日本企業における設備投資行動の不安定性 とその決定要因

輪文
日本企業における設備投資行動の不安定性
とその決定要因
一一横並び行動の検証と所有構造の影響
比佐章一*
橋大学
本稿では、 1982-2000年度の上場企業を対象に、設備投資の横並び傾向の分析を行
った。産業別に、 LSV指標による設備投資の横並ひミ傾向を分析したところ、食料、電
気機械、輸送用機1
戒器具、土木建築業などの産業で、横並 司頃向が見られた。また
所有が筆頭株主に集中している企業ほど、横並ひむ傾向が強いことが明らかとなった。
さらに回帰分析から、株主として非金融法人企業が支配的な産業ほど、横並び傾向
が強いことがわかった。逆に金融機関が筆頭株主の場合には、その傾向が弱かった。
また海外法人について見てみると、筆頭株主として企業を所有するケースと、そう
でない場合で設備投資の横並ひ刊頃向に違いが生じる可能性があることがわかった。
なお銀行貸し付けによる規律イ寸けや、金融制度の変革が設備投資の横並び行動に与
えた影響を分析したが、そじて効果を確認することはできなかった。
v
l 序論
企業の設備投資は一般に不安定であり、その程度が高いと安定的な経済成長が阻害さ
れる可能性がある。例えば、設備投資が過剰に行われると、その後の供給能力が過剰と
なり、効率性が煩なわれる可能生がある。さらにそれ以降、設備投資が一斉に控えられ
ることから、新技術の導入も遅れるであろう。
また企業問で設備投資の横並℃行動が行われれば、産業全1
'
ドの設備投資の不安定はよ
り拡大され、さらには産業およ亡経済全体の効率性の向上が阻害されるであろう。その
ため設備投資の不安定要因の lつである、設備投資の横並ひ守子動の決定要因を明らかに
することは、産業全体およ℃経済全体の安定的発展を考える上でも重要といえよう。
* 橋 大 学 COE
桝 l
府 究員。 Email: shisa@i町 h
it u
.aιJP
本稿作成にあたり、本誌匿名レフェリーから数々の有益なコメントを J
買し、た。本稿は、日本経済学会春季大
会(却 06年度春季大会)で報告したものであり、花崎正晴氏(日 本政策投資 ~祈)から 貴重なコメントをいただ
いた。また浅子和美氏( 橋大空)、岡室博之氏( 橋大学)をはじめとする方々からも 貴重なコメントを頂い
た。記して感謝申し上げたい。本稿の見解は量
産者自身のものであり、ありヰへきすへての誤りに対する責任
はすべて主
主者にある。
日本経済研究比 5
7,2
0
C
7
.
7
日本企業における設備投資の横並び行動に関する分析は、宮川・若林・内田 (
1
9
9
6
)、
花崎・竹内(19
9
7
)、浅羽 (
2
0
0
2
)などによって行われている。宮川・若林・内田(19
9
6
)は
、
設備投資の横並℃行動を、寡占的市場構造の中で、各企業が市場占有度を維持し長期的
な利益を確保する、企業戦略にもとづいた行動として捉えた。その上で、日本の紙パ
ノレプ、セメント、鉄鋼電子部品、そして自動車産業の 5業種を対象に、企業の設備投資
の分析を行い、紙・パノレプ産業で横並ひ守子動が見られるとした。
花崎・竹内 (
1
9
9
7
)は、日、仏および米企業における、設備投資行動の比較検証を行い、
これらの国々で横並び行動が見られることを明らかにした。また日本企業は、ほかの国
に比べて、マクロ的な景気動向に強く反応しており、横並び行動がマクロ的要因によっ
て引き起こされているとした。
2
0
0
2
)は、日本江化学産業における設備投資行動について分析を行い、 1
9
7
0年代
浅羽 (
以前の、通産省による生産能力調整政策を実施していた時期には、過当競争が回避され
設備投資の横並ひむ傾向が弱かったこと、また政策廃止以降は横並ひむ傾向が強まったこと
から、企業問の競争環境が設備投資の横並て行動を引き起こすとした。
これらの研究は、企業の直面するマクロ的要因や市場構造、および政策要因などが、
企業の設備投資の横並ひ守子動に大きな影響を与えるとしている。実際、経済状況が好調
な状況で、設備投資からの高収益が期待される場合、多くの企業で設備投資を増加させ
るであろう。また各企業が直面する競争環境も、設備投資にとって大きな要医であると
考えられる。
例えば、企業問でマーケット・シェア拡大にしのぎを削っている状況では、マーケッ
ト・シェア維持のため、他社の設備投資に対抗して、投資を行う可能性がある。 Dertouzos
. (
19
8
9
) によれば、日米の経営者に重要な経営目標についてアンケート調査をし
e
ta1
たところ、日本企業の経営者は「マーケット・シェア」の維持・拡大を重視すると答え
ている。こうした点から、日本では企業の直面する競争環境も、横並じ行動を行う要因
と考えられる。
他方、ミクロレベノレでの企業行動をみた場合、企業のガパナンス構造も、設備投資の
決定要因として重要であることが指摘されてきた。かつて日本では系列に代表される株
式の相互持合いや、金融機関を中心とするメインパンク制度などによって、経営の安定
化がはかられていたことから、設備投資を含め、より長期的な企業戦略を実施すること
が可能であるといわれてきた。その一方で、 Dert叩 zose
t a1
.(
19
8
9
)は、米国では株主
からのプレッシャーが強く、その意向を常に気にした経営をしなくてはならないため、
Z
日本経済研究 比 5
7,2
0
0
7
.
