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極限攻略小説「PS2 版 DQ5 初期レベル・ボス撃破」
筆者:おてう
PS2 版 DQ5 が発売されたので、筆者は折角だから「初期レベル・ボス撃破」を達成しました。条件とクリアレベ
ルは以下の通りです。
■■条件
(1)各ボス戦では、初期レベルのキャラのみを使用。(但し幼年時代は全試合主人公加入の必要があるため例外)
(2)青年時代以降の各ボス戦では必ず毎回違う種類のキャラを使用。一度ピエールを使ったら、アーサーは同じスラ
イムナイトなので使用できない。
(3)出来る限り初期ステータスで挑むために、木の実や種の使用を制限。
(4)通常時は主人公 1 人のみで移動(一人旅)。ボス戦を伴う洞窟などでは、ボス戦に関与するメンバーのみを加入。
■■撃破レベルと撃破キャラ
表の通り。但しカッコ内のキャラは初期レベルが高くてなんだかずるく見えるので、装備攻撃特技防御禁止です。
ボス名
撃破キャラとレベル
うごくせきぞう
主人公 Lv1、ビアンカ Lv1
おやぶんゴースト
主人公 Lv4、ビアンカ Lv4
ゆきのじょおう
主人公 Lv6、ボロンゴ Lv2、ベラ Lv7
ニセたいこう
スラリン Lv1、ホイミン Lv4、ヘンリーLv1
溶岩原人
ピエール Lv1、イエッタ Lv1、(ボロンゴ Lv15)
カンダタ
ブラウン Lv1、キャシーLv1、マッド Lv4、オークス Lv4
オーク Lv20
キメラ Lv3、魔法使い Lv4、しびれくらげ Lv、おばけキノコ Lv1
キメーラ Lv35
爆弾岩 Lv5、ベホマスライム Lv2、ビックアイ Lv1、さまようよろい Lv1
ジャミ
キングスライム Lv3、メッサーラ Lv4、ミニデーモン Lv3
ゴンズ
ケンタラウス Lv3、爆弾ベビーLv1
ゲマ
炎の戦士 Lv4、クックルーLv1、お化けキャンドル Lv1
ブオーン
アンクルホーン Lv4
ラマダ
ホークマン Lv4
イブール
ブリザードマン Lv4、(サンチョ Lv20)
ゲマ
ソルジャーブル Lv3、エリミネーターLv3、パペットマン Lv1
ミルドラース第 1 形態
ドラキーLv1、ホークブリザード Lv3、アームライオン Lv3、グレイトドラゴン Lv3
ミルドラース第 2 形態
ネーレウス Lv3、ゴーレム Lv5、グレイトドラゴン Lv3、スライムベホマズン Lv3
苦労した点は、どのボスでどのキャラを使うかを慎重に決めねばならなかった点。「ジャミ戦でキングスライム
を使ったらもったいないかな?」とか、「ブオーン戦ではもったいないけどアンクルホーンを使うしかないか・・・」
などと苦渋の決断に迫られたりという、かつての低レベルクリアに有り得なかったこの感覚は、苦労でもあり、ま
たプレイしていて最も面白かった点でもあります。
そういうわけで今回のお題はこの低レベル攻略なのですが、毎回同じような攻略紹介をしても面白くありませ
んので、今回はちょっと普段と違うスタンスで紹介していきます。普段どおりの正統派の低レベルクリアレポート
がいいよぉという方は、MS-06 さんが「極限低レベルクリア」で発表されると思いますので、そちらをご期待くだ
さい。(笑)
では、名づけて「極限攻略小説」、スタートです。
◆第 1 話:動かない石像
おてうは 2 歳年上のビアンカと出会い、やがて一緒にレヌール城のおばけ退治に挑む事になっ
た。成り行きで。本当は 2 人とも、おばけ退治なんてやりたくなかった。何故って?敵を倒したらそ
れだけ自分のレベルが上がってしまうからである。
ビアンカ
おてう
「ねーねーおてう、親分ゴーストってどのくらいのレベルで倒せるのかなあ?Lv1 でいける?」
「そんなの知らないよー。でも、途中でおばけキャンドルを 3 匹倒さないといけないでしょ?あれで
経験値が入っちゃうから、Lv1 では無理だよね~。」
おてうがそう言うなり、ビアンカはネットを漁り始めた。サンタローズでは文字が読めないフリをし
