年次報告書 年次報告書 2014 2014 公益財団法人 JFE21世紀財団 JFE 21st Century Foundation 2003年4月の川崎製鉄と NKK(日本鋼管)の経営統合に伴い、 「JFE21世紀財団」は「川鉄21世紀財団」を発展的に継承し、 JFE グループの社会的貢献を担う財団として誕生いたしまし た。そして2012年4月から公益財団法人として新体制の下、 公 益目的事業を主体に事業を進めています。 (設立の目的) 「21世紀鉄鋼産業に資する調査・研究、大学研究助成、情報の 収集・提供、および鉄鋼関連地域の発展・国際交流に資する事 業を行うことにより、産業と社会・文化の調和あるパラダイム の構築をはかり、もって21世紀鉄鋼産業の振興および豊かな 生活文化の形成に貢献する。 」 2014年度年次報告書 目次 2014年度・年次報告書の刊行にあたって 1 2014(平成26)年度事業 2 Ⅰ. 大学研究助成事業 技術研究助成 2014年度 助成金交付研究 アジア歴史研究助成 2014年度 助成金交付研究 4 6 10 Ⅱ. 文化振興事業 ⑴ 鉄鋼に縁のある地域への貢献 ・福山ばら祭 ・ふれあい祭り(川崎市) ・MUZA ランチ&ナイトコンサート(川崎市) ・千葉県少年少女囲碁大会 ・ガーナ教育支援 ・三重県高等学校ロボット競技大会 ・国際音楽の日コンサート・千葉市民音楽祭 ・くらしき市民将棋大会 ・はんだふれあい産業まつり ・倉敷音楽祭 ・趙治勲杯囲碁大会(千葉市) ・芸能大全~まつりの世界~(福山市) ・トンボはドコまで飛ぶかフォーラム(横浜市) 12 12 12 12 13 13 14 14 15 15 16 16 17 17 17 ⑵ 「海外子女文芸作品コンクール」協賛と文集寄贈 18 当財団の刊行物 19 財務データ(2014年度) 20 評議員・役員名簿 21 ご挨拶:2014年度 年次報告書の刊行にあたって 2014年度 年次報告書の刊行にあたりご挨拶申し上げます。 「JFE21世紀財団」は、1990年の設立以来、JFE グループの社会貢献の一端を担う公益財団法 人として活動を続けて参りました。私はこの度理事長に就任いたしましたが、 当財団の公益事業 を更に充実・発展させて行くことを通じて、社会貢献の一翼を担うべく努力いたす所存でござい ます。引き続きご理解とご支援のほどよろしくお願いいたします。 さて、当財団の最重要の公益目的事業であります「大学研究助成事業」につきましては、 「技 術研究助成」と「アジア歴史研究助成」の2つの助成事業を継続いたしました。 「技術研究助成」 は応募167件に対して25件(鉄鋼技術15件、地球環境・地球温暖化防止技術10件) 、 「アジア歴史 研究助成」は応募65件に対して10件の助成対象者を各審査委員会にて厳正な審査を経て決定し、 2014年12月に総額6500万円の助成金を交付いたしました。今後とも、この「大学研究助成」事業 を継続・発展させ、日本の科学技術と人文科学の両分野における学術振興のお役に立ちたいと考 えております。 もう一つの公益目的事業である「文化振興事業」につきましては、例年同様、鉄鋼に縁のある 地域への貢献として、地域イベントへの協賛、また「海外子女文芸作品コンクール」への協賛等 を行い、地域や教育の活性化に役立てて頂きました。 また、「文化振興事業」の一環として注力して参りました情報提供活動として、今年度は「腐 食読本」の制作・刊行を行いました。金属一般の腐食・防食に関する基本的なテキストとして材 料科学を志す方々の活用を期待しております。 『社会に開かれた存在を目指し、社会との共存共栄をいっそう進める』を設立趣旨とする当財 団は、社会貢献の一端を担う公益事業を、これからも一層推進して参ります。皆様には更なるご 理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。 公益財団法人 JFE21世紀財団 理事長 林田 英治 2014(平成26)年度事業 2014 年 平成 26 年 4 5 6 公募(4月23日) 7 8 9 10 締切(6月23日) 書類審査 《大学研究助成事業》 「技術研究助成・審 「アジア歴史研究助 ・技術研究 ・アジア歴史研究 「助成 「福山ばら祭」 (5月17、 18日) 「京浜ふれあい祭」 (5月25日) 「MUZAランチ&ナイトコンサート」 (6月10日、1月8日) 「千葉県少年少女囲碁大会」 (7月6日、 7月13日、 「ガーナ教育支援」 (6月、2015年2月) 「三重県ロボット競技大会」 ( 8月 《文化振興事業》 「トンボはドコまで飛ぶかフォーラ ・鉄鋼に縁のある 地域への貢献 ・海外子女文芸作品 コンクール協賛 「国際音楽の日コン 「腐食読本 (大学副教材) 」 の制作 4 5 6 7 8 9 「定時評議員会」 (6月9日) ・2013年度事業報告、計算書類等の承認 ・理事、監事の選任 《財団の運営》 ・評議員会 ・理事会 ・内閣府届出等 監事監査報告の受領(5月14日) 「通常理事会」 (5月26日) ・2013年度事業報告、計算書類等の承認 ・定時評議員会の招集の決定 「臨時理事会」 (6月9日) 〔理事長、専務理事の選定〕 2013年度事業報告等の提出〔内閣府〕 (6月26日) 10 2015 年 平成 27 年 11 12 1 2 3 査委員会」 (9月 12 日) 成・審査委員会」 (9月19日) 研究 35 件」 発表 (10 月1日) 「助成金贈呈式」 (12月1日) 「研究報告書」制作刊行 11月9日、3月22日) 16日、 10月26日、 1月24日) ム」 (本調査8月4日∼24日) サート」 (9月27、 28日) 「海外子女文芸作品コンクール」 (11月1日) 「地球に学ぶ」寄贈(2月) 「くらしき市民将棋大会」 (11月3日) 「はんだふれあい産業まつり」 (11月8、 9日) 「千葉市民音楽祭」 (11月16日) 「趙治勲杯囲碁大会」 (2月22日) 「倉敷音楽祭」 (2月28日∼3月22日) 「芸能大全∼まつりの世界∼」 (3月1日) (3月 完成⇒配布) 11 12 1 2 3 「臨時評議員会」 (3月23日) ・評議員、理事、監事の選任 ・2015年度事業計画書等の報告 「臨時理事会」 (12月22日) 〔・事務局長の新任〕 「通常理事会」 (3月11日) ・2015年度事業計画書等の承認 ・財団諸規程改定・制定の承認 ・評議員会の決議省略および報告省略提案の承認 2015年度事業計画書等の提出〔内閣府〕 (3月30日) Ⅰ.