知財ライセンス 101(基礎)

知財ライセンス
101(基礎):
Licensing
101
Innography による知財ラインセンスの重要性に関する考察
H. Joe
JD, MS
H. Joe Runge,
JD,Runge,
MS
Senior Licensing
Specialist
and
Business Development
Manager
Senior Licensing
Specialist and
Business
Development
Manager
UNeMedUNeMed
Corporation,
University ofUniversity
Nebraska Medical
CenterMedical Center
Corporation,
of Nebraska
2014
January 2015
日本語 HP: http://www.innography.jp/
Table of Contents
知財ライセンス 101(基礎編).............................................................................................................................................................3
独占的な使用権..........................................................................................................................................................................................4
資産の売却....................................................................................................................................................................................................5
知財のライセンス......................................................................................................................................................................................6
ライセンスの履行 . ...................................................................................................................................................................................7
知財ライセンス 201(応用編).............................................................................................................................................................8
秘密情報........................................................................................................................................................................................................9
権利の重複................................................................................................................................................................................................. 10
知財のライセンスと 21 世紀............................................................................................................................................ 11
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知財ライセンス 101(基礎編)
Under Armor は、150 万ドルで MapMyFitness
を買収し、デジタルフィットネスの世界に
大きく参入しました。スポーツアパレルの
会社が、400 以上のフィットネス監視装置
と繋がった 2,500 万人以上の登録ユーザー
とオンラインサービスを購入したのです。
企業の買収は、
会社を変革させます。
「Under
Armour's Future Show Innovation Challenge
(新
ブランドのアイデア賞の授与コンテスト)
