ダウンロード - Tableau

Alan Eldridge、Tara Walker
詳細レベル表現
について
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Tableau は、快適な操作でデータ分析を行えるようにすることを目標にしています。 Tableau を使っ
たデータ分析に夢中になると、製品の使用方法について考えなくなり、ただデータに問いかけること
が楽しくなってしまうという声をよく聞きます。 私たちはこの状態をフロー (流れ) と呼んでいます。作
業に夢中になって没頭している状態のことです。
問題を解決するためにツールの使用方法を考えるようになると、フローの状態が壊れてしまいます。
このようなことが起きる原因の1つに、異なる詳細レベルで集計されたデータで作業しなければならな
いという点があります。 このような場合、質問を考えるのは簡単でも、答えを見つけるのが難しいとい
うことがよくあります。 たとえば、次のような質問が考えられます。
• 会社に 100 件を超える注文があった日数を四半期ごとにプロットできるか?
• 各営業担当者が獲得した最大取引を見つけて、マネージャーごとの平均を表示できるか?
• 初めて取引した年で顧客をタグ付けし、そのタグを使用して売上をグループ化できるか?
こういったタイプの質問を処理するために、Tableau 9.0 には詳細レベル (Level of Detail, LOD) 表現
と呼ばれる構文が新たに導入されました。 この新しい構文により、詳細レベルが関わる質問を直接
処理できるようになるため、Tableau の計算言語が簡略化されるとともに、その機能も拡張されます。
LOD 表現を使えば、複数レベルの粒度を1つのビジュアライゼーションにまとめることができ、洗
練された方法で高度な分析にも対応できます。
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目次
LOD 表現の仕組み — 「詳細レベル」の説明 ...............................................................................4
Include: 低い詳細レベルでの計算............................................................................................................7
Exclude: 高い詳細レベルでの計算........................................................................................................12
Fixed: 厳密な詳細レベルの指定.............................................................................................................14
標準的な使用例................................................................................................................................................18
結論............................................................................................................................................................................21
付録 A – その他のリソース.......................................................................................................................21
付録 B – LOD 表現と表計算....................................................................................................................22
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LOD 表現の仕組み —
「詳細レベル」の説明
データを分析するうえで重要になってくるのが、ソースとなるデータの構造を理解するこ
とです。 たとえば、レストランの調査データがあるとします。このデータで最も粒度の高い
(最も詳細な) 情報は住所です。 そのデータを集計し、郵便番号、都市、州、さらには国
別のプロパティを表示するとします。
通常、Tableau でこのような作業を行う場合は、関心のあるディメンション ([City (都市)]、
[State (州)] など) をビューにドロップします。 ビューに追加するディメンションに応じて、デ
ータが適切に集計されます。この時に集計されるレベルが「Viz 詳細レベル」 (略して Viz
LOD) です。
ハイライトされているシェルフにディメンションを配置すると Viz LOD に追加される。
ディメンションをページ、フィルター、ツールヒントに配置しても Viz LOD には追加されない。 これらのシェル
フに配置したディメンションは、ビュー内のデータの修正に使用されるが、ビューに表示されることはない。
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ここで重要なのは、 LOD 表現を使用すると、これらのディメンションをビジュアライゼーショ
ンにドロップしなくても、計算で使用する詳細レベル (ディメンションなど) を決定できるとい
うことです。 つまり、Viz LOD とは関係なく、計算を実行する詳細レベルを定義できます。
次の例では (レストランの調査データを使用)、ビューに [City (都市)] と [State (州)] の2
つのディメンションが追加されています。
YELP によるエディンバラ周辺のレストラン調査データを示すマップ。 [City (都市)]/[State (州)] の詳細
レベルでデータが集計されている。
ビュー内のデータは Viz LOD (この場合は [City (都市)] と [State (州)] で構成される)
に基づいて集計され、参照元のデータソースよりも集約度が高く集計されています。 画
像内で選択されたポイントには、エディンバラのニューブリッジにあるすべてのレストラン
のファンの平均人数が表示されています。
より粒度の高い (細かい) ディメンションをビューに追加すると、集約度の低い Viz LOD と
なります。 たとえば、各レストランのファンの平均人数を表示するには、[Business ID (ビジ
ネス ID)] をビジュアライゼーションに追加 ([詳細] シェルフにドロップ) します。 これでビジ
ュアライゼーションが変更され、 マップには、それぞれのビジネス ID が表すレストランごと
の円が表示されます。 しかし、ビジュアライゼーションを変更したくない場合はどうすれば
よいでしょう? レストラン、つまりビジネス ID ごとのファンの合計数と、その合計の平均
値を都市ごとに計算して円で表示するにはどうすればよいでしょう? 各都市のレストラン
のファンの平均人数を確認するにはどうすればよいでしょう?
