VIETNAM - Biglobe

(お願い)
・データファイルを閉じる時はツールバーの「←」戻るをクリックして下さい!
VIETNAM
DATA
FILE
2004
更新日:2004/7/1
(ご注意)
当データファイルを無断で転記またはコピーして
配布する行為を禁止します。また当データの扱い
によって問題が生じた場合、著者は一切責任を負
えませんのでご承知願います。
なお取材時期の関係で直近の状況が異なる場合が
予想されますのでご容赦お願い致します。
著作者
1
序
文
いま東アジアで最も注目をあびている国がベトナムです。
ベトナムは1975年に念願の南北統一を実現しましたが長く続いた戦争で
国家は疲弊し、燐国カンボジアの内戦に侵攻、さらに最大の援助国であ
ったソ連邦の崩壊という大事変に遭遇したことで経済は破滅的な状態に
陥りました。しかし1986年の国会決議によってドイモイ(刷新)政策を
決定したことから経済は劇的に立ち直り、88年に公布した新外資法は西
側企業を歓迎し優遇措置を盛り込んだことで外国投資が急拡大するに到
りました。1995年 2月にベトナムは米国と関係正常化を果たし同年 7月
にはアセアン(ASEAN) の正式同盟国になりました。日本の企業投資はド
イモイ後しばらくはスローでしたが米国がエンバーゴ(禁輸)を解除し
たことから堰を切ったように拡大に転じ、97年には7億7,500万ドルで第
一位の投資国になりました。また日本のベトナムに対するODAは世界
一を続けており、ベトナム側も欧米先進国には実施していない短期入国
ビザを日本人には不要としております。
日越の関係は古く中部ホイアンとの貿易の往来は朱印船の名でよく知ら
れておりますし後の不幸な大戦でも長きに渡ったフランスの植民地化を
終わらせる契機になったことなどからベトナムはアジアの中でも屈指の
親日国家となっております。
近年中国の経済発展が突出して目立つアジアですがここにきてチャイナ
プラス
ワンをベトナムに向ける外国投資が増加しております。今後ベ
トナムの経済発展が飛躍的に加速することは間違いないと予測されてお
りまさにこれからがベトナムはおもしろいと申せます。
本書はベトナムの現況を理解するために各種データを収集したものです。
ベトナムに関心のある方々に少しでもお役に立てればと思っております。
2004 7/1 著作者
2
(目
次)
一般事情
4
ベトナムの国家組織
5
ベトナムの国家指導人事
6
ベトナムの閣僚人事(写真)-------------------- 7
ベトナムの閣僚一覧---------------------------- 8
ベトナムの行政組織図・行政区分地図------------ 9
ベトナムの行政区画表-------------------------- 10
ベトナム共産党・国防-------------------------- 11
ドイモイ
13
ベトナムの産業構造
14
ベトナムの投資環境
17
計画投資省(MPI)
- 23
投資案内(在日大使館資料)-------------------- 24
外国投資と申請について
27
外国投資申請承認のプロセス
28
合弁企業の認可フローチャート
29
法規制関連手続き
31
ベトナムの銀行
32
保険会社・税務会計業務会社
36
ベトナム商工会議所
37
駐在事務所
38
事務所の設置(在日大使館資料)---------------- 40
経済特別区(EPZ・IP)
44
優遇制度(在日大使館資料)-------------------- 45
タントゥアン輸出加工区
50
サイゴンサウス計画
51
ベトナムの貿易統計
52
ベトナムの貿易 2000-2001(ジェトロ資料)-------- 53
日本の貿易(在日大使館資料)-------------------55
外国投資認可統計
57
インフラストラクチャ
58
日本の対越ODA
66
ホーチミン市の案内
69
ハノイ市の案内
73
ベトナムの歴史
76
ベトナム戦争
79
ベトナムの社会主義革命
82
(特選資料)ベトナムの概説----------------------84
3
一
・国
名
般
事
情
ベトナム社会主義共和国 (Socialist Republic of Vietnam)
(1976年 7月 2日南北統一国家として成立)
・国
旗
金星紅旗
・国
歌
「進軍歌」(1946年第1期国会で制定/作詩作曲-1944年 バン カオ)
・面
積
329,566k㎡(九州を除いた日本の面積に相当)
北緯 8.35 ~23.4度
東経 102.8~109.4 度(日本より約3,600Km)
・首
都
ハノイ(行政区:57省・4中央直轄地:ハノイ、ハイフォン、ダナン、ホーチミン)
・人
口
2000年:78,523千人
・民
族
キン族 90%
男49% 女51% 人口増加率1.8%
他(タイ、 クメール、 華人、ムオン 、ヌン等少数民族53)
・公用語
ベトナム語(文字表記はローマ字表記を使用) 人口の 90%が使用
・宗
教
大乗仏教 80%、カトリック 9% 、他(カオダイ教、オアハオ教など)
・政
体
社会主義共和制
・政
党
共産党1党のみ(憲法69条にて共産党以外の政党も認められている)
・国
会
・教
育
(1院制) 450議席(97年選挙)
任期5年
小学校5年、中学校4年、高等学校3年、大学(総合4年、単科3年間)
・非識字率
(2000年度)男性 4%
・兵役制
男子18~27才(但し大学合格者は免除)
・通
ドン(Dong)
貨
女性 9%
ハオ(Hao:1/10ドン)
期間 2~3 年
為替:US$1.00 =14,800ドン(2001/7)
紙幣:100 200 500 1000 2000 5000 1万 2万 5万 10万 50万
・外貨準備
コイン:5000 200
18億米ドル(99年)
(経済指標)
・GNP(名目) 30,439百万ドル/1人当り390ドル
・GDP
成長率
・成長率
6.8%
(2001年)
6.7%
工業生産
10.1%
(2001年)
13.9%
農水生産
2.7%
(2001年)
5.0%
サービス
6.1%
(2001年)
6.4%
・インフレ率
・電
圧
・天
候
(2002年目標)
5%以内 (2001目標)
220V(50HZ)
気
温
最暑期
最寒期
年平均
降水量
雨
ハノイ
29.2℃
17.2℃
23.2℃
ハノイ
フエ
29.3℃
20.5℃
24.9℃
ホーチミン
29.7℃
24.0℃
27.8℃
期
乾
期
年平均
1530mm
270mm
1800mm
フエ
2320mm
580mm
2900mm
ホーチミン
1800mm
200mm
2000mm
南部-熱帯モンスン地帯(年間を通して猛暑が続く)
北部-亜熱帯(四季があり、12~2 月には 6°C のこともある)
・時
差
グリニッジ標準時(GMT) +7時間
日本より2時間遅れ(サマータイムはなし)
4
●ベトナムの国家組織
ベトナム社会主義共和国の新憲法は1980年12月19日に公布され、ベトナム共産党による
人民統治を確立した。国会はベトナム共産党の指導の元に存在し、共産党の一党政権下に
よる1院制で議席数は395(92年改憲) となっている。国会の常設機関として国会常任委員
会(旧国家評議会)があり大統領が行政の指導者となっている。国会議員選挙は中選挙制
で18才以上の国民投票で行われ、被選挙権は21才以上である。92年選挙時点の有権登録者
数は3,752 万人、158 選挙区であった。地方の行政は政府の下に置かれた省・地方委員会
によって行われている。ベトナムの行政管理は96年の第10国会決議でハノイ市、ハイフォ
ン市、ダナン市、ホーチミン市の4特別市(直轄地)と57省に区分されている。
司法機関としては中央に最高裁判所、その下に地方人民裁判所と軍事裁判所が置かれ、警
察機関には人民警察院と軍事警察院がある。
(国家組織図)
国
共産党
全国代表大会
祖
国
戦
線
会
大統領・副大統領
常任委員会
国保
防障
安評
全議
会
中央委員会
政
府
政治局
首
相
最
高
人
民
検
察
院
最
高
人
民
裁
判
所
副首相
首相府
・国防省
・公安省 ・国家計画委員会
・外務省 ・国立銀行
・司法省 ・少数民族山岳地域委員会
・財務省 ・共産党中央委員会
・厚生省 ・海外投資委員会
・工業省 ・人民最高検察院
・建設省 ・人民最高裁判所
・商業省 ・ベトナム総合保険公社
・水産省 ・ベトナム民間航空局
・文化/情報省 ・入出国認可局
・教育/訓練省 ・中央郵便局
・運輸交通省 ・ベトナム石油公社
・計画投資省 ・ベトナム科学院
・保健省
・ベトナム商工会
・科学/技術/環境省
・農業農村開発省
・労働/戦傷者/社会福祉省
支
部
地方祖国戦線
人
民
軍
地方人民評議会
地方人民検察院
地方人民委員会
軍事検査院
5
地
方
人
民
裁
判
所
軍
事
裁
判
所
そ
の
他
(ベトナムの国家指導人事)
◎共産党指導部人事(2001年4月7日-22日ベトナム共産党全国代議員大会(第9期)
(政治局15人選出)
Nong Duc Manh(総書記)
Tran Duc luong/Phan Van Khai/*Nguyen minh Triet/Nguyen Tan Dung/Le minh Houng
Nguyen Phu Trong/*Phan Dien Le/*Le Hong Anh/Truing Tan Sang/Pham Vasn Tra
Nguyen Van An/Truong Quang Duoc/*Tran Dinh Hoan/*Nguyen Khoa Diem
6
*新任
(ベトナムの閣僚人事)
(資)現地紙 Thoi su 2002 sep8
7
(写真順の紹介)
第11期国会第1回会議
(1)(2)(3)(4)
(1)
首 相
Phan Van Khai
(2)
副首 相
Nguyen Tan Dung
(3)
副首 相
Vu Khoan
(4)
副首 相
Pham Gia Khiem
(5) (6) (7) (8) (9) (10)
(5)
国防大臣
Pham Van Tra
(6)
公安大臣
Le Hong Anh
(7)
外務大臣
Nguyen Dy Niem
(8)
法務大臣
Uong Chu Luu
(9)
財務大臣
Nguyen Shihn Hung
(10) 商業大臣
Truong Dinh Tuyen
(11) (12) (13) (14) (15) (16)
(11) 労働戦傷者福祉大臣
Nguyen Thi Hang
(12) 運輸大臣
Dao Dinh Binh
(13) 建設大臣
Nguyen Hong Quan
(14) 水産大臣
Ta Quang Ngoc
(15) 文化情報大臣
Pham Quang Nghi
(16) 教育訓練大臣
Nguyen Minh Hien
(17) (18) (19) (20) (21) (22)
(17) 農業農村開発大臣
(18) 工業大臣
Hoang Trung Hai
(19) 計画投資大臣人
(20) 厚生大臣
Le Huy Ngo
Vo Hong Phuc
Tran Thi Trung Chien
(21) 体育スポーツ委員会議長
(22) 国家監査院長官
Nguyen Danh Thai
Quach Le Thanh
(23) (24) (25) (26) (27) (28)
(23) 国家銀行総裁
Le Duc Thuy
(24) 政府事務局局長
(25) 内務大臣
Doan Manh Giao
Do Quang Trung
(26) 科学技術大臣
Hoang Van Phong
(27) 国籍問題委員会議長
Ksor phuoc
(28) 天然資源環境大臣
Mai Ai Truc
(29) (30)
(29) 郵便電信大臣
Do Trung Ta
(30) 人口家族児童委員会議長
Le Thi Thu
8
8/8 2002年批准
行政組織図(57省4特別市)
(国政レベル)
(地方自治レベル)
県
省(57)
中央政府
ハノイ/ハイフォン
町
市
ホーチミン/ダナン
都市地区
特別市(4)
田園地区
(資料:ベトナム大使館)
町
9
郡
区
町
区
区
郡
区
区
郡
区
区
(ベトナムの行政区画: 57省4中央直轄地)
NO
51
10
7
38
54
58
19
31
32
34
35
29
40
39
14
43
44
55
47
28
24
41
57
52
6
33
48
50
27
45
5
17
18
20
22
23
25
26
30
12
13
61
15
16
36
56
46
37
省
アンザン
イエンバイ
カオバン
カンホアン
カントキエンザン
クワンニン
クワンビン
クワンチ
クワンナム
クアンガイ
ゲアン
コントウム
ザライ
ソンラ
ビンズオン
ビンフォック
ソクチャン
タイニン
タンホア
タイビン
ダクラク
チャビン
ティエンザン
トウエンクワン
トウアンティエン フエ
ドンナイ
ドンタップ
ニンビン
ニントウアン
ハザン
バックザン
バックニン
ハタイ
ハイズオン
フンイエン
ハナム
ナムディン
ハティン
バクカン
タイグエン
バリアブンタウ
フウトー
ビンフック
ビンディン
ビンロン
ビントウアン
フーイエン
名
(単)面積:㎢
面
An Giang
Yeb Bai
Cao Bang
Khanh Hoa
Can Tho
Kien Giang
Quang Ninh
Quang Binh
Quang Tri
Quang Nam
Quang Ngai
Nghe An
Kon Tum
Gia Lai
Son La
Binh Duong
Binh Phuoc
Soc Trang
Tay Ninh
Thanh Hoa
Thai Binh
Dak Lak
Tra Vinh
Tien Giang
Tuyen Quang
Thua Thien Hue
Dong Nai
Dong Thap
Ninh Binh
Nimh Thuan
Ha Giang
Bac Giang
Bac Ninh
Ha Tay
Hai Duong
Hung Yen
Ha Nam
Nam Dimh
Ha Tinh
Bac Can
Thai Nguyen
Ba Ria Vung Tau
Phu Tho
Vinh Phuc
Binh Dinh
Vinh Long
Binh Thuan
Phu Yen
積
I,440
6,630
8,420
4,160
3,020
6,360
5,940
7,730
4,590
10,410
5,850
16,450
13,000
12,000
14,470
2,720
6,810
3,140
4,030
11,140
5,500
19,800
2,360
2,380
5,800
5,010
7,580
3,390
1,390
3,530
7,830
3,820
800
2,170
1,660
900
830
1,670
6,050
4,800
3,450
2,050
3,470
1,370
6,080
1,490
7,890
5,180
10
人
口
1,793
530
566
822
1,614
1,200
810
646
458
1,365
1,060
2,420
230
654
682
646
532
1,067
791
2,990
1,630
947
961
1,484
564
891
2,007
1,337
788
410
461
1,441
922
2,090
1,685
1,076
805
1,898
1,270
268
1,019
587
1,262
1,067
1,245
957
812
658
省
ロンスイエン
イエンバイ
カオバン
ニアチャン
カント
ラクザ
ホンガイ
ドンハイ
ドンハ
タムキ
クアンガイ
ビン
コントウム
プレイク
ソンラ
トウダウモト
ドンスアイ
ソクチャン
タイニン
タンホア
タイビン
ブオンマトウオト
チャビン
ミト
トウエンクワン
フエ
ビエンホア
サデク
ニンビン
ファンラン
ハザン
バクザン
バクニン
ハドン
ハイフンオン
ハイドン
ハナム
ナムディン
ハティン
バクカン
タイグエン
ブタウ
ベトチ
ビンイエン
クイニヨン
ビンロン
ファオンティエト
トウイホア
人口:千人
都
名
Long Xuyen
Yeb Bai
Cao Bang
Nha Trang
Can Tho
Rach Gia
Hon Gai
Dong Hai
Dong Ha
Tam Ky
Quang Ngai
Vinh
Kon Tum
Play Cu
Son La
Thu Dau Mot
Dong Xoai
Soc Trang
Tay Ninh
Thanh Hoa
Thai Binh
Buon MaThuot
Tra Vinh
My Tho
Tuyen Quang
Hue
Bien Hoa
Sa Dec
Ninh Binh
Phan Rang
Ha Giang
Bac Giang
Bac Ninh
Ha Dong
Hai Duong
Hung Yen
Ha Nam
Nam Dimh
Ha Tinh
Bac Can
Thai Nguyen
Vung Tau
Viet Tri
Vinh Yen
Quy Nhon
Vinh Long
Phan Thiet
Tuy Hoa
53
21
59
60
8
9
11
42
49
ベンチェ
ホアビン
バクリュウ
カマウ
ランソン
ライチャウ
ラオカイ
ラムドン
ロンアン
Ben Tre
Hoa Binh
Bac Lieu
Ca Mau
Lang Son
Lai Chau
Lao Ci
Lam Dong
Long An
2,230
4,700
2,490
5,200
8.190
17,070
7,500
9,930
4,360
1,214
670
772
1,068
611
438
470
639
1,121
ベンチェ
ホアビン
バクリュウ
カマウ
ランソン
ライチャウ
ラオカイ
ダラト
タンアン
Ben Tre
Hoa Binh
Bac Lieu
Ca Mau
Lang Son
Lai Chau
Lao Ci
Dalat
Tau An
2,140
2,030
1,500
940
3,056
3,934
1,448
663
ハノイ
ホーチミン
ハイフォン
ダナン
HA Noi:首都
Ho Chi Minh
Hai Phong
Da Nang
中央直轄地
1
2
3
4
ハノイ
ホーチミン
ハイフォン
ダナン
HA Noi
Ho Chi Minh City
Hai Phong City
Da Nang City
(人口は95年の統計数)
1.ベトナム共産党
1992年 4月15日の臨時国会でベトナム共産党は「マルクスレーニン主義とホーチミン思
想に従ってベトナム国家と社会の指導勢力となる」ことを採択した。ベトナム共産党の組
織は全国級、地方級、基礎級、人民軍内の4組織に大別される。党の全国最高指導機関は
「全国代表大会(党大会)」で5年に1度招集され党大会の閉会期間中は「中央委員会」
がその任に当たり6カ月に1回会議を開く決まりとなっている。中央委員会は全体会議で
書記、政治局、常務委員会(旧書記局)、監査委員会を選出し「政治局」は中央委員会を
代表して委員会の閉会中の党活動を指導する役割を担う。「常務委員会」は党の日常の職
務を扱い党決議の実行を監督する。地方組織は地方行政単位に従う各級からなり5年に1
度「各級代表大会」が招集される。代表大会の閉会期間中は各級大会の選出による「党委
員会」が指導機関の任務を担う。党の基礎級組織は企業、商店、合作社、学校、病院、村
、町、人民軍部隊、その他の単位ごとに設けられて3~4人の党員で党支部を結成してい
る。さらに下部組織として31年にホーチミン共産青年同盟(15~18才の青年男女による構
成)が創設されている。共産党党員は91年時点215万人、人口比3.1%となっている。なお
憲法69条で共産党以外の政党も認められている。
2.国
防
ベトナムの軍隊は「ベトナム人民軍」と呼ばれベトナム共産党の直接指導下に置かれて
いる。1944年12月22日、北ベトナムのタンチャウでベトナム開放宣伝隊として結成され隊
長は元国防大臣のボーグエンザップ将軍で隊員わずか34人で始まったとされている。解放
宣伝隊は8月革命(1945年)の総蜂起後、衛国団(ベエッオックドアン)となり後にベトナム人民軍
へと成長した。
ベトナム人民軍は大統領が人民軍総司令官となり国防国家安全保障評議会の議長となる。
大統領は安全保障評議員名簿を国会に提出し国会はこれを承認する。戦争時の場合国会は
安全保障評議会に特別の権限を託すことができる。ベトナム人民軍は正規軍、地方軍、予
備軍、その他武装人民公安隊と国境警備隊からなる。さらに準軍事的組織として青年労働
志願隊がある。ベトナムでは義務兵役制が実施されており徴兵年齢は18~27才で服務期間
11
は2年間となっている。専門技能を軍隊で取得した兵、ならびに海洋軍艦勤務兵は3年の
兵役となる。ただ大学卒に対しては兵役は免除されている。予備兵の年齢は男43才、女40
才までで戦時には国会常任委員会の決定によって婦女子も兵役につく義務が課せられる。
(人民軍の基礎知識)
・基礎勢力
常備軍約45万人
・編
総参謀部・政治総局・国防工業経済総局・兵站総局・技術総局
成
後備軍
数百万
諜報総局/陸軍・空軍・海軍・防空軍/第1 、2 、3 、4 、5 、7 、9
、首都の8軍区/4個軍団
・任
務
党とその路線を防衛し革命的武装勢力として党の政策実現の糧となる。
国土を外敵の侵略から防衛する。
戦闘と生産、大衆動員の3つの戦略的任務を果たす。
・軍事思想
平時では全人民国防体制(戦時では人民戦争布陣)
・軍の発展史
-
メ
工農自衛隊
1940年
バクソン遊撃隊、ナムキー蜂起軍
1941年
ベトナム救国遊撃小グループ→救国軍に昇格
1944年
ベトナム解放軍宣伝隊設立
1945年
ベトナム解放軍、同年に衛国団(民主共和国の国軍)として拡大
1950年
衛国団→ベトナム人民軍となる
モ
1930年
-
12
●ドイモイ(DOI MOI)
現在のベトナム経済はドイモイ政策の上に成り立っている。しかしドイモイ(刷新)の
誕生の背景にはベトナムの置かれたやむにやまれぬ事情があり、社会主義国家(共産党
一党政権)が単純に資本主義的経済を選択したのではないという点をドイモイ政策を見
る上で認識しておかなければならない。
(ドイモイ政策の4大改革)
・社会主義路線の変更
ソ連型官僚社会主義から穏やかな社会主義への転換※
・市場経済の導入
社会主義的計画経済から資本主義的自由市場経済への転換
・産業政策の変革
重工業優先から農業・軽工業中心に変更。衣食・消費材の生
産を優先し国内の民営産業を振興、国営企業の整理統合と独
立採算の経営に切り換える。対外的には西側先進技術導入を
目指した優遇措置を法制化して外資企業の誘致を図る
・国際協力の参加
全方位外交への対外姿勢を図りASEAN 加盟等の国際協力・同
調への参加を積極的に進める
※ドイモイ以前のベトナムはソ連(現ロシア)型社会主義の路線を規範としていた
(ドイモイ政策の効果・課題)
ドイモイによるプラス効果
・経済の活性化により社会経済危機を克服
・政治的安定の維持
・対外関係の発展
ドイモイによるマイナス効果
・所得格差(貧富)の拡大
・都市部と農村部の発展度合の格差拡大
・失業の深刻化
・有料化に伴う教育、医療の荒廃とサービスの低下
・拝金主義と汚職の蔓延
当
面
の
課
題
・工業化、近代化を中心とする市場経済化の促進
・貧困者への教育、医療費の免除
・現行格差の是正を柱とした社会、文教政策
・法治国家の建設
・党員権限の乱用禁止を含む党の刷新
(資料)全国代表者会議書記長報告(1994.1)
13
●ベトナムの産業構造
(1) 経
過
ベトナムは1954年のジュネーブ協定後、南北に分断状態となり異なる経済圏に属して別
個の経済運営が図られていた。南部はベトナム共和国として主にアメリカの援助資金によ
ってインフラの整備が進められた。サイゴン(現ホーチミン)郊外30kmにあるビエンフォアに南
部最大の工業団地が建設された。一方北部はベトナム民主共和国としてソ連型社会主義経
済を国家建設路線とした重工業優先主義で開発が進められた。1975年サイゴンが陥落して
ベトナムは社会主義経済国家として統一された。しかしベトナムは西側諸国の経済制裁や
らカンボジア派兵、ソ連邦の崩壊という試練にたたされ、1986年の第6回党大会において
ドイモイ(刷新)政策を決議し新たな混合経済(社会主義+資本主義)をスタートさせる
に到った。
ドイモイ政策以前の事業形態は唯一国営企業が生産活動を行い中央・地方の政府機関が
一切を管理してそのお目付け役としてユニオン(業界統括組織)が置かれていた。国営企
業には営業責任はなく雇用、資金調達、資材購入の権限もなかった。事業計画は中央政府
が立案して必要に応じた物資、設備が企業に供給されていた。国営企業は利益を政府に上
納し損益となった場合は政府が補填(主に東側援助国)すると言う形態であった。国営企
業は消費者ニーズに気を使う必要はなく作業員の労働意欲を喚起することもなかった。政
府はこうした国営企業の放漫な運営と無秩序に補助金を供給続けた結果、財政負担のより
どころであったソ連邦の崩壊を契機に経済は破滅的な様相に陥った。こうした事態を政府
は貨幣増刷によって財政不足を回避する手だてを加えたが、これが逆に超インフレを招き
民衆の我慢は政府批判の罵声に変わりベトナム政府は計画経済の大胆な変革を決断せざる
