年間教育活動報告集2014「BZ」

文化学園大学造形学部
年
間
教
育
活
動
報
大
学
創
立
5 0
周
年
記
念
告
集
2
0
1
4
P3
卒業研究
優秀作品集
P23
造形学部
プレゼンフォーラム
P29
学外連携
地域連携・産学連携
特
集
号
大
学
創
立
5
0
周
年
記
念
写真で振り返る、造形学部50年の歩み。
本学は文化女子大学として 1964(昭和 39)年に開校しました。その翌年(昭和 40 年)には短期大学部に生活造形科
ご
あ
い
さ
つ
が設置され、更に 1966(昭和 41)年には家政学部に生活造形学科が設置されました。金工、染色、織物、陶工
の 4 コースから始まった生活造形学科は、その後、インテリア、テキスタイル、工芸、造形文化など、多彩な専門コース
BZ- 造形学部年間教育活動報告集- によせて
文化学園大学は平成 26 年度、創立 50 周年を迎えました。造形学部はデザイン・造形学科と建築・インテリア学科があり、それ
ぞれの専門分野でモノづくりやデザインの追求に励んでおります。それらの成果を公表し評価いただくことを目的に、年間多くの教育
行事を設けておりますが、26 年度は 50 周年を記念し、さまざまな工夫を凝らしました。本学部の特色である「新宿・渋谷の立地を
生かした都市型連携教育」や「地域連携型教育事業」
、学科ごとの「プレゼンフォーラム」などにおいて、また成果発表の最大の機
を開設し、今世紀初頭には造形学部へと発展しました。本学の 50 周年を記念し、その歩みを振り返ります。
196 4
1963(昭和 38)年 11月、
会である「卒業研究展」には【造形学部の軌跡】を DVD にまとめ学内外の皆様にご覧いただくなどの取組みをいたしました。
円形校舎の東側に地上 6 階、
この報告集は、これら年間を通しての多様な教育活動の中から、
「卒業研究展」を主とする3件を1冊にまとめたものです。広く皆
学園創立 40 周年と大学新
様にこの報告集をご覧いただき、多くのご意見、ご指導をいただいて本学部の新たな展開につなげてまいりたいものと期しております。
本学部の日頃の教育事業にご協力いただいております多くの方々に心から御礼申し上げますとともに、今後ともご指導ご支援を賜りま
すよう、お願い申し上げます。
造形学部長 堀尾
眞紀子
地下 2 階の新校舎が完成し、
れました。1964(昭和 39)
年 4 月15 日には、大学の第
1回入学式が行われ、1966
( 昭 和 41)年には、短 期 大
学部「生活造形科」に続いて、
大 学家 政学部にも「生 活造
形学科」が設置されました。
デザイン・造形学科
建築・インテリア学科
1969 年 文化祭
校舎 落成 記 念 式 典が 行わ
当時の織物実習
1964 年 校舎
1970
作家中心の従来の芸術教
育 ではなく、消 費 者 の立場
本学科では、 幅広いコースがそれぞれ専門性を深め、
本学科では、広い視野と豊かな感性を養いながら、
感性をはぐくみ技術をみがいています。視覚情報や
生活者の視点を重視したデザインの出来る人材の
生活用品の「グラフィック・プロダクトデザインコース」、
育成 を目指しています。「 建 築 デ ザインコース 」
雑誌、書籍の編集制作をする「メディア編集デザイン
「住居デザインコース」
「インテリアデザインコース」
コース」、金属や七宝による造形表現の「ジュエリー・
「インテリアファブリックコース」 の 4 つのコースで
からデ ザインを 考えるハウ
タートした生活造形学科は、
1971
(昭和 46)年には、従
来の「金工」
、
「染色」
、
「織物」
、
「陶工」に加え、
「インテリア
デザイン」
、
「テキスタイルデ
ザイン」の 2 コースが 設 置
メタルワークコース」、染めと織による作品制作の
は、街づくりや生活の拠点となる集合住宅や独立
され、6 コースになりました。
「テキスタイルワークコース」、独創的な作品づくり
住宅、さまざまなショップや各種施設、さらには空
の「アートワークコース」の 5 コースがあり、本冊
間を演出する家具・照明器具・インテリアファブリッ
子では学生の作品や活動記録を収録しています。
クまで幅広く扱い、コースに分かれて専門を深めな
1980
平成 25 年度には 「映像クリエイションコース」 が
がら合同のプロジェクトにも取り組みます。
加わり、専門性の幅が広がりさらなる豊かな暮らし
平成 25 年度にはコース編成が新しくなり、ひとり一
コースを 増 設し、他 大 学に
づくりへの提案を目指します。
人の個性や感性を大切にしながら、幸せの空間づくり
学 科として発 展していきま
映像クリエイションコース
を目指します。
グラフィック・プロダクトデザインコース
メディア編集デザインコース
インテリアデザインコース
テキスタイルワークコース
インテリアファブリックコース
ジュエリー・メタルワークコース
建築デザインコース
アートワークコース
住生活デザインコース
1973 年 文化祭
ス・オブ・アートの理 念でス
1973 年 文化祭
1978 年バザーの様子
生活造形学科は、時代の
要請にこたえた多彩な専門
はない唯一無二の個性的な
1981 年 文化祭ものまね
す。1982( 昭 和 57)年 に
は、
「工芸デザインコース」が、
1990(平成 2)年には、デ
ザイン、工 芸、美 術 など を
幅広く研究することを目的と
した「造形文化コース」が設
置されました。
文化祭グリルの様子
1985 年 文化祭
3
大
学
創
立
5
0
周
年
記
念
1990
も
1996(平成 8)年、ライフスタイル
の多様化とともに、消費者の造形・デ
く
じ
写真で振り返る、造形学部 50 年の歩み
1
卒業研究優秀作品
3
グラフィック・プロダクトデザインコース
4
メディア編集デザインコース
6
テキスタイルワークコース
8
ザインへ求める要求 がますます専 門
化・細分化する中で、生活造形学科も
1990 年 卒業研究展
コース再編を行い、
「工芸」
、
「住環境デ
ザイン」
「造形表現」
「造形文化」
の 4コー
スの中にそれぞれ専門的な専攻を配置
する編成となりました。
1997 年 造形文化論演習
1998 年新校舎 ABC 館落成
2000
2000(平成12)年、
文化女子大学は、
2 学部 4 学科から 3 学部 7 学科へと
大きく生まれ変わり、
「家政学部 生活造
形学科」は「造形学部 生活造形学科」
ジュエリー・メタルワークコース
10
アートワークコース
12
建築デザインコース
14
住居デザインコース
16
インテリアデザインコース
18
インテリアファブリックコース
20
会場レポート
22
造形学部プレゼンフォーラム
23
学外連携
29
2002 年 FUSE-
と「造形学部 住環境学科」に再編され
ました。さらに 2011
(平成 23)年には、
大学の名称が「文化女子大学」から
「文化学園大学」に代わり、翌 2012(平
成 24)
年から男女共学に。
「住環境学科」
は「建築・インテリア学科」として、
「生
活造形学科」は「デザイン・造形学科」
としてさらなる発展を目指します。
2001 年 玄関モニュメント
プレゼンフォーラムでの発表
My Little Little House
オートカラーアウォード 2011
2002 年 教科展示
マナーウォーク
コストーク
4
卒業研究
優秀作品集
See.Feel
日本地域ごとの名産物をグラフィック化したハンカチ手ぬぐいのデザイン
田村 美優
足をテーマにした表現展開の提案
解説
鈴木 萌
日本全国には、その土地ならではの風土を活
かした特産物や伝統文化が根付いている。昨今、
そんな日本の良さがあらためて見直されるなか、
私も地域の良さをたくさんの人に知ってもらい、
地域活性化に繋げようと思い、全国 47 都道府
県ごとのご当地ネタを身近な“手ぬぐい”に表
デ ザ イ ン・ 造 形 学 科
現することで伝えたいと考えた。特産品や郷土
料理、建築物、名所などを織りまぜ、イラストや
パターン模様などを工夫し地域らしさが出るよ
うデザインした。
保田 美彩子
W820 × H895 × D270mm
解説
正方形で構成したシンプルなデザインのキャ
ビネット。ノブや指をかける穴など余分なものを
すべて排除したフラットな扉は、押すと開くプッ
みなければ分からない。扉の開く方向や開いた
内側の収納スペースの形に変化を持たせること
で、扉を開いた時の驚きと楽しさを演出した。
A N D
冷え
chill
D E S I G N
血行障害。手足の末端など部分的に冷えを感じること。つま先の芯から透き通るように冷えを感じ、細かいびりびりとした痛みの刺激も伴う。感覚も鈍くなる。
「冷え」
という外敵が肌を固く包み攻め込んでくるイメージを表現。また、細かい肌の痛みを白のボーダーで表している。
