NEWS Japan 39号 - 日本TMA 日本ターンアラウンド・マネジメント協会

2014.4.30
39
事業再生 ~アジアに向けて~
TMA Asia Pacific Conference 2014
オープニングセレモニー
特別基調講演
星野リゾートグループ 代表 星野 佳路氏
リポート
FTI コンサルティング コーポレートファイナンス/事業再生担当マネージングディレクター
マーカス・パチオッコ氏
アリックスパートナーズ マネージングディレクター・アジア地域担当統括
CV ラマチャンドラン氏
講演
経済産業省 経済産業政策局 産業再生課長 吉本 豊氏
パネルディスカッション
クロージングセッション
表彰式
レセプション 特別ゲスト
インテグラル株式会社 代表取締役 佐山 展生氏
総 会
2014 年 4 月 30 日発行 第 39 号 季刊
2013 年 11 月 25 日発行 第 37 号 季刊
発行所 特定非営利活動法人 日本ターンアラウンド・マネジメント協会
発行所 特定非営利活動法人 日本ターンアラウンド・マネジメント協会
〒 160-0022
〒 160-0022 東京都新宿区新宿 1-7-1 新宿 171
ビル 7F 東京都新宿区新宿 1-7-1 新宿 171 ビル 7F
TEL: 03-5269-2303 FAX: 03-5269-1482 TEL: 03-5269-2303 FAX: 03-5269-1482
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事 業 再 生 ~ア ジ ア に 向 け て ~
TMA Asia Pacific Conference 2014
オープニングセレモニー
O p e n i n g
日本 TMA と ACTP が共催する国際会議「事業再生~アジ
C e r e m o n y
として、今後の流れを決めるものです。
さいました。私は TMA オーストラリアチェアマンとして、
アジア
・
開設し、現在の会員数は 200 名になっております。TMA に
太平洋地域の国際会議を、2013 年にシドニーで開催しました。
は、更に成長するためのチャンスがあり、事業再生のマーケッ
アに向けて~ TMA Asia Pacific Conference 2014」が、東京
世界経済が低迷する中、TMA もその影響を受け、各地域
都千代田区の日経ビル3階・日経ホールと同6階・日経カンファ
で様々な異なる課題を抱えています。特に 2008 年のリーマン
そして本日、また国際会議の場に参加できたことを大変嬉しく
トは地域全体に貢献できると考えております。TMA が今後も
レンスルームにて、平成 26 年4月4日(金)に開催されました。
ショックを機に、大きな影響を受けました。この危機において、
思っております。5~6年前のオーストラリアの事業再生のマー
重要な役割を果たしていくためには、特に協力するということ
同会議は「再生プロフェッショナルや再生企業の視点から諸提
再生事業が更に加速されていくと考えております。現在この状
ケットは、小規模なものでした。しかし、現在は非常に大きく
が重要になります。この会議には大勢の方にご参加いただき、
言の世界への発信」
「国内はもとより、海外企業の再生問題や
況に対処するために、事業再生のプロが求められており、訓
なり、多くのコンサルタントやアドバイザー、ファンドなどが参
素晴らしいゲストの方々がお話されます。日本だけなく、アジ
国際倒産などの現存する再生に関わる諸課題に対する問題提
練を受けた有資格者によるターンアラウンド・マネジメントが欠
入しております。TMA は、オーストラリアで非常に大きな役割
ア・太平洋地域全体が成長するチャンスを見つけたいと思いま
起とその解決への挑戦」
「事業再生分野の啓蒙、日本 TMA
かせません。しかし、そうした人材は不足しています。
を担っており、事業再生市場の成長に寄与してまいりました。
す。本日は、TMA グローバルの代表団も参加しており、この
および資格の普及、メンバー内外の交流・情報交換、ビジネ
TMA では、この状況を是正する必要があると認識し、世
私自身も、TMA のリージョナル・バイス・プレジデントを務
地域の存在感が高まっております。本日の会議が成功に終わ
ス機会の創出」の3点を目的に掲げ、事業再生に関わる国内
界各国で CTP プログラムを改善、強化しております。また、
め、日本やオーストラリア、香港の各支部と協力しながら、組
ることを期待しております」と挨拶して、オープニングセレモニー
外の多彩なゲストを招待。午前9時 30 分から昼食を挟んで午
世界各国の TMA メンバーに対しても改善活動を行い、更な
織の強化を図ってまいりました。最近はシンガポールに支部を
を締めました。
後7時頃まで、基調講演やリポート、パネルディスカッションな
るレベルアップに努めてまいります。そして、TMA の組織力
ど盛りだくさんの内容で行われました。総合司会をテレビ東京
を更に高め、世界中の各支部や地域間で横と縦のつながりも
アナウンサーの塩田真弓氏が務め、約 430 名が参加した、盛
強化することで、再生事業に関わる人々が仕事をしやすくなる
大な会議でした。終了後は、
日経ビルに隣接する経団連会館で、
と考えております。
特別基 調 講 演
今回の会議で、アジアにおける TMA ネットワークが更に強化
レセプションも行われました。
オープニングセレモニーでは、まず許斐義信・日本 TMA
されることを望んでおります。また、会議を通して皆様と意見交
理事長が挨拶。
「日本 TMA と ACTP では毎年、年次総会
換したいと考えております。TMA は、各支部で特にアジア地域
でこの種のカンファレンスを、小規模で行っておりますが、今
におけるニーズに合った活動を、今後も展開してまいりますので、
年は TMA のメンバーや海外企業の方々にご参加いただき、
宜しくお願いいたします」と同会議への意気込みを示しました。
国際会議を開催することになりました。この会議を行うために、
多くの方々からご後援、ご高説を賜りましたことを、改めて御
そして、三番手となる TMA オーストラリアのジョン・ネステル
(John Nestel)チェアマンは「本日の会議にようこそお越しくだ
礼申し上げます。今日1日のイベントで
ゲストスピーカー
K e y n o t e
S p e e c h
星野 佳路氏
星野リゾートグループ代表 この講演では、星野代表の生い立ちから始まり、星野リゾー
代表自らの実体験に基づいたエピソードなどを、ユーモアも交
トがこれまで辿ってきた成長の軌跡を追いながら、組織論に
えて披露。そして、地方のリゾート再生において、良質な人材
ついて語られました。その過程において、最も経営の課題に
を集め長く仕事をしてもうらためには、社員に夢を与える、働
なったのが、人材の確保。能力の高い人材を集め、日本の地
く楽しさを演出する、成長を保証する、出世の機会にある程
方で生活しながら長く働いてもらうということを、最大のテー
度の自由を与えるといったことが大切だと説きました。
マに掲げたといいます。
すが、最後まで皆様方に有意義な時間
講演中は、星野代表ならではの軽妙で歯切れの良い語り口
そこで星野代表は、リクルーティングと人材のマネジメントに
になることを祈念して、開会を宣言いた
します。1日宜しくお付き合いください
ませ」と語りました。
に、会場内で笑い声が上がる場面が何度も見られました。また、
関して、
「ビジョンと価値観の共有」「コンセプトへの共感」「情
最後には会場全体から拍手が送られ、聴衆の満足度の高さも
報とプロセスの公開」「醍醐味満喫」「キャリアコントロール」
うかがわせました。
という5つのキーワードを挙げました。これらについて、星野
続いて TMA グローバルのトーマス・
■星野 佳路氏 プロフィール
キム(Thomas M. Kim)チェアマンが
登壇。
「TMA グローバルは、世界各国
TMAグローバル・キム氏
1960 年、長野県軽井沢町生まれ。1983 年、慶應義塾大学経済学部を卒業後、米国
日本 TMA・許斐理事長
コーネル大学ホテル経営大学院修士課程修了。1991 年、㈱星野リゾート社長に就任する。
に 9000 名以上のメンバー抱えており、
所有と運営を一体とする日本の観光産業で、いち早く運営特化戦略をとり、運営サービス
この団体の一員としてこの場に立てる
ト再生請負人としても注目される。2001 年に山梨県のリゾナーレ、2003 年に福島県のア
を提供するビジネスモデルへ転換。日本の観光産業振興のカギを握る経営者、そしてリゾー
ルツ磐梯、2004 年に北海道のトマムとリゾートの再建に取り組む一方、軽井沢に実家の
ことは、大変光栄です。会計士やバン
温泉旅館を改築し、2005 年「星のや軽井沢」を開業した。その後 2009 年に「星のや京
カー、CTP など様々な分野の専門家で
都」
、2012 年に「星のや竹富島」と、星のやブランドを展開している。
ある私達は、問題を解決するためにリー
運営拠点は現時点で、全国 32 カ所にまで成長。2010 年からブランド統一を模索し、
ダーシップを発揮してきました。そして、
ンドの温泉旅館を、日本全国に 30 施設展開する計画。リゾナーレも新ブランドとして展開
2011 年に小規模な高級温泉旅館の新ブランドとして「界」を誕生させた。数年内に界ブラ
を計画し、2011 年 12 月には「リゾナーレ熱海」を開業。2012 年には、沖縄の小浜島、
TMA の会議は、この協会の道しるべ
TMAオーストラリア・ネステル氏
2
2014.4.30
総合司会のテレビ東京・塩田 真弓氏
西表島、そして北海道のトマムにリゾナーレを開業させた。
星野 佳路氏
2014.4.30
3
事 業 再 生 ~ア ジ ア に 向 け て ~
リポ ート
TMA Asia Pacific Conference 2014