得ないこととなった。このようにドイモイ政策以前の企業活動は生産から輸出入計画まで
管轄政府が全て決定する計画経済下に置かれその利益上納金とソ連の援助によって国家財
政が支えられていた。非国営企業の集団部門としては小規模工業、手工業、生産者団体が
ありいづれも正式に経済活動が認められていたが実態としては目立った活動はなかった。
(国営企業と非国営企業)
中央政府管轄の公団
国営工業企業
・国営企業
(製造業主体)
地方政府管轄の公団
中央政府管轄の公団
輸出入公団
(輸出入業務)
小規模工業
・非国営企業
手工業
生産者団体
14
地方政府管轄の公団
(2) ドイモイ下の企業形態
86年以降ベトナムはドイモイ政策下の経済体制に入り、国政は社会主義を基本とするが
企業運営は国営・民間企業に権限を委ねる体制に改革された。その結果、企業の組織形態
は色々な形が生まれ企業運営の幅が大きく広がった。
(ドイモイによって広がった企業形態)
・共同生産企業
契約を介して資本を出し合い利益を共有する。形態としては国営
と民間の合弁、民間同士の合弁がある。
・小規模経営(家族事業)
下請や関連会社の機能を持つ事業。
・生産者組合
特殊な分野の事業(タバコ、コーヒ 等) に見られる企業形態。相互利益保
護(相互の生産技術補助・営業、取引分野の相互抉助)のために設
立される。資本や固定資産の共有はともなわない。
・外国企業
外資法に基づいて投資する海外企業。
・委託企業
経営不振で資産凍結となった企業を他の経営者に委託された企業。
通常、民間の投資家が買収する。
ドイモイ政策によってベトナムの企業活動は潜在的な能力が掘り起こされるようになり
勤労意欲が格段に向上した。また西側諸外国との経済関係も強化され生産の増産と消費財
の供給も拡大した。しかし88年に「国営企業条令」が発布されたことから政府の国営企業
に対する財政支援(補助金)が廃止の方向が決まり企業の運営資金は自己資金か銀行の借
入だけに頼ることになった。そこで国営企業は一部の優良企業を除いて資金調達が難しく
なり(銀行側は返済計画を基に貸出をする)、政府は経営難の国営企業を支援するには生
産性の低さとすでに国家財政に多大な損失を受けていることから新たな支援は出来ない状
況であった。そこで政府は国営企業のリストラ(整理)と共に恒久的な財源確保の政策と
して90年以降全ての企業に対して税金(売上税と利益税)の徴収を法制化し国営企業の上
納金システムを廃止する決定を行った。さらに政府は国営企業内の改革としてそれまで貿
易を独占していた輸出入公団の権益を開放し、各企業が自ら輸出入業務を行えるように規
制緩和を断行した。こうした事業政策の変革はそれまで国営企業を統括していたユニオン
の権威を揺るがすこととなり、ユニオン自体が国営企業をまとめて自ら企業経営に乗り出
すという変化をもたらすこととなった。
(ドイモイ改革による国営企業の進捗状況)
・ベトナム企業に多角的経済セクター(分野)が出現しネットワーク化が進んだ。
・政府の中央集権的な管理は一部の物資を除いてほとんど排除され、セクター間の交
渉による契約関係に移行している。
・政府は国営企業の上納金制度を改め税制に従って納税する関係にした。事業運営も
企業側に経済計画に沿った事業に許可を与える許可制に移行した。
・海外取り引きは唯一輸出入公団を通して行われていたが各企業にもその自主権が認
められることになった。
・国営企業の管轄外の事業参加を認めることになった。その結果、多様な事業運営が
可能となり企業の活性化と販売の向上が見込めるようになった。
15
(3) 今後の企業動向
ベトナム政府はドイモイ政策の改革を進める中で国営企業の民営化は急がずリストラ等の
断行によって国営企業主導による生産力と国際競争力の強化を図ろうとしている。ここ数
年来不採算企業の閉鎖と合弁統合による再編を進めた結果国営企業の数は90年度 1万社あ
ったものが02年には非製造業も含めて5,531社まで減っており最終的には300社程に減らす
のが最善としている。また国営企業は旧ソ連、東欧との関係が後退したことによってア
ジア、欧州の市場開拓が必要となったがほとんどの企業は自ら海外市場を開拓をする余裕
がないため外国企業の委託加工か合弁化によって新しい設備と技術を導入する方向を探っ
ている。政府は国営企業の工業部門の生産シェアーが大きいことから改革の対象を工業部
門に置き外資との合弁を積極的に進めている。幸いドイモイ政策が西側諸国に広く理解さ
れ91年以降は外資と国営企業の合弁が急速に拡大しており日本企業もアメリカの経済制裁
がとれてからは自動車、電気といった大型企業の合弁が進みベトナムの産業改革に力をか
す形となっている。またベトナム政府は94年 1月に国営企業組織再編の政令を出し分野ご
とに統括する総公社の設立を進めている。総公社には傘下企業群を代表する独自の意思決
定機関としての役割を与え国が任命した議長を配した経営委員会が設けられている。公社
の運営は独立採算によって行われ利益を納税することを義務づけており省庁の介入を受け
ない反面、政府からの補助金は与えられない。さらにベトナム政府は95年より国営企業の
株式化の試案を進めており98年には 179社の株式転換リストを提示した。ハノイとホーチ
ミン市に証券取引所を開設する運びとなり2000年にホ-チミン市に初の証券取引所が開設
した。一方民営企業の動向はドイモイの進展で新規開設が急増しており94年度の統計では
商業部門の売上は 76%が民営企業によって占められた。しかしベトナム産業界に於いて深
刻な問題となっているのが市中に出回る密輸商品の山である。このヤミ流通(中国産のヤ
ミ物資は年間5億ドルと推定)はベトナム製品を圧倒しており価格、品質ともに厳しい市
場環境にさらされている。政府は越境品のヤミ流通に厳しい目を向けているが統一前から
南部を中心に大量のヤミ物資が溢れこれが長い間生活を支えてきたこともあって一向に減
る様子がない。この問題は外資企業が正統な取り引きで商品を販売する上に大きな障害と
なっておりベトナムの高い関税と相乗して商売を難しくしている。政府は98年に密輸防止
のために納税シールを商品に張る決定をしたが、これが決定的対策になるとは外資企業は
たいそう懐疑的である。ASEANに正式加盟を果たしたベトナムは市場の健全化と関税
引き下げが迫られていることから国内産業の技術向上が急務となっている。こうした観点
からもベトナムの国営企業は外国の技術導入を最大の力点としており今後ますます外資と
の合弁化を進めて行くものと思われる。政府は特にハイテク分野の外資受け入れに優遇政
策を転換して行くことを提言している。また最近の新たな動向として国営企業自体が本業
外のさまざまな分野に進出して業績を上げ新に獲得した資金で設備投資を行って競争力の
有る製品を販売する自助努力が芽生えてきている。しかし98年に急変したアジア経済の下
落は脆弱なベトナムの産業界に厳しい環境を突きつける形となり今後ベトナム政府がドイ
モイ政策の大儀の中で社会主義市場経済を推進する上でどこまで国営企業の改革と民営企
業の規制緩和を進めることが出来るのかが鍵となっている。
16
(2002年著者論文)
●ベトナムの投資環境
(1) 農産・畜産・森林・水産資源
(農
業)
ベトナムの農地は1981年の憲法によって正式に国有化された。農業生産は国営農場、合
作社(生産者組合)、個人農業の 3ツに区分される。1988年 4月の政治局決議によって農
家は生産物を国家に販売する必要がなくなり農民は生産高に応じた農業税を払った後は自
由に販売することができるようになった。土地の提供は共同組合から所帯の人数および耕
作能力を考慮して与えられる。ベトナムの農業は最大の基幹産業であり総生産額の40% 輸
出額の30% を占めており、また人口比率の70% (2,370万人) が農業人で占められている。
(2010年に向けての農業政策)
1.生産形態(合弁・株式・個人企業)を各世帯が選択できるものとし、それにより生
産の活性化を図る。
2.輸出による外貨収入の拡大が狙える作物や家畜及び貴重・希少な産品の開発を集中
的に行う。また農民との土地使用権契約を通じて農地の使用を増大させる。
3.農産品加工を推進するため加工原料の開発に注力し併せて農民の資金力を強化する
4.徴税時期を調整することにより農民が収穫物を急いで売却したり不利な価格で売却
せざるを得ないような事態を防ぐ。また農林水産品の販売先及び地域は生産者の選
択に任せる。
(資)農業農村開発省
主要農産物の生産計画(米除く)
農
産
物
1995年
2000年
トウモロコシ
1,450
2,400
サツ マイモ
960
1,400
キャ ッサバ
2,800
5,000
ゴ
野
類
3,500
4,000
豆
215
340
バ
ピ ー ナ ツ
430
砂 糖 き び
菜
大
タ
バ
物
1995年
2000年
ジ ュ ー ト
113
200
280
600
ム
144
410
ココナッツ
60
600
ナ
2,000
2,000
640
パイナップル
720
1,080
13,800
23,000
オ レ ン ジ
176
300
44
80
コ
農
産
茶
ナ
(資)農業農村開発省
(単)1000トン
米の生産と輸出量
年号
1990
1991
1992
生産
1,922
1,960
2,160
輸出
162.4
103.2
195.0
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2,280
2,350
2,400
2,800
2,770
3,180
3,200
170.0
195.0
205.0
310.0
360.0
370.0
400.0
(資)ベトナム統計局
(単)万トン
17
(ベトナムの農業地帯の特徴)
北
部
山間・内陸
農地面積:123万ha
気
候
湿潤な気候と亜熱帯的冬季が有る。
環
境
土地生産性が低い
農産物
茶、たばこ、桃、梨、プラム、リンゴ、ミカン
北
部
紅河デルタ
気
候
湿潤な気候
環
境
ベトナム第2の稲作地帯
農地面積: 80万ha
農産物
米、野菜、ジュート、プラム、リンゴ、ミカン
中
部
沿岸北部
気
候
湿潤な気候とモンスーン型気候
環
境
土地生産性が低い
農地面積: 71万ha
農産物
米、メイズ、さつまいも、キャッサバ、各種果物
中
部
沿岸南部
気
候
湿潤な気候で冬季に季節風が強い
環
境
排水施設の不備が問題
農地面積: 54万ha
農産物
カシュナッツ、ココナッツ、砂糖キビ
中
部
高
気
候
熱帯モンスーン型気候
環
境
耕作面積が狭い
原
農地面積: 44万ha
農産物
コーヒ、茶、砂糖キビ、
南
部
東北部
気
候
熱帯モンスーン型気候
環
境
耕作面積が狭い
農地面積: 80万ha
農産物
コーヒ、茶、砂糖キビ、大豆、落花生、たばこ
南
部
メコンデルタ
気
候
熱帯モンスーン型気候
環
境
ベトナム最大の耕作地帯
農産物
農地面積:246万ha
米、ココナッツ、ジュート、大豆、胡椒、パイナップル、ドリアン、マンゴー、グアバ
18
(ベトナムの果物収穫期)
果
物
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12 月
AVOCABO
BANANA
DRAGON
DURIAN
FRAPES
FUAVA
JACKFRUIT
REMON
LIME
LONGAN
LYCHEE
MANDARIN
MANGO
MANGOSTEEN
MILKFRUIT
ORANGE
PAPAYA
PINEAPPLE
RAMBUTAN
SAPODILLA
WATERMELON
(畜
産)
ベトナムの家畜事情は伝統的な粗放飼育がほとんどで民間所有が多い。現在乳牛は4万
頭いるといわれ年産6万トンの牛乳生産が行われている。乳牛の90%は畜産農家で飼育さ
れており各世帯別では3-5頭を所有していると言われる。国家牧場は特殊な飼育に限られ
ているが、ホルスタイン種の乳牛の大半は国営牧場で飼育されている。牛は40% が中央高
原地と中央沿岸で飼育されている。豚、家禽は紅河デルタ、中間地とメコンデルタで多く
飼育されている。ベトナムの牧畜事業は農業分野の中では効率の低い仕事であると見なさ
れている。
(森
林)
ベトナムは昔から黒檜、紫檜などの高級材の供給地であった。ベトナムの森林地帯は40
年当初 1,340万ヘクタール (国土の40%)であったが、 その後の乱伐採により91年には 930万ヘク
タールに激減している。実際には 720万ヘクタール 足らずで国土全体の22% にまで落ち込んでい
るという指摘もある。また森林の縮小は天災の被害が深刻な影響となって表れている。ベ
トナム政府は植林と森林保護を重視して木材を原則輸出禁止銘柄に指定した。植林計画で
は毎年16万ヘクタール のユーカリと竹を植え2000年までに年20万ヘクタール の植林規模に拡大する
方針である。年間伐採量は 150万立方メートルで 100万立方メートルが製材製品、40万立方メートルが
パルプ・支柱、10万立方メートルがその他に消費されている。
19
林業省の将来計画(2000年)
・森林の占める割合(対国土)を35~40%(現在20~28%)に拡大する
・木材製品の質・量を改善する
・効率的な林業の開発を行う
・多くの雇用機会を創出する
・燃料用木材の植樹を奨励する
(水産物)
ベトナムの水産業は小規模な沿岸漁業が主体で、海域20海里以内の水深30メートルまでが主
な漁場となっている。ベトナムの沿岸は大陸棚が浅く海が浅いため大型のトロール漁法に
不向きであることから大型投資が行われてこなかった。しかし近年になって沖合操業への
転換が図られようになり大型漁船の建造も始まっている。操業海域も南沙群島周辺、北部
沖合にまで広がるようになってきた。ベトナム周辺の漁業資源は十分な調査は行われてい
ないが 2,000種類の魚介類、 650種の海藻類が生息していると推測されており、エビ、イ
カをはじめアワビ、サンゴなどの商品価値の高い海産物が豊富に確認されている。近年日
本向けに輸出が拡大しており大きな外貨資源に発展している。一方内陸水域面積は 120万
haあり85年から輸出用エビの養殖が大規模にはじまっている。ベトナムの漁民数は92年統
計で 140万人、水産物取扱い従事者は10万人で労働人口の5.2%となっている。94年統計で
は冷凍輸送船が28隻、水産加工工場は 142社あり21社は新鋭の冷凍設備を導入している。
また海産物の輸出は国営の SEAPRODEX社が主体で行っている。
年号
1993
1994
1995
1996
1997
漁獲実績
1000トン
660
713
722
808
818
海面漁獲
内水漁獲
1000トン
1000トン
472
188
369
344
333
389
382
426
433
385
輸出額
100万ドル
--
--
550
670
776
(2) 鉱物資源
ベトナムは1989年に鉱産資源法が閣僚評議会政令として発布された。この法令によって
ベトナムの全ての天然資源の探鉱調査開発、生産、資源保護等に関する基本規定が定めら
れている。ベトナムの鉱物資源の潜在的能力は莫大な量があると推測されており、開発に
よって未確認の鉱物がまだまだ発見される可能性が高い。国連機関の調査ではベトナムは
世界の鉱物資源の豊かな20の国の1に数えらており資源大国として注目されている。
(非・金属鉱物)
ベトナム全土から多種の鉄鉱石が発見されている。調査が進むほどに未開発の鉱物が出
土する可能性が高いと言われる。現在鉱物資源を統括して調査・管理する政府機関がない
ため埋蔵量の実態は充分解析されていないが全国で15億トンは有ると推定されている。現
在確認されている鉱物と埋蔵量(推定含む)は次の内容となっている。
20
(ベトナムの鉱物資源と推定埋蔵量)
鉱
物
名
無(半)煙炭
れきせい炭
泥
炭
石
油
黒
鉛
燐 灰 石
硅
砂
白 陶 土
硫
黄
ルビー、サファイア
鉄 鉱 石
マンガン
ボーキサイド
鉛、亜鉛
銅
ニッケル
クロム
錫
タングステン
チタニュム
稀土類
金
ミネラルウオーター
アルミニューム
埋
蔵
地
域
埋蔵量 (百万トン)
クアンニン、タイグエン、ノンソン
北部、ダ河
ハノイ盆地、ナムボウミン
バクホー、ダイフン
ラオカイ、フンニュオン
ラオカイ
ヴァンハイ、ナムオ、トウイチュウ
タッチアコアン、チュックチョン、タンマイ、ダラット
サップライ、ナムドン、ニュイフ
ルックイエン、タイチャウ、スアンロオク
タックイ、クイサ、タイグエン
タクタット、ランバイ、イエンク
ハザイ、カオバン、ダックノン、バオロック、フォックロン、コンロン
チョデイェン、ガンソン、チュール、チャウトイ
シンクイン、ヴァンサイ
バンフック
コジン
ビアオアック、タムダオ、ダイホップ、ダラット
ビアオアック、タムダオ、ダイホップ、ダラット
カイチャム、キアイン、クアンオン、クアンガイ、カットカイン、ハムタン
ナムセン、ドンパオ、イエンフ
ナバイ、バクラン、ポソミユ、チャナン、ランネオ、ボク、ランヴァン
クアンハイ、キムボイ、バンカン、タインタン、リンホア、サオイゲ
6,600
25
765百万立米
25~40億バレル
28
811
530
590
1,000
47
6,875
2
1
0.5
30
0.300
0.200
13
17
0.002
864,000リットル/日
3,500
(資)ベトナム共同研究協議会
(石
油)
ベトナムでは有望な海底油田が発見されている。石油・ガスの埋蔵量は300 ~ 400億トン
といわれているが実際の規模はわかっていない。ベトナムの原油産出は85年時点でほとん
どゼロであったが90年には輸出国にのし上がり現在ではベトナム最大の外貨資源となって
いる。本格生産を行っているのはバクホー(Bach Ho) 油田(推定埋蔵量 1.5億バレル )であ
るが、ダイフン油田(推定埋蔵量4億バレル )ロン油田(推定埋蔵量6億バレル)でも事業生産
がはじまる。94年には三菱石油がブンタウ沖(RANG-DONG-SUNRISE鉱区) で油田を掘り当て
98年秋より本格生産を開始した。ベトナムでは石油精製施設が不足しているため現在では
原油のまま日本、シンガポールに輸出されている。ベトナムの精油施設はホーチミン市郊
外のカトバイに1ケ所あり精製能力は年間4万トンとされている。ベトナムは石油資源に恵
まれているが石油製品の多くを海外(主にシンガポール)から輸入しているのが現況である。
ベトナム政府は98年にベトナム中部のクアンガイ省ズンクワットに年間 650万トンの原油
処理能力を持つ精油プラントの建設契約をロシアとペトロベトナムの合弁事業として結ん
だ。ベトナムの石油開発は統一前75年12月に米国モービル社がバクホー油田を発見したの
が最初である。南ベトナム崩壊後、バクホーの開発権は旧ソ連との合弁企業ベトソブペト
ロ社(Vietsov Petro-80年創設)に移り今日に至っている。89年にダイフン油田が発見さ
れて以降は国際入札となり西側諸国も開発権を獲得している。日系企業も石油開発投資に
21
は積極的で大手企業が採掘権の獲得にしのぎを削っている。なおベトソブペトロ社は財政
難から当面の開発は困難な状況といわれており94年にはモービル社が復活し生産分与方式
でタインロン(青龍)油田の開発権を獲得した。ベトナムの石油層は南シナ海に広がるた
め中国、フィリピン等周辺国と領有権問題が発生しており国際紛争の火種を抱えている
ベトナムの原油生産量
生産年度
原油生産量
1986年度
550万トン
1993年度
630万トン
1994年度
1995年度
1996年度
1997年度
1998年度
700万トン
760万トン
880万トン
950万トン
1,260万トン
4万トン
1992年度
1987年度
1988年度
1989年度
1990年度
1991年度
28万トン
68万トン
150万トン
270万トン
396万トン 338万トン輸出
OGC(Vietnam Oil and Gas Corporation) :石油・ガス総局
1977年に創設し、90年重工業省に併合した。本拠地はハノイ、業務は石油・天
然ガスの採掘、開発、精製、輸出入、国内消費についての責任を負う。
OGC(石油・ガス総局)はハノイ市に北部を管轄する「ペトロベトナムⅠ」
とホーチミン市に南部を管轄する「ペトロベトナムⅡ」の事務所を開設している。
(USSR)
→
旧ソ連政府
(VIETSOVPETRO)
←
(MINISTRY OF HEAVY INDUSTRY)
ソ越合弁企業
重工業省
←
(VIETNAM OIL & GAS CORPORATION)
石油・ガス総局
PETECHIM
PETRO VIETNAM
PETROLIMEX
KEROSIM
(PSC)
(GPTS)
(VPI)
(OSC)
石油サービス公社
技術的石油サービス会社
ベトナム石油研究所
ベトナム石油研究公社
(資)(財)日本海洋協会(1992)
(石
炭)
石炭はフランス植民地時代から採掘されている資源である。特に無煙炭は良質で日本で
はホンゲイ炭として良く知られている。無煙炭は現在のところ北部のクアンニン(Quangni
nh) 省に集中して発見されている。一方泥炭は南部メコンデルタ地域に多く発見されてい
る。石炭の採鉱量は94年度 630万トン(内230 万輸出)を記録し2000年には850 万トンの規模
22
を予測している。現状では石炭採掘の60% は露天掘りで残りは坑内採鉱となっている。石
炭の国内需要は年間 500~ 600万トンとなっており大半は発電用に使われている。輸出先と
しては日本と韓国が独占した形となっている。政府は外資誘致を取りつけて大規模な石炭
鉱床の開発を進める考えである。また95年 1月の政令によってエネルギショー省下の石炭
会社は国家石炭公社(VINACOAL)に統括されることになり新組織の運営が始まっている。
ベトナムの石炭埋蔵量(推測)
無煙炭産地
埋蔵量
瀝青炭産地
クアンユン
タイグエン
6,500
90
北部各地
ダ
河
ノンソン
25
ゲ
チ
埋蔵量
16
10
褐炭産地
ン
埋蔵量
紅河下流
ナドウオン
200,000
120
3
(資)ベトナム商工会議所
(単) 100万トン
(石灰石)
(地域別石灰石推定埋蔵量)
北東部
北西部
中北部
南部(メコンデルタ)
その他
40
6
17
30
7
(資)日本セメント協会
合
計
100
(単) 100億トン
●計画投資省(MPI) (Ministry of Planning & Investment)
1995年10月の国会決議によって国家計画委員会(SPC)と国家協力投資委員会(SCCI)が統合
され計画投資省(MPI) となりベトナムの投資全般を管理することになった。
(本部所在地)
2 Hoang Van Thu St.Ba Dinh Dist.HANOI ☎8458241 8458261
FAX 84-4-8232499
(南部代表部)
178 Nguyen Dinh Chieu Rd.Dist.3 HCM
FAX 84-4-8291534
☎8226671
(要約)95年11月 1日付政令
第75/CF号
・外国資本を誘致するためのプロジェクトを検討策定し国内企業による国内投資と海
外投資を含めた全体のバランスを考慮の上で政府に投資条件を提出する。
・投資に係わる政策及び管理規定などの法令案を策定して政府に提出する。
・社会経済発展戦略に沿って各分野の投資を促進するため関連省庁との連絡担当の任
に当たる。
・外国企業のベトナムへの投資及びベトナム企業の海外へに投資に関する審査
・投資案件に伴う重要問題について関連省庁との調整を計り案件評価の任に当たる。
・ODA資金を伴う投資案件を管理する。
・投資認可証を発行する。
・投資に係わるコンサルテーション事業を管理する。
(資)ベトナム経済動向
23
(在日大使館資料)2004 7月時点
◎投資案内
ベトナムは外資導入を促進する政策を堅持しております。
ベトナムの2020年までの長期開発戦略における最優先課題は、外国直接投資(FDI)お
よび政府開発援助(ODA)という比較的大規模な海外資本を導入し活用することです。
2001~2005年の間、政府はFDI目標値を新規登録資本150~200億USドル及び実現(支
出)資本110億USドル、同じく海外援助者からの無償ODAを年間約20億USドル
見込み、海外からは総額360~410億USドルと設定しております。これらのFDI
やODA水準は年率7%という政府のGDP成長目標率を支える為に必要です。
2001年10月31日まで、ベトナムは1988年に外資導入を開始し、以来延べ3,000プロジェク
トの投資公約により385億USドル以上の導入を果たしました。
多くの投資家は、ベトナムの急速に増加している78百万という人口について、非常に大
きな可能性を秘めている実に未開の市場であると気づいていました。
ベトナムの1998年後半におけるアジア太平洋経済協力(APEC)加盟、2006年までのア
ジア自由貿易圏(AFTA)への加盟計画、そしてベトナムによる近い将来の世界貿易機
構(WTO)加盟への意向表示は外国投資家に対し更に大きな開放合図となりました。
このことは、比較的低賃金の労働力、天然資源基盤、そして近年の強いマクロ経済効果と
あいまって、ベトナムは非常に有望な地域であるとして、アジア、欧州、そしてアメリカ