ちょっとこんね ! ふくおか
福岡のプロモーションアニメの制作
御手洗 里佳
解説
様々な角度から見た足の魅力をヴィ
プロセス
今までの作品も足に関する事が多く、
講評
この 作品は「足 」の内側の 感 覚を視
ジュアル化し、表現展開方法を提案した
自分が思う足の魅力について自身がより
覚的に表現する方法を試 行錯誤するこ
作品である。足の魅力を「外側からみた
深く理 解する為にテーマとした。また、
とで、他者の感覚に響く今までに無い作
足(See)
」
「内 側から感じる足(Feel)
」
自分なりの感じ方や見え方をヴィジュア
品となった。研究当初からヌードデッサ
の2つの面に分け、具体的な5つの表現
ル 化させ、他 者に伝 えたい、共 有した
ンや、足そのものの 組 織の成り立ちに
展開を行った。方法としては①ストレー
いと思い表現展開の提案という研究題
ついての 考 察を重ねることで作品に深
トに写真で表現する。② 様々な素材や
目とした。あくまで根元の考えと方法だ
みを与え、作者が 持つ瑞々しい感 性と
グラフィックで表現する。の2つを用い
けを個人的な視点から始め、自己表現
合わさることで、デザインとしての面白
た。様々な表現展開を行うことで、足の
の域で終わらないよう、人に伝わりやす
い展開となった。作者の真摯に捉えよう
魅 力に対して個人の気持ちや感 覚の共
い「表現展開」を提案できるよう意識し
とする姿が反映された表 情豊かな作品
有、改めて意識や疑問を向けることが狙
ながら研究を進めた。
である。
解説
福岡出身である私は「福岡のイメージがピンと
こない」という周りの声から、アニメーションムー
ビーを制作した。登場するキャラクターたちに福
岡のネタを語らせるスタイルをとることで、博多弁
ならではのイントネーションやリズムをおもしろお
かしく楽しんでもらえるのではないかと思う。ま
たアニメーションに関連したグッズや LINE スタ
ンプも制作した。このアニメを通して、福岡に興
味を持ってもらい、ぜひ福岡に来てほしいと思う。
いである。
6
A RT
グ ラ フ ィ ッ ク ・プ ロ ダ ク ト デ ザ イ ン コ ー ス
に正方形が整列しているだけで、どこを押した
ら開くのか、どのように開くのかは実際に触って
O F
シュラッチ式になっている。一見したところ均一
D E PA RT M E N T
保田印の玩具的家具
7
しぜん
いきいき☆死前ライフ
チラリズム。
─ その一瞬の美学 ─
石川 史織
音羽 亜紀
くるみ綴じ製本 新書サイズ 173 × 107mm、142 ページ
くるみ綴じ製本 函付
B6 182 × 128 mm 108 ページ
解説
誰もが一回は経験した事のある、あの子、あの
人のふとした瞬間の隙。脚を組み 換える時にス
カートから覗くスラッとした脚。思わず見てしまう。
それはチラリズムによるものなのです。チラリズム
は一瞬に美学があるのです。チラリズムは日本独
特の文化なのです。そのチラリズムを私なりに追
デ ザ イ ン・ 造 形 学 科
求し、
写真や文章で表現しました。そして、
本のケー
スや袋とじを取り入れることにより、よりチラリズ
ムを感じることができるようになっています。
─ あなたの愛で大人になった─
緒方 愛
解説
くるみ綴じ製本
194 × 148mm、140 ページ
みなさんは“おふくろの味”と聞いて思い浮か
べるものはありますか。一般的におふくろの味
います。しかし、見た目が悪く、味 付けや調理
が適当であっても、私たち子どもにとっては思い
代の若い人たちにおふくろの味のレシピやエピ
ソードを聞き、一 冊にまとめました。お母さん
の手料理が食べられる素晴らしさを再認識して
D E S I G N
ぼぼんぼ
出山 森
〜始まりはシャンプーハット〜
くるみ綴じ製本 A5 210 × 148mm 70 ページ
解説
プロセス
講評
る事に退屈しているであろう現代人に捧
死ぬ想像や死んだ後の妄 想ばかりして
ただし誤 解のないように言っておくが、
げるためのものです。誰にでもいつかは
きました。もやもやと考えていた死生観
この作品は決して「死」を推奨するもの
訪れる「死」という現実に楽しく向き合
やわたしがこれまでしていた想像、妄想
ではない。あくまでも娯楽本である。ま
うための純然たる娯楽本です。
「死に方
の行程を本にまとめることに決め、この
だ 22 歳の 作者が、自身のおいたちに
を考える」ということは「生き方を考え
一年、題材と文章を排出することに努め
も由来する独自の「死生観」を、その卓
この本は、平均寿命が伸びまくり生き
小さい頃から想像力が逞しく、自分が
本書は「死」をテーマにした本である。
る」ということです。普段、とても遠く
ました。そしてモチベーションを保つの
越した文章力で書き綴った力作である。
に感じているであろう「死」をもっと身
に必死でした。なるべく深夜のハイなテ
作者自身も人生の今この時にこそ、この
近に感じてほしい。そして「死」への憧
ンションで、いい具合の絶望感に苛まれ
テーマと対峙しなければならないことを
憬・衝動・恐怖をより深く現実的に考え
つつ、落ち込む事を考えたり、言 葉 で
理解していた。作品中にもある「生きる
てほしい。そんな本を書きました。
遊んでみたり、己との戦いでした。
ことと死ぬことは同義である」の言葉が
胸を突く。
8
A N D
いただけたらと思います。
A RT
メ デ ィ ア 編 集 デ ザ イ ン コ ー ス
出深く、かけがえの無いおふくろの味です。現
O F
と聞くと、手の込んだ和食を思い浮かべると思
D E PA RT M E N T
おふくろの味
解説
一言で言えば“癖のある楽しい4コママンガ”である。このマンガを通して、自分が得意とする妄想力をいかに広げられるかをとことん追求した。このマ
ンガは、深くもあり浅くもあり、面白くないと思う人は本当につまらないものだ。しかし、それとは反対に、面白いと思う人は本当にめちゃくちゃ“ツボ”る
マンガである。
「ぼぼんぼ」は、
兄のくせに役に立たない。
「かおりちゃん」は、
常に臭い天然キャラ。
「あか様」は、
偉大。
「クーポン犬」は、
すごい威力を持っ
た目力を発揮する。
「琴音」は、
最強の音痴。
「紅音」は、
癒し系の変人。
「風華」は、
ハリセンを持った面白くないツッコミ役。
「???」は、
ストーカー…などと、
このマンガのキャラクターはみんな個性的な性格をしている。ちなみに、ハマった人に好きなキャラクターは誰かと聞いてみたところ「あか様」と答えた。
9
花
physalis
解説
ドレス
包む
着物
石田 葵
型染、ステンシル・絹
1700 × 1700mm
解説
卒業研究をするにあたり、これまで主に学んできた型染技法による着物
花田 佳奈美
入澤 真子
スプラング、平織・綿
2000 × 3000 × 1000mm
2年生の春にグアテマラの民族衣装の展示に出会った。そこには色彩豊
を制作した。型染の特色を生かした、面白みのあるデザインを考え、
“透
型染(摺り染)
、引き染・絹 1900 × 1900 × 1000mm
安らぎのテキスタイル
富かつ細やかなデザインで織られた民族衣装の数々があった。それらを見
かしほおずき”をモチーフにデザインした。ほおずきが乾燥し、現れた繊
てグアテマラの色彩を作品にしたいと思い“人を包む”をテーマにハンモッ
維と、その中の実を繰り返し組み合わせ、幾何学的な要素を取り入れた。
クを制作した。ハンモックは、段染めした綿糸をスプラング技法でネット状
ステンシルをする型紙と、防染用の糊を置く型紙の 2 枚型で制作し、ほ
に編組し、
使用した時に体が包まれリラックスできるようにした。スリングは、
おずきの繊維部分には、同系色で 5 回に分け色を重ね、変化をつけた。
あえて色数を限定し色の配置でカラフルに見えるよう工夫をした。
D E PA RT M E N T
O F
A RT
A N D
及川 さとみ
D E S I G N
mushroom road
室内装 飾
綴織、パイル織・ウール、綿等
2000 × 2500mm
解説
私はきのこモチーフが好きなので、そこからイ
メージを広げ、メルヘンをテーマとし子 供を対
解説
プロセス
講評
も自分らしい表現のできる型染を選び、
中に直 接色を摺り込む、摺り染 技 法を
け、大 学では自分で作った布 で 洋 服を
私はこれまでの学んだ技法の中で最
今回、型 染の中でも彫り抜いた穴の
作者は高校時代に洋裁技術を身に付
ドレスを制作することにした。テーマを
用いた。型を 4 枚にすることで花やつ
一から仕上げたいという希望を持ってい
花と決め、中でも父が栽培していること
ぼみ の 美しさを立体的に表 現しようと
た。その希望通り、手織、オパール加工、
もあり幼い頃から親しみ、最も好きなバ
思った。全 体の色である黄 色は手 染 感
