住宅瑕疵担保履行法についてのQ&A 株式会社ハウスジーメン 青字: 国土交通省HP掲載のQ&A 赤字: ハウスジーメン追加のQ&A (2009/7/1改) 1.法の適用について Q1-1 保険か供託の義務付けについて? A1-1 新築住宅の発注者や買主を保護するため、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確 保等に関する法律(住宅瑕疵担保履行法)が2009年10月1日に施行されます。 新築住宅の請負人や売主に、資力確保措置(保険への加入または保証金の供託)が義 務付けられます。 Q1-2 誰が、資力確保措置(保険への加入または保証金の供託)を行わなければならな いのですか? A1-2 資力確保措置を行わなければならないのは、新築住宅の請負人または売主のう ち、建設業法に基づく建設業の許可を受けた建設業者と、宅地建物取引業法に基づく宅 地建物取引業の免許を受けた宅地建物取引業者です。 なお、軽微な工事のみを行うため建設業許可が不要な業者は資力確保措置を行う必要 はありませんが、任意で加入できる保険は用意されています。 Q1-3 下請の事業者は、資力確保措置は必要ですか? A1-3 発注者との関係では、元請の事業者が請負契約全体に関して瑕疵担保責任を 負っていますので、下請の事業者が資力確保措置を行う必要はありません。 Q1-4 建築工事業や大工工事業以外の専門工事業の建設業者は、資力確保措置は必 要ですか? A1-4 建築工事業や大工工事業以外の業種の許可を受けた建設業者であっても、新築 住宅の構造耐力上主要な部分または雨水の浸入を防止する部分を施工する場合には、 資力確保措置を行う必要があります。 Q1-5 いつから、資力確保措置(保険への加入または保証金の供託)が必要になるので すか? A1-5 2009年10月1日以降に、新築住宅を引き渡す場合が対象となります。 契約日(建設工事請負契約または売買契約)が2009年9月以前であっても、引渡しが1 0月1日以降となる場合は対象となります。 Q1-6 当初の引渡し予定が2009年9月以前であったものの、工事の遅れや売れ残りな どにより2009年10月1日を超えてしまった場合の扱いはどうなりますか? A1-6 9月以前に引渡しが予定されていても、工事の進捗状況や販売状況によって引渡 しが遅れて、2009年10月1日以降の引渡しとなった場合も対象となりますので、ご注意 ください。 なお、マンションや賃貸住宅などの場合には、住戸ごとに適用の有無が判断されることと なりますので、2009年10月1日以降の引渡しとなった住戸のみが対象となります。 1 Q1-7 発注者や買主が宅地建物取引業者の場合、義務付けの対象とはならないと聞い たのですが? A1-7 新築住宅の発注者や買主が免許を受けた宅地建物取引業者である場合には、資 力確保措置の義務付けの対象とはなりません。 こうした新築住宅については、保険加入の義務はなく、また、保証金の供託にあたっては 供託金を算定する戸数から除外することとなります。 これは、専門知識を有する業者間の取引は法律による資力確保措置を義務付けてまで 保護すべきとは考えられないためです。 2 Q1-8 2009年10月1日施行とのことですが、今から、どのような対応が必要なのです か? A1-8 保険加入を選択される場合、現場検査を工事中に受けなければなりません。その ため、着工前にあらかじめ保険契約を申し込む必要があります。 ただし、2010年3月31日までの申込住宅については、着工後・完成後であっても、非破壊 検査等を受けることにより保険加入が可能になっております。(後入れ保険) なお、現場検査料が通常より割高になりますので、現場検査料につきましてはお問合せ 下さい。 2.新築住宅について Q2-1 「新築住宅」とは? A2-1 「新築住宅」とは、新たに建設された「住宅」であって、建設工事の完了から1年以 内で、かつ、人が住んだことのないものを言います。したがって、この新築住宅に該当し ない中古住宅が売買の対象である場合には、資力確保措置の義務付けの対象とはなり ません。 また、「住宅」とは、人の居住の用に供する家屋または家屋の部分をいい、例えば事務所 と住居などが混在した併用住宅についても、住居部分のみならず、併用住宅全体の共用 部分が「住宅」に該当することとなります。 