HITACHI HF-2000

HITACHI HF-2000
電解放出形透過電子顕微鏡
操作マニュアル v. 4. 1
1.
初期状態の確認
2.
試料セット
3.
高圧の印加とビーム出し
4.
照射系の軸調整の準備
5.
収束レンズの非点補正
6.
試料位置の調整
7.
電圧中心調整
8.
対物レンズの非点収差補正
9.
制限視野回折
10. 明視野法
11. 暗視野法
12. 高分解能像観察
13. 写真撮影
14. TV システムの使用法
15. 終了操作
16. フィルムの交換
17. 最終終了操作
平成 15 年 5 月
-1-
1.
初期状態の確認
1.1
COLUMN ON で連続運転されていることを確認。
1.2
OBJ. TEMP. MONITOR の表示温度が 20℃以下であることを確認。
1.3
イオンポンプ電源部の初期状態
イオンポンプの電源部の初期状態が下表の通りであることを確認する。
POWER
1.4
真空計
HV
IP-1
ON
ON LOCK 左に振り切れている(<2mV)
IP-2
ON
ON LOCK
<1×10-6Pa
IP-3
ON
ON LOCK
2×10-6 〜 1×10-4Pa
Column
ON
-
<1×10-5Pa
CRT IMAGE ADJ つまみが左いっぱいに絞られている事を確認後、右に回して文字を
出す。
(1) CRT 画面上に ERROR 表示がない事を確認。
*エラーが表示されている場合には研究室利用責任者へ連絡すること。
(2) ACC. VOLTAGE OFF を確認。
(3) LENS CURRENT の C1, C2, OBJ が 0 でないことを確認。
(4) 倍率が 1000K であることを確認。
(5) フィルム枚数表示が下表の通りであることを確認する。
UNEXPOSED FILM
50
FULL
1
FILM NUMBER
0
1.5 右メインパネル
(1) 右メインパネル内の PANEL LAMP の OFF を確認後、H にする。
(2) VACUUM STATE が GUN だけグリ
ーン・ランプ点滅、他の3つはグリ
ーンランプ点灯を確認。
1.6 左メインパネル
(1) GV(ガンバルブ)が CLOSE を確認。
(2) LENS CONDITION の[200]ランプの
点灯を確認。
(3) [ZOOM] および [ANA-1] ランプの
点灯を確認。
1.7
本体右下のカバーを開けて、排気系表示
ランプが右図と同じであることを確認
する。
-2-
1.8 カメラ室の CAMERA EVAC スイッチが “EVAC” であることを確認。
1.9 鏡筒の初期状態
(1) 収束レンズ絞り、対物絞り、制限視野絞り、X線分析用絞りが抜かれていること
を確認。
*X線分析用絞りはレバーが右に振られている状態で抜かれている。
(2) X線検出器が引き出されていることを確認(目盛りが約6cm)。
(3) STEM の検出器が”OUT”であることを確認。
(4) (X,Y)および試料傾斜角 (TILT) が全て “0” を確認。
(5) 試料ホルダーが引き出し位置(A 位置)で、試料交換排気スイッチが”EVAC” で
あることを確認。
(6) 鏡筒前側トラップが外されていることを確認。
1.10 TV コントロール・ユニットおよび TV モニタの電源 OFF を確認。
1.11 バイプリズムの短絡用キャップが装着されていることを確認。
*******初期状態を確認したら、黄色のファイルのチェックを行う*******
2.
