大阪府立母子保健総合医療センター 薬局 調剤内規 (平成24年1月改訂

大阪府立母子保健総合医療センター
薬局 調剤内規 (平成24年1月改訂)
[1]剤形の選択
基本的な剤形選択の優先順位
(1)錠剤(カプセル)
(2)散剤
(3)水剤
[2]錠剤(カプセル剤)の調剤
(1)1回量1包包装について
○ 入院調剤では、1回量を1つ(1包)にする。(母性棟、分娩部を除く)
また、服用時毎に用量が異なる処方にあっては服用時毎に1つ(1包)にする。
例、朝3錠、昼2錠、夕1錠、等
外泊処方は入院と同様1回1包、外来と退院処方はヒート、PTPのままで調剤する。
○ 但し、次のものについてはPTP包装(SP包装)のまま調剤する。
a,吸湿性のもの
b,冷所保存のもの
c,遮光保存のもの
d,その他1包包装に適さないもの
〇但し、母性棟患者は自己管理されており、すべてPTPのままで調剤する。
(2)半錠分割について(半錠指定、1/4錠指定を含む)
錠剤で1回半錠(又は、1.5錠、2.5錠等)で処方されている場合は、
ハーフカッター等で分割し、錠剤分包機により分包する。
但し、次の場合はPTP包装(SP包装)のまま調剤する。
a,吸湿性のもの-アスパラカリウム、デパケン、ザンタック、レナジェル等
b,その他適さないもの-タケプロンOD、糖衣錠等
c,バファリン配合錠 A81 1回 0.5 錠処方で30日を越える場合。
(3)ワンドーズ指定について
処方箋にワンドーズを指定して処方されている場合は、服用時毎に錠剤
分包機にて分包する。
但し、(1)a,b,c,dについては除外する。
(4)ワンドーズの印字について
1 包毎の印字は薬品名、成分量、錠数(個数)とする。
錠剤は〇錠、カプセルは〇CA、0.5 錠、0.25 錠は〇個で表示する。
例:バクタ配合錠 0.5T 3個
[3]散剤の調剤
1処方中の散剤は配合禁忌等を除き、基本的に混合する。
但し、錠粉砕については原則として単独投与とする。
(1)賦形について
1包が0.1g未満の時、1包につき0.1g乳糖を加える。(錠砕も同様)
例外として、ドライシロップ剤、漢方薬、抗生物質等の小児用細粒、顆粒などは
1包が0.03g未満の時、1包につき0.1g乳糖を加える。
乳糖不耐の患者には乳糖の代わりに原則としてバレイショデンプン等を使用する。
(2)単独投与について
次の薬品については単独投与とする。
a,ドライシロップ剤
b,抗生物質製剤等
c,錠剤を粉砕したもの-但し、調剤コメントで混合を指示された場合は混合する。
(3)錠剤(カプセル剤)の粉砕について
①. 錠(カプセル)が粉砕指示で処方されている場合は、例外を除き錠粉砕、
脱カプセルし調剤する。
例外、 a,吸湿性のもの
b,冷所保存のもの
c,粉砕に適さないもの
d,バファリン配合錠 A81 で粉砕し30日を越える処方
〇あらかじめ錠、カプセルの粉砕を調製してある場合は、これを使用する。
また、複数規格ある場合は、大きい方の規格を粉砕に使用する。
○ カプセル剤粉砕指示で整数倍(1回1カプセル、2カプセル等)の時は服用時に
カプセルをはずして服用するよう薬袋記載したうえで、そのまま投薬する。
○ メンドンの粉砕について
吸湿性及び適応に注意し粉砕調剤する。
⇒ 但し、14日分以内であることと、吸湿に注意すること!(2006.7.27)
○ エルカルチン粉砕については水剤調剤へ
②.賦形について
散剤に準ずる。
(4)分包紙への印字
○ 薬品名
出来る限り正式名を印字する。
但し、重質酸化マグネシウム、沈降炭酸カルシウム、フロモックス小児用細粒、
バクタ配合顆粒等の重質、沈降、小児用等および「配合」、「末」、「散」、「ドライ
シロップ」などは省略する。
例外、アレビアチン散はそのまま散まで印字する。
錠粉砕と散剤(細粒、顆粒)がある場合は次のように区別する。
a,錠砕と細粒、顆粒--細粒、顆粒に「G」
例)バクタG 1g
b,錠砕と散剤--錠粉砕には単位を「○T」
例)バクタ 0.5T
○ 1包中の分量
単味の薬品については出来る限り成分量で「mg(又はg)」、割り切れない場合は
「mg/3(又はg/3)」等とする。(「mg/4」「mg/6」等は使用しない)
・配合剤(処方量は調剤量の表示あり)にあっては薬品の重量を「g」で表示する。
