ダウンロード - 大分大学高等教育開発センター

平成 19 年度
-学生による授業評価-
教員による自己点検レポート集
大
分
大
学
は
じ
め
に
高等教育開発センター長
西
村
善
博
本学における「学生による授業評価」は、平成 9~11 年度以降、各学部を単位として 試
行的に実施され、平成 12 年度に、教務部門会議の前身である教務協議会を母体として組
織的な取組みが開始された。そして平成 15 年度後期より、「学生による授業評価」結果 を
授業改善に役立てるために、本報告書である「教員による自己点検レポート集」が作 成・
公表されている。
また、平成 16 年度より開始された本学の第一期中期計画では、「教育の成果・効果の 検
証に関する具体的方策」において、
「学生による授業評価の分析と適切な成績評価の結果 を
踏まえて、教育の成果・効果の検証を行う」ことが掲げられている。したがって、授 業評
価結果を授業改善のために活用することは、重要なものとなっている。
授業改善のためには、大学全体、学部毎の取組みの他に、教員個人によるもの等、 さま
ざまなレベルでの取組みが必要である。本報告書は、各教員の授業に関するアンケー ト結
果(自由記述を含む)に対して、教員からの真摯な回答と教育の質の向上のための日 常の
努力が記されたレポート集である。
学生の基礎学力の低下が指摘されて久しいが、今日では、学生の学力や学習意欲の 二極
分化が顕著になりつつある。本報告書に寄せられたレポートにおいても、多様化する 学生
のレベルに対応するために、教員による様々な取り組みが述べられている。今回、新 たな
取組みとして本報告書では、授業改善の効果について「Ⅱ
自己点検レポートの概要 」と
して、今回の評価結果に対応した改善策と、過去の評価結果を含めての継続的な改善 策と
の二つの観点からとりまとめた。
最後になりましたが、本報告書の発行に当たりご協力いただいた先生方、ならびに 教務
部門会議と高等教育開発センターFD・授業評価部門の先生方、関係職員の皆様方に、感 謝
の意を表します。
本報告書が本学の教育力向上の一助となれば、幸いである。
平成 20 年 11 月
目
次
Ⅰ
教員による自己点検レポート集について ................................................................................................ 1
Ⅱ
自己点検レポートの概要 ......................................................................................................................... 2
Ⅲ
教員による自己点検レポート(平成 19 年度前期)................................................................................ 4
Ⅳ
教員による自己点検レポート(平成 19 年度後期).............................................................................. 21
Ⅴ
平成 19 年度調査結果の概要 ................................................................................................................. 35
Ⅰ
教員による自己点検レポート集について
本レポート集は、平成 19 年度の「授業改善のためのアンケート(学生による授業評価)」アンケート
調査に対応したものである。「学生による授業評価」アンケート調査に関しての調査対象科目、教員に
よる自己点検レポート作成要領等は以下のとおりである。
1.平成 19 年度前期調査対象
教養教育:自然分野・課題コア・情報処理科目
教育福祉科学部:A グループ(授業担当者の名前:あ〜こ)
経済学部:各学科最初の講座の科目、学科共通科目
医学部:医学部からの提出科目
工学部:全科目
2.平成 19 年度後期調査対象
教養教育:外国語科目・ゼミナール科目
教育福祉科学部:B グループ(授業担当者の名前:さ〜の)
経済学部:各学科 2 番目の講座の科目
医学部:医学部からの提出科目
工学部:全科目
3.
「教員による自己点検レポート」作成要領
①平成 19 年度「授業改善のためのアンケート」の対象科目について、教員は各個人のアンケート結
果(数値データ)及び手元にある自由記述分をもとに自己点検を行う。
②教員 1 名に対して 1 レポートとする。すなわち、教員はアンケートの対象となった全ての授業をま
とめて、あるいは一部の授業を選択してレポートを作成する。
③以下の点検項目を教員自身が適宜選択して自己点検を行う。
・授業についての全体的評価
・評価の良かった項目
・評価の思わしくなかった項目
・自由記述で特に指摘された項目
・評価の思わしくなかった項目や指摘された事項に関する応答
・授業改善を行うための具体的な方策
④レポートの分量は 400 字を目安とする。
1
Ⅱ
自己点検レポートの概要
授業改善のためのアンケート(授業評価)が授業改善にどのように役立つのか(役だっているのか)
を検討するために,自己点検レポートの記述内容を次の観点から分析した。
総数(レポート提出件数)
総 数
内
訳
教養教育科目
教育福祉科学部
経済学部
医学部
工学部
前 期
53
9
11
9
1
23
後 期
40
8
6
5
1
20
総合的な評価について
アンケートでは,問 20 に「総合的に判断してこの授業はよかった」か,という設問がある。この設
問の結果に対する教員の応答について見てみると,各教員の自己点検レポートの中で「概ね高い(良い)」
という評価を受けたとの記述があるものは,前期 24 件(45.3%),後期 16 件(40.0%)であった。す
なわち,本レポートの約 4 割は,授業の総合評価が「概ね高い(良い)」と受け止めて書かれたもので
ある。
アンケートを基にした授業改善の取組みについて
アンケート結果によって,「自らの授業における問題点や課題に気づいた」との記述は前期 33 件
(62.3%),後期 27 件(67.5%)であった。授業の進行,板書や提示の仕方,話し方等は指摘されて始
めて気づくことも多く,これらの記述は授業評価の有効性を物語っている。さらに,これらの問題点や
課題について,具体的な改善点を記述したレポートは前期 22 件(41.5%),後期 15 件(37.5%)であ
った。その改善点としては「私語・遅刻への対応」をあげているものが多く,具体的な対策としてあげ
られた内容は,「その都度注意する」,「授業の始めに私語や遅刻への指示を十分にする」,「頻繁な小テ
ストや演習問題などにより講義を聞かなければならないという雰囲気を作る」等,多様であった。
板書やパワーポイント等による提示に関しては,板書を丁寧に書く,「パワーポイントのポイントを
上げる」,「貴重なスライドは資料として配付する」等の記述があった。一方では,「大学生に対して,
そこまで手をかけなければならないのか」という少数意見もあった。
「話す速さや声の大きさを指摘された」との記述もあり,「これらはすぐにでも改善できることなの
で実行したい」の記述が添えられていた。
アンケートの継続による改善点
今回のアンケートと直接に関係するものではないが,授業への取組みについての記述が,前期 11 件
(20.8%),後期 9 件(22.5%)あった。具体的には,授業終了時の小テストや,授業の感想のライテ
ィングなどである。そして,それらを「次回の授業に活用することで学生の理解度を把握し,学生との
コミュニケーションを図るために活用していること」,
「電子ホワイトボードの導入や WebClass の活用
により分かりやすい授業へと工夫したこと」,
「シバスや授業カリキュラムを改善したこと」が記述され
ていた。これらの実践は,これまでに実施された過去の評価結果をもとに授業を改善したものであり,
アンケートによる授業改善の即効性ばかりではなく,継続的な授業評価の効果の現れでもあると考えら
れる。
2
3
Ⅲ
飯尾
教員による自己点検レポート(平成 19 年度前期)
心(教養教育)「環境の化学」
・「原子と分子」
「環境の化学」は、一般教養科目として全学部から多数の学生が出席するため Power Point を用いる
とともにレジメを配布して授業を進めていることもあり、おおむね学生の評価が良かったものと思われ
る。しかし、登録人数は 132 名で、常時 115~120 名の出席がありながら、教室の後部 1/3 の座席では、
他科目のレポート作成などの内職をしたり、勝手に退室したりが見受けられ、その対応は永遠の課題
(?)として残っている。一般教養教育の受講生の数が 100 名を超すと、毎回が講義をするというより
も講演をしている雰囲気になり、一般教養の各科目の受講人数については、再考しなくてはいけない時
期にきているのかもしれない。
「原子と分子」は専門基礎科目として 109 名の登録があった。本科目は中学、高校時代の数学、化学、
物理等の基礎的な知識、学力の上に成立しており、これらの基礎知識の低下が背景にありそうに思われ
る。アンケートの各項目の棒グラフで「そう思わない(=理解できない)」の割合が 10%前後であるこ
とと、同科目の不合格率が妙に近似していることに危機感を感じている。
2007 年 5 月 5 日の Asahi.com の記事「後ろに座る学生、教員に厳しく自分に甘く」
(産業能率大学調
べ)が、本学の学生に当てはまらないことを祈るしかない。
小林
祐司(教養教育)
「情報処理入門」
平成 19 年度で終了した科目である。概ね評価は高いが、反省点として記載されたシラバスがあまり
役立っていなかったことがあげられる。学科教員による分担の科目ため、担当部分の接続や関連が心配
ではあったが、特に指摘はなかったようである。終了した科目ではあるが、コンピュータを利用するこ
とから他の科目における改善の参考にしたい。
高濱
秀樹(教養教育)
「生物学入門」
受講者の出席率は高く、態度、意欲も感じられる内容であった。目的、内容、教材において適切であ
ったと評価を得たが、量、わかりやすさ、話し方、反応においては問題が残った。高いレベルの内容を
より分かりやすく、理解度を把握しながら授業を遂行できるように努めたい。意見・質問においては低
い評価であった。総合的には良い評価であるが、改善点も多いと思っている。
仲野
誠(教養教育)「現代天文学と SETI」
本講義の総合評価は 2.18 であり、予想よりは低いものであった。しかし毎回、質問用紙を使って学
生のチェックをしており、自由意見や感想も書かせている。また全て返却している。したがって、講義
そのものへの学生の反応も十分把握しているつもりであり、そちらでの反応を重視したい。その点では
概ね満足できるものであったと言えよう。200 名以上の学生が登録しているような講義では、私語や遅
刻に対処していたかという点はなかなか徹底しなかった、というのが反省点である。私語へは講義の最
初に十分注意したつもりであったが、しつこく追求できなかった。次回からは受講学生数の制限、部屋
の管理、講義時の立ち位置等の工夫で改善をはかりたい。
4
本城 信光(教養教育)
「情報処理入門」
総合的によかったと思うかどうかの問 20 では、回答者の9割が肯定的評価を与えた。受講者による
全体的評価は、受講者が授業に求める内容を妥当な方法で教育したとするものと受けとめている。
問 7、8、9、10、14 の肯定的評価が 9 割を超えている。この理由には、授業で学習する内容を説明す
る資料を配布したことや、授業の学習目標と一致する標準的な内容を全体的に分かり易く記述した市販
テキストを用いて授業を実施したことが入るであろう。
問 3、12、16 で思わしくない回答が 2~3 割ある。問 3 は、シラバスのなかの授業内容の記述を 20 年
度は 19 年度より詳しくした。問 12 は、授業のなかで受講者の練習の進捗を、これまでよりも見るよう
努める。問 16 は、コンピュータを使う実習の場合、受講生同志で操作のしかたを教えあうことは学習
に有効であるため必ずしも私語にあたらないことに配慮しつつ、私語はしないよう受講生に伝える。
牧野
治敏(教養教育)
「生命観の変遷」
全体的に厳しい評価結果であり、ほとんどの項目で教養科目の平均値を大きく下回っていた。「7.
目標が明確だった(2.30)」
「8.内容に興味があった(2.22)」はいずれも低く、その帰結として「10.
