時間サイクルの実戦応用

イーストヒル ジャパン株式会社
ジャパン株式会社
時間サイクルの
時間サイクルの実戦応用
サイクルの実戦応用
2008 年 9 月 11 日
周知の通り、あらゆる銘柄の価格チャートは価格と時間という二つの目盛りを揃えなけれ
ばならない。分析する時には、どちらも欠かすことができない。投資家はテクニカル分析を使う
際、価格をより重視し、時間という要素を軽視することが多い。しかし、テクニカル分析におい
ては時間も欠かせない要素である。例えば、トレンドライン、サポート・レジスタンスラインなど
は時間が長ければ長いほど、有効性が高くなる。移動平均線などのトレンド系指標も、オシ
レーター系指標も、期間というパラメータを選ばなければならない。だが、適切な期間を決め
る方法が無いことから、殆どの人は、よくないと思いながらシステムの初期設定期間を使って
いる。それが原因で、取引するに当たって時間サイクルはより効果的、且つ神秘的な存在と
なっている。今回のインサイトでは、時間サイクルの神秘的な謎を解く上で、現時点の相場を
用いながら、時間サイクルとテクニカル指標を合わせた実用的な取引手法を紹介していきた
いと思っている。投資家の一助になれば幸いである。
“時間サイクル
時間サイクル”
サイクル”の概要
サイクル理論の先駆者 Edward R.Dewey が Og Mandino と共著した本、「Cycle:The
Mysterious Forces That Trigger Events」で、大西洋サーモン豊作の 9.6 年サイクルや、
1415 年から 1930 年までの国際戦争の 22.20 年サイクルや、太陽黒点活動の 11.1 年サイ
クルや、不動産産業の 18.33 年サイクルなど、自然界と人間社会のさまざまなサイクルを紹
介した。
*当社の提供したすべての資料は信頼できると判明した情報に基づいて作成されていますが、その正確性、安全性を保証するものではあ
りません。投資などのご利用に際して、お客様ご自身の判断でお願いいたします。
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(《Technical Analysis of the Financial Markets: A Comprehensive Guide to Trading
Methods and Applications》by John J. Murphy より)
簡単に言うと、サイクルは相場波動の繰り返し、物理学からいうと谷から谷までの循環で
ある。一つのサイクルには、変動幅(amplitude)、周期(period)、位相(plase)という三つのパ
ラメータ(下図)が重要である。変動幅は波の幅を計るもので、普通価格単位或いはポイン
トで示す。周期は谷と谷の間隔。位相は谷が形成する時間を測るパラメータで、いくつのサ
イクルが共存する時に、位相分析を通じて各サイクルの位置関係が把握できる。
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この複雑な市場において、価格は天候、経済、選挙など様々な要素に影響され、これら
の要素はそれぞれ独自のサイクル周期を持っており、現実の相場はあらゆる要素の相場への
影響が重なった結果である。ここは、加法原理(summation)、調和原理(harmonicity)、
同調原理(synchronicity)と割合原理(synchronicity)など、サイクル理論の四つの基本原
理を引き出す。簡単に言うと、加法原理は前述した、実際の相場は異なる要素の時間サイ
クルが重なった結果である。調和原理は隣の 2 つの波の周期関係は殆ど整数であり、この
整数が 2 となる場合が多い。同調原理は周期が違うサイクルは同じ時に底打ちする傾向が
あることを指す。つまり我々が普段注目しているトレンドの底或いは天井、大周期の波の底
はいくつかの周期の違うサイクルが共有する底で構成される。割合原理はつまり周期が長け
れば長いほど、その変動幅が大きいことである。
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実際の
実際の取引に
取引に当たって“
たって“時間サイクル
時間サイクル”
サイクル”の応用
伝統的なサイクル理論によると、金融市場において、相場の波動に方向性があり、上昇
トレンドでは、谷と山は徐々に切り上がっていくので、時間的に上昇波が下落波より長い。
一方、下落トレンドでは、谷と山は徐々に切り下がっていくので、下落波がかかる時間が上
昇波より長い。こうした状況では、山は普通波の真ん中に位置するのではなくて、上昇トレン
ドでは真ん中から右に寄ったところ、下落トレンドでは真ん中から左に寄ったところに位置する
傾向がある。
しかし、為替市場の状況はまた違う。あらゆる通貨ペアの価格は相対価格で、商品或い
は株市場の絶対価格ではない。言い換えれば、ストレートにおいてはユーロの価格はドルで
