ラージボール卓球上達の心がけ集 ラージボール卓球上達の心がけ

ラージボール卓球上達の心がけ集
ラージボール卓球啓発・呼びかけ文の記録
ラージボール卓球上達の心がけ集
以下は、高知県でラージボール卓球の練習を始めた方々を対象に、これま
での15年間に呼び掛けた文章をまとめたものである。
高知県ラージ部会長
矢野
ラージボール卓球上達の心がけ(1)
1.ラリーは片裾カウントで20回以上続けましょう。
1)続かない場合には,相手にもお願いしてスピードを落としましょう。
同じ位置に同じ球質の球を返球するのがこつです。
2)続きだしたら,前陣,中陣,後陣と立つ位置を変えてラリーを続けましょう。
3)旨く続きだしたら,相手と示し合わせて段々とスピードを上げましょう。
2.ラリーを続ける理由は
1)卓球の楽しさを味わうため
2)球を拾う時間を少なくして,ラケットと球のインパクトを多数経験するため,
3)コントロールと持久力を養うため
4)打球フォームの修正をするためです。
3.長く続けると心のゆとりが出来,自己のフォームに気を配ることが
出来ます。
1)ラケットの先が回っているか
2)歩幅は適当か
3)足は小刻みに動いているか
4)爪先立っているか
5)フリーハンドの位置は良いか等々に気を配り自己点検しましょう。
4.上記の連続ラリーをマスターしたら
1)相手と示し合わせてコート全面を使った乱打をする。
2)サーブと3球目攻撃の練習に入る。
3)実践向けの課題練習に入る。(相手と自分の課題を別々にこなす)
4)相手に試合を申し込む。(練習時間前半の1時間は試合をせずに初心者の練習に
付き合ってあげましょう。
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漣
ラージボール卓球上達の心がけ(2)
1.試合運びについて
いろいろな大会で、ラリーは互角以上の戦いをしているのに「サーブとサーブレシーブで点
を取られている」初心者プレヤーが多いことに気が付きました。
実戦で大切な「サーブとサーブレシーブ」にも力を入れて練習しましょう。
(1) サーブの時に立つ位置を、右端、中央、左端の3箇所に増やしましょう。
(2) 短い下切れの球を、相手コートのネット際(右端、中央、左端)に入れましょう。
(3)
対角線方向とストレート方向の早くて深い球も出せる様にしましょう。
(4) 相手のサーブで、自分が返し難い球があったら、そのサーブを見習って同じサーブが自分
の方からも出せるようにしましょう。そうすることによりレシーブのコツが解って来ます。
ラージボール卓球上達の心がけ(3)
1.スイングについて
1) 肘を後ろに引かない。
2) 肩を軸としたスイングは不安定、肘を軸としよう。
3) 併進運動にはエネルギーを要し不安定、回転運動は省エネで安定
4) 打球の基本は、45°打法とはじく打ち方。直線打法も少しでも上にこすろう。
2.グリップとラケットについて
1) バックハンド向きのグリップをし、そのグリップのままでフォアを打とう。
2) 指が動く場合は、指サポータを付けよう。
3) 思うように飛ばないときは、ラケットのラバーや重心の位置をチェックしよう。
(重心は、鉛テープで調整しよう)
3.ラリーについて
1) ストレートコースへの返球練習をしよう。
2) 流し打ちをマスターしよう。
4.フットワークについて
1) 横への動きは「踏み込み足」と「送り足」を使い分けよう。
2) 台面の2/3のコースはフォアで打とう。
3) 前後の動きをマスターしよう。(前陣←→中陣←→後陣の移動練習)
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ラージボール卓球上達の心がけ集
5.ダブルスについて
1) 相手のミスをかばおう。
2) いやっ、どうした、なんで打てない・・・ などは止めよう。
3) ドンマイ(Do't Mind)、平気平気、入る入る、思い切り行こう・・などを使おう。
6.普段の練習について
1) 腕の振りの筋肉、手首の筋肉を養おう。
2) 家庭で素振りをし、糸付き球を打とう。
3) 早足散歩をして足腰を鍛えよう。
ラージボール卓球上達の心がけ(4)
最近、3・4部の皆さん方のフォアハンド打法は大変上達し、バックハンド打法・バック側の
処理も上達して来ました。次のステップとしては「試合に強くなるための」練習をすることが重
要です。
試合のための練習の第一はサーブ練習であり、これについては短いカットサーブと早いロング
サーブの練習を重ねて来ているところですが、今後はその他に下記の2点に重点を置いた練習を
勧める次第です。
a.
