秋 号 2015 秋季特別企画 IGAS2015の概要と出展メーカーの動向 京 都 府 印 刷 工業組合 2015 Vo l . 632 目次 巻頭言/理事長 瀧本正明・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 ・・・・・・・・・・・・・・・ 4 秋季特別企画「IGAS2015の概要と出展メーカーの動向レポート」 〜印刷感謝祭〜 本木祭並びに組合員物故者を偲ぶ会開催・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15 業界診断事業報告会、 並びにセカンドステージに向けての研究・情報交換会 「あなたの会社・私の会社の未来を考える!」開催・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18 オフセット印刷学科講習開催・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20 技能検定 (オフセット印刷作業)実技試験実施・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21 親善ソフトボール大会開催・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22 納涼ビアパーティ開催・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23 北部地域懇談会開催・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25 だから!共済!(各種共済制度・保険等活用事例のご紹介) 7月・9月定例理事会開催概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26 委員会だより/組織・共済委員会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 27 支部だより/上支部・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28 中支部・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28 下支部・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 29 東山支部・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 29 会合だより/プリプレス部会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30 /京都青年印刷人月曜会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 31 /京都印刷協和会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 33 執行部だより・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 35 統計だより/中小企業景況調査・京都府の概況より・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 36 組合員ニュース・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 38 ビデオ・DVD貸し出しのご案内・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 42 事務局からのお知らせ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 43 印刷会館利用状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 43 組合日誌・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 44 組合員異動・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 45 訃報・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 45 編集後記・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 45 秋号表紙イラストレーション コンセプト 育った街の秋は17時に無線から童謡「夕焼け小焼け」が流れます。遊んでいた子 ども達はそれが聞こえると家へ向かいます。帰り道、自分よりはるかに背の高いス スキの横を通るのは少し怖かったものです。獣道を小走りしながら大声で歌い出し たい気持ちだったのを思い出しながら描きました。 京都造形芸術大学こども芸術学科3回生 横江 風香 巻頭言 「食欲の秋」 京都府印刷工業組合理事長 瀧本 正明 私は昔から食べる事が大好きでしたので、組合活動等を通して日本各地を訪れたときは、 活動後のプライベートな時間も各府県工組の理事長様、役員様に同行させていただき、食 事をご一緒させていただきました。