第 13 回マスターコース (イタリア)旅行記

第 13 回マスターコース
(イタリア)旅行記
No.1(清水)
観光編
3 月 14 日から 21 日までの 1 週間で、イタリアマスター
コースに参加してきました。旅行の日程のうち、初めの 3 日
間を観光の日程として使うことが出来ました。今回の旅行は、
一人では不安だったため、強力な同行者と共に向かうことに
なりました。用いた経路は、日本からドバイを経由してヴェ
ネツィアに入る経路でした。この旅の中、様々な困難があり
ましたが、何よりもしんどかったのがこの飛行機の中でした。
まず疲れる、眠れない、機内食がおいしくないといった、苦難に旅の初めから苛まれました。
そんな地獄のような 17 時間を終えて、降り立った
ヴェネツィアの景色はすばらしいものがありました。
ただの家やただの店なのですが、一つ一つが見ごたえ
のある景色になっていました。特にその中でも気にな
ったのが教会でした。日本にも数多く存在しますが、イ
タリアの教会は、数多くの絵画や彫像品が置かれてお
り、その内容に圧倒されるばかりでした。今回、訪れた
教会はそのどれもが、素晴らしい内容であったため、ガイドブック等には載っていないが、ふらっと町
の教会に行くのも良いと感じました。もし今後イタリア行きを考えている人がいるなら、空き時間に教
会を見て回るのもいいと思いました。
次に訪れたフィレンツェでは、今回の旅行でもっとも楽しみにしていたウフィッツィ美術館に向かい
ました。美術館についた時間はまだ開園の 30 分前でしたが、すでに長蛇の列が出来ていました。事前
に、チケットの手続きを行っていたため、今回はすぐに入ることが出来ました。中に入るとまず、日本
語のガイドを受け取ることができ、ガイドではその美術品の歴史・内容、当時の様相、作成者の思い、
といった内容を聞くことができます。仮にその美術品のことを、全く知らない状態であっても、充分に
楽しむことができます。またここには認知運動療法のパラダイム本の表紙にもなっている、レオナルド・
ダヴィンチの書いた受胎告知が、展示されています。写真とは違う雰囲気を、ぜひフィレンツェを訪れ
た際には感じてほしいと思いました。そのほかにも、フィレンツェには見どころがあり、ショッピング
では多くの革製品が、街のいたるところで売られており、さまざまな革製品を買うことが出来ます。店
員さんも日本人を見かけると、日本語で話しかけてきたりするなど楽しく買い物を行えました。今回の
旅では事前にイタリアではスリが多いことや人の対応が冷
たいことなどを聞いていましたが、実際には先の店員さん
の対応や注文の際など、イタリア語が解らないとなると、
英語や身振り手振りで一生懸命伝えてくれるなどの、温か
い人との出会いが多くありました。こうした出会いや、考
えを改めるきっかけを得ることができた。という点が今回
の旅行においては、一番学べたことだと感じました。
第 13 回マスターコース
(イタリア)旅行記
No.2(清水)
臨床見学・マスター編
3 月 17 日より 20 日までの期間、イタリア・サントルソにてマスターコース
が開催されました。内容として臨床見学ののち講義と実技をあわせたコースが行
われるものとなっています。
まず、臨床見学では幸運なことにゼルニッツ先生の見学につくことができまし
た。先生の対象としていた患者さんは下肢に神経因性疼痛をかかえた患者さんに
なっており、歩行時に足先より疼痛が生じることによって歩行時に上下肢の細分
性が失われてしまうといった問題点を抱えていました。
そのような患者さんが実際に日本の現場で自分の目の前に現れた場合自分は
どのような治療をするのか考えながらみていると、先生は足先ではなく骨盤に対
してアプローチを行っていきました。理由は骨盤にスポンジを当てることで歩行
をイメージさせ、そのイメージさせた歩行が過去に行っていたものと比べてどのように変化しているか
を聞くことで比較させ治療しており、非常に驚きが大きかったのを今でも覚えています。本当にこの様
な治療に少しでも近づくためには、今までと大きく考えを変えなければと初日にて感じました。
次にマスターコースで行われたのはフランスの認知
神経リハビリテーションセンターに所属されているシ
リグ先生の講義でした。シリグ先生は主にイメージ機
能について講義を行いました。その中には普段自分た
ちが用いているような内容の研究やまだ聞いたことの
ないような魅力的な内容でした。特にその中でも印象
深かったのが手術中の患者さんの記述でありこれは普
段の臨床ではまず聞くことの出来ないものであり、未解明な部分の多い脳の領域を理解するのに有用な
ものであると感じました。
最後に向こうで行われたのが実技でした。日本から来た受講生と、イタリアにいる学生が先生方の目
の前で発表を行いましたが、僕自身は前に出ていませんが先生方の圧力が凄まじくとても緊張していま
した。その点イタリアの生徒さん方は堂々としているような感じがし発表内容もシンプルだったと思い
ます。この点が普段から認知神経リハビリテーションの臨床を強く意識しておこなっているかどうかの
差だと感じてしまいました。
今回のコースを通して、普段の臨床では経験でき
ないことを多く学んでくることができました。しか
し、向こうの内容をそのまま用いるのは難しいと感
じました。そのため、園田先生が話していましたが
「マスターは終わりじゃなくスタートだ」というよ
うに、持ち帰った内容をもとにここから再び学んで
いきたいと思いました。