7
企業経営が短期的な利益を追求する傾向が強いことを指摘している。
また最近の研究では、依頼人である投資家と、その代理人である経営者の聞の情報の
非対称性や、それに起凶した代理人のモラノレ・ハザード行動によってエイジェンシー・コ
ストが生じることから、設備投資に対し所有構造が大きな役割J
を果たすことや、金融制
度によるモニタリングの役割の重要性が認識されている。いずれにせよ、企業のガパナ
ンス構造もまた、企業の設備投資行動に影響を与える可能性が高いといえよう。
一方、設備投資の安定性と株式の所有構造との関係、については、古くは Keynes(1936)
によって指摘がなされてし、る。 Keynes(1936) は所有と経営の分離によって、 ~iE券市場が
整備されて投資が促進される一方、長期的な観点から行うべき設備投資が、近祝日艮的な
投資家の行動によって大きな影響を受け、投資の不安定性を高める可能性があることを
2章lを参照)。しかし設備投資の楼並び行動
指摘してぜ、る(詳しくは『一般理論』第 1
とし寸観点からみた場合、一概に所有の分散が投資の不安定性をもたらすとはいえず、
所有者と経営者の関係、によって、横並び傾向が強くなるか否かが変わってくる。
Scharfstein and Stein(1990)は、経営と所有が分離している状況では、経営者が投資
家から受ける能力への評価を気にかけるために、同業他社の経営者の行動を模倣する可
能性があることを指摘している。これは「相対評価による横並び行動J (Reputation
Cascade)といわれるものであり、経営者は他社と同質的行動をとることで、自身の能力
に対する評価の悪化を避けることから、横並ひ守子動が発生するとしていると
確かに経営者は、常に投資家から、自身の能力を評価される立場にある。特に労働市
場では、潜在的な経営者候補を含む、ライバノレ経営者との比較にさらされている。そし
て経営者の能力に疑問を呈されるならば、辞任などの形で、経営責任をとることになる
であろうの
こうした経営者への E
郎、規律イ寸けは、企業経営の効率性向上に重要な役割を果たすこ
とが、 Fama(1980)によって指摘されている。しかし Scharfsteinand Stein(1990)によ
れば、所有者である投資家が相対評価を行うことで、経営者の問で模倣行動を引き起こ
今回広〈行きわたっている所有と経営の分離にともない、また組織化された投資市場の発展につれて、時
には投資を促進し、時には経済体系の不安定性を著し〈 高める、きわめて重要な要因が導入された。 J(
邦訳
ケインズ全集第 7巻『雇用、手Ij子およが貨 幣 の 般 理論』 訳者 塩 野 谷 祐 )
2 なお各主体が獲得できる情報が不確実で、かっ他者¢行動を観察することでより正確な情報が得られる状況
I
n
f
o
r
m
a
t
i
:
:
m臼 s
c
a
d
e
)
のもとでも、横並て附子動が起こると考えられる。これは「情報の連鎖による横並て対子動J(
と呼ばれているものである。なおこのf
易合は、所有構造が横並び行噴出に影響を与えるとは考えられないといえ
情報の連鎖による横並び1
'
1
'
劃」の詳細については、And
r
e
aa
n
d W
e
l
c
h(
1
9
9
6
),B
a
n
er
j
e
e(
1
9
9
2
),
よう。 r
B
i
r
k
h
c
h
a
n
d
a
n
i,H
i
r
s
h
l目 f
e
ra
n
dW
e
l
c
h(
1
9
9
2,1
9
9
8
)を参照。
論文
日本企業における設備投資行髭の不安定性とその決定要因
3
されることから、こうした規律付けはかえって非効率な帰結を引き起こす可能性がある
としてし、る。
実証紛究では、経営者カミ他の経営者と同質的な行動をとる傾向にあることが指摘され
ている。例えば L
ie
b
e
r
m
a
n(
1
9
8
7
) は、経営者がライバノレ企業と異なる行動をとった場合
には、大きな非難を受ける一方で、同じ問;章し、をしたときには解雇されにくし傾向があ
ること、また Zwiebel(
1
9
9
5
)も、経営者は同一産業内で標準的な行動をとる傾向にある
ことを指摘してし、る。
S
c
h
a
r
f
s
t
e
i
na
n
dS
t
e
i
n
(
1
9
9
0
)によれば、十日対評価による横並℃行動は、経営ー者と投
資家の問で経営と所有が分離されており、かっ両者に情報の非対称性が存在する場合に
発生しやすい現象といえる。投資家が同業他社の経営者の行動から相対評価を行うのは、
投資家が経営者に対する能力を正確に判別できないからとも考えられる。つまり経営者
と投資家の問のエイジェンシー問題が、経営者の行動に重大な影響を与える可能性があ
ることを示唆しているといえよう。
本稿では、企業のガパナンス構造の関係も含めて、企業問に見られる投資の横並℃行
動の発生要因を明らかにする。具体的には、経営と所有の分離や、所有形態の)主いによ
って、設備投資の横並ひ守子動にどのような影響を与えるのかを検証する。
また日本では、 1
9
8
0年代から 9
0年代にかけて、金融制度の変革が行われた。そして
資金調達の場が、金融機関から株式市場などによる資本市場へと変化した。こうした状
況で、投資の横並℃行動に影響が起きたかを分析することは、今後の金融システムを考
える上でも意義のあることであろう。
2
. 設備投資の横並び行動の検証
本稿では、設備投資と資本ストックの推計にもとづき、設備投資の横並℃行動の検証
を行う。まず財務および株価・株主データについては、日本攻策投資銀行の「企業財務
データバンク」を用いた。対象期間は、株主データの利用可能な 1
9
8
2年 2000年(暦年)
までで、対象企業は一部・二部上場企業である(なお変数の作成方法については、付録
「変数の作成方法」を参照)。なお産業全体のパフォーマンスの指標として、法人企業
統計による各産業の売上高成長率を採用した。
4
日本経済研究比 5
7,2
0
0
7
.