試料セット
2.1 鏡筒から試料ホルダーの取り出し
(1) 試料交換排気系スイッチを “AIR” にする。
(2) 右メインパネルの VACUUM STATE の SPEC AIR の赤ランプが点灯した後、試
料ホルダーをゆっくりと、まっすぐ引き出す。
2.2
使用する試料ホルダーに試料をセットする。
2.3
試料ホルダーの挿入
(1) シリンダ溝を合わせて、ホルダーを丁寧にまっすぐホルダーセット位置まで挿入
する。
(2) 軽く押しながら、試料交換排気系スイッチを “EVAC” にする。
(3) 赤色ランプが消えて(荒引き終了)、本引きが終了するまで(約 120 秒間)待機。
(4) 本引き終了後、緑色ランプが点灯しブザーが鳴るので、ブザーが鳴っている 15 秒
間に試料ホルダーを挿入する。
(試料の穴が小さい場合や、軸調整中のコンタミを
嫌う場合は、中間位置まで挿入し、観察位置には後で挿入する)
************
試料ホルダーの挿入方法
************
先ず、時計方向に 45°回して、止まるまで挿入(中間位置:B位置)する。
次に、半時計方向に 15°回して、止まるまで挿入(観察位置:C位置)する。
*************************************
-3-
*ブザーが鳴り終わって、試料ホルダーの回転操作に入れなかった時には、試料室排
気系スイッチを一度、AIR にして再び排気した後、緑ランプが点灯しブザーが鳴って
いる間に試料ホルダーを挿入する。
(5) 2 軸傾斜ホルダーを使用する場合は、試料ホルダー挿入後、傾斜装置のコネクタを
接続し、傾斜装置の電源を ON。
3. 高圧の印加とビーム出し
3.1 本体右下部のカバーを開け、排気系表示パネルで、IP-1, IP-2, IP-3 の LED が点灯してい
ることを確認する。
3.2 液体窒素を鏡筒後ろのトラップに入れる。
3.3 液体窒素を鏡筒前側のトラップに入れる。
****************************************
**
3.2 と 3.3 は順序を間違えないようにする
**
**
液体窒素は、最初に入れてから 30 分後に補給し、その後 3〜4 時間毎に補給する *
****************************************
3.4 COLUMN の真空が 1×10-5Pa 以下であることを確認する。
3.5 左メインパネル内の [FUNCTION] を押し、高圧印加セット条件(SET UP PARAMETER)
が以下の通りであることを確認する。
V0 VOLTAGE
200kV
R RATIO
5.5
I1 CURRENT
20µA
3.6 左メインパネルの GV スイッチを OPEN にする。
(2,3回開閉し、IP1 のチャートペン
が大きく右に振れないことを確認)
*GV スイッチは、引っ張りながら動かすこと
3.7 左メインパネルの[FE]を押し、[FLASH]キーが点滅している間に[FLASH]を押す。
*数秒後フラッシング電流(IF CURRENT)が表示され、V0, V1, V2 が昇圧される。IF
CURRENT が 0.3mA よりも小さいときには、[FLASH]が点滅している間に[FLASH]を押
す。この操作をフラッシング電流が 0.3mA を超えるまで繰り返す。もし、[FLASH]を押
す前に[FLASH]の点滅が終了し、V0, V1, V2 が昇圧され始めた場合は、もう一度[FE]を
押し、一度高圧を OFF 後再び[FE]を押し、[FE]と[FLASH]が点滅している間に[FLASH]
-4-
を押す。
3.8 フラッシング電流が 0.3mA を越えたら、設定高圧条件に自動的に昇圧(約5分)され
るまで待つ。この間、V0 および V1 昇圧中は[FE]が点滅、その後、[I1C]が点滅し、エミ
ッション電流が設定値になるまで V1 が昇圧。
3.9 エミッション電流が設定値になり、[I1C]が点灯し、[FE]と[V2/V1]が点灯したら高圧印
加作業完了。
*この過程で、エラー表示が出たら GV を CLOSE し、エラー表示を確認して、各研
究室利用責任者に電話連絡する。
