NEWS RELEASE - CM総合研究所・東京企画

CM総合研究所/CM DATABANK
NEWS RELEASE
代表 関根 建男
〒108ー0014 港区芝4ー12ー2
TEL 03ー5445ー5075
2012年5月17日
2011年度 ヒットCM動向 CM 総合研究所/ CM DATABANK(東京都港区 代表 ・ 関根建男)では、2011 年度の CM 好感度 No.1 企業を発
表するとともに、この 1 年間の CM 動向をレポートいたします。
【5年連続!ソフトバンクモバイルがCM好感度No.1企業】
2011 年度に CM を放送した全 1869 社のうち、CM 好感度 No.1 企業は 5 年連続でソフトバンクモバイルであった。
絶大な人気を誇る「白戸家」や SMAP が出演するシリーズ CM を中心に 63 作品を放送した。「白戸家」シリーズには、
松木安太郎や宇宙飛行士の古川聡氏、トリンドル玲奈ら多彩なゲストが出演。また、“お父さん扇風機”やカップラーメ
ンなどのプレゼントキャンペーン、1 回限定で放映した 5 分 30 秒の日本史上最長 CM などが話題を集めた。さらに、
SMAP が「努力って、楽しい。」と同社の思いを伝える企業 CM や、災害用伝言板の告知 CM など、企業としてのメッセー
ジ発信も高い評価を獲得。本年度もすぐれた企画力とエンターテインメント性でヒットを続け、首位を独走した。
【ランキング上位にはシリーズCMが勢揃い】
2 位のサントリー食品は「宇宙人ジョーンズ」「ゼロの頂点」などのシリーズ CM を展開する『ボス』をはじめ、松田
翔太を新起用した『なっちゃん』など 16 銘柄の CM をオンエアした。
3 位の AC ジャパンは震災直後に大量に放映され、CM で使われた「♪ポポポポ~ン」が流行語となったほか、多くの
著名人が復興へのメッセージを伝える CM もオンエアされた。
4 位のトヨタは前年度の 20 位からランクアップ。昨年 10 月にスタートした企業広告「ReBORN」が牽引し、なか
でもジャン ・ レノや妻夫木聡らが出演する人気アニメ『ドラえもん』の実写版 CM が大ヒットした。また仲里依紗が「♪
でんでらりゅうば」と歌った『passo』などの車種広告も好調だった。
8 位の日清食品は、芦田愛菜がひよこの着ぐるみ姿で歌う『チキンラーメン』をはじめ『カップヌードル』などのロン
グセラー商品が快走した。9 位はエステー。ポルトガル人のミゲル少年がアカペラで CM ソングを歌い上げる『消臭力』
が大ヒットし、前年度の 43 位から順位を上げて初のトップ 10 入りを果たした。
このようにランキングの上位には、ロングセラー商品を中心にシリーズ CM を展開して、継続的に高い CM 好感度を
獲得した企業が顔を揃えた。
2011年度 企業別CM好感度TOP10 総合順位
(前年順位)
企業名
代表銘柄名/代表作品名
1( 1
) ソフトバンク モバイル株式会社
SoftBank/「松木先生」編 2( 2
) サントリー食品インターナショナル株式会社
ボス/「教師」編
3( 8
) 公益社団法人 AC ジャパン
公共広告 全国キャンペーン/「あいさつの魔法」編
4 ( 20
) トヨタ自動車株式会社
イメージアップ/「のび太のドラ離れ宣言」編
5( 7
) 花王株式会社
アタックNeo/「常盤貴子:はじめてますか?」編
6 ( 10
) サントリー酒類株式会社
ザ・プレミアム・モルツ/「ビールの歴史」編
7 ( 16
) 日本コカ・コーラ株式会社
ジョージア/「ジョージア エメラルドマウンテンブレンド カフェオレ カフェオレ派登場」編
8 ( 18
) 日清食品株式会社
日清チキンラーメン/「ひよこ誕生・登場」編
9 ( 43
) エステー株式会社
消臭力/「唄う男の子:ミゲル」編
) ダイハツ工業株式会社
ミラ イース/「衣装」編
10( 6
・2011 年度の CM 展開:全 1869 社(東京キー 5 局)
・集計期間:2011 年 4 月度~ 2012 年 3 月度(2011 年 3 月 20 日~ 2012 年 3 月 19 日)
・関東一都六県在住の一般モニター男女 3000 人の「月例 CM 好感度調査」の 12 カ月分より集計
【CM概況】
2011 年度(2011 年 3 月 20 日~ 2012 年 3 月 19 日)に東京キー 5 局からオンエアされたテレビ CM の放送回
数は 150 万 2833 回となり、観測史上初めて 150 万回を超えた。一方、この 1 年間に CM をオンエアした企業、銘
柄、作品の数は、揃って観測史上最少を記録した。企業数は初めて 1900 社を割り込み 1869 社に。銘柄数も 2009 年
度に 9000 銘柄を割り込んで以来減り続け、本年度は 8062 銘柄だった。最多の 2007 年度の 9436 銘柄に比べると
14.6%減少した。オンエア作品数も 16539 作品と、前年度より 651 作品少なく、初めて 17000 作品を下回った。
【前年比150%!企業CMへの好感度が急増】
震災に見舞われた本年度は企業メッセージを
伝える CM が積極的にオンエアされ、消費者か
らの好感を集めた。直近 5 年間の「企業 CM ※ 」
の誕生作品数、放送回数、CM 好感度はいずれも
