共同研究発掘フェアin北洋銀行ものづくりテクノフェア2015パンフレット

道内企業と道内大学、高専、公設試の
共同研究発掘フェア
in 北洋銀行ものづくりテクノフェア 2015
∼産学官金連携で「まち・ひと・しごと創成」の実現を∼
7/23
Thu
13:00 17:00
アクセスサッポロ 2 階
レセプションホール
主 催
国立大学法人帯広畜産大学
独立行政法人国立高等専門学校機構
国立大学法人北見工業大学
旭川工業高等専門学校
公立大学法人 札幌市立大学
公立大学法人はこだて未来大学
学校法人北海道科学大学
釧路工業高等専門学校
公益財団法人函館地域産業振興財団
地方独立行政法人北海道立総合研究機構
国立大学法人北海道大学
株式会社北洋銀行
国立大学法人室蘭工業大学
北大リサーチ & ビジネスパーク推進協議会
※北海道大学産学・地域協働推進機構 専用フォームよりお申し込みいただけます
http://www.mcip.hokudai.ac.jp/event/reg02.html
本フェアは、道内の大学・高等専門学校・公設試験研究機関の研究者が、主に道
内の企業様向けに、研究内容や研究室(設備や特徴など)を分かりやすく紹介し、
皆様との共同研究のきっかけをつくるのが目的です。大学等の研究者と直接お話す
る面談コーナーも用意しています。
また、大学と高等専門学校のコーディネータが共同研究の仕組みやメリットを
具体的に説明し、敷居が高いと思われがちな共同研究について、目からうろこ的な
お話も聞けます。
「新事業・新分野進出をしたい」「自社の強みと大学のシーズを組み合わせた
い」など新たな技術開発に意欲のある多くの企業の皆様に来ていただければ幸いです。
特に、今回の研究シーズは、 情報・通信分野 に絞って発表を行います。
情報通信分野の企業の皆様は、奮ってご参加ください。
皆様のお越しをお待ちしております。
大学
(五十音順)
-頁-
- 発表時間 -
帯広畜産大学
13:22-13:34
地域環境学研究部門 地域環境工学分野(農作業システム工学研究室)
4
北見工業大学
15:01-15:13
工学部 情報システム工学科 テキスト情報処理とインタラクション研究室
6
札幌市立大学
デザイン学部 須之内研究室
8
デザイン学部 コンテンツデザインコース 松永康佑研究室
10
はこだて未来大学
重点研究領域 Mobile( モバイル )ITプロジェクト
12
重点研究領域 Marine(マリン)
IT・ラボ
14
重点研究領域 Medical( メディカル )ITプロジェクト
16
北海道科学大学
16:17-16:29
工学部情報工学科 知能システム工学研究室
18
義肢装具評価学研究室・義肢装具学科
20
メディアデザイン学科 西川・北守研究室
22
2
北海道大学 情報科学研究科 16:29-16:41
情報理工学専攻 知能ソフトウェア研究室
24
14:49-15:01
情報理工学専攻 調和系工学研究室
26
14:25-14:37
メディアネットワーク専攻 メディアダイナミクス研究室
28
15:13-15:25
メディアネットワーク専攻 情報メディア環境学研究室
30
13:46-13:58
メディアネットワーク専攻 インテリジェント情報通信研究室
32
室蘭工業大学
13:34-13:46
34
ひと文化系領域 人間・社会ユニット 情報・感性研究室
しくみ情報系領域 電気通信システムユニット 電子システム制御工学研究室 36
高等専門学校
旭川工業高等専門学校
13:10-13:22
システム制御情報工学科 以後研究室
38
16:05-16:17
電気情報工学科 嶋田研究室
40
釧路工業高等専門学校
14:37-14:49
知識情報処理分野(天元宏研究室・鈴木未央研究室)
42
教育研究支援センター
44
信号情報処理分野(浅水研究室・山田研究室)
46
公設試験研究機関
函館地域産業振興財団(北海道立工業技術センター)
15:50-16:05
研究開発部 ものづくり技術支援グループ
機関紹介
48
グループ紹介
50
情報通信事例
52
試験場紹介
54
情報システム部門紹介
56
研究シーズ紹介
58
北海道立総合研究機構
15:35-15:50
産業技術研究本部 工業試験場
※時間の記載があるものは、当日発表を行います。
※気になる研究室がございましたら当日面談、またはプログラム記載(P.61)のお問合せ先まで!
3
13:22-13:34
機関名
国立大学法人 帯広畜産大学
研究室
地域環境学研究部門 地域環境工学分野(農作業システム工学研究室)
ホームページ
http://www.obihiro.ac.jp/~fmsatow/index.html
代表者名
佐藤
禎稔(教授・情報処理センター長)
発表者・連絡先
佐藤
禎稔(教授) e-mail:
研究キーワード
農業機械,農業情報,ICT,農作業記録,農作業システム,農業クラウド,
[email protected]
ものづくり,CAD,CAE,シミュレーション,ビートタッパ
研究紹介
当研究室では北海道十勝地方の超大規模農業を背景に,その生産性をさらに向上させるために,
各種センサやコンピュータ,ICT,電子・機械技術を活用した独創的な研究を行っています。
近年の主な研究内容は以下の通りです。
・農業クラウドのためのトラクタ用農作業フィールドコンピュータの開発(精密農業,農業 ICT)
・3次元 CAD/CAE を利用した高性能・高能率農業機械の開発(ものづくり,シミュレーション)
・レーザ式作物列センサによるトラクタ用作業機のうね自動追従装置の開発(センサ,メカトロ)
・圃場内の農薬散布量の変動解明とクリーン防除のための高精度散布技術の開発 (食の安全安心)
・GPS・トータルステーションを利用したロボットトラクタ等の現地実証試験(農作業システム)
・太陽光発電の農畜産業への利用に関する研究(自然エネルギー,植物工場)
今回は情報通信分野の研究テーマを紹介致します。
1.農業クラウドのためのトラクタ用農作業フィールドコンピュータの開発
現在,十勝地方の農家 1 戸あたりの経営面積は約 43ha に達し,少子高齢化や農業を取り巻く国
内外の環境によって今後ますます経営面積が拡大すると予想されている。畑作は輪作が必要であ
るため,作物の種類が多く,農業機械の種類や作業も多く,管理しなければならない情報も膨大
である。生産性をさらに向上させるためには,農業クラウドによってトラクタの作業情報を記録・
分析し,農業の効率化と食の安
全安心を確保する農業情報シス
フィールドコンピュータ
クラウドサーバ
インターネット
データ蓄積
テムの構築が必要である。
本研究は,トラクタの農作業
クラウドサービス
情報の自動記録と各種アプリケ
ーションを利用する運転席搭載
の小型携帯端末の農作業フィー
目的:トラクタ作業を記録する
クラウドシステムを構築
農作業情
報取得


ルドコンピュータを独自に開発
ネットを利用して農業クラウド
でその情報を記録・管理・分析

情報
端末
することを目的とし,インター

パソコン
スマホ
トラクタ
し,営農に活用する基本システ
図1
ムの構築を行った(図 1)
。
4
農業クラウドの概要
トラクタネットワーク構築
トラクタ用農作業
フィールドコンピュータ(FC)
の開発
ネットワークで作業履歴の
蓄積,管理,分析の可視化
運転席をオフィスに
発表番号2
開発したトラクタ用農作業フィールドコンピュ
ータ(FC)は Windows を搭載し,トラクタと作業
機の間で CAN-BUS を介し,D-GPS のトラクタ走行
軌跡や作業機センサによる作業内容等の情報をリ
アルタイムに収集する。それらのデータはインター
ネットを介してクラウドサーバに蓄積し,膨大な農
作業の履歴等の情報を逐次管理・分析して農家の生
産性を効率化するためのツールとして利用するも
のである。これまでに開発したプロトタイプの FC
図2
を農業関係者にアンケート調査で評価して頂き,基
FC3 のトラクタ搭載状況
本的なハードウェアの組立て,3次元 CAD と 3D プリンタを活用して FC の第2次試作モデル
(FC2)を独自に開発した。実験では防除作業を例とした農作業データの取得とクラウドサーバに
よる農薬散布量の変動を可視化するアプリケーションとの連携を確認した。また,FC2 を農業者
に評価して頂き,第3次モデル(FC3)を同様の手法で開発した(図 2)
。
2.3次元 CAD/CAE を利用したビートタッパの高速化に関する研究
テンサイは北海道の基幹作物であり,その収穫は晩
秋に行われるため,高能率な収穫機が望まれている。
収穫時には茎葉を除去するビートタッパが必要であ
CAE による運動機構解
析とバーチャル設計と
評価
CAD モデル
る。しかし,慣行のビートタッパは,作業速度が増す
とタッピング機構の追従性能が低下するため,高速高
挙動の解析結果
精度なビートタッパの開発が望まれている。ビートタ
ッパは 1940 年代に国産化されたが,基本的なメカニズ
ムはほとんど変化していないのが現状である。
図3
3D-CAD/CAE によるシミュレーション
そこで本研究は,これまで勘と経験で行われてきた
開発手法に代わり,パソコンで利用可能な3次元 CAD
と CAE を活用して高速化に対応するビートタッパの
ダンパ
バネ
慣行のフィーラ
ホィール
改良と開発を行うことを目的とした。
アルミ製フィーラ
ホィール
まず,模擬走行シミュレータを製作し,タッピング
機構の実際の挙動と CAE のシミュレーション結果が
ほぼ一致することを確認した(図 3)。つぎに,フィー
ラホィールの軽量化と跳ね上がりを低減するダンパを
4 節リンク機構
採用したバーチャル設計を行い,CAE のシミュレーシ
ョンでその有効性を確認した。その結果をもとに,改
図4
慣行機と改造機のビートタッパ
造機を試作し(図 4),室内および圃場実験でその性能
を評価した結果,高速作業時でもタッピング精度が維持されることを検証した。
以上のことから,本研究で採用した3次元 CAD と CAE を利用した新たな設計法は,今後の次
世代型農業機械の開発を支援するひとつの手法として十分に活用できる知見を得た。
5
15:01-15:13
機関名
国立大学法人 北見工業大学
研究室名
工学部 情報システム工学科 テキスト情報処理とインタラクション研究室
ホームページ
http://orion.cs.kitami-it.ac.jp/tipwiki
代表者名
桝井
発表者・連絡先
発表者:桝井 文人(准教授)
文人(准教授)
連絡先:社会連携推進センター
研究キーワード
e-mail: [email protected]
自然言語処理,テキストマイニング,カーリング情報学,観光情報学
研究紹介
スタッフ
・桝井 文人:情報システム工学科准教授。神戸市出身。博士(工学)。沖電気工業,三重大学を経て 2009
年より現職。
・Michal Ptaszynski:情報システム工学科助教。ポーランド出身。博士(情報科学)。北海道大学卒業後,
北海学園大学を経て 2013 年より現職。
自然言語処理とその応用
人間が日常使っている「自然言語」に焦点を当て,テキストを介した情
報処理技術の研究を行っています。 具体的には,テキスト上の比喩的関係を利用した WWW から知識を自動
獲得する技術,ノウハウ継承支援/人材育成のためのテキストマイニング技術,校非公式サイトからの有害
書き込み検出技術,感情情報処理技術の研究に取り組んでいます。
図 1 テキストマイニングに基づく自動演習システム
カーリング情報学
「氷上のチェス」と呼ばれるカーリングの戦術面を ICT(情報技術)によって支
援する技術分野,カーリング情報学を提唱し,日本の競技力向上を目指しています。現在までに,デジタル
スコアブックシステム iCE(intelligent Curling Elicitator の略,知的カーリング(情報)抽出の意)の
開発に成功し,国内トップチームが使用しています。 また,iCE を使って収集した膨大な試合情報からチー
ム別・選手別の特徴や課題を発見・分析し,結果をわかりやすく可視化する方法の開発など、高機能化を進
めています。
6
発表番号10
図 3 カーリング競技と iCE 利用の様子
図 2 デジタルスコアブック「iCE」
観光情報学
「観光」という行為に ICT(情報技術)を組込むことによって観光情報の発信と分析を
高度化し,地域活性化を目指しています。 現在は,レビュー解析とインタラクションを組み合わせた「ユ
ーザの嗜好に柔軟に対応するリアルタイム宿泊施設ナビゲーション」「宿泊施設の取り組み意識の定量化」
の研究をしています。また,「オホーツク圏観光情報学研究会」の設立・運営にも関わり,観光を通した地
域活性化の活動にも取り組んでいます。
図 4
宿泊者アンケート分析支援システム
発明提案
1. 桝井文人, データベース知識抽出システム、データベース知識検索システム並びにデータベース知識抽出プログラム、データベー
ス知識検索プログラム, 特願2003-273557
2. 桝井文人,中山慎司,実績管理支援システム及び実績管理支援プログラム, 特許第4572265号(特願2003-294851)
3. 桝井文人,田中伸一,自動演習システム及び自動演習プログラム, 特許第5382698号(特願2009-069136)
4. 桝井文人,ミハウ・プタシンスキ,新田大征,インターネット上の有害書き込み検出装置及び検出方法, 特願2013-245813
5. 桝井文人,上野裕暉,柳等,カーリング競技支援用情報端末、システム、情報処理プログラム、及び記録媒体, 特願2014-110100
共同研究に関する これまでの企業勤務経験や産学連携の経験を活かして,基礎的研究だけでなく
PR
ビジネスを意識した工学研究も指向しています。
7
機関名
公立大学法人 札幌市立大学
研究室
デザイン学部 須之内研究室
ホームページ
http://www.scu.ac.jp/faculties/details/Motohiro-SUNOUCHI.html
代表者名
須之内 元洋(助教)
発表者・連絡先
須之内 元洋(助教) e-mail: sunouchi @media.scu.ac.jp
研究キーワード
メディア情報学、聴覚文化研究、メディア環境学、メディア芸術、メディア
デザイン
研究紹介
研究概要1)
自然音の音響特徴量開発
コンピュータで音を扱う際には、人間の聴覚にとってインパクトのある音の特徴を、コンピュ
ータが扱える記号として効果的・効率的に抽出することが大きな課題となる。例えば、一般的に
