音楽等の私的違法ダウンロードの防止に関する法律案要綱 第一 目的 この法律は、音楽等の私的違法ダウンロードが多数の者によっ て行われることにより、音楽等に係る産業に多大な損害が発生し ていることに鑑み、音楽等の私的違法ダウンロードを防止するた めに必要な事項を定め、もって音楽等に係る文化の振興及び産業 の健全な発展に寄与することを目的とすること。(第一条関係) 第二 定義 一 この法律において「著作物」、「著作者」、「実演」、「レコ ード」、「放送」、「有線放送」、「自動公衆送信」、「録音」、 「録画」、「変名」、「著作権」及び「著作隣接権」の意義は、 それぞれ著作権法に規定する当該用語の意義によること。(第二 条第一項関係) 二 この法律において「有償著作物等」とは、録音又は録画をされ ている著作物、実演、レコード又は放送若しくは有線放送に係る 音若しくは影像(著作権又は著作隣接権の目的となっているもの に限る。三の②において「著作物等」という。)であって、有償 で公衆(特定かつ多数の者を含む。第三において同じ。)に提供 され、又は提示されているもの(その提供又は提示が著作権又は 著作隣接権を侵害しないものに限る。)をいうこと。(第二条第 二項関係) 三 この法律において「音楽等の私的違法ダウンロード」とは、著 作権法第三十条第一項に規定する私的使用の目的をもって、次に 掲げるものの著作権又は著作隣接権を侵害する自動公衆送信(国 外で行われる自動公衆送信であって、国内で行われたとしたなら ば著作権又は著作隣接権の侵害となるべきものを含む。)を受信 して行うデジタル方式の録音又は録画を、自らその事実を知りな がら行って著作権又は著作隣接権を侵害する行為をいうこと。 (第 二条第三項関係) ① 有償著作物等 ② その録音又は録画の時においてその後有償著作物等とされる ことが明らかな著作物等 第三 音楽等の私的違法ダウンロードを防止するための関係事業者の 措置 有償著作物等を公衆に提供し、又は提示する事業者は、音楽等 の私的違法ダウンロードを防止するための措置を講ずるよう努め なければならないこと。(第三条関係) 第四 罰則 一 音楽等の私的違法ダウンロードを行った者は、二年以下の懲役 若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科すること。 (第四条第一項関係) 二 一の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができないこと。 (第四条第二項関係) 三 無名又は変名の著作物の発行者は、その著作物に係る一の罪に ついて告訴をすることができること。ただし、著作権法第百十八 条第一項ただし書に規定する場合及び当該告訴が著作者の明示し た意思に反する場合は、この限りでないこと。(第四条第三項関 係) 第五 施行期日等 一 この法律は、公布の日から施行すること。ただし、第四の規定 は、公布の日から起算して六月を経過した日から施行すること。 (附則第一項関係) 二 この法律の規定については、この法律の施行後一年を目途とし て、この法律の施行状況等を勘案し、検討が加えられ、その結果 に基づいて必要な措置が講ぜられるものとすること。(附則第二 項関係)
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