セクション4 「実際の脳画像について②」 ・脳の基本構造を理解する ・中心溝の同定 ・各スライスのポイント 1 大 脳 脳梁幹 側脳室 脳梁膝 脳梁膨大 Monro孔 3 中脳水道 4 小 脳 2 脳溝と脳回 下前頭回(Broca) 中 心 後 溝 中 心 後 回(一次感覚野) 下前頭溝 中 心 溝 中前頭回 中 心 前 溝 上前頭溝 中 心 前 回(一次運動野) 上前頭回 上頭頂小葉 (~回という名称なし) 頭頂間溝 下頭頂小葉 縁上回 角回(言語の 視覚的理解) 裂 シルビウス 上側頭回(Wernicke) 後頭葉 上側頭溝 中側頭回 中側頭溝 下側頭回 3 中心溝の同定 「帯状溝辺縁枝」法 FLAIR 中心前回(M1)は厚い 中心後回(S1)は薄い 逆Ωの字法 下方へ中心溝を追跡 F 中心溝 縁上回 M1 S1 頭頂間溝 P 角回 脳梁体部まで下方 へ追跡してみます。 下方へ中心溝を追跡 中心後溝 帯状溝辺縁枝 脳溝追跡 大脳縦裂を前から後ろにたどり、最初に外側からぶ つかる溝が帯状溝辺縁枝 4 中心溝の同定 「逆Ωの字」法 中心前回(M1)は厚い 中心後回(S1)は薄い 帯状溝辺縁枝法 上前頭回 中前頭回 中心前回 M1 S1 中心前回でΩの形状をした部位は、手の運動領域(Motor hand area)と考えられており、特にprecentral knob と呼ばれている。 precentral knobに限局した病変により手の麻痺のみを呈した脳梗塞症例が報告されている。 脳溝追跡 5 ハの字レベルの上~半卵円中心レベル ~中心溝を追跡~ 半卵円中心レベル ハの字レベルへ 6 頭頂葉 前頭葉 人間の思考プロセスに特有の決定、解釈、社会的相互作 用等を柔軟に生成・処理する部位と考えられている 中 心 後 溝 中 心 後 回 中 心 溝 中 心 前 回 中 心 前 溝 一次体性感覚野以外は頭頂連合野であり、体性感覚と視覚、 聴覚、前庭覚などの様々な感覚から入力を受け、感覚情報の 集積や空間座標系の形成を行う 中前頭回(優位半球) 上前頭回 BA6(運動前野・補足運動野) 下頭頂小葉 優位半球後部にExner BA8(内側は前補足運動野、 優位半球:失語・ゲレストマン症候群(BA39)、失読・失書 の書字中枢あり 腹側は前頭眼運動野) 観念失行、観念運動失行 BA9=上前頭回前方に位置 下前頭回(優位半球) 劣位半球:半側空間無視、身体図式障害(BA5) 頭頂葉から体性感覚及び Broca野(BA44) 半側身体失認(BA40)、地誌的失認(BA7) 視覚関連の「どこ」情報 頭頂間溝にはサッケード運動 注意集中力↓計画性・判断↓ 2 3 に関する領域(LIP)、 4 意欲↓無関心・無感動 9 8 6 上前頭回 5 1 把握運動に関する領域(AIP) 7 上頭頂小葉 上前頭溝 到達運動に関する領域(PRR) 下前頭回 立体視の高次処理領域(CIP) 中前頭回 BA11(前頭眼窩野) などがあり、感覚と運動を 頭頂間溝 =辺縁系の活動調整 下前頭溝 統合し、いかに行動を起こ 下頭頂小葉 無茶な判断 すか(HOW)という運動 46 抑制低下等 下前頭回 角回(言語の 40 19 39 縁上回 BA46=側頭葉からの 44 視覚的理解) 制御の根幹に関わる 45 (Broca) 領域とされる。 18 視覚・聴覚関連情報 裂 ス 19 11 ウ ビ ル シ 41 42 「何」に関する情報 22 上側頭回(Wernicke) 後頭葉 後頭葉 BA17(一次視覚野) 側頭葉 上側頭溝 17 BA18(二次視覚野) 中側頭回 18 BA19(視覚連合野) Wernicke野(BA22)=上側頭回 中側頭溝 二次視覚野は一次視覚野からの 下側頭回 BA41/42(一次聴覚野) 視覚情報を解釈するとされ、対象 物の認知同定に重要な働きをなす。 優位半球:聴覚性言語中枢(BA22)があるとされ、聴覚性短期記憶及び言語理解 視覚連合野はさらに複雑な視覚認 の共通基盤と考えられている 識、空間認知に関わる。 劣位半球:視覚性のnon-verbalな認識に関係し、物体を視覚的に認識するための 対象物は「何」?=What 経路(腹側経路) 様々な記憶を蓄えているとされる。 対象物の「どこ」?=Where経路(背側経路) 7 ① ⑤ DWI ① ② ③ ② ④ ⑤ ⑥ ⑥ ⑦ ③ ⑦ ④ 脳梁膨大部 8 “ペンタゴン”レベル 側脳室下角・海馬周辺のレベル 5角形(ペンタゴン)の辺に沿って Willis動脈輪が存在 側脳室下角が拡大している場合、扁桃体、 海馬、海馬傍回の委縮が考えられる。 情動及び記憶障害を呈することが多い 9 “ペンタゴン”レベル上 側副溝 10 側脳室下角の拡大 側脳室下角は加齢により拡大するが、それは“海馬が委縮している”と判断します。 