株式会社キタムラ WEPOSを採用し、POSシステムを刷新。 既存ネットワークの強みを最大限に生かし、 リアルタイム性と効率化を達成、 POSの用途に新たなる可能性を見いだす。 ソリューション概要 ○プロファイル 「カメラのキタムラ」を全国に展開。カメラ および関連商品の販売、DPEおよびデジタル 映像の出力サービス のほか、写真関連事業と してこども写真館「スタジオマリオ」を運営。 本部:神奈川県横浜市港北区 新横浜2-4-1新横浜WNビル7F 従業員数:4593名(2005年11月期) ○開発の背景 7年前の仕様のPOSシステムは、ハード面で もアプリケーション面でも、あらゆる部分で 限界が見え始めていた。本部へのデータ送 信、データ処理が1日に1度だったため、リア ルタイム性に欠けていた。デジタル・プリン トのデータ転送のために構築されていた店舗 間ネットワークをPOSシステムに利用して、 リアルタイム性を達成することを検討。 ○ソリューション OSにはWEPOSを、アプリケーションにはソ リマチ技研のUNITEを採用し、既存のネット ワークを最大限活用。本部でのリアルタイム によるデータ一元管理、一元処理が可能とな り、店舗での効率性、顧客サービスの改善に つながった。 ○ソフトウェアとサービス ・Windows Embedded for Point of Service (WEPOS) ・Windows Server 2003 R2 ・Microsoft SQL Server 2005 ・.Net Framework 2.0 デジタルカメラの普及により、フィルムの現像・プリントというビジネスが 減少し、新たなビジネスモデルの構築が急がれる写真業界。そんな環境のな か、株式会社キタムラはプリントのセンター・ラボを設け、店舗間とラボを 結ぶ強力なネットワークを活用してハイ・クオリティなデジタル・プリント を容易に消費者に提供することで、カメラの専門店としてだけでなく「プリ ント『超』専門店」として、ビジネスの活路を見いだしてきました。 今回のPOSシステムの刷新では、自社センター・ラボと店舗間をつないでい た既存のネットワークを最大活用し、リアルタイム性や効率性を達成するた め、Windows Embedded for Point of Service (WEPOS)を採用した新POSシス テムの導入を決定。ビジネス効率の改善、顧客サービスの向上に向けて、ス タートを切りました。 導入の背景と課題 新たなる拡張性とリアルタイム性へのニーズ 株式会社キタムラは、 「カメラのキタムラ」の560店、2004年にスタートした子供写真館「スタジ オマリオ」110店、さらに昨年6月に子会社化した「カメラのきむら」のチェーン店を含めて、合わ せて約760店を全国展開しています。 将来的には3000店という構想を描きつつ、 「プリント『超』専門店」としてデジタル・プリントの 分野で発展してきた同社にとって、クオリティの高いデジタル・プリントを出力するセンター・ラ ボと各店舗とを結ぶネットワークの活用は、ビジネスから切っても切り離せないものです。そのた め長年にわたって、全国の店舗を網羅するネットワークを構築するための投資を行ってきました。 ネットワークが進化していく一方で、店舗で使用していたPOSシステムは、いささか古さを感じるよ うになってきた1999年リリースのもの。キタムラの子会社「トランスフォーメーション」で、キタムラ・ グループの情報システム部門を担当している谷川 学氏(情報システムグループ物販・サービス事業支 援チーム・チームリーダー)は、 「ITへの依存度の高い弊社の場合、ハード、アプリケーション、そ してもちろん拡張性の部分も含めて、既存のPOSシステムには、限界が見え始めていました。情報 のスピード性、リアルタイム性の改善に必要性を感じていたのです」と話します。 古いシステムでは店舗内のPOS1 台につき、ストアコントローラ1台 が接続されているという環境。店 舗データ送信は、1日1度、夜間 ○開発パートナー ・株式会社ソリマチ技研 ・シャープシステムプロダクト株式会社 バッチで本部のコンピュータに送 信されている状態でした。 「ビジネスのスピードという点で、 見劣りするようになってきました。 ネットワーク資産の有効活用の 面からもPOSシステムの見直しに 迫られていました」 (谷川氏)。 「プリント『超』専門店」として目覚しい発展を見せる株式会社キタムラ 株式会社キタムラ 導入の経過とソリューション 「ネットワーク環境のなかで、リモートでアップグレードしたり、セキュリ OSにWEPOS、 アプリケーションに「UNITE」で 拡張性も強化 ティパッチをあてることが、以前のOSではやりにくかった。