Q2-2 新築住宅の売買契約時点では工事完了から1年以内だったものの、引渡時点が1 年を超えた場合、対象になるのか? A2-2 売買契約の時点で新築住宅を売買の対象とすることとされているのであれば、引 渡しの時点が工事完了日から1年を越えていた場合でも法の対象となります。 Q2-3 賃貸住宅も対象になるのですか? A2-3 「住宅」とは、人の居住の用に供する家屋または家屋の部分をいいますので、賃貸 住宅も対象となります。この賃貸住宅には、民間賃貸住宅のみならず公営住宅や公務員 宿舎なども含まれます。 Q2-4 モデルルームが工事完了後1年以内に販売された場合は対象となりますか?体験 型の宿泊をさせた場合は? A2-4 対象になります。 Q2-5 ホテル、旅館等は住宅に該当しますか? A2-5 「住宅」とは、人の居住の用に供する家屋または家屋の部分をいいますので、ホテ ル、旅館等の「人を宿泊させる営業」のための施設は基本的に住宅には該当しません。 ただし、住宅として分譲した部屋を空いている時にホテルとして利用している場合には、 住宅に該当することとなります。 Q2-6 老人福祉関連の施設は住宅に該当しますか? A2-6 老人福祉関連施設のうち、老人福祉法に基づき設置される特別養護老人ホーム、 有料老人ホーム等といった事業を行うための施設は、住宅には該当しません。他方で、 グループホームや高齢者向け賃貸住宅などは住宅に含まれます。 Q2-7 その他、社会福祉の関連施設で住宅に該当するものは? A2-7 社会福祉の関連施設で、上記Q2-6の他に住宅に該当するものとしては、介護保険 法に基づく認知症対応型共同生活介護や介護予防認知症対応型共同生活介護を行う 住居(グループホーム)や、障害者自立支援法に基づく共同生活介護を行う住居(ケア ホーム)や共同生活援助を行う住居(グループホーム)があります。 Q2-8 独身寮やグループホームの戸数はどのように数えますか? 3 A2-8 戸数の算定は、個々のユニットが独立した住居として利用可能なものと認められる 場合には1戸と算定します。判断基準としては、構造上の独立性と利用上(機能上)の独 立性の2つが必要とされます。 利用上の独立性とは、例えば、 (ⅰ)外部との独立の出入り口の存在、 (ⅱ)水道等の設備を有すること、 (ⅲ)他の住戸との共用設備が存在しないこと等を総合的に考慮して決定されることにな ります。 Q2-9 「母屋」とは別に「別棟」を建てる場合には、「新築住宅」として資力確保措置の対象 となりますか? A2-9 「別棟」であっても、人の居住の用に供する家屋であれば「住宅」に該当し、対象と なります。なお、別棟の建物が「住宅」に該当するか否かについては、Q2-8における「独 立した住居」に関する判断基準を参照ください。 Q2-10 建築確認上の「増築」ですが、住宅瑕疵担保履行法上の「新築住宅」に該当する ことはありますか? A2-10 建築確認上の「増築」であっても、従来からの家屋から独立した住戸として建てら れた住宅については、「新築住宅」に該当する場合があります。増築部分が「住宅」に該 当するか否かについては、Q2-8における「独立した住居」に関する判断基準を参照くださ い。 Q2-11 建築基準法の確認申請では、住宅の割合が少ない併用住宅については住宅とさ れないことがありますが、瑕疵担保履行法の適用は? A2-11 併用住宅に中に「住宅」に該当する部分(共用部分を含む)が存在していれば、そ の部分についてはこの法律の対象となります。 Q2-12 対象となる瑕疵担保責任の範囲は? A2-12 住宅瑕疵担保履行法では、住宅の品質確保の促進等に関する法律(住宅品質確 保法)において新築住宅について定められています。 ・構造耐力上主要な部分 ・雨水の浸入を防止する部分 に関する10年間の瑕疵担保責任を前提として、資力確保措置が義務付けられていま す。 したがって、資力確保措置の対象となる瑕疵担保責任の範囲も住宅品質確保法で定め られた「10年間の瑕疵担保責任」と同じものです。 4 3.資力確保について Q3-1 2000万円を供託しないと住宅を引き渡せないのか? A3-1 必要な資力確保措置は「供託」か「保険加入」のいずれかであり、必ずしも供託をし なければいけないというものではありません。国土交通大臣指定の保険法人の保険に加 入した場合は、当該住宅について供託を行う必要はなく、供託金を算定する戸数から除 外することとなります。 