からの海外投資家に勇気を与えています。
海外投資家に対するベトナムの魅力増進への努力として、2000年5月、何ヶ月間にもわた
る改訂を経て、国会は1996年外資法(FIL)の大改正を承認しました。
FILは海外投資家に次の4つのモデルを用意しています。
・合弁会社(JVC)
現在、海外投資家が選択している最も一般的な形態は合弁会社(JVC)です。
JVCは1又はそれ以上の海外投資家と1又はそれ以上のベトナム投資家が設立するもの
です。それは他国の「会社」運営と殆ど同様の運営で、分離した法的身分、限定責任及び
独自の経営役員会を持っています。JVC資本は現金、設備、知的所有権、ノウハウなど
を含めていかなる形でも出資可能です。
但し、JVCにおける海外投資家は最低30%
のJVC法定資本(出資)を負担するという一般的要求があります。
JVCは株式が譲渡可能であるという点で魅力的でもあります。唯一の制限は、投資家が
第三者に売却する前に、株式
購入の先買権を他のジョイントベンチャー構成者に対して与えなければならないというこ
とです。
24
・外資100%企業(EFOC)
外資100%(EFOC)の企業は2番目の選択です。
この形態では、どんなベトナムのパートナーをも交えることなく、投資家はその投資に関
する完全な経営支配ができます。
他の注目すべき面は、EFOCは構造,権利及び義務の面でJVCと殆ど同じであるとい
うことです。
・事業協力契約(BCC)
事業協力契約(BCC)はベトナムで事業を行う上で採用できる一番柔軟な形態であり、
特に、石油、通信及び宣伝分野で一般的です。
更に、事業の調整委員会(JVCにおける経営役員会に対応するもの)の設立方法、その
機能、利益配分方式などでより
柔軟性があり、これらは一般的に契約者にゆだねられています。
BCCは慣習法でいうパートナーシップに似ているところがあります。独立した法人格を生
み出さず、ベトナムでの特定投資事業についての契約的関係が発生するということです。
・建設-操業-譲渡/建設-譲渡-操業/建設-譲渡
(BOT)事業
政府は道路、港湾、水道及び電力などの事業を含むインフラ開発に海外投資家が積極的参
入することを非常に望んでおります。この結果、建設操業譲渡事業(及びその変形)と呼
ばれる投資方式を作り上げました。これらを総称してしばしばBOT事業と呼ばれていま
す。 率直に言って、当該事業の参加者はJVCまたはEFOC形態をとる選択ができる
ので、BOT事業は第4番目の事業形態ではありませんが、投資家に適用されるユニーク
な優遇制度の為に独立した選択肢として掲げているわけです。
高速道路、橋梁、発電所、水供給事業、港湾及び他の公共事業は全てBOT事業にとって
理想的な候補です。BOT事業は事業期間終了時に政府へ資産を移転しなければならない
一方で、最優遇税制措置の適用を通し、また、ある一定期間当該設備が操業できるとか、
他事業への投資承認が保証されるといった他の数々の制度を通して、投資家は補償以上の
ものを得られます。
BOT事業も外国為替適用の政府保証の対象です。
以下の経費はベトナムでの投資をする際に検討しておかなければなりません。
工場賃貸費用
海外投資家は工業区域(IZ)、輸出加工区域(EPZ)で投資事業を実施するために工
場を賃借することができます。
工業区域では、その全てで平方メートルあたり平均で月約1.8USドルから2USドル
の賃貸料で利用ができる工場を有
してます。
尚、賃貸料率は賃貸期間、支払条件及び使用地域により各々設定が異なりま
25
す。投資家と所有者間の合意条件や交渉条件に従い、投資家は事業を立ち上げる為にIZ
及びEPZ外でも工場を賃借することができます。
事務所賃貸料金(都市中心部)
最低料金は平方メートルあたり月10USドルで、平均は平方メートルあたり月16US
ドル、そして最高は平方メートルあたり月20USドルです。
通信料金(決定第809/2000/QD-TCBDに準拠)
電話設置費用
短距離、地域内、国際間及びファクシミリは128.57USドル
電話機利用料金は一台あたり月1.92USドル。
通話料金(都市部)
200分まで:1分につき0.86USドル
201分から1,000分まで:1分につき0.57USドル
1,000分超:1分につき0.285USドル
携帯電話設置費用
VMSネットワークの料金は85.64USドル
電話機利用費用:1ヶ月につき
14.3USドル
通話料金
エリア内
:
エリア外
:
1分につき0.12USドル
エリア近傍:
1分につき0.33USドル
1分につき0.22USドル
インターネット接続料金
:
VNNネットワーク
設置費用
10.71USドル
月基本料
1ヶ月につき2.14USドル
インターネットアクセス料金
午前7時以降から午後7時前まで(土日祝祭休日を除く):1.45USドル/分
午後7時以降~午後12時前まで(土日祝祭休日は午前7時以降~午後7時前まで):
1USドル/分
午前0時以降~午前7時前まで(土日祝祭休日は午後7時以降~午前7時前まで):
0.9USドル/分
注:
上記費用は付加価値税を含んでおりません。割引措置は検討中です。
水道料金
製造業用水道料: 0.28USドル/m3
サービス業用水道料金: 0.464USドル/m3
以上在日大使館資料
26
(外国投資と申請について)
1.事業協力
・外国投資家は
2.合弁企業
に従って計画投資省(MPI) と立地予定地の地方人民委員
3.100%外貨
会に事業許可申請書を提出する。
4.BOT/BTO/BT
・1.2の形態の場合、ベトナム側パートナーは民営であれば地方人民委員会の承認を受け
た上でMPI の承認と許可証を取得しなければならい。
・MPI は人民委員会の意見書を受け外資側に申請日より20日以内(従来は3ケ月)に承認
を与え許可証を発行する。
(外資側申請書の部数)
地方人民委員会
2部
計画投資省(MPI)
5部
計画投資省(MPI)
8部
・投資金額2,000 万米ドル以上の鉱物資源開発、通信、放送、TV放送、出版、海運、
航空、輸送、海港、空港、鉄道、道路建設、医薬品、
毒物、爆破物製造、不動産、金融・銀行、国防、安全
保障、輸出入業、国際観光の各事業
・投資金額4,000 万米ドル以上の重工業関係事業
・投資金額3,000 万米ドル以上のその他の業種
・環境に影響を与えるもの、また大規模な土地を要する事業
(人民委員会の意見書の調査事項)
・開発方針に対する地域および産業分野の妥当性について
・外国およびベトナム企業の合法性、財務、生産、運営能力について
・労働、原材料、電力、用水、輸送その他の重要性の充足度にいて
・合弁企業のベトナム側出資分の評価にいて
・海面使用料に係わる意見書
27
(外国投資申請・承認のプロセス)
特定の投資は首相の承認が必要
内
閣
←
中
央
政
府(総務局)
計画投資省(MPI)
監
督
・プリフィージビリテイの承認
・フィージビリテイ及び契約の批准
機
・プロジェクトの評価
・営業許可/投資許可交付
関
・MPI への提出
申請手数料は投資額×1/10000
地
方
地方行政区(人民委員会)
監
督
・プリフィージビリテイの承認
機
・プロジェクトの評価
関
・関係評議会/MPIへ提出
パートナが中央
パートナが地方
・100%外資
・BOT 契約
政府・民間投資コンサルタント会社
(有料にて投資サービスを提供)
↑
ベトナム側
パートナ
↑
→
・合弁企業
←
・契約に基づく投資事業
28
外国側
投資者
(合弁事業の認可フローチャート)
ベトナム側のパートナーの選択
⇦
外資側
協同事業形態の選択
パートナーが事前承認を取得
(国家レベルの企業)
主管省の承認
(県・市レベルの企業)
人民委員会の承認
パ
ト
ナ
契約締結・F/S・事業計画・定款作成等
(主管省の承認)
国家計画との整合性確認
(人民委員会の承認)
地方計画との整合性確認
準
備
段
階
5日以内
20日以内
計画投資省(MPI)申請受付
→
(諮 問)
主管省
←
A
グ
ル
|
プ
B
グ
ル
|
(諮 問)
事業開設地の人民委員会
3
ケ
月
以
内
※諮問後20日以内に
意見が出ない時は ↓
自動承認されたと
計画投資省決定
MPI申請者に通知
見なされる。
→ (投 資 認 可)
意見が出た時はMPI
ライセンス番号付与
議長が30日以内に
→ 政府(首相)決定
諮問委員会を招集
し50日以内に首相に報告し裁断を受ける。首相決定後、MPIは7日以内に申請者に結
果を通知する。
◎Aグループの投資事業(MPIの推薦を経て首相が投資認可を判断する)
・工業団地、輸出加工区、ハイテク団地のインフラ開発及びBOT 、BT、BTO 契約事業
・文化教養、報道、出版、ラジオ放送、訓練、科学研究、医療
・投資額 4,000万㌦以上で電力、鉱山、石油、冶金、セメント、化学、港湾、空港、通信
エレクトロニクス、エンジニアリング、トレードセンター、 文化・観光事業、不動産、海上・航空輸送
・国防、治安事業、保健、財務、会計、監査、検査、希少貴重資源の開発、郵便
・都市部で5ha 以上、その他地域で50haの領土を使用するプロジェクト
◎Bグループの投資事業(関係官庁の意見を聞いた上で MPI大臣が投資認可を判断)
29
◎その他の許認可
・土地使用権: 人民委員会が土地台帳に登記して中央土地管理総局が登記証明を発行
グループA案件は政府が決定/グループB案件は県人民委員会が決定
申請から30日以内に土地使用契約を済ませ、使用権証明書を発給する
・機械、設備の輸入: 事業認可証の内容に基づき申請から30日以内に商業省が輸入ラ
イセンスを発行する
・電気、水道、電話の敷設:期間設定はない
(参)F/S:フージビリティースターディ(企業化調査)報告書の体系
・総合的状況:社名、代表者、内容、出資者
・市場分析:製品の種類、販売地域
・物質(原料等)購入計画:輸入・国内調達、エネルギーの活用計画
・工場設置関係:場所、インフラ状況、大きさ、建設期間
・設備導入関係:国内・海外の調達、価格、投資計画
・技術導入の有無:技術契約等の値段~内容
・組織と労務管理:社長・役員の決定、従業員の募集、訓練
・環境保護の検討:公害発生の有無
・経済性の検討:年度別損益予測、販売・費用見込、資金作り、投資の効率性、税金
・紛争解決手段:投資者間、労使間の問題の解決方法
外国投資受託権限委譲の拡大
98年12月1日付で外国投資に関する許認可権(申請受理・審査・認可)が全国地方省市の
人民委員会に拡大する権限委譲が決定された。従来はベトナム投資の認可手続きが中央と
地方の二本立てとなっていたことから時間と事務処理に外資側の不満が大きかった。政府
は外国投資の落ち込みを防止する意味からも地方政府に外資認可権委譲を拡大した。
地方省市人民委員会が認可できる外国人投資の条件 (首相決定第233/1998/QD-ttg)
1.既に認可を得た社会経済発展計画に沿うもの
2.特定プロジェクトを除き投資資金が 500万ドルまでである
3.MPI が期間毎に定めた輸出責任を充足するのもである
4.外資企業及び事業協力契約の外国側当事者はその外貨需要を各自で保証するもので
ある
5.設備・機械・技術などが現行規則に準処している。若しそうでない場合には投資認
可証発行に先立って経済部門を所管する省庁からの書面による許可がある
6.環境保護、労働安全及び防火、消防の諸規定を充足する
但し地方政府の外資許認可委任にも限度があり人民委員会の権限を超えるものは申請を受
理することは出来ない。外国人投資法施行規則に係わる布告第12CP号97年 2月18日付第93
条に掲げるグループA(P.189)プロジェクトは中央政府だけに許認可権限が与えられる。
30
法規制関連手続き
投
会
資
社
申
設
請
立
銀
大
そ
蔵
の
他
行
省
(ケ月)
開始
申
請
1
2
3
許可証
定款登記証明証
創立取締役会
新聞公告
4
議事録送付
口座開
会計制度の届出
社印登録
5
従業員リスト
生産関連手続き
用
地
手
配
(ケ月)
開始
1
工
場
建
屋
申
請
許
可
人
機
械
設
備
業者選定
設計開始
原
材
採
料
用
基本計画
発 注
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
事
届出計画
申
許
請
可
建設開始
機械計画提出
ライセンス 取得
輸入手
据付開始
完
採
成
31
発
注
用
●ベトナムの銀行
ベトナムの金融機関はドイモイによる市場経済導入を契機に改革され88年に国家銀行の機
能(全ての金融機能を一元管理していた)を中央銀行とその監督下に商業機能を持つ4ツ
の国営専門銀行に分けて開設することになった。1990年 5月24日以降ベトナムの金融制度
は「銀行、信用共同組合および金融会社に関する条令」によって規制されて金融政策は大
蔵省との協議に基づいて中央銀行が担当することになった。預金金利は中央銀行が固定し
各行とも同率で扱われ貸出金利は中央銀行がレート(最大・最小)を設定し各国営銀行は
その範囲内で独自に決定している。91年 6月には外国銀行の支店と合弁銀行の業務を規制
する金融関係法律を発布した。
(ベトナムの金融機関)
・中央銀行(THE STATE BANK OF VIETNAM)
政府の銀行、通貨発行、国債発行、為替管理、政府貸付、金融機関の管理
指導、外国銀行支店の営業認可、金融駐在事務所の認可、総裁は閣僚
・外国貿易銀行(BANK FOR FOREGIGN TRADE OF VIETNAM)
国
(貿易金融、国内外信用業務)略称:VIETCOMBANK
営 ・農業銀行(VIETNAM BANK FOR AGRICARTURE)
専
(農業・漁業事業への融資、預金業務)略称:AGRI BANK
門 ・投資開発銀行(THE INVESTMENT AND DEVELOPMENT OF VIETNAM)
銀
(投資開発事業への貸付・預金業務)略称:VID
行 ・商工銀行-INDUSTRIAL & COMMERCIAL BANK OF VIETNAM
(国内工業、商業への融資、預金業務)略称:INCOM BANK
・株式銀行
ベトナム輸出入銀行(輸出企業への信用業務)
民
サイゴン信用商業銀行(ホーチミン市チョロン地区の信用業務)
営
ベトナム海事商業銀行、 アジア商業銀行、住宅銀行、メコンデルタ開発など
銀 ・合弁銀行
海事商業銀行(海運、郵便の信用業務)
行
インビナ銀行他(海外の資金調達、預金業務)
・外国銀行支店 インドスエズ、クレデイ・リヨネ 、バンコクバンク、シティーバンク 、東京三菱、富士など
そ
の
他
・信用組合ー共同組合の組織をとる金融機関
(組合員の出資した資金で運営、組合員への融資)
・金融会社ー国営企業か株式会社の形態をとっている
(資本金や融資から得た資金での融資)
(外国貿易銀行:Vitecombank)
ベトナム外国貿易銀行は63年 4月に設立され国内、国外の信用関係業務や対外支払いを行
うことを目的としている。新銀行法の公布で外国貿易銀行は外貨関係取引を行う唯一の銀
行ではなくなったがベトナム最大の国際銀行に変わりはない。契約決済の7割以上のシエ
アーを持っておりその運用の90% は国営企業の貿易向けとなっている。世界85ケ国の700
以上の銀行とコルレス契約を結んでいる。
(本店) 47-49 Ly Thai to boulevard Hanoi ☎8265501
FAX 84-4-8269067
(ホーチミン) 29 Ben Chuong Cuongt Dist.1 HCMC ☎8297245
FAX 84-8-8297228
32
ベトナムの金融市場は93年 7月に銀行間取引市場が開設されて、その時点の取引規模は
4億ドルと言われていた。市中貸出金利は94年 9月から一部自由化されて中央銀行は枠の
みを定め市中銀行が金利差をつけて運営することができるようになった。銀行の金融市場
占有率は国営銀行が70% 、外資系支店・合弁銀行が17% 、国内民営銀行が13% となってい
る。国営銀行は圧倒的なシエアーを占有しているが外資企業の増加につれて外国銀行及び
合弁銀行の業績が向上している。国内企業も外資銀行に口座を持つところが急増しており
貸出金利が低いことに加え金融知識が豊富で信用度・資金力が国際的に高いことが歓迎さ
れている。また国内銀行のように煩雑な書類作成、担保要求、融資金額の制約が少ないこ
とも大きな魅力となっている。(1999年当時の貸出年金利:外国銀行7.5%
VN銀行外貨
ローン8.5% VN銀行は緊急融資 $3000万以上は不可能)
ベトナムの金融環境は依然金とドルが主体となっており金融セクターが十分機能してい
ないと言われ公的金融セクターの資金量は42億ドルであるのに対し金・ドルの闇外貨の保
有量は 100億ドルを越えるとされてる。大衆の銀行不信は根強くベトナム戦争末期に南部
で起きた銀行経営者の預金横領をはじめ統一後の国有化と個人資産の接収、預金封鎖など
が原因とされている。いづれにしても今後ともベトナムの開発投資資金需要は膨大である
ことから銀行は資金を広く呼び込む(資本蓄積)ことが重要である。ベトナム政府は為替
管理に関する政令(94年 8月) を施行して外貨管理を明文化し98年 2月には外国為替管理
の措置(布告第37-QD-TTg 号) を次の通り発表した。
外国為替管理に係わる措置(布告第37-QD-TTg 号)
第1条
外資企業を含む企業、会社、共同事業その他経済組織で物品、サービスの販
売で外貨収入のあるものは全て外貨を与信機関の外国口座に直ちに送金しな
ければならない。海外に預金口座開設の許可をもつ経済組織はライセンスに
規定された一定額を保留できるものとする。
第2条 ベトナムの経済組織、行政体、政治・社会組織は外貨預金の口座を1口座の
み開設できる。他の口座を開く必要がある場合は国家銀行の許可を要する。
ベトナムの経済組織、行政体、政治・社会組織で他の場所に支店又は下部組
織をもつものは同一金融システムでの支店に別の口座を開ける。当該地の同
一システムのところで開設してもよい国家銀行に登録を要する。
一口座に集中する目的で従前口座を閉じる(又は新口座を開く)場合は1998
年 3月31日までに完了のこと。そして 4月15日までに国家銀行に通知のこと
。外資が特別外貨口座を開く際は外為管理法の規則に従ってすること。
第3条 経済組織は月末残の外貨のうち翌月に必要な合理的外貨を使用してよい。そ
して残高は銀行に売却しなければならない。外貨必要額は翌月の総費用から
フォーワード契約にて銀行が売却する外貨を差し引いたものをベースとする
ことができる。
第4条 ベトナムの行政体、政治・社会組織で外貨収入のあるものは直ちに銀行に売
却しなければならない。本決定第5条(b)に準拠する。
第5条 本決定時の第3、4条の外貨預金残高は次のように処理する。
(a) 第3条の残高は98.3.31 までに合理的な支出に要するものに充当し、残り
は銀行に売却する。
33
(b) 第4条の残高は全額銀行に売却する。
定期的外貨収入のある場合は口座を保つための最低必要額は保持してよい
。本決定の外貨売却は98.2.28 まで完了のこと。
第6条 第3、4、5条の外貨売りは外貨企業の法定資本出額、ODA及び民間借款
から得た外貨は外為管理の規則に準ずる。
第7条 ベトナムの経済組織、行政体、政治・社会組織が将来外貨を必要とする場合
はフォーワード契約をする権利を有す。
本条で銀行に外貨を売却したものは支払いの必要が生じた場合売却額と同類
を銀行から買入れできる。与信機関による外貨売買はスポット、フォワード
、スワップ取引規則により実施する。フォワードとスワップ取引の期間は6
ケ月を超えない。
第8条 与信機関は経済組織、行政体、政治・社会組織の合理的必要外貨を充たす責
任があり、同様に外貨ポジション、ベトナムドン、売買レートに係わる国家
銀行の規則に準じなければならない。
第9条 経済組織、行政体、政治・社会組織は出来るだけ経済的に外貨を支出するこ
と。投資・開発、必須原料の輸入及び外貨決済に要する外貨は優遇措置の対
象とする。
第10条 許可なく金及び外貨の売買をすることは全て禁ずる。
第11条 違反行為は軽重に応じて行政処分規定により処理する。重大な違反行為は刑
法に準拠するものとする。
第12条 98.2.16 から発効
第13条 本決定の指導、モニター、活性化、検査は国家銀行の責任とする。
第14条 各省庁、省市の人民委員会議長は本決定実施の責任を有する。
首相
ファン・バン・カイ
(注)HCMC: ホーチミン市略
(日系銀行支店)2004
・東京三菱銀行
58Ton Duc Thang Dist.1 HCMC (8/F LANDMARK)
34
☎8231560
FAX84-8-8231559
(ベトナムの為替レート)
ベトナムは1989年より変動相場制度を採用しており公定レートと実勢レートの差はほとん
どなくなっている。為替レートは中央銀行が外為センターの市場レート(対米ドル公定レ
ート)に基づき主要国通貨の公定レートを公示し、これを受けて各銀行が一定の範囲内で
建値(売買値)を決めている。1998年 8月 6日付中銀通達でベトナムドンの対米ドル為替
の変動幅を公定基準レートの上下 10%から7%に縮小することを決定している。
(公定為替基準レートの平均推移:対US$1.00)
年度
89
Dong
4,300
90
91
92
93
94~97
98~99
2000-01
6,800
12,960
10,500
10,840
11,000
13.000
1,4000
(資)Asia
Development out look . Vitnam
news
地場銀行のドン建て金利(1994/8より適用)
貸出金利
月
中央銀行ガイドライン
率
1.8-2.1%
(短期融資)
預金金利
月
(普通預金)
率
年
率
0.1%
1.2%
(定期預金)
・輸出業、農業、製造業
1.8
1ケ月
0.3
3.6
・小売業、卸業
2.1
3ケ月
1.0
12.0
(中長期融資)
1.7
6ケ月
1.3
15.6
1
1.7
20.4
年
外貨預金金利(1998/4・1 より適用)
(定
米ドル
英国ポンド
ドイツマルク
フランススラン
日本円
期
金
利)
期限なし
1ケ月
3ケ月
6ケ月
9ケ月
1年間
4.86
7.00
3.00
3.00
0.40
5.40
7.25
3.25
3.20
0.65
5.43
7.30
3.30
3.30
0.55
5.45
7.35
3.35
3.35
0.53
5.48
7.38
3.40
3.40
0.50
5.52
7.40
3.50
3.50
0.48
(資)VIETCOM BANK
ベトナム世帯の貯蓄(1993)
貯蓄世帯
世帯当たりの貯蓄額
世帯当たりの人数
都市
69.1%
5,485,000ドン
4.94 人
農村
43.1%
856,000ドン
4.97 人
世帯人数:5人
一所帯の資金運用
銀行預金 8% 株・債券4%
金(GOLD)44% 稲 籾 3%
現金保持14% 家・バイク27%
(資)State Planning Committe 1994
35
(保険会社)
ベトナム政府は保険事業の発展を目指して「保険事業規則」を発行させた。内容は保険事
業の内容を明確にすると共に保険代理店の運営について規定している。
95年現在、ベトナムの保険会社は国営のBAOVIET 社の他4社程あるが、外資保険会社も事
務所の申請を進めている。
・BAOVIET(Vietnam Insurance Company)-ベトナム保険公社
(本社)7 Ly Thuong Kiet Hanoi
☎8245922
(支店)22 Ton That Dam Dist.1 HCM
☎8255189 FAX8251021
(その他)・バオシン社・ペトロリソックス保険社(PJICO)・ニャロン保険(BAO LONG)
(合弁)
・ベトナム インターナショナル アシュアランス(VIAC)
BAOVIET(51%)、東京海上火災保険(日本)、コマーシャルユニオンアシュアランス (英)の合弁で
生命保険以外の全てを扱い特に外資企業の保険業務を重点とする
(参)日系保険会社駐在事務所 (2001/2時点)
・安田火災海上保険
(8/F UNIT H,SUNWAH TOWER)115 Nguyen Hue HCMC☎ 8219034 FAX 8219037
・東京海上火災保険
(8/F THE LANDMARK) 5B Ton Duc Thang St.HCMC ☎ 8226307 FAX 8226308
・三井海上火災保険
(8/F SUN WAH TOWER)115 Nguyen Hue HCMC
☎ 8219030 FAX 8219029
・住友海上火災保険( BAOVIET社と提携して保険サービスを行っている)
UNIT 3C2 HANNNAM OFFICETEL 65 Nguyen DU HCMC☎ 8221496 FAX 8211497
(税務会計業務会社)
ベトナムの税務会計サービスを行う会社は次のものがある。また投資拡大に伴って外国
の監査法人の進出が目立っている。
◎ベトナムの会社
◎外国監査法人
・VIETHAM AUDIT C0.(VACO)
・FINANCE ACCOUNTING AUDIT CONSULTY
・AUDIT & CONSULTING CO.
