リスクベース工学とリスクベースメンテナンスの適用

HPI技術セミナー
リスクベース工学とリスクベースメンテナンスの適用
平成 23 年 11 月 10 日(木)、11 日(金) 於 LMJ 東京研修センター
主
催
社団法人日本高圧力技術協会
協
高 圧 ガ ス 保 安 協 会
(社) 石
油
学
会
(社) 日 本 鉄 鋼 協 会
特定非営利活動法人安全工学会
危険物保安技術協会
(社) 溶
接
学
会
(財)発電設備技術検査協会
賛
(社)日本非破壊検査協会
(社) 化 学 工 学 会
日 本 高 圧 力 学 会
石 油 化 学 工 業 協 会
(社) 腐 食 防 食 協 会
(財)溶 接 接 合 工 学 振 興 会
(社)火力原子力発電技術協会
(社)日 本 機 械 学 会
石
油
連
盟
(社)日 本 溶 接 協 会
(社)日 本 原 子 力 学 会
(社)日 本 材 料 学 会
(財)エンジニアリング振興協会
(順不同、依頼中)
【 開 催 趣 旨 】
近年、多くの産業分野の設備の保守管理、設計製造において、安全性を担保しつつ合理性のあ
る技術が求められています。とかく我が国では安全か危険か、という二者択一によって判断する
傾向にありましたが、このような考え方には限界があることがわかってきています。欧米では「明
らかに安全」と「明らかに危険」の中間に多くのグレイゾーンが存在することを認めた上で、そ
れをリスクという指標で見える化しこれを少しでも低減することによって、合理的安全が実現で
きるとする考え方が浸透しています。この結果、製造、運転に高いコストを必要とする電力、ガ
ス、原子力、石油、化学などのエネルギ−産業の設備において、多くの技術、手法が開発され、
メンテナンスに適用されて、大幅なコスト改善などの多くの事例が報告されています。我が国に
おいては、積極的な採用は、これらの設備に適用される法規制などの制約から、海外にくらべそ
の適用事例はごく限られたものとなっていました。しかしながら、多くの産業分野はその有効性
を認識しつつあり、我が国においても、急速に保守管理に適用されるものと思われます。
このような背景から、当協会では、多くの産業分野にわたる圧力設備について、RBM(Risk
Based Maintenance)の理解を深め、適用事例および問題点を集約し、共通して適用できる基準
を検討し、さらに圧力設備の保守管理全般に適用できる RBM 技術として発展させることを目的
に、平成 13年に RBM 専門研究委員会(委員長:酒井信介東京大学教授)が 41 名の委員の参加
を得て設立され、活動を進めてきました。このたび RBM 規格および適用のためのハンドブック
の HPIS 化を完了し、いよいよ産業分野に本格的に導入するための準備が整いました。
このような状況をふまえ、今回のセミナーは、上記委員会のこれまでの活動成果として発行さ
れる RBM 規格(HPIS)の内容の解説を中心に行います。それとともに、リスクベース工学の
体系が構築されつつあり、その内容およびリスク評価に関する規格を紹介することによって
RBM の位置付けを明確にし、さらに RBM に関連した産業分野の適用状況の紹介も行います。
今後、RBM 規格が一般に活用され、認知されるよう、圧力設備の関係者のみならず関心のある
方々が数多く参加されますようご案内致します。
【講演概要】
① リスクベース工学の基礎
小林 英男(横浜国立大学)
工学へのリスクの考え方の導入を図るために、リスクベース工学の体系が構築されつつある。
これは信頼性工学、安全工学などのように、工学の一分野としてリスクベース工学を構築するの
ではなく、工学全体をリスクベースにするという意図である。
ものづくりを目指す工学の 3 本柱である設計、製造とメンテナンスを対象として、従来の信頼
性と安全性の指標をリスクの指標に置き換えたリスクベース工学の基礎を解説する。
さらに、工学におけるリスク評価の必要性と有用性を強調するために、事象の不確かさとリス
ク評価の対象となるハザードの特定を取り上げ、具体的に解説する。
② 信頼性工学からリスクベース工学へ
小川 武史(青山学院大学)
事象の不確かさを確率の問題と考えて,信頼度(または故障確率)を指標とするのが信頼性で
ある.工学の 3 本柱である設計,製造とメンテナンスを信頼性に基づいて行う工学的な手法が信
頼性工学である.ここでは,信頼性工学の限界を明らかにし,リスクベース工学の利点について
説明する.
