未来年表―遠未来編

2008年5月1日
第28.4版
・未 来 年 表・
−遠 未 来 編−
竹 野 萬 雪 編
この年表は、未来に関して古今東西の個人・団体・機関などが公表した計画・予定・予測・予想・予知・予言・想
像・描写・占いなどのうち、物語性があり且つ時代や年月を特定しているものを、年代別・地域別に配列したもので
す。物語性に乏しい産業経済や統計的なデータは、なるべく収録しておりません。各項目の内容は虚実が混在してお
り、一般に実現性の保証はありません。
2018
2018. 1 . − ○ 【 ア メ リ カ 】NOAAとDMSPを統合した新世代実用極軌道気象衛星の5号機NPOESS 5を打ち上げる。
((財)リモート・センシング技術センター「世界の地球観測衛星打ち上げ計画」『 RESTEC』2006.2)
2018. 2 . − ○ 【 ア メ リ カ 】大統領コルネット(45)が、膵臓ガンにより死去する。副大統領ジョージ・ワシントンが昇
格、初の黒人大統領が誕生する。インターネット上のワイセツ規制を一切撤廃し、人工中絶の自由化、法定最低賃金
水準の引き上げ、失業保険金の増額などを実施、続いて麻薬を合法化する。世界は驚き“ワシントン・ショック”と呼
ぶ。(水木 楊『2055年までの人類史』1999)
2018. 4. 1日 【日 本 】女子の特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢が、65歳に引き上げられる。(改正年
金法、1994) また、女子の特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢が、61歳に引き上げられる。 (改正
年金法、2000.3)
2018. 4 . 6金 【ア メ リ カ 】民間宇宙旅行会社の顧客第1号として、アルバカーキ在住の女性実業家ヒラリー・ファーガ
ソンが、テキサス州で6カ月間訓練を受けたのち、カリフォルニア州の発射場から飛び立ち、軌道を2周まわって、地
球に無事帰還する。その模様は世界中にテレビ中継され、メディアは大騒ぎをする。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワ
イト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2018. 4.12木 【ア メ リ カ 】太平洋に浮かぶ海上プラットフォームから、約10万km 上空の宇宙ステーションに向かっ
て、幅1mのカーボンナノチューブ製“リボン”に取り付けられた宇宙エレベータが完成し、運行開始を開始する。最
大積載量は5トンで、物資や人間を約4時間で大気圏外に運ぶ。(アメリカ宇宙協会、2003、『 ITSquareNews』 No.41、2003.7.7)
2 0 1 8 . 1 0 . − ○ 【 日 本】華麗な生活を排しリサイクルを推進する「自制の文明」実現を目指す「日本自制党」党首高遠
志郎(41)が、総選挙に出馬し、市民団体の支持を集めて当選する。(水木 楊『2055年までの人類史』1999)
2 0 1 8 . 1 1 . − ○ 【 ア メ リ カ】全国の州知事の半数が有色人となる。人種間の抗争が激化する。(水木 楊『2055年までの人類
史』1999)
2018. ○【宇宙 】1999年にチリのラ・シャ天文台が66光年かなたに存在を報告した「とけい座イオタ星系の巨大惑星」
から、初めてメッセージが地球に届けられる。最初のE.T .とのコンタクトであり、21世紀最大の発見として地球人に
衝撃を与える。メッセージを解読すると、不思議な生きものと風景が織りなす静止画・動画と音楽が泉のように沸き
出す。(NHK解説委員 高柳雄一「E.T. 22世紀に届くメッセージ」『21世紀大予測』1999)
2018. ○【世界 】人間の老化の仕組みが解明される。 (科学技術庁技術予測調査、1997.7.10)
2018. ○【世 界 】ヒトの遺伝子のすべてが解明される。(長寿科学振興財団調査、産経新聞社「未来史閲覧」取材班『未来史閲
覧』1996)
2 0 1 8 . ○【世 界 】ほぼすべてのタイプのHIV (ヒト免疫不全ウイルス)に対応するワクチンが開発され、30年来初め
て、HIV の流行は終息に向かう。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬
妙訳、2003)
2018. ○【世 界 】ほとんどの室内照明用に半導体光源が普及する。(科学技術振興機構「第7回文部科学省技術予測調査」2000)
2018. ○【世 界 】インテリジェント・ネットワークが、各種の装置をつないでいる。(ジョージワシントン大学教授 W. E.
未来年表
− 1 −
遠未来編
Halal「TheTop 10 EmergingTechnologies 」『THEFUTURIST』2000.78)
-
2018. ○【世界 】自社で独自に管理するサーバで、データを保持したり、トランザクションを実行したりする企業は無
くなっている。ほとんどのトランザクションやアプリケーション、システム管理機能が、インタネット上のコンピュ
ータクラウドからもたらされる。社員に、パソコンと携帯デバイスを与えて、どこをクリックすれば良いか指示する
だけで、すべてのアプリケーションが配信される。(Microsoft社 CEO スティーブ・バルマー「Microsoft Partner Conference」
(東京都内)、2007.11.8)
2018. ○【世界 】コンピュータが、生体の感覚器と連結されるようになる。 (BT研究所未来学者 Ian D .Pearson, Ian Neild
「BTexactTechnologyTimeline」『THEFUTURIST』2002.78)
-
2018. ○【世 界 】コンピュータによるリアルタイムの通訳が日常的に行われるようになる。(ジョージワシントン大学教授
W. E. Halal「TheTop 10 EmergingTechnologies」『THEFUTURIST』2000.78)
-
2018. ○【世界 】AI(人工知能)技術は、脳の思考過程を模倣するようになる。(BT研究所未来学者 IanDPearson
.