ツッツキの練習
ねらい:練習の時、豪快にフォアハンドを振っている人でも「いざ試合」となると以外と
ツッツキが多くなるものです。したがって、試合に勝つためにはツッツキの練習が欠かせません。
今後は毎日の練習時間の1/5程度をツッツキの練習に当てるように心がけましょう。
b.
3球目攻撃の練習(5球目、7球目に繋げるため)
ねらい:初心者の方々は、なかなか思うようにフットワークが出来ません。フットワーク練習
と必勝の精神を養うために3球目攻撃の練習を盛り込みたいと思います。
練習方法:
①
相手のバック側に短いカットサーブを出す。
②
これを自分のバック側に突っついて貰う。
③
この球を回り込んでフォアハンドスマッシュする。
④
もしも返球されたら5球目、7球目とスマッシュを繰り返す。
指導者の方々も、相手(習う側)の要望に応じて上記の練習を組み入れてくださいますよう何卒
よろしくお願い申し上げます。
ラージボール卓球上達の心がけ(5)
ダブルス戦に強くなるために
最近は、県内外の大会とも、ダブルス戦が多くなって参りました。ダブルス戦については、下記
の事を皆さんに知って貰いたいと思います。
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ダブルス戦の基礎
ダブルス戦においては、打球方法などの技術面よりも、パートナーに対するマナー(心理側面)
が大切です。下記のマナーを守りましょう!
1.パートナーのミスを、
1) なじらない
2) 非難しない
3) 失望感を表面に出さない。
人には誰も、自分のミスの影響力には気付き難く、相手のミスの影響のみが大きく感じられる傾
向があります。自分はミスしても、すぐに取り返せるとの心理(自信)が働くが、パートナーのミ
スはこのままでは取り返せないのではとの心理が働き、ついつい相手のミスを非難したくなる傾向
があります。
2.相手のミスに対して
1) それを打ったらいかん!
2) そんな打ち方はいかんと言ったでしょう!
3) もっとつなぎなさいよ。
4) 駄目だぁ∼!
5) いやぁ∼! 等の非難をせずに、
6) 平気、平気!
7) ドンマイ、ドンマイ(Don’t mind)
と励ますとパートナーも平常心に戻り、気分良くゲームに熱中出来るようになります。
3.パートナーの打球時には、大声を出さない。
1) 打てぇ∼!
2) 行けぇ∼!
3) それぇ∼!
などの声を出す人が居ます。これはパートナーの打球タイミングを狂わせる原因になるので、
打球の後で
5) ナイス!
6) 旨い!
7) やったぁ∼!
8) いいぞぅ!
等の励ましの発声をしましょう。
追伸:浜西講師の卓球教室での発言ポイント
1.同じモーションから多球質(上、下、横回転、ナックル)サーブを出しましょう!
2.肩支点の打法から、肘支点の打法へ、更に前腕中央支点の打法へと進化させましょう!