広く行われている騒音評価においては、なるべく多数の一般集団にとって客観的な結果を得るべ
く、工夫された計測方法と補正値を含む評価式を用いて評価が行われるが、その際に基準として
用いられるのは評価対象音の「音圧レベル(音の大きさ)」という特徴である。音の特徴といえば、
音圧レベルだけでなく、音の高低、周波数の分布、時間の経過に伴う変動のように、明確に数値
化できる特徴もあれば、耳触りのような音の質感、心地よさのような曖昧な特徴もある。人間は、
音圧レベル以外にも多様な音の特徴を感じ取
2.0
り、影響を受けることがわかっている。人間の
16 bins
聴覚にとってインパクトのある多様な特徴(以
fractal dimension
下、音響特徴量)を抽出することができれば、
騒音対策、サウンドデザイン、音響検索、音声
認識、楽曲制作など、様々な応用分野に活用す
ることができる。
1.5
32 bins
本研究では、音響信号の波形を形態的にとら
えることにより波形のフラクタル次元を算出す
る手法を用いて、拡張マルチスケールフラクタ
ル次元(以下 EMFD)という新たな音響特徴量
を開発し、EMFD の性質調査や、EMFD を活
1.0
用した音響データの検索システム開発等を行っ
0
0ms
15
218
0.34ms
5ms
radius of the unit disk
ている。3,000 件の環境音データベースを用い
た評価実験においては、EMFD が従来の音響特
徴量にはない特徴を捉えていることがわかり、
EMFD の有効性を確かめられた。
図 1 カッコウの鳴き声の EMFD-LL
8
研究概要2)
聴覚文化研究と聴覚メディアの開発
情報科学分野の知見を取り入れたアプリケーションやメディアのデザイン、音に関係したメデ
ィアアート作品の制作、ワークショップの実践を通じて、音を聴くこと・音をデザインすること
と人間との関係について研究を行っている。音を聴くこと・楽しむことにまつわる、製品開発、
空間音響デザイン、観光資源開発、メディア制作等への応用が期待される。
図 3 札幌国際芸術祭 2014
図 2 音と世界を旅する iPad アプリ
サウンドワークショップ
43d: World Sound Mix
研究概要3)
メディア環境学の視点を取り入れたデジタルメディアデザイン
メディア環境学では、我々が生きていく環境としてメディアをと
らえ、文化、工学、政治、経済、産業などとの関わりの中で、メデ
ィアと社会との関係、メディアと個人との関係について研究しま
す。具体的研究例として、近年日本各地で展開されているアートプ
ロジェクトのための、デジタルアーカイブの開発研究が挙げられま
す。アートプロジェクトが自身のデジタルアーカイブを持つこと
で、プロジェクトの社会的価値向上、活動改善に役立てることが可
能となります。
公益財団法人東京都歴史文化財団 発行「デジタルアーカイブの営
みをつくる」は、以下のページからダウンロードできます。
http://www.tarl.jp/cat_output/cat_output_record/11001.html
図 4 デジタルアーカイブの
営みをつくる
共同研究に関する 課題や可能性について、お気軽にご相談頂ければ幸いです。
PR
9
機関名
公立大学法人 札幌市立大学
研究室
デザイン学部 コンテンツデザインコース
ホームページ
http://www.scu.ac.jp
代表者名
松永
康佑(講師)
発表者・連絡先
松永
康佑(講師)
研究キーワード
コンピュータグラフィックス、仮想身体、インタラクティブアート、数理造
松永康佑研究室
e-mail: k.matsunaga @scu.ac.jp
形、ゲーム
研究紹介
1
モーションキャプチャを用いた仮想身体表現
ダンス、盆踊り、伝統舞踊などの動きと身体形状計測に基づく映像表現を行っています。
10
2
リアルタイム映像生成による表現
さまざまなセンサーを活用し、身体動作などに反応する映像表現を行っています。
3
数学や物理を基盤とした映像表現
Mass-spring 等の物理モデルや、セルオートマトン等の数学モデルを用いた映像表現を行っています。
4
論理的な思考に基づくゲームデザイン
主にパズルゲームなど、シルエットパズルや色合わせパズルなどをモチーフとしたゲームを制作
しています。
共同研究に関する 共同研究に関するご相談は地域連携課 <[email protected]>までお願いい
PR
たします。
11
機関名
公立大学法人 公立はこだて未来大学
研究室等
Mobile(モバイル)ITプロジェクト
ホームページ
特定の研究室はないため下記の連絡先でお願いします。
代表者名
高橋
発表者・連絡先
今野 貴史(社会連携センター参事/産学官連携CD)
:本学3つの重点研究領域のひとつ
修(情報アーキテクチャ学科/教授)
e-mail : [email protected]
研究キーワード
モバイル IT、モバイルコンピューティング、ユビキタスネットワーキング、
スマートシティ、SAVS(Smart Access Vehicle System)
研究紹介
1
概要
情報技術は社会を変える。この言葉が実感をもって受け止められるようになった背景には、
携帯電話やスマートフォン、ウエアラブルコンピュータなどの急速な普及があり、さらにそ
の背後には、知的な処理ができる計算回路の超小型化・高集積化と、ビッグデータといわれ
るような社会全体の膨大なデータのネットワーク化があります。
「モバイルIT」は、情報技
術の進化を新しい社会のサービスと結びつけて、市民ひとりひとりが持ち歩くことができる
21 世紀のモバイルITインフラを構築するための研究開発に取り組むものです。モバイル IT
は、超高齢社会を迎えた地域社会を、情報とネットワークの技術が可能にする 21 世紀の「ス
マートシティ」へと再生する取組みです。
2
応用例
1)2012 年度からモバイルITで公共交通の新しいかたちを追求するプロジェクトをスタートさ
せました。学内に「スマートシティはこだて・ラボ」を設置するとともに、「NPOスマート
シティはこだて」(代表:松原仁・本学教授)を設立。2013 年秋には、函館市を実証実験フィ
ールドとして、世界で初めての全自動制御によるフルデマンド公共交通システム「SAVS
(Smart Access Vehicle System)」の運用実験に成功しています。SAVSはユーザが乗りた
いと思ったときに呼び出す方式を採り、タクシーと違い、乗車地点と降車地点の両方を告げ
ることにより、配車システムが最適の車輌を選び出すようになっています。SAVSは固定
経路を持たず、呼び出しに応じて乗り合いをしながら乗客を目的地まで届ける。つまり、従
来のタクシーとバスを統合したようなシステムになっています。(図 1)
2) LOD(リンクトオープンデータ)を用いた様々な携帯アプリやシステムを、実社会でのフィ
ールド教育と連動させながら開発しています。道庁が発信する料理レシピコンテンツを携帯
アプリにした「おさかな日和」
、函館市観光部が発信する街歩きマップを携帯アプリにした「は
こだて Map+ ~まちあるきで発見!おすすめ観光コース~」などを、Apple ストアで無償公
開しています。このほか、道南圏の博物館学芸員らとの連携により地域史や文化財のデジタ
ルアーカイブ化やその観光アプリ化、ウエアラブル端末などにも取り組んでいます。(図 2,3)
3) 種々のアプリケーションに共通的に利用できるネットワークの構築方式,情報収集・分析手法
をモバイル IT 統合プラットフォームとして実現するために,そのアーキテクチャを明確にす
ると共に,要素技術について検討を進めています(図 4)。更に,具体的な応用事例として,
地元農家と連携して農業(野菜ハウス栽培)におけるノウハウの見える化等について検討し
ています(図 5)
。
12
乗客情報の登録
乗車人数の設定
締切降車時刻の設定
乗車位置の設定
降車位置の設定
SAV現在位置の確認
配車依頼情報の確認
配車
図 1. デマンド交通システム SAVS の携帯アプリ画面(左)と実証実験用ロゴ(右)
図 2.LOD 活用の携帯アプリ(写真は函館観光アプリ) 図 3.ウエアラブル端末 CyARM:非接触環境認識装置
図 4 モバイル IT 統合プラットフォームアーキテクチャ
図 5 暗黙知とセンサデータの分析例
共同研究に関する 以下の分野で共同研究が可能です.
PR
スマートシティ,交通システム,NW セキュリティ,無線通信 NW,
時系列データ解析,ユーザ評価・分析
13
機関名
公立大学法人 公立はこだて未来大学
研究室等
Marine(マリン)IT・ラボ
ホームページ
特定の研究室はないため下記の連絡先でお願いします。
代表者名
和田
発表者・連絡先
今野 貴史(社会連携センター参事/産学官連携 CD)
:本学 3 つの重点研究領域のひとつ
雅昭(情報アーキテクチャ学科/教授)
e-mail : [email protected]
研究キーワード
マリン IT、ユビキタスブイ、デジタル操業日誌、マリンプロッタ、センサネ
ットワークシステム、エンベデッドシステム、ユーザインタフェース
研究紹介
1
概要
マリン IT は、北海道の地域産業である水産・海洋と情報技術が融合した本学が提唱する新しい
研究領域で、漁業者に iPad を定着させるなど世界的にもユニークな取り組みを実践しています。
情報技術で海洋環境や水産資源を見える化することで、資源管理型の水産業が実現しています。
2
応用例
1)ユビキタスブイ:言わば海洋版のアメダスで、魚介類の行動や成長に大きな影響を及ぼす海
水温を観測し、リアルタイムで配信するシステムです。ホタテやコンブの養殖業、定置網漁業な
どで活用されています。
2)デジタル操業日誌:漁獲データを日誌形式で記録する漁業者のための iPad アプリケーション
です。簡単な操作で過去の漁獲データを閲覧することや、漁獲量の推移をグラフで表示すること
ができます。さらに、データを共有することで、資源管理に必要となる資源量を推定することも
できます。
3)マリンプロッタ:漁船の位置と航跡を表示する iPad アプリケーションです。ベテラン漁業者
の航跡を参考にすることで、若手漁業者は技術の習得に努めています。また、安全管理にも活用
されています。
3
地域連携/海外連携
1)道内:函館市、留萌市、福島町ほか
2)道外:全国各地
3)海外:インドネシア、韓国ほか
14
図1.マリン IT フラッグを掲げる漁船
図2.ユビキタスブイ
図3.デジタル操業日誌
図4.マリンプロッタ
共同研究に関する 水産・海洋を対象としたセンサネットワークシステムの構築や、データを収
PR
集するためのセンサノードの開発、データを活用するための iPad アプリケー
ションの開発などに、共同研究の実績があります。
15
機関名
公立大学法人 公立はこだて未来大学
研究室等
Medical(メディカル)ITプロジェクト:本学3つの重点研究領域のひとつ
ホームページ
特定の研究室はないため下記の連絡先でお願いします。
代表者名
藤野
発表者・連絡先
今野 貴史(社会連携センター参事/産学官連携CD)
雄一(情報アーキテクチャ学科/教授)
e-mail : [email protected]
研究キーワード
メディカル IT、地域医療、在宅医療、遠隔診断、ライフログ化、非侵襲型セ
ンシング、手術ナビゲーション、手術ロボット、手術トレーニング、
研究紹介
1
概要
日本では高齢化社会から超高齢社会へ遷移しつつあり、人口の 1/4 が高齢者となり、2025 年に
はこのうち 1/5 が認知症患者になる、と推定されています。同時に少子化時代を反映し、平成 60
年には 1 億人を割る、とも報告されています。このように少子高齢化社会において、各種の対策
が急務となっています。我々は 2003 年度の医療プロジェクト学習の開始をきっかけとし、メディ
カル ICT 研究と称して、医療従事者、高齢者、患者を ICT で支援する研究を行ってきました。2005
年度のプロジェクト学習では、患者視点での医療情報システムを産学連携により提案した取組み
が、地域医療に新しいコミュニケーションの可能性を開いたとしてグッドデザイン賞を受賞する
など、高い評価を得ています。また、医療工学や医療情報療育での最先端領域の研究でも独自性
の高い取組みを行っており、医師の負担低減や患者のQOL(生活の質)向上に貢献するために取り
組んでいます。さらに,未来大学メディカル ICT 研究会を組織し、道南地域の医療関係者、札幌・
首都圏の医療工学・医療情報の研究開発機関、自治体などと連携し、幅広く情報交換を行ってい
ます。
2
応用例
1)長期入院を余儀なくされるような乳幼児患者とそのご家族をフォローする入院マニュアル
2)認知症の予防や症状緩和につながる高齢者とのライフヒストリベースの傾聴支援システム
3)健康・医療情報を蓄積しその活用を図るライフログ
4)在宅医療システム
5)遠隔診断システム
6)非侵襲型センシングシステム
7)手術ナビゲーションシステム
8)手術ロボット
9)手術トレーニングシステム
16
図1. ヘルス・メモリー
図2. おくすりっち
図3. 道南医療機関との意見交換模様
図4. 手術ナビゲーションシステム
共同研究に関する ウェアラブルデバイスを用いた健康管理,状態把握、ライフログなどを中心
PR
に ME 分野を含めた研究を行っています。今後、さらに進む高齢化社会では
ICT を利用したヘルスケア、高度診断支援分野などの市場規模が増大するの
は明らかです。興味があればご連絡ください。
17
機関名
学校法人 北海道科学大学
研究室名
工学部 情報工学科 知能システム工学研究室
ホームページ
http://www.hus.ac.jp/cooperation/ind_det/hum_det.html
代表者名
川上
敬(情報工学科/教授,
寒地ヒューマンサポートシステム研究所/研究員)
敬(教授)
e-mail: [email protected]
発表者・連絡先
川上
研究のキーワード
最適化,最適経路決定問題,最適配置決定問題,ディープラーニング,認識
研究紹介
研究テーマの一部を記載いたします。
1
ディープラーニング(深層学習)を利用した高度な認識技術
この数年間で「ディープラーニング(深層学習)
」によって,これまで人工知能を実現する際の
大きな問題が解決可能となり,人工知能は新しいレベルに突入したと言われています.
