュニケーションで人的関係の構築
(2)顧客の満足度追究へのリアルタイムな実現行動
(3)供給側と買手側のトップ同士の信頼の土壌の構築
「下請け型企業」から「研究開発型企業」への戦略転換に際して、主力事業
を超音波技術へ絞る。超音波流量計を人口呼吸器への組み込み技術を確
立する施策は、
(1)県技術センターの一角を開発・研究部(2006年)として本格稼働。
(2)「超音波流量技術」を医療機器(人口呼吸器)への組込技術に特定。
(3)200人の限定された従業員での研究・開発型要員6名の確保。
<成果への直接プロセス>
「現場セル生産」による非標準の生産方式で、品質経営として不安定は否
めない。業界実情に鑑みた試みとしてもハイリスクである。因にステーク・ホ
ルダー(銀行)とは異なる資金源の確保が絶対要件となる。
2014/9/12
国際展開における品質経営
13
2014/9/12
国際展開における品質経営
4.品質経営を試みる国際展開の事例
4.品質経営を試みる国際展開の事例
【医療補助装置製造業:創業14年 従業員14名】
<技術・開発を照準とした品質経営>
自社自販製品として最終製品ではない組み込み部品の開発事業に特定。
供給先もベトナムの医療機器メーカーと“ヨコの契約”で対等な取引として成
立。基礎技術としての“超音波流量技術”と“人口呼吸器”への国際分業を
達成させた意義は高い。需要開拓は、トップ自身による営業・事業企画とす
る健全な事業に徹底。
同社は研究・開発・製造・販売の一貫企業。大学の医学部との連携に、県をテコに産
学官連携のシンボル的企業。競合相手も国内外(4)社程あるが、病理学関連機器
という製品特性から、販売促進活動の推進母体を病理学会に据えた。ベンチャー企
業としての性格から資本力を外部に求めねばならない事情がある。商品開発には莫
大な費用を要する。医療技術との進化から医療器械は常に高度化が必定。課題は、
(1)製品開発のロードマップにも毎年のように新商品開発計画。
(2)製品の品揃え又個々の製品の完成度の頂点化。
(3)ビジネス安定化の為の資金調達と実行計画。
自社経営資源を熟知した意思決定。その意思決定は以下の理由に基づく。
(1)医療領域での安全基準クリアの技術投資。
(2)研究開発にも要素技術、応用技術とのシナジー効果。
(3)医療機器販売には専門知識持つ技術投資が必要。
<可視化された生産方式への挑戦>
品質保証評価表アンケートからは厳しい内部体質が露呈した。品質方針を始めとし
た品質戦略が脆弱である。セル生産が基本であり専任組立工が製造の全てを担当
しているが為の、非標準生産方式となっている。課題としては、
(1)経営者による品質戦略の明確な設定。
(2)製造の可視化された製造手順書の確立。
(3)責任の所在を明確にした製造と品質の相互職務表の設定。
<技術・開発を照準とした品質経営>
同社のコア技術の見極めをいち早く意思決定したのは特筆。自社自販製
品として最終製品ではない組み込み部品の開発事業。供給先もベトナムの
医療機器メーカーと“ヨコの契約”で対等な取引として成立。基礎技術として
の“超音波流量技術”と“人口呼吸器”への国際分業を達成させた意義。需
要開拓は、トップ自身による営業・事業企画とする健全な事業に徹底。
2014/9/12
国際展開における品質経営
14
経営者の「品質経営」の徹底により、利益向上への可能性が高まる。
15
2014/9/12
国際展開における品質経営
16
5.国際展開が品質経営に果たす役割
5-1 日本の技術水準への認識
<平成18年の中小企業白書による水平分業への根拠>
①日本の本社と海外拠点との機能分化による効率化、
②国内事業と海外事業の相乗効果、と機能上の分業を貫いている。
- この機能分化でも技術格差、賃金格差を是認した上での経営の効率化
を志向して海外水平分業の効果を説明している。これは技術格差の実態
を見ておらず反映もされていない。更に賃金格差を普遍的事実として捉
えている点にも筆者は異論を唱えたい。
5.国際展開が品質経営に果たす役割
技術格差・賃金格差は縮まる:
- 日本が突出した高技術とした時代は終焉して海外との技術格差は縮小し
ていると主張する。賃金格差も10年単位で大きく縮小してきた変化を、
データ共に検証していく。
2014/9/12
85
国際展開における品質経営
18
5.国際展開が品質経営に果たす役割
5.国際展開が品質経営に果たす役割
<技術格差の動向>
1)経済産業省の海外事業活動調査(上図6)は、日本のアジア進出企業の技術
水準。2004年で技術水準は5割強が日本とほぼ同等、4割強が日本より低
い。2008年には7割から8割が日本と同等、2割強が日本より低いと変化。
2)5年間で日本と東南アジアとの技術格差は縮小。この格差は縮小した。
3)理由: 東南アジア産業での技術に対する意識が変化,
①独自TQCシステムの構築、
②日本等の先進国からの品質向上への専門家の招聘、
③第三国輸出国での品質競争での生き残り意識等が上げられる。
<技術水準への誤解>
平成18年の中小企業白書で国内事業と海外事業の関係を以下の二点から分析を加えてい
る。重要なのは、視点を川上・川下工程のタテの国際分業に照準を置いている事である。
図6 - アジア製造拠点の技術水準(2004年)
製造機能の技術水準(2004&2008)
350
300
250
200
150
100
50
<世界的大競争時代の到来>
1)強いては世界的規模での商品の流通が拡大し、グローバル競争の激化が技
術水準の向上に繋がる。
2)日本の技術水準は10年前と比較して日本より技術水準が低いが42.7%か
ら25%に減少。日本と同等又は日本より技術水準が高いが57.3%から75
%へと増。
3)アジア諸国との技術格差が縮まり、日本の優位性が薄らいでいる。
0
アジア平均
中国
NIES4
ASEAN
資料:経済産業省「第35&38回海外事業活動基本調査」再編加工
(注)1.中小製造業(国内本社が資本金3億円以下、又は常時従業員者数300人以下の現地法人)
のみ集計 2.アジア平均には東アジア、南アジアの諸国を含む
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国際展開における品質経営
19
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国際展開における品質経営
5.国際展開が品質経営に果たす役割
5.国際展開が品質経営に果たす役割
5-3 「品質経営」の段階的活用
5-2 過剰品質追求の視点
1)厳しい世界の眼
「日本製品は品質が良い」はこれまでの日本の製造業への普遍的認識。しか
しこの品質の良さだけでこれからの日本企業は国際競争に立ち向かえない。
1)過剰品質は適正品質への基本要件
①モノ作りにおいて「品質」は重要な競争要素、差別化項目
②商品にクレームが発生したとき、顧客の使用目的の把握
③「過剰品質」の追求で、「適正品質」の品質水準に気付く
④「適正品質」は「過剰品質」を追求する生産体制で確立
2)最適品質経営活動
今後国際展開が生産品質に与える効果として、次の三点を指摘したい。
<適正品質の基本要件>
①「適正品質」を維持し、「適正利潤」を確保する事で企業力増強
②中小企業にとり「過剰品質」を是正した「適正品質」の確保が品質要件
③日本の「高品質」モノ作り文化に加えた「ビジネス性」の確保
④「品質経営」が事業存続の重要要素との認識が薄い事への戒め
2014/9/12
20
国際展開における品質経営
①専門分野での世界レベルを認識した上での「過剰品質」の抑制。
②生産活動における「適正品質」の世界レベルの見極めと維持。
③國際展開を通じての世界的視野に基づく品質経営での人材育成。
この「品質経営」を果たし上で、日本独自の生産専門性をより深化させる事が
日本の製造業の再生に繋がる。
21
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国際展開における品質経営
22
6.おわりに
5.国際展開が品質経営に果たす役割
5-4 国際展開による人材開発
6-1 おわりに
1)海外進出による一般的効果
日本の産業の再興が叫ばれているが、その議論には国内消費拡大を基調とす
る期待が見え隠れする。経済効率に反する「過剰品質」が世界的規模で消費助
長を促している。以上から、これまでに明らかになった点は、次のとおりである。
新たな市場開拓、新たな実績が積み上げ。海外で工場生産に着手し、海外
現地法人を設立ことで社員の国際化に対する意識が高まる。
1) これからの経営は一国だけの繁栄を求める経済目標を改め、国を超えた「国
際分業」を重視せねばならない。日本のモノ作りには「社会的品質」に根ざす品
質経営としての実践経営が求められる。
2)海外進出による波及効果
①海外営業に直面する事で、海外ビジネスの難しさの直接経験
②海外現地法人の経営者として多数の部下を指揮・監督力鍛錬
③企業の幹部候補生としてキャリア積上げの役割
2) 「国際分業」では、分業生産される製品コストも無視できない。それ以上に生
産現場の情報が得られないことからくる安全性や環境負荷の不安を払拭する品
質経営が課題となる。
3)中小企業の限界の拡大
①中小企業は、輸出面でも国際競争にさらされている
②グローバリゼーションの波及効果は、「モノ作り」企業に影響
③中小企業の経営者、後継者、社員を含めて国際感覚を磨く
④中小企業にとり、戦略遂行を担う人材開発での重要な役割を担う
2014/9/12
国際展開における品質経営
3) 「国際展開」を通じて世界的視野に基づく品質経営の経験を企業の人材育成
に資する。この品質経営を果たした上で、日本独自の生産専門性をより深化させ
る事で日本の製造業の品質価値が再認識される。
23
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86
国際展開における品質経営
24
6.おわりに
<参考文献>
•Jim Bell, David Crick, Stephen Young [2004]“Small Firm Internationalization and Business Strategy” International Small Business Journal 22 •Neomi Karagozogln and Martin Lindel [1998] “Internationalization of Small and Medium‐Size Technology Based Firms: An Exploratory Study” Journal of Small Business Management 36
6-2 今後の研究の焦点
世界環境、地域安全そして地域格差の是正等広い意味での品質経営は掛け声
だけて真摯な議論は不問に付されたままとの実地調査の結果である。
•経済産業省(2004) 『第三回海外事業活動基本調査』
•小池和男(2008) 『海外日本企業の人材形成』 東洋経済新報社
•小池和男(2012) 『高品質日本の起源』 日本経済新聞出版社
•今野彰三(2013) 『中小製造業の技術経営』 実践経営学会
•坂田慎一(2008) 『「品質管理」の仕事がわかる本』 同文館出版
•中小企業庁(2006) 『中小企業白書』
•天明茂(2004) 『生命地域主義の経営』 実践経営学会
•戸堂康之(2011) 『日本経済の底力』 中公新書
•広井良典(2001) 『定常化社会』 岩波新書
•藤本隆宏(2007) 『ものづくり経営学』 光文社新書
•藤本隆宏・柴田孝(2013) 『もの作り成長戦略』」 光文社新書
•藤本隆宏(2004) 『日本もの造り哲学』 日本経済新聞出版社
・山田正美(2004) 『図解これからよくわかる技術、技能伝承』 同文館出版
今後の「実践経営」としての研究の焦点は、
1)消費社会の変化が品質経営に与える合理性の解明。
2)企業での要素技術研究の弱体化などの原因の解明。
3)「地産地消」を基本とする品質経営の実現。
今の世の中は「定常化社会」という、量が拡大しないだけでなく目に見えないもの
に価値を置くことができる福祉社会の到来でもある。もとより「国際展開における
品質経営」には解決すべき問題点も多い。これらは今後の研究課題としたい。
2014/9/12
国際展開における品質経営
25
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国際展開における品質経営
26
郡是製糸 (綾部
津軽
経営理念の集合形成
波多野-九鬼)
- 日本企業と世界思想
• 「企業経営の根本」
綾
部
尾張
松浦
平戸
長
崎
九鬼
生野銀山
大森銀山
違和感 基督教的発想
• 基督教企業 近代化神話
構造化された複雑network SFN 経済・社会
• 基督教などによる地域形成・体制化
幕府(武人政権)時代に近代企業社会は準備された
• 京都府何鹿郡 随一の豪農(大庄屋)
1886 養蚕農家 生糸業者 → 組合
1896 生産部門会社化「郡」を強調
• 二宮尊徳1787-1856 個人主義 近代人 報徳講(契)
株式化した報徳社
洋風社是
徳川
郡是 (衣料) 綾部 九鬼
森永 (菓子) 平戸 松浦
経営コンサルタント 藪野正明
生糸と東亜思想
Organizer 波多野 鶴堂
•
• 国際決済 銀 絹織物
生野銀山 枯渇
国産生糸改良で 増産
• 華中商工民 自由思想王畿・王艮
但馬青谿書院 九州・関東から俊秀
• 生野義挙 首謀者北垣国道 → 京都府知事
地方に理解
• 豪農波多野
自由民権運動 (地域主権)挫折
•
•
大庄屋次男 母姓波多野を称す 洋算愛好 明瞭銀行(実家)・
綾部銀行(九鬼家)破綻 社長襲任 take over
1909年、社内に教育部 「表から見れば工場、裏から見れば学校」
cf. 義荘・書院 郷党の生産・金融・教育・福祉全般
/
「会社はhome」 波多野 homeless 工場で起居、急死
cult化 「基督心宗」
•
一時、教会と断絶
戦時中も聖書朗読 「会社の精神は愛」
占領軍 寮の自主管理を指示 経営家族主義後退
両社 創業条件の符合
森永太一郎と松浦平戸
• 中世由来の社会権力 一般の立志伝は無視
近世領主権力と同根
改革派 九鬼・松浦 旧水軍(平等自立集団)
• 列強 世界システムとの宿縁
平戸松浦氏 東印度会社(主権国家) 泣別
• 松浦郡出身 渡米、洋菓子と現地基督教に出会う
1899 首相官邸直下で2坪の店。 曾孫 安倍首相夫人
• 西日本 郡是近傍に進出 → 大企業化 教育部
•
• 海民集団 松浦党・森永家
国際港市 平戸
• 松浦静山『甲子夜話』 池田・中川の基督教信仰を図示
交易権 回復を要求
/
• 基督教 &山鹿流兵学 幕末諸改革
• 山鹿素行 両宗家 平戸・綾部
88
兵学の意義
日本型 基督教の実態
• 中国古代 礼楽 社会理論化 → 儒家
孔子教団は原初、武的性格
• 山鹿素行 原始儒教分析 & 集団行動研究
• 禁教 形骸化 理由ⅰ 直領分散(江戸・大坂近郊・鉱山)
• 新宿 遊園地 歴代将軍 訪問 joke 切枝厳禁
(竹木之枝 幾利支丹 堅停止) ← 禁教令諷刺
• 生産人口の把握寺社への住民登録
教会名簿を戸籍に転用 (英・仏)
• 理由ⅱ 分節社会 村など他集団に立入り制限 大庄屋
(徴税請負総括)治外放任 基督教 → status symbol
触媒 catalizer
• 農村自治連合 (郡中議定、 改革組合)
/
• 松下村塾(松蔭) 東京大学(加藤弘之) 新渡戸稲造
近代学術文化の原点 但し 陸上理論
/
• 合衆国 Mahan『海上権力論』 アジアの基督教化
海軍増強競争 日露戦争 秋山真之
大本教(綾部) 養蚕農民の生活倫理 国家神道と衝突
大庄屋ら
企業にとって宗教とは ?
迷走 分極した基督教観
• 信者人口1%未満
麻生副総理・石破幹事長…
雲上: 聖心 田園雙葉 ICU 3K:可愛・賢・金持 cf. 仏教系: 3B
• 創業者の個人的信仰 POEM
cf. 日清製粉
• 利害関係諸集団とのネットワーク
共有された物語
集合記憶
/
• 明治新政府 弾圧 列強非難
幕府禁令を誇張
基督教史観 「殉教の歴史」
• 観光資源化 「迫害に耐え 信仰を守った」
報道 → 偏見 固定
• 近世、著名な儒者は基督教に関心
• 宗教は社会集団の標章 個人意思の余地は狭い
基督教 好印象 Public Relation
• 通奏低音のような宗教 経営理念は上部構造
特に幕府関係
経営理念の再構築
• 政治システムと民間経済システムの相互補完
綾部
通貨rate調整 etc
基督教 兵学 報徳思想 自由民権 大本教…→ 創業理念
• 従業員・地域の創意・総意を如何に 汲み取るか
• 宣教師 市場主義化USA 逃避 日本に共同体
労使問題 人的資源活用
/
• 森永太一郎 幕府大儒 中村敬宇 『西国立志篇』を絶賛
89
構成
問題意識
先行研究
方法・定義・結果
議論
含意
結論
我が国における理美容業者の
長寿性に関する試論
2014‐9
日本経済大学 後藤俊夫
問題意識
先行研究
長寿企業研究:経営史分野(国内) ファミリービジネス (海外) わが国理美容業者は長寿性か? その量的把握
超100年企業の量的把握:国内25,000社、世界計62,959社
長寿性の量的把握手法は妥当か? 改善の余地は?
地域別及び業種別の把握及び分析:未開拓分野
わが国理美容業の主な経緯
永禄初(1558)年前後:髪結職の発祥(坂口,1972)
長寿企業の国際比較
企業長寿要因の解明
企業長寿モデルの構築
に向けた研究
の一環
明治維新期:
近代理髪の導入(大転換期)
1957年:
理容業から美容業を分離
1990年代:
顧客ニーズの変化、ユニセックス化
→理容減少、美容増加
図表1 我が国の超100年理美容業者:
方法・定義・結果
江戸時代以前創業
PIA法(後藤、2012a):公表情報によるDB構築・分析
(インターネットや各種名簿、書籍など)
年輪分析法(後藤、2013):過去の限られたデータから全体
を推定する方法 (今回は千葉県対象に試行)
『大日本理髪師名鑑』(1913年発行)とネット上の業者一覧/
業者名簿を突合→存続性を電話又は面談で特定
名称
創業年
所在地
世代
長島理容
1727 享保12
神奈川県厚木市
12 愛美館(I.B.KAN ) 1818 文政1
東京都港区
7 天田理容店
1829 文政12
群馬県太田市
とこやサロンたぐち 1830 文政年間 群馬県高崎市
辻本理容店
1844 弘化1
長野県安曇野市
若松理容店
1851 嘉永3前 群馬県太田市
田村理容所
1851 嘉永4
群馬県吾妻郡
ヘアーサロンショージ 1856 安政3
静岡県三島市
6 Men‘s Hair KOMAMURA 1860 安政 長野県佐久市
5 藤原理容所
1860 長野県東筑摩郡
タナカ理容店
1861 長野県飯田市
安田理容
1863 文久3
千葉県館山市
定義
企業長寿性の基点:創業年
職種・業態及び所在地の変動は問わない。
調査結果
創業以来100年以上存続する企業を合計265社特定。
内、江戸時代創業26件(推定を含む)
90
議論
理容所と美容所の変遷
最古理美容業者
髪結
長島理容(厚木市):1727(享保12)年創業
1558年頃に職業として成立
髪結と西洋理髪の連続性
250,000
美容所
生存率(後藤,2012a,2012b) 8.0%(S101)
生存率(S)=超X年企業数(a)/ X年前に存在した企業総数
(y)
超100年理髪業者数(推定)
理髪
断髪令
200,000
✚
150,000
美容を分離
(1957年)
1,824件(推定根拠生存率)〜1,432件(同出現率)
理容所
100,000
ピーク1986年:
約 14.5 万店
50,000
海外諸国との比較
Truefitt & Hill(英国):1805年創業“世界最古”
0
1959 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010
注釈:1996年までは各年末現在, 以降は翌年3月末現在
資料:厚生労働省大臣官房統計情報部「衛生行政報告例」
我が国が世界最古を約80年更新
年輪分析法:観察対象項目の追跡効果
含意
年
名称
1913 安田理容
代表者姓名 所在地
安田政治 勝浦村七瀬23
1933 安田理容
安田政一
勝浦村七瀬23
年輪分析法:
活用は、年輪のように経次的変化が記録される場合、ある
いは観察対象となる変数が多いと大きな効果を発揮する
1953 安田理容
安田清一
勝浦町七瀬23
1973 安田理容
安田太郎
勝浦町七瀬23 0473-23-2350
効果は、対象業者の経次的変化に反比例し、得られるデー
タの年次数及び観察対象の項目数に比例する
1993 ローズ
安田光男
勝浦市中央1-2 047-323-2350
PIA法及び年輪分析法の有効性と課題
PIA法:
情報が公開されていない場合、活用は制限される
承継
結論
我が国の超100年理美容業者を265者特定
同生存率を提示
超100年理美容業者数を推定
世界最古業者(英国)を日本最古が80年以上遡る事実を指
摘
*いずれも世界初の知見
→今後の長寿企業の国際比較、企業長寿要因の解明なら
びに企業長寿モデル構築に向けた貢献
制約と課題
使用できる原資料に制約があり、各都道府県別の超100年
業者の特定、生存率の把握は今後の研究課題
長寿企業の国際比較、企業長寿要因の解明、企業長寿モデ
ルの早期構築が急務
91
変更
誤記
Tel
3‐2350
East Asia Management Scientific Conference
Research presentation materials
Table of contents
Research question
Literature review
Methodology
Findings
Discussion
Implications
Conclusion
Proactive behavior of successors in
Japanese business succession
: Proposal of AUG model
YASUHIRO OCHIAI Ph. D.
Associate Professor
Faculty of Management
Japan University of Economics
Literature review
Research question
The purpose of this paper is to explore the impact that
succession of well-established family business gives to
the proactive behavior of the successors in Japan.
Research question:
What is the mechanism of successor’s proactive
behavior during succession process?
Background of the research:
1 Japan is known for its abundant century-old firms.
2 Most of them are family businesses.
3 Succession has been the most important issue in the
family business study (Handler, 1990; 1994).
Methodology
Major findings
In-depth interview of century-old family firms
(Finding1) Dilemma of autonomy and constraint
is observed during the succession process.
It is important to overcome the dilemma to achieve
the proactive behavior of the successor.
The case focused in this presentation:
Yamamoto Seaweed Company
Founded in 1849
Current CEO:6th generation
Successor: the eldest son of the current CEO
(Finding2) To make it possible, one of the key
factors is observed as ensuring autonomy at the
successor in the early step of the job placement in
the marginal sector.
→ Analysis: job arrangement of the successor
(Finding3) Another important factor is the
advancement of the successor to the central sector
at the later stage and gaining legitimacy.
92
Discussion
Discussion
(Finding3)
from marginal sector to central one
gaining legitimacy
(Finding1)
Dilemma of autonomy and constraint
(Finding2)
Ensuring autonomy
in marginal sector
AUG(Autonomy-under-Guardianship) Model
Implications
Academic implication:
This study implies the importance of the relationship
and interaction between generations as an important
factor to the entrepreneurship research.
Practical implication:
This study implies the importance of enhancing the
legitimacy of the successors by adjusting the job
placement during their training. This is expected to
achieve their proactive behavior in the long term.
Conclusion
Major achievements:
Focusing on the succession process of well-established
family business in Japan, this paper finds the
mechanism to achieve the proactive behavior of the
successors and presents AUG model.
The paper also shows the most important factor to
achieve proactive behavior resides in the successor’s
commitment to overcome the dilemma between
autonomy and constraints.
Thank you for your attention.
Further studies required:
Verification of AUG model thorough fourteen other
case studies.