3.Rising Phase で打球しましょう。頂点および Falling Phase では球の回転の影響
が大きい為です。
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ラージボール卓球上達の心がけ集
ラージボール卓球上達の心がけ(6)
1.球の回転の切り返しと安定・不安定について
①
回転の切り返しとは
1) 上回転の球を、上回転で返球すること。
下回転の球を下回転で返球すること。
(ドライブをドライブで返すこと)
(ツッツキをツッツキで返すこと)
(相手がラケットを上に振ったら、
(相手がラケットを下に振ったら
自分も上に振る)
自分も下に振る)
2) 回転を切り返すと安定な(コントロールし易い)理由
球とラケットとの接触時間が長いから。
②
回転を加速するとは
1) 上回転の球を下回転で返すこと。
下回転の球を上回転で返すこと。
(ドライブの球をカットで返す)
(カットの球をドライブで返すこと)
(相手がラケットを上に振ったら、
(相手がラケットを下に振ったら、
自分は下に振る)
2)
自分は上に振る)
回転を加速すると不安定な(コントロールし難い)理由
球とラケットとの接触時間が短いから。安定に返球するためには、接触時間を
長くするための工夫(大きく丸め打ちする)(コンベア打法を取る)をしなければ
ならない。
2.上記の1.①については、誰もが練習のする内に自ずと体験して知って
いるが、横切れ球については安定・不安定の原理を頭に入れて置かねば対応出
来ない。
横切れ球への対応
①
1) 相手がラケットを右に振ったら、自分も右に振ると回転の切り返しになり、安定
に返球出来る。
2) 相手がラケットを左に振ったら、自分も左に振ると回転の切り返しになり、安定
に返球出来る。
(上記 1)
、2)を逆に振ると回転の加速になり、コントロールが難しく、不安定となる。
②
上記①の原理は、自分で常に意識して対応すること、決して漫然と、漠然と対応
しないこと。
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ラージボール卓球上達の心がけ(7)
ダブルスにおける3球目攻撃の注意点
ダブルスにおいて、自分のパートナーが横切りや下横切りサーブを出したとき、相手のレシーバ
ーは安定返球を心がけて前項に示した「回転の切り返し法」で返球して来る場合が多いが、中には
「回転の加速打法」で返球してくる。
個人戦の場合と違って、パートナーの仕掛けた回転に対応しなければならない点が難しい。
3球目攻撃に当たっては、漫然・漠然と対応せず、回転の方向を考えてバウンドの方向を予測した
上で強打に臨みましょう。
ラージボール卓球Q/A(1)
(○・×クイズ)
Q1.日本には現在3つの卓球ゲーム方式(硬式、軟式、ラージボール卓球)がある。
うそか、ほんとか?
Q2.軟式は世界共通のゲームだが、ラージボール卓球は日本独自のスポーツである。
Q3.軟式とラージボール卓球のネットの高さは19.25cmである。
Q4.ツッツキとはダブルカットとも言い台上のカット打法の事である。
Q5.ループボールとはネットの上空高くを通って相手コートに返球されたボールのことである。
Q6.ロビング打法とは、別名ロング打法とも言い台から離れて勢いよく打ち合う打法のことであ
る。
Q7.卓球では、右手をフォアハンドと言い、左手をフリーハンドと言う。
Q8.ネットの支柱の横を通って相手コートに入った球は「アウト」である。
Q9.ネット支柱に当たって相手コートに入ったサービス球は「レット」である。
Q10.エンドとは、卓球台の両端に引かれた白い線の事である。
Q11.スマッシュとは最小の前進回転、最大の前進力(速球)で打つ打法のことである。
Q12.踏み込み足とは、台の下に踏み込んだ足のことである。
Q13.送り足とは、足をクロスさせて横方向に移動するときのステップの事である。
Q14.硬球のピン球は今年の中に 40mm 直径となり、ラージボールの直径44mm
に近づく。
Q15.日本卓球会は1931年に組織され、1976年に財団法人日本卓球協会となった。
Q16.日本卓球協会の英字略語は、JTTAである。
回答:Q1:○(平成 13 年に軟式は廃止されたので現在では×)、Q2:×、 Q3:×、
Q4:○、 Q5:×、 Q6:×、 Q7:×、 Q8:×、 Q9:○、 Q10:○,
Q11:○、 Q12:×、 Q13:○、 Q14:○、 Q15:○、 Q16:○
180
ラージボール卓球上達の心がけ集
ラージボール卓球Q/A(2)
(○・×クイズ)
Q1.ダブルス戦で第1ゲームのサーブは、X・YペアのXから開始した。第3ゲーム目 の最初
のサーバーは?
A.X選手
B.Y選手
C.X、Yのどちらでも良い。
Q2.ダブルス戦で、正規でない競技者がサービスまたはレシーブを行った場合の判定は?