7
2
.1 横並び行動の測定
本稿では、分析対象とする産業において、各企業が同一行動をとる傾向が強いほど、
齢、と定義する。そのため、より多くの企業が設備投資を行うときだけで
横並ひむ傾向が E
はなく、逆に一斉に設備投資が手控えられた場合も、横並び守動が起こったものと考え
る。なお産業全体で見た場合、前者では過大投資が行われ、また後者では過小投資とな
る
。
設備投資に対する横並び行動の指標として、花崎・竹内 (
I
S灯)は変動係数を採用した。
これは各企業が横並び行動をとると、より同質的な行動となり、投資の分散が小さくな
ると考えられるからである。
しかしこの指標は、当該産業のデータだけでつくられた標準{扇芽土平路子怖のみ争採用
しており、他の産業との比較をしない指標である。そのため当該産業が、他産業と比較
して横並ひ司頃向が強いか否かを、統計的に検証することは難しい。花崎・竹 r
k(1997)で
は、各産業の変動係数の時系列的変化を見ることで、横並て傾向の変化を分析してい
ると
また横並び行動に関する指標としては、一般に Lakonishok,Shleifer and Vishny
(
19
9
2
)による LSV指標が有名である。この指標は、株式市場における投資家の横並亡行
動や、日本の銀行貸し付け行動 (UchidaandNakagawa(2005))の分析などで採用されて
1
] として定義される o
いる o LSV 指標は、 LSV(川 ~Ip(川 p(t)I-E~p(川 p(t )
LSv
,
i
Ct
)は
、 t期における産業 zの横並亡指標を表している c また p(i
,
t)は
、 t期の産
業 zにおいて、設備投資を増加させた企業の割合であり、 p
(
t
)は t期において、設備投
資を増加させた企業全体の、平均的な割合である。なお本稿では、 p(i
,
t)、 p
(
t
)を、そ
れぞれ設備投資・前期末実蛍資本ストック再評価額(土地資産分などを控除)比率が増加
した企業の割合と定義した。
右辺の第一項 I
p
(
川一p
(
t)
1は、平均から希離するほど大きな値をとることを意味する。
つまり産業 zに属する企業が、他の産業に比べてその行動がより同質的であるほど、 LSV
指標は大きな値をとることを意味する。逆に横並びの度合しゅ2
小さければ、平均に近い
値をとる。なお E~p(川河川]1土、 LSV(i.t) の平均を 0 に基準化するためのものであ
る。また値が絶対値で計算されていることから、各企業が設備投資を手控えた場合でも、
なお北崎竹内(
1
"
"1)では、産業の平均的な投貨水準を説 明変数に加えて、個別企業の投資 関数の推計を行
い、設備投資の横並て舟子宮古の存在を明らかにしている。
3
論文
日本企業における設備投資行髭の不安定性とその決定要因
5
その値は大きくなることがわかる。
また各企業で投資を増加する確率を p,
i
(t
)、それ4外の確率を l-p(i
,
t
)とする、ベノレ
ヌーイ分布として扱うことで、以下のような標準正規分布による、帰無仮説の検定を行
うことが可能である。
,
i
(t
)
p
,
i
( t)-p
(
t
)
n " ', n ',
~N(O ,l)
,
Jp(t)(1-p(t))/N(i,t
)
帰無仮説
Ho :p,
i
( t)=p(t)
*
対立仮説 Hj :p,
i
(I
) p
(
t
)
N,
i
(t
)は
、 t時点で産業 lに存在する企業数である。(この検定方法に関する詳細に
ついては、 U
c
h
i
d
aa
n
dN
a
k
a
g
a
w
a(
2
0
0
5
)を参照)。
なおこの指標では、各企業の設備投資・前期末実質資本ストック再評価額の増加比率
に関する情報のみが利用されており、各企業の投資レベノレの変化については考慮してい
ない。そのため各企業が、同一水準で設備投資を一律に増加させたのか否かを識別でき
ないとしゅ問題がある。しかし実際、変動係数と L
S
V指標の聞でも同様の結果が見られ
ることは、以下の花崎・竹内 (
1
9
9
7
)との比較分析からもわかるであろう。
22 設備投資の横並び傾向
,
花崎・竹内 (
1
9
9
7
)では、投資の変動係数をもとに、 1956年から例年までの各産業の
投資の横並びの度合いを検証した。これによると、(1)蹴荘、化学、石油、窯業・土石、
鉄鋼などの素材型産業では、 56年から 7
2年ごろまでは、おおむね横並びの度合いが強
3年以降、時代を経るとともにそれが弱まってし、ること、 (
2
)電気機械、輸
かったが、 7
送機械、声青密機械などの樹戒系産業では、 5
5年以降 9
4年まで、時系列でみて横並ひ瀬
向に変化がない、などの特敷が見られることを明らかにしている。 LSV指標をもとにし
た検証によると、これらの結果を支持する結論が得られた(表1)。
すなわち 82年以降、素材型産業では、設備投資の横並ひ司頃向が弱いのに対し、機械
系産業では逆に高し傾向が見られる。特に食品、電気機械器具、輸送用機械器具、土木
建築などで、横並ひむ傾向が見られる。この結果から、素材型産業では、 9
0年代以降も横
並び傾向が見られないこと、また機械系産業では横並ひむ傾向が存在することがわかる。
また時系列的に見てみると、特定の産業では年次を通じて横並ひ司頃向を行う傾向が見ら
れ、この聞の横並ひむ傾向自体の変化は見られない。
6
日本経済研究比 5
7,2
0
0
7
.
7
表 1 産業別投資の横並びの度合い (
L
S
V
)
料* 1
偽有意水 準 、 判 胤 有意水準、* 1
叫有意水準
帰無仮説
H。 横並州国向が見られない
p,
i
(t
)=
p
(
t
)
対立仮説
H,横並び傾向が見られる
p
(
i,t
) p
(
t
)
*
それでは設備投資に関して、 S
c
h
a
r
f
s
t
e
i
na
n
dS
t
e
i
n(
1
9
9
0
)が想、定するような、所有
構造を原因とした横並ひ守子動が見られるのであろうか。次に所有¢集中が横並び行動に
与える影響を見てみる。
23 所有の分散と投資の不安定性
,
以下では、所有じて集中度によって投資の横並ひ守子動に遣いが見られるか否かを検証す
る。本有高では、筆頭株主持味比率の平均値に近い酬を基準に、筆頭株主持株比率が川
0
割未満の企業とにサンプル分割する。そしてそれぞ、れの L
S
V指標を証明
以上の企業と、 2
論文
日本企業における設備投資行髭の不安定性とその決定要因
7
定し、横並℃行動の帰無仮説の検定を行う。この分析では、同一産業での比較であるこ
とから、産業全体の市場環境ヰ好不況などの経済状況は、まちる程度コントローノレされて
いるといえるであろう。この結果を示したのが表 2である。
表 2じて直は、筆頭株主持株比率 2
C匹以上の企業の L
S
V指標から、 2
C到来満の企業の L
S
V
指標をヲ[,、たものである。これを見てみると、 3
9
9のデータ (
2
1業種・ 1
9年間)の中 2
0
8
のデータで正の値 (
5
2
.1
3引をとった。また実際、両者の間に投資行動が見られるか否
表 2 筆頭株主の持株集中度別にみた横並び指標の違い
L
五V
仮説検定
対立仮説
(キ榊
帰無仮説
H。横並てJ
瀬向が見られない
H,横並び噴向が見られる
P m{
i
.