③ 産業分野におけるハザードとリスクベースメンテナンスの実施例
富士 彰夫(IHI テクノソリューションズ)
リスク評価に必要なハザードとして、
種々の産業分野では何が、
どのように抽出されているか、
あるいは評価されているかを紹介する。また、リスクベースメンテナンスの実施例を取り上げ、
その実施方法や効果、RBM のメリットなどについて紹介する。
④ リスク評価に関する規格について
石丸 裕(住友ケミカルエンジニアリング)
RBM は HPIS や API、ASME、RIMAP などにおいて、その考え方や進め方が規格化されて
いるが、これらの規格で提示されたリスクの解析手法は、プラントの様々な側面におけるリスク
を評価するための既存の規格や基準との関連がある。
RBM のためのリスク評価を行うためには、また、RBM の規格を柔軟に運用、あるいは適用す
るためにも、こうした関連する規格の存在や意図を理解しておくことが望まれる。
こうした視点で、内外のリスク評価に関する規格、基準をレビューする。
⑤ リスクアセスメント
藤山 一成(名城大学)
リスクアセスメントは,リスクのレベルを基準と比較して意思決定に用いるプロセスであり,
特定されたリスクについてリスク解析,リスク算定およびリスク評価を行う手順から構成されて
いる.本章では,各手順において用いられる基本的手法をとりあげ,定性的および定量的リスク
評価に必要とされる基礎知識を解説する.
⑥ リスク評価のための損傷確率評価と影響度評価
酒井 信介(東京大学)
リスクは、損傷確率と影響度を求めた上で、両者の積として評価される。本講では、まず損傷
確率についてデータベースや信頼性工学活用して評価する手順を説明する。特に、データ量が十
分でない場合に、活用される手法であるベイズの定理をとりあげる。影響度については、評価者
の要求に応じて設定する評価項目の考え方を説明する。最終的にリスクを活用して、保全プログ
ラムを決定する際の、定性評価、半定量評価、定量評価の考え方についても述べる。
⑦ HPIS Z106「リスクベースメンテナンス」の解説
柴崎 敏和(千代田アドバンストソリューションズ)
2010 年 3 月、HPI から発行された HPIS Z106「リスクベースメンテナンス」について、その
背景となった欧米、日本における産業界の状況と要望、および、その結果、HPI によりまとめら
れたリスクベースメンテナンス:RBM(Risk Based Maintenance)の基本的な考え、手法の概要
を述べ、その特徴、実際に適用する上での考慮点について解説する。
⑧ HPIS Z 107TR 「リスクベースメンテナンスハンドブック」の紹介
政友 弘明(住友ケミカルエンジニアリング)
リスク基準のメンテナンスは欧米では 10 年以上前から広まり始めていたが、最近は日本国内
でも石油、化学工業を主体に関心が高まってきている。HPI では、こうしたプラント設備のリス
クを評価するための基準 HPIS-Z106 を既に発行しているが、引き続いて実際にリスクの評価を
行うための具体的な方法を示したハンドブックである HPIS-Z107TR を発行した。
ここでは、この HPIS-Z107TR に基づきリスクを評価する手順を解説し、併せて具体的な解析
例も紹介する。
「リスクベース工学とリスクベースメンテナンスの適用」プログラム
平成 23 年 11 月 10 日(木)
時間
9:30∼11:00
講演題目
12:50∼14:20
② 信頼性工学からリスクベース工学へ
③ 産業分野におけるハザードと
リスクベースメンテナンスの実施例
休憩
14:30∼15:30
④ リスク評価に関する規格について
平成 23 年 11 月 11 日(金)
時間
講演題目
12:10∼13:00
13:00∼14:00