A.レット
B.ミス
C.バッドマナー
Q3.ダブルス戦でのサーバー、レシーバーの決め方は?
A.お互いのペアを決めておいて、同時に審判に申告する。
B.レシーバーが決まってから、サーバーを決める。
C.サーバーが決まってから、レシーバを決める。
Q4.ダブルスの最終ゲームで、一方の組が5点を取ってエンドを交替するときの
サービス・レシーブの順番は?
A.チェンジ・エンドして、そのままのサービス・レシーブの順番で続行する。
B.サービスする組がサーバーの順序を交替する。
C.レシーブする組がレシーバーの順序を交替する。
Q5.ダブルス戦で、チームの1人にバッドマナーの警告が出された。その後同じチーム
のパートナーにも警告が出された場合の失点は?
A.ぺアに対する2度目の警告として、ペアの失点となる。
B.次にそのペアのどちらかに警告が出された時点で、失点となる。
C.次にそのペアの両方に警告が出された時点で、失点となる。
Q6.怪我によりプレーの続行が不可能になった場合の緊急中断中にアドバイスは受けられる?
A.1分間だけ、アドバイスを受けられる。
B.緊急中断中ずっとアドバイスを受けられる。
C.アドバイスは受けられない。
Q7.選手が、明らかに正規でないサービスを出した場合の失点は?
A.1回目は警告となり、2回目以降は失点となる。
B.2回目までは警告で、3回目以降は失点となる。
C.警告なしに1回目か失点となる。
Q8.ゲーム間の休憩時のラケットの管理はどうする。
A.卓球台の上に置いておかねばならない。
B.ベンチに持ち帰らなければならない。
C.特に定められていない。
Q9.選手のどの部分が卓球台の表面に触れたら失点となる?
A.ラケット
B.ラケット・ハンド
C.フリー・ハンド
Q10.サービスの時、ボールを投げ上げる前にサーバーの手からボールが落ちたら?
A.サーバーのミス
B.
サーバーのバッドマナー C.ミスにもバッドマナーにもならない。
答え
Q1:C
Q2:A
Q9:C
Q10:C
Q3:C
Q4:C
Q5:A
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Q6:B
Q7:A
Q8:A
ラージボール卓球上達の心がけ(8)
ラージボール卓球を楽しむための5つのステップ
(1.ラリー編)
第1ステップ
相手コートの定点(エンドラインから 1/4、右サイドラインから 1/4 の付近)に安定に返球出来
るようにする。
第2ステップ
相手コートの左右への揺さぶりを加える。(相手の動きを見て、相手の位置より遠い側のコーナ
へ返球する)
第3ステップ
前後揺さぶりを加える。(右または左コーナへ強打のあと、左または右前に止め、次ぎに相手が
取り難い方向(身体の前等)に強打する)
第4ステップ
時間差揺さぶりを加える。(相手の構えた位置を見て、頂点打法と頂点前打法を混ぜる)
第5ステップ
球の回転差揺さぶりを加える。
(相手の右コーナへはカーブボールを、左コーナへは
シュートボールを送る)
ラージボール卓球を楽しむための5つのステップ
(2.打法編)
安定・高効率・高速な打法、相手を惑わせる打法のために!
