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〜 HEY! Green Tea!! 〜
小さな巨人・伊藤園
大江ゼミナール マーケィング班 近藤大、法理香里、朱積頴
目次
はじめに
第1章 清涼飲料業界の動向
(1) 茶系飲料の牽引
(2) そして小型 PET ボトルが爆発的に拡大
(3) 今後の動向
第 2 章 伊藤園の変遷
(1) 伊藤園の歴史
(2) 経営動向
第3章 経営戦略
(1) お〜いお茶とは・・・
(2) マーケティング
(3) 販売促進
(4) 競合の捉え方
(5) 広告活動
(6) 流通
(7) 事業展開
第4章 未来の伊藤園
(1) 伊藤園の営業力
(2) 伊藤園の価値観と人材育成
(3) 今後の課題
終わりに
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亜細亜大学経営学部大江ゼミナール サブゼミ論集 2001 年 マーケティング班
『〜Hey! Green Tea!!〜 小さな巨人・伊藤園』
はじめに
清涼飲料業界ではとても競争が激しく、勝ち残るには常に先進性を持った製品を開発し
ていかなければならない。健康志向が人々の中で重要視されるなか、茶系飲料は清涼飲料
業界の主流になりつつある現在、伊藤園はもっともポピュラーなウーロン茶を市場で初め
て缶入り飲料として流通させ、その販売に成功し、成長を遂げた企業である。私たちは、
昔から非常識のルート販売を行なう伊藤園に焦点を当てて、消費者心理のほかに、売れる
にはどのようなマーケティング活動すればよいのか、また企業理念・活動経過などについ
て調べ、どうして伊藤園の商品が売れているのかをかんがえていこうと思う。
第1章 清涼飲料業界の動向
清涼飲料は、炭酸飲料、果実飲料、新分野飲料(コーヒー飲料、スポーツドリンク、ウ
ーロン茶飲料など)に大別されます。わが国では、長引く景気低迷を反映して、不況の影
響を受けにくいと言われる食品さえも需要が伸び悩んでいます。成長を続けてきた清涼飲
料市場も 1997、8 年は、(1)多くのメーカーが、97 年4月の消費税率引き上げ以降も 110
円に据え置いていた自販機での缶飲料販売価格を、98 年春に 120 円へ値上げしたこと、(2)
夏から秋にかけて東日本が天候不順に見舞われたこと、
(3)秋に毒物混入事件が発生したこ
となどで出荷額がわずかに減少したものの、その後は再び拡大されています。
(1) 茶系飲料の牽引
清涼飲料市場は年率5%弱で堅調な成長を示しているが、近年は消費者の自然・健康志
向を背景に茶系飲料の伸びが著しく、市場の成長を牽引している。気温の変動の影響を受
けつつも、成長してきた。種類別で見ると、炭酸・果実・コーヒー飲料が横ばいで推移し
ている一方で、茶系飲料・ミネラルウォーター・スポーツドリンクは市場平均を上回って
成長している。先ほども述べたが市場の成長を牽引しているのは、茶系飲料(99 年の市場
構成比 27%)である。ミネラルウォーターは最も高い伸びを示しているが、市場構成比は
5%に過ぎず、市場拡大に対する貢献度はまだ小さい。数年前までは、大衆の嗜好が炭酸か
ら紅茶や果実飲料等にシフトし、特に紅茶が売れた時期があった。しかし3、4年ほど前
から紅茶市場は縮小する一方で、ニアウォーターと呼ばれる新ジャンルの飲料や薄味の果
実飲料が大ヒットし、 薄甘飲料 とも呼ぶべきカテゴリーが急拡大した。さらに、最近で
は無糖茶(緑茶、混合茶など)へのシフトが顕著に見られ、特に緑茶市場は前年比2〜3
割増と急拡大している。総じて言えば、大衆は移り気であり、中でも若年層の嗜好は変動
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亜細亜大学経営学部大江ゼミナール サブゼミ論集 2001 年 マーケティング班
『〜Hey! Green Tea!!〜 小さな巨人・伊藤園』
しやすい。しかしここ数年のトレンドの根幹には「健康志向」の高まりがあると考えられ、
ミネラルウォーターや無糖茶、また野菜系飲料の伸びが高いことがそれを裏付けている。
(2) そして小型PETボトルが爆発的に拡大
500ml サイズの小型PETボトルは、開栓後にも再び栓ができる点や携帯性が消費者に
支持され、急速に缶に取って代わってきた。小型PETボトルの登場によって消費者の飲
用機会は増えたと推定され、近年の飲料市場を拡大させてきた要因の一つであったと思わ
れる。しかし、PETは缶に比べて材料費が割高であるため、PETボトルの構成比が増
加するにつれて飲料各社の「売上総利益率」は悪化傾向にある。販売費が増加し、営業利
益は伸び悩む小型PETボトルの普及とともに、手売りチャネル(コンビニや量販店によ
る販売チャネルのこと)が近年拡大してきた。PETボトルを販売する自販機がほとんど
なかったことに加え、コンビニや量販店がここ数年、積極的に出店を増やしていることが
背景にあると推定される。ところが、手売りチャネルの拡大は「販売費」の増加を加速さ
せた。なぜなら、自販機では定価販売なのに対し、量販店やコンビニでは割引セールが常
態的に行われ、その割引原資の一部をメーカー側が負担したからである。好立地に自販機
を設置することが困難になってきているメーカーにとって、成長している手売りチャネル
は経営戦略上、重要なチャネルであり、販売数量を確保するためにも、小売業者に対し「販
売費」として販売手数料やリベートを支払う機会が増加しているのである。さらに、PE
Tボトルは缶に比べて輸送効率が悪いために、輸送費が売上を大きく上回って伸びたこと
も、
「販売費」が増加した要因の一つであった。
(3)今後の動向
日本の清涼飲料の1人当たり消費水準は米国の2割にも満たないため、中長期的にみて
も、市場拡大の余地は大きいものと考えられます。しかし、世の中の景気状態を見てみる
となかなか簡単には行かないだろう。小売業の苦戦等を考えるとするならば販売費の抑制
は困難であり、メーカーの利益率の低下傾向が下げ止まるとは考えにくいだろう。そのた
め飲料メーカーに求められることは次のような点であろう。①ブランドマネジメントを強
化し、大きなブランド力を有す製品(売れる製品は販売促進費が少なくて済む傾向がある)
を育てる。②成長分野である「茶系飲料」を強化し、健康・自然派志向に沿った品揃えを
充実させる。特に後者に関して、現状で茶系飲料の大型ブランドを有すメーカーは数社し
かなく、その他メーカーは相当の遅れをとっている。来年には緑茶飲料の新製品が各社か
ら発売される見通しであるが、どのブランドがヒットするかが期待するところだろう。実
際 2001 年度では「生茶」で緑茶ブームを巻き起こしたキリンビバレッジは「聞茶」という
ブランドを生み出し大ヒットを呼んでいる。これでまた中国茶市場を刺激した。さてさて