分かりやすかった(2.07)」についても平均を大きく下回っている。本授業では、生物学の歴史をテー
マとしており、授業内容は事実の列挙だけではなく、その事実を当時の人々はどのように考えていたの
かを主題としているので、生物学に馴染みのない受講生にとっては、難しい授業であることは当初から
想定している。そのために、視覚的に分かりやすい授業とするための工夫を取り入れているが、この点
については「14.教材を適切に使用していた(2.15)」として評価されたと受け止めている。
「総合的によかった(2.31)」の結果は、真摯に受け止め、分かりやすい授業とするために、次回の開
講までに内容を精選し、授業展開を変更するつもりである。
牧野
治敏・尾澤
重知(教養教育)「大分大学の人と学問」
本講義は、学長による講演、また、理事によるシンポジウムを始め、各学部の部局長や、各学部で特
色ある研究・教育を行っている教員の講義を中心としたオムニバス講義型授業である。
今学期の授業では、全 8 回のオムニバス講義に加え、残る 6 回はセンターの専任教員が、大学での学
び方等を含めた導入教育を目的としてグループ学習や演習等を実施した。また、毎回の授業では、「ミ
ニッツペーパー」と呼ばれる授業終了時のミニレポートを実施し、授業の要点や質問などを収集した。
ここで得られた代表的な質問等に対しては、回答やコメント等を記した「授業フィードバック」を次回
授業で配布して、学生との直接・間接的なコミュニケーションを図った。
平均して約 120 人が受講し、授業評価には 108 名が回答した。
「20. 総合的によかった」の 2.59 をは
じめ、全体として高い評価が得られたと言える。自由記述や独自の質問紙調査では、「学内の様々な講
義を受けられて良かった」「大分大学に関心が持てた」などの肯定的評価が見られており、複数の教員
によるオムニバス講義が効果的に機能していると考えられる。この他、とくに特徴的なのは、「12. 反
応を確認していた」や「13. 意見や質問を聞いていた」などの学生との相互性に関する項目である。そ
れぞれ 2.55、2.69 と教養教育の全体平均より 0.7~0.8 ポイント高い。これは、ミニッツペーパーの実
施や、授業フィードバックが効果的に機能したことが影響していると考えられる。私語や受講態度に留
意を促したことも、今回の授業では肯定的に評価されていた。
一方、「9. 量的に適切だった」や「3. シラバスが役立った」は、授業評価全体としては相対的に低
い評価にとどまっている。これは合計 4 回のレポート提出をはじめ課題の量が比較的多いことや、学生
5
がシラバスをそもそも見ていないことが影響していると考えられる。(文責:尾澤)
望月
聡(教養教育)「食品材料概説」
教養科目であり、受講登録者数が 200 名と多く、教室も第一大講義室で行ったため、講義というより、
毎回講演のような授業形態となった。
「総合的によかった」と回答した者が 80%あり、また、
「授業は真
剣に行われていた」と回答した者も 85.6%と多数であったことから、授業に対しては比較的よい評価を
受けたと思われる。「内容に興味があった」、「量的に適切だった」、「わかりやすかった」、「話し方は適
切だった」、「反応を確認していた」という項目で「そう思う」と回答した者が多かったが、「授業態度
に留意した」
、
「意欲的に取り組んだ」と回答した者が少なかったことから、この授業に積極的に参加し
なかった学生も少なからずいたのではないかと思われる。その理由として、この授業が教養科目であっ
たこと、受講者数が多かったことが考えられる。「私語、遅刻に対処していた」に対する評価が低かっ
たが、第一大講義室では、学生との間に空間的距離があり、マイクを使用していることもあって、私語
をしているのかどうかわからなかったのがその理由である。「シラバスが役立った」に対する評価も低
かった。これは、シラバスを作成してから授業開始までに時間があり、当初考えていた計画を変更した
ことと、学生の反応を見ながら授業を進めていたためであると思われ、ある程度やむを得ないことであ
ると考えている。
吉岡
義正(教養教育)
「化学物質と環境影響」
全体的な評価に関しては、90%以上が肯定的である。また、学生の反応を確認すること、教材・板書
(主に PowerPoint 使用)
、授業時間の厳守に評価が高く、量的な適切性、意見や質問を聞く、判りやす
い、私語・遅刻への注意点の評価が相対的に低かった。量を減らせば判りやすさは改善されると思うが、
量は質の確保と関係するので保ちたい。質問は常時受け付けてはいるが、質問する学生は少なくかつ終
了後に多い。興味を持っているにもかかわらず、実際に意欲的に取り組む学生が少ない点を課題とした
い。なお、科目選択の都合上やむを得ないともいえるが、中途参加の学生が大量となるため、改善を希
望している。
麻生
和江(教育福祉科学部)「身体表現基礎」
実技中心であることから、学生の学び方の特性を鑑みながら授業展開を行う。従ってシラバスは幅を
含めて記述しているので、学生にとって抽象的で難解となっているようである。板書と教材の適切な使
用では平均値より低い。これら実技中心の講義に対しての質問の妥当性も問われる。プリント資料配付
やビデオ撮影による動き確認の多用など、学習者には授業内容をわかりやすく提示し、音楽再生編集器
材、鏡等の不足のないよう配慮し、学びの段階に応じた環境を整備している。上記 3 件以外は平均値を
下回ることはなく、概ね、学生には総合的に理解し、受け入れられる講義内容、進め方であったと思わ
れる。
甘利
弘樹(教育福祉科学部)「世界史概説Ⅱ」
「東洋史概説」
世界史概説Ⅱ(以下「世」と略記)は、学校教育課程教科教育コース社会選修の選択科目Aに当たる。
また東洋史概説(以下「東」と略記)は、情報社会文化課程社会文化コース必修科目に当たる。両科目
は、同一の曜限・教室で行った授業である。いずれも「項目 20.総合的によかった」のポイントが、学
部平均を上回った。しかし当該ポイントの数値について、
「世」=3.00・
「東」=2.64 という開きがあっ
6
た。他の項目のポイントも、「項目 7.目標が明確だった」において「世」=2.64・「東」=2.29、「項目
13.意見や質問を聞いていた」において「世」=2.91・
「東」=2.07、
「項目 16.私語、遅刻に対処してい
た」において「世」=2.27・「東」=1.57、のように数値の開きが明確に見て取れた。この数値結果の
意味するところが何であり、どう捉えるべきか、私にはわからない。理解するための情報を獲得する一
方、実地的な自助努力として、受講者への意見聴取を行いたいと考える。
安東扇弥子(教育福祉科学部)「衣生活論」
「衣生活論」は被服分野の開講科目数が少ない現状の中、将来家庭科の教員を目指す学生も受講する
ため、多くの内容を取り入れて 15 回の講義を組み立てています。そのため、どうしても量的に多くな
ってしまうことが一部の学生には負担に感じたようですが、私としては少しでも将来のためになるよう、
そして、ただ知識の詰め込みではなく、驚きや興味の湧く内容、積極的に参加できるような楽しい授業
になるよう、意識して授業を行いました。その点が、
「内容に興味があった」という項目で「そう思う」
という一番高い評価を 88.9%得たことに反映できたことは教員として大変嬉しい結果です。また、「そ
う思う」、
「どちらかというとそう思う」を含めると、全ての項目が 80%を越える高い評価を頂けたこと
も大変嬉しく思います。
授業以外の事としては、非常勤講師という立場上なかなか学生と触れ合う時間が少ないのですが、授
業後に数名の学生が来て、悩みや相談に乗ったりもしています。これからもなるべく多く学生と関わっ
ていきたいと思いますし、さらに内容の充実と学生に満足してもらえる授業つくりに励みたいと思いま
す。
伊藤 安浩(教育福祉科学部)
「授業研究」
「授業研究演習」
「授業研究」は、受講者数が 10 名という少人数の講義形式の授業である。受講姿勢に関する 3 項目は
すべて、「そう思う」「どちらかというとそう思う」を合計すると 100%になるので、学生が真面目に取
り組んでいることがデータからもわかる。
「そう思う」という回答が他項目と比較して低かったのは、
「シ
ラバスが役立った」と「量的に適切だった」である。特に、内容量については、他の授業でも低い傾向
があるので、今後配慮したい。
「授業研究演習」は、これも受講者数が 11 名の少人数の演習形式の授業である。学生による評価の傾
向は「授業研究」と同様で、学生の受講姿勢は真面目である。他項目と比較して評価が低かったのは、
これも「シラバスが役立った」と「量的に適切だった」である。内容量の適切性については検討の余地
があると思われるが、シラバスについては、そもそも受講前に読んでいる学生が少ないので、これにつ
いては指導が必要と考える。
稲用 茂夫(教育福祉科学部)
「英詩研究」
「イギリスの言語と文化」
専門科目の反応については、どちらも少人数の演習形式であるため、回答者が特定されるので回答し
にくいことではなかったか、と心配される。最終的な成績に直結するならば、まずはさしさわりのない、
無難な回答を提出する形になりがちであろう。板書の方法、配布プリントの構成、説明の内容などさら
に良い授業を計画したいが、受講生諸君にもきちんと予習復習をお願いしたい。
この授業の内容について、英語を専門とする学生ではない他課程、他選修から教員免許を取得する単
位のために受講を希望することがある。外国語という特別な分野の性質上、基礎的な英語力においては
問題がある場合が見られるので、よくよく考えた上で受講してほしいと思う。よく言われるように、つ
7
いて来れないことになりがちであるから。
今回は全体的としては良い評価を得たようだが、貴重な回答結果をもとに、引き続き、担当授業科目
の指導方法の改善に可能な限り努力していきたい。
大杉
至(教育福祉科学部)「社会学概論Ⅰ」「現代社会論Ⅰ」「社会学」
具体的な興味ある例を挙げて説明している点が高く評価されていた。今後とも現実の社会的問題を取
り上げて、学生により興味のもてる講義内容としたい。資料・ビデオ等も蓄積して適宜使用したい。評
価の低かった点は、板書を整理して書いてほしいという点であった。しかし、大学生であるから、写さ
せるだけの板書は必要ないと考える。声が聞き取りにくかったという意見もあった。声の大きさは指摘
されて初めて気がつく場合が多いので、常に気をつける必要があろう。
全体として、学生の授業への出席率はよいが、社会科学に興味・関心のないような態度がしばしば見
受けられる。したがって、今後とも、日々の研究あるいは日常生活においても、適切で学生の興味を惹
く教材になるものはないか、意識して収集しておくことが望ましいと考える。
緒方
武秀(教育福祉科学部)「数学概論(小)
」
100 名以上入る教室に 50 名の受講者であった。今年は座席を指定しなかったので、教室の前列はほと
んど空席であった。中列より後に着席して、「声が小さくて聞こえ難かった」、「マイクを使え」、「黒板
の字が見え難い」という意見を見ると、人間を長くやってきた者の常識では学生の我儘と思えるのだ
が・・・・。 出席して、聴くだけで理解できる授業をすることが学生にとっては望みであり、授業者
にとっては理想であるが、授業の性格上、そのような授業は無理であるので、この評価を受け入れなけ
ればならないと思う。
衣笠 一茂(教育福祉科学部)
「社会福祉援助技術論」
「社会福祉援助技術演習」
「地域福祉論」
1.全体的評価
授業は全体的に高い評価を得ており、これは担当者にとっても嬉しい驚きであった。とくに、「社会
福祉援助技術論」等担当者が単独で担当している科目が、「社会福祉援助技術演習」など複数教員で担
当している科目よりも総合評価が高いことは、担当者個人にとって大きな励みとなった。
2.評価の思わしくなかった項目
しかし、とくに「シラバスが役に立った」はいずれの講義も低い値にとどまっており、シラバスの充
実と活用について、今後の改善が必要である。学生に前もって講義内容を理解させるためにも、シラバ
スの整備を今後重点課題として取り組んでいきたい。
3.授業改善を行うための具体的な方策
とくに「地域福祉論」等の大講義室での授業では、板書が有効に機能していない現状が見受けられる。
そのため、今後はパワーポイントや資料掲示装置の有効活用など、視聴覚教材の充実に努めていきたい。
久保 加津代(教育福祉科学部)
「住環境論」
生活の学、家政学は、先人の英知に学び、現状の課題分析をすることはもちろんであるが、これから
の生活を構想し、創造していく学問分野である。新しい社会や生活を展望することは、生活経験の浅い
学生にはたやすいことではない。人生観を揺さぶり、だれにもやさしいサスティナブル社会を構想する
8
という困難な課題に、受講学生はみんな、真面目に、真摯にとりくんだ。
学生による授業評価結果も総じて良好であった。
「プリントがわかりやすく」
「スライドをたくさん見
ることができ」
「興味深く受講した」
「これまであまり関心の無かった住の問題を考えてみるきっかけに
なった」「これからも住生活に関心をもって生きていこうと思う」という。
試験の成績も概ね良好で「住生活の地域性がわかり、自然や風土・文化に対応して住まう」「サステ
ィナブルな社会をめざしてだれにもやさしい住生活のあり方を考える」力=住生活力を育成するという
所期の目的をほぼ達成できた。
古城
和敬(教育福祉科学部)「教育統計法」「心理統計法」
「心理学研究法」「社会心理学」
授業についての全体的評価の観点から自己点検を行う。教育統計法以外の授業科目に関しては、それ
ぞれの受講者全員が「20.総合的によかった」項目に「そう思う」または「どちらかというとそう思う」
を選択していた。教育統計法においても「どちらかというとそう思わない」と回答した学生が1名いた
だけでそれ以外は皆肯定的な評価であった。以上から、それぞれの授業科目に関する全体的な評価は高
いと判断できる。
肯定的な評価の背景には、①学生からの質問の機会をできるだけ多くつくる、②受け身型ではなく積
極参加型の授業構成に努める、③重要な箇所は適宜繰り返しリハーサルを行う、④学生になじみの深い
題材やデータを活用する、⑤理解を深め定着を促進する教材提示を工夫する、等の取り組みが効果的に
作用したのかもしれない。今後は、予習・復習を前提とした欧米型のスタイルを参考にして②を強化し、
授業の質をさらに高めていきたい。
古城
