日本語科目名 英文科目名 社会活動論 Theory of Social Activities 渡邉

科目名
担当者名
日本語科目名
社会活動論
Theory 英文科目名
of Social Activities
渡邉 悟史
教養・専門
資格・教職
専門
単位数 選択・必修
2
開講
年次
3年春
選択
科目の概要
本講義は、社会運動に焦点を合わせています。
まず、集合行動論、資源動員論、新しい社会運動論など、社会運動についてのさまざまな考え方を学びます。つい
で、これらをふまえて、労働、平和など、さまざまな争点のもと行なわれていた社会運動の事例をいくつか紹介し考察しま
す。現代のグローバル化する傾向も視野に入れています。
そして、どこに問題を見出すか、何を争点や目標とするかに関する「社会問題」の問題にも切り込んでいきます。
学習・教育内容
達成目標
社会活動について、ボランティア、「社会的なもの」、社 ①ボランティアの定義と歴史について理解する。
会の周辺などの観点から考察していきます。粘り強いタフ ②「社会的なもの」、社会的連帯、公共性といった概念につい
な人、立ち止まって難問にゆっくりと取り組みたい人(そう て一定の理解を得る。
③現代の「貧困」や「難民問題」と「社会」との関連を理解する。
いう人になりたい人)を主なターゲットにしています。
④自らの社会活動観を構築する。
社会人基礎力(12 の能力)のうち
育成する能力
課題発見力
傾聴力
柔軟性
学生が達成すべき行動目標
・難解な文献を恐れず食らいつく勇気を得る。
・間違いを恐れずアイデアや考えをとにかく発言する。
・他人のアイデアを発展させることができる。
・地道な考察に基づいたレポートを書き上げることができる。
テキスト及び参考文献
必要な抜粋や文献リストは講義中に配布します。参考文献としては、
金子郁容、1992『ボランティア―もうひとつの情報社会』岩波書店.
市村弘正・杉田敦、2005『社会の喪失』中央公論新社.
他科目との関連、資格との関連
社会学関連の科目の履修をお勧めします。また担当者の他の科目は本科目と関連するように設計されています。社会
活動論が理論編とすれば、地域社会学が問題発見編、非営利組織論が問題解決編です。
本学部で取得できる資格との関連:ボランティア実務士(必修)
学習上の助言
受講生への希望・要望
たくさん本を読む必要はありません。講義で配布される
ごくごく短い抜粋を何度も何度も読み直した上で講義に
臨みましょう。
抽象的な話も多くなりますが、すぐに具体例を考える癖を
つけましょう。
レポートにコピペを用いることは厳しく禁じられています。授
業内でレポートの書き方の指導を行いますが、注意深く聞い
てください。さもないと単位を失うことになります。
評価方法
筆記試験
総合評価
前に踏み
出す力
主体性
働きかけ力
実行力
考え抜く
力
課題発見力
計画力
創造力
チームで働く力
発信力
傾聴力
柔軟性
情況把握力
規律性
ストレスコントロール力
小テスト
レポート
成果発表
(口頭・実技)
30
30
20
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
作品
授業態度
その他
20
○
○
○
○
合計
100
【評価方法】
評価方法
評価の
割合
筆記試験
小テスト
レポート
成果発表
(口頭・実技)
30
30
20
作品
授業態度
20
その他
総合評価
割合
達成
目標
①
②
③
④
⑤
①
②
③
④
⑤
①
②
③
④
⑤
①
②
③
④
⑤
①
②
③
④
⑤
①
②
③
④
⑤
①
②
③
④
⑤
✔
✔
✔
✔
✔
✔
✔
✔
各評価方法、評価にあたって重視する点、評価についてのコメント
初回および成果報告会を除くすべての回で行います。事前学習用資料に関
する内容確認テストです。ディスカッションを進めるうえで重要な資料となりま
す。一問一答・穴埋め形式および簡単な論述。
・研究レポート(30点)。授業で得た知識を具体的な事例や文脈で考えることが
目標です。
・コピーアンドペーストを用いたことが発覚した場合、すべての課題を未提出と
見なします。
履修者に個人あるいはグループで調査・研究を行い、成果を報告していただき
ます。テーマ・出題時期は授業中に指示しますが、ボランティアや社会的連帯
に関するものになります。履修者自身が授業で得た知識を具体的な事例や文
脈で考えることで、この科目は完成します。
・積極的な発言に対して加点していきます。
・遅刻、欠席、学習意欲欠如、課題やその他の提出物の未提出、グループ活
動への非協力などが見られる場合は厳しく減点します。
・4回以上の欠席、あるいは成果報告会への欠席は自動的にO(放棄)判定とし
ます。
100
【達成目標の目安】
達成レベル A(優)の目安
合計が90%以上に秀、80%以上に優を与える。
達成レベル B(良)の目安
合計が70%以上に良を与える。
回数
授業の
実施方法
学習・教育内容
①イントロダクション
-本講義の射程-
講義
1回 本講義の概要について話しま
/ す。講義の全体像を把握するた
達成レベル C(可)の目安
予習・復習
時間 能力
(分) 名
シラバスを熟読する。 30 ④⑧
本講義の狙いと進め
方について理解し、学