大学研究助成事業 公益財団法人 JFE21世紀財団の最重要事業である「大学研究助成」は、財団設立以来継 続している「技術研究助成」と2005年度に開始した「アジア歴史研究助成」から構成される。 2014年度は4月23日より公募を開始し、公募案内と募集要項を、技術研究助成では理工学 系学部・大学院・付属研究所・国公立研究機関に、アジア歴史研究助成では人文社会科学系 学部・大学院・付属研究所・国公立研究機関に送付した。 申請の受け付けは、公募を掲載した財団 HP から事務局に Email を送信する形式で行われ ている。 4月23日に応募受付を開始し6月23日に締切ったところ、技術研究が75の大学・国公立研 究機関等から167件、アジア歴史研究は46の大学・国公立研究機関等から65件の申請を受け付 けた。両研究助成とも、7~8月に各審査委員による申請書査読を経て、技術研究は9月12 日に審査委員会を開催し、助成研究25件(内 鉄鋼15件、地球環境・地球温暖化防止10件) を、アジア歴史研究は9月19日に審査委員会を開催し、助成研究10件を推挙した。ともに財 団理事長の承認を得て、10月1日に対外発表した。 助成金贈呈式は、 12月1日に助成金受領者31名の出席を得て、列席者総数約100名で盛大に 催された。馬田一・理事長の挨拶、小倉康嗣・技術研究助成審査委員長ならびに染谷臣道・ アジア歴史研究助成審査委員長の審査報告を経て、理事長から受領者に研究助成金贈呈書を 手渡した。贈呈式の後、東京大学名誉教授の鈴木俊夫氏による「歴史の中の研究」と題する 記念講演を行った。昼食を兼ねた懇親会は、林田英治・評議員の挨拶と乾杯の発声で始まり、 研究助成受領者を囲んで賑やかに執り行われた。 馬田理事長の挨拶 技術研究助成審査委員長の審査報告 アジア歴史研究助成審査委員長の審査報告 助成金贈呈書の授与 技術研究助成受領者(鉄鋼技術研究) 技術研究助成受領者(地球環境・地球温暖化防止技術研究) アジア歴史研究助成受領者 記念講演「歴史の中の研究」鈴木俊夫東京大学名誉教授 懇親会 懇親会 記念講演「歴史の中の研究」 鈴木俊夫氏は、 1972年に東京大学工学部冶金学科を卒業され、大学院博士課程修了後、長岡技術科学大学工学部 助教授、東京大学工学部金属工学科助教授を経て、1994年に同学科教授に就任された。2012年に同大学を退官さ れ、現在は東京大学名誉教授。また、JFE スチール㈱スチール研究所のリサーチアドバイザーも務められる他、 様々な分野で活躍されている。長年の凝固工学、金属生産工学の分野での業績は高く評価されており、2014年には 日本鉄鋼協会から「鉄鋼の凝固プロセスに関する基礎的研究」に対して西山賞を贈られている。 今回の記念講演では、金属の凝固過程を撮影した数々の貴重な映像も紹介しながら、凝固理論が長い時間をかけ て紆余曲折しながら発展してきた経過を辿り、技術や研究がどのように発展するのかについて、凝固工学という具 体的な事例を通してご講演頂いた。 最後にまとめとして、凝固理論に関しても歴史的には3、4回の飛躍があったが、その前には必ず閉塞・混迷の 時期があり、そこでこそ「本物を見抜く目」が重要になると話された。また、 「決断した者のみが、自分が何を決 断したのかの本当の意味を認識する」 、 「良い同僚・後輩との共同研究は一期一会であり、それを大事にするのが成 功するキー」等、研究助成受領者へ貴重なアドバイスを頂いた。 ●●●●●● 技術研究助成 今年度は下記の募集要項で4月23日から6月23日の間、応募を受け付けた。 助成(原則) 総額5,000万円(1件200万円 を25件に交付) 対象 日本の国公私立大学と国公立研究機関に所属する研究者(国籍不問) 鉄鋼技術研究(13±1件) :製造プロセス、鉄鋼材料、計測・制御・分析等関連技 術の研究 :地球環境保全、地球温暖化防止 地球環境・地球温暖化防止技術研究(12±1件) の研究 *研究期間 原則1年(研究状況等の変化に応じて2年までの延長は可) 応募総数167件(内訳:鉄鋼59件、地球環境・地球温暖化防止108件)は、昨年度より20件増であった。 * 大学別応募数:国公立44大学114件、私立13大学20件、高専9校14件、国公立研究機関6件 審査 小倉康嗣 審査委員長(JFE スチール副社長)を始めとする大学教授6名及び JFE グループ技 術系役員4名から成る審査委員会が、 「鉄鋼技術研究」15件、 「地球環境・地球温暖化防止技術 研究」10件、合計25件を選考・採択し、理事長の承認を得て2014年度助成研究とした。 選考された研究は基礎研究に類するものから早期の実用化を目指すものまで多様である。また 学術的・工業的に高い評価を受け、社会的貢献が大いに期待されている研究である。 【研究テーマ分類別・助成と応募件数 および応募件数の推移】 鉄鋼 助成 応募 教授 准教授 助教 他 13年度応募 製造プロセス 6 25 5 8 10 2 20 材料 6 19 9 4 5 1 20 関連技術 3 15 2 8 2 3 22 計 15 59 16 20 17 6 62 地球環境保全 3 35 10 10 11 4 39 地球温暖化防止 6 56 24 20 11 1 38 環境材料開発等 1 17 2 9 4 2 8 計 10 108 36 39 26 7 85 25 167 52 59 43 13 147 合 計 300 応募件数の推移 (2003∼2014年度) 新素材等 250 地球環境 鉄鋼 応募件数 200 150 100 50 0 03 04 05 06 07 08 事業年度 09 10 11 12 13 14 2014年度 助成金交付研究 【鉄鋼技術研究】 (1/2) 研 究 者 東京工業大学大学院 理工学研究科 おおしま たかよし 大島 孝仁 助教 他1名 名古屋大学 エコトピア科学研究所 お き ど まさずみ 興戸 正純 教授 他1名 岡山大学大学院 環境生命科学研究科 か と う よしえい 加藤 嘉英 教授 産業技術総合研究所 電子光技術研究部門 研究テーマ ステンレスのさびを利用したエネルギー創成光触媒の開発 本研究では、申請者らが単結晶薄膜の研究から見いだした新しい可視光応 答型光触媒材料である酸化鉄クロム固溶体を、より普及を見据えたステン レス材の酸化により作製し、その有用性を検証する。 自己組織化単分子膜を複合化した超撥水性表面の創製 化成処理や陽極酸化処理により、大きさとかたちを制御した腸内構造のよ うな幾何学表面を Mg 合金などに形成し、孔中にインヒビター分子、撥水 分子を結合させ、超撥水性で自己修復性を保つ表面創製を図る。 