・SAIGON AUDIT & FINANCE CONSULTING CO.
・DANANG AUDIT CO.
・AUDIT & INFORMATIC SERVICE CO.
・HA LONG AUDIT CO.
・THUY CHUNG AUDIT CO.
・VIETNAM ERNST & YOUNG: (100%外資)ハノイ営業
・RUY MORENO: ホーチミン市営業
・VIETNAM KPMG PEAT MARWIEK(100%外資)
・PRICE WATERHOUSE
・VIETNAM DECOITTE TOUCHE TOHMATSU(合弁)
申請中
・COOPERS & LYBRAND (合弁)
・中央青山監査法人 4F Saigon Tower bild.☎8230796
・監査法人 ト―マツ Saigon Trade Center
☎9100751
・監査法人太田昭和センチュリー Saigon Riverside Bild.
☎8245252
36
●ベトナム商工会議所(Vietoco Chamber-1963設立)
外資企業のベトナムでの経済活動に対し非常に重要な役割を果たす非政府機関である。
(ハノイ 本部) 33 Ba Trieu St.Hanoi
☎8252961 8253023
(ホーチミン 支部)171 Vo Thi Sau St.Dist.3 HCM ☎8230301 8230331
(ダナン 支部) 172 Bach Dang Danang
☎222930
(日本事務所)東京都港区赤坂3-8-14遠山ビル 2F ☎ 03-3585-7349
機
能
FAX
FAX
FAX
FAX
84-4-8256446
84-8-8294472
84-51-222930
03-3585-8492
・ベトナム貿易業者、製造業者、その他団体を支援
・情報(経済・対外貿易)、法制に関する出版物の提供
・双方の経済、技術的テーマ に関するセミナーシンポジューム の開催
①国際見本市・展示会の手配・支援
②外資合弁の支援(商品、サービスの導入・広告)
・原産地証明書の発行
(商工会議所組織図)
総会(General Meeting)
監査局(Auditing Boad)
外国貿易仲裁委員会
海運仲裁委員会
損害調整委員会
*監督・検査会社
理事会(Executive Boad)
(会頭)Doang Duy Thanh
・委員長・事務局長(代理)
常設委員会(Standing Committe)
*Vinacontrol(Vietnam Superintendence Inspection) :1959年開設の外国貨物検査
機関。世界最大のSGS(Societe GeneraleSurveillance)の支援を受けている。
・海外本部
・委員会事務局
(対海外緒団体)
・海外パートナー との
合同商工会議所
(機能する局)
・国際関係局
・加 盟 局
・情 報 局
・企画人事
・見本市、展示貿易 ・会 計 局
・法 務 局
・管 理 局
・特許商標局
(加盟機関)
・輸出入法人企業
・サービス会社
・輸出品製造業者
・経済、科学、技
術研究機関
・諸団体
・製造、貿易業者
(支
部)
・ホーチミン 市
・ダナン
・その他工業
地域
貿
易
サ
|
ビ
ス
会
社
◎貿易サービス会社(TSC:Traiding Searvice Company)
ベトナム商工会議所の100%出資会社で国内外で広範な情報を提供している。
業
務
(ハノイ) ☎ 264259 FAX 84-4-256446 (ホーチミン) ☎ 225604 230598 FAX 84-8-294472
・ベトナムのビジネスツアーの提供、自動車、バスの貸出
・ベトナム従業員の募集、オフィス設備の貸出・販売、パンフレット
・ビジネスコンサルティング、仲介サービス
・商品カタログ、サンプルのベトナム内外の配布
・貿易促進(貿易展示会、ショールーム、試し売り)の業務実行
37
●駐在事務所
駐在員事務所の開設にあたっては1991年 5月 6日に駐在員事務所設置法が制定された。
管轄は商業省で許可制をとっており活動期間は原則1年、毎年更新する必要がある。
(駐在員事務所の認可条件)
対
象
駐
在
所
開
設
の
条
件
投資、貿易、財務・金融、通信・運送・郵便、観光サービス、科学的または技術
協力にかかわる事業者
・直接投資の検討、交渉のための駐在所
法定資本金が 200万米ドル以上である
・直接投資実行のための駐在所
計画投資省の承認を得た外資で出資額が 500万米ドル以上である
・貿易会社の駐在所
過去2年以上ベトナム企業との貿易の実績がある
年間 200万米ドル以上のベトナム商品を輸入する
信用度が高くベトナムと長期に取引関係樹立が見込まれる
・金融業の駐在所
銀行の支店あるいは合弁の開設許可を受けている
ベトナムの金融分野の協力事業を推進する
・観光・サービス業の駐在所
ベトナムの国家機関が承認する観光・サービスの協力事業を行う
国家機関の承認を受けてベトナム企業との契約を履行する
・通信・運輸・郵便・科学技術協力の駐在所
当分野の国家機関の事業を推進する場合
国家機関の承認を得てベトナム企業との契約を履行する場合
(資) JETRO「投資技術案件ニュース」
(設立申請先)
・
銀行を除く全事業:商業省と駐在予定地の省、直轄地の人民委員会
・銀行の場合:中央銀行
(申請書類)
商業省の定める申請書をベトナム語及び一般外国語(英語、仏語、 ロシア語)で作成し、
次の書類を添付する。
・外国企業駐在事務所規則第5条の書類
・外国当事者の概要
・その他、計画書・事業契約書およびベトナム企業と調印した書類
(申請認可)
商業省(銀行は中央銀行)は申請書の受理日より60日以内に審査結果を外国申請者に通
知する。認可証の有効期間は3年以内とされている。但し、申請者の要請により商業省
は有効期間の延長を承認できる。認可証には活動目的、分野、認可の条件が明示される
(登
録)
申請者は認可時に規定の手数料を大蔵省発行の印紙で支払う。許可証の受理日から60
以内に駐在予定地の市、地方人民委員会に登録をしなければならない。
また60日以内にベトナム人の雇用、住宅の賃貸状況等を当該市、地方人民委員会に報告
する。この時駐在員事務所の従業員( 外国人、ベトナム) の履歴書について登記しなけ
38
ればならない。省人民委員会は登録の日より15日以内に登記許可証を発行する。
(事務所開設)
認可を受けた日から90日以内に事務所の設置を行わなければならない。不可能な時は理
由設置日の計画書を市、人民委員会に提出する。
(活動範囲)
駐在員事務所の活動範囲は認可証に明記された範囲に限定される。
(事務所の賃貸・従業員の雇用)
駐在員事務所は事業及び住居に必要な事務所等必要な施設を貸借りし、ベトナム市民を
雇用することができる。
※事務所・住宅・人材はFOSCO(FOREING SERVICE CO) を通して契約することができる。
(銀行口座開設)
事務所認可を受けた企業は外貨より交換したベトナム通貨と必要に応じて外貨の銀行口
座を開設しなければならない。口座は駐在員事務所の業務のみに用いるもので許可証に
指定された活動の範囲内の事業活動に限られる。
(設備必需品の輸出入)
87年 8月27日付閣僚評議会告示NO.131-HDBT 8条に基づいて駐在員事務所は事業及び個
人的に使用する設備物品を輸入し活動終了後に再びベトナムより輸出することができる
(活動報告書の提出)
駐在員事務所は活動に関する報告書(ベトナム語と必要に応じて広く使用されている外
国語の2通)を毎年6カ月(報告書:7/1 ~5 年次報告書:1/1 ~5)ごとに作成し商業省
及び地方の人民委員会に提出しなければならない。
(駐在員事務所の変更及び終了)
駐在員事務所は名称、所在地、支店開設、駐在員又は従業員の変更、事務所閉鎖をする
時は変更希望日の30日以内に商業省に文書で通知し許可を得てから実施する。
(事務所認可の取消)
各手続きを指定期日内に実施しない場合は法律によって認可は取り消される。
(駐在員事務所の終了)
駐在員事務所の事業終了は①申請者が要請した時、②認可証の有効期限が満了した時、
③認可証の記載事項の違反に対して商業省が決定した時とされている。
(日系企業駐在事務所の推移)
年
号
1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 98/1-9
合
計
新規認可数
17
14
23
15
44
43
68
56
37
18
335社
ハノイ
ホーチミン
他地域
7
10
0
7
7
0
9
14
0
6
8
1
23
20
1
22
18
3
32
33
3
23
31
2
12
21
4
5
11
2
146
173
16
閉鎖事務所
-
-
5
-
-
-
-
18
7
16
46社
開設累計数
17
31
49
64
108
151
219
257
287
289
289社
39
外国駐在事務所(1997年)
駐在事務所数
2,640社(ハノイ-725
ホーチミン-1,750
メイド・警備員(夜間勤務+$50)
事務員・秘書・アシスタント
運転手・コック
事務所所長
(平均月額)
280万ドン($250)
事務所賃貸料
(月額)
(例)ハノイの場合
市内 $35-40/㎡ 郊外 20/㎡
他-165)
: 80~100 ドル
: 186~710 ドル
: 150~200 ドル
: 750~850 ドル
駐車場 $40-50/台
(資)ベトナム経済動向
(在日大使館の資料)2004.7月時点
ベトナムで事業を起こすのに必要な手続き
◎事業所の設置
ベトナムにおいて商用目的の事務所を設置するためには、外国企業は次の認可のうち一つ
を受ける必要があります:
○代表事務所の認可
ベトナムでは通常、代表事務所は簡単に設置することができます。認可証は各地の人民委
員会が発行し、「ベトナムにおける外国からの経済団体代表事務所の設置および運営に関
する法令」に定められてある通り、活動範囲についても認可します。代表事務所では、事
務所となるスペースまたは住居を借り、現地スタッフおよび定められた人数の国
外居住者によるスタッフを雇用し、定められた範囲内でビジネス活動を展開します。認め
られている活動としては、関係企業の本社が実施する市場調査、市場および販売プログラ
ムのモニター調査のほか、長期における投資活動の促進があげられます。代表事務所はあ
くまでも商業上の連絡所であり、実際の操業場所としてはみなされていないため、貿易、
専門的サービスの提供、収入の保管、事務所スペースの転貸など収入が発生する活動はす
べて禁止されています。
代表事務所の認可証では、外国企業は1カ所につき事務所を1つ開設できるとされていま
す。万一、企業が同じ都市に二つ目の事務所を開設する、あるいはよくあるケースですが
他の都市に開設する場合、代表事務所支部の認可証が必要になります。
(税金について)
代表事務所は法人税および会計監査の対象外となります。ベトナム人および国外居住者の
スタッフに対する所得税
は関係する法令に従ってください。
(申し込み手続き)
代表事務所設置の手続きは比較的スムーズに進みます。申込書および必要な書類は現地の
人民委員会に提出します。申込書およびプロフィールは英語とベトナム語で記載し、正式
発行されたものでなければなりません。
認可証が発行されると、申込者には現地の人民委員会への登録期間として90日与えられま
40
す。1999年5月1日施行の法令によると、代表事務所認可証の費用は1,000,000VND(日本円
で約10,000円)です。通常、認可証の有効期間は3年で、これよりさらに3年延長すること
もできます。
○支部の認可
ベトナムの法律では、「支部」という言葉は100パーセント外国所有のビジネスを指すと
されており、指定されたサービス分野で操業することを意味します。この分野とはベトナ
ム政府が定めて監視するもので、銀行業、法律、保険およびたばこ産業があげられます。
外国企業の支社はまず代表事務所としてベトナム入りし、後に支部の認可を行う場合が多
いです。支部にはオンショアの請求や現地契約の施行といったベトナムにおける活動を公
式に運営する権限があります。
(税金について)
支部には、その資産および活動に対しベトナムでの税金を支払う義務が課せられます。
(申し込み手続き)
支部認可の申込書は通常、商務省または対象となる産業の管理機関(例えば、銀行業務の
認可についてはベトナム中央銀行、法務の認可については法務省など)に提出します。
○外国投資の認可
ベトナムにおける外国投資法では、ベトナム内で可能な外国投資の認可にはいくつかのタ
イプがあります:ビジネス協力契約(BCC)、ジョイントベンチャー(JV)、さらに100パ
ーセント外国投資企業(FIE)があげられます。
以上在日大使館資料
-
メ
モ
-
41
◎会計制度
外資企業は世界で広く使用されている会計基準をベトナム大蔵省及び統計局の承認を受
けて使用することができる。一般にはアメリカの基準を採用している合弁企業が多い。
(会計原則の承認・変更)
外資企業は投資認可申請書と一緒に会計原則申請書を大蔵省に提出しなければならい。
大蔵省は申請書受理日より30日以内に当該会計原則についての公式見解を通知する。
会計原則は大蔵省の承認を得れば会計年度の始めに変更することができる。
(会計年度)
会計年度は税務年度と同じく太陽暦の 1/1~12/31 の歴年とする。但し、外資企業は会
計と税務のために独自の12カ月の会計年度を採用する旨を申請することができる。
(主要単位・言語)
会計簿記に使用する通貨単位は原則としてベトナム・ドンでなければならない。但し、
外資企業は大蔵省の承認を受ければ外国通貨を簿記に使用することができる。
会計と統計記録はベトナム語で作成するか、大蔵省及び統計局で認可された場合は外国
語で作成することができる。
(会計報告)
外資企業は 3カ月ごと及び年次の財務諸表(貸借対照表、損益計算書、取締役報告書)
をMPI(計画投資省)及び大蔵省に提出しなければならない。
(監査義務)
外資企業は年1回定められた時期に監査を実施し、監査報告書を年次報告書の提出期間
前にMP1 (計画投資省)及び大蔵省に提出しなければならない。
◎ベトナムの会社法・民営法
(1) 会社法(1990・12施行)
18才以上のベトナム市民は各種経済部門で法人格を有する有限責任会社または株式会社
に投資しあるいは参加することができる。ただし軍関係者は事業参加を禁じられている
。なお法律によって制限されている分野への進出は政府の特別許可が必要となる。
制
限
爆発物、毒性の生産、流通、稀少貴重な鉱物の採掘、電気、水道、通信、郵便、
出版、ラジオ・テレビ放送、海運、空輸、国際観光、輸出入事業
会社設立の許可認定は申請の日から60日以内に決定され、却下された場合は上訴する権
利が認められている。会社登記は営業許可証の発給日から有限責任会社で 180日以内、
株式会社は 1年以内に行わなければならない。登記事項の変更、本社所在地以外の省・
市に支店を開設する時は新たに認可を受けなければならない。
(2) 民営業法(個人経営企業法)(1991・ 4・15施行)
18才以上の全ベトナム市民は民営企業を設立することができる。但し政府の行政官、軍
人は禁止されている。個人は法律により制限を受ける分野(政府の許可が必要)を除け
ばあらゆる種類の経済活動に参加することができ、公営企業と平等な地位が認定される
42
。私企業の認可は申請日より30日以内に決定され、設立が却下された時は上訴する権利
が認められている。私企は営業許可の後、60日以内に登記しなければならない。登記後
営業を開始することができる。本社以外の省・市に支店を開設する時はそれぞれ登記が
必要で登記事項の変更は地方の人民委員会の承認を必要とする。
・国有企業 中央政府直営:国営企業 地方省庁:公営企業
・共同組合(集団所有企業) 中央・地方直営の企業、政府各省の企業
その他の組織するユニオン 会社法はない
1990・12/ 21付で会社法を施行
株式会社
企業分類
・私有(民間)企業
有限責任会社
・私的企業(個人・家族経営)
90・12/2付で私的経営法(民営法)施行
合弁企業
・外資企業
100%外資企業※
87/12 新外資法制定
BOT契約(法人設置が必要)
事業協力(法人設置は不要)
輸出加工区への投資
委託加工貿易
輸出加工区法
・92年12月の国会議決によってベトナム個人・私企業も外資との事業契約を認められた。
(会社開設経路)
(民営)60日以内
(民営業 30日以内)
(有限・株式60日以内)
事業者
・
申
請
書
⇧
人民委員会
43
認
可
却
下
(株式) 1 年以内
(有限)180日以内
・
許
可
書
⇧
登
記
営業開始
(上訴権が認められる)
●経済特別区(輸出加工区(EPZ) 及び工業団地(IP))
ベトナム各地に経済特区が建設されている。大別して輸出加工区(Export-ProcessingZone) と工業団地(Industrial Park) に分かれているが、いずれも税制の優遇措置が法制
化されており投手続きもワン・ストップ・ショップと言われる管理事務所(審査委員会board of review)で全てを対応するため認可手続きが早く済むのが特長となっている。外
資企業からすればEPZは非常に有利な投資環境となっており、100%外資企業の設立であ
ればパートナーに配慮する必要もなく自社の分工場として親会社と同じ経営方針で自由に
生産活動が可能である。また原材料の輸入税は免除され製品の輸出手続きも区内に設けら
れた通関窓口で簡単に行うことができる。輸出加工区(EPZ) は91年10月の政令により規定
されたが、93年 4月の外資法改正により19条aとして追加条項になった。なおEPZで製
造したものを国内へ売ることもできるがこの場合は輸出入の法規制の対象となり関税の支
払いが発生する。工業団地(I.P) に関しては95年 1月 1日付で「工業団地規定」が首相の
裁可を受け政令 192号として法制化された。IP企業は輸出企業としても国内市場向け企
業としても設立できるのでEPZより自由度が高い。
(輸出加工区・工業団地・一般地域の比較)
輸
進出形態
合弁・100%外資共に可能
実態は100%外資の進出がほとんどである
出
販 売 路
輸出義務がある
加
原料調達
ベトナム国内からの調達は輸入税がかかる
工
下
請
現地企業を下請けに利用するのは不可
区
保
税
全体が保税区
ベトナム国内への販売は輸出扱いになり関税が発生
進出形態
合弁・100%外資共に可能
ベトナム企業の進出の可能性が高い
販 売 路
ベトナム国内への販売も自由
原料調達
ベトナム国内からの調達は可能
下
請
現地企業を下請けに利用することも可能
保
税
保税工場の設定も可能
工
業
団
地
進出形態
合弁・100%外資共に可能
100%外資は地域・業種等の制約がある
販 売 路
ベトナム国内への販売も自由
原料調達
ベトナム国内からの調達は可能
下
請
現地企業を下請けに利用することも可能
保
税
保税工場・地域はない
一
般
地
域
(資)中小企業事業団
44
(在日大使館資料)2004 7月時点
◎優遇制度
ベトナム政府は競争的投資環境を作ることを約束しています。このため、特に下記の奨励
分野における投資について、ベトナムに投資する外国投資家に適用される数多くの優遇措
置を用意しております。
輸出製品の生産
農林水産物の栽培、養殖、加工処理
高度な技術及び知識を含む投資
環境保護
調査及び開発
労働集約的工業
原材料及び天然資源の有効利用
主要インフラ及び生産能力事業
これら優遇措置の殆どは、投資家に賦課される税の免除又は減額により構成されてます。
これらの大部分はベトナム外国投資法施行細則規定の布告No.12/CP(外資布告)
に規定されてます。
下記第46条の場合を除き、外国所有資本の及び外国事業協力契約の企業はその得た利益
の25%を事業所得税として支払わなければなりません。
○事業所得税(BIT)率の優遇措置
投資が奨励されている場合に適用されるBIT率は以下のとおり。
下記基準のいずれか一つを満たす投資事業には20%の率が適用になる。
サービス分野で操業中のIZ企業
第45条及び本条項の第2項,第3項に示された奨励事業リストに無い製造事業
以下の基準のいずれか一つを満たす投資事業には15%が適用される。
奨励事業リストにある投資事業
社会経済状態が困難な地方への投資
サービス分野で操業している輸出加工企業
製品の50%超を輸出しているIZ企業
操業終了時にベトナム政府に無保償で移譲することを条件とした企業
以下の一つと認められる投資事業には10%が適用される。
本規定の第2項に定める2つの基準に合致する。
特に奨励された投資事業リストにある。
奨励地域リストに掲載された社会経済状態が困難な地域での投資事業である。
IZ,EPZ,HTZのインフラ設備開発促進企業;輸出加工企業である。
医療,教育,訓練、科学的調査に投資する企業である。
45
優遇BIT率を受ける資格がある期間の規定は以下の通りです。
以下の基準のいずれか一つに合致する事業に関し、本条項規定の優遇率は当該事業の全期
間で適用される。
特に奨励された事業リストにあるもの。
投資が奨励されている社会経済状況が特に困難とされる地域リストにあるもの
IZ,EPZ,HTZにおけるインフラ開発の事業であるもの
IZ,EPZ,HTZ域内での事業であるもの
医療,教育及び訓練、科学的調査の分野の事業であるもの
段落1で言及された事業を除き、商業活動開始日より15年間10%BIT率を適用する。
段落1で言及された事業を除き、商業活動開始日より12年間15%のBIT率を適用する。
段落1で言及された事業を除き、商業活動開始日より10年間20%のBIT率を適用する。
段落2、3、4にあるBIT優遇率享受期間経過後はその事業には25%の標準率が適用となる。
トナムのFIL条項に従いベトナムで投資を行う海外のベトナム人は、同じ型の事業に投
資する者に比べ、BITが20%減額される。但し、税率10%が適用される場合を除く。
他の優遇関連法令
ベトナム外国投資法(FIL)施行細則を定めた2000年7月3 1日付政府布告24/ND-CP
ベトナムにおける外国直接投資活動保護推進のためのいくつかの措置に関する布告No.