93
伝統工芸の現状と課題
―新意匠開発を中心に Producing New Products in Traditional
Industry in Japan
東京都美術館
川越仁恵 Tokyo Metropolitan Art Museum
Akie KAWAGOE
§リサーチクエスチョン
伝統工芸品産業が大きな課題として直面してきた経営革新、とりわけ新意匠開発に焦点
を絞り、伝統工芸品産業の現状と課題を整理して、今後の対応策に関する知見を明らか
にする。
§使用した分析資料
・「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」(略称:伝産法)1974 年 5 月制定(平成 13
年改正)
・『21 世紀の伝統的工芸品産業施策のあり方について
―新たな生活文化の想像に向けて
―(答申)』伝統的工芸品産業審議会、2000 年
・経済産業省製造産業局伝統的工芸品産業室『伝統的工芸品産業をめぐる現状と今後の振
興施策について』第5回産業構造審議会伝統的工芸品産業分科会配布資料、2008 年
・経済産業省製造産業局伝統的工芸品産業室『伝統的工芸品産業をめぐる現状と今後の振
興施策について』第6回産業構造審議会伝統的工芸品産業分科会配布資料、2011 年
・2011 年~2014 年に行なった、山梨県南巨摩郡身延町西嶋和紙産地・高知県高知市土佐
古代塗・東京都八丈島黄八丈織物協同組合・新潟県新潟市漆器同業組合・石川県金沢市
市担当者などへの現地にて聞き取り調査
1、伝統工芸品産業の現状と振興施策
(1)「伝統的工芸品」と「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」
・要件(1)主として日常生活のように供されるものであること
(2)その製造過程の主要部分が手工業的であること
(3)伝統的な技術又は技法により製造されるものであること
(4)伝統的に使用されてきた原材料が主たる原材料として用いられ、製造される
ものであること
(5)一定の地域において少なくない数の者がその製造を行い、又はその製造に従
事しているものであること
・2013 年 12 月 26 日現在、全国で 218 品目が指定されている。
(2)「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」成立の背景
・昭和 40 年代に入り、大量消費生活への反省の結果として、本物志向となる
・一方、後継者の確保難、原材料の入手難など、地場産業の中核である地域経済に与える
影響を懸念し、成立
(3)伝統的工芸品産業の現状
94
・伝統的工芸品産業のピーク時は、1983 年(昭和 58)であり、生産額は 5,406 億円
・2009 年度は約 1,281 億円となり、昭和 50 年代のピーク時に比べて約1/4 に減少
・企業数・従事者数も同様に減少し、ことに従事者数は昭和 50 年代と比べて約1/3
(4)経済産業省における現状認識と主な課題
・後継者の不足、原材料・用具の確保難が課題
・背景要因として、生活様式の変化、大量生産方式による良質で安価な生活用品の普及、
海外からの輸入品の増加、従事者の高齢化、売り上げの不振による後継者受け入れ体制の
不整備が原因
(5)産地プロデュース
・伝産法施行 25 年を経て、「産地プロデュース」という新しいキーワードが出現
・産地内部では実際に製造することに長けた人材は多いものの、包括的なプロデュースを
行えるだけの人材は極めて少なく、制作者や組合が独自に挑戦しても限界がある
・経産省は伝統的工芸品の分野に造詣のあることに加え、需要拡大のための市場ニーズの
把握、商品設計、流通・販売戦略の構築、異業種等との交流等を統合化できる人材を広
く発掘・育成・活用が必要であるとの見解
2、伝統工芸品産業の本質的課題
(1)問屋の企画開発機能の低下
・これまで企画は大きな力をもった制作者と、産地問屋の役割。問屋はいわばプロデュー
サーであったはず
・問屋の企画力は、作れば売れる高度経済成長期にしだいに低下していった
・高度経済成長が終焉し市場が縮小すると、しだいに問屋は企画をやめ、流通のみに特化
する方向へとシフト
(2)同業者組合の空洞化
・組合は制作者が安心して制作に取り組めるよう、集団として課題に対処する組織
・これまでは原材料を大量仕入れ割安で制作者へ卸す、設備導入に資金協力、スキルアッ
プ講習など貢献する
・現在は空洞化。組合を通じて振興政策、伝統工芸品認定も組合任せで不自由
・経産省は「産地組合を政策的支援の基本に据える従来の伝産法の制度の下では十分に対
応し難い側面」と
(3)産地プロデュース施策における新意匠開発機能のミスマッチ
―比較的成功してい
る例を表に
プロジェク
えどがわ伝統工芸
かなざわごの
ト名
産学公プロジェク
み
椀一式
越後妻有名産品リ
デザインプロジェ
ト
クト
推進主体/プ
江戸川区・多摩美大
おしゃれメッセ
日本デザイン
大地の芸術祭実
ロデューサー
ほか 3 美術大学
実行委員会・金沢
コミッティー
行委員会、㈱ロフ
95
対象地域
対象となった技
東京都江戸川区
区内地場産業
市
他 2 団体
トワーク
福井県金沢市
岐阜県高山
新潟県十日町市と津南
市
町
飛騨春慶塗
地区伝統工芸品と
県内伝統工芸
術
物産
開始時期
2003 年
2006 年
2008 年
2009 年
評価
企画
△
×
○
○
制作
○
○
○
×
販売
○
×
×
○
・理想的なプロジェクトには、産地全体または工芸の未来に役立つよう、素材の美点を引
き出す技術を鍛錬しつつ、佳品を目指すという将来的な視野に立ち、企画・製造・販売を
包括的に考える総合的なヴィジョンが必要
(4)産地における革新性の自己規制
・自らが考える特徴維持を強調するあまり、現場レベルでそれに縛られて新意匠の創案が
不自由
・森下愛子(2011:24)は京焼において伝統かつ革新的な作者の活躍を指摘。仁清ら名工
の概念もこの頃作られ、京焼のブランド価値が根付く。伝統を堅持することと自己規制の
違い
3、新意匠開発の新しい方向性
(1)東京都美術館による「新伝統工芸プロデュース事業 TOKYO CRAFTS & DESIGN」)
・東京都の職人とデザイナーの連携によって、伝統技術を用いて新デザインを創りだす事
業
・東京都指定伝統工芸品 41 品目(2011 年当時)に携わる職人と、国内外のデザイナーが対
象
・伝統工芸の技術、歴史が専門の筆者が担当した。開発期間 2 年間。2012 年 10 月リリース・
販売。
・クリスチャン・ディオールのフランス店舗で販売。2013 年 11 月グッドデザイン賞(日本
デザイン振興会主催)
(2)成功の要件
・理想的なプロジェクトには、産地全体または工芸の未来に役立つよう、素材の美点を引
き出す技術を鍛錬しつつ、佳品を目指すという将来的な視野に立ち、企画・製造・販売を
包括的に考えるヴィジョンをもった
・「答申」にもあるようなプロデューサーは、発掘するのは簡単ではないことがわかった。
育成プログラムで教育するのが、伝統工芸の今後の課題ではないか
96
韓国 東義大學校 医療經營學科 金 昌泰
韓国 東義大學校大學院 Global經營學科 博士課程 申 昭鴻
`
의료정보시스템
`
병원은 양질의 진료서비스 제공
`
환자의 욕구 다양화에 대책 강구
`
급변하는 의료시장에서 경쟁우위확보
`
새로운 변화 모색과
`
효율적인 경영관리 전략요구
`
의료정보시스템 도입이 필요
`
정의:
◦ 병원의 진료, 진료지원, 관리업무를 전산화 한 시스템
`
처방전달시스템(OCS)
`
의무기록시스템(EMR)
`
의료영상저장전달시스템(PACS)
`
간호정보시스템(NRS)
◦
◦
◦
◦
`
(1) 비용
1) 비용절감
`
◦ 필름과 현상 비용
◦ 소모품 비용
`
방사선 진단에 관계된 각종 의료영상들을
디지털 상태로 획득 한 후 고속의 통신망을 이용하여
디지털 이미지를 전송, 저장, 및 조회 등으로
병원업무에 도움을 주는 시스템
한국에서의 PACS 도입은 1994년 삼성서울병원에 최초로
도입되었다.
(2) 생산성 향상
1) 외부고객 만족
◦ 당일 진료가 가능
◦ 여러 과의 동시 진료
2) 인건비 절감
◦ 예약, 촬영, 판독, 영상관리 등에서 인원 축소
3) 필름 보관 및 관리비용 절감
4) 재촬영 비용절감
`
2) 내부고객 만족
◦ 환자 별 필름 사전에 준비 불필요
◦ 촬영에서 판독까지 시간 단축
◦ 병실 등에서 신속히 영상 조회
◦ 검사의 문제
◦ 현상의 문제
97
`
장점
`
◦ 최근 영상은 수초 이내에, 과거영상은 수분 이내에 조회
◦ 영상자료 노출이 쉽게 발생
◦ 여러 장소에서 같은 영상을 조회
◦ 전체시스템 마비시 진료업무에 지장을 초래
◦ 화면밝기, 확대 등 다양한 정보와 편의성 제공
◦ 병원 간 프로그램의 표준화 미비에 의한 의료전달 체계의
어려움
◦ 분실 또는 훼손 없이 영구적 보관 가능
`
`
`
단점
◦ 페기물 처리로 인한 비용 절약 및 오염방지
◦ 높은 초기 투자비용의 초래
◦ 타 병원과의 정보교환이 용이
◦ 유지 보수 비용 발생
아날로그 방식의 진단법에서 벗으나 디지털 이미
지 방식을 사용할 경우 필름, 보관 비용 등을 절약
할 수 있다
대기시간 단축, 병원회전율을 높여 병원수익을 가
져올 수 있다
업무효율성과 근무환경에 만족도를 향상시킬 수
있다.
`
제한점
◦ 신규 장비 도입 준비 시 노후 의료장비, 신규신설과, 환자
진료에 필요한 병원기본장비 도입으로 인해 진료 시스템
의 획기적인 변화 또는 인원감축으로 인한 병원 경영측면
에서 이익 등 면밀한 검토와 토의가 선행되어야 할 것이
다
98
차례_CONTENT
Ⅰ 서론
양∙한방 의료기관 만족도 비교연구
Ⅱ 이론적 배경
漢洋方医療機関の満足度比較研究
Ⅲ 연구방법
Ⅳ 연구결과
Ⅴ 결론 및 제언
동의대학교 의료경영학과 이 정 원
동의대학교대학원 글로벌경영학과 정 문 흠
東義大學校 李廷元/ 鄭文欽
Ⅵ 참고문헌
• 현대인은 서비스 사회(service society)
또는 서비스 경제(service economy)에
살고 있다.(이인영 2005)
• 의료서비스 소비자들의 서비스에 대한
욕구가 다양화됨에 따라 점차 소비자
중심의 시장으로 변화되고 있다.
(Janssen, 1988)
• 의료서비스에 대한 소비자만족이 의료
소비자의 재구매 의도에 긍정적인 영향
을 미친다.(노진욱, 2001)
• 대한민국은 현대의학인 양방 의료와
전통적인 한의학에 바탕을 둔 한방
의료를 모두 인정하는 이원화된
의료체계이다.
• 따라서 환자만족 향상을 통해 재이용도
를 높이려는 노력은 의료기관의 핵심적
인 경영전략이 되고 있다.
99
• 이에 본 연구는 양방과 한방 의료기관을
이용하는 환자의 특성을 파악하고
양한방 의료기관의 만족도를 비교하여
의료기관에는 효율적인 의료서비스
제공과 경 영 전 략 에 활 용 할 수 있 는
자료를 제공하고, 보건의료 당국에는
의료정책 수립시 참고자료를 제공하고자
한다.
1)
의료기관의 만족도를 파악한다. 2)
일반적 특성이 만족도에 미치는 영향을
파악한다. 3)
분석된 만족도가 양방, 한방의 차이가 있
는가를 파악한다.
▣ 고객만족도
• 고객들이 의료서비스를 이용하기 전이나 이용
하는 동안 그리고 이용한 후에 서비스와 관련
된 자극에 대해 인지한 가치판단이며 지속되
는 반응을 말한다 (Strasser, S. Davis, R. M. ,1991).
• 본 연구에서는 여러 선행연구에서 제시된 문
항들을 취합하여 본 연구의 취지에 맞게 수정
한 24가지 요인들을 의미하면, 선행연구에 의
해 4가지 요인군으로 추출되었다. • 우리나라 출생률은 2010년 1.23명. 2010년 세계 평
균 출생률인 2.53명보다도 한참 낮은 수치(통계청).
• 2011년 말 의사의 수는 84,544명으로 최근 5년간
20.2%가 증가, 의료기관은 2011년 현재 2000년 대비
25% 증가(건강보험심사평가원. 2012)
• 우리나라 2010년에 태어난 아이의 기대여명은 80.7
세. OECD 국가의 평균수명 79.8세(보건복지부. 2012).
• 종합병원의 진료비 점유율은 2001년 25.6%에서
2011년 30.7%로 증가, 특히 상급 종합병원 중 BIG5 병원 급여비는 2000년 5천억원에서 2011년 2조 1천
억원으로 400%이상 증가(국민건강보험공단. 2011)
• 연령대별로 1인당 연간 진료비 : 9세 이하는 진료비
점유율이 감소, 50대 이상에서는 증가. 특히 70대 이
상은 큰 폭으로 증가추세(국민건강보험공단. 2011).
100
• 의료관광은 일반적으로 의료서비스 체험과 관광활
동이 결합된 관광형태를 의미, 사실상 관광보다는
의료부분에 보다 비중을 두고 있는 치료 목적의 관
광 (곽대영. 2013)
• 건강보험이 처음 적용된 1977년 이후 건강보험의 보
장성이 강화되며 보험급여 지속적 확대(국민건강보
험공단. 2011).
• 복지제도의 핵심인 의료제도에 정부가 많은 의료개
혁정책을 구상하고 실시하고 있음. 정부는 의료서비
스의 개선과 다양성을 위해 의료제도를 지속적으로
개선하고 통제를 더욱 강화할 것으로 보임(김용혁
등. 2013).
• 우리나라는 2009년 1월 ‘글로벌 헬스케어’를 신 성장
동력산업에 포함시킨 후, 의료법 개정, 의료기관 국
가인증제 도입, 외국인 환자 의료분쟁 해결시스템
마련, U‐Health 활성화 종합계획 수립 등 신성장동력
으로서 의료관광 추진전략을 정부차원에서 수립, 추
진(한국관광공사. 2010)
• 의료서비스란 의사가 주체가 되어 환자를 진료하고, 그
증세에 따라 적절한 투약이나 처치로 환자를 진료하는
행위와 관련된 직 간접적인 모든 서비스(서정희. 1993).
• 본인부담금 비율이 1980년 74%에서 2010년 32.1%로
낮아짐. 국민 1인당 의료기관 평균 방문일수는 1990
년 7.9일에서 2011년 18.8일로 2.4배 증가, 입원은
1990년 0.6일에서 2011년 2.2일로 3.6배 증가 (국민
건강보험공단. 2011).
• 의료서비스는 일반적으로 의료적 서비스와 의료외적
서비스로 나눌 수 있다. 의료적 서비스는 고객들의 입장
에서는 전문지식의 부족으로 서비스 가치를 평가하기
가 어려운 부분이 많다. 반면 의료외적 서비스는 고객들
이 직접 체험을 통해 만족, 불만족을 쉽게 평가할 수 있
어 고객만족도에 미치는 영향이 크다(임혜경, 김정아
2003).
• 2012년 한 해 26,831건 상담 접수, 그중 조정과 중재
신청된 건 503건. 매년 의료분쟁이 많이 발생(한국
의료분쟁조정중재원. 2013).
• 고객만족은 고객의 구매 행위와 고객 유지에 미치는
영향이 높으므로 많은 연구자들이 관심을 가지고 있
는 분야이다.(Churchill, G.A. and Surprenant, C. 1982; Fornell, C. 1992; Anderson E. W. et al. 1994; Griffin, A. et al. 1995; Garbarino, E. and Johnson, M. S. 1999)
• 소비자 만족은 의료서비스 소비자와 의료서비스 공급자
를 연결시키는 것으로 의료 서비스 소비 행동을 이해하
는데 공헌한다고 하였으며, 소비자 연구에서 사용되는
기대이론(Expectancy theory)과 불일치이론(Discrepancy Theory)을 이용하여 환자 만족도를 설명하였다. (Pascoe GC. ,1983)
• 고객만족도 조사란 의료서비스를 이용하는 사람들
을 대상으로 의료서비스에 대한 만족도를 측정하는
것을 말한다. 의료서비스에 대한 고객의 경험과 불
만을 알아보고 이에 대한 문제점을 찾아 개선함으로
서 보다 나은 서비스를 제공하려는 것이 고객만족도
를 조사하는 가장 큰 이유이다(이숙희. 2000).
• 고객만족도는 의료서비스의 다양한 차원과 속성들이 복
합적으로 작용하여 고객에게 요약, 평가되는 개념이고, 고객만족도가 형성되는 과정은 동적이며 시간이나 상황
에 따라 변화한다. 그리고 태도나 행위 등을 통해 반응이
표현되는 것이며 고객 자신의 다양한 특성이 만족도 형
성에 관계되게 된다(S. Strasser, L. Aharony, D. Greenberger. ,1993)
101
• 가설 1 (H1) : 양 한방 의료기관 이용자의
만족도에는 차이가 있을 것이다. • 가설 1‐1 (H1‐1) : 양한방 의료기관 이용자의 인적
서비스 만족도는 차이가 있을 것이다. • 가설 1‐2 (H1‐2) : 양한방 의료기관 이용자의 물리적
환경 만족도는 차이가 있을 것이다. • 가설 1‐3 (H1‐3) : 양한방 의료기관 이용자의 병원의
평판에 대한 만족도는 차이가 있을 것이다.
• 가설 1‐1‐2‐4 (H1‐4) : 양한방 의료기관 이용자의
병원의 홍보에 대한 만족도는 차이가 있을 것이다. • 자료 수집 기간 : 2013년 10월 1일부터 10월
30일 까지 30일간
• 부산시와 경상남도에 소재하고 있는 양방대학
병원 1곳, 한방대학병원 1곳, 양방병원 2곳,
한방병원 1곳, 양방의원 3곳, 한방의원 4곳 등
총 12곳
• 총 900부 중 692부를 회수, 회수된 설문 중 응답
이 불성실한 12부를 제외 후 최종 680부를
분석에 이용
만족도는 이경아(2006)가 선행연구를 바탕으로 선
택, 수정한 문항에, 이혜진(2009)의 설문문항과 이
현숙(2012)의 설문문항을 취합하여 본 연구의 취지
에 맞게 수정 보완한 24문항을 사용하였다. •
•
▣ SPSS 20.0 for Windows를 이용
•
설문지를 통해 수집된 자료를 바탕으로 응답자의 일
반적 특성과 각 설문 문항별 대략적인 통계량을 확인
하기 위하여 빈도분석과 조사항목에 관한 기술 통계
를 실시하였다. •
일반적 특성에 따른 만족도의 차이가 있는지 확인하
기 위하여 독립표본 t‐test, One‐way ANOVA를 이용한
평균의 차이를 검증하였고 사후분석은 Duncan을 이
용하였다. 102
변수
항목
빈도(명)
비율(%)
변수
양한방
양방
342
50.3
학력
한방
직업
항목
빈도(명)
32
대학원졸
이상
28
기타
비율(%)
4.7
항목
빈도(명)
76
매우중증
비율(%)
11.2
49.7
40.9
189
27.8
남성
338
278
약간중증
성별
주부
151
22.2
보통
278
40.9
402
59.1
사무직
91
13.4
약간경증
83
12.2
나이
여성
10대
20대
14
96
2.1
14.1
생산직
서비스직
46
69
6.8
10.1
매우경증
54
7.9
25.6
141
20.7
전문직
96
14.1
주요질환 근골격계
피부
174
30대
44
6.5
40대
142
20.9
자영업
60
8.8
뇌신경계
94
13.8
50대
141
20.7
학생
32
4.7
심혈관계
40
5.9
60대
81
11.9
무직
74
10.9
호흡기계
48
7.1
70대이상
기혼
65
467
9.6
68.7
기타
100미만
61
113
9
16.6
소화기계
안이비인
후과
68
44
10
6.5
미혼
173
25.4
100-200
170
25
내분비계
14
2.1
기타
40
5.9
200-300
179
26.3
외상
42
6.2
중졸이하
111
16.3
300-400
111
16.3
스트레스
19
2.8
고졸
240
35.3
400-500
45
6.6
기타
93
13.7
대졸
269
39.6
500이상
62
9.1
결혼
학력
소득
4.1
변수
질병상태
양방 (N=342)
전체만족도
한방 (N=338)
M±SD
M±SD
t
p
4.92±0.78
5.39±0.84
-7.53
0.000***
인적서비스 만족도
5.31±0.84
5.72±0.88
-6.25
0.000***
물리적 환경 만족도
4.68±1.10
5.11±1.08
-5.13
0.000***
병원의 평판 만족도
4.89±0.94
5.47±0.94
-8.05
0.000***
병원의 홍보 만족도
4.46±1.04
4.98±1.04
-6.52
0.000***
* p<0.05, ** p<0.01, *** p<0.001
• 첫째, 양∙한방 전체에서 만족도를 비교한 결과 한방이
양방에 비해 p<0.001 수준에서 유의미하게 높은 것을 확
인하였다. • 둘째, 양∙한방 인적서비스 만족도를 비교한 결과 한방이
양방에 비해 p<0.001 수준에서 유의미하게 높은 것을 확
인하였다. • 셋째, 양∙한방 물리적 환경 만족도를 비교한 결과 한방
이 양방에 비해 p<0.001 수준에서 유의미하게 높은 것을
확인하였다. • 넷째, 양∙한방 전체에서 평판 만족도를 비교한 결과 한
방이 양방에 비해 p<0.001 수준에서 유의미하게 높은 것
을 확인하였다. • 양방과 한방으로 이분화 되어있는 한국적 의료 서비스 산업
의 특성에 맞추어 병원 만족도가 다르다는 것을 검증하였다
는 점에서 연구의 의의가 있다고 본다.
• 다섯째, 양∙한방 전체에서 홍보 만족도를 비교한 결과
한방이 양방에 비해 p<0.001 수준에서 유의미하게 높은
것을 확인하였다. • 양∙한방 비교에서 모든 항목에서 한방의 만족도가 양방에 비
해 통계적으로 유의미하게 높았다. 한국 의료의 한 축을 담당
하고 있는 한방에 대한 선호도가 높다는 것을 확인한 점에서
본 연구의 의의가 있다고 하겠다. • 국가 보건 정책 수립 시 국민 보건향상을 위해서 만족도가 높
은 한방에 대한 관심과 정책지원을 국민보건 서비스에 대한
만족도를 높일 수 있는 방법으로 제안 한다. 103
• 선택된 12곳의 의료기관이 전체 의료기관의 환자를 대
변할 수 없는 한계를 지니고 있어, 전국적으로 일반화시
키기에는 한계가 있다. 따라서 전국적으로 확대된 연구
가 추후 진행되어야 할 것으로 보인다. • 양방과 한방의 만족도 차이를 찾기 위한 연구로 초기 모
형을 최대한 단순화 하여 진행하였다. 하지만 환자들이
병원을 평가하는 것에는 많은 변수들이 포함되어 있다. 따라서 여러 변수들을 추가하여 더욱 정확한 모형을 만
드는 추가 연구가 필요할 것이다.
• 양방과 한방으로 비교함에 있어, 동일 진료 분야 별로 균
등한 환자를 설문대상으로 하지 못했으므로 의료기관
전체로 일반화 하는 데는 어느 정도의 한계가 있다고 할
수 있다. 따라서 향후 정밀하게 설계된 표본 집단을 선정
하여 연구할 필요가 있을 것으로 생각된다.
THANKS!
104
목차
1. 안조직의 노화
1)익상편
2)각막환(변성)
美容は、あなたの大切な目から
3)노안
미용은 당신의 소중한눈으로부터
Beauty from your precious eyes
ソジュンハヌン(大切な眼)眼科
소중한눈 안과
Sojunghan Nun Ophthalmology Clinic
2. 백내장
3. 녹내장
申勝惠
신승혜 Seunghye,Shin
2
◆ 익상편
백태가 낀듯 보인다면!?
1. 익상편
4
◆ 익상편 원인?
◆ 익상편 증상
익상편의 확실한 원인은 아직 밝혀지지 않았습니다.
다만 야외에서 많은 시간을 보내는 사람에게서 많이 발생하는 것으로 보아
자외선, 바람과 먼지 등의 자극이 관련이 있다고 볼 수 있습니다.
익상편은 눈에 흰막이 덮힘으로 인해 일단 외관상 보기에 좋지 않습니다.
때문에 미용상에 문제가 되는 거 이외에 특별히 걱정할 만한 것은 없습니다.
5
6
105
◆ 각막환(각막 변성)이란?
눈주변에 흰 테두리가
생긴다면!?
2. 각막환(각막변성)
8
◆ 노안이란?
가까운거리가 잘 보이지
않는다면!?
3. 노안
나이가 들면 점차 모양체근의 수축력과 탄력성이 떨어져
가까운 곳에 초점을 맞추기가 어려워지며 이를 흔히 노안
이라고 합니다.
10
◆ 라식수술의 원리 (LASIK)
◆ 라섹수술의 원리 (LASEK)
11
12
106
◆ 레인드롭 인레이
◆ 레인드롭 인레이 수술방법
직경 2㎜, 두께 30㎛의 수분함유량이
높은 신개념 노안교정용 각막 임플란트
로,
각막 표면의 형태를
자연스럽게 재구성하여
근거리, 중간거리, 원거리 시력을
모두 확보 가능
1. 펨토세컨 레이저를 사용하
여
레인드롭 인레이를 삽입할
각막절편을 만듭니다.
2. 레인드롭 인레이를 눈 중앙
에
부드럽게 올려줍니다.
3. 각막 절편을 원위치 시켜
레인드롭 인레이를
고정시켜줍니다.
13
14
◆ 백내장 수술방법
안개가 낀듯 눈앞이
침침하다면?
백내장
16
◆ 백내장 수술 후 경과
소리없이 찾아오는
실명의 원인
녹내장
17
107
◆ 녹내장의 시야변화
감사합니다
19
20
108
ǭȃdzȸȞȳƷʙ̊ᄂᆮ
ĬǭȃdzȸȞȳӪƷಒᙲ
2014ᐕ9᦬13ᣣ
Japan Productivity Center Consulting Dept.
