DFPP による酸化 LDL およびペントシジン除去 Received: Oct. 25, 2012 Accepted: Feb. 14, 2013 Published online: Feb. 28, 2013 Original Article Study of Effectiveness of Prevention by Double Filtration Plasmapheresis (DFPP) Against Arteriosclerotic Disease: Removal of Oxidized LDL-cholesterol and Pentosidine by DFPP Miwako Watanabe 1), Junichi Taguchi 1), Mitsunori Yasuda 2), Yang Kwang Seok 3), Hiroshi Tsuda 3), Masayuki Yagi 4), Yoshikazu Yonei 5) 1) Center for Advanced Medical Science and Technology, Midtown Clinic Group, Minato-ku, Tokyo 2) Division of Rheumatology, Department of Internal Medicine, Juntendo University School of Medicine, Bunkyo-ku, Tokyo 3) Department of Geriatric General Medicine, Juntendo Tokyo Koto Geriatric Medical Center, Koto-Ku, Tokyo, 4) Glycation Stress Research Center, Graduate School of Life and Medical Sciences, Doshisha University, Kyotanabe, Kyoto 5) Anti-Aging Medical Research Center, Graduate School of Life and Medical Sciences, Doshisha University, Kyotanabe, Kyoto Anti-Aging Medicine 10 (1) : 1-9, 2013 (日本語翻訳版) 動脈硬化性疾患に対する二重膜濾過血漿交換 (DFPP) による予防的効果の検討 : 酸化 LDL およびペントシジン除去 渡邉美和子 1)、 田口淳一 1)、 安田光徳 2)、 梁 広石 3)、 津田裕士 3)、 八木雅之 4)、 米井嘉一 5) 1) 東京ミッドタウン先端医療研究所 2) 順天堂大学医学部膠原病内科 3) 順天堂東京江東高齢者医療センター 高齢者総合診療科 4) 同志社大学大学院生命医科学研究科糖化ストレス研究センター 5) 同志社大学大学院生命医科学研究科アンチエイジングリサーチセンター 抄録 【目的】 多岐にわたるアフェレシス適応疾患の中でも家族性高脂血症、 閉塞性動脈硬化症に代表される動脈硬化性疾患 に対する二重濾過血漿交換療法 (double filtration plasmapheresis : DFPP) の臨床効果はよく知られている。 本研究では、 更なる動脈硬化性疾患に対する予防的効果の可能性を検討することを目的に酸化 LDL およびペントシジンの除去効果に 着目した。 【方法】 対象は当クリニックにて 2011 年 7 月以降に DFPP を実施した高 LDL 血症 29 例と、 境界型高 LDL 血症 12 例の 計 41 例 (男性 31 例、 女性 10 例 : 平均年齢 56.5 ± 9.7 歳) である。 この中で既に脂質異常症に対する投薬は 15 例に 開始されており、 残りの 15 例も、 生活習慣指導にて経過観察されていた。 脂質異常症以外の合併疾患は 2 型糖尿病 18 例、 高血圧症 19 例、 慢性腎疾患 3 例で、 喫煙歴を有するものは 13 例であった。 被検者には事前に十分な説明を行い、 文書にて同意を得た。 DFPP は肘静脈より体外に誘導した血液を膜型血漿分離器 Plasmaflo OP-05W (旭化成メディカル) により血球成分と血漿成分に分離した後、 血漿成分分離器 Cascadeflo EC-50W (旭化成メディカル) を用いて血漿から病 因物質を分離除去した。 抗凝固剤はヘパリンを用い、 血液流量 30 ~ 60ml/ 分、 血漿流量 30 ~ 33%、 血漿処理量は目 標 1500 ~ 2000ml とした。 