おかげ様で、北は北海道から南は沖縄まで全国47都道 府県の郷土料理や珍料理、普段は食することができない貴重な食材等を口にすることがで きました。本号では、そのような私の「食べ歩き」の中でも印象深い一品や食材等をご紹 介させていただきます。 北海道といえば生ものです。新鮮な食材が沢山あります。「たらば蟹」、「うに」、「ほっ き貝」 、 「山わさび(洋わさび)」等々、枚挙に暇がありません。個人的には、毎年7月に札 幌で開催される業界コンペの最終日に早来カントリー倶楽部の野外で食べた「ジンギスカ ン」が最高でした。 秋田県では、秋田工組の大門理事長に勧めていただいた郷土料理屋「お多福」で食する 「比内鶏」や新米の「きりたんぽ」、辛口の鈴木酒造「秀よしの中垂れ」が天下一品です。 さらに、定番ではありますが、秋田といえば「しょっつる鍋」を外すことはできません。 宮城県では、 仙台駅「エキナカ」のすし通り、 「あさひ鮨」の「生ほや貝」が絶品でした。 仙台と言えば牛タンが有名ですが、鮨も美味い。 今年の8月は、福島工組の佐久間理事長に土湯温泉へ招かれました。そして「泉川」「袋 垂れ」 「豊國」 「天明」「奥の松」など、地元の人でも普段飲めない東北の銘酒を賞味させ ていただきました。何れも甲乙つけがたく、福島工組の理事さんと取り合いになるほど美 味しいお酒でした。 あんこうなべ 茨城県水戸にある民宿で食した「どぶ汁(鮟鱇鍋)」の味も忘れられません。鮟鱇を丸ご と平らげた後の雑炊もまた格別です。 鮟鱇といえば、東京神田にある創業180年の「いせ源」の「鮟鱇鍋」も外せません。中 でも「あん肝」は最高で、4度もおかわりをしたほどです。 福井県では、芦原ゴルフクラブの「おろし蕎麦」が強く印象に残っています。今までに 食べた事がないほどに辛い「おろし蕎麦」でした。さらに、「日本三大くず」の一つに挙 2 ● ● げられる若狭の「くず」を使った小浜市「伊勢屋」の「くずまんじゅう」も絶品です。特 に夏場、 井戸水が垂れ流される水槽からすくっていただく「くずまんじゅう」は格別です。 香川県といえば讃岐うどんが定番ですが、個人的には開店前から行列ができる「はりや」 という店が一番だと思っています。お勧めしたいのは「かしわざるうどん」と「イカ天釜 揚げうどん」です。 高知県といえば鰹のタタキでしょう。中でも、ひろめ市場の漁師料理「明神丸藁焼き塩 たたき」は他では味わうことができない美味しさです。私はこの一品のために、毎年5月 になると必ず高知を訪れます。さらに、最後の清流といわれる四万十川の天然うなぎが絶 品の「四万十屋」も外すことができません。この店では四万十川の目の前で天然ウナギを 食することができます。 佐賀県では、佐賀工組の木下前理事長に紹介していただいた嬉野温泉の「温泉豆腐」と 新鮮な「呼子いか」の味が忘れられません。 宮崎県では毎年1月に新年会を兼ねて業界コンペが開催されていますが、二次会会場の 居酒屋で賞味する料理はいつも美味しい。日本中を見渡しても、宮崎ほどゴルフ場と飲み 処に恵まれた土地は無いと思っています。 鹿児島県は、やはり「黒豚しゃぶしゃぶ」でしょう。あっさりした甘めの出汁でいただ く「豚しゃぶ」は食が進み、芋焼酎にぴったりです。 そして沖縄県では、「豆腐よう」を泡盛でいただくのが最高です。 聊か私の個人的な料理エッセイのようになってしまいましたが、「食べ歩き」を通して 全国の業界仲間と交流を深めることで、京都では掴めなかった業界内外の様々な情報を入 手することができるので、組合の運営においても大いに役立ちました。 昨年、 「2014全日本印刷文化典京都大会」の開催に併せて行った企画展の「販促アイデ アグランプリ2014」も、全国の組合員仲間との交流を通して得たヒントを具現化したもの です。情報交換を通して、「販促や町興しを支援することで印刷需要の喚起に繋がる」と 確信するとともに、「そのためのノウハウやツールを組合員間で共有することができれば、 相乗効果と相まって業界全体の活性化に結び付くのではないか」と考えました。このコン セプトをもとに、集客や演出方法など運営全般について関係役員各位とアイデアを出し合 うことで、当初の構想以上に関心を集める大きな事業に昇華することができました。 これからは私の次の世代の人達の時代です。若い経営者の皆様方におかれましても、積 極的に全国の業界仲間との親睦を深められ、各々の交流ネットワークを築いてください。 情報をインプットするためのアンテナを張り巡らせてください。私自身、これまでの「食 べ歩き」を通して得た業界仲間との絆は大きな財産となりました。この財産を決して私一 人にとどめるつもりはありません。組合活動においてはもちろん、組合員の皆様のお手伝 いができるのであれば喜んでご支援いたします。いつでも声をおかけください。 これからも印刷業界が若い人たちに夢と希望が持てる業界となるよう全力で取り組む所 存ですので、引き続きご支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。 3 ● ● 2015.10 2015 秋季特別企画 2015 秋季特別企画 IGAS2015の概要と出展メーカーの動向 東洋インキ株式会社 グラフィックソリューションセンター カスタマーサポート1部第1課 帯川 武史氏 今回の秋季特別企画は、東洋インキ株式会社様ご協力のもと、 「IGAS2015」(9月11日(金) ∼16日(水) 於 東京ビッグサイト)の概要と出展メーカーの動向をご紹介いたします。 