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110
論 文 目 次
第9回東アジア経営管理学術大会
序 論 研究の目的と方法
第Ⅰ部 理論編:先行研究とレジリエンス(p1~p62)
第1章 先行研究
第2章 レジリエンス理論の新たな展開
第Ⅱ部 分析編:事例研究による定性分析(p63~p82)
第3章 阪神・淡路大震災に見る辰馬本家酒造株式会社のレジリエンスの事例
第Ⅲ部 新理論の提示編:レジリエンスの本質とインプリケーション
(p83~107)
2014年9月13日(土)
第4章 定性分析から見たレジリエンスの本質
静岡大学情報基盤センター客員教授
中小企業診断士・ITコーディネータ
終 章 本研究の成果とインプリケーション
【付 録】 アンケート調査によるレジリエンスの定量分析
【参考論文・資料】
博士(学術)石井洋之
1
2
第2節 日本は災害大国
第3節 大震災と企業経営
¾狭い国土に地震災害が集中・ ¾東京・横浜は世界の中で最も災害
危険度指数の高い都市
被害は大きいが死者は少ない
¾大震災関連倒産が収束するには3年以上かかる
出典:ミュンヘン再保険会社2008年
出典:「特別企画:「東日本大震災関連倒産」(発生から3 年)の内訳と今後の見通し」
(帝国データバンク2014年3月3日)
出典:内閣府『平成22年版防災白書』
より筆者加筆編集
3
4
序論 研究の目的と方法
第1節 日本は長寿企業大国
¾世界長寿企業の56%が日本・100年企業は5万社超
第4節 東日本大震災による企業倒産の実態
¾直接被害による倒産は、間接被害による損害の10%しかない
構成比
(%)
前年同期
比(%)
直接的被害
133
9.0
△26.7
間接的被害
被害区分
倒産件
数
順位
都道府県
1
東京都
364
構成比
24.5
1,352
91.0
△29.5
消費マインドの低下
808
54.4
△15.4
2
宮城県
118
7.9
流通の困難
113
7.6
△71.4
3
北海道
85
5.7
94
6.3
△64.9
連鎖倒産
82
5.5
△89.3
4
神奈川県
71
4.8
得意先被災
72
4.8
△25.0
5
埼玉県
68
4.6
市場価格の混乱
33
2.2
100.0
6
静岡県
65
4.4
仕入れ先被災
25
1.7
△33.3
7
福島県
49
3.3
生産計画の変更・頓挫
内訳
件数
公共事業の減少
その他
合計
23
1.5
△77.8
102
6.9
△26.7
8
福岡県
55
3.7
1,485
100.0
△29.2
番外
岩手県
26
1.8
出典:「特別企画:「東日本大震災関連倒産」(発生から3 年)の内訳と今後の見通し」
(帝国データバンク2014年3月3日から筆者編集)
6
5
111
第2章 第4節 RBV理論とレジリエンス
第5節 リサーチクエスチョンと仮説命題
第1項 IT分野におけるレジリエンス概念
• 問題の方向性と研究のテーマ
–リサーチクエスチョン:中小長寿ファミリー企業が保有しているレ
ジリエンス(定義:自然災害等の純粋リスクで被災しても再起し
て事業を継続する組織能力)の本質は何か?
– 壊れないプログラム開発→「壊れたらどうする?」⇒DRからBCP
第2項 レジリエンスの構造と4要素⇒マイセオリー
– バーニー等の4つの指標を参考に人的資本、物的資本、財務資本、それを
動かす組織の4要素をレジリエンスを構成する4要素としてイメージ図作成
– 4要素とは①財務体力 ②長期関係力 ③保守力と革新力 ④経営者の危
機管理能力:そのベースにはステークホルダーとの信頼
• 二つの仮説:東日本大震災と阪神大震災からの示唆
– 仮説1:長寿企業が保有しているレジリエンスは、4つの要素から構成さ
れた組織能力であり、企業文化になって引き継がれている。
– 仮説2:レジリエンスは、ステークホルダーとの信頼によって生まれ、
ソーシャル・キャピタルが蓄積した「見えない資産」を基盤としている。
第3項 VRIO分析フレームによるレジリエンス構造分析への応用
レジリエンス組織の構造モデル
• 脚注:レジリエンスの定義
-「複雑で変化している環境における組織の適応能力(ISOにおける定義)
原文“The adaptive capacity of an organization in a complex and changing environment” (ISO Guide73:2009)
- 本稿は、自然災害等の純粋リスクに対するレジリエンス(再起力)についての
研究であり、投機的リスクに対するレジリエンスには適用しない
7
(筆者作成)
第3章 第2節 辰馬本家酒造のレジリエンスとVRIO分析
第Ⅱ部 第3章 阪神・淡路大震災に見る辰馬本家酒造の事例
①従業
員・蔵人
財務体力
保守力と革新力
長期関係力
危機管理能力
見舞金支払い
(2/10)
松尾神社参拝
(1/31)
蔵人雇用継続
(1/27)・OB含む
安否確認(1/20)
葬儀手配(1/18)全社員
旅行手配)(2/1)社内報
発信(2/1)
中小蔵元の協業・
協同化支援(1/末~)
風評被害対応のため単独行動の禁止依
頼(1/19)
②同業
者・行政
③取引
先
期日支払徹底
の指示(1/21)
風評被害防止への依 被害情報の提供
頼と協力対応(1/30)
と謝罪(1/19)
④顧客
歴史資料館の再建による酒文化の
継承(消費者・市民)(平成10年)
風評被害防止依頼(販売・卸店)(1/19)
戦前の取引先による工業用水運搬支援
により地域で一番に生産再開(2/7)
⑤地域
宮水・自社製品提
供・施設開放
(1/18)・緑化事業資
金へ寄付(5/10)
旧当主住宅取り壊
し(1/末)
出典:白鹿記念酒造博物館展示写真より
項目
内容
人的被害
・社員の重傷・入院は2人、杜氏や蔵人などの季 節従業員の軽傷は5人、従業員家
族の死亡は6人:
物的被害
・建物、設備、製品・仕掛品・原材料等は57億52百万円、間接損害を含めた最終的
損害額は85億5千万円。地域で火災が数か所発生、初期消火に成功し鎮火
⑥株主
インフラ
・醸造用好適水「として特別な意味を持つ「宮水」に被害なし
瓶洗浄用等の工業用水の復旧まで休業
➆メディ
ア
9
第3章 第2節 レジリエンスの4要素の事例:財務体力
行動
①従業員・蔵人
2月10日
社内規定により被災社員への見舞金支払い
③取引先
1月21日
取引先債務者への期日支払徹底の指示
④顧客
歴史資料館の再建による酒文化の継承(消費者・
平成10年再開
市民)
⑤地域
⑥株主
「櫻・さくら・桜」 瓦礫に埋まった伝統と
展の単独開催、 酒文化の文化財の発
(3/18)
掘(直後~8月)
有馬温泉へ全
社員旅行(6/23)
(土地や資産は世間様からの借り物)
自社が再建一
番乗り(2/7)
積極的に活用
(直後~) 10
第3章 第2節 レジリエンスの4要素の事例:保守力と革新力
ステークホルダー 日時
ステークホルダー 日時
8
松尾神社参拝
①従業員・蔵人
1月31日
②同業者・行政
1月末
中小蔵元の協業の推進指導・協同化への支援
④顧客
平成10年
白鹿記念酒造博物館の「酒造館」(木造レンガ造り)
が倒壊・消費者・市民に地域の文化財の継承者とし
ての歴史資料館の再建・酒文化の継承
⑤地域
3月18日~4月
18日
西宮市市制70周年記念「櫻・さくら・桜」展の単独開
催、桜博士笹部新太郎のコレクション展示
1月18日
宮水・自社製品提供・施設開放
5月10日
緑化事業資金へ寄付
⑥株主
1月末
旧当主住宅取り壊し
➆メディア
11
行動
(土地や資産は世間様からの借り物)
2月7日
風評被害を鎮めるためには自社が再建一番乗り
12
112
第3章 第2節 レジリエンスの4要素の事例:長期関係力
ステークホルダー
①従業員・蔵人
日時
行動
1月27日
蔵人雇用継続・OB含む安否確認
1月20日
OB含む従業員全員の安否確認完了・自転車で訪問
第3章 第2節 レジリエンスの4要素の事例:危機管理能力
ステークホルダー
①従業員・蔵人
②同業者・行政
1月19日
風評被害対応のため単独行動の禁止依頼
③取引先
1月30日
風評被害防止への依頼と協力対応
②同業者・行政
1月19日
風評被害防止依頼(販売・卸店)
③取引先
2月7日
戦前の取引先の造船会社による酒瓶洗浄用の工業用
水運搬支援により地域で一番に生産再開
④顧客
直後~8月
瓦礫に埋まった文化財の発掘による伝統と酒文化の
継承
④顧客
⑤地域
⑥株主
日時
行動
1月18日
従業員家族犠牲者葬儀手配
2月1日
5年ぶり全社員旅行手配(JTBと打ち合わせ)
2月1日
社内報発信・社長の巻頭言による一致団結宣言
1月19日
風評被害対応のため単独行動の禁止依頼
被害情報の提供と謝罪(1/19)
1月19日
酒販卸店・酒販組合から販売店に風評被害防止
2月7日
戦前の取引先の造船会社による酒瓶洗浄用の工
業用水運搬支援により地域で一番に生産再開
⑤地域
6月23日
有馬温泉へ全社員旅行・地域風評被害企業への支
援
➆メディア
(直後~)
積極的にメディアを活用し、復活宣言(風評被害防
止)
(土地や資産は世間様からの借り物)
13
14
第4章 第3節 レジリエンスの本質
– レジリエンスの4要素とソーシャル・キャピタルの3要素について考察し、
レジリエンスの本質を以下のように定義する
・組織を存続させる組織能力である
・4つの要素を持つ見えない経営組織の資源である
・地域ステークホルダーとの長期的関係に基づく相互信頼を基盤
ご清聴ありがとうございました
(出典:筆者作成)
16
15
113
持続型企業における共生的な相互作用に関する研究
Mutualistic Interactions in long-lived firms
森下あや子
静岡大学 創造科学技術大学院 博士課程
1.序論
日本の経済を支えてきた製造業が「作れば売れる」時代は過ぎ去った、と言われて久しい。長
期に渡る景気低迷や、新興国の急速な経済成長等を受けて、激しいコスト競争にさらされ十分な
利益を上げることは難しくなっている。国内の製造業の生産拠点は続々と海外へと移行した。日
本経済を牽引してきた製造業の衰退は、国内の空洞化、非正規労働者の増加や若年層の失業など
の深刻な雇用状況の悪化を招いている。本稿の目的は、成長の限界に直面しつつある現在、企業
が「拡大」から「持続」のモデルに変えていくための持続型経営について、食品小売業 S 社の組
織改革に関するインタビュー調査から考察する。
2.分析方法
2.1 食品スーパーマーケット S 社の事例調査
食品スーパーマーケット S 社は、創業 1892 年、従業員約 600 人、5 店舗を展開する。明治時
代から、地域で海産物業を営んでおり、新鮮かつ中間コストをカットした商品仕入れによって、
海産物の品ぞろえや品質には、定評があった。他の商品も、良い品質かつ低価格で、加えて、近
隣には競合が少なく、
「売ってやる」状態であっても、売り上げは好調であった。しかし、社内の
人間関係は悪化し、顧客に対するサービスも良いものとはいえなかった。郊外に大型小売店が進
出し始めたのを機に、危機感を募らせた経営者はサービスの向上をめざして改革に踏み切った。
2.2 分析方法
経営者、従業員、顧客への半構造化インタビューを実施した。
経営者:2011/7/30, 2012/4/21 延 3 時間
構成員 A: 2013/2/2 延 3 時間
構成員 5 名: 2011/11/19, 2013/2/2 延 2 時間
顧客 :2012/4/2 延 1 時間
インタビューデータという定性的データを解析するために、データマイニングの活用を試みた。
データマイニングは、東京大学の大澤が開発した「キーグラフ」を用いた[1,2,3]。テキスト・デー
タのコンテキストをノードとリンクによるネットワーク図で可視化するアルゴリズムであり、デ
ータマイニングの手法によって可視化する。
3.結果
3.1 改革の概要
創業 120 余年の長寿型企業である S 社には、もともといくつかのユニークな取り組みが存在し
ていた。1) チラシやCMなどの広告宣伝を一切しない。2) 目の届く範囲で 1 時間圏内、多店舗
展開をしない。3) 徹底的に生産現場までいき、生産者と協働して品質をつくり上げる。4) 人を
大切にする。1)と 3)は、徹底した商品へのこだわりでの現れ、2)は、地域密着型の老舗企業とし
ての特徴、4)は、創業以来の流れで、取引先、顧客、社員などを包括する。改革で、S 社は、四
番目の人を大切にするという部分に、焦点をあてた。従来、大切にする順番は、1 番目は顧客、2
番目が社員と生産者や問屋という順番であった。改革には、約 10 年を要した。
1) 理念の徹底 「ステキな会社をつくる」という人を大切にする趣旨の理念を掲げた。
2) 推進の方法 危惧を抱くひとりの現場社員(構成員 A と呼ぶ)が、経営者と共に、理念作成に
も携わった。構成員 A は、経営者と共に改革のハブとしての役割を担った。
3) 具体的な施策 社員の休憩室やトイレなどにお金をかけた。正社員、パート、アルバイトの
114
差別をなくすために、全員をパートナーと呼び、全員を君・さん付けで呼ぶこととした。それま
では「おい、おまえ」などと呼んでいた。、社会人としての生き方、人としての成長を基本とし、
現場で接客マナーを教育した。粗利益の 50%を社員に還元するしくみをつくって実行した。
3.2 改革の調査結果
3.2.1 取引先
取引先との関係は、経営者へのインタビューによる。取引先(生産者や問屋)との関係は、歴
史的に良好であった。改革によって、生産者との協力をいっそう強化した。農家への技術指導の
結果、農家の生産性は飛躍的に向上、農家も収入が増え、お互いに有益な関係となった。
3.2.2 経営者(本部長)
キーグラフの結果を図 1-1 に示す。社員を大切にすること、会社と顧客の関係、組織の一体感
について述べている。その中で、頻度は少ないが、頻出後をつなぐ赤ノードとして、関係、地域、
うれしい、組織、一つ、利益などがある。インタビューの中では、
「お客様を大切にしたければそ
の前に社員を大切にする事です。10 数年前までは私達はそれが出来てない会社でした。コストを
かけないで徹底して良い物を安く提供する事に終始していました。」と言う。
組織の一体感
会社と顧客の関係
S社
図 1-1
経営者(本部長)のキーグラフ
社員を大切にする
図 1-1
経営者のキーグラフ
人の関係につきる
支援された記憶
基本は良い商品
A さん
A さん
S社
させるのではなく、ケアから始ま
る教育、指導
図 1-2
構成員 A のキーグラフ
115
経営陣の方向性は一致
するべき
3.2.3 構成員 A
図 1-2 にキーグラフの結果を示す。いくつかの要素のまとまりが見られる。
「人の関係に尽きる」
こと、構成員 A の人生に関係する「支援された記憶」、構成員が改革をするにあたって実施した
のは「させるのではなく、ケアから始まる教育、指導」、改革のやり方として重要な点として「経
営陣の方向性は一致するべき」こと、
「基本は良い商品」があること、である。人を中心とした改
革は、結果が出るまでに時間がかかるが、特に経営層の理念が揺らがず、一致していることの重
要性を強調している。また、構成員 A と経営者の関係は、信頼関係であり強固なものであった。
3.2.4 構成員(5 名)
構成員のキーグラフからは、職場の雰囲気を示す「やさしい、アットホーム、雰囲気、家族」
また、商品に対する「商品、利益、値打ち、良識」というまとまりがみられた。赤ノードとして、
「すてき、会話、積み重ね、話し」などがあった。改革前は、いがみ合ったり、部門をまたぐ仕
事はしない、悪い意味での年功序列で、構成員どうしの関係は悪くなっていたが、改革後は、見
違えるほどに好転した。顧客とともに価値を作り上げていくという段階に移行してからは、
「お客
さんがすぐに結果を伝えてくれる。やりがいがある。」「顧客が、新入社員を育てるように教えて
くれるような場面もみられるように。」という。
3.2.5 顧客
顧客のキーグラフには、まとまりが見にくい状況であった。インタビューからは、改革前は、
顧客も「モノがいいから、買うところがないから、利用していた。」という。その後、顧客と構成
員の相互作用は活発になり、そして、商品の売買の場、商品の売買の関係をこえて、顧客どうし
の関係も高まった。買うものがなくても、S 社にやってくる顧客がいる。一日に何回も来る顧客
もいる。顧客どうしも知り合いで、地域の集まり場所になっている。誰かと会う、誰かと話せる
のを楽しみに訪れる。広告宣伝を一切しないが、顧客が積極的に口コミで宣伝するという、従来
の効率以上の“効率的な”状況になった。
3.3 改革のまとめ
図 2 に改革前後の変化を階層に注目しながらまとめた。改革前にも、安くて品質のいいモノは
改革前
改革中
改革後
きちんと流れていたが、構成員どうし、構
取引先
取引先
取引先
取引先
成員と顧客の関係は悪く、サービスは流れ
ていなかった。改革中には、経営層と構成
員 A による施策により、顧客へのサービス
経営層
本部長
本部長
がよくなり、さらに改革後には、構成員の
相互作用が充実して、さらには顧客どうし
構成員
A氏 一方向
の相互作用が活発になった。あたかも、S
社のひとつの階層のような顧客層が発生し
て、商品へのフィードバックや、若手社員
共生的
モノ+サービス
モノ
相互作用
顧客
への教育的な関わりをもつようになった。
改革の途中では、人と人の関わりが、構成
員 A や経営者からの一方向的な関係であっ
た。双方向的な関係に発展するまでには、
図 2 S 社の改革
時間が必要であった。
4 考察
4.1 外視点から内視点への転換
S 社が実践した施策は、要約すれば、(1)経営者が理念を徹底する、(2)まず、社員を大切にする、
(3)挨拶や掃除などの汎事を継続するという 3 点である。こんなことで、何が変わるのかという疑
問がある。しかし、実際に時間は要したが、明らかに組織は変わった。
S 社の改革のように人と人との関係性を重視して、高いパフォーマンスを生み出す経営を実践
116
している企業が他にも存在する(六花亭、伊
那食品工業、鍋屋バイテック会社)。これらの
企業の取り組みに共通することは、外からの
視点による評価から、組織の内に目を向けた
ことである。売上高、利益、成長率、市場シ
ェアなどの外部評価からではなく、組織内の
a 外から変える
b 内から変わる
人と人との関係性を構築することに目を向け 外からみえる内を外から変える
内からみえる内を内から変える
と外も変わる
た。つまり、図 3 の「a 外から変える」から
「b 内から変わる」に変化したのである。a
図 3 外から変える 内から変わる[4]
の状態では、
「外からみえる内を外側から変え
る」のだが、b の状態では、
「内からみえる内を内側から変えると外も変わる」となる。S 社の経
営者が「お客様を大切にしたければその前に社員を大切にする事です。10 数年前までは私達はそ
れが出来てない会社でした。コストをかけないで徹底して良い物を安く提供する事に終始してい
ました。」と言うように、いったん外部から内部に目を向けることにより、顧客が集まり、宣伝し
てくれるようになり、結果的に外部が動いたといえる。
4.2 時間
S 社の改革は、約 10 年の時間を要した。S 社がベンチマークとした六花亭も約 10 年かかった
という(S 社社長インタビューより)。10 年という期間は、短期的に経営者が変わり、四半期ごと
の増収増益を要求される公開企業にとっては、長い時間であろう。長期的経営が可能なファミリ
ービジネスに持続企業が多い理由の一つであると推定される。
4.3 共生的相互作用
S 社の改革によって創りだされた相互作用は、共生的な相互作用である。共生的(mutualistic)
は、生物学で用いられる用語で相利共生のことである。つまり、お互いに利益がある関係である。
「作れば売れる」ような成長期の後に訪れる成熟期には、老舗企業に共通する急速な拡大を避け、
顧客取引先と共に成長するような共生的な経営が持続可能な経営となると考える。
5.結論
1) S 社は、顧客サービス改善のために組織改革を実施した。実施内容は、経営者が理念を徹底す
る、社員を大切にする、挨拶や掃除などの汎事を継続することであった。
2) 改革により、顧客へのサービスがよくなり、さらに、構成員どうしの相互作用が充実して、さ
らには顧客どうしの相互作用が活発になった。あたかも、S 社のひとつの階層のような顧客層が
発生して、売る・買うの一方向的な関係から、社員と顧客の間に共生的な相互作用が発生した。
3) この改革プロセスは、持続型企業に見られる組織内や組織間の相互作用をつくりだす方法の一
つであると捉えられる。
4) 改革の要点は、外視点から内視点への転換、相互作用の遅延性であると推察され、最終的には
共生的な関係を作り出すことにある。持続型経営の要諦となると考える。
参考文献
1. 大澤幸生, Nels E. Benson, 谷内田正彦 (1999). KeyGraph:語の共起グラフの分割統合によ
るキーワード抽出. 電子通信学会誌論文誌, J82-D1 No.2: 391-400.
2.
3.
4.
Yukio Ohsawa and Peter McBurney (2003). Chance Discovery: Foundation and Its
Applications. Springer Verlag, 262-275.
大澤幸生(監修・著) (2003). チャンス発見の情報技術. 東京電気大学出版局, 9.
森下あや子 (2014). 経営改革を促進するサービス供給者と受給者の有機的な相互作用;食品
小売業 S 社の事例を中心として. 実践経営, 51: 9-17.
117
1.非親族承継への期待の高まり
第9回東アジア経営管理学術大会 2014年9月13日
• ヨーロッパでは
–
–
–
–
中小企業の非親族承継研究における
日欧の概念の違いに関する考察
少子化と経営者の高齢化
親族承継が減少し、非親族承継が一般的に
European Commission(2006)が非親族承継促進を提言
近年、非親族承継研究が活発化
• 日本でも
– 子供が親の事業を継ぎたがらない
– 2007年より非親族承継が親族承継を上回る
– 中小企業白書2014年版では政策提言の中心が親族承
継から非親族承継へ移る
嘉悦大学大学院 ビジネス創造研究科 博士後期課程
一般社団法人 倫理研究所 研究員
津島 晃一
1
2
2.ヨーロッパの非親族承継
2‐2. ヨーロッパのMBO/MBI ①
2‐1. What is an external takeover?
• 3i社がVCとして80年代後半からイギリスの
MBO/MBIを大いに伸張
• Mike Wrightが1986年Nottingham大学で
“The Centre for Management Buy‐out Research”を
設立しMBO/MBIの発展に貢献
• MBO/MBIは、エージェンシーコストを低下させ経営
を効率化する
• イギリスでは業界を超えて広がり、ヨーロッパ全土
にも普及している
• MBO/MBIの成功には、ベンチャーキャピタルの活
用が有効
Durst, S., and Deschamps, B., (2012)を参照3
4
3.日本の非親族承継
2‐2. ヨーロッパのMBO/MBI ②
リストラに活用されてきた非親族承継
3‐1. 中小企業の非親族承継と株式
経営者
交代なし
交代あり
• 非親族の後継者が創業者一族から株式を買取る
ケース(所有と経営の一致)と買取らないケース(所
有と経営の分離)の両方が存在(久保田2008)
• 小企業では、株式取得の負担が重いので過半数を
取得しないで承継しているケースも少なくない(村上
2008)
• 「自社株保有希望」「承継時の株式保有率」と事業承
継の円滑化には相関なし(中小機構2008)
所有権
自主的なリストラ
譲渡なし
譲渡あり
経営者の更迭
・効率的な経営による業績改善
・凡庸な経営者の置き換え
・内部の統制と強制によって環境変化に ・内部の知識を持たない経営者を迎え
明確に我慢強く対処
入れる
・時間がかかる
MBO
MBI
・現職の経営者による業績改善
・前所有者による不適切な干渉の排除
・内部情報が得やすい
・金融機関の役割が重要
・経営者が抵抗勢力から反発される
・業績改善のため外部から経営者を迎
え不適格な内部の経営者と置き換える
・金融機関の役割が重要
・迎え入れた経営者は内部の知識を持
たない
経営と所有の変更の類型と業績への影響
Robbie, K., and Wright, M.,(1995, 546)を基に筆者が作成
5
6
118
3‐2. 日本のMBO等①
3‐2. 日本のMBO等②
MBO手法の一例
オーナー
③株式 51%譲渡
(49%保有へ)
役員又は
従業員
①新会社(SPC)設立
SPC 株式は取得条項付株式とする
49%保有
SPC
51%保有
事業会社
②出資
ファンド会社
②融資
銀行
株式買取会社
100%保有
• 1990年代後半に導入、当初は発展が大いに期
待された(Wright et al. 2003)
• しかし、現状は「上場会社の子会社の売却」と
「非公開化」が大半、「事業承継型」はごくわずか
(川本他2012)
• 自分の代で事業を売却したい現経営者は2%程
度(中小企業白書2014)
• MBIとM&Aも、特に小企業では課題が多すぎて
わずかしか事業承継に活用されていない(井上
2008)
④将来的に合併もある
事業会社
棟田(2014)をもとに作図
7
8
4.日欧の負債に関する相違
4‐2. 金融機関の役割の重要性が相違
4‐1. 非親族承継の定義の相違
• ヨーロッパでは、会社を買収する非親族の後
継者がVCの投資の不足分を調達するために
重要
• ヨーロッパでは、「会社の所有と経営を得るための買
手による買収であり、買手が自立した決定を行うため
に多数の議決権を買うこと」(Durst et al. 2012)
• 日本では、オーナーが替わらない場合を含め
て、承継後の個人保証を誰がするかという問
題が重要
• 日本では、「株式の売買はあるとしても、個人保証の
引き継ぎ問題への対応も必須である社長の交代」
負債に関する取扱いの相違
9
10
5.日本の非親族承継で個人保証の
引き継ぎ問題が重大な理由①
4‐3. 日本の非親族承継に特有の事情
• 小規模企業が、譲渡先を親族か第三者のどちら
にするかの意思決定をするとき、資産や収益と
は無関係で、負債にのみ有意(中井2009)
• MBOでは、金融機関が一般的に個人保証の名
義変更に応じないことが多い(久保田2008、中小
企業研究センター2008、半田2009)
• MBO等とVCが未発達であること
– 投資家と起業家の契約の原理が素直に働きに
くい環境(添田2004)
– ファンドの高い期待利回りがマッチングの障害
に(足立2009、田中2011、棟田2014)
– イギリスでは年金基金でさえMBOのためのVCの
資金に、日本では主として銀行システムが対応
(Wright et al.2009)
• 借入があれば、後継者は金融機関から個人保
証を求められることが多く、家族の同意など負担
を覚悟しなければならない(上野2009、望月2012)
11
12
119
5.日本の非親族承継で個人保証の
引き継ぎ問題が重大な理由②
5.日本の非親族承継で個人保証の
引き継ぎ問題が重大な理由③
• 社会文化的要因
• 多くの中小企業経営者が個人保証の引き継
ぎ問題を深刻に感じていること
– 企業家がビジネスに失敗すると欧米の国々より
評判を失い、またそれを恥じる文化がある(Begley
et al.2001,Block et al.2012) – 86,7%の中小企業経営者が個人保証、非親族承
継で最も多くの中小企業が挙げる課題「個人保
証の引き継ぎが困難」 (中小企業白書2014)
– 日本人が欧米人より、集団主義的、不確実性の
回避が強い、長期志向である
(Nisbett2004,Hofstede et al.2013)
– 「個人保証の引き継ぎが困難」債務超過の企業
で約6割 (中小企業白書2013)
– 赤字企業は平成24年度で70%超(国税庁2014)
– 国内の債務超過企業は相当数に上る
– 日本の経営者はアメリカの経営者より利他的な
傾向を持つ(菊澤2007)
13
14
5.非親族承継研究の今後
• ヨーロッパでは、事業承継研究の中心の一つ
として発展するであろう
• 日本でも、非親族承継促進の政策を推進す
るために研究の発展が期待される
• アジアでも、市場主義経済の進展に伴い、非
親族承継研究への関心が高まるであろう
以上
15
120
本報告の構成
第9回東アジア経営管理学術大会
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
9.