Anti-Aging Medicine 10 (1) : 1-9, 2013 本論文を引用する際はこちらを引用してください。 (c) Japanese Society of Anti-Aging Medicine ( 1 ) 〒 610-0321 京都府京田辺市多々羅都谷 1-3 同志社大学大学院生命医科学研究科アンチエイジングリサーチセンター 教授 米井嘉一 電話 & FAX:0774-65-6394 メール:[email protected] DFPP による酸化 LDL およびペントシジン除去 【 結 果 】 DFPP 施 行 前 後 で LDL コ レ ス テ ロ ー ル (129.4 ± 26.6mg/dl → 81.7 ± 21.9mg/dl)、 中 性 脂 肪 (263.9 ± 113.1mg/dl → 97.6 ± 59.7 mg/dl) ともに有意に低下し (p < 0.001)、 減少率は LDL コレステロール 36.7 ± 10.39%、 中 性脂肪が 63.8 ± 16.9% であった。 酸化 LDL (n=25) に関しては、 21 例で改善が認められた (85.5 ± 26.3mg/dl → 65.4 ± 26.0mg/dl、減少率 21.8 ± 24.2%、p =0.009)。 ペントシジンは 129.4 ± 29.7pg/ml → 100.7 ± 24.1pg/ml に減少した (減 少率 21.3 ± 12.9%, p < 0.001)。 高感度 CRP も DFPP 施行前後で全例低下を認めた (0.188 ± 0.312mg/dl → 0.129 ± 0.228mg/dl、減少率 40.0 ± 17.8%, p < 0.001)。有害事象としては、DFPP 実施直後の軽度の倦怠感を訴えた 1 例のみであっ た。 【考察】 DFPP によって酸化ストレスおよび糖化ストレスが軽減された結果、炎症が軽減され、動脈硬化の危険因子が減り、 動脈硬化に対し予防的に作用する可能性が示唆された。 KEY WORDS: 酸化ストレス、 糖化ストレス、 二重濾過血漿交換療法 (double filtration plasmapheresis: DFPP)、 LDL コレステロール、 pentosidine はじめに 対象および方法 抗加齢医学を実践する医療機関では機能的年齢の評価に 筋年齢、 血管年齢、 神経年齢、 ホルモン年齢、 骨年齢にわ けて評価することが多い 1)。 抗加齢医療 (アンチエイジング医 療) はこのような機能年齢の老化予防であり若返りととらえられ る。 血管年齢を若く保つためには動脈硬化の発症予防が重要 である。 動脈硬化の四大危険因子は喫煙などの酸化ストレス 2)、 高血圧、 糖尿病などの糖化ストレス 3,4)、 脂質異常症であ り、発症予防、治療の観点からは低比重リポ蛋白質コレステロー ル (low density lipoprotein-cholesterol : LDL-C) の 低 下 の みでなく動脈硬化の種々の危険因子を取り除くことが重要で ある。 アフェレシス (血液成分除去法) の中でも二重濾過血 漿交換療法 (Double Filtration Plasmapheresis: DFPP) 5) は LDL-C を強力に除去する 6-11) 。 閉塞性動脈硬化症に代表さ れる動脈硬化性疾患に対する DFPP の臨床効果はよく知られ 対象 対象は当クリニックにて 2011 年7月以降に DFPP を実施し た難治性高 LDL 血症 29 例と、 境界型高 LDL 血症 12 例の 計 41 例 (男性 31 例、 女性 10 例 : 平均年齢 56.5 ± 9.7 歳) とした。 このうち 15 例が内服治療例で、 以下の合併症が含ま れた。 2 型糖尿病 18 例、 高血圧症 19 例、 喫煙歴 13 例、 心 脳血管のイベントの既往 2 例 (脳梗塞、 心筋梗塞)、 慢性腎 臓 疾 患 (chronic kidney disease: CKD) ス テ ー ジ Ⅲ (eGFR 50.2/47.3/42.4%) 3 例。 悪性腫瘍、自己免疫疾患はなかった。 喫煙歴 のあるものは 13 例であった。 糖尿病例 18 例のうち 9 例 (男性 8 例、 女性 1 例、 62.4 ± 7.1 歳) で血清ペントシ ジンを測定した。 本試験への参加に対し、 本人から参加同意 を文書で得た。 ている。 