FIA ALTERNATIVE ENERGIES CUP ソーラーカーレース鈴鹿 2015 技

FIA ALTERNATIVE ENERGIES CUP ソーラーカーレース鈴鹿 2015
技 術 規 則
1 車両の分類
1.1 カテゴリー
競技用ソーラーカー:太陽エネルギーを動力源とする競技用車両
=FIA 電気/ソーラー/代替エネルギー車両技術規則に規定される“カテゴリーⅠ”
1.2 重量
車両重量はドライバー、予備の蓄電池を除き使用するすべての蓄電池を搭載した状態で 300kg 以下でなければな
らない。
1.3 乗員数
1 名とする。
2 定 義
2.1 競技用ソーラーカー
車両に搭載したソーラーパネルから駆動用バッテリーを介し直接的に伝達される動力源により駆動する車両で、少
なくとも 3 個の車輪を有するものを指す。
本大会では以下のクラスに区分される。
a) DREAM クラス
b) CHALLENGE クラス
c) ENJOY クラス
2.2 機械構成要素
推進、懸架、操舵および制動に必要なすべての構成要素と、それらを機能させるために通常必要とされる、可動あ
るいは固定の周辺装備をいう。
2.3 車載コンピューター用バックアップ電源(蓄電池)
車両の運行状態を監視する機能を持つコンピューター用の電源であり、何らかの状況により、車両搭載駆動用バッ
テリーが機能しない時に、メモリーされた情報を失わず保持するためのバックアップ用電源をいう。
2.4 サーキットブレーカー(メインスイッチ)
モーターの駆動(回転)を人為的に停止させるために駆動用回路への電流を遮断する装置。
3 一般事項
3.1 寸 法
3.1.1 真上から計測される車両の外寸
この寸法は、当該競技会のスターティング・グリッドに並んだ状態(すなわち出走可能状態)での外寸である。
車両の寸法は、それぞれ次の値を超えてはならないものとする。
カテゴリー
クラス
全長
全幅
競技用ソーラーカー
(FIA カテゴリーI)
DREAM クラス
CHALLENGE クラス
ENJOY クラス
5.0m
1.8m
ただし、2002 年以前に作製され、大会出場実績(鈴鹿大会以外も含む) のある、全長 6.0m 全幅 2.0m 以内の車両
については、参加可能とする。
出場実績の証明はエントラントが行わなければならない。
3.1.2 全高
操舵輪をまっすぐ前方に向けてドライバーが搭乗した状態で、車両の全高は 1.6m 以下でなければならない。
3.2 グランドクリアランス
片側の前後両タイヤから空気が抜けた場合、車両の一部が地面に触れてはならない。
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3.3 モーター
電気モーターであれば自由とし、その他のタイプのモーターの使用は禁止される。
3.4 シャシー
シャシーとは、完全な懸架状態にある部分すべてを含むものである。すなわち、シャシーとは機械構成要素および
車体が組み付けられている構造体全体をさし、この構造体のあらゆる構成部分を包含する。
3.5 ステアリング
衝突時の傷害のおそれを軽減し、また脱出時の引っ掛かりを防止するため、ステアリングは、完全に閉じられた円
形のステアリングホイール(下図参照)によって操作される形式を推奨する。また、ステアリングホイール形式以外の
かじ取り装置(バーハンドル等)を使用する場合、装置の端部や突起部には緩衝材を取り付けるなどして、ドライバー
の安全を確保しなければならない。
3.6 車体
外部車体:完全に懸架された状態にあり、かつ外気に直接触れるすべての部分(通信用のアンテナを除く)
内部車体:コックピット
車体は単一の構造体で、連結部分または可動部分を有しないこと(例 トレーラータイプの車両は禁止する)
3.7 方向指示器
車体の前部 2 ヶ所、後部 2 ヶ所に前後 30m 離れた地点から点灯が確認できるオレンジ色の方向指示器の取り付
けが義務づけられる。左右の間隔は、全幅の 50%以上でなければならない。点滅回数は 60~120 サイクルとする。
運転席に正常に着座したドライバーにより点灯可能であること。
3.8 ブレーキランプ