10/1998/ND-CP(布告No.10)
外国直接投資推進のためのいくつかの措置に関する決定No.53/1999/QD-TTg(決定No.53)
利益送金税優遇制度
利益送金税制を通し適用される優遇税制もあります。通常の利益送金税率は7%ですが、
あなたの投資が10百万米ドル超ならばあなたの税率は3%のみで、もし5百万米ドル~
10百万米ドルの間であれば5%のみです。
関連法規
2000年度ベトナム外国投資法
ベトナム外国投資法施行細則を定めた布告No.12/CP及び&No.24/CP(外国投資布告)
BOT事業
あなたがBOT事業への投資に興味あるときにも優遇が受けられます。これらの優遇制度は
、10%の低税率、海外への利益送金の低減源泉徴収税、8年までの課税猶予期間、一部の
輸出入関税免除、及び土地使用料の支払免除を含みます。BOT,BTO若しくはBT契約の形態
の投資事業、工業区域や輸出加工区域のインフラ建設の事業、及び工業区域や輸出加工区
域で投資を行う事業については、優遇所得税率がその投資事業を実施している全期間にわ
たり適用されます。
他の法的規則
改訂国内投資促進に関する法令No.03/1998-QH10の実施細則を定めた1999年7月8日付政府
布告No.51/1999/ND-CPの規定に従う減税及び免税の実施基準を定める通達No.146/1999/TT
-BTC
46
再投資された利益
あなたがあなたの利益をベトナムの奨励分野に再投資することを決めた場合、あなたは企
業所得税の全部又は一部を戻してもらうことが出来ます。これを得るためにあなたは大蔵
省に申請し、また、以下の条件に合致する必要があります。
あなたの再投資先が推奨分野であること
最低3年の期間でなければなりません、そして
投資認可証記載の法定資本金が全て払い込み済みとなっていること
あなたがこれらの要求を満たした場合、払い戻しは
10%税率適用の事業については100%
15%税率適用の事業については75%
20%税率適用の事業については50%
となります。
関連法規
ベトナム外国投資法2000
ベトナム外国投資法施行細則を定めた布告No.12/CP及びNo.24/CP(外国投資布告)
損失繰越
ベトナム政府は全ての新規投資家が操業してすぐの日から利益を得られるものとは認識し
ておりません。
この状態に対応すべく、あなたは利益がでた最初の年から5年間は税務上あなたの損失を
繰り越すことが認められております。
関連法規
ベトナム外国投資法2000
ベトナム外国投資法施行細則を定めた布告No.12/CP及びNo.24/CP(外国投資布告)
資本化資産
いかなる資産もあなたの投資の資本を形成するならば輸入関税は免除されます。
関連法規
ベトナム外国投資法2000
ベトナム外国投資法施行細則を定めた布告No.12/CP及びNo.24/CP(外国投資布告)
その他検討事項
税金
税制検討で関連する法的規則など
ベトナム外国投資法2000
ベトナム外国投資法実施細則を定めた布告No.12/CP 及びNo.24/CP (外国投資布告)
ベトナム外国投資法に基づく投資形態別に適用される課税規定の施行指針を定めた通達N
o.89/1999/TC/BTC(通達No.89)
47
特別売上税法実施の細則規定を定めた布告No.84/1998/ND/CP(布告No
.84)
会社法、私企業法、ベトナム外国投資法、国内投資促進法に関する、合弁銀行やベトナム
の外国銀行支店の投資家、ベトナム外国外資法に基づく事業協力契約者などの税徴収に関
る指針を定める通達No.96/TC/TCT(通達No.96)
輸出入関税法
2000年度アセアン諸国の共通実効特恵関税協定実施のためのベトナム商品関税率表公
布に関する2000年3月21日付政府布告No.09/2000/ND-CPの施行指
針を定める通達No.36/2000/TT-BTC(通達No.35)
ベトナム外国投資法に基づく投資形態以外の他の形態によりベトナムで事業活動を行う外
国組織や個人に適用される税制の指針を定めた通達169/1998/TT/BTC(通達No.169)
土地
ベトナムでは全ての土地は人民のものです。しかしながら、このことは不動産開発への長
期投資の可能性を制限するものではありません。土地使用権は最近改訂された外国投資法
のもとで賃貸、移転、抵当に付すことが可能です。
関連法規
・ベトナムにおける外国投資形態ごとに適用される土地、水上、海上の賃貸料規定を定め
た決定No.179/98/QD/BTC(決定No.179)
・ベトナム外国投資法2000
知的工業所有権
ベトナムには商標の登録・保護の十分に組織された国家の制度があります。投資家がその
商標をベトナムで登録しそこで保護を得ることは非常に重要です。
その他の工業所有権も管轄する国家工業所有権事務所(NOIP)が商標制度を管理しま
す。ベトナムは工業所有権の保護に関する国際パリ協定、及び国際商標登録のマドリッド
協定にも加盟しております。ベトナムではその民法の中に投資家のコンピューターソフト
ウェアを含む著作権を保護する規定を持ってます。ベトナム政府はアメリカ合衆国政府と
著作権関係を樹立する協定も締結しました。(1998)
保証
ベトナム政府は投資家の企業は国有化されず、又、その資産も没収されることが無いこと
を保証しております。
関連法規
・ベトナム外国投資法2000
・ベトナム外国為替法
外国為替一般
ベトナムの外国為替法はJVC,EFOCを含む全てのベトナム国民や組織、及びベトナ
ムで操業中の全ての外国居住者や組織に適用されます。
ベトナムで使用されている通貨は「ドン」です。
48
国際通貨市場では自由に両替できませんが、投資家はベトナム国内の銀行から外国為替を
購入したり、海外に利益を送金したり資本を戻したりする権利を有します。
当座勘定取引は制限されないというのが一般原則ですが、資本取引には国立銀行の承認が
必要です。 国立銀行の承認を条件として、投資家はその投資にかかわる海外銀行口座を
持つ権利も有します。
(以上在日大使館資料)
(経済特別区)97.5現
年
開発団地名
開発地
91
TAN THUAN EPZ
ホーチミン市
300ha
台
92
LIN TRUNG SEPZ
ドンナイ 省
60ha
中
DANANG EPZ
ダナン 省
63ha
CAN THO EPZ
カント 省
NOI BAI IP
94
投資額
入居数
湾
89
99
国
14
17
マレーシア
12
1
136ha
ベトナム独資
14
7
ハノイ 市
100ha
マレーシア
30
ハイフォン市
153ha
日
本
164
6
AMATA IP
ドンナイ省
100ha
日
本
46
3
A TUY HA IP
ドンナイ省
100ha
日
本
12
4
BIEN HOAⅡ IP
ドンナイ省
376ha
ベトナム独資
18
89
DAI TU IP
ハノイ 市
40ha
台
湾
12
SONG THAN IP
ビンズオン省
180ha
ベトナム独資
25
7
GO DAU IP
ビンズオン省
210ha
ベトナム独資
18
12
ビンズオン省
100ha
シンガポール・日本
18
12
ドンナイ省
100ha
本
18
89
SAI DONG IP
ビンズオン省
97ha
ベトナム独資
12
9
MY XUAN A IP
ブンタウ省
123ha
ベトナム独資
18
1
DAEWOO HANEL IP
ハノイ 市
290ha
韓
国
18
1
DONG XYEN IP
ブンタウ省
164ha
ベトナム独資
30
DIEN NGOC IP
ダナン 省
145ha
ベトナム独資
17
BINH CHIEU IP
ホーチミン市
28ha
ベトナム独資
HIEP PHUC IP
ホーチミン市
322ha
ベトナム独資
65
TAN TAO IP
ホーチミン市
181ha
ベトナム独資
50
SON THAN IP
ビンズオン省
442ha
ベトナム独資
45
ダナン 省
120ha
ベトナム独資
37
DONG AN IP
ビンズオン省
64ha
ベトナム独資
11
VIET HUONG IP
ビンズオン省
20ha
ベトナム独資
10
THANG LONG IP
ハノイ 市
128ha
日
本
53
VIN LOC IP
ホーチミン市
200ha
ベトナム独資
38
TAN BINH IP
ホーチミン市
378ha
ベトナム独資
72
DINH VU IP
ハイフォン市
164ha
ヴァージン諸島
84
HAI PHONG IP
95
ベトナム シンガポール IP(VSLP)
LOTECO IP
96
LIEN CHIEU HOA IP
97
(資料)ベトナム経済動向
面
積
合弁外資
日
1
4
(単位)投資額 100万米ドル
49
EPZ :Export Processing Zones
SEPZ:Saigon Export Processing Zones
I P:Industrial Parks(IZ:Industrial Zoneとも表示する)
(タントゥアン(新順)輸出加工区:Tan Thuan EPZ )
ホーチミン市南東4キロ、都心より車で15分足らずのタントゥアン地区に開発されたベ
トナム最初のEPZで、97年現在 130社が登録を完了している。当EPZの開発はホーチ
ミン市と台湾企業(Central Trading Development 社) の合弁企業(タントゥアン コーポレーション :
TTC)によって行われた。タントゥアンEPZ はサイゴン川のベンゲ港北東の湿地帯300hを造
成したもので国際空港まで13キロ、国道1号線まで17キロの近距離にある。現在、ベトナ
ム経済特区の中では最も開発が進んでおり日本企業の進出は97年 5月統計で58社(内40社
稼働) にのぼっている。またEPZに隣接したベンゲ港にはシンガポール(MITORIENT ENT
.PTE.LTD) とベトナム企業2社(SOUTHWATER CORP/VIETNAM CHARTERING & SHIPBROKING C
ORP)の合弁によって新コンテナターミナル港の工事が進められ98年 6月には水深10メートル、
長さ305メートル の新港が完成、年間20万個の搬入が可能となった。またEPZに隣接してサ
イゴンサウス(新都心)の開発が進んでおり、タントゥアンEPZ からサイゴンサウスを縦
貫して国道1号線を10車線で結ぶハイウエイの建設も行われている。
タントアン輸出加工区(1995年当時)
50
管理会社)Tan Thuan Corporation (TTC)
Tan Thuan Dong Ward Dist.NHA BE HCMC
☎84-8-872-8421/8193 FAX 84-8-8725575
管理局)HEPZA: ホーチミン市人民委員会
38 Nguyen Binh Khiem St.Dist.1 HCMC ☎8290414 8290405 FAX 8294271
情報室)テンフェイ総合計画(株)東京都千代田区紀尾井町3-29
西山興業紀尾井町ビル6F 602 号 ☎03-3264-0447 FAX 03-3264-0521
(連絡)タントゥアン・サイゴンサウス情報室
(サイゴンサウス計画:SAIGON SOUTH)
管理事務所 (Phu My Hung Corporation)
ホーチミン市は台湾グループ(CT & C CORP)との共同開発でタントゥアン地区に隣接して
新都市の造成を進めている。都心より3キロ郊外に名称「サイゴンサウス」の複合タウン
を建設するもので21世紀を目指す壮大な開発となっている。総体規模は 3,300haでその内
750haが一般商業地区となりホテル、オフィスビル、病院、官庁、証券取引所、学校、流
通施設、公園等が建設される。このサイゴンサウスの設計は国際公募で選定さ米国企業2
社と日本の丹下健三事務所が選ばれた。既に開発のプランは完成しており開発事務所には
100人以上のスタッフが常駐している。またサイゴンサウス商業地区には2001年に日本人
学校(小中)の本校舎が開校した。現在サウスには建売の一般住居、コンドミニアムの建
設が進んでいるがその販売は極めて順調で人気は上々である。
Khu Dan Cu Tan My Phuong Tan Phu Dist.7 TP HCM SRV
☎ 84-8-8728410
FAX 8725580
(サイゴンサウス商業地域計画図)
51
(ベトナムの貿易統計)
●輸出入実績(2000)
主要輸出先
金
額
主要輸出先
額
日
本
$2,621,658
中
国
1,534,039
日
本
2,250,567
オ-ストラリア
1,271,776
台
湾
1,896,081
885,733
韓
国
1,730,208
シンガポ-ル
シンガポ-ル
金
$2,760,416
台
湾
756,119
中
国
1,423,169
米
国
732,440
タ
イ
812,935
ドイツ
730,083
香
港
606,499
英
479,277
カナダ
389,570
477,709
マレ-シア
384,913
国
フィリピン
マレ-シア
413,479
その他の国
輸出合計額
米
国
351,758
4,546,364
その他の国
3,029,126
$14,448,677
輸入合計額
$15,635,242
(単位) US$1000
●品目別実績(2000)
主要輸出品目
原
油
金額 (シェア%)
$3,502,684 (24%)
衣類・繊維
1,892,309 (13%)
海産物
1,478,610 (10%)
履
物
1,474,582 (10%)
主要輸入品目
機械・部品
石
油
衣料・皮革材料
鉄
金額 (シェア%)
$2,571,022 (16%)
2,057,985 (13%)
1,421,662 ( 9%)
鋼
811,907 ( 5%)
電子部品
747,847 ( 5%)
米
667,349 ( 5%)
コンピュ-タ周辺部品
636,456 ( 4%)
コ-ヒ
501,450 ( 3%)
手工芸・美術品
236,856 ( 2%)
布
地
313,330 ( 2%)
213,554 ( 1%)
薬
物
307,854 ( 2%)
167,323 ( 1%)
化学品
306,528 ( 2%)
野菜果物
カシュ-ナッツ
肥
料
プラスチック原料
598,537 ( 4%)
479,917 ( 3%)
(単位) US$1000
52
(ジェトロ資料)2004-July
53
54
(在日大使館資料)2004 7月時点
(ベトナムにおける日本の投資)
2001年10月31日までに、既に登録済資本40.2億米ドルにのぼる327件の日
本の投資事業があり、日本はベトナムで投資している57の国・地域のなかで第3位にラ
ンクされております。
日本の投資家は、ベトナム全土にわたり、北から南まで、都会から山岳、遠方及び隔離さ
れた地帯と地理的に異なる地域でも強力な存在となってます。
多くの日本企業の名前は地方の消費者になじんで来ました。日本の企業は、ドンナイをベ
ースとしている100%日本人所有のコンピューター部品メーカーの富士通から、フック
イェンの合弁会社のトヨタベトナム、そして、タンホア地方の中心都市ニーソンにあるベ
トナムセメント会社と日本のVFGフローティングガラス工場との間の協力企業にまでわ
たっております。
全体として、ベトナムでの日本の投資事業は上手く効果的に発展してきました。
幾つかの事業は輸入代替品を産み出すことができ、ベトナムの輸出に大きな貢献をしてお
ります。日本の投資家の素晴らしい成果は、投資の決定をする前に、彼らがベトナムの現
状及び開発可能性を注意深く検討していることによります。
現在操業中の日本の投資事業の平均資本は一事業あたり平均13.5百万米ドルで、その
21事業はグループA(ベトナムの経済成長に重要な投資)で総事業数の7.4%、総登
録資本の60%を占めています。
日本の投資家はベトナムの可能性を開く事業及び投資と一緒に高度技術を事業に移転する
ことに注目しています。その結果、多くの事業は地方市場に積極的に加わり世界の多数の
地域や国に高品質製品を輸出することが可能です。
典型的な例はドンナイ地方の富士通㈱であり、毎年
数百万米ドルにものぼる電化製品や
コンピューター部品を輸出しています。
日本による投資は、インフラ開発、通信、運輸、石油、農業、ホテル、事務所賃貸及び他
工業など、ベトナム経済の多くの分野にわたっております。
しかしながら、殆どの投資は製造工業に集中しております。
重工業は117事業で計1
8.7億米ドルであり、総事業数の39.1%、総資本額の48.5%を占めています。
軽工業は59事業341.1百万米ドルで、其々19.7%、8.9%となってます。
農業も強い投資を惹きつけ17事業53.48百万ドルと総事業数では5.7%を占めて
ますが、一般的にこの分野は小資本なので、総投資額では僅か1.4%にとどまります。
55
( 日本による分野毎の投資(2001年12月31日まで))
(分
野)
事業数 登録資本額(百万USドル) 実施済資本額(百万USドル
重工業
117
1,8776. 8
935.52
郵便・輸送業
16
482.99
78.76
建設業
14
423.75
265.07
軽工業
59
341.12
231.82
アパート・事務所業 12
167.39
133.82
8
142.92
84.15
18
122.89
74.84
旅館・旅行業
食品業
金融・銀行業
56
49.2
17
53.48
30.95
IZ-EPZ インフラ
1
53.23
13.94
石油業
1
47
7
35.94
農林業
文化・健康・教育業
サービス業
水産業
(合
4
20
5
計)
299
434
20.19
29
20.06
3.852.6
4.46
14.52
2.370.5
日本の投資家は、8000万という人口を有する強い市場に投資するために、彼らの技術
力とベトナムの豊富な天然資源を組み合わせました。
かれらは29の地方や都市におい
て事業を行っております。
ハノイは66事業10.70億米ドルで総事業数の21.3%,総資本額の27%を占め
てます。ホーチミン市では、118事業,850百万米ドルで其々37.4%,20.6
%を占めています。ドンナイ地方は29事業で819百万米ドルです。
操業を行っている283事業中162事業もしくは52%は既に生産を始めており、58
事業(18%)は建設段階、71事業(25%)は手続終了といった段階です。製造事業
は68.2億米ドルの売上と共に36,000人の労働者の雇用機会を生み出しました。
日本の投資家は投資を呼びこむために工業区域も開発しました。
それらは3箇所で、所謂、ハイフォン市の野村工業団地(投資資本は163百万米ドル)
ハノイのタンロン工業団地(53百万米ドル)そしてドンナイ地方のロンビン工業団地
(41百万米ドル)です。
これらの工業団地はベトナムでビジネスをしようとする日本の投資家が目指す場所でもあ
ります。
56
工業団地のインフラ開発、郵便や通信、運輸、石油から農業や食品加工にわたる殆ど全て
の重要な経済分野で多数の認可された事業により、日本の投資家は既にベトナム経済発展
に多大の貢献を致しております。
以上在日大使館資料
(外国投資認可実績)
2001年度
投資国
シンガポ-ル
88-2001迄の累計
件数
投資金額
件数
投資累計額
21
$271.00
277
6,047.32
台
湾
137
455.72
849
5,483.54
日
本
40
163.04
379
3,739.10
香
港
19
67.17
351
3,434.28
韓
国
76
107.96
395
3,275.23
フランス
16
407.18
171
2,596.94
英領バ-ジン諸島
29
59.53
131
1,861.23
国
4
9.11
48
1,770.33
ロシア
4
11.80
69
1,589.36
23
112.18
150
1,462.77
115
807.18
952
9,815.62
484
$2,471.87
3,772
41,075.72
英
米
国
その他の国
合
計
(単)US$100万(資)計画投資省
(産業別投資実績)2001年度
産業分野
件数
投資金額
産業分野
件数
重工業
147
$1,544.34
水産業
6
軽工業
200
364.09
運輸・通信
4
231.45
石油・ガス
-
----
観光・ホテル
4
10.05
農林業
15
20.62
食品加工
35
178.10
建設業
8
8.70
文化・教育
18
51.91
その他
47
54.96
金融業
-
----
投資金額
$
7.65
(単)US$100万
57
(地域別外国投資実績)上位10省
2001年度
投資地域
ホ-チミン
ハノイ
ドンナイ
バリアブンタウ
ビンズオン
ハイフォン
クワンガイ
ラムドン
クワンニン
ダナン
88-2001迄の合計
件数
投資金額
件数
投資累計額
170
41
51
5
106
10
1
4
6
5
$533.85
167.38
448.22
835.60
167.31
13.14
4.25
3.67
5.90
11.23
1,288
502
368
108
488
126
9
56
62
67
$11,263.12
7,617.88
3,743.87
33,942.29
2,177.05
1,385.37
1,337.29
870.64
880.68
797.90
(単)US$100万(資)計画投資省
●インフラストラクチャの現況
ベトナムのインフラ(社会整備)の現況は総体的にはまだ立ち遅れている。しかし94年以
降目に見えて改善が進んでおり特に電力、通信分野は大きな進展を見せている。ベトナム
政府はインフラ整備に90~2005年までに総額63億ドルの公共投資計画を立てておりこれらを
全面的に国際援助と外国投資で対応する考えである。ベトナム政府は公共のインフラ事業
に対し93年11月付で「BOT 契約に関する政令」を公布し、毎年インフラプロジェクトを公
示して、外国企業の投資を募っている。
(1) 運
輸
(運輸インフラへの公共投資計画)
インフラ
道 路
鉄 道
内陸水路
港湾・海港
空 港
合
計
1990~95
96~2005
475
819
162
344
300
1,130
1,720
440
910
2,100
4,200
(参)97年度の輸送量
貨物
1億 470万トン
旅客 6億 9,900万人
(単)100万ドル (資) ベトナム統計局
(道
路)
幹線道路の管理は通信・運輸省の管轄になっている。その他の道路は各地の道路管理、建
設連合が責任を負っている。道路網の総延長は90年時点で10万5500キロメートルに達している。
近年まで道路状態は概して悪く道路総面積の50% は損害が激しく舗装道路は全体の10% 、
自動車の運行可能な道路は91年時点で 8万8000キロメートルとなっていた。政府は10年計画でハ
ノイ~ホーチミン(国道1号)の改修工事を進める考えであり、93年にはノイバイ空港と
ハノイ市内が高速道路で結ばれ従来の不便さは大きく改善された。また98年にはハノイ、
ハイフォン間の拡張工事が完成し、ハロン湾への道路整備も着々と進められている。
58
区
ベトナムの道路・橋
分
距
離(Km)
橋
数
国 道
省 道
地区道
村 道
市内道
特殊道
10,800
15,300
25,300
46,200
2,570
5,450
2,698
2,930
2,533
2,571
計
105,620
10,723
(資)UNDP
(水路・港)
ベトナムの河川の総延長は 4万1000キロメートル、運河は3,100キロメートル である。その内、水上
輸送に利用されているのは 1万1000キロメートルとされている。河川港は19港(90年)あり、河
船の大きさは50~500トン である。河船の輸送は国内貨物総輸送量の25~30% を占めており
80年以降毎年12~15% の伸びとなっている。
ベトナムの主要河川
ソンバン川~クイクン川
紅河~タイビン川
ソンマー川~ソンチュー川
12,880
チューボン川
10,496
168,700
ソンバー川
13,806
28,400
ドンナイ川
42,665
(資)STEP
(単)流域面積K㎡
サイゴン港
59
ベトナムの主要港
港
名
省
クアニン港
カムファ港
ハイフォン港
クアカム港
タインホア港
ゲティン港
クアンビン(ザイン) 港
〃
(ニャットレ)港
トゥアンアン港
キーハ河港
第9ハンシク港
ハイソン港
グエンバンチョイ港
ダナン港
クィニヨン港
ニアチャン港
ドンナイ ゴーザウ向港
ロンビンタン向港
カトライ石油港
サイゴン石油港
サイゴン港港
サイゴン新港
ベンゲ港
タントゥアンドン港
ニャーベ石油港
ロータス港
国際コンテナ港
ミト港
ドンタップ港
ビンロン港
カントー港
ミートイ港
名
水深
Quang Ninhg
Quang Ninhg
Hai Phon
Hai Phon
Thanh Hoa
Nghe An
Quang Binh
(m)
ヤード面積
6.8 - 18
3
- 7
4.2
3.5
1.8
Tua Tien Hue
Quang Nam
Danang city
Danang city
Danang city
Danang city
Binh Dinhg
Khanh Hoa
Dong Nai
Ho Chi Minh
Ho Chi Minh
Ho Chi Minh
Ho Chi Minh
Ho Chi Minh
Ho Chi Minh
Ho Chi Minh
Ho Chi Minh
Ho Chi Minh
Tien Giang
Dong Thap
Vinh Long
Cantho
Angidng
431,000㎡
12.24ha
392,900㎡
10,000㎡
10,000㎡
40,000㎡
10,000㎡
3
1.2
3.4
5
7
6
5
12
8.5
9.5
6.1
10.5
10
12
9
11
9
9.5
8.5
12.5
9
6-10
2.4
5.5
3-12
12
10,000㎡
130,926㎡
800㎡
21,000㎡
10,000㎡
166,680㎡
130,000㎡
14,744㎡
30,000㎡
50,000㎡
135,000㎡
174,000㎡
270,000㎡
100,000㎡
150,000㎡
8,000㎡