全323社・2605小間 (4月23日現在) からなる多彩な出展企業各社をプリプレス関連、デジタル印刷関連、 印刷機メーカー関連、後加工関連等のカテゴリーに分類し、各々代表的な企業の最新設備や出展の特徴に ついて、印刷総合インキ製造メーカー の目線で詳しく分析していただいております。来年の 「drupa2016」 開催に向けて、今後の業界情勢や技術動向のトレンドを占ううえでも大変参考になると思いますので是非 ご一読ください。 戦!」である。展示規模は、323社、2,605小間(4 はじめに 月23日現在)となり、前回とほぼ同等の規模にな っている。それでは、ここから先はカテゴリー別 の出展概要などについて触れていきたい。 IGAS2015は、9月11日 (金)から9月16日 (水) の6日間、東京ビッグサイト東館を会場として開 プリプレス関連 催された。周知の通り「世界4大印刷機材展」と 言 わ れ、drupa( ド イ ツ ) 、PRINT( 北 米 ) 、 ・株式会社SCREENグラフィックアンドプレシ IPEX(イギリス) と並び称されている。 そのような中、IGAS開催前に大きな発表があ っ た。 今 年 2 月、 中 で も 最 大 規 模 で 行 わ れ る drupaの開催周期が4年に1回から3年に1回に なると発表されたのである。そして、それを受け る形でIGASも今後は3年間隔での開催になると のことであった。今後、IGASの位置付けはこう EQUIOS Ver.4.5 した変化の中、 「世界のdrupaと日本のIGAS」と JN-P760 ジョンソリューションズ いう意味合いが強く残るのではないかと想定され る。 ワークフローシステム「EQUIOS」は参考出品 今 回 の キ ャ ッ チ フ レ ー ズ は、 「Print + に て「Ver.4.5」 を 展 示、 面 付 け 機 能 の 強 化 や innovation プリントテクノロジーのさらなる挑 POD機との連携面など、より効率的な運用が可 4 ● ● IGAS2015の概要と出展メーカーの動向 ・コダック合同会社 能になっている。また、Webポータルシステム 「EQUIOS Online」 は 最 新 バ ー ジ ョ ン「Ver.3」 を展示、10月より販売を開始することが発表され た。主に入稿時の柔軟性強化や、クライアント等 アカウントの設定関連の機能が向上している。 CMSソリューションでは、本紙校正用IJプリンタ 「JN-P760」が参考出品にて展示。印刷本紙が使 Prinergy Ver.7 用可能でなおかつ、両面印刷にも対応している。 TrendSetter用SCU もちろん、同社のCMSシステム「LabProofSE」 ワークフローシステム「Prinergy」は最新バー での運用を可能とする。また、国内初出展となる ジョン「7」を中心に、関連するWebポータル 「TRUST Profiler」はクラウドベースのCMSシス システム「Insite」や面付けソフトウェア「Preps」、 テムで、同社デジタル印刷を複数運用するケース トータルCMSツール「ColorFlow」を含めて展示 を想定、 各デバイスの色特性を持つ設定を用意し、 された。また、CTP関連としては完全無処理版 トータルな管理を実現する。 「Sonora XJ」が新製品として展示され、新たに シングルカセットオプションが加わったレコーダ ・富士フイルムグローバルグラフィックシステム ー「TrendSetter+SCU」を含めたシステムとし て展示。特にSonora XJはUV適性を持ち、耐刷 性も強化される点は非常に特徴的である。 ・Agfa Graphics N.V. 富士ブース xmfコーナー ズ株式会社 ワークフローシステム「xmf」の最新バージョ ン「6.1」はインキ削減機能の標準装備などが変 アグフアブース 更点となっている。また、関連製品ではクラウド アズーラギャラリー にてトータルCMSを実現する「Color Path」や 同社のワークフローシステム「Apogee Suite」 MIS と の 連 携 に よ り 自 動 化 を 促 進 す る は最新バージョン「9」が展示されたが、今回注 「Controller」が新製品として展示された。更に、 目されたのは参考出品の「Apogee Cloud」である。 独自の面付け機能などパッケージ用途に特化した 会期初日に発表され、展示は予約制のみであった レイアウトシステム「PHOENIX」も今回新たに ので残念ながら詳細を知ることはできなかった 紹介された。最後に、今回特に注力して展示され が、来年発売開始になるとのことである。クラウ たのが世界同時発表の省資源ソリューション ドベースのシステムがプリプレスにおいて採用さ 「SUPERIA」 である。印刷工程全体における資材、 れる事例が徐々に増えてきたことからRIPにおい 時間、工数を削減することを目標とするもので、 ても時間の問題と思われていたが、おそらく他社 CTP関 連 ( 完 全 無 処 理 サ ー マ ルCTPシ ス テ ム も含めてこういう形になっていくと推測される。 