Q3-2 保険制度または供託で一本化しなかった理由は何でしょうか? A3-2 資力確保措置は、事業者の倒産時等に消費者の保護を図るためのものです。消 費者の保護という目的を達成できるのであれば、事業者が複数の方式から選択できるよ うにする制度にすることが合理的です。そこで、この法律に定める資力確保措置として は、どちらか一つに統一することなく、事業者が保険または供託という異なる性格を有す る制度の中から選択できる形になっています。 Q3-3 保証金の供託とは? A3-3 資力確保措置として、保証金の供託を選択される場合、事業者(建設業者または 宅地建物取引業者)の方が法令により定められた金額の現金や国債などを、法務局等 の供託所に預け置くこととなります。 瑕疵担保責任の期間中(引渡し後10年間)は、保証金を取り戻すことは基本的にできま せん。 供託額は、引き渡した新築住宅の戸数により異なります。例えば、引き渡した戸数が1戸 の場合は計2千万円、10戸の場合は計3千8百万円、100戸の場合は計1億円となりま す。 この場合、施行日以降に引き渡した戸数が対象となることにご注意下さい。 5 Q3-4 保険への加入とは? A3-4 資力確保措置として、保険への加入を選択される場合、事業者(建設業者または 宅地建物取引業者)の方が、保険に加入することとなります。 この保険においては、住宅の構造耐力上主要な部分等に瑕疵が判明し、補修等を行っ た場合には、保険金が支払われます。 この保険は、火災保険などを扱う一般の損保会社では扱っておらず、住宅専門の保険会 社として国土交通大臣の指定する保険法人が取り扱います。 Q3-5 発注者や買主が、資力確保措置(保険への加入または保証金の供託)が必要ない という考えの場合でも、事業者は資力確保措置を行わなければならないのですか? A3-5 この法律に基づく資力確保措置については、発注者または買主の意思にかかわら ず義務となります。 Q3-6 届出も必要であると聞いたのですが? A3-6 施行日(2009年10月1日)以降に新築住宅を引き渡した業者は、毎年3月31日 と9月30日(年2回の基準日)時点での保険や供託の状況を、それぞれの基準日から3 週間以内に、建設業の許可や宅地建物取引業の免許を受けた国土交通大臣または都 道府県知事に届け出る必要があります。 届出を行わない場合は、この法律に定める罰則の適用や業法(建設業法または宅地建 物取引業法)に基づく処分の可能性がある他、基準日の翌日から50日を経過した日以 降、新たな新築住宅の請負契約や売買契約を締結できなくなります。 なお、最初の基準日は、2010年3月31日です。 これに違反して契約すると1年以下の懲役か100万円以下の罰金、またはその両方に 処せられます。また、届出を行わない場合や虚偽の届出を行なった場合は、50万円以 下の罰金が科されます。 Q3-7 保険または供託を行ったので届出を行いましたが、次の6ヶ月間に新築住宅の引 渡しがなければ次回の届出は不要ですか? A3-7 一度基準日における届出を行った場合には、その届出の対象となった新築住宅に 対する瑕疵担保責任が続いている期間中(10年間)は届出が必要となります。 4.供託について Q4-1 供託の内容について、詳しく教えて下さい? A4-1 資力確保措置として保証金の供託を行う場合、住宅品質確保法で定められた10 年間の瑕疵担保責任をカバーする必要があるため、基準日から過去10年間に遡って引 き渡した新築住宅の戸数に応じて保証金の額を算定し、法務局等に供託することとなり ます。 ただし、新法による資力確保措置の施行日(2009年10月1日)から10年間について は、経過措置として、その施行日以後の引渡し戸数が供託金算定の対象となります。し たがって、いきなり過去10年間に引き渡した戸数に対応した額を供託する必要はありま せん。 6 Q4-2 負担割合を定めていた相手方事業者が倒産した場合、残りの事業者はその負担 割合分の供託を行うことでよいか? A4-2 問題はありません。 ただし、この負担割合は、JV(共同企業体)における瑕疵担保責任そのものの負担の割 合を示しているものではない点に注意が必要です。 5.保険について Q5-1 保険の場合、保険料等はどのくらいですか? A5-1 保険料等については面積帯などに応じて異なっており、また、割増引もありますの で、ハウスジーメンもしくは保険取次店にお問合せください。 