特に画像認識では多くの研究機関で成功を収めていることが報告されています.その発端となっ
たのは Google がインターネット上のビッグデータから教師なし学習によりネコの概念を学習した
結果から注目を浴び,マイクロソフト,フェースブック,バイドゥなども大規模な研究に乗り出し
ています.
私たちの研究室ではこの技術を用いて,画像の認識と音響データの認識に取り組んでいます.
画像データ
(医療画像,イラストなど)
医療診断
売れ行き予測など
音響データ
(災害対応音,音楽ど)
音響イベント検出
異常診断など
動画データ
(ムービーなど)
シナリオ評価など
18
2
最適経路・最適配置の自動決定
現在,流通業界と IT は切っても切り離せない状況となっています.流通業界では、生活者の嗜
好や購買行動の変化、ネットストアなど新たな販売チャネルの登場とともに、新たな価値の創出と
同様にコストの削減や効率化が非常に重要な課題となっています.
本研究室では配送・移動等の最適経路(順路)決定や新規拠点の配置に関する最適性評価などを
研究しています.
共同研究に関する 最先端の技術を提供します
PR
19
機関名
学校法人 北海道科学大学
研究室名
義肢装具評価学研究室 義肢装具学科
ホームページ
http://www.hus.ac.jp/cooperation/ind_det/hum_det.html
代表者名
昆
恵介(義肢装具学科/准教授,地域連携推進センター/主任,
寒地ヒューマンサポートシステム研究所/研究員)
恵介(准教授)
e-mail: [email protected]
発表者・連絡先)
昆
研究キーワード
福祉機器,評価学,キネクトセンサ,生体計測,動作解析
研究紹介
1
研究概要
日本は超高齢社会を迎え,高齢者の健康維持とリスク管理が喫緊の課題である.現在,デイサ
ービス(通所リハビリテーション)等の高齢者支援によって健康維持や転倒予防を目的とした歩
行機能訓練が実施されていますが,介護保険制度の改定により通所介護における報酬が減額され
たため,これらの歩行機能訓練を実施しにくい環境となった.
本研究室では,安全装置付のトレッドミル(ウォーキングマシン)と,安価な動作解析デバイ
スである Kinect を用いることにより,リアルタイムに歩行指導を行うことのできる歩行練習シス
テムの開発を行う.これにより,職員が付きっきりでなくても正しい歩行習慣を獲得させ,高齢
者の転倒予防を目指しています.
2.開発中のシステムの紹介
1)開発目的の本計測機器は,マイクロソフト社が提
供する kinect センサを活用し,図 1 のようにタブ
レット端末を介して,健康維持のための歩行指導
を定量的に提示できるシステムを開発していま
す.
2)kinect センサは 2 万円程度で市販化され,安価な
システムを構築できるのが特徴であり,非侵襲で
身体の情報(心拍,呼吸数,身体の関節位置など)
を取得できます.
3)カメラの前に対象者や介助者の情報をそれぞれ取
得できるのも特徴で,高度な知識がなくても歩行
状態の評価を容易とすることが可能です.また,
衣類を着ていても,情報は取得でき,裸にならず
とも,身体情報を取得できることは倫理的観点か
らも有用なものです.
20
図 1 システム構成イメージ図
3.従来装置または技術との比較
従来装置は図 2 に示すように身体表面に反射マーカを貼付し,
複数台の赤外線カメラから,そのマーカの三次元空間座標を得る
もので,精度は高く 0.1mm 以下の精度を持ちます.
一方で,本研究で開発目標とするゲーム用デバイス(kinect セ
ンサ)を利用したシステムは,深度センサを搭載し,従来装置と
は違い,図 3 のように身体にマーカを貼付することなく,非拘束
かつ非侵襲で各関節の三次元位置座標を得ることが可能です.
4.研究成果の実用化への見通し
kinect センサを利用したアプリケーションの開発は,さまざ
まな分野で実施されており,開発コードには特許が絡む技術も存
図2
従来装置による
一般的な計測
在する.そのため,技術コンサルタント指導のもと,開発を実施
することで実用化に向かうと考えています.
また,申請者の研究グループはすでに, kinect センサを利用
し,障害者の歩行動作を計測し,リアルタイムで身体の重心を表
示するアプリケーションの開発を終了しています.
今後は歩行指導を簡単にできるシステムの完成とともに,実際
の介護施設での臨床評価を実施することで,実用化に向けた問題
点を把握,改善できると考えており,アプリケーションの技術的
な微修正で開発目標を達成できると考えています.
図 3 Kinect 計測の様子
共同研究に関する 本システムは大学内にありますが、持ち運びができる簡易なシステムです。
PR
ご興味がありましたらご連絡ください。
21
16:17-16:29
機関名
学校法人 北海道科学大学
研究室名
メディアデザイン学科 西川・北守研究室
ホームページ
http://www.hus.ac.jp/academics_hus/fut_d/med_d.html
代表者名
西川
孝二(准教授)
発表者・連絡先
西川
孝二(准教授)e-mail: [email protected]
研究キーワード
e-ラーニング、情報処理技術者試験、ニューロロジカル・レベル、XML、
理解度
研究紹介
XML 言語によるランドルト環方式 e-ラーニングシステム
-理解度としての NLP ニューロロジカル・レベル指標-
教育の効果・効率を高めるための e-ラーニング活用において、理解の異なる学習者のそれぞれのレ
ベルに対応した学習システム構築のためには、効果・効率に関わる理解度を測る指標を示す必要がある。
本研究室では、学習者の理解度を視力検査で使うランドルト環になぞらえ、ランドルト環方式と呼ばれ
る e-ラーニングシステムの開発を行っている。また、神経言語プログラミング(NLP:Neuro Linguistic
Programming) における論理階層として示されているニューロロジカル・レベル(NLL: Neuro-Logical
Levels)と学習コンテンツを XML 表現により結びつけるための XML 言語の概要および学習コンテンツの
動的生成に関して研究している。
ランドルト環方式による e-ラーニング
ランドルト環方式 e-ラーニングシステムはランド
ルト環の切れ目の方向を「出題意図(カテゴリ)」に、
大きさを「問題の難易度」として対応させることで
学習者の理解を確認しながら動的に学習コンテンツ
を示すことができる。本手法で図1に示す問題カテ
ゴリ a,b,c…および難易度レベル L1,L2,L3…の適当
な位置から選ばれた問題に正解か不正解かで難易度
レベルを変えどのカテゴリのどのレベルかを確認し
ていく。この過程を検査モードとして学習履歴から
作成されるマップを参考にしながらさらに理解を深
める理解モードに移行する。理解モードを進めるこ
図 1 ランドルト環方式
とでさらに理解を深めることで、難易度の高い問題
も解くことが可能になる。
ニューロロジカル・レベル
ニューロロジカル・レベルは神経言語プログラミングと呼ばれるコーチングの理論フレームにおいて
使用される概念で、相手の現在の状況やどのレベルの内容で話しているかを見極めるために使われるモ
デルである。NLL における「環境レベル」
「行動レベル」
「能力レベル」を e-ラーニングに適用させた場
22
発表番号15
合、これらは理解度レベルに相当する。この NLL と
理解度レベルは環境レベルにおいてはその学習分
野で使われる名詞を知っているということに対応
させ、「名詞レベル」として穴埋め問題として出題
し、専門語を学習者に習得させる。e-ラーニングに
おける学習において行動レベルが対応するのは「動
詞レベル」となり選択問題形式をとり状況に応じた
専門語に動詞を伴うことにより理解のレベルを上
げる。能力の段階では理解度レベルにおいては動詞
とともに形容詞、副詞を使用し表現力を豊かにさせ
ることが体系的な知識を身につくことに対応させ、
図 2 NLP の学習要素階層レベルと理解度レ
これを「形容詞、副詞レベル」とここでは呼んでい
る。(図 2)
XML 言語による構成
XML はすでにマークアップ言語であるが、予約名
としての制御タグを設定し再評価することで、書
かれている XML のタグ内の文字列処理が可能とな
る。XML 言語は変換モジュールを加えることでタ
グの拡張ができ、データベースから SQL 文により
データを取り出し新たなタグ構成の XML を作成す
る SQL タグや XML 形式で推論機構を働かせること
が可能となる。新たに作成された機能タグにより
動的なコンテンツを容易に生成できることと NLL
のレベルでのコンテンツも XML 表現とうまく適合
する。
XML 言語によるコンテンツの動的生成
本システムでは、機能タグと呼んでいる処理を
実現するために Java 言語とリンクさせて機能を
働かせている。図 3 において機能タグは xi:[3]
図 3 Java 変換モジュールによる動的コンテン
として名前空間を定義して使用されている。動的
コンテンツの生成は2つの過程からなり、学習者の学習履歴から作成されたマップを基に NLL レベルの
コンテンツを検索し、このコンテンツを基に使用される単語の組み合わせや文章の順序を変更する処理
からなる。
共同研究に関する PR
e-ラーニングを活用した教育は、今後も用途が広がっていくことが予想されま
す。本システムを用い、学習者の負担を減らし、効果的な成果を得ましょう。
23
16:29-16:41
機関名
国立大学法人 北海道大学
研究室名
情報科学研究科 情報理工学専攻 知能ソフトウェア研究室
ホームページ
http://kussharo.complex.ist.hokudai.ac.jp
代表者名
栗原
正仁(教授)
発表者・連絡先
佐藤
晴彦(助教)
研究キーワード
人工知能、ソフトウェア工学、機械学習、クラウドソーシング、データマイ
e-mail: [email protected]
ニング
研究紹介
本研究室は、「人工知能」と「ソフトウェア工学」の 2 つの技術を両輪とした研究を行っており、
その例として以下の 2 つの研究を紹介する。
1.人工知能技術を応用したソフトウェア開発支援に関する研究
ソフトウェア開発におけるコーディングやテストにおいて、開発者の意図する記述や動作内容
を人工知能技術に基づき推測し、その結果を利用者に提示し選択させることで作業の自動化・効
率化を支援するツールの研究開発を行っている。例として、ソースコードの効率的な記述のため
に広く利用されているキーワード補完(コードコンプリーション)の発展形として、実行したい
処理を表現する端的な「単語の列」から、その処理を実現する関数呼び出しツリー(複数の関数
呼び出しからなる 1 行のコード片)を構成するキーワードプログラミングと呼ばれるツールの開
発を行っている。またオブジェクト指向プログラムの単体テストにおける実行経路網羅性の高い
入力パターンを自動生成する手法として、テスト対象メソッド中の分岐条件式に影響を与えるメ
ソッドの候補を事前に解析し、その組み合わせを実際の条件への寄与の度合いに基づき重み付き
の探索を行うことで、条件式が真となるようにオブジェクトの状態を更新するメソッド呼び出し
系列を効率よく発見する手法の研究を行っている。
2.クラウドソーシングと機械学習に関する研究
近年クラウドソーシングサービスの普及により、インターネットを通して多数の人に容易に仕
事を依頼できるようになり、パターン認識や自然言語処理、情報検索やデータベースなど情報科
学の様々な分野で活用が進んでいる。クラウドソーシングにおいては必ずしもすべての作業者が
タスクに取り組むのに必要な能力や真面目さを備えているとは限らないため、作業結果の品質管
理が重要となる。本研究室では作業者に自分の作業結果に対する自信(確信度)を申告してもら
うことで、作業結果の品質を担保する方法を提案した。作業者の申告した確信度をそのまま信用
するのではなく、自身過剰な作業者や自身過小な作業者の存在を考慮した統計的な品質管理を行
う手法であることが特徴的である。
24
発表番号16
図 1
キーワードプログラミングツールの動作例。青色の行でユーザーが意図する動作「行を追加す
る(add line)
」をキーワードで指定すると、キーワードを一部に含み、かつ現在の文脈に即した(ロ
ーカル変数をなるべく利用する)コード片 array.add(src.readLine()) を生成する。
図 2
クラウドソーシングの作業者の確信度と実際の正解率の関係。自信過剰な作業者(右下の領域)
や自信過小な作業者(左上の領域)がいることがわかる。品質管理においてはこのような作業者の確
信度判断の正確さの違いを考慮することが必要となる。
共同研究に関する 本研究室で開発したキーワードプログラミングツールは一般に公開してお
PR
り、気軽に試して頂くことが可能です。またクラウドソーシングは比較的新
しい形態のサービスですが、企業における様々なタスクに適用できる可能性
を持っています。
25
14:49-15:01
機関名
国立大学法人 北海道大学
研究室名
情報科学研究科 情報理工学専攻 調和系工学研究室
ホームページ
http://harmo.complex.ist.hokudai.ac.jp
代表者名
川村
秀憲(准教授)
発表者・連絡先
川村
秀憲(准教授)e-mail: [email protected]
研究キーワード
情報推薦、地域情報配信、マーケティング
研究紹介
本研究室では、地域に密着した祭りやイベント等の地域情報を、興味解析技術を駆使した配信
の最適化によって数万人規模のユーザに配信すると同時に、そこから収集される閲覧履歴、閲覧
者の属性、口コミ、イベント参加者の動態調査を総合的に分析するアルゴリズムを開発し、魅力
向上と課題改善を支援する情報配信分析システムを開発しています。
平成 25 年度~26 年度にかけて、総務省戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE)の委託を
受け,下記の 3 つのテーマについて研究開発を行ってきました。
(1)ビッグデータに対応したクラウド分散処理による情報配信と分析の実用化
(2)情報の時間による価値変動を前提とした情報配信と分析手法の研究開発
(3)地域の事業者や観光産業関係者と協力したサービス普及と地域産業への定着
(1)においては、amazon の aws を利用し、ロバストでスケーラビリティを有しながらも安
価に運用できる情報配信プラットホームを作成しました。これによって、コストを抑えつつも市
民向けに大規模な情報提供を行い、ログデータを分析することが可能となりました。
(2)においては、情報を閲覧したユーザの履歴や地域での情報の人気度、地理的特性、など
を自動的に分析し、数あるイベント情報から厳選して興味を持ってもらえるユーザに配信するこ
とが可能となりました。イベント情報は情報としての賞味期限が短く、従来手法では適切に推薦
を行うことができませんでしたが、新しく開発したアルゴリズムによって精度高く推薦を行うこ
とが可能となりました。
(3)においては、北海道大学発ベンチャーの株式会社調和技研と協力し、研究開発したプラ
ットホームを使って「びもーる」という地域イベント情報配信サービスを社会実装し、札幌、横
浜、神戸、名古屋、福岡の 5 エリアでイベント情報配信の実証実験を続けています。
5 エリアで月 7000 件以上のイベント情報を収集し、パソコン用ウェブ、スマートフォン向けア
プリなどを通して情報推薦を行っています。サービスへの月間のユニークユーザは 15 万人を超え、
数多くの人々にイベント情報を提供するとともに、ログデータから様々なマーケット分析を行っ
ています。
26
発表番号9
現在、イベント主催者やイベント施設、観光関連事業者などと連携し、幅広くイベント情報を
収集・配信するサービス連携の実現に取り組んでいます。それぞれがすでに運用するウェブサイ
トやデータベースと連携することで、新たにオペレーションを追加することなく集客からマーケ
ット分析までを一気通貫で可能とするサービスの構築を行っています。
今まで情報提供、広告配信からビッグデータを利用したマーケッティングまでを実現できるの
は一部の大企業だけでしたが、情報配信とマーケティングに特化した技術、メディアを大学とベ
ンチャーが開発・運用することで、地域の企業、イベント主催者、商店街などにリーズナブルで
最先端な情報マーケティング戦略を提供することを目指しています。
図 1:札幌の地域情報サイトびもーる
図 2:スマートフォンアプリ
(http:/bemall.jp)
図 3:開発した analytics の画面例
共同研究に関する 地域情報発信を必要とする、イベント主催者、小売業者、イベント施設、ホ
PR
テル、サービス業、などの方々に札幌市民へ向けた情報配信からデータ分析
までを一気通貫で提供可能です。大学での研究から、ベンチャーによる社会
実装までを手掛けています。
27
14:25-14:37
機関名
国立大学法人 北海道大学
研究室名
情報科学研究科 メディアネットワーク専攻 メディアダイナミクス研究室
ホームページ
http://www-lmd.ist.hokudai.ac.jp
代表者名
長谷山 美紀(総長補佐/教授)
発表者・連絡先
高橋
研究キーワード
画像符号化・復元・認識、音響・音楽処理、マルチメディア検索・推薦、Web
翔(特任助教) e-mail:
[email protected]
マイニング、ビッグデータ解析、知識獲得、医用画像・医用情報処理、脳科学、
気象・惑星データ処理、社会基盤データ解析、バイオミメティクス
研究紹介
マルチメディア技術を駆使して知識獲得のプロセスを探る
1 メディアダイナミクス研究室とは?