■「企業CM」の誕生作品数、放送回数、CM好感度の推移
13
4500
9
2500
例年より増加しており、なかでも CM 好感度は
前年比 150%を記録した。
復興支援メッセージを伝える CM のほか、改
めて企業の在り方を表明した CM も存在感を発
揮している。トヨタの企業広告「ReBORN」は、
1300
織田信長 ・ 豊臣秀吉に扮した木村拓哉とビート
たけしが東北へドライブする CM を放映。
『ドラ
えもん』の実写版 CM では「免許を、取ろう。」
と自動車業界全体の底上げをはかるメッセージ
を伝えた。ダイハツは 6 年ぶりに企業広告をオ
ンエア。瑛太が新しい生き方を模索する青年を
等身大に演じている。
800
創業時からの「周年」を記念した企業 CM も
見受けられた。創業 120 周年のライオンは、過
去の家族写真と同じ場面を、時を経て成長した
家族が再現するという CM で「日本の家族と一
※企業 CM:CM DATABANK 登録銘柄名が「企業、イメージアップ、
知名度アップ、お知らせ」のいずれかを含む CM
緒に 120 年。
」と伝えた。2012 年に 100 周年
となるシャープは、50 年前に太陽電池に着目した創業者を吉永小百合が紹介する CM を元日からオンエアした。
2012 年 4 月に 140 周年を迎えた資生堂は、蒼井優起用の CM で被災地支援活動で出会った女性たちの笑顔を通じて
「化
粧のちから」を表現した。震災を経て、目先の新しさよりも本質的な価値が見直された今、長い年月をかけて培われてき
た信頼感を真摯に伝える企業 CM が多くの共感を集めているようだ。
【アニメ、
映画…懐かしのヒット・フレームに注目】
本年度の特徴として、過去にヒットしたアニメや映画、テレビドラマなどをモチーフにした CM の成功例が挙げられる。
トヨタの企業広告の実写版『ドラえもん』をはじめ、KDDI / au の『巨人の星』の星飛雄馬一家、日清食品/カップヌー
ドルの機動戦士ガンダムや映画『スター ・ ウォーズ』のヨーダなど、懐かしいキャラクターが次々に起用された。
2012 年度の CM では、サントリー食品/オランジーナでリチャード ・ ギアが映画『男はつらいよ』の寅さんを演じ、
ソフトバンクモバイル/ SoftBank は映画『ローマの休日』を上戸彩が再現。キリンビバレッジ/キリンレモンとトヨタ/
トリプルアシストはともに『キャプテン翼』をモチーフにしている。世代を越えて楽しめる過去のヒット ・ フレームは、
口コミなどでも話題を集めやすく、今後も盛り上がりを見せそうだ。
【話題のタレント起用で、ブランド活性化】
本年度の CM 出演タレントを見ると、女性タレントでは AKB48 の活躍がめざましく、男性タレントでは前年に続い
て嵐に勢いがあった。人気子役の芦田愛菜や鈴木福も幅広い世代から支持を得た。ハリウッドスターの起用も目立ち、
ジャ
ン ・ レノ、ブルース ・ ウィリスらはコミカルな演技で話題をさらった。スポーツ選手ではサッカーの長友佑都や澤穂希ら
なでしこジャパンが健闘した。
ロングセラー商品で、長期間起用していた CM タレントをスイッチする例も散見された。サントリー食品/なっちゃ
んは、1998 年の発売以来続いた若手女優シリーズを一新して初の男性タレントとなる松田翔太を起用。マンダム/ギャ
ツビーも木村拓哉から松田翔太にスイッチした。日清食品/チキンラーメンは、約 10 年続いた仲間由紀恵と国分太一か
ら芦田愛菜にキャラクターを変更。サントリー酒類/ザ ・ プレミアム ・ モルツは矢沢永吉、竹内結子に加え、木村拓哉と
香取慎吾を起用した。各社とも商品が築いてきたイメージを壊すことなく、ブランドの活性化に成功している。
【2012年 注目のキーワード】 今後注目のキーワードは、5 月 22 日開業の「東京スカイツリー」。3 月より東武タワースカイツリーから開業告知の
CM がオンエアされ、東京地下鉄や東武鉄道も誘致 CM をスタートした。そのほか、CM のストーリーや背景にも登場シー
ンが増えており、観光地としての経済効果も大いに期待できそうだ。
また、「スマート」をキーワードとしたビジネスは更なる拡大が予測されている。急速に普及が進むスマートフォンや、
エネルギー問題への関心の高まりを受け、家電、太陽光発電、電気自動車などを一元的に管理するスマートハウス関連の
CM も相次いでいる。 今夏は「スポーツ」の祭典、ロンドン ・ オリンピックが開催される。メダルの期待がかかる北島康介や内村航平など、
出場するアスリートの CM 出演が増えており、なでしこジャパンの澤穂希は 2012 年に入って新たに 4 社に起用された。
2012 年は「スカイツリー」「スマート」「スポーツ」という、日本を元気づける 3 つの「S」に注目したい。
・上記データは関東一都六県在住の一般モニター男女 3000 人の「月例 CM 好感度調査」の 12 カ月分より集計しています。
・文中の企業・銘柄名は CM DATABANK の登録名称であり、正式名称と異なる場合があります。
・データを使用する際は「CM 総合研究所調べ」の明記をお願いします。
お問い合せ先 CM総合研究所 広報担当/関戸、石川春、風間 TEL 03ー5445ー5075 http://www.cmdb.jp/