絞り技 法などを駆使して様々な洋服を
ラの花をモチーフにした。バラの色の決
を大切にするために浸染ではなくぼかし
作ってきた。今回はその集 大 成として、
め手となったのは花言葉だった。オレン
染にすることにした。また、大きな花の
多数の孔版により写実的な表現が可能
ジのバラの花言葉のひとつに「絆」があ
形をドレスのデザインに取り入れ、その
になる摺り染技法(摺り友禅)でドレス
る。将 来 パートナーとなる人との絆や、
中心に共布で制作した巻きバラを装飾
を制作した。10mあまりの布に微妙な
友人、家族との絆を大切にしたいという
することで、染色表現だけでなく形とし
手加減で一つ一つ染められた花はプリ
思いを込めた。
ても立体的なバラを表現した。
ントで表 現できない、温かみ のある作
象とした遊べて見た目も楽しいラグを制作した。
パイル織と綴織で立体感を出した道のマットは
4 種 類 で計 8 枚、ゴツゴツした 質 感を出すた
め綾織変化組織で織った切り株の椅子は大小あ
り、子供が自由に組み合わせて道を作れるよう
デザインした。また、草むらには羊毛フェルトで
できたきのこをさすことが出来る。
品になった。
10
11
RINGS
to color
天野 汐里
原点回帰
山口 綾子
彫金、精密鋳造、七宝/銅、真鍮
460 × 360 × 40㎜
彫金・精密鋳造/シルバー 54 × 45 × 37mm 他 29 点
解説
自然をモチーフにして「実りの秋」
「色
デ ザ イ ン・ 造 形 学 科
づき」をテーマに、秋に関する葉や実な
どの植物を銅板や真鍮 板を用いて制作
した。額に敷き詰めた葉っぱは、大きさ、
高さ、厚み、質 感を一枚ずつ微 妙に変
えて、切る、彫る、叩く、折り曲げるな
どの加工を施した。表面の仕上げは金
属を煮る、燻す、漬ける、焼き付ける、
など様々な着色方法を用いて実験を繰
現した。
Elegant Flowers
おくりものジュエリー
橋本 葵
精密鋳造・彫金/シルバー・半貴石
100 × 100 × 20㎜ 他 3 点
解説
おくりものを受け取った時のわくわくした期待
感をジュエリーに表現した。花やレースをモチー
ダリや、デンドロビウムに天然石とパールを入れ
透かし模様を入れ、よりレースらしくなるように布
目のテクスチャーを付けた。さまざまなシーンで
身に着けることができ、飾って観賞用としても楽
D E S I G N
ジュエリー 空心
SORAGOKORO
増田 瑶
解説
彫金/シルバー・七宝・半貴石
94 × 91× 15mm 他 3 点
近年、異常気象が目立ち外出が億劫になる時
がある。そのような時でも身に着けていると気
解説
プロセス
講評
ることを意味する。私の原点は「ものづ
る部分を切り取り接着する。30 羽がそ
細部まで施した緻密な造形力は秀逸で
くりが好き」という気持である。私がこ
れぞ れ 違った羽ばたき、視 線になるよ
ある。指輪としての機能とオブジェとし
の大学に入学した理由、就 職する理由
うに形成してシルバーで鋳造する。シル
ての造 形を両立させるため、雲を象徴
も全てはこの原点から始まっている。
バーの角棒を金鎚で厚み幅などを調節
的に表 現したアーム部は鳥とのバラン
作品には、渡り鳥をモチーフに選び、
し、やっとこを使って雲の形に曲げ、リ
スを考え上下量 感を絶妙に変化させて
巣立ち、渡り、そして同じ場所へ戻ると
ングのパーツを制作、ろう付けした後に
いる。作者の精神性や思想を指輪とい
いう生態と、現在から次のステップへ進
やすりで全体を整えリングと鳥をろう付
う形態を利用し、その用途を超 えオブ
む時、自分の原点へ立ち返り行動する、
けする。
ブラスターでリングの表面をマッ
ジェ/インスタレーションとして表現し
という行為を重ね合わせて群れで飛翔
トにし、指があたる内側を鏡面仕上げし
たアートの側面も見せる秀作である。
しているようなリングを制作した。
て完成。
「原点回帰」とは、物事の出発点へ戻
ブロックワックスから鳥の胴と翼にな
12
オーソドックスなモチーフだが1点1点
A N D
しむことができる用途の広がる作品を目指した。
A RT
ジ ュ エ リ ー ・メ タ ル ワ ー ク コ ー ス
たブローチにした。花の背景にはレースのような
O F
フに花束をイメージし、バラ、カラー、ガーベラと
D E PA RT M E N T
り返し行い、秋の 紅 葉を彩り豊かに表
分が楽しくなり、家の中にいて飾っているだけで
も楽しめる陽気なジュエリーを制作した。デザ
インは天気を空で連続して発生している水の粒
の変化と重なりと捉え、パーツが重なり合う連
続性のある形とした。
「晴れ」
「曇り」
「雨」
「雪」
それぞれに七宝と半貴石でイメージに合った色
彩を組み合わせて配置し、統一感の中にアクセ
ントをつけた。
13
humanism
山本 亮子
ray
石川 亮子
油彩/パネル、麻布、白亜地
φ1200×43mm
解説
木彫/楠 h1200 × w600 × d600mm
光をテーマに制作したが、単に
日光 の 光 や 木 漏 れ日を描くのは
つまらないと考え、万華鏡を作り
そこから覗いた風景を描いた。制
作していくうちに自分には明るい
デ ザ イ ン・ 造 形 学 科
色彩のキュービックな表現方法が
合っていると分かり、最初は万華
鏡から覗いた景色を写実的に描く
つもりだったが、それを自分なり
にキュービックにアレンジし、光
の 煌めく様 子を色 面 構 成 的な作
品に仕上げた。描きたいものを探
求しながら描き進めることで、自
夏の終わり
解説
神山 恭乃
地球の子
油彩/キャンバス 1620 × 1303mm
解説
この作品は、大学の授業で壁画制作に参加した際、休憩時間に友人と何気
松崎 遥香
塑像/石膏、樹脂
h870 × w630 × d310mm
人間を構成する成分に着目した。地球上のあらゆる動植物、地球そのも
なく撮った写真がモチーフとなっている。身体で感じた夏の終わりの空気と、
のも宇宙の一部として共通のものであり、宇宙が含む成分と同じものででき
ていることから、
「人間はすべての生命と同じものであり地球という星その
ものである」ということをテーマに制作を行った。地中深くで生成される鉱
とに苦戦したが、描画するに従って自分の思い描いた理想の作品に近づいて
物と人体を融合させ、地球という自然から生まれた一生命体である人間の
いく過程が達成感に繋がり、完成まで諦めずに作品に取り組むことができた。
別の生命としての可能性、自然の神秘や生命同士のつながりを表現した。
O F
大変だったけれど楽しかった壁画制作も終わってしまうという淋しい心情を落
ち着いた青のトーンで表現した。画面が大きかったことから完成度を上げるこ
D E PA RT M E N T
分というものがよく見えてくる気
がして興味深かった。
A RT
A N D
ア ー ト ワ ー ク コ ー ス
D E S I G N
解説
プロセス
講評
は自分が期待していた事が意図していな
材、と云うよりも自分に合った素材であ
スなテーマではあるが、この作品の持つ
い方向へと転がった時に、裏切られたみ
ると考え選 択した。作品を正面から見
全 身像とも半身像とも取れる絶妙な三
たいな顔をして「信じていたのに」と言
た時は具象的に、背面からは抽象的に
角形の構成には、力強い安定 感と作者
が込めた「女神像」としての透明感、清
私は信じると云う言葉が嫌いだ。ヒト
素 材を楠にしたのは作品に合った素
木彫による人物像というオーソドック
う気がしてならないからだ。勝手に期待
見える様にして形体 の面白さを追求し
しておいて、勝手に絶望される。誰かを
た。また 顔と手を精密に作り身 体を簡
潔感を感じることができる。体全体を巻
信じると云う事は遂 行実現を願うので
略 化させる事で違 和感を作りだし、人
くように最下部まで大きく流れ落ちる頭
はなく、自己精神への保証なのだろうか。
間から離 脱させ荘厳さを感じられる様
髪が、作品全体のフォルムとして心地よ
その様な思いが渦巻き、信 頼される事
にした。着 彩は最後 の 最後まで迷って
い。又、中央で組 んだ 両手にも何か内
の負担から逃れたくなり、身代わりとし
いたがオイル処理だけにし、木の趣と素
省的な雰囲気が漂う。空間構成の美し
て神様を作ってしまおうと思い制作に打
朴さを重視させた。
さをよく意識した堅実な作品である。
ち込んだ。
14
15
ママップ
MORI
お母さんと赤ちゃんのための子育て施設
公園と融合した子どもと大人の集い場
渋谷 志於里 [制作]
丸田 菜々 [制作]
施設を地区公園に設置することで、身近で安心して利用できる施設の提案をしたいと考えた。公園とのつな
がりを意識して、建物は木をモチーフに幹や枝が建築の構造体となり、森を連想させるデザインを目指した。
マタニティ
ダンダン石炭公園
資源遺産を守る計画
