デプレ KTM450 が優勝 - WordPress.com

ポディウムの 3 人。左から 3 位のエルダー・ロドリゲス
(YAMAHA)、4 度目の優勝となったシリル・デプレ (KTM)、
2 位にチームメイトのマルク・コマ
DAKAR 2012
デプレ KTM450 が優勝
4 輪は MINI のぺテランセル
Photos : Maragni M. KTM Images
450cc 規制の完結
いうえに充分に競争力がある。ダカールは再びア
は KTM」と言われるようになったのは、
多くのメー
2010 年に始まった ASO による段階的な排気
マチュアライダーに注目されるイベントになった
カーが参入することが出来たためだ。
量規制 − 450cc 化は、この 2012 年に完
ということが言えるだろう。
結。2 輪部門のすべての競技車両は 450cc 以下
ある意味、というよりも明らかに KTM の主力
になった。当初、ラリーの最大勢力である KTM
マシンである 690Rally を締め出すための施策が
と、ダカール主催者である ASO の間に相当な軋
発表された 2009 年夏、KTM ラリーチームのディ
リストラクター付きの KTM690Rally に対してス
轢を生んだこの変更だが、ここに及んで、ASO の
レクターであったハインツ・キニガドナーは、次
ピードの点で競争力を見せたのは、アプリリア V
決断は、そのやり方は性急だったかもだったかも
「2008 年にダカー
のようにコメントしていた。
ツインの RXV450 だった。ライダーは、フラン
しれないが、狙い通りの効果を生んだと言えるだ
ルが中止されて以降、新生ダカールとして生まれ
シスコ " チャレコ " ロペス。Sherco の 450、ま
ろう。
「ラリーの高速化による危険の抑制。また多
変わるまで、世界的経済危機という状況下にあり
た 450cc クラスで常勝を誇ってきた YAMAHA
くのプライベーターにチャンスを与えることでラ
ながら、KTM はこのラリーに非常に大きな貢献を
は、エルダー・ロドリゲス、ダビデ・フレティーニュ
リーへの興味を回復する」という目的がある程度
した。にも関わらず、主催者はその恩義も感じず、
のライディングで互角の戦い展開するが、最終的
達成されたことは、YAMAHA はもとより、アプ
誠意も見せてくれなかったことがショックでなら
にポディウムの中央に立ったの KTM のファクト
リ リ ア、Husqvarna(BMW)、 ま た GASGAS や
ない」。そしてすぐさま、ファクトリーチームとし
リーライダーだった。
Beta、
Sherco のファクトリーチームの参戦によっ
ての参戦を中止するという抗議行動を取ったほど
翌 2011 年 は、 ト ッ プ チ ー ム の す べ て が
て証明されている。結果的には今年も KTM の圧
だ。しかし、結果としてはより多くの注目を集め、
450cc マシンにスイッチ。KTM もオールニュー
勝という形に終わってはいるが、各チーム、ライ
興味を持たれるラリーとなったことで、KTM とし
の KTM450Rally を 投 入。" 正 式 に " フ ァ ク ト
ダーの活躍によって、ラリーに競争が戻ってきた
ても、この 450cc 化は有益なものになったとい
リーチームとしてラリーに復帰することになっ
と感じている人が多いだろう。
うことが言えるのではないだろうか。
「独り勝ち」
た。YAMAHA、アプリリア、Sherco、BMW も
450cc 化は、中・小規模のメーカーのファク
のラリーにおいて、すでにどのメーカーが勝った
ファクトリーチームとして参戦。YAMAHA はロ
トリーチームにチャンスを与えるものであると同
か、ということなど誰も意識していなかったのが
ドリゲスが 3 位に食い込むが、やはりワンツーは
時に、アマチュアにとってもマシンが作りやすく、
2009 年以前の 2 輪部門だった。今、再び「流石
KTM で、優勝はマルク・コマ、続いてシリル・デ
希望が持てるものだ。ベースマシンが入手しやす
デプレとコマのデュエル
450cc 化の最初の年。2010 年のラリーで、
プレという結果。ロドリゲスに続く 4 位はアプリ
ダカール初出場のジョニー・オ
ベールは総合 14 位。
「経験が目的」
の今回、順位は全く意識してい
なかった、現役のエンデューロ
世界チャンピオン
ラリー中盤。強烈な寒波によってスペシャルステージの中止
が余儀なくされる場面も。コンボイでの移動となった一日
Husqvarna のホアン・バレーダは 11 位。Husqvarna ブランド
のチームだが、マシンは BMW G450X ベースで、BMW のファ
クトリーチームである Speedbrain からのエントリーだ
Pos. N° Name
Mark
Time
トップとの差Penalty
1
2
2
1
DESPRES (FRA)
COMA (ESP)
KTM
KTM
43:28:11
44:21:31
-
0:53:20
0:15:00
1:00:00
3
3
RODRIGUES (PRT)
YAMAHA
44:39:28
1:11:17
0:15:00
4
10
VILADOMS (ESP)
KTM
45:09:07
1:40:56
0:15:00
5
6
32
6
SVITKO (SVK)
ULLEVALSETER (NOR)
KTM
KTM
45:15:39
45:40:07
1:47:28
2:11:56
0:55:00
7
20
FARRES GUELL (ESP)
KTM
45:42:33
2:14:22
0:15:00
8
9
34
16
BOTTURI (ITA)
PAIN (FRA)
KTM
YAMAHA
46:27:15
46:46:01
2:59:04
3:17:50
0:20:00
0:15:00
10
28