Q5-2 保険にはどのような事業者でも加入することができますか? A5-2 誰に対しても、また、どのようなタイプの住宅の保険申込みでも受け付ける義務が あります。したがって、保険法人が多忙である、または申込み会社の経営状況が良くない 等の理由で申込みを断わることはできません。 また、現場検査の基準についても建築基準法レベルを想定しており、通常の設計・施工 レベルであれば問題なく保険に加入できます。 7 Q5-3 すでに着工済みで基礎配筋工事が完了してしまった場合、保険加入は可能です か? A5-3 保険加入においては、原則として現場検査を受けなければなりません。 ただし、2010年3月31日までの申込住宅については、着工後・完成後であっても、非破壊 検査等を受けることにより保険加入が可能になっております。(後入れ保険) なお、現場検査料が通常より割高になりますので、現場検査料につきましてはお問合せ 下さい。 Q5-4 業者の倒産等により、工事途中で引継ぎが行われた場合でも保険に入れるのです か? A5-4 工事途中での請負契約の引継ぎがあった場合、元の契約者が保険加入の準備・ 現場検査を進めていれば、新しい契約者が引継ぐことは可能です。 ただし、2010年3月31日までの申込住宅については、着工後・完成後であっても、非破壊 検査等を受けることにより保険加入が可能になっております。(後入れ保険) なお、現場検査料が通常より割高になりますので、現場検査料につきましてはお問合せ 下さい。 Q5-5 共同請負や共同分譲など、複数の事業者が住宅供給に関わる場合、全ての事業 者が資力確保措置(保険への加入または保証金の供託)を行わなければならないのです か? A5-5 共同請負や共同分譲の場合も、それぞれの事業者が資力確保措置の義務付けの 対象となります。 なお、保険の場合、このような共同請負や共同分譲、分離発注に参加した事業者が連名 で加入できる保険が用意されています。 Q5-6 分離発注の場合も、資力確保措置(保険への加入または保証金の供託)の対象と なるのですか? A5-6 分離発注の場合でも、住宅の構造耐力上主要な部分等に係る施工業者は住宅品 質確保法の瑕疵担保責任の対象となっており、その事業者が建設業許可を有している 場合には、資力確保措置を行う必要があります。 Q5-7 資力確保措置(保険への加入または保証金の供託)に要する費用について、住宅 価格に転嫁することはできますか? Q5-7 資力確保措置の実施のために必要となる費用について、住宅価格の積算に含ま れている場合は転嫁することが可能ですが、住宅価格とは別に記載されている場合は転 嫁できません。 Q5-8 保険法人の設計・施工基準は、今後統一されているですか? A5-8 従来は、各保険法人は独自に設計施工基準を定めておりましたが、設計施工基準 の内容が事業者に十分理解されるよう全ての保険法人で基準を統一しております。 また、新建材や新工法の採用などについても、各保険法人で共通の取扱いを行なってお ります。 8 Q5-9 指定の地盤調査会社や地盤改良会社を利用しなければ、保険に加入できないの ですか?また、地盤保証制度にも加入しなければならないのですか? A5-9 そのようなことはありません。 保険申込みの際の地盤の状況については、当社の設計・施工基準に基づき、施工者ま たは売主自らが実施する現地確認や地盤調査の結果、問題がないという結果が出れ ば、地盤改良等を行う必要はありません。 なお、地盤保証制度はまったく任意の制度であり、瑕疵担保履行法に基づく保険契約へ の加入のための条件ではありません。 Q5-10 建築士が設計を行っている場合でも、地盤調査の実施や、ベタ基礎配筋表に従う ことが必要なのですか? A5-10 設計施工基準においては、敷地状況を調査した上で原則地盤調査を実施するこ とを求めており、また一部を除き、べた基礎配筋表が設定されていますが、構造計算を 行っている場合や、建築士により地耐力に応じた基礎設計が行われている場合は、これ によらないことができることとされています。 Q5-11 新たに開発された建材を使用したいのですが、現場検査において不合格とされる 恐れはないのですか? A5-11 現場検査においては、当社が定める設計・施工基準にしたがって、保険引受けに 当たり必要な確認を行うこととなりますが、この基準に記述のない新建材については設 計・施工基準に基づく「3条申請」の手続きを事前に行なっていただき、同等以上の性能 が確保されていると判断した場合は、不合格とされることはありません。