コンプライアンス 当社は、2008 年 4 月より、コンプライアンスの徹底・強化を図るため、コンプライアン ス統括副社長の任命や専任部門の新設を行い、当社のコンプライアンスを合理的に保 証するためのしくみをPDCA サイクルに則って再構築しました。 体制の整備…Plan 2008 年に、 「公益通報者保護法」に則った、当社内の相談・通報システム「コンプライア ① コンプライアンス・ネット 従業員、パート・アルバイト、派遣労 働者を対象とした、 コンプライアンス に関する“相談窓口”。当社グループ ンス・ネット①」を新設し、コンプライアンスに関する予防機能及び対応機能の強化を図り ました。2009 年 6月には、これを国内のグループ会社全体に拡大しました。 また同月、協力会社、作業所などにおける作業員・個人事業者からの、 「公益通報者保 全体で115名によって構成されてい 護法」に則った相談・通報を受け付けるシステムを、 「パートナーズ・ネット」 として再整備・ ます。社外の弁護士に直接通報が 拡大しました(図 1)。新システムにおいては、相談・通報の受け付けを本社(監理室)にお 可能な「企業倫理ヘルプライン」 と合 わせて、当社内の相談・通報機能の 強化・充実を図りました。 いて、 「ホームページの専用窓口」 「専用電話」 「郵便」により一括して行うこととし、相談・ 通報機能の信頼性、実効性、利便性の向上を図りました。さらに、当社で発生した事案、 注意すべき事象をわかりやすく解説し、従業員、パート・アルバイト、派遣労働者全員に ② コンプライアンス・ニュース 原則毎月配布している 「コンプライアンス・ニュース②」の特集で取り上げ、他にもPRポス ターの作成及び掲示、作業所安全衛生協議会での確認作業など 「パートナーズ・ネット」 のPRに努めました。 図1:パートナーズ・ネット概念図 「 (例規・通牒・事務連絡の) 指示・命 令」などの内容を補完し、社内外の コンプライアンス問題の事例を毎 回特集として取り上げたリーフレッ ト。2009年に取り上げた特集は、 「コ ンプライアンス・ネット」 「情報セキュ リティ」 「建設業法」 「パートナーズ・ ネット他」 「選挙における禁止事項」 「飲酒運転」 「元請下請関係」 「時 間外労働」 「コンプライアンス月間」 「2009年の日本のコンプライアンス 事情」 。 啓発・教育…Do 2008 年に開始した 「階層別意識研修」 を継続し、 2009 年末現在、 通算約 90 回、 約 3,200 名の従業員に研修を行いました。2009 年は、従業員各職能に必要な関係法令などに関 41 TAKENAKA es report 2010 ③ 職能別知識研修 する 「職能別知識研修③」を開始しました。2010 年内には、 2009年は「建設業法」 (約800名) グループ会社、協力会社に対する研修を開始する予定です。 「建築士法」 (約150名) 「技術開発 また、2009 年より、毎年 11月を 「コンプライアンス月間」 関連諸法」 (約190名) について実施。 と定め、活動を開始しました。 「役員を対象としたセミナー 2010年は「独占禁止法」を中心に実 施する予定。 の開催」 「全店統一ポスターの掲示」 「作業所などにおける パートナーズ・ネットの周知」 「オリジナル映像教材『ミニド ④ ミニドラマで学ぶ 「建設業法」 ラマで学ぶ「建設業法」④』の全従業員による視聴」 「全従 「建設業法」の中で特に作業所に関 係の深い条項を約3分×17本のミニ 業員参加の職場ごとの『コンプライアンス・ミーティング』 ドラマによる 「タブー集」 として映像 の開催」 といったプログラムを実施しました。 教材にまとめたもの。 また、啓発・教育のためのその他の各種ツール⑤について も、順次全従業員に配付し、コンプライアンス意識の定着 全店統一ポスター を図ります。 ⑤ 各種ツール 『コンプライアンス・マニュアル』 企業に必要とされる 「企業行動規範」 に当たるもの。 『コンプライアンス・ハンドブック』 モニタリング(点検・評価)…Check 「階層別意識研修」 のプログラムを文 書化したもの。全従業員に配付予定。 個人による自己点検・評価を目的とした「e −クイズ」を、全従業員を対象に実施しました。 また、組織、事業所におけるコンプライアンス推進の状況は、監理室が行う業務監査に おいて点検・評価しています。2009 年は、特に長時間労働、偽装請負の他、元請下請 関係の健全化、施工体制台帳の整備、監理技術者の設置等に関する建設業法の諸項目 の遵守状況を中心に監査しました。 改善・報告・情報発信…Action 2009 年に国土交通省から4 件の行政指導を受けました。これに対し、 「施工体制台帳の 未整備 (広島県) 」 ならびに 「無許可下請負事業者との契約の不備 (大阪府) 」 については、 「オ リジナル映像教材の全従業員による視聴」及び「コンプライアンス・ミーティング」 、ならび に 「建設業法研修」において、再発防止のための具体的な教育を行いました。また、 「下 請負事業者における労災隠しに対する対応不備(東京都) 」 、 ならびに 「河川の水質汚濁(兵 庫県) 」については、それぞれ「コンプライアンス・ニュース」を通じて、再発防止のための 教育を行いました。 また、課題と対応状況については、経営トップならびにコンプライアンス統括副社長を委 員長とする 「企業倫理委員会」 (年 2 回)に報告しました。 社内外への情報発信についても、当報告書による報告の他、新聞・雑誌・ウェブニュー スなどのメディアを通じて情報発信を行いました。 今後とも、継続してPDCAサイクルを概ね1年周期で回すことで、コンプライアンスの永 続的な維持 ・向上を図っていきます。 TAKENAKA es report 2010 42
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