G u e s t
S p e e c h ,
f o r
中国における域内投資
r e p o r t
アジア太平洋地域の事業再生のトレンド
ゲストスピーカー
ゲストスピーカー
FTI コンサルティング
コーポレートファイナンス/事業再生担当マネージングディレクター
アリックスパートナーズ
マネージングディレクター・アジア地域担当統括
マーカス・パチオッコ(Marcus Paciocco)氏
CV ラマチャンドラン(C.V. Ramachandran)氏
中国について、パチオッコ氏がクライアントに言われ、言い得
アリックスパートナーズは、日本航空の再建などにも参画し
て妙と感心した言葉に「何も許されないが、何でもできる」があ
た実績があります。ラマチャンドラン氏は現在も毎月東京に来
る。こうしたイメージがある中国の「デューデリジェンス(投資対
ることがあり、日本に大変なじみを感じているそうです。今回
象を適正に評価するための事前調査)における共通の課題」
「注
意すべき兆候」「ケーススタディ」をテーマにして話をしました。
デューデリジェンスにおける課題については、税金の回避や
講 演
ゲストスピーカー
G u e s t
S p e e c h
経済産業省 経済産業政策局 産業再生課長 吉本 豊氏
アベノミクス1年の成果と課題
―第3の矢としての産業競争力強化法
産業の新陳代謝促進を目的として、本年1月に施行された
て図られます。一方、産業の新陳代謝の促進に関しては、ま
ばかりの産業競争力強化法は、事業再生に新しいツールを追
ず認定ベンチャーファンドに対して出資する企業が、出資額の
は「アジアでのターンアラウンドとリストラ」
「日本企業のストレ
加する内容も含まれています。吉本課長は、
「現下の日本経済
8割を限度として損失準備金を積み立て、換金算入できる制
ス評価」「日本企業への示唆」の3点について語りました。
と『日本再興戦略』
「『産業競争力強化法案』に盛り込まれ
度を創設し、ベンチャー投資を促進させます。また、平成 28
た施策」「事業再生等の支援強化」の3点を軸に、この新法
年度末までの措置ですが、
同法の認定を受けた企業が、
グロー
の目的や役割などについて詳しく解説を行いました。
バル競争の勝ち抜き、新事業の拡大を目指して事業の切り出
まず、アンケート結果から、今後1年間にターンアラウンド
融資など、様々な目的に応じた複数の口座を持っていることや、
とリストラが発生する見込みは、日本は一部のアジア諸国に
一般的に情報の質が低いことなどを挙げました。また、注意
比べると低いと分析。ただし、日本における企業のリストラは
まず、現在の日本経済には、サプライサイドの課題として「過
し・統合を行う際、大胆な税制措置を適用し支援します。さらに、
すべき兆候としては、コーポレートガバナンスやメディアへの
今後も拡大すると見ています。日本の苦境の背景にある主な
剰投資」
「過剰規制」
「過当競争」という3つの歪みがあります。
先端設備導入、生産ラインやオペレーションの刷新・改善のた
情報漏えい、過剰な設備投資、監査役や役員の辞任などがあ
要因としては、国内市場の停滞と大きな負債が挙がっていま
り、これらの点を見逃さないように監視しながら投資を行うこ
す。また、リストラが起きる可能性が高い業種は、電気機器
そしてこれらを是正するためには、
「思い切った設備投資」
「新
めの設備投資を、即時償却または5%税額控除という優遇措
とで、不正企業への投資を回避できると説明しました。そし
や自動車、小売業という意見が多いという調査結果を紹介し
事業の創出」
「大胆な事業再編」が必要。産業競争力強化法は、
置で支援。製造業だけでなく、物流・流通サービス業など非
て、ケーススタディでは、香港の上場企業で、世界有数の眼
ました。続いて、経営破綻の指標となる企業のストレス評価に
これらに対する手当ての一つとして「生産性向上設備投資促進
製造業も活用可能になっています。
鏡メーカーであるムーラングローバルアイケア(Moulin Global
ついては、日本は過去3年間低下傾向にあると報告。そして、
Eyecare)の事例を紹介。同社は財務や会計をはじめとして
どの企業にも当てはまるターンアラウンドの順序として、まず
「オ
多数の不正が発覚しており、これらの問題は中国企業では珍
ペレーションの安定」
、次に「核になるビジネスの修正」、最後
しいことではないとのことです。中国企業への投資の際に、
税制」
「ベンチャー投資促進税制」
「事業再編促進税制」といっ
事業再生等の支援強化については、中小企業再生支援全
た減税措置が盛り込まれています。また、規制緩和に向けた新
国本部の機能を拡充して、再生支援体制が強化されます。ま
しい枠組みの創設を目的に
「企業実証特例制度」や
「グレーゾー
た、経営改善・事業再生計画を実行する際の資金調達を円滑
に「成長のためのポジショニング」という3段階を示し、成功
ン解消制度」なども用意されました。さらに、確実に実行すべ
にする保証制度を創設し、中小企業の再生を支援します。更に、
留意すべき点を浮き彫りにしたリポートでした。
事例である日本航空を引き合いに出して解説しました。
き当面3年間の実行計画を毎年策定。施策ごとに担当大臣と
事業再生ADRを拡充し、社債の元本減免に関する社債権者
■マーカス・パチオッコ氏 プロフィール
■ CV ラマチャンドラン氏 プロフィール
実施期限を明確化して、進捗状況に遅れや不足が生じた場合、
集会決議について、裁判所の認可に関する考慮規定(会社法
スィンバーン大学(オーストラリア)にて経営学士号、モナッシュ大学(同)にて会
インド工科大学デリー校にて工学士(化学工学専攻)を取得後、カーネギーメロン
必要な措置を講じるようになっています。
の特例)を創設。これにより、より早期の事業再生が可能に
計経営学士号および金融財務経営学士号を取得した後、いわゆる“ビッグ4”大手会
大学で工学修士(化学工学専攻)、ミシガン大学アナーバー校で経営学修士号(MBA、
計ファームの一員として、史上最大級の破綻事件となった BCCI などのクロスボーダー
戦略および国際ビジネス専攻)を取得。
清算業務等に従事。その後、活躍の場をアジアに移し、主にアジア/米国を拠点にす
アリックスパートナーズでは、欧州・中東地域を7年間管掌した経験を持つシニアメ
るエクイティファンドの中国展開に関与し、中国の文化およびビジネススタイルに対す
ンバー。同社におけるアジア地域事業の重要性を鑑み、2011 年6月にアジア地域担
る造詣も深めた。
当統括に就任する。複数分野の製造業界に深い知見を持ち、PE ファンドの投資先を
現在は上海に拠点を置き、専門分野はアジアパシフィック、特に中国における投資業
含めた顧客企業の業務改善と財務体質改善において、プロフェッショナルとしての高い
務全般(案件発掘、デューデリジェンス、ディールストラクチャー、ターンアラウンド・
評価を確立。特に専門性を持つ分野に、購買費削減・SCM・製品イノベーション・製
マネジメント、モニタリング、出口戦略等)。オーストラリア公認会計士協会に所属。
品開発・リーン生産方式、間接費削減などがある。
同法案に盛り込まれた施策は、大きく分けて「規制改革の
なりました。
推進」と「産業の新陳代謝の促進」の2点。規制改革の推
進は、前述の企業実証特例制度とグレーゾーン解消制度によっ
同社入社以前は、ブーズ・アレン・アンド・ハミルトンおよび A.T. カーニーでパートナー
職を務め、13 年にわたりマネジメントコンサルティング業界で実績を上げた。それ以前
には、大手製造業のミッドランド ロスで4年、フォードモーターで5年の現場経験もある。
業績改善分野における主な成果としては、以下が挙げられる。住宅メーカーやグロー
バル製造業数社の購買費および間接費見直し、製造拠点効率最適化を含めたオペレー
ション変革を完遂。消費財メーカーおよびヘルスケア企業にて、購買費および在庫削
減に成功。自動車メーカーにて、PMI(買収後の事業統合)を主導、フルポテンシャル
業績改善プログラムと呼ばれる抜本的な改善案の実行により、持続可能な株主価値の
1988 年、東京大学工学部精密機械工学科を卒業後、通商産業省に入省す
創出を実現。グローバル企業にて、製品開発およびイノベーションプロセスを整備し、
る。1994 年米国コロンビア大学経営大学院(MBA)修了。2001 年に改組
サイクルタイム短縮と効率改善に寄与。PE ファンド、ヘッジファンドに対し、広範な産
した経済産業省で産業技術政策課課長補佐、2002 年に産業構造課課長補
業セクターにわたる投資先候補のデューデリジェンスを実施。
佐、2003 年に産業再生課課長補佐、2004 に大臣官房総務課課長補佐(政
また、製品イノベーションや購買効率化に関する寄稿およびグローバル規模のカン
ファレンスで多数の講演も行ってきた。
マーカス・パチオッコ氏
4
2014.4.30
CV ラマチャンドラン氏
■吉本 豊氏 プロフィール
策企画委員)
、2005 年に製造産業局政策企画官、2006 年に NEDO 欧州
事務所長(パリ)
、2009 年に情報通信機器課課長などを歴任し、2012 年か
ら現職。
吉本 豊氏
2014.4.30
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事 業 再 生 ~ア ジ ア に 向 け て ~
TMA Asia Pacific Conference 2014
パネルディスカッション テーマ 1
P a n e l
パネルディスカッション テーマ 2
D i s c u s s i o n A g e n d a 1
2015年 ASEAN 経済統合
D i s c u s s i o n A g e n d a 2
再生実務家による建設業再生
オーストラリア・ニュージーランド商工会議所 会長
スピーカー
P a n e l