では、現在 MapMyFitness のソフトウェア
MapMyFitness が出願中の 5 つの特許
を統合するアイデアが必要になっています。
米 国 特 許 商 標 庁(USPTO) に よ る と、
Under Armor は現在、デジタルヘルスの
知財の売買は、2010 年だけで米国経済
企業と競合し、テクノロジーやイノベー
ション、知的財産(IP)に、より依存す
るようになりましたが、この戦略は納得
がいくものです。
経済の最も重要な部分を活かすために
に約 5 兆 6 百億ドルの付加価値を生み
出し、米国の国内総生産の 34.8 パーセ
ントを占めています。
※1
知財は貴重な要素です。しかし、Under
Armor の買収も、技術革新における経済
と知財の関係のリスクを表しています。
買収後まもなくして、Adidas は、Under
Armor に対して特許侵害訴訟を起こしま
した。Adidas は MapMyFitness のプラッ
トフォームは、Adidas の移動監視技術
の特許を侵害していると主張していま
す。 ま た、Adidas は、Under Armor に
Adidas の積極的な特許出願分野(黄色の部分)
よる MapMyFitness の技術者の取り込みは、Adidas の特許に関する完全な知識を持った上で行われており(彼
らは、かつて Adidas の研究者でした)侵害は故意であると主張しました。
Under Armor は、MapMyFitness を買収する以前は、異なる観点からシューズ、アパレル、ボディプロテクショ
ン技術を開発していました。
※ 1: http://www.uspto.gov/news/publications/ 知財 _Report_March_2012.pdf
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Under Armour が Adidas か ら の 訴 訟 を 避 け て
MapMyFitness を買収する方法はあったでしょう
か。その答えはライセンスです。知財は、発明を
保護するだけではなく、成功した企業が自社の発
明を売買する方法でもあります。21 世紀の経済
において、効果的な知財のライセンスは、発明を
収益化するための知財の保護と同じくらい重要で
す。本稿では、知財のライセンス(ライセンスと
は何か、どのように行われるのか、また、効果的
なライセンスが、知財ポートフォリオを超えた価
MapMyFitness の買収前は、Under Armour 社のポートフォリオのほ
とんどは、衣料と運動保護用具で占められていました
値を生み出す核になるか)について考察します。
独占的な使用権
知財のライセンスをより理解するために、もう一つの例をあげます。あるトラクター会社が、新しいトラク
ターの特許を取得しました。新しいトラクターの機能は、競合する会社の製品と同等ですがはるかに安価で
す。同社は、新しいトラクターを生産ラインに載せました。取得した特許は、競合する会社が同様の低コス
トのトラクターを製造できなくし、このトラクター会社は競争を終わらせることができました。
新技術から競争相手を排除するために特許を利用することは、昔から理解されている特許の価値です。この
例は、トラクター会社が、新しいトラクターの生産に加えて、新たなトラクターを設計しテストすることが
できる従業員を保有していることを前提としています。製品を生産する同社は、特許を発明した会社でもあ
りますので、この場合ライセンスは必要ありません。
別の例を検証してみましょう。ある設計会社の技術者が、新しいトラクターを設計しました。発明と生産を
同じ屋根の下で行うのではなく、この 2 社は、互いに別の場所に存在します。設計会社の特許でトラクター
会社が製品を製造するには、設計会社がトラクター会社に特許の権利をライセンスする必要があります。
21 世紀経済において、特許のライセンスは益々重要になります。機械を製造する会社の発明は、同じ機械
をより効率的に製造する方法に焦点を当てています。新しい機械を製造するための発明では、違う企業が場
所だけを提供することがあります。ライセンスは、異なる分野に特化した専門家が発明を共有できる枠組み
を提供します。
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資産の売却
ある外科医は、彼女のツールの手術中の不
具合について何年もの間同僚に不平を漏ら
していました。彼女は自身が設計した新し
いツールの特許を出願し、それをマーケッ
トで販売するための会社を作りました。 彼
女は FDA の承認を得るための全てのテスト
を自分の財産を使って実施しました。
ある時、外科用器具の大手の会社が彼女の
手術用器具のマーケットマップ
会社を買収することになりましたが、大手
の会社は何を買ったのでしょうか。外科用器具の設計方法を説明しているこの外科医の特許は、会社の核と
なる資産です。ツールと研究のプロトタイプは、外科医にとって使い易いもので、さらに FDA の承認は、特
許をより価値あるものにしています。知財は財産(特定の境界によって定義された権利の小包)です。新興
企業は、多くの場合、いくつかの特許権を持ってビジネスを開始し、その特許資産の開発にお金を投資して
います。不動産のデベロッパーがアパートの塀を作ったり、土地という資産の上にショッピングモールを建
設するのと同じように、事業を始めた会社は、研究、規制当局の承認、または顧客開発で保有する知財を強