楊 氷竹 [制作]
O F
解 説 世界遺産である西露天坑は現在
採掘が継続されている一部を除き荒廃し
ている。美しい露天 掘りを守って行くた
A R C H I T E C T U R E
めに、世界中の人々が旅行に来て楽しめ
る場所にすることを計画した。ホテルへ
は地上レベルからエスカレーターを下っ
てアクセスする。地上付近を走る鉄道か
ら露天堀掘りの全景を望み、地上から最
『ママップ』ママになるためのマップ
下段まで遊歩道を辿って散 策ができる。
マタニティ 立面・断面図
採掘体験もでき、長期滞在に備えてスポー
&
交流の親子カフェ
I N T E R I O R
建 築 デ ザ イ ン コ ー ス
ツ施設や野外劇場も整備した。
小林一三による劇場経営と都市の近代化
日比谷劇場街の形成と東宝チェーンの展開に関する言説を中心に
涌井 千花 [論文]
交流の子育て教室
解説
ママ達が理想としている支援システム
D E PA RT M E N T
建 築 ・イ ン テ リ ア 学 科
解 説 近年、小児科や託児所の不足により、子どもに関わる環境は決して良いものとは言えない。また、
地域交流の場というのも少なく感じる。そこで、小児科・託児所・地域住民が自由に使えるホールを複合した
育ちのプレイルーム
プロセス
小さい頃から子供が大好きで、ここ数
アフターマタニティの宿泊エリア
講評
昨今「子育て支援」はしばしば耳にす
を表した『ママップ』に沿った施設のプロ
年、私の周りの人が妊娠・出産したことか
ることばだが、この計画の特徴は妊娠、
トタイプを計画。ママと赤ちゃんの為の5
ら日本の子育て環境の現状を知り、ママ
出産から子育てまで一貫した支援システ
つのテーマ「マタニティ」
「アフターマタニ
達の悩みを解決してあげるべきだと思い
ムを構築している点である。中国、韓国
ティ」
「交流」
「憩い」
「育ち」の機能を担
研究。女性達が子供を産みやすく子育て
で定評のある産後ケアや子育て疲れの
う建築によって構成されており、ママと赤
しやすい環境づくりを提案し、女性が子
ケアも視野に入れ、子どもを授かりたい
ちゃんが気軽に入れるカフェやホテル等
どもを産みたいと思える環境にすること
夫婦、出産前後の母親、家族ぐるみで子
を備えた空間を考えた。また、外部空間
が大切であった。この事から妊娠~子育
育てに取り組む家族を繋ぎ、多角的に子
は5つの建物を繋ぐ役割でもある。この
てのなかでママ達が理想としている支援
育て支援を拡充していくことができる。
施設は計画地の環境や条件に合わせて5
システムをつくり、そのシステムをママ達
明るい未来に向いた健全で建設的な精
つの空間をレイアウト展開できる。
が楽しく使えるような空間を計画した。
神と企画力を讃えたい。
16
解説
小 林は、宝塚 少女歌 劇等 の興
行を 通して近代 民 衆 向けの国 民
劇 創 生を目指し、劇 場 街 の 形成
や劇場 のチェーン展 開を行った。
雑 誌 等に掲載される彼の言 説か
ら、その意図を 分析した。結果、
小 林は、家 族向けの高尚な演 劇
に相応しい場所として日比谷を選
び、浅草に対峙する劇場街を造っ
たこと、コンテンツの多様化を目
的に六大都市に劇場チェーンを展
開し、理想とする演劇を全国に普
及させる仕組みを構築したことが
明らかになった。
17
裏を表へ
KABUKU
江戸娯楽文化の魅力を継承する場
石井 永里奈 [制作]
神田川の空間資源
解 説 日本文化は大変魅力的であり、中でも江戸時代は
日本を象徴する文化の一つであるが、近年の特に若者には
伊井 友子 [制作]
その興味関心が徐々に失われつつある。そこで、江戸時代
の娯楽文化に着目し、その魅力を伝え、後世に継承する場
として、実際に娯楽を楽しみながら体験することができる
劇場や店舗が集結した複合施設を提案した。建築・インテ
建 築 ・イ ン テ リ ア 学 科
リアは、遊郭の妓楼をモチーフとした赤い格子の箱が積層
する構成とし、動的で艶やかなデザインとした。
D E PA RT M E N T
新聞記事・雑誌記事に見る
日本人にとっての
ディズニーランド
O F
隈 里沙 [論文]
解説
A R C H I T E C T U R E
東京ディズニーランド(TDL)は、
1983 年 の開園以 来、日本 の文化
に大きな影響を与えている。そこで、
日本にディズニー作品が来たとされ
る1930 年代から開園後10 年迄の
凡そ 60 年間の 新聞・雑 誌 記 事か
住 生 活 デ ザ イ ン コ ー ス
ら、施設に対する認識を分析した。
記事を見る限り、戦後、アメリカで
ディズニーランドが出来た頃は、日
本では子供向けの施設として捉えら
れ、TDL 計画後は、アメリカへの憧
れの実現と位置づけられていった。
しかし、TDL 開園後まもなくすると、
&
国籍と関係の無い異空間と捉えら
I N T E R I O R
れるようになることが読みとれる。
ヘンリー・デイヴィッド・
ソーローの言説にみる
生活と住まいについての研究
『森の生活 - ウォールデン -』を題材として
平野 絵梨香 [論文]
解説
プロセス
講評
に囲まれた都市の使われていない空間、
おける埋もれた空間資 源 」という問題
グの上 空など、都 市には利用されてい
いわば「裏」空間である。また神田川付
意 識を持った。そこで再び街 歩きを行
ない空間がある。この提案は、こうした
近の皇 居周辺ではランニングブームの
い 神田川上 空の空間に着目することと
空間資 源として両側をビルに挟まれた
過 熱に伴い歩行 者とランナーの接触ト
した。次に、空間の構成要 素の違いに
都市河川の上空に着目したものである。
JR秋 葉原 駅付近の神田川はビル群
街 歩 きを 繰り返すうちに「 都 市 部に
高速 道 路 の高 架下やコインパーキン
ラブルが問題となっている。そこで川の
着目して現 地調査を行い、調査区間の
既にフロー型社会からストック型社会へ
「連続性」に着目して神田川下流域の上
中から9つの特徴的な空間を選定した。
と変容した現代の日本を見据えた社会
空にジョギング・ウォーキングコースを
このうち「裏」の性質が顕著で、かつラ
的な視 点が評価された。また、河川の
提案した。川を覆いすぎず寄生するよう
ンナーが楽しめる景観的特徴がある「聖
上 空をランニングコースとすることで、
なデザインとし、都市河川に新たな価値
橋から左 衛門橋間」をコースの提 案 対
街路に面して建つオフィスビルの裏面を
を付与し、かつ皇居ランナーを神田川へ
象とし、特に万世橋を中心とする一部区
活動空間の表面としてリ・デザインする
分散させた。
間について実際に設計した。
点にも特徴がある。
18
解説
アメリカの思想家を代表するソーローは、ウォールデ
ン湖 畔で 1845 年から 2 年 2 カ月隠 棲した。そこで
の生活と思索を報告したのが、著書『森の生活 - ウォー
ルデン -』
(1854 年)である。本書を題材に、生活と
住まいを中心に彼の生き方や考え方がわかる言説を抜
粋し、KJ法で分類した結果を分析した。彼の住宅像は
無装飾であること、生活像は簡素で単純であることな
どが挙げられたが、これらは、社会・自然・人間の 3 つ
の分野が密接に関係して形成されていると捉えられた。
19
KODOU
地球の鼓動を植物から感じる場
岡井 美奈 [制作]
倉林 紘子 [制作]
川口市鋳物工場跡を利用した
放課後の居場所の提案
解 説 子どもの遊び力を空間でサポート。川口の鋳物工場と子どもの遊び
場を融合させる。鋳物職人が汗を流しモノづくりに向き合った工場をリメイ
クし、遊びの職人たちによって再稼動する。鋳物職人の意思を受け継ぐか
のように、子どもたちが持つ「遊びの職人魂」が解き放たれる。工場の懐か
しさに誘われて地域の人々が集い、大人は子どもを見守り、子どもは大人の
温もりを感じ、互いの信頼や居場所を築く地域の拠所でもある。
D E PA RT M E N T
建 築 ・イ ン テ リ ア 学 科
いもっこの遊び舎
O F
A R C H I T E C T U R E
未完の地における新しい刑務所の提案
大野 萌絵実 [制作]
解 説 現在、日本における再犯率の増加が問題視されている。犯罪を繰
り返す人間は、虚無感や孤独感など、どこか満たされない“負の感情”を
抱えており、その感情が浄化されない限り再犯という無限ループに陥って
しまう。そこで、人生における“価値”を見出し、一人の人間としての一歩を
&
踏み出す手助けの場として、未完の廃墟を利用した新しい刑務所の提案を
した。無数の柱は秩序と混沌を意味し、建物全体で陰と陽を表現している。
モリスのスケッチブック
世界一美しい家から学ぶインテリア模型キットの提案
寺田 奈那子 [制作]
解説
解説
プロセス
のような空間を提案した。平面プランは