建一(教育福祉科学部)「スポーツ健康研究法」「社会体育指導論」「基礎ゼミⅠ」
「レクリエーション概論」
今回実施した4科目のなかで比較的厳しい評価を受けたレクリエーション概論について自己点検す
る。本科目は地域スポーツ・レクリエーション指導者の養成を意図して開設しているものである。もと
もと、専門学生(10 数名)を対象して開設した授業であったが、19 年度から専門外の学生も受講するよ
うになり、それまでの 3~4 倍強に増加した。調査結果をみると、そう思う(どちらかといえばそう思う
を含む)とする者の割合が低かった項目は、量の適切さ・わかりやすさ・意見質問を聞いていた・板書
の適切さ等であった。講義は主として自作の資料およびそれを要約したパワーポイントによって説明す
るという方法で行ったが、内容が専門に偏りすぎかつ多岐にわたること、毎回の配布資料が多いこと、
等がこの結果をもたらしたのではないかと分析している。以上から、今後は毎回の内容を精選し、要点
を的確に押さえながら講義を進め、専門性の異なる受講生にもわかりやすい説明に努めたいと考えてい
る。
宇野
真人(経済学部)
「マクロ経済学Ⅰ」
◆評価の良かった項目(12、14)
教科書を使用していないので、レジュメを配布してそれに沿って講義を行った。パワーポイントと図
を利用し、毎回の講義の要点をまとめたプリントを配布したのもよかったのかもしれない。また小テス
トを頻繁に行い理解度の確認に努めた。
◆評価のおもわしくなかった項目(16)
特に耳障りなことはなかったと思うが、ひそひそ声には講義を停止して静かになるのをまった。明確
9
に対処すべきであったのかもしれない。
◆自由記述で特に指摘された事項
わかりやすい、進度がゆっくりめであると指摘された。
◆評価の思わしくなかった項目や指摘された事項に関する応答
進み方が遅いとの指摘があったが、より要点を明確にし、項目項目を簡潔にできるように努めるつも
りである。
◆授業改善を行うための具体的方策
パワーポイントなどによる副教材の作成はもちろんのこと、頻繁な小テストの実施による理解度の確
認、講義に沿った演習問題の作成などにより、講義を聞かなければならない雰囲気作りをより一層して
いくつもりである。
片山
准一(経済学部)
「株式会社論Ⅰ」
今回の調査で最も高評価だったのは「量的に適切だった」
(0.73)で、0.5 以上の評価は「総合的によ
かった」「わかりやすかった」「反応を確認していた」「目標が明確だった」であった。他方で「授業に
出席した」
(-0.14)と「教材を適切に使用していた」
(-0.02)という低評価もあった。受講者数が比較
的少数であったこともあり、静粛な雰囲気の中で講義が進められた。毎講義後、小テストを行って学生
の理解度をチェック出来たこともよかったと思う。しかし「教材・・」に関しては、少し疑問に思うと
ころである。講義中テキストを一々読んだり、読ませたりしなければ「教材の適切な使用」にならない
のか?小生の場合、講義の前後、テキストでの予習・復習を行うことを当然の前提としている。シラバ
スにも明記している。この点に関しては、もう少し学生も意識を高めてほしいものである。
城戸
照子(経済学部)
「比較地域分析Ⅰ」
標準偏差や加重平均から見て、次回に改善が必要なのは「私語、遅刻への対応」、「授業時間を守る」
であった。平均と大差はないが、「量的に適切」でなく(おそらく多すぎる)、「目標が明確でない」と
の不満もあるようである。講義の時間管理などをいっそう厳密にし、内容を限定する方向で工夫したい。
教員が「反応を確認」し、「意見や質問を聞いていた」という評価は平均より高かったが、講義最後
に質問票を記入させ、次回講義で説明を補足し資料を追加したためと思われる。効果が上がっているよ
うなので続けたい。ただ、質問に答えるための資料が増える傾向にあり、本題が進まないのが悩みであ
る。
「内容に興味がある」
「分かりやすかった」という質問での平均以上の評価を維持するため、教材の充
実を考えている。冊子の作成と頒布も試案にあるが、先行研究文献からの引用のガイドラインなどを確
認する必要があり、なかなか踏み切れていない。
佐藤
隆(経済学部)「経済学Ⅲ」「政治経済学Ⅰ」
評価の低かった点について自己点検したい。まず、必修の入門科目は専門の選択科目に比べ相対的に
評価が低い。この理由として、シラバスが授業選択に用いられないため、「シラバスが役立った」の項目
が低く出てしまうためである。これはここ数年改善できない項目であるが、今後の課題としたい。また
「内容に興味があった」という項目も、必修であるがゆえに低評価は避けられないだろうが、工夫してい
きたい。次に、両者に共通した低評価項目として、「私語、遅刻に対処していた」がある。例年、特に
対処をしていないが、この年だけこの項目が伸びている点からすれば、この年が特に私語・遅刻が例年
10
と比べて多かった可能性がある。これも今後対処を考えたい。総合的には、必修で 7 割、選択で 8 割の
学生が総合的に良かったと解答しているが、そう思わないと答えた学生が必修で1名いた。この1名の
ためにも、授業改善に努力していきたい。
高島
拓哉(経済学部)
「都市経営論Ⅰ」
全体に本科目への評価は芳しくなく、パワーポイントを含めた視聴覚教材の使用の少なさなど、様々
な点で今後のさらなる工夫の必要性を示していたと思われる。
他方でこの辛い評価に関して釈明すべき点もある。経済学部で開設されている社会科学系科目の多く
が、標準的なテキストブックや教授法が確立しているものであるのと比較して、私が担当する科目は未
熟な学問分野であり、学生などにはタイトルから内容を想像することが困難な面があった。あたかも「都
市開発について学ぶ分野」であるかのような誤解が著しく多いが、実務的にはむしろ内部行政管理が中
心である。シラバスにはこうした素材がわかるように書いたつもりだが、シラバスを熟読せずに誤解し
たまま受講して、内容が期待と違うために関心を低下させて私語に走る向きもあったようだ。
ただし毎回のアンケートで出された疑問点には丁寧に応えてきたので科目の主旨への誤解は真面目
な受講者においては早々に解決してきたと自負している。それも含め、毎回 Q&A で A4 原稿 4~8 枚程度
の資料を配布してきたので、意見や質問への応答の項目が高得点になったのもうなずける。
田中
敏行(経済学部)
「簿記」
昨年度(平成 19 年)前期の授業改善アンケートの調査結果をいただきまして、時間が経っているこ
ともあり、もう少し早めに結果表をいただければと思いました。当時の授業を思い出しますと、他の授
業も同様ですが、授業の中間と後半に自前のアンケートを実施し、「授業の感想や、学生がどの程度理
解しているのか、どの箇所が理解していないのか」等聞いてそれらを参考としています。本アンケート
結果につきましてはこれからの授業の参考にさせていただきたく思います。
西村
善博(経済学部)
「統計学Ⅰ」
平成 19 年度から、電子ホワイトボードを導入した。従来、ワードで作成した資料をプロジェクター
で見せながら授業を進めていたが、それに伴い、今回、配布資料はワードによる作成資料、プロジェク
ターで見せたのはパワーポイントでの作成資料に変更した。
今回のアンケート結果については、
「わかりやすかった」が経済学部平均よりも 0.7 ポイントも低く、
分かり易さという点では、きわめて低い評価であった。これまでの経験からもここまでの低評価は記憶
にない。その要因として考えられるのは、
「内容に興味があり」が経済学部平均より 0.42 ポイント低い
ように、興味をもてない学生が相対的に多かったことがあげられる。また、私は、練習問題(毎回の授
業時間中に実施)の採点結果を学生に返却してきた。しかし今回は、授業で使った資料や答案は評価の
ためすべて保持という指示があったことや時間の節約から希望者のみに閲覧させる方式に変更した。閲
覧希望者は、実際には、数名という状況であった。したがって大部分の学生が、練習問題の結果を確認
しないままに過ごしたといえる。さらに今回は、パワーポイントでの作成資料とワードによる配布資料
に、記載内容に一部違いがあった。この点は学生の評判はあまりよくなく、
「教材適切使用」
「板書は適
切」が経済学部平均と同じかやや高い評価だったことを考慮に入れると、このことの影響は見逃せない
ように思われる。
平成 20 年度の「統計学Ⅰ」の授業では、練習問題を返却するとともに、パワーポイントによる作成
11
資料を修正し、かつ配布する方式にあらためた。また内容を一部、減らすような方策をとった。さらに
は、授業記録の視聴の推奨についても機会を設けたところである。
松隈
久昭(経済学部)
「マーケティング論Ⅰ」
総合的評価は学部平均より高く、一定のレベルには達していると思われる。また、「わかりやすかっ
た」、「内容に興味があった」、「反応を確認していた」なども学部の加重平均を上回っていた。
改善すべき点は、一部板書の適切さについて不満が見られるゆえ、今後は考慮したい。ただし、教室
の前方はいつも空いているので、学生側も見やすいところに移動して欲しい。また、受講学生数が増え
ると私語が増える傾向があるので、その点には注意したい。
授業では、ほぼ毎回授業に関する問題を出し、回答を求めている。聞くだけの授業ではなく、参加型
の授業にしたい。
宮町 良広(経済学部)
「地域発展論Ⅰ」
総合評価は 2.64(満点3)であった。評価が高い(2.8 ポイント以上)項目は、
「授業は真剣」
(2.92)
と「私語、遅刻に対処」
(2.83)であった。学部平均を大きく上回った(0.6 ポイント以上)項目は、
「私
語、遅刻に対処」
(+0.78)、
「反応を確認」
(+0.69)、
「意見や質問を聞く」
(+0.66)であった。ちなみに
筆者は授業で出席を取らない。他方、評価がもっとも低かった項目は「量的に適切」(2.12)で学部平
均とほぼ同水準であった。筆者は、授業改善アンケートを成功させる要所は回答者への結果の早期開示
にあると考えているため、授業最終回より1回前にアンケートを実施し、急ぎ集計して、上記の得点を
含む集計結果を翌週の授業時に受講生に開示している。その際、「分量が多い」との意見に対して、運
動負荷を考えると「ちょっときつい」が適量であると回答し、大方の理解を得たようである。授業の最
後に、井上ひさし氏の言葉をヒントにした筆者の授業目標「難しいことをわかりやすく、わかりやすい
ことをおもしろく、おもしろいことを深く」を受講生に伝えて締めくくりとした。
穴井 孝信(医学部)
「小児看護方法論Ⅰ」
授業についての全体的評価は 4 段階加重平均で 2.68(医学部加重平均 2.49)で平均よりやや高い結
果であった。評価の良かった項目は、1)わかりやすい 2.70(同平均 2.22)、2)反応を確認していた
2.60(同平均 2.25)、3)話し方は適切だった 2.60(同平均 2.26)、4)内容に興味があった 2.79(同平
均 2.46)、5)授業時間を守っていた 2.74(同平均 2.43)などで、他方、評価の思わしくなかった項目は、
1)私語、遅刻に対処していた 1.68(同平均 2.21)、2)意見や質問を聞いていた 1.87(同平均 2.27)、
3)授業に出席した 2.68(同平均 2.79)、4)授業は真剣に行われていた 2.70 (同平均 2.75)の 4 項目
であった。自由記述で特に指摘されたことは、話し方のペースが速すぎるという点であった。話し方の
ペースをもっとゆっくりとしたい。また、私語、遅刻には厳しく注意したい。
秋田 昌憲(工学部)
「電子回路Ⅱ」
「通信方式」
評価の内容的な数値については例年と大差のない傾向が見られたが、学生の数学・電気回路等の基礎
学力習得度の低下が進んでいるので、それに対する対処がより必要になって来ている。対処法として、
講義内容の削減を行ったが、レベルを落とすことにも限界があると思われるので、これ以外の対処法も
検討しなければいけない。ただし、レポート等を課しても諦めて提出しない学生、恣意的に一部しか出
そうとしない学生も見られるし、中間試験を複数回行うと、講義そのものの進度に影響を及ぼすので、
12
学生にいかに学習をさせるようにするかは難しい問題である。学習意欲は二極化が顕著なので、どのレ
ベルに焦点を合わせるかということも問題となる。選択科目の通信方式は、本年度履修学生数が急に減
少した。近年、学習意欲の低下等で取得単位数を最小限にし、楽勝科目に走る傾向が急激に増している
こととも関係があるかと推察される。講義の時間が月曜1限だから等という意見もあるが、これらもそ
ういうことと関連していると思われる。このようなことは、本アンケートの形態では調査出来ないが、
別途傾向を注視して行きたい。
和泉 志津恵(工学部)
「データサイエンス基礎」
平均出席率は 90%であり、例年より多少低かった。しかしながら、遅刻は少なく、授業への取り組む
姿勢は比較的良好であった。学生が意欲的に取り組めるように、毎回の授業で例題問題を入れた解説を
行い、教室を巡回しながら、個別的な指導も行った。授業についての評価値は、問7~20 の項目につい
てほぼ全ての項目で工学部平均を上回り、例年と大差のない傾向が見られた。e ラーニングシステムの
WebClass を用いて、小テスト・レポート問題の配付などの連絡を行い、学生からの質問を受け付けた。
小テストやレポート課題は、学生にとって講義内容を理解する上で有効であったと評価された。また、
WebClass を用いて、自宅からレポート課題が提出できたことも評価が高かった。数式の添え字が後ろ
の席から見えにくいとの指摘があった。従って、数式のサイズの調整を今後行いたい。
伊藤 哲郎(工学部)
「ヒューマン・インタフェース」
ヒューマン・インタフェースの授業では、学生それぞれに、課したインタフェースに関するテーマに
ついての調査結果を、プレゼンテーションツールを使って発表してもらう形式を取っている。発表時以
外は、毎回他の学生の発表を聞きその内容・感想をまとめて提出することが課される。この取り組みは、
ある程度評価されたと思われる。学生も意欲的に取り組んだと回答している。自身で調べることとその
結果を発表することの両者が充実感に繋がったのであろう。資料の作り方や発表の仕方にも工夫が見ら
れるようになってきていた。
井上 正文(工学部)
「構造力学Ⅱ」
○授業についての全体的評価
問 20<総合的に良かった>の評点は 2.37、問 18<授業は真剣に行われていたか>の評点は 2.60 な
