19 TM 4.デラグラス の機械的性質 デラグラスTMの機械的性質は、他の熱可塑性樹脂と同様に温度の影響を大きく受けます。 また、含まれる水分によっても僅かではありますが影響されます。 通常の測定試験は、温度23℃、相対湿度50%に調整された環境で実施します。 (1)温度の影響 材料に応力を加え、引っ張ったり曲げたりしたときに材料が破壊する応力をそれぞれ引張り 強さ、曲げ強さといいます。 図9にデラグラスTMAの各温度における引張りひずみ(伸び)と応力(加えた力)の関係を示し ます。 デラグラスTMAは、-20~40℃の間では明確な降伏を示さずに破断しますが、これ以上の 温度では降伏し、伸びが増大します。 試験片の厚さ:3mm 試験速度:5mm/min -20℃ 100 応力(MPa) 0℃ ×:破断を示す 80 20℃ 60 40℃ 降伏点 40 60℃ 80℃ 20 破断伸び:60% 0 0 5 10 15 ひずみ (%) 20 図9 デラグラスTMAの各温度における応力-ひずみ線図 旭化成テクノプラス株式会社 20 図10に各温度における引張り強さ、及び曲げ弾性率の関係を示します。 180 6,000 曲げ弾性率 140 デラグラスTMA、デラグラスTMK 120 4,000 100 引張り強さ 80 デラグラスTMK 60 2,000 引張り強さ 40 デラグラスTMA 20 0 0 -40 -20 0 20 40 温度 (℃) 60 80 100 図10 各温度における引張り強さ、曲げ弾性率 旭化成テクノプラス株式会社 曲げ弾性率 (MPa) 引張り強さ (MPa) 160 21 (2)水分の影響 TM デラグラス の場合、後述の5.水に対する性質の項で詳しく述べますが、最大2%の水分を 吸収し、この水分による作用で機械的強さが低下する傾向を示します。 図11、及び図12にデラグラスTMに含まれる水分率と引張り強さ、曲げ強さの関係を示します。 図からもわかるように吸収した水分の影響は僅かであり、実用的に問題は殆どありません。 試験片の厚さ:3mm 試験速度:5mm/min 80 デラグラスTM K 引張強さ (MPa) 100 60 デラグラスTM A 40 20 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0 水分率 (%) 図11 水分率と引張り強さ 150 デラグラスTMA、デラグラスTMK 曲げ強さ (MPa) 130 110 90 70 50 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 水分率 (%) 図12 水分率と曲げ強さ 旭化成テクノプラス株式会社 1.4 1.6 1.8 2.0
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