3.10 黄色のファイルに V0, V1, IF CURRENT, EMISSION CURRENT を記入する。
4. 照射系の軸調整の準備
4.1 収束レンズ絞り、対物絞り、制限視野絞り、X 線分析用絞りが抜かれていることを確認。
4.2 左メインパネル内の[ANA-1]を押し、[ANA-1]消灯後[ZOOM]を押し、CRT で TEM モー
ドになっているのを確認する。
4.3 CRT の右下にあるレンズ系リセットスイッチを押す。
4.4 右メインパネル内の BRIGHTNESS CENTERING のリセットを押す。
5. 収束レンズの非点補正(50K~100K 倍位)
5.1 左メインパネル内の BRIGHTNESS でビームを収束させた時、ビームが蛍光板の中心に
ない場合には右メインパネル内の BRIGHTNESS CENTERING で中心に持ってくる。
5.2 左サブパネルの COND STIGM-TEM(3rd)でコンデンサスポットを軸対称にする。
5.3 右サブパネルの COND SRIGM(2nd)でコンデンサスポットを円にする。
*この2次、3次の COND STIGM の調整を繰り返して、ビームを絞った位置の前後で
ビーム(カウスチック像)が同心円状に広がるようにする(撮影倍率程度まで行うのが
よい)
*3次非点(100K 倍でビームを絞っていったとき三角形帯が非対称)がわかりにくい
ときは、2次の非点を少し大きくして三角形帯を出してから左サブパネルの COND
STIGM-TEM(3rd)を使ってカウスチック(三角形帯)を軸対称にし、その後、2次の非
点を取る(輝点が最小になるようにする)。
5.4 収束レンズ絞り(C1 絞り)を入れる(通常1番)。
5.5 BRIGHTNESS つまみでビームを絞った位置の前後で、ビームがスイングしないように
-5-
C1 絞りの位置を調整する。
5.6 「2.試料セット」の際に試料を中間位置(B 位置)にしていた場合には、試料を観察位
置(C 位置)まで挿入する。
6. 試料位置の調整(Z 軸調整)
6.1
CRT に表示されている LENS CURRENT の OBJ の値が 5.72 から大きくずれていない
事を確認する。
*ずれている場合には、CRT の右下の RESET スイッチを押し、対物レンズ電流値を
リセットする。(LENS CURRENT の OBJ の値が 5.72 になる)
6.2 試料のエッジを探し、倍率 20K 程度で目印を見つける。
6.3 Z コントロールつまみを回して像のフォーカスを合わせる。
(正焦点は、像のコントラス
トが最小になるところである。)
*フォーカスがわかりにくい場合は、WOBBLER を ON にし、像がゆれなくなるよう
に Z コントロールつまみで調整する。
6.4 倍率 100K 程度まで合わせておく。
7. 電圧中心調整(通常 100K 以上の倍率で合わせる)
7.1 蛍光板中央に目印となるものを持ってくる。
(試料のエッジの突起部などが良い)
7.2 右メインパネルの FOCUS つまみを回して試料の焦点を合わせる。
7.3 右メインパネルの[HVM]を押す。
7.4 右サブパネル内の BEAM TILT つまみを使って像の中心が動かないようにする。
7.5 右メインパネルの[HVM]を切る。
*BEAM TILT を動かすと収束レンズの非点が出るので収束レンズ絞り(C1)を抜いて、
「5.収束レンズの非点補正」を再度行う。その後、
「7.電圧中心調整」を行い、この操
作を繰り返して行い、収束レンズの非点、電圧中心共に調整する。
8. 対物レンズの非点収差補正
8.1 左サブパネルの OBJ STIGM-XY のリセットをする。
(通常この状態でだいたい合ってい
る。)
*自分で対物レンズの非点補正をする場合には以下の操作を行う。
-6-
8.2 制限視野絞りを入れて左メインパネルの[DIFF]を押す。
8.3 左メインパネル上の倍率切換つまみでカメラ長を 0.8m にする。
8.4 左メインパネル上の DIFFRACTION SPOT つまみで回折パターンの焦点を合わせる。
8.5 透過波が中心になるように対物絞りを入れる。
8.6 左メインパネル上の[ZOOM]を押す。
8.7 倍率を撮影倍率の2〜3倍程度にする。