車体の後部 2 ヶ所に 30m 離れた地点から点灯が確認できる赤色のブレーキランプの取り付けが義務付けられる。
左右の間隔は、全幅の 50%以上でなければならない。
3.9 車両テクニカルパスポート
DREAM/CHALLENGE クラスの競技会に参加するすべての車両は FIA 車両テクニカルパスポートを有していなく
てはならない。
車両テクニカルパスポートの詳細は鈴鹿サーキットホームページにて公開する。
車両検査ではテクニカルパスポートの提示が義務付けられる。競技会審査委員会は、車両のテクニカルパスポート
の提出を怠った参加者の競技参加を拒否する権利を有する。参加者はその責任において、(改正、追加等が加えら
れた場合はそれらを含む)車両のテクニカルパスポートを ASN より取得しなくてはならない。
テクニカルパスポートに申告されたデータおよび添付の図面に関する責任は参加者に帰する。
4 電気装備
4.1 定 義
4.1.1 駆動用バッテリー(蓄電池)
駆動用バッテリーとは、ソーラーパネルまたは充電装置により供給される電気エネルギーの蓄電装置として介在す
るもの全般を指す。
車両に搭載されたバッテリーはすべて駆動用バッテリーとみなされる。ただし、車載コンピューター用バックアップ電
源(4.1.5 参照)、通信機器に用いる電源(4.1.6 参照)、補機用電源(4.1.7 参照)についてはこの限りではない。
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4.1.2 駆動用バッテリーの種類および重量
使用の認められる駆動用バッテリーの種類および車両に搭載できる駆動用バッテリーの最大重量は以下の通り:
鉛(制御弁式)
Lead-acid
DREAM クラス
80kg
右記以外の蓄電池を使用する
ニッケルカドミウム
Nickel-Cadmium
60kg
場合、大会事務局に仕様書を
ニッケル水素
Nickel-Metal-Hydride
41kg
提出し、承認を受けなければ
リチウムイオン
Lithium-Ion
17kg
ならない。
リチウムイオンポリマー
Lithium-Ion-Polymer
17kg
鉛(制御弁式)
Lead-acid
CHALLENGE クラス
80kg
鉛(制御弁式)
Lead-acid
80kg
ENJOY クラス
鉛蓄電池は、制御弁式(シール式)鉛蓄電池のみ使用可能とする。
リチウムイオン(ポリマータイプを含む)バッテリーは、然るべき技術を有した製造者によって製造された(専用の電
圧監視および保護回路を装備した)バッテリーパックのみ使用を認める。また、JAF 所定の仕様書および安全に関す
る書類を競技会が開催される 45 日前までに JAF あてに申請しなければならない。
【申請先】
〒105-0012 東京都港区芝大門 1-1-30 日本自動車会館 13 階
一般社団法人日本自動車連盟モータースポーツ部
e-mail: [email protected]
4.1.2.1 車両に搭載される駆動用バッテリーは、同一メーカー/同一型番で構成されなければならない。
4.1.2.2 車両に搭載される駆動用バッテリーの最大重量は、4.1.2 に従うものとする。
ここでいう駆動用バッテリーの重量とは、バッテリー本体の重量であり、収納箱の重量は含まないものとする。
参加申し込み時に申告する重量値(カタログ等から算出)および車両検査時の実測値ともに、上記の最大値を超え
てはならないものとする。
4.1.3 駆動用バッテリーの公称重量値
製造メーカーのカタログ等により、使用するバッテリーの公称重量値を証明しなければならない。
4.1.4 車両への搭載
駆動用バッテリーは、4 個以内の蓋付きの箱に収納し車両にしっかりと固定され車両が傾いた場合でも動くことなく
また、バッテリーが飛び出すことのないような構造になっていなければならない。短絡に対する保護がされていなけれ
ばならず、またシールにより封印できる構造になっていなければならない。箱の材質は自由とするが、バッテリーを完
全に覆うことができ、熱対策として、収納箱に通気穴等を設けることは可能とするが、封印した状態でバッテリーが取り