ネットワーク組織の持続的成長
-機械器具卸商協同組合の事例-
上野恭裕(関西大学社会学部)
福田隆吉(大阪府立大学大学院経済学研究科博士後期課程)
船本多美子(大阪府立大学大学院経済学研究科客員研究員)
於:ハリウッド大学院大学
2014年9月13日
研究の背景
問題意識と研究目的
先行研究のレビュー
研究方法
機械工具商の概要
機械工具商の環境認識と仲間買いのシステム
組合の役割
考察
結論
1
2
研究の背景
情報化投資の推移
• 日本企業の厳しい経営環境
• 経済のグローバル化に伴う産業の空洞化
• モノづくりの現場が,安価な労働力を求め海外
へ移転
• 関連産業への大きな影響
• IT技術の発展による競争構造の変化
• インターネット販売や,電子商取引の増大
• 卸売業の電子商取引の市場規模と取引に占め
る電子商取引の比率の増加
情報化投資合計
十億
民間企業設備投資に
占める情報化投資比率
)
30.0
20,000
25.0
20.0
15,000
15.0
10,000
•
%
25,000
10.0
5,000
5.0
0
0.0
出所:経済産業省「我が国のIT利活用に関する調査研究」報告書より作成。
3
4
問題意識と研究目的
先行研究のレビュー
• このような業界構造の変化に伴い,競争力の
ない企業の淘汰が進んでいる。
• Marshall(1920)は特定地域にある産業が集中する原因として,①
気候や土壌等の性質,②近隣あるいは水陸の便の良い場所に鉱
山や採掘場があること,③政府の庇護および支配者による計画的
導入,④機会・国民性の影響,等を指摘している。
• 競争力のない中小企業はどのようにして生き
残りを図ってきたのか。
• Piore and Sabel(1984)は,ドイツのゾーリンゲンやイギリスのシェ
フィールド等の事例を示し,柔軟な専門化の議論を展開している。
これらの地域では小規模企業が緩やかに結びつき,集積内部で
柔軟な専門化が実現されるクラフト的な生産体制が形成され,現
代の技術や市場の変化に対応していることを指摘している。
• 企業存続のための条件とその促進要因を
ネットワークの観点から明らかにする。
• Saxenian(1994)によると,企業は外部から孤立した存在ではなく,
社会的・制度的枠組みの中に深く埋め込まれた存在であり,地域
の組織や文化,産業構造,企業の内部構造の三つの側面を持っ
た地域産業システムと深く関係しているとする。
• 中小企業が今後生き残っていくためには何が
必要かを考察する。
5
6
121
先行研究のレビュー
研究方法
• Granovetter(1973)は「弱い紐帯の強さ」というユニー
クな概念を用いて、ネットワークの効果を議論してい
る。弱い紐帯により連結している人々は、自分自身の
交際圏とは異なる交際圏に参入している可能性が高
く、それゆえ自分が入手している情報とは異なる情報
に接している可能性が高い。
• Krackhardt(1992)によれば,ネットワークが強い結合
関係を数多く持ったり,凝集的であったりすると,その
中で濃密な相互作用が展開される。そのため,行為
者たちが暗黙知の共有を進めたり,相互信頼を高め
たり,リーダーへの関係を強化したりしやすくなるとい
う。環境の変化等によってもたらされた危機的状況で
あっても、強い団結で対応することが可能となる。
• 大阪機械器具卸商協同組合の協力を得て,郵送質問
票調査を行った。
• 第1回の調査は2010年の4月に行われた。質問票発
送企業は全日本機械工具商連合会関西ブロック加盟
組合の加盟企業479社である。質問票は各企業の代
表取締役に送付し,有効回答数は228社,有効回答
回収率は47.6%であった。
• 第2回の調査は2013年8月~9月にかけて行われた。
同じく全日本機械工具商連合会関西ブロック加盟組
合の加盟企業455社の代表取締役に対して質問票が
送付された。有効回答数は196社,有効回答回収率
は43.1%であった。
7
8
機械工具商の概要
工具商業界の環境認識
• 機械工具商は,切削工具,測定工具,作業工具などの機械
器具・工具を取り扱う商社である。
• 機械工具商は必ずしも全ての製品を取り扱うわけではない。
機械工具商には専門分野、得意分野が存在する。
• 機械工具商は卸商社と直需商社に分類される。卸商社は機
械工具メーカーより製品を仕入れ直需商社に販売する商社で
ある。直需商社は卸商社より製品を仕入れエンドユーザー
(工場など)に納入する商社である。
• これらの多くは大阪市西区の立売堀新町地区に集積してい
て,ほとんどが中小企業である。
• これら卸商の親睦と情報交換を担う業界団体として,1913年
には「大阪機械器具卸商協同組合」の前身である「大阪機械
商互親会」が結成されている。
• 価格競争と共にサービス競争が,現在だけでなく将来
的にも厳しくなると多くの企業が感じている。
• そのような環境の変化に対してインターネットの利用
など,情報化を進めることが必要であると答えている
企業は2013年調査で全体の91.3%と,かなり高い割
合を示している。
• しかし実際に同業他社よりも情報化が進んでいると答
えている企業は29.4%である。
• さらにインターネットでの工具通販サイトを脅威である
と回答しているのは,2010年調査で全体の57.6%,
2013年調査で55.6%である。また将来的にも脅威とな
ると予測している(2010年59.7%,2013年64.1%)。
9
10
機械工具商業界独自の
事業システムの構築
仲間買いのシステム
• 「仲間買い」とは同業者間(卸商社者間あるいは直需商社
間)において、自社で在庫をしていない商品(あるいは在庫切
れの商品)を互いに融通しあう仕組み。
• 通常販売価格の5~10%引きの「仲間買い価格」にて取引
を行う。
• 仲間買いをする相手は暗黙の了解のもとに決定されている。
• 通常の競争相手(激しい競争の場合も含める)は仲間買いの
相手となるが、暗黙のルール(商取引慣行)に違反をした業
者は仲間買いの相手からは除外される。
• 規律を守るシステムが働いている。「(業界のルールを守らな
い企業には)うちに製品があっても、『あいにく切れてますな
あ』と返事しますし,第一そんな店は仲間買いを言うてきまへ
ん(インタビューより)」
• 機械工具商業界は、価格競争が激しく、多様か
つ膨大な種類の商品の取り扱いが求められる。
• そのような業界特性のもと,長い歴史の中で業
界独自の事業システムと取引ネットワークを構
築してきた。
• その一つが「仲間買い」による協力と競争のシス
テムである。
• 仲間買いという相互扶助の行動が起こり,業界
全体の繁栄を達成していると考えられる。
11
12
122
仲間買いは将来も必要である
同業者間の取引(仲間買い)について
そう思わな
い
14%
2010年調査
どちらでも
ない
16%
そう思う
70%
13
14
仲間買いは将来も必要である
ネットワークとしての仲間買い
2013年調査
• 仲間買いという取引をもとに業界全体が生き
残るためのネットワークを構築し,業界全体
で存続発展を図ってきた。
そう思
わない
28%
• このような仲間買いはどのように形成された
のか。
そう思う
41%
• またなぜそのような仲間買いの必要性が低く
なってきているのか。
どちらでも
ない
31%
15
16
組合の役割
組合の業務
• なぜ競合関係にある企業間で,仲間買いのようなネットワー
クを形成することができたのか。
• 具体的な組合の業務内容(大阪機械器具卸
商協同組合の場合)
• 1.共同購入斡旋事業
• 2.共同配送事業
• 3.教育情報事業
• 4.福利厚生事業
• 5.その他付随事業
• 企業同士は基本的には競争関係にあり,商品を融通するこ
とは短期的には自社の利益に結び付くわけではない。
• しかしながら,自社単独で顧客の多様なニーズに応えること
は困難であり,製品特性上,仲間買いが業界全体の長期的
な発展に必要なことは,各企業はある程度理解している。
• しかしながら,短期利益志向が強い企業や機会主義的行動
の可能性から,無条件に仲間買いを行うことは得策ではな
い。
• そこで組合という仲間買いのシステムを保障する装置,ネッ
トワークの促進要因が必要となる。
17
18
123
情報交換の場としての組合
組合の機能
• 組合の会合の場で企業のトップどうしがたまに顔を合わ
せることにより,景気動向や顧客のニーズなどが話し合
われる。このような世間話的なやり取りの合間に,業界
に関する重要な情報伝達が起こり,業界全体の情報探
索能力と問題解決能力が向上する。
• 競合企業同士は競争相手であり,組合という場を通して
つながりを保っている。いわば弱い紐帯である。
• ただ,組合活動という場で直接顔を合わすことにより,
機会主義的行動のリスクを減らすと同時に情報交換が
可能となり,仲間買いのような相互信頼に基づくネット
ワークが形成された。
• 競争状態にある企業が,トップ同士のつながり
がない状態では,企業の利害に直接関係する仲
間買いのネットワークを構築することは容易では
ない。
• 組合という場での企業のトップマネジメントどうし
のつながりが,顧客対応という状況において,仲
間買いという通常の業務ではない特別な取引を
生み出し,業界全体としての環境変化への対応
を可能とした。
• 組合を介して仲間買いという相互扶助の行動が
起こり業界全体の繁栄を達成したと考えられる。
19
20
組合活動への期待
35.0%
30.0%
25.0%
20.0%
15.0%
10.0%
5.0%
0.0%
考察
• 当初は環境の複雑性に対して組合を基礎とした弱い
紐帯により,仲間買いのネットワークが形成され環境
対応を図ってきた。
• しかしながら情報化の進展により,弱い紐帯では対応
のできない,危機的な状況を生み出している。
• そのような状況では強い紐帯が必要とされている。
• 機械工具商は敏感に環境の変化を察知して,組合活
動に強い紐帯を求めている。
• 機械工具商は柔軟にそのネットワークの形態を変化
させ,生き残りを図ってきた。
2010年調査
2013年調査
21
22
結論
参考文献
•
• 緩やかな環境の変化には弱い紐帯が有効であ
るが、本稿の事例のような危機的な状況では、
強い紐帯が有効になる。
• 「弱い紐帯」は多様な情報の獲得により,環境変
化への対応能力が高い。しかしながら急激な環
境変化が引き起こす危機的な状況に対しては,
強いまとまりを持った「強い紐帯」による協力・団
結が有効に機能する。
• 環境変化に対して柔軟にネットワークの形態を
変えていく必要がある。
•
•
•
•
•
23
Granovetter, Mark S.(1973)“The Strength of Weak Ties”, American Journal of Sociology, Vol.78, pp. 1360‐1380.
Krackhardt, D. (1992)“The strength of strong Ties: The Importance of Philos in Organizations.” Networks and Organizations Structure, Form, and Action, edited by Nitin Nohria and Robert G. Eccles, Boston, MA:Harvard Business School Press, pp. 216‐
239.
Marshall, Alfred, Principle of Economics, London, Macmillan and Company, 1920(馬場
啓之助訳『マーシャル経済学原理』東洋経済新報社、1966年.)
Piore, Michael J. and Sabel, Charles F., The Second Industrial Divide: Possibility for Prosperity, NY: Basic Books, 1984(山之内靖・永井浩一・石田あつみ訳『第二の産業分
水嶺』筑摩書房、1993年.)
Saxenian, AnnaLee, Regional Advantage: Culture and Competition in Silicon Valley and Route 128, Cambrige, MA: Harvard University Press, 1994(大前研一訳『現代の二都物
語-なぜシリコンバレーは復活し、ボストン・ルート128は沈んだか-』講談社、1995
年.)
Schumpeter, Joseph A.(1926), Theorie der wirtschaftlichen Entwicklung,: eine Untersuchung über Unternehmergewinn, Kapital, Kredit, Zins und den Konjunkturzyklus, 2nd revised ed. Leipzig: Duncker & Humblot. (塩野谷祐一, 中山伊知郎, 東畑精一訳
『経済発展の理論: 企業者利潤・資本・信用・利子および景気の回転に関する一研
究』,岩波文庫,1977年)。
24
124
目次
第9回東アジア経営管理国際学術大会
2014年9月13日
• 問題提起
• 先行研究
• 方法論
• 定義
• CNC化の適用事例(平壌穀物加工工場,南浦ガラス瓶工場, 大同江果樹総合農場果実皮むき工場)
• CNC化の目的
• 結論
• 参考文献
「北朝鮮における軍事技術の民需転換に関する考察
:工場におけるComputer Numerical Control(CNC)化に関する
新聞報道分析より」
東アジア総合研究所 研究員
堤 一直
[email protected]
1
2
問題提起
先行研究
• ①朴貞東(2004)は中朝の経済政策を比較、党・政府・軍の経済政策に関する
意思統一、経済特区内での自由度、政治・外交的な安定度、在外同胞の経済
における役割に関して、北朝鮮は中国より大きく劣ると指摘。
• ②今村(2005)は、北朝鮮が市場ニーズを正確に反映できないという計画経済
の根本的欠陥に加えて、特権層や軍関連支出による民間経済への圧迫、目標
達成第一主義の弊害、ソ連、中国からの援助への大幅な依存により経済停滞
に陥ったと指摘。
• ③三村(2009)は、2004年から2007年にかけて平壌での現地調査を基に上から
の経済回復と下からの市場化という二つの動きが並行して起きており、2007年
以降下からの市場化を政府が統制する動きがあったが、北朝鮮経済において
合法・非合法の二つの分野は成長をし続けると推測。
• ④和田(2012)は1980年代まで北朝鮮経済は順調に推移していたが、1990年代
に経済制裁や天災といった外部要因も働き経済状況が悪化、1990年代後半の
最低迷期においては軍を中心に体制の結束を強め経済危機を克服しようとした
と指摘。
• 本論文は北朝鮮の経済政策における民需部門の位置づけを工場
のCNC(Computer Numerical Control:以下CNC)化を切り口に論証。
• 北朝鮮の経済政策を検証することは、日韓米中露が関わる東北ア
ジアにおける地域間経済協力の将来性、可能性に一定の示唆を与
えることが可能。
• 先行研究は、90年代後半に北朝鮮経済が最低迷期に陥ったことに
関しては見解が共通している。
• しかしながら、その原因に関して、ならびにそのような状況から脱却
したのかに関しては意見が分かれている。
3
4
方法論
定義
• 北朝鮮は経済に関する統計をほとんど公開していないが、国民に対する
意識付けの手段である公式報道の言説を追うこととする。
• 中川(2011)の「上下からの接近」
• 「上」:政治指導者の言説や中央機関の発表から経済政策を読み取ること。
• 「下」:その経済政策を受けて個々の生産施設がどのように活動している
のかを追うこと。
• 以下の公式報道を主に参考とした。
• 労働新聞:朝鮮労働党機関紙、北朝鮮において最も権威のある報道媒体。
• 朝鮮新報:労働新聞より報道内容が詳細(工場に関しても労働新聞より実
績、目標数値が多く紹介されている)。
• 北朝鮮における「CNC」
• 朝鮮語大辞典には定義が載っていない。この用語が公式報道で言及され
るようになったのは2009年後半からである。ゆえに、その頃の言説を確
認。
• 「尖端設備の設計」と「CNCによる統合生産体系」(労働新聞,09/7/24)→コ
ンピュータによる工程の一元的管理と推測可。
• 「CNC工作機械工業」、 「強盛大国の技術大門をぱっと押し開けるだろう」
(労働新聞,09/8/11 ) →工作機械のCNC化も含むだろう。
• 「2012年には必ず強盛大国の大門を開こうというのが、我が党の決心で
あり意志である」 (労働新聞,08/1/1 ) →「経済5か年計画」決定の可能
性。
6
• 2010~13年新年社説:CNCが言及され続ける。
5
125
平壌穀物加工工場①
CNC化の適用事例
• ①拠点の重要性
• 1931年:米国穀物加工株式会社として竣工。1937年:三菱財閥が買収、日本穀物工業
株式会社。澱粉やそれを原料にした副産物を生産。独立以降:北朝鮮食料工業の「母
体工場」。2000年代においても菓子、飴、水飴等を生産(平和問題研究所・科学百科事
典出版社編、2003)。金日成は独立直後の1945年9月を皮切りに計15回、同工場を訪
問(朝鮮新報,10/9/28)。
• ②CNC化の重要性
• 契機は2009年12月の金正日による視察。「平安(ピョンアン)北道、慈江(チャガン)道が
CNC化を輝かしく実現」、「金策(キムチェク)工業総合大学をはじめとする各大学と科
学研究機関が責任をもって同工場を支えなければならない」 (労働新聞,09/12/12) 。
• そして、翌2010年に同工場のCNC化は完成。これを受け金正日は2010年8月に再び視
察、「アメの滝、菓子の滝があふれ出ている」と評価(朝鮮新報,10/9/28) 。
• 報道に掲載されている写真から菓子類が大量生産されていることが確かにうかがえ
る。また、生産工程を監視・統制している場所の存在も他の写真から確認できる(労働
新聞,10/8/25) 。このような場所は2009年視察に関する記事の写真では確認できず。
平壌穀物加工工場
南浦(ナンポ)ガラス瓶工場
大同江(デドンガン)果樹総合農場果実皮むき工場
→全て平壌か、その郊外に位置する生産拠点
①拠点の重要性(立地、政治指導者の訪問回数に注
目)。
• ②当該拠点でのCNC化の重要性(報道の時期や政治
指導者の発言内容に注目)。
• ③民需部門との関連性(具体的な供給先に注目:少
なくとも軍需向けではないか)。
•
•
•
•
•
7
8
南浦ガラス瓶工場①
平壌穀物加工工場②
• 平壌穀物加工工場CNC化の意義①金正日が同工場を2009年、2010年と
二回に亘って訪問②同工場CNC化は北朝鮮最高の理工系大学である金
策工大の「研究チーム」にとって「2010年の最優先課題」(朝鮮新
報,10/2/4)。
• →2009年に金正日によってCNC化が指示された工場は複数存在する
が、それらの中でも同工場のCNC化は特に重視されたと言える。
• ③民需部門との関連性
• 金正日は2009年12月の視察において「各種糖果類をはじめとした食糧品
をより多く生産」と評価。
• また、2010年末において平壌有数の百貨店である平壌第一百貨店の食
料品売り場が同工場の製品で「一杯に」なったと言及 (朝鮮新報、
10/12/27)。同百貨店の客層の大半は富裕層であるとも考えられるが、
飴、菓子が平壌の住民向けに直接供給されていることが確かにうかがえ
る。
• 1971年:設立(当時:南浦ガラス容器工場)。1990年代:経済難で「正常に稼働させられなくなり」、「ガ
ラスを彫りモザイクを作っていた」という苦境に陥る。2000年代末以降:「ガラス瓶を始めとした包装容
器需要が高まった」ことから南浦ガラス瓶工場(南浦ガラス瓶)として改築(朝鮮新報,11/1/25)。
• 南浦は平壌の玄関口。2013年11月に発表された13経済開発区の中で黄海(ファンヘ)北道松林(ソリ
ム)と並んで南浦臥牛島(ウェウド)にも輸出加工区を設置。
• ②CNC化の重要性
• 2010年3月の金正日による慈江道の熙川蓮河(ヒチョンヨナ)機械総合工場(熙川蓮河機械)視察に
おいて金が同工場に南浦ガラス瓶CNC化を支援するよう指示。熙川蓮河機械は「自動製瓶機製作を
何か月かで終わらせ」、「現場に駆け付け百数十日間で組立と試運転」まで実施(労働新
聞,11/2/18)。
• 南浦ガラス瓶は2011年初の金の経済部門に対する現地指導先であった(労働新聞,11/1/13)。 金は
「原料の投入から包装及び出荷に至るまでの全工程が自動流れ線で一体化された」と言いながら、
人民生活向上に積極的に尽くすことができるもう一つの財産が用意された」と評価。
• さらに、2011年1月末に南浦ガラス瓶CNC化を支援した熙川蓮河機械に対し感謝を送っている(同感
謝は前年12月の熙川蓮河機械CNC化に対する感謝に続くもの) (労働新聞,11/3/4)。
10
9
南浦ガラス瓶工場②
大同江果樹総合農場果実皮むき工場①
• ①拠点の重要性
• 元来、熙川蓮河機械は「機械工業における母工場」と呼ばれていた。同工場CNC化に関する記事の写真
には多くのCNC工作機械が写っている(労働新聞,10/12/22)→金は熙川蓮河機械CNC化と同等に南浦ガ
ラス瓶CNC化を評価。
• 2011年11月、熙川蓮河機械の幹部、従業員らが「人工衛星」打ち上げに貢献したとして平壌に呼ばれてい
る(労働新聞,11/11/4)。ゆえに、軍需工場の民間支援という観点からもこの事例は注目される。
• 北朝鮮の学術論文ではリ・ギソン(2010)が「国防工業部門が先導的役割を果たし、全部門の技術開発
能力、製品開発能力向上に重点を置き、まずCNC技術により生産の技術装備度を高め」と言及。
• ③民需部門との関連性
• 金正日は2011年2月に黄海北道に位置する正方山(チョンバンサン)総合食料工場を視察、その際に工場
が生産品貯蔵のためのガラス瓶供給において「問題を抱えていた」ことを知り、南浦ガラス瓶のガラス瓶を
使用するよう指示。金は南浦ガラス瓶が国のガラス瓶需要を満たす「突撃隊の役割」を果たし、また熙川蓮
河機械が「国の工業土台を一層頑丈に打ち固めるよう」指摘。
• 同記事は「機械工場のような重工業部門も全て人民生活向上と関連した課業を引き受けている。一方、食
料・日用品を生産する軽工業工場らでは重工業部門の工場の名を聞くようになった」と言及(朝鮮新
報,11/2/7) 。
• →これまで軍需部門向けの比重が大きかったと思われる重工業の軽工業支援に関するモデルケース。
• 2010年:竣工。平壌から北東20キロ。2008年新年社説の「2012年に強盛大国の大門を開く」というスローガンを受け建
設開始。2009年11月、2010年6月、2011年7月に金正日が視察、同農場の面積は2011年に約1,000ヘクタールに到
達。2011年7月には中国副首相の張徳江が同農場を見学。
• ②CNC化の重要性
• 洗浄、切断、皮むき、熱風乾燥、包装の各工程を監視カメラ、コンピュータによって自動操縦(朝鮮新報,11/7/29) 。
• このCNC化に関わった金策工大のチョン・イルチョルが金正日から特に評価された。金は2010年6月の視察の際、チョ
ンも記念写真に写るよう声をかけた(労働新聞 , 10/6/7) 。また同年9月、慈江道の満浦(マンポ)ウンファ工場でチョン
は金と再会、6月の視察以来「たった一度会われたに過ぎない自分をご存知とは」と言及(労働新聞 , 10/12/28)。
• チョンは翌年氏名・顔写真付きで「大同江果樹総合農場をはじめ、各工場で成果を生んだ」と紹介された(朝鮮新報,
11/3/8)。
• ③民需部門との関連性
• 「普通江商店を始めとした平壌市内各区域の果物野菜商店」(労働新聞,09/8/16)。普通江商店は「平壌第一百貨店」
の次に名前をあげられている。
11
12
126
大同江果樹総合農場果実皮むき工場②
CNC化の目的
• ①まず、南浦ガラス瓶のCNC化を支援した熙川蓮河機械のCNC化推進過程を検証。金正日は
2007年1月に同工場を視察した際、「労力を少なく使いながらもさらに多く生産するための組織
事業を組んでいかなければなければならない」と指摘(労働新聞,07/1/20) 。「組織」という言葉
は北朝鮮においては「人事」という意味。
• ②人件費節約に関して、2009年10月「北方のある工場」を視察した金は、素材自動供給機によ
り素材を節約して供給できるという支配人の説明に対し一層の労力節約を要求。
• 例えば、機械一台あたりに労働者一名を配置しているままでは「CNC化ではなく、工作機械を現
代化しただけに過ぎない」、電力・労力の節約率及び生産性について説明した掲示板の前で
「CNC化したにもかかわらず、投資した資金に比較して削減された労力があまりにも少ない」と
指摘。
• 続けて、削減された労力を「生活必需品職場」に回すように指摘(労働新聞,11/3/8) 。生活必需
品は軍に供給されるかもしれないが、民需部門向けとも推測可能。
• 北朝鮮の学術論文では、アン・ミョンフン(2013)が「既存の老朽化した設備のCNC化」とそれら
設備による「自動化された柔軟生産体系の形成」が「統合自動化体系確立による無人化の実
現」に結びつくと主張。
13
14
結論
参考文献(新聞以外)
• 本論文は北朝鮮の経済政策における民需部門の位置づけを工場
のCNC化を切り口として分析。
• 手法としては北朝鮮報道に着目し政策の方向性を検証。
• 結論として北朝鮮が遅くとも2000年代末より民需部門浮揚に傾注し
ていることが明らかになった。工程のIT化・自動化としてのCNC化
が、平壌穀物加工工場、南浦ガラス瓶工場、大同江果樹総合農場
果実皮むき工場といった北朝鮮の重要生産拠点で推進され、かつ
強調して報道されていた。
• そして、CNC化の目的は原資財ならびに人件費の節約であると考え
られる。
• ①日本語文献
• 今村弘子、2005、『北朝鮮「虚構の経済」』、集英社。
• 中川雅彦、2011、『朝鮮社会主義経済の理想と現実 : 朝鮮民主主義人民共和国における産業構造と経済管理』、日本貿易振
興機構アジア経済研究所。
• 朴貞東(姜英之訳)、2004、『北朝鮮は経済危機を脱出できるか:中国の改革・開放政策との比較研究』、社会評論社。
• 三村光弘、2009、「経済改革と経済実態の変化」小此木政夫・礒崎敦仁編『北朝鮮と人間の安全保障』、慶応義塾大学出版会、
89‐112頁。
• 和田春樹、2012、『北朝鮮現代史』、岩波書店。
• ②コリア語文献
• アン・ミョンフン、2013、「偉大な領導者金正日同志が知識経済強国建設偉業に積み上げられた不滅の業績」科学百科事典出版
社『経済研究』2013年第4号、2-4頁。
• リ・ギソン、2010、「科学技術で最尖端を突破し経済の現代化を推進することは経済的飛躍の根本的な秘訣」社会科学出版社
『社会科学院学報』2010年第2号、26-27頁。
• 平和問題研究所・科学百科事典出版社編、2003、『朝鮮郷土大百科』第1巻、平和問題研究所、310頁。
• ※1新聞は全てコリア語。
• ※2朝鮮新報は11/2/7以外は全てWeb版、2014年3月までに確認(発表時点では記事の一部がリンク切れの可能性もあり)。
15
16
127
• The main purpose of this paper
The Comparative Study on the
Characteristics and Effects of Economic
Effects of U.S./Japanese FDI in Korea
▪ To compare characteristics and economic
effects of U.S./Japanese FDI in Korea
▪ Suggestions for attracting U.S./Japanese
FDI in Korea
Bong-Hee Kim, Ph.D. Inje University
Han-Gyoun Kang, Prof. Inje University
Investment Period T-tests
Country
Manufac
-turing
Std. Error
9.09
0.676
Japan
214
14.28
0.667
132
9.36
0.439
T-value
Country
Manufac
-turing
-5.463***
Japan
U.S.