株式会社日本 M & A センター 金融法人部 経営支援室長 笹 雄一郎氏
株式会社出津経営プランニング
メラニー・ブロック(Melanie Brock)氏
モデレーター
日本貿易振興機構 海外調査部 アジア大洋州課 課長 若松 勇氏
代表取締役
スピーカー
出津 平氏
株式会社建通新聞社 東京支社報道部長 澤田 久仁昭氏
DSK プランニング 代表 藤本 宏司(ペンネーム 網師本 大地)氏
有限会社リアス
モデレーター
代表取締役・認定事業再生士(CTP)
増田 崇氏
藤原コンサルティング 代表 藤原 一夫氏
モデレーターの出津氏は「日本経済は成熟した社会であり、成
こうした状況を背景に、日本企業による ASEAN 諸国への投資も
建設業は公共工事との関係が深く、安倍政権発足後は、公共事
を求められました。これに対して、基本的に建設業の今までの窮状は、
長には限りがある。こうした状況の中で、多くの日本企業が海外へ
増加中。これを裏付けるデータとして、日系の自動車部品メーカー
業に力を入れる方針が打ち出されていますが、実際の現状と今後
収支に関わらず受注の有無で、融資の判断をする金融機関にあると回
の進出を考えています。そして ASEAN は、今最も注目を浴びてい
や大手小売業、コンビニエンスストア、物流関連企業などの進出数、
の予測について、まず澤田氏から解説がありました。安倍政権の
答。「マネージメントという観点では建設業は特殊ではありませんが、
る進出先ではないかと思います。そこで ASEAN とオーストラリア、
個別企業の進出事例などが紹介されました。
誕生以前の過去約 20 年間、建設工事の急激な減少や受注競争の
体質改善には比較的長い時間がかかる点が異なる」と述べました。
激化などにより、建設企業は政策的に弱体化。アベノミクス以後、
増田氏に他業種の事業再生手法が建設業でも使えるか尋ねられ
ニュージーランドの専門家であるお二人に、ASEAN およびオースト
一方、ブロック氏は、日本とオーストラリア、オーストラリアの交
ラリアの経済状況、そしてオーストラリア企業の ASEAN 進出につい
流や今後の関係などについて語りました。
「日本がデフレを脱却し
ようやく底を打って右肩上がりに転じました。この状況を受け、建
た笹氏は「理論上はできますが、現実にはそぐわない」と回答しま
てお話いただきたいと思います」と本テーマの狙いを説明しました。
グローバル化に向けて前進していることを、オーストラリアは大変
設業が取り組むべき新たな課題として、
「国土の強靭化」
「社会イ
した。しかし、建設業界は特別ではないという藤原氏の意見には
これを 受 け て、 まず ASEAN 専 門 家の 若 松 氏 は、
「 概 況と
歓迎している」と同氏。現在、オーストラリアのメディアは、ほとん
ンフラの強靭化」「建設産業そのものの強靭化」という3つの“強
同意。その後、藤本氏と藤原氏から、建設企業の資金繰りの実状
ASEAN 経済共同体(AEC)の現状」「ビジネス環境の変化(生
ど日本から撤退しており、同国とニュージーランドのメディアが、日
靭化”を、澤田氏は挙げています。
や、コンサルティングを行う際のクライアント企業との信頼関係の
産拠点&消費市場)
」
「日本企業の進出の現状」などについて話し
本を取り上げる機会はほとんど無いといいます。今後、日本の変
続いて藤本氏は、建設業が他の産業と比較して大きく異なるの
築き方などについて話がありました。
ました。経済に関しては、底堅い成長を続けており、ASEAN 加
革や成長戦略が、両国で積極的に紹介されることで活発な交流が
は、労働集約型の製造業であるという点。すべての事柄に人が関
そして話題は、経営コンサルタントの専門家として、実務面の現
盟諸国の平均で5~6%の伸びを見せています。現在、AEC 加盟
生まれると予想。これによって「経済連携協定(EPA)の締結後、
係するため、この点が再生の出口になると分析しました。また、建
状へと展開。笹氏、藤原氏、藤本氏の3人が、各自の体験談を交
国間の関税撤廃や、貿易・投資の自由化、人や物の移動の自由化、
日本と両国が、投資や事業など様々な分野でパートナーシップを築
設業では「選択と集中」という言葉が、間違って解釈されていると
えて、目的が分かりにくい支援計画書が増えていることや、再生の
インフラの整備など少しずつ体制を強化。労働力人口は、規模が
いて、ASEAN に進出することが重要だ」と述べました。
いう持論も披露。必ず存在する赤字の工事に対して、決算上でど
実務家に必要な意識について意見を述べました。
のように対処するかについて説明しました。
さらに、2020 年の東京オリンピック開催に向けた動きついて、
大きいことに加えて、今後も増加することが予測されます。また、
最後に出津氏が「ASEAN に進出する日本企業のポイントは、
若い人口構成も特徴になっています。賃金も上昇傾向で、一人当た
今後どう変化するかを見極めること。ASEAN 域内の物流と貿易コ
この話を受けて、藤原氏が、中小企業再生支援協議会のメンバーと
澤田氏が説明。今後建設業が活気づく中で、労働力不足が大きな
り GDP は直実に伸びているとこのと。中間所得者層の拡大に加え
ストは、非常に大きな問題だと思います。現在、日本、タイ、中国
いう立場から、建設業の再生において他業種と異なる点について意見
課題になるという結論に至りました。
て、日本車の高いシェアや訪日来客数の高さが日本ブランドへの信
の物流企業が、陸送による定期便を強化しています。ここが見どこ
用を示しており、マーケットとしても期待が高まっているそうです。
ろだと思います」と総括しました。
■笹 雄一郎氏 プロフィール
■藤原 一夫氏 プロフィール
1962 年1月1日生まれ。一級建築士。1984 年3月、武蔵工業大学(現:東京都市
大学)建築学科を卒業後、中堅ゼネコンに入社する。その後、実家の建設会社に入社
■メラニー・ブロック氏 プロフィール
外調査部アジア大洋州課課長代理、2003 年ジェトロ・バンコクセンターアジア広域調
2013 年 10 月より現職。オーストラリアの牛肉生産者を代表し、日本への市場アク
査員、06 年ジェトロ企画部事業推進主幹(ASEAN・アジア)
、10 年より現職。主な
セス条件の改善と日豪関係の更なる絆構築を目的として活動する。同年 10 月初めまで
著書に「東アジア物流新時代」
(ジェトロアジア経済研究所 2007 年―共著)
「
、ASEAN
は MLA 豪州食肉家畜生産者事業団の駐日代表として、日本におけるオージービーフお
経済共同体」
(ジェトロ 2009 年―共著)
、その他 ASEAN 関係研究論文多数。
よびラム肉の消費拡大を目標に様々な啓蒙活動を統括してきた。東日本大震災後は、
東北地方の畜産農家を支援するため「いっしょにがんばろう、日本」プログラムを立ち
上げ、日豪畜産農家間の交流プログラムや飼料用干し草の提供など、様々な活動を指
日本でクライアント 500 社を顧問先とする会計事務所を経営。上海では税務会計、
揮している。2011 年よりオージービーフの消費訴求活動である「鉄美人」プログラムを
M & A 支援、財務管理を主として行っている。タイおよび香港にも顧客を有する。得意
開始。鉄分が不足しがちな日本人女性を対象に、鉄分を豊富に含む牛肉の栄養価につ
分野は、移転価格税、国際タックスプランニングなどの国際税務およびアジア各国の
いての理解を図り、オージービーフの消費拡大に向けてセミナーや広告宣伝活動やオー
会社法。海外からの日本投資については、日本および現地国でのベストタックスプラン
ストラリア視察ツアーなどを企画・実施している。
などのスキームを企画提案。上海政府関係機関の依頼によるマーケティングなども手掛
現在は、アジア 16 カ国の豪商工会議所で構成される、オーストラリアン・ビジネス・
アジア(ABA)および在日オーストラリア・ニュージーランド商工会議所(ANZCCJ)
の会頭を務め、また豪日交流基金(AJF)役員、豪日経済委員会(AJBCC)運営委員
ける。
日本 TMA には理事として設立時より参加。事業再生については、スポンサーからの
依頼案件を主に年間1~2社程度行っている。
2001 年8月に独立し、藤原コンサルティングを立ち上げ、中小企業再生支援協議会
コンサルティングに従事する。これまでに再建を手掛けて企業は、建設関連企業だけで
にて東京都、神奈川県、山梨県の建設関連専門家の支援チームメンバーとして現在も
も 200 社以上。2012 年6月、日本 M & A センター入社後、中小企業金融円滑化法
活動中。南関東を中心に信用金庫等にてセミナー講師として実績を積み、㈶神奈川産
期限切れに伴う日本全体の景気悪化に対応する手段として、企業が自主再生できない
業振興センター事業化促進プロジェクトアドバイザー、川崎商工会議所アドバイザーと
のであれば安易に企業生産・廃業の道を選ぶのではなく、地域雇用と技術伝承に配慮
しての業務もこなす。
■澤田 久仁昭氏 プロフィール
1959 年、静岡県浜松市生まれ。1982 年4月、株式会社建通新聞社入社。2003
年中部支社岐阜支局長、2006 年4月東京支社民間開発部課長、2007 年4月編集局
次長、2008 年4月神奈川支社相模支局長、2012 年4月東京支社報道課長を経て、
2014 年4月から現職。
入社以来、解説事務所を中心に担当し、新規エリアの開発を手掛ける。2003 年以
後は、中部、神奈川、東京の各支社で、主に新しい企画特集を提案してきた。
■藤本 宏司氏 プロフィール
2003 年にグルメ食材および飲料の輸入・卸・販売会社を設立。2010 年まで代表取
1966 年徳島生まれ。SRC 瀬戸内支部長(事業再生支援協会瀬戸内支部長)、1級建築施行
締役を務めるなど、食料飲料分野のマーケティングからコンサルティング、プロジェクト
管理技士、1級土木施工管理技士、運行管理者(一般貨物)、知的資産経営認定士、衛生管理者。