このような場合は、ディメンションをビジュアライゼーションにドラッグせずに、ビューにそ
のディメンションを追加する必要があります。 これには LOD 表現を使用します。
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[Fans per Business (レストランごとのファン)] という名前の新しい計算フィールドを作成
します。 構文を簡単に説明します。
{FIXED [Business ID] : SUM([User Fans])}
スコーピングキーワード
ディメンションの宣言
集計表現
{} で囲む
この表現では、Viz で使用されているその他のディメンションに関係なく、[Business ID]
ごとに集計を行います。[Business ID] ごとの[User Fans (ファン)] の合計を計算するに
は、LOD 表現を使用します。 この新しいフィールドをビューにドラッグしたら、都市ごとの
平均値を求めることができます。
[色] シェルフに [Fans per Business (レストランごとのファン)] フィールドを追加 。 ニューブリッジの各レス
トランのファンの平均人数が 185 人で最も多い。これは、LOD 表現の FIXED を使用して計算している。
LOD 表現に FIXED 演算子を使用することで、どの都市で、レストランのファンの平均人
数が多いのかを確認できます。 より濃い青色で表示された都市には人気が高いレストラ
ンが多いことを意味します (あるいは、レストランの数が多くなれば、レストランのファンの
合計数も多くなります)。
LOD 表現のキーワードには、EXCLUDE、INCLUDE、FIXED の3つがあり、これによ
って LOD 表現のスコープを変更します。
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Include: 低い詳細レベルでの計算
この例では、標準的な営業データベース (Tableau に付属している Superstore データ
ベース) を見ていきます。 ここでは、各行が特定のアイテムの売上を表しています。 注
文には複数のアイテムが含まれ、複数の行にまたがることがあります。 言い換えると、
このデータベースで最も深い詳細レベルは一意のアイテムになります。
Tableau に付属する Superstore データベースのスナップショット。
このデータベースのスナップショットでは、Bush Somerset の本棚を2つ購入したデータが
最初の行に表示されています。 次の2番目の行には、Hon スタッキングチェアを3つ購入
したデータが表示されています。 この2つの行は、注文 ID (Order ID) が CA-2013-152156
という1つの注文を構成します。
地域ごとの売上成績を分析し、注文の平均金額が最も大きい (または小さい) 地域を調
べることにします。
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そのためには、各注文サイズを計算 ([Order ID] ごとの売上を合計) してから、地域ごと
の平均値を求める必要があります。
業務においてはこのような質問をよく尋ねられますが、新しい LOD 表現の構文を使用す
れば、Tableau で簡単に回答することができます。 新しい構文の詳細は次のとおりです。
最初の波括弧の次には、
スコーピングキーワード
INCLUDE、EXCLUDE、
FIXED のいずれか
を指定
集計表現を評価する際
は、スコーピングキーワ
ードが参照するディメン
ションまたはゼロを指定
実行したい集計計算
詳細レベル表現全体を
波括弧で囲む
ここに示すように、LOD 表現は計算エディターで記述することもできる。 この LOD 表現は、[Order ID]
ごとの購入の合計を求めるのに使用される。 結果は、[Order Size (注文サイズ)] という名前の新しいフ
ィールドで表される。
左側の棒グラフは、LOD 表現を使用して計算した [Region (地域)] ごとの注文の平均サイズを表す。右の棒
グラフは、[Region] ごとの平均の [Sales (売上)] を表す (個別の注文内容を考慮しない、すべての注文項目
の平均)。 ここでは、 「注文の平均サイズが最も大きい地域はどこか?」という質問に答えることができる。
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北米と中央アジアの平均注文サイズ (Order Size) が $737 と $733 で、最も高いことが
分かります。 これは、注文 ID (Order ID) がビジュアライゼーションに表示されていない
場合でも判断できます (以前のバージョンでは、[Order ID] をビューに追加しなければこ
れらの値を計算できませんでした)。
図の右側の棒グラフにあるように、[Region] に対して AVG(Sales) をプロットすると、地
域 (Region) ごとのすべての項目 (行) の平均が表示されます (ここで求めている結果で
はありませんが)。 これに対して、[Order Size] の LOD 表現を使用すると、最初に注文