I
)= PmJi
,
t
)
Pω (
i
.I)*pu ,
i
(I
)
却
l
偽
有意水準、件闘有意水準、水 1
0
対
有宥水準)
Puw{
i.
t
)
量頭株主持株比率 20
免以上の企業で、投資 を増加させた企業の割合
Fω (
i
.
t) 量頭株主持株比率 2叫未満広企業で、投資を士即日させた企業の劃合
(いずれも産業 z
で f年度のデータ)
8
日本経済研究比 5
7,2
0
0
7
.
7
かを見るために、筆頭株主の持株比率が 2
0
略未満の企業と、それ以以、上の企業について、
それそ
実際に両者の害割J
合が等しいとし、寸う帰無仮説 (H
丸
pL20(
i
,
t
り
)=p
九U w(
μ
I
,
り
t
))を、, I
I
州附有意水
o:
羽
準で検定すると、 5
臼2 のデ一夕で帰無仮説が棄却された。さらにその中の半数を超える
3
4のデータ (
6
5
.3
8
世)で、筆頭株主比率 2
0
似上のグノLープの L
S
V指標の方が大きかった。
これらの結果から、多くの産業で筆頭株主持株比率の高い企業ほど、投資に横並ひ司頃
向が見られることがわかる。つまり全体的に、所有が集中する傾向にある産業ほど、横
並びの傾向が強いといえる。こうした結果が導かれた理由として、 Scharfsteinand
J9
9
0
)が想定するように、株主の経営者への強いプレッシャーがあるほど、投資
Stein(
家からの評価をより考慮することから、横並び行動が起こりやすくなっていることが考
えられる。
では分散所有されている企業と、そうでない企業では、所有構造がどのように異なっ
ているのであろうか。筆頭株主をタイフ別に分類したものが表 3である。
これを見ると、まずほぼ半数を超える企業で、筆頭株主が法人企業生であった。その次
に多いのが証券会社で 2割弱、そして個人が l
邸前後、金融機関と続く。
また筆頭株主持株比率が 2
0
百以上の企業では、圧倒的に法人企業の害J
合が高く、ほぼ
9害)
1に達
J
ている。次に多いのが個人で 5
9
百である。一方、筆頭株主持株比率が 2
0
百未
満の企業では、法人企業が筆頭株主の比率は 3
4害)
1と大きく減少する。ついで多いのが
証券会社であり、筆頭株主の 3割弱が証券会社であった。その次が個人そじて他、そして
金融機関の順で、その割合が高いことがわかる。
これらの結果からいえることは、持株比率 2
0
割以上、未満を問わず、筆頭株主の多く
は法人企業であることであるのまた個人その他も多く、約 l割強であった 特に筆頭株
n
0
百以上の企業では、個人所有者が法人企業についで多かった。しかもこの
主持株比率 2
傾向は 80年代と 90年代を比較した場合、海外法人の割合が若干増えた程度で、全体と
してみた場合、さほど変化していないことがわかる。
0
附以上の株式を保有する筆
これに対 L銀行などの金融機関や、証券会社などでは、 2
頭株主がほとんどいないことがわかる。これは銀行などの金融機関には、株式保有の制
限があることなどが主な原因と考えられる。そのため銀行などの金融機関が、横並じ行
動に与える影響を考慮するとき、筆頭株主の持株比率だけのデータで分析することに問
4
以下では非金融法人の意味で「法人企業」を使ってし!る。
論文
日本企業における設備投資行髭の不安定性とその決定要因
9
表 3 筆頭株主の持株集中度別にみた横並び指標の違い
1
0
19伺 20例 年
26
-
1,595
,
,
41
1
1
,
,
1982-2000年
42
2,904
,
511
6
46
1
1
9,
在券会社
その他法人
筆頭株主持
政府ー地方
株 比 率2
0覧以
公共団体
上 (企業数)
1982-1989牢
1
6
1,309
金 融機 関
2 400
0 507
1
2 894
ロ一山一川
1982-1989年
海外法人
,
,
3 332
,
,
,
389
5
437
34,
2 057
個人その他
1
2 372
2
2 065
合計
4,
068
26
。
113
1990-2000牢
3
1
7,
569
5
2
769
8,
447
1982-2000年
42
2
144
1
1,
637
5
3
1
,
033
1
2,
916
筆頭株主持
政府ー地方
株 比 率 20%
木
公共団体
満(企業数)
1982-1989牢
1990-2000牢
1982-2000牢
。
。
。
2
金 融 機関
証券会社
その他法人
264
海外法人
個人その他
4,
470
合言│
1
,
307
2
,
287
2,
499
1
6
1
,
793
7,
902
1
,
595
4
,
080
5,
325
5
7
2
,
563
1
3,
620
2,
902
6
,
367
7,
8
24
7
2
4
,
356
2
1,
521
川一川一川
1982-1989字
O
.1
羽
10.58%
C覧
1
9
.4
'
%
5
3
.08
0.19覧
16.63%
目 別2000年
0.12%
7
.2
3
覧
1
8
.6
3覧
5
8
.44%
0
.,L時
15.10%
1982-20例 年
O
.1
国
8
.43
%
18.91%
56.51%
0.38
'
延
15.65%
金 融 機関
吉
正券会社
その他法人
海外法人
個人その他
合計
筆頭株主持
株 比 率2
0覧以
上 (比率)
1982-1989牢
政府ー地方
公共団体
0.36耳
0.04
覧
'
2.53覧
91
.0
1耳
0.16
覧
5
.9
1覧
100耳
1990-2000牢
o
.3
1耳
0.00
'
五
0.37覧
89.6D
も
o
.6~も
9
.1
0覧
100耳
1982-2000牢
0.33耳
0.02
'
延
1
.1
1覧
90.10
'
7
も
O.ι5
覧
8.00覧
100覧
筆頭株主持
株満比(率比2
率
0覧)未
政府ー地方
公共団体
金 融機 関
在券会社
その他法人
海外法人
個人その他
合計
1982-1989牢
0.00耳
1
6
.54
覧
2
8
.94~も
31
.6~も
0.20
'
7
も
2
2
.69~も
100耳
1990-2000牢
0.00耳
1
1
.7
1耳
2
9
.96~も
39.10
'
7
も
O.ι2
事
1
8
.82~も
100覧
1082-2000牢
0.00叫
1
3
.48叫
20.50%
36.36
%
o
.3
3
%
20.24%
100耳
題があるといえる。つまり単に、株式じて集中度だけでなく、株主のタイプ別にそれぞれ、
横並亡行動にどのような影響を与えるのかも見る必要があるといえる。
つまり上の結果では、株式所有じて集中が進んだことで横並び行動が弱まったのか、そ
れとも法人や個人その他の所有者のタイプによって、横並び守動が弱まったのかを識別
10
日本経済研究比 5
7,2
0
0
7
.