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具体的には 2002 年の茶市場を牽引していくのはなんだろうか??どんなお茶なのだろう
か??大ヒットを飛ばしているキリンによれば「日本人が欲しているのはおいしいお茶」
で味だけではなくパッケージも演出することが大事といっている。ヒット商品の「聞茶」
も本物志向を消費者に訴える為に台湾の喫茶文化「茶芸」に着目。このコンセプトに基づ
き開発したのがボトル缶の陶磁器風のデザイン。真っ白い地肌に鳥や花の絵柄を施し、中
国の雰囲気を強調した。これは「キリンウーロン茶鳳凰」からの反省で生まれたものだっ
た。
「味が美味しいだけではダメだ」というモノからだった。またキリンビバレッジ革新的
な考えももっているみたいだ。また「そろそろ消費者はお茶に飽きてきている。お茶の新
商品と並行しながら茶業界をつぶすような新ジャンルに打って出る」
といっている。
「近年、
清涼飲料市場に『酒』と『薬』が急接近している」とも言っている。酔う為と言うよりも
ストレス解消やリフレッシュのためにお酒をのむひとが多くなってきたみたいだ。もちろ
ん「アルコールを取り入れるわけではない」がこのようなものを清涼飲料に取り入れよう
としている。また 2002 年に新たな動きを見せようとしている企業もある。
「01 年まではメ
ーカー間競争だった。次は美味しさの違い、好みの多様化に対応したラインアップが急務」
と話すのが緑茶最大ブランドの「お〜いお茶」を持つ小さな巨人伊藤園だ。
伊藤園は年齢別、利用シーン別に香りや味の濃さ、容量の違いを出した商品を開発中で
ある。現在の商品のラインアップを見てみると、冬に人気が出るであろうホット用のペッ
トボトル、季節限定で新茶を使うお茶を出す、また日本国内ではトップシェアを誇り気分
転換やエチケット効果を狙いジャスミンの香りをつけたお茶なども現在発売している。ど
れもニーズが分かれており多様化された消費者の口にあいそうだ。消費者のニーズが多様
化している現在ではただただ消費者のニーズを追い求めているだけじゃダメである。商品
自体に魅力がありこの指とまれとあったら飛びついてくるような商品でなければダメだろ
う。また伊藤園は「お茶にもアミューズメント性を付け加え、今以上の市場の広がりを、
そうでなければ市場の拡大が見られなくなるかも知れない」と考えているみたいだ。果た
して日常生活を変えてくれるような飲料が登場するのかが楽しみだ。今回はこの飲料業界
で小さな巨人と呼ばれる伊藤園について調べていきたいと思う。
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亜細亜大学経営学部大江ゼミナール サブゼミ論集 2001 年 マーケティング班
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第2章 伊藤園の変遷
(1) 伊藤園の歴史
昭和41年8月日本ファミリーサービス株式会社と合資会社ビーエー商会との出資によ
り、伊藤園製茶株式会社の前身フロンティア製茶株式会社を静岡県静岡市に設立した。創
業社長・会長の本庄正則が自動車のセールスマンから独立して起こしたものである。それ
と同時、緑茶を専門に扱い、画期的なルートセールス「小売店などへの直接販売」による
販売を開始した。従来の「のれんを守る」という茶業界の常識を破るものであった。その
後支店第1号として神奈川支店(現横浜青葉支店)を横浜市港北区に開設した。ルートセ
ールス・システムで、生産地と小売店を直接に結ぶことにより効率を高めた結果、スーパ
ー、百貨店への販売が大きく伸び、短時日で業界トップの座につくことができた。
昭和44年4月、本店を東京都練馬区へ移転し、翌月、フロンティア製茶株式会社から
株式会社伊藤園に商号変更になった。廃業希望のお茶屋ののれんを200万円で買い取っ
たものである。同年6月、伊藤園は株式会社本庄商事(旧日本ファミリーサービス会社)
及び合資会社ビーエー商社より緑茶事業に関する営業譲渡を受け、生産部門を確保した。
生産基盤を確定したため、伊藤園は販売の道を拡大し始めた。昭和49年5月、静岡県楱
原郡相良町に相良工場を建設し、生産体制を集約した。化学肥料を使用しない有機農法の
栽培試験農園を開いた。
昭和52年6月、神奈川店の所在地に横浜市同港北に直営小売店第1号「茶十徳・日吉
店」を開設した。
「茶十徳」はその後、全国展開を行っている。ほぼ同時、中国土産畜産進
出口総公司と、日本初のウーロン茶輸入代理店として、契約を締結、販売を開始し、ブー
ムを起こした。
1980年(昭和55年)代から90年(平成元年)にかけて大きな躍進を遂げ、現在、
茶系中心に清涼飲料を積極的に展開し拡大している。
伊藤園社は、
缶飲料業界に本格的に進出したのは昭和56年2月に、
「缶入りウーロン茶」
を開発、販売から始まった。その3年半後、スリランカ民主社会主義共和国より、紅茶も
直輸入、販売開始した。当時市場の茶飲料の需要が大きくなって、そのニーズに応じて、
伊藤園製茶株式会社「現グリーコア株式会社」より焼津工場及び浜岡工場の土地・建物・
生産設備を譲り受け、生茶からの緑茶製造に関する一貫生産体制を確立した。昭和61年
9月、中央研究所(相良工場内)を新設して幅広い研究を開始した。
平成4年5月、株式を日本証券協会に店頭登録し、同年8月、本店を東京都渋谷区に移
転した。93年2月にはコーヒー分野へ業態を広げた。また同年5月、
(株)広島原寿園を
吸収合併している。
現在、世界の三大茶(緑茶、ウーロン茶、紅茶)はもとより、野菜・果実飲料、コーヒ
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ー飲料など豊富な製品ラインアップを持つ総合飲料メーカーとして、創業以来連続増収を
続けている。
(2)
、経営動向
伊藤園は清涼飲料メーカーとして、緑茶飲料「おーいお茶」で知られ、国内の緑茶飲料
市場で約35%のシェアを持つ最大手メーカーである。
「充実野菜」ブランドはカゴメに次
ぐ野菜飲料2位となる。 無党派 に一貫してこだわりをしながら、緑茶、ウーロン茶、混
合茶、麦茶、紅茶に、野菜ジュースを加えた茶系飲料の水平展開で増収増益も更新してい
る。株価も1万円を優に超えて、食品・飲料業界では「小さな巨人」として存在感を高ま
ってきている。
伊藤園の主な事業内容は茶葉販売と飲料販売である。茶葉販売は、煎茶、茎茶、玄米茶、
焙茶、ウーロン茶、昆布茶、野草茶、麦茶などの販売経営を指している。飲料販売は緑茶
「おーいお茶」
、玄米茶、焙茶、ウーロン茶、麦茶「香り薫る麦茶」
、はと麦茶、ジャスミ
ン茶、野菜飲料、天然果汁、果実飲料「いちごクリアウォータ」
、コーヒー、コーヒー飲料、
レモンティー、ミルクティ、炭酸飲料「カテキンウォーター」などを経営している。
