二本松市除染マニュアル(第1版) [PDFファイル/543KB]

二本松市除染マニュアル(第1版)
このマニュアルは、民家、通学路等の生活空間の除染を市民の皆さんが実施
する場合のポイントをまとめたものです。
なお、本マニュアルは、今後開発される新たな除染手法等を積極的に取り入れ
適宜改正してまいります。
1.共 通 事 項
(1) 市民による除染活動の推進
① 市内住民センター、支所において放射線測定器の貸出しをいたします。
② 除染に必要な資材(高圧洗浄機、側溝蓋上げ機、スコップ、ツルハシ等)
の貸出し、土のう袋等を配付します。(貸出、提供の開始については、順次お
知らせいたします。)
(2) 除去土壌等の処理
除染により発生する放射能汚染された土壌等については、国が指定する最終
処分場が決定するまでの間、仮置きをお願い致します。
通学路・生活路等については、市が設置する仮置場に仮置きします。民家に
ついては、敷地内などに埋設し、仮置きをお願いします。
(3) 線量の詳細な把握
① サーベイメーターの操作方法・注意点
・ サーベイメーターの取扱い説明書をよく読みましょう。
・ サーベイメーター本体に放射性物質が付着しないようビニール袋等に入
れ測定の際には直接土砂等に触れないようにし、サーベイメーターの汚染
を防止します。
・ 電源を入れて数十秒程度安定化させ、その後に測定を開始します。
・ 測定した地点をマーキングしておきます。
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② 測定場所や測定方法
・ 土砂や落葉が堆積した排水口や側溝、雨樋、雨樋の直下(雨樋からの配 出先の土砂等やコンクリートやレンガの表面)、苔、道路の脇で雨水により
土砂等が堆積している箇所などに放射性物質が溜まりやすいので、注意深
く測定します。
雨
水
雨
水
雨水
雨
水
雨樋からの配水先
雨水で道路脇に堆積
・ 測定は、1cm、50cm、1mの場所とします。
1cm
50cm
1m
③ 測定結果の記録
・ 測定結果を基に、汚染マップを作製するとともに、除染や清掃箇所を選定
し、作業計画を立案します。(別添「汚染マップと作業計画の記入例」を参照。)
(4) 服装など
以下の装備を参考にして、作業内容や天候等の状況により判断します。通常
の場合、重装備の必要はありません。
土ほこりがたつ所では、作業前に水まきし、マスクをする等、状況により対応
します。
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基本装備
水を扱う作業
・長袖、長ズボン
・カッパ
(高圧水洗浄作業
は上下、その他
下だけでも可)
・長靴
・布手袋(軍手等)
・ゴーグル(めがね)
・ゴム手袋
*特に汗をかきや
すいので、休憩
や水分の補給
が必要です。
・帽子
高所での作業
・ヘルメット
・安全帯
・脚立・はしご等
※粉じんの吸い込みや口からの摂
取を防止するために、作業場では飲
食、喫煙を控えてください。
2.民 家 の 除 染
除染順序は、各民家の形状等により異なりますが、除染前後の放射線量を測
定するとともに、上(屋根)から下(庭、側溝)へ洗浄することになります。
なお、放射線量が低い場合及び住宅の形状等により、雨樋、雨水枡等、放射
線量が高い所に絞り除染することも効果があります。
① 除染前モニタリング
除染前に放射線量の測定を行い、線量の高い地点を把握し、除染の重点を
確認します。
雨樋
の下
* 屋根、雨樋、庭先、裏庭、室内等を測定します。
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② ほこり飛散防止のための散水(必要に応じ)
放射性物質を含んだほこり、ちり等の飛散防止のため、作業前に散水を行い
ます。
③ 屋根、雨樋等の洗浄
市民の皆さんが出来る範囲内で、高圧洗浄機、デッキブラシ等により屋根、雨
樋、外壁等を洗浄します。
軒樋や集水器に堆積している落ち