ど、学生からは一定の評価が得られている。教員の授業への真剣な取組が学生の授業への真剣な取組に
つながると確信している。
○評価の良かった項目
2.5 以上の項目は<授業に出席した><授業時間を守っていた><授業が真剣に行われていた> の
3項目である。
○評価の思わしくなかった項目
2.0 未満の項目は<シラバスが役にたった><わかりやすかった><反応を確認していた>の3項目。
講義予定内容をこなすことを優先させ、学生の理解度を確認せず、授業を進めた点があったかもしれな
い。
○自由記述で特に指摘された事項
(改善して欲しいこと)・構造力学Ⅱでの手書きの配布プリントが読みにくい
(良いと思ったこと) ・配布されるレジメが復習に役立つ
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○評価の思わしくなかった項目や指摘された事項に関する対応
・構造力学Ⅱの配布プリントの改善を徐々に進めて行きたい
・学生の基礎力が年々低下傾向にあるので、授業内容の見直しや授業を進めるスピードについても検
討していきたい
○授業改善を行うための具体的な方策
・構造力学Ⅱでは、中間試験を導入することで、学生の理解度確認の機会を増やす予定
(平成 20 年度前期では中間試験を導入した)
岩本 光生(工学部)
「基礎設計工学(1年・2年)」
「機械要素設計学」
「伝熱学Ⅰ」
今年はカリキュラム改訂の影響で、基礎設計工学は 1 年と 2 年の同時開講を行った。担当する上記 3
つの科目の総合的評価(問 20)を見ると、上記の順番でそれぞれ 1.95(1年生)
、2.42(2年生)、2.38、
2.20 であった。工学部平均は 2.12 であり、1年生向けの基礎設計工学以外は平均よりは良い評価を得
たがさらに改善に努めたい。「基礎設計工学」は同じ授業を1年と2年に行い、その評価が 1.95、2.42
と極端に分かれたのは興味深い。まだ1年生は製図の重要性や必要性の自覚が不十分な印象を受けるこ
とと、「図面」というものに対する慣れも影響していると考えられる。各項目を見ていくと、どれも問
7の「授業目標の明確さ」の評価が高かった(2.44、2.58、2.59、2.40)。他の項目を見ると、基礎設計
工学は同じ授業にもかかわらず、1年生ではほぼすべの項目で平均以下の評価となり、2年生では平均
以上となった。また「機械要素設計学」は全ての項目で評価が平均以上であったが、「伝熱学Ⅰ」は問
17「授業時間を守っていた」で 1.92 と低い評価となり、また「反応確認」
「板書」等で平均以下となっ
た。これについては改善していきたい。
宇津宮
孝一(工学部)
「オペレーティング・システムⅠ」
「システムプログラミング演習Ⅱ」
これまでの評価結果を踏まえて、オペレーティング・システムⅠ(OSⅠ)では、配付プリントの図
表を増やし、空欄を自分で考えて埋める方式を導入した。システムプログラミング演習Ⅱ(シスプロ演
習Ⅱ)では、英文の量の適正化と問題の精選にも留意した。その結果、OSⅠでは、「量の適切さと板
書の適切さ」の項目以外、今回は軒並みプラス評価になった。一方、シスプロ演習Ⅱは、OSⅠの内容
に基づき、米国の大学で使用されている英文による演習をしているが、英語の苦手な学生が多く、今回
もほぼすべて項目で平均を下回った。中身の魅力でこれをカバーできる授業方法を考える必要があるが、
限界を感じる。OSⅠは、小テスト、演習、中間試験、期末試験と多様な評価法を導入し、効果も上が
っている。丁寧な解答を用意しているのに、自分でやらず授業で解答の説明をするよう求める者もおり、
対応に苦慮する。
一方、
「大福帳」の実践は4年目となった。コミュニケーション手段として「学生の意見や質問聴取」
の項目の評価は良い。また、小テストの解答用紙やレポート返却ケースの役目も果たし利便性が高く、
手間は多少かかるが重宝なので WebClass に移行できないでいる。
大賀 恭(工学部)
「原子と分子(工・専門基礎科目)
」
使用するテキストを新たに執筆したもの(共著)に変更して実施した。毎回の講義資料を作成しなが
ら、またテキストのミスプリントを修正しながらの講義だったので受講した学生には多少迷惑をかけた
かもしれない点を反省している。評価は概ね良好と言えると思う。比較的評価の低い項目は。「反応確
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認」、「意見・質問聴取」であるが、質問は無いかと問いかけても全く反応がないので、150 人を超える
学生相手では仕方がないと割り切っている。そのかわりに毎回宿題を課して、その出来具合から理解度
を把握することにして、毎時間の最初の 10~20 分間程度を前回の内容のレビューに使うようにした。
自由記述欄に、このことを評価する記載があったので、以降続けている。
越智 義道(工学部)
「情報数学」
情報数学については、前年度まで小テストに関わるウエイトが高くなりレポートなど自己学習に関わ
る取り組みに対する比重が低かった。このため、本年度は小テストを軽くし、レポートをほぼ毎回課す
ことにより自分自身で考える時間を持たせるように配慮した。レポートでは、友人どうして解答を確認
して提出した形跡がみられるものもあったが、総じて講義内容の確認とそれを通じて次の授業の準備と
いう目的では相応の効果をあげたように思われる。この科目の最終評価についても前年度は 30 名を越
す不合格者を出していたが、本年度は 20 名程度に収まった。ただ、小テストを軽くしたにも関わらず、
提出までに想定以上の時間がかかる学生が少なからずおり、このために授業時間が守られていないとい
う評価に繋がっていると推測される。授業時間中ならびにテストへの取り組み姿勢や集中力に関わる改
善指導の必要がある。
川口 剛(工学部)
「プログラミング言語処理系」
「情報理論」
プログラミング言語処理系については、総合評価は、ほぼ工学部全体の平均と同じであった。わかり
やすさ、教材適切利用、板書、授業時間の厳守、私語・遅刻への適切対応については工学部平均より評
価が高く、出席、授業態度、内容への興味、学生の反応確認、学生の意見や質問聴取に対する評価は工
学部平均より低かった。この科目は必修科目で、受講者が 80 名以上いる。それだけに、学生の反応確
認、学生の意見や質問聴取は難しい面がある。毎年、これらの項目についても気を使ってはいるが、学
生からは、なかなか良い評価が得られない。さらなる努力が必要である。
情報理論については、学生の反応確認、学生の意見や質問聴取も含めて、ほとんどの項目で工学部平
均より高い評価点であった。受講者が少なく、全員の反応を見ながら授業が進められたことが、高い評
価点をもらった理由と思われる。
菊池 健児(工学部)
「鉄筋コンクリート構造」
標記科目では 2 年後期の建築構造設計Ⅰ、構造解析と連動させたモデル建物の構造計算レポートを課
し、正解になるまで再提出させているが、学生によって理解が深まって良かったとする評価される一方
で、構造計算は時間がかかる作業で面白くないと考える学生も少なくない。しかしながら、実務者から
は大学において構造計算を行った経験が非常に役に立つとの意見をよく聞く。このレポートなど時間外
の演習の必要性をただ説くだけでなく、授業の目的や位置づけをさらに明確にするとともに、学生の意
欲や興味を喚起する工夫が必要であると考えている。
19 年度から、鉄筋コンクリート造梁試験体を製作して載荷実験を行い、実験室で破壊状況を実際に見
学させ、耐力、変形やひび割れを感覚的に理解させるようにした。このことは効果を上げていると考え
ているが、受講者数の多さから、学生自らが試験体製作などを行えないことや、実験状況を全員が十分
近くで見られないことなどが課題として残っている。
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工藤 孝人(工学部)
「電磁波工学Ⅰ」
・授業についての全体的評価
点数化された評価結果によれば、「内容に興味あり」(1.38)、「量的に適切」(1.50)、「わかり易い」
(1.50)などの評価が低い。特に「内容に興味あり」の評価は年々低下しており(1.63(H17)→1.43(H18)
→1.38(H19))、深刻な状況である。興味が持てないのは、授業内容について行けないからであろうか。
ちなみに、本科目の今年度の単位取得率(=合格者数/受験者数)は 83%で、過去最高の値であった。
・自由記述で特に指摘された事項
「課題が難しい」、
「量が多い」等は毎度のこと。他に「授業中にもう少し自分の手を動かす時間がない
と眠くなる」等、回答に窮する記述があった。一方、「教材が適切に使われている」、「課題があり、そ
れが成績にそのまま反映されるのでやりがいがある」、
「課題の解答をネットでいつでも見られるように
なってよかった」等の肯定的な記述もあった。
・指摘された事項に対する回答
前年度の授業評価での改善要求を受け、今年度から課題の解答をホームページに載せることにした。授
業中にも繰返し言ったことだが、解答を見て理解できなければ、積極的に質問に来て欲しい。授業内容
の量的な見直しにはかなり努力してきたが、削減はほぼ限界である。手を動かす(要点をつかめる)か
どうかは、本人次第である。
・授業改善を行うための具体的な方策
この授業では「与えられた式から目的の式まで、数学の知識を活用して自分で導出できるようになるこ
と」に重点を置いているが、それについて行けない学生が増えているようである。数式が一人歩きする
のは勿論好ましくないが、数式は物理的な意味を表現するのに最適な「言語」でもある。課題で反復練
習を行い、苦手意識を克服させたい。
末竹 千博(工学部)
「基礎数学」
「代数学 I」
「代数学Ⅱ」
「数値解析Ⅱ」
評価の思わしくなかった項目
評価の思わしくなかった項目として、「内容に興味があった」が挙げられる。この点については、科
目の性質上抽象的な概念を扱うことや、定理の証明をすることが関係していると思う。評価を上げよう
と思ったらこれらの比重を下げればよいわけだが、単純にそうはいかない。抽象的な概念の説明につい
ては、現実世界とのつながりをいつも意識し、学生の経験に根ざした例を豊富に蓄える必要がある。定
理の証明については、証明のための証明はしないようにする。唯、定理を記憶するために定理の証明を
知る必要のある定理もある。この場合は定理の証明をする必要がある。思い切った教材の取捨選択をし
て、重要な定理については詳しく話し、そうでない定理については軽く通り過ぎることも必要であろう。
数学が具体的に役立つ例をストックすることも心がけたい。
基礎数学では Serge Lang の本を参考にしたが、限られた授業時間のため消化不良な所があった。ま
た学生が主体的に取り組めるような授業方法の工夫もしなければならない。そうすることにより、興味
を増大させるという波及効果もあるだろう。
園井 千音(工学部)
「英語Ⅰ」
「英語Ⅱ」
授業についての全体的評価は約 85 パーセントが満足しているという結果である。評価された点は、
講義の難易度が適度であったこと、トピックの多様性、各講義における進度と課題の量が適切であった
こと、板書を活用したこと、文法事項などの説明をなるべく丁寧にしたことなどである。学生からの要
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望では講義のスピードが少し早いと感じることがあったこと、テキストの和訳を配布してほしいという
こと、重要なポイントを強調してほしいということなどがあげられた。今後は複雑な内容の場合などに
関してはより具体的説明を考慮する。またテキストの全和訳などは講義の方針により配布する方向では
考えていない。特に講義の難易度に問題がない限り、従来の方針を続けながら講義を進めていく予定で
ある。
田中 充(工学部)
「情報理論」
この授業では、その日に行った授業内容について宿題を課し、翌週の授業開始時にレポートを提出さ
せた。宿題の解答は、レポート回収日に担当教員のホームページにアップロードした。成績評価は、中
間試験、期末試験、課題レポートの成績を総合して行った。学生による授業評価によれば、毎週宿題が
出るので講義の内容を理解しやすい、レポートを採点して返却してくれるので復習を効率良くできる、
教科書が丁寧で分かりやすい、中間試験と期末試験が実施されるので試験勉強をしやすい、授業がとて
も理解しやすい、少人数のため受講生全員が真剣に取り組むことができた、今までの授業で教員と学生
のやる気が最もあった授業である等の好意的な意見があった。一方、板書を丁寧にして欲しい、配布資
料の書き方をやさしくして欲しい等の要望があった。これらの要望事項については、学生の期待に応え
られるように改善したい。
なお、本科目の単位修得者は、受講者 14 名全員であった。
田中 康彦(工学部)
「基礎数学」
「解析学Ⅰ」
「代数Ⅰ」
「代数学Ⅱ」
ほぼ例年通りの結果であった。「シラバス」、「学生の興味」、「学生の意見聴取」、「遅刻と私語」の 4
項目は、毎年評価が低い。これらの項目については、前回のレポートで処置なしとしたので、これ以上
の言及はしない。
2007 年度の新入生からは、カリキュラムの改訂を行った。その要点は、能力別クラス編成の導入であ
り、そのために入学式直後に振り分け試験を実施した。この制度の意図は、すべての学生に自分の学力
に合ったクラスに所属してもらい、現在の能力にほんの少しでも上積みをしてもらうことである。同じ
クラスには学力の似た学生が集まることになり、学生に合った授業を展開することが可能になる。ある
程度努力すれば必ず理解できる、言い換えると、理解できない場合は本人が悪いという環境をつくるこ
とで、授業に取り組む姿勢を改善してもらおうと思っている。
実際に実施してみて、前年度までと明らかに違っていたのは、長期にわたってクラスに緊張感が持続
したことである。これは、どの担当者のクラスにも共通する状況であったらしい。例年だと連休が明け
るあたりから、明らかに無気力な学生が目立ちはじめ、暑くなるころにはクラス全体がだらけた雰囲気
に覆われるのであるが、2007 年度は(実は 2008 年度も)最終週まで比較的引き締まった状態が続き、
学生も気持ちよく授業時間が過ごせたのではないかと思う。
次に肝心の成果であるが、学期末統一試験の結果を分析してみた。まず、能力別の 4 クラスのうちの
中間の2クラスは、かなりのがんばりで学力も向上したことが数字に表れている。最下位クラスははじ