一方、 糖化ストレスは、 蛋白糖化反応最終産物 (advanced glycation end products: AGEs) の蓄積、 酵素やペプチドホ ルモンの生理活性減弱、 AGEs 受容体 (Receptor for AGEs) 二重濾過血漿交換療法 (double-filtration plasmapheresis: DFPP) DFPP は既報の如く行った 11)。 被験者の肘静脈より体外に を介した炎症惹起を介して、 身体の老化や加齢関連疾患の発 症に関与することが注目されている 3,4)。 誘導した血液を膜型血漿分離器 Plasmaflo OP-05W (旭化成 本研究では、 動脈硬化性疾患に対する予防的効果の可能 メディカル、 東京都千代田区) により血球成分と血漿成分に 性を検討することを目的に、 DFPP 前後での炎症マーカーの 分離した後、 分離した血漿を血漿成分分離器 Cascadeflo EC- 高感度 C 反応性蛋白 (C-reactive protein: CRP)、 酸化スト 50W (旭化成メディカル) を用いて病因物質を分離除去、 そ レスマーカーの酸化 LDL、 糖化ストレスのマーカーであるペン の後血漿および血球を被験者に戻した。 血液、 血漿循環に トシジンの除去効果を検証し、 新たな知見を得たので報告す は体外循環ポンプ付血液浄化装置 ACH Σ (旭化成メディカ る。 ル) を用いた。 設定条件は、 血液流量は 30 ~ 60ml/ 分、 血漿分離速度 は血液流速の 30 ~ 33% とし (血漿流量 : 10 ~ 18ml/ 分)、 廃液流量 : 1.5 ~ 3.0ml/ 分とした。 抗凝固剤としてヘパリンを 使用した。 膜型血漿分離器 Plasmaflo OP-05W はポリエチレンビニル アルコール製中空糸により構成され 12)、 中空糸内径 : 350 ± 50 μ m、 膜厚 : 50 ± 10 μ m、 平均孔径 : 0.3 μ m、 膜面 ( 2 ) DFPP による酸化 LDL およびペントシジン除去 積 : 0.5 m² であった。 血漿成分透過率 (濾過血漿中の濃度 統計解析 / 元血液中の濃度× 100) は、 血液流速 : 80 ~ 130ml/ 分、 血漿流量 : 20 ~ 44ml/ 分の施行条件で、 総蛋白、 アルブミ ン、免疫グロブリン、総コレステロール透過率は 95% 以上であっ た 13)。 膜型血漿分離 Cascadeflo EC-50W はエチレン ・ ビニ ルアルコール共重合体製中空糸により構成され、中空糸内径: 175 μ m、 膜厚 : 40 μ m、 有効面積 : 2.0m²、 血液容量 : データは平均値±標準偏差で示した。 治療前と後の検査値 変化について、 比較を対応のある t 検定にて統計解析を施行 した。 統計解析には、統計解析ソフト SPSS II (日本アイ・ビー・ エム株式会社、 東京都港区) を用いた。 両側検定で危険率 5% 未満を有意差ありとした。 150ml で、 使用前はパイロジェンフリー無菌水が充填されてい た。 血清検体は、 体外循環を開始する直前に一方のバスキュ ラーアクセスより採取し (直前値)、 目標処理量終了後 (治療 開始後約 2 時間半) に脱血側のバスキュラーアクセスから採 取した (直後値)。 倫理基準 本試験はヘルシンキ宣言に基づく倫理原則および個人情報 保護法を遵守し、 「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する 省令 (GCP)」 (平成 9 年 3 月 27 日厚生省令第 28 号) を参 考にして、 当クリニックにおいて実施した。 当施設にて院内倫 理委員会を開催し、 試験の倫理性および妥当性について審 評価方法 DFPP 前および後に自他覚症状、 理学的所見、 血液尿検 査の評価を行った。 議を行い、 承認のもとに開始され、 承認された試験計画書に 準じて実施した。 自覚症状の評価は、「 身体の症状」 と 「心の症状」 に分け、 既報の如く 14,15) 抗加齢 QOL 共通問診票 (Anti-Aging QOL Common Questionnaire: AAQol) を用いてポイント 1 ~ 5 の 5 段階に分けて評価した。 身体計測には体重計を用いた。 血 液生化学検査は (株) ビーエムエル (東京都渋谷区) で実 施した。 血清酸化 LDL は MDA-LDL キット (MDA-LDL ELISA Kit、 積水メディカル、 東京都中央区) を用いて ELISA (EnzymeLinked Immunosorbent Assay) に て malondialdehyde 修 飾 LDL (MDA-LDL) を測定した 16-18)。 