てみたが、あれはもちろん嘘だ。ビアンカは極限データベースで何かを見つけると凄い勢いでまく
し立てた。
ビアンカ
おてう
ビアンカ
「おばけキャンドルの経験値は 13×3 で 39 らしいわ。私は死んでおけば経験値は回避できるけ
ど、これでおてうのレベルが 2 になっちゃうわね。まあおてうはどっちにしろ親分ゴーストを倒した
ら必ず Lv6 まで上がっちゃうし、ここは妥協しちゃっていいんじゃないかしら。」
「え?え?死んじゃうの?妥協?何の事?」
突然物凄い勢いで低レベルクリアの世界へいざなわれても、6 歳のおてうにわかるわけがない。
しかしビアンカは、そんなおてうを完全無視して計画を立て始めた。
「大丈夫、私に任せておいて。あなたを極限低レベルでクリアさせてみせるわ。」
その日の夜、おてうがパパスと宿屋で休んでいると、ビアンカがこっそり部屋に入ってきた。おて
うも慣れたもので、ビアンカをパーティーに加えるとすぐに教会でセーブし、町の外へ出た。慣れ
ているのも当たり前である。リハーサルを含めると、これでもう 10 回目くらいのことだから。
おてう
ビアンカ
親分ゴーストの住処であるレヌール城までは当然全逃げだ。城に着くまでの間、ビアンカは道具
袋の中を覗きながら最後の確認をしていた。
「ねえねえビアンカぁ、僕たちほんっとに Lv1 で大丈夫なの?」
「うっさいわね。あんたは黙って私の命令どおり動けばいいの!文句言うと『俺に任せろ』に作戦
変更するわよ?」
やがてレヌール城に着くと、2 人は一直線に中へ入っていく。最初の標的は……うごくせきぞうだ
った。
ビアンカ
おてう
ビアンカ
「じゃーさっそく行くわよ。」
「行くって…武器は?武器なしで動く石像と戦う気?無理だよ~」
「うっさいわね、ちゃんと用意してあるわよ!ほら!」
そう言うとビアンカはおてうにいくつかのアイテムを渡した。そしておてうが文句を言う間を与えず
に動く石像の周りを調べた。動く石像が正体を現す…!
ビアンカ
おてう
ビアンカ
「さ~て出たわね!おてう!準備はいい?」
「じゅ、準備なんてしてないよ!?」
「さっき渡した奴!それを毎ターン使ってればいいの!」
おてうは「どうぐ」コマンドで自分のアイテム欄を確認した。持っているアイテムは…聖水が 4 個だ
けだった。
ビアンカ
おてう
ビアンカ
「早くコマンド入れてよ!聖水!後がつかえてるんだから!」
「えっ、えっ、もしかして、打撃じゃなくて……聖水で倒すつもり?」
「当たり前でしょ!あんた Lv1 でどんな攻撃繰り出す気よ!会心でも出なきゃダメージなんて当た
る訳ないの。だから聖水!ほら、さっさと投げる!!」
ビアンカにせかされて、おてうは聖水を使うコマンドを入力した。ビアンカも聖水を使うようだ。
ターンが始まり、まずはおてうの聖水で動く石像に 14 ダメージ!続いてビアンカの聖水も 14 ダメ
ージ!やはり破壊力は打撃とは比べ物にならない。しかし次に動く石像の攻撃!13 ダメージを
受けて、ビアンカの残り HP が 5 になってしまった。
おてう
ビアンカ
おてう
ビアンカ
「ビアンカもう HP 黄色いけど、これホントに倒せるの?先にビアンカが死んじゃいそうだよ…?」
「だから殺られる前に殺るの!2 人で 4 ターンかければ聖水 8 回投げれるでしょ。これでピッタリ
倒せるから聖水は 4 個で大丈夫なのよ。」
「個数の問題じゃなくて!2 回攻撃食らったら僕もビアンカも死んじゃうじゃん。ほぼ先攻できるみ
たいだからからまだいいけど、でも普通に考えたら 4 ターンも耐えられないよ!どうするの?」
ビアンカはニヤリと笑って言った。
「様子を見てくれるのを祈るのよ。」
2 ターン目、おてうとビアンカは再び聖水を投げた。そして動く石像の攻撃は…
動く石像
「じー。」
動く石像は様子を見ている!!ビアンカの狙い通りだった。
ビアンカ
「これで次のターンに私が攻撃されなければほぼ勝ったようなもんね。私が攻撃されたら即リセッ
トだからよろしく。」