茶葉販売は麦茶などで健闘している。主力の飲料「お〜いお茶」の売れ行きも、素晴ら
しく調子がいい。
果汁入り野菜ジュース「充実野菜緑黄色野菜ミックス」に小型ペットボルト(350ラ
ム入り)を投入して、研究開発体制を強化した。また、中央研究所(静岡県相良町)に新
棟も増設した。緑茶に含まれるカテキン成分にダイオキシンが持つ強い毒性の発生を抑え
る効果があることを神戸大学との共同研究で確認した。海外での IR 活動を中東地域まで
広げた。また、手軽にエネルギー補充ができる缶入り飲料「自然飲力」も投入している。
缶入り味噌汁「ふぅふぅみそ汁」やリンゴ酢とハチミツを使用した清涼飲料水「リンゴ酢
すきっ!」も発売した。緑茶飲料の海外販売の本格化も進んでいる。
伊藤園は「2001 年4月期に売上高 2000 億円、経営拠点 200 ヶ所を目指す」目指す売上高
2000 億円に達しているのはコカ・コーラグループ、サントリー、キリンビバレッジなど 5
社のみである。伊藤園の 99 年 4 月期の売上高は前期比 14.3%増の 1540億円、経常利益
は同 43%増の 117 億円となっている。
89 年発売の同社の主力製品、「お~いお茶」の 99 年 4 月期は前期比 29.6%増の 529 億円
を販売し、同社売上高の 3 分の 1 を占め、モノカルチャー的な存在となっている。緑茶飲
料市場でのシェアも 30%強と首位であり、他社からも緑茶で伊藤園と対等に戦うのは困難
との声が漏れるぐらいである。それでも、あえて緑茶飲料市場の強化を挙げるのは、なお
市場が伸びると見込めるからである。緑茶飲料市場のうち、缶やペットボトル入りの形態
で飲まれる比率をあらわした飲料か比率は訳6%であり、紅茶の飲料化比率は 40%をオー
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バーした。コーヒーに関しては 30%を超えており、もう市場のほとんどは開拓されてしま
っているのだ。烏龍は茶 56%で、ここ 5 年は減収が続いている。伊藤園では緑茶も同様に
飲料化比率が 30%まで伸びると考えており、その 30%のシェアで年間の売上が 3000 億円
の売上が可能である。
電通資料によると、伊藤園の今年度前期は広告宣伝費を 2 割近く積み増やして 42 億円
とし、「お〜いお茶」の宣伝を強化した。緑茶グループの他、麦茶グループ、ジャスミン茶、
烏龍茶グループも設置し、お茶編成をより強化する政策を打ち出したのである。同社は
1981 年に日本初となる缶入り烏龍茶を発売し、その後ブランド茶、麦茶なども割と早い時
期より投入するものの、烏龍茶ではサントリーに、ブレンド茶ではコカ・コーラグループ
に抜かれてしまった。これは営業基盤が未整備だった上に、飲料業界のマーケティング手
方に馴染んでいなかったのかと私たちは考える。
伊藤園はその教訓をいかし、早速麦茶飲料の強化を着手した。昨年の春より「香り薫る麦
茶」というブランドを設定し、同社の麦茶製品としてははじめて TV の CM を全国に流し
た。伊藤園では同製品で前期比の 2 倍となる 80 億円弱の売上を目指している。今後は順
次に烏龍茶やブランド茶もてこ入れをするとのことだ。
加えて「充実野菜」ブランドを持ち、
カゴメに次ぐ 2 位のシェアを誇る野菜飲料を新たな商品戦略の中心に置くこととなってい
る。
飲料商品が売上の 8 割を占める商品構成は、高いリスクが付きまとう。というのは、今
後の成長を支えるには自販機の強化が必要というのが業界の常識である。しかし、現在の
商品構成では、自販機設置の限界が出てくる。伊藤園は自販機を拡大するためにも、茶系
飲料以外の商品の強化が急務である。
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第3章
経営戦略
(1)
「お〜いお茶」とは
伊藤園は第2章・経営動向でも述べたように、茶系飲料、野菜系飲料、機能性飲料、果
汁系飲料、乳飲料、コーヒー飲料、紅茶飲料、炭酸飲料など、様々である。販売商品別シ
ェアは緑茶飲料 1 位、野菜入混合果汁飲料 2 位、ウーロン茶 3 位、麦茶 2 位、野菜飲料 2
位である。リーフ(茶葉)のトップメーカーであった伊藤園は、1981 年に缶入りウーロン茶
を開発し飲料市場に参入、85 年に缶入り緑茶を開発して以来、緑茶飲料でトップシェアを
維持してきている。また、近年の健康志向に後押しされ、茶系飲料だけではなく、市場が
拡大基調にある野菜入混合飲料では、
「充実野菜」
「緑の野菜」の2ブランドが有名である。
伊藤園の売上全体の約3割を占める看板商品、
「お〜いお茶」にも緑茶、玄米茶、ほう
じ茶などの種類があり、商品の多様化が見られる。
そして、原料・製法はひとつひとつにこだわりを持っている。表−2でもわかるように
緑茶飲料の代名詞として深く浸透してきた「お〜いお茶」ではあるが、緑茶という自然が
くれたおいしさと健康、そして飲みものを通して、健康で豊かな生活を提案するためにも
っとおいしく、もっと体にいいものをお届けしていきたいという伊藤園は商品コンセプト
として「自然・健康・安全・良いデザイン・おいしい」の 5 個を掲げている。自然に育ま
れた素材のおいしさを生かして健康維持や生活にうるおいをあたえてくれる安全でおいし
い飲み物をその時代にふさわしいカタチでお届けすることが伊藤園の製品全てにその思い
が込められている。
「お〜いお茶」のブランド特徴は、
1、
香料を一切使用せず、アミノ酸などの味付けもしていない、自然のままの香りと
味わい。
(無香料・無着色)
2、
原料茶の選択、ブランド、抽出、殺菌にいたるまで伊藤園独自の『自然抽出製法』
で仕上げています。
3、
お客様の飲まれる時・場所などによって、容量・容器のバリエーション、味づく
りの明確な差別化をしています。
4、
「お〜いお茶」ブランドは31.4%と圧倒的なシェアを占め、多くのお客様にしじさ
れています。
伊藤園ではこれらの特徴を最大限に引き出すために、第一として原料には、①産地・茶
期を限定した高品質の国産茶葉100%使用、②原料茶を種類別に火入れを行ないそれぞ
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れの良さを最大限に引き出す原料茶に好適な仕上げ方法、③一番茶、かぶせ茶、荒茶など
7 種類の原料茶をブレンドすることによる最良の品質づくり、の3点にこだわっている。
また、第二の製法では、アルミ缶の場合、
「T―N(ティー&ナチュラル)ブロー技術」
で缶の開け口の部分から内容液の隙間のヘッドスペースから酸素を取り除いて、お茶の自
然な状態を保っている。ペットボトルの場合、
「新ナチュラル・クリアー製法(特許製法)
」