8.8 左サブパネルの OBJ STIGM-XY を使って非点収差を補正する。
*マイクログリッドを使っているときは、FOCUS つまみを正焦点から時計方向に回し
て過焦点にし、左サブパネルの OBJ STIGM-XY を使って膜穴の外側のフリンジ幅を等
しくする。
*穴のない試料では、非晶質領域を探して、非晶質コントラストの粒状構造を見つけ
て、OBJ STIGM-XY と FOCUS つまみで粒が点に見えるように(流れたように見えな
いように)する。
****************************************
軸調整中および観察中にエミッション電流が 10µA を下回った場合には、左メインパ
ネルの[I1C]を押す。ただし、この場合、軸調整をやり直す必要がある。
****************************************
9. 制限視野回折
9.1 左メインパネルの[ZOOM]を押して像を出す。
9.2 倍率切換つまみで倍率を設定し、回折を得たいエリアを選択する。
9.3 制限視野絞りを入れる。
9.4 左メインパネルの DIFFRACTION SPOT つまみで制限視野絞りの縁に焦点を合わせる。
(通常、CRT の右下にあるレンズ系リセットスイッチを押した状態では制限視野絞りに
はほぼ焦点は合っている。)
9.5 右メインパネルの FOCUS つまみを回して試料の焦点を合わせる。
9.6 回折パターンを得たい領域が制限視野絞りの中に入っていることを確認する。
9.7 左メインパネルの[DIFF]を押す。
9.8 対物絞りを抜く。
9.9 透過波が蛍光板の中心からずれている場合は左サブパネルの INT ALIGN つまみで透過
波を蛍光板の中心に持ってくる。
9.10 左メインパネルの倍率切換つまみでカメラ長を選択する。
9.11 左メインパネルの BRIGHTNESS を調節し、回折斑点が点になるようにビームを開く。
-7-
9.12 左メインパネルの DIFFRACTION SPOT つまみで回折斑点の焦点を合わせる。
10. 明視野法
10.1 左メインパネルの[DIFF]を押す。
10.2 透過波が蛍光板の中心からずれている場合は左サブパネルの INT ALIGN つまみで透過
波を蛍光板の中心に持ってくる。
10.3 透過波が中心になるように対物絞りを入れる。
*対物絞りは、小さいものを用いるほど像コントラストは良くなるが、暗くなる。
10.4 [ZOOM]を押して像を出す。
10.5 右メインパネルの FOCUS つまみを回して試料の焦点を合わせる。
11. 暗視野法
11.1 右メインパネルの[DARK]スイッチを押す。
11.2 DARK モードで「5.収束レンズの非点補正」
、「7.電圧中心調整」、「8.対物レンズの非点
収差補正」を行い、DARK モードと BRIGHT モードを切り替えても像および回折パタ
ーンが変化しないようにする。
11.3 制限視野回折パターンを出す。
11.4 透過波が蛍光板の中心からずれている場合は左サブパネルの INT ALIGN つまみで透過
波を蛍光板の中心に持ってくる。
11.5 DARK モードで目的の回折波が中心になるように BEAM TILT つまみで調整する(この
操作で入射 BEAM が曲げられ、電圧中心がずれる)。
11.6 対物絞りを目的の回折斑点だけに入れる。
11.7 [ZOOM]を押して像を出す。
11.8 右メインパネルの FOCUS つまみを回して試料の焦点を合わせる。
12. 高分解能像観察
12.1 BRIGHT モードで[DIFF]を押し、制限視野回折パターンを出す。
12.2 試料傾斜装置を用いて晶帯軸入射にする。
12.3 再度「5.収束レンズの非点補正」、「7.電圧中心調整」、「8.対物レンズの非点収差補正」
を行う。
12.4 [DIFF]を押し、透過波が蛍光板の中心からずれている場合は左サブパネルの INT
ALIGN つまみで透過波を蛍光板の中心に持ってくる。
12.5 透過波が中心となるように対物絞りを入れる。
(高分解能像は多波干渉像なので、比較
的大きな対物絞りを用いて、透過波と回折波の両方を結像に用いる)
-8-
12.6 [ZOOM]を押して像を出し、適当な倍率(500K~1000K)にする。