また、例外薬剤についても薬袋の薬品名に(処方量は製剤量)とした上で「g」とする。
配合剤の錠粉砕調剤時には「○T」 「○T/3」 、割り切れる場合は小数点で、
割り切れない場合は分数で表示する。
複合剤のカプセル粉砕は「C」で同様に表示する。
例:グリチロン 1T/3
(5)SP包装の散剤、顆粒剤の取り扱い
SP包装の医薬品が採用になっている場合は、SP包装を優先する。
○ 外来は1回量がSP包装1包未満、又はSP包装4包以上となる場合は、
1回1包に分包する。
○ 入院は例外を除き全て1回1包に分包する。
例外、分包品のみあって1回2包又は3包に相当する場合。
インタール細粒、プログラフ1mg分包、ビオラクチス、ビオスリー配合散、BF-R、
ビオフェルミン配合散等
○ SP包装だけを在庫している医薬品と計量の医薬品が同一処方内に処方されて
いる場合は、別包とする。
○ プログラフ顆粒の取り扱い
1mg分包と 0.2mg分包を組み合わせて調剤する。
分包品(製品)を分割調剤する場合は 1mg分包のみ使用し、1 回に服用する時、
分包品(製品)、分割調剤品を組み合わせて 2 種類までとする。
[4]水剤の調剤
(1) 同一処方内の水薬は、配合不可及びつぎのものを除き原則として混合する。
a,抗てんかん剤
b,抗生物質
c,油性シロップ
d,その他
(2)原液投与医薬品(希釈しない)
次の薬品は必ず原液で調剤する。
アルファロール、ネオーラル、ラクツロース、トリクロリール
新生児棟で入院、外泊処方の水薬すべて(2006.7.27)
(3)希釈について
1.小児用-1回量が出来るだけ少量になるよう単シロップを加えて調剤する。
外来、入院(一部入院を除く)
(1回量)
○ 1回量 ≦ 2mL-----
(添付する計量器)
0.1mL 単位--2mL のスポイド
○ 2mL < 1回量 < 10mL--- 0.5mL 単位--10mL のカップ
○ 10mL ≦ 1回量------ 1mL 単位 ---20mL のカップ
* カップ、スポイドのパンフレットに1回量と目盛りの所に矢印を記入し
添付する。 (外来、退院処方のみ)
* 入院処方、外泊処方、退院処方については、指示票を添付する。
(4)新生児棟で動脈管開存症に使用するポンタールシロップは処方量に
関係なく1mLを計りとり常水で10mL となるように調剤する。
母性棟・分娩部
○ 原則として投薬瓶の目盛りを利用して全量が出来るだけ少量となるよう
常水を加え調剤する。
○ 投薬日数は14日以内とする。
○ セネガシロップが処方されている場合、同時に単シロップが処方されて
いても省略する。
(5)ミダゾラムシロップ
内服用シリンジ(5mL)を使用する。シリンジ用キャップで封をして投薬。
(6)硫酸アトロピン内服液
硫酸アトロピン注射液を使用し、1 回0.5mLになるよう単シロップを加える.
1 回が0.5mLを超えるときは、0.1mL単位になるよう単シロップを加える.
(7)同一処方内に水剤と散剤が処方されている場合
水剤と散剤を別々に調剤する。
(8)1本単位で交付する水剤
ファンギゾンシロップ、トレーランG
(9)特殊水剤
○ エルカルチン錠粉砕
1錠が1mL となるよう常水に溶解し、1回量が0.1mL 単位になるよう常水で調整し、
調剤する。 一回量が2mLを超える際の希釈は(3)と同様に希釈を行う。
但し、溶解調剤は14日分までとし、冷所保存とする。残りは錠剤で投与し
溶解方法等を説明する。
[5]外用剤の調剤
(1)軟膏剤の混合
調剤コメントに混合指示があれば、混合し出来るだけ少ない数の容器に入れ、
容器にラベルを貼付して交付する。
○ 容器が2個以上になる場合は、同一である旨の文書を添付する。
(2)包装単位での交付
シップ剤等で、1袋に数枚が包装されている薬品については、1袋単位で交
付する。
(3)0.5%アトロピン点眼液
点眼薬容器にシリンジで1%硫酸アトロピン点眼液を2.5mL入れ、生食2.5mLを加
え調製し交付する。残液は廃棄する。
(4)うがい薬(アスピリン、トランサミン 250mg錠、炭酸水素ナトリウム)
(ⅰ)トランサミン250mg錠は粉砕し、アスピリン、炭酸水素ナトリウムは
秤量し混合する。
(ⅱ)1日分を1包として分包する。(最大5日分)