により、茶葉を低めの温度(50 度)でじっくり抽出し、天然の゛茶こし (マイクロフィ
ルター)で透過液のみを緑茶としている。これが『自然抽出製法』である。つまり、
「今年
つみたての新茶入りました。
」と題して、季節限定発売をした新茶はまさに伊藤園ならでは
の緑茶製品開発力・原料調達力を駆使した商品であるといえる。
そして、第三に容量・容器のバリエーションの豊富さである。缶・ペットボトル・紙パ
ックはもちろんの事、秋冬用としてホット対応のペットボトルも投入している。
最後に第四として、下記の表―1,2,3の伊藤園調べによるブランド調査でもわかる
ように、伊藤園は緑茶飲料市場で圧倒的な数字で他社を突き放し、シェアNO.1を維持
している。
表−1
緑茶飲料シェア
伊藤園
31%
その他
38%
B社
11%
A社
20%
表−2
誰もが知っている、「お〜いお茶」ブランド
1
0%
知っている
10%
20%
30%
40%
知らない
1.7
98.3
50%
60%
70%
80%
90%
100%
9
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表−3
お客様から高い支持を受けている、お〜いお茶
A社緑茶
お〜いお茶緑茶
飲用理由
50.3
すっきり・さっぱりしている
65.7
46.3
飲みやすい
45.7
おいしい
62
52.7
39.3
緑茶の味がしかっりしている
20
飲みなれているから
0
10
20
55
48.7
30
40
50
60
70
(2) マーケティング
伊藤園は基本的に原料の調達、加工技術、製品企画、販売まで一貫して行なっている。こ
れらを行なうノウハウ、技術力などはかなり高いものである。
技術開発において、業界では高い技術力で知られている伊藤園は、1986 年静岡県相良工
場内に設立した中央研究所を中心に行なわれている。ここでは、茶樹、茶葉の組織培養技
術などの植物バイオ研究やカテキン類などの茶葉の有効成分の利用研究などの技術開発を
はじめとするテーマが扱われている。
緑茶の茶葉の調達は、畑を持つ農家と直接契約して、荒茶を栽培してもらう契約栽培方
式を中心としている。また、海外からの調達も行なっている。中国の合弁会社である寧波
舜緑茶葉有限公司からは無農薬有機栽培の緑茶を 130 万トンほど輸入している。オースト
ラリアでは無農薬有機栽培の日本仕様に合わせた茶葉の農園を所有している。烏龍茶につ
いては中国福建省の新烏龍飲料有限公司から輸入している。
製造においては、販売用茶葉と自社飲料製品用茶葉を生産している。販売用茶葉は緑茶
がほとんどである。茶葉の生産については、生産整備を静岡県相良、焼津、浜岡、と福島市
の四工場で行なっていて、主に1974 年に建設された相良工場で茶葉の生産を集約している。
飲料については、原料茶葉は自社で生産、それを製造委託先へ優勝支給している。品質管
理は、伊藤園担当者が非常に厳しく行なっている。
また、伊藤園では、マーケティングの基本戦略として、社内提案制度「Voice」を導入し
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亜細亜大学経営学部大江ゼミナール サブゼミ論集 2001 年 マーケティング班
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ている。これは、全社員が消費者の視点で観察した食に関する事柄を自由に報告させ、商
品開発や販促の為のアイデアを収集するシステムである。インセンティシブも用意されて
おり、営業マンを始め多くの社員がこのシステムを活用している。このシステムにより、
消費者のニーズの把握、必要なもの・不必要なものなどが迅速にマーケティング部、商品
開発部などに伝わることができ、市場の変化にもすばやく対応することができる。
「日本人の1日の水分摂取量は2.5リットル。それをコーヒーやジュース、場合によ
ってはビールとも、奪い合うのです。競合飲料との闘いの中で、緑茶は残念ながら劣勢と
言わざるをえない」と伊藤園の森泰男副会長は緑茶の将来に危機感を抱いていた。
『
「新し
い生活に適合するような質、形、飲用文化を提案していない」と、業界内部から警鐘を鳴
らす。
「時代とともにお茶も変わってしかるべき」
』というのが森副会長の持論だ。缶やペ
ットボトルの緑茶ドリンクさえ、
「ライフスタイルの変化によって生まれたすき間の需要を
埋めているにすぎない」と断じている。このシステムは、森副会長の
言葉を裏付けるようなものである。
(3) 販売促進
販売促進とは、短期的な売上の増進や消費者に商品を購入してもらうように促す活動の
ことである。伊藤園ではこのような活動を数多くやってきている。
まず、
「伊藤園レディースゴルフトーナメント」
。健康で豊な生活を応援する伊藤園から
のメッセージとして、1985 年から毎年恒例になっているスポーツイベントである。日本を
代表する女子のトッププロたちを一堂に会している。伊藤園が主催していて、社員による
手作りの大会運営を行なっている。
次に、
「伊藤園お〜いお茶新俳句大賞」を 1989 年より開催している。これは、
「俳句」
ではなく、 新俳句゛である。゛新俳句゛は季語がなくても、多少字余りであっても OK
であり、自由なテーマで感じたこと、思ったことを五・七・五のリズムにのせて表現する
もの。
「初めて俳句を作る人でもベテランの人でも、年齢・経験に関係なく受賞のチャンス
がある」というキャッチフレーズで参加者を募っている。また、受賞作品は「お〜いお茶」
のパッケージで発表されることで売上増進に貢献している。
そして、2000 年 3 月には『香り薫るむぎ茶』が発売 1 周年を迎えるにあたって、同商
品のイメージキャラクターである落語家・笑福亭鶴瓶のオリジナルグッズが当たるキャン
ペーンをクローズド方式で実施し、需要期の夏に向け、ブランドの浸透と売上拡大を図っ
た。
また、季節限定商品も販売促進活動に含まれるが、この春限定発売された新茶やホット
用ペットボトルの販売が挙げられる。
まず新茶とはその年の最初に摘み採ったお茶のことで、この時期のお茶は栄養分が豊富。
そして若葉の『爽やかですがすがしい香り』が特徴である。商品特徴をまとめると、
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亜細亜大学経営学部大江ゼミナール サブゼミ論集 2001 年 マーケティング班
『〜Hey! Green Tea!!〜 小さな巨人・伊藤園』
①緑茶のうまみ成分を豊富に含む、摘みたてのやわらかい新茶を使用。新茶の旬の新鮮感
をお楽しみいただけます。
②伊藤園ならではの原料調達で、新茶の最盛期にいち早くお届けします。
③75 度短時間抽出で、新鮮感のある新茶の香りを引き出しました。
④「ナチュラル・クリアー製法」により、おいしさを損なうことなくクリアーな液色を実