めからやる気のない学生も多かったらしく大した効果が見られなかった。ここまではおおよそ予想通り
であるが、問題は最上位クラスであった。もちろん素点で比べると最上位なのだが、おそらく油断して
手を抜きすぎた者も多かったのであろう、期待したほどの学力の「伸び」が見られなかった。
現在、同一名称の科目は同じ基準で成績評価をすることになっている。大多数の学生(保護者も含め
て)が大学は入学してしまえばあとはフリーパスと思っている以上、必修科目では講義や試験の程度を
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下位クラスに合わせざるをえない。その結果、実際には学生たちが思っているほど差があるわけでもな
いのだが、上位クラスの者には物足りないと感じさせる内容になってしまう。講義内容から試験問題、
成績基準にいたるまで、クラス担当者に完全に任せてもらわなければ、クラスの学生の要求に的確に応
えることはできない。素人考えの悪平等はそのまま労力の無駄と意欲の減退につながり、ひいては組織
や制度を文字通り腐らせる。
津村 朋樹(工学部)
「電気化学」
「無機化学Ⅱ」
授業に対する評価は総合的に判断するとよいと思われる。しかし、私語、遅刻への注意、授業時間な
ど授業環境への配慮が足りない傾向にあった。どちらもパワーポイントによる授業で一方的な説明にな
らないように注意を払う必要がある。書き込み式の授業プリントの作成、確認のための小テストを行な
い、学生の理解の程度を確認し、中だるみしない授業とする必要がある。課題プリント、レポート、中
間テストなどの実施を行い、解答の張り出しだけでなく、授業での解説を行うことが必要である。特に、
無機化学Ⅱの内容は各元素の特徴を周期表に基づいて整理して述べるだけであるので、各元素の特徴に
関連して実際に使われている用途例などをさらに取り上げ、学生の興味を引く必要がある。また、学生
へのレポートとそのレポート結果を用いた授業とすることで、できるだけ参加型の授業形態となるよう
努める必要がある。
富来 礼次(工学部)
「建築環境工学Ⅰ」「建築環境工学Ⅰ演習」
・授業についての全体的評価
平成 19 年度 4 月に着任し、準備も十分に出来ないまま講義を行っており、特に最初数週間の講義は
学生に迷惑をかけたと思う。よって最初に提示すべき遅刻や欠席に対するルールも明確に提示出来ず、
最後まで曖昧だったため、次年度への反省とした。しかし、演習に十分な時間をかけられたため、途中
からは学生の進行状況も確認しつつ、講義内容も修正し、多少なりとも改善出来たと考える。
・評価の良かった項目、思わしくなかった項目
全般的に工学部平均より良くないが、特に教材の適切な利用や板書について評価が悪かった。主にプ
ロジェクタを用いた講義だったためだと考えられるが、次年度は重要な項目について適宜板書を用いる
こととする。また、シラバスについては、前述のような事情により必ずしも記載されている通りには講
義が進んでおらず、評価が悪い。
・自由記述で特に指摘された事項、その応答、改善方策
前述のように、プロジェクタを使用し、事前に用意したスライドを中心に講義を行ったが、ノートへ
のメモが間に合わないとの指摘があった。次年度は重要なスライドはコピーして配布することとする。
また、次年度の講義にあたり、シラバスの内容(各回の講義内容、達成目標等)を大幅に見直した。
永岡 勝俊(工学部)
「物理化学I」
学生がその都度授業の理解度を向上できるよう、毎回、レポートを課した。また、期末試験だけでは
テスト範囲が膨大になってしまうため、2 回の中間テストと1回の期末試験を行った。レポートとテス
トが多過ぎるという意見もあったが、その都度理解度を確認できるという意味で、評判は概ね良好であ
った。昨年度、シラバスの内容と進度が合わないという指摘があり、シラバスの内容を改定したところ、
今年度、その問題は解消されたようである。一部で板書が見にくいという意見があったため、今後はそ
の点について十分に留意する予定である。
18
長屋 智之(工学部)
「応用物性工学」
「物理学基礎」「力学Ⅰ」
専門科目「応用物性工学」、専門基礎科目「物理学基礎」
、
「力学 I」の学生による授業評価アンケート
の評価結果を受けて自己点検評価を以下に記す。先ず、これら3コマの講義に対して同じ程度の授業準
備、講義手法をしたにも関わらず「応用物性工学」のみが全体として高く評価されている事に注意した
い。この講義は受講人数が少なく、個々の学生の様子に気を配ることができることが第1の理由と考え
る。逆に考えると、専門基礎の様な大人数の講義では、どうしても評価が悪くなる傾向が伺える。「物
理学基礎」は 19 年度から習熟度別クラス編成を取っているが、今回の場合のように、担当クラスの習
熟度が低い場合は項目 8-10、20 で評価結果が悪くなる傾向があると考える。また、学生自身の意欲が
著しく低いのが注意すべき点である。「物理学基礎」は新しい内容になったため、講義の準備が十分で
なかったことが反省点としてあり、この点に関して改善したいと思っている。
「力学 I」に関しては、ほ
ぼ平均的な評価を受けているが、項目 10 の評価が低いことから、テキストの内容が難しい事が予想さ
れる。さらに丁寧に解説する様に改善したいと思っている。
西野 浩明(工学部)
「プログラミングⅠ」
パソコンを利用した講義資料の作成とその配布、パワーポイントによる要点説明等を中心に講義を行
っている。特に、テキストには記載されていないプログラムの実例を講義資料で補いながら、並修のプ
ログラミング演習 I の課題を独力で解決できるプログラム開発能力の養成を念頭においている。また、
1年生前期の専門科目であることから、情報技術の入門的な内容にも、ある程度の時間を割いている。
講義期間中に数回の中間テスト(30~60 分程度の分量)を実施して、学生の理解度を確認しながら授業
を進めている。これらの取り組みは、「教材の適切な使用」、「授業に真剣に取り組み」等の評価項目が
高いことから相応の効果があがっていることが確認できる。一方、「わかりやすさ」の評価項目はばら
つきが大きかった。新入生の中にもプログラム開発経験者から計算機の初心者まで、さまざまなレベル
の受講者がいる。それぞれの経験や学習進度に応じた課題の設定と演習実施などのさらなる工夫が必要
と思われる。
濱川 洋充(工学部)
「流体機械」
授業への興味を持たせること、分かり易い講義を行うことに重点を置き講義を行いました。その結果、
「内容に興味を持てた」と「わかりやすかった」の項目が前と比べ良くなりました。多くの学生に興味
を持ってもらえたことと、わかりやすいという評価の学生が増えたことを嬉しく思いました。講義では、
関連する専門科目の復習だけでなく、基本事項の詳細な説明や例題の解説、宿題の解答を行っています。
サボらずに毎回講義に出て、これらをきちんと理解していれば、内容は決して難くありません。したが
って、わかりにくいと評価した学生は、おそらく数学、物理、流体関連基礎科目の理解が不足している
と考えられます。講義ではこれらの復習にはそれほど時間をかけられませんので、学生には、単位が取
れたから終わりではなく、常に関連する科目については自主的に復習する習慣を身に付けてほしいと思
います。また、積極的に質問に来るように心がけて下さい。
原
恭彦(工学部)
「多変量解析」
・授業についての全体的評価
4 段階加重平均の値は、項目 4(授業に出席)、項目 5(授業態度に留意)
、項目 17(授業時間を守る)
を除く、全ての項目で 2 と 3 の間にあり、工学部の加重平均とほぼ同じか、あるいは、上回っていた。
19
しかし、後者のような差が有意なものであるのかわからない。また、学科により学生集団が異なるため、
工学部の加重平均と一概に比較できない。
・評価の思わしくなかった項目
今回(平成 19 年度前期)から、SMART Board を導入した。当面は、その使用に慣れることを目標
としている。毎回の SMART Board の設置には時間がかかった。(①工学部学務係まで出向き、専用の
接続ケーブルとプロジェクターを借りる。②教室に戻り、専用のボードとプロジェクターを設置する。
③電源を入れ、専用のソフトを起動し、動作を調整する。)授業開始が遅れることもあった。毎回、専
用の接続ケーブルとプロジェクターを、工学部学務係まで借りに行かずにすむように、自前で購入する
ことを検討した。今回の結果でも、項目 17(授業時間を守る)が、工学部の加重平均をわずかに下回っ
ていた。
開
憲明(工学部)
「基礎数学」
「解析Ⅱ」「解析(再)Ⅰ」
○ 授業全般的評価
・ 「授業は真剣に行われていた」(基礎 98.7%)(解Ⅱ91.3%、97.7%)(解Ⅰ97.3%)
・ 「総合的に良かった」(基礎 98.8%)
、(解Ⅱ88.4%)、(解Ⅰ100%)
と総合的に私の授業を良かったと評価してくれたので安心しています。これからも、より一層
工夫・努力していきたい。
<以上から、解析Ⅱ91.3%について、詳しく見直してみました。>
○ 評価の良かった項目
・ 「授業の出席」(解Ⅱ92.8%)、「授業態度に留意」(解Ⅱ87%)
・ 「意欲的に取組む」(解Ⅱ89.8%)、
「目標が明確」(解Ⅱ84.1%)、「量的に適切」(解Ⅱ86.9%)
・ 「話し方適切」(解Ⅱ86.9%)、「意見や質問を聞く」(解Ⅱ81.1%)
・ 「教材を適切に使用」(解Ⅱ88.4%)、「授業時間厳守」(解Ⅱ91.3%)などと8割~9割の学生
が「まあ良かった」と評価してくれていたので、安心している。
○ 評価の思わしくなかった項目
・ 「私語、遅刻に対処」(解Ⅱ31.9%)、「学生の反応」(解Ⅱ30.4%)については、学生の3割が
「あまり良くない」と指摘していた。
・ 「わかりやすさ」
(解Ⅱ24.6%)、
「板書」
(解Ⅱ24.6%)についても、
「いま一つ工夫」してほし
いと 25%弱の学生から指摘があった。
・ 「シラバスが役立った」
(60.8%)は学生の6割程しかいないので、改善の余地があると思われ
る。
これらを十分に反省して、①イメージしやすい「立体模型」もより工夫して、学生の理解を深め
られるようにしていきたい。②「毎時間の課題、演習はもっと厳密にして」学生の理解状況等を収
集、分析して、より一層の授業改善をして「わかりやすく興味ある」授業にしていきたい。
20
Ⅳ
教員による自己点検レポート(平成 19 年度後期)
稲用 茂夫(教養教育)
「総合英語」
「応用英語 E」
外国語科目についてはどちらも、英文の読解を主に練習しているが、まれに教材の選択が、学生諸君
の興味関心と合わないで、受講生には押し付けの感があるかも知れない。ときには逆に、なぜ自分は興
味が持てないのだろうかと考えつつ、英文を読む経験があってもよいのではないか。高校までの進め方
と似ているので英文解釈がいいかげんになるようだが、自分の和訳が不完全ということは、内容が理解
できていないことなのである。
しばしば「英会話」の希望もあるようだが、ネイティブスピーカー教員においての、それも少人数で
のクラス構成でないと効果は得られないことを知るべきであろう。英語が重要視される今の時代に、教
員数を削減され、大人数の教室ばかりの現状は学生諸君にとってまことに不満であろう。
今回は全体的としては良い評価を得たようだが、貴重な回答結果をもとに、引き続き、担当授業科目
の指導方法の改善に可能な限り努力していきたい。
孫
進姫(教養教育)
「ハングルとその文化」
毎年 200 名程度の受講生と共にハングルとその文化の授業をやっていますが、授業方式として、毎回
決まったテーマに対してグループで発表させる方法を取っています。発表内容について非発表グループ
との間でディベート形式により授業を進めていますが、受講生からかなりの評判を得ています。教員が
一方的に授業を進めるのではなく、受講生による発表と議論を交わすことで、受講生全員が授業に集中
できる雰囲気が作れたと思います。
さらに受講生は発表のための資料準備に自ら資料を調べたり、グループで話し合うことで事前学習の
効果も得ることができたと思います。受講生らの発表や議論の内容、授業態度などから全員が真剣に授
業に取り組んでいることがよく分かりました。
この授業に関してはこれからも発表、ディベート形式で授業を進め、コミュニケーションが十分にと
れる授業を行い続けたいと思います。
田
宇新(教養教育)
「基礎中国語」
「言語・外国語(中)」
・授業についての全体的評価
中国語は、世界の言語の中で最大の使用人口を誇る言語です。21 世紀に入って日本と中国は文化的、
経済的に一段と深いつながりを持っており、各分野において中国語が理解できる人材の必要性がますま
す大きくなります。本講義では、中国語を学習しながら現代中国の事情を紹介し、学習者の中国語の実
力を高めると共に現代中国への関心を持てるように習得します。
今回の「学生による授業評価アンケート」の実施は、大変有意義だと思います。自分に対して評価の
良かった項目や評価の思わしくなかった項目について、確認することができました。今回のアンケート
の結果ではビデオを授業に用いることは大変好評でした。また、授業内容や講義の進め方などについて、
評価も良かったです。一方、「板書の字を消すのが早かった」「遅刻者にもっと厳しくしてほしい」等の
意見もあり、こういう点について今後改善すべきであると思います。
朴
喜萬(教養教育)
「基礎ハングルⅠ」
<授業についての全体的評価>
21
「そう思う」+「どちらかというとそう思う」=90% 〜 95% であると自己評価。
<評価の良かった項目>
「授業は真剣に行われていた」
<評価の思わしくなかった項目>
評価の思わしくなかった項目はほとんどない。
<自由記述で特に指摘された事項>
授業の終わる時間を厳守したため、次の授業に差し支えがあると言うこと。
<評価の思わしくなかった項目や指摘された事項に関する応答>
授業の終わる時間については今後少しゆとりがあるように行うつもりでいる。
<授業改善を行うための具体的な方策>
学生等がもっと意欲を持って授業に取り組むよう、今後、文化の紹介や歌など魅力のある授業を展
開していきたい。
御手洗
靖(教養教育)「応用英語E」「英語ゼミナール」
◆授業についての全体的評価
・総合評価は高かった「英語ゼミナール」(2.88)、「応用英語E」(2.95)。
・20項目で2.8以上を得た。
・全ての項目で評価が平均以上であった(0.69~0.14)。
・「シラバス」と「私語遅刻」をのぞき、全項目で2.5以上であった。