ごとのサイズを求め
(該当する注文内のすべての項目の売上の合計)、次に [Region] ごとの注文の平均を
計算して、[Region] ごとの平均 [Order Size] を求めることができます。
これで最も大きな平均注文サイズを求めることができました。では、より複雑な次の質問に
答えてみましょう。 「最も大きな取引」を成約させた営業担当者がいるのは、売上データベ
ース内のどの国でしょうか?また平均ではどうなるでしょうか? 手順は次のとおりです。
1. 各営業担当者がこれまでに成約させた中で最も大きな取引 (最大取引) を見つける
2. 「最も大きな取引」の平均値を求める
この質問には複数のレベルで集計が必要ですが、LOD 表現を使用すれば簡単に答え
ることができます。
LOD 表現「Avg Largest Sales Deal by Rep (担当者ごとの最も大きな営業取引の平均)」を使用すると、
営業担当者ごとの最も大きな取引の平均を計算できる。 この場合、LOD 表現の平均は、計算エディター
ウィンドウに直接入力する。
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LOD 表現「Avg Largest Sales Deal by Rep」を使用すると、国全体で平均の最も大きな取引を比較でき
る。 営業担当者の「最も大きな取引」の平均が高かったのがタジキスタンで、$4,533 である。
この質問に対して、1つの表現 AVG({INCLUDE [Sales Rep (営業担当者)] : MAX([Sales
(売上)])}) で答えていることに注目してください。 実際に、ビューにディメンションを追加すれ
ば、計算が更新され、データに関する別の質問を尋ねることもできます。 たとえば、分析に
[Year] を追加してみましょう。
追加のディメンション (この場合は [Year of Transaction Date (取引日の年)]) をビューに追加すると、LOD 表
現「Avg Largest Sales Deal by Rep (担当者ごとの最も大きな営業取引の平均)」が更新される。 ビジュアラ
イゼーションに国および年ごとの各営業担当者の「最も大きな取引」の平均が表示される。 タジキスタンにお
けるすべての営業担当者の「最も大きな取引」の平均は、2012 年が $1,636、2013 年が $3,482、2014 年
が $2,251 となっている。
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計算に INCLUDE キーワードを使用すると、[Sales Rep (営業担当者)] フィールドが計算
に明示的に含まれますが、ビジュアライゼーションに配置されている他のディメンション (こ
の場合は [Country (国)] と [Year (年)]) も同じように処理されます。 [Year (年)] をビュー
に追加することで、より詳細な分析を行えるようになります。ここでは、 バーレーンの 2012
年の「最も大きな取引」の平均が $4,069 で、最も大きくなっていることが分かります。
次のフロー図は、Tableau で LOD 表現 INCLUDE がどのように処理されるかを示して
います。
LOD 表現 INCLUDE によってディメンションが Viz LOD に追加される。
INCLUDE キーワードによって、Viz LOD よりも集約度の低い集計 (つまり、粒度がより
高い集計) の表現が作成されます。 指定したディメンションが Viz LOD に最初に追加さ
れてから計算が実行されます。
集計されたメジャーとして、INCLUDE がビューで使用されます。 実際に、ビューに配置
すると、すべての INCLUDE がメジャーまたは集計されたメジャーのいずかとして使用さ
れます。
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Exclude: 高い詳細レベルでの計算
次のシナリオを考えてみましょう。 月ごとの [Sales (売上)] の合計と、 [Region (地域)]
ごとの売上合計を表示します。 これを行うには、次の手順を行います。
1. 月ごとの [Total Sales (売上合計)] の計算から [Region (地域)] を除外する
2. 地域の [Sales (売上)] の詳細を計算するときに、[Region (地域)] を含める
前述の売上データベースを使用して、別の例を見ていきましょう。
月ごとの [Sales (売上)] (棒グラフの色) は EXCLUDE を使用して計算される。 [Region (地域)] ごとの
[Sales (売上)] の合計 (棒グラフの長さ) の計算には LOD 表現は使用されていない。 結果的に、2つの
異なる詳細レベルについて1つのビジュアライゼーションが表示されている。
この LOD 表現「Total Sales (売上合計)」を使用すると、すべての [Region (地域)] にまたがった月ごと
の売上合計を計算できる。