第1ステップ
ラケットを下から上に振る。
(球に前進回転をかける。相手コート上でドロップさせる。空気に
よるマグヌス効果を利用する)
第2ステップ
肘(ひじ)支点の振りを加える。
(肘(ひじ)ファーストのスイングを心がける)
肩支点のスイングは不安定。肘(ひじ)支点の振りを加えると安定で高速な返球が出来る。
第3ステップ
手首支点の振りを加える。(台上のみならず、通常ラリーでも手首を使う)
振りの支点がラケットに近いほど、効率が良く、安定する。
第4ステップ
下回転打法を加える。(カットやツッツキを混ぜる)
逆マグヌス効果となるが、相手がネットミスをし易い。特に台上でのレシーブに有効。
第5ステップ
横回転打法を加える。(手首を右や左に振って回転差を大きくする)
打球後に逆方向にラケットを動かす。
(逆方向のフォロー・スルーを加える)
182
ラージボール卓球上達の心がけ集
ラージボール卓球を楽しむためのフットワーク
あと
まえ
これまで、打球点の変更練習(頂点後打法、頂点打法、頂点前打法の練習)をして来ました。多
くの皆さんが上手になって来たので、今日からフット・ワークの練習も入れたいと思います。
第1ステップ
プレヤー1の返球
相手コートの左右へ交互に返球する。ストレート打ちとクロス打ちと言う。最初の内は左右コー
トの中央線寄りを狙い、相手の移動幅を大きくしないように心がける。
プレヤー2の返球
プレヤー1が返球してきた球を、左右へのフットワークを活かして、オール・フォア(全部利き
手側スイング)で、相手コートのフォア・クロスへ返球する。右側からはクロス打ち、左側からは
ストレート打ちとなる。
第2ステップ
上記のプレヤー1と2の役割を入れ代えて、これまでの返球者が左右フッ10分練習の場合には
5分後に、トワークの練習をする。
第3ステップ
左右へのフットワークが旨く出来だしたら、プレヤー1はストレート側にはロング球をクロス側
にはショートの球を返球して、プレヤー2に斜め方向の練習をして貰う。5分後に立場を入れ替え
て練習する。
ラージボール卓球上達の心がけ(9)
Hand First 打法を身に付けよう!
高知県スポーツ振興財団主催
卓球教室資料
1.ゴルフの例:下写真のようにバックスイング①から、インパクトの直前②までクラブのヘッ
ドよりも手首を先行させる打法(インパクト直前で手首を返す打法)が Hand First
(ハンド・ファースト)打法と呼ばれている。
1
2
183
3
2.Hand First でない釘打ち(悪い釘打ち)の例: a ,b , c ではハンドとヘッドが併進している。
b
a
c
3.Hand First 釘打ちの例:①,②ではヘッドよりも手首が先行するハンドファースト打法
1
3
2
4.卓球の併進打法(悪い例):a , b , c ではラケット・ヘッドと手首が併進している。
b
a
c
5.卓球の Hand First 打法:①, ② ではラケットよりも手首が先行している。(はじく打法)
2
1
184
3
ラージボール卓球上達の心がけ集
6.肘を支点とする Hand First 打法:
①のバックスイングでは肘が後方にあり、 ②の時は肘がラケットよりも前方に来ている。
ラージボール卓球上達の心がけ(10)
高知県スポーツ振興財団主催 卓球教室資料
打球点の変化をマスターしよう!
卓球の打球点は、下図のように①頂点前、②頂点、③頂点後
の3つに分けられ、それぞれ①頂
点前打法(ライジング打法、快帯打法)
、②頂点打法(トップ打ち)、③頂点後打法(フォーリング
打法)と呼ばれている。
快帯:早い打点(中国語)
①
頂点前打法の練習
②
③
①
頂点前打法
②
頂点打法
③
頂点後打法
第1ステップ
バウンド後の球飛跡の頂点より前で(球の上昇中に)ラケットに当てて返球し、相手コートの定
点(エンドラインから 1/4、右サイドラインから 1/4 の点)に返して、20回ラリーを続ける。
20回続かない場合は、打球点はそのままで球のスピードを遅くしてラリーを続ける。
頂点前打法は、相手に時間的ゆとりを与えないと言うメリットの他に、球回転の影響を受けにくい
と言うメリットがあり、慣れると安定で有効な打法である。
「ライジング」を打て、とか「快帯」で打てと言われる。
185
第2ステップ
頂点前打法で、双方がバック側に寄り、バッククロス・フォアハンドで20回ラリーを続ける。
第3ステップ
片方のプレヤーがフォアハンドでバッククロスに送球し、他方のプレヤーがバックハンド・ショ
ートで返球し、どちらも頂点前打法で20回ラリーを続ける。
打球点替えの練習
第4ステップ
上記第3ステップの立場を替えて、20回ラリーを続ける。慣れるとわざと打球点を変えて打っ
てみる。
打球点替えの練習
第5ステップ
双方が頂点前バックハンド・ショートで20回ラリーを続ける。慣れるとわざと打球点を変える
練習を加える。
プロ選手の1000本ラリーの始まり
あるプロ選手は、幼稚園の時に、地元の大会に参加して、全敗した。幼稚園児が小学生と対戦し
たので、負けるのは当然であったが、それ以来「勝ちたい」という気持ちが芽生え、それまで1日
1時間だった練習を、一気に4時間に増し、半年後には1000本ラリーができるようになったと
のこと。自分だけでなく相手をする側が失敗してもカウントは1からやり直しで、1000本ラリ
ーが毎日の日課となったと伝えられている。
また、1950年代に世界最強の名をほしいままにした故荻村伊智朗氏は、「2000本ラリ
ーをしていた」とのことで、荻村イズム注入のため、北京オリンピック前にはこのプロ選手も20
00本ラリーの特訓を受けたとのことです。
186
ラージボール卓球上達の心がけ集
ラージボール卓球上達の心がけ(11)
高知県スポーツ振興財団主催
卓球教室資料
大切な卓球用語を覚えましょう!