現しました。
⑤無香料・無調味で自然そのままのおいしさ。
そして昨年10月に「お〜いお茶」の緑茶でホット用のペットボトル販売をしたが、半
年間で260万ケースと好調な販売を堅持したため、今年はさらにその他の無糖茶主力商
品にも展開した。
ホット用は冷やして飲む通常商品と比べて、原料の茶葉や加工方法を変えている。
①
香り立ちを強化−「緑茶の良い香り」を最大限に引き出すため、原料茶葉に熱風や直
火で火入れ乾燥をした「火入れ緑茶」を主に。
②
旨み、味わいを向上―渋味を抑え緑茶本来の自然の旨みと甘味を一段と引き出すため、
茶木に覆いをかぶせ日光を遮って栽培する「かぶせ茶」を使用。
③
国産茶葉100%使用、無香料・無調味で自然そのままのおいしさ−厳選された高品
質の国産茶葉を使用。香料を一切使用せず、アミノ酸などの味付けをしていない無香
料・無調味、緑茶本来の自然のままの香りと味わいを表現。
④
特許製法の『ナチュラル・クリアー製法』でクリアー液色―本物の緑茶をしっかり使
用した場合、緑茶の抽出液には必ずオリと呼ばれる茶粒子が発生し見栄えを悪くしま
す。この茶粒子を除去する製法が「ナチュラル・クリアー製法」です。特に茶粒子が
発生しやすいホット緑茶には最適です。
また、ペットボトルの方にも中身を温めやすく冷めにくく、容器が熱くなりにくいので
持ちやすくなっている。お茶は暖めると酸素を通しやすくなり、酸化・劣化してしまうが、
伊藤園のボトルは他のボトルに比べ酸素バリア性に優れ、中身を守るなどの工夫が施され
ている。容器のキャップも白色ではなく、オレンジ色にして区別している。そして今年は、
ホットペット緑茶にお〜いお茶オリジナル(非売品)「おもしろすたんぷ」がついている。
全部で 30 種類。
(4) 競合のとらえ方
伊藤園の競合として挙げられるのは、キリンビバレッジ、アサヒ飲料、コカコーラ、サン
トリーなどではないだろうか。これらの企業は近年、緑茶飲料に力を入れ始め、伊藤園にと
って大きなライバル社であることは間違いない。
そこで、キリンビバレッジとアサヒについ
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亜細亜大学経営学部大江ゼミナール サブゼミ論集 2001 年 マーケティング班
『〜Hey! Green Tea!!〜 小さな巨人・伊藤園』
て見ていくことにする。
キリンビバレッジは、「午後の紅茶」でおなじみのように紅茶飲料でトップシェアをたも
っている。商品開発コンセプトは、
「自然・本格・健康・先進性」であり、1年程前に緑茶
に着目し、「生茶」を開発・販売、売れ行きも好調で伊藤園の「お〜いお茶」を脅かす存在
となっている。
まずキリンでは、商品ブランドのイメージを定着させる為に商品ごとに有名タレントを
起用し、宣伝・広告している。たとえば、紅茶飲料「午後の紅茶」では、2000年度からオ
ードリー・ヘップバーン、緑茶飲料「生茶」では松嶋奈々子、高倉健、ウーロン茶飲料「聞
茶」では井上陽水、スポーツ飲料「スピード」では松坂大輔、コーヒー飲料「ファイヤ」に
いたっては、
今年10月から木村拓哉をそれぞれイメージシンボルとして起用し、TVCM
を大量投下して認知率向上を図っている。また、ネーミング、味には特にこだわっている。
販売方法は、支社で大卸を行なっていて特約店を介し、全国の小売市場に商品を流通させ
ている。
支店はダイレクトセールスによる営業展開を行ない、卸業者を通さず直接小売店に
対する営業と自販機による直販を行なっている。セールス担当者は消費者のニーズの変化
を営業の現場から汲み取り、営業会議において意見を吸い上げ、商品開発に役立てている。
最近発売された「生茶」
「聞茶」によって、緑茶シェアは伊藤園に迫る25%前後で3倍
に伸びた。また、ウーロン茶といえばサントリーという常識も打ち破り、他社との差別化と
して、「トップブランドが得意な土俵で勝負せず、別の味と感覚を提示するカウンターカル
チャー戦略」を行なっている。
アサヒ飲料は、炭酸飲料「三ツ矢サイダー」
、コーヒー飲料「ワンダ」
、茶系飲料「十六茶」
を最重点ブランドとして広告宣伝・販売促進活動を強化していたが、2001年春に緑茶飲
料「旨茶」を発売した。この「旨茶」の最大の商品特徴は消費者のニーズである“柔らかく、
渋味の少ない旨みのある味”“スッキリとした飲みやすい味”にする為にひと手間加えて、緑
茶の“旨み”と“飲みやすさ”に徹底的にこだわった全く新しい緑茶飲料にしたことである。
また、パッケージデザインについては、従来の緑茶飲料と差別化をはかるために、容器
全体を茶畑の写真であしらい、新芽のみずみずしさと、一面に広がる茶畑のデザインで、
清涼感があり、旨みのある緑茶を表現している。
ネーミングについては、商品コンセプトである柔らかな旨みとクリアな後味が特長の、
全く新しい緑茶であることをストレートにお伝えするために“旨茶”としました。
そして広告については、“渋いのから旨いのへ”をキーワードに、
「旨茶」がこれからの緑
茶飲料の本流であること、及び渋みを抑えて旨みを引き立たせた提案性の高い緑茶である
ことを強く訴求していき、広告タレントには、TVドラマや映画などで大活躍中の内山理
名を起用。
「旨茶」の魅力を彼女の親しみやすいキャラクターを活かして、明るく楽しくア
ピールしている。
アサヒ飲料では急成長を遂げている緑茶飲料市場に本格参入し、緑茶飲料に“旨み・飲み
やすさ”を求めはじめている消費者から人気が出るものと期待している。
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マーケティングはベンチマークマーケティングと呼ばれる商品カテゴリーごとのター
ゲットを抽出した消費者調査を行ない、既存のカテゴリーの見直しを中心に「コンセプト
設計」し、商品開発・発売というプロセスで行なっている。
伊藤園はこれら競合に対して、
「自然・健康・安全・良いデザイン・おいしい」の商品
開発コンセプトと、伊藤園独自の原料茶葉の仕入れ方法や、製法にこだわり、対抗している。
(5)広告活動
広告活動とは、TVCM・ラジオなどの電波や新聞・雑誌などに掲載する活字があり、こ
れらは商品を消費者に認知してもらう為に行なうもので、商品の売上にも関わってくる、
と
ても重要なものである。伊藤園では、広告宣伝について対象商品を主力商品である、緑茶
飲料や果汁飲料に絞り込んでいる。現在広告宣伝は、「お〜いお茶 緑茶」
、
「花々緑茶ジャ
スミン」
、
「香り薫るむぎ茶」
、
「金の烏龍茶かがやき」
、
「充実野菜」
、などの商品を中心に行
なっている。
広告宣伝でどのメーカーにおいても最も力を入れるのがTVCMではないだろうか。T
VCMはどの広告宣伝よりも消費者に最もよく見られるものであり、商品に対する認知度