「SUPERIA ZP」 及 び プ レ ー ト「SUPERIA 性質上常に機能の強化を続けていくことが求めら XP」)、印刷関連薬品 ( 「PRESSMAX SERIES」 ) 、 れ、システムを使用する側から見た管理、トラブ コンサルティング ( 「Eco & Fast Printing」 ) 、イ ル対応などの繁雑さを考えるとある意味必然性が ンキ削減スクリーニング (FM ス ク リ ー ン あったと言えよう。 「TAFFETA」など)といった同社の製品群にて 成り立っている。 5 ● ● 2015.10 2015 秋季特別企画 ・エプソン販売株式会社 EIZOブース エプソンブース 新プリンタ SC-Pシリーズ ColorEdgeモニタ 新たな技術として注目される4Kモニターを含め 会場にて新製品として、水性インクジェットプ てソフトプルーフのメリットをアピールした展示 リンタ「SC-P」シリーズが発表された。その最 を行った。また、連日印刷関連をテーマにしたミ 大の特徴は、バイオレットインクを搭載したモデ ニセミナーをブース内にて実施した。 ルがラインナップに加わり、これにより色域が拡 ・株式会社ミマキエンジニアリング 大している。これは特にパッケージプルーフでの 用途を意識したものである。それ以外にも黒イン クの高濃度化、耐光性の強化など多くの機能向上 が図られている。これに伴い、各社RIPにおいて もこのプリンタに対応することが発表されている。 ・ビデオジェット・エックスライト株式会社/エ SIJ-320UV スコグラフィックス株式会社 3Dプリンタサンプル サインディスプレイや小ロット、プルーフなど 各種用途に応じたプリンタやカッティングプロッ タなどを数多く紹介。特に新製品として3.2m幅 まで出力できるLED-UVプリンタ「SIJ-320UV」 は11月発売ということで注目を集めた。また、ユ eXact Scan ニークな展示として参考出品された「フルカラー エスコブース 3Dプリンタ」は、3Dプリンタでは従来難しいと エックスライト及びエスコグラフィックスブー されていた高精細な着色をUV方式+ICCプロフ スでは、 共同でセミナーを開催した。オフセット、 ァイル対応により実現。1,000万色以上の鮮やか フ レ キ ソ、 グ ラ ビ ア に お け る ワ ー ク フ ロ ー や な表現を可能にする。 CMSについて両社のソリューションを活用した ・北京北大方正電子有限公司 内容であった。展示としては、エックスライトブ ースでは「eXact Scan」を新製品として紹介、 こちらは分光光度計eXactを使って自動測色を行 うものである。エスコグラフィックスブースでは ワークフローシステム「Automation Engine」と 「Web Center」を活用した工程の自動化や、CTP システム+CMSソフトウェアによる高色域印刷 方正ブース の実現について印刷物を展示し紹介した。 FlexoJet1725 パッケージ用ソフトウェア〜RIP〜デジタル印 ・EIZO株式会社 刷機に至るまでの各種製品が展示されたが、ユニ CMS対応モニタとしては全世界のスタンダー ークだったのはインクジェットフレキソCTPシ ドとも言える同社の「ColorEdge」を始め、近年 ステム「FlexoJet1725」である。レタープレス等 6 ● ● IGAS2015の概要と出展メーカーの動向 定とのことである。 を用途として、樹脂凸版をプライマー処理し、そ の後リニアモーター方式で移動しながら製版処理 を行う。あとは通常のフレキソCTP同様後加工 へ送るという工程となる。ポイントとしては専用 版ではなく、従来のいわゆるアナログ版を使用で きることであり、価格はシステムとして約1,000 万円とのこと。 キヤノンブース デジタル印刷関連 imagePRESS C1000VP ・リコージャパン株式会社 ・コニカミノルタビジネスソリューションズ株式 会社 リコーブース RICOH Pro C9110 同社の主力となるPOD機を中心としてワーク KM-1 フ ロ ー シ ス テ ム な ど を 含 め た 展 示 で あ っ た。 bizhub Pro C71CF POD機は新製品「RICOH Pro C9110」が中心。 ブースにはPOD機、デジタル印刷機を一同に こちらはフルカラーで130枚/分という高生産性 揃え、ソフトウェアと関連製品を絡めた運用に重 に加え、400g/㎡までの厚紙両面印刷も可能と用 視した展示に見受けられた。中でも販売開始が待 紙の適応性も高い。また、同じく新製品「RICOH たれるLED-UVタイプのインクジェットデジタル Pro VC60000」はおそらく同社初の連帳インクジ 印刷機「KM-1」は実機稼動にて展示され、配布 ェット機であり、1200dpiのデュアル・プリント は行われなかったもののパッケージなどを含めた ヘッドを採用したフルカラー対応の製品となって サンプルも多数見ることができた。また、全世界 いる。いずれも今年7月より発売されている。 で高シェアを誇るPOD機「bizhub Pro」シリー ・株式会社ルキオ ズはほぼ全ラインナップが設置された。ラベル印 刷用としてはミヤコシとの共同開発となる bizhubの「C71CF」が展示され、こちらは来年 2月に販売開始予定、想定価格は2,200万とのこ と。高色域トナーとして特徴的なbizhubのhcシ リーズでは最新機種である「C71hc」を展示、生 産性が向上し、接続されるオプションが汎用機で ルキオブース ある「C1070」と共通となった。 