メディアダイナミクス研究室では、マルチメディア信号の特性に注目した新しい学問分野の創出を
通じて、高度な人間の視聴覚認識メカニズムの研究を進めています。高速インターネット網の普及
や大容量蓄積メディアの発展により、我々の周りには音楽、画像、映像等のマルチメディア信号が
溢れています。これからも増え続ける大量かつ多種多様な情報の中から、必要となる情報を的確に
取り出し、伝達する技術が世界中で必要とされています。当研究室ではこのような技術を実現する
ために、人間の視覚・聴覚特性を基盤とした認識システム、復元アルゴリズム、さらには次世代符
号化方式に関する研究を進めています。また、その成果により、音楽や画像、映像を人間のように
理解する 次世代のマルチメディアシステム を実
現し、医用画像・医用情報、脳データ、気象・惑
星データ、スポーツ映像、Web(SNS)、バイオミ
メティクス・社会基盤データ等、ビッグデータの
解析へと幅広く応用することで、未来の科学技術
の発展に貢献することを目指しています。
2 次世代のマルチメディアシステムの実現
一般の画像検索システムは、キーワードを入力し
て検索しますが、当研究室が開発した次世代のマ
ルチメディアシステム(Image Vortex)は、そのよ
うなキーワードを必要としません。システムは予
め各画像に数値特徴を自動で付与し、ユーザが検
索を始めると、画像同士が「コミュニケーション」
しているかのように動き出します。画像に付与さ
れた数値特徴に基づき、類似しているものは近く
に、異なるものは遠くに配置されていきます。動
いている大量の画像に人間が向き合うことで、自
分自身に内在する知識や記憶が呼び覚まされて、
今まで気づかなかった画像の関連性に気づき、本
当に欲しい画像を手に入れることができます。本
システムの技術は、実用化が進められ、その一つ
に Image Cruiser 等が挙げられます。また、画像
だけでなく、映像についてもキーワードを使わず
感覚的に検索を可能とする連想型映像検索エンジン (Video Vortex)を開発しました。さらに、音
楽、静止画像、映像を個人の好みに合わせて自在に入手できる異種メディア横断型検索エンジン
28
発表番号7
(Tri-Media Vortex)も実現しています。これまで困難であった、画像から音楽を探したり、逆に音
楽から画像を探したり、さらには、自分自身に似ているユーザや全く好みが異なる他のユーザから
もネットワークを通して自動で推薦を受けることができます。人間は新しい発見をする時に感動や
喜びを覚えます。近い将来、画像や映像、音楽等の世界中のあらゆる情報から、予想外の発見がで
きる検索システムが実現され、皆さんの生活を豊かにしてくれると考えています。
3 メディアダイナミクス研究室の特筆すべき成果
当研究室の技術は、査読付論文誌 140 件以上、約 1,000 件の国内外の学会で発表されており、そ
の社会的関心は高く、これまでに 85 件以上の報道発表が行われています。また、研究成果の実社
会応用を進めており、
4 年連続(2005-2008 年)で CEATEC JAPAN に開発システムを出展し、
2012
~2014 年度にはそれぞれ、開発した次世代情報推薦システム「Query is You」
・
「OASIS」
・
「COSMOS」
について、札幌市との連携による実証実験を行っています。その成果が認められ、教授の長谷山は、
映像情報メディア学会 副会長・英語論文誌編集長、電子情報通信学会 調査理事、総務省情報通信
政策局 情報通信審議会専門委員、経済産業省情報大航海プロジェクト チーフ技術アドバイザー、
日本放送協会 放送技術審議委員、日本学術会議 連携会員等を歴任しています。
共 同 研 究 に 関 す 我々が行っている研究は、言い換えると、人間にどのようにすれば「気づき」
や「きっかけ」を与えることができるかを探究していることになります。得ら
る PR
れた知見で多くの人を支援できれば、社会の生産性向上につながると考えてい
ます。知的に探究し、学問の発展に貢献するのはもちろんですが、それが生活
や産業に活かされ、社会に貢献することが、我々研究者にとって大きな励みに
なります。自分自身で生み出した研究成果が皆さんの生活を豊かにするために
役立つことが私たち研究者の喜びです。
29
15:13-15:25
機関名
国立大学法人 北海道大学
研究室名
情報科学研究科 メディアネットワーク専攻 情報メディア環境学研究室
ホームページ
http://ime.ist.hokudai.ac.jp
代表者名
山本
強(教授)
発表者・連絡先
土橋
宜典(准教授) e-mail: [email protected]
研究キーワード
画像処理、コンピュータグラフィックス、可視化、音声処理
研究紹介
情報メディア環境学研究室では、画像
処理や音声、また、3次元コンピュー
ターグラフィックスなどの情報メディ
アに関する基礎的な技術を幅広く研究
しています。そして、それらを統合す
ることによって、新しい映像表現や次
世代ネットワーク応用、さらには、新
しいコミュニケーション技術の創出を
目指しています(右図)
。当研究室で行
ってきたいくつかの研究事例を簡単に
紹介します。次ページには研究成果に
関する画像をまとめています。
全周ステレオ撮影システム:パノラマ画像を動画として記録・再生することにより、任意方向への
見回しが可能な動画像配信システムを開発しています。パノラマによる左右への見回しに加え、映
像が動的に変化することにより、臨場感のある映像表現が可能になります。90 度ごとに配置した4
台のカメラを用いて全周の映像を撮影し、それらの映像をつなぎ合わせて任意の視野の映像を作り
出します。地図情報との連携も試みています。
医用モデルへの動的テクスチャ投影:医用分野では 3 次元プリンタを用いた医用実体モデルの作成
が積極的に行われています。本研究では、作成された 3 次元実体モデルの情報表示能力の向上を目
的とし、CT、MR 画像から作成される医用実体モデルの表面に、色、材質などの情報を持つテクス
チャを投影し、モデルの持つ形状情報に実物の持つ視覚的情報を付加する研究を進めています。
音声信号処理:音声情報は、人間が情報を取得するための重要な手段のです。本研究では、音声信
号を加工し、人間にわかりやすく提示する手法の開発を行っています。高品位音声合成、音声符号
化、VoIP システムの開発、音声圧縮符号化システムの開発などを中心に研究を進めています.
物理ベース映像表現:CG を用いたリアルな映像表現を追求しています。リアルな映像表現を実現す
るには、物理現象を忠実に再現することが求められます。そこで、流体力学や剛体力学に基づいた
物理シミュレーションによって諸現象のリアルな動きの表現を実現するとともに、光学過程の物理
シミュレーションによってそのリアルな映像化に取り組んでいます。単に数値解析によって映像を
生成するというだけでなく、ユーザの欲しい形状や色となるよう物理パラメータを逆算する研究に
も力を注いでいます。
30
発表番号11
シミュレーションの超解像:流体解析など物理シミュレーションを用いればリアルな映像を表現す
ることができます。しかし、計算コストが非常に高い点が問題となっています。そこで、低解像度
で得られた映像をデータベースを利用して高解像度化(超解像)する研究を行っています。画像と
しての超解像ではなく、3 次元データとして超解像を行う方法を開発しています。
リアルな CG 映像の高速生成:CG を用いたリアルな映像の生成は可能ですが、依然として長い計算
時間がかかります。そこで、GPU を駆使した並列計算を行うことによって、高速に画像生成を行う
手法を開発しています。物体の反射特性など様々な条件をインタラクティブに変更でき、コンピュ
ータゲームだけでなく、商品デザインへの応用も期待できます。
全周動画像配信システム
風きり音生成
医用モデルへのテクスチャ投影
煙のシミュレーション
光跡の高速表示
陰影編集
レンズ設計
仮想試着
シミュレーションの超解像
稲妻の表示
水の触覚
(実写)
(CG)
流体シミュレーションの制御
散乱パラメータ推定
VoIPシステム
指向性スピーカ
研究成果の一部
共同研究に関する 産業界と大学とがより強く結びつき、日本から新しい技術を世界に発信できる
PR
よう高いレベルでの研究を進めています。
31
13:46-13:58
機関名
国立大学法人 北海道大学
研究室名
情報科学研究科 メディアネットワーク専攻 インテリジェント情報通信研
究室
ホームページ
http://w-icl.ist.hokudai.ac.jp
代表者名
大鐘
武雄(准教授)
発表者・連絡先
西村
寿彦(助教)
研究キーワード
大規模 MIMO,FD-MIMO 技術,確率伝搬法,メッシュネットワーク,圧縮センシン
e-mail: [email protected]
グ法,到来方向推定
研究紹介
空間領域信号処理を用いた無線技術の高度化
A.大規模 MIMO,FD-MIMO 技術
MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)システムとは,送信側・受信側双方に複数のアンテナ
素子を置くことで,複数の通信ストリームを同時に扱うことができる高速無線通信を実現する主
要な技術の一つである.次世代無線通信システムの開発に向けて,基地局に 100 素子以上のアン
テナを設置する大規模 MIMO システムは,
さらなる高速化が可能であることから注目を集めている.
また,多数のアンテナ素子を 2 次元的に配置する FD-MIMO システムでは,設置スペースを節約で
きるだけでなく,緻密なユーザ分離を可能にして大規模 MIMO の性能を高めることができる.
当研究室では,図 1 に示すような FD-MIMO システムにおいて屋内での伝搬環境での通信状態に
ついてのシミュレーションや,図 2 に示す確率伝搬法(後述)を適用した大規模 MIMO における信
号検出の検討を行っている.また,後述する高周波数の利用(図 7)も大規模 MIMO を意識したも
のである.
B.確率伝搬法の応用
複数の確率変数の同時分布をグラフ(点(ノード)と辺(エッジ)で構成された数学モデル)
によって表現した際,複数の確率変数の一部のみが観測されたとき,その条件付確率分布から観
測されていない確率変数の値を推論する問題がある.確率伝搬法は,条件付き分布から各確率変
数の周辺分布を求め,確率推論を得る方法である.
当研究室では,前述の大規模 MIMO における信号検出法や SISO システム(送受アンテナが 1 素
子の場合)での信号検出へ確率伝搬法を適用することについて検討を行っている.
C.メッシュネットワーク
隣接する端末同士が相互に通信を行うことにより,網の目(メッシュ)状に形成された通信ネ
ットワークのことである.データは端末同士が転送を繰り返して目的の端末まで運ばれる.端末
は隣と通信できればいいので消費電力が少ない,代替経路が確保しやすいといった利点がある.