を高める為に最も有効なメディアである。つまり、この宣伝一つで商品の良し悪しが判断
されるといっても過言ではない。
そして、TVCMにおいて非常に重要な要素として挙げられるのが、有名タレントをい
かにうまく起用するかである。
商品ブランド=有名芸能人となっている商品も数多くあり、
この起用によっても、売上は左右される。
「お〜いお茶 緑茶」のTVCMでは、イメージキャラクターとして中谷美紀を起用し
てきた。中谷美紀は1995年から7年間ずっと起用されつづけている。その理由は、緑
茶に対する、「健康・自然」というイメージと透明感ある中谷美紀がぴったりであるからで
ある。夏の強い太陽の光と草原という背景に白いタンクトップに軽やかなスカートという
シンプルなファッションがさらに緑茶の爽やかさを一層引き立て、暑さとのどの渇きを潤
す為にごくごくと「お〜いお茶」を飲みほす、という内容のTVCM。心地よいそよ風と、
虫の声に続いて「緑茶が好きになるほど、 お〜いお茶 がおいしく思う。
」としゃべる中
谷さんから自然の豊かさ、中谷さんの飾らない美しさと、
「お〜いお茶」の自然のままの美
味しさが伝わってくるCMとなっている。
今年 5 月から期間限定で発売された、
「お〜いお茶 新茶」では、歌舞伎俳優の市川新
之助が起用された。日本の伝統である緑茶を缶やペットボトルという現代的な姿に変えた
「お〜いお茶」と、伝統芸能である歌舞伎を背負う若きスターの市川新之助が日本の古き
良き 和 のイメージにうまく融合している。
「新茶」という爽やかなイメージを壊すこと
なく、最大限に表現している。また、市川新之助は秋冬限定のホット用のCMにも起用さ
れ、 寒い冬におにぎりとあたたかい「お〜いお茶」の相性の良さを表現し、「緑茶は温め
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ると味のごまかしがききません」
というナレーション通り、原料や自然の味わいへのこだわ
りが伝わってくる内容になっている。また、
「香り薫るむぎ茶」では笑福亭鶴瓶、
「花々緑
茶ジャスミン」では菊川怜をそれぞれ起用している。
伊藤園の広告宣伝にかける費用は年々増加しているが、伸長比率に対する売上比率も
年々上昇してきている。
(6)流通
ここでは伊藤園の流通チャネルについて見ていくことにする。茶葉については、茶・飲
料メーカーへの卸売りと専門の直営店販売方式がとられている。飲料については、一般小
売店、CVS、スーパー、百貨店、自動販売機などに直接販売するルートセールスが中心で
ある。1999 年 4 月期の販売ルート別の売上内訳は、ルートセールスが89.2%、大卸が
8.3%、直営店が2.5% 。ルートセールス中スーパーが17.3%、CVS が28.
1%、問屋が9.8%、一般が12.2%、自販機が19.9%、百貨店が2.5%であ
った。
直営店では 1977 年から茶葉販売の専門店「茶十徳」を全国に展開している。現在では
138 店舗を持ち、高級志向の本格的なお茶を求める消費者向けに販売している。また、1996
年からは生ジュースの販売のスタンド「ナチュラルステーション」も展開し、健康志向の消
費者を対象として搾りたてジュースや煎れたてコーヒーなどを提供している。現在首都圏
で5店舗を展開中。これらは伊藤園のブランドイメージの向上に貢献している。
自動販売機は現在5万台強を保有している。伊藤園では自動販売機の置き場所について
特徴的であり、競合他社の自販機と隣接するロケーションに設置する場合がある。
茶系飲料
の品揃えの違いを利用した戦略は他社の炭酸飲料やコーヒー飲料中心の自販機と並べて設
置しても同社のお茶中心の自販機とは競合しないという利点がある。
本庄社長は「うちの商
品構成ならば、コカ・コーラやサントリーなどの自販機と並べでも、売上を食い合うこと
はない」と述べ、これが伊藤園の自販機設置場所の開拓部隊が使うセールストークである。
炭酸や缶コーヒーに強い大手メーカーとの違いを打ち出すことによって、他社機と隣接す
る場所に自販機を置いてきた。
ただ、単独での設置を試みる場合は品揃えの弱さを理由に、大手に負けてしまう場合も
あるようだ。自販機は飲料水業界の販路の 40%を占めている。同社の自販機台数は約 5 万
2 千台であり、コカ・コーラグループの 95 万台を筆頭に大手が十数万台を保有する中では、
どうしても見劣りがしてしまう。しかし伊藤園では、商品ラインなどを法人相手の場合は
置き場所、社員構成などにより、商品構成もきめ細かく調整している。
例えば、女性が多い場
合、コーヒーより紅茶や無糖茶、果汁より野菜が多い。平均年齢の高い職場では、340g
の大きな缶より、190gの小さな缶を多くしている。このような、小さな調整によって売
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上は大きく変わってくる。
CVS では、500mlのペットボトルの需要が高くなっている。どこの CVS を見ても
缶は少なく、500mlのペットボトルか、紙パックがほとんどである。伊藤園は、緑茶飲
料、果汁飲料、烏龍茶飲料などの主力商品を中心に販売していて、CVS シェアは年々上昇
しており、1999年の段階でアサヒ飲料を抜いて業界3位である。
量販店は、緑茶飲料については、ヘビーユーザー向けの大型ペットボトルの販売率が高
くなっている。
試飲会などを積極的に行ない、効率よくブランドイメージの認知を図ってい
る。
(7)事業展開
伊藤園は、緑茶・野菜飲料の製造販売やティーショップの経営と共に、茶葉の販売も行な
っている。新宿高島屋タイムズスクエアの食料品売り場に進出し、緑茶を中心に茶葉の量
り売りをしているものである。こうした茶葉の販売の売上高は年々減少しているものの、
茶葉量り売りから始まり、トップメーカーへと成長しただけに全体の3割を占めている。
そして、インターネットショッピングが普及してきている現在、伊藤園でも「e茶 Shop
(い〜ちゃショップ)
」をいうインターネット販売を行なっている。ここでは、茶葉・飲料
はもちろんの事、お中元やお歳暮のようなギフトも取り扱っていて、
「のし」
「名入れ」もで
きるという本格的なもの。伊藤園からの領収書も発行でき、個人、法人に関わらず利用する
ことができる。また、健康のためにと、「カテキン抗菌・防臭タオル」まで販売している。
また、伊藤園では、海外進出も行なっている。1988年7月7日にハワイ州ホノルル
市に設立し、食品・飲料を販売・製造している。また、2001年5月10日にニューヨ
ークに緑茶のティーショップ、和食レストランを開設。緑茶のみではなく、野菜飲料や機能
性飲料の販売もおこなっている。アメリカでも日本同様、健康意識の高まりか、緑茶市場
は急拡大しており、伊藤園は6年後の黒字化を目指している。
