失名詞症に対する短期訓練と脳電気刺激

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Stroke 日本語版 Vol. 6, No. 3
Abstract
失名詞症に対する短期訓練と脳電気刺激
Short-Term Anomia Training and Electrical Brain Stimulation
Agnes Flöel, MD1,2; Marcus Meinzer, PhD1; Robert Kirstein2; Sarah Nijhof2; Michael Deppe, PhD2; Stefan
Knecht, MD2; Caterina Breitenstein, PhD2
1
2
Department of Neurology, Center for Stroke Research Berlin & Cluster of Excellence NeuroCure, Charite Universitätsmedizin, Berlin, Germany;
Department of Neurology, University of Münster, Münster, Germany
結果:すべての訓練条件において呼称能力が有意に改善し,
訓練終了後 2 週間以上にわたって改善が維持された。経頭
蓋陽極直流電気刺激によって,全般的な訓練効果が偽刺激
に比べて有意に向上した。ベースラインの呼称能力は,経
頭蓋陽極直流電気刺激の効果の有意な予測因子であった。
結論:非言語半球への経頭蓋陽極直流電気刺激により,慢
性期失語症の言語訓練の効果を改善することができる。
臨床試験登録:URL:www.clinicaltrials.gov/ 固有識別子:
NCT00822068
背景および目的:慢性期失語症に対する言語訓練の成功率
ははかばかしくない。脳電気刺激は,治療効果を高めるた
めの有望な方法の 1 つであると考えられる。
方法:無作為二重盲検偽処置対照クロスオーバー試験にお
いて,右側頭−頭頂皮質への経頭蓋陽極直流電気刺激と経
頭蓋陰極直流電気刺激および偽刺激とを比較し,陽極直流
電気刺激によって,失名詞症に対する短期集中訓練の成功
率が改善するか否かを検討した。脳卒中後の慢性期失語症
患者 12 例を研究に組み入れた。訓練直後および 2 週後に,
呼称訓練の結果を評価した。
Stroke 2011; 42: 2065-2067
ベースライン
A
訓練1
訓練2
訓練3
セット1
セット2
セット3
+陽極刺激
+陰極刺激
+偽刺激
時間
3×344枚の画像を呈示
2,
3を選択
セット1,
(それぞれ15種類の対象物)
訓練直後
訓練から
2週間後
1ブロック=画像呼称課題を60回試行
(15種類の対象物×画像トークン4枚)
B
ブロック1
0分
ブロック6
60分
stroke6-3.indb 30
ブロック2
ブロック3
ブロック4
tDCS
(20分)
休憩15分
ブロック7
ブロック9
tDCS
(20分)
ブロック8
C
ブロック5
60分
ブロック10
120分
刺激
(1mA)
2×20分/日
A:3 回の訓練・刺激セッションを被
験者に実施した。訓練直後と 2 週間
後に検査を行った。B:訓練セッショ
図 1 ン。C: 頭 部 の 経 頭 蓋 直 流 電 気 刺 激
( tDCS )部位を赤色の点で示す( 黄色
の点は標準的な 10 ∼ 20 法による
脳波測定部位を示す )
。
11.12.26 1:37:00 PM