精錬反応における局所領域に着目した撹拌方式の評価 異相間物質移動または微小粒子の凝集合体挙動に関するコールドモデル実 験を行い、局所的に移動速度または凝集合体速度の大きい箇所を特定しメ カニズムを解析することで精錬プロセスにおける効果的な撹拌指針を得る。 酸化鉄形成過程への光学的評価方法の適用 桑原 正史 上級主任研究員 他2名 本研究では、鋼材表面の酸化物層に対し、分光エリプソメトリーやラマン 散乱法を適用し、酸化膜の光学特性、膜構造、温度を非接触・非破壊で測 定を行う。最終的には鋼材製造プロセスの管理方法としての確立を目指す。 大阪大学大学院工学研究科 高炉スラグから製造した吸着材による効率的リン回収・再資源 化技術の創出 くわはら くわはら ま さ し やすたか 桑原 泰隆 助教 他2名 九州大学大学院工学研究院 こ や ま もとみち 小山 元道 助教 他2名 埼玉大学大学院理工学研究科 し お だ たつとし 塩田 達俊 准教授 宇部工業高等専門学校 物質工学科 すぎもと け ん じ 杉本 憲司 講師 他1名 千葉大学大学院工学研究科 た け い まさひろ 武居 昌宏 教授 他2名 本研究では、高炉スラグの高付加価値化利用技術および効率的なリン回 収・再資源化技術の創出を目指し、高炉スラグを原料とした吸着材の合成 と、これを用いた水中のリン吸着除去への応用を行う。 Mn-C 相互作用を利用したオーステナイト系ステンレス鋼の疲 労限創出 本研究は、γ系ステンレス鋼において、 「き裂停留限界支配の疲労限」を創 出することを目的とする。Ni を Mn で置換し、 炭素を添加することで、 Mn-C 相互作用に起因するひずみ時効を発現させ、き裂の停留限界向上を狙う。 広い表面形状を高分解で高速に計測する非接触センシング技術 の研究 デジタルムービーの様にリアルタイムで動く物体の断層動画像を観測で き、金属表面や塗装膜の内部構造と組成を非接触・非破壊かつ高速に計測 できる光センシングシステムを開発する。 鉄鋼スラグの化学的・物理的特性の違いによる岩礁性藻場造成 モデルの構築 本研究は、化学的・物理的特性の異なる製鋼スラグを用いて、着生する藻 の種類や量及び水質などへの影響について明らかにし、岩礁性藻場基盤材 としての特性から藻場造成モデルの構築することが目的である。 トモグラフィーによる模擬炉内の固気液三相流の相分布と温度 分布の非接触4D 可視化計測 製鉄工程においては、銑鉄の気泡分布と温度分布のリアルタイム非接触型 可視化計測が不可欠である。プロセス・トモグラフィー法を用いて、高粘性 気液二相流中の気泡分布の4D リアルタイム可視化計測法の確立を目指す。 2014年度 助成金交付研究 【鉄鋼技術研究】 (2/2) 研 究 者 東北大学多元物質科学研究所 の が み ひろし 埜上 洋 教授 他3名 東北大学 原子分子材料科学高等研究機構 ひ ら た あきひこ 平田 秋彦 准教授 研究テーマ 高炉充填層内の液体・粉体共存流動特性の解明 高炉の極低還元材比操業実現に不可欠な炉内通気・通液性の維持・制御の 基礎とするため、高炉炉下部充填層内の気体、液体および粉体からなる同 時流通系の流動特性をミクロ視点から明らかにする。 先端透過電子顕微鏡を用いた ODS 鋼中のナノ酸化物の解析 次世代高速炉の材料として期待されている ODS 鋼の優れた機械的性質を 理解するため、鉄母相中に均一分散されたナノ酸化物の構造的特徴につい て収差補正走査型透過電子顕微鏡と計算機的手法を用いて明らかにする。 水素誘起超多量空孔検出とその金属物性への影響 千葉大学大学院工学研究科 ふじなみ まさのり 藤浪 眞紀 教授 北海道大学大学院工学研究院 まつしま ひさよし 松島 永佳 准教授 物質・材料研究機構 材料信頼性評価ユニット 鉄系試料の水素脆化および電解金属めっき膜の構造不安定性の要因であ る水素誘起空孔の形成挙動を局所計測および薄膜測定を可能とした陽電 子消滅法および昇温脱離分析法により測定し、物性との相関を明らかにす る。 高速走査プローブ顕微鏡を応用したアルミニウムめっき膜によ る鋼板防食への展開 高速走査プローブ顕微鏡を使い、イオン液体中から電析するアルミニウム 原子のダイナミックなその場観察を行い、不純物の発生過程や表面構造の 形成メカニズムを明らかにし、優れた犠牲防食めっき膜を創製する。 高クロムフェライト系耐熱鋼の溶接部の早期破壊機構の解明 松永 哲也 研究員 他2名 火力発電プラントの主蒸気管等で用いられる高クロムフェライト鋼にお いて、溶接部でみられるクリープき裂の発生メカニズムを解明し、破壊や 変形を高精度に予測可能な変形予測式の構築を目指す。 東北大学大学院工学研究科 毛細管現象を利用した製鋼スラグ中酸化鉄、酸化りんの分離 回収 まつなが み き て つ や たかひろ 三木 貴博 准教授 毛細管現象を用いて、製鋼スラグ中の固・液相分離を行う。酸化鉄を含む 製鋼スラグの液相を固体酸化物焼結体の空隙に吸収させ、液相を酸化りん を含む固相と分離し、製鋼スラグ中の酸化鉄、酸化りんの回収を行う。 【地球環境・地球温暖化防止技術研究】(1/2) 研 究 者 茨城大学工学部 マテリアル工学科 い け だ てるゆき 池田 輝之 教授 群馬大学大学院理工学府 いわもと し ん じ 岩本 伸司 准教授 他2名 研究テーマ ガス透過型熱電デバイスの創製と新しい熱エネルギー回収 多孔化した熱電材料中に燃焼ガスを流し出口で燃焼させる新しい熱電変 換素子を開発する。ガス上流における熱交換と、下流における燃焼によ り大きな温度差、大きな熱起電力を得て、効率のよい熱電変換を実現す る。 酸化バリウム触媒を用いた窒素酸化物の直接分解除去に関する 研究 NO 直接分解は還元剤を用いないシンプルな脱硝法として注目されてお り、我々はこれまでに塩基性の酸化物触媒が本反応に有効であることを見 出している。本研究ではその高活性化と反応原理の解明を目指す。 【地球環境・地球温暖化防止技術研究】(2/2) 研 究 者 九州大学応用力学研究所 う ち だ たかのり 内田 孝紀 准教授 東京理科大学大学院 理工学研究科 研究テーマ 風車の重大事故防止に資する乱気流診断システムの開発 局所的な風の乱れが原因で、風車の発電成績が著しく悪い事例や、故障が 多発するなどの事例が報告されている。本研究では、そのメカニズムを数 値風況シミュレーションにより再現して解明する。 