14:00∼14:10
14:10∼15:40
富士 彰夫
(IHI テクノソリューションズ)
木原 重光
(ベストマテリア)
石丸 裕
(住友ケミカルエンジニアリング
講師
藤山 一成
(名城大学)
⑤ リスクアセスメント
11:00∼11:10
11:10∼12:10
小川 武史
(青山学院大学)
昼食休憩
14:20∼14:30
9:30∼11:00
石丸 裕
(住友ケミカル
エンジニアリング)
休憩
12:00∼12:50
司会者
小林 英男
(横浜国立大学)
①リスクベース工学の基礎
11:00∼11:10
11:10∼12:00
講師
休憩
⑥ リスク評価のための損傷確率評価と
影響度評価
司会者
柴崎 敏和
(千代田アドバンスト
ソリューションズ)
酒井 信介
(東京大学)
昼食休憩
柴崎 敏和
⑦ HPIS Z106「リスクベースメンテナンス」
(千代田アドバンストソリュー
の解説
ションズ)
(IHI テクノソリューション
休憩
⑧ HPIS Z 107TR 「リスクベースメンテナ
ンスハンドブック」の紹介
富士 彰夫
ズ)
政友 弘明
(住友ケミカルエンジニアリング)
【開催要領】
1.期 日
2.会 場
3.定 員
4.参加費
平成23年11月10日(木)、11日(金)
株式会社 LMJ 東京研修センター 5 階大会議室
80名 (定員になり次第締め切ります)
会 員*:35,000円 (*協賛団体の会員も含みます)
非会員 :40,000円
【申込要領】
1.下記参加申込書にご記入の上、FAX にて事務局へお申込み下さい。
2.申込期限は、平成23年11月4日(金)です。
3.受講料は郵便振替にて平成23年11月8日(火)までにご送金下さい。
・郵便振替 口座番号:00160-6-61376
・郵便局備付けの振替え用紙をご使用下さい。
・通信欄に、参加者氏名とセミナー管理番号093を必ずご記入下さい。
・ご送金後の代金返却には応じられませんので、ご了承下さい。
・セミナー開催日の1週間前に、受講券を郵送します。
・テキストは当日受付にて配布します。
【セミナー事務局】
(社)日本高圧力技術協会
担当:田中夕香子
TEL:03-3255-3486 FAX:03-3255-3488
参加申込書
平成
年
月
日
HPI技術セミナー(093)
「リスクベース工学とリスクベースメンテナンスの適用」
フリガナ
勤 務 先および
所属学協会
参加者氏名
所属部署名
□日本高圧力技術協会 会員
□協賛団体 会員
(協賛団体名
)
□なし
〒
勤務先住所
TEL/FAX
E-mail アドレス:
参加費 ¥
振込予定日:
月
日
請求書発行: 有・無
備考:
※当協会ではお客様の個人情報の取扱いについては、プライバシーポリシーを定め適切に管理を
行います。詳細についてはホームページ(http://wwwsoc.nii.ac.jp/hpi/)をご覧下さい。
−技術セミナー会場−
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◆交 通
〒113-0033
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FAX :03-5842-6691
◎JR 中央線、総武線
水道橋駅 東口より 徒歩 6 分
◎地下鉄三田線
水道橋駅 出口 A6 より 徒歩 3 分
◎地下鉄丸の内線
後楽園駅 出口 3 より 徒歩 8 分
◎地下鉄丸の内線
本郷三丁目駅 出口 1 より 徒歩 8 分
◎地下鉄大江戸線
本郷三丁目駅 出口 3 より 徒歩 9 分
LMJ 東京研修センターのホームページもご参照ください、詳しいアクセス方法が記載されています
http://www.lmj-japan.co.jp/kaigishitu/map.htm