Ⅰ.振り方の名称:コンベア打法と歯車打法
1.コンベア式:卓球台から出たボールを打つ時は、コンベア式の打法で打つ。
コンベア式
ラケットの軌道
ラケット軌道
ボール
コンベア式打ち方のイメージ
ボール
コンベア式のイメージ図
2.歯車式:卓球台の台上のボールを打つ時は歯車式で打つ。
歯車式(ギヤ式)ラケット軌道
ラケットの軌道
ボール
ボール
歯車と仮定
歯車式打ち方のイメージ
ボールの回転
歯車式のイメージ図
3.スイングの比較
コンベア式のスイング
歯車式のスイング
ラケット軌道と球の回転
ラケット軌道と球の回転
エンドラインから後で有効
台上で有効
187
Ⅱ.ピン球の打球点の表現法(時計の文字盤法)
飛球方向
11 12
10
9
8
7
6
飛球方向
11 12
10
9
1
5
2
3
4
8
1.バックハンドの打点の表現
6
5
2
3
4
2.フォアハンドの打点の表現
バックハンドの
ドライブは
7
1
フォアハンドの
10∼11 時を
ドライブは
ナックル球は
9時を
カット球は
7∼8時を狙え。
1∼2時を
ナックル球は 3時を
カット球は 4∼5時を狙え。
ラージボール卓球上達の心がけ(12)
高知県スポーツ振興財団主催卓球教室資料
スムーズなフットワークを身に付けましょう!
1.送り足(3歩動)
(右側へのフットワーク)
4.踏み込み足
(右側へのフットワーク)
足の番号0.0の基本姿勢位置から右側に
足の番号0.0の基本姿勢位置から右側
動く場合、最初に右足を半歩踏み出し①、次
に動く場合、最初に右足大きく踏み出して
ぎに左足を右足の近くまで引き寄せ②、最後
打球し①、同時に左足を引き寄せる②。
に右足を大きく踏みだして打球し③、同時に
(早く打球出来るが、大きく動けない)
左足を引き寄せる④。
188
ラージボール卓球上達の心がけ集
3.送り足(3歩動)
(左側へのフットワーク)
4.踏み込み足(左側へのフットワーク)
足の番号0.0の基本姿勢位置から左側に
足の番号0.0の基本姿勢位置から左側
動く場合、最初に左足を半歩踏み出し①、次
に動く場合、最初に左足大きく踏み出して
ぎに右足を左足の近くまで引き寄せ②、最後
打球し①、同時に右足を引き寄せる②。
に左足を大きく踏みだして打球し③、同時に
(早く打球出来るが、大きく動けない)
右足を引き寄せる④。
ラージボール卓球上達の心がけ(13)
高知県スポーツ振興財団主催卓球教室資料
身体の切り返し(回り込み)と曲げ打ちの練習をしましょう!
1)
身体の切り返しが必要な理由
①バッククロスでの粘り合いから、相手よりも先にフォアハンドに切り
替えてスマッシュ(強打)するため。
②ツッツキ合いから、フォアハンドに切り替えて攻撃するため。
③バックサイドに来た高い球を強打するため。
2)
切り返しと曲げ打ちの練習
自分の打てる球は、インパクト時の相手のラケットの振りを見て球質を
予測出来るが、自分が打てない(出せない)球は予測出来ないので、曲げ
打ちも嫌わずに練習しましょう!