習計画を立てる。
めにも、しっかりと聴いてくださ
い。
ボランティアの定義と
歴史を理解し、自らの
ボランティア経験を振
り返る。
配布資料を熟読す
る。
90 ⑧⑩
講義およびディス
カッション
世界のボランティアの
現状について理解す
る。
配布資料を熟読す
る。
90 ⑧⑨
講義およびディス
カッション
ボランティアが生み出
すネットワークの性質
について理解する。
配布資料を熟読す
る。
90 ⑧⑨
講義およびディス
カッション
企業の社会貢献の意
義について考える。
配布資料を熟読す
る。
90 ⑧⑨
講義およびディス
カッション
コモンズの悲劇につい 配布資料を熟読す
て理解し、その解決を る。
考える。
90 ⑧⑨
講義およびディス
カッション
「社会的なもの」の概
念を理解する。
配布資料を熟読す
る。
90 ⑧⑨
講義およびディス
カッション
「社会的なもの」という 配布資料を熟読す
発想が生み出された
る。
背景や概念のたどった
道を理解する。
90 ⑧⑨
②社会運動とその議論の流 講義およびディス
れ
カッション
2回
/ 社会運動研究について概
観します。時代背景を照らし
合わせて理解しましょう。
③集合行動論(1)
主に、H.ブルーマーによるシンボ
3回 リック相互作用論の立場からの集
/ 合行動論を解説します。自生的
な活動としての集合行動という考
え方を理解してください。
④集合行動論(2)
主に、N.J.スメルサーをはじめと
4回 する構造-機能主義の立場からの
/ 集合行動論を解説します。前回
の視角との相違に留意して理解
しましょう。
⑤資源動員論(1)
社会運動は、合理的な行為者に
5回 よって潜在的な利益獲得のため
/ に生じるという考え方と、そこから
生じる諸問題を解説します。
⑥資源動員論(2)
「相対的剥奪論」から「資源動員
6回 論」へと至る流れを説明します。と
/ くに前者に対する後者の批判点
についてよく理解してください。
⑦新しい社会運動(1)
産業社会から脱工業社会への歴
7回
史的移行とそれにともなう社会運
/ 動の変化について、理解しましょ
う。主に、A.トゥレーヌの社会運動
論を扱います。
⑧新しい社会運動(2)
8回 主に、A.メルッチの社会運
/ 動論について解説します。
「複合社会」という考え方と
あわせて理解してください。
回数
学習・教育内容
⑨社会運動論の現在
フレーム分析」や「たたかいのレ
授業の
実施方法
達成レベル C(可)の目安
予習・復習
時間 能力
(分) 名
講義およびディス
カッション
社会的連帯について 配布資料を熟読す
理解し、それを支える る。
条件について考える。
90 ⑨⑩
講義およびディス
カッション
公共圏の概念につい
て理解する。
配布資料を熟読す
る。
90 ⑨⑩
講義およびディス
カッション
社会的排除をめぐる議 配布資料を熟読す
論と関連する活動につ る。
いて理解する。
90 ⑨⑩
講義およびディス
カッション
「難民の世紀」と呼ば
配布資料を熟読す
れる20世紀との関連で る。
現在の「難民問題」に
ついて理解する。
90 ⑨⑩
講義およびディス
カッション
「動物」に関する活動と 報告の準備をする。
それらを支える社会理
論について理解する。
120 ④⑨
履修者によるプレ
ゼンテーション
課題に対する取り組み 報告の反省を行う。
を報告する。
90 ④⑨
講義およびディス
カッション
一学期の内容を振り返 最終レポートに関す
りつつ、自身の社会活 る疑問点をまとめて
動観の変遷を考える。 おく。
90 ④⑨
9回 パートリー」などといった、近年の社
/ 会運動研究のなかで行なわれるよ
うになった考え方を紹介します。
⑩さまざまな社会運動(1)
-労働をめぐる運動-
10回 ここからは、具体的な社会運動の
/
事例について紹介していきます。ま
ずはじめに、労働運動について概
説します。
⑪さまざまな社会運動(2)
-平和と環境のための運動-
11回 主に、平和運動と環境運動につい
/
て概説します。社会運動と、さまざ
まな文化やファッションとの関わり
についても関心をもちましょう。
⑫さまざまな社会運動(3)
-グローバル化のなかの運動-
12回 社会運動の国際的な連関、反グ
/ ローバリズム運動など、国際的広が
りをみせる運動について解説しま
す。
⑬社会問題の問題(1)
ここからは、何を争点とするか、何
13回 を社会問題とするかという問題に切
/
り込んでいきます。まずはじめ
に、P.バーガーとT.ルックマンらの
知識社会学の観点を学びます。
⑭社会問題の問題(2)
14回
/
M.B.スペクターとJ.I.キツセらによる「社
会問題の構築」という問題について解
説していきます。その元になる「ラべリン
グ論」、そして「クレイム申し立て」などを
キーワードに、理解することが大切で
す。
⑮社会問題の問題(3)
エスノメソドロジーの考え方を解説し
15回 ます。「秩序問題」に対する考え方を
/ 理解し、私たちがどのように生を営ん
でおりどのようにそこに問題を見出す
のかを一緒に考えましょう。
能力名: ①主体性 ②働きかけ力 ③実行力 ④課題発見力 ⑤計画力 ⑥創造力 ⑦発信力 ⑧傾聴力
⑨柔軟性 ⑩情況把握力 ⑪規律性 ⑫ストレスコントロール力