, Ian Neild
「BTexactTechnologyTimeline」『THEFUTURIST』2002.78)
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2018. ○【世界 】風力・太陽光など非化石エネルギーが普及する。(科学技術庁技術予測、1997.7.10)
2018. ○【世界 】風力、地熱、太陽光などの利用が広がる。(文部科学省科学技術政策研究所「技術予測調査」2001.7.17)
2018. ○【世界 】エネルギー利用効率が、50%にまで改善される。(ジョージワシントン大学教授 W. E . Halal 「The Top 10
EmergingTechnologies」『THEFUTURIST』2000.78)
-
2018. ○【世 界 】サッカー・ワールドカップで、日本チームが初めて決勝トーナメントに進出する。(久米宏,「ニュースス
テーション」テレビ朝日、1998.6.29)
2018. ○【 日 本 】大陸からの酸性雨など、環境問題は益々厳しくなっている。(堺屋太一『平成三十年』2002.6、『週刊文
春』2008.1.310)
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2018. ○【日本 】この頃、地震が東京地方を襲い、甚大な被害と大勢の死傷者を出す。日本は再建のため、海外資産を
引き揚げる。このため、世界的な流動性危機を引き起こす。日本の経済成長は、人口の高齢化のため鈍化し、貯蓄も
減少する。(ワン・チャン、1993、「2150年までにアジアで起きたこと」『GLOBALBUSINESS 』1993.11)
2018. ○【日 本 】75歳以上の後期高齢者が増え、65∼74歳の世代を上回る。(厚生労働省国立社会保障・人口問題研究所「将来
推計人口」、2002.1.30、『朝日新聞』1.31)
2018. ○【日 本 】少子高齢化が一段と進み、地方の山間部は超過疎化している。(堺屋太一『平成三十年』2002.6、『週刊文
春』2008.1.310)
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2018. ○【日 本 】GDP(国内総生産)が、1340兆円、国民1人当たり1120万円となる。1ドル260円の為替レートで換算す
ると4万3000ドル弱で、アメリカの半分、EU(ヨーロッパ連合)平均の70%ほどになり、台湾、シンガポールに追い抜
かれ、韓国と同水準になる。(堺屋太一「平成三十年」『朝日新聞』1998.2.12)
2018. ○【日 本 】国際競争力の低下によって円安が進行、1ドル250円を切り、300円をうかがう情勢となっている。
(堺屋太一『平成三十年』2002.6、『週刊文春』2008.1.310)
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2018. ○【日本 】貿易とサービスの収支は1000億ドルの赤字、国際収支の赤字は500億ドルにのぼり、拡大を続けてい
る。(堺屋太一『平成三十年』2002.6、『週刊文春』2008.1.310)
2018. ○【日本 】消費者物価は20年前に比べ、約3倍になっている。中でもガソリンの値上がりは著しく、1リッター
1000円になっている。 (堺屋太一『平成三十年』2002.6、『週刊文春』2008.1.310)
2018. ○【日本 】消費税は12パーセントに引き上げられ、20パーセントも視野に入っている。所得税は地方税も含めて
50パーセントに据え置かれたままになっている。(堺屋太一『平成三十年』2002.6、『週刊文春』2008.1.310)
2018. ○【日 本 】国家予算は大幅に膨張し、総額370兆円になる。77兆円の財政赤字は国債発行による借金で補ってい
る。(堺屋太一『平成三十年』2002.6、『週刊文春』2008.1.310)
2018. ○【日 本 】国民一人当たりの国内総生産( GDP)は、アメリカの半分となり、台湾や韓国には抜かれつつある。
(堺屋太一『平成三十年』2002.6、『週刊文春』2008.1.310)
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2018. ○【日 本 】掃除や洗濯をするロボットが家庭に1台の割で普及する。(文部科学省科学技術政策研究所「技術予測調査」
2001.7.17)
2018. ○【日本 】インターネット上でブックガイド・サイトが花盛りとなり、「BJ」ことBOOK版DJが人気になる。(永
江朗・松田哲夫「「本とコンピュータ」とともに歩んだ四半世紀」『季刊・本とコンピュータ』2001.秋)
2018. ○【ア メ リ カ 】『ニューヨークタイムズ』が、この年を最後に紙の新聞の発行を止める。電子ブック機器の普及
が進み、紙の新聞は姿を消す運命にある。(マイクロソフト社副社長 ディック・ブラス、青木日照・湯川鶴章『ネットは新聞を殺す
のか―変貌するマスメディア』2003)
2018. ○【ア メ リ カ 】ジーンマートという企業が、個人向けに遺伝子特性データの分析サービスを提供する最初の直営
未来年表
− 2 −
遠未来編
店を他社に先駆けてオープンする。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対
馬 妙訳、2003)
2018. ○【ア メ リ カ 】アメリカ航空宇宙局(NASA )が、宇宙飛行士を乗せた火星行きの宇宙船を打ち上げる。4∼5ヵ月
をかけて火星に到達し、飛行士は1年半の間、火星に滞在する。 (NASAエームズ研究所、1999年計画、『東京新聞』(夕)1999.
10.4) 4人の飛行士が月で1週間ほど滞在する。(アメリカ航空宇宙局(NASA)計画、2005.9、『朝日新聞』2005.11.11)
2019
2019. 4. 1 月 【日 本 】男子の特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢が63歳に引き上げられる。(改
正年金法、2000.3)
2019. 5 . − ○ 【 ア メ リ カ 】NOAAとDMSPを統合した新世代実用極軌道気象衛星の6号機NPOESS 6を打ち上げる。
((財)リモート・センシング技術センター「世界の地球観測衛星打ち上げ計画」『 RESTEC』2006.2)
2019. 7.20 【世 界 】アメリカの人類初の月着陸宇宙船「アポロ11号」が、1969年に月面着陸に成功して50周年に当た
り、記念行事が行われる。この年、「月の年」が宣言されて、軌道上の宇宙ステーションから特別な宇宙船が打ち上
げられ、アポロ計画終了以来初めて、人間が月へと運ばれる。(マイケル・エデルハート、ジョフリー・ゴルソン「未来カレンダ
ー」『近未来情報事典』1984)
2 0 1 9 . 1 2 . − ○ 【 ス ウ ェ ー デ ン】最後のノーベル賞が授与される。以後、ノーベル賞が廃止される。(水木 楊『2055年ま
での人類史』1999)
2019. ○【宇 宙 】地球から遠く離れた小惑星をつぶさに調査する目的で、地球型惑星調査(ETPS)と呼ばれる計画の第
2回ミッション「ETPS2」が開始され、生命の存在が期待される地球型惑星に着陸すること目指す探査機が打ち上げ
られる。 (ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2019. ○【世 界 】北極の氷に大隕石が衝突する。これを機に、隕石防止の宇宙防衛計画が発動する。(Arthur C. Clarke