「よろしくって…むちゃくちゃな戦法だなあ…」
「むちゃくちゃって、実はこの戦法考えたの全部アンタでしょ!なに私のせいにしてるのよ!!」
「あ、知ってた?いやーごめんごめん。でも僕も、SFC 版の時の dqmaniac さんの戦術を借りてき
ただけなんだよねー。いやーほんと役立つよ、『DQ5 低レベル攻略ガイド』。」
おてう
ビアンカ
おてう
3 ターン目も動く石像は様子を見ていた。その隙に薬草を連投。4 ターン目も先制し、終わってみ
れば楽勝だった。それもそのはず、PS2 版 DQ5 はあくまで SFC 版 DQ5 のリメイクである。少し
の工夫を怠ると、たちまちこのような「SFC 版から進歩のない攻略」になってしまうのである。
◆第 2 話:アイテムに隠された能力
動く石像を倒したおてうとビアンカは、レヌール城を探索してたいまつを探し、おばけキャンドルを
これまた聖水でさっくりと倒した。そして親分ゴースト戦の準備を進めた。今回は、低レベルクリア
に関係ない場面は、書くのが面倒なのでこのように一瞬でカットされる。
おてう
ビアンカ
おてう
ビアンカ
おてう
ビアンカ
おてう
ビアンカ
おてう
ビアンカ
「親分ゴーストも聖水で倒せるよね。HP200 だから、ビアンカのメラ 7 回+僕の聖水 10 個を合わ
せれば大丈夫だよね。」
「今回は長期戦になるから回復手段を考えておかないといけないけど、おてうのホイミと私の薬
草でかなり持つはずよね。」
「薬草 10 個も持ってれば大丈夫じゃない?僕もホイミを 3 回使えるしね。」
「そうねえ…でもそれだと攻撃 16 回に対して回復が 13 回分しかないのね。」
「でも、もうこれ以上アイテム持てないよ~。」
「私かおてうが毎ターン回復し続ける必要があるでしょ。そしたら残りの 1 人が攻撃するから、攻
撃と回復を同じ数だけ用意しないと。良い方法はないのかしら…」
「うーん。もう考えるの飽きちゃったよ。とりあえず戦ってみない?」
「それもそうね。やってみたら意外と何とかなるものよね。」
「無理だろうけどね。」
「まあ死んだらリセットするだけよ。」
そんなこんなで 2 人は親分ゴーストの所までやって来た。親分ゴーストは 2 人を見るなりベランダ
のほうに逃げていく。
ビアンカ
「待ちなさい!アンタを倒しに来たわけじゃないのよ!ただの調査プレイだって!」
親分ゴーストはなおさら嫌そうな顔をして逃げていく。多分敵だってヒマではない。
しかしビアンカが親分ゴーストの首根っこを捕まえ、強引に戦闘が始まった。
親分ゴ
おて&ビア
「打撃!ルカニ!打撃!ギラ!打撃!」
「死んだ~。」
おてう
「ビアンカ~。敵の攻撃が強すぎて、2 人のうちどっちかが必ず回復してないと回復が追いつかな
いよ~。どうすんのさぁ」
「唯一ダメージを受けないターンがあるわ。それは敵がルカニをしてくる瞬間。でもルカニを一度
食らうと守備力が 0 になっちゃうから、そうなるともう二度とルカニは使って来ないのよね。」
「ちょっと賢くなったね~。」
「そうね、今回は全般的に SFC 版より賢くなったボスが多いみたい。詳しくは MS-06 さんの低レ
ベル攻略を見てみるといいと思うわ。それにしても困ったわね・・・。」
「守備力 0 になった後、さらにルカニを使わせる方法ってないのかなあ。」
「あー!!ちょっといい事思いついちゃった!」
ビアンカ
おてう
ビアンカ
おてう
ビアンカ
2 人は再び親分ゴーストの所へ向かった。やがてテラスに着くと、2 人は親分ゴーストの目の前で
大声で作戦会議を始めた。RPG というのはよく考えると得てして矛盾だらけである。
ビアンカ
おてう
ビアンカ
「おてう、分かってるわね!」
「うん。一撃食らってもあと一撃耐えられそうな場合は僕が回復、あと一撃で死にそうな場合はビ
アンカが回復、だねっ。」
「そうそう。前者は、もし一撃食らった所にもう一撃食らって、その後におてうが回復をすれば、敵
おてう
ビアンカ
おてう
ビアンカ
おてう
ビアンカ
