2015 年度 幾何学演義 II 演習(担当:小西) 3 1. 位相空間 位相の定義. X を空でない集合とする.X の部分集合の族(すなわち X の部分集合全体 のなす集合の部分集合)O は,次の条件を満たすとき X の位相であるという: (1) X ∈ O, ∅ ∈ O (2) O1 , O2 , . . . , Ok ∈ O ならば O1 ∩ O2 ∩ . . . ∩ Ok ∈ O (3) {Oλ | λ ∈ Λ} を O の元からなる集合系とすれば (Λ は添え字の集合)、 ∪ Oλ ∈ O . λ∈Λ O の元を開集合という.開集合の補集合のことを閉集合という.また,x ∈ X に対し x の近傍とは x ∈ O となる開集合のことを指す. 位相 O を与えられた集合 X を位相空間といい,(X, O) で表す.また位相 O を省略して 「位相空間 X 」のように書くことが多い. Y が位相空間 X の部分集合のとき,Y の開集合を X の開集合と Y の共通部分として定 義することで Y に位相が定まる.これを相対位相という.特に断らない限り,位相空間 の部分集合は相対位相によって位相空間であるとみなす. Rn の通常の位相. 特に断らない限り、Rn (n ≥ 1) には次のような位相を考えるものと する: O ⊂ Rn が開集合 ⇔ O の任意の点 x に対し,B(x, ϵ) ⊂ O となる ϵ > 0 が存在する. ただし x ∈ Rn と正の実数 r に対し、B(x, r) = {y ∈ Rn | |y − x| < r} . Rn の通常の位相 と言えばこの位相のことを指す. Cn については,自然な全単射 Cn → R2n , (z1 , . . . , zn ) 7→ (Re z1 , Im z1 , . . . , Re zn , Im zn ) によって Rn と同一視すると,Rn の通常の位相から Cn にも位相が定まる.特に断らない 限り Cn はこの位相によって位相空間とみなす. 連続写像の問題. 1.1. (1) 位相空間の間の連続写像と直積位相の定義を述べよ. (2) 写像 Rn × Rn → Rn を f (x, y) = x + y(ベクトルの和) で定める.Rn × Rn の位相を直 積位相とするとき,f は連続写像であることを示せ. 1.2. (X, O) を位相空間,写像 ∆ : X → X × X を ∆(x) = (x, x) で定める. X × X の位相を直積位相とする. (1) ∆ は連続写像であることを示せ. (2) 閉写像の定義を述べよ.また,∆ が閉写像であることと,(X, O) がハウスドルフ空間 であることは同値であることを示せ. 4 2015 年度 幾何学演義 II 演習(担当:小西) 1.3. (1) 2 つの位相空間が同相であることの定義を述べよ. (2) r を正の整数とする.Rn の開球体 B(0, r) = {x ∈ Rn | |x| < r} は Rn と同相であるこ とを示せ. 補足 1.1. n ̸= m ならば Rn と Rm は同相でない.これはホモロジー論を使って証明でき る (問 3.20). 連結性. 1.4. (1) 位相空間が連結であることの定義,位相空間の連結成分の定義を述べよ. (2) 位相空間 X の連結成分を U, V , U ̸= V とする.このとき U と V の共通部分は空集合 であることを示せ. (3) Rn は連結であること,また R の閉区間 I = [0, 1] は連結であることを示せ. 1.5. 位相空間の部分空間が連結であるとは,相対位相によって連結であることをいう. (1) 連続写像による連結部分空間の像は連結であることを示せ. (2) X = {(x, y) ∈ R2 | xy = 0} は R と同相でないことを示せ. (ヒント:仮に X から R への同相写像があるとすると X \ {0} の連結成分の像はどうな るか?) 1.6. (1) 位相空間が弧状連結であることの定義を述べよ. (2) U, V を位相空間 X の連結成分で U ̸= V とする.U の点 a と V の点 b をつなぐ道は存 在しないことを示せ. (3) 位相空間が弧状連結ならば連結であることを示せ. 1.7. 連結であるが弧状連結でない位相空間の例を挙げよ. コンパクト性. 