2,500㎡
15,000㎡
5,000㎡
6,300㎡
3,000㎡
(資)ベトナム経済動向
ベトナムの7大港の取扱量
港
名
1995年
2005年(予)
・サイゴン港(Sai Gon)
7,600 千トン
・サイゴン新港(New Port)
・ハイフォン港(Hai Phong)
2,500
4,250
3,000
7,000
2,366
・ダナン港 (Da Nang)
660
2,000
790
・ベンゲ港(Ben Nghe)
1,700
3,400
ゲティン港 (Nghe Tinh)
303
2,000
クアンニン港(Quang Ninh)
520
10,000
(資)VN National Maritime Bureau
15,000 千トン
バースの深(m)
1,965
・国際港
60
ベトナムの海港は運搬設備が老朽化しており、貨物の需要に追いつけない事態になってい
る。さらに航路の沈泥化が激しく大型の船舶が接岸できない問題を抱えている。政府は海
運投資を船舶の建造とハイフォン、クアロ、ニャーチャン、クィニオン港の施設再建に集
中しており、また浚渫作業に年間 150万ドルを投じている。ベトナムの海上輸送は70% が石
油、石炭、セメント、肥料、穀物で占めている。しかしベトナム船の運搬能力は30% 程で
船舶が不足している。日本の定期航路3社(日本郵船、川崎汽船、商船三井)は92年以降
ベトナムに進出し航路運航を実施している。ベトナムの現在の保有船舶は 540隻、1万トン
級の船舶は10% となっている。ベトナムの造船技術は1万トン級の船舶を建造する能力をも
っておりすでにロシア向けの船舶50隻を造船中である。現在、韓国との合弁により中部に
アジア最大の造船修理所を建設している。ベトナムでは2000年の船積み量が 2,020万トンと
予測しており船舶の確保と港の整備が経済発展に重要なポイントと捉えている。
(鉄
道)
ベトナムの鉄道は総延長 2,600キロメートルに及ぶ。ハノイ~ホーチミン(1,726Km) を基幹と
して南北に支線網が広がっている。中越紛争で止まっていたランソン~ドンダン(20Km)が
92年 3月に完成した他ラオカイ省バオタンと中国国境のポーモイ間(37Km) が92年末に再
開した。ベトナム鉄道の軌道は1mと1.435mの狭軌道が適用されている。また機関車は蒸気
とデイーゼルの両方を使っており総数は 334台で、米国、ベルギー、フランス、インド、
ルーマニア、チェコ、旧ソ連と種類も雑多である。ハノイ~ホーチミン間の所要時間は特
別急行で42時間、急行で48時間、普通で52時間かかる。客車は寝台車が 1等、2 等、3 等
座席車は1 等、2 等がありいづれもエアコンは付いていない。貨物車両は 5,200台あって
総輸送能力は18万1000トンである。また鉄道部門の雇用総数は 6,400人余りとされている。
機関車は50年前の古い型式も有り予備部品が無いとか施設の不足があって問題は多い。政
府はハノイ~ホーチミンの整備を検討している。
(ベトナムの主要鉄道)
ハノイ ~ ホーチミン
ハノイ ~ ラオカイ
ハノイ ~ ランソン
1,726km
296km
150km
ハノイ ~ クアントリュー 75km
ハノイ ~ ハオフォン
102km
ハノイ~ケップ~ハイチャ
170km
ケップ~ クアントリュー 55km
ハノイ~ フォールー 261km
(資)日本船舶機材貿易振興会(1991)
(航
空)
1976年にベトナム民事航空総局(GCAA)が創設されて、その管理下にVCA(ベトナム航
空会社- ベトナム エアラインズ)が置かれ航空運輸業務に当たっている。ベトナムには国際空港とし
てノイバイ(ハノイ)、ダナン、タンソニュット(ホーチミン)の3港があり、国内線専用港は
18ケ所ある。92年 6月にはベトナムの国内合弁(法定資本金20万ドル) による航空会社パシ
フィック・エアラインが発足し現在ハノイ~ホーチミン間の国内線と台湾(高雄)への航
路を開設している。98年に入ってアジア諸国の経済危機がベトナムへの外国人観光客の減
少を招いたが日本人の旅行者は年々急増しておりベトナム政府は2004/1より日本人の短期
渡航(15日間)のビザなしを認める決定をした。
61
(航空輸送量実績)
単位
93年
94年
95年
96年
97年
98年
旅客数
万人
112
168
224
257
259
270
貨物量
千トン
14
21
32
44
45
46
(資)ベトナム航空
(資料)ベトナム航空- Vietnam Air
HP掲載記事より 2004
ベトナム航空の前身であるベトナム航空局は1956年に宗主国フランスからハノイ・ザラ
ム航空の返還時に創立されたものです。1976年、ベトナム南統一以来、ベトナム航空は
ベトナム航空局の管轄下で本格的に旅客や貨物の航空運送事業に着手し、国内線はもちろ
ん国際定期路線の翼を伸ばしていきました。
1991年~1993年、アジア、ヨーロッパ、オーストラリアなど新路線の開設と共に欧米の最
新鋭機材ボーイング767-300やエアバスA320を一斉に導入し、旧ソ連機材に代えて国際路
線と主要国内路線に使用し始めました。
1994年11月、ホーチミン~関西線をボーイング767-300で週2便開設するに至ります。1996
年、日本航空との共同運航を開始、現在ホーチミン~関西線は共同運航を行っています。
ベトナム航空は‘世界と結ぶ・ベトナムの翼’を合い言葉に世界中にパリ、台北、シドニ
ー、メルボルン、シンガポール、バンコク、香港、そして大阪等の23都市とベトナム国内
16都市にネットワークを広げています。国際線に関しては日本航空、キャセイパシフィッ
ク航空、中華航空、シンガポール航空、マレーシア航空、大韓航空、カンタス航空などと
の共同運航も行い世界主要都市に乗り入れています。
(2) 電
力
ベトナムは北部、中部、南部にそれぞれ第 1、2 、3 の電力会社がある。いずれも工業
省が管理する別個の組織で各社がそれぞれ計画を作成し、運営・顧客サービスに関して責
任を負っている。94年11月には北から南への送電線(500KV) 建設が完成し南部の電力不足
は大幅に改善された。地方、山岳部の配電網も増設され全村の60% 、全町の90% に電気が
行き渡っている。ベトナムの発電設備容量は86年当時の173 万KWから97年は 450万KWに拡
大しておりその 63%が水力発電となっている。発電気量は94年には 120億kwh に達してお
り2000年には 290億kwh を予測している。95年 1月 1日付でベトナム電力総公社が開設さ
れ、電力開発に係わる国策事業を行う国営企業として独立採算によって運営されている。
事業内容は電力の開発計画から建設、配電、技術者の教育、さらに国内外の協力、合弁の
契約調印を法律に準拠して実施する。
主要発電所の発電量
(北部)
ホアビン(Hoa Dinh)
ファライ(Pha Lai)
ウォンビ(Uong Bi)
ニンビン(Ninh Binh)
タクバ (Thac Ba)
水力
火力
火力
火力
水力
32億KWH
20億KWH
15万KWH
11万KWH
11万KWH
62
(南部)
トゥドック(Thu Duc)
トラノック(Tra Noc)
ダ ニ ム(Da Nhim)
トリアン (Tri An)
火力
火力
水力
水力
8億KWH
2億KWH
10万KWH
17万KWH
(ホーチミン市の電力需要予測)
1993 年
1995 年
2000 年
家庭用
工業用
サービス業
農業用
他
657.5
1,094.5
238.6
54.7
16.3
836.6
1,691.6
380.7
104.3
19.2
1,710.0
3,460.0
780.0
210.0
40.0
計
2,061.6
3,032.4
6,000.0
(3) 水
道
ベトナムの総給水能力は日量 318万4500立方メートルとされている。しかし、実態では 177
万700 立方メートル(地下水源52万3500、地上水源 124万6200) 程度である。給水量の14% が
家庭用水、28% が工業水、残りが商業・サービスに使用されている。
給水、浄水場は民間施設を除けば 159基(地下水浄水場84基、地表水浄水場75基) が稼働
している。ベトナムの地下水層は50~100メートル にあり、水質は総体的には良い。地表水は
豊富であるが水質は高レベルの沈泥と有機物質を含んでいる。都市生活者の平均的使用量
は日量47ℓ となっているがハノイ、ホーチミン市は80ℓ の消費量になっている。給水サー
ビスを受けている市民は58% 程度と少なく農村部では全て井戸に頼っており全国では 100
万基余ある。しかも井戸の60% はバケツによる手汲みである。ベトナム政府は2000年まで
に都市市民の85% 、農村部50% に水道水を供給する目標を立てている。
(4) 通信・郵便
ベトナムの通信網、技術レベルは国際水準に達したと言われている。電話網の整備は94
年には各省の交換機は全てデジタル化された。ハノイ、ダナン、ホーチミンにはマイクロ
波通信、光通信システムが設置され国際電話は 200以上の国と直接通信することが可能と
なっている。98年度の電話の普及は 100人/2.65 台となっており年々 60%の増加となって
いる。88年にはホーチミン市でFAX通信が許可され現在では全国で使用が出来るように
なった。91年よりホーチミン市でカード式の公衆電話が設置され続いてポケットベル、携
帯電話のサービスも開始された。携帯電話は国営のVMS とVINAPHONE が営業していたが98
年よりSAIGON TELECOMMUNICATIONが加わった。携帯電話機のシェアーはモトローラ30% 、
シーメンズ7%、ノキア5%となっている。またコンピューターシステム(HCMC NET)を通して
インテルサット経由の通信が始まりインターネット通信が可能となった。97年 3月首相通
達(21/CP) でインターネット国家管理委員会の設立が決まり97年 5月には文化情報省決定
(1110号/BC)で使用可能対象を明確化にした。外国公館、国連組織、非政府組織は外務省
の承認を受けた後、文化情報省の認可を受けることになった。外国企業、駐在事務所は直
接、文化情報省の認可を受けてインターネットの活用が行える。但しインターネットは政
府のGATE WAYを通す接続が条件で通信内容の検閲が行われる。98年 9月にはVNPT(VN郵便
63
通信公社)がウエーブサイトを開設した。95年にはベトナム郵便通信会社とオーストラリ
アのTELSTRA 社との合弁で衛星ステーションが開設された。またタイ、香港、中国を結ぶ
海底ケーブル回線が敷設された。ベトナムは国際通信電話連合(THE ORGANIZATION OF INT
'POST AND TELECOMMUNICATIONS) のメンバーにも加盟した。日本との関係では NTTがVNPT
(Vietnam Post & Telecomunications corp) との間で15年間の事業協力を締結している
。ベトナムの郵便局は総数 1,713局あり、ホーチミン~ハノイ間は普通郵便で1週間、速
達で2~3日かかっている。国際郵便は日本までは2週間程かかっているがDHLを利用
すれば翌日配達も可能となった。新聞の配達は都市部は同日配送であるが山岳僻地では7
日程かかっている。日本の新聞はOCS(海外新聞普及社)が営業を再開しておりシンガ
ポール、タイから衛星版の朝刊(日経、読売、朝日)が同日配達されている。また大都市
の高級ホテルではNHKのワールドTVを受信する所が増えている。
(NHK 国際放送問い合わせ先) 〒150-8001
・NHK WORLD TV: FAX 03-3485-8677
東京都渋谷区神南2-2-1
・NHK WORLD RADIO JAPAN: FAX 03-5454-0888
主要インターネットプロバイダー
・VN DATA COMMUNICATION
技術専門
・CINET
ICP
・VN NET (VNN)
ISP ICP
・CORPORATION FOR FINANCING AND
・PHUONG NAM NET
・PACRIM COMPANY
ICP
ICP
・PROMOTING TECHNOLOGY (FPT)
ISP
・VN NEWS AGENCY
ICP
・NETNAM
ISP
・VN NATIONAL ADMINISTRATION OF
・SAIGON POSTEL
ISP
TOURISM
(注)ISP:インターネットサービスプロバイダー
ICP
ICP: インターネット コンテント プロバイダー
(ベトナムのメデイア)
89年にメデイア法が国会を通過して印刷物、放送の素材に規制が行われている。またメ
デイアが広告を扱うことが認められTV放送もコマーシャルが入る。同じく89年に新聞報
道法が決議されて報道の自由が認められた。報道内容は監視されるがドイモイの最近では
政府・役人に対する批判記事も公然と記載されるようになった。95年 1月より毎日1時間
(21:45~22:45)米国のタイコム衛星を使って海外向けにベトナムTV放送(VTV4)が始まっ
た。放送エリアはロシアの一部、韓半島、中国南東部、日本である。またヨーロッパとロ
シアにはインタースプートニック網を使って映像受信が行われている。また衛星TVを受
信するには文化情報事務所のパラボラアンテナの設置許可を受けなければならない。
64
(主要メディア)
通信社
VNA(Vietnam News Agency-1945年創設)が世界に配信している。
ラジオ
ラジオ放送は1945年に開局し、国際放送はVoice of Vietnam(ベトナムの
声放送)の名称で行われている。ラジオはVNRT(Vietnam Radio and Television Committer) が全国向けと地域サービスを行っている。ベトナムに
はAM局50局以上、FM局も有る。ラジオの普及率は 700万台(1989)。
・VNRT:51-53 Ngo Quyen St.Hanoi ☎ 53232
テレビ
(テレビ局)
テレビは70年 7月に開局し国営のTELEVISION VIETNAMが1系統3チャンネ
ルの放送を行っている。国際級ホテルでは衛星受信でCNN 、ABC 、STAR等
6局が24時間入る。地方テレビ局は36局、テレビ中継所は77ケ所となって
いる。TV方式は M/NTSC 、B/PAL が採用されている。
(衛星放送)
ハノイのホアセンに旧ソ連の援助によるインタースプートニック衛星受信
所が建設されてインタービジョン加盟国の放送を受信している。オースト
ラリアの援助によってインテルサット衛星受信所が開設されている。
日本は91/5にNHK会長が訪越して技術協力の協定に調印した。
・TELEVISION VIETNAM:59 Giang Vo Hanoi
・ニヤンザン(Nhan Dan-人民):共産党中央機関誌
新
聞
ベトナム語
・クアンドイニヤンザン(Qudn Doi Nhan Dan-人民軍隊):人民軍機関誌
・ハノイモイ(Hanoi Moi -新ハノイ):人民委員会機関誌
・サイゴン ヤイオフォン(Saigon Giai Phong -サイゴン開放): ホーチミン人民委員会機関誌
(外国語)
・ベトナム ニュース(Vietnam News) :日刊
外国語
英語
・ベトナム投資(Vietnam Invesment):週刊
英語
・市場と物価(Market and Price) 週刊
英語
・ベトナム経済ニュース(Vietnam Economic News) 週2回
・ベトナム クーリエ(Vietnam Courier):月刊
・サイゴン タイムス(Saigon Times):週刊
英語
英語
英語
・ベトナム インベストメント レビユ(Vietnam Investment Review): 週刊紙
65
英語
●日本の対越ODA
日本のベトナムに対するODAは第1期の旧南ベトナムに対する援助、第2期のハノイに
日本大使館を開設した75年以降、第3期の78年12月のカンボジア派兵以降、第4期の91年
10月のカンボジア和平協定署名以降の5期に分かれる。なおカンボジア派兵の期間は西側
諸国の経済制裁に同調した形で医療・災害援助・文化・学術を除いてODAの実施を見合
わせてきた。しかし91年のカンボジア撤退によって対越経済協力は再開の運びとなり92年
11月に日本政府は円借款を再開した。日本のODAはベトナム援助国の中で最大の規模で
ありドイモイ路線を支援する強力な援助となっている。
(外務省資料)2004 7月時点
○我が国の政府開発援助の実績とあり方
(1)
ベトナムに対する政府開発援助の基本的考え方
我が国は、べトナムの安定はインドシナの平和と安定にとり極めて重要であること、人
口約7,800万人を有し、また、一人当たりGDP(390米ドル、2000年、IMF)は低く、援助需
要が高いこと、91年10月のカンボジア和平合意を受け、我が国が円借款を再開したことを
契機に、両国関係は将来を見据えた新たな発展段階に入り、政治面、経済面のみならず文
化面等でも緊密化しつつあること、86年より「ドイモイ(刷新)」路線の下市場経済化を
推進するとともに、我が国を含む域内外諸国との関係改善・拡大を進めてきていること等
を踏まえ、援助を実施している。
我が国は、2000年6月、今後5年間を目途とする具体的な案件形成の指針となる対越国別
援助計画を公表した。同計画は、これまでの政策協議等によるベトナム側との政策対話等
を踏まえ、各国の政治・経済・社会情勢の認識、また、開発計画や開発上の課題を勘案し
策定されたものであり、以下の分野を援助の重点分野としている。
(イ)
人造り・制度造り(特に市場経済化移行支援)
自立的・持続的発展のための基礎としての人造り・制度造りに対する支援が重要である。
具体的には、持続的成長のための開発政策の立案・実施と人材育成、市場経済化に即応し
た行政体制、法制度の整備・金融システムの整備に係る支援が中核である。更に、次世代
の人材育成を担う人材を確保しておくことも肝要である。
(ロ)
電力・運輸等の経済インフラ整備
将来的な需要の増加に対応するために、発電・送配電・地方電化等ハード面の整備に加え
効率的な事業計画、運営能力向上等ソフト面への協力を行っていくことが必要である。運
輸分野では、越国内の基幹輸送網や地方道路の一層の整備とともに、周辺国等との物流の
増加のための東西回廊等広域プロジェクトにも対応する運輸インフラ整備が重要である。
(ハ)
農業・農村開発
農家の多角経営、商業性を高めるべく側面支援することが必要。具体的には農業部門の
66
生産性の向上と食糧増産、農産物の市場アクセスの確保を図るための支援とともに、農村
工業化等経営多角化により、農村の余剰人口を吸収し、農家所得向上を図るための支援の
検討が必要である。
(ニ)
教育、保健・医療
教育全体の就学達成度の向上を図るために、初等教育等における施設整備に加えて、学校
の運営・管理へのアドバイス、教員訓練等教育の質的向上を図ることが重要である。保健
・医療分野では、急速な経済成長の陰で対応が遅れている弱者保護、貧困対策の観点から
プライマリーヘルスケア(PHC)を中心とした保健医療サービスの拡充が急務である。ま
た、ハノイの中核病院の機能強化及びエイズ対策等の地球的規模の視点に立った協力の拡
充も必要である。
(ホ)
環境
ベトナムで深刻化している森林破壊や水質、大気、土壌の汚染に対する支援の検討が必
要。またベトナム制定の環境保全法に実効性を与えるガイドラインや環境基準の整備が必
要である。
(年度別・形態別援助実績)
年
無償資金協力
有償資金協力
59
27.00
(単位:億円)
技術協力
※
69
6.20
※
70
5.00
16.20
※
71
9.08
77.90
※
72
5.60
10.70
※
73
98.53
82.50
※
74
10.19
90.00
※
75
85.00
※
76
50.00
※
77
40.00
※
78
1.00
83
0.45
※
85
0.67
※
86
0.55
※
87
0.48
0.20
100.00
88
※
0.49
89
0.18
0.36
90
0.23
0.74
91
0.18
1.32
67
92
15.87
455.00
3.32
93
62.70
523.04
13.16
94
56.72
95
89.08
1,280.00
32.40
96
80.35
810.00
35.52
97
72.97
850.00
42.22
98
81.85
880.00
46.36
99
46.42
1,012.81
60.74
00
80.67
709.04
74.32
01
83.71
743.14
79.09
累
計
983.44
7,667.33
434.69
23.75
※59-86年の技術協力計:研修員受入 642人、専門家派遣 172人、開発調査 5件
:調査団派遣
132人、プロジェクト技協 4件、機材供与 10.9億円
・技術協力合計:22.70 億円
(無償供与)ベトナムの希望プロジェクトに優先順位を決めて原則入札で行う
(商品借款)・資材、器材、機械類の購入
・ベトナム国内の借款金融の扱いはベトナム外国貿易銀行が担当
・ベトナムの買付は国家計画委員会が立案し通常の取り引き方法で行う
注:「年度」は無償資金協力・技術協力は予算年度、有償資金協力は交換公文締結日
「金額」は無償資金協力・有償資金協力は交換公文ベース、技術協力は国際協力
事業団(JICA)経費の実績ベース
・商品借款は海外経済協力基金(OECF) で事務対応をしているが商品内容は非公開
(資)通商産業省/総務庁行政観察局/外務省
(参)
・アンタイドローン:輸出とは関係なく開発国の政府に対して供与している資金
商品借款:輸入代金の決裁資金として使われる
・円借款
プロジェクト型円借款:インフラや産業の育成のための資金に使われる
ODAの円借款はアンタイドローンである
→LDCアンタイド:調達先を開発途上国と日本企業に限る
→一般アンタイド
:調達先を限定しない
68
ホーチミン市の案内
1975年までサイゴン(西貢)と呼ばれたベトナム最大の都会。旧南ベトナム
共和国の首都として資本主義経済を経験した町だが、75年の統一後は中央直
轄地となってホーチミン市と改名された。ホーチミン市はサイゴン川とメコ
ンデルタに挟まれた地域にあり59年にフランスの植民地総督府が置かれた。
サイゴンはフランスによって町造りが進められ仏領時代はプチパリとか東洋
の真珠と言った華やかな愛称で呼ばれていた。一方第二次大戦では日本軍の
陸軍総司令部が置かれ、ベトナム戦争では米軍の拠点になって戦争一色の町
になった。サイゴンは 300年前には単なる小部落であったが現在は 600万の
人口を抱えるアジア有数の大都会になっており、統一後の現在はベトナム社
会主義共和国の表玄関としてドイモイ政策の期待を担う商業都市に発展して
いる。首都ハノイの落ち着きから一転してホーチミン市のけたたましいオー
トバイの爆音と蜂の巣をひっくかり返したような雑踏の光景は、なんとも言
葉が見つからない程の凄まじいエネルギーを感じる。ホーチミン市を訪問す
ればその熱気とダイナミックな大衆の動きに圧倒されることは間違いない。
主要市内スポット
統一会堂(旧大統領官邸)- Hoi truong Thong Nhat
旧南ベトナムの大統領官邸で1975年 4月30日最後の大統領ズオンバンミンが降伏して
解放となった。現在は一般に公開されており、贅沢な内部をかいま見ることが出来る。
歴史博物館 - Vien Bao tang Lich su
植動物園の入口に隣接しており、先史時代から現代までの歴史の紹介と南部ベトナム
の文化遺産が展示されている。
革命博物館 - Bao tang Cach mang
近代の抗仏戦争とベトナム戦争のサイゴン・ザディン地区の品々と写真が展示してあ
る。博物館の建物も19世紀(1885-90) に建造された歴史的なものである。
戦争犯罪展示館 - Bao tang Chung tich Chien Tranh
ベトナム戦争で米軍が使用した武器や犯罪を告発する展示館。枯れ葉剤の恐ろしさを
見せつけられる。
動植物園 -Thao cam vien
レズアン通りの突き当たりに位置し33ヘクタールの広さがある。1864年に完成し娯楽
の少ない市内にあって市民の憩いの場となっている。
ホーおじさん記念館 - Nha Luu niem Bac Ho
トンダクタン通りからサイゴン港にむかう途中のグエンタットタイン橋を渡った左手
にある。1911年ホーチミンはフランス船のコックとしてここからフランスに出航した。
69
ドンコイ(旧トゥドー)通り- Dong Khoi St.
サイゴン川よりサイゴン教会に至る 500メートル足らずのショッピング通り。道筋に
は統一前からの名門ホテル、コンチネンタル、カラベル、マジェスティクがあり、一
番の華やかな通りになっている。ブッティク、レストラン、土産屋が軒をつらね外国
観光客で終日賑わっている。
グエンフエ通り- Nguyen Hue St.
ドンコイ通りに平行して川岸から人民委員会(旧市庁舎)までの通り。道幅は市内で
最も広く左右分離帯を挟んで3本の通りから成っている。日本総領事館、百貨店、ホ
テルが立ち並び、正月には道一面に花売場が広がることで有名である。統一前までは
市内一のノッポビルであったパレスホテルがあり、屋上からの景観は今でも最も絶景
レロイ通り- Le Loi St.
市内中心を貫く大通りで市民劇場(旧国会)からベンタン市場までを言う。グエンフ
ェ通りと噴水ロータリーで交差しており、周辺は国営百貨店、REXホテル、商店が
立ち並ぶ繁華街となっている。レロイ通りは中華街の旧チョロンに通じている。
ハムギー通り- Ham Nghi St.
グエンフエ通りに平行する形でサイゴン川からベンタン市場まで続く大通り。旧東京
銀行があったが、現在でも周辺は銀行街となっている。裏通りには青空市場や電気街
がある。
レズアン通り- Le Duan St.
統一会堂(旧大統領官邸)正面から動物園までの大通り。サイゴン陥落の日(75 4/30)
解放軍の戦車が突進した。周辺には旧米国大使館、旧フランス大使館がある。
中央郵便局 - Buu dien T.P.