当研究室では,図 3 のように無線メッシュネットワークの経路選択について検討を行っている.
D.圧縮センシング法の応用
必要とする未知数の数よりも少ない観測データからは,一般にその未知数を求めることはでき
ないが,未知数の大多数が 0 であるという条件があるとき,その解を正確に得ることが出来る.
圧縮センシング法は,この性質を利用して,観測をできる限り少なくしつつ正確な解を得る方法
32
発表番号4
である.
当研究室では,図 4 に示すような電波の高精度な到来方向推定への応用や,それを利用した到
来波を素波に分割してチャネル予測する方法(図 5),およびレーダシステムにおいて圧縮センシ
ング法を利用した散乱体検出(図 6)について検討を行っている.
E.ミリ波等の高周波数の利用
一般に高い周波数を用いることで,アンテナ素子を小さくすることが出来る.その為,次世代
無線通信システムでは,
ミリ波帯の周波数を用いて大規模 MIMO を実現する方法が提案されている.
しかしながら,素子すべてに送受信機を配置するのは難しい.そこで,図 7 に示すように,部分
的にアナログ回路を用いて使用する送受信機を少なくし,効率良くビーム制御を行う方について
検討している.
図 1.FD-MIMO の概念図
図 2.確率伝搬法で用いるグラフ図 3.メッシュネットワークの経路選択
図4.圧縮センシング法を用いた到来方向推定 図5.到来素波を合成することによるチャネル予測
図6.散乱体検出の概念図
図7.アナログビームフォーマのビーム形成
共同研究に関する 次世代無線通信システムの要素技術に関する研究を行っています.
PR
33
13:34-13:46
機関名
国立大学法人 室蘭工業大学
研究室等
ひと文化系領域 人間・社会ユニット 情報・感性研究室
ホームページ
http://www.muroran-it.ac.jp
代表者名
上村
浩信(准教授)
発表者・連絡先
上村
浩信(准教授) e-mail: [email protected]
研究キーワード
ニオイ ニオイ測定装置 食品 腎疾患
研究紹介
近年さまざまな 事象により 産地の特定 食品の品質を 知ることは、購入者の願いであり
生産者にとって 差別化を図るために重要になりつつあります。そのため、高い信頼性と安全性、
手軽さをもつシステムが求められます。また、病気の検査は、簡易的に、痛みを伴わなく、患部
を露出しない検査方法が望まれます。本研究室では、先に述べたことを具現化するために、ニオ
イを測定することから得られた情報をもとに 携帯型のニオイ測定装置の開発を試みています。
1、食品の産地特定 2、疾患を有する人の呼気情報から疾患を診断できるニオイ測定装置シス
テムの開発。
これまでの実績
1. ニオイセンサを用いた携帯型の食品評価
(紅茶、お茶)
システムの開発
紅茶と日本茶の産地の判別するために そのニオイをニオイ測定装置により判別した。
日本茶の名前
紅茶の名前
図中の円で囲まれた部分が
産地ごとに分かれたものです。左図が紅茶の産地
右側が日本茶の産地です。
Kansei Engineering International Journal
Vol. 10 (2010) No. 2 P 119-124
Evaluation of Food Freshness and Locality by Odor Sensor
34
発表番号3
2.呼気情報からの腎疾患診断支援を目指したニオイ測定装置の開発
システムの構成は、呼気を採取し、カラムを使い
ら
数値解析により 結果が得られます。
ニオイセンサーによって
コンピューターか
カラムとは、物質の大きさや吸着力の違いを利用して物質を成分
ごとに分離する装置メリット:ニオイの情報が整理されるため、
呼気のニオイ情報を正確に捉える事が出来る。
システムの構成
健康!
カラム
呼気
病気!
呼気
ニオイセンサ
疾患者と健常者のセンサーにより得られた波形
患者
健常者
疾患者と健常者を 100%判別できた
腎疾患の人
→
↑
腎疾患のない人
患者のセンサー波形は、健常者に比べ 波形が多く 120 秒以降の成分が多くみられる。
測定時間は、10 分間で測定できる。
呼気情報からの腎疾患診断支援を目指したニオイセンサーシステムについて
日本味と匂学会誌, 19, 3, 489-492, 2012 年
本研究室では、ニオイの情報により
食品(産地特定・品質)
、病気の診断等について判別を行っています。
また、計測場所について測定を素早く行うために、携帯型の装置を開発しています。
共同研究に関する 技術相談等は室蘭工業大学地域連携センターをご活用ください。
PR
35
機関名
国立大学法人 室蘭工業大学
研究室名
電気通信システムユニット 電子システム制御工学研究室
ホームページ
http://www.muroran-it.ac.jp/
代表者名
梶原
研究キーワード
引き込み現象,同期制御,周期入力制御,ロボット制御,振動制御
秀一(しくみ情報系領域/准教授)
研究紹介
1.研究テーマ
周波数引き込み(同期)現象を利用した制御理論構築およびその応用
2.研究の概要
周期解の振幅・位相を目標エネルギー
からの偏差に応じて変調
本研究室ではメカニカルシステムを制御
目標とする振幅や位相を持つ
周期運動を実現
入力
する新しいアプローチとして,制御対象の
制御対象
K
出力
運動に合わせてタイミングよく制御入力を
エネルギー
制御器
加えることでシステムを動的に安定化する
周期入力制御法を構築してきた(図 1)
.
周期解
本手法では周期入力と出力のタイミング
を合わせるために van der Pol 方程式の強制
van der Pol
方程式
制御対象の出力とvan der Pol方程式の
周期解を強制引き込み現象を利用して同期
引き込み現象を利用して制御対象と周期入
力を同期させており,周期入力の振幅や位
図 1:周期入力制御法
相を目標エネルギーからの偏差により変調
することにより目標とする振幅や位相を持
つ周期運動に制御対象を収束させることが可能である.
3.研究成果
本手法により制御可能になった制御システムとして,パラメータ励振系であるブランコ
(図 2),劣駆動系である鉄棒ロボット(図 3)
,バネの弾性エネルギーを効率よく利用した跳躍
を実現するロボットとしてホッピングロボット(図 4)などがある.
受動関節
能動関節
図 2:ブランコの制御
図 3:鉄棒ロボットの制御
図 4:ホッピングロボットの制御
ブランコと重心移動を1:2の
受動関節と能動関節を一定の位相
アームとバネの振動を一定の位相差で同
割合で同期させると制御可能
差で同期させると制御可能
期させると跳躍高を制御可能
36
4.現在の取り組み
構築してきた周期入力制御法は 1 入力系
関節の同期状態を
制御することにより
さまざまな
歩行パターンを生成
にのみ適用可能であった.現在は,周期入力
制御法を多入力多出力系の同期制御法へと
拡張し,多数の質点やバネで構成される振動
系(多自由度振動系)の制御法として確立す
ることを目指している.具体的な例として図
5 に示すような多足歩行ロボットや蛇型ロボ 図 5:多足歩行ロボットの歩行パターン制御
ットなど多数の関節を協調させて動かす必要
脚の弾性を
効率よく利用して
高速走行を実現
があるロボット制御に本手法を適用すること
により,これまでの手法よりも容易に運動軌
ホッピングロボット制御
+
歩行パターン制御
| |
4足走行ロボットを実現
道生成が可能になる.さらに,図 6 に示すよ
うに脚に弾性を持つ 4 足走行ロボットの制御
に利用することにより,弾性エネルギーを効
率よく利用した走行が可能となり,小型でエ
図 6:4 足歩行ロボットの走行制御
ネルギー消費が少なく長距離移動が可能で,
動物のように柔軟で高速な走行が実現できる.
制振
装置
5.今後の発展
周期入力制御によりエネルギーが制御された
風
制振
装置
制御系(周期入力制御系)は自励振動系と同じ
複数の小型制振装置
を協調して動作させる
ことにより構造物の
振動を制御
数理構造を持つため,周期入力制御系を複数結
合すると各システムのエネルギーを制御しなが
制振
装置
ら同期パターンも制御できる.このことを応用
すると,図 7 に示すような構造物の弾性特性を
地震
巧みに利用して少ないエネルギーで振動を抑制
する振動制御や図 8 に示すような自励振動を利
図 7:構造物の振動制御
用した発電システムの開発および複数の自励振
動型発電システムの系統連係制御などに応用で
風力・水力など
自励振動型
発電機
自励振動型
発電機
きると考えている.
自励振動型
発電機
自励振動型
発電機
小型自励振動型発電機を
協調させて発電することにより
効率よく発電
図 8:自励振動型発電機
共同研究に関する 振動を抑制するのではなく,巧みに利用すれば効率よくシステムを制御でき
PR
ます.ロボット制御だけでなく振動制御に関してもお問い合わせください.
37
13:10-13:22
機関名
独立行政法人国立高等専門学校機構
旭川工業高等専門学校
研究室
システム制御情報工学科 以後研究室
ホームページ
http://www.asahikawa-nct.ac.jp
代表者名
以後
直樹(助教)
発表者・連絡先
以後
直樹(助教)
研究キーワード
ロボット、VR、画像処理、遠隔制御
e-mail: [email protected]
研究紹介
1
人間のジェスチャ認識とジェスチャを用いた入力インタフェース
人間が容易に近づくことが難しい災害現場等において、今まで以上にロボット等が、人間に代
わって活躍することが期待されています。しかし、災害現場等では、予想外の事態が起こる可能
性が高く、ロボットの知能に全てを任せて作業を行わせることは、難しい状況にあります。その
ため、ロボットの制御には、まだまだ人間によるコントロールが必要となります。ロボットの手
や腕には、多くの関節があるため、ゲームのコントローラのような操作端末を用いて操作するこ
とが大変難しくなっています。
操作者の身振り手振り(ジェスチャ)をロボットのコントロールに用いることで、ロボットの
手や腕を操作者と同じように動かくことが可能となります。そうすることにより、難しい操作を
必要としないため、素人でも操作することが可能となります。そのため、人間のジェスチャを認
識する方法や得られたジェスチャを操作対象機器への入力への変換に関する研究を行っていま
す。ジェスチャの認識には、カメラや赤外線深度センサを用いることで、非接触で測定すること
できます。また、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)に見えている仮想空間での物体操作にも
応用することが可能であり、エンターテイメントやシミュレータ等への利用も可能となっていま
す。
図 1 ジェスチャ認識システムの例
図 2 HMD で見える仮想空間
38
発表番号1
2
手の動きを計測する装置の試作
指は、人間の中でも最も繊細に動くことが可能な部位の一つです。指の動き(曲げ延ばした関
節の角度)の測定したデータは、様々な分野への応用が期待されます。例えば、遠隔制御ロボッ
トの制御、遠隔手術等への応用が考えられます。また、家庭用ゲーム機のコントローラや PC の操
作にも利用することが可能です。現在、指の動きを測定可能な装置として、データグローブと呼
ばれるものが市販されています。しかし、市販されているデータグローブは、数百万円するもの
もあり、気軽に使える装置ではありません。そこで、数万円のオーダで作成することを目指して
研究を行っています。
図 3 データグローブ
3
図 4 データグローブを用いた指の曲げ検出
シングルボード PC を用いた画像取得装置と画像解析
Raspberry Pi や BeagleBone に代表されるシングルボード PC と呼ばれる数千円程度で購入で
きる PC が発売されています。これらのシングルボード PC に専用カメラや Web カメラ等の安価
なカメラを接続することで、安価な画像取得装置を作成することができます。また、インターネ
ットにも容易に接続することが可能であるため、複数台をネットワーク化することで、遠隔地か
らまとめ管理することが可能となります。既存の監視カメラでもこのようなことは可能ですが、
それよりも安価にシステム構築することが可能となって
います。安価な画像取得装置の作成と得られる画像の解析
に関する研究を行っています。
特に、北海道は、広大な土地での農業が行われています。
例えば、作物の育成状態や家畜の健康状態を自宅や携帯電
話から 24 時間好きな時に画像やライブ映像を確認するシ
ステムを安価に実現することが可能となります。また、画
像解析を用いることで、作物の成育状況を数値データとし
て得ることができ、数値データによる農作物の管理が可能と
なります。
共同研究に関する 技術相談等は、お気軽にご連絡下さい。
PR
39
カメラ
図 5 シングルボード PC を
用いた画像取得装置
16:05-16:17
機関名
独立行政法人国立高等専門学校機構
旭川工業高等専門学校
研究室等
電気情報工学科 嶋田研究室
ホームページ
http://www.asahikawa-nct.ac.jp
代表者名
嶋田
鉄兵(助教)
発表者・連絡先
嶋田
鉄兵(助教)
研究キーワード
オープンデータ,LOD / Linked Data,データベース
e-mail: [email protected]
研究紹介
当研究室は,情報処理(データの整理と加工)を主題として研究開発を行っております。
◎ オープンデータ
オープンデータは,自由な使用が認められ,かつ再利用・再配布可能なデータです。使用時の
制限としては,データ作成者のクレジット(CC-BY)を残すなどの小さなものに留められます。
現在,全国の自治体や企業・団体が整備・公開を進めており,道内でも道庁や室蘭市・函館市・
森町・八雲町,北海道総合通信局(総務省)でデータの公開が行われています。
当研究室ではオープンデータについて,その作成や利活用に関する研究開発を行っております。
1.オープンデータをつくる
オープンデータの作成に当たっては,コンピュータプログラムによって機械的に処理しやすい
形式で作成されることが望まれています(例:CSV,XML,JSON,RDF データモデル)
。
当研究室では,特に Web 上の他のデータとリンクで結びつける Linked Data(Linked Open
Data:LOD)の考え方に基づき,データ項目あるいはレコードの単位で Linked Data を作成する
ためのプラットフォームの開発を行っております。
データ D
他のデータへのリンク
(リンクなし)
データ B
個別に検索・取得作業が必要
データ A
リンク
LOD
データ C
データ E
(異なるデータ形式)
リンクで結びつけられた
検索・取得作業と
データ形式に応じた処理が
必要
データ群を必要分取得し
利用することが可能
利用者
図 1 LOD (Linked Open Data) の概念
40
発表番号14
2.オープンデータをつかう
オープンデータの活用面では,単独あるいは複数のデータを組み合わせ,利用者が分かりやす
い形で可視化することが求められています。その処理方法としては,従来のようにデータベース
にデータを蓄積して処理する方法のほか,Linked Data の場合は Web 上に置かれているデータを
直接利用する(Web 空間を一種のデータベースと見立てる(データの Web))方法があります。
当研究室では,Web 上に公開されたオープンデータを利用したシステムやアプリケーションの
構築を中心に研究開発を進めております。
(a) データベース形式(北海道「道内自治体における ICT 利活用事業一覧表」より)
(b) 地図形式(国土数値情報(国土交通省)より)
図 2 オープンデータの使用例
共同研究に関する オープンデータの整備・活用,ならびにデータベース整備に関するご相談を
PR
お受けいたします。
41
14:37-14:49
機関名
独立行政法人国立高等専門学校機構
釧路工業高等専門学校
研究室
知識情報処理分野(天元宏研究室・鈴木未央研究室)
ホームページ
https://www.kushiro-ct.ac.jp/info/staff/tenmo(天元宏研究室)
https://www.kushiro-ct.ac.jp/info/staff/mio(鈴木未央研究室)
代表者名
天元
宏(准教授)
発表者・連絡先
鈴木
未央(助教)
研究キーワード
統計的パターン認識・強化学習・ソフトコンピューティング・多変量解析
e-mail: [email protected]
研究紹介
統計的パターン認識の基礎分野(天元研究室)
大規模データを解析し、その背後に潜む規則
性(法則)を発見するアルゴリズムを構築し
ています。ある種の物事に共通し、かつ、他
の物事とは異なる特徴を検出する方法につ
いて研究しています。犯罪プロファイリング
をコンピューターのソフトウェアで実現す
る様なイメージになります。機械学習やデー
タサイエンスとも呼ばれている分野です。
統計的パターン認識の応用分野(天元研究室)
統計的パターン認識の基礎アルゴリズムを、現実の様々な問題に適用します。画像や文書(自然言
語処理)、ウェブ等を対象としています。画像認識では、画像処理部ではなく、画像の分類規則の
自動獲得に重点を置いた研究を行っています。(下の個々の画像は Caltech256 より引用)
強化学習分野(天元研究室)
エージェント(仮想ロボット)が仮想空間で試行錯誤を繰り返す
ことにより、適切な行動規則や言語まで自律的に獲得するアル
ゴリズムを構築する研究を行っています。
連絡先:釧路工業高等専門学校 情報工学科 准教授 天元 宏
e-mail:[email protected]
42
発表番号8
あいまいな情報をコンピュータで扱う手法の実現(鈴木研究室)
人間が扱うあいまいな情報,数値で表しにくい情報をコンピュータと人間が対話することによ
って取り扱う手法を研究しています.