1.8. (1) 位相空間 X の部分集合 A がコンパクトであることの定義を述べよ. (2) f を位相空間 (X, O) から (X ′ , O′ ) への連続写像とする.A が位相空間 (X, O) のコン パクト集合ならば,像 f (A) は位相空間 (X ′ , O′ ) のコンパクト集合であることを示せ. (3) Rn の閉球体 B(0, r) = {x ∈ Rn | |x| ≤ r} は Rn と同相でないことを示せ.次の定理を 使ってよい. 定理 1.2. Rn の部分集合 A がコンパクトである必要十分条件は A が有界閉集合であるこ とである. 可算公理の問題. 1.9. X = R2 とし,B = {[a, b) × [c, d) | a < b, c < d} を開基とする位相を O とする. (1) 第1可算公理を述べよ.(X, O) は第1可算公理を満たすか? (2) 分離位相の定義を述べよ.部分集合 A = {(x, y) ∈ X | x + y = 1} の相対位相は分離 位相であることを示せ. (3) 第2可算公理を述べよ.(X, O) は第2可算公理を満たすか? 2015 年度 幾何学演義 II 演習(担当:小西) 5 商空間の問題. 1.10. (X, O) を位相空間,Y を集合,f : X → Y を全射とする. O(f ) = {O ⊂ Y | f −1 (O) ∈ O} とおく. (1) (Y, O(f )) は位相空間であることを示せ. (O(f ) を f により定まる Y の商位相,(Y, O(f )) を f により定まる (X, O) の商空間とい う.) (2) f は (X, O) から (Y, O(f )) への連続写像であることを示せ. 1.11. R に関係 ∼ を x ∼ y ⇔ x − y ∈ Z で定める. (1) ∼ は同値関係であることを確かめよ. (2) 同値関係 ∼ による商集合を R/Z と書く.f : R → R/Z を商写像,O(f ) を f によって 定まる R/Z の商位相とする.(R/Z, O(f )) は (S 1 , O1 ) と同相であることを示せ.ただし S 1 = {(x, y) ∈ R2 | x2 + y 2 = 1} で O1 は相対位相とする. 1.12. X = Cn+1 \ {0} = {(z1 , . . . , zn+1 ) ∈ Cn+1 | (z1 , . . . , zn+1 ) ̸= (0, . . . , 0)} とする. (z1 , . . . , zn+1 ) = (αw1 , . . . , αwn+1 ) を満たす 0 でない複素数 α が存在するとき,(z1 , . . . , zn+1 ) ∼ (w1 , . . . , wn+1 ) と定めるとこれは X 上の同値関係である.この同値関係による X の商空 間を n 次元複素射影空間といい,CPn と書く.(z1 , . . . , zn+1 ) の同値類を [z1 : . . . : zn+1 ] と書く. n+1 X から 2n + 1 次元球面 S 2n+1 | |z1 |2 + · · · + |zn+1 |2 = 1} への連 ( = {(z1 , . . .), zn+1 ) ∈ C √ z1 続写像 f を f (z1 , . . . , zn+1 ) = |z| , . . . , zn+1 で定める.ただし |z| = |z1 |2 + · · · + |zn+1 |2 . |z| (1) 合成写像 π|S 2n+1 ◦ f は π と一致することを示せ.ただし π : X → CPn は商写像で, π|S 2n+1 : S 2n+1 → CPn は S 2n+1 ⊂ X とみたときの π の制限である. (2) CPn はコンパクトであることを示せ.(ヒント:問 1.8 と定理 1.2 を使う.) 群. 空でない集合 G 上に2項演算が与えられていて次の条件を満たすとき,G を群とい う.(2項演算を · と書くことにすると) (i) 結合法則:g1 · (g2 · g3 ) = (g1 · g2 ) · g3 (ii) 任意の g ∈ G に対し e · g = g · e = g が成り立つ e ∈ G(単位元) が存在する. 。 (iii) 各 g ∈ G に対し,g · g −1 = g −1 · g = e を満たす g −1 ∈ G(g の逆元) が存在する. 単位元のみからなる群を自明な群という.任意の2元 g, h について g · h = h · g が成り立 つ群を可換群という. 整数全体の集合 Z は和によって可換群となる.同値関係 x ∼ y ⇔ “x − y が n で割りきれる” による商集合 Z/nZ も和によって可換群となる.