すなわち、 界面活性剤 を含んだ検体希釈液で血清を処理して、 血清 MDA - LDL 結果 抗加齢 QOL 共通問診票による自覚症状 共通問診票身体症状のうち DFPP 群後に有意に改善した項 目はなかった (Table 1)。 心の症状、 生活習慣についても有 意な変化はみられなかった。 Table 1 Change of physical symptoms (Anti-Aging QOL Common Questionnaire) (n=7) の構造を変化させた。 次に MDA-LDL を、 プレートに固相化 された抗 MDA-LDL マウスモノクローナル抗体 (ML25) に結 合させた。 β - ガラクトシダーゼ標識抗アポ B マウスモノクロー ナル抗体 (AB16) と反応させ、 固相化抗体- MDA-LDL - 酵素標識抗体の免疫複合体を形成、 更に o -ニトロフェニル -β -D -ガラクトピラノシドを加えて発色させた。 マイクロプ レートリーダーにより吸光度を測定し、 MDA-LDL 濃度を測定 した。 血清 AGEs としてペントシジン 19) を既報の如く ELISA にて 測定した 20,21)。 検体は採血後、 3000rpm, 10 分遠心分離し て使用した。 血清 50 μ L またはペントシジン基準液をプロ ナーゼ 20 μ L とトリス塩酸緩衝液 80 μ L に加え、 混合液を 55℃、 90 分インキュベーションした後、 沸騰水にて 15 分加熱 し酵素を不活化した。 各サンプルは洗浄後、 ウェルに注入、 37℃、 1 時間インキュベーションした。 抗ペントシジン抗体 50 μ L をサンプルまたはペントシジン基準液に加え、 37℃、 1 時 間 イ ン キ ュ ベ ー シ ョ ン し た。 3,3'5,5'-tetramethylbenzidine (TMB) 0.5 mg/mL を含む発色剤を各ウェルに添加、 10 分間 反応させた後、 TMB 反応停止緩衝液 100 μ L を加え反応停 止した。 反応停止後 10 分以内に 450nm と 630nm における吸 光度を測定した。 ペントシジン基準液は濃度 0.00005, 0.0005, 0.005, 0.05, 0.5 and 5.0 μ g/mL にて作成した。 ( 3 ) Before After P value Tired eyes 3.4 ± 1.0 3.0 ± 1.6 0.56 Cough and sputum 2.3 ± 1.0 2.3 ± 1.4 1.00 Bleariness 2.4 ± 1.0 2.7 ± 1.4 0.66 Diarrhea 2.0 ± 1.2 2.0 ± 1.2 1.00 Eye pain 2.3 ± 1.1 1.7 ± 1.0 0.32 Constipation 1.7 ± 1.0 1.7 ± 1.0 1.00 Stiff shoulders 3.6 ± 1.3 3.1 ± 1.6 0.59 Gray hair 2.9 ± 1.2 2.3 ± 1.0 0.35 Arthralgia/stiffness 3.0 ± 1.4 2.9 ± 1.8 0.88 Hair loss 2.7 ± 1.1 2.6 ± 1.1 0.82 Palpitation 1.7 ± 0.8 1.7 ± 1.1 1.00 Headache 2.4 ± 1.1 1.7 ± 0.8 0.19 Shortness of breath 1.9 ± 1.1 1.7 ± 1.1 0.81 Dizziness 1.9 ± 1.5 1.6 ± 1.1 0.70 Tendency to gain weight 3.6 ± 0.8 2.9 ± 1.5 0.28 Tinnitus 2.1 ± 1.5 1.4 ± 0.8 0.23 Weight reduction 1.1 ± 0.4 1.5 ± 0.8 0.33 Lumbar pain 2.7 ± 1.5 2.0 ± 1.4 0.38 Languor 2.7 ± 1.1 2.3 ± 1.0 0.45 Arthralgia 2.1 ± 1.1 2.1 ± 1.5 1.00 No feeling of good health 2.7 ± 0.8 2.3 ± 1.1 0.42 Swelling 2.1 ± 1.1 1.7 ± 1.0 0.44 DFPP による酸化 LDL およびペントシジン除去 理学所見・血管機能検査 末梢血液検査では、 DFPP 前後で白血球数 (WBC) に有 体重 ・ 体格指数 (body mass index: BMI) ・ 血圧について は DFPP 前後での有意な変化は認められなかった (Table 2)。 