石狩川と流域の生活 - 札幌開発建設部

石狩川と流域の生活
市民手作りの石狩川再生森の植樹祭
(旧石狩川のラウネ川河畔林)
市民とともに植樹
滝川市長 田 村
弘
1.滝川とアイヌの人々
滝川市史から
トックアイヌの案内
:松浦武四郎(安政三年)蝦夷地内陸部探検
トックアイヌは別名:
石狩川の中流(空知地方)アイヌで「中川の人」にあ
たる「パンウングル」と呼ばれていた。
川にまつわる口承文芸
石狩川で河童のことをミントチといって、魚を支配す
る神であるが、魚をたくさん取らせるが、ときどき魚場
の雇い人をとるので、日高の静内へ移るように頼んだ。
それ以降人は死ななくなったが、魚も取れなくなったと
いう。
2.石狩川・空知川流路湖沼の変遷
滝川市史
滝川は石狩川・空知川の合流点で流路の変化と湿地帯
3.洪水のもたらす影響
明治22年 道庁は空知川挟む両岸に10万人都市構想
を立案し、当初1129区画数の貸下げが開始され、上川
線鉄道も明治31年7月に開通し発展するはずが・・・・・
明治34年 大水害で、
この地を離れ新天地
旭川へ
4-1.記録に残る明治の大水害
明治31年9月6日・7日
石狩川と空知川の洪水
一の坂下のすべて浸水(市街地のほとんどであった)
※滝川の老舗ホテルの三浦華園の前身であった三浦屋
及び空知太橋が流出。
4-2.明治・大正の水害の状況
明治37年7月の水害・広小路
4-3.昭和の水害の状況
昭和37年 台風9号
昭和28年 豪雨
床上浸水17戸・床下浸水16戸
床上浸水198戸・床下浸水208戸
沿岸道路欠潰浸水
昭和50年 台風6号
床上浸水26戸・床下浸水155戸
4-4.
昭和56年洪水
台風12号 8月上旬 2度
も 集中豪雨により内水の
小中河川が氾濫し、甚大
な被害をもたらした。
石狩川
熊穴川
ラウネ川
昭和63年洪水
8月下旬 (低帯性前線)集
中豪雨により内水の小中河
川が氾濫し、甚大な被害
をもたらした。(砂川新水路)
5-1.石狩川治水促進期成会のあゆみ
M31.12
石狩川治水促進期成会準備会設置
M32.1.10
(道庁で岡崎文吉氏よる調査開始)
石狩川治水促進期成会
戦後 S24.9.4
石狩川治水促進期成会
初代会長 滝川町長 神部俊郎氏
に始まり60年を経過した。
(M31年からは110年を経過し現在に至
る)
5-2.石狩川が参りました。 吉岡 清栄 氏
続 石狩川治水史
(前滝川市助役荒島保氏の吉岡さんの思い出から引用)
「吉岡さんが滝川市助役、市長とし
ての任期28年間を上司として仕え、
石狩川促進期成会復活時には市長
から特命事項としてその事務を担当し、
会長随行で中央に陳情するときに、
「石狩川が参りました」という挨拶から
始まり、滝川の課題は陳情せず、石狩
川全体の陳情にとどめていたことを思
い出させる。」
6-1.滝川における本格的な治水の始まり
第1期拓殖計画(M43~S1)
大正12年 空知川右岸堤防の整備
洪水は町の発展を妨げる大きな原因
6-2.滝川における本格的な治水の始まり
江部乙町が独自に実施。
昭和10年 石狩川沿岸道路が堤防を兼ねた整備
(江部乙地区全域)
①石狩川沿岸道路設置期成会(江部乙村 大崎村長)
が設置され、議会の議決を得た。
②沿岸道路とはいえ、村民を守る堤防の役割もあり、損
傷を与える馬車の通行は禁止するなど、水防班を設置し、
監視していた。
6-3.滝川における本格的な治水の始まり
滝川は治水事業進捗とともに発展を遂げた。
堤防整備・ショートカットなど
新水路掘削
7.川は交通・輸送の大動脈
川は、開拓時代から昭和初期まで交通役割を果たした。
幻の石狩川運輸株式会社
昭和32年に石狩川を大運河にして、滝川、札幌石狩間
を水上輸送を行うという「石狩川運輸論」で、当時500万
円(現在の価値で2億円以上)を滝川、新十津川などか
ら集め、上京し、有力者に働きかけ、海軍の水槽学校か
ら5隻を購入し、滝川終点に向かって出発したが、たどり
ついたのは1隻で運航不能で大破してしまったそうです。
8.滝川最後の渡船