エクセラグラフィクス4200 大 判 UV イ ン ク ジ ェ ッ ト 機「swissQPrint ・キヤノンマーケティングジャパン株式会社 Nyala2」 や 高 速 カ ッ テ ィ ン グ マ シ ン「ZUND POD機「imagePRESS」シリーズのフラッグシ S3」を展示し、高品質+大サイズのプリント&カ ップモデルとなる「C10000VP」を会場にて発表。 ットを実演にて紹介した。また、個人的にも特に 同シリーズでは最速となる100枚/分の生産性を 興味があったのがXante社製の「エクセラグラフ 誇り、2,400×2,400dpiの高画質を実現。本体価格 ィクス4200」で、こちらはdrupa2012において低 は2,500万円で今年10月に発売開始。兄弟機とな 価格+高速を可能にするデジタルプリント技術と る「C8000VP」 (80枚機)も同時に発表、発売予 して注目された「memjet」を採用している。日 7 ● ● 2015.10 2015 秋季特別企画 本国内での展開は当時不明であったのだが、ルキ オ社にて取り扱いが始まっている。特にダンボー ルへの印字をフルカラーで可能にしており、小ロ ットでの運用を想定しているとのことである。 ・篠田商事株式会社 沖データブース 蛍光トナー搭載プリンタ 幅広い用途での運用が想定される。また、A4サ イズで白+C、M、Yの蛍光4色プリンタも同じ く参考出品としてこちらは実機を展示。シート出力 +転写によりTシャツなどの作成が簡単に行える。 デジタル孔版印刷機 印刷サンプル ・株式会社ミヤコシ ダンボール関連ということでもう一つ注目した のがこちらの「デジタル孔版印刷機」である。こ ちらは今回発表された製品で、印刷機上で製版+ 印刷を1枚1〜2分で行う。いわば「ダンボール DI機」といったところであろうか。一度の製版 で100枚程度の耐刷があり、単色ではあるがイン ミヤコシブース キを替えれば2色以上の印刷も可能になっている。 MJP20MX デジタル印刷ではインクジェットや液体トナー ・株式会社東京機械製作所 タイプで多彩なラインナップを取り揃えている が、今回は「MJP20MX」を実機展示し実演デモ を行った。こちらは連帳系でありながら1200dpi と高品質な印刷を実現し、同社の得意とするイン ラインでの前後加工処理(ミシン加工・パンチ加 工やシーター等)を可能にする。 JET LEADER 2000パネル JET LEADERサンプル ・株式会社日本HP 新聞業界向けインクジェット機「JET LEADER」 は国内外での導入が進んでおり、会場ではユーザ ーであるハワイ報知社様での印刷サンプルが展示 された。また、今回はその最新機となる「2000」 もパネル展示された。伺った話によると、今後は 更に生産性を向上させる予定もあるとのこと。 蛍光ピンクインキのサンプル Indigo20000でポスター印刷 ・株式会社沖データ Indigoデジタル印刷機では、いわゆるワイドフ 以前より白トナー+透明フィルム印字を対応に ォーマット系となる「10000」、「20000」、「30000」 する「MICROLINE VINCI」は展示会などを見 を全て展示。それぞれ商業印刷用、軟包装用、パ ても同社独自のソリューションとして定着してい ッケージ(厚紙)用と位置づけられるが、それぞれ るが、今回は更に、参考出品として白トナーを先 導入事例を含む多彩なサンプル、インラインの後 頭に印字するモデルをパネルにて紹介した。これ 加工を含めた形で展示されていた。特に興味深か により、白を下地にすることが可能になり、より ったのは20000の展示で、これは印刷可能幅が 8 ● ● IGAS2015の概要と出展メーカーの動向 762mmあるロールタイプなのだが紙にも印刷が 5 150 Press」(参考出品)である。こちらは2400 できるので、実質「B1サイズに対応可能」なこ ×2400dpiの高品質で150枚/分という高生産性を ととなり、ポスターなどを印刷するデモを行って 有し、更に4色+α(オレンジ/グリーン/ブル いた。これはまさに目から鱗といった感じであっ ーより選択)にも対応する。いずれも実演デモを た。また、Indigoでユニークな機能として紹介さ 行っていた。 れていたのが新開発の「蛍光ピンクインキ」であ ・株式会社SCREENグラフィックアンドプレシ る。こちらは現時点でA3対応の「7800」でのみ ジョンソリューションズ 可能なオプションであるが、パッケージなど付加 価値を高める機能の一つとしてニーズに応えうる ものであろう。 ロールタイプのインクジェット機となる 「WebPress」はパネル+サンプル展示。サンプル は講談社の印刷物を展示しており、導入当初の主 な用途であった文庫本から、現在ではそれに留ま Truepress Jet 520HD らず多くの出版物関連の印刷を担っており、再版 JetConverter L350 +新版で活躍しているということであった。 あらゆる用途のインクジェット機「Truepress HP Scitexブランドの大判プリンタにおいても、 Jet」シリーズを有する同社では、今回新製品を ダンボールに対応した「15500コルゲートプレス」 含む多くの製品が展示された。連帳タイプでは高 を実機展示。