Total
Mean
100
U.S.
Service
N
U.S.
Employment number T-tests
163
232
Japan
8.77
0.401
9.25
0.383
Service
377
11.90
Total
0.439
Note : The *,**,*** indicate significance at the 10%, 5%, 1% level respectively.
1.855
Japan
214
89.25
13.855
132
6.80
0.517
163
21.45
6.476
11.15
0.911
59.96
8.517
Manufac
-turing
Japan
Std. Error
100
239.79
36.987
Japan
214
85.44
16.826
132
279.98
58.907
Japan
T-value
Japan
Japan
232
Manufac
-turing
189.08
46.073
262.64
37.068
130.25
22.214
Note : The *,**,*** indicate significance at the 10%, 5%, 1% level respectively.
Mean
Std. Error
100
0.34
0.030
Japan
214
0.17
0.195
132
0.19
0.021
163
0.04
0.012
0.26
0.018
0.11
0.012
Japan
Japan
6.315***
232
6.475***
377
Note : The *,**,*** indicate significance at the 10%, 5%, 1% level respectively.
128
T-value
4.758***
U.S.
Total
N
U.S.
U.S.
Service
3.063***
377
5.699***
377
Country
1.233
163
232
Note : The *,**,*** indicate significance at the 10%, 5%, 1% level respectively.
3.797***
U.S.
Total
Mean
2.255**
Exports share T-tests
U.S.
U.S.
Service
N
T-value
5.180***
Capital intensity T-tests
Country
Std. Error
16.89
U.S.
4.549***
Mean
100
U.S.
1.002
N
U.S.
Model Specification
LGDP
t
= β 0 + β1LGFC
t
+ β2LAB
+ β 6LJFDI t + β7LOFDI
LGDP
LGFC
LLAB
LEXP
LDEB
LAFDI
t
t
Empirical Test Results (WLS)
+ β 3LEXP t + β 4LDEB
t
+ β 5LAFDI t
+ εt
: Annual Gross domestic Product (1970-2012: cur. U$)
Coefficient
St. Error
T-value
Prob.
Constant
-8.5255
1.1085
-7.6907
0.0000
GFC
0.5029
0.0323
15.5643
0.0000
LAB
1.8403
1.8403
0.19948
0.0000
EXP
0.0935
0.0254
3.6878
0.0008
: Annual Gross Fixed Capital Formation (1970-2012: cur. U$)
DEB
-0.0030
0.0010
-2.8902
0.0066
: Annual number of the employed (1970-2012: person)
AFDI
0.0121
0.0046
2.6153
0.0131
JFDI
0.0042
0.0017
2.4097
0.0214
: Annual total amount of exports (1970-2012: cur. U$)
OFDI
-0.0063
0.0061
-1.0093
0.3198
R2
: Annual commercial and public loan (1970-2012: cur. U$)
: Annual inward U.S. FDI (1970-2012: cur. U$)
LJFDI : Annual inward Japanese FDI (1970-2012: cur. U$)
LJFDI : Annual inward the other countries’ FDI (1970-2012: cur. U$)
ε
: Error terms
0.9998
F-static
28194.49
Prob.(F)
0.0000
D-W
1.6805
Correlation coefficient of the inflows of U.S. FDI
in Korea and Korean trade with the U.S.
(1990-2012)
Impluse Response Effect
Response of AFDI to GDP
0.9998
Adj. R2
Response of JFDI to GDP
Inflow amounts of
total U.S. FDI in
Korea
Inflow amounts of
Manufacturing
U.S. FDI in Korea
Korean
Exports to
The U.S.
(1990-2012)
0.358
(0.047)
0.237
(0.138)
0.339
(0.057)
Korean
Imports from
the U.S.
(1990-2012
0.119
(0.294)
0.139
(0.262)
0.086
(0.347)
Inflow amounts of
non-Manufacturing
U.S. FDI in Korea
Note : parentheses is significant probability
Correlation of Inflows of U.S. FDI in Korea and
Korean Trade with U.S. by Industry (1990-2008)
M
T
I
Correlation of Korean Outward FDI to U.S. and IntraIndustry (1990-2008)
Correlation Coefficient
Trade by Industry
Korean Export
to U.S.
Korean
Import from
U.S
2
Chemical . Medicine
-0.028 (0.490)
-0.160 (0.257)
4
Fiber. Textile. Clothing
-0.524 (0.011)
0.425 (0.035)
6
Steel. Metal
-0.233 (0.169)
-0.225 (0.177)
7
Machinery Equipment
0.273 (0.129)
-0.097 (0.347)
8
Electronic Electricity
0.501 (0.014)
0.636 (0.002)
3
Plastic. Rubber.
5
Leather. Household
items
9
Miscellany items
-0.308 (0.100)
-0.508 (0.013)
129
Correlation Coefficient
M
T
I
Trade by Industry
8
Electronic Electricity
Korean Export
to U.S.
0.860
(0.000)
Korean
Import from
U.S
0.394
(0.047)
Correlation coefficient of the inflows ofJapanese
FDI in Korea and Korean trade with the U.S.
(1990-2012)
Inflow amounts of
total Japanese
FDI in Korea
Inflow amounts of
Manufacturing
Japanese FDI in
Korea
Korean
Exports to
Japan
(1990-2012)
0.825
(0.000)
0.696
(0.000)
Korean
Imports from
Japan
(1990-2012
0.731
(0.000)
Correlation of Inflows of Japanese FDI in Korea and
Korean Trade with Japan by Industry (1990-2008)
M
T
I
Inflow amounts of
non-Manufacturing
Japanese FDI in
Korea
0.779
(0.000)
0.650
(0.000)
0.660
(0.000)
Note : parentheses is significant probability
Correlation of Korean Outward FDI to Japan and
Intra-Industry (1990-2008)
M
T
I
7
Machinery .
Equipment
8
Electronic Electricity
Korean Export
to U.S.
0.449 (0.027)
0.373 (0.058)
0.356 (0.067)
Korean
Import from
U.S
2
Chemical . Medicine
0.307 (0.100)
0.237 (0.165)
4
Fiber. Textile. Clothing
0.010 (0.342)
0.148 (0.272)
6
Steel. Metal
0.082 (0.369)
0.148 (0.273)
7
Machinery Equipment
0.729 (0.000)
0.440 (0.030)
8
Electronic Electricity
0.581 (0.005)
0.604 (0.003)
3
Plastic. Rubber.
5
Leather. Household
items
0.018 (0.470)
0.417 (0.038)
9
Miscellany items
• Firstly, the shares of the exports and capital intensity
of U.S. FDI was higher relatively. Investment period
and number of employees of Japanese FDI was
higher relatively. And a ownership rate of foreigners
of U.S.FDI was higher than that of Japanese FDI
relatively at 10% significance.
• Secondly, U.S./Japanese FDI have had a positive
impact on Korean economic growth. In particular, the
coefficient of AFDI is a little bit bigger than that of
JFDI.
• Thirdly, the correlation coefficient between the
inflows of Japanese FDI and Korean total trade with
Japan is high but not with the U.S.
Korean
Import from
U.S
0.457 (0.025)
Korean Export
to U.S.
Conclusion
Correlation Coefficient
Trade by Industry
Correlation Coefficient
Trade by Industry
• In machinery and equipment industry, the correlation
coefficient of Korean exports to Japan is high
(0.729). In electricity and electronic industry, the
correlation coefficient of Korean exports(0.604)
is higher than that of imports(0.581) with Japan.
• Fourthly, In electricity․electronic industry, the
correlation coefficient (0.636) of Korean exports to
America was bigger than that (0.501) of Korean
imports to America.
• Korean government needs to attract FDI of machinery.
equipment industry and U.S./Japanese subsidiaries of
electricity. Electronic industry in Korea should try to use
Korean raw materials and components to reduce Korea’s
trade deficits.
130
01 서론
韓中 會計制度에 관한 比較硏究
02 국제회계기준의 현황
목차
東義大學校 大學院
經營學科
03 중국과 한국 회계제도
발전과정
04 한국과 중국의
기업회계제도의 비교
張 輝
元井喜
05 결론
서론
전 세계의 회계제도는 그 나라의 정치 · 경제 등 사회 환경 차이
에 따라 그 기준이 각기 다르다. 그러나 최근 들어 각국은 글로벌
경제에 대응하기 위하여 국제사회에 통용될 수 있는 국제회계기
준이나 미국회계기준을 모델로 회계제도를 개선하고자 노력하고
있다.
2001년 11월 개최된 WTO 각료회의에서 중국이 공식적으로 가
입하였다. 양국 간의 경제교류가 급속도로 증가하고 있으며 한국
기업이 중국에 진출이 많아지고 앞으로도 많은 기업들이 진출할
예정이다.
01
서론
본 논문은 한국과 중국 간의 회계제도의 차이점을 살펴봄으로
써 한국의 기업들이 대 중국활동에서 중국기업의 회계처리방법을
이해하고 회계실무에 도움을 주고자 하며 또한 양국의 회계제도
의 생성 및 발전 과정을 통해 중국의 회계개혁이 한국회계제도에
미치는 시사점을 살펴보는데 목적이 있다.
국제회계기준의 발전과정
1. 회계기준의 국제화
(1)회계시스템의 국제적 표준화는 회계정보의 신뢰성과 비교가능
성을 높일 수 있다.
(2)회계시스템의 국제적 표준화는 국제상장의 활성화와 자본시장
의 국제화를 촉진한다. 따라서 각 국가의 증권규제기관들은 상장 및
보고관련 회계 기준의 국제적 표준화에 믾은 관심을 갖게 되고, 국내
기업의 해외상장과 외국기업의 국내 성장을 동시에 촉진할 것이며
회계비용도 절감될 것이다.
02
국제회계기준의 현황
(3)국제회계법인과 조세당국은 회계시스템의 국제적 표준화를 통
하여 감사 및 조세업무의 효율성을 제고할 수 있다.여러 국가에 자사
를 갖고 있는 국제회계법인은 표준화로 감사비용을 절감하고 감사인
들의 교류를 증대할 수 있다.
131
국제회계기준의 발전과정
중국과 한국의 국제회계기준의 현황
2. 국제회계기준의 발전 과 내용
1. 중국의 국제회계기준의 현황
1) 국제회계기준(IFRS)
중국은 아시아권에서는 가장 발 빠르게 IFRS를 도입한 국가라고 할
수 있다.
2) IFRS의 주요특징
2005년 IASB와의 합의 후 중국의 IFRS 도입을 위한 통합작업에 착
수하였다.
3) IASB의 회계기준과 기준해석기관의 변화
2006년에는 IFRS의 실질적 기본원칙에 따른 Basic Standard(IFRS의
개념체계에 해당) 및 구체적인 회계기준서 38개를 개정 공표하였다.
4) IFRS 도입국가
2007년 개시 재무제표부터 실질적으로 IFRS과 합치된 회계 기준을
상장기업에게 적용한다고 발표를 하였다.
5) IFRS 제정기구 및 절차
중국과 한국의 국제회계기준의 현황
2. 한국의 국제회계기준의 현황
-모든 상장기업 국제회계기준 적용
-비상장기업은 별도의 간략한 비상장기준서 적용
2011년
03
-자산 2조원 이상 상장기업 분기/반기 연결재무제
표 작성
중국과 한국 회계제도 발전과
-국제회계기준관련 교육 실시
의무적용
(2011-2013)
-국제회계기준 적용사례 및 유의점 분석
2012년
-국제회계기준관련 교육 실시
-모든 상장기업 분기 연결재무제표 작성
2013년
-국제회계기준 관련 교육 실시
한국 회계제도의 발전과정 및 제정기관
중국 회계제도의 발전과정
1) 한국의 회계제도는 선진 국가에서 형성되고 발달된 회계제도를 도
입하여 1985년에 『기업회계원칙』과『재무제표규칙』를 제정하기에
이르렀다.
1. 경제개혁 이전
건국초기(1949년~1957년), 대약진기 회계제도(1958년~1961년),
경제 조정기(1961년~1965년), 문화 혁명시기(1966년~1976년)등 4개
의 시기로 구분하였다.
2) 2013년 02월 01일 기준에 있던 한국체택회계기준(K-IFRS)와 일반
기업회계기준과 중소기업이 간편하게 적용할 수 있는 중소기업회
계기준이 고시되었다. 본격적인 적용은 2014년 01월 01일부터 적
용하기 시작했다.
2. 경제개혁 이후(1977년~현재)
한국의 회계기준은 주식회사의 외부감사에 관한 법률(제13조1항)에
따라 금융감독위원회가 증권선물위원회의 심의를 거쳐 정하도록 되어
있다. 그러나 동법 제13조4항에 의거 금융감독위원회는 회계기준제정
에 관한 업무를 민법에 의하여 금융감독위원회의 허가를 받아 설립된
사단법인 한국회계연구원에 위탁하고 있다.
중국회계제도는 개방이후 중국정부의 역점사업이었던 국유기업
(SOE)의 개혁과 맞물려 있다. 따라서 중국회계제도의 발전은 주로 SOE
의 개혁에 대한 반응으로 이루어져 왔다.
132
한국과중국의 회계제도 발전과정 비교
국회계기준 발전과정
1958 이전
중국회계기준 발전과정
-회계기준 미제정
1947-1957
1958-1960
-기업회계원칙
1958-1974
1961-1965
-재무제표규칙
소련식회계제도도입기
(건국초기)
대양진시기회계제도
경제 재조정기회계제
도
(미국과일본의 회계원칙도입)
1966-1976
문화혁명시기회계제도
04
-상장법인 등의 회계처리에 판
한 규정
한국과 중국의
기업회계제도의 비교
-상장법인 등의 재무제표에 관
1974-1981
한 규칙
-기업회계원칙
1977-1991
개혁개방 경제기
(회계구축기)
-재무제표규칙
-기업회계 기준제정
1981.13.23
1981-1998
1998-2000
-증권관리위원회 재무부 장관
승인
-기업회계기준
1992.11.30
(증권관리위원회)
기업회계기준 제정
-기업회계기준
(금용감독위원회)
사회주의시장경제 회
1993-현재
2000.08.25
-기업회계기준서
-현재
(회계연구원)
계기준 국제회계기준
접근기
한국과 중국의 기업회계제도의 비교
한국과 중국의 기업회계제도의 비교
1. 기업회계 제도의 체계 비교
한국과 중국의 재무회계의 목적에서 기업의 이해관련자에게 기업실
체와 관련하여 합리적인 의사결정을 할 수 있도록 재무상의 정보를 제
공한다는 점은 유사하지만, 국가 거시 경제 관리의 수요만족이라는 점
은 중국의 기업회계준칙의 특이한 목적이다.
3. 포괄손익계산서 비교
첫째, 매출총이익과 주영업무이익(매출총이익)의 차이이다
둘째, 기타업무이익 항목표시의 차이이다.
2. 한국과 중국의 재무제표의 체계 비교
한국의 기업회계기준은 결손이 발생하면 결손금 처리계산서를 작성
해야 된다고 규정하고 있으며, 중국 회계준칙에서는 결손금처리 문제만
언급하고 있을 뿐 결손금처리에 대해서 별도의 보고서를 작성하지 않
는다.
셋째, 영업비용과 관리비용 및 재무비용 표시의 차이이다.
넷째, 영업이익과 주영업무이윤(영업이익)의 차이이다.
한국과 중국의 기업회계제도의 비교
3. 포괄손익계산서 계산방법 비교
한국
중국
매출총이익=
주영업무총이익=
매출액-매출원가
주영업무수익-주영업무성분-(주영업무세금 및 부가세)
영업이익=
매출총이익-판매비와관리비
법인세 용차감전이익=
영업손익+영업외수익-영업외비용
05
결
주영업무이윤=
주영업무이윤+(기타업무이익)-영업이용-관리비용(재무비용)
이윤총액=
주영업무이익+영업외수익+(투자수익)+(보조금수익)―
영업외비용
당기순이익=
당기순이익=
법인세 비용차감전이익-법인세비용
이윤총액-소득세
133
론
연구결과의 요약
연구의 한계 및 향후 연구 방향 요약
본 연구는 『한국의 회계기준』 과 『중국의 회계준칙』
을 비교하고 더불어, 국제회계기준 살펴보면서 양국
중국과 한국 이론적으로 연구에서 실태를 조사하여 한 ·
회계기준의 문제점 및 차이점을 도출해 낸다.
중 회계제도의 실질내용을 실증적으로 이해할 수 있는 즉,
많은 기업의 재무제표의 사례 및 실증분석을 통하여 점진
중국과 한국의 회계기준의 환경이 다르기 때문에 중
국회계기준에서는 자산의 가치를 결정할 때 공정 가
적으로 개방화되어 가는 기업회계준칙을 고찰하고 분석하
치를 자유롭게 쓰지 못하도록 규정하고 있다.
여 다양한 다른 회계규정을 종합 부석하여 연구할 필요성
을 제기할 수 있겠다.
THANK YOU
134
서론
최근 10년간, 친환경 사회를 위한 사회적 요구
자원을 효율적으로 사용함으로써 폐기하는 것을 최소한으로 억제
하는 사회를 이루기 위하여 기업에서는 많은 노력
物流原価節減のための最適在庫管理システム
モデル構築に関する研究
정부는 2011년 제 1차 자원순환기본계획을 통해 자원순환
형 사회의 기본적인 방향성을 정함.
자원순환기본계획을 통해 저탄소 자원순환형 사회 정착을 비전으
로 폐자원 업사이클링(upcycling) 기반 조성을 목표
東義大學校 會計學科 敎授 李靜銀
東義大學校 大學院 Global經營學科 博士課程 安沶柾
4R을 자원순환사회의 실천적인 정책
생산·유통·소비단계에서 폐기물 발생억제(Reduction), 발생된 폐
기물 재사용(Reuse), 재활용(Recycle), 에너지회수(Recovery)
서론
서론
자원순환형 사회구조로 전환하기 위하여 제품 전 과정, 즉 생산/유통·
소비·폐기·순환 과정의 확산을 통해 재활용 정책을 폐기단계 중심에
서 생산단계로 확대 강화
순환형 공급사슬이란?
제품의 설계, 제조단계에서의 조립과 유통은 물론, 사용 후 제품의 회수,
재제조를 위한 분해 및 재조립 공정, 재판매 등을 포함한 포괄적이 내용
으로 구성된다 (안해일, 2009).
이에, 유통업계에서는 이러한 정책에 동참하기 위하여 친환경물류
(Green Logistics), 역방향물류(Reverse Logistics)에 많은 관심을
보이고 있다.
두 물류를 통합함으로써 가져올 수 있는 이점
시설의 통합에 의한 개설비용의 절약
회수제품의 재사용에 의한 신제품 생산비용 및 원재료, 부품구매
비용의 절약
순방향물류(Forward Logistics)는 생산/유통, 소비까지의 흐름을 고려하였고, 역
방향물류는 회수에서 재활용까지의 흐름을 고려한 폐기, 순환까지만 고려된 로지
스틱스다.
순방향물류와 역방향물류의 흐름이 동시에 발생하는 기업의 입장에
서는 분리해서 물류 체인을 구성할 경우, 각각의 물류의 흐름은 최적
화될 수 있지만, 기업의 전체물류 체인은 최적화 될 수 없다.
본 연구의 목적
시설의 통합으로 절약되는 비용과 함께 시설을 통합함으로 순방향물류
에서 소비자의 수요에 따른 중간 유통단계 시설의 재고 또는 재발주와
역방향물류서 회수에서 발생하는 재사용가능한 제품의 재고를 같이 관
리함으로써 기존의 재고관리시스템에서 발전된 재고관리스템의 구축
물류흐름의 방향을 제외하고는 닮은 구조를 가진 두 물류 체인을 통
합해서 자원 순환형공급사슬(CLSC: closed-loop supply chain) 을
구성하는 것은 기업의 비용절감을 위해서 반드시 필요한 요소이다.
선행연구
서론
박찬권(2011)
친환경 제품설계 적용과 회수 공급사슬을 구성하여 운영함으로써 친환
경과 관련한 문제를 해결할 수 있으며, 나아가 친환경공급사슬관리는 기
업의 사회적 책임과 관련한 분야에서 중요한 요인을 제공할 것이라고 하
였다.
Supplier
Manufacturer
DCs
Retailer
Processing
center
Returning
center
Kannan 외(2010)
총 공급체인 비용의 최소화를 목적으로 하고, 각각의 시설에서 원재료 ,
생산, 배송 , 재고 , 리사이클링 용량을 결정하기 위한 순환형 혼합정수
LP모델( closed loop mixed integer linear programming model) 을
제안하였다. 또한 제안한 모델은 휴리스틱 베이스의 유전적 알고리즘
(genetic algorithm: GA)에 의해 해결하였다.