出せない構造でなければならない。
4.1.5 車載コンピューター用バックアップ電源
車両に搭載したコンピューターのバックアップ電源は 4.1.2 以外に 100Wh 以下の容量で搭載することを認める。
機械的故障が原因で、使用不可となった場合のみ、技術委員長の承認を得て交換ができるものとする。
4.1.6 無線機用電源
ドライバーが使用する無線機の内蔵電源は 4.1.2 に含まない。
4.1.7 補機用電源
本規則 3.7 方向指示器、3.8 ブレーキランプに定める電装品の電源として 12V3Ah 以下の制御弁式鉛蓄電池(市販
品)1 個の搭載を認める。ただし、これらの補機用回路は、主電源回路(駆動用回路)から独立配線するものとする。
競技会期間中の変更は自由とし、変更時は、競技役員に申請するものとする。
4.2 ソーラーパネル
4.2.1 太陽電池
太陽電池とは、太陽光線を電気エネルギーに変換するために使用される光起電性要素である。太陽電池は、どの
ような種類のものを使用しても構わない。
4.2.2 ソーラーパネル
ソーラーパネルとは、任意の数の太陽電池から成るモジュールを連結したものである。競技会期間を通じ、車両検
査合格後、パネルの寸法、面積、形状を変更してはならない。また、走行中にパネルを可動させてはならない。
欠損が生じた場合は、個々のモジュールを交換することが認められる。また、電子的手段を用いてソーラーパネル
の有効点を最適化することが許される。
ソーラーパネルは競技車両にしっかりと固定しなくてはならず、車両が動いているときにも車両本体に対する位置
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が変わることのないよう適切な箇所に設置されるものとする。
※太陽光によって充電を行う際、カガミ・銀板等を使用して充電を補助することは禁止する。
a) ソーラーパネルのサイズ
ドライバーが搭乗し車を真上から見た状態で、車体サイズ寸法の範囲内であれば自由とする。ただし、3.1.1 に
基づき参加が認められた 6.0m×2.0m 以下の車両は、下記を満たすこと。
・車両の前後方向 4.44m 以下
・左右方向
2.0m 以下
・パネル外端部を結んでできる 1 つの長方形の面積が 8m2 以下。
・高さ方向は車体の全高規定に準ずる。
※GaAs 製ソーラーパネルの使用は禁止する。
b) 出 力
DREAM クラス
:480W を超え制限はない。
CHALLENGE クラス:480W を超え 800W 以下でなければならない。
ENJOY クラス
:480W 以下でなければならない。
c) パネルの出力証明
製造メーカーのカタログ等により、標準測定条件における発電量が、各クラスの規定に合致していることを証
明できるものでなければならない。(測定条件:25℃ ・ AM1.5 ・ 100mW/cm2)
4.3 パワー用コンデンサー
製造メーカーによる仕様書と配線、配置図を 2016 年 7 月 1 日までに競技会事務局に提出し承認を受けなければな
らない。搭載重量は任意とする。ただし、パワー用コンデンサーの重量(ケースを除く)あたり 0.2%/kg の割合で、
4.1.2 に示した駆動用バッテリーの上限値を引き下げる。
駆動用バッテリー上限値×(1-0.002×パワー用コンデンサーの重量)
例 鉛バッテリーにパワー用コンデンサー50kg を組み合わせた場合の駆動用バッテリー搭載重量上限
80kg×(1-0.002×50kg)=72kg
4.4 電気配線図
車両の電気装備品のすべての主要な回路を含む電気配線図を所持していること。
5 安全装置
5.1 危険と見られる構造
構造が危険とみなされる車両は、競技会審査委員会により除外される。
5.2 ケーブル、配管および電気装置
ブレーキ配管、電気ケーブル、および電気装置の一切は、それが車体の外部に取り付けられる場合は破損のおそ
れ(飛石、腐食、機械的異常など)がないよう、また車体内部に取り付けられる場合は火災のおそれのないよう防護策
をとらなくてはならない。また、雨天時の防水対策をし感電のないよう防護策をとらなければならない。
5.3 傾斜安定及び旋回能力