◆自由記述で指摘された事項
・「英語ゼミナール」では、他学部の英語の授業とは根本的に質が違うと評価された。
・「応用英語E」では、教員による発音の指導が評価された。
・履修中の全授業の中で「応用英語E」だけが楽しみだという声を多く耳にした。
・唯一の否定的な意見は、遅刻者が迷惑だということであった。
◆評価の思わしくなかった項目
・平均点以上ではあったが、「遅刻、私語」の評価が2.38と低かった。
ペアやグループ活動を多く取り入れているので、私語を一切禁じることは不可能である。遅刻者には
再三注意したが、受講の権利を奪えないので、限界を感じる。
森永 和利(教養教育)
「英語 I」
「英語Ⅱ」
「総合英語Ⅱ」
まず、授業について「総合的によかった」とする割合が「どちらかというとそう思う」を含め、英語
I と総合英語Ⅱでほぼ 8 割、英語Ⅱではほぼ 9 割あり、はっきりした「そう思わない」は1割以下で、
英語Ⅱでは 0 という数字はうれしい材料でした。
「授業時間を守っていた」という項目で、「どちらかというとそう思わない」をあわせ、否定的な評
価が 24%から 28%の幅であることについては、授業に遅れたことはほとんどなかったので、いささか
理解に苦しみます。いくらか時間を超過したことが何度かあったことからこのような評価になったのか
といぶかっています。
授業の出席状態は、いずれの教科も良好で、大多数の受講生が意欲的に取り組んでくれたことが数字
にも表れていました。自由記述で、日本語の説明が聞き取りにくいという意見があり、早口の傾向が抜
けないことを反省しています。
22
安田 俊介(教養教育)
「基礎フランス語」
全体についての評価はおおむね良好であったと言えると思う。フランス語はほとんどの学生にとって
初修外国語であるため、出来るだけ「わかりやすさ」に留意し、その都度学生の「反応」を確認し、
「教
材を適切に使用」した授業を心掛けているが、アンケートを見るかぎりでは、これらの項目については
今後特に大きく改善すべき点はないように思う。問題は例年アンケートのたびに低い評価にとどまって
いる〈シラバス〉に関する項目であろうか。この点については平成 20 年度前学期から、【授業の内容】
を事項別に細かく記述するように改善した。ただしこのことがアンケートの質問項目「シラバスが役立
った」に直接結びつくものかどうかはわからない。次回以降の学生の評価を待ちたいと思う。
柳井 智彦(教養教育)
「オーラルイングリッシュ」「応用英語E」
いずれの授業も項目の約8割は平均より上にあり、まずまずの結果であると思う。特に「目標の明確
さ」と「反応を見ながら進めること」が好評のようである。逆に毎回ながら「遅刻への対処」が低い評
価である。LL機器を使用しての演習であり、遅刻者への対応は後手に回ることが多く反省点である。
授業者の感触として、一方の授業では手応えを感じたが他方は今ひとつの感を持った。これは教材の
選択、活動の適切さに起因すると自覚しており、次期はさらに練って臨みたい。
佐々木
博康(教育福祉科学部)
「基礎ドイツ語Ⅱ」「教養ドイツ語Ⅱ」
「言語・外国語(独)Ⅱb」
「比較文学論」
「総合的によかった」の項目を見ると、「基礎ドイツ語Ⅱ」2.75、「教養ドイツ語」3.00、
「言語・外国語(独)Ⅱb」2.88、「比較文学論」2.90 となっており、3 点満点であることを考えれば、
どの科目もきわめて高く評価されたと言える。一方、「シラバスが役立った」では、それぞれ、1.69、
2.00、1.50、2.20 と点数が非常に低い。平均と比べると特に悪いわけではないが、この点については改
善の余地があるかも知れない。ただ、
「シラバスが役立った」という質問は曖昧であると思われる。
「役
だった」かどうかの前に、
「シラバスを見た」かどうかを問うべきではないだろうか。
「見なかったから
役立たなかった」のか、「見たが役立たなかった」のかが分からなければ、シラバスを改善しなければ
ならないのかがよく分からないからである。
ドイツ語関連科目の自由記述欄では、肯定的意見として、
「実践的な内容のプリントがよかった」、
「ク
ラスも授業もまとまっていた」、
「やることが明確でわかりやすかった」、
「学生参加型の授業だったのが
よかった」、
「毎回の小テストで自然にドイツ語を覚えた」
、
「説明や板書がわかりやすかった」
、
「文法の
説明がおもしろかった」、「ドイツ文化についてのコラム的なものもよかった」、などがあった。否定的
意見としては、「ペアでの練習のやり方などの指示をもう少し詳しくしてほしい」、「もう少しゆっくり
話してほしい」の 2 点があったが、これは今学期においてすでに改善している。
また、比較文学論では、「いろいろな文学作品を読むことができた」、「ひとつの作品に対し皆で意見
を出し合うという点が魅力だった」、「さまざま考えや見方を知ることができた」、と概ね肯定的であっ
た。ただ、一つだけ、「皆で討論するにしては少しふさわしくないテーマもあったように思われた」と
いう意見があり、テーマの選択については充分な配慮を払うべきであると大いに反省させられた。
23
高濱 秀樹(教育福祉科学部)
「環境生物学実習Ⅱ」「環境生物学概論」
「生活環境とホルモン」
環境生物学実習Ⅱ
本授業は、少人数で行われ、実験を主たる内容としている。出席率も高く、「総
合的によかった」という評価であった。授業の目的、内容、量、分かりやすさ、話し方、反応、意見・
質問、教材において適切であるという判定である。授業時間については、受講者のほうにやや不満があ
るようで反省している。実験を行うので、時間内に終了することは不可能であり、授業自体の時間設定
に担当者も苦慮している。
環境生物学概論
総合的に高い評価を得ている。出席率も高く、受講者も意欲的に取り組んでいる。
質問票を使用するので、「意見・質問」において高い評価となっている。できるだけ最新の内容を多く
盛り込むようにしたため、「わかりやすさ」において低い評価となっている。この点で高いレベルの内
容を分かりやすく説明するように努力したい。
生活環境とホルモン
総合的に高い評価を得ている。目標、内容、量、質問・意見、教材において適
切であったと判断できる。しかしながら、分かりやすさと話し方、反応においては否定的な評価であっ
た。よりいっそう受講者の理解度に配慮しながら、分かりやすい内容の説明に工夫する必要を感じてい
る。
田中 洋(教育福祉科学部)「幼児心理学」
「特別研究Ⅱ」
「保育の指導Ⅲ」
「幼児臨床指導論」
全体的な評価は概ね良好であったが、教員養成課程以外の課程の学生が受講している授業科目(幼児
心理学)については、やや評価が悪かった(-0.17p)。次に、評価が良かった項目は、演習形式の授業が
多かったこともあり、
「意欲的に取り組む」
「反応を確認する」
「分かり易い」などが挙げられた。特に、
3年生以上の学生が受講する場合に評価が高かった。一方、評価が思わしくなかった項目は、「私語、
遅刻に対処する」「意見や質問をきく」などがあり、なかでも「シラバスが役立つ」については、幼児
心理学においてのみマイナス評価であった(-0.37p)。教員養成課程の学生とそうでない学生との間に
意識の差が感じられたので、今後はどちらの課程の学生にも共通する内容のシラバス作成をする必要が
ある。また、全体を通じて、私語、遅刻への対応が曖昧だという指摘があったので、厳格な基準を学生
に提示して、それを遵守させる必要がある。最後に、「板書は適切」の項目について、演習形式の授業
の評価の項目として適切かどうか、今後検討する必要を感じた。
鳥井 裕美子(教育福祉科学部)
「比較文化論」
平成 19 年度後期は、はしかによる補講が急に年度末に入ってきたことで、異文化接触史Ⅱと日本語
教授法Ⅱは、最後の時間に授業評価をするのを失念した。しかし、毎年期末試験に「講義の感想」を書
かせ、それを反省材料にしているので、おおよそはつかんでいるつもりである。今回は、比較文化論の
結果を中心に、アンケート項目への疑問も含めてまとめたい。
まず全体的評価だが、テキストがイスラームをテーマにしたやや政治色の強いものだったので、情報
教育コース・総合表現コースには、難しい・重いと感じた学生がかなりいたようだ。しかし、大学で学
ぶべきは、軽い・楽しいものだけではなく、21 世紀に生きる日本人として、イスラームの認識を深める
のは必要だ、という点は、レポートを見た限り、大体理解してもらえたと思う。
次に評価の低かった項目のうちシラバスについて。受講生 56 名のうち、事前にシラバスを読んでい
たのは僅か 1 名であった。従って、役だったかどうか答えられるはず筈もなく、いい加減な解答を寄せ
24
たと推測できる。他の授業も、ここ数年、シラバスを見ない学生が殆どなので、この設問は実態に合わ
なくなっているのではないかと感じる。また「板書」についての設問も、「比較文化論」の講義では、
授業が学生の発表(テキストの報告)で進められるため、毎回レジュメにより、板書は殆ど無い。導入
時もこちらでプリントを用意して進めるので、板書を前提にした設問は講義により、なじまないと思う。
さらに「私語」について。私語は殆ど無かったので対処しなかったのだが、私語に対し何もしなかった
かの如くの結果になっていた。授業により、項目が不適切な場合もあるのではないだろうか。
最後に今後の方策だが、毎年この科目は学生の専攻分野が幅広く、テキストの選択に苦労する。一昨
年は日中の文化比較をテーマにした本で内容も身近かつ多彩だったが、同じテキストを使うわけにはい
かないので、昨年は国際情勢を考え、イスラームを選んだ。今年は社会文化コースだけでなく、他のコ
ースの学生にももっと興味を持ってもらえるような幅広い内容のテキストを選ぶつもりである。
仲野誠(教育福祉科学部)
「天文学と情報処理」
「地学実験Ⅱ」
「天文学と情報処理」の総合評価は 3.0 であったが、そもそも情報教育コースの選択科目で受講学生
数が少ない(回答者 4 名)ため、その他の項目も含めて統計的な意味はないであろう。「地学実験Ⅱ」
も総合評価は 2.86 であった。こちらも学校教育の理科専攻学生向け(回答者7名)であり、3名教員
によるリレー式の実験でもあるので、やはり統計的には大きな意味は見いだせない。強いて言えばシラ
バスが役立ったかという点が 1.86(教育の平均 1.55)と最も低かったが、これは学生の意識を向上さ
せない限り、改善できるものではないと考えられる。
永田 忠道(教育福祉科学部)
「社会(小)
」「生活科指導法(小)
」「社会科指導法(中)
」
「社会科教育学演習」「地歴科指導法(高)
」
対象となった 5 つの講義・演習について、単独で担当した社会科指導法(中)と、二名の協働で担当
した社会科教育学演習は、全ての項目で平均を上回る結果となった。一方、複数名の分担で担当した社
会(小)と生活科指導法(小)、地歴科指導法(高)は、ほぼ半分の項目で平均を上回るにとどまった。
この結果から、今後に改善を目指すべきことは、複数名の分担講義について、担当者間での情報交換や
講義内容や方法に対する統一を更に密に図る点にあると考える。例えば、社会(小)は 100 名弱、生活
科指導法(小)は 120 名強の受講者のため、受講者の意見や質問を聞いていたか否かの数値がどうして
も低くなるが、担当教員間で、この対応について、実施できている部分とそうでない部分との協議など
を積極的に行っていきたい
青野 篤(経済学部)
「憲法Ⅱ」
「量的に適切だった」という点を除いては、すべての項目で平均を上回っており、比較的高い評価を
得られたものと考えている。評価の良かった項目は、「目標が明確であった」、「話し方は適切だった」、
「反応を確認していた」、「教材を適切に使用していた」、「授業は真剣に行われていた」、そして「総合
的によかった」であった。これらの点については、今後も高い評価を得られるように努力したい。一方、
これらの項目と比較して、やや評価の低かった項目は、「内容に興味があった」、「意見や質問を聞いて
いた」、そして平均を若干下回った「量的に適切だった」であった。内容面での興味については、確か
に憲法Ⅰで主に取り扱う人権論と比べると統治機構論は必ずしも身近な問題ではなく、興味を持ちにく
いかもしれないが、今後は、時事的な問題を多く取り入れるなどして、学生の関心がより高まるように
したい。意見や質問の点については、私の授業スタイルとして、講義中に聞くことはしていないが、講
25
義終了後や小テストの際などに聞いている。今後は、そのような機会を増やすことにしたい。量的な問
題については、回答からは、少なかったのか、多かったのか不明であるが、いずれにしても、学習効果
の上がる適切な分量になるようにしていきたい。
井田 知也(経済学部)
「地方財政論」
まず、「総合的に良かった」の 87%は「そう思う」または「どちらかというとそう思う」であった。
次に、評価の良かった項目として「そう思う」と「どちらかというとそう思う」の合計が 90%以上の項
目を挙げると「授業は真剣に行われていた(100%)」、「授業時間を守っていた(96.3%)」、「私語、遅刻に
対処していた(90.7%)」であった。他方、評価の悪かった項目としては「そう思わない」と「どちらか
というとそう思わない」の合計が 50%の「教材を適切に使用していた」、46.3%の「意見や質問を聞いた」
等がある。また、自由記述欄では板書方法への指摘もあった。評価の悪かった項目に対する応答として
は、講義内容からノートを中心にならざるを得ない部分もあり、意見や質問はオフィスアワーや最終日
の質問日の活用を希望する。今後の対策としてはメール等による質問受付や視聴覚機器の利用等を積極
的に進めていきたい。
宇野 真人(経済学部)
「経済学Ⅱ」
◆評価の良かった項目(14)
パワーポイントと図を利用し、毎回の講義の要点をまとめたプリントを配布し、それに沿って講義を
行ったことがよかったのかもしれない。
◆評価のおもわしくなかった項目(16)
特にうるさいと感じることはなかったので注意はしなかった。
◆自由記述で特に指摘された事項
わかりやすい、話し方がゆっくりめであると指摘された。
◆評価の思わしくなかった項目や指摘された事項に関する応答
進み方が遅いとの指摘があったが、基礎部分の十分な理解に重きをおいており、より先にすすんでい
る学生には、個別に対応したいと考えている。
◆授業改善を行うための具体的方策
パワーポイントなどによる副教材の作成はもちろんのこと、頻繁な小テストの実施による理解度の確