Customer
Disposal
Min 외(2005, 2006)
총멀티계층, 멀티 순환형 네트워크 설계 문제를 제안하였으나, 제안된
모델은 복합의 계획 기간 문제에 대해서 고려하지 않았다. 순환형 공급
사슬환경에서 회수된 제품의 통합에 관한 문제 해결을 위하여 혼합정수
LP모델과 유전적 알고리즘을 제안하였다.
그림 1 순환형공급사슬의 흐름도
135
선행연구
물류원가 절감을 위한 재고관리시스템 모델구축
모델
Zhao 외(2008)와 Lindu 외(2009)
제3자 물류에서의 다수의 수요시장, 소매점으로 구성된 순환형
공급사슬을 조사하였다.
도매업자의 재고와 처리센터에 회수된 제품(재사용가능하게 처
리된 제품)의 재고를 동시에 관리함으로써 소비자의 수요에 기존
의 도매업자의 재고뿐만 아니라 처리센터의 재고도 같이 고려
Sheu외(2005)
통합된 순방향물류/역방향물류에서 운송과 재고에 관계된 결정
을 포함한 친환경 공급체인의 오퍼레이션을 최적화하기 위한 다
목적 LP 모델을 제안하였다.
통합된 재고관리시스템에 재고수준이 미치지 못했을 경우, 제조
업자에서 생산된 제품을 도매업자에게 배송되기를 기다리는 하
나의 루트에서 회수센터에서 회수된 사용이 끝난 제품이 처리센
터에서 재사용가능한 제품이 되는 루트를 동시에 고려
따라서 어느 쪽이 보다 비용을 절감하여 재고를 확보할 수 있는지
고려한다면 기존의 재고시스템 환경에서 확장된 재고시스템을 갖출
수 있음
Fleischmann 외(2005)
CLSC환경에서 순방향물류, 리버스 두 흐름에서 배송 및 최적분
배를 동시에 고려하는 리버스 로지스틱스 네트워크 설계문제를
제안하였다. 그리고 확장된 창고 입지 문제의 MILP를 공식화하
였다.
소매업자와 회수센터를 통합함으로 개설비용의 절감
물류원가 절감을 위한 재고관리시스템 모델구축
물류원가 절감을 위한 재고관리시스템 모델구축
가정
입하를 기다릴 것인지 재발주를 할 것이지 결정할 때는 DCs의
재고량과 처리 센터의 회수량을 총계해서 결정한다.
Supplier
DCs / Processing center
Manufacturer
Sales
products
Inventory
Returned
products
Sales
products
Reused
Demand > products
No
Retailer /
Returning center
Returned
products
+ Inventory
처리 센터에 배송된 사용이 끝난 제품의 폐기율은 0.1%로 사사
오입한다.
Yes
수요 예측은 아래의 식을 사용한다. 당일수요예측치 =(전일수요
예측치 + α × (전일실적치 – 전일수요예측치)
Disposal Disposed
products
Backorder
(Sales Products)
next arrival
(Returned Products)
각 센터의 최대 용량을 알고 있다.
그림 2 통합된 재고관리시스템
고객(customer)의 위치는 알려져 있다.
물류원가 절감을 위한 재고관리시스템 모델구축
물류원가 절감을 위한 재고관리시스템 모델구축
목적함수
제약식
J
J'
x ij(t) + y j(t − 1) + ∑ x k j (t) +y j (t − 1) ≤ u j + u j
∑
j
1
min f = f1 + f2
=
T
⎡
I
J
⎣
=1
=1
J
K
K
L
J
J'
=1
j'=1
J
o
o
o
⎢∑ ∑ c ijx ij(t) + ∑∑ c jkx jk(t) + ∑ ∑ c klx kl(t) + ∑ c j z j(t) + ∑ c j z j (t) − ∑ ∑ c j z j (t)z j (t)⎥
∑
t ⎢i
k
l
j
j
j k
j
⎥
=1
1
1
2
2
3
3
'
=1
=1
=1 =1
'
'
=1 j'=1
'
'
'
'
j'=1
도매점과 처리센터의 용량
⎤
J'
∀i,j,
5
' '
=1
K
K
'
x jk(t) + ∑ x lk (t) ≤ u k
∑
k
⎦
2
4
'
=1
K ' J'
J'
J' I
I
⎤
⎡ L K'
= ∑ ⎢∑ ∑ c lk4 'x lk4 '(t) + ∑∑ c k5'j'x k5'l'(t) + ∑ c j6'N x j6'N (t) + ∑ ∑ c j7'ix l7'i(t) + ∑ c Si8 x Si8 (t) + c jH y j(t) + c jH' y j'(t)⎥
t =1 ⎣
i=1
⎢ l=1 k '=1
k '=1 j'=1
j'=1
j'=1 i=1
⎦⎥
k '=1
+ uk'
∀j,l,
소매점과 회수센터의 용량
T
R (t) ≤
K
K
'
u k + ∑u k
∑
k
=1
∀t
'
사용이 끝난 제품의 회수량
k '=1
포워드물류:
I
K
(
'
)
2
y j(t - 1) + ∑ x ij1 (t) + y j (t − 1) + ∑ x k5 j (t) − x jk
(t) + x j7i(t) + x j6N (t) = y j(t) + y j (t) ∀j,j',t
운송비용, 시설운영비용, 시설통합에 따른 시설운영의 절약비용
'
' '
i=1
'
'
k '=1
도매점과 처리센터의 재고량
리버스물류:
운송비용, 폐기비용, 구매비용
2
x ij1 (t),x jk
(t),x kl3 (t),x lk4 (t),x k5 j (t),x j6N (t),x j7i(t),x Sl8 (t) ≥ 0
'
' '
'
'
∀j,j,k ,l.k ',j',t
결정변수의 비음조건
136
'
물류원가 절감을 위한 재고관리시스템 모델구축
물류원가 절감의 최적화 기법 및 시뮬레이션
Just-in-Time생산과 배송은 모든 공급자가 적시, 적소에 적정량의
제품을 배송하는 것뿐만 아니라 재고비용과 시설운영비용을 삭감함
으로써, 기업의 전체 물류비용을 절감하는 전략
다점탐색법의 하나인 유전적 알고리즘 (GA)제안
유전적 조작법
WMX 교차 와 교환 돌연변이 사용
처리센터의 시설운영비용은 회수된 제품에 대한 분해, 청소, 충전 등
의 처리공정을 실시하는 운영비용과 이 처리센터까지의 배송비용이
며, 이 비용이 높을 경우 처리센터를 사용하지 않고 다른 처리센터에
배송하는 편이 좋다.
Hybrid Genetic Algorithm
GA 파라미터를 집단의 상황에 맞춰서 적절하게 조절하는 방법
해의 질을 높일 뿐만 아니라 시뮬레이션 계산시간의 단축
파라미터의 돌연변이률 증가시 : 탐색 범위 넓어짐
파라미터의 돌연변이률 감소시 : 국소탐색의 정밀도 높아짐
이것에 의해 유지운영비용이 높은 처리센터의 유지운영의 낭비를 없애
고, 전체 비용 의 삭감을 꾀할 수 있다.
순환형공급사슬 네트워크문제는 0-1 정수계획문제로 정식화되어
NP-hard 문제 중 하나다.
Fuzzy Logic Controller를 사용하여 파라미터를 세대마다 적절하게
조절하고 최적해 탐색에 의해 적합한 상황을 만들어서 GA의 탐색근
본능력을 향상 시킨다.
제안 모델은 최적화 소프트웨어를 이용해서 실용적 시간 내에 풀 수 없
다. 따라서 유전적 알고리즘을 이용하여 준최적해(sub-optimal
solution)를 산출하도록 한다.
물류원가 절감의 최적화 기법 및 시뮬레이션
물류원가 절감의 최적화 기법 및 시뮬레이션
수치예
Supplier
DCs
도매점 3개, 소매점 5개, 최종 도착점 10개, 회수센터 5개, 처리
센터 3개, 제조업자, 폐기업자, 공급자 각각 1개 고려
Retailer/returning center
시뮬레이션
순방향물류와 역방향물류를 나눠서 물류원가비용을 계산하였을 때 보다
두 물류를 통합한 모델이 전체 물류비를 절감 할 수 있었음
priGA와 hGA 비교에서 제안한 hGA 가 준최적해를 찾을 수 있었음
Manufacturer
customer
Processing center
표 1 시뮬레이션 결과
Disposall
그림 3 수치예의 네트워크 모델
결론
본 연구에서는 순환형 공급사슬의 환경에서 순방향물류와 역방향물류를 동
시에 고려한 네트워크 모델을 구축함으로써 통합된 재고관리와 통합된 시설
관리로 물류원가를 절감
순방향물류에서의 도매점과 역방향물류에서의 처리센터에서 재고를 통합하
여 관리함으로써 수요에 따른 재고가 모자란 경우 순방향물류의 제조업자에
게서 가져올 것인지, 역방향물류의 회수센터에서 사용이 끝난 제품의 회수
를 기다릴 것인지를 선택함으로써 비용을 절감
순방향물류에서의 소매점과 역방향물류에서의 회수센터를 통합함으로써 시
설운영비용 또한 절감
또, hGA(hybrid Genetic Algorithm)의 최적화법을 이용하여 준최적해
(Sub-Optimal Solution)를 구함
향후과제로 실제 사례연구를 통해 제안 모델과 제안기법의 유효성을 검증할
필요가 있음
137
Supply chain model
priGA
hGA(Proposed method)
Forward flow
352,147
348,673
Reverse flow
346,972
338,154
Closed loop supply chain
646,540
623,482
アメーバ經營が企業の效率的成長に
及ぼす理論的硏究
アメーバとは?
アメーバは単細胞の原生動物として大きなものと
してみなければ0.2mmに過ぎなかった 生物であ
る。形が一定せず、仮足で餌を包んで吸収して
生きていく。それだけ環境変化に迅速に対応する
生物である。
東義大學校 経営学科 金燦烋
会計学科 李瓊球
アメーバ經營の意義
アメーバとは?
• 会社をいくつかの小さな部門に分けて経営
• アメーバは一つの小さな会社として材料を購入
して付加価値を付けて顧客(社内のアメーバある
いは社外の顧客)に販売して利益を上げている。
• また、切り取っても単細胞であるため、死なな
い。
アメーバ経営目的
•
•
•
•
•
アメーバ経営の組織
• ―
全員参加の経営
採算で貢献度を測定、目標意識を持つこと
よく見える経営の実現
リーダーの意思決定と職員の意思尊重の調和
リーダーの育成
• ―
• ―
• ―
138
製造:顧客を満足させることづくりを通じて付加価
値を創出する
営業:販売活動(受注から入金まで)を通じて付加価
値を創出し、同時にお客様の満足を高める
研究開発:市場要求に基づいた新製品、新技術を開
発する
管理:各アメーバの事業活動を支援して、会社全体
の円滑な運営を促進する
Kyocera会計原則
★時間あたりの採算表
•
•
•
•
•
•
•
•
•
経営部門や製造部門の利益責任単位がある
目標や成果を金額
部門採算を把握するタイムリーが必要である。
時間意識と生産性を高くする。
時間あたりの採算表を運用管理しなければなら
ない。
一対一対応の原則と再確認の原則だ。
完璧主義の原則と堅固な経営の原則だ。
採算向上の原則と現金基本経営の原則がある。
ガラスの壁、経営の原則と実績管理のポイント
を作る。
• 活動の結果が採算表に正しく反映する。
• ビジネスの“実績”と“残高”が原則だ。
結論-1
結論-2
•
•
•
•
• 京セラのアメーバ組織の活用は、京セラのア
メーバ組織、特定の事業目標を遂行するための
臨時的な組織に活用
• 売上高・警備・利益などを独自に算出する自律
的なチーム組職
下級者は上級者の判断を尊重
双方の信頼が重要
アメーバ組織間の情報共有の活性化が必要
数字に対する執着と役職員が数値化された経営
目標
• 役職員の教育→他のアメーバ組織と知恵を共有
するコミュニケーション、自ら問題解決能力
139
1.ブルーオーシャンの槪念
• ブルーオーシャン戰略の
成功事例分析(*)
2.宿酔解消飲料の市場調査
3.ドリンク市場
4.‘コンディション’商品のマケトング戦略
5.マーケティングの成果
• 韓国 東義大学校 経営学科 李東喆 教授
• 韓国 東義大學校大學院 Global經營學科 博士課程 韓輝哲
6.成功要因分析
宿酔解消飲料の市場調査
ブルーオーシャン(Blue Ocean)?
™市場で 現在の存在しなかったり 一般 消費者に
知られていられない未開拓市場を意味する.
• 宿酔解消飲料に対する消費者の必要(wants)性が提高されることによ
って‘第一製糖’(現在は‘CJ’に変わり)の製薬部門はドリンク市場で新
™特徵(**)
製品を出すため日本のドリンク市場を研究しながら1992年初めにこ
™-競爭者ないない新たな市場
™-競爭の意味がない
™-新たな需要の創出
™-價値 - 費用の同時的 追求
™-差別化と抵費用の同時的 追求
の市場に対する実態調査を行った。
• その結果、消費者は披露回復を主目的にドリンクを飲むが、飲酒負
担を減らしてくれる製品に対する慾求もある程度はあることが分か
った。
韓國 飮酒市場 特性
• 蟹に'お酒常務'という言葉があるほどに企業間の交際にはお酒が欠かせ
• 韓国では成人一人が1年に平均1百37餠の各種のお酒を飲む。
ないもので親睦図謀と不満解消はほとんど酒席で成り立つ。はなはだ
• このようにお酒をたくさん飲む、世界で五つ指の中に入る韓国の飲
しくは飲む場合はさかずきを回して、よく言う爆弾酒を習慣のように
飲んだりする。
酒人口はおよそ2千万人に達する。
• “このごろ消費者は体に良い飲料を選んで飲むとうのが業界専門家の共
• これらの中で1周平均1-2回以上お酒を飲む愛酒家は約7百万名に推
通の意見である。
算される。(1993年)
• 当時韓国内にはまだ宿酔を解いてくれる製品がなかった。
• ビール一餠やウイスキー一盞を一日の定量と思う西洋人とは違い、
• それで愛酒家らはお酒による胸焼け、頭痛、熟柿臭い臭いなどの苦痛
韓国人'飲むというよりは'浴びせる'と言う表現が似合うほどに酒席
を無くすために自養強壮ドリンクを飲むとか肝膓薬胃膓薬などを服用
で暴飲する傾向がある。
している。
• ‘第一製糖’は'紅蔘元'というというドリンクを販売しているのでドリン
ク製品に対するマーケティング経験がある。
140
1
韓國人 飮酒行態 特性
新しい製品の位相定立(positioning)の結果
• 比較的値段が高くて健康指向的である機能性ドリンクがまだ市場にないとい
• 1992年春韓国消費者の飲酒行態を調査した結果,
うことが分かるた。
• 週間に平均2、3回飲む人が一番多かったし、友達に会う時や顧客
接待のために飲む人が多かった。
• 先に薬局調査を通じて消費者が当時300ウォン~500ウォン台の液体消化剤と
慈養強壮剤などを飲酒後いくら購入するかを調べた。いわゆる'アルコール対
• 過飲が予想される顧客接待は比較的学歴と所得が高い40代の専門経
営者が特に多いことが明かになった。
応飲料'の需要を予測して見たのだ。
• この調査で慈養強壮剤の18%、生薬消化剤の13%がアルコル対応用で売れて
いるし、アルコール対応飲料の需要は概して<表1>のようである。
ドリンク市場の実態
• ドリンク市場の規模は1993年に約4千億ウォン程度の規模で成長し、
• 1970-1980年代初盤まではバッカス、元妃など200ウォン~300ウォ
その中約70%は医薬品ドリンクであり、残りは食品及び機能性ドリ
ン台披露回復剤が、1980年代中盤に入りながら所得がますます増え
ンクが占めている。
るによって消費者は500ウォン~600ウォン台の靈秘泉、紅参元等健
康指向性ドリンクに選好が変わるようになった。
• 比較的値段が安い医薬品ドリンクは年10%程度の成長で販売競争が
非常に激しいが相対的に値段が高い食品及び機能性ドリンクの市場
• 以後1990年代初盤には機能性がもっと強化され、補薬の性格のを1
成長率は30-40%に達して徐徐にこの部門が全体ドリンク市場の主流
、000ウォン~3、000ウォン台のホルバン、鹿黄補が現われること
になって行く傾向を見せている。
のように単純一疲労回復次元で漸次天然への回帰や健康増進等で多
様化される趨勢にある。
‘コンディション’商品のマケトング戦略
- 商標:‘ソックプリ’、‘神通数'などを考慮したが、良い体の具合を現
- 機会要因と威脅要因
わす’コンディション‘で決めた。これは発音しやすくて簡潔で記
憶しやすいだけでなく、製品が与える效能のイメージにもあって
• 新製品マーケティング戦略
いると思った。
• マーケティング目標:1993年度に最初認知率10%、売出額50億、199
4年度に認知率20%、売出額200億院を逹成する。
- 包装:決まったリズムで動くようなバイオグラフを入れて体の良い
状態を表現した。
• 目標市場:30-40代の職場人及び経営者
• 製品概念:お酒を飲む前後に服用しお酒を飲んだ翌日の朝、正常的な
コンディションの維持に役立つ機能性ドリンク。
- 価格:大部分のドリンクは一本に300ウォン~500ウィンであったが、
'コンディション'の価格は果敢するように2、500ウォンで策定し
•
た。これは製品の与える便益が確実で消費者が感じる価値も相当
であると思ったからだ。
141
2
マーケティング成果
- コミュニケーション:
‘コンディション’は1992年11月に出市になった以後市場導入期と言
える1994年6月まで約3千万餠が売れ、
目標:お酒を飲む前にあらかじめ飲む機能性ドリンクとしての位相
を定立する。
1995年後半から1996年初までは1月に3百万-3百50万本が売れた。
各種の集まりが多い12月には一日20万-22万餠が売れた。
広告:製品の效能を知らせて、商標の認知度を高めるのに力点を置
く。'接待が多いビジネスマンのためのドリンク'というのを強調する。
また1993年以後各種言論媒体で選定した代表的なであるヒット商品
に選ばれ、韓国内での成功について米国、日本、オーストラリアな
どで輸出された。
販売促進:企業の任員及び遊興業所の従業員を対象に集中的な販売
促進活動をする。
見本を配ること(sampling)、試飲会などを通じて製品を飲んで見る
このようなコンディションの成功に刺戟を受けた味の元は宿酔解消
飲料市場に跳びこんでモヤシ根に豊富に入っているアミノ酸の一種
である'アスパラギン酸'を主原料にしてアルコウル分解を促進する
と言う'アスパ'をソウル大医大と共同で開発した。 そして1994年
5月には朝鮮貿薬の‘ソル票ビジニス’、9月にはLG化学の‘ビジョン’
と白樺の‘アルジオ’が競争商品に登場した。
機会をたくさん提供する。
- 流通:紅蔘元の営業組織を利用して主に薬局を通じて販売する。市
場成長期にはスーパーなどの食品流通経路も考慮する。
- 接待が不可避な職場人の苦衷をもっともらしく描写した初期
- 成功要因 分析
の広告も ‘コンディション’の市場政策に大きく寄与したよう
に見える。
- 成功の一番重要な要因はこのような製品に対するおびただしい
量の潜在需要が以前からあったという。‘コンディション’は消
- ‘第一製糖’はもう‘紅蔘元’という製品を薬局を通じて売ってい
費者の慾求を充足させる価値ある製品であった。
たので 薬局を攻略できる営業組織を取り揃えていたし、
- 薬剤師の生理も読み取っていた。
- ‘コンディション’に対する初期の'価格戦略'が奏效した。
- ‘第一製糖’が持っている良いイメージ、独特で差別化された改
- ‘コンディション’の場合、先発企業の利点(pioneer advantage)
装、会社全体が関心を持って‘コンディション’を支援する雰囲
を十分活用した。
気な
向後課題
-‘第一製糖’は今後とも製品面で競争優位を維持できるように努力しなけ
ればならないし、‘コンディション’が価格と実際の品質のイメージで高い
位置にとどまるようにしなければならない。
• * ‘競爭社を狂くるわせたヒット經營戰略
’(劉必華 外)で拔萃 要約する
-しかし‘コンディション’は成熟期に立ち入っている。したがって今は'既
存製品-既存市場‘だけでなく'新しい市場-新しい製品'にも目を向けなけ
ればならない。すなわち、‘第一製糖’はこれからAnsoffの市場の多角化モ
デルによって市場浸透、製品開発、市場開発、多角化などに力を傾けな
ければならないでしょう。
• ** Wi-chan Kim & Maboan Rene(2005),
“Blue Ocean Strategy”, Kyobo. 參照
-特に念頭に置かなければならない事項は現在の製品と現在まで会社が市
場で構築して来たイメージ、そして各種経験及び知識をたくさん活用す
るほど成功の確率ももっと大きくなって、マーケティング費用も落ちる
という事実だ。
- 結論的に‘第一製糖’は現在の強点を最大限に活用し市場及び製品を選択、
またこのような強点を実際で最大いかすのに向後戦略に焦点を合わせな
ければならないと思われる。
142
3
의료관광산업의 현황과 활성화 방안
医療観光産業の現況と活性化方案
김제간(포항대학교)
세계 관광 패러다임의 변화
과거
ƒ 1. 의료중심의 의료관광 : 의료기
술을 바탕으로 한 치료의 질 중심
의 의료관광
현재
단체관광
광
일반관광
ƒ 2. 관광중심의 의료관광 : 관광 인
프라를 바탕으로 다양한 형태의
헬스케어 투어를 중심으로 의료
관광
단순여행
경관감상
개별관
신관광
문화체험
생태관광
모험관광
보건의료
관광
(의료관광)
(웰니스관광)
크루즈관광
1
의료관광산업의 현황과 활성화 방안
김제간(포항대학교)
국내 의료관광 산업의 환경 분석
2
의료관광산업의 현황과 활성화 방안
김제간(포항대학교)
1) 고급화, 차별화된 의료관광 상품 개발 전략
2) 글로벌 의료관광 전문 인력 양성
3) 의료관광 국제적 네트워크 구축
4) 의료관광 One-Stop Service System 관리 서비스
3
143
방과 후 배드민턴 프로그램 참여가 비만 남자중학생의 체력 및 혈중 골대사지표에 미치는 영향
The Effects of Participation in Badminton Programs After School on the Physical Strength and Blood Bone Metabolic Indexes of Obese
백 상 욱·오 덕 자
부산대학교
연구목적
자료처리
본 연구는 방과 후 배드민턴 참여가 비만 남자중학생의 체력 및 혈중 골대사지표에 미치는 결과
본 연구에서 측정된 모른 자료를 분석하기 위하여 SPSS Ver. 20.0 통계package를 이용하여 모든
에 대해 알아보고 성장기에 있는 청소년에게 비만의 개선방안과 운동요법으로 인한 체질개선과
변인에 대한 평균(M)과 표준편차(SD)를 산출하였고, 집단 내 평균치 변화에 대한 차이검정은
적절한 운동방법, 운동빈도, 운동강도를 대입하여 신체상의 변화와 골대사지표 관련에 도움이 되
paired t-test를 집단 간 차이에 대한 차이검정은 independent t-test를 이용하였다. 모든 통계치에
고자 본 연구를 실시하였다.
대한 유의수준(α)은 .05로 설정하였다.
연구결과
연구대상
본 연구의 대상은 B지역 D학교 재학생으로서 정신적·신체적 병력이 없으며 현재 건강상태가 양
본 연구는 12주간 배드민턴 프로그램 참여 후 체력(근력, 근지구력, 유연성, 심폐지구력) 및 혈중
호한 대상자로 선정하였다. 대상자의 모집방법은 유층표집방법(stratified sampling)을 실시하
골대사지표(OC, ALP)에 대한 결과는 다음과 같다.
였으며, 대상자 선정은 체질량지수 25(kg/m2)이상인(대한비만학회, 2009) 운동군 8명, 프로그
1. 체력의 결과
램에 참가하지 않는 대조군 9명 총 17명으로 구성하였다.
근력의 연구결과 집단 내 시기 간에서 운동군이 유의한 (p<.01)차이가 나타났으며, 대조군은 차이
가 없었다. 그리고 집단 간 분석결과 유의한 (p<.01)차이가 나타났다. 근지구력의 연구결과 집단 내
M±SD
● 대상자 신체적 특성
시기 간에서 운동군이 유의한 (p<.001)차이가 나타났으며, 대조군은 차이가 없었다. 그리고 집단
변인
연령(yrs)
신장(cm)
체중(kg)
간 분석결과 유의한 (p<.01)차이가 나타났다. 유연성의 연구결과 집단 내 시기 간에서 운동군이 유
운동군(n=8)
13±47
163±99
74±99
차이가 나타났다. 심폐지구력의 연구결과 집단 내 시기 간에서 운동군이 유의한 (p<.05)차이가 나
대조군(n=9)
13±84
165±91
75±78
의한 (p<.05)차이가 나타났으며, 대조군은 차이가 없었다. 그리고 집단 간 분석결과 유의한 (p<.05)
타났으며, 대조군은 차이가 없었다. 그리고 집단 간 분석결과 유의한 (p<.01)차이가 나타났다.
