いちごいちえ (1)2004年(平成16年) 8月20日(金) 病院広報 一期一会 美幌町立国民健康保険病院広報誌 第3巻 第5号 (通巻第26号) vol.3 発行/美幌町立国民健康保険病院 no.5 〒092-0004 北海道網走郡美幌町字仲町2丁目 ℡(01527)3-3111 FAX (01527)2‐3595 e-mail [email protected] http://www.ohotuku26.or.jp/bihoro/byouin/link4-8.htm 編集・製作/美幌町立国民健康保険病院広報委員会 発行責任者/佐藤 信智 編集責任者/村田 剛 薬 局 新分包機の導入 当院内の薬局は入院および透析に関する調 剤を行っています。今回は当薬局の新しい粉 薬の分包機に付いて紹介します。 分包機とは粉薬を1回分ずつ包装する機械 のことで皆さんも病院や薬局で粉薬をもらっ た時、四角く区切られた袋に入っているのを 見たことがあると思います。粉薬の包装とい うと昔は白い紙に1回分ずつ折りたたまれた ものが主でしたが今では様々な機械が登場し 人間の手を介さずに機械が粉薬を分けて包装 してくれるようになりました。 今回、導入された分包機はさらに発展して あらかじめ別のパソコンで入力された処方の 内容の中の粉薬の情報だけが分包機に読み込 まれ記憶されます。分包機にもパソコンの画 面がついていて患者さんのID番号を入力する と読み込まれた処方が表示されます。(薬の 名前、のみ方、量や日数)そこに計った粉薬 と表示された内容を確認したあと機械の中に 入れて画面に触れるだけで粉薬が分包されて 出て来ます。分包され たものには患者さんの 名前や飲み方の他に 入っている粉薬の名前 がすべて印刷されるの で病棟では看護師から 薬を仕分けする際に 「と て も わ か り や す なった」との声が聞か れるようになりまし た。 近年、医療業務の中で患者さんに対する医 療内容の情報提供が進む中、入院中に出され た薬の内容をどのようにしたらわかりやすく 伝えることができるか、また誰が見ても薬の 内容がわかるということは医療ミスを防ぐと いう観点からも必要なこととなっていきま す。 以上のことをふ まえて今回、導入 された分包機がそ の一助となればと 願っています。 (担当 檜山美雪) いちごいちえ (2)2004年(平成16年) 8月20日(金) 病院広報 一期一会 医局だより 最近流行した発疹の でる病気について 小児科医長 いたくら おさむ 板倉 治 でんせんせいこうはん りんご病(伝染性紅斑) 通称りんご病と呼ばれている病気は、正式に は伝染性紅斑とう病名です。ほっぺたに紅斑 ができて赤くなるため、りんご病と呼ばれてい ます。 発疹は主に、頬部、上腕、大腿にレース状・ 網目状の紅斑として認められます。上肢、下肢 全体や体幹に広がることもあります。大体は数 日から一週間程で引きますが、その後,発疹が また出て来ることもあります。 原因はヒトパルボウイルスB19というウイルスの 感染です。感染後一週間ほどで、軽いかぜ症 状が出る事もありますが、気付かれないことも あります。発疹が出るのは感染後16日から18 日ころです。この時期はもう人にうつす時期で はありませんので、体調が良ければ普通の生 活をしていてかまいません。 この病気をなおす薬はありませんが、痒みの 強いときには痒み止めなどを使う事がありま す。今のところワクチンなどの予防法はありま せん。 通常は予後良好な病気ですが、溶血性貧血 の人や妊婦が感染すると、貧血が重症化した り、流産、死産を起こす事があるので注意が必 要です。 第3巻 第5号 (通巻第26号) 原因はコクサッキ-ウイルスA16、エンテロウ イルス71というウイルスの感染です。他のコク サッキ-ウイルスで起こることもあります。 初夏から秋に流行することが多く、夏かぜと 呼ばれるかぜの一種です。 この病気をなおす薬はありませんが、口の痛 みで飲食が出来ず脱水症になることがあり、そ の時は補液(点滴)が必要となります。ほとんど は軽症の病気ですが、稀に脳炎、脳症になる ことがあります。発熱が続き頭痛、嘔吐などが ある時は注意が必要です。 今のところワクチンなどの予防法はありませ ん。 全身状態が良ければ幼稚園、学校などは休 まなくてもよいことになっています。その理由 は、3週間程は感染する時期なのですが、通 常は軽症の病気なので3週間もの長期にわ たって得休ませる必要はないとの考えからで す。ただし発熱している期間や、口の痛みの 強い時期は家で安静にしていましょう。 