①バックハンドで右サイドに2回以上返球し、
②回り込んで、
③フォアハンドでシュートを強打し(図1)
④続いてカーブを強打する。(図2)
189
曲げ打ちの練習
1)
卓球台の右コーナへは、シュートボールを打つ。(図1)球の3時の位置を
右から左へこする。
図1.シュートボールの球跡
2)
図2.カーブボールの球跡
卓球台の左コーナへはカーブボールを打つ。(図2)球の2∼3時の奥側を
右下から、右上へこすり上げる。
練習時の心がけ
練習の時に強打するとラリーが続かないので、ゆるい球を打って続けるようにしましょう!
ラージボール卓球上達の心がけ(14)
高知県スポーツ振興財団主催卓球教室資料
卓球競技の基本姿勢を身につけましょう!
1.卓球の基本姿勢について
1:肩幅よりやや広いスタンスで、平行足で構える。
2:両膝を軽く曲げる。
3:つま先で立つ。
4:コートから 0.5∼1mの位置に立つ。
5:両肘は 90 度に曲げる。
6:上体は前傾姿勢で構える。
7:手首の力を抜き、ラケットを緩く持つ。
8:目はボールを追う。特にバウンド後のわずかな軌跡に注目する。
図1.右利き選手の基本姿勢
190
ラージボール卓球上達の心がけ集
2.前後のフットワークの練習
1) 前後のフットワークの練習が必要な理由
①短い球への対応(返球)のため
②深い球への対応のため
③踏み込んで打球して、球にスピードを加えるため(動きながらの強打練習)
④ダブルスでパートナーの邪魔をしないため
2) シングルステップ(踏み込み足)
①左足を一歩踏み込んで打球する。(左足を出しながら打ち、右足を引きつける)
②左足から、バックステップする。(ほぼシンクロステップで、戻る)
3) ダブルステップ(送り足)
①左足を軽く出して右を引き寄せ、次ぎに左足を出しながら打球し、右を引き寄せる)
②戻りも、左、右、左、右で戻る。(最後の左、右はシンクロステップとなる)
3.練習成果への考え方
1) これまでに身に付けている技術の「矯正」ではなく、
2) 多彩な技の追加拾得と考え、なるべくレパートリーを拡げる。
3) 自分の出せる球は、相手に打たれてもコースが読める。
4) これまでのサジェッション:「脇が開いている」、「ラケットの先が下がり過ぎ」、「頭が傾い
ている」なども、「脇を開けて打つとタイミングがずれ相手を惑わせる時もある」
、
「ラケット
の先を降ろす打ち方が良い時もある」
、
「頭を傾けて打たねばならない時もある」と考え、なる
べく技の幅を広げましょう!
ラージボール卓球上達の心がけ(15)
高知県スポーツ振興財団主催
卓球教室資料
元世界チャンピオンの教え
平行スタンスで回り込もう!
1.両足の爪先を結ぶ線がエンドラインに平行・垂直の場合を、平行スタンス・前後
スタンスと呼んでいる。
2.バッククロスへのロングサービスに対して、フォア側に返球されたら、飛びついて
相手のフォア側へ強打しよう!
3.上記のサービスの後で、前後スタンスで回り込むと、フォアへの飛びつきが遅れる
ので良くない。
4.回り込みは、どんなときでも平行スタンス(両足がエンドラインと平行)となるよう
に心がけましょう!