2. 혈중 골대사지표의 결과
OC의 연구결과 집단 내 시기 간에서 운동군이 유의한 (p<.001)차이가 나타났으며, 대조군은 차이
● 측정항목 및 절차
가 없었다. 그리고 집단 간 분석결과 유의한 (p<.05)차이가 나타났다. ALP의 연구결과 집단 내 시
본 연구에서 측정 항목은 체력(근력, 근지구력, 유연성, 심폐지구력), 혈중 골대사지표
기 간에서 운동군이 유의한 (p<.001)차이가 나타났으며, 대조군은 차이가 없었다. 그리고 집단 간
(osteocalcin:OC, Alkaline phosphatase:ALP)을 분석하였다. 체력측정은 본교 체력단련실
분석결과 유의한 (p<.01)차이가 나타났다.
및 강당에서 실시하였고, 혈액분석은 사전/사후 동일한 방법으로 검사 전 12시간 이상 수분과
● 체력 및 혈중 골대사지표의 변화
음식섭취를 통제한 후, 안정상태에서 약 10 ml를 주정맥(cubital vein)에서 채혈하였고, 이때
항응고제(ethyl diamine tetra acetate: EDTA)와 LFT tube로 처리한 진공 채혈관 튜브를 사용
변인
M±SD
그룹
사전
사후
t
운동군
24.04±9.20
38.83±8.64
-5.29**
대조군
26.37±8.28
24.46±7.97
.46
t
-.53
3.45##
운동군
22.17±7.73
36.20±5.97
-8.45***
대조군
24.37±6.74
26.63±5.69
-1.39
하였다.
배드민턴 프로그램
근력
본 연구에 참여하는 대상자는 훈련이 실시되기 2주전 가벼운 적응훈련 및 기술에 대한 부분과 안
전문제 부분에 대해서 교육을 실시하였으며, 본 프로그램은 관련연구(안재욱, 2013; 한민재,
2013; 이동수 및 조인호, 2012, 김동문, 2006)의 연구내용을 수정·보완하여 본 연구의 프로그램을
근지구력
구성하였고, 운동빈도는 12주간 주 3회(1일 60분)로 실시하고, 운동강 도는 무선 심박수 측정기
인(Polar RS 400sd, Co. Finland)를 이용하여 목표심박수 범위에서 운동이 될 수 있도록
Karvonen & Vuorima(1988)의 방식에 의한 목표심박수 산출방법과 Borg(1998)의 주관적 운동
강도(RPE)를 포함하여 실시하였다. 이를 근거로 점증적 과부하의 원리를 적용하여 1~6주는
유연성
40~50% HRR(RPE 12~13), 7~12주는 51~60% HRR(RPE 14~15)으로 구성과 운동 중 목표 달성
여부는 무선심박수측정기 또는 운동자각도(rating of perceived exertion: RPE)를 병행하여 실시
하였다.
심폐지구력
● 배드민턴 프로그램
기간
훈련내용
시간
스트레칭
10분
빈도
Under-Clear
receive
40∼50%
HRR
RPE
(12∼13)
40분
Smash
receive
스트레칭
10분
스트레칭
10분
Smash→receive
Drive(Fore/Backhand)
ALP
*:집단
#:집단
―
주 3일
―
-.60
운동군
9.21±3.93
18.62±9.63
-2.83*
대조군
9.63±3.71
9.08±3.94
.37
t
-.21
2.71#
운동군
12.14±3.43
16.42±4.35
-2.97*
대조군
11.22±3.15
10.33±2.59
.79
t
.55
3.49##
운동군
30.91±26.32
62.42±19.86
-10.34***
대조군
29.96±17.44
35.17±22.81
-.46
t
.08
2.50#
운동군
44.47±13.33
74.85±12.19
-10.40***
대조군
46.45±14.99
50.77±13.00
-.59
t
-.27
3.77##
내 변화에 대한 차이검정, *: p<.05, **: p<.01, ***: p<.001
간 변화에 대한 차이검정, #: p<.05, ##: p<.01
논의 및 제언
본 연구대상자의 지속적인 동작으로 인한 향상과 상지동작보다는 스텝의 수가 많아 하지동작에
Hi-Clear→Under-Clear
Hi-Clear→Hair-Pin
7주
∼
12주
OC
―
Hi-Clear
Driven-Clear
1주
∼
6주
강도
t
3.26##
40분
큰 효과성을 뛰고 있다고 생각하며, 연구기간 종료 후 추가적으로 배드민턴 운동을 실시하면 순
51∼60%
HRR
RPE
(14∼15)
발력 및 민첩성에 효과가 크다고 생각하므로 건강체력을 포함한 기술체력에도 많은 도움이 있을
거라 사료되고, 운동으로 인한 영향을 평가 할 때 대상자의 연령, 즉 생의 주기에 따른 수준을 함
께 고려해야 할 것이며, 특히 사춘기 같은 급성장기에는 성장에 비례하여 연령에 따라서 비교가
All-court System
Game System
매우 중요하다고 보고하였고(김주성 등, 2004). 따라서 사춘기 성장에 있었서 비만이라는 특성을
가진 청소년임을 감안하여 신체적인 부분과 골관련 성장 향상을 위해 운동의 효과성을 강조한
스트레칭
10분
―
지나친 운동보다는 성장과 관련하여 골량의 증가와 골절예방 등을 고려하여 처치 및 처방이 되
는 것이 중요하다고 생각한다.
144
그룹 / 변인
연령(yrs)
신장(cm)
체중(kg)
운동군(n=8)
13±47
163±99
74±99
대조군(n=9)
13±84
165±91
75±78
변인
연령(yrs)
신장(cm)
체중(kg)
운동군(n=8)
13±47
163±99
74±99
대조군(n=9)
13±84
165±91
75±78
145
■ 生活見直し消費の第5ラウンドへの突入
2014, 09,13 ① バブル崩壊(生活見直し消費の第1ラウンド):長期・高額支出の見直し(住宅ローン、生命保険)
~ビューティビジネス学会 第3回全国大会~
基調講演② 美容サロン業界の研究課題
② 長期デフレ(生活見直し消費の第2ラウンド):医療費、自動車関連費、衣料費(百貨店⇒SPA)、外食費、
冠婚葬祭費の見直し(ハデ婚⇒ジミ婚、家族葬)
(モチベーションサーベイと顧客サーベイから見えてきたこと)
③ 戦後最長の景気回復(生活見直し消費の第3ラウンド):労働分配率に還元されない景気回復
通信費(携帯電話)、教育費(通信添削・塾)、ビール・タバコ代(発泡酒・第三のビール)
理・美容費(QBハウス、Shampoo)、自動車保険(Sony損保)、医療保険の見直し(Met Life Alico、Aflac)
(株主への配当と内部留保が充実され、そろそろ労働者に還元しようという時期に)
「人間が常に合理的な行動だけをしていたら世界経済は常に不況である。」
パコ・アンダーヒル『なぜこの店で買ってしまうのか 』早川書房
「これまで提示されてきた理論のほとんどは「原因」と「結果」の取り違いであった。」
フィル・ローゼンツワイグ『なぜビジネス書は間違うのか』日経BP社
④ リーマンショック(SPL/CDSによる金融恐慌(生活見直し消費の第4ラウンド)
自動車(持たないという選択)、タバコ(吸わないという選択)、固定電話(解約という選択)、新聞の解約、本(
図書館)、日雑用品(シャンプー、歯磨き、洗剤、etc.) 1回の使用量の節約、外食(FR⇒FF) ⇒ 中食 ⇒ 内飯
「分相応」消費と「ご褒美」消費の循環社会
「未来学のずるくて小さい秘密は、未来は予言できないということである。」
イアン・モリソン 『未来への曲がり角』 ダイヤモンド社
「強いものが生き残るのではない。賢いものが生き残るのでもない。変化するものが生き残るのである。」
チャールズ・ダーウィン『種の起源』岩波文庫
⑤ そして、2011/03/11の大震災の発生、2014/04/01の消費税の8%増税と2015/10/01の10%への再引き上げ(生活見直し
消費の第5ラウンド)
一億総中流時代の終焉と国内におけるBOP(Bottom of Pyramid)市場の顕在化と新しいビジネスモデルの必要性
格安スマホ、最安値ネットショッピング、
WBS(早稲田大学商学研究科)
教授
永井 猛
経営戦略論の見直し
■ 国内市場の構造変化(プラスサム社会⇒ゼロサム社会⇒マイナスサム社会)
■ ビジネスを成功に導く法則は本当に存在するのか?
これまで提示されてきた理論のほとんどは「原因」と「結果」の取り違いであった
部門内・部門間のコミニケーションを改善すれば経営成果は改善する
あることを実行したから業績が向上したのではなく、業績の良い企業は資金も資源も豊富だからそれを実行できた
明確なビジョン、高いコミュニケーション能力、自信、人間的魅力:見る人の主観で決まる。 そして、その主観は会社の
業績で変わる。
リーダーシップや企業文化や顧客志向など、いつも決まって候補にあがるものは業績アップの要因ではなく
業績のよさから跡づけた理由である。
マイナスサム社会で企業が成長するためには、
①自ら積極的に新市場(新分野)に参入してそこで成長する
②既存ビジネスで新市場(海外)に打って出る(集中豪雨的なアジアへの進出とその授業料)
③既存業種の中にとどまり他社のパイを奪って成長する
④上記の戦略のいくつかを同時に採用する
■ルールが変われば、戦い方が変わる(規制緩和の意味):どういう競争の中で戦っているのか?
■ 巧妙な「戦略」と卓越した「実行」、そしてわずかな「幸運」
(P. Rosenzweig, “The Halo Effect”(「なぜビジネス書は間違うのか」日経BP社)” 2008)
戦略は「目標」でも「目的」でもない。「ビジョン」でもなければ、「ミッション」でも「ステートメント」でもない。
戦略とは決定的なところでライバルと差をつけることである。夢を語ること、そして戦略を作るだけならきわめて簡単である
戦略=競合相手と異なる事業活動をすること
同じ活動であれば、違うやり方をすること (顧客満足イノベーション)
(同じことを同じようにやれば、人件費が一番安い会社(従業員の平均年齢が一番若い会社)が勝つ).
「戦っている」ことと「戦わされている」ことの違い
今、経営者がはじめて真剣に勉強し始めた
キャッシュフロー経営/成果主義
コアコンピタンス選択と集中/コーチング
ベストプラクティス/ベンチマーキング
シックスシグマ/経験価値/CS/ES
BSC(バランストスコアカード)/見える化
ROE経営/ビッグデータ
ただし、
その内容と方法は
正しかったのか?
実行=日常のマネジメント(当り前のことを当たり前に継続できる仕組み)
多くの企業では、当り前のことが当たり前にできない
基本プレーと応用プレーができて初めてチームプレーが可能となる
派手なファインプレーや超人的なリカバリーショットを不要にする
あらかじめ予測して守備位置を移動していれば、普通のプレーに見える、あるいは、トラブ
ルショットを回避する第1打を打っておけば、一か八かの一発勝負のプレーは不要になる
20歳で美容師を志した若者の8割の人たちは30歳前半でどこへ行ったのか?
ポジション別モチベーションの分布
図表6 技術者全体およびポジション別のモチベーション水準
サ ロ ン 技 術 者 の 年 齢 ・ 性 差 別 構 成
全技術者のモチベーション水準(レセプション担当者を除く)
度数
800
有効
700
600
離職率
女性:60.5%
男性:49.0%
500
責任 1
ある
仕事
を任 2
され
てい
る
3
離職率 合算数値
女性:65.6%(86.4%)
男性:52.3%(78.2%)
440
400
300
4
174
200
100
2.00
3.00
4.00
5.00
6.00
7.00
8.00
9.00
10.00
合計
責任ある仕事を任されている と 自分の能力が発揮されている のクロス表
5
229
50
0
24歳 以 下
25~ 29歳
合計
60
117
30~ 34歳
男 性
36
20
31
14
35~ 39歳
40歳 以 上
自分の能力が発揮されている
1
2
3
4
5
度数
16
12
14
1
1
自分の能力が
34.8%
6.5%
2.4%
.4%
1.5%
されている の
度数
6
62
52
5
3
自分の能力が
9.0%
2.0%
4.5%
されている の13.0% 33.7%
度数
13
自分の能力が
されている の28.3%
度数
6
自分の能力が
されている の13.0%
度数
5
自分の能力が
されている の10.9%
合計
44
3.9%
16
18
89
114
313
246
197
81
56
1130
146
有効パーセント
1.4
1.6
7.9
10.1
27.7
21.8
17.4
7.2
5.0
100.0
累積パーセント
1.4
3.0
10.9
21.0
48.7
70.4
87.9
95.0
100.0
128
11.3%
35
55
263
37
1
369
30
29.9%
45.5%
14.5%
1.5%
32.7%
25
39
190
137
6
378
21.2%
32.9%
53.7%
9.0%
33.5%
16
59
75
56
211
8.7%
10.2%
29.4%
83.6%
18.7%
度数
46
184
578
255
67 1130
自分の能力が
100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0%
されている の
店長(124)
トップスタイリスト(144)
技術者(392)
アシスタント(470)
20
15
10
平均=6.617
5
0
2
3
4
低モチベーション
女 性
パーセント
1.4
1.6
7.9
10.1
27.6
21.7
17.4
7.1
4.9
99.7
5
6
7
中モチベーション
8
9
10
高モチベーション
ポジション別モチベーションの構造
モチベーションと売上はダイレクトにはリンクしない
1600
技術者のモチベーション
店長のモチベーション
1400
.258
昇進の
1200
可能性
.122
1000
.349
職場への
満足度
.109
400
.263
売上
職業への
200
.205
.362
独立への
2
0
4
5
6
7
8
9
10
11
.358
職場への
.443
満足度
給与への
満足度
.263
職業への
満足度
0
.379
.287
モチベーション水準
給与への
600
可能性
モチベーション水準
満足度
800
.198
昇進の
.333
満足度
.205
独立への
夢
夢
MTVN
経営成果と従業員のモチベーションの関係①
自分の技術に対する自信度
従業員の
モチベーション
.134
指名客の多さ
.198
接客応対へ
提案が採用
既存顧客のリピート率の向上
新規推奨客の増大
される
の自信度
.158
.380
技術・接客水準
提案力
.168
.359
新技術の積極
.294
顧客の
満足度
的取り入れ
講習会への積
.174
極参加
.281
.208
.160
.261
顧客の顔と名前
従業員の
満足度
店舗の教育・育成
の一致度
.188
制度の充実度
.135
従業員への成果の
適切なフィードバック
(責任と権限の現場付与)
経営成果と従業員のモチベーションの関係②
※従業員のモチベーションが顧客満足に結びつかないミスマッチの根本原因は何か?
従業員の
モチベーション
店舗売上と顧客満足度(店舗別平均)はダイレクトにはリンクしない
個人売り上げを最も規定しているのはスタイリスト別顧客満足度ではなく指名客数である
リピート率の停滞
顧客の顔と名前の一致度
既存顧客のリピート率の向上
顧客の
満足度
新規推奨客の増大
フリーペーパーやディスカウント
の乱発
店長までのキャリアパス
店長後のキャリアパス
職場の人間関係
会社の将来性
etc.,
既存店の売上伸率の低迷
新規出店による売上拡大
技術・接客水準
提案力
採用・教育・育成システム
従業員の
満足度
従業員への成果の
適切なフィードバック
(責任と権限の現場付与)
店舗の売上
利益の拡大
経営の透明性
分配比率
147
店舗の売上
利益の拡大
顧客満足を低下させずに個人売上
を上げ続けることは困難である
148
ラグジュアリーブランディングと
ビューティビジネス
Luxury Branding and Beauty Business
長沢伸也
(早稲田大学大学院商学研究科)
Shin'ya NAGASAWA
(Waseda University, Graduate School of Commerce
1 ラグジュアリーブランディング
高い技術力や優れた品質を持ちながら、BOP(Base of the Pyramid)市場を目指して低
価格戦略を採ったのでは、果てしなきコスト競争に巻き込まれ、品質向上著しい新興国に
勝てるわけもない。また、ものづくりが疲弊するばかりでなく、ブランド価値を下げるこ
とになる。これを打破するためには、高付加価値、換言すれば高価格でも売れるものをつ
くり、BOP市場ではなくTOP(Top of the Pyramid)市場を目指す必要がある。
また、景気低迷や経済不況の時こそ、他社には真似できない製品と、価格の競争ではな
く独自の価値、独自の流通チャネル、独自のプロモーションで他社との横並びから脱する
必要がある。このような「価格で競争しない」「創造力と独自性を武器にする」という戦
略は、ルイ・ヴィトンなどのラグジュアリー ブランドに一日の長がある。その戦略は、一
言でいえば従来のマーケティング理論・ブランド理論の逆を行き「こだわりのものづくりと
品質、物語のある製品を、高い価格で、限定された流通チャネルで、パブリシティを重視
して販売する」のである。
こうした逆張りの法則を体系化した「ラグジュアリー戦略」は、従来の大衆消費財を対
象としたマス マーケティングとは根本的に違う。また、混同されがちなプレミアム戦略や、
単なるファッション戦略とも異なる。「プレミアム」とは比較級(comparative)である
のに対し、「ラグジュアリー」とは最上級・最高無比(superlative)である。
大衆消費財のマーケティングが米国で生み出され、P&Gのような巨大企業グループが発
展させ世界中を制覇したように、ラグジュアリー戦略はヨーロッパで生まれ、主にフラン
スやイタリアの小さな家業が半世紀足らずで世界的なブランドに成長する過程で確立した。
その独創的な方法は、実は、ほとんどの文化圏における多くの事業に適用可能である。例
149
えば、アップル社の旗艦店、B&O社のデザイン・オーディオ、ネスレ社のネスプレッソ・マ
シーン、BMWのミニ(車)、ラコステ ブランドの中国進出などに適用されている。
上述のような、イノベーションとクリエイティビティを活かした高くても売れる製品、
熱烈なファンのいるブランドを生み出すための理論・方法論である「ラグジュアリー戦略」、
およびそのようなブランド構築の実践である「ラグジュアリーブランディング」は、特に
日本企業の課題である。
筆者は、研究組織として早稲田大学で「ラグジュアリー ブランディング研究所」を主宰
するとともに、教育組織として早稲田大学ビジネススクール(WBS)で「ラグジュアリー ブ
ランディング系モジュール」の運営責任者を務めて、研究と教育に学際的に取り組んでい
る。所謂ラグジュアリー ブランド業界のみならず、高くても売れるビジネスを目指す業
界・企業・人を対象としている。「理論と実践の融合」を目指すWBS の土壌を存分に活
かしつつ、世界のラグジュアリー ブランディング研究の最先端で、実務への示唆に富んだ
研究・教育を行っている。
2 『ラグジュアリー戦略』における化粧品の事例
カプフェレ(J.-N. Kapferer)とバスティアン(V. Bastien)は、『ラグジュアリー戦略』
でラグジュアリー戦略を体系化した [1]。同書では、ロレアルが頻出するが、ラグジュアリ
ー戦略をブランドの一部に適用する「混合戦略」もありうるとして、コーダリー化粧品の
事例が述べられている。興味深いと思われるので、以下に紹介する。
純粋なラグジュアリー戦略は難しく、追求するには非常に費用が掛かる場合が多い。す
でに見てきたように、特に流通チャネルに関しては非常に難しい。それゆえ、同じブラン
ドの中で同時に両方の戦略を追求することも可能なのではないかと考えてしまう。これが
我々が呼ぶところの「混合戦略」で、同じブランドの下で、一部には古典的な 4P を、残
りの部分にはラグジュアリーの 4P を実行するという事実によって特徴付けられる。
いわゆる「二段体制(two-tier system)」で、一つの段はラグジュアリー、もう一つの段
はプレミアムである。この二つの段ははっきりと分離されているが、同一のメゾン内に存
在することは多い。
例えば、化粧品の世界では、ラグジュアリーに近い、新しいブランドが次々と生まれて
いる。しかし、実際のところ、ラグジュアリーによって着想を得ているのは、そのビジネ
スの一部分のみである。次の 2 社、ニュクス(Nuxe)とコーダリー(Caudalie)はこの徴
候がある。コーダリーは、フランス産ワインの名所であるボルドー地域(Bordelais region)
で生まれたブランドである。その化粧品は、ワインそのものから抽出されたエッセンスと
分子の効能を利用する「ワインセラピー(vinotherapy)」に基づいている。我々は、ワイ
ンの世界観に基づいた、コーダリーブランドの直営ホテルとスパにラグジュアリーの側面、
そして、葡萄栽培から得られ、古典的な香水製造の販売店網で販売されるセルフケア製品
150
にプレミアムの側面という両方の側面を見出すことができる。この場合、混同はありえな
い。つまり、二段の製品は、同じ名前(コーダリー)を運び、同じ概念(ワインセラピー)
を共有しているが、しかし完全に異なっている。同じ名前を使っていても、あるいは本物
の相乗効果を生むことを可能にするために併用したとしても、誰もスパと容器詰めされた
化粧クリームを混同しない。
3 化粧品デザインにおけるラグジュアリー戦略
世界的なマーケティング学者のコトラー(P. Kotler)は、「製品とは、あるニーズを充
足する興味、所有、使用、消費のために、市場に提供されうるすべてのものを指す。それ
は、他に価値のパッケージ(value package)、ベネフィット(便益)の束(benefit bundle)
とも呼ばれうる」と定義している。すべての製品は、欲求充足のサービスをパッケージし
たものである。口紅を買う女性は、単に唇の色を買うのではなく希望を買うのだ。レブロ
ン化粧品の創業社長レブソン(C. Revson)が言った有名な言葉に「工場においては、われ
「夢(dreams)」
われは化粧品を作っているが、お店では夢を売っている」というのがある [2]。
あるいは「夢の要因(dream factor)」は、ラグジュアリー戦略やラグジュアリー企業に
欠かせないものである [1][3]。
さて、日本の化粧品市場には、制度品や一般品、訪販品などさまざまな流通形態に応じ
て、海外品、国産品を含め数多くの化粧品ブランドが存在する。化粧品には「メイクアッ
プ」と「スキンケア」の2つのカテゴリーがあるが、それぞれ「顔や身体を美しく彩る」「肌
を健やかに保つ」ことを目的に、毎日使用されるものである。したがって、化粧品にまず
求められるものは「機能性」と「使い勝手」であり、その対極ともいえる「ラグジュアリ
ー表現」は、化粧品をデザインするうえで二の次に考えられがちな要素である。
ところが最近、海外の化粧品ブランドにおいて、従来のデザインを超えたラグジュアリ
ー感を表現している製品が登場している。化粧品は女性たちに「美しく変われるという夢」
を与えるものであることを考えれば、「ラグジュアリー表現」にも重きを置くことは自然
な流れであり、それによって数多くの化粧品ブランドの中で差別化を図ることのできる要
素にもなる。
そこで長沢・木津 [4]は、「化粧品デザインにおけるラグジュアリー表現」について、そ
こに注力している海外品と国産品の製品事例を挙げ、それらをシュミット(B. H. Schmitt)
が提案した経験価値論をもとに比較考察を行った。そこから共通項を抽出することで、化
粧品をラグジュアリーブランドとして、つまり“他ブランドでは代わりの利かない絶対的な
存在”として位置づけるために、デザインがどのように寄与するのか、どのようなデザイン
が必要とされるのかについて考察したので以下に紹介する。
3.1 化粧品デザインの位置づけ
151
ここで述べる「デザイン」とは、いわゆるパッケージやボトルなど表面的な意匠に限ら
ない。「デザイン」の語源「デシグナーレ」(designare)は「示すこと」(to designate)
と「描くこと」(to draw)の両方の意味を持つ。よってデザインとは、①意図、計画、あ
るいは目標といった、とりわけ分析的で創造的な側面と、②描画、モデル、あるいはスケ
ッチといった、アイデアに形を与える実効的な側面の両方を前提とし、ブランド価値をつ
くるあらゆる資産、すなわち使命、約束、ポジショニング、表現、評判、および品質に関
わるものとする [5]。
化粧品の場合、競合との差別化を図るべく、競合以上の効能・効果を追求した新成分や
新技術の開発に多くの費用的、時間的投資がなされる。それは化学の領域ゆえ継続的な進
化が可能であり、それが毎月毎年、各社から新製品が発売される理由である。しかし、技
術による差異化は、単純に企業や研究開発費の規模の違いに比例することにもなりかねな
い。そこで、企業によっては財務的・人的資源の状況に応じて土俵を変えた戦略を取るこ
とは必要であり、そこに「夢」という概念が重要になる。
技術開発が成熟期を迎えた現代、昔のような粗悪な化粧品は姿を消し、どんな化粧品も
一定水準のクオリティを持っている。したがって、「デザイン」による明確な差別化を図
る傾向が生まれてきているものと思われる。
3.2 化粧品デザインに関する先行研究
「化粧品デザイン」を主題として取り上げた先行研究は、ほとんど見当たらない。あえ
て挙げれば、2001〜02年頃のファッション誌『VOGUE NIPPON』に、化粧品をデザイン
の側面から取り上げた記事がいくつかあったと記憶している。その当時、化粧品がパッケ
ージデザインで差別化を試みることが一つのトレンドであったためである。しかし、化粧