の攻撃 2 回分を 1 回の回復で相殺できて得だから。でもって後者は、私は親分ゴーストより先制
できる可能性があるからね。」
「ところで僕、皮の盾を持ってるだけで装備してないんだけど、どうすればいいの?」
「それはまだ装備しちゃダメよ。その皮の盾が大事なんだから。」
「えー。ビアンカだけ装備してるなんてズルいよー。」
「うっさいわね。女の子が何も装備しないで外歩けるわけないでしょ!」
「装備と服は別だよー。っていうか読者に変な妄想させちゃダメだと思うよー。」
「……。……とにかくいくわよ!」
かくして親分ゴースト戦が始まった。
まずは作戦通り、2 人は攻撃と回復を繰り返していく。すると親分ゴーストがルカニを使った。ルカ
ニは主人公に命中!主人公の守備力が 0 になった。
ビアンカ
おてう
ビアンカ
おてう
おてう
ビアンカ
「おてう、今よ!皮の盾を装備して!」
「えっ、今?」
「そうよ、守備力が 0 になった後で装備すれば守備力が上がるから、親分ゴーストはルカニをもう
1回使うのよ!」
「あーっ、そうか!あったまいい~」
おてうは皮の盾を装備した。すると守備力が 4 だけ上昇し、親分ゴーストの打撃ダメージを 1 軽減
できるようになった。これだけでも頓死確率が減るので大助かりだ。そうこうしているうちに…親分
ゴーストが主人公に 2 回目のルカニを使用!こうして再び 1 ターンをノーダメージでやり過ごす
と、最後はビアンカが親分ゴーストの打撃をよけるという超ウルトラ C を見せたこともあり、快勝。
レヌールに平和が戻った。
親分ゴーストの「許してくれるだろ?なっ?なっ?」の質問に「いいえ」を繰り返して遊びながら、二
人は勝利の達成感に酔いしれた。
「それにしてもビアンカ、動く石像とおばけキャンドルを倒すことで 2 人ともちゃっかり Lv4 になって
おいて、さも『ここで Lv4 になっているのは当然ですよー』みたいな顔するなんて、妥協の天才だ
よね!ホントは動く石像は倒さなくても先に進めるし、倒す直前にビアンカだけ死ねば経験値回
避できるのにね!」
「しーっ!余計な事言わないの!社会人は時間がないから仕方ないのよ!」
本来この攻略の核心はモンスターを仲間に出来る青年時代であり、幼年時代は単なるオマケと
いう位置づけで許していただきたい。ちなみに「ルカニ伸ばし」は PS2 版 DQ5 のやりこみにおい
て様々な用途で活用されたが、実は本攻略が発祥である。
~ボス戦ハイライト~
【ボス:親分ゴースト】
HP:200 攻:36 守:50
攻撃パターン:奇数ターンは打撃、偶数ターンは打撃 or メラ or ギラ or ルカニ
【仲間ステータス】
Lv
おてう
4
ビアンカ
4
HP
36
27
MP
9
14
攻
20
9
守
15
19
装備
旅人の服
ておりのケープ、お鍋のふた
アイテム
皮の盾、聖水 10
薬草 10
◆第 3 話:ザイル!氷の国の戦い
親分ゴーストを倒したおてうはビアンカと別れ、成り行きで妖精の国を助ける事になった。アルカ
パで拾ったネコのボロンゴと妖精のベラを従えて、いや正確に言うと盾にして、おてうは妖精の城
へ向かった。幼年時代は、おてう以外のキャラは死んでもすぐに HP1 で自動的に生き返るので、
盾としてたいへん優秀である。
おてう
ベラ
おてう
ベラ
おてう
ベラ
おてう
ベラ
「ここはザイル・雪の女王と連戦だね。MP が厳しいなあ…」
「あらおてう、ザイルは一度倒したらもう復活しないよ。だから 2 回に分けて倒せばいいんじゃない
かな?」
「そっかー。じゃあここは SFC 版とあまり変わらず楽勝かな?」
「それはないね。おてう、大事な事を忘れてるわ。」
「どういうこと?」
「悪いけど今回は私、あなたの命令聞かないよ。NPC だから。」
「えっ、じゃあルカナンは…」
「ルカナンを使うかどうかは私の気分次第って所かな。まあ私がルカナン使わないと絶対倒せな
いと思うけどね。」
おてうは正直、わかってんならとっととルカナン唱えてくれよと思った。
ベラ
ボロンゴ