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上記の Viz では、[Region (地域)] を [列] シェルフに配置することで、[Region (地域)]、
Month([Order Date (注文日)]) の Viz LOD が影響を受けています。 EXCLUDE を使用
すると、内訳となる地域の売上を表示しながら、(すべての地域にまたがる) 売上合計を計
算できます。 Viz LOD より集約度が高い (粒度が低い) LOD 表現はこのようにして作成
されています。
{EXCLUDE [Region] : SUM([Sales])}
EXCLUDE キーワードでは次の点に注意します。 Tableau は最初に除外されたディメンシ
ョンを Viz LOD から削除し、そのディメンションがないものとして計算を実行します。 その
後、結果が視覚的に表示されます。 次のフロー図は、Tableau で LOD 表現 EXCLUDE
がどのように処理されるかを示しています。
EXCLUDE を使用すると、指定したディメンションが計算から除外される。
表現 {EXCLUDE [Region] : SUM([Sales])} により、Tableau は [Region (地域)] ディメン
ションを除く Viz で使用されているすべてのディメンションを使用して売上の合計を計算し
ます。 つまり、最終的には、すべての地域にまたがる売上合計を表す1つの値が月ごとに
表示されます。
これで、SUM 集計を使用した、[Sales (売上)] と [Sales by Region (地域別の売上)]
の両方の合計がビューに表示されました。
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さらに、集計を混在させることもできます。 たとえば、LOD 表現を変更し、地域別の合計
を表示したままで、月ごとの平均 [Sales (売上)] を表示させます。
ここでは色が、EXCLUDE を使用して計算した、月ごとの [Sales (売上)] の平均を表す。 [Region (地域)]
ごとの [Sales (売上)] の合計 (棒グラフの長さ) の計算には LOD 表現は使用されていない。
INCLUDE と同じように、ビューに配置すると、すべての EXCLUDE がメジャーまたは集
計されたメジャーのいずかとして使用されます。 これらのタイプの表現は、「合計に対す
る割合」や「全体の平均からの差の基準」の計算に使用すると便利です。
Fixed: 厳密な詳細レベルの指定
LOD 表現では、Viz LOD から完全に独立した集計レベルを作成できます。以前であれ
ば、これは、カスタム SQL を使用した場合でしか作成できませんでした。
例として、次のようなシナリオを考えてみます。 YELP データを分析して、ビジネスが初
めてレビューされた年ごとのコホートを確認してみましょう。 コホートごとに同じレビュー
傾向があるでしょうか?
LOD 表現を使用すると、次のように厳密な詳細レベルでコホートを指定できます。
この LOD 表現で、各 [Business ID] の詳細レベルが固定される。 次に、各 [Business ID] に対してす
べてのレビューを取得し、最も小さい[Review Date (レビュー日)] を見つけ、そこから [Year (年)] を取得
し、その値を [Business ID] に関連付ける。 [First Review Year (最初のレビュー年)] はデータベース内
の新しい列として考えることができる。
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このフィールドを Viz で使用すると、計算のスコープがその表現内に黙示的に定義されま
す。 下に示すように [First Review Year (最初のレビュー年)] を各 [Business ID (ビジネ
ス ID)] に記録すると、コホートを調査することでより詳細な分析が可能になります。
詳細レベルを [Business – ID] に固定。 FIXED で分かるように、各レビュー列の [First Review Year (最
初のレビュー年)] が同じになっていることに注意。
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このビジュアライゼーションでは、[レコード数] (レビューの数) が [First Review Year (最初のレビュー年)]
と、[Review Date (レビュー日)] の [Year (年)] によって細分化されている。 [First Review Year (最初の
レビュー年)] を [色] に追加することで、コホート分析を作成。
FIXED キーワードにより、計算の集計レベルを具体的に定義できます。 INCLUDE や
EXCLUDE と異なり、ビジュアライゼーションで使用されているディメンションから独立し
て処理されます。
FIXED によって作成されるビジュアライゼーションは、FIXED ディメンションと Viz LOD
の間の関係に応じて、Viz LOD よりも大雑把なものになることもあれば、より詳細なもの
になることもあります。