直線上で、等間隔(13~15m)に並べられたパイロンを避け、時速 15~20km/h の速度での蛇行走行が可能であり、
この場合に車体の転倒や変形、破損があってはならない。
5.4 アクセルレーター
アクセルペダルまたはスロットルには、リターンスプリングを備えることを推奨する。
5.5 ブレーキ
5.5.1 主ブレーキ
すべての車両は、最低 2 輪のホイールを制御する油圧式制動装置を装備しなくてはならず、制動初速度 35km/h
から下記記載の距離で停止できなくてはならない(油圧制御でディスクパッド、ブレーキシュー等が作動するものとし、
ブレーキラインは、ワイヤー等の機械式でも可とする)。
3 輪車両:制動初速度 35km/h で 10.5m (減速度:4.5m/s2)
4 輪車両:制動初速度 35km/h で 8.1m (減速度:5.8m/s2)
5.5.2 駐車ブレーキ
すべての車両は、8%勾配の坂で有効に停止できる、主ブレーキと別系統の駐車ブレーキを装備しなければならな
い。
4
5.6 安全ベルト
すべての車両は 4 点式以上のワンタッチ式フルハーネスタイプのシートベルトの取り付けが義務付けられる(FIA 公
認シートベルトの使用が強く推奨される)。
これらのベルトは車体の基本構造体に確実に取り付けられていなければならない。(その取り付け点については、
付則 J 項第 253 条 6.2 項を参照のこと。)
肩部ベルトと、腰部ベルトが連結されたシートベルト、肩部のベルトが Y 字タイプ(後部取付け具 1 点)のシートベル
トの使用は禁止される。
禁止される例
また、運転姿勢によりサブマリン現象(※)を起こす可能性のある車両については、股ベルトを含む 5 点式以上を強
く推奨する。
※シートベルトを正しく装着していても、衝突時に腰ベルトが骨盤上を滑りあがり、腹部を圧迫する現象。
5.7 消火装置
すべての車両は、内容物が 1kg 以上の ABC 粉末手動式消火器の取り付けが義務付けられる。車体への取り付け
は暫定的であってはならず、ドライバーが着座した状態(シートベルトは外しても可)で、手の届く位置に確実に固定さ
れていなければならない。
消火器の日付が確認されなければならず、それは消火剤の充填期日もしくは前回の検査期日から2年以内の日付、
あるいは有効期限以内の日付でなければならない。
5.8 ロールバー
転倒、横転等にドライバーに対する直接的なダメージを防ぎ得る形状、材質、強度のロールバーを取り付けること。
すべての車両にロールバーの取り付けを義務付ける。(後掲の推奨例参照)。
技術委員長から改善指導を受けた車両については、当該改善箇所の確認を必ず受けなければならない。
5.9 視 界
5.9.1 アイポイント
アイポイントの高さは地面より測定して最低 70cm 以上なければならない。
5.9.2 視 界
安全に走行できる視界が確保されていること。
運転席にドライバーが正常に着座した状態でドライバーのアイポイントを中心に、半径 12m の範囲において、前方
および左右 90°の範囲で地面から 30cm の高さにあるパネルに書かれた数字あるいは文字をドライバーが確認でき
なければならない。
・高さ:地面から 30cm
・パネルの大きさ:30cm×30cm
5.9.3 後方視界
運転席にドライバーが正常に着座した状態でドライバーのアイポイントから 12m 後方の 2 ヶ所において、以下に規
定されるパネルに書かれた数字あるいは文字をドライバーが確認できるサイドミラーあるいはバックミラーを装備しな
ければならない。
・高さ:地面から 50~100cm の間
・パネルの大きさ:50cm×50cm
・パネル間の距離:2m
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5.10 牽引フック
すべての車両のフロント、リヤには、牽引フックを取り付けなければならない。
この牽引フックは、自車の牽引に耐えうる材質、強度でなければならない。取り付け位置については、フロント(前輪
車軸より前方)、リヤ(後輪車軸より後方)を推奨するが、車両構造上、推奨位置に取り付けが不可能な場合、外部か
