「ASEAN ショーケース・ベトナム展」に係る専門家派遣 -ホーチミン- 対日輸出促進事業の一環として 10 月下旬に開催予定の「ASEAN ショーケース・ベトナ ム展」に関し、8 月 5 日~9 日の日程で水産物の専門家にベトナム・ホーチミンへ出張いた だきました。今回の派遣目的は、Vietnam Association of Seafood Exporters and Producers (VASEP)が主催する Vietnam Fisheries International Exhibition (VIETFISH)に参加している企 業の中から、ベトナム展への出展企業を選定するとともに、商品開発についてのアドバイ スや技術指導を行うことでした。 VIETFISH が 開 催 さ れ た Saigon Exhibition and Convention Center(SECC)はホーチミン市街地から車 で 20 分程のところにあります。こちらの会場の壁面 は一面ガラス張りで、大変洗練された造りでした。 VIETFISH は、 海外を含め 200 社以上の出展者があり、 3 万人以上もの人々が訪れる毎年恒例のイベントです。 オープニングセレモニーでは、ベトナムの伝統衣装ア オザイに身を包んだ人々による楽器演奏や踊りの披 露があり、大変な賑わいをみせていました。 今年は“Made in Vietnam”をテーマに、ベトナム産 のエビやイカといった水産物を展示した企業が多く 見受けられました。展示会場内では、日本人バイヤー の姿も度々見かけ、ベトナム水産物に対する興味の高 さが伺えました。VIETFISH の参加企業の中には、既に日本企業との取引を精力的に行って いる企業もあり、独自の品質管理システムを構築したり、パッケージングにもこだわった りと様々な工夫を凝らしていました。その中でも、興味を引いた企業を 2 社紹介します。 まずは、エビの燻製を取り扱う企業 Eurasimmex Co., Ltd. (www.eurasimmex.com) です。こ ちらの企業は、フランスで生活した経験を持つオーナ ーらが“Royal Shrimps”というエビの燻製方法を開発 し製造しています。開発するまでには数年の月日がか かったそうで、その工程には様々な障壁があったよう です。特に、エビの本来の味を活かすために、燻製に 使用する木や機械を世界各国から選び抜いたところ に、大変なこだわりを感じました。オーナーは自らが 考案した“Royal Shrimps”という 名で、エビの燻製をベトナム国内だけでなく、世界にも広 めたいと話していました。とても独自性があるとともに、今後が楽しみな企業の一つです。 もう 1 社はエビやカニ、そしてタコを取り扱う企業 Seajoco Viet Nam (http://seajoco.vn) です。こちらの企業は 衣づけした商品の種類が豊富でした。細長いジャガイモ でエビの周囲を巻いた商品は、外は香ばしく、中はエビ の甘みが感じられる一品です。ジャガイモとエビを組み 合わすという発想は大変面白いものでした。こちらの企 業は、既に日本企業との取引を開始しており、カニ爪フ ライや海老フライといった私達に馴染みのある商品のラインナッ プも魅力の一つではないかと思います。海老フライが梱包されてい る容器は、一つ一つのエビがくっつかないよう分かれており、パッ ケージにもこだわりを持っていました。 “Made in Vietnam”という VIETFISH のタイトル通り、 展示会ではベトナムで獲れた水産物を活かした製品が 多岐に渡っていました。それは、冷凍加工されたものだ けでなく、衣づけした製品や燻製製品など、企業のこだ わりが随所に見られるものでした。バイヤーのニーズに 応えるだけでなく、企業独自の発想で製品を開発してい く姿は、大変印象的でした。ベトナム独自の特性を活か した商品作りを行う企業が多く見受けられた VIETFISH を通して、今後より一層ベトナムの 水産企業が成長していくだろうという期待を抱いた出張となりました。 (yt)
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