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『〜Hey! Green Tea!!〜 小さな巨人・伊藤園』
第4章 未来の伊藤園
(1)伊藤園の営業力
現在の製品中心の戦略では差別化競争や価格競争には他社が容易に追随しやすく、ヒ
ット製品が出るとたちどころに類似品が登場してくる。製品中心の競争優位は持続性が
ないのである。そのため近年では製品中心ではない戦略を打ち立てている企業が多い。
いわゆる新規の「チャネル」を最大限に利用していることだ。チャネルを革新し持続的
競争優位を確立することこそ今の時代では重要になってくるのだ。顧客のニーズにたっ
てチャネルを形成し店頭や流通に在庫を置くことなく商品を販売できるのではないか。
営業というものの占める割合が多くなるということがあげられる。ここで伊藤園の営業
活動の可能性を実況放送っぽく紹介してみよう。
今は冬、寒くてはノドも渇かない。夏場が稼ぎ時の飲料業界にとって、冬はつかの間
の休養の季節である。だが、この冬はどうも休めそうにない。冬にこそ飲まれる新しい
商材、
「ホット PET ボトル」が出現したからだ。いつもより熱い冬商戦が始まろうとし
ているなか、早々と今年はウチが勝つと決まったようなもの」と言いきった会社がある。
緑茶欧料のトップブランド「お〜い、お茶」を擁する茶飲料業界のドン、伊藤園だ。気
の早い勝利宣言の真には、ある戦略の存在がある。一年前から密かに進めてきた「伊藤
園ウォーマー設置大作戦」がそれだ。
ウォーマーとは、コンビニのレジ脇でよく見かける、透明な飲料温蔵庫のこと。冷た
い飲料用の冷蔵庫が店内で幅を利かせているのに比べると、存在感はいまいち薄い。伊
藤園は、昨年から売り始めたホット PET に手応えを感じ、本格参入を決断。だが、現
状の小さなウォーマーでは売れる数にも限度がある。そこで、ただちにウォーマー製造
会社と契約し、
「伊藤園」のロゴも鮮やかな特製ウォーマーをどっさり二万台も作らせ
た。この秋冬に向けたコンビニ本部との商談では、ウォーマーを店内に置いてもらうこ
とが最大の焦点になった。コンビニにとっても悪い話ではない。ホット PET が売れれ
ば、冬場にいつも大きく落ち込む欧料売り上げがカサ上げできる。特に、ウォーマーを
使った場合の坪当たり販売金額は月一万八〇〇〇円と見込まれ、レジ脇でのライバルと
なる肉まん(同一万円)
、おでん(同一万五〇〇〇円)を上回る。一部のコンビニは、
すぐにウォーマー導入を決めた。メーカーの「色」のついた什器を店舗内に導入するこ
とには反発も予想されたが、まずは第一関門を突破し、年内には病院や駅の売店、コン
ビニを中心に、二万台すべての配置が完了する予定。伊藤園はホット PET 約一〇〇〇
万ケース分の販売棚を自ら生み出してしまった。だが、作戦はここからが本番だ。原則
では伊藤園のウォーマーの中には伊藤園のホット PET しか入れない契約だが、現実に
は小売店がライバル他社のホット PET を忍び込ませることは十分に考えられる。わざ
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『〜Hey! Green Tea!!〜 小さな巨人・伊藤園』
わざ他社の製品を温めてあげる必要はない。
「ウォーマーの中でどれだけシェアを取り
続けられるかが課題」になる。
そこでいよいよ、営業マンの出番だ。
「業界の非常識」だからあえて貫く伊藤園はもと
もと茶菓販売会社で、飲料メーカーとしては後発。卸問屋になかなか食い込めなかった。
苦肉の策として顧客を一軒一軒訪問し、独自の販路を積み上げていった。当時から三〇
年たった今も、一貫してルートセールスを守り続けている。伊藤園のルートセールスと
は、営業マンが自分の担当エリア内の一切を受け持つ仕組み。商談から受注−配達−集
金、ごみの回収、機材のメンテナンスに至るまで、全部引き受ける。業界では一部の例
外を除いて、効率化・人件費節減のために、営業マンは商談だけを担当するのが適例と
なっている。 ルートセールスを維持するために、伊藤園は過去一〇年にわたり年間三
〇〇人の新規採用をし、そのほとんどを営業部門に配属してきた。現在の従業員三七〇
〇人のうち、なんと八割を営業マンが占める。他社にならって商談以外はアウトソース
すれば人件費の節減になるのにあえてそうしないのは、顧客との″距離の近さ″をいち
ばんに考えてきたからだ。
「9 月に起きた新宿歌舞伎町の火災のときには、真夜中も配達に回っていました」と
話すのは、新宿支店の営業マン、小林淳浩さん。発火直後、報道陣がいっせいに詰めか
けたこともあって、歌舞伎町地区のコンビニ・自販機の在庫が不足状態に陥った。小林
さん即座に商品の補給に直行。素早い対応は、″一気通貰営業″のなせる業だ。昼夜を
問わず人足の絶えない新宿地区は、飲料販売の超激戦区。繁華街にある店は倉庫が狭い
ため、一日二回配達に行くこともある。交通量の多さも半端でない。小林さんの頭には、
取引先の販売状況から交通事情まで、すべてがたたき込まれている。新規開拓も営業マ
ンの仕事。
「西新宿のオフィスビルで引っ越しを見かけたら、次はどんな会社が入るの
か受付のお姉さんにリサーチしておく」
。フットワークのよさが効いているのか、自販
機設置台数も毎年一万台ずつ伸ばしている。業界平均が二〇〇〇〜三〇〇〇台だから、
こちらも大躍進だ。売り上げは、数量×単価この「当たり前」を守ると聞いただけでも
ハードワークなことだ。
この営業マンたちを陰で支えているのは、完全実力主義に基づく評価制度の存在だ。
伊藤園には「7 冠」と呼ばれる評価報酬制度がある。年初に設定した七つの目標値をク
リアした営業拠点は、内勤も含めた全員に一〇万円が支給されるというものだ。売上高、
訪問件数、新規顧客開拓数、粗利益、経常利益、棚卸減耗損、未入金残高。単に「一〇
万ケース売りきった」と言っても、自慢にはならない。利益が出る価格で卸したのか。
振り込みはちゃんとされているか。一人一人にキャッシュフロー感覚が要求される。伊
藤園に入社すると、社員はまず財務諸表の読み方から仕込まれる。ここの営業マンはた
ぶん、普通よりはかなりつらい。ただし、拠点レベルで高い利益を生み出せるようにな
れば、大きなご褒美が待っている。
伊藤園は、一定の利益に達した営業拠点をどんどん分割していく。利益の出るエリア
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でさらに顧客への密着度を高め、さらに利益を引き出す。現在、拠点数は全国で一七六
ヵ所。今期は新たに二二拠点が生まれ、2005 年までには二三〇に増える見込みである。
拠点が増えると、支店長、副支店長などと、自動的にポストが増える。これが拠点拡充
のもう一つの「もくろみ」にほかならない。がんばり次第では、二〇代のうちに支店の
