TSUKASA KATSUBE 勝部 司 • ORGANIZATION JICA • DUTY STATION JAPAN • POSITION EMERGENCY RESPONSE ADVISOR 「国籍や性別、年齢、文化的背景、信条は様々でも、 私たちは『いのちを救う』という 大切な目的を共有しています。」 (勝部司さん) ストーリー 「あれが私のターニングポイントでした。」1990 年代後半、勝部さんは故郷の日本で ある新聞記事を読んだことを覚えている。かつての旧ユーゴスラビア紛争で、市民に残 虐な行為が行われたという記事だ。 彼は現在、国際協力機構(JICA)で働いている。同時に国連災害評価調整チーム (UNDAC)のメンバーでもある。UNDAC チームは災害の直後に派遣され、国際人道 支援の受け入れを調整し、被災国政府が被害と支援ニーズを把握するのをサポートする。 勝部さんは 24 時間いつでも災害が起こればすぐに出動できるよう準備をしている。 「身体的にも精神的にも常に最高レベルの備えをし続けなければならず、簡単なことで はありません。」 彼は 2013 年 11 月、超大型台風ハイヤンがフィリピンのタクロバンを襲った際、最初に 現地に到着した支援者の一人だった。勝部さんは崩壊した市の空港で続々と到着する支 援者の受け入れを担当した。 「空港は大規模な国際支援の舞台となっていました。私の仕事はやってくるチームを受 け入れ、必要な情報を提供し、また輸送手段確保の手助けをすることでした。」 「こうした仕事は予想していたよりもはるかに困難でした。もうだめだと強く感じるこ ともありました。」勝部さんはこの経験から、日頃から学び続け、もっと備えておくこ とが必要だと考えるようになった。 「フィリピンへの派遣は最も忘れられない瞬間です。そしてこの経験が次の災害派遣に 向けて備えを整える原動力となっているのです。」
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