7
することは難しいといえる。そのためこうした所有広集中に加え、所有者のタイプなど
も考慮した分析を行う必要があり、それには投資関数にもとづく分析が必要となってく
るであろう。
3
. 企業の設備投資行動と横並び行動の検証
これまでの日本に関する設備投資の研究は、 H
o
s
h
l
.K
a
s
h
y
a
pa
n
dScharfstem(
J9
9
1
)
や、浅子他(19
8
9
.1
9
91
)
、 H
o
r
i
.S
a
i
t
oa
n
dA
n
d
o
(
2
0
0
6
)などによって行われている。日
本企業の設備投資行動は、主にトーピンの q 型を基本としつつ、資金市~約や財務的要素
を加味したモデノレをもとに分析を行うことが多い。株式市場で評価される企業価値と、
資本ストックの再調達価絡の比によって評価されるトーピンの qは、ジョノレゲンソンの
新古典派理論を包括する、一般性の高い投資理論であるためである。そして次のような
投資関数を考える。
1
j
,
/Kp=F(q
f
t
'CASH
〆 /K
j
<
)
下イ寸の添え字 j
tは、変数が t期における企業 lに関するものであることを意味している。
また各変数の意味は次のとおりである。
1(設備投資)
実質有形固定資産純増
K 前期末実質資本ストック再評価額
CASH(キャッシュ・フロー)
税引後当期純損益配当金・役員賞与金十減価償却費
q
トーピンの平均の q
(株価総額十有利子負債総資産その他項目)
(前期末実質資本ストック再評価額)
株価総額二 0, 5x(期中最高樹面十期中最低株価)x発行済み株式総数
この式は投資理論から導かれる投資関数である。理論的には、設備投資はトーピンの
q が高いほど投資が増加する。また資本市場が不完全な場合には、キャッ、ンュ・フロー
が高いほど、投資水準が高くなる。これは企業の資金調達に制約があるときには、内部
資金による資金調達に頼る必要があることを意味している。
論文
日本企業における設備投資行髭の不安定性とその決定要因
,
,
これらの変数はいわば投資を決定するファンダメンタノレス、としての要因であり、同一
産業内において同一方向に変化した場合、投資も全体的に同一方向に変化する。例えば
成長が期待される産業では、多くの企業で資剥収益率が高くなることから、設備投資が
積極的に行われるため、同一産業で同時期に設備投資が集中することとなる。
これはファンダメンタルズが同一方向に変化したことでおこる投資の横並び行動で
ある。そのためガパナンスによる横並び効果を検証するためには、産業内でのファンダ
メンタノレズの変化による、投資の横並びの効果をきちんとコントロールする必要がある
とし、える。
よって産業内における設備投資の横並びを推計するためには、こうした変数の横並び
度合いを考慮する必要がある。こうした点を考慮して、本稿では以下の回帰式をもとに
分析をおこなう。
H(1
マ /K
,
,
)
=日+s,
H(q,
,
)+s,
H(CASH"/K,
,
)+s;X"+s
,
Z"+r,
+
)
1
,+
ε
(
1
)
H()は、横並びの度合いを示す指標である。例えば H(q,
,
)は
、 t期の産業 zにおける、
.
'
f
;
tは産業 zにおける観測可
トーピンの平均の qに関する横並びの度合いである。一方、 .
能な効果であり、産業全体のファンダメンタノレズおよび市場の競争環境などをあらわし
;
Iは産業 zにおける平均的なガパナンス構造である。また''(;, μ,
'ε"はそれ
ている。 Z
ぞれ、産業 zにおける観測不可能な効果、観察不可能な時間 tの効果、撹乱項を意味す
る。日は定数項である。そして眠、丘、丘、
s
,を推計して、横並℃行動の決定要因を
分析する。
横並び行動の程度は、対象とする産業全体で把握する必要がある。横並℃行動の決定
要因を分析するためには、本稿のように産業全体で捉える必要があるのそのため本稿で
は、(1)式をもとに、産業レベノレで分析を行うこととする。なお以下では、横並び指標
として L
S
V指標を採用する
本稿では当該産業が他産業と比較して、より好況(あるいは不況)であるかを、産業全
体の売上 或長率と比較することで測定する
J
U
そして全体の平均的成長率上りも訴離する
ほど、大きな値をとるように調整する。これは産業が好況(不況)ならば、投資を行う企
トービンの qについては、値のばらつきが大きいことが知られている(例えば、堀 脊藤・安藤 (
2
0
0
4
)を参照)。
S
V指標は、変数の
そのため、変動係数の指標 を利圧する と、異常値によるハイアスがかかる可能性がある。 L
c値によるパ1 アスの量当!!Iを受りないという特徴がある。この止め、
増減のみが対象であることがら、そうし t
本稿では、 L
S
V指標を横並 r
J'行動力指標として採用した。
5
12
日本経済研究比 5
7,2
0
0
7
.