Table 2 意な上昇を認めた(p < 0.001)。 生化学検査では総蛋白(TP) (p < 0.001)、アルブミン (Alb) (p<0.001)、CPK (p =0.014)、 アミラーゼ (AMY) (p < 0.001) に有意な変化を認め、 いず れも DFPP により減少した。 脂質について LDL-C は DFPP 前 Change of biochemical data before and after DFPP (n=41) 後で 129.4 ± 26.6mg/dl から 81.7 ± 21.9mg/dl に低下し (p < 0.001)、 平均除去率は 36.7 ± 10.3% であった (Fig. 1)。 Before After P value WBC 6220 ± 1650 9570 ± 2170 <0.001 97.6 ± 59.7mg/dl に低下し (p < 0.001)、 平均除去率は 63.8 RBC 482 ± 50 490 ± 47 0.463 Hb 14.8 ± 1.4 15.0 ± 1.2 0.440 ± 16.9% で あ っ た (Fig. 2)。 HDL-C は 48.8 ± 14.0mg/dl か Hct 44.1 ± 3.9 45.2 ± 3.5 0.206 PLT 22.6 ± 5.1 22.2 ± 5.4 0.758 TP 6.8 ± 0.4 6.0 ± 0.4 <0.001 ALB 4.2 ± 0.2 3.8 ± 0.3 <0.001 BUN 16.1 ± 4.0 15.6 ± 4.0 0.613 CRTNN 0.78 ± 0.19 0.77 ± 0.19 0.831 UA 6.5 ± 1.1 6.1 ± 1.6 0.098 TB 0.7 ± 0.24 0.4 ± 0.4 0.362 AST 29 ± 14 25 ± 14 0.307 ALT 36 ± 29 31 ± 26 0.203 γ-GTP 62 ± 54 48 ± 37 0.204 LDH 195 ± 64 171 ± 60 0.082 CPK 105 ± 35 87 ± 31 0.014 AMY 68 ± 21 47 ± 13 <0.001 BS 154 ± 66 140 ± 65 0.340 中 性 脂 肪 (TG) は DFPP 前 後 で 263.9 ± 113.1mg/dl か ら ら 39.8 ± 11.1mg/dl に低下した (p < 0.001)。 酸化 LDL-C は 85.5 ± 26.3mg/dl から 65.4 ± 26.0mg/dl に低下し(p =0.009)、 平均除去率 21.8 ± 24.2% であった (Fig. 3)。 脂質異常症治 療薬服用による LDL-C 除去率への影響に関しては、 服用群 (35.8 ± 9.4%, n=26) と非服用群 (37.8 ± 10.3% n=15) にお ける各種脂質の差に有意な差は認められなかった。 性差にお い て も 男 性 (35.8 ± 9.0%, n = 31) と 女 性 (38.6 ± 11.8%, n=10) 間で各脂質の除去率に有意な差は認められなかった。 2 型糖尿病者 9 例における検証では、 ペントシジンは DFPP 前後で 129.4 ± 29.7pmol/ml から 100.7 ± 24.1pmol/ml に減少 し (p < 0.001)、 平 均 除 去 率 は 21.3 ± 12.9% で あ っ た (Fig. 4)。 HbA1C の変化に関しては少数例 (除去率 : 0.9 ± 1.0%, n=4) ながら有意な変化は認められなかった。 炎症反応検査では、CRP は 0.188 ± 0.312mg/dl から 0.129 ± 0.228mg/dl に減少した (p < 0.001) (Fig. 5)。 41 例の内、 7 例が約 1 か月後に再治療を受けているが、 脂質数値にリバ ウンドは認められなかった。 Fig. 1. Change in LDL-C ***p<0.001, paired t test, n=41. ( 4 ) DFPP による酸化 LDL およびペントシジン除去 Fig. 2. Change in TG ***p<0.001, paired t test, n=41. Fig. 3. Change in oxidized LDL **p=0.009, paired t test, n=41. ( 5 ) DFPP による酸化 LDL およびペントシジン除去 Fig. 4. Change in pentosidine ***p<0.001, paired t test, n=9(diabetes as complication). Fig. 5. Change in high sensitive CRP ***p<0.001, paired t test, n=41. ( 6 ) DFPP による酸化 LDL およびペントシジン除去 考察 粥状動脈硬化は、 アテロームと呼ばれる、 コレステロール、 カルシウム (Ca)、 炎症細胞の混合物が内膜に沈着して生じ 今回の研究では、 DFPP の動脈硬化性疾患に対する予防的 る 29)。