「まあ何にしてもザイルはザコだから、とりあえずザイルだけささっと倒しちゃいましょ。」
「ふにゃー。」
そんなこんなで一行はザイルをさっくりと倒した。HP が減るとベラが自動的にホイミを使うので、
後は打撃連打してるだけで良いので簡単この上ない。ザイルを倒すと、黒幕の雪の女王が出て
来て自動的に連戦開始だ。
雪の女王
おてう
ベラ
「ヒャド!吹雪!力ため打撃!」
「ぐはっ死んだ~」
「『にげる』連打しといてわざとらしいなあ。私はまだ生きてるけど、おてうが死んだから全滅ね。
予定どおりザイルは倒せたし、とりあえずあなたの家まで戻りましょう。」
~ボス戦ハイライト~
【ボス:ザイル】
HP:100 攻:33 守:45
攻撃パターン:打撃 or ホイミ or マホトラ。タイムアタックなどで雪の女王と連戦しなければならない場合は、マホ
トラが非常に厄介。
【仲間ステータス】
Lv
おてう
5
ボロンゴ
2
ベラ
7
HP
39
44
38
MP
14
0
47
攻
36
24
38
守
24
15
31
装備
銅の剣、皮の鎧、皮の盾
ておりのケープ
アイテム
◆第 4 話:勝利のための死別
おてうは自分の家で目を覚ますと、すぐにまた雪の女王のところへ向かった。
途中のザコ敵はカパーラナーガの吹雪やアルミラージ 7 匹の突進連打などが相当キツいが、ベ
ラとボロンゴを先頭に出して盾にすることで、おてうだけは生き延び続けた。
やがて一行は、再び雪の女王の前へとたどり着いた。さっき倒したザイルの死骸が転がっている
のがとてもリアルで嫌な感じだ。というのは嘘で、気を失って倒れているだけだ。そうじゃないと、
いくらなんでも設定としてあんまりだ。
ベラ
おてう
「さーて、私はいつルカナンの使うのかしら。先に MP 尽きちゃったらゴメンね~」
「何が何でも使わせて見せるよ。ちょっと秘策もあるからね。」
一行はアイテムの準備を終えると、戦闘を開始した。まずは 1 ターン目、おてうがいきなり奇策に
出た…!
おてう
ベラ
「じゃあ負担にならないように僕は防御してるから!あとよろしく~」
「私がルカナンするまでダメージを小さくして、私にホイミを使わせない事でルカナンを使う機会を
増やさせるってワケね。」
非常にリーズナブルだがともすると盲点になりうる戦術だ。おてうも「低レベルクリア」というジャン
ルの攻略に慣れてきたようである。
そうこうしているうちに雪の女王の吹雪が来て、ボロンゴがあっという間に残り HP 半分を切った。
ベラ
「あら、ボロンゴちゃん HP が半分切っちゃったのね。じゃあホイミ……ってちょっとおてう、何すん
のよ!」
何を考えたのか、おてうは「にげる」を選択した!もちろん逃げられるはずはない。逃げそこなっ
たお陰でこのターンは誰も行動できなかった。雪の女王の打撃はボロンゴに命中し、ボロンゴは
死んでしまった。
ベラ
おてう
ベラ
おてう
ベラ
おてう
ベラ
「ちょっと何考えてるの!普通ボス戦でコマンドミスする!?」
「これでいいんだよ、ベラ。」
「えっ!?」
3 人で戦ってたら、吹雪が来た時に 3 人を回復しなくちゃいけなくなるから、MP の無駄だよ。ここ
は僕とベラの 2 人の方が、MP の消費が抑えられる。ベラがホイミを使う負担も減るから、ルカナ
ンを唱える機会が増えるしね。」
「なるほど……私にルカナンを使わせるためにボロンゴを殺したのね。あなたサイテーだわ。」
「じゃあ早くルカナン使ってよぉ。」
「そ、それは…」
ボロンゴが死んだ後は、おてうはひたすら防御し、ベラのルカナンを待った。但し、おてうとベラの
どちらかの HP が半分を切りそうになったら予めホイミで回復を行い、ベラにホイミを使う機会を与
えなかった。おてうよりベラのほうが素早いので、ベラより先にホイミを使うには、仲間の HP が半
分を切ってからでは遅いのだ。
雪の女王は定期的にホイミを使うので、おてうが手を出さない限りダメージは全く蓄積しない。こ
ちらの MP だけが減り続け、焦りが募る中、ついにその時は訪れた…!