マネジメントまで、幅広い経験を有する。また、豪州ラ・トローブ大学の日本事務局長
や駐日オーストラリア大使館において通訳や教育・文化交流関連活動に従事した経験
もある。2011 年には豪州ビジネス・ネットワーク、アドバンスより「最も活躍した/今
後も活躍が期待されるオーストラリア人女性リーダー 50 人」に選出される。
米国オレゴン大学を卒業後、オレゴン州ユージーン市にて、3年程日本料理店寿司
部門、部門長として従事。
日本へ帰国後、会計事務所に 15 年間勤務し、確定申告業務や税務相談だけでなく、中小企
業の経営者からの依頼を受け、事業再編および事業承継、そして金融機関との折衝等にあたる。
2005 年、会計事務所の関連会社としてコンサルティング会社を設立。代表取締役
2011 年、会計事務所を退職、コンサルティング会社の代表を辞任し、実家の損害
保険代理店を営む有限会社リアスに入社。その後、二代目として代表取締役に就任。
身をもって事業承継を経験し、現在に至る。
大学を卒業後、準大手ゼネコンに入社。現場監督の経験を積んだ後に、四国にて実
会社としての責任とは、経営者としての責任とは何かを突き詰め、中小企業経営者と
家の建設・運送会社を承継。グループ5社、総売上高 25 億円、従業員 200 名の建設・
して自ら理念を掲げ、コンサルタント目線ではなく、クライアントと同じ経営者目線から
運送グループのトップとなる。
相談を受け活動することを信条にしている。
企業再建・事業再生のノウハウを積み上げてきた。
号を取得する。高校在学中に交換留学生として青森に1年間滞在。在日年数は、合計
2007 年、DSK プランニングを立ち上げ、本格的に経営コンサルタントとしての活動を開始。
20 年以上におよぶ。
現在、
(一財)建設業振興基金の経営戦略アドバイザー、中小企業支援ネットワーク強化事
業(中国経済産業局)の専門家、マイベストプロ愛媛(愛媛新聞社)の登録プロとして活動中。
■若松 勇氏 プロフィール
また最近では、全国の再生実務家の相談やセカンドオピニオンの依頼を受け、日本
1989 年、日本貿易振興機構(ジェトロ)入会。92 ~ 93 年、タイ国タマサート大
若松氏(左)・ブロック氏(右)
出津氏
全国の建設業や運送業を回っている。
倒産回避、企業再建、事業再生など「社長の家庭教師」として、現場第一主義の指
導を信念・信条とする経営コンサルタントである。
2014.4.30
■増田 崇氏 プロフィール
2003 年より、建設会社からの経営相談を受け、多くの現場に立ち会い倒産回避・
西オーストラリア出身。西オーストラリア大学卒、クイーンズランド大学大学院で修士
6
建設企業の中で、健全な発展を願っている企業に、誠心誠意支援することを信条とし、
熱意ある経営コンサルタントとして活躍。
に就任し、本格的にコンサルタントとして活動を始める。
としても、日豪関連の幅広い活動に携わっている。
学経済学部に海外研修。94 ~ 98 年ジェトロ・バンコクセンター、98 年ジェトロ・海
し事業を拡大するも、2000 年に事業を停止。その後、会社経営経験を生かし、経営
した地域再生支援型 M & A を提唱し、実践している。
■出津 平氏 プロフィール
中小企業診断士、1級建築士、1級建築施行管理技士、宅地建物取引主任者。
1971年、東急建設株式会社に入社。その後、在職中に協力業者の指導・育成業務等に携わる。
左から藤本氏、笹氏、藤原氏、澤田氏
増田氏
2014.4.30
7
事 業 再 生 ~ア ジ ア に 向 け て ~
TMA Asia Pacific Conference 2014
パネルディスカッション テーマ 3
P a n e l
パネルディスカッション テーマ 4
D i s c u s s i o n A g e n d a 3
アジアを取り込む!~アジア太平洋地域による事業展開
みらいコンサルティング株式会社 国際ビジネス部 部長 竹田 浩氏
パネリスト
株式会社ゴードン・ブラザーズ・ジャパン 代表取締役社長(CEO) 田中 健二氏
アリックスパートナーズ・アジア・エルエルシー マネージング ディレクター 日本共同代表 野田 努氏
株式会社 M & A センター 海外支援室長 安丸 良広氏
D i s c u s s i o n A g e n d a 4
プライベートエクイティ
(PE)ファンドの再生案件~投資戦略と投資/エグジット実例
DRC キャピタル株式会社 代表取締役 青松 英男氏
株式会社 TSK プランニング
モデレーター
P a n e l
認定事業再生士(CTP)
パネリスト
阿久津 正人氏
アドバンテッジパートナーズ有限責任事業組合 代表パートナー 笹沼 泰助氏
J-star 株式会社 取締役パートナー 原田 健一氏
モデレーター
ブレイン・アンド・キャピタル・パートナーズ株式会社 代表取締役 本村 直之氏
マッコーリー・グループ
シニア・バイス・プレジデント、
認定事業再生士(CTP)
北村 元哉氏
本ディスカッションは、理論よりも実務家による実務上のテクニッ
ポイントを挙げました。田中氏は、中国での支援の経験から、意思
最初は各パネリストが、自己紹介を兼ねて、各ファンドの投資戦
再生投資について、業界トップになりえる差別化ポイントを見出せる
クや、進出した国で直面した日本では考えられないような現実の問
決定者が必ず現地・現場に行って自分の目で見てくる、早い段階か
略や、再生案件の定義とそれに対する考え方、アプローチ、リター
企業かどうか、標準以下の部分を迅速に引き上げることで戦える体
題点などが紹介されました。パネリストは、商社出身者2名と金融
らプロに相談することの2点が重要だと語りました。
ンの出し方などについて、手掛けた事例を挙げながらプレゼンテー
制に転換できるか、という二点に着目していると述べました。
機関出身2名。議題に対して、それぞれの立場での分析や意見など
2番目に挙げられたテーマは、進出後の管理。安丸氏は、M & A
ションを行いました。
続いて青松氏は、家賃保証事業を再生した案件を紹介。この事例
を聞くことができました。
の際に鍵となるのが、現地のキーマンと新しい代表者との良好な関係、
まず笹沼氏は、マンション管理会社を例に挙げ、どのように投資
では、失効した家賃保証契約の回復や経済合理性ある保証商品の
最初のテーマは、アジア進出にあたっての各パネリストが体験し
金銭の管理などを任せっきりにしない、買収後3カ月を目安に成果を
先管理を行っていたか説明。同案件では、業績不振の旧親会社か
再設計(概算払い等の廃止等)、審査体制の強化、M & A によるロー
た好事例の紹介でした。まず安丸氏からは、海外へ進出に単独、
確認し見直すことの3点を挙げました。竹田氏は、定期的な業務監査
ら買い取った後、新規顧客や周辺サービスの開拓の推進、原価や販
ルアップ、企業理念の確立(「住の確保への貢献」)、IPO 準備など
合弁、M & A の3通りの方法があり、M & A でのメリットとデメリッ
が有効という意見。業務監査の結果、発覚した不正の事例などを紹
売管理費などに手を入れ、経営の効率化を図ったそうです。加えて、
に取り組んだ結果、5 年で 7.6 倍の回収率を達成したそうです。
トを説明。事例としては、タイとシンガポールに M & A で進出した
介しました。野田氏は、買収における失敗の鍵を例示し、それらを
同業5社を追加買収したことで、企業価値が大幅に上昇。グループ
最後は本村氏が、10 年近くにわたって赤字が続いた、地方にあ
食品製造業の事例を挙げました。竹田氏は、単独よりも合弁が上手
管理することが成功につながるという意見でした。続いてのテーマと
全体の管理戸数は、9 万戸強から 16 万戸弱まで増加、業界トップク
る中堅製造業の案件を紹介。複数のコンサルティング会社やファン
くいくとし、明確な意思を持って海外に進出しないと成功は難しい
なった進出に失敗した際の撤退については、田中氏が人、物、金にど
ラスの利益率を達成し、投資額の 22 倍の回収率を達成しました。
ドが有効な再生を果たせなかった同社の問題解決に取り組んでい
と主張。また、成功事例だけでなく、失敗事例も多々あるため、そ
の順番で対処するのか最も重要だと説明。中国企業の事例を紹介し、
次に原田氏が、若年女性向けのアパレル企業と出版・通信販売企
ると話しました。具体的な成果として、支援開始 3 カ月後から単月
の研究も必要だと述べました。野田氏は、中国の製造業の案件を
文字通り人、物、金の順番で対処しなければならないと述べました。
業の 2 つの中堅・中小企業の民事再生案件の事例を紹介。それぞ
黒字を達成、前期営業黒字を実現。また、抜本的な事業転換を
包括的な事業再生に導いた経験を、成功事例として紹介。経営チー
その後、失敗事例として海外特有の出来事などを紹介。最後は、
れ投資額の 3.1 倍、7.7 倍の回収率を達成した経緯を説明しました。
行い、今季からは新事業軸での再生が本格始動するとのことです。
ムの再編成、問題点の特定と優先順位付け、事業計画を現実的な
今後アジア進出に関してどのように取り組むかについて、各パネリス
ものに策定し直す、ハンズオンで問題解決を図るといった成功への
トが意見を出し合いました。
■青松 英男氏 プロフィール
ブの再生案件やプリマジェスト、スリーアローズ、HCM、十勝等の投資を担当し、ソー
1977 年、マッキンゼー・アンド・カンパニー(東京)に学卒採用第1号として入社。
■竹田 浩氏 プロフィール
大学卒業後、商社の経営企画、IR、海外営業、新規事業開発の責任者を経験。そ
門全般を指揮。2007 年アリックスパートナーズに参画。製造、ヘルスケア、IT、金融
等の分野におけるクロスボーダーの企業価値向上に手腕を発揮し、収益力強化、財務
の後プライベートエクイティにおいて、上場企業、未上場企業のハンズオンのターンア
体質改善、管理体制強化など包括的な事業再生に実績多数。慶應義塾大学経済学部、