アテロームはマクロファージ、平滑筋細胞、細胞外マトリッ 効果の可能性を検討することを目的に、 動脈硬化のリスクファ クス、 弾性線維で構成される。 病変の進行にはマクロファージ クターである LDL-C、 酸化ストレス、 糖化ストレスの軽減効果 が関与し、 LDL-C は酸化ストレスあるいは糖化ストレスを受け について検証した。 高 LDL 血症 29 例と境界型高 LDL 血症 ると修飾 LDL-C に変化し、 マクロファージのスカベンジャー受 12 例の計 41 例に対し DFPP を施行した結果、 LDL-C、 中性 容体を介して貪食される 3)。 大量に脂肪滴を含むマクロファー 脂肪、 酸化 LDL、 ペントシジンの減少を認め、 高感度 CRP ジは泡沫細胞と呼ばれ、 病変部に集積する。 さらに Ca 沈着 は全例で低下した。 DFPP によって酸化ストレスおよび糖化ス や線維化が進み、 血管腔は狭小化する。 脂質異常症 (LDL- トレスが軽減された結果、 炎症が軽減され、 動脈硬化の危険 コレステロール高値)、 喫煙 (酸化ストレス)、 糖尿病 (糖化ス 因子が減ることが示された。 以上より DFPP が動脈硬化に対し トレス) はアテローム動脈硬化の主要危険因子である。 予防的に作用する可能性が予想される。 また、 これまで血清 酸化 LDL は酸化的変性を受けた LDL の総称であり、 LDL LDL-C の低下 22-26)、酸化 LDL の低下 16,27) の報告はあるが、 中の脂質過酸化生成物が LDL の主要な蛋白であるアポ B を ペントシジンなどの AGEs 除去作用については本報告が初め 修飾したものが酸化 LDL である 16)。 代表的な脂質過酸化産 てである。 物としてマロンジアルデヒド (MDA) が同定されており、 MDA によりアポ B が修飾を受けた LDL がマロンジアルデヒド修 飾 LDL (MDA - LDL) と呼ばれる。 経皮的冠動脈再建術 動脈硬化と糖化ストレスの関与 (PCI) 治療を行った糖尿病 (DM) 患者において、 PCI 治療 血管は加齢に伴い退行性変化を生じ、 動脈硬化に至る。 動脈硬化とは動脈が柔軟性を失い劣化した状態で、 病理学 的には、 粥状 (アテローム性) 動脈硬化、 メッケンベルグ型 中膜硬化、血管壁の線維化の大きく 3 つに分けられる (Fig. 6) 28)。 前の MDA - LDL 値と、 PCI 治療後に発生した再狭窄との関 連を検討したところ、 再狭窄群では非再狭窄群に比べ MDA - LDL が高値を示し、 MDA-LDL ≧ 110U/L の場合は MDA - LDL < 110U/L の場合に比べ、 相対危険度 5.3 で再狭 窄のリスクが高い 18)。 MDA - LDL などの酸化 LDL は動脈 硬化の進展や冠動脈疾患の発症に関連すると考えられている 17,18,30,31)。 Fig. 6. Arteriosclerosis and mitigation of risk fact by DFPP ( 7 ) DFPP による酸化 LDL およびペントシジン除去 血管壁の線維化に関与する細胞内シグナルパスウェイとし て Wnt シグナルが重要である 32)。 有害事象について 筋芽細胞と線維芽細胞と は共通の前駆細胞から分化するが、 Wnt シグナルを活性化 させると線維芽細胞への分化が促進され、 線維化が進行す る。 Klotho 遺伝子及び翻訳蛋白 Klotho 蛋白は様々な老化現 象に関わる。 Wnt シグナル抑制剤 DKK1 を老齢マウス筋肉に 投与すると筋肉の線維化が抑制されること、 Klotho が Wnt と 直接結合して Wnt 活性を抑制することが報告されている 33)。 Wnt シグナルの活性化因子として、 炎症性サイトカイン、 酸化 ストレスが知られることから 34)、 糖化ストレスは AGEs → RAGE 活性化 → 炎症性サイトカイン増大といった機序を経て、 Wnt シグナルを刺激する可能性がある。 血管壁の加齢性変化として石灰化がある。 