化します。彼女がツールの開発に投資した費用を回収できる唯一の方法は、同じ、または同様のツールを他
の会社が製造するのを防ぐことです。
ツールの開発が完了したら、外科医は会社を売りに出すことができます。しかし、彼女が買い手を見つけた
としても、開発にかかった全ての正確な費用を算出するのは非常に困難です。会社の売却による価格のほと
んどは、ライセンス条件に含めることができます。外科医は、彼女個人の特許を彼女の会社にライセンスす
ることができます。大手の外科用器具の会社が彼女の会社を購入する時は、ライセンスも購入します。同社
は、彼女が自分の会社と交渉したのと同じ使用料、管理料とサービス料を彼女に支払う必要があります。大
手の外科用器具の会社は、彼女の会社を購入する前に、彼女にライセンス条項を変更してもらう必要がある
かもしれません。契約期間中のライセンス料の請求は、会社の売却益よりも、彼女にとって利益を得る重要
な方法かもしれません。
別の例を検証してみましょう。外科医がツールを発明する代わりに、麻酔薬を製造する会社の営業担当者が
ツールを発明しました。麻酔薬の会社は、特許出願を提出しましたが、外科用器具を作り、販売するための
従業員は持っていません。麻酔薬の会社は、新たに外科事業部を作るか、すでに存在する会社と提携してツー
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ルを販売するかのどちらかが必要です。麻酔薬の会社は、外科医の会社とは異なり、会社全体を買ってくれ
る企業を探しているわけではありません。代わりに、麻酔薬の会社は、販売ルートを開発し、知財の使用料
を支払うことができるパートナーを見つけたいと思っています。 知財のライセンスは、そのような提携を非
常に洗練した方法で行うことを可能にします。
知財のライセンス
ライセンスは知財の一部、または全てを
含んでいますか。分野や地域で制限され
ていますか。条件付きですか。排他的で
すか。知財ライセンスの多様で多くの側
面は、知財、ライセンサー(実施許諾者)、
ライセンシー(実施権者)を反映した広
範囲で多彩な取引を可能にします。
例えば、麻酔薬の会社は米国の外科用器
麻酔薬マーケットの新規参入企業と既存企業のマップ
具の会社 1 社、ヨーロッパの会社 1 社、
中国の会社 1 社とビジネスができます。もし、麻酔薬の会社が全ての地域で特許を取得しているなら(例:
特許の出願はそれぞれの国で申請されます)それぞれの国で別のパートナーを見つけることができます。
ツールをライセンスしたい外科用器具の会社が、後の開発段階での失敗を懸念している場合、同社は、開発
が軌道に乗るまで支払いを最小にするためのライセンス契約をすることができます。ライセンス契約は、特
許に関連して行われるため、特許の分担開発が可能になります。その場合は、リスクもシェアすることにな
りますが、そうした分担開発は自由に交渉できます。
麻酔薬の会社はツールを様々な分野(例えば、獣医手術、または口腔外科など)で使用することもできます。
ツールの特許は、異なる分野で使用するための任意の変更が可能な場合もあります。麻酔薬の会社は、どん
な種類の相手にも合うようにライセンスを自由に分けることができます。
知財を開発することになると、麻酔薬の会社は、非独占的権利をライセンスするのに苦労することがありま
す。 知財は排他的なものです。市場に新たな外科用器具を投入することはかなりの投資になる可能性があ
ります。外科用器具の会社は、同じツールを販売している他の会社と競合する必要がある場合、その投資を
回収できる可能性は低くなります。非排他性は、開発過程の後半では意味があります。外科用器具の会社は、
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代理店と非独占契約をすることもできます。同社は、特定の国では、複数の代理店を指定する場合がありま
す。その方法では、それぞれの代理店に特定の地域で器具を販売する非独占的なライセンスを与えます。
ライセンスの履行
知財は財産であり、それは履行されるために存在します。 知財を履行する努力は、多くの場合、知財のライ
センスにつながります。例えば、銀行は、コンピュータシステムのための新しいセキュリティ技術を強く求
めています。金融会社は、金融データに特に有用な斬新な形式の暗号化技術に特化した製品を開発していま
す。保険会社は、財務情報にアクセスするための暗号化の用途で新規のアーキテクチャに特化して製品を開
発しています。両社は、その新機能のための特許を保有しています。
両社が製品を発表する段階に近づいた時、各々は互いの特許を侵害していることを認識しています。お互い
を侵害で提訴する前に、両社は、互いの特許権のクロスライセンスについて合意します。保険会社は、金融
会社の暗号化技術の利用権を取得します。金融会社は、保険会社のアーキテクチャの利用権を取得します。
銀行は、暗号化技術とアーキテクチャの両方を使用した製品を購入します。この場合両社の利益は、お互い
の売上から得ることができます。
クロスライセンスにより、両社は互いの発明の恩恵を受けますが、それは、知財が堅牢に保護されている場
合のみ可能です。金融会社の暗号化技術の特許のライセンスを受ける前に、保険会社は、自社の製品が、確
実に彼らの特許を侵害していることを確認するための調査を行います。また、保険会社は、製品を再設計し、
金融会社の特許侵害を確実に回避することが可能であるかどうかを調査します。競合する企業同士の特許の
クロスライセンスは、侵害の恐れが高い場合にのみ意味を持ちます。
知財ライセンス 201(応用編)
