2.新しいリサイクル・システム(PDF:469KB)

開発・生産・使用における省資源化
2.新しいリサイクル・システム
● クルマのリサイクル全体フロー
クルマのリサイクル全体のなかで、成形が容易で軽量化に役立つことから、年々その率が増しているプラス
チックの再利用が、とくにこれからのリサイクルを考える上でポイントになっています。また、触媒に使わ
れている白金などのレアメタルの回収・リサイクルは、資源小国・日本においてはとても大切なことです。
新車開発時のリサイクル対応技術開発等の実施例
1 台当たりの重量比で約75%のリサイクル
資源の有効利用のために、自動車業界ではクルマのライフサイクルを見直し、設計・生産・使用・廃車の4つの
段階で総合的な取り組みを進め、現在、台当たり重量比で約75%のリサイクルを達成しています。
開 発
● 生産台数当たりエネルギーの消費の推移
(指数)
118
120
電気
100
100
102
100
102
94 94 95
96
93 92
86
87
84
91
85
90
90
91
87
82
89
83
80
92
91
90
83
80
工場内リサイクル実施例
ガス
94
79
78
93
92 91
82
79
75
73
75
76
75
71
71
72
67
71
64
60
53
59
54
46
灯油
49
43
38
37
39
38
34
26
20
80
40
35
39
36
75
生 産
41
46
40
1973
1.プラスチック材料の識別マーキング
2.難リサイクル材料のリサイクル技術開発
例:繰り返しリサイクル可能な複合材開発
3.リサイクルしやすく、より安全な材料の使用増加・新規開発
例:熱可塑性プラスチック使用の増加ならびに液晶ポリマーの開発等
4.リサイクルを考慮した設計
大型プラスチック部品の構成部品の一体化、材料統合(バンパ、シート、インストルメントパネル、カーペット等)
5.解体分離研究
1)解体性、分離、分別等の技術開発
2)解体性共同研究
6.再生処理研究
34
24
22
85
重油
35
18
18
資料:「自動車と環境」
トヨタ自動車
90 91(年)
1.プラスチック
・バンパ→ バンパ 、マッドガード、物流用パレット等
・インストルメントパネル中の塩化ビニール→ ダッシュサイレンサー等
・ルーフインナーラック、エアロパーツ等(熱硬化性複合プラスチック部品)→ルーフインナーラックの充填材等
・フロアカーペット端材→フロアカーペットパッキング材
・その他の端材→サーマルリサイクル
2.金属くず
・鉄廃材→キュポラや電気炉で再溶解しリサイクル
・アルミ廃材→溶解炉で再溶解しリサイクル
3.鋳物廃砂・鉱さい
・鋳物廃砂→再生処理し鋳物砂としてリサイクル
・鋳物ダスト→アスファルトフィラー、セメント原料
・スラグ→土壌改良剤、化粧ブロック材
4.その他
・廃油→再生処理し再生油や燃料油として利用
・廃紙→分別回収し再生紙原料としてリサイクル
・可燃性廃棄物→サーマルリサイクル
● 新車・中古車別四輪車販売台数の推移
クルマの耐用年数の伸び、複数保有の進
リサイクル推進実施例
(万台)
中古車
展、消費者の低価格志向などを反映して、
中古車需要は年々伸びてきましたが、こ
こ数年横ばいないし漸減傾向にあります。
800
700
クルマは他の消費財製品とは異なり、耐
用年数の範囲内においては中古品にも相
応の商品価値があるため、その市場は1
新 車
900
823
809
794
795
821
792
使 用
820
753
687
708
673
653
588
600
586
596
1.バンパを回収して自動車部品やパレット等へ再資源化(一部地域での試行)
2.交換オイルのリサイクル・再資源化
3.交換ATミッションのリサイクル・再利用
4.特定フロン回収・再利用
5.中古車流通システムの活用による中古車再利用
6.タイヤの再利用
廃車リサイクルのフロー(概要)
591
500
つの独特のマーケットを形成し、資源の
有効利用に貢献しています。
400
中古車
専業車等
放置車
100
1994
95
96
97
98
99
2000
2001 (年)
資料:「日本の自動車工業」2002 日本自動車工業会
地方自治体
解体業者
200
ユーザー
再 資
源 化
300
0
ボディ
ディーラー
プレス業者
シュレッ
ダー会社
鉄鋼
メーカー
ダスト
産廃業者
タイヤ
回収業者
セメントメーカー
再生メーカー等
エンジン
エンジン
解体業者
アルミ
再生会社
廃触媒
回収業者
再生業者
その他
回収業者
再生業者
アルミ
資料:日本自動車工業会
2 シュレッダーダストの有効利用
最終的に残るシュレッダーダストの有効利用が今後の大きな課題です。現在、この減量化のための研究開発
とともに、メーカーによってはこのシュレッダーダストを燃焼させ、熱エネルギーとして利用する「エネル
ギーリサイクル」の考え方が実行に移されています。
● エネルギーリサイクルへの取り組み
● シュレッダーダストの組成(重量%)
クルマのリサイクル全体の流れのなかで、どうし
樹脂は、密度が低く、輸送効率や埋め立て処分の効
ても残ってしまうシュレッダーダストをはじめ、
率が低いといわれています。
廃油やタイヤ等の可燃物を有効利用するため、こ
れらを燃焼させ、熱エネルギーとして利用する
「エネルギーリサイクル」が新しいリサイクルの
非鉄金属4%
ハーネス5%
1つとして始まっています。
廃 棄
エネルギー
リサイクル
ガラス
7%
鉄
不燃物
8%
素材、部品
リサイクル
樹脂
33%
原 料
24%
紙2%
木3%
鉱さい廃油
繊 維
15%
発泡ウレタン
16%
資料:「自動車と環境」
5版 トヨタ自動車
廃 車
鉄、非鉄、触媒など
PPクズ・電着塗装
工 場
︵解体・分別︶
タイヤ
廃油工業用水 オイル
鉱さい、塗料かす
ダスト類
ガラス、プラスチック・シート
バンパ廃材
可燃廃棄物
素材・部品
メーカー
可燃物
76%
ゴム
7%
廃プラ・廃油
資料:日産自動車調べ