固定速フライホイール電力貯蔵に関する研究 近藤 潤次 准教授 回転角速度は一定に維持し、慣性モーメントを変化させることで、半導体 変換器を用いずに充放電を行えるフライホイール電力貯蔵装置について、 その原理の実証および実現可能性の検討を行う。 山口大学大学院理工学研究科 鉛の土壌中金属酸化物への選択的濃縮現象:メカニズムの解明 と先駆的土壌浄化技術への活用 こんどう す ず き じゅんじ た す ま 鈴木 祐麻 助教 他1名 相変化を伴わない「高効率」 「薬品無使用」 「省エネルギー型」の先駆的土 壌浄化技術の開発を目指して、土壌中に含まれる微量金属酸化物と鉛の相 互作用およびその重要性を明らかにする。 電気化学的手法による革新的省エネルギーCO2分離回収システ 九州大学カーボンニュートラル・ ムの開発 エネルギー国際研究所 たにぐち い く お 谷口 育雄 准教授 宇部工業高等専門学校 物質工学科 な か の よういち 中野 陽一 准教授 他3名 名古屋工業大学大学院 工学研究科 なかやま まさのぶ 中山 将伸 准教授 東京大学大学院工学系研究科 ま つ い ひろあき 松井 裕章 講師 他1名 製鉄高炉等から排出される CO2の分離回収エネルギーの大幅な低減を目 的として、CO2を炭酸塩水溶液中に吸収させ、電気透析による濃縮後に減 圧放散にて CO2を回収する革新的 CO2分離回収技術の確立を行なう。 アマモ群落の遺伝的解析による種母となる群落の特定と広域管 理方法に関する研究 広島県西部、山口県東部のアマモ群落をマイクロサテライト分析により遺 伝的に相同な個体群分布を明らかにし、種子供給源となるアマモ群落を特 定する。種子供給でリンクされた海域全体の広域保全方法を提案する。 理論計算による酸素透過性ペロブスカイト酸化物の電子・イオ ン混合輸送メカニズム解明 酸素透過性セラミックスとして注目されるペロブスカイト型遷移金属酸 化物について(a)酸素・電子混合伝導メカニズムと(b)系中のカチオン 拡散能を原子レベルから理論計算によって解明する。 透明酸化物半導体プラズモニックナノ粒子に立脚した熱線遮断 技術の開発 本研究では、低コスト・低環境負荷な透明酸化物半導体ナノ粒子を基盤と したプラズモニックマテリアルを用い、ナノ粒子間の近接場制御に基づい た近赤外域での選択的高反射性能を有する熱線遮断シートを開発する。 ナノポーラス材に充填した液体金属の固体電池負極への応用 名古屋大学工学部 もとやま むねかず 本山 宗主 助教 他1名 Ga 系の液体金属をナノポーラス材へ充填し形状を保持することで、全固 体リチウム二次電池のための負極として用いる。液体金属を用いて負極/ 固体電解質界面に生じるクラックや空隙を解消する二次電池負極を開発 する。 ●●●●●● アジア歴史研究助成 今年度は下記の募集要項で4月23日から6月23日の間、応募を受け付けた。 助成(原則) 総額1,500万円(1件150万円を10件に交付) 対象 日本の国公私立大学・国公立研究機関に所属する研究者(国籍不問) 「アジアの歴史を対象とし、その研究成果が21世紀アジアの産業・通商交易と文化・ 社会の予見・展望を通して21世紀アジアに共存共栄するための日本の産業と文化の Vision 構築に資する研究」 。個別の歴史事象の研究や予見・展望等の論説はそれ単 独では対象としない。募集要項での記述に加えて、応募申請書にも上記太字下線部 分を書き入れ、助成対象は単なる歴史研究ではなく、21世紀アジアに共存共栄する 日本に対する提言に結びつく研究であることを明示した。 *研究期間 原則1年(研究状況等の変化に応じて2年までの延長は可) 応募総数65件は、昨年度より16件増であった。 * 大学別応募数:国公立27大学43件、私立15大学18件、高専1件、国公立研究機関3件 審査 下記の3名から成る審査委員会が、査読審査、委員会での協議を経て10件を選考・採択し、理 事長の承認を得て2014年度の助成研究となった。 委員長 染谷臣道(財団評議員、静岡大学名誉教授) 委 員 梅村 坦(中央大学総合政策学部教授) 、菊池秀明(国際基督教大学教養学部教授) 【応募研究テーマの分類】(総応募数65件から56件を抜粋して分類) 西・中央 アジア全般 アジア 政治・法律 国際関係 (1) 1(1) 助成対象(応募件数) 南アジア 東南アジア 北東アジア 中国 (1) (2) 1(1) 2(3) 経済・通商 1(3) (1) 2(6) 東アジア 計 0 ( 3 ) 1(3) 8 (19) 1(1) 1 ( 3 ) (1) (1) 0 ( 2 ) (1) (1) 農業・産業 社会・宗教 朝鮮半島 (6) (1) 1(4) (2) (2) 1 (15) 文化・芸術 (1) (1) (1) (5) (1) (5) 0 (14) 計 (2) 1(1) 1(2) 2(12) 1(4) 3(18) (5) 2(12) 10(56) 120 応募件数の推移 (2005∼2014年度) 100 応募件数 80 60 40 20 0 05 06 07 08 09 事業年度 10 10 11 12 13 14 2014年度 助成金交付研究 【アジア歴史研究】 研 究 者 研究テーマ 京都大学大学院 アジア・アフリカ地域研究研究科 国際関係のなかの華僑・華人:20世紀以降のベトナムを舞台として い と う ま さ こ 伊藤 正子 准教授 他1名 広島大学 教育開発国際協力研究センター く さ か べ た つ や 日下部 達哉 准教授 一橋大学大学院社会学研究科 さ と う よしふみ 佐藤 仁史 教授 他2名 東北大学 東北アジア研究センター てらやま きょうすけ 寺山 恭輔 教授 他1名 早稲田大学高等研究所 の だ じん 野田 仁 准教授 他2名 弘前大学人文学部 ま つ い だい 松井 太 教授 他2名 東京大学大学院総合文化研究科 まゆずみ あ き つ 黛 秋津 准教授 東京外国語大学 アジア・アフリカ言語文化研究所 み お ゆ う こ 三尾 裕子 教授 他3名 九州産業大学国際文化学部 も り や ゆ み こ 森谷 裕美子 教授 他2名 東京理科大学工学部 り かいえん 李 海燕 専任講師 他3名 ベトナム国家の華僑・華人政策の変遷と華人側の対応を、20世紀以降の歴 史において明らかにすることを通じ、居住国と対立する国家と係累をもつ 民族的少数者を、同化ではなく、社会にどう統合していけるかを検討する。 近現代バングラデシュの人的資本発達史研究 1900年代前半から現代にかけ、バングラデシュ・チッタゴン地域の人的資本 がいかに発達してきたか、現地調査をもとに明らかにし、現在ある「人的資 本」という概念に、教育史・生活誌を基盤とした人間的意味を付与する。 