とが少なくなった都市空間に、農家育ち
セピア色の風景や、ゆっくり流れていた
下階に下るにつれ古代地球の大陸移動
の私だからこそ造れる空間があると思っ
時間の記憶をイメージさせる。物語性の
説から読み取った形に変化し、断面プラ
た。地球温暖化や専業農家の減少が叫
あるコンセプトが空間デザインに巧みに
ンは建物の中枢を貫く水軸を中心に全
ばれる今、物語 性のある空間で五 感を
翻 訳され、あたかも素 敵 なクラシック
この地に根付き、まるで生きているか
植物や野菜の根付いた状態を見るこ
えなかった人の為のインテリア教材である。解り
この地下空間への誘いは、懐かしい
階が繋がっている。1Fで受付をし畑で
通して植物そして地球の鼓動を感じるこ
短編映画を見ているかの様な気分にさ
土に触れ、B1レストランで摘み取った
とで、農 業と地 球温暖 化の問題を楽し
せる。精度が高くかつ秀 逸な断面模型
野菜の味を楽しみ、B2植物のインスタ
みながら考えることが出来るのではない
を見つめると、不思議と落ち着いてくる
レーション空間で植物の生命力をアート
かと推測した。そこで、マクロビという
のもこの作品の美点である。ご実家が
を通して感じ、B3の貯水タンクは雨水
食事法や、植物を中心とした空間の現
農家と聞いているが、将来デザイナーを
の再利用も兼ねた水軸を見れる空間と
地調査から野菜の花の種類まで調査し、
目指す彼女の重要な原点作品となるで
なっている。
空間デザインに生かした。
あろう。
20
インテリアに興味を持ちながら学ぶ場に出会
講評
やすさ・制作のしやすさに重点を置き誰もが楽し
く学べるように工夫した。1859 年設計ウィリア
ム・モリスの自宅兼工房「レッド・ハウス」を採り
あげ、B 5 サイズの解説書、縮尺 1/30 のインテ
リア模型と家具、ランプシェードとしても使える
縮尺 1/150 の外観模型キット、インテリアアイテ
ムとしても使える収納ケースで構成している。
21
I N T E R I O R
イ ン テ リ ア デ ザ イ ン コ ー ス
unloop
KIGU・SHU
消えてしまいそうな自分を探しに行けるバー
王 真瑋 [制作]
和装の美を世界に発信する空間の提案
中島 有紗 [制作]
解 説 富岡製糸場が世界遺産になったことで、日本の繊維産業が再び世界中から注目されるきっかけになると考え、
和装の素晴らしさを発信する学びの場を提案した。1F は着物の展示場、
エントランスから展示場にかけてはランウェ
イにも変化する。奥には開放的な「学びの場」があり、2F はカフェとなっている。そして全体を一条の帯状の屋根
で包み、天井には麻の葉模様のトップライトが舞い、床に繊細なパターンの影を落とすデザインをした。
雨祈
雨祈
雨景色の中で誓う永遠
─雨景色の中で誓う永遠─
解説
波紋が重なるようなプランの2層の教会に入る
と雨をイメージしたガラス壁に囲まれる。階段を
下ると、天井の水盤の水の揺らぎとその影が祈
スに出ると雨上がりに虹が映るプリズム壁で記
念写真。大雨が降るような時もある人生は最後
に虹が広がるように幸せになれると、祈りをデ
ザインに込めた。
&
解説
プロセス
講評
明治末に建設された
宝塚新温泉パラダイスの意匠について
デルとし、鏡貼りで周囲の景色を映しな
うな動物の両方を掛け合わせることで、
時、大いなる母や大 地に抱かれる安堵
一ノ瀬 香穂里 [論文]
がら地面に埋 込まれ、人間と動物が周
物心両 面で双 方をサポートできないか
にも似たキモチになる。地階の随 所に
1階エントランス部はアジアゾウをモ
フラジャイルな人間と消えてしまいそ
アプローチでゾウの 体内に抱かれる
辺環 境と共生している様をシンボル 化
という考えから制作を始めた。人間のス
使われる赤のアクセントは、絶滅へのア
した。昼間この空間はギャラリーとして
トレスを調 査し、絶 滅 危 惧 種との 共 通
ラートと同時にその種の生きる、或いは
も使われる。夜になると地階への入り口
点を探す過 程で、ミラーと動 物のグラ
生きた証でもある。クールなカウンター
がオープンし、地下1階と2階はバーと
フィックを取り入れる案が浮かんだ。絶
でグラスを空け、絶 滅 危 惧 種の声なき
なる。建物 全 体を貫 通している赤い螺
滅危惧種と出会い、その現状や未来を
声に耳を傾ける時、ここに来る前に悩ん
旋階段が動物と人間の血液を表現して、
お 酒に介して客同士で語らい、収 益 の
でいた自分のキモチが軽くなる、ここは
床に流れ込み命のシンボルとなり、日常
10 %は寄 付する。そうすることで、精
そんな BAR だ。哲学的でもあり、癒し
から非日常の空間へトリップする装置と
神的な充足感も得られるプログラムとな
でもある複眼的で個 性的な BAR の 完
なる。
るよう考慮した。
成を祝いたい。
22
解 説 宝塚少女歌劇が初公演を行ったことで知られる宝塚新温泉パラダイスについて、当時の写真
や図面から分析を行った。建物のデザインは、内観の一部や渡り廊下にアール・ヌーボーの要素が見
られるが、全体にセセッションを基調としている。この背景として、日本における流行がアール・ヌーボー
朝日劇場等との比較から、当時の娯楽施設の典型的な外観を持つことなどが明らかになった。
からセセッションへと移り変わる時期に建設されたことを指摘した。また、大阪新世界の噴泉浴場や
23
I N T E R I O R
インテリアファブリックコース
る2人を優しくドラマティックに包み込む。テラ
A R C H I T E C T U R E
雨祈の教会では美しく輝く雨を愛でる、雨の
挙式をポジティブにとらえるコンセプトとした。
O F
後藤 彩花 [制作]
D E PA RT M E N T
建 築 ・イ ン テ リ ア 学 科
キゴコチ
The Exhibition of Graduation Works
通学中…いつの間にか
e
c
o
Schedule
デザインコンテストポスター
7/12 一次審査
×通学
e
c
o
グッズの提案 ─
造 形 学 部 卒 業 研 究 展
e
c
o
してる! ─
デザイン・造形学科
2015 造形学部 卒業研究展 レポート
造形学部プレゼンフォーラム
Theme
9/30 プレゼンテーション
&最終選考会
最終選考会結果発表
11/4 表彰式・展示
P R E S E N TAT I O N
平成 27 年 2 月 5 日(木)~ 8 日(日)に新都心キャンパスの 20 階 3 会場で、デザイン、建築、アート、工芸の
ブースが並びました。会期中にはプレゼンテーションも開催され、緊張感の中にも和やかな場が設けられました。
多数の卒業生、保護者、高校生、企業の方々などにご来場いただきありがとうございました。
「造形学部プレゼンフォーラム」は 2005 年に文科省の特色ある
教育プログラムの GP 特別企画として発足、その横軸連携型教育
内容を造形学部の特徴と位置づけ、回を重ねてまいりました。生
TRUNK ホームページ
及する造形教育の成果として、学生が作品のプレゼンテーション
公式 Twitter
を行い、学科・コースを超えて共有することで、各自が視野を広げ、
生活造形学科 @BUNKA-seikatsu
建築・インテリア学科 @BUNKA_interior
学生の作品の発表、制作活動やアイデアの共有の場とし
て運営されているユニークなウエブサイト。完成した作品
本学卒業生がデザインし、造形学部のマスコットキャラ
ばかりでなく、制作のプロセスや試行錯誤の様子など多
クターとして大活躍中の「ぞーけん」
。卒業研究展、文化
様な活動内容を閲覧することが可能です。
今年から特集記事が増え、卒業生からのメッセージや卒
業研究作品を見ることができます。
自己を客観的に理解することを目的としています。また、教員間に
おいても教育内容などを相互理解し、専門教育活動へ繋げてい
ます。運営には、毎年教員と学生で構成される委員会を立ち上げ、
社会の変化に対応した企画を検討し行っています。
Schedule
デザインコンテストポスター
7/15 一次審査
10/1 プレゼンテーション
&最終選考会
2012 年より
「 造形学部プレゼンフォーラム デザインコンテスト」
は 明 治 大 学 で 行 わ れてい る e・Presentation Contest with
最終選考会結果発表
Friendship に参加しています。
また今年度は独立行政法人環境再生保全機構による環境再生
▼
祭・球技祭などのイベントに登場するだけでなく、今年も
学外の「デザインフェスタ」や「學展」に出張しました。
24
活に根ざしたモノづくりや、デザインの在り方を豊かな感性で追
http://www.bunka-zokei.jp/trunk/
わたし
造形学部プレゼンフォーラムの意義
A
r
o
u
n
d
40
わたし
クリエイティブな活動を伝える場に!