出力デモ+世界中での導入事例が紹 速機「520HD」を国内初出展。120m/分の高生産 介されていた。 性に加えて1200dpiの高解像度モデルとなってい ラテックスインクタイプのインクジェットプリ る。520シリーズとしてはワールドワイドで800台 ンタは無臭+エコ+対応基材の柔軟性という強み 以上の実績があり、現状多くはデータプリントを を生かしてサインディスプレイ用途等を中心に導 用途としているがこちらのモデルでは商業印刷等 入が進んでいるが、今回は新製品を含めてエント への展開も見込んでいるとのこと。会場ではバリ リー〜ハイエンドまでのラインナップにて展示さ アブル製本、小ロットカタログの制作デモが行わ れた。 れた。ワイドフォーマットでは3.2×1.6mサイズ までに対応し、生産性も最高150㎡/時を実現する ・富士フイルムグローバルグラフィックシステム 「W3200UV HS」が同じく国内初出展となった。 ズ株式会社 ラベル向けの「L350UV」は専用のインライン後 加工システム「JetConverterL350」を展示した。 印刷機メーカー関連 ・株式会社小森コーポレーション MJP20W iGen 5 150 Press デジタル印刷関連では特に2機種において注目 が集まった。一つは軟包装用UVインクジェット 機(参考出品) である「MJP20W」で、ミヤコシ社 との共同開発による高画質 (600dpi)+高生産性 小森ブース (50m/分)を実現している。サイズは541mm幅、 Apressia DC105 色はCMYK+W、エンドレス版にも対応してい 出展企業中最大面積のブースで、同社のメイン る。もう一つはハイエンドタイプのPOD機「iGen ソリューションとなるH-UV搭載印刷機を2種類 9 ● ● 2015.10 2015 秋季特別企画 ・株式会社桜井グラフィックシステムズ 展示(G40/菊全6色、A37(A全4色) )し、トー タル工程をデモンストレーションとして実施し た。更には2016年4月発売予定のデジタル印刷機 「Impremia IS29」についても実機稼動によるデ モが行われた。また、今回発表された自動平盤打 抜機「Apressia DC105」は参考出品ながら展示 され、断裁機「Apressia CT137」などを含め、 桜井ブース 後加工のソリューションが充実してきたことを伺 水無しUV印刷の実演 わせた。そして、 印刷工程を管理する「K-Station」 四六半裁5色片面印刷機「オリバー580SDC」 の 最 新 バ ー ジ ョ ン を 核 と し た「Hybrid は水なしのLED-UV印刷として「省エネ+環境対 workflow」はプリプレス関連における各メーカ 応」を実現するデモが行われ、同じく「Kaleido」 ーのワークフローシステムやMISとの連携をブー の印刷サンプルが展示、配布された。また、2014 ス内で紹介し、印刷を含めた各工程の更なる効率 年発表のフィルム印刷用シリンダータイプロール 化を実現するソリューションを提案していた。 スクリーン印刷機「MSDR60」はフィルム搬送性、 乾燥性等機能向上が図られた形でのいわば「バー ・リョービMHIグラフィックテクノロジー株式 ジョンアップモデル」として展示され、50μmと 会社 いう薄膜フィルムによる印刷実演が行われた。こ れによりシール・ラベルを含め様々な素材へ適応 し、幅広いビジネス展開を可能にしている。 ・株式会社太陽機械製作所 RMGTブース 印刷デモの様子 ロゴ、製品名等がRMGTブランドとして統一 された形での出展となり、主力製品となる印刷機 を3台、全てにLED-UVを搭載し実機展示した。 太陽機械ブース 特 に 四 六 全 の「RMGT 11」 (最高印刷速度 ZX-320 同社の最新型ナローウェブ印刷機がメインの出 15,000sph) 、 とA全判オフセット印刷機「RMGT 9」 展であった。特にオフセット間欠輪転ラベル印刷 (最大紙幅940mm)はそれぞれ高機能化された新 製品と位置づけられる。 機「ZX-320」はインラインスクリーンユニット ブース内では同社の印刷機における特徴 (品質、 を搭載した形での展示となり、UVフレキソ印刷 生産性 (効率化) 、安全性 (検査)など)を訴求する 機である「STF-340」と共に、ラベル印刷の最新 3種類のデモンストレーションがそれぞれの印刷 動向を窺い知ることが出来た。更には、プリンテ 機を使って行われた。中でもRMGT11の実演デ ッドエレクトロニクス用途として、インキ開発用 モは東洋インキの広演色インキ「Kaleido」+高 テ ー ブ ル ト ッ プ 型 フ レ キ ソ 印 刷 機「TOFLEX 精細印刷をコンセプトとしたものであった。 また、 Smart」も実演展示された。 ブースのコーナーサイドにおいては「クリエイタ ちなみに、間欠輪転型ラベル印刷機は他にもリ ーとプリンティングディレクターによる印刷表現 ンテックブースで展示された「LPM-300iT」など への挑戦」と題した作品が展示され、そこに集約 もあり、デジタル印刷の動向を含めラベル業界は された技術と芸術の融合を見ることができた。 多様化するニーズに対応する環境が整備・発展し つつある雰囲気を感じ取ることが出来た。 