7
業の害)
1
合なし、 L投資規模が大きく(小さく)なり、結果として横並ひむ傾向が表れると予想
されるからである。分析では、法人企業統計より、当該産業の売上高成長率から、全体
の平均値の'I[E離を 2乗した値を採用する。三た市場の競争環実も重要な要素である。本
稿では、その指標として各産業の売上高総額に占める、上場企業上位 5社の市場占有度
を採用した。
本稿では、パネル分析による推計を行い、産業ごとに算出した横並亡行動控標に対し
て、ガパナンス構造が与える影;善を検証する。また各産業のガパナンス構造を表す指標
として、各年の産業別のガパナンス変数(平町直)を採用しだコそしてこれらの変数が投
資の横並亡行動にどのような影響を与えるのかをみてしぺ。
産業別に集計したデータをもとに、設備投資の横並亡行動の決定要因を、投資関数に
もとづく分析を行った。分析では、
L
S
V指標)、キヤツ、ンュ・フロ
トーピンの平均の q (
L
S
V指標)、および市場構造(上場企業上位 5社の市場占有度)、産業の成
ー比率の変動 (
長要因(売上高成長率の平均直からの希離の 2乗)などでコントローノレしながら、所有構
造などに代表されるガパナンス構造が、設備投資の横並℃行動に与える影響を分析した。
また被説明変数である設備投資の
L
S
V指標は、各年度の産業別における設僚投資を増
加させた企業の割合を、全体の平均値で基準化していることから、平均を中心にばらつ
F
i
x
e
dE
f
f
e
c
t
)
いており、またそのばらつき度合いも小さし、といえる。そのため固定効果 (
モデルよりも、変量効果 (
R
a
n似 nE
f
f
e
c
t
)モデルのほうが分析に適していることが予想
される。実際、 F検定と Hausman検定の結果から、ほとんどの回帰結果で変動効果モデ
ルが採択された。
ガパナンス変数としては、所有の集中度を表す指標として筆頭株主持株比率を採用し
た
n
また所有者のタイプをそれそ';h、金融機関、証券会社、その他法人、海外法人、個
人その他の 5タイプに分けて、所有者の違いによる横並℃行動への影響を分析した変
数としては、タイプ別にそれぞれ、株式保有比率合計値の平均値、産業全体に占める筆
頭株主の比率、筆頭株主持株比率を採用した。
6横
並て対子動を観担iJ
Tるためには、本稿のように各企業に 匹
e
Tる変数(例えば設備投資など)を、グループ単
位(産業レベノレなど)に加工・集計する必要がある。その一方でガハナンス構造は、各企業で異なっていることか
ら、横並び指標との対応が問題となってくる。ヰア稿では、ガパナンス変数については、各年の産業別の平均値
を箪出して、横並び指標と対応させることとした。例えばある特定の産業で、各々 J;企業で所有が特定J;株主
に集中しているならば、上位株主の持株比率の平均値を求めることで、その産業の所有構造の特徴をとらえる
ことができるであろう 。
7 なお政府地方公共団体、 監頭味主であるケースが、データ数が主体で必と極端に低〈、また刻象となる産
業も限定的であることから、分析から捨象した。
論文
日本企業における設備投資行髭の不安定性とその決定要因
13
また長断T
などの金融機関は、持株比率に対する規制があること、また負債による規律
イ寸けによって企業の行動をコントロールできると考えられることから、持株比率以外に、
総資産に占める負債比率を、銀行のガバナンス指標として採寸した
推計結果は、表 4のとおりである。まず所有の集中度が横並℃行動に与える影響をみ
たのが、式 lである。これを見ると、筆頭株主比率が高い産業ほど、横並ひ司頃向が見ら
れることがわかる。この結果は表 3で見られた結果とほぼ同じである。
J
J
l
にみた、横並び行動への影響をみたものが式
次に所有者のタイフ i
O
2-)、式 3-)、式
4-) である。まず式 2-) では、株式保有比率合計値の平均値による分析である。これを
見ると、法人企業の持株比率が高い産業ほど、横並ひ可頃肉が強いことがわかった。これ
は企業問の資本提携などの影響などが、理由として考えられるであろう。また海ヒ外J
去人
の持株比率が高い産業ほど、設備投資が横並ひ司傾向になることがわかった。
また式 3-)では、タイプ別にみた産業こ、との筆頭株主の割合である。これを見ると法
人企業が筆頭株主である割合を示す変数で係数の値が一番大きいことから、式 2-) と同
様、法人企業が支配的な産業ほど、横並ひむ傾向が強いことがわかる。また金融機関や海
外法人が筆頭株主の産業では、横並び傾向が
sし、こともわかった。
t
毎外法人が所有者と
なる場合、筆頭株主として企業を所有するケースと、そうでない場合で行動が異なる可
能性があるといえる。例えば資産の運用などで所有する場合と、長期的な視野で資本提
携をする場合とでは、経営に対する方針は異なったものとなってくるであろう。こうし
た違いが、式 2-) と式 3-) との問の結果を反映していると考えられる。
また式 4-)では、各産業の筆頭株主の持株比率の平均値による分析を行ったが、これ
を見るとほとんどのケースでガパナンス変数に影響がないことがわかった。また式 2-)、
式
3-)、式 4-)すべてにおいて、負債・資産比率に関する係数で有意性が確認されなか
った。つまり設備投資の横並び行動に対する、負債による規律イ寸けの効果は確認されな
かった。
またこの時期には、金廠制度改革や銀行経営の業績悪化などもあり、銀行の果たす役
害J
Iも大きく変わっている
U
そのため金融機関が、設備投資の横並び行動に与える影響が
変化したとも考えられる。そこで 9
0年以降を lとするダミー変数と、株式保有比率の
なお負 債 資本比率による分析も試みたが、それでも係数の有意性は確認されなかった。また負憤 ・資本比
率と、(
負憤 ・資本比率)X (
1
9
同年以降を lとするダミ一変数)の交差項の聞には、 0
.
8
6という、高い相関が確
c
。その止め 1
9
9
0.'"以降の構造変化を検証グることが不可能であったこともあり、説明変数に採用しな
認され i
8
かった。
14
日本経済研究比 5
7,2
0
0
7
.
7
表 4 産業別設備投資の横並び行動とガバナンス構造
分ザ手法
変 量 勃 果 モ デ/レ
分 析手 法
変 量 効果 モ デ ル
変 量 効果 モ デ ル
観明司佐敏
T品 川 町 平均 的 q
式1
..明変数
Tobinl7)平均的 q
式 '-1
式日
,
,
(LSV指標 )
(
日日 4
39)
。 1
32
(
LSVf時)
総資本・キヤシ シュフロー比率
(
LSV指標 )
型 上 高 成畏 率 的 二乗 f
直
(
0.04291
O.0599
(
日日 4471
総 資 本 ・キ ャ ッ
、ン ュ フ ロ ー 比 率
上 位5
社 宵 場 占有 度
筆頭暗 主 持 椋 比 率(
世)
C.137
(
0,0440
O.0684
(
0,0453)
0.0537
(
0.0453)
(
日V指 標)
売 上 高 成畏 率 的 二 乗 f
直
0.212
(
0.174)
日 001
63
(0.02621
O
.00307
(日日日 1
05)
(
平 時f
置か らの草同町直)
日 1
32
0
.233
(
口 179)
(
平 均値 か ら の 草 離f
直)
上 位5
社 市場 占 有 度
0.220
(
0.180
日 00655
(
口 0269)
0.0112
(
0
.0078
2
)
O.OQQ371
(
口 00160)
日 開 911
(
口 0297)
生 融 機関持 続 比 率
0
.0120
(
0
.00807)
童融機関持株比率
x 1990
年 以 喝ダ ミ ー
(
1990
年以降 1
1
。 ω 537
If捧 会 社 持 時 比 率
0.00501
(
口 00919)
(
日日 0967)
日日 140
そ の他 法 人 企 業 持 椋 比 率
0.0133
(
口 00792
)
(
日日 08(4)
。0
135
海 外 法人 持 椋 比 率
個 人 そ の他 持 樟 比 率
(
産 業平 均 )
0.037
<
:
(
日日 4701
定数項
日 0565
ま民行借;
、
刻 ・総 資産 比 率
娯 行 借 入 ・総 資産 比 率
0
.0128
(
0.00810
)
(0.00824)
。 0118
(
0.00316)
口 0355
(
0.0543
)
0
.0108
(
口 00799)
C.0891
(
0,0705)
日 0798
(
0,0819)
銭行借入・総資産比率
年 以1
争 ダ ミー
x 1990
"
(
1990
年以降 1
1
1
.256
(
0
.810
1
.187
(
C.793)
YES
年 次ダ ミ ー
YES
YES
調整済みが
日日 73
調整済みが
0
.080
C.085
F績 を
2.27
F
検定
2.1
6
2.15
Ha
usl1aI1嶋定
21
.1
6
日間四日検定
25.93
1
3
.16
変 量効畢 モデノ
レ
分布荷号炉桧
.