ラウンド実務に携わる。うち2つの案件に関しては、対象企業の CEO として、トップ
ハーバード・ビジネス・スクールにて経営学修士号(MBA)取得。
企業をメインにした自力、スポンサー型の両事業再生に携わると同時に、クロスボーダー
1968 年、徳島生まれ。総合商社、監査法人を経て、2002 年に日本 M & A センター
案件を担当。現在は、みらいコンサルティング国際ビジネス部の ASEAN 地域の責任
入社。商社時代に、6年間インドネシアのジャカルタに駐在。アジア諸国の M & A を
者として、日系企業の海外戦略構築、海外進出、現地法人の経営に関するコンサルティ
中心に、事業承継、企業再編、企業再生案件等も含め、これまで約 100 件の M & A
ング業務に従事。経営者目線でのハンズオン、コンサルティングに力を注いでいる。
仲介実績がある。
■田中 健二氏 プロフィール
委員および同社取締役として同社の運営を監督。証券アナリスト協会検定会員。
として DRC キャピタル㈱を設立。
一橋大学経済学部卒業。ハーバード大学経営学修士(MBA)。
京都大学経営管理大学院非常勤講師。経済同友会会員、著書に「企業価値講座」
(日
本経済新聞出版社刊)
。
■本村 直之氏 プロフィール
ブレイン・アンド・キャピタル・パートナーズ株式会社の代表取締役、マネージング・
ディレクター。事業継続および再成長施策に苦しむ企業の事業再生・変革を手掛ける。
大手電機メーカーにて国際マーケティングおよびシステム開発に携わった後、MBA
留学を経て、戦略コンサルティング会社にて事業戦略・M & A 戦略/ PMI・BPR /
SCM 等のテーマにて立案・実行を主導。
その後、事業会社の経営に転身し、COO / CFO / CSO として苦境に陥っていた
各社の事業変革・再生を陣頭指揮し、経営強化を実現した。1社を東証1部に上場させ
た他、2社においては株主価値を増大させ、主要株主であったファンドのエグジットを
■阿久津 正人氏 プロフィール
京都大学卒業後、某地方銀行に入行したが数年でバブル崩壊に遭遇し、新設の不良
ストラクチャ―業務に携わる。その後、フェニックス・キャピタル、ゴールドマン・サッ
債権セクションに異動。以後 10 年にわたり一貫して企業再生並びに不良債権対応の道
クス証券を経て、きずなキャピタルパートナーズにて最高投資責任者を務める。
を歩む。志願して銀行管理下にあった某企業に出向した際、何とか収支を改善させた
様々なストラクチャ―の投資案件を多数手掛け、流通小売業からサービス業、製造業
同企業の買収先に債権ごと転籍。同社では M & A 全般を担当し、退社後は株式会社
まで幅広いセクターに精通。特に流通小売業については法的整理、事業再編からグロー
TSK プランニングのパートナー/認定事業再生士として、主にハンズオンの形で企業再
バル展開までハンズオン(事業参画型)による企業価値向上に大きな成果を上げてきた。
生に関与し、現在にいたる。
理想の再生のあり方は、ターンアラウンドマネージャーのカリスマ性などに頼らず、い
日本長期信用銀行(現:新生銀行)を経て、
マッキンゼーおよび KPMG トランザクショ
ヨーク)において、M & A 業務に従事。1992 年よりロスチャイルド・グループに入り、
■笹沼 泰助氏 プロフィール
1992 年日本開発銀行(現:日本政策投資銀行)入行。約 10 年にわたり主にローン
■野田 努氏 プロフィール
日本企業向け経営戦略のコンサルティングを実践する。更に米国 JP モルガン(ニュー
クティブ・インベストメント・パートナーズ(AIP)を設立。2005 年に AIP の後継会社
■安丸 良広氏 プロフィール
シング、実行、モニタリング、エグジットを含む投資活動を行うと同時に、投資委員会
のアドバイザリーに従事。1986 年、再度マッキンゼー・アンド・カンパニー(東京)で
1996 年にロスチャイルド・ジャパン株式会社の代表取締役に就任する。1999 年にア
マネジメントを経験、ターンアラウンドの実績を積み上げると同時に、経営の経験を積む。
みらいコンサルティングにおいては、フィナンシャルアドバイザリー部にて、中堅中小
1982 年、世界銀行(ワシントン D.C.)に入行し、発展途上国の産業政策と企業再建
かに企業の良好な企業文化を維持しつつ再生を果たすか。
「金融円滑化出口戦略」
(銀行研修社)
、雑誌「銀行実務」
(同)他、寄稿多数。
ンサービス(米国)にて、日本企業の米国市場参入や、事業買収・提携にかかる戦略立案・
その他、産業カウンセラー(従業者向けのメンタルケア等)の資格を持ち再生業務に
交渉・事業統合等のクロスボーダー案件を担当。また、ユニゾン・キャピタルにて CFO
(最
も活用。月1回は地元(横須賀)の禅寺にて参禅。趣味は写真(時にこれが仕事になる
高財務責任者)を務め、資金調達や IR、出資企業のモニタリングやファンドの管理部
ことも)
、トライアスロンなど。
1992 年、アドバンテッジパートナーズを設立し、共同パートナーに就任。1997 年、
成功させた経験を持つ。
京都大学経済学部卒。コロンビア大学 MBA 修了。グロービス経営大学院講師。
日本初のバイアウトファンドを設立し、以後一貫してプライベート・エクイティ事業に従
事する。
慶應義塾大学法学部卒。同大学大学院経営管理研究科修了
(MBA 取得)
。ハーバー
ド大学 JFK 政治行政大学院修了(MPA 取得)
。
■北村 元哉氏 プロフィール
マッコーリー・グループの東京拠点にて、PE ファンド持分のセカンダリー投資、PE
ファンド投資、PE ファンドと共同で直接投資を行っている。投資対象には再ファンドや
大学卒業後、積水化学工業株式会社にて営業部、人事勤労部、総合企画室、新規
再生案件も含まれている。また、ファンド募集および顧客開拓活動にも従事。担当は
事業プロジェクトを歴職。大学院終了後、ベイン・アンド・カンパニーおよびモニター
日本を中心としたアジア地域全域。2010 年までの2年半、香港拠点に赴任していた。
カンパニーにて日米欧有力企業の企業戦略の立案、個別事業の競争戦略の立案、収
益性改善計画の立案と実行等の業務に従事。
1998 年4月~ 2007 年3月、慶應義塾大学大学院経営管理研究科非常勤講師。
1968 年兵庫県生まれ。記者職を経て 1997 年三菱総合研究所に入社。2005 ~
07 年、エー・アイ・キャピタルで欧・米・アジアの PE ファンドへの投資活動に従事した。
主な著書に「銀行が行うバイアウト・ビジネス」
(中央経済社)、
「MBO 入門」
(東洋
2005 年8月~ 2007 年6月、日本プライベート・エクイティ協会副会長。2007 年7
経済新報社、共著)など。日本事業再生士協会理事。日本 TMA シニア・フェロー。
月~ 2008 年 12 月、日本プライベート・エクイティ協会会長。
認定事業再生士。日本証券業協会の証券外務員(一種、二種、内部管理責任者)。日
本 CFO 協会会員。大阪外国語大学、米国ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研
■原田 健一氏 プロフィール
究大学院(SAIS)卒業。国際経済・国際関係修士
筑波大学卒業後、JAFCO に入社。ベンチャーキャピタル投資を通じて、製造、流通
小売業等の企業 14 社へ投資を行い、4社が IPO。その後、投資先企業への M & A
コンサルティングなどのアドバイザリー業務を経て、バイアウト投資部門立ち上げに参
画し、バイアウト投資に従事。TOB を通じたトーカロ(東証1部:3433)の国内初の
非公開化 MBO 後再上場や、バンクテック・ジャパン、アールの介護への投資を実行す
ると共に、投資委員会メンバーとして投資・エグジットの判断へ関与。また、ターンア
ラウンドマネージャーとしてヴィクトリアの事業再建を担当する。2006 年 J ‐ star 株
左から安丸氏、竹田氏、野田氏、田中氏
8
2014.4.30
阿久津氏
式会社の創立メンバーの一人として参画し、レディース・アパレルのオリーブ・デ・オリー
左から笹沼氏、原田氏、青松氏、本村氏
北村氏
2014.4.30
9
事 業 再 生 ~ア ジ ア に 向 け て ~
TMA Asia Pacific Conference 2014
パネルディスカッション テーマ 5
P a n e l
パネルディスカッション テーマ 6
D i s c u s s i o n A g e n d a 5
日本不動産のポテンシャル
~加速する海外からの不動産投資と事業再生戦略
東急リバブル株式会社 ソリューション事業本部 営業統括部長 東 和輝氏
パネリスト
フェニックスリゾート株式会社 代表取締役社長 松永 裕文氏
フォートレス・リアル・エステート・アジア合同会社 マネージング・ディレクター 山本 俊祐氏
D i s c u s s i o n A g e n d a 6
事業再生ビジネスで飯は食えるか?~これからの再生実務家に必要なもの
三菱地所リアルステートサービス株式会社 次長 柏木 宣之氏
株式会社インテグリティサポート
モデレーター
P a n e l
代表取締役
コーポレート・ドクター株式会社
辻・本郷 税理士法人 法人第一部統括部長 金子 均氏
パネリスト
ヒロパートナーズオフィス 代表、中小企業診断士 認定事業再生士(CTP) 五島 宏明氏
モデレーター
格付投資情報センター RM 本部副本部長 村田 稔氏
桐明 幸弘氏
株式会社 NEKO ‐KEN 代表取締役、認定事業再生士(CTP) 吉川 博文(吉田 猫次郎)氏
代表取締役、
認定事業再生士(CTP)
大川 康治氏
出だしは、モデレーターの桐明氏が、これまでの日本おける事業
る最低限必要な設備投資、大型の修繕、ディファード・メンテナン
まず冒頭では、企業破綻の道のりというテーマで、金子氏が、業務
財務ストラクチャリングというテーマでは、柏木氏が、不動産アドバ