ら容易に確認できる場所に取り付けてもよいものとする。また、ネジ式で、取り外し可能なタイプでもよいが、走行中は
確実に取り付けること。牽引フック本体にカバーを取り付けることは可能であるが、容易に取り外せること。
牽引フックは黄色、オレンジ色、赤色のいずれかの色に塗装されていること。
ロールバーはそれをもって牽引フックの代用と認める。ただし、自車の牽引に耐えうる材質、強度を有していなけれ
ばならず、外部から分かり易い位置に牽引フックと同様の塗色を施さなければならない。また、作業時に牽引ロープ
により、ボディー、パネル等に破損が生じる可能性がある旨承知しておかなければならない(可能な限り牽引フックの
装着を推奨する)。
●推奨される仕様
・材質は、スチールまたはアルミ合金製
・最小内径 50mm
・内径の各部はRを付けて滑らかにすること。
・板製の場合、最小断面積(取付け部分も含む)100mm2
・丸棒の場合、最小直径 10mm
牽引用穴あきブラケット(例)
牽引用穴あきブラケット装着位置(例)
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5.11 ウィンドウ(キャノピー)
すべての窓の素材は、割れにくく、大きな破損を招かないものを使用すること。
外部からドライバーの状態が容易に確認できることを条件に、窓に着色を施してもよい。
5.12 電気系統の安全性
5.12.1 サーキットブレーカー(メインスイッチ)
ドライバーがシートに着座した状態で操作可能な位置に火花防止型のサーキットブレーカーを取り付けること。
なお、独立した補機用電源を使用する場合は駆動用回路とともに補機用電源の遮断も可能な構造であることが望
ましい。
また、車体外部から操作可能なサーキットブレーカーの設置も義務付けとする。
この外部サーキットブレーカーの取り付け位置は、青色地の三角形(一辺が最小 12cm)の中に赤色のスパークを
描いた標識で標示されていなくてはならない。
5.12.2 メインヒューズ
車両搭載駆動用バッテリーからの電力が供給されているメインサーキット内で、なるべく車両搭載駆動用バッテリー
に近い位置にヒューズを装備すること。
いかなる状況においてもメインヒューズをサーキットブレーカー(メインスイッチ)として代用することはできない。
5.13 コックピット
5.13.1 定義
コックピットとは、ドライバーを収容する、車両内部の空間である。コックピットは、長距離走行においてもドライバー
に疲労を強いることのないよう設計されなくてはならない。車両の運転に必要な主要装置類は、身体を大きく動かすこ
となく、かつシートベルトを外さなくとも容易に操作できるよう設計されなくてはならない。コックピットには、新鮮な空気
を十分に取り入れることのできる装備を設けておかなければならない。
コックピットからの脱出は、第三者の助力なしに 20 秒で完了できなくてはならない。
5.13.2 座 席
座席とは、シートクッションとバックレストの 2 面をいう。車両のすべての座席は、確実に固定されているものとする。
FIA 公認競技用シートの使用が強く推奨される。
5.14 人体の保護
いかなる部分も車内の空間に突出させてはならない。尖った鋭利な縁の部分は露出させてはならず、十分な詰め
もので防護しなくてはならない。車両外部に鋭い縁が露出している場合も、十分な覆いや詰め物を施さねばならない。
車両の露出部分には、必ずそれを示す黄色と黒の標識記号をつけなくてはならない。
5.15 保護カバー
すべての車両の高速回転体(ギア、シャフト、スプロケット、チェーン等)には保護の為のカバーを取り付けなければ
ならない。
5.16 雨天対策
雨天時走行を想定し、車両形状に応じて、キャノピー、ヘルメットシールドに撥水処理を施さなければならない。
また、可能な限り視界確保用に、ワイパーを設置することを推奨する。
雨天時の防水対策をし感電のないよう防護策をとらなければならない。
【ロールバーについて】
車両が衝突または転倒した際にドライバーに対する直接的なダメージを防ぎ、室内の大きな変形を防止するために、
下記に示す第 1、第 2 ロールバーおよびステーを取り付けることを義務付ける。
