新しい複合材料メタセラの開発 新しい複合材料メタセラの開発

島根大学研究シーズ
新しい複合材料メタセラの開発
新しい複合材料メタセラの開発
和久
和久 芳春(総合理工学部)
芳春(総合理工学部)
【概要】
No.S-10-A
本研究に関連する特許
1)特願2007-243451
(扁平金属)
(クラック)
(ナノ粒子)
セラミックス材料は,耐熱性や耐摩耗性,耐食性などに優れてい
るにもかかわらず,低靭性のため利用が限られている。
Al2O3のような低コスト化が期待できるセラミックス材料に高強度,
高靱性が付与されれば,構造用材料や機能性材料として幅広い
用途で利用されることが期待できる。
本研究は,セラミックス材料中に靭性を持つ扁平形状の金属な
どとを分散させ複合化することで,高い靱性や強度を持ったセラ
ミックス材料を開発し,実用化することを目的にしている。
メタセラの開発状況と応用
これまで,新しいセラミックス系複合材料「メタセラ」の
研究を行い,下記のことを明らかにしてきた。今後,その
応用に向けた開発を進めていきたい。
(MgO-Al2O3-SiO2ガラスやAl2O3)
図1 複合材料「メタセラ」のイメージ
1)Al2O3やMAS(MgO-Al2O3-SiO2)セラミックスにMo粒子
を混合し,湿式ボールミル処理を行い,ホットプレス法
で焼成し,Moが扁平した複合材料「メタセラ」の製造に
成功した。(図2)
2)メタセラの強度と靭性は,粒子分散による複合材料に
比べて,非常に高く,熱衝撃性が低いことが明らかに
なった。
3)メタセラの電気抵抗は,金属とセラミックスの中間程
度であり,また,熱伝導率はセラミックス程度である。
4)メタセラは,電磁波のシールド特性が,金属をメッキし
た樹脂や繊維などに比べて高い。
5)湿式ボールミルと射出成形を組み合わせることで,複
雑形状のメタセラを製造することが可能である。
図2 メタセラ(MASガラス/Mo)の断面組織
【応用例】
・電磁波シールド用材料
・マイクロ波加熱用材料,抵抗発熱用材料
・住宅,ビル用建設資材
【研究シーズ,特許に関するお問い合わせ先】
島根大学 産学連携センター
〒690-0816 島根県松江市北陵町2番地
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(2007.11)