この新建材の判 断の際には、国内製品、輸入製品の区別なく取り扱われます。 Q5-12 伝統工法でも保険加入は可能ですか。また、保険金が支払われないという恐れ はないですか? A5-12 いわゆる伝統工法など、設計・施工基準に定めのない仕様・工法であっても、個 別に安全性を確認することにより保険加入は可能です。 また、保険契約約款においては、伝統工法などにおいて工法に伴い通常発生が予想さ れる事象については保険金の支払いを対象外としていますが、それ以外の瑕疵と考えら れる事象については、保険金の支払い対象となります。 Q5-13 「地方」の場合、保険料は高くなりますか? A5-13 全国で一律の保険料を設定しており、地域(大都市部か、地方部か等)によって差 が生じることはありません。 Q5-14 「保険料」は一括払いでしょうか? A5-14 保険料は、10年間の保険契約期間に対し、保険契約前に10年分を一括で支払 う掛け捨てにになります。 6.紛争処理について Q6-1 売主と買主との間で紛争が生じた場合などに、専門家による支援が受けられると 聞いたのですが? A6-1 この法律に基づく指定保険法人の保険が付けられた住宅については、消費者(発 注者または買主)と建設業者(請負人)や宅地建物取引業者(売主)との間で紛争が生じ た場合、安価な費用(1万円)で、住宅紛争審査会(指定住宅紛争処理機関)による紛争 処理手続きを利用することができます。 住宅紛争審査会とは、性能評価付住宅や保険付住宅の紛争処理機関として、国土交通 大臣が指定した機関であり、現在、全国の単位弁護士会がこの役割を担い、紛争処理手 続き(あっせん・調停・仲裁)を行っています。 Q6-2 住宅の瑕疵に関する紛争以外の紛争も、紛争処理の対象になりますか? 9 A6-2 紛争処理の対象は、住宅の瑕疵に関する紛争に限られません。工事代金や工期 についての認識の食い違いなど、瑕疵以外に関する紛争も対象となります。 Q6-3 住宅事業者からも紛争処理申請はできますか? A6-3 紛争処理申請ができるのは、住宅の請負契約書または売買契約書に関する紛争 の当事者ですので、住宅事業者(売主等)からも紛争処理申請はできます。 Q6-4 紛争処理の審理は公開されますか? A6-4 解決までの審理過程は非公開で行なわれます。そのため、プライバシーや営業の 秘密は守られます。 Q6-5 紛争処理申請をするにはどのような書類が必要ですか? A6-5 申請するには申請書、保険証券など住宅瑕疵担保責任保険が付されていることを 証する書面等が必要となります。 7.申請手続き等について Q7-1 保険取次店になるにはどうしたらよいのか? A7-1 次の書類を提出、審査後に保険取次店委託契約を締結し、募集人研修を受講しま す。 ・保険取次店委託申込書 ・決算書類2期分 ・会社案内 ・その他必要と思われる書類 Q7-2 事業者届出の手続きはどうしたらよいのか? A7-2 次の書類を提出していただくことになります。提出書類中「契約内容確認シート(保 険契約者様用)」について重要事項説明をいたしますので、ホームページに掲載の取次 店情報より最寄りの取次店に連絡していただくことになります。 ・事業者届出書 ・契約内容確認シート(保険契約者様用) ・預金口座振替依頼書 ・建設業許可証 ・宅地建物取引業免許証 ・拠点リスト(1法人で複数の拠点がある場合) ・中小企業コースを選択する場合は、中小企業と判断できる資料 なお、中小企業者とは資本金が3億円以下の会社もしくは常時使用する従業員が300 人以下の会社または個人事業主です。 資本金の確認書類は、法人登記簿謄本または会社案内、ホームページ等の公開されて いる資料の提出。 従業員数の確認書類は、労働保険申告書、賃金台帳、所得税徴収高計算書等の資料 の提出。 ただし、これらの書類を取り付けできない個人事業主の場合で従業員が300人以下であ ることが明らかであるときは捺印のある自認書(任意書式)を提出してください。 Q7-3 事業者届出をした後、何か連絡はありますか? A7-3 事業者届出の内容確認および保険契約者様が保険契約の重要事項を確認したこ とを確認後、届出書類に不備がない場合は届出事業者証を交付いたします。ただし、届 出書類に不備がある場合は、不備を是正後に届出事業者証の交付となります。 Q7-4 保険契約申込みの手続きはどうしたらよいのか? 