認、講義に沿った演習問題の作成などにより、講義を聞かなければならない雰囲気作りをより一層して
いくつもりである。
江崎 光男(経済学部)
「アジア経済発展」
標記の私の講義に対する学生の総合的評価は 2.13 であり、経済全体の加重平均値(2.18)より若干
低い(-0.04)と言う点で、標準偏差値(0.64)を考えれば、分布のほぼ中央の特に悪くもなく良くも
ないといった位置づけにある。学生の学習態度のうち「意欲的に取り組んだ」がかなり大きいマイナス
の偏差(-0.11)にあることは、より魅力的な講義を目指すべきであることを示唆している。大きなマ
イナス偏差となったのは「板書は適切であった(-0.39)」
、
「私語、遅刻に対処していた(-0.41)」及び
「話し方は適切であった(-0.18)
」の 3 項目であるが、それぞれ対応の余地は大きく、次回では可能な
改善を試みたい。私のこの講義は、今年度の後期と次年度後期の2回を残すのみであるが、プラスの偏
差である「シラバスが役立った(+0.23)」も考慮し、残り 1 年半の講義を、学生にとって意欲的に取り
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組むことのできる全体としてよい講義にすべく、最善を尽くしたい。
鴻上 喜芳(経済学部)
「保険システム論Ⅱ」
<学生の授業への取り組み>については、「授業に出席」「授業態度に留意」「意欲的に取り組んだ」
で学部平均を下回った。自由記述でも「出席をとってほしい」との意見が若干あったが、最終目的は単
に授業に出ることではなく、保険の知識を習得することである。もちろん、授業時には、配布プリント
だけでは理解の難しい事項につき、黒板に図示するなどしてわかりやすく説明している。今後も出席は
とらないが、学生諸君はより効率的に理解を促進する有力な手段として授業を活用してほしい。自発的
な出席を切に希望する。
<授業内容、授業方法>については、「授業時間厳守」以外は学部平均を上回る評価を頂いた。今後の
励みになり感謝申し上げる。昨年度のアンケートで要望の多かった「私語、遅刻への対処」と「板書の
適切使用」について今期は特に注意した結果、自由記述で「静かでよかった」「板書がわかりやすかっ
た」等の評価をいただいた。ただ、同時に「板書の字が汚い、小さい、薄い」等のコメントもあったの
で、今後はさらに見やすい板書に心がけたい。確かに板書を多用すれば、受講生もこれをメモすること
によって眠気も撃退できるため、良い授業改善であったと思っている。今後とも過去の実務経験を活か
して、全くの保険素人である学生諸君にもわかりやすい授業を心がける。だから、講義を聴きに来てね。
島田 達生(医学部)
「健康科学」
ここで開講している「健康科学」は、健康の概念から科学的根拠に基づいた健康について論じている。
学生達は、まず人体の正常構造と生理を理解し、発達・老化や疾病のしくみを学習する。「健康科学」
は 1 昨年まで 1 年前期に行われていたため、授業・実習をすることが大変難しく、学生達の理解度も低
かったと思われる。しかし、後期に開講されたことから、学生達の興味と理解度が高まったように感じ
た。生体の仕組みや病態については授業を受けていないために、内容をより深く論ずることは出来なか
った。種々の教材や顕微鏡等で直接学生達に理解と興味を惹起させるように努めた。しかし、より効果
があったと認識している学生は 4 割強であった。
今年度から、新しく取り入れたことは、「健康」についての自由テーマのグループ学習・発表であっ
た。今、学生達が最も関心のある種々のテーマが発表された。自ら、健康を考えるという点で効果のあ
る学習であった。来年度もこの方法を継続させる予定である。
秋田 昌憲(工学部)
「電子回路Ⅱ」
「通信工学」
「音響工学」
選択科目ではCAP制・GPA等の影響と、取得単位数を必要最小限にする傾向のため受講者の減少
が見られる。受講者については、4 年の選択ということもあって講義の内容に興味のある学生が集まっ
て来ているせいか、アンケート内容は総体的に良好な傾向となっている。また、科目内容が基礎科目で
なく広範な知識の習得ということもあり、使用する基礎科目(数学等)も最小限に抑えているため、学
生も比較的ついて来ているように思われる。ただ、必修科目・基礎科目になるとかなり問題が残る。一
つには学習意欲の低下。全く出席しないという学生は減少しているが、適当な割合しか出席しない学生、
講義の終わり頃にしか来ない学生、レポートを出しても提出しないであきらめる学生等が増加して来て
いる。特に通信工学についてはそれまでの数学理解度が低下して来ているため、科目内容がわかりにく
いという項が増えており、一部の意欲的な学生とそうでない学生で評価の傾向が二分しているように思
われる。ただ、現在のアンケートの集計方式では、この傾向を明確につかむことは困難である。
27
和泉 志津恵(工学部)
「数理計画論Ⅱ」
平均出席率は 93%であった。小規模なクラスのため、学生の遅刻も少なく、学習意欲のない学生の私
語等による授業妨害はなかった。毎回の授業では、例題問題を入れた解説を取り入れ、教室巡回を行い
個別的な指導も行った。授業に関する評価値は、問7~20 の項目についてほぼ全ての項目で工学部平均
を上回り、例年と大差のない傾向が見られた。e ラーニングシステムの WebClass を用いて、講義資料
やレポート問題の配付などの連絡を行い、学生からの質問を受け付けた。小テストやレポート課題は、
学生にとって講義内容を理解する上で有効であったと評価された。また、WebClass を用いて、自宅か
らレポート課題が提出できたことも評価が高かった。今後も、教材の内容や小テストなどについて改善
を再検討したい。
伊藤 哲郎(工学部)
「情報構造論」
情報構造論の授業では、内容の分りやすさに欠けるとの指摘があった。教科書が理論的な展開になっ
ており例題が少ないためであろう。補足プリントの配布、スライドによる視覚的説明、練習問題の多用
だけでは、理解を深めるのに不十分なようだ。現教材は全国的にも広く使われているものだが、今後そ
の選択に一考を要する。
井上 正文(工学部)
「木質構造」
「鉄骨構造」
○授業についての全体的評価
問 20<総合的に良かった>の評点は【木質構造】2.35、
【鉄骨構造】2.31 であり、問 18<授業は真
剣に行われていたか>の評点は【木質構造】2.61【鉄骨構造】2.59 であり、学生からは一定の評価が得
られている。
教員の授業への真剣な取組が学生の授業への真剣な取組につながると確信している。
○評価の良かった項目
【木質構造】で、2.5 以上の項目は<教材を適切に使用していた><授業は真剣に行われていた>の
2項目。
【鉄骨構造】で、2.5 以上の項目は、<意見や質問を聞いていた><教材を適切に使用していた><
授業時間を守っていた><授業は真剣に行われていた>の4項目。
○評価の思わしくなかった項目
【木質構造】で、2.0 未満の項目は<シラバスが役に立った>のみ。シラバスとの齟齬を少なくして
いきたい。
【鉄骨構造】で、2.0 未満の項目は<内容に興味があった>のみ。実際の建物との対応を意識させる
よう授業を進めて行きたい。
○自由記述で特に指摘された事項
(改善して欲しいこと)・講義時間の変更は避けて欲しい
(良いと思ったこと)
・配布されるレジメが復習に役立つ
・前回の出席レポートに書いた質問に丁寧に答えてくれた
・講義でサンプルを見せてくれた
・工場見学ができた
○評価の思わしくなかった項目や指摘された事項に関する対応
・シラバスの充実や時間割の変更を極力少なくするよう努力していきたい。
28
○授業改善を行うための具体的な方策
・ シラバスには、より具体的な内容を盛り込んでいきたい。
岩本 光生(工学部)
「システム設計工学」
「伝熱学Ⅱ」
担当する上記 2 つの科目の総合的評価(問 20)を見ると、それぞれ 2.08、2.26 であった。これらは
2年と3年の授業であるが、座学の伝熱学の方がこれまでは実習科目の設計工学より評価が低かったが、
今年度だけそれが逆転している。製図科目であるシステム設計工学の評価は前回の 2.33 に対し今年度
は落ちたが、製図の授業は課題を仕上げるのが中心であり、課題は前年より改善したと思っていたが、
各回のテーマ(溶接記号の意味など)だけでなく、それまでの授業で習った知識を含めた図面作成を今
年は強く指導したが、そうすると学生は混乱を生じたようで、課題を再検討してみたい。各項目を見て
いくと、どちらも問 7 の「授業内容の明確さ」の評価が高かった(2.37 と 2.47)。製図科目の「システ
ム設計工学」は、問 9「量的に適切だった」と問 10「わかりやすかった」という項目だけ 2 以下だった
が、これは図面作成には長時間かかることと、前期の基礎設計工学のような写図中心の授業でなく、構
造を自分で考え図面で表す難しさが反映していると考えられる。それに対し伝熱学では問 12 の「反応
を確認していた」だけ平均以下となった。授業の理解度は毎回の授業最後に行っている課題の回答から
推定しているが、さらに授業中などに反応を確認するなどして注意していきたい。
宇津宮
孝一(工学部)
「情報ネットワーク」
情報ネットワークでは、これまでの評価結果を踏まえて、配付プリントの図表と筆記スペースを増や
し、さらに自分で考えて空欄を埋めるやり方を導入したこともあり、
「わかりやすかった」
「総合的によ
かった」という項目は、初めてプラス評価となった。一方「量的に適切である」の評価はあいかわらず
低い。この科目では、ITの進展により、伝えるべき基本知識はそれなりにあり、消化するのは楽では
ないが、必要であるという考えは変わらない。授業の評価は、小テスト、演習問題、中間試験、期末試
験と多様な評価法を導入しているので、意欲的に取り組む学生の割合は高まった。ICカードによる出
席確認は2年目を迎え、遅刻をするとその場で出席確認をしにくくする運用をしたために、「私語、遅
刻に適切対処」の評価は高くなり改善された。
「大福帳」の実践は 4 年目となり、
「学生の意見や質問聴
取」の項目の評価は良い。しかし、わからないことは後で個別に大福帳に回答することにより、進度を
保つ講義形式にしているために、「反応を確認していた」という評価が低くなり、年度ごとに学生の理
解度を適切に把握しながら、シラバスどおりに授業を進めることの難しさを改めて感じる。
大賀 恭(工学部)
「物質の状態と変化(工・専門基礎科目)他」
前期開講の「原子と分子」と同様、新たに執筆(共著)したテキストを用いて講義を行った。以前の
テキストに比べて内容を軽減し、そのぶん重要な箇所の説明に時間をかけることができるようになった
と考えていた。しかし「量的に適切だった」と思わない者は、昨年度までは 10 数%程度だったのに対
して、19 年度は全体の 1/3 にものぼっている。もちろん上記のテキスト改訂は、いわゆる「ゆとり世代」
への対応を目的としたもので、決して量的に多いとは考えていない。教える側からすれば「学生の理解
能力の低下」の深刻さを改めて思い知らされた感があるが、19 年度に限ったことなのかの判断は早計だ
と考えている。20 年度は 19 年度と同様のペース・内容で講義を始めて、日々の課題レポートのできな
どから学生の理解度を把握しながら、本当に内容の削減(厳選)が必要かどうかを判断したい。
29
大谷 俊浩(工学部)
「構造力学Ⅰ」
総合的な評価としては、90%の学生が「そう思う」もしくは「どちらかというとそう思う」と回答し
ており、それなりの評価は得られていると思われる。個々の評価項目別に分析すると、「量的に適切だ
った」の項目の「そう思う」と回答した割合が 20%ともっとも低くなっているが、これは多くの課題レ
ポートを課していることによるものと考えられる。しかしながら、この講義が構造計算の導入基礎科目
として位置付けられており、この講義内容はそのために最低限必要なものであり、この内容を完全に理
解しなければこれ以降の講義を理解できないこと、また、このような力学の解法は多くの問題を解かな
ければマスターできないことから、あえて多くの課題を課している。このことは、講義中にも十分に説
明しており、「授業に出席した」、「授業態度に留意した」、「意欲的に取り組んだ」の各項目の評価が高
いことから、学生には理解されていると判断している。その他、「わかりやすかった」の項目の評価が
低いため、この点については改善していきたい。
越智 義道(工学部)
「数理計画論Ⅰ」
「データ解析」
数理計画論Ⅰはおおむね計画通りに講義を実施できた。授業時間中に問題演習を多く実施し、各時間
内にその解説をからめて講義を進めているせいか、分かりやすさや内容の量については学生にとって受
け入れやすいものであるようである。手順として習熟を求める部分においては、問題設定とその手順の
意義を定着させる上でも、計算機実習の形態を今後考慮すべきと考える。2 年の後期の段階では、多次
元空間中の数理的な表現と数理的推測については現カリキュラムの枠組みの中では十分な理解はやは
り難しいものと考えられる。今後の展開のために、そういう数理の理解法に触れさせる機会として内容
を提供してきたが、前述の実習的な内容との入れ替えも含めて今後検討が必要である。
データ解析は本年度履修者が極端に少なかった(4 名)
。加えて全員モチベーションが低く、欠席・レ
ポート未提出が多く、最終的に合格となった学生はその半数である。彼らもかろうじて評価対象として
の出席回数・レポート提出回数に足りる程度で、授業評価について言及できる状況にない。開講時期が
3 年後期であることと、講義の性格上レポートが多いことをシラバスに明記していることも原因して、
単位取得が十分な学生が履修を敬遠しているのかもしれない。
川口 剛(工学部)
「計算機システムⅡ」
計算機システムⅡについては、ほとんどの問に対する評価点は、工学部全体の平均よりやや低い点数
であり、総合評価も、工学部の平均よりやや低かった。特に、出席、意欲的な取り組み、講義内容への
興味、わかりやすさ、学生の反応確認、学生の意見や質問聴取に対する評価が低かった。この科目は必
修科目であり、また、再履修者も多く、受講者が 110 名以上いる。それだけに、学生の反応確認、学生
の意見や質問聴取は難しい面があるが、なんとか工夫して改善していきたい。この科目は再履修者が非
常に多いので、なんとか講義がわかりやすくなるように努力しているのだが、わかりやすさへの評価は
低かった。講義内容への興味が低い学生が多いのも、わかりやすさへの評価が低い理由の一つと考えら