10● ● IGAS2015の概要と出展メーカーの動向 ・ハイデルベルグ・ジャパン株式会社 後加工関連 ・ホリゾンインターナショナル株式会社 ハイデルブース Linoprint CV 「DISCOVER HEI/HEI SAILING 〜 と も に 創 る、印刷の未来〜」をスローガンとし、ブース全 BQ-P80 ホリゾンブース 体を船内に見立てて同社が展開するサービス、サ ポートや製品を紹介した。また、会期中に置いて カテゴリー(製本、折り、ダイカットなど)ご リコージャパンと国内における協業を開始するこ とのゾーンに最新機器を展示し、それに加えてプ とが発表された。 その一環として参考出品ながら、 レゼンテーションエリアでは全体工程を稼動しな デジタル印刷システム「Linoprint CV」が展示さ がらロール及びシート紙が製本されるまでの工程 れていた。 を実演デモとして定期的に行っていた。また、同 社における強みの一つであるJDF運用を「pXnet」 ・アイマー・プランニング株式会社 により紹介した。新製品としては操作性を重視し た卓上製本機「BQ-P80」やシートカット〜筋入 れ〜ミシン加工までをワンパスで行うシートカッ ト&クリーサ「SmartSlitter」を展示した。 ・株式会社デュプロ ブース全景 印刷デモの様子 「印刷の完全自動化」を目指す同社のソリュー ションはpage展などでもインパクトのある実機 デモが行われることで定評があるが、今回はその 「J-colorシステム」に新たに加わった「WPC」湿 デュプロブース し水供給量の自動制御システムが発表された。会 600 Booklet System 場ではリョービ社製で20年以上前の印刷機を設置 ワールドワイドに展開するデュプロならではの し、通常印刷においては困難とされる見開きで左 トータルソリューションを集約させた展示が特徴 半分がほぼ全て絵柄、右半分はほぼ白紙というジ 的。今回は新製品も多数展示しており、カッター ョブを用いて50枚が刷了されるまでの印刷工程を クリーサ「DC-646」は名刺やはがきなどの用途 デモンストレーションした。開始から終了まで2 に最適で、操作性や位置の補正機能等が充実して 分半、そして40枚の損紙と、10枚の予備を含めて いる。また、製本機としては横長製本に対応した 作業が終了するというものである。このデモは同 「600 Booklet System」を展示した。後加工メー 社のインキ制御自動化システム「IPC」を含めた カーとしては珍しくデジタル印刷機の開発、販売 形で行われ、太陽機械ブースなどでもこの仕組み にも取り組んでおりブース内で印刷〜後加工まで の採用事例として紹介されていた。 を実演できるのは強みであろう。 11● ● 2015.10 2015 秋季特別企画 ・ミューラー・マルティニ ジャパン株式会社 ③「OT-SRPⅢ」 (オーシャンテクノロジーブース) 「小型ダイカットエンボッサー」と称され、打 抜き、箔押し、エンボス加工を一台で賄うことが 可能。A2サイズまでに対応している。A4サイズ 換算で時間6,000枚と高生産性であり、ある程度 大きなロットまでの生産に対応していると言え ブース全景 る。位置調整などはタッチパネル上でオペレーシ プリメーラシステム ョンを行うなどデジタルの要素も組み込んだユニ ークな製品。 中綴じシステムである「プリメーラ・ジャパン」 は文字通り日本市場向けにバージョンアップさ れ、「スマートステッチ」 (世界初の針金形状検知 ④「DIGITAL METAL」 (クルツジャパンブース) システム) 、 「トリムウォッチャプラス」 (耳折れ メタリック加飾を行うソリューションで特にト 検知標準装備)などの機能を有する。ブースに置 ナー系POD機との親和性が高い(特にベースの印 かれた製本サンプルはメモ帳としても最適であ 刷は液体トナーがベストとのこと)。方法として り、来場者に非常に好評であったとのこと。それ は、データにおいて箔を入れたい箇所に黒色の版 以外にも無線綴じシステム「アレグロ」など同社 として出力を行い、そこに対して転写を行う。 の主力製品が展示された。 後加工の特徴的な展示として特に目立ったのが スポットニスや箔押しのソリューションである。 デジタル方式も含めて多くの製品があったのでい くつか紹介しておきたい。 ①「JET VERNISH 3DS+iFOIL」 (コニカミノ JET VERNISH 3DS Scodix Ultra Pro OT-SRPⅢ DIGITAL METALサンプル ルタブース) MGI社製の厚盛り対応スポットニスコーターを UVインクジェットにて実現する。従来はB2サイ ズ対応のみ (3D)であったのだが、IGASでは新製 品「3DS」を展示、トナータイプのPOD機により 親和性の高いA3サイズに対応した。 「iFOIL」は オプションであるが、組み合わせることで箔押し までをワンパスで行うことが可能となる。 東洋インキ株式会社 ②「Scodix Ultra Pro」 (SCREEN GPブース) イスラエルはScodix社製の「デジタルエンボス 「Visible Science for Life―目に見える科学で生 システム」でこちらもUVインクジェット機。 活に貢献する―」のメインテーマのもと、 「拡げる」 Scodixシリーズはワールドワイド累計で200台以 「感じる」をキーワードに、市場の変化、需給の 上の実績があり、今回はその中でも新製品となる 変化、環境対応の変化など印刷市場のトレンド変 「Ultra」を国内初出展した。