平成16年7月30日 (担当 板倉治) おまけ 小児に多い感染症で通称 で呼ばれているものがあります。 それらを正式名称と並べてみました。 通称 正式名称 ましん はしか ・・・・・ 麻疹 ふうしん 三日はしか ・・・・ みずぼうそう 水疱瘡 風疹 すいとう ・・・・・ 水痘 りゅうこうせいじかせんえん おたふくかぜ、ムンプス 流行性耳下腺炎 手足口病 発疹が主に手、足、口に出る病気です。発 疹は水泡性で手掌、足底に出ますが、手足全 体や肘、膝、臀部に出ることもあります。口の 中の発疹は痛みを伴うことが多く、症状が強い と飲食が出来なくなる事があります。3割程度 に1日から3日程の発熱を認めます。 でんせんせいこうはん りんご病 ・・・・ 伝染性紅斑 いんとうけつまくねつ プール熱 ・・・・ 咽頭結膜熱 でんせんせいのうかしん とびひ ・・・・・ 伝染性膿痂疹 でんせんせいなんぞくしゅ みずいぼ ・・・・・ 伝染性軟属腫 いちごいちえ (3)2004年(平成16年) 8月20日(金) 病院広報 一期一会 私の体験記 看護師 ふじしろ ゆきえ 藤代 幸恵 私は、3病棟勤務の看護師です。当院に勤務して、 4年目になります。今回は、初めて胃カメラをした時の ことを書くことにします。 当院職員は年に2回の健康診断があり、30歳以上 になると胃の検査をすることになっています。こちらは 年に1回で、胃カメラか胃バリウムかは自分で選択す ることができます。私は、当院に勤めて初めて胃カメラ をしました。それまではマニュアル通りに患者さんに は、「お口の中に麻酔をかけて、体の緊張をとる注射 をして…。」と説明していましたが、いざ自分がすると なると不安がいっぱい。もう、ドキドキです。まず、夕食 後から検査終了までの絶食。普段からしっかり食べて いる私には、朝食抜きでも相当つらい。朝起きて何か 食べたらどうしようとか、考えたりしました。 さて検査日当日、まずは柔らかい椅子に座り、ゼリー 状の薬を2回に分けて口に含みます。10分ほどその 状態 でい て、1 度出 し てし まい ます。こ れ を2 回 しま す。出した後、自分でもびっくりしました。唾液が、後 から後から出てくるのです。ティッシュで拭いても拭い ても、出てきて出てきてあっという間にゴミ箱の半分が マイティッシュになってしまいました。私は、唾液製造 マシーンと化してしまいました。カーテンで仕切られて いるとはいえ、恥ずかしかったです。それから腕に注 射をして、いざ本番。思っていたより、スムーズに飲み 込むことができました。時間にすると、10分かからな かった と 思い ます。「案ずる より 産 むが やす し」です ね。それから胃カメラの説明をする時は、以前よりかな り詳しく するように なった と思 います。そう 考える と、 やってよかったです。(今だから言えるけど) (担当 内田美和子) 病院実習を終えて 私達は、6月14日~7月9日の間、医療事務に関する 実習をさせていただきました。最初はとても不安と緊 張でいっぱいでしたが、皆さんとても親切に仕事を教 えてくれたので嬉しかったです。今年はいろんな場所 で実習が出来たので1つでも多くのことを学びたいと 第3巻 第5号 (通巻第26号) 思いました。1ヵ月 という期間は長い ようでアッという間 でした。時には辛 いときもありました が皆さんに支えら れ頑張れました。 実 習 で学 ん だ 事 をこの先いかせる よう に し て い き ま 札幌医療秘書福祉専門学校 す。実習中はたく 安藤 栄・城 早苗・山崎 美由紀 さん迷惑をおかけ したと思いますが、少しでもお役にたてていられたなら 嬉しいです。本当に有難うございました。 (担当 佐藤信智) 旭川医科大学医学部 実習生 石羽沢 明弘 7月5日~7月9日までの5日間、 臨地実習をさせていただきました。 美幌町立国保病院は非常に新し い 病 院 で、大 概 の 診 察・検 査・処 置・手術 など は できるだけの設 備 が整っ てい て、町の 中隔 となる 病 院であるというのがよくわかりました。さらに、眼科では 遠隔医療システムも整備されていて、診察・手術だけ でなく、定期的に旭川医大の他科の先生による、医療 スタッフあるいは住民向けの講演会が行なわれている ことに驚きました。私もたまたまこの講演会に参加する ことができたので貴重 な体験 であ ったと思 っ ていま す。 また、スタッフ間の関係が非常に良いと感じました。 