葉等には、放射性物質が溜まりやす
いため、これらをできるだけ除去して
から水洗浄を行います。
個人で屋根等の除染を実施する場
合は、危険のない範囲で実施してく
ださい。危険性が高い作業の場合
は、専門業者に依頼する必要があり
ます。
④ 除草、庭木の剪定、落ち葉の収集
庭等の除草、庭木の剪定、落ち葉の収集を行います。
庭の除草
落ち葉の除去
⑤ 庭等の表土除去
庭の表土を3∼5cm程度の厚さで削り取ります。また、水の集まる場所の土
砂など、放射線量が高いと思われる箇所は入念に除去します。
除去した土などは
土のう袋等へ移し
ます。
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⑥ 雨水枡、側溝、駐車場等の洗浄
高圧洗浄機、デッキブラシ等により雨水枡、側溝、駐車場等を洗浄します。
* 雨水枡、側溝等の土砂は土のう袋等に入れ、表土と一緒に埋設します。
⑦ 土砂等の埋設
除染により発生した土砂等は敷地内などに埋設し、仮置きします。事前に埋
設箇所を特定しておきます。
穴の大きさは土砂等の量により掘削します。
掘削した穴に遮水シート等を敷設し、除去した土砂等を入れた土のう袋等を
入れ、さらにシートで覆い、40cm以上覆土して埋め戻します。
* 埋設が困難な場合は、山積にする方法とし、遮水シート等を敷き、土のう袋
等を積みます。さらに雨水防止のため、遮水シート等により覆います。
この場合、人がみだりに立ち入ることがないように注意を促すなどしてください。
仮置の例について
覆土40cm程度
土のう
袋
遮水シート
⑧ 除染後のモニタリング
除染後の測定により、成果を確認します。
* あわせて仮置きした箇所の測定もします。
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仮置きの方法
①穴をほり、底に遮水シート
を敷く。
②土のう袋を遮水シートで包
み埋設する。
③約40cm程度覆土する。
(30cmの覆土により、放
射線は98%以上遮蔽)
3.通学路等の除染
民家の除染と同様、除染前後の放射線量を測定するとともに、上流から下流
へ洗浄します。
なお、側溝や歩車道分離帯等、放射線量が比較的高い所を集中的に除染す
ることも効果があります。
① 除染前モニタリング
除染前に放射線量の測定を行い、線量の高い地点を把握し、除染の重点を
確認します。
② 側溝脇、路肩及び歩道の草刈、街路樹の剪定等
側溝脇、路肩、歩道の草刈、街路樹の剪定、落ち葉の収集等を行います。
③ 側溝、集水枡、道路端等の土砂払い
側溝(グレーチングを上げ)、集水枡、道路端等の土砂を土のう袋等に詰めま
す。(土のう袋は土砂の水切りを行います。)
※側溝のふた上げ機は、市役所で貸出を致します。
道路の縁石の土砂、草を丁寧に取り除きます。
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④ 側溝、歩道等の洗浄
高圧洗浄機とデッキブラシ等で歩道、側溝等を洗浄します。
高圧洗浄機を使う場合には、泥等を水圧で散らさないように注意しながら行い
ます。
作業者自身への跳ね返りや周囲に掛からないように注意しながら、高いところ
から低いところ(排水孔)へ向かって押し流すように作業を行います。
* アスファルトの継ぎ目やひび割れ部分等はブラッシングなどを入念に行いま
しょう。
洗浄は、高い所から低い所へ押し流すようにしてください。
⑤ 土のう袋等の埋設
除染により発生した土砂等は仮置場へ運搬し、埋設します。
必ず手袋をつけて作業を行い、できるだけ衣服に汚れがつかないように留意
します。
⑥ 除染後のモニタリング
除染後の測定により、成果を確認します。
● 参考・引用した資料
・「生活空間における放射線量低減化対策に係わる手引き」(福島県発行)
・「福島市除染マニュアル(第1版)」(福島市発行)
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