露関変調
k
To
b
ind平均時 q
(
]
!
リ揃ヰ
事)
0
.
1
5
3
" 川醐 〉
亮上高成長平時二黒檀
(
平均櫨方らめ章雄値)
上位E
社市場占有度
相
( ~. M ~ ~)
。附
(
0
,0
4
50
)
。 附g
(
0
,Q
4
5ω
(
0
,1
7
1)
~ .(回 "
(
0,
0
227)
1
.6
[
.
8
15
)
(
0
,7
董盟締 主事l
古(
並 融 棋開)
D
年以降 "
董扇情 主事l
古(
証#毒性)
抽
"
量調栴 王副 首 l
その也 法人走車)
董蹟柿 玉事l
古 ,軍
( 外法人)
量
産頭綿 王割古 (
画 人そめ也 )
担 特{
曹人 +抱資産比苧
担 特{
曹人 +抱資産比率
X1
9
9
0
年以降ダ ミー (
1
9
90
年以降 "
1
を
念
賞嘆
年世与 さ
ヨ
!
t
;a
-2
Q
,1
1
7
(~ . M ~~)
-( 制
草頭 株玉事l
古(
茸融機関)
年以降タ ミー
X1
9
90
変 量効果 モデ ル
実H
棺資本+ キヤ ァ三" ~ ア ロ ー比率
1,70
S
(
0
,7
1
2)
1,
8
0
9
18)
(
0,7
1,6
1
7
(
0,7
8
0)
1,7
0
9
(
0,7
1
5)
0,01
39
(0凶凶
1
,7
5
7
(
0,7
1
6)
V
RS
制
特
輔
制
制
制
-0
.1
M
(
0
,
175)
0.
00
31
7
(
0,0
233)
1
,
1
2
0
(
0
,7
57
)
0,01
4
5
(
0
,
1
47
)
1
,
4
96
(
0
,7
附
1
,5
9
3
(
0
,7
1
5)
1
,
427
(
0
,
8
0
1)
1
,
4Sf
(
0,7
43
)
0
,0
7
39
(
0
,0
回()
0,09
6
6
(0開()
1
,&
16
(
0
,7
1
1)
0,0
t3
0
,0
07
F
I
'
定
定
;
乙"
;
乙ω
1
0,5
4
1,3
5
1偽 有 意 水 準、 料
被説明変数 ( 設備
(サンプル 19産 業
分析手法
院明変調k
To
binO平 均o.
(
L
'
¥
VI
岬 〉
判 .
総資本+キ ヤ "'V ~ フロー比中
制
( ~7繍標〉
売上高成畏串 o
二黒檀
(平均櫨からめ章雄櫨)
上位E
社 市場占有度
董頭椛 王持綿比率 (
量 闘 能明)
ヨ
え
十1
Q
,1
1
2
(~. f
l
4M)
Q,QM日
(
0,0
4
7
S)
一。 u,
(
0
,1
8
1)
0
."辺7
(
0
, 1
0
5)
【L 凶 ~ ,
(
0
,0
16
7
)
董頭椋主持綿比率 (
輩融機明)
(
190
0
年以降"
董頭柿主持綿比率 (
証#
毒性)
今季
判
吉
正胡椋 王持締比寧 l
モめ也法人定講)
判
董E
量杭 王持綿比串 (
画 人その他 )
董頭株主持綿比寧 (
噂外法人)
担特{
曹人 +棺 資産比串
U
叫
'
"
(
0,00
7[.8)
0,00
2
揖
(
0,00
2
1
1
)
D同 m
(
0,0
同M
0,00
1
18
(
0,0
037
9)
。 同 MO
何 回目)
担特{
曹人 +棺 資産比串
(
199
心
年以降"
定数 唄
X1
99
心年以降タ ミー
制
年仕与さ
調整 済みが
F
限
&,醐 " 続
開 有意 水 準 、 * 10偽 有意 水 準
投 資 /前 期末 実質 資本 主 聞 の
国軍効果 モデノ
レ
X1
9
9
心
年以降タ ミー
"
調 整済みが
& 'i
l相 続
料 *
定数 項
年 次ダミー
(0.022
1
1
o国 (
0
(
0臨時)
V限
0
,0
6
0
圃定 効果骨子ノ
レ
制
安
全
H
。m
印刷日}
。。隠a
ω0
4
86
)
0.253
(
0,182)
O
.0
4!4
,1
0
6)
(
Q
【
L凶 "
(
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,0
1
S
2)
【
L凶 0
0
(
0
,0
2
7
9)
0.