ゼロでない複素数全体の集合 C× = C\{0} やゼロでない実数全体の集合 R× = R \ {0} は積によって可換群となる.また 1 の n 乗根 全体の集合 µn は C× の部分群である.Z/nZ と µn は同型で,n 次巡回群と呼ばれる. 2015 年度 幾何学演義 II 演習(担当:小西) 6 群作用と G 空間. G を群,X を位相空間とする.G の任意の元 g に対し X から X への同 相写像が定まっていて (この同相写像による x ∈ X の像を g(x) と書こう), (gh)(x) = g(h(x)) かつ e(x) = x を満たすとき,G は X に作用するという.位相空間 X と G による群作用の対を G 空間 という. 位相空間 X に群 G が作用するとき,点 x ∈ X に対し x を固定する G の元全体 {g ∈ G | g(x) = x} を点 x のイソトロピー群といい,Gx と書く.任意の点 x ∈ X で Gx = {e} のと き G の X への作用は自由であるという. 1.13. (X, G) を G 空間とする.群 G に離散位相を与えたとき,α(g, x) = g(x) で定める写 像 α : G × X → X は連続写像であることを示せ.(離散位相を持つ群を離散群という.) 1.14. (X, G) を G 空間とする.関係 ∼ を x ∼ y ⇔ ∃ g ∈ G, y = g(x) と定める. (1) ∼ は同値関係であることを確かめよ.(この同値関係による商空間を X/G と書く.) (2) 問 1.11 で出てきた R/Z は Z 作用による R の商空間であることを説明せよ. (3) 問 1.12 で出てきた複素射影空間 CPn も群作用による X の商空間であることを説明せ よ.また CPn は群作用による S 2n+1 の商空間でもあることを説明せよ. (4) 問 1.12 での複素射影空間の構成において複素数 C を実数 R に置き換えてやれば,全 く同様にして実射影空間 RPn が構成できる.実射影空間は群作用による Rn+1 \ {0} の商 空間であることを説明せよ.また,RPn は S n への群作用による商空間でもあることを説 明せよ. 距離空間の問題. 1.15. (1) 集合上の距離 (または距離関数) と,距離空間の定義を述べよ.また距離によっ て位相が定まることについて説明せよ. (2) 閉区間 [a, b] 上の有界な実数値関数全体の集合を B[a, b] とする.(つまり [a, b] 上の関 数 f が f ∈ B[a, b] となるのは,|f (x)| ≤ K (∀ x ∈ [a, b]) となる正の実数 K が存在すると きである.) f, g ∈ B[a, b] に対して d(f, g) = sup {|f (x) − g(x)| | a ≤ x ≤ b} と定義する.d は集合 B[a, b] 上の距離であることを示せ. 補足 1.3. Rn の通常の位相はユークリッド距離 d(x, y) = |x − y| によって定まる距離空間 としての位相に他ならない. 2015 年度 幾何学演義 II 演習(担当:小西) 7 1.16. (X, d) を距離空間とし,d′ : X × X → R を d(x, y) 1 + d(x, y) d′ (x, y) = で定める. (1) d′ も X の距離であることを確かめよ. (2) (X, d′ ) の開集合系は (X, d) の開集合系と一致することを示せ. 距離空間の完備化の例として p 進数体 Qp を構成しよう. 1.17. p を素数,c0 を 0 < c0 < 1 を満たす実数とする.有理数 α に対し,その p 進付値 |α|p を次のように定義する. 0 |α|p = c 0 (α = 0) a (α ̸= 0) ただし α ̸= 0 のときの右辺の a は α = pa c b (a, b, c ∈ Z, b, c は p で割りきれない) によって決まる整数とする. (0) p = 3 の場合に有理数を 5 個以上挙げてその p 進付値を計算せよ. (1) p 進付値は次の性質を持つことを示せ. (i) |αβ|p = |α|p |β|p , (ii) |α + β|p ≤ max(|α|p , |β|p ) . (2) 写像 d : Q × Q → R を d(α, β) = |α − β|p で定める. d は Q 上の距離であることを示せ.d のことを p 進距離という. 