オファーするが、反対にユーロでドルの価格をオファーすることもできる。これは相対価格。一
方、株と商品は一つの通貨でオファーしているが、反対にその通貨の価格を示すことができな
い。これは絶対価格(例えば、金=900.0 ドル/オンス)。つまり、為替市場においては絶対的
な山と谷の区別が無いので、以下の結論に辿りつく。上昇トレンドでは、価格サイクルの山は
波の真ん中から右に寄り、下落トレンドで価格サイクルの谷は波の真ん中から右に寄る(下
図)。これは下の取引手法の前提となる。
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取引する際、まずトレンドの前 2 つの山或いは谷を探す。普通は上昇トレンドで隣の 2 つ
の谷、下落トレンドでは隣 2 つの山を使う。見つけたらその 2 つの谷或いは山の時間周期を
測り、その周期から将来の谷或いは山が形成される時間が大体推測できる。しかし、それだ
けではまだ不十分である。なぜかというと、実際の市場では多かれ少なかれ時間のずれがあ
り、1取引日のなかでも価格の変動が非常に激しいときがある。故に、ここで
KDJ(Stochastic Slow)というテクニカル指標が必要になる。KDJ を使う前に、三つのパラメー
タを設定しなければならないが、その中で K%のパラメータが一番重要である。(5,3,3)と
(14,3,3)が最もよく使われているが、サイクルの周期が分かると、現時点のサイクルの頻度
に合わせてパラメータを調整して同指標を最適化することができる。K%のパラメータは普通
一番目のサイクル周期の二分の一にする。例えば、一番目のサイクル周期は 20 単位だった
ら、K%のパラメータは 10 とし、さらに、D%と J%のパラメータは K%のパラメータを参考に、15
を越えたら(5,5)、15 を下回れば(3,3)にすることを薦める。KDJ の使い方は、価格が我々
の予想した谷或いは山に近づいたら、KDJ のクロスに注目し、もしトレンドと同方向のクロス
(上昇トレンドでゴールデンクロス、下落トレンドでデッドクロス)が形成されたら、取引のチャン
スである。トレンドラインが突破され、或いはクロスが形成されなければ、このシグナルを繰り返
して使える。実例図 1 はポンドドルの 4 時間足で、隣 2 つの谷を確認してから、同じ期間の
縦垂直線を作成したもの。図で示されているように、予想した谷は実際の安値と大体合って
いる。2 つの谷の期間は大体 24 時間と判断したため、その二分の一をとり、KDJ のパラメー
タを決めることができる。結果としては(12,3,3)とする。時間周期を使って、我々は指標の
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パラメータを最適化することが出来ただけではなく、重要なポイントを掴み、リスクを低下させ
ることもできた。7 回の取引で、5 回が勝ち、その中で一番目の青い矢印が買われ過ぎゾーン
で形成したゴールデンクロスなので、なるべく避けたい。それで、実際の取引回数は 6 回となり、
その中で最後の取引が失敗し、トレンドの終焉を示唆した。
(図 1)
実例図 2 は最近のユーロドルの下落トレンドで、時間サイクルに基いて、隣の高値を引き、
KDJ とあわせて見ると、最低 4 回のシグナルがある。さらに、図 2 で新しいテクニカル指標
「ATR(Average True Range)」を使った。同指標は一定期間の価格の真の値幅を計算す
る指標である。「真の値幅」と言うのは、以下の三つのうちで値が最大となるもの:1.当日高
値-当日安値;2.当日高値-前日終値;3.前日終値-当日安値 。この指標はストッ
プロスの目安として使うことができ、つまりエントリー価格に一つの ATR を加え或いは引いた価
格をストップロスとする。ATR の値は銘柄ごとに変わってくるので、伝統的な固定点数であら
ゆる銘柄のストップロスを設定する方法と違い、より合理的である。
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(図 2)
一つのトレンドは隣のサイクルの、谷から山へ或いは山から谷に向かう同方向の波動が重
なった結果である以上、重なった同方向のサイクルが多ければ多いほど、その反対方向のサ
イクルの影響が弱く、トレンドがより明確で、力強くなるだろう。一方、調整局面はいくつもの
非調和、非同調或いは方向性が違うサイクルが重なった結果である。故に、大部分のサイ
クルが同調、しかも調和している時に、時間サイクルを利用してオシレーター系指標のパラメ
ータを最適化し、取引をすべきである。各サイクルの方向、テンポなどが乱れている時、即ち
調整局面では取引をなるべく避けるべきだ。取引の際に、価格経度の分析・判断に加え、
時間サイクルの応用を通じ時間緯度を把握できれば、勝つ確率を大幅にアップさせることが
できよう。
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