ここでの「あいまいな情報」というのは,わたしたち人間の何かに対する好みや印象,説明で
きないような感覚,わたしたちが普段使っている言葉などのことを言います.このような,あい
まいな情報をコンピュータで取り扱うために,ファジィ理論,ニューラルネットワーク,遺伝的
アルゴリズムといったソフトコンピューティングと呼ばれる技術や多変量解析手法を用いて,あ
いまいな情報を数値で表せるようにします.
さらに,あいまいな情報は人によって異なるという性質があります.例えば,A さんと B さん
が同じ衣服を見て「かわいい」と感じたとき,その衣服に対して A さんが「かわいい」と感じた
ポイントと,B さんが「かわいい」と感じたポイントは,同じとは限りません.これは,人によ
って衣服のどこを「かわいい」と感じるかが違っているからです.人によって異なる情報に対応
するために,人間とコンピュータで対話を行います.初対面の人同士が会話をして,お互いを知
っていくのと同じように,人間とコンピュータが対話することで,コンピュータが人間(ユーザ)
の特徴を知ることで,あいまいな情報の人による違いに対応することができます.
コンピュータであいまいな情報を取り扱えるようにすることで,
・検索システムや推薦システムで,ユーザに合わせた出力ができる
・コンピュータで,人間同士のコミュニケーションの手助けができる
ことが期待できます.
連絡先:釧路工業高等専門学校 情報工学科 助教 鈴木未央
e-mail:[email protected]
共同研究に関する ○パターン認識システムの開発に関する技術相談と情報提供(天元)
PR
○ユーザの好みや振る舞いの傾向の分析,その結果を利用した検索・推薦シ
ステムの構築(鈴木)
43
機関名
独立行政法人国立高等専門学校機構
研究室等
教育研究支援センター
ホームページ
http://www.kushiro-ct.ac.jp
代表者名
村上
誠一(技術長)
発表者・連絡先
村上
誠一(技術長) e-mail:[email protected]
高坂
宜宏(副技術長) e-mail:[email protected]
研究キーワード
釧路工業高等専門学校
ネットワーク・認証・校内 LAN・アンケート
研究紹介
1.「校内 LAN と統合認証システム」について
高専機構は平成 24 年より統合認証システムを導入、従来各高専独自に構築・運用していた校内
認証基盤を統一し、全国 51 高専の利用者情報の一元管理と効率化を図っている。
この認証システムは、校内認証サーバと高専機構データセンター間で利用者情報を同期してお
り、ユーザがパスワードを変更した場合等一定時間をおいてデータセンターの情報が更新される。
校内の認証に必要な利用者情報は、連携配信システムにより直ちに更新される仕組となっている。
釧路高専では、様々な環境においてセキュリティを確保するため統合認証システムを有効に活
用しネットワークの構築に取り組んでおります。以下に主な内容を示す。
(1) 高専共通システムの認証(共通認証)
(高専機構が管理する共通システムを高専教職員が利用する時に必要な認証)
財務会計システム・旅費システム・ファイル共有システム・WEB 給与明細システム
(2) 校内ネットワークサービスの認証(LDAP 認証)
(校内の学生・教職員がネットワークサービスを利用する時に必要な認証)
メールの認証:メールの受信(IMAP および POP)に必要
プロキシ認証:外部ネットワークを利用する時に必要
WEB 認証:アクセス制限のある校内 WEB サーバを利用する時に必要
ファイルサーバの認証:samba ドメインにログインする時にに必要
(3) 無線 LAN の認証(Radius 認証)
(校内の教職員が無線 LAN を利用する時に必要な認証)
(4) 図書館ホールでの認証(Active Directory+Xen Desktop+ゼロクライアント)
(校内の学生が公共スペース環境で自立学習システムを利用する時に必要な認証)
(5) 寄宿舎での認証(Radius 認証+Web 認証+MacAddress 認証+Access defender)
(寄宿舎の学生がネットワークを利用する時に必要な認証)
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------連絡先:釧路工業高等専門学校 教育研究支援センター 技術長 村上誠一
電話:0154-57-7390
e-mail:[email protected]
44
2.「校内 LAN 提出書類システム」について
釧路高専では、校内 LAN が整備された 13 年ほど前より校内 LAN を使用して書類を
提出するシステムの構築を始めた。内容は次の図 2-1 のとおりである。
図 2-1:システム一覧
今回、その中から「授業評価アンケート・ステップアップ提案書システム」について紹介する。
この「授業評価アンケート」は、
「教員科目データ」と「学生履修一覧データ」より個々の学生
に該当する教員と科目を抽出し、学生ごとの回答ページを自動作成し、アンケートに回答しても
らうシステムである。
特徴としては、二重回答が無いようにブラウザの「戻る」ボタンを無効にしたり、図 2-2 のように
全てを回答していない状態で保存を選択すると、無回答欄を「赤色」で表示するなどして、回答
漏れのないようにしている。また、アンケート回答済みの学生がクラスごとに一覧で表示するペ
ージがあり、教員が未回答の学生を把握できるようになっている。
また、教員側にもほぼ同じような内容でアンケートをおこなっている。
アンケートの結果は学生側の「授業評価アンケート」と教員側のアンケートを合わせて、
「ステップアップ提案書」として、図 2-3 のように教科ごとにグラフ化して表示され、学生の結果
と教員側の結果を総合して閲覧することができる。
(なお、図 2-2 および図 2-3 は架空の教科名でありアンケート例である。)
図 2-2:アンケート画面
図 2-3:ステップアップ提案書
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------連絡先:釧路工業高等専門学校 教育研究支援センター 副技術長 高坂宜宏
電話:0154-57-7362
e-mail:[email protected]
共同研究に関する データベース閲覧システム・情報掲示システムなど。
PR
45
機関名
独立行政法人国立高等専門学校機構
釧路工業高等専門学校
研究室
信号情報処理分野(浅水研究室・山田研究室)
ホームページ
http://www.kushiro-ct.ac.jp/asamizu
代表者名
浅水
研究キーワード
信号処理、画像処理、機械学習
仁(電子工学科 教授)
音楽情報処理、音楽・音声信号処理、音響分析
研究紹介
足跡を用いた男女識別
研究内容
→ 概 要
• 足跡から男女の識別を行う安価なシステムの実現
• 特徴量として足長,足幅及び足跡面積から算出
• 識別手法には,SVMを用いて男女識別
• 実験より約90%の識別率を確認
• 収集した足跡の画像のみから男女の別を顔や
全身が含まれる映像を取得する必要がない
→ 個人を特定しにくい
センサマット出力時系列画像
time
→ センサマット
重畳画像
抽出
足長
1cm
足跡面積
1cm
足幅
センサマットを用いた
足跡画像の取得
センサマットから出力される時系列画像からの
特徴量の算出方法
→ 識別方法
→ 識別率
▶男女を識別する特徴量は“足長,足幅,足跡面積”
各特徴量を用いた男女識別率
→ 足長,足幅:足の大きさ
→ 足跡面積: 靴の種別
▶特徴量からSupport Vector Machine(SVM)を用いて
男女を識別
特徴量
識別率 [%]
SVM
足長 + 足幅
平均値
81.0
89.0
足長+足幅+足跡面積
85.5
92.0
連絡先: 釧路工業高等専門学校 電子工学科 教授 浅水 仁
e-mail: [email protected]
46
音を分析する
私達の研究室では,音の分析をしています。特に音楽に使用する楽器音の分析が中心です。
通常の部屋で録音すると,部屋の反射音が分析の障害になるため,反射のない「無響室」で
音を録音します。無響室の大きさは 4.3m×3.8m
(高さ 1.9m)で,吸収率は最大 90%(周波数 300
~500Hz)のです。
現在,取り組んでいる研究のひとつは「楽器の
発音タイミングの分析」です。フルートやトラン
ペットなど管楽器の演奏をリアルタイムで分析
することで,リズム練習に役立てるシステムを開
発するのが目的です。音の周波数成分の時間的な
変化を調べることで音が始まった瞬間を知るこ
とができますが,楽器によって,また同じ楽器で
も音域や奏法によって音響的な特徴が違うため,
無響室
そういった差異も扱える方法を研究しています。
楽器音に限らず,音響信号分析に関する共同研究のご依頼があれば,積極的に検討させて
いただきますのでご連絡ください。
連絡先: 釧路高専 電子工学科 准教授 山田昌尚
e-mail: [email protected]
楽器音の発音分析
共同研究に関する ○画像処理や信号処理に関する技術相談
PR
(浅水)
○無響室を使った録音。楽器音等の音響分析。(山田)
47
15:50-16:05
機関名
公益財団法人 函館地域産業振興財団(北海道立工業技術センター)
研究室等
研究開発部ものづくり技術支援グループ
ホームページ
http://www.techakodate.or.jp
代表者名
下野
功(ものづくり技術支援グループリーダー/研究主幹)
発表者・連絡先
村田
政隆(研究主任) e-mail: [email protected]
研究キーワード
機械電子技術、装置技術、工業材料、食品技術、バイオテクノロジー
技術相談、技術研修、共同研究、試験分析、開放機器、資金供給、販路開拓
機関の紹介
北海道立工業技術センターは、北海道・函館市・北斗市及び七飯町等の支援を受ける公益財団
法人函館地域産業振興財団が管理運営を行う公設民営の試験研究機関です。当財団は、道立の試
験研究機関としての機能と、当財団独自の支援機能や事業メニューを効率的・効果的に活用し、
地域の産業支援機関として、地域企業活動の支援等を行っています。
資金供給
人材育成
研究開発
技術研修
技術支援
北海道立
機器・設備
工業技術センター
公益財団法人
函館地域産業振興財団
販路開拓
情報提供
相談窓口
インキュベート
試験分析
技術相談
1.研究開発
機械電子技術・装置技術・工業材料・食品技術・バイオテクノロジー技術等の各分野で、地
域に根ざした研究開発を行います。
2.技術支援
(1)技術相談:工業分野を中心に、比較的幅広いご相談に対応します。
(無料)
(2)技術研修:外部講師や担当研究職員による研修会を行います。(現在無料)
(3)受託共同研究:企業等が抱える課題解決に向け、受託または共同で研究開発します。
(有料)
(4)試験分析:材料試験や食品の品質評価等、機器設備を使用した分析を行います。(有料)
(5)機器・設備の開放:各種機器・設備を開放しています。(有料)
開放機器・設備の一例
48
発表番号13
プリント基板作成装置
光造形システム
オシロスコープ
ロジックアナライザ
雑音許容度試験機
静電気許容度試験機
3.情報提供
工業技術に関する専門書や JIS 文献などを図書資料室で一般開放しています。
(無料)
また、以下の情報提供も行っております。
(1)業務報告書(毎年発行)
:当財団の業務内容をまとめています。
(2)研究報告 (隔年発行)
:工業技術センターでの研究成果の一部を掲載しています。
(3)北海道立工業技術センター研究成果発表会(1回/年)
:
オリジナル研究や企業との共同研究成果等を発表会形式で公表しております。
(4)HITEC ニュース(4回/年)
:現在はホームページ上で適宜情報を公開しております。
(5)パンフレット
:当財団と工業技術センターの概要をまとめています。
4.連携・交流
当財団では、インキュベータ機能等を備えた函館市の施設である函館市産業支援センターの管
理運営も行っている他、産学官連携事業の推進、異業種交流会への参加等、積極的に企業や大学
等学術機関・試験研究機関との連携・交流を深め、地域企業の支援に努めております。
共同研究に関する 技術相談では即答、調査後の回答、他機関紹介だけではなく、共同研究に発
PR
展して課題解決を図ることもございます。財団機能も活用しながら、サポー
トさせて頂きますので、まずはお気軽にご相談下さい。
49
機関名
公益財団法人 函館地域産業振興財団(北海道立工業技術センター)
研究室等
研究開発部ものづくり技術支援グループ
ホームページ
http://www.techakodate.or.jp/center
代表者名(役職)
下野
功(ものづくり技術支援グループリーダー/研究主幹)
発表者・連絡先
村田
政隆(研究主任) e-mail: [email protected]
研究キーワード
計測・制御、電気電子、機械工学、精密測定、流体工学、セラミック材料、
電子材料、材料物性、薄膜、電波暗室、三次元計測機、蛍光X線分析など
研究紹介
当グループの所属研究職員は 4 名ですが、他グループとも連携しながら、情報通信等も含む幅
広い分野において、ものづくりを支援するグループです。