こちらは従来機と比 化に対応した新たな価値を創出する独自のソリュ 較して圧倒的な生産性 (1,250枚/時@B2)を有す ーションを提案。製品では世界で初めて枚葉分野 る。会場ではmotioncutter社のレーザーカッティ の 基 幹 イ ン キ をNonVOCタ イ プ に 切 り 替 え た ングシステムを含め付加価値ソリューションとし 「TOYO KING NEX NV」シリーズ、UVでは伸 て紹介した。 長著しい高感度UV・LED-UVインキ、またUVの 特性を活用した高付加価値化のサンプルの展示や 12● ● IGAS2015の概要と出展メーカーの動向 ・水性フレキソ用各種高機能ニス ・デジタル段ボール印刷 ・インキと製版の技術連携による印刷表現の進化 ・貝殻焼成カルシウムマスターバッチ:フィルム シート状に加工が進み、包装材料として活用 ブース全景 ・抗菌・消臭用貝殻焼成カルシウムマスターバッ FLASH DRY®FL カレイド チ「Lioplax®」 ・屋内用装飾シート「フロッキーダイナカル®」 ・フレキソ樹脂版固定用両面テープ「ダブルフェ ース®DF7400」 ◆「感じる」ゾーン フレキソCMS ・印 刷 ノ ウ ハ ウ を 纏 っ た UV コ ー タ ー ニ ス UVコーターニスサンプル 「FLASH DRY リオクリア®」 昨今、注目を集めているフレキソインキを主体と ・UVシステムでしかできない “付加価値印刷” した各種ソリューションなどを出展した。 ・UVインキノウハウだけでは不可能な “見せる 印刷” また、会期中は毎日ブース内ステージおいてミ ・カ ラ ー ユ ニ バ ー サ ル デ ザ イ ン 支 援 ツ ー ル ニセミナーを出展製品のテーマごとに1日1回実 「UDingTM ディザ」 施した。 ゾーンごとの出展内容は以下の通りである。 ・スクリーン印刷等によるオフセット印刷等への ◆「拡げる」ゾーン ・成形加工対応スクリーンインキ「SSMFシリーズ」 ・進 化 す る 発 光 ダ イ オ ー ド (LED)硬 化 イ ン キ ・インクジェットによるスクリーン製版システム 加飾および新たな付加価値提案 「Posijet CTS 6090」 「FLASH DRY LEDシリーズ」 ・環境調和型高性能枚葉ノンVOCインキ(新NV) ・省 エネUV用・特殊インキ「FLASH DRY HS 「TOYO KING® NEX® NVシリーズ」 シリーズ」 ・枚葉・油性パウダーレスインキ「TOYO KING ® ・高 演色UVフレキソプロセスインキ「FLASH NEX®PL」 DRY®FL カレイド」 ・UV フ レ キ ソ LED 硬 化 型 イ ン キ (開発品) 最後に 「FLASH DRY®FL LED プロセスシリーズ」 ・シール・ラベル向けTOYOレタープレス用ディ スペンサー(開発品) +CCM IGASの概要を簡単に振り返ってみたのだが、 ・パッケージ゙用途のLEDインキ「FLASH DRY いざ文章に起こしてみると実は書ききれないこと LED」 がたくさんあり、お伝えしたかったことをカバー ・海外拠点を紹介することにより「TIGの幅広い できているかいささか不安が残る(乱筆ゆえとい グローバルサプライチェーン」拠点マップ うところもあるが)。以前より規模が縮小された ・各 種塗工方式に対応した機能性UV粘接着剤 が、終わってみれば内容としては展示+イベント 「REXWIN®UA、USシリーズ」 +セミナーというスタイルで多くのエッセンスが ・進 化する軟包装用水性フレキソ印刷「AQUA 詰め込まれた今回のIGASであったのだと実感した。 LIONA®シリーズ」TIGのフレキソトータル ここ数年、国内外のいろいろな展示会に足を運 ソリューションを確立 ぶ機会があったのだが、例えば地方で行われる機 ・紙 パッケージ用水性フレキソインキ「アクワ 材展というのは実はかなり盛り上がっていたりす PKシリーズ」 る。その理由の一つは、決して新しいものを展示 13● ● 2015.10 2015 秋季特別企画 するわけではないが、その分事例やビジネスモデ そして、数年に一度しか行われない展示会なの ルが具体的に紹介されており、また来場者の立場 だから、どこか「夢のある」空間を期待している からしても個々のブースに時間をかけて話を聞く 自分がいたりもする。来年はdrupa2016が開催予 ことができるというメリットがあるからだと思わ 定であるが、また新たなテクノロジーや製品が発 れる。導入、運用に必要な情報が正確に入手でき 表されるのか、どんなサプライズが待っているの るという、当たり前なことかもしれないがそれも か…今から心待ちにしている。 また展示会が開催される一つの意義である。 (文責・編集委員会) 一方、今回を含めIGASの位置づけとしては、 以下の通りではないかと考える。 ・drupaとの関係性(発表技術の製商品化、国内 での展開予定、もしくはプレdrupa) ・あらゆる印刷関連製品を集結 ・動態展示による体感 ・ボーダレス化(工程/メーカー/国境) された技 術やソリューション ・大規模な特別コーナー(特化されたテーマを掘 り下げた展示) 京都造形芸術大学こども芸術学科3回生 横江 風香 14● ●
© Copyright 2024 Paperzz