! ―造形学部作品投稿サイトTRUNK―
主催 文化学園大学 造形学部
共催 明治大学
後援 東通産業株式会社
独立行政法人 環境再生保全機構
文化出版局
2 0 1 4
Theme
〜今から未来へおくるもの〜
レポート
造形学部のマスコットキャラクター「ぞーけん」
建築・インテリア学科
作品と論文 200 点余りが発表されました。全学生の学びの集大成として、展示にも各々が工夫を凝らし個性的な
F O R U M
保全機構賞も新設されました。
25
11/4 表彰式・展示
デ ザ イ ン ・造 形 学 科
最優秀賞
発電ランドセル
田中 孝幸
優秀賞
[アートワークコース 3 年]
マイつり革充電器
グッドコンセプト賞 環境再生保全機構賞
中西 咲[生活 2 年 A クラス]
ひんやりチョーカー
乗田 真帆[ジュエリー・メタルワークコース 3 年]
P R E S E N TAT I O N
●本人メッセージ 水を使って首回りを冷やす冷却材を使用したアクセサリー
です。
「夏の通学をおしゃれに涼しくエコに」というテーマで制作しました。
グッドプレゼン賞
いつでもいっしょ多機能ヘアバンド
アイデア賞
●本人メッセージ テーマが「eco ×通学」ということで、私
●コンセプト 小学生なら誰もが背負っているラ
は小学校にしぼりこみ、小学生が楽しく使いながら eco を身
ンドセル、それに発電機能が内蔵されており、通
近に感じることができるランドセルをデザインしました。今ま
学しながら自然に電気を貯めることができます。
吉江 歩実[テキスタイルワークコース 3 年]
でこのようなコンテストに応募して、賞をいただくようなこと
貯めた電気は、学校で共有します。さらに、貯め
は、初めてだったのでとても驚きでした。自分の考えたアイ
た電気に連動して、ポイントがつき、そのポイント
デアを形にし、それを人に伝えるということの楽しさを改め
で文房具やアプリゲームのポイントなどと交換す
●本人メッセージ 普段の生活で身につけることで災害時に役に立つラジオとライト付きの
●本人メッセージ 徒歩で通学する人のためにデザインしました。歩いた力を電気に変え携帯電話な
て実感することができました。とても良い経験になりました。
ることができます。
ヘアバンドです。様々な人に使ってもらいたいので動物モチーフのヘアバンドにしました。
どを充電することができるというものです。歩く負担を少しでも軽くできたらいいなと思い考えました。
小澤伽維 / 伊藤美夏海
入選者
宇津木千尋 / 竹美咲
徳山 菜々美
学生
委員
粂田花歩 / 若木遥香 / 赤木麻礼奈 / 川上知香
山下桜 / 五味奈保子 / 津村妃世 / 加藤明日香
藤井那々子 / 森春菜
26
教員
委員
久木章江 / 嘉松聡 / 渡邉裕子 / 井上搖子
谷口久美子 / 成井美穂 / 近藤静香
山崎裕子 / 泉由貴子
審査
総括
今年度は環境再生保全機構様にご後援頂き「エコ」をテーマに加えたものであった。社会的な関心の高い節電や、エネルギーに関するものなど楽しいアイ
デアが多く出された。その中で上位の作品は、現実的な可能性を秘めたさらなる発展を期待されるものであった。実用とデザインの関係の難しさも改めて
認識できる結果であった。
(押山元子)
27
2 0 1 4
田島 さと子[ジュエリー・メタルワークコース 3 年]
─ 自踏発電 ─ walk!! walk!!
F O R U M
●本人メッセージ 握る動作によって発電し、充電等に利用できる持ち運び式のつり革を考案し
ました。利便性とデザイン性の両立を意識しながら、コンセプトに沿って全体をまとめました。
建 築 ・イ ン テ リ ア 学 科
最優秀賞
記憶のヨミガオリ
田代 夏帆
優秀賞
“きっかけ” を贈る
空間演出賞
伊藤 莉沙[1年 A クラス]
[インテリアファブリックコース 3 年]
リセット〜relax & innovation〜
吉田 英志[1年 A クラス]
P R E S E N TAT I O N
●本人メッセージ 難しいテーマでしたが、
挑戦して良かったという
達成感があります。
この作品をきっかけに、
今まで手を触れる事の
無かった素材や道具に
出会えました。これから
の 作 品 作りのヒントに
なればと思います。
で自分の頭にあった思考が整理され、
良い刺激になりました。とても楽しかったです。
掌賞
二つのワイングラス
エコ空間賞 環境再生保全機構賞
●本人メッセージ 自分自身が 20 年後に何をプレゼントされたら心に響く
●コンセプト 自分にとって思い入れの強い香りをビンに詰め 20 年後の自分
だろう、と想像した時に思いついたのが、
“今の記憶”でした。そして、香りと
へ贈ることで、その当時の記憶や感覚、感情を蘇らせるというもの。液体や固
思い出の関係に焦点を当て、制作を進めました。40 代になった自分が、どの
形物はそのまま、形にできない物は言葉にしてビンへ入れます。形状のイメージ
ような状況下で生活を送っているかということを想像することは難しいです
は様々な人や香りが行き交い時の流れが特に早く感じられる都会の高層ビル。
が、このヨミガオリによって初心に帰ったり、昔の記憶に触れることで新しい
5 種類の生地は“記憶”という淡いけど存在感のあるものと、2013 年春夏の
視点に出会ったり、気持ちを切り替えるきっかけになればと思います。
CHANEL のコレクションのイメージが一致し、そこから着想を得て選びました。
寺田奈那子/町田絵里/大島雅日佳
入選者
長永花波/浪岡拓也
学生
委員
許 清揚[1年 B クラス]
安達瑛美/四辻響子/唐沢優里/仲村苑子/町田絵里/李宣炅/呉讚實/林妤軒/見目晃子
武藤加奈/岡本澪/秋吉檀/吉田恭隆/小玉愛/石川鉄朗/佐々木星香/上條美紀
佐藤麻衣/宮内優里/柚木園沙也/吉田有希
28
●本人メッセージ 自分が50歳になった年に、今お付き合いしている方と一
●本人メッセージ 私は図書館をデザインしたから、サイズが他の人と違って、すごく大
緒にワインを飲みながら未来の話をしたいという思いから、試行錯誤して作り
きい、実物大は無理だ。縮尺は先生といっぱい相談した。最後はやはりより大きいサイズ
上げた作品です。
にした。初めての模型作りだから、苦労した。でも、想像以上よくできたからうれしかった。
審査
総括
五感・記憶・身体に関するデザインコンセプトが多々見られました。カタチをデザインしてはいますが、カタチを媒介にして「感じる・キモチ」を贈っ
ているのでしょう。審査ではそのコンセプトが明確に示された作品に票が集まりました。受賞作品は、時代の空気感を鋭く捉え、それを翻訳・提案して
いる点が高く評価されました。
(横山 稔)
29
2 0 1 4
海老澤 優衣[1年 B クラス]
私の図書館・源から・ジャングルと本
F O R U M
●本人メッセージ 自分の頭にあるものを言葉にし、伝える。たったこれだけのこと
がこんなにも難しいと改めて思い知らされました。また、プレゼン準備をすること
地域連携
産学連携
学外連携
External
Cooperation
表 彰 式
表彰式
11月4 日
地域社会とのつながりや産業界との共同活動など、学外との連携も大学の重要な社会的役割です。地域社会に
息づく文化や産業を活性化する作業を通じ、大学で学んでいる知識を実践する活動は学生の社会的視野を拡大
してくれます。また、産業界とのコラボレーションは、実社会で必要とされる多岐にわたる社会的配慮や、コミュ
ニケーションの重要性を肌で学ぶ絶好の機会です。今年度実施したさまざまな学外連携活動を以下に報告します。
審査委員名
◎デザイン・造形学科
押山元子
横山稔
(金工研究室)
(インテリアデザイン研究室)
昼間行雄
(グラフィック・プロダクト研究室)
渡邉裕子
(建築デザイン研究室)
柳田佳子
(服装造形学研究室)
樋川耕司
(デザイナー)
明治大学と共同開催
「e·Presen
Contest with Friendship 2014」
各大学でのコンテスト入賞者が共同でプレゼンテーションコンテンツ制作の研修を行います。
プレゼンテーション報告コンテンツ
◎ 建築・インテリア学科