固定ディメンションと比較した Viz LOD の粒度に応じて、算出される値が EXCLUDE と同じになったり (左
側の図)、INCLUDE と同じになったりします (左側の図)。
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次に、[First Review Year (最初のレビュー年)] をフィルターとして使用してみます。
LOD 表現はフィルターとして使用することもできる。 [First Review Year (最初のレビュー年)] でクイックフィ
ルターを使用することで、年ごとのコホートをすばやく処理し、ラスベガスの特定の地域に対する最初のレビ
ューが作成されたのが他の地域よりも早いか遅いかを判断できる。 FIXED は、[Business – State (ビジネ
ス – 州)] に [ディメンション] フィルターの前に計算される。
年ごとのコホートには個別の「ビン」が指定されています。つまり、このビューではディメン
ションとして [First Review Year (最初のレビュー年)] が使用されています。 FIXED はデ
ィメンションまたはメジャーとして使用できます。 データ型に応じて、Tableau は計算結果
をディメンションまたはメジャーとして配置します。
INCLUDE/EXCLUDE と FIXED は主に次に示すフィルター階層として区別されます。
FIXED はディメンションフィルターの前、コンテキストフィルターの後に計算されます。 こ
れによりさまざまな使用が可能になります
FIXED はコンテキストフィルターの後、ディメンションフィルターの前に適用される。 一方、INCLUDE/
EXCLUDE フィルターはディメンションフィルターの後、メジャーフィルターの前に適用される。
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標準的な使用例
本ホワイトペーパーのこれまでのセクションでは、LOD 表現の便利な使用例を説明して
きました。しかし、これは、LOD 表現で、ビジネスでの質問の解決例のほんの一部に過
ぎません。 他にも次のような便利な使用例があります。
注文数のヒストグラム: 各セグメントで、1回、2回、3回...の注文を行っている顧客はどの
くらいの数になるか?
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実績と目標: 各州で利益目標を達成している製品の割合はどのくらいか?
顧客の獲得: 市場ごとの累積顧客獲得数はどのくらいか?
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毎日の利益 KPI: 利益が非常に高い日、利益がある日、利益がない日は月ごとにどれく
らいの日数になるか?
LOD 表現のベストプラクティスに関する詳細については、Tableau が発行した資料、
『Top 15 LOD Expressions』 (LOD 表現ベスト 15) をご覧ください。手順を詳細に解説
したオンラインのサンプルワークブックも利用できます。
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まとめ
LOD 表現は Tableau 9.0 の非常に便利な新機能であり、以前は複雑な式が必要だった
問題でも簡単に解決できるようになります。 計算のスコープを直感的に定義し、フロー状
態のままでデータ分析を行えます。
LOD 表現は表計算の新しい形式ではありません。多くの表計算に置き換えることがで
きますが、さらなる可能性を提供するものです。 LOD 表現と表計算では処理方法が異
なります。 表計算はクエリの結果から排他的に生成されるものですが、LOD 表現は通
常、参照元のデータに対するクエリの一部として生成されます。 表計算は常に結果とし
てメジャーを作成しますが、LOD 表現の場合は、メジャー、集計されたメジャー、ディメン
ションを作成できます。
あらゆる質問に対する答えがシンプルかつエレガントに得られるフロー状態を維持する
には、LOD 表現が不可欠です。
付録 A – その他のリソース
LOD 表現を作成、使用、説明する際に利用できるその他のリソースについては、次に示
す資料を参照してください。
• 入門: Robin Cottiss による「LOD Expressions」 (LOD 表現) の概要
• 解説: Bora Beran 氏による「Level of Detail Expressions」 (詳細レベル表現)
• サンプルとチュートリアル: Top 15 LOD Expressions (LOD 表現トップ 15)
• サンプル: Information lab 社の Craig Bloodworth 氏は、LOD 表現を使ってデータ
分析を行う様子を紹介しています。
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付録 B – LOD 表現と表計算
Tableau 9.0 より前の Tableau を使用したことがある場合は、これまでは煩雑な方法で
作成していた計算を LOD 表現に置き換えることができます。