10 A7-4 次の書類の提出が必要になります。 ・保険契約申込書 ・設計図書 ・請負契約書または売買契約書 ・確認申請書もしくは確認済証または建築工事届出書 ・地盤調査に関する書類 ・地盤改良報告書(地盤改良が必要な場合) ・建設住宅性能評価書(建設住宅性能評価を申請している場合のみ) 以上の書類を対象住宅の建設工事着工の7営業日前までに保険取次店または受付セン ターに提出してください。 Q7-5 JV(共同企業体)の場合の保険契約申込みの手続きはどうしたらよいのか? A7-5 保険契約者全員の事業者届出が必要になります。「保険契約申込書」とともに「保 険契約申込者追加記入書」を提出していただきます。保険契約者の間で、事務幹事会社 を選任し、事務幹事会社が保険契約上の権利義務を連名で実施するのに必要な事務の とりまとめを行います。また、共同で供給する住宅に関する特約を付帯します。 Q7-6 分離発注の場合の保険契約申込みの手続きはどうしたらよいのか? A7-6 JV(共同企業体)の場合と同様に保険契約者全員の事業者届出が必要になりま す。「保険契約申込書」とともに「保険契約申込者追加記入書」を提出していただきます。 保険契約者の間で、事務幹事会社を選任し、事務幹事会社が保険契約上の義務を連名 で実施するのに必要な事務のとりまとめを行ないます。また、分離発注による住宅に関 する特約を付帯します。 Q7-7 保険証券交付申請はどうしたらよいのか? A7-7 次の書類の提出が必要になります。 ・保険証券交付申請書 ・売買契約書(申込時に提出していない場合) ・住宅の完成を証する書類(検査済証または現場写真2枚(全景を2方向から撮影) ・住宅取得者様用契約内容確認シート(未提出の場合) ・建設住宅性能評価書(写)(建設住宅性能評価を申請している場合) 上記書類を引渡日が決まりましたら保険取次店または受付センターに提出してください。 8.設計施工基準について Q8-1 住宅瑕疵担保履行法の瑕疵保険検査を受ける前に行うことは何ですか? A8-1 A7-4で書かれている関係書類と共に以下の『設計図書』の提出が必要になります。 Ⅰ 建築基準法第6条第1項第4号に規定する建築物である住宅及び同第1項第1号から 第4号に規定する建築物以外の住宅(建築確認を要しない住宅) ① 付近見取り図 ② 配置図 ③ 平面図 ④ 立面図またはこれに代わる図面等 ⑤ 基礎の状況に関する次のいずれかの資料 (1)基礎伏図および矩計図(矩形図は断面図でも可) (2)基礎の断面・配置・配筋状況がわかる資料 (平面図や立面図等への記載でも可) ⑥2階の状況に関する次のいずれかの資料 (1)2階床伏図 11 (2)2階の床の火打ち梁の位置がわかる資料(平面図への記載でも可) ⑦防水措置の状況に関する次のいずれかの資料 (1)矩計図または断面図 (2)外壁、屋根、バルコニーの防水措置の状況がわかる資料 (平面図や立面図等への記載でも可) Ⅱ 上記Ⅰ以外の住宅 ① 付近見取り図 ② 配置図 ③ 平面図 ④ 立面図(4面) ⑤ 矩計図または断面図 ⑥ 基礎伏図 ⑦ 床伏図 ※注意:1.基礎設計にあたっては地盤調査報告書の写しおよび基礎形状の選定結果が 必要です。(A5-10参照) 12 注意:2.平面図には筋交いの位置(耐力壁を含む)の図示および凡例が必要です。 但し、筋交い計算書および壁量計算書の添付がある場合は平面図への図示は無くても可。 注意:3当社S基準を設計される場合は別途A8-13にある仕様を仕上表または矩計図に 記載する事が必要となります。 Q8-2 瑕疵検査をうける何日前までに保険申込み資料と設計図書を提出すれば良い ですか? A8-2 瑕疵検査を希望される7営業日(土・日含まず)前には保険申込み資料と設計図書 の提出が必要です。 Q8-3 瑕疵検査は工事工程上どの段階で何回受ける必要がありますか? A8-3-1 下図の様に住宅の階数が3以下の場合は2回で1回目が基礎配筋検査で2回目 が躯体検査となります。(注意:ただし、基礎配筋検査前には設計図書の確認が済んでいな ければなりません。⇒基礎配筋の手直し等の手戻りを発生させないため重要です) ●階数が3以下の場合 着工 ①基礎配筋 ②躯体 保険証券発行 現場検査回数:2回(戸建住宅・共同住宅等とも) 現場検査時期:①基礎配筋工事の完了時 ②躯体工事完了時または下地張りの直前の工事の完了時 23 13 A8-3-2 下図の様に住宅の階数が4以上の場合は階数により検査回数が3回以上にな りますが基本は1回目が、基礎配筋検査で2回目が中間階床躯体工事の完了時となり3回 目が屋根防水検査完了時となります。 ●階数が4以上の場合 着工 現 場検査 の工程 ①基礎配筋 ②躯体 ③屋根防水等 保険証券発行 現場検査回数:3回以上(※)(戸建住宅・共同住宅等共) 現場検査時期:①基礎配筋工事の完了時 ②中間階床躯体工事の完了時(※) ③屋根防水工事の完了時または防水下地張り工事の完了時 (※)中間階とは、最下階から数えて2階およ び3に7の自然数倍を 加えた階の床躯体工事完了時を いいます。 2階以降は、10階 、17階、24階… と 7階毎に中間階床躯体工事完了時での検査となります。 24 Q8-4 すでに着手済みで基礎配筋工事が完了してしまった場合、保険加入は可能で すか? A8-4 A5-3を参照してください。 Q8-5 躯体検査の件で少し具体的に検査のタイミングをお聞きしたいのですが躯体工事 の検査はどこ迄工事が進んだ段階で検査を依頼すれば良いのですか? A8-5 屋根防水下地の完成後筋交いおよび耐力壁の位置釘間隔・使用金物の確認が 出来る状態で断熱材を入れる前にお願いします。 Q8-6 瑕疵保険の検査はだれが行うのですか、またその検査を担当する方の通知はどの 様に行われるのですか? A8-6 瑕疵保険検査は当社の検査員(全国に配置)の内現場に近い検査員が検査を行 うこととなります。またその現場の担当検査員がだれになるかは当社への保険申込後7 日以内に担当検査員より事業者様に書面(検査員決定通知)にてFAXで通知されます。 Q8-7 瑕疵検査を受けるにあたっての設計図書を作成する法的基準は何になりますか? A8-7 瑕疵検査を受けるにあたっての図書作成の基本法は建築基準法となりますが、 瑕疵担保の範囲でQ2-12で回答している部分が対象となります。詳細は『設計施工基準』 をご覧ください。 Q8-8 保険申込み時の設計図書に変更が生じた場合はどの様にすれば良いですか? A8-8-1 検査途中の変更については変更図書の訂正箇所が判る様にしていただき、 設計図書の右上に『変更後』と図示していただき担当検査員に提出してください。 A8-8-2 瑕疵検査を実施後に変更が生じた場合は上記同様の設計図書の提出と現場 14 の施工状況写真(変更前写真と変更後写真)を当社技術本部に提出していただく必要が あります。 ※この場合施工状況写真は報告書写真貼り付け用紙を利用して提出してください。 Q8-9 地盤調査4隅付近4点のSSは3点では駄目でしょうか? A8-15 不同沈下が発生する場合、4点のいづれかの地耐力不足等により発生する頻度 が高いため、4点での調査をお願いしております。 Q8-10 地盤調査の方法はSS式だけなのですか? A8-10 SS式の他、レリー波測定、ボーリング等の方法でも大丈夫です。 Q8-11 ボーリングデータは建設地でなければいけないでしょうか?またデータがない場 合はどうしたらよいですか? A8-11 該当地の他近隣のデータでも大丈夫な場合もありますので、お問合せください。ま たデータがない場合は、該当敷地および該当敷地の周辺状況を報告してもらい基礎計 画が妥当か確認させていただきますのでご相談ください。 Q8-11 地盤保証がついていないといけないのでしょうか? A8-11 地盤保証の有無は関係ありません。どのような調査方法で調査しているか、基礎 の設計が調査内容と整合しているかを確認しております。 9.その他 Q9-1 事業者届出後建設業許可が更新した場合、その都度許可証を提出しなければな らないですか? A9-1 提出不要です。 Q9-2 事業者届出の費用はかかりますか? A9-2 届出に際しての費用はかかりません。また事業者届出の有効期限は原則無期限 です。 Q9-3 故意・重過失とはどういうことをいうのですか? A9-3 例えば、設計図書の改ざん、不具合が起きる可能性が高いことをわかっていてあ えて採用した工法等に起因する瑕疵が発生した場合のことです。 Q9-4 保険契約申込後に変更があった場合、どういう手続きをすればよいのですか? A9-4 「保険契約取消し・変更請求書」に必要事項を記入して、変更内容がわかる資料と あわせてご提出ください。 Q9-5 2世帯住宅の取扱いについてはどうのようになりますか? A9-5 内部の構造が自由に行き来できるのであれば戸建として取り扱います。