「21世紀略年表」『朝日新聞』2001.1.4)
2019. ○【世 界 】1週間以内の天気を95%以上の確率で予報できるようになる。(文部科学省科学技術政策研究所「技術予測調
査」2001.7.17)
2019. ○【 世 界 】海水脱塩が、経済的に可能になる。(ジョージワシントン大学教授 W. E. Halal 「The Top
10 Emerging
Technologies」『THEFUTURIST』2000.78)
-
2019. ○【世界 】個人の遺伝子特性データが薬局で入手できるようになる。客はいくつかの細胞をサンプルとして提供
するだけで、1週間以内に遺伝子特性データのディスクができあがってくる。データには、素人にもわかるようにそれ
ぞれの特性が何を示しているのかということも記載されている。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧す
る21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2019. ○【世界 】遺伝子特性データとその知識が用いられるようになった結果、それぞれのガン(癌)について、個々人
の罹患しやすさを調べて警告する方法が進歩したため、200種類以上のガンが完全に予防できるようになる。(ジェント
リー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2019. ○【世 界 】幹細胞から任意の臓器を作製できるようになり、人工的に培養した臓器の臨床応用が始まる。(文部科
学省科学技術政策研究所「技術予測調査」2001.7.17)
2019. ○【世 界 】目の動きをとらえて自動的にズーミングやページめくりをする読書端末が発売される。(永江朗・松田
哲夫「「本とコンピュータ」とともに歩んだ四半世紀」『季刊・本とコンピュータ』2001.秋)
2019. ○【世 界 】全自動運転の自動車が市販されるようになる。(国内67研究所アンケート調査「近未来技術を逃すな」『日経
ビジネス』1999.2.22)
2019. ○【世界 】ハイウェーを走行する多数の車が、先頭の車にだけドライバーが乗り、目に見えない電子牽引棒によ
って誘導されるようになっている。(Schafar, Andreas and David Victor, The Past and future of global mobility『Scientific
American』1997.10、 イアン・ピアスン編『マクミラン 近未来地球地図』1998、東京書籍、1999)
2019. ○【世 界 】世界的な通信網によって、大部分の人々がつながっている。(ジョージワシントン大学教授 W. E. Halal
「The Top 10 Emerging Technologies」『THEFUTURIST』2000.78)
-
2019. ○【世 界 】電話は、高精細度の3次元映像が直接眼に映るようになる。3次元ホログラフィー・ディスプレイも使
われ、相手の映像が実際に目の前にいるように映って対話をすることができる。会議というものは、実際に人間が一
緒に会合する必要性がなくなる。(Ray Kurzweil「Spiritual Machines:The Mergingof ManandMachine」『THE FUTURIST』1999.11)
2019. ○【世 界 】1000ドル(1999年価値)の計算装置は、人間の脳の計算能力とほぼ同等の、毎秒約2京命令の演算速度
を持っている。コンピュータの多くは目に付く所にはなく、壁、テーブル、椅子、机、衣服、装飾品、そして身体に
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遠未来編
まで、至る所に埋め込まれている。眼鏡やコンタクトレンズに仕組まれた3次元ディスプレイが日常的に使われてい
る。こうした“直接眼”により、現実環境の視覚映像に重ねて、高度に現実的な仮想視覚環境を生み出すことができ
る。音についても、音の方向までもが分かる高解像度の音響“レンズ”が利用され、眼鏡、イヤリング、あるいは耳
の中に植え付けられている。(RayKurzweil「Spiritual Machines:TheMergingofManandMachine」『THEFUTURIST』1999.11)
2019. ○【 世 界 】壁掛けモニタが、陰極線管(ブラウン管)に置き換わっている。 (ジョージワシントン大学教授 W. E .
Halal「The Top 10 EmergingTechnologies」『THEFUTURIST』2000.78)
-
2019. ○【 世 界 】コンピュータのキーボードは、まだ存在するものの、きわめて希少なものになっている。多くの場
合、コンピュータの操作は、手、指、表情などの変化、あるいは双方向の自然言語によるやりとりを通じて行われ
る。(RayKurzweil「SpiritualMachines:TheMergingofManandMachine」『THEFUTURIST』1999.11)
パーソナル
2019. ○【世 界 】象徴的に言えば、人々は、各自1台の特定の“個人用コンピュータ”を持たないが、それでもなおコ
ンピュータは優れて個人的なものである。至る所にコンピューティング処理能力と極度に高帯域の通信回線が埋め込
まれているからだ。配線ケーブルは、もはやほとんど消滅している。 (Ray Kurzweil 「Spiritual Machines:The Merging of
ManandMachine」『THEFUTURIST 』1999.11)
2019. ○【世界 】回転部分のある記憶装置や機械的な演算デバイスは、完全に電子デバイスに置き換えられている。コ
ンピュータ回路は、3次元でナノ級の格子が主流となっている。コンピュータの演算処理の大部分は、大量の並列神経
回路網や遺伝アルゴリズムの計算に用いられている。人間の脳の各部の機能が解明され、それに基づき機械ベースの
神経網の設計が行われる。(RayKurzweil「SpiritualMachines:TheMergingofManandMachine」『THEFUTURIST』1999.11)
2019. ○【世界 】レンズに代わって、量子分散デバイスによる針先大のカメラが至る所に登場し、新しいコンピュータ
制御光学イメージ技術でどんな角度からの光線も検知できるようになる。いわゆる電話は、日常的に3次元高解像度の
映像と音声が、眼鏡や眼球に植め込んだ直接眼と耳に埋め込みの音響レンズを通して通話するようになっている。相
手が目の前にいなくても、通信によりあたかもそこにいるように会話ができ、会議も人々が同じ場所に集まる必要は
なくなっている。(RayKurzweil「SpiritualMachines:TheMergingofManandMachine」『THEFUTURIST』1999.11)
2019. ○【世界 】英語と日本語のように、最も普及している言語どうしの間の会話は、高性能の翻訳技術を含む技術に
よって日常的に行われる。(RayKurzweil「SpiritualMachines:TheMergingofManandMachine」『THEFUTURIST』1999.11)
2019. ○【世 界 】教育現場での学習の大部分は、インテリジェント・ソフトウェアに基づく疑似教師を用いて行われ
る。人間の教師は、学習や知識の出どころというよりは、むしろしばしば生徒たちから離れた所にいて、良き師であ
りカウンセラーであるとみなされている。仕事をする成人のほとんどは、自分の時間の多くを新しい技能や知識の習