19世紀末に建造されたフランス統治時代の豪華な建築物である。ヨーロッパの駅を思
わせる半円形の天井が素晴らしい。一説ではエッフェルの設計とされている。
サイゴン教会 -Nha tho Duc Ba
1887年から 7年がかりで建造されたカトリック教会。ドンコイ通りの突き当たりに位
置する赤レンガの教会で2ツの尖塔が周囲を圧倒している。
ヴィンギエム寺(永厳寺)- Chua Vinh Nghiem
1964年に建てられた南部最大の仏教寺院。永厳和尚の名を取って名ずけられたもので
境内には横浜市鶴見区の曹洞宗大本山総持寺から寄贈された「平和の鐘」がある。旧
暦 1日と15日はたいそう賑わう。第二次大戦で犠牲になった日本兵も供養されている。
ジア・ロン宮殿-Giac Lam Pagoda
ベトナム文化を代表する建物で、19世紀のグエン王朝が建てたジア・ロン王にちなむ
宮殿。
レ・バン・ジェット廟 - Le Van Duyet Temple
ホーチミン市北部に位置する。レ・バン・ジェットは阮朝の始祖ジアロン王に仕えた
将軍で1882年 7月30日に没した。カンボジア軍の侵攻をおさえた英雄としてベトナム
人の間では絶対的な信望がある。
70
チィエンハウ寺院(天后寺)- Chua Ba Thien Hau
チョロンに 200年前建立された中国風寺院。「線香寺」とも呼ばれ1ケ月は燃えてい
る大きな線香が吊るされていることで有名である。キエン・ハオとは「王の母」の意味
ベンタン市場- Cho Ben Thanh
市内最大級の市場でレロイの西はずれに位置する。終日賑わっておりから日用品は全て
売られている。ベンタン前はレロイとハムギー通りが交差する大きなロータリになって
おり、統一前には隣接してサイゴン駅があった。
ツーゾー病院
コンクイン通りとグエンティミンカム通りの交差点にありドクちゃんベトちゃんの入
院している病院でも有名である。
ビンタイ市場 - Cho Binh Tay
チョロン地区(現5区)最大の市場で長距離バスの発着場に近く地方客で賑わっている
●ホーチミン市の住所録(国際電話: 国番号 84 地域番号 8 番号案内-☎116)
ホーチミン市の地域区分は97年 4月 1日より12区から17区に変更になった。
Dist.1、2 、3 、4 、5 、6 、7 、8 、9 、10、11、12、PHU NHUAN 、GO VAP、
TAN BINH、BINH THANH、THU DUC
(日本総領事館) 13-17 Nguyen Hue Dist.1 HCM
☎ 8291341 8225314
(JETRO)
(公的連絡)
警察 113
30 Le Thanh Ton Dist.1
FTDC BUSINESS CENTER 2 R.102
消防署114
救急車115
FAX 84-8-8225316
☎ 8293422 FAX 8221869
電話修理119
時刻117
市内案内108
TAXIサービス(1999年時点)
AIRPORT TAXI
☎8446666 VND7,000/1km
SAIGON TAXI
☎8424242 VND6,000/1km
BEN THANH TAXI
☎8422422 VND6,600/1km
SAIGON TOURIST TAXI ☎8222206 D7,500
CHOLON TAXI
☎8226666 VND6,000/1km
TANACO TAXI
☎8226226 VND7,500/1km
DAVID TAXI
☎8290290 VND7,500/1km
TAXICO TAXI
☎8350350 VND6,500/1km
FASTIVAL TAXI
☎8454545 VND5,000/1km
TOURISTCAR
☎8290600
GIADINH TAXI
☎8226699 VND6,000/1km
V TAXI
☎8202020 VND6,500/1km
SAIGON TAXI
☎8448888 VND6,000/1km
VINA TAXI
☎8422888 VND7,500/1km
ホーチミン市の国際機関
・国連難民高等弁務官事務所(U.N.H.C.R)
257 Hoang Van Thu St.Tan Binh
・国連開発計画代表部 (U.N.D.P)
2 Phung Khac Khoan St.Dist.1
・国連食料農業機関代表部(F.O.A)
2 Phung Khac Khoan St.Dist.1
・国連児童基金代表部(U.N.F.P.A)
CUU LONG HTL Dist.1
71
☎ 8445895
☎ 8295821 8395865
☎ 8290761
☎ 8291006
高級ホテル
AMARA SAIGON
323 Le Van Sy St.Dist.3
CAESAR HOTEL
34-36 An Duong Vuong Dist.5
DELTA CARAVELLE HOTEL
19 Lam Son Squate Dist.1
GARDEN PLAZA HOTEL
309B-311 Nguyen Van Troi St.
HOTEL EQUATORIAL
242 Tran Binh Trong Dist.3
HOTEL MAJESTIC
1 Dong Khoi Dist.1
HOTEL CONTINENTAL
132-134 Dong Khoi Dist.1
Legend Hotel Saion
2A-4A Ton Duc Thang
MERCURE HOTEL
79 Tran Hung Dao Dist.1
METROPOLE HOTEL
148 Tran Hung Dao Dist.1
NEW WORLD HOTEL SAIGON 76 Le Lai Dist.1
NORFOLK HOTEL
117 Le Thanh Ton Dist.1
OMNI SAIGON HOTEL
251 Nguyen Van Troi Q.Phu Nhuan
REX HOTEL
141 Nguyen Hue Dist.1
Renaissance Riverside Saigon 8-15 Ton Duc Thang
SAIGON PRINCE HOTEL
63 Nguyen Hue Dist.1
SOFITEL PLAZA SAIGON
Le Duan St.
SOL CHANCERY SAIGON
196 NHguyen Thi Minh Khai
PALACE HOTEL
56-66 Nguyen Hue Dist.1
PASTEL INN SAIGON HTL (日系の経営) 99 Pasteur St.
☎8439999
☎8350555
☎8234999
☎8421111
☎8390000
☎8295517
☎8299201
☎8233333
☎8242525
☎8322021
☎8228888
☎8295368
☎8449222
☎8292185
☎8220033
☎8222999
☎8241555
☎8299152
☎8292860
☎8288222
FAX8438888
FAX8350106
FAX8243999
FAX8424370
FAX8390011
FAX8295510
FAX8241772
FAX8272410
FAX8242533
FAX8322019
FAX8230710
FAX8293415
FAX8449200
FAX8296536
FAX8235666
FAX8241888
FAX8241666
FAX8251464
FAX8244229
FAX8228242
ホーチミン市の外人診療病院
・EMERGENCY CENTRE 125 Le Loi ☎ 8292071 24 時間診療 英語、仏語診療
・CHO RAY HOSPITAL 201 Nguyen Chi Thanh ☎ 8554137 24時間診療 英語診療
・GENERAL PRACTITIONERS 520 Nguyen Tri Phuong ☎ 8651586予約制 仏語受付
・OSC INTERNATIONAL 65 Nguyen Du
☎ 8298520 日本人スタッフ常駐
・SOS
Vo Thi Sau ☎ 8294386 英語
・心臓病院 520 Nguyen Tri Phuong
☎ 8654025 英語
・Columbia Asia Gia dinh 8 Alexandre de Rhodes ☎8238455 最新設備導入 英語
・厚誠会デンタルオフィス サイゴン saigon Tower 29F ☎8235918
(参)ホーチミン市の博物館
・歴史博物館
2 Nguyen Binh Khiem
13:30~16:30
月曜、祝日休館
・革命博物館
65 Ly Tu Trong
8:00 ~11:30 13:30 ~16:30 月曜休館
・ホーおじさん記念館 1 Nguyen Tan Than 8:00 ~11:30 14:00 ~18:00 月・金休館
・ホーチミン作戦博物館 2 Le Duan
8:00 ~11:30 14:00 ~16:30 月曜休館
・トン・ドウック ・タン博物館 5 Ton Duc Thang 7:30 ~11:30 13:30 ~16:30 月曜休館
・美術博物館
97 Pho Duc Chinh
72
7:30 ~11:30 13:30 ~16:30 月曜休館
ハノイ市の案内
ハノイが首都となったのは紀元1010年、ベトナム最初の王朝である李(リ)朝
が首都をホア・ル(ニンビン省)からタンロン(現ハノイ)へ移したのが初め
である。タンロンとは昇竜という意味で皇帝の前に竜が舞い昇ったことから命
名された。ハノイ(河内)と改名されたのは1831年で紅河大堤防の内側に栄え
たところから名付けられた。近代に入ってフランス植民地時代に総督府が置か
れたが1954年 9月 2日にベトナム民主共和国が誕生して再び首都となった。
ハノイの面積は2,139K㎡、人口 400万人、20世紀初めに建てられたフランス調
の2階式家並みが特長であり湖と公園が落ち着きを与える町としてホーチミン
市(旧サイゴン)とは対照的な雰囲気がある。しかしビジネスの世界において
は政府機関の決定権がハノイに集中しているところからドイモイ以降ハノイ詣
でが活発となっている。
主要市内スポット
バディン広場・ ホーチミン廟 - Quang truong Ba Dinh
1945年 9月 2日、ホーチミンはこの広場で独立宣言を読み上げベトナム民主共和国の
成立を宣言した。1969年 9月 3日にホーチミンは永眠した。ホーチミン廟は75年 9月
2日の独立記念日に落成しホーチミンの遺体は生前のままに保存されて一般拝観され
ている。
一柱寺 - Chua Mot Cot
バディン広場に隣接した一本柱の小さな寺で11世紀に建造された。李の太宗が男子が
生まれないことを悩んで祈願に廻っていたところ、蓮の葉に乗った子供を抱いた観音
様が表れて、男子が授かった。そこで太宗は夢の情景をかたどった一柱寺を建立した。
文廟 - Van Mieu
11世紀に建てられたベトナム最初の大学。その中の奎文閣は当時の科挙試験に合格し
た者の名前が刻まれた石碑があることでハノイの名所となっている。1070年創建され
もともとは孔子を祭るために造られたもので孔子廟とも呼ばれている。
玉山祠 - Den Ngoc Son
ホアンキエム湖上にありモンゴルの侵略を撃退した英雄チャンフンダオが祀られてい
る。週末には憩う市民達で湖上の橋は行列になる。
ホアンキエム湖-Hoan Kiem Lake
ホアンキエム湖は還剣湖とも呼ばれ、15世紀の英雄レ・ロイがホアンキエム湖で網に
かかった神剣を使って明の軍隊を打ち破り後に亀に神剣を与えて湖に返した。現在は
湖の出島に亀の塔と北はずれの玉山祠に神剣をかざしたレロイ像が建てらている。
73
チャンティエン通り-Trang Thi St.
市民劇場からホアンキエム湖に至る通りで、映画館や商店がたちならびハノイの銀座
通りといったメインロードである。
ホータイ(西)湖 - Ho Tay
バディン広場から北に行ったところにある838ha の大きな湖である。東側は公園にな
っており、北側に統一前にキューバの援助で建てたタンロイホテルがある。
トンニャット(統一)公園
1954年のジュネーブ協定による南北分裂から統一を願って造られた公園で、ホアンキ
エム湖の南西にある。公園の中央にはバイマウ湖があり貸しボートがある。
革命博物館 - Bao Tang Cach Msn
2000年間の歴史資料が展示されており、ドンソン文化資料、フランス植民地時代、
日本軍降伏文書などがある。
歴史博物館 - Bao tang Lich su
ベトナムの歴史を展示・紹介している。ただし解説は全てベトナム語となっている。
美術博物館 - Bao tang My thuat
ドンソン(タインホア省)で発見された青銅器や少数民俗の衣装、絵画を展示している
軍事博物館 - Bao tang Quan doi
抗仏戦争、ベトナム戦争の武器や戦車が展示されている。サイゴン陥落の様子を模型
で紹介したホーチミン作戦の展示もある。
ホーチミン博物館 - Bao tang Ho Chi Minh
90年 5月19日にホーチミンの生誕 100周年を記念してソ連の援助で建設した。ホーチ
ミン廟の裏手に位置する純白の堂々とした建物である。
●ハノイ市の住所録(国際電話-国番号 84 地域番号 4)
(日本大使館)
27 Lieu Giai St. Hanoi
☎ 8463000 FAX 84-4-8463043
(公的連絡☎)
警察113 救急115 消防114 案内116 修理119 ハノイ市交通公安(外国人) ☎8256206
(日本貿易振興会-JETRO)
25A Ly Thruong Kiet Str.Hanoi ☎ 8250630 FAX 84-4-8250552
TAXIサービス(1996年時点)
AIRPORT TAXI
CITY TAXI
CP1 TAXI
CP2 TAXI
FUJICAB
HANOI TAXI
RED TAXI
☎
☎
☎
☎
☎
☎
☎
8228917
8222222
8241999
8241818
8255452
8535252
8568686
VND8,000/1km
US$1.5/2km
US$0.75/1km
US$2/2km
US$2/2km
74
PT TAXI
☎ 8533171 US$1.5/2km
PT2 TAXI
☎ 8536777 US$0.75/1km
T TAXI
☎ 8216262 US$1.5/2km
TAXI A
☎ 8327327 VND8,000/1k
THANGLONG TAXI☎ 8265241 US$2/1km
V TAXI
☎ 8215668 US$1.5/2km
(料金:最初 1Km)
高級ホテル
CAPITAL GARDEN HOTEL 48A Lang Ha Q.Dong Da
CHESS BOARD HOTEL 87 Nguyen Thai Hoc q.ba Dinh
GALAXY HOTEL
1 Phan Dinh Phung Q.Ba Dinh
HANOI DAEWOO HOTEL Ngoc Khanh Lieu Giai Q.Ba Dinh
HOA BINH HOTEL
27 Ly Thurong Kiet Q.Hoan Kiem
HERITAGE HOTEL
80 Giang Vo Q.Ba Dinh
HANOI HOTEL
D8 Giang Vo Q.Ba Dinh
KHACH SAN SAIGON
80 Ly Turong Kiet Q.Hoan Kiem
KHACH SAN BEN HO
6A Ngoc Khanh Q.Ba Dinh
HTL NIKKO HANO(日系) 84 Tran Nhan Tong
HILTON HANOI OPERA Hai Ba Trung St.
Melia Hotel
44B Ly Thuong Kiet
SOFITEL Metropole 15 Ngo Quyen Q.Hoan Kiem
THE THANG LOI HOTEL Yen Phu Q.Ba Dinh
☎8350373
☎8236019
☎8282888
☎8315555
☎8253315
☎8344727
☎8452240
☎8268499
☎8350117
☎8288506
☎9330500
☎9343343
☎8266919
☎8268211
FAX8350363
FAX8236922
FAX8282466
FAX8315500
FAX8269818
FAX8343882
FAX8459209
FAX8266631
FAX8350121
FAX8288521
FAX9330530
FAX9343344
FAX8266920
FAX8293800
ハノイ市の国際機関
I.M.F(INTERNATIONAL MONETARY FUND)
49 Ly Thai To St.
☎ 8265985
I.M.O(INTERNATIONAL ORGANIZATION FOR MIGRATION)
4 Thuyen Quang St.
☎ 8266911 8266912 FAX 8266913
W.F.P(WORLD FOOD PROGRAM)
1 Trinh Hoai Duc St.
☎ 8263896 8264738 FAX 8232072
国連児童基金代表部(UNICEF)-United Nation International Children's Fund
72 Ly Thuong Kiet St.
☎ 8252901
国連難民高等弁務官事務所代表部(U.N.H.C.R)
-United Nation High Commissioner Refugees
60 Nguyen Thai Hoc St.
☎ 8257871 8256785
国連工業開発機関代表部(U.N.I.D.O)
-United Nation Industrial Development Organization
27-29 Phan Boi Chau St.
☎ 8256419 8257495
世界保健機関代表部(W.H.P)-World Health Organization
A1 Van Phuc area
☎ 8257901 8252148
国連開発計画代表部(U.N.D.P)-United Nation Development Program
27-29 Phan Boi Chau St.
☎ 8257495 8257318 8254254
国連食糧農業機関代表部(FAO)-Food and Agruculture Organization
3 Nguyen Gia Thieu St.
☎ 8257208 8257239 FAX 8259257
世界食糧計画代表部(W.F.P)-World Food Program
1 Trinh Hanoi Duc St.
☎ 8263896 8264738
国連人口基金代表部(U.N.F.P.A)-United Nation Fund for Population Activites
Giang Vo area
☎ 8264512
赤十字国際委員会代表部(I.C.R.C)-Internatinal Committee of the Red Cross
41 Ly Thai To St.
☎ 8254454
ハノイの病院
・INTERNATIONAL HOSPITAL(Bach Mai Hospital) ☎ 8522004 英語診療
・SWEDISH CLINIC
☎ 8252464 外国人医師 24時間診療
・VIET DUC HOSPITAL
☎ 8253531 英語、仏語、独語
24時間診療
・Hanoi France Hospital
☎ 5740740
・Hanoi International SOS ☎ 9340666
75
●ベトナムの歴史
ベトナムの初期の人類は原人(ホモ・エレクトウス)に属するものが中期洪積世(70万- 12万年
前) の地層か発見されている。BC1000年頃紅河沿いに雄王(フンヴオン) と称する王家が文
郎国(ヴァンラン) と言う国家を建国した。 BC257年文郎国は安陽王(アンズオンヴォン)によって滅
ぼされ甌略(アウラック) 国が建国された。当時、中国華南地方は越南と呼ばれ、その行政
支配者であった趙佗が独立して現在の広州を都とした南越国を建国した。南越国は甌
略国を征服するが BC111年、中国を統一した王朝「漢」の遠征軍によって支配される
ことになりそれ以来1000年に渡ってベトナムは中国の支配下に置かれた。
西暦
歴史的な出来事
BC BC BC6~3
BC111
AD40
192
248
544
633
722
766
939
968
981
1009
1049
1054
1075
1104
1225
1258
1288
1400
1407
1408
1418
1428
1471
1522
1627
ホアビンの旧石器文化
バクソンの中石器文化 ベトナムの原住民によって育まれた文化があった
ドンソン(東山) 文化
南越国は中国の前漢の武帝の遠征軍によって滅びトンキン一帯(北)が支配される
徴姉妹(ハイバチュン)の峰起がおこる。後漢の光武帝、3万の大軍をもって鎮圧
東南岸にチャム族によるチャンパ王国建国
九真郡の女将趙嫗(チュウ・オウ)、呉の支配に反乱するが敗れ自殺
李賁(リー・ボン) 、粱の軍隊と戦い万春国を建国するも鎮圧される
唐、安南都護府を設置(唐の時代ベトナムは安南と呼ばれ唐末期には大越と称した
ゲアンで梅叔鸞(マイ・トウック・ロアン) 蜂起。黒帝と称する
日本の阿部仲麻呂、唐の安南節度使となる
呉権(ゴークエン) 、南漢軍を破り中国から独立し越族の国を興す
丁部領(デイン・ボ・リン)帝位につき丁朝を興す。国名を大瞿越(ダイ・コ・ベト) と称する
前レ(黎)、中国軍(宋軍)を破り黎朝が興る
李太祖(リー・タイ・トー)即位。李朝創始、昇龍(タンロン: 現ハノイ)を建設
李の太宋、一柱寺を建立
国名を大越とする
李常傑(リー・トゥン・キエット) が宋軍を破る
李の仁宗、チャンパ国討伐
陣(チャン) 朝成立
元のベトナム侵攻はじまる
陣興道(チャン・フン・ダオ) 元軍を撃破
胡(ホー)朝成立
廷臣、黎季(レークイリー)の宮廷クーデターにより胡朝終わる
明軍(中国)ベトナムに侵攻
黎利(レロイ) 、ラムソンで蜂起
黎利、明軍に勝利(チランの戦闘)し、黎朝を開く
黎の君主(レータイントン) 、チャンパ国の都(ヴィジャヤ) を制圧
莫登庸(マック・ダン・ズン) 帝位を奪う
北部の鄭(チン)氏、中部の阮(グエン) 氏の王家実権抗争はじまる
鄭氏はオランダ、阮氏はポルトガル、フランスの軍事支援を仰ぐ。抗争中ヨーロッパ勢力浸透
鄭氏抗争断念。阮氏チャム族を完全平定し南部全域を支配、カンボジア を保護下へ
西山党(グエン・バン・フェ/グエン・バン・ニャック/グエン・バン・ル 3兄弟)の蜂起はじまる
阮氏はシャム、鄭氏は中国(清)へ逃亡。西山党ベトナム全土を統一し西山朝創始
西山軍、清軍を撃破し黎朝滅ぶ
阮福映(グエン・フク・アイン)・嘉隆(ザ・ロン)帝、西山朝を破り阮(グエン) 朝創始
1672
1775
1786
1789
1802
76
1803
1825
1858
1862
1867
1874
1883
1884
1887
1902
1904
1905
1907
1908
1912
1919
1920
1924
1927
1930
1935
1936
1937
1939
1940
1941
1944
1945
1946
1949
1950
1951
1954
1955
1958
1959
1960
1961
1962
1963
1964
1965
1968
嘉隆(ザ・ロン)帝、国名を「越南」とし首都をフエに置く。清国の朝貢国となる
明命(ミンマン)帝、キリスト教を禁ず
フランスのベトナム侵攻はじまる(ダナンを砲撃)
阮朝、第一次サイゴン条約に調印しフランスに土地の一部を割譲
フランス皇帝ナポレオン3世によってベトナム南部占領される
阮朝、第二次サイゴン条約。南部6省をフランスに割譲
第一次フェ条約によりベトナムはフランスの保護国になる
第二次フェ条約によりフランスの分割統治はじまる
フランス領インドシナ連邦(トンキン 保護領、コーチシナ 植民地、アンアン保護領 [カンボジア
ラオス 含む] )成立。
紅河のロンビエン橋完成
潘佩珠 (ファン・ボイ・チャウ) 、越南維新会を結成して東遊運動を開始
潘佩珠来日
ハノイに東京義塾設立。日仏協約締結。在日ベトナム人留学生の取締り強化
東遊運動で来日していたベトナム活動家、潘佩珠来 (21才) 自殺
維新会、光復会に改組
グエン・アイ・クオック(ホーチミン)、ベルサイユ 講和会議に民族自決の要求書提出
グエン・アイ・クオック(ホーチミン)、フランス社会党大会に出席。
グエン・アイ・クオック(ホーチミン)、広東にベトナム青年革命同志会を設立