行き来で きない場合、外階段でしか行き来できない等内部が仕切られている場合は共同住宅等と しての取扱いになります。 Q9-6 ログハウスの場合の取扱いについて何か注意することはありますか? A9-6 ログハウスの場合、工法の性質上から、外壁の雨漏りについては対象外(免責)と なります。また、伝統的な真壁塗りなども同様の扱いとなります。 Q9-7 同一敷地内に複数の建物がある場合の保険料、現場検査料はどうなりますか? 15 A9-7 複数建物の場合は個別の申込みとなり、保険料、現場検査料も個別の算出になり ます。 Q9-8 法人ですが保険契約申込書に捺印する印鑑はどの印鑑を捺印すればよいのです か? A9-8 会社実印または保険契約締結権限者の職印でお願いします。また個人事業主様 で屋号等がなく個人印しかない場合は、代表者の印鑑でお願いします。 Q9-9 分離発注での保険契約申込みで瑕疵が起きた場合、保険金請求はどうのようにす ることになりますjか? A9-9 保険金請求は各々の事業者様が請求していただくことになります。 Q9-10 保険料等の口座振替をしたくないのですが、振替以外の支払方法はあります か? A9-10 保険料等は口座振替にてお願いしています。 Q9-11 保険料等を口座振替するのはいつになりますか? A8-11 当月中に計上した保険契約申込分については翌々月5日(当日が休日の場合は 翌営業日)になります。万一その日に振替できなかった場合はその翌月の5日に再振替 請求いたします。 (例)2009年5月中に計上→2009年7月5日に振替 Q9-12 保険契約申込書の記入間違い等の修正はどうしたらよいですか? A9-12 二重線で訂正の上、訂正印を押印してください。 Q9-13 S基準住宅とはどのような基準ですか? A9-13 当社の設計・施工基準を満たし、かつ平成13年国土交通省告示第1347号評価 方法基準における3-1劣化対策等級(構造躯体等)の等級2の基準(ただし、浴室および 脱衣室に係る基準を除く)と同等以上である基準のことです。 具体的な項目としては、「外壁通気工法」、「土台の防腐防蟻」、「基礎の高さ」、「床下の 防湿・換気」、「小屋裏の換気」等です。 Q9-14 認定団体とはどのような団体のことですか? A9-14 階数が3階以下の住宅に関する統一的な現場検査マニュアルを有し、これらに基 づき自ら基礎配筋工事完了時の現場検査を行なおうとする団体(住宅事業者で構成)を 対象に、一定の要件を満たすと当社が認定した団体のことです。 認定団体所属住宅事業者が供給する住宅に対する住宅瑕疵担保責任保険契約に係る 現場検査の特例を与えることを目的としています。 Q9-15 一般団体とはどのような団体のことですか? A9-15 住宅事業に関する具体的な取引を有する住宅事業者で構成する団体で、団体規 約、所属住宅事業者の名簿を備えており、また所属住宅事業者に対し、住宅瑕疵担保責 任保険の案内、普及が可能であると当社が認めた団体のことです。 Q9-16 母屋とは別に「別棟」を建てる場合には、対象となりますか? A9-16 「別棟」であっても、人の居住の用に供する家屋であれば新築住宅に該当し、 義務化の対象となります。 Q9-17 「資力確保」をしない場合、罰則はありますか? A9-17 保険や供託による資力確保を講じていない場合や、届出をしていない場合は、 16 基準日(3月31日と9月30日)の翌日から50日を経過した日から新たに請負契約や 売買契約をすることができません。これに違反して契約すると、1年以下の懲役か 100万円以下の罰金、またはその両方に処せられます。また、届出を行わない場合や 虚偽の届出を行った場合は、50万円以下の罰金が科されます。 ※届出とは、請負契約・売買契約締結状況の届出のことを指しています。 Q9-18 建設業者や宅建業者に対して、それぞれの業法に基づく監督処分はあります か? A9-18 本法の規定に違反する行為があった場合には、本法による罰則が科せられる こととなるのはもちろん、建設業や宅地建物取引業法の適正な実施の観点から、 建設業法第28条および宅地建物取引業法第65条の規定に基づき、監督権を有する 国土交通大臣または都道府県知事から必要な指示処分、営業(業務)停止処分等の 行政処分が課せられることとなります。 17
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