得に費やしている。(RayKurzweil 「SpiritualMachines:The MergingofManandMachine」『THEFUTURIST 』1999.11)
2019. ○【世界 】ビジネスの場では、急速な経済活動の拡大により、大量の処理の迅速化が要求されるので、トランザ
クションの大部分は、実際の人間同士で行うのは稀で、それぞれの自動アシスタント同士が交渉して、莫大な件数の
取引をこなしている。 (RayKurzweil 「SpiritualMachines :The MergingofManandMachine」『THEFUTURIST 』1999.11)
2019. ○【世界 】信頼性の高いスマート道路と自動運転システムができて、人間が運転する必要はなくなる。航空機は
マイクロフラップを用いて、効率的な飛行ができるようになり、航空事故も極めて稀になる。(Ray Kurzweil「 Spiritual
Machines:TheMergingofManandMachine」『THEFUTURIST』1999.11)
2019. ○【世界 】人間の遺伝子に書かれた生命機能の解明が進み、老齢化やガンなどの発現メカニズムが十分に理解さ
れる。人間の生存期間が延長され、100歳を超えるほどになる。コンピュータ化された健康モニタが、時計や指輪、衣
服などに埋め込まれ、常に健康管理や診断に用いられる。 (Ray Kurzweil「Spiritual Machines:The Merging of Man and
Machine」『THEFUTURIST』1999.11)
2019. ○【世界 】視覚芸術家、音楽家、作家など芸術家たちと創作マシンとの間の共同作業による「サイバーアート」
が登場し、ますます拡大している。芸術的なものから娯楽的なものまで、現実体験のシミュレーションや現実世界か
らほど遠い抽象世界での体験に至るまで、「仮想体験ソフトウェア」というものに相変わらず大きな需要がある。
(RayKurzweil「SpiritualMachines :The MergingofManandMachine」『THEFUTURIST 』1999.11)
2019. ○【世界 】人間の触覚をも上回る正確な触覚の仮想現実ブースができて、圧力、温度、湿度、手ざわりなどが再
現できる。この技術は、医学検査に利用されるが、他人との感覚的な交流や性的な交渉にも応用される。( Ray
Kurzweil「SpiritualMachines:TheMergingofManandMachine」『THEFUTURIST』1999.11)
2019. ○【イ ン ド ネ シ ア 】人口が2億5800万人になる。〔1993年は1億8900万人。1997年3月に2億人。〕労働力人口は1
億4700万人になる。1人当たりのGDPが5,046,000Rp(2631US$)になる。就学率が、初等教育98%〔1994年53.6%〕、
初期中等教育98%〔同53.6%〕、後期中等教育80%〔同34.8%〕、高等教育25%〔同10.5%〕となる。(第2次国家開発
長期計画、1994)
2019. ○【ア メ リ カ 】2010年からこの年の間に、アメリカ人の平均寿命が80歳を超える。この年に生まれたアメリカ人
未来年表
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遠未来編
は、120歳まで長生きすることも可能になる。聖書のなかで、最も理想的な寿命と述べられている数である。(マイケ
ル・エデルハート、ジョフリー・ゴルソン「未来カレンダー」『近未来情報事典』1984)
2019. ○【ア メ リ カ 】紙に印刷された新聞や雑誌に代わって、インターネットが報道の主流になる。(ジェントリー・リー
&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2020
2020. 3 . − ○ 【 ア メ リ カ 】ヤフー!コーポレーションが、設立25周年を迎える。これを記念して、同社が2006年11月8
日までに収集して封印したインタネット版の“タイムカプセル”を開封する。世界中の人から集めた写真や動画、文
章や絵、音声などが14年ぶりに再現される。この“タイムカプセル”の写しはスミソニアン博物館の関係機関に寄贈
され、恒久的に保存されている。 (同社発表、2006.10.10)
2020. 5.30土 【中 国 】海南島で行われた全中国都市対抗サッカー試合の決勝戦で流血の惨事が起こる。[以後、広東
と上海は決定的に対立し、これを契機に中国の分裂が始まる。](水木 楊『2055年までの人類史』1999)
2020. 6 . 4木 【中 国 】香港で天安門事件追悼集会が盛大に行われる。人民解放軍に威圧された数万人の群衆は、遂に
大暴動に発展する。応援の出動を要請されて香港に入った広東軍は、群衆とともに破壊活動に関与する。 (水木 楊『20
55年までの人類史』1999)
2020. 9 . − ○ 【 ア メ リ カ 】メキシコを回廊にアメリカに流入する人々が増加したのに音をあげて、労働移動の自由を
認めているAU(アメリカ共同体)から、アメリカが脱退する。(水木 楊『2055年までの人類史』1999)
2020. 9 . − ○ 【 世 界 】国連が、「アメリカ問題」を俎上に載せ、アメリカに対してワイセツ画像作成・発信の制限、
麻薬の製造・売買・使用の禁止など7項目の要求を突きつける決議をする。 ( 水 木 楊『2055年までの人類史』1999)
2 0 2 0 . 1 2 . − ○ 【 イ ス ラ エ ル】首相シモン・ワイツマンが、エルサレムでイスラム原理主義者の放った銃弾で暗殺され
る。第5次中東戦争が勃発する。(水木 楊『2055年までの人類史』1999)
2020. ○【宇宙 】蟹座55番星の軌道をまわる地球サイズの系外惑星が探知される。蟹座55番星という恒星は、地球から
わずか41光年の距離にあり、年齢は我々の太陽とほぼ同じである。そのため、発見された惑星に生命が存在するので
はないかと考える観測者もいる。 (ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬
妙訳、2003)
2020. ○【宇宙 】火星への有人飛行が定常的に行われるようになる。(BT研究所未来学者 Ian D. Pearson, Ian Neild「BTexact
TechnologyTimeline」『THEFUTURIST』2002.78)
-
2020. ○【宇 宙 】前世紀末から建設準備にとりかかった宇宙コロニーが完成し、1万人の移住が始まる。アルミニウム
合金のトーラス型コロニーで、直径500 m、長さ2500 mの円筒を、毎分1.9回回転させて、地球上と同じ重力を生じさ
せている。(アメリカ航空宇宙局( NASA )計画、『週刊プレイボーイ』1981.8.4)
2020. ○【宇宙 】初の宇宙植民地が太陽系外惑星ハードリー、ターニス等に建設される。宇宙移民が開始される。連合
国家は、宇宙海軍および海兵隊を創設し、植民地に大移民輸送計画を開始する。最初の移民は異端者、反抗者および
自発的移民希望者のみ。(ラリイ・ニーヴン、ジェリー・バーネル『神の目の小さな塵』1974、池央耿訳、創元推理文庫)
2020. ○【世 界 】黙示録に示されたハルマゲドンがクライマックスを迎える。(アメリカの女性水晶玉占い師 ジーン・ディク
ソン(1918∼1997))
2020. ○【世 界 】耕作に適していたとされる土地の30%が、水不足のため塩分過多の状態になっている。( Marvin J.