• 表計算を使用する場合、区分内の最初の期間と最後の期間を見つける必要があり
ました。 たとえば、毎月の最初の日に組織に在籍する従業員数を計算するような場
合です。
• 表計算、計算フィールド、リファレンスラインを使用する場合、集計フィールドのビンを
設定する必要がありました。 たとえば、顧客の個別カウントの平均を求めるような場
合です。
• データブレンディングを使用する場合、データ内の最大日数に対して相対的な日付フ
ィルターを適用する必要がありました。 たとえば、データが1週間ごとに更新される場
合に、年度初めから最大の日付までの合計を計算するようなときです。
この付録は、Tableau 8 以前のリリースを最初に学習した人向けのものです。 これらの
バージョンのソフトウェアでは、集計のレベルを指定するのに表計算が使用されることが
ありました。 LOD 表現では詳細レベルを簡単に正確に指定できるようになったからとい
って、分析における表計算の重要性が失われたわけではありません。
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次の表は、表計算と LOD 表現の主な違いを説明したものです。
表計算
LOD 表現
表計算はクエリの結果から生成されます。
LOD 表現は、参照元のデータソースに対するクエリの
一部として生成されます。 ネストされた Select 文として
表現されますので、DBMS のパフォーマンスには影響
しません。
WINDOW_AVG(SUM([売上]))
SELECT T1.[州],SUM(T2.[国別売上, 州])
FROM [DB 表] T1 INNER JOIN
(SELECT [州], [国],
AVG([売上]) AS [国別売上, 州]
FROM [DB 表] GROUP BY [州],[国]) T2
ON T1.[州] = T2.[州]
GROUP BY T1.[州]
表計算では、Viz LOD の粒度と同等、またはそれ以下
の結果が生成されます。
LOD 表現では、Viz LOD と粒度が異なる結果、さらには
Viz LOD とはまったく関係のない結果を生成できます。
表計算の操作を制御するディメンションは計算構文とは
別のものであり、[次を使用して計算] または [次の項目
に沿って計算] メニューで指定します。
LOD 表現の計算を制御するディメンションは計算構文
に埋め込まれます。
INCLUDE/EXCLUDE の場合、Viz LOD に対して相対
的となり、FIXED の場合は絶対的になります。
LOD 表現はメジャー、集計されたメジャー、ディメンション
として使用できます。 データ型は式によって決まります。
INCLUDE/EXCLUDE は通常、メジャーまたは集計さ
れたメジャーとして使用されます。 FIXED 表現は通常、
ディメンションとして使用されますが、メジャーとして使用
することもできます。
表計算は常に集計されたメジャーとなります。
LOD 表現は他の構造でも使用できます。
表計算でのフィルターは項目の非表示として機能しま
す。結果セットからレコードは削除されません。
LOD 表現でのフィルターは項目の除外として機能しま
す。結果セットからレコードが削除されます。 表現が
FIXED であるか INCLUDE/EXCLUDE であるかに応
じて、ビジュアライゼーションまでの行程のさまざまな段
階で評価が行われます。
EXCLUDE ステートメントと同じ機能を実現しようとすると、既に説明したように、表計算
の場合では複雑な計算の使用が必要になります。 目的の詳細レベルに応じて、区分ま
たは場所の指定として Viz ですべてのディメンションを指定する必要があります。
24
さらに、表計算はクエリ結果から集計されますので、Viz LOD を基準にした表現しか作
成できません (つまり、より集計された/粒度の低い表現)。
詳細レベルを指定するための方法として表計算を使用する場合、表計算の詳細レベルに依存する (つまり、
ディメンションを区分の指定や場所の指定として設定)。
場所の指定フィールドは、計算から除外すべきディメンションです。
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一方で、表計算を使用して INCLUDE ステートメントと同じ操作を実現しようとすると、計算
の最も低いレベルに合わせてクエリ結果の集計レベルを下げる必要があります。
Tableau 9.0 より前のバージョンで INCLUDE と同じ結果を得ようとする場合は、表計算を使用して新し
い Viz LOD を作成する。
次のステップでは、表計算を使用して集計レベルを上げ、元の Viz LOD に戻します。 た
だし、必要以上の Viz LOD レコードがあるため、通常は INDEX()=1 やそれと同じような
フィルターを使用して保持するレコードを1つにする必要があります。
お分かりのように、表計算を使用して EXCLUDE/INCLUDE を作成しても、技術的には
答えを得ることができますが、LOD 表現を使用した方がより簡単に (短時間に) 実行で
きます。
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