近代中国の郷土意識と地域文化に関する社会史研究 近代中国における郷土意識の形成・変容過程と地域文化の捉え方について 社会史の角度から研究すること、フィールド調査と文献史料とを組み合わ せた史学研究の方法の有効性を示すことを目的とする。 20世紀前半の極東アジア諸国による交通政策と社会変動 満洲国を支配した日本と深い関係のあった第二次世界大戦前後の極東地 域を対象に、蒋介石、スターリンの中ソ指導部による鉄道を中心とした交 通政策の実態を明らかにし、それが当該社会にいかなる影響を及ぼしたの か明らかにする。 露清帝国間の移動・境界と国際秩序 19世紀末~20世紀初頭におけるロシア帝国・清朝間の西方国境の画定過程 とそこから生ずる越境の問題を事例として、帝国側および帝国間の諸集団 (とくにカザフ等の遊牧民)による秩序安定に向けた取り組みを考察する。 10~14世紀東方ユーラシアにおける古代ウイグル族ネットワークの解明 西暦13~14世紀のモンゴル帝国時代およびそれに先立つ10~12世紀にお いて、トルコ系ウイグル族が東方ユーラシアに展開した政治的・経済的・ 文化的ネットワークの実態を解明することを目的とする。 オスマン帝国のクリミア支配とロシアの進出によるその変容― 黒海地域史の観点から 今日の黒海地域をめぐる国際関係の原点と考え得る、18世紀のロシアの黒 海進出に注目し、その焦点の一つであったロシアのクリミア進出過程を、 伝統的なオスマン=クリミア関係の変容という観点から考察する。 膨張する中国による東アジア新秩序下の中台関係に関する人類学的研究 中国への返還後の香港の政治状況の変化、現代中国の海洋海域への進出 や、中国人観光客の台湾への大量流入などが台湾の人々の中国に対する認 識や行為(実践)に与える影響を、人類学的に調査、考察する。 フィリピンにおける北部ルソン日系人社会の歴史的経験に関する研究 フィリピンへの戦前の日系移民の先住民族社会への適応過程とその生活実 態について検証することで、現代社会における多様な移民問題の実情を把 握し、グローバル化された世界の今後の見通しを立てるための提言を行う。 中国東北地区の民族雑居地域における民族関係をめぐる社会史的考察 ―漢・満・モンゴル・朝鮮族雑居地域でのフィールドワークを通じて― 中国東北地区における民族雑居地域でのフィールドワークを通じて、 「満 洲国」時代から現在に至るまでの漢・満洲・モンゴル・朝鮮族など諸「民 族」間の民族関係を社会学的なアプローチで、複眼的な考察を行う。 11 Ⅱ.文化振興事業 鉄鋼に縁のある地域への貢献 福山ばら祭 5月17・18日の2日間、福山市の一大イベント「福山ばら祭2014」 が、 「STEP UP ROSEMIND -ばらを愛でよう、私たちの心に-」 をテーマに掲げ盛大に開催された。両日とも晴天に恵まれ、入場 者数は81万人と昨年の73万人に比べ8万人も多い来場者となっ た。ばら公園・緑町公園を中心に、毎年恒例のローズパレード、 ローズウェディング、お祭り広場、切りばらコンテスト、フラワー アレンジメント等各種行事が催された。また大道芸や福山グルメ なども楽しめる2日間であった。昼間だけではなく夜もライトア ップされたばらが楽しめ、街が一つになった。市民が毎年楽しみ にしているお祭りのゲストは、アニメ「ワンピース」の主題歌を 歌うアニソン歌手でファンは大いに盛り上がった。 主催 福山祭委員会(会長:福山市長) 、福山市 協賛 (公財) JFE21世紀財団 等 ふれあい祭り(川崎市) 5月25日に JFE 特設会場[THINK テクノハブイノベーション 川崎]で、音楽とものづくりがふれあうイベント「ふれあい祭り 2014」が開催された。 《音楽・ものづくり・海・防災福祉とのふれあい》をモットーに しているお祭りである。晴天の中スチールパンドラム演奏で華や かにスタートした。5月開催になって3度目となった今年は来場 者もすっかり春開催に慣れ、昨年より5,000人も多い45,000名の来場 者であった。 会場には消防、警察、海上保安庁の展示があり他にも福祉、自 動車の展示もあった。例年好評のツアーは、熱延工場見学、島内 バスツアー、扇島周辺ミニクルーズの3種類で2,214名の参加があ った。メインステージではアンパンマンショー、最終ステージで は若者に人気のゲストを迎え、大人も子供も楽しんだ。 主催 「ふれあい祭り」実行委員会 後援 「音楽のまち・かわさき」推進協議会、川崎商工会議所 協賛 (公財) JFE21世紀財団 12 MUZA ランチ&ナイトコンサート(川崎市) 「ミューザ川崎」で JFE21世紀財団の冠コンサート「JFE ランチ& ナイトコンサート」に協賛した。今年で9回目の協賛となるこのコ ンサートは、手近な料金(ランチタイム500円、ナイトコンサート 1000円)、親しみやすい曲目で(30~40分)ちょっとした空き時間を 駅の近くのコンサートホールで楽しめるプログラムであるため、買 い物のついでや会社帰りに楽しむ人々が多い。このホールのパイプ オルガンはストップ(音色)の数が71、パイプの総数は5,248本の日 本最大級のオルガンである。初めて聴く人は演奏が始まるとその音 の響きの迫力に驚かされる。6月公演は J.S バッハやワーグナー、メ ンデルスゾーンを、1月公演ではパイプオルガンとヴィオラのコラ ボレーションでバロック時代の曲を中心に演奏した。 2014年6月10日 心癒されるオルガン&トランペットの共演 パイプオルガン:山本真希、トランペット:佐藤友紀 2015年1月8日 新年はオルガンとヴィオラのあたたかい音色を聴く! パイプオルガン:岩佐智子、ヴィオラ:澤田 恵 主催 (公財) 川崎市文化財団、ミューザ川崎シンフォニーホール 協賛 (公財) JFE21世紀財団 千葉県少年少女囲碁大会 主催者の「千葉県少年少女囲碁連盟」は、千葉県内での少年少 女の囲碁の普及・棋力向上およびこれを推進するためのノウハウ の蓄積、展開を行っている。囲碁普及活動を通して子供達の健全 な育成への支援を行っているこの連盟主催の囲碁大会に今年も協 賛した。 連盟が主催する囲碁大会の35年間の小中学生歴代名人から10名 のプロ棋士が誕生している。 (高尾紳路十段、森田道博九段、三村 智康九段等)7月6日開催の千葉県大会には総勢182名の小中学生 が参加して熱のこもった戦いが繰り広げられた。大会には高尾紳 路十段ら5人のプロ棋士が訪れ、指導碁や入門教室を開き好評を 博した。 ( )内は参加人数 2014年7月6日 第35回少年少女囲碁大会 千葉県大会予選 (182人) 7月13日 第1回小中学校囲碁団体戦 千葉県予選 (232人) 11月9日 東邦大学祭囲碁フェスタ2014 (190人) 2015年3月22日 第32回千葉県少年少女囲碁大会 (186人) 主催 千葉県少年少女囲碁連盟 後援 ㈶日本棋院、船橋市、千葉県 協賛 (公財) JFE21世紀財団 13 鉄鋼に縁のある地域への貢献 ガーナ教育支援 国際的 NGO「プラン」は1992年からガーナで地域開発を実施し ており、プラン・ジャパンを通じてガーナ南部の中央州にある小 学校に教室備品と図書を支給した。支援対象校6校があるコミュ ニティの住民たちからプロジェクトへの理解を得るため、合計 1,546人の参加を得て説明会を実施した。また支援対象校6校では 各校の子どもたち、教師、学校管理委員会メンバーなどに教室備 品および図書の取り扱いに関するトレーニングを行った。トレー ニングによって、施設の維持管理方法や図書が充実することで、期 待できる効果などを学んだ上で、支援対象校6校に図書合計4,800 冊、椅子付き机合計223台を支給した。プロジェクトの結果は、子 どもたちをはじめとするコミュニティ住民に好評とのことで、海 外での社会貢献の一翼を担うことができた。 主催 (公財) プラン・ジャパン 協賛 (公財) JFE21世紀財団 (写真提供:プラン・ジャパン) 三重県高等学校ロボット競技大会 三重県高等学校工業教育研究会が主催する3つのロボット競技 大会および工業教員の技術向上の研修事業に協賛した。ロボット 競技大会では三重県内の全ての工業高校生が一堂に会して、製作 したロボットを持ち寄り対戦して競い合うことにより、技術力の 向上への意欲が高まった。 また一般市民に対して、工業高校生の活動を広く知ってもらう 機会ともなった。 2014年8月16日「第19回 相撲ロボット競技大会」 ・ラジコン型の部 54名・自立型の部 8校16名参加 10月26日「平成26年度 ロボット競技大会」 ・アイデアロボット競技 8校48名参加 2015年1月24日「第11回三重県高等学校ロボコン大会」 ・ロボットフットボール競技・2足歩行ロボット競技大会 8校45名参加 8月26日「工業教員の技術向上のための技術研修会」 7月24日、 主催 三重県高等学校工業教育研究会 後援 JFE エンジニアリング㈱津製作所 協賛 (公財) JFE21世紀財団 14 国際音楽の日コンサート・千葉市民音楽祭 主にクラシック音楽の普及・向上を目指して活動してい る千葉市内のプロ・アマの音楽家有志の団体である「千葉 市音楽協会」主催の以下のコンサートに協賛した。 「第19回国際音楽の日コンサート」 毎年「国際音楽の日」に合わせて開くコンサートで、9 月27、28日の2日間にわたり千葉市民会館大ホールにて開 催した。千葉市音楽協会創立60周年に当たる今年は、指揮 者、ソリスト、オーケストラ団員及び合唱団を千葉市在住 または千葉市で活躍している人々で編成し、 「カヴァレリ ア・ルスティカーナ」等のオペラを上演した。 「第61回千葉市民音楽祭」 11月16日千葉市民会館大ホールで開催した。千葉市内で 活動する合計38の音楽愛好団体の参加があった。出演者総 数は850名で、日頃の練習の成果をお互いに聴きあった。 主催 千葉市音楽協会 共催 千葉市 協賛 (公財) JFE21世紀財団 くらしき市民将棋大会 11月3日、JFE スチール倉敷体育館にて「くらしき市民将棋大 会」が開催され今年度も協賛した。倉敷市は大山康晴15世名人の 出身地であり、大山名人杯、女流4大タイトル戦「倉敷藤花戦」な どを開催している「将棋のまち」である。開催10回目の今年の大 会には、佐藤康光九段、菅井竜也五段、山口恵梨子女流初段を迎 え開催された。 懸賞詰将棋、団体戦、個人戦、指導将棋(佐藤九段、菅井五段、 山口女流)、子ども将棋大会と席上対局(佐藤九段 対 川口アマ五 段)などが催された。団体戦には80名、個人戦には120名、子ども 将棋大会には130名の参加があり、父兄や一般観戦者、詰将棋回答 者など合わせて約700名が来場した。 主催 倉敷将棋振興事務局 後援 倉敷市・日本将棋連盟・山陽新聞社 協賛 (公財) JFE21世紀財団 15 鉄鋼に縁のある地域への貢献 はんだふれあい産業まつり 11月8日、9日に半田市で「2014はんだふれあい産業まつり」が 開催された。盛りだくさんのイベントと半田市の産業を紹介する このお祭りは、JFE スチール㈱知多製造所、半田運動公園を会場 として開催され、2日間で40,000人の来場者で賑わった。 8日土曜日はオープニングセレモニーとして3500個の餅投げが 行われた。ステージでの各種パフォーマンスに加え、サブステー ジでの大道芸、大声コンテストなどが行われた。工場見学、消防 体験、交通安全コーナーでのはしご車体験、パトカーとの記念撮 影、ミニ鉄道など、大人も子供も楽しむことができた。 9日日曜日もステージイベントがあり、恒例のごん鍋ふるまい、キ ッズチャレンジファクトリー、豪華景品の当たる商工会議所主催の 大抽選大会、有料畜産物即売会、乳搾りなど多種の催しがあった。 主催 はんだふれあい産業まつり実行委員会 (委員長:半田商工会議所会頭) 共催 半田市、半田商工会議所、あいち知多農業共同組合 JFE スチール知多製造所 協賛 (公財) JFE21世紀財団 等 倉敷音楽祭 「第29回倉敷音楽祭」は2月28~3月22日の間、倉敷市美観地区 周辺を主な会場として開催された。平成21年より「地域間文化交 流」として日本各地の特色のある音楽芸能の公演を実施している。 今回は東日本大震災被災地域から岩手県大槌虎舞、宮城県の塩釜 神楽、福島県の相馬民謡を招き、3月7・8日に芸文館などで披 露された。周辺では各地の味の屋台も出店し来訪者を楽しませた。 市民制作公演では時代劇にロックを融合したミュージカル「輝 き丸」や倉敷天領太鼓と日本各地の和太鼓奏者との競演、10バン ド以上が参加するビッグバンドフェスティバル、関西フィルハー モニーと市民200人の合唱付きの「第九」演奏があり、倉敷市内の 吹奏楽や合唱などの団体によるリレーコンサート「アマチュアト ップコンサート」で音楽祭は締めくくられた。 主催 倉敷市、山陽新聞社、倉敷市文化振興財団 共催 倉敷市教育委員会 協賛 (公財) JFE21世紀財団、倉敷まちづくり㈱ 後援 文化庁、岡山県、岡山県教育委員会、新聞4社、放送9社 16 趙治勲杯囲碁大会(千葉市) 2月22日、 JFE スチール東日本製鉄所(千葉地区)見学センターで「第17回 趙治勲杯囲碁大会」が開催された。 