ネットワークの ビジネス拡大に必 要なリアルタイム性や効率 ■新システムのOS、アプリケーションに合わせ 化、さらに将来的に不可欠となる機能の拡張性 モニターも新たなる消費者サービスの導入に備える を求めて、キタムラは、POSシステムの刷新を決 キタムラの新POSシステムでは、1台のPOSにスタッフ操作用と顧客確認 定。キーとなるトータルソリューションベンダー 用の液晶パネルが2つ標準装備されています。これによってUNITEのポー として、ソリマチ技研を選びました。 「旧POSシス タル機能を有効活用できると同時に、顧客自身による確認もでき、さら テム構築の実績があり、現状の店舗業務を熟知 していること、また今後の企業の成長に対応し うるビジネスパートナーとして協力をお願いしま した」と谷川氏は話します。 常時接続が一般的となってきたことを考えれば、WEPOSの選択は、市場 の流れから必要だと考えました」。 トランスフォーメーション 情報システムグループ 物販・サービス事業支援チーム チームリーダー 谷川 学氏 アプリケーションには、ソリマチ技研のUNITE- にはタッチパネル機能を追加することで顧客による操作も可能になりま す。これは将来的に電子マネーが導入されたときに、非常に重要なポイン トとなります。キタムラの新POSシステムは、WEPOS、UNITE、2つのパネ ルを配したターミナルとあらゆる意味で、すでに電子マネー導入に準拠し た仕様を備えているといえます。 POS net 及び UNITE-Retail Office net(UNITE)を、OSには、WEPOSを 採用することが決定。WEPOSは、 マイクロソフトが、初めて特定の業界向 けに特化して開発したOSで、Windows XP Embeddedをベースに、流通 業の業務に必要とされる機能を絞り込んで搭載した利便性に優れたプラット フォームです。 このWEPOSとUNITEによるキタムラの新しいシステムでは、これまで1日 導入の効果 ネットワーク・リソースの活用で コスト減と新たな顧客サービスを達成する 1度だったデータ転送が改善され、本部のサーバでリアルタイムに情報を 新POSシステムを導入、テスト期間を経て本格始動してからまだ日が浅い 一元管理することが可能になりました。データ転送は、本部と店舗間を キタムラですが、リアルタイム性、効率性など、すでに確かな手ごたえを感 網羅している既存のネットワークを介して行います。今までのネットワー じています。それは、コスト減につながり、さらによりよい顧客サービスへ ク投資が、このPOSシステムに生かされることになったのです。 と向かう足がかりを固めています。 ■新サービスへの可能性と高度なセキュリティ ■ネットワーク・リソースの有効活用が可能に ソリマチ技研の取締役(製品責任者兼務)高橋 昭彦氏は、今回採用した ネット・プリント、プリント・データ送受信用のネットワークは、かねてか WEPOSについて「マイクロソフトが特定の業界向けとして初めて、流通業 らキタムラの生命線でした。その冗長化したネットワークをPOSシステム 界向けに開発したOSで、消費者へのサービスを創出しているお客様にと にも利用することで、ネットワーク投資を有効に活用することができました。 って、最も優れた選択肢であると考えます」。また、同社の上谷貴洋係長 は「電子マネー用の新しい周辺機器などを迅速に導入できるようになる ■リアルタイムにデータの一元管理が可能に など、消費者への新サービスが取り入れやすく、ネットワーク環境下で高 旧システムでは、本部へのデータ転送は夜間バッチで1日に1度のみ。そ 度なセキュリティ機能を持っていることもWEPOSの魅力」と話します。ネ れが、ネットワークを最大限に活用するWEPOSとUNITEによる新システム ットワーク環境下でのセキュリティは、今後もネットワークを強固にして では、本部がリアルタイムでデータを一元管理することが可能になりまし いきたい、と考えるキタムラの要求と合致するものでした。 た。これにより、各店舗の情報などもリアルタイムで把握できるようにな さらに、WEPOSを採用したメリットとして、 「これまでWindowsベースで りました。 開発を進めてきたUNITEの動作環境をWEPOSに変えても、何の問題もな く移行できました」 (上谷氏)という点も挙げられます。 ■保守管理コストが大幅に削減 今まで各店舗で行われていたデータ処理を本部で一括して行うことで、 ■見やすく操作しやすい画面へのこだわりと将来性 集配信管理のコスト減を実現しました。