Cetron, OwenDavies 「TrendsShapingtheFuture: Economic、Societal, andEnvironmentalTrends 」『THEFUTURIST』2003.1 2- )
2020. ○【世界 】核クラブに属する国々は、アメリカ、ソビエト、中国、イギリス、フランス、インド、イラク、リビ
ヤ、韓国、台湾、パキスタン、アルゼンチン、ブラジル、サウジアラビア、南アフリカ、イスラエル、ナイジェリ
ア、イラン、西ドイツ、キューバ、ベネズエラ、イタリア、ザイール、スペイン、インドネシアである。たぶん日本
も含まれる。核戦争が起こるのは避けられなくなる。(マイケル・エデルハート、ジョフリー・ゴルソン「未来カレンダー」『近
未来情報事典』1984)
2020. ○【世 界 】人口が77億人(1995年比36%増)になる。アメリカは3億1500万人(20%増)、中国14億人(約20%増)、
ブラジル2億1500万人(34%増)、インドネシア2億5500万人(32%増)になる。経済成長の伸びはさらに大きく、人口増
加分を調整しても、平均的な生活水準は65%ほど上昇する。(世界銀行予測、1995)
2 0 2 0 . ○【世 界 】世界の人口が79億人になる。 (国際応用システム研究所( IIASA) ウォルフガング・ルッツらの研究チーム、
『NATURE 』1997.6.19)
2020. ○【世界 】60歳以上の人口が、10億人を超え、全人口の13.3%を占める。うち4分の3が発展途上国に住み、中で
も中国には最大の2310万人がいる。インド、ブラジル、インドネシア、パキスタンがそれに続く。(『THE FUTURIST 』
未来年表
− 5 −
遠未来編
2001.78)
-
2020. ○【世 界 】世界の名目国内総生産(GDP )は、日本を除くアジアを先頭に北米、西欧が4分の1ずつを占め、日本
は2割弱から約1割にシェアを落とす。(日本経済研究センター、『朝日新聞』1997.12.8)
2020. ○【世 界 】世界の労働人口の半分を抱える中国、インド、ブラジル、インドネシア、ロシアの5ヵ国の実質国内
総生産( GDP)が、世界のGDPの16%を占めるまでに拡大する。(世界銀行、1997.9.9)
2020. ○【世界 】テクノロジーがある人には福音であっても、ある人には暗い影を落としている。何十億という人間が
飢えて死んでいくさまを見ながら生きるすべを覚えていかなければならないという、人類にとってまったく新しい経
験に直面している。(ジョセフ・ダグネス「いま、君が知っておくべき2020年の生活」『 PLAYBOY』2001.3)
2020. ○【世 界 】海産食品の大部分が、水産養殖によってまかなわれる。(ジョージワシントン大学教授 W. E . Halal 「The
Top 10 EmergingTechnologies」『THEFUTURIST』2000.78)
-
2020. ○【世界 】栄養バランスの良いファスト・フーズが研究開発され、パーフェクト・フーズになっている。外食の概
念が大幅に変化して、週末以外はファスト・フーズというのがトレンドになっている。(「2020年のライフスタイル大予測」
『PLAYBOY 』2001.3)
2020. ○【世 界 】中国やインド、ロシア、ブラジルなどBRICs 諸国の経済成長が続いた結果、金、銀、鉛、錫の累積使
用量がこの年で埋蔵量を超える。 (物質・材料研究機構、2007.2.15『毎日新聞』2.16)
2020. ○【世界 】冷蔵庫にはセンサーが標準装備され、食品管理を自動的にしてくれる。味付け専用の調理器具が登場
しており、家庭でもレシピどおりの美味しい料理が味わえるようになり、家庭料理がプロの味に進化している。(「20
20年のライフスタイル大予測」『 PLAYBOY』2001.3)
2020. ○【世界 】マラソンで2時間の壁を破る「夢の記録」が達成されている。トレーニングやエネルギー補給法の進
歩、靴の改良などが寄与する。(スポーツライター 山田ゆかり、『朝日新聞』2003.1.8)
2020. ○【世界 】電子ブックが、紙の書籍を抜いて電子ブック革命が始まった2008年以来12年を経て、電子ブック革命
が終わる。(マイクロソフト社副社長 ディック・ブラス、2000.5、『日経パソコン』2001.1.8)
2020. ○【 世 界 】電子インクを使った万華鏡的な花が登場する。(BT研究所未来学者 Ian D. Pearson, Ian Neild「BTexact
TechnologyTimeline」『THEFUTURIST』2002.78)
-
2020. ○【世界 】デジカメ、メールをはじめ、ID(身分証明)、バンキング、オートロックなど、日常生活の必要事項が
すべてインプットできるマルチ・リストウォッチが使用されている。(「2020年のライフスタイル大予測」『PLAYBOY』2001.3)
2020. ○【 世 界 】録画媒体としてのビデオカセットは、スペースを取りすぎるので、すでに消滅している。リモコン
も、すべて音声で認識できるものに取って代わられている。(大野和基「20年後も変わらないもの、20年後にはなくなっている
もの」『PLAYBOY 』2001.3)
2020. ○【世界 】情報源に蓄積されネットで流通している事実が、無頓着に修正され、書き換えられ、編集され、ある
いは完全に消去されるようになっている。情報源から掘り当てた情報が、正確に信頼できるものかどうか常に知る必
要がある。(ジョセフ・ダグネス「いま、君が知っておくべき2020年の生活」『PLAYBOY』2001.3)
2020. ○【世 界 】情報処理機能を持つ知能材料が、家庭やオフィス、乗用車などに日常的に使用されている。(ジョー
ジワシントン大学教授 W . E. Halal「TheTop 10 EmergingTechnologies」『THEFUTURIST』2000.78)
-
2020. ○【世界 】在宅社員がスタンダード化され、会議もネット上で行われ、社員全体が高層ビルで一緒に働く必要性