一般の部は千葉市在住、または千葉市に勤務している有段者を参加資格とし て48名の参加者で対戦した。 子供大会は個人戦・ダブルス戦で152名の参加があった。 一般の部はすべて有段者のため対戦は緊迫した雰囲気の中でレベルの高い対 戦ばかりで、時間内に決着がつかず優勝者を抽選で決めるなど大いに盛り上が った。当日は生憎雨天で寒い日であったが会場は真剣勝負により熱気に包まれ た。 主催 「趙治勲杯囲碁大会」実行委員会 後援 千葉市、千葉日報社、日本棋院千葉県支部等 協賛 (公財) JFE21世紀財団、JFE スチール㈱ 芸能大全~まつりの世界~(福山市) 3月1日にふくやま芸術文化ホール(リーデンローズ)で開催された「第10 回芸能大全~まつりの世界~」に協賛した。 芸能大全は、備後地域の伝統芸能の伝承・発掘を目的とした「まつりの世 界」を開催することにより、地域の芸術文化振興を図っている。今回は出演者 に沖縄エイサーゆいま~る、備後しんいち踊り隊、備後かわち太鼓、福山市古 典芸能保存会とゲストに高猿神楽団を迎えて開催された。 それぞれの演目に来場者は「とても楽しめた」「和太鼓の大きさと響きや音 色に感動した」 、 「神楽の舞と衣装等とても素晴らしい」、 「郷土芸能は今後も継 続してほしい」 「地域の芸の深さに感激した」など沢山の感想が寄せられた。 主催 (公財)ふくやま芸術文化振興財団、ふくやま芸術文化ホール 協賛 (公財) JFE21世紀財団 トンボはドコまで飛ぶかフォーラム(横浜市) 京浜地区の「トンボはドコまで飛ぶかフォーラム」に協賛した。このフォー ラムは京浜臨海部の緑地の質向上と生物多様性保全に貢献することを目的と して、企業、市民、専門家、行政がそれぞれの立場で参加し12年間にわたりト ンボの飛来調査を始め、ユニークな活動を継続している。 14年度も8月に臨海部、内陸部12地点、のべ184人の参加者がトンボの捕獲・ 標識に取り組み、トンボの生息状況の変化を示す貴重なデータが集まった。ま た、12月には企業緑地講習会を開催して、企業緑地の価値や役割について企業 の理解を得る活動を行った。 JFE エンジニアリングの「JFE トンボみち」を始め、多くの企業がフォーラ ムの趣旨に賛同して緑地整備を図っている。 主催 トンボはドコまで飛ぶかフォーラム 協賛 (公財) JFE21世紀財団 17 「海外子女文芸作品コンクール」 ●●●●●● 協賛と文集寄贈 「海外子女文芸作品コンクール」は海外で学ぶ小・中学生に、日本語 に対する興味・関心を持続させ、国語力を伸長させると同時に、彼らの 貴重な体験を発表する機会として毎年開催している。 現在、海外に在住する日本人の子どもは約6万人と推定され、日本人 学校や補習授業校、通信教育など様々な形で日本及び日本語の勉強に取 り組んでいる。言語、風習、気候など環境が異なる中で様々な経験を通 して成長している子ども達の考えたこと、感動したことなどを母国語の 日本語で作文・詩・短歌・俳句に表現することにより、豊かな日本語表 現が身につくことを願ったコンクールである。 (公財)海外子女教育振 興財団が、海外の日本人学校、現地校で学ぶ小中学生を対象に文芸作品 作文集 を募集し、応募総数41,834点の中から4部門で504点を選び、その中の 優秀作品198点を掲載した文集を発行した。当財団は各部門1点に 「JFE21世紀財団賞」を設けて協賛している。 優秀作品集「第35回地球に学ぶ」を今年度は鉄鋼に縁のある地域の国 公私立小・中学校、図書館に寄贈した。寄贈総数は855冊で、その内訳 は、466小学校、215中学校、84図書館へ142冊、10教育委員会へ32冊で ある。 21世紀財団賞楯 《第35回海外子女文芸作品コンクール応募内訳》 学年別応募点数内訳 小1 小2 小3 小4 小5 小6 中1 中2 中3 合計 詩 286 338 453 446 394 276 425 387 61 3,066 短 歌 138 179 1,152 952 982 2,258 1,008 1,904 1,107 9,680 俳 句 1,448 2,750 3,573 4,101 4,148 2,916 2,431 1,022 1,899 24,288 作 文 350 623 828 682 608 617 451 375 266 4,800 合 計 2,222 3,890 6,006 6,181 6,132 6,067 4,315 3,688 3,333 41,834 全日校 1,372 2,348 3,082 3,353 3,688 3,525 2,269 1,875 1,921 23,433 補習校 848 1,531 2,920 2,828 2,426 2,537 2,046 1,811 1,411 18,358 個人他 2 11 4 0 18 5 0 2 1 43 主催 (公財) 海外子女教育振興財団 後援 外務省、文部科学省、日本放送協会 協賛 (公財) JFE21世紀財団、東京海上日動火災保険㈱、日販アイ・ピー・エス㈱、㈶日本児童 教育振興財団、 ㈱東京クレジットサービス、㈱読売新聞東京本社、クラーク記念国際高等学校 18 当財団の刊行物 ◇「腐食読本」 つ る 本書は2014年度の事業として、東工大水流名誉教授に監修をお願いし刊行 した。鉄鋼材料にとって腐食現象は非常に重要な問題であり、腐食損傷によ る経済損失は毎年莫大な金額になっている。一方で腐食現象は材料と環境が 複雑に関係するため、腐食を専門的に扱う研究者やエンジニア以外にとって はあまりなじみのない分野である。ところが従来は、腐食現象を取り扱った 本は専門家向けの本、あるいは一般の読者向けのやさしい本が主流であり、 腐食に興味を持ち始めた研究者やエンジニア向けの本はほとんどなかった。 本書は工学系の大学院生レベルを念頭において書かれており、電気化学の 考え方をベースに腐食のメカニズムを解説すると同時に、種々の材料、環境 における腐食現象をケーススタディとして紹介している。今後材料を学ぶ大 学院生やエンジニアに対して腐食現象を理解する一助になることを期待し ている。 ◇「たたら-日本古来の製鉄(改訂版) 」DVD さきのおおつ あ が わ む ら や ま さ て つ あ ら い と り の ず 2004年に東京大学所蔵の絵巻「先大津阿川村山砂鉄洗取之図」 (工学部シ ステム創成学専攻図書室)を撮影製本し、 「たたら―日本古来の製鉄」書籍 版を刊行し、多くの鉄の歴史研究者から高い評価を受けた。 