12.7 右メインパネルの FOCUS つまみを回して試料の焦点を合わせると、高分解能像が得
られる。(高分解能像の場合は、正焦点より若干不足焦点側)
*高分可能像が得られない場合は、収束レンズの非点調整、電圧中心の調整、対物レ
ンズ非点の調整、晶帯軸入射、膜厚などをチェックする。
13. 写真撮影
13.1 フィルムのコメント入力(コメントを入力しない場合は 13.2 へ)
(1)左メインパネルのテンキーで[1]、[3]を押し、[INDX]を押す。
(2)カーソルキーを使って入力したい文字を選択し、[ENTER]を押す。
(3)(2)の操作を繰り返し、コメントを入力する。
(4)[INDEX]を押してコメント入力モードを終了する。
13.2 自動露光する場合
(1)写真撮影する像あるいは回折パターンを蛍光板上に出す。
(2)CRT 左側の EXPOSRE TIME を AUTO にする。
(3)CRT 下部の FILM FEED の[STOP]および[FEED]が消灯していることを確認する。
(4)[PHOTO]を押す。-->>>フィルムが送られて[FEED]が点灯し、数秒後に露光、そ
の後フィルムが受けマガジンに送られる。
13.3 マニュアル露光する場合
(1)写真撮影する像あるいは回折パターンを蛍光板上に出す。
(2)CRT 左側の EXPOSURE TIME を選択する。
(3)CRT 下部の FILM FEED の[STOP]および[FEED]が消灯していることを確認する。
(4)[PHOTO]を押す。-->>>フィルムが送られて[FEED]が点灯し、数秒後に露光、そ
の後フィルムが受けマガジンに送られる。
14. TV システムの使用法
14.1 TV モニタおよびコントローラの電源を ON。
14.2 CRT 下部の FILM FEED の[STOP]を押して点灯させる。
14.3 蛍光板上での電流値が 10-10A/cm2 程度になるように BRIGHTNESS で調節する。
*Direct Beam や回折パターン、非常に明るい低倍像などの観察には TV システムを
用いないこと。
14.4 観察窓に蓋をする。
14.5 CRT 下部の[PHOTO]を押すと蛍光板が上がり、TV モニターでの観察ができる。
-9-
14.6 CRT 下部の[PHOTO]をもう一度押すと蛍光板が下がり、蛍光板上での観察ができる。
*TV モニタでの観察中に倍率は変えないこと。
15. 終了操作
15.1 左メインパネルの GV スイッチを CLOSE にする。
(ごく短時間退出する時は、この操作だけでよい)
15.2 左メインパネルの[FE]を2回押して高圧を OFF にする。
15.3 試料位置(X,Y)および試料傾斜角(X,Y)を全て”0”に戻す。
15.4 収束レンズ絞り、対物絞り、制限視野絞り、X 線分析用絞りを全て抜く。
15.5 2軸傾斜ホルダーを使用している場合には、傾斜装置の電源を OFF にして、コネクタ
を抜く。
15.6 試料ホルダーをとまるまで引き抜いた後、時計方向に 15°回す。
(中間位置:B 位置)
15.7 さらに試料ホルダーを止まるまで引き抜き反時計方向に 45°回す。
(セット位置:A 位
置)
15.8 試料交換室排気スイッチを”AIR”にする。
15.9 数秒後、右メインパネルの VACUUM STATE の SPEC AIR の赤ランプが点灯する。こ
の状態で試料ホルダーを丁寧にまっすぐ引き出す。(このとき試料ホルダーは絶対に
回さない)
15.10 試料を試料ホルダーから取り出す。
*試料交換をして再び観察する場合は 2.2 へ、終了する場合は以下へ進む。
15.11 試料が入っていない2軸傾斜ホルダーを挿入する。
(1)シリンダ溝を合わせて、ホルダーを丁寧にまっすぐホルダーセット位置まで挿
入する。
(2)軽く押しながら、試料室排気スイッチを”EVAC”にする。
15.12 [ANA-1]を押し、倍率を 1000K にする。
15.13 TV システムを使用していた場合には、TV システムの電源 OFF。
15.14 鏡筒前側トラップを外す。
15.15 フィルム交換をする場合は 16.フィルム交換へ、フィルム交換をしない場合には 17.