1
組織図
ものづくり技術支援グループ
研究開発部
機械、電子、無機材料を中心とした技術によるものづくり支援
応用技術支援グループ
真空、薄膜、高分子、熱応用を中心とした技術の多方面への応用を支援
食産業技術支援グループ
食品技術、バイオテクノロジーを中心とした技術による総合支援
2
研究シーズ
当グループの研究シーズには、計測・制御、電気電子工学、機械工学、精密測定、流体工学、
セラミック材料、電子材料、材料物性、薄膜等があります。
また、専門設備としては、電波暗室、プリント基板作製装置、オシロスコープ、光造形システ
ム、ロジックアナライザ、三次元計測機、表面粗さ・輪郭形状測定機、蛍光X線分析、走査電子
顕微鏡、X 線回折、蛍光分光分析装置などがございます。
次頁に所属研究職員の研究シーズとして、近年実施した研究開発事例を示します。
※情報通信分野については、
「情報通信の研究(シーズ)紹介」シートに記載しています。
50
海獣忌避装置の音質制御技術に関する検討
水素吸蔵合金アクチュエータを用いた
太陽追尾システム開発を目指した基礎試験
アザラシ等の海獣による定置網漁の被害低減を目的に、イル
カ向け等の既存忌避装置の音源を利用して、簡便に音質を制御
する手法等による忌避装置の研究開発を行っています。
太陽光発電において太陽追尾すると発電量は増加します。
本研究では、追尾機構駆動源に水素吸蔵合金アクチュエータを
適用できるかについて基礎的検討を行いました。
試験前騒音(暗騒音) [dB]
70
遮光板
65
B-MH容器
A-MH容器
60
SB-0e
55
SAe
50
水素放出
タンク
SB-9e
45
40
0.00
0.50
1.00
1.50
2.00
2.50
3.00
圧力センサ
客観的評価
実験の状況
実験結果例
試験装置例
関連機関:(株)仁光電機(函館市)
,東京農業大学
~ H26-H27 地域のものづくり産業強化対策事業 ~
~ H24-H25 JST・A-STEP 事業 ~
村田政隆
松村一弘
水産物の鮮度評価技術
ホタテ貝殻から高機能材料の創製
水産物の短期間冷蔵品に対する鮮度評価技術の構築を目的
として、蛍光分光分析による迅速な非破壊品質評価について研
究開発を行っています。
ホタテ貝殻(水産系副産物・廃棄物)から、光る素材(カル
シウム剤)を創製し、これをサプリメント・医薬品用識別剤と
して応用するための研究開発に取組んでいます。
1
最終素材
0.5
50
K値 (%)
蛍光測定装置
蛍光強度 (a.u.)
蛍光強度 (a.u.)
中間素材
NADH
0.5
K値
0
400
0
450
500
550
波長 (nm)
600
ホタルイカの蛍光スペクトル
0
0
20
鮮度測定実験
~ H21-H25 函館マリンバイオクラスター事業~
3
原料
100
1
40
60
保存時間 (h)
80
光るホタテ貝殻の発見
サプリメント・医薬品用識別剤としての応用提
鮮度評価
菅原智明
~ H21-H25 函館マリンバイオクラスター事業ほか ~
下野功
平成 27 年度実施の研究課題
No.
研究課題
取組期間
1
自律駆動型太陽追尾システムに関する研究
H26-28
2
水環境における光応用技術の産業利用に関する研究
H25-27
3
高誘電材料の作製プロセスに関する研究
H27-29
4
海獣忌避技術の産業化
H27-28
5
可視光通信モジュールの品質保証にかかわる標準校正機の試作開発
H26-27
6
省エネタイプ無機ELパネルの先進的製造技術の開発
H26-27
7
乳牛遠隔看視のための反芻モニタリング機器の実用化開発
H26-27
8
高輝度 EL の試作研究
H26-27
9
防水耐圧樹脂の物性評価
H27
10
道南地域の水産系副産物を用いた大量使用型製品の高付加価値化に関する研究
H25-H27
11
水産作業省力化等技術開発
H25-H27
12
海獣忌避装置の音質制御技術に関する検討
H26-H27
13
魚類のストレスの見える化:可視光通信技術を用いたバイオセンシングシステムの創出
H26-H28
共同研究に関する 当センターの研究職員は、機械系・電気電子系・材料系・食品系等、専門分
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野は様々です。古い設備・機器も多いですが、まずはお気軽にご相談下さい。
51
機関名
公益財団法人 函館地域産業振興財団(北海道立工業技術センター)
研究室等
研究開発部ものづくり技術支援グループ
ホームページ
http://www.techakodate.or.jp/center
代表者名
下野
功(ものづくり技術支援グループリーダー/研究主幹)
発表者・連絡先
村田
政隆(研究主任) e-mail: [email protected]
研究キーワード
微弱電波、ZigBee、可視光通信、PIC マイコン、水、海、計測・制御、
LabVIEW、電波暗室、プリント基板作成装置、オシロスコープ
研究紹介
当グループの発表者が携わった情報通信にかかわる研究開発事例をご紹介します。
1.魚の健康診断の研究開発(関連機関:東京海洋大学,H20~
)
水産養殖業界では魚の生理学的状態に関する情報が重要にな
バイオセンサ
っています。本研究は、東京海洋大学がグルコース等を測定す
るバイオセンサーを研究開発しながら、遊泳状態の魚の生理学
情報をリアルタイムに収集する取り組みを行っております。
当グループでは、本システムのうち、水中にあるセンサの情
報を電波や可視光を用いたワイヤレス通信により収集する機能
淡水魚用送信機
バイオセンサーシステム
について担当し、研究開発を進めています。
2.海中広視野画像システムの研究開発(関連機関:はこだて未来大学,H21~H25)
水産業や海洋土木の分野では、海中の様子を確認できる画像
が極めて重要な情報源です。そして、可能な限り広い範囲を 1
枚の画像として撮影する技術が必要とされていました。そこで、
はこだて未来大学では、2 台のカメラの画像を信号処理して 1
枚の画像にする海中広視野画像システム(zeta-vision)を開発
zeta-vision 取得画像
しました。当グループでは、ケーブル長 50m での伝送系の確認 (函館マリンバイオクラスター)
や、システム機能確認・実証実験等で携わりました。
3.夜間巡視支援システムの研究開発(H25)
少子高齢化が進む中、限られた医療従事者が今後益々多くの
患者に対応しなければならず、相対的に今以上の業務負荷がか
かることが予想されます。また、医療訴訟の観点から、業務上
の管理情報は多くなるとも考えられます。そこで、夜間使用す
る懐中電灯に可視光通信機能を具備し、通常業務を損なわずに、
巡視情報を記録する簡易システムの研究開発を行いました。
52
システム外観
(JST A-STEP)
4.投込式水温水深計(dXBT)の研究開発
(関連機関:(株)エスイーシー,北大院水,道総研・工業試験場,H22~H23)
地球環境の長期変動評価や海底調査に用いるソナーの校正
には、海水温の鉛直分布状況の測定が非常に重要です。移動
中の船から海洋へ投下して使用する投込式水温水深計
(XBT)は、1960 年代にアメリカで開発され、現在の海洋観
測に必要不可欠ですが、深海対応や高速船対応、センサの高
精度化が求められています。そこで、デジタル信号センサを
用い、水深 1,000m 以深への対応、20 ノット(37.0km/h)航
投込式水温水深計
dXBT
行の高速船からの利用を実現する、デジタル XBT(dXBT)に
ついて研究開発しました。現状では、女性ひとりでの操作を
可能とする軽量化をも図りました。
5.牛の健康管理システムの研究開発
(関連機関:(株)グリーン&ライフ・イノベーション,H25~)
酪農業界における乳牛管理では、牛の健康状態を把握する
ことが重要です。現在、様々な牛の健康管理システムが研究
開発・事業化されていますが、海外製品も多く、事業規模の
小さな酪農家の方では、操作性・管理性・コスト性等の面で
導入が難しい現状があります。そこで、本研究開発では牛の
反芻(はんすう)行動に着目しながら、様々な行動情報をモ
ニタリングする比較的容易なワイヤレスセンサネットワーク
反芻モニタリング用
センサモジュール
システムの構築を目指しています。
6.可視光通信技術の研究開発 ~ 電動車椅子ユーザインタフェイス開発,校正技術の研究開発
(関連機関:(株)コムテック 2000,はこだて未来大,H25~)
可視光通信とは、人の目に見える波長の光を使用した無線
通信のことです。電波に比べて、スポット性が高くセキュリ
ティ性に優れ、電磁ノイズの影響が少ないことから医療用機
器での利用やモータ等の電磁ノイズ源が多い環境でも利用し
やすい通信技術です。本研究開発では、電動車椅子への可視
光通信の適用技術や、通信の校正技術等について実験的検証
等を行っています。
可視光通信による電動車椅子制御
共同研究に関する 当センターには、情報通信技術を専門とする研究職員はいないのですが、何
PR
かしらの形でサポートできることがあるかもしれません。まずはお気軽にご
相談下さい。
53
15:35-15:50
機関名
地方独立行政法人 北海道立総合研究機構
研究室等
産業技術研究本部工業試験場
ホームページ
http://www.hro.or.jp/list/industrial/research/iri
代表者名
蓑嶋
裕典(産業技術研究本部長兼工業試験場長)
発表者
飯島
俊匡(研究主任) e-mail: [email protected]
研究キーワード
技術支援、技術者養成、技術情報提供、連携・交流
研究紹介
当場は、本道地場産業の高度化及び新しい産業や技術分野創出を促進するため、試験研究や技
術指導などの技術支援に取り組んでいます。試験研究の成果をはじめ、技術開発派遣指導などの
各種支援事業を積極的にご活用ください。
1
研究開発
中小企業等のニーズを把握し、産学官や民間等との共同研究をはじめ、情報通信・エレクト
ロニクス・メカトロニクス、環境・エネルギー、材料及び製品・生産技術などの試験研究を行
っています。近年は、工業技術による一次産業の生産性の向上を図る研究にも力を注いでいま
す。
2
技術支援
(1)工業技術の相談
中小企業等の新製品・新技術の開発や技術的な課題など各種の相談に応じています。
(2)技術指導
中小企業等が抱える技術的課題の解決を図るため、技術者の受け入れ等による指導を随時行っ
ています。
(3)講師派遣・研究成果、知見の提供
中小企業、各種団体等の要請に応じて、セミナーや講演会等の講師として、当場研究員を派遣
することができます。 また、当場の研究成果や知見を広報誌等に提供することもできます。
(4)技術開発派遣指導
新製品や新技術の開発などを支援するために、中小企業等に研究職員を中長期間にわたり有料
で派遣します。
54
発表番号12
(5)依頼試験分析
中小企業等の依頼による試験・分析・測定などを有料で行っています。
(6)設備使用
各種の設備や加工機械、測定機器、検査機器などを有料で開放しています。
3
技術者養成
中小企業等の技術者を対象に、技術研修や研修生の受け入れ、また道内中小企業等の自動車関
連産業への参入促進のための研修事業等を行っています。さらに、企業化支援の「技術開発型イ
ンキュベーション事業」を行っています。
4
技術情報提供
工業技術に関する専門図書を一般開放しています。
また、工業試験場報告書、技術支援成果事例集、事業のあらましを発行しています。
5
連携・交流
大学及び研究機関等との情報交換・交流を行うとともに、産学官連携プロジェクトの立案、調
整、 研究推進に取り組むほか、経営支援機関等と連携して企業などの事業化・実用化を支援し
ています。
共同研究に関する
PR
共同研究により創出された発明等に係る権利は、道総研と共同研究者との
共有となります。
これらの権利を実施する場合は、道総研の持分に応じた実施料をお支払い
いただきます。
55
機関名
地方独立行政法人 北海道立総合研究機構
研究室等
産業技術研究本部 工業試験場 情報システム部
ホームページ
http://www.hro.or.jp/list/industrial/research/iri/organization
代表者名
吉川
毅(産業技術研究本部工業試験場情報システム部長)
発表者
飯島
俊匡(研究主任) e-mail: [email protected]
研究キーワー 画像計測、光計測、音計測、電磁波計測・評価、情報通信、ソフトウェア、
デジタル回路設計、機械設計・制御、3次元CAD・シミュレーション
ド
研究紹介
当部は、計測・情報技術グループ(情報通信・計測情報)と電子・機械システムグループ(電子
システム・機械システム)から構成されています。ICT、エレクトロニクス、メカトロニクス等
の要素技術を保有し、企業・機関の皆様と「システム系ものづくり」を中心とした研究開発と技術
支援に取り組んでいます。
1
組織図
画像処理、光計測、音計測
計測・情報技術G
電磁波計測・評価
情報通信、ソフトウェア
情報システム部
デジタル回路設計
電子・機械システムG
機械設計・制御
3次元CAD・シミュレーション
2
研究シーズ
デフレクトメトリ技術を用いた鏡面検査手法の開発 分光イメージング・光干渉計測技術の研究開発