再生の流れを解説。日本の事業再生は、橋本政権下での対日 M
ス、
付加価値を上げる戦略的な投資の4つに大別される」と松永氏。
改善と再生支援の実務について話しました。会社を診断し資金繰りの
イザーが事業再生で提供すべきサービスについて説明。事業再生にお
& A 促進のための制度改革が、スタート地点になったと分析しまし
続いて山本氏が、日本のホテルに投資する狙いは、オリンピックや
状況や問題点の洗い出しを行う過程で、特に税の問題が大きいと指摘。
けるポイントとしてスピードと精確性を挙げ、そのためのサービスとして、
た。現状では事業自体の収益を高めるための支援策が採られてい
来日観光客の増加というマクロストリー、リートなどの活性化による
「再生手法はいくつかありますが、現場の実感として取引銀行の体力に
全国規模で対応可能な不動産DD
(査定)
、
精緻でスピード感があるサー
ますが、バランスシートの改善には不動産の処理が不可欠。国内の
取引量の増加、チェーンに属さない独立系が多くオペレーション改
よって変わってくる」と語りました。さらに五島氏が、自身の経験として
ビスを提供するための専用 IT システム、不動産サービスプロバイダー
レジャー施設の再生においても、海外のファンドが多数参入してき
善の余地が大きいという3点を挙げました。
企業破綻の実態について紹介。自己破産後に記された手記を披露し、
としての提案力や実行力という3つのメニューをアピールしました。
た経緯があり「事業再生と不動産との今までの推移や、
今後の展望」
最後は、日本のホテルなどに海外からの投資を受け入れることが、
悩める経営者の苦しい胸の内が語られました。そして事業再生は、他
業務改善というテーマについては、まず吉川氏が「徹底的なコスト
などが今回の狙いであると説明しました。
日本経済の活性化につながるのか、というテーマでフリートークを
人の人生を預かる、本当に価値のある仕事だと訴えました。
削減の末に、利息や元金の返済など金融の支払いを止めることに行き
最初のテーマは、日本の不動産に対する海外からの投資が事業
展開。東氏は「克服すべき課題もあるが、ホテルなどへのオペレー
続いて再生の機能と課題にテーマが移り、村田氏が産業再生機
ついた」と語りました。一方、五島氏は、まず隠れている強みを発見
再生につながった事例として、各パネリストがこれまで関わってきた
ターの進出意欲は高く、期待が持てる」と述べました。また松永氏
構の概要と意義、法的再生と私的再生の違いなどについて解説。次
し、そこに見える資産などを融合させることで、新しいビジネスの展開
事業再生案件を紹介しました。第2のテーマは、海外からの観光
は「海外からの投資によって国際ブランドが参入する可能性があり、
の再生の業務フローとサポート体制というテーマでは、
「債務者と金
が見えてくると主張。
「経営者に明るいビジョンを示すことと、既存顧
客を受け入れるホテル、旅館での問題などについて。東氏は「昨年
そのことで経営指標の管理法も導入されるというメリットがある」と
融機関の二つの依頼主がある」と金子氏。そしてまず資金繰りを確
客の調査をすれば7割の企業は再生できる」と力説しました。企業価
11 月に施行された耐震改修促進法への対処が大きな問題になる」
コメント。山本氏は、外資系ファンドならではの特徴として人材面の
定し、事業計画やバランスシートの分析を行い、今後についてアド
値の回復というテーマにでは、村田氏が信用格付けを基に、再生企業
と述べました。この状況への対策として、売り上げアップ、コストダ
制度の改革と資本的資質の改善の2点を挙げ、日本経済の発展に
バイスするという流れになる説明しました。また、吉川氏は、自身の
を評価する視点などについて、実例を上げて紹介しました。
ウン、資金調達手段の変更といった解決策を挙げました。
実際に貢献しているという結論に達しました。
経験に沿って連帯保証人制度の問題と事業再生に関わるようになっ
最後は、事業再生ビジネスで飯が食えるか?に関して、各パネリスト
た経緯について語りました。
が肯定的な意見を述べました。
■柏木 宣之氏 プロフィール
■村田 稔氏 プロフィール
改修や補強を含めた一般的な設備投資に関しては「運営を支え
■東 和輝氏 プロフィール
■山本 俊祐氏 プロフィール
1988 年東急リバブル㈱入社。2012 年4月より現職。2001 年4月ソリューション事
フォートレスの日本におけるホテルアクイジションおよびアセット・マネジメント業務を
業部にグループマネージャーとして合流し、主に事業再生支援を担当。カネボウやダイ
統括。全国に 47 件の宿泊特化型ホテルを運営するフォートレスの出資先である会社を
エー等の大型再生案件の不動産アドバイザリー業務を手掛ける。2008 年から営業統
含む、複数のホテル運営会社の社外取締役を務める。
括部長として不動産ファンド、J リート、CMBS レンダー、スペシャルサービサー等の
2011 年2月にフォートレスに参画する前は、ウェストモント・ジャパン・インベストメ
顧客を中心に、オフィスビル、レジデンスの仲介を統括。2013 年営業統括部内にホテル、
ンツの投資担当ヴァイス・プレジデントを務める。それ以前は、JP モルガン証券不動
商業、物流等の各オペレーションアセットチームを組成する。同9月、ホーワス HTL、
産ファイナンス部、UBS 証券企業金融本部に勤務。
HTLキャピタルアドバイザーズとホテル取引に関する業務提携を締結し、ホテル専門チー
INSEAD にて経営学修士(MBA)を取得。早稲田大学法学部卒業
ム「ジャパン・ホテル・ソリューションズ」を設立。
■桐明 幸弘氏 プロフィール
■松永 裕文氏 プロフィール
1984 年卒業後、
青木建設に入社。1987 年から台湾に駐在。その後 1989 年に渡米、
1980 年東洋信託銀行(現:三菱東京 UFJ 銀行)入行。1990 年独立系 M & A 仲
介会社のレコフに入社。米系ホテル等不動産投資銀行のソネンブリック・ゴールドマン・
16 年間はニューヨークとシアトルに駐在し、北中米におけるホテルのアセット・マネジ
アジアを経て、2001 年に監査法人トーマツに入社し、2003 年事業再生支援部門設立。
メント、ホテル投資会社の運営、財務、資産の取得、売却(含む M & A)に従事した。
2007 年独立企業し株式会社インテグリティサポート代表取締役に就任。主としてホテ
2005 年に帰国後、イシンホテルズグループ、ゴールドマン・サックス・リアルティー社、
ラサール・インベストメントマネージメント社(現:ラサール不動産投資顧問)において、
ル、旅館、ゴルフ場の再生に尽力している。過去に株式会社太平洋クラブ代表取締役、
福岡市経営顧問、神奈川県行革委員、
「週刊ホテルレストラン」編集委員などを歴任。
主に外資投資会社でのホテル投資、アセット・マネジメントの基盤作りに取り組む。
2009 年からフェニックスリゾート社取締役 CFO に就任。2013 年4月から現職。西
1994 年3月、東京経済大学経営学部経営学科卒業。同年4月に三菱地所住宅販売
㈱(現:三菱地所リアルエステートサービス㈱)に入社する。
2003 年、アドバイザリー営業部に配属され、経験豊富なスペシャリストとの連携で、
法的整理、担保付不動産売却等の私的整理手続きにおける不動産戦略をサポート。
大手生命保険会社、金融系企業、中小ゼネコン等の再生案件を中心に、企業再生に
部チーフアナリストになる。
R & I では、主として内外金融機関、政府系金融機関の調査、分析を担当。その後、
調査室長などを経て、2007 年よりオリジネーション部長として複数の再生企業の格付
係る不動産アドバイザー業務に従事する。2011 年4月より現職。
評価を通じ、それら企業のエグジットファイナンス等に関わる。2008 年より現職。
■金子 均氏 プロフィール
■吉川 博文氏 プロフィール
平成元年、公認会計士辻会計事務所(現:辻・本郷 税理士法人)企画部に入所。法人決算・
ペンネーム
「吉田猫次郎」。著書に
「震災後に倒産しない法」
(サンマーク出版)
「
、連帯保証人」
税務申告業務、相続税所得税申告業務、事業承継対策、資産税対策等を数多く経験し、2002
(ワニブックス)
「
、借金なんかで死ぬな!(
」朝日新聞出版)ほか多数。過去に、商社勤務を経て、
年より M & A、事業再編、事業再生を専門に取り扱う部署を、責任者として立ち上げ現在に至る。
倒産寸前の家業を継ぎ、あらゆる危機的状況を味わいながらも、自力再建した経験がある。
大 手から中 小 企 業まで、 多くの 企 業 の 事 業 再 編、 事 業 再生をはじめ、M & A、
MBO、LBO 等のトータルコンサルティングからストラクチャ―の作成、デューデリジェ
ンス、執筆、講演に幅広く活躍中。
関連法務や会計・税務を包含した戦略的で実務本位の指導で高い評価を得ている。著書
■大川 康治氏 プロフィール
1970 年、慶應義塾大学経済学部卒業。日本興業銀行(現:みずほコーポレート銀行)に入
行する。在職中は海外勤務、特に中南米累積債務国問題をはじめとする海外の不良債権問題お
に「Q & A 入門 M & A の実務」「経営者のための事業再編ガイドブック」
(共著、中央経
よびカントリーリスクを担当。その後、外資系投資会社の財務担当最高責任者(CFO)を歴任、
済社)
「
、税効果会計規則実例集」
(共著)
「
、退職給付会計規則実例集」
(共著、税務研究会)、
産業再生機構(当時)のターンアラウンド・マネージャー(事業再生専門家)として旧九州産業交
「非営利法人会計税務ルールブック」「公益法人会計ルールブック」
(ぎょうせい)等がある。
南学院大学文学部外国語学科卒業。
1981 年早稲田大学政治経済学部卒。同年、北海道拓殖銀行に入行する。1997 年、
R & I の前身となる日本インベスターズサービス入社。1998 年 R & I 発足時に格付本