れる。
菊池 健児(工学部)
「構造解析」
「建築構造設計Ⅰ」
授業では常に積極的な質問を促しており、また理解できていないところを学生への質問で把握し、繰
り返し説明を行なっていることがよい評価を受けており、今後も積極的な質問を引き出す工夫をして行
きたい。
30
毎時間、計算レポートを出し、正解になるまで再提出をさせているほか、構造設計系科目相互に連動
したモデル建物の構造計算レポートを課し、正解になるまで再提出させているが、学生によって理解が
深まって良かったとする評価される一方で、量が多すぎると答える学生もいる。構造計算は時間がかか
る作業で面白くないと考える学生も少なくないが、実務者からは大学において構造計算を行った経験が
非常に役に立つとの意見をよく聞く。このレポートなど時間外の演習の必要性をただ説くだけでなく、
授業の目的や位置づけをさらに明確にするとともに、学生の意欲や興味を喚起する工夫が必要であると
考えている。力や変形、振動などを感覚的に理解できよう、模型等の教材を作成し使用しているが、受
講者数の多さから、学生自らが模型製作などを行えないことや、全員が手にとって見れないことなどが
課題として残っている。
工藤 孝人(工学部)
「数値解析」
・授業についての全体的評価
評価が高かったのは「私語・遅刻に適切対処」(2.71)、
「授業に真剣取組み」(2.64)、
「授業時間の厳守」
(2.63)、
「教材適切利用」(2.59)、
「目標が明確」(2.50)等で、教員の努力はある程度伝わったと思われ
る。最も評価が低かったのは「内容に興味あり」(1.82)であるが、前年度(1.49)からは大きく改善した。
本科目の必要性が理解された結果と受け止めている。また、「量的に適切」の評価は依然として低い水
準にある(2.25(H17)→1.93(H18)→1.93(H19))。授業内容の量だけでなく、宿題の量も関係していると
考えられる。なお、本科目の今学期の単位取得率(=合格者数/受験者数)は 72%であった。
・自由記述で特に指摘された事項
「毎週課題があったので、授業内容を理解し易かった」、
「授業中に例題や練習問題があり、ちゃんと解
説してくれたのでわかり易かった」等の肯定的な記述がある反面、「宿題の解説(全体的に解けていな
かった問題)を行って欲しい」、
「少し厳しすぎる・話が硬い」、
「授業中の演習で学生を指名して答えさ
せるのをやめて欲しい」等の指摘があった。
・指摘された事項に対する回答
前年度の授業評価での改善要求を受け、宿題については分量を減らし、授業中の例題や演習の時間を僅
かながら増やした。宿題の解説については時間の確保が難しいので、解答を見て理解できなければ、積
極的に質問に来て欲しい。厳しすぎる・話が硬いという指摘だが、今年度は緊張感や学習意欲に欠ける
学生が多いように感じられたことが言葉の端々に表れたのであろう。学生の授業参加という観点から、
演習での解答指名は続けたい。
・授業改善を行うための具体的な方策
「内容に興味あり」と「量的に適切」の評価を更に改善する必要がある。自分が出した数値に責任を持
つことの重要性を繰り返し強調するとともに、授業中の例題や演習の時間をできるだけ多く確保できる
よう授業の進め方を工夫したい。
小林 祐司(工学部)
「都市システム工学」
講義においては、毎回資料を配付し理解しやすいように工夫を行っている。この点は「教材の利用」
において評価が高かったことから、効果はあるようである。また概ね全体の評価は高いが、「質問や意
見を聞く」ことへの配慮や工夫について改善を検討したい。その他としては、従来から課題として考え
ている「量」の問題について、これは「わかりやすさ」との関連もあることから改善に努めたい。
31
末竹 千博(工学部)
「解析学Ⅰ」
「代数学 I」
授業改善を行うための具体的な方策
解析学については、高校で学習した内容と重複する点も多い。教材内容をそのように選んだ理由は、
高校で習う内容を充分理解していない学生がかなりいるからである。ただ心理的な問題として、そのよ
うな学生にとって高校で習った内容をそのままの形で教えるのはよろしくない。何らかのレベルの高さ
を感じさせるよう脚色しなければならない。数学の授業では、学生の心理的な側面を配慮する必要があ
る。苦手意識があれば、学習する前から勉強する気にならない。理系の科目にはこのような側面がかな
りある。恐怖感を取り除く手立てが必要である。一方、わかる部分が少しでも増えれば自信がつき、意
欲的に取り組めるようになる。一方、数学の得意な学生に彼らの知っている内容ばかり教えるのも良く
ない。学習意欲が減退する。一般的には少しだけ難しいと感じさせる問題が適切である。受講学生が大
人数なので、これらの点にたいする方法に苦慮している。1 種類の難易度を持つ問題をその都度与える
のも一つの方法であろう。演習的要素をもった授業をすることの重要性はいつも思っている。
これについて、学生の学習意欲という心理的側面と、具体的な配分時間を決めて実験的にやってみた
い。学生の学習時間を増やすかについては、なかなか妙案が浮かばない。
園井 千音(工学部)
「化学英語演習Ⅱ」
授業についての全体的評価は約 95 パーセントが満足しているという結果である。評価された点は、
授業の進度が適切であったこと、教材の興味深さ、英文の読解力がついたということがあげられる。学
生からの要望には、試験問題の難易度が高いという点があげられた。試験問題については講義内容の復
習なので基本的には平易な出題だが、英作文問題に関しては点がのびない傾向がある。今後は英作文力
養成も考慮にいれ、英文の構造や文法的注意点などに関し、より専門的に教示する方向で検討している。
富来 礼次(工学部)
「建築環境計画Ⅲ」
・ 授業についての全体的評価
平成 19 年度 4 月に着任し、前任の先生が作成された講義内容を大幅に変更したが、学生の反応を見な
がらの手探りの講義であった。特に最初の数週間は講義時間内に予定の内容が終了せず、学生に迷惑を
かけた。また、前年度開講されなかったため、一部卒論生が受講し、課題等への評価方法に曖昧な部分
があったと思われる。しかし、講義が進むにつれ、学生の進捗状況の確認も可能となり、学生も主体的
に課題に取り組めるようになったと考える。
・ 評価の良かった項目、思わしくなかった項目
少人数で、講義内に演習的な内容も取り入れたため、学生の反応を確認する機会が多く、それらに関す
る評価は高い。しかし、前述のように、特に最初の数週間の講義では講義時間の調整に失敗し、学生に
迷惑をかけた。また、手探りの講義であったため、説明が一貫しておらず、「わかりやすさ」の評価が
低かった。
・ 自由記述で特に指摘された事項、その応答、改善方策
前述のように、特殊な事情で 3 年生と卒論生が講義に参加しており、両者の取り扱いについて曖昧さが
あったとの指摘があった。次年度の講義にあたり、シラバスの内容(各回の講義内容、達成目標等)を
整理し、達成目標と評価方法を明確に提示することとする。また、講義時間については、反省をふまえ、
各講義あたりの内容が適切な量となるよう調整する。
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西野浩明(工学部)
「情報英語」
3年後期の必修科目であり、卒業研究のための専門書講読や TOEIC 等の受験の準備としても役に立つ
ような授業の実施を念頭においている。比較的平易な技術文書(英文雑誌記事等)の多読による読解力
の向上を目的として、復習課題の出題や小テストの実施を頻繁に行っている。評価のよかった項目とし
ては、「目標が明確」、「授業に真剣に取り組み」などであった。これに対してよくなかった項目として
は、「内容に興味あり」、「私語、遅刻に適切対処」となっていた。内容に興味がもてないのは、英語に
苦手意識をもった学生諸君が少なくないことも影響していると思われる。最新の話題を含んだ読みやす
い英文資料の準備など、鋭意工夫を継続する所存である。さらにプレゼンの演習として、グループ単位
での英語スピーチを実施している。1グループは 5、6 名で構成し、自分達で設定した話題について 1
人が 3 分ずつスピーチする。多様な内容で面白い話が多く、受講後のアンケートでも毎年好評である。
今後も、専門英語への興味と意欲を喚起するための工夫と授業内容の改善に継続的に取り組んでいく所
存である。
濱川 洋充(工学部)
「機械工学実験法」
授業への興味を持たせること、分かり易い講義を行うことに重点を置き講義を行いました。その結果、
「わかりやすかった」の項目は前よりかなり良くなりました。講義では、関連する専門科目の復習だけ
でなく、基本事項の詳細な説明や例題の解説、宿題の解答を行っています。このような講義方法が効果
的であることがわかりました。しかしながら、「内容に興味を持てた」の項目は悪くなりました。本講
義は、机上で理論しか学んでいない学生に、実験を行うことの重要性とその基本的事項を理解させるこ
とを目的としています。したがって、内容に興味が持てない学生が増えていることは残念でなりません。
卒業後、現場を体験すれば必要性を痛感するとは思いますが、それを講義の中でどのように伝えて行く
か、もう少し検討する必要があるようです。
原
恭彦(工学部)
「数値解析I」
「数値解析演習」
・授業についての全体的評価
4 段階加重平均の値は、数値解析Iでは、項目 3(シラバス)、項目 8(内容興味)
、項目 14(教材の
適切使用)、数値解析演習では、項目 14(教材の適切使用)
、項目 16(私語遅刻に対処)を除く、全て
の項目で 2 と 3 の間にあり、工学部の加重平均とほぼ同じか、あるいは、上回っていた。しかし、後者
のような差が有意なものであるのかわからない。また、学科により学生集団が異なるため、工学部の加
重平均と一概に比較できない。
・授業改善を行うための具体的な方策
今年度(平成 19 年度)前期の多変量解析から SMART Board を導入したが、引き続き、後期の数値
解析Iにおいても使用した。通常、毎回の SMART Board の設置には時間がかかる。(①工学部学務係
まで出向き、専用の接続ケーブルとプロジェクターを借りる。②教室に戻り、専用のボードとプロジェ
クターを設置する。③電源を入れ、専用のソフトを起動し、動作を調整する。)このため、前期の多変
量解析では、授業開始が遅れることがあった。後期からは、毎回、専用の接続ケーブルとプロジェクタ
ーを、工学部学務係まで借りに行かずにすむように、高価ではあったが自前で購入した。前期の多変量
解析の結果では、項目 17(授業時間を守る)が工学部の加重平均をわずかに下回ったが、今回の数値解
析Iの結果では、2.51 と工学部の加重平均 2.35 を上回った。
33
開
憲明(工学部)
「代数Ⅰ」「解析Ⅰ」
「基礎数学(再)
」「解析Ⅱ(再)
」
○授業全般的評価
・「授業は真剣に行われていた」(代数Ⅰ94.6%)(解Ⅰ90.7%)(基礎 90.9%)(解Ⅱ100%)
・「総合的に良かった」(代数Ⅰ89.4%)(解Ⅰ72%)
(基礎 100%)(解Ⅱ95%)
、と総合的に私の授業を「ま
あまあ良かった」と評価してくれたので安心しています。
これからも、より一層工夫・努力していきたい。
<以上から、代数Ⅰ、解析Ⅰ>について、詳しく見直してみました。
○評価の良かった項目((
)内の数字は「概ねそう思う」の%です)
・「授業の出席」(代Ⅰ96%)(解Ⅰ88%)、「授業態度に留意」(代Ⅰ86.6%)(解Ⅰ84%)
・「意欲的に取組む」(代Ⅰ78.7%)(解Ⅰ76%)、「目標が明確」
(代Ⅰ85.3%)(解Ⅰ78.7%)
・「話し方適切」(代Ⅰ84%)(解Ⅰ76%)、「私語、遅刻に対処」
(代Ⅰ74.7%)(解Ⅰ74.7%)
・「教材を適切に使用」(代Ⅰ90.7%)(解Ⅰ76%)、「授業時間厳守」(代Ⅰ78.6%)(解Ⅰ75%)などと大半
の学生が「概ね良かった」と評価してくれていた。
○評価の思わしくなかった項目(( )内の数字は「あまりそうは思わない」の数字です。)
・
「わかりやすさ」
(代Ⅰ29.3%)(解Ⅰ36%)、
「内容に興味」
(代Ⅰ30.6%)(解Ⅰ32%)と代数Ⅰ、解析Ⅰの
3割程の学生が「あまり良くない」と指摘していた。
・「板書」(代Ⅰ28%)(解Ⅰ41.4%)については、代数Ⅰの学生の 3 割弱、解析Ⅰの学生の 4 割が「いま
一つ工夫」してほしいと指摘があった。
・
「学生の反応」
(代Ⅰ20%)(解Ⅰ33.3%)「意見や質問を聞く」
(代Ⅰ14.3%)
(解Ⅰ36%)については、解
析Ⅰの学生の3割強が「あまり良くない」と指摘していた。
・「シラバスが役立った」(代数Ⅰ58.6%)(解析Ⅰ53.3%)は学生の6割程しか評価していない。改善の
必要がある。
これらを十分に反省して、①「興味ある内容」にして、「毎時間の課題、演習はもっと緻密にして」
学生の理解度を把握して授業を進めたい。②「板書(特に文字を大きく)」に気をつけて、より一層の
授業改善をして「わかりやすく興味ある」授業にしていきたい。
34
Ⅴ
平成 19 年度調査結果の概要
(別途ファイルをご覧ください)
35
「教員による自己点検レポート集」担当者名簿
大分大学における「教員による自己点検レポート集」は、大分大学教務部門会議の要請に基づき、高
等教育開発センター「教育評価開発部門」の「学生による授業評価」プロジェクトが編集作業を行った。
実施
大分大学高等教育開発センター「教育評価開発部門」
平成 19 年度前期「学生による授業評価」プロジェクト研究員
尾澤重知(部門長、責任者)
田中修二(教育福祉科学部)
宇野真人(経済学部)
北野敬明(医学部)
福田亮治(工学部)
池崎八生(教育福祉科学部、教養教育自然分野)
平成 19 年度後期「学生による授業評価」プロジェクト研究員
尾澤重知(部門長、責任者)
田中修二(教育福祉科学部)
宇野真人(経済学部)
北野敬明(医学部)
福田亮治(工学部)
佐々木博康(教育福祉科学部)
36
平成 19 年度
−学生による授業評価−
教員による自己点検レポート集
発行
編集
平成 20 年 12 月
大分大学高等教育開発センター
〒870-1192
大分市旦野原 700 番地
Tel/Fax (097)554-8509
E-mail:[email protected]
URL :http://www.he.oita-u.ac.jp/
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