食品等に混入した異物の検出や、非破壊での品質評価を行う
題名(HG丸ゴシックM-PRO,26-36pt,Bold)
スクリーンに表示したパターン画像を対象物に投影し、鏡面
による反射を撮影して得られたカメラ画像から表面状態を取得
するデフレクトメトリ技術を用いて、鏡面を持つ対象物に対し
て外観検査を行う手法の開発に取り組みました。
ための分光イメージング技術の開発に取り組んでいます。また、
内部の検査を可能にする光干渉断層撮像技術の研究も進めてい
ます。
センサの構造
多眼式分光イメージングセンサ
デフレクトメトリ技術の原理
鏡面の外観画像(左)
欠陥検出結果(右)
試作した自動車パネル
表面検査装置
分光イメージング試作機
(可視光・近赤外領域)
協力機関:ドイツ・フラウンホーファー研究機構IOSB研究所
56
高速分光イメージングシステム
(開発中)
光干渉断層撮像技術(OCT)の
光学系の試作
テラヘルツ波を用いた
簡易計測技術に関する基礎研究
画像照合を用いたカメラ画像の補正・較正
0.1~10THzの電磁波(テラヘルツ波)は光と電波の中間の性質
を持ち、新しい計測技術への応用が期待されています。
工業試験場ではテラヘルツ波FT-IRを用い、魚油などを対象に食
品中の微量成分や品質変化を計測する研究を行っています。
題名(HG丸ゴシックM-PRO,26-36pt,Bold)
画像センサによる計測やステレオビジョンセンサで必要となる、
レンズによる画像歪みの補正やイメージセンサの取付状況に応
じた較正を、画像照合技術と周期構造を持つテストパターンを
用いて簡便に行う手法を開発しました。
補正前
輝度画像
遠
脂肪酸のTHz帯吸光度
補正後
量子化学計算との比較
作成したテストパターン
協力機関:京都大学大学院農学研究科
北海道大学大学院水産科学研究院
3
距離画像
テストパターンを用いた歪み補正
ステレオ画像処理の例
平成27年度実施の研究課題
研究課題
取組期間
担当グループ
ICTを活用した高齢者見守り・健康支援システムの開発
H27-31
計測・情報 G
道産コンブの生産安定化に関する研究
H25-28
電子・機械 G
H25-27
計測・情報 G
樹木内部欠陥を非破壊測定する装置の開発
H27-29
計測・情報 G
テラヘルツ波を用いた簡易計測技術に関する基礎研究
H26-27
計測・情報 G
独立成分分析を用いた計測信号の分離・抽出処理に関する研究
H26-27
計測・情報 G
電磁波を用いた凍結検知技術に関する研究
H26-27
電子・機械 G
移動型作業機械向け進入接近検知センサの研究開発
H26-27
電子・機械 G
OCTにおける計測深度向上に関する研究
H27-28
計測・情報 G
大規模営農を支援する農業情報提供システムに関する研究
H27-28
計測・情報 G
マルチローター型UAVの利活用技術に関する調査研究
H27-28
電子・機械 G
ホタテガイ高精度資源量推定技術の実用化試験
H26-28
計測・情報 G
3次元データを利用した高信頼性侵入検知システムの開発
H25-27
電子・機械 G
H27
計測・情報 G
食品混入異物検出および品質評価のための分光イメージングセ
ンサの開発
水産品解凍技術に関する研究
共同研究に関
研究・技術開発のパートナーとして、是非とも、工業試験場情報システム部 を
する PR
ご利用ください。
57
近
魚油の品質変化
機関名
地方独立行政法人 北海道立総合研究機構
研究室等
産業技術研究本部 工業試験場
ホームページ
http://www.hro.or.jp/list/industrial/research/iri
代表者名
蓑嶋
裕典(産業技術研究本部長兼工業試験場長)
発表者・連絡先
飯島
俊匡(研究主任) e-mail: [email protected]
研究キーワード
画像計測、外観検査、鏡面検査、デフレクトメトリ
研究紹介
デフレクトメトリ技術を用いた鏡面検査手法の開発
1.背景
製品の品質評価工程を自動化するために、画像計測技術を
利用した外観検査手法が普及していますが、材質や塗装、め
っきなどにより対象物に光沢がある場合、反射や映り込みが
生じるため一般的な画像計測技術を用いた外観検査は困難で
す(図 1)。そこで、デフレクトメトリ技術を利用した光沢面
の表面検査手法の開発を行い、自動車のドアパネル表面検査
図 1 鏡面反射する対象物
装置へ応用しました。
2.デフレクトメトリ技術の原理
デフレクトメトリ技術とは、スクリー
ン(ここでは液晶ディスプレイ)で投影
した表示パターンを対象物の鏡面に反
射させ、カメラで撮影して得られた画像
とスクリーンで表示したパターン画像
を比較することで鏡面の形状を取得す
る技術です(図 2)
。
図 2 デフレクトメトリ技術の原理
3.鏡面検査手法の開発と検査装置への応用
具体的な対象物は自動車のドアパネ
ルとし、工場の検査ラインでの利用を想
定して、レール上でドアパネルを移動さ
せながら検査可能な装置を試作しました
(図 3)。
欠陥(凹み)のあるドアパネルに対し
て通常の外観検査を行った場合、欠陥が
目立たず検出は困難です。
(図 4 左)
。し
かし、デフレクトメトリ技術を適用して
パターン投影すると、欠陥部分が強調され
図 3 試作した自動車パネル表面検査装置
外観検査が容易となります(図 4 中央)
。
58
ドアパネルのように表面が緩やかな曲面
を持つ場合、正常部分は鏡面反射したパター
ンがなめらかに変化します。ところが、欠陥
部分では鏡面反射したパターンが大きく変化
するため、その違いを計測することで欠陥部
分の検出が可能になります。そこで、時間軸
方向のデフレクトメトリ画像の変化を計算
し、パターン変化の度合い計測することで欠
陥を自動的に検出する手法を開発しました 図 4
中央:デフレクトメトリ画像
左:通常の外観検査
右:欠陥検出処理結
(図 4 右)
。
4.他の研究シーズ
当場では、様々な技術分野において多くの研究開発が行われており、企業の皆様と共に製品開
発や事業化を進めております。ここでは、「情報・通信」分野における研究シーズから、2点ご
紹介します。
(1)OCTを用いた三次元断層画像の取得・解析手法の開発
OCTは、物体に透過させた光の干渉を計測することにより、CTスキャンのような物体内
部の断層画像を取得する技術です。光がある程度透過する対象物であれば、数 mm 程度の深さま
で非接触・非破壊で計測できます。当場では、食品内部の異物検査や工業製品の欠陥検査など
へOCTを応用するための研究開発を行っています。
担当者:岡崎 伸哉
電
話:011-747-2947
E-mail:[email protected]
試作した OCT 計測システム
(2)食品成分分析のためのテラヘルツ波を用いた計測技術の開発
テラヘルツ波は、電波と赤外光の中間に相当する領域の電磁波で、その分光情報からは分子
の構造や振動状態に関する情報が得られます。当場では、様々な食品の成分や品質の分析を行
うため、テラヘルツ波 FT-IR 装置を使用した計測手法の研究開発を行っています。
担当者:宮﨑 俊之
電 話:011-747-2942
テラヘルツ波
E-mail:[email protected]
FT-IR 装置
共同研究に関する 今回ご紹介した研究シーズを活用した共同研究や共同開発のパートナー企
PR
業を募集しております。当場には、企業の皆様と一緒に製品開発や事業化を
実現するための様々なメニューがございます。ご相談は無料となっておりま
すので、お気軽にお声がけください。
59
11/06(木)
プログラム
プログラム
13:00ー13:05
開会挨拶
13:10ー14:00
研究室紹介(大学・高等専門学校)
各 12 分
- 発表番号 -
1
旭川工業高等専門学校
2
帯広畜産大学
3
室蘭工業大学
4
北海道大学
14:00ー14:25
システム制御情報工学科 以後研究室
地域環境学研究部門・地域環境工学分野
(農作業システム工学研究室)
ひと文化系領域 人間・社会ユニット
情報・感性研究室
情報科学研究科 メディアネットワーク専攻
インテリジェント情報通信研究室
助教 以後直樹
p.38
教授 佐藤禎稔
p.4
准教授 上村浩信
p.34
助教 西村寿彦
p.32
各 12 分
共同研究のお誘い
5
北見工業大学
社会連携推進センター
産学官連携コーディネータ 内島典子
6
国立高等専門学校機構
研究・産学連携推進室
特命教授 鴨田秀一
14:25ー15:25
7
北海道大学
情報科学研究科 メディアネットワーク専攻
8
釧路工業高等専門学校
知識情報処理分野(天元宏研究室・鈴木未央研究室)
9
北海道大学
10
北見工業大学
11
北海道大学
15:25ー15:35
各 12 分
研究室紹介(大学・高等専門学校)
メディアダイナミクス研究室
情報科学研究科 情報理工学専攻
調和系工学研究室
工学部 情報システム工学科
テキスト情報処理とインタラクション研究室
情報科学研究科 メディアネットワーク専攻
情報メディア環境学研究室
休憩
60
特任助教
高橋翔
p.28
助教 鈴木未央
p.42
准教授 川村秀憲
p.26
准教授 桝井文人
p.6
准教授 土橋宜典
p.30
15:35ー16:05
12
13
各 15 分
公設試験研究機関紹介
北海道立総合研究機構
産業技術研究本部 工業試験場(情報システム部)
函館地域産業振興財団
研究開発部ものづくり技術支援グループ
(北海道立工業技術センター)
16:05ー16:45
p.54
研究主任 村田政隆
p.48
各 12 分
研究室紹介(大学・高等専門学校)
14
旭川工業高等専門学校
電気情報工学科 嶋田研究室
15
北海道科学大学
メディアデザイン学科 西川・北守研究室
16
北海道大学
16:45-
研究主任 飯島俊匡
情報科学研究科 情報理工学専攻
知能ソフトウェア研究室
助教 嶋田鉄兵
p.40
准教授 西川孝二
p.22
助教 佐藤晴彦
p.24
閉会挨拶
各機関コーディネータ問い合わせ先
機関名
担当
電話
e-mail
帯広畜産大学 地域連携推進センター
嘉屋 元博(知的財産マネージャー)
0155-49-5829
[email protected]
北見工業大学 社会連携推進センター
鞘師 守(教授)
内島 典子(産学官連携コーディネータ)
0157-26-4161
[email protected]
札幌市立大学 地域連携課
(地域連携研究センター担当)
松本 佳代
011-592-2346
[email protected]
はこだて未来大学 社会連携センター
今野 貴史(産学官連携コーディネータ)
0138-34-6571
[email protected]
北海道科学大学 教育研究推進課 研究推進係
竹腰 敏志
011-688-2241
[email protected]
北海道大学 産学・地域協働推進機構
齋藤 幸隆(産学協働マネージャー)
011-706 -9554
[email protected]
室蘭工業大学 地域共同研究開発センター
那須 守(教授)
齊藤 美幸(事務室)
0143-46-5861(直通)
0143-46-5860(事務室)
[email protected]
国立高等専門学校機構
旭川工業高等専門学校、釧路工業高等専門学校
鴨田秀一(特命教授 産学官連携コーディネータ
(北海道地区担当))
0144-67-8950
[email protected]
北海道立総合研究機構
研究企画部知的財産グループ
西山 淳史
011-747-2806
[email protected]
函館地域産業振興財団(北海道立工業技術センター)
村田 政隆
ものづくり技術支援グループ
0138-34-2600
[email protected]
※研究内容の事前確認や本フェア以降の問い合わせにつきましては、
各機関のコーディネータにご連絡をお願い致します。
61
MEMO
MEMO
申込書
聴講をご希望の方は、下記お申込専用フォームにてお申し込みください。
お申込専用フォーム : http://www.mcip.hokudai.ac.jp/event/reg02.html
フォームをご利用になれない方は、本申込書を FAX 又はメールにてお送りください。
※は必須項目です。
e-mail : [email protected]
Fax : 011-706-9550
会社名
氏名
※
所属・役職
電話
※
Fax
e-mail
※
貴社・団体に最もあてはまる業種1つに
業種
※
を入れて下さい。
製造 [ □食品 □家具・木材 □印刷 □金属・機械 □その他 ]
□農林漁業 □建設 □情報通信 □卸・小売 □金融・保険 □飲食店・ホテル
□医療・福祉 □官公庁 □学生 □その他
面談のご希望がお決まりでしたら、下記表にて承ります。( 印)
当日お申し込みも可能です。
(発表順)
1. 以後 直樹(旭川高専)
10. 桝井 文人(北見工大)
2. 佐藤 禎稔(帯畜)
11. 土橋 宜典(北大)
3. 上村 浩信(室工大)
12. 飯島 俊匡(道総研)
4. 西村 寿彦(北大)
13. 村田 政隆(道立工)
7. 高橋 翔(北大)
14. 嶋田 鉄兵(旭川高専)
8. 鈴木 未央(釧路高専)
15. 西川 孝二(北科大)
9. 川村 秀憲(北大)
16. 佐藤 晴彦(北大)