品の機能性や効能・効果とは無関係な要素であるため、その他の一般女性誌や美容専門誌、
化粧品業界誌で取り上げられることはなく、あるとしても、製品の説明文の一部としてで
ある。よって、「デザイン」という側面から「化粧品のラグジュアリー表現」を考察する
ことは、意義があると考えられる。
3.3 経験価値と化粧品
経験価 値 マーケテ ィ ングの第 一 人者であ る 米コロン ビ ア大学の シ ュミット は 、「 経験
experiences とは、ある刺激(例えば、購買の前後のマーケティング・エフォートにより提
供されるもの)に対する反応として起こる個人的な出来事 private events」であるとして
「経験価値」とは、過去に起こった個人の経験や体験のことを指すの
いる [6]。したがって、
ではなく、顧客が企業やブランドとの接点において、実際に肌で何かを感じたり、感動し
たりすることにより、顧客の感性や感覚に訴えかける価値のことである。
「経験価値マーケ
ティング」では、単に製品・サービスを「もの」として売るのではなく、顧客の消費をラ
イフスタイルにおけるコンテクスト(文脈)として捉え、その過程で感覚や感情に働きか
152
けることにより、消費の意味づけを行う。また、シュミットは、マーケティング活動に役
立つ戦略基盤として、表 1 に示すように、経験価値を 5 つのモジュールに分類している [6]。
ここでは顧客の消費に伴う包括的な経験を取り扱っており、単純に商品・サービス自体
を考えるのではなく、これらの消費状況に基づいて発生する顧客の経験を強調している。
この考え方の根本は顧客の捉え方に起因しており、顧客を「理性と感性の生き物」として
捉え、
「顧客の消費は、しばしば感情などによる訴求により左右される」ことを重視してい
る。
表1 シュミットの戦略的経験価値モジュール
分類
経験価値の内容
SENSE (Sensory)
五感に働きかける感覚的経験価値
FEEL (Emotional)
感情や気分に働きかける情緒的経験価値
THINK (Cognitive)
創造性や認知に働きかける知的経験価値
ACT (Behavioural)
肉体的経験価値とライフスタイル全般に働きかける行動的経験
価値
RELATE (Relational)
準拠集団や文化との関連づけに働きかける関係的経験価値
(出所:長沢伸也編著(2006)『老舗ブランド企業の経験価値創造─顧客との出会いのデザ
インマネジメント─』同友館、p.19、図表 1-2 を一部修正)
シュミットの戦略的経験価値モジュールによる 5 分類は、認知科学と社会心理学を基盤
としている [7] 。「SENSE」「FEEL」「THINK」は、それぞれ認知科学における心理学的モ
ジュール「感覚」「情動」「認知」に相当し、また「ACT」「RELATE」は、それぞれ社会
心理学における「身体的自己」
「社会的自己」に相当するものと考えられる。なお社会心理
学における「自己」とは、「自分が自分を客体的に認知するときの対象」のことである [8] 。
「経験」という概念が経済価値として軽視できない理由のひとつとして、機能的便益に
訴求する差別化戦略では、世界中の競合他社の追随や技術革新により、たちまちコモディ
ティ化し、継続的な競争優位を確保することが困難になってきている、ということが挙げ
られる [9] 。まさにこの点において、化粧品の差別化戦略として「経験価値」からのアプロ
ーチは重要であると思われる。化粧品は、毎日手に取って、その感触や色、香りなど、五
感で楽しみ味わいながら使うものである。したがって、
「経験価値」的な特性が非常に高い
ものであり、その意味において、経験価値マーケティングが重視されるべき業種であると
いえる。
しかしながら、化粧品の経験価値について、「コスメデコルテ/AQクリームミリオリテ
ィ」のプレミアム性を経験価値分類に基づいて分析と考察を行った文献 [10]があるが、それ
以外には見当たらない。よって、「経験価値」の理論を用いて複数の化粧品ブランドのラ
グジュアリー戦略を比較考察することは、意義があると考えられる。
153
3.4 ラグジュアリーブランドにおける経験価値に関する先行研究
ラグジュアリーブランドのブランド戦略を考えるとき、従来の伝統的マーケティングの
側面からのみで説明するのは不十分であり、経験価値マーケティングからの詳細な分析が
必要とされる。その考え方のもと、エルメスやルイ・ヴィトン、香老舗松栄堂、虎屋など、
さまざまな業種において先行研究がなされている [11][12]。また、ラグジュアリーブランドで
あるシャネルのブランド戦略として化粧品が取り上げられている [13]。しかしここでも、経
験価値の側面から分析したものは見当たらない。
以上のことから、化粧品をラグジュアリーブランドとして経験価値モジュールを用いて
考察されたものがほとんどないことがわかる。そこで本研究は、それを「化粧品デザイン」
という側面から考察していく。
3.5 代表的なラグジュアリーブランドによる事例分析
本節ではラグジュアリーブランドを代表する海外品を中心に、国産品との比較によって、
その差異を考察する。ここでは、メイクアップ商品(口紅)とスキンケア商品(クリーム)
にフォーカスし、以下の表2にまとめた商品にて考察を進める。なお考察にあたり、分析軸
として経験価値のフレームワークを活用する。
表2 分析対象とするラグジュアリーブランド
メイクアップ(口紅)
スキンケア(クリーム)
海外
国産
CHANEL ルージュ アリュール
GIVENCHY ソワン ノワール
(シャネル)
(パルファム ジバンシイ)
CHICCA エンタイシング リップスティ
cle de peau BEAUTE SYNERGIQUE
ック(カネボウ化粧品)
クレームシネルジック(資生堂)
※ 上記は順にブランド名/商品名/会社名を表記
事例対象の選定理由として、①ラグジュアリーブランドとして知名度の高い商品である
こと、②メイクアップおよびスキンケアでの事例分析が皆無であること、③海外ブランド
と国内ブランドとの比較考察が可能であること、の3点を挙げることができる。また、経験
価値のフレームワークを選択した理由として、化粧品の利用者が機能便益面以外にも人間
の感性面に訴求する価値が存在すると思われ、特にラグジュアリーブランドには必須の価
値と考えられる点を挙げることができる。
以上から、4つの事例分析と比較考察を行うことにより、ラグジュアリーブランドにおけ
るラグジュアリー表現の分析を試みる。
3.6 「メイクアップ商品」における経験価値
ここではメイクアップ商品(口紅)について、「CHA- NEL/ルージュ アリュール」(図
154
1)と、「CHICCA(カネボウ化粧品)/エンタイシング リップスティック」(図2)につ
いて事例分析を試みる。
図1
CHANEL/ルージュ アリュール
(出所:シャネルHP[14])
図2
CHICCA/エンタイシング リップスティック
(出所:キッカHP[15])
(1)「CHANEL」における分析
2006年に発売された「CHANEL/ルージュ アリュール」は、図1からわかる通り、“シ
ャネルの黒”を基調とし、口紅と思わせないパッケージデザインが施されている。また、こ
の商品はフレグランスの名前をつけた初めてのメイクアップ商品でもある。購入価格は
3,600円と一般の口紅とさほど変わりはないが、価格には見合わない雰囲気を醸し出してい
ることがわかる。
「CHANEL/ルージュ アリュール」について、経験価値の観点に基づいた分析をまと
めて表3に示す。パッケージデザインは、ボールペンをヒントに「ワンクリック」動作を利
用して口紅本体を取り出す仕組みになっており、以前から存在する口紅のデザインイメー
ジを覆す革新的なパッケージデザインを採用している。これは、機能性をも重視するシャ
ネルの哲学に通じている。
表3 ルージュ アリュールの経験価値
分類
経験価値の内容
・シャネルを想起させる重厚な黒色のデザイン
SENSE
・従来の口紅と異なるパッケージデザイン
・シャネルとわかる独特なロゴマーク
・特殊塗装によるエレガントな肌触り
FEEL
THINK
・キャップに収める時の重厚感と手応え
・従来の口紅と違った“ワンクリック”動作で取り出し可能な機能性に対する驚
155
き
・従来にない商品を所有することで、メイクアップに対する行動スタイルが変
ACT
化
RELATE ・シャネルの哲学を通じて、愛着心を持った“シャネラー”たちとの繋がり感
口紅をキャップに収める時に重厚感のある手応えを感じさせるが、これは商品開発をす
る時に、自動車のベンツにおけるドアを閉める時の感触を参考にしたと言われる。さらに、
“シャネルの黒”を思わせるキャップには、特殊塗装が施されており、使っても指紋が付か
ないという配慮がなされている。
(2)「CHICCA」における分析
イタリア語で「可愛い!」と親しみを込めて使う言葉をブランド名にした「CHICCA/
エンタイシング リップスティック」は2008年、花王の傘下となったカネボウ化粧品から
誕生したブランドである。“NIPPONのマダム”(50代以降)をコアターゲットに、大人の
女性の可愛らしさと煌めく美しさを引き出すことをコンセプトとしている。したがって、
口紅を含めたメイクアップ商品においてもエイジングケアを謳い、パッケージデザインに
は日本の著名なインダストリアルデザイナーを起用している。価格としては、5,250円と若
干高めの設定になっている。
「CHICCA/エンタイシング リップスティック」について、経験価値の観点に基づいた
分析をまとめて表4に示す。パッケージデザインは非常にシンプルかつクリアなものとなっ
ており、それは透明感と落ち着きを感じさせながら、一粒のスワロフスキーを施すことで
可愛らしさをも表現している。そして、メイクアップの利用行動からエイジングケアへの
利用行動へと意識を変えさせることにより、50代以降の日本女性をターゲットとしたコン
セプトの繋がり感を創造している。
表4 エンタイシング リップスティックの経験価値
分類
経験価値の内容
・なめらかな銀白色にスワロフスキーが煌めくデザイン
SENSE
FEEL
THINK
ACT
・シンプルなCHICCAブランドの表示
・スマートなデザインから醸し出される透明感と可愛らしさ、落ち着き感
・ひと塗りで仕上げるための質感と発色を実現する機能性
・メイクアップからエイジングケアという利用スタイルの変化
・「NIPPONのマダムが秘めている美しさを引き出す」というコンセプトから
RELATE
生まれる日本の大人の女性たちの繋がり感
156
3. 7 「スキンケア商品」における経験価値
ここではスキンケア商品(クリーム)について、「GIVENCHY/ソワン ノワール」(図
3)と、「cle de peau BEAUTE SYNERGIQUE(資生堂)/クレームシネルジック」(図
4)の事例分析を試みる。
図3
GIVENCHY/ソワン ノワール
図4
(出所:パルファム ジバンシイHP[16])
cle de peau BEAUTE SYNERGIQUE/
クレームシネルジック
(出所:資生堂HP[17])
(1)「GIVENCHY」における分析
「GIVENCHY/ソワン ノワール」は、図3からわかる通り、非常にクリアな厚手のガラ
スに収められたクリーム部分が透けて見え、漆黒のキャップが付いた独特なボトルデザイ
ンである。クリアガラスと黒の協調によって重厚感のあるパッケージデザインを実現して
おり、ガラスに彫り込まれているジバンシイのロゴマークが、シンプルかつ高級感を表現
している。価格は39,900円と一般的なクリームと比べて高くなっているが、その価格以上
の価値を表現している。
表5 ソワン ノワールの経験価値
分類
経験価値の内容
・クリアガラスと重厚な黒を使った重厚感を備えたボトルデザイン
SENSE
・ガラスに彫り込まれたシンプルなロゴマーク
・黒と透明のボトルが生み出す重厚感
FEEL
・シンプルなロゴから生み出される高級感
・海中プランクトンから抽出培養された成分を利用した漆黒のクリームに対す
THINK
る驚嘆
・単なるスキンケアという意識から、肌への自信を持つことへの意識変化を促
ACT
す
・「肌を肌だけで考えない、美しさを引き出す」というジバンシイのスキンケ
RELATE
ア哲学による繋がり感
157
「GIVENCHY/ソワン ノワール」について、経験価値の観点に基づいた分析をまとめ
て表4に示す。クリアガラスと黒だけを使用したボトルにシンプルなロゴマークが刻印され
ており、クリームとは思えない贅沢な高級感を生み出している。また、他では見られない
漆黒のクリームは、長期にわたる研究とリサーチにより、深海に生息する強い生命力を持
つ海中プランクトン“スケルトネマ・コスタツム”の美肌効果を発見し、その海中プラン
クトンから抽出培養した成分を配合したことで、漆黒のクリームが誕生したという、機能
面での新たな驚きをも生み出している。
(2)「cle de peau BEAUTE SYNERGIQUE」における分析
図4に示した「cle de peau BEAUTE SYNERGIQUE/クレームシネルジック」は、資生
堂が持つ技術を結集した最高級ラインとして2008年に誕生した「cle de peau BEAUTE
SYNERGIQUE」のクリームである。シミやソバカス、肌荒れを防ぎながら肌本来の輝き
やハリをもたらすという点で、かなりの高機能性を打ち出している。また、「シネルジッ
ク」という名を冠したバラをフランスの香料企業と共同開発し、そのエキスを配合するこ
とで、独特な香りを醸している。価格は126,000円と、スキンケアでは最高ランクになる価
格帯である。
表6 クレームシネルジックの経験価値
分類
経験価値の内容
・高級感のある黒を基調としたデザイン
SENSE
FEEL
・ゴールドのさりげないロゴマーク
・ゴールドのロゴと黒を基調としたパッケージデザインが生み出す高級感
・フランスの香料企業と共同開発したバラ「シネルジック」のエッセンス配合
THINK
ACT
RELATE
のクリームへの驚き
・肌の現状維持から美白や肌あれ防止を求める意識や行動への変化
・高級化粧品の利用効果を認識した人たちによるつながり感
「cle de peau BEAUTE SYNERGIQUE/クレームシネルジック」について、経験価値
の観点に基づいた分析をまとめて表5に示す。高級感のある黒のパッケージにゴールドのロ
ゴマークがプリントされたシンプルなデザインであり、その組み合わせが高級ブランドの
雰囲気を醸し出している。また、高級感を演出しながらも美白や肌荒れなどスキンケアと
しての機能性を担保しており、高級化粧品を利用している人たちとの繋がり感を生み出し
ている。
3.8 経験価値の観点から見た比較・考察
以上のように、メイクアップ商品とスキンケア商品をそれぞれ、海外および国産ブラン
158
ドについて、経験価値の観点から事例分析を行った。この分析をベースに各カテゴリーに
おける海外ブランドと国内ブランドが創造する経験価値を比較し、主な相違点を考察する。
表7 メイクアップ商品における経験価値の比較
分類
SENSE
FEEL
経験価値の比較考察
パッケージデザインから企業イメージを想起できるどうかに相違点がある
ブランド哲学を感じ取れる固有の感情が沸き起こるかどうかに相違点がある
本来のブランドイメージと機能性を維持しつつも革新的なポイントを実現し
THINK
ているかどうかに相違点がある
日常の化粧に対する行動スタイルに影響を及ぼしているかどうかに相違点が
ACT
ある
ブランドを軸にした特別な仲間意識を生み出しているかどうかに相違点があ
RELATE
る
表8 スキンケア商品における経験価値の比較
分類
SENSE
経験価値の比較考察
ブランドのロゴマークから企業イメージを想起できるどうかに相違点がある
商品のデザインからブランド哲学を感じ取れる固有の感情が沸き起こるかど
FEEL
うかに相違点がある
スキンケアとしての機能性を維持しつつも革新的な技術を実現しているかど
THINK
うかに相違点がある
単なる肌の手入れという意識から自信が持てる行動スタイルへの変化に相違
ACT
点がある
ブランド哲学を接点とした特別な仲間意識を生み出しているかどうかに相違
RELATE
点がある
メイクアップ商品における主な相違点をまとめて表7に示す。この比較考察から、メイク
アップ商品における海外ブランド品は、パッケージデザインから企業イメージを想起する
ことができ、ブランド哲学を感じ取れる固有の感情を誘起させ、本来のブランドイメージ
と機能性を維持しつつも、革新的なポイントを実現しているという点で、国産品とは異な
っていると考えられる。また、日常の化粧に対する行動スタイルに影響を及ぼし、ブラン
ドを軸にした特別な仲間意識を生み出している点についても、国産品との違いが見出せる。
次に、スキンケア商品における主な相違点をまとめて表8に示す。この比較考察から、ス
キンケア商品における海外ブランド品は、ブランドのロゴマークから企業イメージを想起
することができ、商品のデザインからブランド哲学を感じ取れる固有の感情を誘起させ、
スキンケアとしての機能性を維持しつつも革新的な技術を実現している点で、国産品とは
異なっていると考えられる。また、単なる肌の手入れという意識から自信が持てる行動ス
159
タイルへの変化を促し、ブランド哲学を接点とした特別な仲間意識を生み出しているとい
う点についても、国産品との違いが見出せる。
以上の比較考察から、海外ブランド商品は国産ブランド商品と比較して、経験価値の側
面から大きな相違があることが理解できる。これは、国産化粧品(メイクアップ、スキン
ケア)は、「機能性」と「使い勝手」を重要視しており、パッケージデザインを含めた顧
客経験のデザインにフォーカスしていないとも考えられる。それは、国内における大量生
産の実態やそのための型を流用したコスト削減などが考えられるが、そのような状況でも、
国産ブランド商品にも最高級タイプの商品は開発されている。しかし、大胆かつ際立った
デザインはそれほど多くは存在せず、あったとしても海外ブランド商品と比較して「商品
デザインの表現」という観点で大きな差異があると思われる。
3.9 ラグジュアリー表現における共通点
前節の事例分析から、ラグジュアリーブランドに備わっている共通要素を経験価値の観
点から整理して表9に示す。ラグジュアリーブランドが持つ「ラグジュアリー表現」は、商
品デザイン(パッケージやロゴなど)によってラグジュアリーブランドを顧客に識別させ
ることができ、ブランドイメージを通して独特な感情を誘起させる。そして、ブランドス
トーリーに基づいた革新性と機能性のマッチングが行われ、ラグジュアリーブランドを起
点として行動スタイルの変化を引き起こす。そして、ラグジュアリーブランドのブランド
哲学を軸にした独特の連帯感と仲間意識が生まれ、固有の社会集団を形成するという共有
要素を持っていると考えられる。ラグジュラリーブランドを表現する要素が存在し、これ
らの要素を全て満たすことでラグジュアリーブランドの地位を獲得することができるので
はないかと考えられる。
表9 ラグジュアリー表現における共通点
視点
ラグジュアリー表現における共通点
パッケージやロゴマークなどのデザインによるラグジュアリーブランドの識
SENSE
別
ラグジュアリーブランドのブランドイメージを通して湧き起こる独特な感情
FEEL
の誘起
ラグジュアリーブランドのブランドストーリーに根ざした革新性と機能性と
THINK
ACT
のマッチング
ラグジュアリーブランドを起点とした行動スタイルの変化
ラグジュアリーブランドのブランド哲学を軸にした固有の連帯感と強力な仲
RELATE
間意識に基づく社会集団の形成
160
3.10 おわりに
本研究では「化粧品のデザイン」について、経験価値のフレームワークを用いて4つの事
例分析から「ラグジュアリー表現」の考察を試みた。ここで得られた「化粧品デザインに
おけるラグジュアリー表現」に必要と考えられる要素は、下記の3点である。
(1)ブランドイメージや企業イメージがひと目でわかる
(2)デザイン要素の一つひとつにストーリーが内包されている
(3)他にはない革新性や特別感がある
「ラグジュアリーである」ということは、冒頭でも述べたように消費者に「他ブランド
では代わりの利かない絶対的な存在」として深い満足感を与えることである。そのために
はまず、「ひと目でわかる」ことは大前提である。特に化粧品の場合、消費者が毎日「美
しくなるため」に使用するものであるため、ブランドや企業が描くラグジュアリーイメー
ジが明快にデザインされ、それが消費者にストレートに伝わることは重要である。
次に、ラグジュアリーブランドが抱える歴史や伝統、創業者の魂や逸話、製品開発への
徹底的なこだわりといったブランドストーリーが、化粧品の色や形、匂いなどのディテー
ルに反映されていることである。それにより、消費者が使うたびに特別な感情を誘起させ
ることが可能だからである。
さらに、ラグジュアリーブランドの使命ともいえる「革新性」が表現されていることも
重要である。ただ重厚で豪華絢爛であればラグジュアリーなのではない。そこに現代のテ
クノロジーを融合させて進化させることにより、ラグジュアリーブランドとしての特別感
を標榜できるのである。
機能性や効果・効能という視点で考えれば選択肢が無限にあるなかで、圧倒的に引きつ
ける魅力を備えた絶対的な存在、それがラグジュアリー化粧品である。繰り返しになるが、
毎日「美しくなるために」使用するものであること、またメイクアップ製品であれば、ポ
ーチに入れて携帯する=人に見られる機会もあることを考えれば、化粧品デザインにおけ
るラグジュアリー表現は、極めて重要な要素であると思われる。
今回取り上げた事例を通して、海外ブランド化粧品はいずれも、これら3つの要素を網羅
することに成功している。それによって、誰が見ても「ラグジュアリーブランド化粧品」
としての存在感を感じるはずである。一方、国産ブランド化粧品においては、これら3つの
要素のいずれかが不十分である、あるいは3つの要素を個々に備えているにとどまり、3要
素の連動による相乗効果が生まれていないために、ラグジュアリーブランドとしての圧倒
的な存在感が不足していると結論づけられる。
今回は、メイクアップとスキンケアのカテゴリーの中から代表的な1アイテムを取り上げ
て考察したが、対象アイテムをさらに広げることで、化粧品デザインにおける「ラグジュ
アリー表現」の共通項はさらに深堀りできると考えられる。
また、「化粧品におけるラグジュアリー表現」という点において、デザインのみならず、
各ブランドが持つストーリーや製品化におけるクリエイターの起用、各企業が取り組む
161
CSR活動などといった側面からも、さらなる考察が可能と思われる。今後はそれらを加味
しつつ、経験価値という観点から、化粧品開発に新たな示唆を与えたい。
参考文献
[1] Kapferer, Jean-Noël, and Vincent Bastien (2009), The Luxury Strategy – Break the
Rules of Marketing to Build Luxury Brands –, Kogan Page, London(長沢伸也訳
(2011)『ラグジュアリー戦略-真のラグジュアリーブランドをいかに構築しマネジメ
ントするか-』、東洋経済新報社)
[2] 長沢伸也(1998)『おはなしマーケティング』、日本規格協会
[3] Corbellini, Erica, and Stefania Saviolo (2009), Managing Fashion and Luxury
Companies, ETAS, Milan(長沢伸也・森本美紀共監訳(2013)『ファッション&ラグ
ジュアリー企業のマネジメント-ブランド経営をデザインする-』、東洋経済新報社)
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色彩学会誌、第37巻第5号、pp.504-510
[5] ボージャ・ド・モゾタ、B., 河内奈々子、岩谷昌樹、長沢伸也(2010)『戦略的デザイ
ンマネジメント-デザインによるブランド価値創造とイノベーション-』、同友館
[6] Schmitt, B. H. (1999), Experiential Marketing: How to Get Customers to Sense,
Feel, Think, Act, and Relate to Your Company and Brands, Free Press(嶋村和恵・
広瀬盛一共訳『経験価値マーケティング-消費者が「何か」を感じるプラスαの魅力
-』、ダイヤモンド社、2000 年)
[7] Schmitt, B. H. (2003), Customer Experience Management: A Revolutionary
Approach to Connecting With Your Customers, John Wiley & Sons(嶋村和恵・広瀬
盛一共訳『経験価値マネジメント─マーケティングは、製品からエクスペリエンスへ
─』、ダイヤモンド社、2005 年)
[8] 長沢伸也:感性品質と経験価値、流通情報、第 44 巻、第 3 号、pp.30-38 (2012)
[9] 長沢伸也編著:ヒットを生む経験価値創造-感性を揺さぶるものづくり-、日科技連
出版社 (2005)
[10] 染谷高士、長沢伸也:コスメデコルテAQクリームミリオリティのプレミアム性-経験
価値創造の事例研究(第2報)-、日本品質管理学会第34回年次大会研究発表会研究発
表要旨集、pp.125-128 (2004)
[11] 長沢伸也編著:老舗ブランド企業の経験価値創造-顧客との出会いのデザイン マネ
ジメント-、同友館 (2006)
[12] 長沢伸也、染谷高士:老舗ブランド「虎屋」の伝統と革新-経験価値創造と技術経営-、
晃洋書房 (2007)
[13] 長沢伸也編著:シャネルの戦略-究極のラグジュアリーブランドに見る技術経営-、
東洋経済新報社 (2010)
162
[14] シャネルホームページ http://www.chanel.com/
[15] キッカホームページ http://www.chicca.jp/
[16] パルファム ジバンシイホームページ
http://www.parfumsgivenchy.co.jp/
[17] 資生堂ホームページ
http://www.shiseido.co.jp/
163
164
165
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