はなくなり、優良企業ほど分散化が進んでいる。都会の高層ビルが不要となり、廃墟と化している。(「2020年のライフ
スタイル大予測」『PLAYBOY 』2001.3)
2020. ○【世界 】デジカメ、メールをはじめ、ID(身分証明)、バンキング、オートロックなど、日常生活の必要事項が
すべてインプットできるマルチ・リストウォッチが使用されている。(「2020年のライフスタイル大予測」『PLAYBOY』2001.3)
2020. ○【世界 】人工知能が人間のレベルに近づいて、自然の生態での進化よりもっと速いスピードで進化している。
(ArthurC. Clarke 『Greetings ,Carbon-Based Bipeds! Collected Essays 19341998』1999、『
THEFUTURIST 』2000.34)
-
2020. ○【世界 】昆虫や小動物に匹敵する人工知能が登場する。 (Chris Winter:BT Technology Calender ,1997、イアン・ピアス
ン編『マクミラン 近未来地球地図』1998、東京書籍、1999)
2020. ○【世界 】レーザーで測った目の虹彩のパターンが、各人の身分を証明し、家や職場に入る鍵となり、飛行機の
搭乗券の代わりとなっている。プライバシーは消滅している。(ジョセフ・ダグネス「いま、君が知っておくべき2020年の生活」
『PLAYBOY 』2001.3)
2020. ○【世界 】外国に旅行する人が、16億200万人に達する。観光目的地で一番人気が高いのは中華人民共和国で、1
億3700万人が訪れる。これにアメリカの1億200万人が並ぶ。2006年までは第1位だったフランスは9300万人、スペイン
7100万人、ホンコン5900万人、イタリア5300万人などが続く。日本はベスト10に入っていない。(WTO:Tourism 2020
Vision、1997、 イアン・ピアスン編『マクミラン 近未来地球地図』1998、東京書籍、1999)
未来年表
− 6 −
遠未来編
2020. ○【世界 】航空機を利用する旅行客は延べ50億人、50兆人キロメートルを超えている。いくつかの有名な目的地
では、物理的にすべての旅行客を受け入れることができず、便数を制限する。人々はネットを通じてバーチャルな旅
行をせざるを得なくなる。(BT研究所未来学者 Ian D. Pearson「The Next 20 Years in Technology :Timeline and Commentary 」
『THEFUTURIST』2000.12)
-
2020. ○【世界 】自動制御の車に、行き先を入力するだけで、目的地をめざして高速道路を突っ走ってくれる。隣の車
線を走る車に合成音声で話しかけ、同じ方向だと2台の車はドッキングして、目的地まで走行する。燃料の節約にもな
り、事故も減る。しかし、車を操縦する喜びは味わえなくなってしまう。 (ジョセフ・ダグネス 「いま、君が知っておくべき
2020年の生活」『PLAYBOY』2001.3)
2020. ○【世界 】車はほとんど電気自動車になっており、環境にやさしくないガソリン車やディーゼル車は、姿を消し
ている。 (大野和基「20年後も変わらないもの、20年後にはなくなっているもの」『PLAYBOY』2001.3)
2020. ○【世界 】エレベーターは、上下動だけでなく左右・斜めの動きが可能になり、利用者が呼出用のボタンを押す
と、最短距離にいるエレベーターが左右上下、斜めに動き出し、より早く利用者の階に到達する。エレベーターは、
のんびり待つものではなくなっている。(「2020年のライフスタイル大予測」『PLAYBOY』2001.3)
2020. ○【世界 】コンピュータは、インフラストラクチャーの中や、身の回りのあらゆる道具に入り込んでいるが、ふ
だんはその存在を目にすることはない。(BT研究所未来学者 Ian D .Pearson「The Next 20 Years in Technology:Timeline and
Commentary 」『THEFUTURIST』2000.12)
-
2020. ○【世界 】18ヵ月で半導体の能力が倍増するという「ムーアの法則」が引き続き成り立っていて、プロセサの処
理能力は2000年に1 GHzであったが、この20年間で8000 GHz(8 THz)にまで向上している。ムーアの法則は2030年まで
は成り立つ。(SunMicrosystems社チーフ・サイエンティストBillJoy 「JavaOne 2000」基調講演、2000.6.7,『日経バイト』2000.7)
2020. ○【世界 】家の中にはコンピュータ制御の器具や設備がたくさんあり、どれも個別に動いている。家に一歩足を
踏み入れただけで、家全体が住人の帰宅を察知して、明かりが点り、エアコンが入り、冷蔵庫が中に入っている材料
で作れる献立をしゃべり出す。(ジョセフ・ダグネス「いま、君が知っておくべき2020年の生活」『 PLAYBOY』2001.3)
2020. ○【世界 】血液や唾液、排泄物などを毎日コンピュータで簡単にチェックするようになっている。一方、社会に
広がった自分の電子的痕跡を、いかに消すか、その方法を知って対処しなけらばならなくなっている。 (ジョセフ・ダグ
ネス「いま、君が知っておくべき2020年の生活」『PLAYBOY』2001.3)
2020. ○【世界 】前世紀からの情報経済が衰退し、代わってバイオ技術産業が経済の主流になる。コンピュータと遺伝
子工学は融合し、コンピュータはマイクロ技術によって体内に入り、細胞のように体に吸収され、統合される。(ス
タン・デイビスビル・デビッドソン『近未来ビジネス戦略2020
/
VISION 』1991、寺本義也監修、1994)
2020. ○【世界 】世界の人口の75%がインターネットを使っており、サイバー空間が人間生活のあらゆる領域に影響を
与えている。(BT研究所未来学者 IanDPearson
.