通株式会社副社長に就任する。2006 年、事業再生コンサルタント会社のコーポレート・ドクター
株式会社を設立。事業再生実務家協会会員、認定事業再生士(CTP)、日本 CFO 協会会員。
■五島 宏明氏 プロフィール
1962 年1月岐阜県生まれ。青山学院大学経営学部卒業後、祖父が創業したベビー
子供用品専門店の社長
(三代目)
に 30 歳で就任し、
店頭公開を目標に製造小売業
(SPA)
へ業態転換させる。プライベートブランドを立ち上げ、年商 11 億 2500 万円、24 店舗
ヤマト・ホールディングス監査役、辻・本郷 税理士法人シニア・アドバイザー、株
式会社ダイハツ顧問なども兼任する。
著書に「どこまで堕ちた企業を救えるか」
(共著)、
「地域力の再生」
(共著)、
「世界
標準の形成を戦略」
(共著)などがある。
(直営 16 店舗、FC 8店舗)、経常利益 5000 万円までに成長させた。しかし少子化
や SC 間の競争に巻き込まれ、5年で全店舗が赤字となり、七転八倒の末に 2007 年
7月 17 日(45 歳)で会社を倒産。年老いた両親共々、自己破産する。
その後、弁護士の許可を受け、母からもらった片道の運賃と鞄一つを持って、逃げ
るように故郷をあとにして上京。「一人として私と同じ経験はさせたくない」との思いか
左から松永氏、山本氏、東氏
桐明氏
らコンサルタントへの道を決断し、昼は勉強、夜は風俗業の運転手として働き、2010
年4月に中小企業診断士登録。現在は、認定事業再生士(CTP)となり、悩める社長
左から金子氏、五島氏、村田氏、吉川氏、柏木氏
大川氏
の特命コーチとして東奔西走中。知的資産経営認定士の資格も持つ。
10
2014.4.30
2014.4.30
11
事 業 再 生 ~ア ジ ア に 向 け て ~
TMA Asia Pacific Conference 2014
クロージングセッション
C l o s i n g
S e s s i o n
日本 TMA /ACTP
10 周年を記 念して
アクタスアドバイザリー株式会社 代表取締役、公認会計士・税理士・認定事業再生士(CTP) 稲村 榮典氏
スピーカー
特定非営利活動法人
株式会社 TSK プランニング 代表取締役、認定事業再生士(CTP) 立川 昭吾氏
モデレーター
特定非営利活動法人日本ターンアラウンド・マネジメント協会 名誉理事長 野田 一夫氏
株式会社銀行研修社 代表取締役会長 土師 清次郎氏
最初は、まずモデレーターの許斐氏が挨拶。
「本年で、日
日本ターンアラウンド・
マネジメント協会 理事長
許斐 義信氏
■稲村 榮典氏 プロフィール
1971 年アーサーアンダーセン会計事務所入所、72 年に米国実務研修。主に、
外資系在日子会社の英文財務諸表監査、日本企業の海外起債に関連する英文
連結財務諸表監査に従事する。75 年、監査法人サンワ事務所(現:トーマツ)
に移籍。信託銀行、損害保険、リース業の法定監査に従事する。81 ~ 83 年、
です。それは、地方に事業再生をできる人がいなかったから。
本 TMA は、創立以来 10 周年を迎えております。この記念す
今日の来場者の半分近くの方が、地方からいらっしゃっていま
べき時期に、キム様をはじめ米国から TMA グローバルの方々
す。20 人でスタートした TMA が、ACTP とあわせると会員は
にお越しいただき、国際会議を開催できたことは、同慶の至
現在 1000 人を超え、我々の役割が形になったと感無量です」
りでございます。この 10 年間に、事業再生や経営破綻、経
と述べました。そして、20 年間、事業再生に関わってきた中
営指導に携わった方、情報発信に努めてこられたジャーナリス
で、リーマンショックを境に全く変わったと説明。事業再生は、
ト、経営コンセプトを社会にご提供された方など、様々な貢献
企業をうまく倒産させることも大きな役割の一つでしたが、リー
があった方達にお集まりいただいて、クロージングセッションを
マンショック後は国が主導するようになったため、どんな企業
設けることにしました。10 年間、我々協会が社会に貢献してき
でも助けるようになり、それが日本の経済成長を止めてしまっ
たことや、本来の事業再生の在り方などについてお話させてい
たと指摘しました。これを受けて稲村氏も、
「事業再生は、も
ただきたいと思います」と述べました。
ともと米国でビジネスを前提に行われており、ファイナンスに問
続いて、指名を受けた土師氏がスピーカーの先頭を切って、
題があれば何らかの形で処理をしていました。現在の日本では
金融業界が事業再生にどのような取り組みをしてきたかについ
そうではなくなっているため、今後のファンドマネジャーは実
て話しました。10 年前の金融機関は、破綻懸念先と実質破
戦の場で経験を積んで、ウィナーとルーザーを見極める必要が
綻先に対する法的整理または私的整理を、事業再生として行っ
あります」と述べました。
ていました。しかし近年は、金融庁の指導によって、経営指
そして野田氏は「問題を解決するためには、誰かがリーダー
導や経営支援も事業再生に加わり、潜在的課題があれば正常
シップを取らなければならない。TMA のメンバーには、誰も
授を退任し、以後同年多摩大学、平成9年(1997 年)宮城大学、平成 24 年
(2012 年)に事業構想大学院大学創設に当たり、いずれも初代学長に就任し、
所定任期を満了した。平成 16 年(2004 年)日本 TMA 名誉理事長就任。現
在は日本総合研究所会長、社会開発研究センター会長などを兼任。企業経営
および大学改革に関する著書、論文多数。
KMG ロンドン事務所に出向し、日系大手銀行、大手商社の国際税務に従事。
84 年、パートナー就任。日本初めてのベンチャーキャピタル会社の上場監査
および EDR 発行監査、ベンチャー企業の上場監査を担当する。
1989 年、 アクタス・グル ープ 創 設。91 年 アクタス監 査 法 人( 現:太 陽
ASG)を設立し、SI、IT、医療機器等の企業8社を IPO。不動産・債権流動化、
上場リート、投資事業組合等の監査に多数関与。2002 年、大手流通会社の
私的整理に関与し、以後、多数の中小破綻企業の事業再生、各地中小企業再
生支援協議会の専門家アドバイザー。アクタスアドバイザリー株式会社代表取
締役、信永東京有限責任監査法人代表社員現任。
■立川 昭吾氏 プロフィール
■土師 清次郎氏 プロフィール
1934 年大阪市生まれ。1956 年、日本金融通信社へ入社し、編集局に配属
される。58 年、大蔵省財政記者クラブ詰。60 年同社を依願退職し、株式会
社近代セールス社に入社し、60 ~ 61 年月刊「近代セールス」編集長、通信教
育部長、企画部長に従事。63 年、同社を依願退職し、株式会社銀行研修社を
設立する。代表取締役社長に就任し、73 年大蔵省銀行局編集「金融カレントト
ピックス」世話人、社団法人日本出版クラブ評議員、社団法人日本書籍出版協
会人事委員、社団法人出版梓会研修委員会副委員長などを歴任。86 年、金融
検定協会を設立し、理事長に就任。01 年、金融検定協会を特定非営利活動法
人に改組し、副理事長に就任する。02 年経済産業省地域人材育成計画 CFO
1945 年、新潟生まれ。中央大学商学部卒。東京重機工業株式会社(現:
プロジェクトオブザーバー、03 年特定非営利活動法人日本ターンアラウンド・マ
株式会社ジューキ)入社。81 年、関連会社社長を経て、会社の整理・清算現
ネジメント協会理事、08 年国土交通省住宅局住宅ローンアドバイザー資格検討
場に数多く立ち会い、企業の倒産回避のノウハウをマスター。95 年にコンサ
委員会委員を歴任後、12 年6月銀行研修社会長兼 CEO に就任。同年7月特
ルティング会社の TSK プランニングを設立し、現在、企業の危機管理に関す
定非営利活動法人金融検定協会を一般社団法人に改組し、理事長を兼務する。
るコンサルティングを手掛けている。
株式会社 TSK プランニング 代表取締役、認定事業再生士(CTP)、東京
商工会議所 中小企業相談センター・エキスパート員、同 経済法規委員会
委員、東京都中小企業振興公社 事業承継・再生推進委員、一般社団法人事
業再生支援協会(SRC)理事、特定非営利活動法人日本ターンアラウンド・マ
ネジメント協会(日本 TMA)理事、
一般社団法人日本事業再生士協会(ACTP)
理事、事業再生実務家協会 正会員。
■野田 一夫氏 プロフィール
■許斐 義信氏 プロフィール
昭和 42 年、慶應義塾大学機械工学科卒業。昭和 42 ~ 44 年、三菱商事
株式会社に入社する。昭和 46 年、慶應義塾大学大学院工学研究科修士課
程修了。昭和 51 年、同研究科博士課程を修了する。昭和 51 ~平成 11 年、
経営構造改革や会社再建。昭和 55 ~ 58 年、三井物産株式会社。昭和 60
~平成3年、株式会社コパル。昭和 63 ~平成3年、中央クーパースアンドラ
イブランド・コンサルティング顧問。昭和 47 年~慶應義塾大学大学院経営管
理 研究科 講師(ビジネスゲーム)。
昭和2年(1927 年)生まれ。昭和 27 年(1952 年)東京大学社会学科(産
平成7~8年、同研究科 講師(経
業社会学専攻)を卒業し、同大学大学院特別研究生として3年間在籍(企業
営 革 新)。平成 10 年、同 研 究 科
講師(技術と経営)
。平成 11 ~ 22
先に対する融資も事業再生の範ちゅうに。しかし多くの金融
がリーダーシップを取れるようになっていただきたい。ターンア
経営論専攻)
。昭和 30 年(1955 年)立教大学に赴任し、助教授を経て昭和
機関では、事業再生の担当部署は本部にあり、営業店でほと
ラウンド・アドバイザーやターンアラウンド・コンサルタントでは
40 年(1965 年)教授に就任。この間昭和 35 ~ 37 年(1960 ~ 62 年)マ
年、同 研 究 科 教 授(22 年 以後も