海馬傍回~舌状回、紡錘状回はいずれも視覚性認知と関係していると考えられている。 右病変では、相貌失認、街並失認が、左病変では失読(純粋失読)や視覚性失語、 両側病変では視覚性物体失認がそれぞれ出現することが多い。 11 海馬・海馬傍回・紡錘状回・舌状回 側副溝 12 “ダビデの星”レベル 中脳下部(下丘)のレベル 中脳脳幹網様体の障害により意識・ 覚醒障害と筋緊張の亢進を認める 下丘は、下丘→内側膝状体→聴覚野聴覚に関連 13 “ミッキーマウスの耳”レベル 中脳上部(上丘)レベル 上丘は衝動性眼球運動サッ ケードを出現させる 部位である。 大脳脚中央部の障害 (“ミッキーの耳”中央) 皮質脊髄路 皮質延髄路 が通過 障害を受けると 運動麻痺となる可能性 大脳脚内側部 の障害 障害を受けると 運動失調、注意障害、 認知機能障害、 情動障害等を呈する 可能性あり 14 大脳脚でのWaller変性 大脳の梗塞部位に皮質脊髄路が含まれると、神経線維のwaller変性が進み、それより末梢の運動線維が集中 する中脳大脳脚等の皮質脊髄路でも低信号域(CTでは低吸収域)となる。 15 “モンロー孔”レベル “モンロー孔”“松果体”レベル① もっとも綺麗な基底核の配置 視床は腹側核群の高さ 内包前脚 前頭橋路が小脳に向かい、 また尾状核頭と被殻とが強く 線維連絡している。 いずれの障害でも注意、認 知機能、遂行機能などに影 響を認める場合がある。 B 2時~3時 モンロー孔 W Broca野(2時~3時) (下前頭回後方下前頭回弁蓋部・三角部) 主に言語の運動面に関与 Wernicke野(上側頭回) 主に言語の聴覚的理解に関与 横側頭回 (ヘッシュル回) 内包後脚 皮質脊髄路が通過 内頚動脈(IC)から中大 脳動脈(MCA)になる直 前に前脈絡叢動脈 (AChA:穿通枝)が分岐 し内包後脚を灌漑してい る。 MCAが広範に梗塞した 場合でも、内包後脚が障 害されない事がある。逆 にこの穿通枝が閉塞すれ 16 ば、小梗塞でも運動麻痺 が起こる可能性がある。 脳梁膨大部レベル 側頭葉はほぼ終了 視床では背側核群の高さ 脳の連絡線維 投射線維:上下を結ぶ線維 視床皮質路 皮質脊髄路 前頭橋路、他 脳梁膝 脳梁膨大 連合線維:同側半球内を結ぶ線維 上縦束 鉤状束 下前頭後頭束、他 交連線維:左右半球を結ぶ線維 脳梁 前交連、後交連 脳梁膨大部は脳梁の中で最も太く、頭頂葉・ 側頭葉・後頭葉の線維連絡をしている 17 側脳室体部レベル 側脳室外側の皮質は概ね頭頂葉、後頭葉はほぼ終了 縁上回(上側頭回後方の頭頂葉エリア) 優位半球のこの領域が限局性に障害さ れると、失書・手指失認・身体部位失認 伝導失語や観念運動失行を認める。 M1(顔面領域) S1 左半側視空間無視の責任病巣 として最も代表的な部位は 劣位半球 縁上回・角回 縁上回(Brod40) 角回(Brod39) 角回(上側頭回後方の頭頂葉エリア) 主に言語の視覚的理解に関与 視覚性言語を聴覚性言語に変換する情 報処理をするといわれる視覚性言語野 下頭頂小葉エリア 側頭葉終了後に出現 18 ハの字レベル F M1(顔面~手領域) 顔面 上肢 体幹 下肢 P 上縦束 頭頂後頭側頭連合野と前頭葉を 結ぶ重要な連合線維で、認知機 能や言語機能に関わる。 O 左半側視空間無視の責任病巣として 最も代表的な部位は縁上回(Brod40) と角回(Brod.39)であるが、それらと 前頭葉とを結ぶ上縦束などの障害に よっても半側無視は起こる 19 半卵円中心レベル 中心溝を同定してみようレベル F 逆Ω U T L 逆Ω P 逆Ω 半卵円中心は水平断で脳梁が描出される断面よりも 上方の断面における大脳白質を指す (卵を半分に割ったような形状をしていることから命名)。 従って、半卵円中心には放線冠のほかにも様々な神経 線維束(帯状束や上縦束等)が含まれる。 20 放線冠の位置 概ね脳梁膨大部~ハの字レベルまで 放線冠は内包から放散する神経線維、内包に収束する神経線維の総称である。 21 実際の画像読影(脳画像とビデオ映像) 診断名:くも膜下出血(WFNS Grade5: World Federation of Neurological Surgeons ) 現病歴:平成24年10月12日発症。救急搬送時、自発呼吸なし。挿管、呼吸器管理。 頭部CT/CTA(CTAngiography)にて左MCA分岐部動脈瘤破裂による くも膜下出血と診断。重症例。コイリング術施工。 その後、自発呼吸安定にて抜管したが失語症状あり、頭部MRI施行。 左側頭葉・頭頂葉に急性期梗塞の診断。 徐々に発語がみられるようになり、簡単なコミュニケーションも可能。 運動機能には問題なし。 22
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