腎臓透析やリン 摂取過剰により血清 Ca ×リン積値が上昇すると、 リン上昇に よる二次性副甲状腺機能亢進症と Ca 上昇による骨形成低回 転化が生じ、 血管における Ca 代謝が変化する 29)。 Klotho 蛋白は Ca 代謝の制御因子として機能する。 Ca 低下に応答し、 DFPP などアフェレシス療法は劇症肝炎や急性肝不全など 重篤な肝臓疾患、 重症膵炎や腎疾患に対しても救命目的を 多数施行されており、 その点では安全性が確立された治療法 となっている。 有害事象としては嘔気、嘔吐、血圧低下、欠伸、 発汗、 冷汗、 頻脈、 発熱、 Ca 喪失などの報告があるがほと んどが一過性であった 42-44)。 当院では特に重篤な有害事象 はみられなかった。 先行研究 11) では、 DFPP 1 ~ 2 週後に LDL-C などの脂質 が前値より上昇し、 みかけ上のリバウンド現象がみられた。 し かし、1 ~ 2 週間後の LDL-C が不変あるいは増加していても、 身体からは確実に LDL-C が除去され、 体内残存の LDL-C 由来代謝産物は減少している。 また、 脂肪組織の炎症反応は 確実に改善することから、 脂肪肝ならびに体脂肪の質的改善 につながると考えられる。 問題解決のためは症例数を増やす ことと、 観察期間が長くすることが必要である。 細胞表面への Na+,K+-ATPase 動員、 腎尿細管での Ca 再吸 収、 副甲状腺からの PTH 分泌を誘導する 34)。 Klotho が遺伝 子レベルあるいは蛋白合成レベルで障害されると、 骨からの Ca 動員、 血清リン及び Ca の上昇、 腎や血管壁の石灰化が 結語 顕著となる。 AGEs は培養血管平滑筋細胞の石灰化を 35,36)、 DFPP によって炎症マーカーおよび酸化 LDL が軽減された また RAGE (receptor for AGEs) を介して中膜石灰化を促進 結果から、 DFPP が動脈硬化の危険因子を減らし、 動脈硬化 する 37,38)。 に対し予防的に作用する可能性が示唆された。 DFPP により 糖化ストレスのマーカーであるペントシジンの有意な低下が認 められ、 直接的な除去以外にも、 抗炎症作用を介した二次的 な減少機序も可能性も考えられた。 DFPP の意義 高 LDL-C 血症の治療は運動療法および食事療法生活習 慣の改善を主体として、 コレステロール吸収阻害剤や合成阻 害剤といった薬物療法が必要に応じて用いられる。 これらの治 療法はすでに身体に経年的に貯留したコレステロールは除去 利益相反申告 できない。 従って DFPP が唯一の直接的コレステロール除去 療法と位置づけられる。 本研究を遂行するにあたり同志社大学大学院生命医科学研 究科アンチエイジングリサーチセンターは旭化成メディカル株 心血管イベントの危険因子は LDL-C、 酸化ストレス、 糖 式会社より奨学寄附金を受領した。 化ストレスなど複数あり、 因子数の増加に伴いリスクは相乗的 に増加する。 DFPP は LDL-C 除去効果に加え、 酸化ストレ 本研究の要旨は第 12 回日本抗加齢医学会 (2012 年) に て発表した。 スを軽減することで、 複数の危険因子を減らすことができる 2426)。 LDL-C 蓄積過剰がマクロファージ系細胞を介して炎症を 惹起して、 アテローム動脈硬化の進展や単純性脂肪肝から非 アルコール性脂肪肝炎 (NASH) への進展を促す可能性があ り 39,40)、 DFPP によるコレステロール除去がこの悪循環を断ち 切る可能性があることはすでに報告した 11)。 AGEs の中でもペ ントシジンは炎症性サイトカインの転写因子である NF- κ B 誘 発作用が強い 41)。 従って、 今回 DFPP によるペントシジン減 少は炎症性サイトカイン生成を抑制し、 CRP 減少をもたらす。 糖化ストレスの軽減および炎症反応の鎮静化といった心血管イ ベント危険因子数がさらに減ることになり、 DFPP は心血管イベ ント抑制に大きく貢献するものと期待できる。 また、 ペントシジ ンの有意な低下を認めたことにより、 DFPP が糖尿病の骨病変 の予防につながる可能性が示唆された。 ( 8 ) DFPP による酸化 LDL およびペントシジン除去 References 1) Yonei Y, Mizuno Y: The human dock of tomorrow-Annual health checkup for Anti-Aging. 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