グエン・アイ・クオック(ホーチミン)他、ベトナム国民党結成(中国国民党と結)
グエン・アイ・クオック(ホーチミン)、 ベトナム共産党創立 (10月にインドシナ共産党と改称)
マカオでインドシナ共産党第1回全国大会開催
フランスで人民戦線政府成立
共産党、インドシナ民主戦線を呼びかける
第2次世界大戦はじまる
日本軍、北部仏印進駐を開始。バクソン蜂起、ナムキ蜂起。
インドシナ共産党ベトミン結成(ベトナム独立同盟)を結成。太平洋戦争勃発
ベトナム解放武装宣伝隊結成
ベトナム民主共和国独立宣言。日本軍フランス軍を排除し安南のバオダイ帝と協力
関係結ぶ。8月日本敗戦で日本軍ベトナム撤退
フランス軍ベトミンと抗戦し南部の仏権回復
フランス政府バオダイを国家元首とした民族会議政府を作る
ソ連、中国、ベトナム民主共和国を承認。米国サイゴンに軍事援助顧問団設置
インドシナ共産党第2回全国大会開催。党名をベトナム労働党に改称。
(5月 7日)ディエンビエンフー陥落しフランス軍敗退
(5月 8日)ジュネーブ会議開催
(7月 7日) サイゴンにゴ・ディン・ジェム政権樹立
(7月21日)ジュネーブ協定調印(仏、 ベトナム民主共和国、仏連合(バオダイ 政府、カン
ボジア、ラオス、バオダイ政府) 、ソ連、中華人民共和国、イギリス、米国)
ベトナム祖国戦線結成。米国親米ゴジンジェムを国家元首に。日越貿易会(金曜会)創立
労働党中央委員会、北部の社会主義化を決定(ソ連型計画経済)
労働党中央委員会、南部解放の武装闘争を決定
ベトナム民主共和国新憲法発布(北ベトナム)。南ベトナム解放民族戦線結成
米ケネディ大統領、南ベトナムに特殊部隊派遣
南ベトナム民族解放戦線第1回大会開催
サイゴンでクデター、ジェム政権打倒
米越、トンキン湾で軍事衝突。米軍機、北ベトナムを初爆撃
米海兵隊ダナン上陸し本格介入開始
解放軍、テト攻勢。米軍駐留50万人に拡大。パリでベトナム和平会議開始
77
1969
1970
1973
1975
1976
1977
1978
1979
1986
1987
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
南ベトナム臨時革命政府樹立。ホーチミン大統領死去
カンボジで親米派ロンノル将軍がクデター、シアヌーク元首追放
パリ和平協定調印。停戦発効。米軍全面撤退開始
サイゴン陥落(南ベトナム無条件降伏)。 (10月) 日本大使館開設(ハノイ)
南北統一総選挙実施。統一国会で国名を「ベトナム社会主義共和国」に決定
ベトナム労働党第4回全国大会で党名を「ベトナム共産党」に改名
(1月) 駐日ベトナム大使館開設(旧南ベトナム大使館)
ベトナムの国連加盟。ベトナム、民主カンボジと国交断絶
中国、ベトナムの援助全面停止(中国系大量難民化とカンボジア侵攻に対抗)
ベトナム、コメコン(経済相互援助会議)に加盟。ソ連友好協力条約を締結
ベトナム軍カンボジア領へ侵攻、プノンペン制圧
中国人民軍、ベトナム北部国境地帯を攻撃
第6会党大会ドイモイ(刷新)政策採択。南シナ海、バクホー油田の生産開始
新外国投資法制定
ベトナム軍カンボジアから全面撤退。コメの輸出世界3位に浮上
ソ連、ベトナムの援助停止(ソ連邦崩壊に伴う)。中国と国交正常化締結
東南アジア友好協力条約調印。憲法改革。日本、ベトナムへのODA再開
仏ミッテラン大統領訪越。米国、IMF(国際通貨基金)の対越融資容認
日本国総領事館設立
(2月 3日) クリントン大統領ベトナム禁輸(エンバーゴ) 解除を決定
日本(JETRO )・米国ハノイで商業見本市開催。(8月) 村山首相訪越
(11月) 日本航空 ホーチミン市に就航
(1月) 米越凍結資産返還協定調印 (4月17日) ド.ムオイ書記長訪日
(7月11日) 米クリント大統領、ベトナム正常化決定
(7月28日) ベトナム、ASEAN正式加盟
(1月)AFTA の共通優遇税率適用 (6月) 第8回共産党全国大会開催
(5月 9日) ダグラスピーターソン米大使就任
(11 月) APEC正式加盟
(ベトナムの支配経過)
BC111
中国の支配
AD939
呉
朝
968
丁
朝
981
前黎朝
1408
胡
朝
1400
陣
朝
1225
李
1428
1786
西山朝
1802
阮
朝
1887
仏領 インドシナ
現
中国 (明) 支配
在
黎
ベトナム社会主義共和国
歴
阮
王
朝
の
皇
帝
朝
代
第1代
第2代
第3代
第4代
第5代
第6代
第7代
皇帝名 (期
1976
間)
嘉隆帝(1808~1820)
明命帝(1820~1841)
紹治帝(1841~1847)
嗣徳帝(1847~1883)
育徳帝(1883)
協和帝(1883)
建福帝(1883~1884)
78
(北) ベトナム民主共和国
朝
(南)ベトナム共和国
歴
代
第8代
第9代
第10代
第11代
第12代
第13代
皇帝名 (期
1009
945
955
間)
咸宣帝(1884~1888)
同慶帝(1888~1889)
成泰帝(1889~1907)
維新帝(1907~1916)
啓定帝(1916~1925)
保大帝(1925~1945)
●ベトナム戦争
1975年 4月30日ベトナム戦争は終結した。近代におけるベトナムの外国との戦いは仏領イ
ンドシナのフランス支配に始まり第二次大戦末期の日本軍の進駐そしてジュネーブ協定締
結後のアメリカ軍との戦いである。また世界の冷戦下にソ連、中国に支援された社会主義
イデオロギーと米・英・仏の資本主義イデオロギーの2極対決の狭間に翻弄された民族独
立(ホーチミン思想)の戦いでもあった。こうした近世のベトナム戦争の流れを学習して
おくことはベトナムという国を見る上で決して見逃してはならない部分である。投資にし
ろ観光にしろベトナムを訪問する際はベトナムの頭上には膨大な犠牲と破壊が大国によっ
て繰り返されていたことと日本も決して無縁ではなかったことを認識しておかなければな
らない。ベトナムを訪れる多くの日本人がベトナム人の寛大さと謙虚な姿勢につい戦争の
ことなど忘れてしまうのであるが、ベトナム人は絶対に忘れてはいない。かってグエンマ
イカム外相がTVのインタビューでアメリカの兵隊がベトナムを再訪した際「なぜ我々をこ
れほどまでに歓迎してくれるのか!」と言う問いに外相は今度はあなたがたは戦争をしに
来たのではないから我々は友人として心から歓迎するのですと答えていたが、その言葉は
ベトナム人の心の大きさを感じさせる。ベトナム戦争の近代史を学習することでベトナム
はあきらかに被害者であり大国に抵抗する我慢の連続であったことがよく分かる。ベトナ
ムは貧乏な国と言う単純な見識ではすまされない大変な犠牲の上に今の姿があることを見
失ってはならない。ベトナムはアジアで最も親日的な国であり彼らを不幸にした分だけ幸
福にする責任が日本にはあるという気持ちでぜひ接していただけたらと思う。
ベトナムは伝説時代を除く約2170年のうち1050年は中国、80年はフランスの統治下にあり
独立していたのは約1040年間に過ぎない。まさにベトナムは戦いの歴史一色で塗り尽くさ
れている。紀元前 111年、それまで泰から独立していた越南王国は前漢によって滅ぼされ
中国の一属国となって中国の支配下に置かれた。その後 939年呉権が南漢軍を破って国号
を越南と称し、1883年フランスと保護条約を締結するまでの約 950年の間一時明朝の支配
を受けた期間(1414~27年) を除き独立を維持することができた。しかし、その間ベトナ
ムは南北朝に分裂するところとなり南朝(バオダイの祖先)がフランスに軍事援助を要請
したことからフランスの介入を招くこととなり、1883年にフランスの保護国となる。ここ
でベトナムは南部(コーチシナ)を仏領、中部(アンナン王国)を保護国とし北部(トン
キン)をフランスの行政下に置かれることとなった。1954年 7月のジュネーブ協定により
フランスが手を引くまでの80年間には多くの反仏抗争が起こり、特に1930年初頭にはフラ
ンスの大弾圧で多数の犠牲者を出した。こうした状況下、抗仏勢力は中国へ逃れたが40年
9月の日本軍の北部仏印進駐はこれら勢力の巻き返すところとなり全土で人民解放軍(ベ
トミン)が決起した。ここで頭角を現してきたのがホーチミンでありホーチミンは45年 8
月の日本の敗戦後直ちにベトナム民主共和国臨時政府を樹立し 9月 2日に独立(ベトナム
民主共和国)を宣言した。翌46年 2月ベトナム全土にわたって総選挙を実施しそれに基づ
く国民議会によってホーチミンが首相に選ばれベトナム政府が成立、長年の悲願であった
独立を達成した形になった。しかし独立を認めたはずのフランスが10月にはベトナムの再
征服を目指し軍隊を南部に投入し、翌46年 2月に英軍から南部インドシナの所轄権を引き
79
継ぎ北部接収に関する協定を国府と締結した。ここでホーチミン政権とフランスは共に妥
協し合い予備協定でベトナムは仏連合内のインドシナ連邦を構成する自由国として認めら
れる代わりに仏軍の北部進駐を認めた。しかしその後の交渉は双方の意見がことごとく対
立し46年12月ハノイで市街戦が勃発し、7年7ケ月にわたる第 1次インドシナ戦争に突入
した。フランスは日本の敗戦後直ちにホーチミンにより退位させられたバオダイ元皇帝を
引き戻し、49年にベトナム国の元首に祭り上げた。しかし仏軍は米国の 9,360億円にのぼ
る軍事援助にもかかわらず、54年 5月ディエンビエンフーで大敗し 7月のジュネーブ協定
により休戦をむかえることとなった。ここでベトナムはジュネーブ協定最終宣言第6項に
より北緯17度線(ベンハイ川)で暫定的軍事境界線が引かれ南北を分割して双方の軍隊を
集結(南側に仏連合軍、北側に人民軍=ベトミン)、2 年後に統一選挙を実施する取り決
めを交わした。しかし仏軍撤退後、南ベトナムは協定に調印しなかったことを理由に2年
後の選挙をボイコットし米国はフランスの息のかかっていたバオダイ元皇帝を追放し1955
年の南ベトナム国民投票で当時首相であったゴジンジェムを推奨しジェム大統領下のベト
ナム共和国を承認、北緯17度線を南北ベトナムの国境として線引きをした。ベトナムの統
一選挙は結局実現に到らず、こうしたジュネーブ協定の破棄が南部で活動を実施していた
解放勢力の闘争を呼び60年12月南ベトナム民族解放戦線(Vitnam Communist) が樹立され
る。米国はフランス援助に携わった軍事顧問団を根拠として軍事資材の搬入、基地の建設
を進め65年 3月にはダナンに地上軍の投入を行った。ゴジンジェム政権は反勢力を徹底し
て圧制したことから反発を呼び63年11月の軍部クーデターにより処刑される。その後幾多
の政権(主に軍事政権)交代が行われ、そうした中にグエンバンチュー中将が台頭し67年
9月の大統領選を通してチュー政権が誕生した。米国はチュー大統領の合法性、民主性が
承認されたとして独立国南ベトナム共和国の正当性を世界にアピールした。また17度線以
南の北側攻勢を独立国、南ベトナムへの侵略としてとらえ北爆を強行し米軍の増強を開始
した。68年 4月には地上部隊だけでも54万4000人に達しベトナム全土に戦闘を拡大した。
当時米軍がベトナムで費やした軍事費は1日当たり 100億円を越えこの結果はアメリカ国
内の反戦運動の高まり徴兵拒否の拡大を招き戦意の失墜となって戦局は深刻化した。米国
はベトナムの巨大戦費が負担となり豊かなアメリカ経済はこれを契機に失墜して行く。こ
うした最中米国では大統領選挙を迎えベトナム問題が争点となり6ケ月以内の戦争解決と
極東からの米軍削減を公約したニクソン大統領が誕生する。ニクソン政権になってベトナ
ム戦争はベトナム兵を主役にすり替えたベトナム化計画が進められベトナム人同士が戦う
という悲劇に発展した。このニクソン政権が4年後の大統領選挙ではマクガバン民主党候
補と再びベトナムを争点に争うこととなる。北ベトナムは68年にテト(正月)攻勢を南全
土に展開しカンボジア国境を通るホーチミンルートを進んで南部を奇襲した。サイゴンの
アメリカ大使館は解放兵士に進入を許しチョロン地区は大混乱に陥った。結局ニクソンは
再選されパリ和平会談が開催されることとなって実に 159回もの会議の末米軍の撤退が決
定した。このパリ和平会談でベトナム側代表として活躍した臨時革命政府グエン・チ・ビ
ン女史は当時世界で最も輝いたベトナム女性となった。(ビン女史は2002年8月まで副大
80
統領として抜擢され第11期国会決議の新閣僚人事において勇退、ホーチミン賞に輝いた)
米軍撤退後、しばらくは南北膠着の日々が続いたが1975年2月突如解放軍の攻勢が中部高
原から嵐のように南下し同年4月30日午前11時30分サイゴンはアッと言う間に陥落し南ベ
トナム政権の無条件降伏となってベトナム戦争は終焉した。ジュネーブ協定の選挙破棄か
ら始まったベトナム戦争の火の手は米ソ冷戦の代理戦争の様相に発展し第2次大戦を凌ぐ
量の爆弾が投下された。しかも周辺のカンボジア、ラオスを戦場に巻き込み大量の犠牲と
破壊のかぎりがつくされ枯れ葉剤やら殺傷兵器の試験場と化した。ベトナム戦争は北ベト
ナムの完全勝利となったが、その犠牲はあまりにも大きく、65~74年の間で死亡したベト
ナム人は推定 150万人、米兵 5万6000人、北の51の町が消滅したと言われている。
ベトナム戦争終了後、周辺国は共産化のドミノ理論が叫ばれ緊張した。特にタイはラオス
・カンボジアに広く国境を接する上、ベトナム戦争の際、米軍にいくつもの基地を提供し
て協力したことから戦後の動向が心配された。また軍事特需にかたよった経済発展がタイ
の将来を不安にした。しかしタイは外資誘致の工業団地を中心に大きな成長を遂げ、日本
企業の登録も1000社を越えるまでに拡大して目ざましい経済成長を遂げた。一方、米国を
打ち破ったベトナムは南部の社会主義化が大きく頓挫し、その上ソ連邦の崩壊で援助が無
くなって経済が立ち行かなくなってしまった。1986年ベトナム政府はドイモイ(刷新経済
)政策を決議し、88年には新外資法を施行して市場経済の道を選択した。その結果ベトナ
ムは有望な石油資源と卓抜した質の高い労働資源をバックにかってない成長をはじめ94年
2月にはアメリカの禁輸処置も解かれて世界の投資がベトナムに大挙して向かうところと
なった。今、ベトナムは全土に工業団地を開発して外資企業の誘致に全力を上げている。
長い戦争で疲弊した経済復興に懸命に励んでいるとこである。
・1945年3月 5日
・1945年8月14日
・1945年8月28日
・1945年9月 2日
・1945年10月 3日
・1946年3月 2日
・1946年3月18日
・1946年12月31日
・1954年5月 7日
・1954年7月20日
・1965年3月 7日
・1968年2月 5日
・1969年1月25日
・1973年1月27日
・1973年2月10日
・1975年3月 9日
・1975年4月30日
・1976年7月 2日
・1986年12月
日本軍、仏印軍を武装解除(フランス軍撤退)
日本敗戦、無条件降伏(ポツダム宣言受託)
(第2次大戦終了)
ハノイにベトナム民主共和国臨時政府樹立
ベトナム民主共和国独立宣言(ホーチミン首班)
フランス歩兵連隊サイゴンに再上陸
共和国ホーチミン大統領選出
仏軍ハノイに進駐
ホーチミン大統領仏抗戦を宣言
ディエンビエンフー陥落(仏軍大敗)
ジュネーブ協定調印:2年後統一選挙実施で合意
米海兵隊ダナン上陸:米軍本格介入開始
解放戦線全土でテト攻勢(米軍兵力50万突破)
パリ和平会談開始
パリ和平協定調印
米軍戦闘部隊解散
解放勢力ホーチミン作戦開始
南ベトナム政権無条件降伏
ベトナム社会主義共和国成立(統一国会開催)
第6回党大会でドイモイ政策採択
81
(参考資料)ベトナムの社会主義革命
ベトナムの歴史は外国の侵略支配との抵抗の遍歴であり、近世のフランス植民地支配と
アメリカの南部独立支配はホーチミン(グエン・アイ・クオック)の共産思想に導かれた民族・社会主
義路線の国家統一を目指す抵抗の歴史であったと言える。
(近世の2大革命)
第1段階
共産主義者指導
民族民主主義革命
(3大任務)
第2段階
社会主義革命
植民地支配の打倒
(反帝(フランス)闘争)
封建制度の打倒
(民主革命:土地解放)
ドイモイ政策
(社会主義市場経済)
※民主革命の主役は労働者と農民(貧農・雇農)である。
(近世支配下の闘争歴)
◎1860~1880年
・1860~1870年
・1880年半ば
フランスの植民地政策の開始
ベトナム南部(コーチシナ) 植民地支配
中部(アンナン)、北部(トンキン)植民地支配
三地域はそれぞれ異なる統治形態で分割支配された。但しグエン(阮)王朝は存続を
許され王都フエのアンナン地域を限定して(植民地当局の傀儡として)君臨した。
一方支配者のフランスはベトナム三地域とラオス、カンボジアを合わせ仏領インドシ
ナ連邦としてハノイに総督府を設置して植民地支配の拠点としていた。
◎1920~1940年
フランス植民地下のベトナム民族(主義者)反帝闘争
(反帝闘争と植民地の定義)
反帝闘争とは帝国主義による植民地支配を打倒する民族独立運動を指し、帝国主義と
は資本主義の類型(発展段階)の1ツでその様々な活動の一部が植民地支配である。
また植民地支配とは経済的、政治的支配を外国によって支配されることを言う。
◎1945年 3月
日本の侵攻を含めたベトミンの闘争(ホーチミン指導)
◎1945年 8月
日本撤退(太平洋戦争終結)(8月革命:ホーチミン革命政権誕生)
◎1946~1954年
第1次インドシナ戦争(フランスの再侵略との闘争)
◎1958年
北ベトナムは社会主義革命の土地改革を進める
北ベトナム(民主共和国)は1960年前後に社会主義革命路線の政治システムを確立し
た。労農同盟を基盤とするプロレタリアート(無産階級)の独裁国家となった党が全
ての政策を決定しその実施指導、監督する国家機構(国会・政府・司法組織・軍隊、
公安組織)は合法的な枠組みを付与され党の決定を履行する役割を担っていた。
82
◎1960~1975年
第2次インドシナ戦争(米・サイゴン政権との闘争)
◎1976年
統一ベトナムの社会主義建設が始まる(社会主義共和国成立)
◎1970年代末
社会主義経済の破綻
1960年代前半より北ベトナムで始まった社会主義経済のシステムは国家統制システム
の採用であった。
・生産-流通-分配-消化の全過程を市場現場から隔離して国家の策定する計画に基
づいて一元的に統制・管理する。
・生産活動を担う経営単位は基本的には国営または集団経営とする。
・勤労人民は分配原理に基づく労働報酬を受け取り国家の支給する消費財を購入する
ことで生計を維持する。
・物資は国家によって排他的に把握されて消費者に国営商業機関を通じて配分される
・対外経済活動は国家によって独占的に管理運営される。
以上の国家統制システムは一見合理的に見えるが現実には機能する時様々な矛盾、欠
陥を露呈するに至った
。
・膨大で複雑な計画立案作業が必要で様々な統計知識の持ち合わせ、しかも的確に遂
行することは困難である。
・経営・管理に自主権がないため生産単位が受動的存在になるため消費者ニーズに対
する生産努力はなくなる。
・平均主義的労働報酬の分配になるため労働性が落ちる。
・国家の物資調達に全てが影響されるため生産性に円滑さを欠き、しかも対外的市場
で品質、価格等の優位性に欠ける。
ベトナムの理想高き社会主義革命は経済面においては国民の忍耐力と犠牲的精神にさ
さえられ、また他の社会主義兄弟諸国の援助によって戦時下と統一後の10年間は筆舌
に耐えない悪戦苦闘が続いた。そうした結果ドイモイ政策を政治決断するに至った。
◎1986年
ドイモイ経済を導入(12月第6回共産党大会で採択)
ドイモイ政策の展開は社会主義からの離脱を意味するものではない。ドイモイ導入を
選択したグエン・バン・リン元書記長は「ドイモイは社会主義への過渡期の最初の段
階であって、本格的社会主義への展望は変わらない。あくまで共産党による支配体制
を堅持し、その枠組みの中で経済改革、対外開放を追求する」との姿勢を語っている
(統一後の党書記の流れ)
(1975-86年 7月)
レ・ズアン 党書記長死去
(統一後10年間就任)
(1986年 7月)
チュオン・チン 書記長
(保守派最後書記)
(保守派時代)
(資)東京大学出版会「ベトナム」より
▷
(1986 年12月)
グエン・バン・リン書記長
(ドイモイ採択)
(1991年 6月)
ド・ムオイ書記長
(対外関係正常化)
(改革派時代)
83
(特選資料)ベトナムの概説
2004 6月外務省ページより
べトナムは、86年より「刷新(ドイモイ)」路線を打ち出し、市場経済原理の導入等経
済を中心とする開放化を進めるとともに、IMF・世銀との協調の下で構造調整計画を実施
してきている。また、ASEAN、我が国、中国、韓国などの近隣諸国や米国を含む西側諸国
との関係改善・拡大を目指すとの全方位外交政策をとっている。
べトナムは、憲法に定めている「共産党一党支配」を堅持し、政治的多元主義は導入し
ないとの方針をとっているが、92年の国政選挙以来、共産党等の推薦がなくとも議員に立
候補できる制度が導入されたほか、95年には社会主義国で初めて民法を制定している。20
01年4月には第9回ベトナム共産党大会が開催され、マイン新書記長を頂点とする新指導部
が誕生した。アジア経済危機からの持続的回復を図る上でもべトナム経済の競争力強化が
急務となっており、また、ASEAN加盟国として貿易・投資の自由化促進の義務を負う等、
べトナムは引き続き改革課題を抱えている。
べトナムは、中国との関係正常化やASEANへの加盟など、近隣諸国との関係改善を急速
に進めてきた。また、世界及び地域経済の枠組みへの参加も積極的に進めている。具体的
には、95年1月にWTOに加盟申請、96年1月からはAFTA(アセアン自由貿易地域)に参加し
、2006年までに共通実効特恵関税(CEPT)協定に基づく関税削減を目指している。98年に
はAPECに加盟した。米国との関係改善も徐々に進展し、95年8月の外交関係樹立を経て、2
000年7月には、米越通商協定が締結され、2001年12月に発効した。また、98年12月にはハ
ノイでASEAN公式首脳会議を開催し、2001年7月にはASEAN議長国として、一連の閣僚会合
を主催するなど、ASEANのメンバーとしての役割も本格的に果たしつつある。
86年以降の財政赤字の削減、金利政策の実施、変動為替相場制の採用等といった経済面
での刷新(ドイモイ)政策の効果が89年頃より現れはじめ、国民一人当たりのGDPは、390
米ドル(2000年、IMF)と経済的水準は未だ低いものの、概ね良好なマクロ経済の実績を
示してきた(91~2000年の平均GDP成長率7.5%を達成)。
慢性的な貿易赤字基調に加え、97年のアジア経済危機に際しては自国製品の輸出不振、
外国民間投資の大幅減少等により、GDP成長率が98年5.8%、99年4.8%へと大きく減速し
たが、外資奨励・輸出促進に関する具体的施策を打ち出す等、現状打開に向けた努力を行
ってきたこともあり、2000年以降年率7%前後の成長率を維持しており、経済全体として
は、ようやく回復基調に入ったと言える。
また、経済に占める農業の割合は大きく、総労働人口の約70%が農業に従事している。
コメについては、89年より輸出が可能となり、現在、タイに次ぐ世界第2位の輸出国とな
っている。一方、洪水被害によるコメ生産量の伸び悩みや国際価格の低下などの困難も存
在する。
外国投資は96年85億ドル(325件)に達したが、その後、投資環境整備の遅れやアジア
通貨危機の影響により、2000年は約20億ドル(355件)、2001年は約25億ドル(518件)と
回復基調にはあるもののかつての勢いは後退しており、更なる投資環境改善が急務となっ
ている。但し、2002年は、約15億ドルと投資額は少ないものの投資件数では754件と過去
最高を記録した。投資の形態が変化してきており、大型案件より小型案件が増えてきてい
84
る。2002年1月に小泉総理が打ち出した「日・ASEAN包括的経済連携構想」の日越二国間の
取り組みにおける具体的な第一歩と位置づけられる。
78年末のカンボジア侵攻以降、我が国との関係は停滞していたが、91年10月のパリ和平
協定署名の後、我が国とは、本格的な関係強化が進められ、幅広い交流が進んでいる。20
02年4月には小泉総理がベトナムを訪問し、また、同年10月には、マイン書記長が党書記
長としては7年振りの公賓として訪日して、それぞれ小泉総理と首脳会談を行った。
日・べトナム間の貿易は、従来低い水準にあったが、近年は着実に拡大し、2001年は対
日輸出が約3,168億円、輸入が約2,164億円になっている。我が国への主な輸出品目は、繊
維品、原油、海産物(エビ、イカ)等であり、我が国からの主な輸入品目は機械、電子機
器、繊維製品等である。
85