そのほかにも、これまではPOS一 新しいPOSターミナルについて、谷川氏は「特に画面にこだわった」と話 台一台ごとに長時間をかけて行っていたバージョンアップも、新POSシス します。こちらも旧システムに引き続き、シャープ製のPOSターミナルを採 テムは本部サーバ集中型のため、1度で済むなど、コスト減につながる効 用。WEPOS対応を必須条件に、液晶画面の見やすさ、コンパクトな筐体 率性は随所に見ることができます。 設計、完成度の高さ、操作性などが採用の決め手となりました。 シャープが、POSターミナルにWEPOSを搭載するのは、今回が初めて。シ ■効率アップは顧客サービスへと還元 ャープシステムプロダクト営業推進部主事の高本 崇氏は次のように語り リアルタイム性の向上は即座に顧客サービスの改善へとつながります。 ます。 例えば、以前のシステムでは前日までの在庫情報しか把握することがで きませんでしたが、リアルタイムの本部一元情報処理により、各店舗での ■ポータルサイトでコミュニケーションを円滑に 在庫情報もその場で検索することが可能になりました。顧客が必要とし キタムラでは、現在のところ、別の端末でメールや掲示板など、スタッフ ている商品・情報をすぐに提供することで、機会損失を減少させることに 間のコミュニケーションを図るためのグループウェアを使っています。こ もなります。 れをPOSと連動させて、コミュニケーションも同じターミナルで行うことを また、ストアコントローラが不要になった分、その購入に充てていた費用 視野に入れているところです。 をPOSターミナル購入にまわすことで、POSターミナルをこれまでの1台か 「例えば、スタッフ用のポータルサイトのようなかたちで、社内のコミュニ ら2台へと増設することになりました。 「混雑時にも、お客様をお待たせ ケーションを図っていくことを考えています」 (谷川氏)。 しなくてすむようになります」と谷川氏が話すように、新システムがもたら した効率性は、顧客サービスの向上へとつながっています。 ■可能性と選択肢が広がるPOSシステム 拡張性に優れたWEPOSとUNITE、そして2つの液晶パネルを持つターミナ ルと、キタムラの新POSシステムでは、将来的に必要性が予想される電子 今後の展開と展望 マネーに対応できるキャパシティが、すでにそろっています。 スタッフのコミュニケーション・ツールや キオスク端末へと広がるPOSの新しい可能性 また、過去にはレジスターに過ぎなかったPOS端末ですが、新システムで WEPOSとUNITEの組み合わせで、スタッフ教育に向けたeラーニングや、 のキオスク端末としての活用なども考えられます。 POSをキオスク端末として活用するなど、さまざまな応用が可能になりま 「将来的には、POSシステムとデジタル・プリントのデータ転送システム す。そのなかでキタムラが今後の展開として、特に注目しているのは、スタ を連動させることも可能です」と谷川氏。新しいPOSの活用法は限りなく ッフのコミュニケーション・ツールとしての活用法です。 多方面へと広がっていきます。 はほかにも多岐に渡る可能性が開けました。例えば、店舗業務端末とし て各店舗が本部からの情報を共有することが可能になるほか、顧客向け 新POS・店舗システム概要図 店 舗 POS・店舗業務システム UNITE-POS net UNITE-RetailOffce net (.NET Framework2.0) RZ-A380A(WEPOS) APサーバ UNITE-POS net UNITE-RetailOffce net (.NET Framework2.0) Windows Server 2003 R2 DBサーバ SQL Server 2005 Windows Server 2003 R2 株式会社キタムラ http//:www.microsoft.com/japan/showcase 導入についてのお問い合わせ 本ケーススタディは、インターネット上でも参照できます。http://www.microsoft.com/japan/showcase/ 本ケーススタディに記載された情報は製作当時(2007年2月)のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。 本ケーススタディは、情報提供のみを目的としています。Microsoftは、明示的または暗示的を問わず、本書にいかなる保証も与えるものではありません。 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