2008年度には絵巻のポジフィルムをデジタル化し、書籍版で割愛した部分 についても新たに解説を加え、絵巻のほぼ100%をカバーした DVD 版を制 作した。更に2013年度には、新たに同図書室が所蔵する「佐渡鉱山金銀採製 全図」等5巻の絵巻と4枚の絵図をデジタル化し、DVD 増補改訂版を制作 した。希望者には現在も無償で配布している。 ◇「自動車用ハイテン―その誕生と進化の足跡」 本書は、自動車という代表的工業製品に必須となった薄板ハイテンの技術 開発の歴史をその時代背景を交えてまとめたものであり、2008年に JFE グ ループの研究者が中心となり刊行した。 「HITEN(ハイテン) 」という言葉 は、High Tensile Strength Steel の略称である。ハイテンを自動車に応用す ると、薄肉化による車体の軽量化による燃費の向上と衝突時の安全確保を両 立することができる。加工性が良いことから、今後更に適用範囲が拡大する ことが期待されている。またハイテンは、日本が世界に誇る最高の競争力を 有する技術であり、将来にわたり世界をリードする鉄鋼材料である。希望者 には現在も無償で配布している。 ◇ Web コンテンツ「大学教材-鉄鋼工学」 「大学教材-鉄鋼プロセス工学入門」 鉄鋼工学の基礎理論から、鉄鋼メーカーの最新の技術や研究まで を取扱い、大学での講義等に活用できる大学教材であり、 「鉄鋼プ ロセス工学入門」は1995年、 「鉄鋼工学」は2006年に制作した。 いずれも財団 HP から PDF 形式で無償ダウンロードが可能であ り、現在でも多数の方に利用されている。 19 財務データ (2014年4月1日~2015年3月31日) 貸借対照表 科 目 Ⅰ 資産の部 1 流動資産 現金預金 流動資産合計 2 固定資産 普通預金 投資有価証券 (単位:千円) 公益目的事業会計 基本財産 計 事業安定引当資産 大学研究助成維持拡充積立金 特定資産 計 固定資産合計 資産合計 Ⅱ 負債の部 未 払 金 預 り 金 流動負債合計 負債合計 Ⅲ 正味財産の部 1 一般正味財産 (うち基本財産への充当額) (うち特定資産への充当額) 正味財産合計 負債及び正味財産合計 法人会計 合 計 89,275 89,275 59,577 59,577 148,853 148,853 6,100 2,299,900 2,306,000 0 37,000 37,000 2,343,000 2,432,276 0 0 0 651,275 0 651,275 651,275 710,852 6,100 2,299,900 2,306,000 651,275 37,000 688,275 2,994,275 3,143,128 0 0 0 0 1,019 14 1,033 1,033 1,019 14 1,033 1,033 2,432,276 2,306,000 37,000 2,432,276 2,432,276 709,819 0 651,275 709,819 710,852 3,142,095 2,306,000 688,275 3,142,095 3,143,128 正味財産増減計算書 科 目 Ⅰ 一般正味財産増減の部 1.経常増減の部 ⑴ 経常収益 基本財産運用益 特定資産運用益 雑収益 経常収益計 ⑵ 経常費用 支払寄付金 給料手当・福利厚生費 その他の経常費用 経常費用計 評価損益等調整前当期経常増減額 評価損益等計 当期経常増減額 2.経常外増減の部 当期経常外増減額 当期一般正味財産増減額 一般正味財産期首残高 一般正味財産期末残高 指定正味財産期末残高 Ⅱ 正味財産期末残高 (単位:千円) 公益目的事業会計 大学研究助成事業 文化振興事業 小 計 法人会計 (管理費) 合 計 78,926 0 0 78,926 19,732 0 0 19,732 98,658 0 0 98,658 0 22,176 620 22,796 98,658 22,176 620 121,454 65,000 8,031 13,244 86,275 △7,349 138,347 130,998 16,700 2,008 7,972 26,680 △6,948 34,587 27,639 81,700 10,039 21,216 112,955 △14,297 172,934 158,637 0 2,510 4,785 7,295 15,502 8,635 24,137 81,700 12,549 26,001 120,250 1,205 181,569 182,773 0 130,998 1,829,991 1,960,989 0 1,960,989 0 27,639 443,648 471,287 0 471,287 0 158,637 2,273,639 2,432,276 0 2,432,276 0 24,137 685,683 709,819 0 709,819 0 182,773 2,959,322 3,142,095 0 3,142,095 20 評議員・役員名簿 評 議 員 井口 学 北海道大学名誉教授 柿木 厚司 JFE スチール㈱代表取締役社長 染谷 臣道 静岡大学名誉教授 馬田 一 JFE ホールディングス㈱取締役 前川 弘幸 川崎汽船㈱特別顧問 三島 良直 東京工業大学学長 山本 寛斎 デザイナー・プロデューサー 理 事 長 林田 英治 JFE ホールディングス㈱代表取締役社長 専務理事 岡田 伸一 JFE ホールディングス㈱代表取締役副社長 理 浅井 滋生 名古屋大学名誉教授 岡本 圀衞 日本生命保険相互会社代表取締役会長 小林 栄三 伊藤忠商事㈱取締役会長 下村 節宏 三菱電機㈱相談役 福島 久哲 九州大学名誉教授 前田 正史 東京大学教授 吉川 洋 東京大学教授 大木 哲夫 JFE ホールディングス㈱常務執行役員 谷上 和範 公認会計士、新日本有限責任監査法人シニアパートナー 監 事 事 (2015年4月1日現在) 21 2014年度年次報告書 公益財団法人 JFE21世紀財団 東京都千代田区内幸町2-2-3(日比谷国際ビル) 〒100-0011 TEL代表 03(3597)4652 FAX 03(3597)4627 E-mail zai21c@jfe-21st-cf. or. jp URL http : //www. jfe-21st-cf. or. jp
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