特許はライセンスのための重要な資産です。特許は、十分に定義され、特定された強制力のある請求項を持っ
ています。しかしながら、全ての知財が特許と言う訳ではなく、発明者は、おそらく特許の範囲外の他の重
要な知財を持っています。知財のライセンスでは、特許だけではなく、知財の全体像を考慮する必要があり
ます。
例えば、自分の会社を始めた外科医は、彼女の特許を開発するために自分の会社を作りました。彼女は試作
品を作り、他の外科医の好みを調べるためのマーケティング調査を実施しました。その情報はそれ自体で価
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値があり、おそらく彼女が売った会社の資産に含まれていました。加えて、外科医は、製品としての器具を
動作させる方法に関する貴重な見識を持っています。その専門知識は、特定の新製品に彼女の特許を応用す
る上で重要です。
あなたが、外科用器具の会社のプロダクトマネージャーであると仮定してみてください。あなたの雇用主は、
ちょうどこの新会社を買収し、新製品を発売したいと考えています。外科医のプロトタイプをうまく新製品
に応用するため、あなたは、外科医の長年の経験、問題の理解、業界に関する知識を必要としています。そ
れらの情報は、外科医の知的財産(彼女が所有するノウハウ)です。設計チームが新しい器具を設計する時、
あなたのサプライチェーンが材料を選択する時、規制担当者が書類を当局に提出する時、あなたは彼女の情
報を必要としています。あなたは彼女のノウハウのライセンスを受ける必要があります。
ノウハウのライセンス契約は、特許のライセンス契約とは異なります。特許の場合、非常に特化した表現(例
えば: ライセンサー(実施許諾者)はライセンシー(実施権者)に使用を許諾した製品の、米国内で、また
は米国米国内に輸入して、使用、販売のための提案、または販売するための排他的 / 非排他的権利を付与する)
が使用されます。特定の法律用語を使用して米国政府が発明者に権利を付与しているため、特許のライセン
ス範囲は非常に限定されています。
ノウハウのライセンスには、そのような特定は必要ありません。ノウハウのライセンサー(実施許諾者)は、
契約に合わせて、そのノウハウを自由に定義します。外科医として、彼女は自身のノウハウの定義をライセ
ンスする特許に付けることができます。彼女は、外科用器具の会社に、特許と同様に「市場に関連した彼女
の独自のノウハウとライセンスされた特許に記載されている器具を使用する権利」をライセンスすることが
できます。外科医は、自身のノウハウと引き換えに何を求めるべきでしょうか。彼女は特許権の満了時に彼
女の器具から価値を得るための方法としてノウハウを使用することができます。彼女の特許のライセンスは、
特許の存続期間中だけのものかもしれませんが、彼女のノウハウが期限切れになることはありません。彼女
は、外科用器具の会社が製品を売っている限りずっと、自身の外科用器具に対する特許料を保証するために
彼女のノウハウを高めようとするかもしれません。外科用器具の会社が彼女の会社を買う時、彼女は、売却
価格を改善するために自身のノウハウを利用する権利をライセンスすることができます。また、彼女は、彼
女のノウハウの利用権と引き換えに、雇用や時間ごとのコンサルティング料を交渉することもできます。
彼女が自身のノウハウからどのように価値を得るかにかかわらず、それをライセンスするのは彼女です。し
かしながら、ノウハウのライセンスには、より多くの従来のアプローチを取ることができます。もし外科医
が、長引く交渉の後に、彼女のノウハウのライセンスのための外科用器具の会社と合意に達することができ
なかった場合は、外科用器具の会社は、違う外科医を見つけて、コンサルタントとして採用することができ
ます。そのコンサルティング契約にはおそらく、外科用器具の会社がコンサルタントのノウハウに対するラ
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イセンスを入手するという条件が含まれているでしょう。
秘密情報
正式な保護がなければ、発明を守るための唯一の方法は秘密です。知的財産法は、発明者、著者、および革
新者が公共の場で自身の仕事の結果を共有する動機を与えるために存在します。秘密は今でも発明を守る持
続可能な手段で、いくつかの発明は、他のものより優れた秘密事項です。
前述の例のトラクターを製造する企業は、おそらく機械の設計を秘密をすることはできません。競争相手は、
トラクターを購入し、それをリバースエンジニアリングしてから、別のものを製造します。発明の本質は、
公衆へそれがオープンになることです。トラクター会社がリバースエンジニアリングを防ぐためには、巧妙
な工夫をしなければならないでしょう。
それが製造される方法は、しかしながら、貴重な秘密として役に立ちます。部品が製造され、組み立てられる
順序は、トラクターのような複雑なものを製造するコストを完全に変えることができます。トラクター会社が
生産ラインで特に効率的な配置を発明した場合、それは知財として秘密を保護することができます。
営業秘密を保護するには、多くの手続きを必要とします。ほとんどの州では、保護の対象と何が秘密かを明
確にする実際の考慮事項を規定する企業秘密法を持っています。企業は、秘密へのアクセスを制限し、それ
を保護するための努力をしなければなりませんが、最も重要なのは、秘密へのアクセスが、会社のために実
際の価値を生み出すことを示さなければならないことです。秘密の保有者が、これら全ての手続きを実践で