七里真代
(造形・色彩学研究室)
河本和郎
(服装デザイン学研究室)
粕谷奈緒子
(建築家)
酒井亮憲
(建築家)
韓国研修レポート
11月 5 日~ 9 日の日程で韓国の大学を訪
問し、嶺南大学 校、全 北 大学 校、明治大学、
文化学園大学の 4 校で
「e・presentation contest with
第 10 回造形学部プレゼンフォーラムデザインコンテストの両学科の入賞者 10 名が、シルバースト
friendship」ワークショップを行いました。4
リームを使用したプレゼンテーション報告コンテンツを制作しました。下記よりご覧いただけます。
チームに編成された学生が、価値観や文化の
http://bwu.bunka.ac.jp/forum/index.php
異なる人とのコミュニケーションを取りなが
ら、慶州の名所旧跡などを取材後コンテンツ
デザイン・造形学科
建築・インテリア学科
を制作し、発表会を行いました。
● 地域連携 R e g i o n a l A l l i a n c e s
01
02
03
04
05
百人町壁画プロジェクト [絵画研究室・安高他]
長野県飯山市本町商店街「のれん」事業 [染織研究室・佐藤他]
長野県須坂市の古民家プロジェクト [建築研究室・井上他]
染の小道 [染織研究室・佐藤他]
多摩産材を活用した家具・インテリア小物のデザインと制作 [インテリアデザイン研究室・丸茂他]
● 産学連携 A c a d e m i a - I n d u s t r y C o o p e r a t i o n
30
06
07
08
09
10
11
12
13
デコブラインドコンテスト(株式会社ニチベイとの連携授業)
[インテリアデザイン研究室・長山他]
小田急フリーペーパー(小田急電鉄との連携授業)
[造形文化研究室・牧野他]
「カラコル」誌上掲載(株式会社ヤマヒサとの連携授業)
[造形文化研究室・堀尾他]
ロッテ CM 提案 (株式会社ロッテとの連携授業)[グラフィック・プロダクト研究室・松本他]
企業ブランディングデザイン(株式会社ヤマヒサとの連携授業) [グラフィック・プロダクト研究室・松本他]
小田急エキテリア(小田急電鉄との連携授業)
[インテリアデザイン研究室・高橋他]
ショールームリニューアル計画(株式会社ヤマヒサとの連携授業)
[インテリアデザイン研究室・丸茂他]
ネクタイコラボ展 (東京ネクタイ共同組合との連携授業)[染色研究室・佐藤他]
31
学外連携
地域連携
Regional
Alliances
External Cooperation
01 百人町に百人壁画を描こう!2014 完結編
03
日本建築の伝統技術を体験して未来を視る
長野県須坂市古民家プロジェクト
プロジェクトが始まって 5 年目。雪の残る早春は 2 年前に下
塗りした土壁の中塗りを、盛夏には納屋の床に杉板張りを。い
ずれも地元の職人さんが先生。合間に青年会の神楽、味噌づ
くり
(昨年の味噌の味は完璧)
、
流し素麺、
梨もぎも楽しみました。
◦担当教員 ◦取り組んだ学生 井上搖子(建築デザイン研究室)
造形学部 1〜 3 年
東京工科大学デザイン学科 2 〜 4 年 渡邉裕子
(建築デザイン研究室)
高橋正樹
(インテリアデザイン研究室)
牧野昇(造形文化研究室)
佐藤百合子(染織研究室)
それぞれ 6 〜 9 名の有志
伊藤丙雄(東京工科大学)
百人町壁画プロジェクト
環境浄化対策の一環として新宿警察署の依頼を受け、JR 東日本
◦担当教 員 絵 画 研究室 安高信一、嘉
松聡、北岡竜行、内山高志(非常勤講師)
、
が管理する山手線新宿駅新大久保駅間の擁壁に壁画制作を行な
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キモノ男子も登場 ! 染め物で街を元気にする染の小道
山崎秋人(非常勤講師)
基礎造形研究室 加茂幸子、松村由樹子
いました。2012 年から3年に渉って取り組んできたプロジェクトで
◦取り組 んだ 学 生 生 活 造 形 学 科アート
ワークコース3、4年 生活造形学科2年
全長163 メートルの壁画が完成し、銘板も設置して頂きました。
「染の小道」プロジェクト
「百人町壁画プロジェクト 2014」履修者
新宿区の中井、落合地区で毎年行われている街興し
イベント「染の小道 」に学外卒展、暖簾制作等で参
◦担当教員 染織研究室 佐藤百合子 岡本泰子 近藤静香 角谷彩子
インテリアデザイン研究室 高橋正樹
和装文化研究所 田中直人
◦取り組んだ学生 テキスタイルワークコース 3・4年
インテリアデザインコース 4年
02
加しました。今年は男子学生もサポーターとして初参
加 ! 粋に着物を着こなし、注目を集めました。
飯山市本町商店街を「のれん」の街へ
◦担当教員 染織研究室 佐藤百合子 近藤静香
◦取り組んだ学生 テキスタイルワークコース3・4年
(暖簾制作、作品展示、ワークショップ等)
生活造形学科 2 年 デザイン・造形学科1
年(ボランティアスタッフ)
05
東京の森を活かします !
多摩産材を活用した家具・インテリア小物のデザインと制作
秋川木材協同組合との連携 5 年目の活動。現地見学により
「国産材・地産地消・循環型生活」の大切さを学びます。㈱
ヤマヒサとも産学連携し「○○にやさしい家具」のテーマで
作品制作。2 か所のショールームで作品展を実施しました。
長野県飯山市本町商店街「のれん」事業
長野県飯山市にある本町商店街より、商店街を活性化
◦担当教員 インテリアデザイン研究室 丸茂みゆき、泉由貴子、木村戦太郎(非常
勤講師)
◦取り組んだ学生 建築・インテリア学科
インテリアデザインコース、インテリアファ
ブリックコース 4 年
「インテリアスタジオB」科目履修者
する事業の一つとして暖簾制作を依頼されました。教員
と学生が力を合わせ全店舗(43 件)の暖簾を制作しま
した。地元の方に大変好評でした。
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学外連携
産学連携
Academia-Industry
Cooperation
External Cooperation
06 デコってインテリアコーディネート、ブラインドデコレーションに挑戦
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09
ニッポンで働く外国人を誌上で紹介!
女性向けガムの CM 制作
◦担当教員 造形文化研究室 ◦担当教員 グラフィック・プロ
堀尾眞紀子、岡部隆信、牧野昇、
ダクト研究室 松本章
◦取り組んだ学生 生活造形学
森啓次郎
◦取り組んだ学生 科 グラフィック・プロダクトデ
生活造形学科 ザインコース 3 年
メディア編集デザインコース 3 年
(株)
ヤマヒサ季刊誌「カラコル」誌上掲載
㈱ロッテ商品開発部にコマーシャル映像を提案
グラフィック・プロダクトデザインコースで毎年恒例の(株)ロッテとのコラボ
メディア編集デザインコースでは、日本で働く外国人を紹介する雑誌制作の課題
課題、今年のテーマは「20 代女性に向けたガムの CM 提案」でした。6 つのグ
のコンテンツ(取材文、写真、レイアウト等)を再編集し、株式会社ヤマヒサが
発刊する季刊誌「カラコル」誌上に掲載し、一般の人たちにも広く公開しました。
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デコブラインドコンテスト
(株)ニチベイと連携して行ったデコブラインドコンテスト。
夫々の思いを演出したブラインドは私だけの個性的な空
間を創ります。東京ビッグサイトで開催の JAPANTEX
会場で作品を展示・表彰式が行われました。
ループによるコンペを見事勝ち取ったのは、
「かわいい女の子、お出かけ前篇」。
優勝と準優勝グループのメンバーには、ロッテから豪華賞品が贈られました。
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メーカーのイメージアップを企画
エキテリアの魅力アップ!