ベラ
「行くわよ、ルカナン!あっ私ルカナン使った!」
おてう
「やっとルカナン使ってくれたね!よし、じゃあ僕も攻撃開始だ!」
おてうとベラは打撃攻撃を開始した。ルカナンで守備力が下がった雪の女王には、彼らの打撃も
十分通用した。
ベラ
「ルカナンが 1 回効いたら、おてうも私も打撃で 13 ダメージくらい出るようになったね。これなら
MP が尽きる前に倒せるわ。あと怖いのは力ため後の打撃ね。あれ食らったら即死よ」
「奴が力をためたら一応僕だけでも防御しておいた方がいいのかなあ。はい次ベラの番だよ」
「はいはい…ルカナン!ってあれ!?私ってばまたルカナン使ってる!」
「ナイス!うわ、今の僕の攻撃ダメージ 20 だって!これはかなり余裕あるかも!」
「これなら慎重に回復しておいても、MP が尽きる前に倒せそうだね。」
おてう
ベラ
おてう
ベラ
ルカナンが 2 回効いたことで与えるダメージが飛躍的に上がり、確変状態になった。こうなると後
はもう即死に気をつけるだけだ。HP が少し減った状態で雪の女王が力ためをしてきたらおてうは
防御。いっそ半分以上減っていればベラがホイミを使ってくれるので逆に安心なのだが。
力ため後の打撃は結局ほとんど来ず、余裕の勝利。終始安定してダメージを与える事ができた。
そして戦闘後に経験値が入り、これでおてうのレベルは 7。ビアンカの言ったとおり、極限最低レ
ベルでの幼年時代終了がここに確定したのだ。
~ボス戦ハイライト~
【ボス:雪の女王】
HP:550 攻:50 守:45
攻撃パターン:打撃 or 氷の息→打撃 or ヒャド→力ため or ホイミ
HP が 550 もあるため、必然的に長期戦となる。高い守備力を誇るため、低レベルではダメージをまともに与え
られない。550 という HP を削りきるためには、ベラがルカナンを使ってくれるのを待つしかないだろう。力ための
後に打撃されると 40 程度の大ダメージになるので、その 1 ターン前に回復を行うか防御で慎重に対処したい。
【仲間ステータス】
Lv
ボロンゴ
2
おてう
5
ベラ
7
- - - - - - - - -
HP
MP
44
0
46
17
38
47
- - - - - - -
攻
守
24
15
39
25
38
31
- - - - - - -
装備
ておりのケープ
銅の剣、皮の鎧、皮の盾
アイテム
魔法の聖水、薬草 8
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
さて、そんなこんなで「極限攻略小説」如何でしたでしょうか。むかーし一度だけホームページの日記に「Lv4
クリフト VS ギガデーモン」で超短編小説を書いた事がありましたが、今回はなんとなく思い切って会誌に載せて
しまいました。会誌に載せるということで、スペースの都合上幼年時代だけになってしまいましたが・・・。
今のやり込み界にはイマイチ「マンネリからの脱却」が足りないと感じるのですが、それを打破する方法は何も
プレイそのものの形態に限らないと考えた結果が、今回のこの原稿です。えっ、そうだったの?
反響が大きければ続編を書こうかななんて思っていますが、そんなはずはないのでまあ大丈夫でしょう。実
は既に結構書いてあったりしますが。元々僕は文章書きではなく、ただのドラクエプレイヤーですので、文才が
ない点はご容赦あるいはスルーして下さい。(笑)
皆様におかれましては引き続き楽しいゲームライフを。僕におかれましては皆さんが楽しめるクリアレポートを。
ああ永遠の課題。ではではこの辺で失礼いたします。
※ちなみに本攻略をふつーのレポートにしたものは、ネット上の「爆走おてう日記」の中で軽く公開されています。もし
かしたら「DQ5 極限攻略データベース」でもそのうち公開されるかもしれません。