最終終了操作へ進む。
16. フィルム交換
16.1 手袋をはめて、予備排気室の EVAC/AIR 切り替えスイッチを”AIR”にして扉を開け、予
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備排気済みの送りマガジン(50 枚入り)を取り出す。
16.2 未露光フィルムが残っている場合には、TEM 室内の照明は安全光だけにする。
*CRT、パネルライトも消す
16.3 右メインパネルの VACCUM STATE SPEC のグリーンランプ点灯を確認する。
16.4 カメラ室の CAMERA EVAC スイッチの AIR を押す。
16.5 約2分後、右メインパネルの VACCUM STATE の CAMERA AIR の赤ランプが点灯し、
ブザーがなる。
16.6 カメラ室の前蓋を開ける。
16.7 受けマガジンを取り出す。
16.8 送りマガジンを取り出す。
16.9 取り出した送りマガジンからカバーを外し、予備排気室上段の送りマガジン(50 枚入
り)にカバーを付けてカメラ室の奥へ入れる。
16.10 予備排気室下段の送りマガジンを予備排気室上段に入れる。
16.11 空の受けマガジンをカメラ室の手前に入れる。
16.12 カメラ室の前蓋を閉め、CAMERA EVAC スイッチの EVAC を押す。
*正常に排気されていれば約5分で右メインパネルの VACUUM STATE の CAMERA
EVAC のグリーンランプが点灯する。
16.13 受けマガジンから撮影済みフィルムカセットおよび遮光板を取り出し、フィルムカセ
ットから撮影済みフィルムを取り出す。(遮光板は受けマガジンの一番下に入ってい
る)
16.14 新しいフィルムをカセットに入れ、送りマガジンにセット後、遮光板を付けて予備排
気室下段に入れる。
*未露光フィルムが残っている場合には、新しくカセットに装填したフィルムを下に、
その上に古いフィルムを重ねてマガジンにセットすること。
16.15 予備排気室の蓋を閉め、EVAC/AIR 切り替えスイッチを”EVAC”にする。
16.16 フィルムコメントのリセット
(1)左メインパネルのテンキーで[1]、[3]を押し、[INDEX]を押す。
(2)カーソルキーを使ってスペースを選択し、[ENTER]を押す。
(3)(2)の操作を繰り返し、コメントを消去する。
(4)[INDEX]を押してコメント入力モードを終了する。
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16.17 フィルム枚数のリセット
(1)左メインパネルのカーソルキーを使って UNEXPOSED FILM の右側の数字を選
択する。
(2)テンキーで[5]、[0]を押し、[ENTER]を押す。
*この操作をすると送りマガジンの一番上にセットされている遮光板が受けマガジ
ンに送られる。
(3)左メインパネルのカーソルキーを使って FILM NUMBER を選択する。
(ただし、
左側の”1”は変更しない。
)
(4)テンキーで[0]を押し、[ENTER]を押す。
17. 最終終了操作
17.1 終了状態をチェックし、Log Note に記入する。
17.2 右メインパネルの PANEL LAMP を OFF。
17.3 CRT IMAGE ADJ つまみを左いっぱいに回す。
17.4 専用クリーナーを用いてTEM室内を掃除する。
17.5 TEM 室の電気を消す。
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