0
同 '"
(
0,00
7
蝿)
0,0
0
2
8
0
(
0,0
0
2
4
2)
。曲目 B
(
0,0
凹(0)
0,00
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論文
日 本 企 業 に お け る 設 備 投資 行 髭 の 不 安 定 性 と そ の 決 定 要 因
15
平町直、産業全体に占める筆頭株主比率、筆頭株主持株比率、そして負債・資産比率と
の交差項を作成し、金融機関の効果が変化したかを分析した(式 2
2、式 3
2、式 4
2
)。
しかしその効果を確認することはできなかった
なおその他ロコ変数についてみて見ると、
、ーピンの qの L刊指標や、キヤツ、ンュ・フ
ローの L
S
V指標で、係数の有意性が確認される一方、産業の競争環境を表す市場占有度
や売上高成長率で有意性を確認することはできなかった。
これらの結論から、株式じて集中は企業の設備投資における横並立行動に影響を与える
ことが確認された。またそれをタイプ別に分析すると、法人企業による支配が強い産業
ほど、横並℃行動が起こりやすいことがわかった。加えて、海外法人の場合、筆頭株主
として企業を所有する場合と、そうでない場合とで、横並び守動に対する影響が異なっ
てし、ることがわかった。
トーピンの q の変化が設備投資に大きな影響を与えることもわかった。この結果は、
K
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1
9
3
6
)が想定した、所有と経営が分離された状況で、株価の変動に感応的な、短
期的な視野を持つ投資家の存在によって、投資の不安定性が増すとし寸見解と整合的で
あるといえる見方もできるかもしれない。いずれにせよ、設備投資を横並℃行動という
観点から分析した場合、企業の所有構造が設備投資の不安定性に寄与することが明らか
になった。
4
. 結論
本稿では、設備投資に関する横並乙行動について、その決定要因を分析した。投資家
と経営者の問で情報の非対称性が存在するケースでは、投資に横並ひ守子動が行う可能性
があることは、 ScharfsteinandStein (1ω0)によって理論的に指摘されていた。これ
は所有構造をはじめとするガパナンス構造が、企業の横並び行動に影響を与える可能性
があることを示唆している。
本稿では、こうしたガパナンス構造と、投資の横並℃行動との関係に関する検証を行
った。そして機械系産業では常に横並ひむ傾向にあることが確認された。またこの他にも、
食品、電気機械、輸送用機械、土木建築などでは、常に横並び傾向が見られることがわ
9 このほか、 1
9
8
28
9字
、 9
02
0
0
0年の 2期間にサンプル分割して、推計を行ったが、それでも構造の違いを確
c
係数
認守ること ρできなかった。またサンプノレ分劃による観測値の減少により、通年の分析では有志でまわっ t
が、ともに有意性が消滅してしまうなどの問題があることも明らかになった e
16
日本経済研究比 5
7,2
0
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7
.
7
かる。また所有が集中している企業ほど、横並ひむ傾向が強し傾向にあることが、サンプ
ノレ分割による L
S
V指標の比較によって明らかとなった。
しかし銀行守幸正券会社などは、所有可能な持株比率に制│設があるため、所有の集中度
の違いだけでなく、保有する株主の種類も考慮する必要がある。実際、所有が集中して
いる企業のほとんどは、法人企業によって保有されており、所有者のタイプの違いも考
慮した分析が必要といえる。
本稿では、こうした点を考慮して、産業別に集計データをもとに、回帰分析を行った。
そして法人企業が支配的な産業ほど、横並ひむ傾向が 5
郎、こと、金融機関キ海外法人が筆
頭株主の産業では、横並ひむ傾向が弱いこともわかった。また海外法人が筆頭株主である
場合は、i!Eに横並ひ守子動が比較的弱し、ことがわかった。このことから、筆頭株主として
企業を所有するケースと、そうでない場合で行動が異なる可能性があることがわかった。
また分析対象期間の金融制度の変化を考慮した分析を行ったが、本稿ではそうした変化
が横並ひ行動へ与えた影;善を確認することができなかった。
本稿では、こうした所有構造の違いが、経営者による設備投資の横並℃行動を引き起
こす可能性があることを明らかにした。しか L投資家の経営者に対する規律付けのメカ
ニズムについては、 C
E
Oや取締役会の交代や、外部取締役によるモニターなども横並び
行動に重要な影響を与えると考えられる。こうした内部およびザト部ガパナンス構造を考
えることで、こうした経営者による設備投資の決定要因をより詳細に明らかにすること
ができるであろう。
付録変数の作成方法
本稿における設備投資と資本ストックの推計方法は、おもに堀・杏藤・安藤 (
2
0
0
4
)、
小林・秋吉 (
2
0
0
6
)を参照した。まず実質設停投資額は、建物、構築物、機械装置、船舶、
車両運搬具、工具器具備品の新規増加額( r
有形固定資産増加額J)を、それそ
年を l とするデデ、ブレ一夕一で基準イ七し、その合計から算出した。またデフレーターは、
建物、構築物に対しては、 2000年基準の需要段階別・用途別指数(素材原料と中間財の
建設用材料指数のウェート)を、機械装置、工具器具備品については、 2000年基準の圏
内企業物価指数の一般機器・電気機器・精密機器の各指数をウェートイ寸けしたもの(指
数のウェートは、各基準年におけるウェートを使用)、また船舶、車両運搬具について
は
、 2000年基準の園内企業物価指数の輸送清機器の指数を使用した。
また実質資本ストックの推計には、恒久棚卸法によって行った。計算式は K,
二
論文
日本企業における設備投資行髭の不安定性とその決定要因
17
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、機械装置 0
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8
8
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8とした。
そして工具器具備品 0
なお資本ストックを推計する際、 1
9
7
7年度以降上場している企業の場合は、上場した
年度の簿価を、またそれ以前にすでに上場している企業については、 1
9
7
7年度の簿価を
ベンチマークとした。なお電力会社については、ほとんどのデータで有形固定資産の新
規増加額が欠損していたことから、分析から除外した。
参考文献
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第1
1章東京大学出版会 p
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「横並び」行動に関する実証
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5
論文
日本企業における設備投資行髭の不安定性とその決定要因
1
9
付表 1 回帰変数の基本統計量
変数
観測数
平均直
標準偏差
最小値
最大 値
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1
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金融機関持株比率制)
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4
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3
17.69
41
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証券会社持株比率制)
399
1
.6
3
0.80
0.30
4.44
その他法人企 業 持 株 比 率 制
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3
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6
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44.59
海外法人持株比率(
対)
399
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399
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46.47
筆頭株主劃合(金融機関)
399
0.08
0.05
0.00
0.26
革頭株主劃合(証券会社)
399
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0
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3
革頭株主劃合(その他法人企業)
399
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7
0.09
O
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.8
3
筆頭株主割合(海外法人)
399
0.00
0.01
0.00
O
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筆頭株主骨l
合(個人その他)
399
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0.07
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筆頭株主持株比率(金融機関)(
附
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0.47
0.31
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1
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筆頭株主持株比率(証券会社)(
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1
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筆頭株主持株比率(その他法人企
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