明治30年
小田島兵助氏が丸木船を作って雑穀類の運搬
明治40年(道庁許可)
私設渡船業開始。
明治41年
東滝川-吉住(空知川)
大正11年
官設認可
昭和18年
ふたたび私設へ(長男 善助氏へ) 下徳富渡船場
昭和52年まで
※道内で2番目に長くつづけた渡船場となった。
9-1.治水事業と滝川市の発展
昭和33年
蛸の首
(ショートカット)S14年
平成9年
人口43千人(10千世帯)→48千人(20千世帯)
:市街地
:水田
:畑・原野
:山地
:水面
:集水域界
池の前
(ショートカット)S16年
9-2.内水防御施設(排水機場)
滝 川 1200mm×3台 10t/S 完成 S61
池の前 1500mm×3台 15t/S 完成 H4
常に水がつく低地であった池の前地区
地元の悲願がかなった。
9-3.高水敷の土地利用
高水敷の土地利用
全国に先駆けて、滝川市はその利用を図ってきた。
滝川スカイパークに始まり、野球場、ソフトボール場、
パークゴルフ場、市民ゴルフ場
10.流域単位の地域振興へ
石狩川振興協会の誕生
石狩川治水事業80周年記念事業が行われた平成3年
4月 前滝川市長吉岡清栄氏が市長の任期満了の時期
を迎え、開発局のご指導を受け、党垣内会長、吉岡理事
長により「石狩川振興協会」がスタートした。
■滝川地区地域防災施設(川の科学館)
11-1.石狩川水系石狩川(下流)
河川整備計画(平成19年9月13日)
11-2.
石狩川の
河川整備
要望図
11-3.石狩川治水促進期成会 要望
国土交通大臣 前原誠司氏へ H22.6.10
12-1.川とともに豊かに暮らすために。
まちづくり・川づくり協議会の誕生
石狩川振興財団のご指導を受け、国土交通省の直轄
の全国モデル事業(多様な主体の参加と連携による活
力ある地域づくりモデル事業)として北海道で初めて採
択され、川という資源を活かしながら水害軽減・教育・環
境・交流など様々な住民活動を展開している。
Eボートを活用した
市民参加の救助訓練
高度な水難救助訓練
12-2.
川からの人づくり
(川の達人)
石狩川リバーインテリジェント
認定制度を創設。
石狩川流域の住民が実践する
川を活かしたまちづくりの活動を
促進させ、活力と魅力ある地域
づくりをすすめるため、その住民
主体の活動をコーディネートする
人材を育成する制度である。
13.石狩川治水100年を迎えて
石狩川流域住民防災交流大会
主催 まちづくり・川づくり協議会【配布資料】
この節目の年を契機に、洪水による被害発生防止・軽減を図るため
に、地域住民、市民団体、自治体、河川管理者などより一層の連携・
協働を図り、各々の役割を認識し、流域全体で役割を果たすため、
ひとつの「きっかけ」となる場づくりとして当該防災交流大会の場を市
民団体が行う。
Ⅰ 基調講演 北海道局 水政課長 岡部和憲 様
石狩川振興財団 理事長 神保正義 様
★参加者募集中(8月12日まで)
Ⅱ 市民参加のEボートを使用した公開合同訓練
Ⅲ 市民・河川管理者・消防署・消防団などが参加し、E
ボート操作訓練を目的に行う「舟漕ぎ大会」
★参加者募集中(8月12日まで)
14.北海道の果たす役割
新成長戦略(7つの戦略)
○環境・エネルギー大国戦略
・再生可能エネルギー関連利用
・環境未来都市の創造
・アジア経済戦略
・外国人学生30万人受入れ
○観光立国・地域活性化戦略
・訪問外国人3,000万人
・空港・港湾・道路等インフラの戦略的重点投資
・食糧自給率 50%
・材木自給率50%以上
・農林水産物・食品の輸出額2.2倍
100年にわたる治水事業の進展により、洪
水による被害が軽減され、安全安心な生活
を営むことができ、滝川の発展の基盤づくり
がなされたことは ひとえに、治水事業にご
尽力くださいました多くの先人の皆様におか
げであります。
石狩川治水100年、そして次の100年に
向け、私たち流域住民とともに、石狩川の河
川行政が更なる発展を遂げていくことをご
祈願申し上げます。
ご静聴ありがとうございました。