◦担当教 員 インテリアデザイン研究室:
長山洋子、生井里歩
◦取り組んだ学生 建築・インテリア学科
インテリアデザインコース 2 年
◦連携先 (株)ニチベイ ◦担当教員 グラフィック・プロ
ダクト研究室 松本 章、星野茂
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学生発!産学連携フリーペーパーの制作
◦担当教 員 インテリアデザイ
ン研究室 長山洋子、高橋正樹
◦取り組 んだ 学 生 建 築・イン
テリア学科 インテリアデザイン
樹、白井信、山﨑裕子
◦取り組んだ学生 生活造形学
科 グラフィック・プロダクトデ
コース 3年
ザインコース 4 年
(株)
ヤマヒサのブランディングデザイン
小田急エキテリア
住宅、リフォーム専門メーカーのブランディングデザインをグラフィック・プロダクト
デザインコース4 年生が取り組みました。
「企画立案」から「デザイン方針の具体化」
まで数回のミーティングとプレゼンテーションを経て、最終段階ではグッズ、フリー
参宮橋、成城学園前、伊勢原駅が対象です。
ペーパー、ポスター、CM 映像などの作品提案を行いました。
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駅のインテリア「エキテリア」を大学生目線でリノベーション。
「駅に行くのが楽
しみ」
「こうだったらいいな」という提案を 10 班に分かれて行いました。今年は
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木の魅力を感じられるショールーム計画
ネクタイ協同組合とネクタイコラボ展
◦担当教員 インテリアデザイン
研究室 丸茂みゆき、泉由貴子
◦取り組 んだ 学 生 建 築・イン
テリア学 科 「プロジェクトゼミ
ナール」科目履修者
小田急フリーペーパー
産学連携フリーペーパー制作も今年で 3 年目を迎え
ました。今回はメロンパン情報誌『めろすて』
、バー情
◦担当教員 造形文化研究室
牧野昇、岡部隆信、平島毅、岡本茂樹
◦取り組んだ学生 生活造形学科
メディア編集デザインコース 4 年
報誌『Spumoni』
、シェア支援マガジン『AZSHARE』
の 3 誌を制作。WEB で配信するとともに、
『めろすて』
は小田急線各駅に設置 配本され好評を得ました。
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㈱ヤマヒサ東京ショールーム・リニューアル計画
◦担当教員 染織研究室 佐藤百合子 近藤静香
◦取り組んだ学生 テキスタイ
ルワークコース3・4年
デザイン・造形学科1年
ネクタイコラボレーション展
魅力的なショールームづくりとして、実施計画に向けたアイデア展開を行う企画。
今年度も文化祭時にネクタイ展示と表彰式を行いました。テキスタイルワーク
企業+デザイナーと活動ができる貴重な体験でした。子供向けイベントにも活用
コース 3・4 年生は今年のテーマ「カラフルフラワー」
(染タイ)
「エシカルタイ」
(デ
できるインテリアデザイン案として企画書をまとめました。
コタイ)で現物制作を、
1 年生は「友タイ」をテーマにデザイン画で参加しました。
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学外連携
その他の活動
Other
Activities
External Cooperation
■その他の活動
万国學生藝術展覧祭
万国學生藝術展覧祭に出展
会期:2014 年 8 月 9 日(土)
・10 日(日)
会場:東京ビッグサイト(東京国際展示場)
YODEX
台湾最大の卒業研究展
YODEX、2 年目の参加!
昨年に続き 5 /16 ~19 の 4 日間、台北で
開催され10 万人の来場者を誇る YODEX に
造形学部の卒業研究優秀作品を出展しまし
た。クールジャパンなどアジアをリードする日
本からの出展作品として、会場では大きな注
目を集めました。
YODEX ホームページ
http://www.yodex.com.tw/
編 集 後 記
造形学部年間教育活動報告集「BZ」も 3 冊目となりました。今年度は、文化学園大学創立
50周年を記念し、特集として本学部 50 年の歩みを辿っています。そこでは 20 年以上
前から続く卒業研究展、10 年前から少しずつ形を変えて実施してきたプレゼンフォーラム
に加え、文化祭の教科展示やバザー、大学グリルなど、学部・学科として取り組んできた様々
な行事を垣間見ることができます。暮らしを彩る造形デザイン教育を目指し、特色ある学
科として発展してきた本学部の歴史を振り返ることで、これらの教育活動が、学内外の皆
様に支えられて実現できた内容だと改めて実感しました。
平成 27 年度からは全学年が共学となり、また新たな取り組みにも挑戦して参ります。
今後とも文化学園大学造形学部の教育活動をご支援くださいますようお願い申し上げま
アジア最大のアートイベント「デザインフェスタ」を運営するデザインフェスタ事務局が
すとともに、この場をお借りして、ご協力いただいたた皆様、また冊子の作成にあたりお
今年度から初めて開催した学生のためのアートイベント「万国學生藝術展覧祭(通称:
力添えをいただいた編集デザイナーの廣田氏に心からの謝意を表します。
學展)
」のキャンパスエリアにブースを出展しました。学生のクリエイティブな創作活動を
応援するこの企画には、100 人以上の学生たちが参加し、自分で制作したアクセサリー
造形学部年間教育活動報告集編集委員
や雑貨、ポストカードや作品などを会場で展示・販売しました。
谷口久美子
文化学園大学
造形学部年間教育活動報告集 2014
● 造形学部専任教員
■学生の受賞
デザイン・造形学科
第 5 回帯留コンテスト
(主催:NPO 法人京都古布保存会)
最優秀賞 鈴木映見 造形学部生活造形学科 (ジュエリー・メタルワークコース 3 年)
入選 松下はつき 造形学部生活造形学科 建築・インテリア学科
第 37 回 学生設計優秀作品展
「ポートフォリオレビュー 2014」
●古澤大輔 賞
審査員賞
岡 井 美 奈(インテリアデ ザインコース 4 年)
「TEMPS -時-」
(ジュエリー・メタルワークコース 3 年)
第 8 回宇和島パールデザインコンテスト (主催:宇和島地域ブランド化推進事業実行委員会)
入 選 星野 紀也、松下 はつき(ジュエリー・メタルワークコース 3 年)
嶋田 彩佳( ジュエリー・メタルワークコース 2014 年 3 月卒業生)
日本インテリア学会
第 26 回大会
安高信一
浅沼由紀
泉由貴子
井上搖子
岩塚一恵
大関徹
岡部隆信
岡本泰子
押山元子
角谷彩子
嘉松聡
加茂幸子
近藤静香
鳥海薫
北岡竜行
佐藤百合子
澤田志功
七里真代
柴田眞美
庄司喜久美
白井信
曽根里子
高橋正樹
谷口久美子
長山洋子
成井美穂
春田幸彦
昼間行雄
久木章江
深田雅子
星野茂樹
堀尾眞紀子
牧野昇
松田純子
丸茂みゆき
松村由樹子
松本章
安野彰
山﨑裕子
横山稔
渡邉秀俊
渡邉裕子
● 造形学部年間教育活動報告集
編集委員
谷口久美子 庄司喜久美
久木章江
嘉松聡
渡邉裕子
長山洋子
星野茂樹
大会発表賞 古庄純菜 大学院生活環境学研究科 建築 ・ インテリア専修 修士2年
論文タイトル:
「貧困の連鎖とリスク回避における居住安定確保の効用」
「学生ネクタイコンテスト 「ネクタイコラボ展」(主催:東京ネクタイ協同組合)
佳 作 石田葵、大森夕子(テキスタイルワークコース 4 年)
春日紅緒(テキスタイルワークコース 3 年)
佳 作 花田佳奈美、松田妃奈子、栗原智子(テキスタイルワークコース 4 年)
佳 作 結城美桜、吉澤みづき、吉永藍(デザイン・造形学科 1 年)
三守敬次
小林且典
アイキ元
鈴木義明
● 発行者:文化学園大学造形学部 堀尾眞紀子
●染めタイ部門 優秀賞 早川愛(テキスタイルワークコース 4 年)
●デザイン画部門 優秀賞 村上未奈(デザイン・造形学科 1 年)
林敦彦
● 発行:2015 年 3 月 11 日
●デコタイ部門 優秀賞 平野伽奈(テキスタイルワークコース 4 年)
● デザイン
● 写真提供
住宅課題賞 2014 第14回 建系大学住宅課題優秀作品展
hirotaS / 廣田武志
〒 151-8523
東京都渋谷区代々木 3-22-1
TEL. 03-3299-2310
FAX. 03-3370-6202
http://bwu.bunka.ac.jp
佐藤麻衣(建築デザインコース 2 年)
「離れのある三家族の住まい」
※本誌に掲載されている作品・写真等の無断利用、複製を禁じます。
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文化学園大学
造形学部 デザイン・造形学科 建築・インテリア学科
〒151-8523 東京都渋谷区代々木3-22-1
TEL. 03-3299-2302(造形学部長室)
http://bwu.bunka.ac.jp/index.php