豊庄だより 第223号 2012 年 3 月26 日 今年度最後の「豊庄だより」をお届けします。今回は卒園式の時 福岡市早良区南庄2-26-13 話そうかどうしようか迷って、結局話さなかったことを書きます。 社会福祉法人林生会豊庄保育園 何やらもったいぶった書き始めですが、ひまわり組の保護者の方か 園長 西尾 達 ら「証書渡しの時に流れていた BGM、よかったですねえ~私も『ニュー・シネマ・パラダイス』 (ジュゼッ ペ・トルナトーレ監督)が大好きで 10 回は見ました!一番好きな映画です。」と話しかけられ、「こりゃ あ、書かなくちゃ!」って思ったのです。映画『ニュー・シネマ・パラ ダイス』をご存じない方のために、簡単にストーリ-を紹介します。 「シチリア島の小さな村に住む少年トトは、村の唯一の娯楽、パ ラダイス座で上映される映画見たさに、母親の目を盗み映画館へ通 っていた。次第に映画に魅せられていくトトは、パラダイス座の映 写技師アルフレードの大きな愛情に包まれ、映画館を愛する村の人 たちに囲まれ成長していった。初恋、徴兵と青春時代を駆け抜ける 彼を見て、この島から出るように勧めるアルフレードだった。時は 流れ 30 年後、映画監督となった彼のもとへ、アルフレードが亡くな ったという報せが届く。島へ戻った彼は、パラダイス座が廃館とな っていることを知る…。 」エンニオ・モリコーネの音楽は、映画の随 所に印象的なメロディーを奏でてくれます。アルフレードが映写技 師を務める少年トトの顔を覆い、 「おまえがいるのはここではない。こんなところにずっといるんじ ゃない・・・」と言って、手を外すとそこには青年トト(サルヴァトーレ)が登場するという場面は、 私のお気に入りの一つです。映画では、10 数年をわずか数秒の内にとび越えます。実際にはそんなこ とは起こりませんが、時間というものは経ってしまえばあっという間なのでしょう。ひまわり組のみ なさんも中学・高校を卒業するころ、豊庄保育園でのことを「ついこの前のことだったね」と思い返 すことがあるかもしれません。 私がこの映画に出会ったのは、公開された 1989 年のことでした。ぶらりと入った映画館で見て、い い作品だなあと思いましたが、ラストのシーン(アルフレードがくれた形見=キスシーンをつないだフィ ルムを試写室で見るところ)にどうしても納得がいきませんでした。なぜあれほどサルヴァトーレは涙す るのか?とても不自然な感じがしたのです。その後、公開されたこの映画には短縮版で完全版が別にある ことを知り、数年後見ました。映画の後半は初恋の人エレナと の出来事が中心に描かれていました。おばさんになったエレナ は、なんとブリジット・フォッセー。名画『禁じられた遊び』 の女の子を演じていた人です。短縮版では出演者のクレジット にあるものの、「なんで出ていなかったのかなあ」と思ってい ました。それにしても、二つの映画は全く別物でした。 さて、ひまわり組のお友だちといよいよお別れです。今年も チューリップがたくさん咲くことでしょう。ピカピカの小学 1 年生の姿を見せに来て下さい。待っています。
© Copyright 2024 Paperzz