1.18. 前問により,(Q, d) は距離空間である.距離空間の完備化の理論をあてはめて (Q, d) の完備化を構成しよう. 有理数列 (α0 , α1 , . . .) が,任意の正数 ϵ に対して次の条件 ∗ 満たすとき n0 が存在すると き (n0 は ϵ に依存してよい),p 進基本有理数列であるという. ∗ |αm − αn |p < ϵ (∀m, n ≥ n0 ) F を p 進基本有理数列全体のなす集合とし,F 上の関係 ∼ を次で定める.p 進基本有 理数列 (αn ) = (α0 , α1 , . . .), (βn ) = (β0 , β1 , . . .) に対し, (αn ) ∼ (βn ) ⇔ lim |αn − βn |p = 0 . n→∞ (0) 有理数 α に対し,数列 (α, α, . . .) は p 進基本有理数列である.(α, α, . . .) に同値な p 進 基本有理数列(でそれ自身でないもの)を挙げよ. (1) ∼ が同値関係であることを確かめよ. 2015 年度 幾何学演義 II 演習(担当:小西) 8 Qp をこの同値関係 ∼ による F の商集合とする.(αn ) ∈ F の同値類を [(αn )] で表す. (2) 写像 dp : Qp × Qp → R を dp ([(αn )], [(βn )]) = lim |αn − βn |p n→∞ で定めたい.dp は well-defined であることを示せ. (3) dp は Qp 上の距離であることを示せ. 補足 1.4. (1) α → [(α, α, . . . )] という対応により,Q は自然に Qp の部分集合とみなすこ とができる. (2) F の和、積を (αn )n + (βn )n := (αn + βn )n , (αn )n · (βn )n := (αn βn )n で定めると,これ らは Qp 上の和、積を誘導し,それらの演算によって Qp は体になる.Qp を p 進体という. (3) p 進距離を Q の普通の距離に置き換えて問 1.18 と同じ構成をすると得られるのが実数 体 R である. ザリスキ位相. 代数幾何ではザリスキ位相という位相が用いられる. ,これは Rn の通常の 位相とは趣きの違うものである.この節では Cn のザリスキ位相 (問 1.19–1.20) と (それを 一般化した) 環のスペクトラムのザリスキ位相 (問 1.21–1.23) について考えよう. 1.19. X = Cn (n ≥ 1) とし,C[x1 , . . . , xn ] を Cn の座標 x1 , . . . , xn の n 変数多項式環とす る.部分集合 V ⊂ X が有限個の多項式 F1 , . . . , Fk ∈ C[x1 , . . . , xn ] の共通零点集合のとき, V は閉集合であるということにし,V = V (F1 , . . . , Vk ) と書く. (1) n = 1 の場合の閉集合を決定せよ. (2) F, G ∈ C[x1 , . . . , xn ] に対し,V (F ) ∩ V (G) = V (F, G), V (F ) ∪ V (G) = V (F G) が成 り立つことを示せ。 (3) F1 , . . . , Fk ∈ C[x1 , . . . , xn ] に対しこれらの生成するイデアルを I とすると,a ∈ Cn に 対して a ∈ V (F1 , . . . , Fk ) ⇔ G(a) = 0(∀ G ∈ I) が成り立つことを示せ.(イデアルの定義 は下の「環とイデアル」に書いてあります.) (4) 部分集合 O ⊂ X が閉集合の補集合であるとき O は開集合であるということにし,X の開集合全体のなす集合を O とする.O は X の位相を与えることを確かめよ.これを Cn のザリスキ位相という.(ヒント:ヒルベルト基底定理を使う.) 1.20. Cn 上に問 1.19 のザリスキ位相を考える. (1) n = 1 のとき C の開集合を決定し,空集合でない任意の2つの開集合は共通部分を持 つことを示せ.(問 1.19 (1) の結果を使ってよい.) (2) ザリスキ位相に関して Cn はハウスドルフでないことを示せ. 