トップを任されるのも夢ではない。見えるところに目標があるから、社員はモチベーシ
ョンを失わずに働き続けることができる。このように伊藤園の営業活動には未来が見え
ている。このようにあらたなものを作るのと同時に売り場も一緒に作ってしまった。こ
のように同時になにかを生み出しまたミックスさせて経営に役立てようとする。このよ
うなことができるのは顧客との直接的なかかわりの中でのニーズの吸い上げやフィー
ドバックができているのだろう。この方法は地道であるが効果的な方法ではないか。こ
れをしていく限り伊藤園は更なる発展を遂げるのではないか。
(2)伊藤園の価値観と人材育成
まだ創業 30 年程度の企業であり、創業者が会長・社長として組織をひっぱっている。
また創業やその後の設備投資からの資金繰りの苦労、新製品や新しい技術の開発などに
見られるように、細心の注意をすると同時に、リスクを恐れない、チャレンジ重視の組
織風土がある。 例えば「無理な販売計画は絶対に立てさせない。冷夏・暖冬という最
悪の条件を考えて、それでも確実に達成できる売り上げ、利益の範囲内で計画をまとめ
るよう指示しています」と細心の経営をしている点は見逃せない。
一方「加点主義をとっている。前向きの失敗は一切、処罰しないし、降格もさせない。
たとえ 1 億円の揖失を出しても担当役員も処分しない。ただし、報告だけは徹底させる」
という側面もある。撤退もすばやく、ナタデココ・ブームの時に大ヒットになった商品
も 1 年後売れなくなった時にすぐ撤退した。また新開発発表までしたコーヒー店も 6 ケ
月で駄目とわかった時点で、撤退を決意。契約完了まで待って 1 年で撤退した。
「商売
はもうからければいけませんから、駄目なときは思いきってやめます」
「一度手形の不
渡りを出したら,2 度と立ち直れない。駄目かなと思ったら早めにあきらめる」という
思いきりの良さも創業時から特徴的である。本庄会長と社長の話には、
「運」と「人」
というコメントが多い。
パッケージ茶のヒット、烏龍茶のヒット、緑茶飲料のヒット、カテキン・ウォーター
など、たまたまラッキーだったという感じを持っている様子が強い。また創業当時の資
金繰りの苦労などからも、助けてもらった人への恩の意識は高い。例えば、資金繰りに
苦労した時に銀行に助けてもらったことから、株式評価損が高額になっても、銀行株を
売却したらという助言にも耳を貸さないほどである。
「ここまで来られたのは、自分の
カと思うのは大間違いで、銀行の力であり、周りの人の力であり、社員の力です。もっ
と大きいのは運のカです。今の伊藤園は銀行が金を貸してくれなかったら缶のお茶も何
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亜細亜大学経営学部大江ゼミナール サブゼミ論集 2001 年 マーケティング班
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もない。ひとつの大きな恩返しなので銀行株は死んだって売らない」人材・組織能力創
業からまだ日が浅いため,社員の平均年齢は 28 歳 10 ケ月であり,急成長したこともあ
って,中間管理職が不足しているという指摘もある。その点を補うため,1988 年より社
内教育機関として「伊藤園大学」を開始し人材の開発につとめている。ここでは内外の
講師が各種のコースを教えており、社員は週末などを用い 1 年で終了する。料金も自前
で払う制度であるにもかかわらず年間 600 名程度がこのコースを履修する。
また、権限委譲や若手の登用は活発で、30 代で役員になることもある。それに年 300
人以上という大量採用を続けている。本庄正則氏から弟の八郎氏に社長を交代したのは
1988 年。
「弟が 40 代の間に譲ろうと考えたわけだが、それは弟だからというより、二
人で創業からやってきて最も信頼のおける部下だからだった。
」
「会社というものは次々
譲ってゆかないと近代性がなくなる。例えば私の言う。ことはほとんど全部通るけれど,
今考えたり言ったりすることの 70%は間違っている。私がおかしいと思う宣伝がヒット
したり、古い人間は早く身を引いたほうがいいんではないか・・・」このような常に先
進性を見ているトップのいる伊藤園での価値観や社内カルチャーがあり、それを支える
従業員がいる。また、人材の育成にも力を入れている。
(3)今後の課題
ここ数年伊藤園は、飲料化が進み健康指向の追い風を受けて成長を続けてきた緑茶市場
におけるトップブランドとして、順調な成長を続けてきた。今後も短期的にはこのまま
の成長が期待されている。売上 3000 億円程度までは国内を中心に現在の商品構成を基
本にして伸ばせると思われる。さらに中長期的には欧米における最近の緑茶ブームが追
い風となって、海外への展開もかなり積極的に考えている。カテキンなど緑茶の有効成
分を用いた飲料以外の分野への進出も十分考えられよう○一方中長期的な展望となる
と、茶菓の原料調達、成長市場の緑茶市場における競争の激化、茶系飲料以外でのブラ
ンド育成など、課題はまだまだある。
また創業兄弟が一線を退いた後組織の求心力をどう保っていくか、についても懸念は
つきない。特に 1970 年代後半以降、伊藤園は業績も右屑上がりで順調にやってきた。
その意味では挫折や創業の苦労を知らない世代がほとんどになった時、どのように苦境
を乗り切るか,は未知の世界であった。創業し自ら率先して伊藤園をひっぱってきた本
庄兄弟にとって、世代交代は特に重要な課題となっている。これまでは兄が財務、弟が
営業・商品開発と役割分担してきた本庄兄弟。社長を譲ってからは「君臨すれども統治
しない」
「権威・権力は持っているが行使しない」という基本方針を持つ本庄正則会長。
現在 50 代後半の本庄社長にとって伊藤園の今後は人材の育成による所が大きいのでは
ないだろうか。
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亜細亜大学経営学部大江ゼミナール サブゼミ論集 2001 年 マーケティング班
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終わりに
この研究を終えて思ったのは、飲料業界は常に変化しつづけるという点だ。機械やIT
などでは対応しきれないところも常に出てくる。やっぱり最後には「人」の手が必要とな
ってくるのではないだろうか。結局、すべてが整っていても営業力が弱くては話にならな
い。人材の育成こそが急務ではないだろうか。これからも伊藤園の成長と 2002 年の茶市場
を牽引していくのはなんだろうか??どんなお茶なのだろうか??ということに注目して
いきたい。
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