(1) ロールバーは、ステアリングの前方に設置する第 1 ロールバー構造体とコックピットの後方に設置する第 2 ロール
バー構造体で構成することを基本とする。これらの構造体は、一般に金属等のチューブ(スチール製のチューブが
強く推奨される)で製作され、ボルトもしくは溶接によって車体に取り付けるものとするが、車体の一部が第 1・2 ロ
ールバー構造体として機能する構造になっている車両については、別途ロールバーを取り付ける必要はない。
夫々のロールバーが下記の(同時に加えられる)負荷に耐えうることが強く推奨される。
-3.3kN 横方向
-12.3kN 前後方向
-16.3kN 垂直方向
※2018 年より DREAM/CHALLENGE クラスの車両はロールバーの材質をスチール(アルミとチタンは許可され
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ない)もしくは複合素材(例外:チタニウムは、カーボンファイバー製パイプの内側のチタニウムダクトのような複
合構造の一部として使用されてもよい)とする。複合素材については、当該ロールバーがボディシェルに沿って
製作され、ボディシェルの一部が第1ロールバー、第2ロールバーとして機能している場合にのみ許可される。
第 1、第 2 ロールバーの強度は上記負荷に耐えうることを義務付けとする。
(2) ロールバー構造体の寸法は下記の通りとする。
①第 1・2 ロールバー構造体の高さは、乗員(ヘルメットを着用し運転時の姿勢で着座した状態)の頭部が各構造体
の頂点を結んだ線を超えないように設計されていること。
②第 1 ロールバー構造体の頂点は、ステアリング装置よりも高い位置にあること。
③第 1 ロールバー構造体は、操舵輪をまっすぐ前方に向けた状態で、正面から見てステアリング装置がはみ出さな
い形状であること。
④第 2 ロールバー構造体は、正面から見て乗員の肩がはみ出さない形状であること。
ただし、車体の基本構造によって乗員の肩が覆われている場合は、正面から見て乗員の頭部がはみ出さない形
状であればよい。
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<ロールバーの基本形状>
(
= 太 実 線 が ロ ー ル バ ー 部 を 表 す 。)
第 2 ロールバー
第 1 ロールバー
この領域に、通常に着座し
た状態のドライバーの頭部、
腕部、肩部が収まること。
通常に着座したドライバーのヘルメットが
このラインを越えないこと。
この
に着座し
の頭部、
半身が、
第 1 ロールバー
領
た
腕
収
域
ド
部
ま
に
ラ
お
る
、
イ
よ
こ
通
バ
び
と
第 1 ロールバー
常
ー
上
。
第 2 ロールバー
・この領域に直進状
時のステアリング
バーの手が収まる
・ステアリングは第
バーの後方で第1
ーの頂点より下に
こと。
・乗員を保護する為
に接触する恐れの
ルバーの部位は、
緩衝材(パッド等
れていること。
9
態
と
こ
1
ロ
位
にした
ドライ
と。
ロール
ールバ
置する
、
あ
難
)
頭
る
燃
で
部
ロ
性
覆
等
ー
の
わ
<装着例>
( = 太 実 線 が ロ ー ル バ ー 部 を 表 す 。)
(前面図)
第 1 ロールバー
第 2 ロールバー
10
(上面図)
左
色
存
発
に
め
を
記
こ
図(上面図および側面図
の部分にボディー等の端
在していると、衝突等事
生した際にドライバーの
傷害を与える可能性が高
、当該部分にこれらの構
設置しないこと。ただし
の 例 1、 例 2 の よ う な 場
の限りではない。
)
部
故
頭
い
造
、
合
彩
が
が
部
た
物
下
は
(側面図)
例 1) ボ デ ィ ー が 車 両 前 部 か
ら後部にかけて連続して
ドライバーを覆う形状。
例 2) キ ャ ノ ピ ー が 独 立 し た
形状で設置されているが、
車体開口部の端部が第1
ロールバーの頂点よりも
低い場合
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