環とイデアル. R を空でない集合とし,R に2つの2項演算:和 + と積 · (· は省略して a · b = ab と書くことが多い) が与えられていて次の5条件を満たすとき,R を 1 を持つ可 換環という: (i) 和 + に関して可換群である. (ii) 積 · に関して結合法則をみたす:a · (b · c) = (a · b) · c. 2015 年度 幾何学演義 II 演習(担当:小西) 9 (iii) 和と積が分配法則をみたす:a · (b + c) = a · b + a · c, (a + b) · c = a · c + b · c. (vi) 積が交換法則をみたす:a · b = b · a (v) 任意の a ∈ R に対して a · 1 = 1 · a = a を満たす 1 ∈ R が存在する. 整数全体の集合 Z は普通の和と積によって 1 を持つ可換環になる.これを有理整数環という. また正の整数 n に対して複素数係数上の n 変数 x1 , . . . , xn の多項式全体の集合 C[x1 , . . . , xn ] は多項式の和と積によって 1 を持つ可換環となる.これを C 上の n 変数多項式環という. 1 を持つ可換環 R の部分集合 I が和に関して部分群になっていて (x, y ∈ I ⇒ −x + y ∈ I をみたしていて) かつ x ∈ I, a ∈ R ⇒ x · a ∈ I を満たすとき I を R のイデアルという. a1 , . . . , an ∈ R に対し,{x1 a1 + · · · + xn an | x1 , . . . , xn ∈ R} はイデアルである.これを a1 , . . . , an で生成されたイデアルといい,(a1 , . . . , an ) と書く. 1 を持つ可換環 R 上に,イデアル I によって同値関係 ∼ を a ∼ b ⇔ a − b ∈ I で定め ると,R の和と積から商集合 R/ ∼ に和と積が引き起こされ,R/I も 1 を持つ可換環とな る.これを剰余環といい R/I と書く. 1.21. R を 1 を持つ可換環とする.R の素イデアル全体のなす集合とする.これを Spec R と書き,環 R のスペクトラムという.(ただし環 R 自体は素イデアルとはみなさない.) (1) 素イデアルの定義を述べよ. (2) 環 R が次の場合に Spec R を決定せよ. (i) R = Z(有理整数環), (ii) R = C[x](1変数多項式環), (iii) R = C[x]/(x2 )(イデアル (x2 ) による C[x] の剰余環). (ヒント:(i)(ii) は Z, C[x] ともに単項イデアル整域であることを使う.) 1.22. R を 1 を持つ可換環とする. (1) R の部分集合 B に対し V (B) = {p ∈ Spec R | p ⊃ B} とおく.I を B によって生成されるイデアルとすると,素イデアル p に対し p ∈ V (B) ⇔ p ⊃ I であることを示せ.また R の部分集合の族 Bλ (λ ∈ Λ) と B, B ′ ⊂ R に対し, (i) ∩ λ V (Bλ ) = V (∪ ) Bλ , (ii) V (B) ∪ V (B ′ ) = V (I ∩ I ′ ) λ が成り立つことを示せ.ただし I, I ′ はそれぞれ B, B ′ によって生成されるイデアルで,I ∩I ′ はその共通部分(これもイデアル)である. (2) Spec R の部分集合 V が V = V (B), B ⊂ R と書けるとき V は閉集合であるという. Spec R の部分集合 O が閉集合の補集合であるとき,O は開集合であるといい,開集合全 体のなす集合を O とする.O は X に位相を定めることを確かめよ.これを Spec R のザ リスキ位相という. 10 2015 年度 幾何学演義 II 演習(担当:小西) 1.23. ザリスキ位相に関して (1) Spec Z の閉集合を決定せよ. (2) Spec Z はハウスドルフか? (3) Spec Z はコンパクトか? 参考文献 [1] 内田伏一,数学シリーズ「集合と位相」,裳華房 [2] 桂利行,大学数学への入門1「代数学I群と環」,東京大学出版会 (群,環,イデアルの定義等) [3] Shafarevich, “Basic Algebraic Geometry 1,2”,Springer (スペクトラムについて) [4] 河田敬義,岩波講座基礎数学「代数学 vi 数論 III」,岩波書店 (p 進体の構成について)
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