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ラージボール卓球上達の心がけ(16)
サービスの出し方
1.サービス開始時には図1のように身体の一部が卓球台のエンドラインの内側に入っても良い
が、ピン球およびインパクトはエンドラインおよびその延長線上の後方になければならない。
2.ピン球は、図2の様に指を広げて手のひらの上(掌の上)に載せてから、垂直上方向に
トスしなければならない。(ラージの場合トスの高さは任意)
3.図3のように指を曲げるとフォールトの対象となる。
図2 指が伸びている(合法) 図3 指が曲がっている(違法)
図1球はエンドライン
図4 球は台上でエンドライン
図5 球が台の下に隠れた
延長線の後方
の後方(良い)
(違法、フォールト)
4.図4のように正常に構えても、トスをする反動で図5のようにピン球が台の下に隠れると
違反サービスとなり、ミスとなるから注意しましょう。
サービス時に大切なもの
1.コントロール
狙ったところにネットすれすれのコースで確実に出せ、際どい位置が狙えるようなコント
ロールを身につけましょう!
2.スピン
回転のかかった球は、強打するとミスとなり安いので相手が強く打ち返せない。上回転、
下回転、横回転、逆横回転等のサーブを自在に出せるように練習をしましょう!
3.スピード
緩急の差を大きくし、スピンの差も大きくすると相手が強く返球出来ず、効果が高くなるので、
速いサービスも出せる様に練習しましょう。
4.モーション
何処にとんでくるのか?どんなボールが来るのかを判りにくくする事が大切です。同じ動作で
数ケ所に出せるようにし、インパクトの後のフェイント・モーションも身につけましょう!
5.タイミング
毎回「1,2の3」のタイミングで出すと、相手にリズムを合わされて簡単に返球される。
「1,2」や時には「1」のタイミングで出せるように練習しましょう!
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ラージボール卓球上達の心がけ集
ラージボール卓球上達の心がけ(17)
セルフトレーニングの勧め
1.ボールつきの練習
①
②
①
ラケットの表面でボールを20∼50cm程度上方につき、20回以上続ける。
②
慣れてきたら、ラケットの表面、裏面を交互に使って100回続ける。
2.垂直壁打ちの練習
①
①
フォアハンド打ちの例
②
バックハンド打ちの例
建物の壁に向かってフォアハンドで打球して当て、跳ね返って来たボールを床での
バウンドを経由して打つ練習を20回以上続ける。床が滑らかでない場合には、
壁から跳ね返って来たボールを直接壁に向かって打ち返す。
②
シェークハンドグリップの場合には、最初にバックハンド側で壁打ちし、慣れてきたら
フォアハンド側で練習するとやり易い。
193
3.斜め壁打ち
③
斜め板相手の打球練習
④
糸付きピン球 ⑤
腰の高さに吊す
1.90cm×180cm×10mmのベニア板を購入し、壁から40∼50cm程度の
床から斜めに立てかける。
2.この板を相手に正面打ち、フォア打ち、バック打ちでラリーを続ける。
3.写真③の様に、板を半分に切って70cm程度の脚をつけると、練習準備が楽になる。
4.固定長糸ボール打ち
1.ピン球に針で孔をあけて千枚通しで孔を太め、くくり節を付けた糸を押し込んで通し、
④図の様に孔の部分をセメダインで固める。
2.⑤図のように、自分のラケットの高さ(腰の高さ)になるように天井から吊し、70
∼80cm離れたカーテンに向かって、これをフォアドライブで前進回転をかけて
20回以上続ける。
3.慣れて来たら、バックハンド打ちで、前進回転をかけながら20回以上続ける。
4.フォア打ち、バック打ちを交互に続けて、身体の切り返しフットワークの練習をする。
5.可変長糸ボール打ちの勧め
1.ピン球に孔をあけ、釣り糸を通してセメダインで
固める。
2.次ぎに、右図の様に直径 2mm 程度の針金をよじって
リングを作り、他端にクリップを付ける。
3.カーテンから1m程度離れた鴨居や天井にクリップ
で止め、リングに糸ボールの釣り糸を通す。
糸ボールとリングの例
4.釣り糸の端を手で持ち、ボールがカーテンに向かって
飛ぶときは糸を緩め、カーテンに当たったら糸を引っ張ってボールに手前方向の
加速度を与えて返球させ、これを再びカーテンに向かって打ち返す方法を繰り返す。
5.フォア打ちに慣れてきたら、次はバックハンド打ちを練習する。
6.フォア打ち、バックハンド打ちを交互に行い、同時にフットワークの練習も行う。
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