「TheNext 20 YearsinTechnology :TimelineandCommentary」『THEFUTURIST 』
2000.12)
-
2020. ○【 世 界 】通信とコンピュータ技術により成り立っていた情報の時代は絶頂を過ぎて、経済の主流から退く。
(Graham T. T. Molitor 「TheNext 1,000 Years 」『THEFUTURIST 』1999.12)
2020. ○【世 界 】世界の全死亡者数6800万人のうち、生活習慣病による死亡者が73%を占める。(イアン・ピアスン編『マ
クミラン 近未来地球地図』1998、東京書籍、1999)
2020. ○【世界 】人間の死を早めたり、重度の心身障害を起こしたりする原因のトップが心臓病で、次いでうつ病、交
通事故の順になる。〔1990年では、上位3つは、呼吸器の感染症、下痢、出生時の障害であった。〕(世界銀行調査、世界
保健機構( WHO )協力、『SCIENCE』1996.11)
2020. ○【世 界 】ヒトの遺伝情報の解読により、遺伝的特性に合わせた個人別治療薬が登場する。(アメリカ国立ヒトゲ
ノム研究所所長フランシス・コリンズ、『朝日新聞』(夕)2001.2.28)
2020. ○【世界 】がん全体の5年生存率が70%を超える。(文部科学省科学技術政策研究所「技術予測調査」2001.7.17)
2020. ○【世 界 】クローンで作られた臓器が、障害のある各種臓器に幅広く移植されるようになる。(ジョージワシント
ン大学教授 W. E . Halal 「TheTop 10 EmergingTechnologies 」『THEFUTURIST 』2000.78)
-
2020. ○【世界 】人工肝臓がつくられる。(BT研究所未来学者 Ian D. Pearson, Ian Neild「BTexact Technology Timeline」『THE
FUTURIST』2002.78)
-
2020. ○【世界 】錠剤を飲むことで皮膚のメラニン色素の配分をコントロールできるようになっている。皮膚が白い人
は褐色に、黒い人は色白になど、肌色がセルフコントロールできるようになる。(「2020年のライフスタイル大予測」
『PLAYBOY 』2001.3)
2020. ○【世界 】薬物の助けをかりるドーピングの代わりに、競技前に音楽を聴くようにヘッドホンを耳にし、デジタ
ル録音を聴くだけで脳を刺激しドーピング効果が得られるようになっている。この方法により、検査で薬物反応をチ
未来年表
− 7 −
遠未来編
ェックされても問題はなくなり、オリンピック競技の記録がどんどん更新される。(「2020年のライフスタイル大予測」
『PLAYBOY 』2001.3)
2020. ○【世界 】芝草の遺伝子を操作する肥料や遺伝子組み換えされた新種の開発によって、成長の具合を希望通りに
コントロールできるようになっている。芝を刈る必要はなくなり、芝刈り機も姿を消している。(「2020年のライフスタ
イル大予測」『PLAYBOY』2001.3)
2020. ○【世 界 】大きさ50∼300μの歯車やモーターばどの部品で作られたナノマシーンによって、動脈内を動き回る
ミクロ外科医や微細顕微鏡ロボットがつくられている。これらは、血管内の脂肪性の沈着物をかき削ったり、毒性の
化学物質を調べ、がん細胞を追い出し、損傷したり病気にかかったろりた部分を修復する。(イアン・ピアスン編『マクミ
ラン 近未来地球地図』1998、東京書籍、1999)
2020. ○【世 界 】練り歯磨きに配合されたナノボット(ナノロボット)が、歯垢を攻撃して取り除く。(BT 研究所未来学者
IanDPearson
.
, IanNeild「BTexactTechnologyTimeline」『THEFUTURIST』2002.78)
-
2020. ○【世界 】人間の思考における創造やアイデア、ひらめきなどの基本的なメカニズムが解明される。この頃、生
きている細胞を使ったマイクロプロセサ、本当のバイオコンピュータが開発される。(科学技術庁科学技術政策研究所、フ
ラウンホーファー協会システム技術革新研究所「日独技術予測調査」1995、『日本経済新聞』1996.12.2)
2 0 2 0 . ○【世 界 】睡眠中、コンピュータにより強調された夢を見ることが可能になる。( BT研究所未来学者 Ian D.
Pearson, IanNeild「BTexactTechnologyTimeline」『THEFUTURIST』2002.78)
-
2020. ○【世界 】電子ペットの数が、生きたペットよりも多くなっている。 (BT研究所未来学者 Ian D. Pearson「The Next
20 YearsinTechnology:TimelineandCommentary 」『THEFUTURIST』2000.12)
-
2020. ○【世界 】人間の声で童話を語るおもちゃの縫いぐるみが売り出されている。スイッチひとつで同じ物語を外国
語で話してくれるので、教育ロボットとしても使われる。幼児は大好きな縫いぐるみを抱き、楽しい話を聞きながら
眠りについてくれる。 (「2020年のライフスタイル大予測」『 PLAYBOY』2001.3)
2020. ○【世 界 】対話型ロボットが出現する。人間と対話し、日本語で話しても英語で答えてくれる。(ソニー㈱ER事
業準備室長 大槻 正「ロボット 私の彼は万能ロボット」『21世紀大予測』1999)
2020. ○【世界 】ある種の超小型コンピュータは動き回るロボットの形態をしていて、工場をはじめオフィスや家庭で
使用されている。その数は、いくつかの国では人口に迫っている。(BT研究所未来学者 Ian D. Pearson「The Next 20 Years
in Technology :TimelineandCommentary」『THEFUTURIST』2000.12)
-
2020. ○【世界 】郵便物の配達が、ロボット的な手段で行われる。(BT研究所未来学者 Ian D.Pearson, Ian Neild「BTexact
TechnologyTimeline」『THEFUTURIST』2002.78)
-
2020. ○【世界 】外見はもとより思考・行動なども人間と同様なアンドロイドを目指して、知覚のできる覆いとしての
活動的な皮膚が作られ、機械による直接的な修理ができるようになっている。(ChrisWinter:BTTechnologyCalender,1997、
イアン・ピアスン編『マクミラン 近未来地球地図』1998、東京書籍、1999)
2020. ○【世界 】合成による人工知能生物体が、人間とこの地球で役割分担して棲み分けている。彼らは基本的な法的
権利をすら持っている。(BT研究所未来学者 Ian D .Pearson「The Next 20 Years in Technology:Timeline and Commentary」『THE
FUTURIST』2000.12)
-
2020. ○【世界 】世界的規模をもった人工知能独裁者が出現する。(アーリントン協会 John L. Petersen「Out of the Blue」、
『THEFUTURIST』2002.78)
-
2020. ○【世界 】集中豪雨の緩和技術が開発される。 (科学技術庁技術予測調査、1997.7.10)
2020. ○【世 界 】世界の1日の石油消費量は、最初の石油危機で価格高騰した1973年にはわずか5700万バレルだった
が、1999年に7300万バレルになり、この年までに1億1000万バレルに増加している。しかし、全消費エネルギーに占め