ZANOL (BRA)
KTM
46:54:07
3:25:56
0:55:00
11
23
BARREDA BORT (ESP)
HUSQVARNA
47:05:36
3:37:25
1:00:00
12
13
8
17
FARIA (PRT)
CZACHOR (POL)
KTM
KTM
47:41:21
48:07:20
4:13:10
4:39:09
0:55:00
-
14
21
AUBERT (FRA)
KTM
48:07:50
4:39:39
0:16:00
15
16
17
15
18
39
VERHOEVEN (NLD)
KNUIMAN (NLD)
GYENES (ROU)
SHERCO
KTM
KTM
48:34:07
48:46:05
48:58:37
5:05:56
5:17:54
5:30:26
1:00:00
-
KTM
18
35
CECI (ITA)
19
20
21
26
64
33
RODRIGUES FILHO (BRA) HUQSVARNA
SCHRÖDER (DEU)
KTM
BETHYS (FRA)
YAMAHA
22
23
24
144 CURTIS (ZAF)
12 PELLICER (ESP)
89 NASCIMENTO (BRA)
25
40
7:59:58
0:15:00
26
27
28
7
GONCALVES (PRT)
110 BIRCH (NZL)
41 PROHENS (CHL)
Husqvarna
51:38:37
KTM
51:58:34
HONDA (Transformada)
8:10:26
8:30:23
52:45:45
6:21:00
0:20:00
9:17:34
29
30
49
82
KTM
YAMAHA
9:22:52
9:30:02
0:15:00
1:00:00
SERRADORI (FRA)
DABROWSKI (POL)
GUINDANI (FRA)
49:12:56
5:44:45
0:35:00
49:44:46
49:47:51
50:37:25
6:16:35
6:19:40
7:09:14
0:15:00
1:00:00
-
KTM
HUSQVARNA
HONDA
50:51:43
51:09:20
51:21:38
7:23:32
7:41:09
7:53:27
0:59:00
1:00:00
-
KTM
51:28:09
52:51:03
52:58:13
-
リアのチャレコ・ロペスだった。
てエンジンを交換。勝利への道程をより確かなも
ベル ) は、後半マシントラブル、転倒とタイムロ
そして今年のラリー。アルゼンチンのマル・デ
のにした。翌日の ETAP-9 は、Husqvarna のホ
スが重なって 5 位。市販車無改造クラスの三橋淳
ルプラタをスタート、チリを経由し、ペルー、リ
アン・バレーダが初のステージ優勝。
/ アラン・ゲネック組は終盤までクラス首位をキー
マにゴールする約 9000km、15 日間の行程は、
コマ VS デプレの戦いは、ETAP-13 で決着。
プするが、ETAP-12 でラジエターの破損、砂丘
これまでになく変化に富み、砂丘の走行も多いタ
コマのマシンはギアボックスを故障して 3 〜 4 速
でのスタックと続きタイムロスし、クラス 2 位、
フなものになった。1 月 1 日、
初日の短いスペシャ
が使えない状態となり、テクニカルなセクション
総合では 25 位というリザルト。ちなみに三橋は
ルステージは、アプリリアのチャレコ・ロペスが
でペースが上がらない。焦りはミスコースを誘発
2 輪での 3 度の完走を含み、11 回出場、今回で
制するが、翌日は早くも KTM ファクトリーチー
し、
10 分ほどのタイムロス。約 11 分のアドバテー
9 回目の完走となった。カミオン部門では、HINO
ムが優勢を示した。マルク・コマが首位、2 分 52
ジを持ったデプレにとって、残り 24 時間のラリー
チームスガワラの菅原照仁 / 鈴木誠一組がカミオ
秒差でデプレが 2 番手だ。ロペスは、これまで南
はイージーなものになった。
ン総合 9 位 / 排気量 10 リットル以下クラス優勝、
米ダカールで 3 位、4 位と好成績で今年もポディ
そして最終日、リマまでの短いスペシャルステー
菅原義正 / 鈴木誠一組がカミオン総合 24 位 / 同
ウムを狙ってきたが、ETAP-8 にリタイアという
ジを制したのは、ノルウェイのベテランラリーパ
クラス 3 位という結果。
結果に終わる。コピアポからアントファガスタに
イロット、パルアンダース・ウレバルセター。シ
向うこの日は、スペシャルステージのルート上に
リル・デプレは 4 度目のダカール総合優勝 ! 2
突然現れる泥沼でトップ数名のライダーがスタッ
位にマルク・コマ、そして 3 位は YAMAHA のエ
ク。KTM のシリル・デプレ、
Husqvarna のパウロ・
ルダー・ロドリゲスという上位の結果。GASGAS
ゴンサルベスらも大きくタイムロスを強いられた。
で出場した、トライアルウーマンズ世界チャンピ
その後、主催者はイコールコンディションが損な
オン、エンデューロ世界選手権にも参加している
われたとして、当該ライダーのタイムを調整する
ライア・サンツは 39 位で完走した。
が、この時点で KTM のトップ 2 と、3 位のエル
4 輪部門は、Mini のステファン・ベテランセ
ダー・ロドリゲスの差は約 50 分。KTM の優勢は
ルが総合優勝。ベテランセルと接戦を繰り広げた
すでに確定的と言えるものになっていた。この日
HAMMER のロビー・ゴードン ( コ・ドライバー
の夜、KTM チームは 15 分のペナルティを甘受し
は BAJA1000 チャンピオンのジョニー・キャン
今季から EWC に参加する新チーム、ボルド
ネ・フェラーリもエントリー。アレッサンドロ・
ボッツーリも 8 位 !