きる場合は、政府が秘密保持者​​が彼の秘密を保つのを助けます。
トラクタの生産ラインは、企業秘密によって保護することができるものの 1 つです。同社は、工場のそのエリア
への立ち入りを制限することができます。ラインの作業員は、彼らの仕事がより広範なプロセスにどのように適
合するかの知識は制限されています。生産ラインは、しばしば非常に複雑なため、彼らの稼働しているのを見て
それらを理解するのは十分ではありません。
企業秘密の性質は、ライセンスを複雑なものにしています。企業秘密の最高の種類は、誰も存在することさ
え知らないものです。しかし、企業秘密のライセンスに意味がある時があります。例えば、トラクター会社
の大手の競争相手は、トラクター会社の購入を申し出ることができます。工場のツアーで、大手の企業は、
秘密の生産ラインを知ります。彼らはトラクター会社を欲しているのではなく、ただ生産ラインの効率を望
んでいたこと悟って、使用料と引き換えに独自の生産ラインの設計のライセンスを希望します。トラクター
会社は同意するとすぐに、大きな会社に独自の生産ラインのライセンスを与えて、これまでトラクターを売っ
たよりもより多くのお金を得ることができました。
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権利の重複
ソフトウェアの特許の保護は複雑です。ソフトウェアは、複数で同時の形態の保護が必要な製品です。ソフ
トウェアは、どのように特許として主張することができるでしょうか。ソフトウェアシステムは、それらを
構成するプログラムの各部分も特許として請求することができます。さらに、ソフトウェアを実行するマシ
ンに命令する実際のコードは、著作権で保護することができる作品です。完全に保護されたソフトウェアは、
特許、著作権、および他の形態の保護の組み合わせが必要です。
ただ、複数の形態のソフトウェアの保護が複雑なのと同様に、知財の複数の形態はまた、ソフトウェアのラ
イセンスを複雑にしています。銀行のセキュリティの例では、金融会社の暗号化技術で、そのアーキテクチャ
をクロスライセンスしようとしている保険会社が使用している知財を考慮する必要があります。 知財の性質
は、企業によって異なっているものです。
保険会社のアーキテクチャの特許は、例えば、非常に広範囲におよぶかもしれません。また、その特許は、
保険会社の特許を侵害するような安全なネットワークを構築する複数の方法を教えることがあります。保険
会社は、ネットワークの構築ではなく、設計部分を得意としています。クライアントは、アドバイスや専門
知識を利用する権利に対してお金を支払います。保険会社が、コードの構築に時間を割けず、データベース
となる実行可能なソフトウェア技術を持っていない場合、金融会社は保険会社の特許を使用する必要はあり
ますが、著作権で保護された複数のコードのいずれにも興味がないかもしれません。
逆に、金融会社は、実際にそのクライアントのための実行可能な暗号化プログラムを作成することができま
す。また、その特許ポートフォリオは、彼らが開発する全てのアルゴリズムに拡張できないかもしれません
(特に最新のアルゴリズムに)。その場合は、保険会社はその特許ポートフォリオをライセンスするより、そ
の最新の暗号化アプリケーションの著作権をライセンスすることに、より興味があるかもしれません。
このようにして、クロスライセンス契約はより洗練されていきます。一方の当事者が特許を、もう一方が著
作権をライセンスします。両方を合わせることで両社の強みを利用した製品の提供が可能になり、ソフトウェ
アのように複雑な技術は、様々な方法で保護することができることが明白になります。
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知財のライセンスと 21 世紀
世界経済は、現在、知財保有者に価値を生み出すために連動していますが、より多くの価値は、新たなビジ
ネスモデルから生み出されます。過去には、知財保有者は製品を生産し、競合製品を除外するために知財を
使用していました。投資家は、現在、革新的な企業(貴重な知財を作成し保護する以上のことを行う)を高
※2
く評価しています。
効果的な知財のライセンスは、21 世紀経済の革新を収益化するための知財の保護と同様に重要です。知財
のライセンスは、しかし別のビジネスモデル以上のもの、発明者、著者、革新者、そして企業の知財の見方
に根本的な変化が必要です。知識や情報をライセンスをすることによってて交換することが可能な公開され
た市場を作り出すには、企業が自社の知財を保護する方法を変える必要があります。これは、彼らが持って
いる知財とそれらの製品、またはサービスを作るためにどのような権利が必要かを認識することから始まり
ます。次に、有望なライセンシー(実施権者)にとって、基礎となる知財を可能な限り魅力的にするには、
権利の強固な保護が必要です。最後に、効果的なライセンスには、知財の公正な価値と引き換えに、ライセ
ンシー(実施権者)が必要とする権利を得られるようにするために詳細な立案 とライセンスやビジネスモデ
ルの創造的な開発が必要です。
※ 2: 新しい研究は、発明と知的財産を基に株式市場が特にビジネスモデルを高く評価していることを示しています。
http://sloanreview.mit.edu/article/the-business-models-investors-prefer/
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