サチューセッツ工科大学にポスト・ドクトラル・フェローとして招へいされ、企
講義継続中)。
んど関与していないとのこと。こうした現状に対して、土師氏
なく、ターンアラウンド・マネージャーやターンアラウンド・プロ
業経営の国際比較の研究に従事。昭和 45 年(1970 年)日本最初の公益法
は「一部署だけにとどまらず融資担当者にも事業再生について
フェッショナルとして責任を取る人間になっていただきたい」と
人シンクタンク・財団法人日本総合研究所創設に当たり初代所長に就任。昭
編著(中央経済社)、
「競争力強化
和 60 年(1985 年)日本初のベンチャー経営団体・社団法人ニュービジネス
の戦略」
(PHP 研究所)がある。
許斐氏
協議会創設に当たり初代理事長に就任。平成元年(1989 年)に立教大学教
勉強していただく必要があるだろう」と述べました。
今後の TMA への提言を行いました。最後は、土師氏が事業
続いて、どのような企業に経営課題があり、どう再建してき
再生における金融機関への意見、立川氏が日本 TMA が目指
たか、そして今後の事業再生がどうあるべきかについて、立川
すべき方向、
稲村氏が TMA メンバーへの要望などを語り、
セッ
表彰式
氏と稲村氏の意見が求められました。まず立川氏は「私が 10
ションが終了しました。
国際会議の最後は、事業再生分野において功績のあった
年前に、日本で TMA をやりたいと思った理由は、一つだけ
著書に「ケースブック企業再生」
個人または団体を表彰する「ターンアラウンド・オブ・ザ・イヤー」
と、経営破綻と事業再生に関する大学生・大学院の優秀な論
文を表彰する「学生論文表彰」の表彰式が執り行われました。
まず 2014 年のターンアラウンド・オブ・ザ・イヤーは、株式
会社気仙沼ニッティングの御手洗瑞子社長が受賞。西岡朋晃
表彰委員は「当該事業は、2012 年6月東日本大震災の復興
稲村氏
12
2014.4.30
立川氏
野田氏
土師氏
支援のプロジェクトとして始まり、その後、2013 年 6 月に法人
ターンアラウンド・オブ・ザ・イヤー・表彰
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事 業 再 生 ~ア ジ ア に 向 け て ~
TMA Asia Pacific Conference 2014
レセプション 特別ゲスト
化。御手洗氏が社長として、就任されました。気仙沼は漁師
S p e c i a l
G u e s t
町であり、伝統的に『漁網の補修』や『防寒着であるセーター
ゲストスピーカー
を編む』という習慣があります。地域のポテンシャルを生かし、
伝統的な織物の文化を事業として再生させて、地元の女性を
本会議後のレセプションには、特別ゲストとしてインテグラ
編み手とすることで地域に雇用を創出。気仙沼の名を高品質
佐山 展生氏
市場を盛り上げたいと思っております」と抱負を語りました。
した。まず同氏は、経営するインテグラルの特徴を紹介。同
も担っています。伝統的な技術を再生し、地域再生をし、日
ターンアラウンド・オブ・ザ・イヤーの御手洗氏
学生論文表彰・優秀賞の江越氏
せていただきました」と選考理由を説明しました。なお、この
社は、ファンド資金だけでなく、投資先の要望があれば超長
期の自己資金も出す「ハイブリッド投資」というものを行って
いるそうです。さらに、投資先の要望に応じて、
「i‐Engine」
ビジネスモデルは、海外でも高い評価を得ており、ハーバード
という経営支援のための同社メンバーの派遣も実施。
「これら
大学ビジネススクールで事例教材としても採用される予定との
を駆使して、投資先から信頼される、日本型のバイアウトファ
ことです。
ンド市場を作っていこうと思っています」と説明しました。
御手洗氏は「被災地に行って、仕事が無いという状況が人
続いて日本のバイアウト市場について、佐山氏が 1998 年に
から誇りや自信を奪っている、仕事が人の尊厳の源になってい
ユニゾン・キャピタルを立ち上げた時は、市場形成に「ファン
ると強く感じました。そこで、一時的な復興支援ではなく、地
域に根差して持続的に収益を上げ、働く人に誇りもってもらえ
R e c e p t i o n
ここにお集まりの皆様と一緒になって、再生そしてバイアウト
ル株式会社代表取締役の佐山展生氏が来場し、あいさつしま
なニット商品の生産地として、世界中に広めるという地域再生
本の再生にも寄与できるビッグプロジェクトとして、高く評価さ
インテグラル株式会社 代表取締役 f o r
学生論文表彰・入賞の四條氏
学生論文表彰・入賞の何氏
る仕事を作ろうということで気仙沼ニッティングを立ち上げま
ドの投資家がいること」
「十分な M & A の案件があること」
「LBO ローンを出す金融機関があること」
「投資先に送り込む
住友銀行)に入行後、M & A アドバイザリー業務を担当し、国内外の買収案
件を多数成約。
経過して、3つは改善されましたが、経営者市場はまだ十分で
で買ってくださいというものが多いのですが、それでは作り手
その後、1998 年には実質的に日本で初めての大型バイアウトファンドとなる
はないと指摘。そして「バイアウトは、欧米では既に社会イン
としての嬉しさが得られません。また、持続可能なモデルにも
ユニゾン・キャピタルを共同立ち上げし、東ハト、キリウ等の再生に関与する
フラの一つとして重要な地位を占めており、日本でも近い将来、
ならないので、とにかく良い物を作ろうというところからスター
急速に PE の社会的ニーズが高まってくると予想しております。
トしました。弊社のメーン商品でオーダーメードのカーディガン
■佐山 展生氏 プロフィール
1976 年、京都大学工学部高分子化学科卒。1987 年三井銀行(現:三井
経営者市場があること」が必要だったと振り返りました。15 年
した。復興支援プロジェクトは、東北の人達は可哀そうなの
佐山 展生氏
GCA 株式会社代表取締役パートナーを経て、2008 年3月より現職。
著書に「バイアウト」
(共著、日本経済新聞出版社)
、
「社長の器」
「社長の
値打ち」
(編著、日本経済新聞社)他多数。
『MM01』は、15 万円です。しかし、注文に生産が追い付か
ず抽選販売にしており、去年1年間の抽選の倍率は 10 倍です。
また、
『エチュード』という7万5千円のセーターは、1日約
50 着が一瞬で売れるという状況です。弊社は、編み手さんが
35 人のまだ小さい会社ですが、小さいなりに地域に貢献して
学生論文表彰・左側手前から江越氏、四條氏、何氏
いけたらと思っております。この度は素晴らしい賞を頂きあり
がとうございました」と受賞の喜びを表しました。
支援とは何かを考察する内容になっております。私自身、銀行
続いて学生表彰論文は、水島正表彰委員長が発表。慶應
からの企業派遣という形で慶應ビジネススクールに通学してお
義塾大学大学院経営管理研究科修士1年の江越健氏が書い
ります。今日皆様のお言葉を聞いて、金融機関の人間として今
た「中小企業円滑化法終了後の中小企業支援について」が優
回の論文で得た学びを、しっかりと生かしていけるように取り
秀賞に選ばれました。水島委員長は「多面的な切り口から分
組んでいきたいと思っております」とコメントしました。
析された良作でした。特に中小企業が直面する差し迫ったテー
なお、入賞論文として、慶應義塾大学大学院経営管理研
マに対しての詳細な分析として、高く評価しました」と選考理
究科修士1年・四條陽一氏の「投資ファンド連合と事業会社株
由を述べました。
主との協働による事業価値の改善について」と、同研究科修
江越氏は「今回の論文は、中小企業円滑化法自体の効果
士1年・何健氏の「中国における経営再建ビジネスの分析」が、
や問題点を分析した上で、今後の金融機関として求められる
それぞれ選ばれました。
14
2014.4.30
挨拶する実行委員会の皆さん
平成 26 年4月4日(金)、日本 TMA 第 10
総 会
本会議後のレセプション
理事が任に就きました。
回総会が、日経ビル(東京都千代田区)6
今回の承認事項は、
「事業報告および決算について」「事業
階の日経カンファレンスルームで開催されまし
計画および予算について」、
「監事2名再任の件」でした。濵
た。本年の総会は、同日に同ビルで開催され
村 耿 夫・日本 TMA
た日本 TMA と ATCP の主催による国際会議「事業再生~ア
監事から前年度の会
ジアに向けて~ TMA Asia Pacific Conference 2014」に先駆
計監査の結果が報告
けて、午前8時 30 分に開会。
され、すべての議 案
冒頭に登壇した許斐義信・日本 TMA 理事長の挨拶の後、
議長の選出が行われ、推薦を受けた永野卓美・日本 TMA
が滞り無く採決されま
した。
会場の模様
2014.4.30
15
CTP・ATP 資格試験情報
【事業再生士補(ATP)資格試験】
【認定事業再生士
(CTP)資格試験】
日 程 : 平成 26 年 5 月 18 日(日)
日 程 : 平成 26 年 6 月 14 日(土)
東 京 会 場 : 都市センターホテル
会 場 : 都市センターホテル
神 戸 会 場 : 神戸夙川学院大学
認定事業再生士(CTP)
、事業再生士補(ATP)資格
については、ウェブサイトをご覧下さい。
w ww. a c t p. j p
お問合わせ
一般社団法人日本事業再生士協会
TEL : 03-5269-5054 E-mail : [email protected]
※詳細はウェブサイトでご確認下さい。
S
P O N S O R S
Gold
KRB コンサルタンツ株式会社
www. tmaj a pan. or g
Silver
いけうち会計事務所
株式会社 TSK プランニング
株式会社 TTM
税理士法人はやぶさ
www. tur nar ound. or g