大学ではどうしても縦割りで、他科の連携や医師と看 護師、技師さんの関係が希薄になりがちですが、この 病院においてはその垣根が非常に低く、皆お互いの ことをよく理解しながら仕事をしているように感じまし た。 一方では、やはり僻地としての問題点もいくつか見ら れ、その中でも最も問題となると思ったのは科の閉鎖 です。整形外科と産婦人科がないのは患者さんにとっ ても、他科先生にとっても不利益です。実際、整形外科 的な疾患の大半は外科の先生が専門外でなくても見 なくてはならない状況にありました。皮膚科にしても同 じです。産婦人科にいたっては内科・外科どちらにして も専門とはかなりの隔たりがあるので、やはり産婦人科 医が常にいることが必要と思われますが、現在不在と いう状況は町民にとっても非常に改善が望まれること だと思います。 一週間、先生方をはじめ、スタッフの方々には本当 にお世話になりました。短い間ではありますが、大変 良い体験ができたと思っております。ありがとうござい ました。 (担当 佐藤信智) いちごいちえ (4)2004年(平成16年) 8月20日(金) 病院広報 一期一会 宮田前助役(当院元事務長)の訃報に接して 7月8日朝、出勤した時に放射線科長より、宮 田さんがお亡くなりになったと聞かされ、大変 残念でなりませんでした。7月10日告別式に 参列させていただき、出席者の顔ぶれ、町長 の弔辞及び弔電等に触れ、改めて宮田さんの 人柄及び実績を知らされました。なによりも当 院改築にあたってのご尽力には、頭が下がる 思いです。その後の美幌町を取り巻く情況を 考えると、あのタイミングを逃しての改築は相 当厳しくなったのではないかと思えてなりませ ん。当時、設計段階での打ち合わせで、かなり 無理を通して頂いた事が思い出されます。そ の後助役となられましたが、わたしの宮田さん へのイメージは“事務長”のほうが強く、お会い するたびに「事務長さん」と呼びそうになったこ とが何度かあります。最後にあえて言わせて頂 きます。 「宮田事務長、安らかにお眠り下さい。」 〈合掌〉 放射線科:佐藤 看護職員の院内研修会の開催 国保病院では旭川医大と眼科での遠隔医療 を行うほか、地域の健康づくりの一環として町 民対象の講演会なども開催しておりますが、こ の度、保健福祉総合センター「しゃきっとプラ ザ」が建設されることから、地域域包括ケアシ ステムの確立につき、看護職員の果たす役割 などが求められていることから、旭川医科大学 看護学科の北村久美子教授による、初めての 看護職員の遠隔システムを利用した専門研修 を開催いたしました。 北村教授からは「高齢化が進む中、家族に よるお年寄りの介護には限界があり、安心して 住めるまちづくりのためには、地域包括ケアが ますます重要になる」との講話や、さらに「地域 包括ケアで大きな役割を担う訪問看護の必要 性とともに、訪問看護の重要な要素として大切 なのは、療養者やその家族と信頼関係を築く 能力と人間性だ」という看護師の資質の問題 が投げかけられました。 今後も、地域の基幹病院として保健・医療・ 福祉のネットワークの形成に向け職員の資質 第3巻 第5号 (通巻第26号) 向上のための職場研修を進め信頼される病院 づくりを進めたいと考えます。 (総務課 大村) 講演会のご案内 タイトル 「 アトピー性皮膚炎の対処と 治療法について」 日時 8月27日(金) 18:00~ 場所 国保病院 1階会議室 講師 飯塚 一先生 旭川医科大学 皮膚科学講座教授 ※参加費無料 日頃、アトピー性皮膚炎でお悩みの方に対し 対処方法や治療方法など分かりやすくご講演 していただきます。 町立国保病院では、テレビ会議システムを用 いて旭川医大の遠隔医療センターと光ファイ バー回線を通して、町民皆さんの健康づくりの 一環として遠隔講演会を開催しております。 これまで「黄班疾患患者の視機能」「皮膚の 若返り」「花粉症がわかる」「パソコンから眼を 守る」と題し、旭川医大の専門の教授より講演 をいただいており、今回は「アトピー性皮膚炎」 について次のとおり開催いたします。 なお、このシステムは眼科の遠隔診療にお いて積極的に活用しているものであり、旭川医 大と国内29施設・国外2施設が遠隔医療支援 ネットワークで形成されている最先端の医療 ネットワークといえるものです。 当日は、テレビ会議システムを通じ講師先生 への質問もできますのでお気軽に参加して下 さい。 (担当 村田剛) ※( )には原稿を担当した委員の名前を示しています。
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