る石油の割合は、1999年の40%から約37%にまで低下している。(Marvin J.Cetron, OwenDavies「Trends ShapingtheFuture
:Economic、Societal, andEnvironmentalTrends 」『THEFUTURIST』2003.1 2- )
2020. ○【世界 】光電変換効率が30%という高効率の太陽電池が普及し、高温超電導体を使ったエネルギーの貯蔵が実
用化される。(科学技術庁科学技術政策研究所、フラウンホーファー協会システム技術革新研究所「日独技術予測調査」1995、『日本経
済新聞』1996.12.2)
2020. ○【世界 】生化学的な原理に基づく太陽エネルギーの貯蔵が実現する。(BT研究所未来学者 Ian D. Pearson, IanNeild
「BTexactTechnologyTimeline」『THEFUTURIST』2002.78)
-
2020. ○【世界 】この10年間に、地上の核分裂型原子力発電所は、しだいに廃止されたり、運転を中止されたりしてい
る。一方、宇宙空間で最初の核融合炉が運転されている。(マイケル・エデルハート、ジョフリー・ゴルソン「未来カレンダー」
『近未来情報事典』1984)
2020. ○【世界 】太陽光発電が普及し、近所にあった火力発電所や原子力発電所はすでに役目を終えて、解体され、跡
未来年表
− 8 −
遠未来編
地には公園ができている。電力会社は近々エレクトロニクス・メーカーに買収されるらしいという噂が立つ。自動車メ
ーカーは、すでにガソリン車の生産を中止し、電気自動車を生産ラインに乗っせている。電気自動車を生産するエレ
クトロニクスメーカーも増えている。太陽光発電システムの市場が、1兆5000億円になる。
·
(「エネルギも自動車も電子
産業がのみ込む」 『日経エレクトロニクス』1997.7.28)
2020. ○【世界 】常温で超電導になる物質が開発される。(科学技術庁技術予測調査、1997.7.10)
2020. ○【北 極 】この年までに、北極海の氷がほぼ消滅する。地球温暖化が一層加速することになる。(アメリカ雪氷デ
ータセンター(NSIDC)氷河学者テッド・スカンボス『ジオフジカル・リサーチ・レターズ』2007.5.1)
2020. ○【ア ジ ア ・ 太 平 洋 】APEC 域内の途上国が貿易・投資の自由化を完成させる。(アジア太平洋経済協力会議(APEC)ボ
ゴール宣言、1994.11.15)
2020. ○【東 ア ジ ア 】東アジアは華人経済圏に取り込まれる。日本は孤立し、東アジアの香港かヨーロッパの小国スイ
スのようになる。(京都大学経済研究所長 佐和隆光「たそがれる日本」『朝日新聞』1997.12.8)
2020. ○【日 本 】出生数が77万3000人、死亡数が142万9000人となり、「少子多死社会」が現実のものとなる。(国立社
会保障・人口問題研究所『日本の将来推計人口』2006.12)
2020. ○【日 本 】65歳以上の高齢者人口が、2000年の17%から27%にまで増加している。 ( M. J. Cetron, O.Davies 「Trends
NowChangingtheWorld:EmmonsandSociety, ValuesandConcerns, EnergyandEnvironment」『THEFUTURIST』2001.12)
-
2020. ○【日本 】世帯数が、2014年の4929万世帯から減り続け、4885万世帯となる。平均世帯人員は1995年の2.82人か
ら減り続け、2.49人になる。世帯主が65歳以上の高齢世帯は、1995年の867万世帯から1.98倍の1718万世帯に増え、全
世帯の35%に達する。このうち独り暮らしの世帯は、同期間中に約2.4倍の537万人に増加、全世帯の1割を超える。特
に75歳以上の独り暮らし世帯は92万世帯から約3.3倍の306万世帯に急増する。家族構成別では、
「独り暮らし」が1995
年比29%増の1453万世帯、「夫婦のみ」は同40%増の1069万世帯となる。「夫婦と子供の世帯」は同13%減の1304万
世帯、三世代同居を中心とする「その他一般世帯」は同14%減の597万世帯になる。「親一人と子供の世帯」は49%増
の462万世帯へ急増する。(厚生省国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計」1998.10.22、『日本経済新聞』10.23)
2020. ○【日本 】65歳以上の高齢者が所帯主となる「高齢世帯」が、1718万と全世帯の35.2%を占め、秋田(42.8%)、
山口(42.4%)など7県では40%以上に達する。中でも高齢者の独り暮らし(単独世帯)が、29都道府県で全世帯の1割以
上に達する。世帯主が75歳以上の世帯の数も全世帯の16.9%に増加する。(厚生省国立社会保障・人口問題研究所「都道府県
別世帯数の将来推計」2000.3.17、『毎日新聞』3.18)
2020. ○【日本 】80年サイクルで起こる大凶作の年を迎える。〔過去の大凶作には、1700年頃の元禄時代、1780年頃の
天明時代、1860年の明治維新前、1940年頃の第二次世界大戦前夜、と80年サイクルで現れてきている。〕(元気象庁長官
高橋浩一郎、『朝日新聞』1981.7.22)
2020. ○【日 本 】円安が進行して、この頃、1ドル300円くらいになっている。(浅井 隆『小泉首相が死んでも本当の事を言わ
ない理由(上)』2005.12)
2020. ○【日 本 】市場システムが機能する国、市場主義の原理の下に動く社会になっている。(㈱野村総合研究所 主席研
究員 リチャード・クー、『日本経済新聞』1997.11.10)
2020. ○【日本 】国民医療費が1993年以来年率平均4.7%のペースで増大し、84兆円と1993年の3.5倍に膨らむ。この医
療費を勤労者世代がすべて賄うとすれば、1993年の7.7%から12.1%まで高まる。増加要因は、① 受療率は横ばいだ
が、人口増で患者数が増加した、② 治療日数は減少傾向だが、1日当たり医療費がそれ以上に上昇し、1人当たり医療
費が増加した、などである。(朝日生命『経済月報』、日本経済新聞』1995.11.27)
2020. ○【日 本 】脳卒中の患者が、2006年より15万人増えて287万7000人となり、ピークになる。以後も、手足のまひ
などで介護が必要となる人は2025年まで増え続ける。(厚生労働省・研究班推計。『朝日新聞』2006.8.19)
2020. ○【日本 】社会保障の歳出を維持するために、税や社会保険料の負担は、北欧並みの60%台にまで上げられる。
(日本の未来研究会『大予測――日本の3年後、5年後、10年後』2006)
2020. ○【日本 】小中学校の教員が退職のピークを迎える。さらに年功序列賃金と退職金の支払いによって、教育費は
増大し、教育界を揺るがす「地殻変動」が起きる。また、教員の大量退職にともない、新人の大量採用の時代がやっ
てきて、教員の採用倍率は2∼3倍程度にまで下がり、希望すれば誰でも簡単に教員になることができる。 (日本の未来研
究会『大予測――日本の3年後、5年後、10年後』2006)
2020. ○【日本 】建国記念日を廃止して、国連記念日が制定される。(福島正実「嫌がらせの世代」『月に生きる』1975)
2020. ○【日本 】2010年から始まった国家最優先事業の一つ、生体を冷凍保存するクライオニクス(生命保存)プロジェ
クトで、合成氷遮断剤が発見され、脳細胞を含めた生体全体の氷の形成による損傷を最小限に抑えることが可能にな
る。(「未来新聞」『毎日新聞』2001.1.1)
2020. ○【日 本 】印刷本の売上げが、24年ぶりに上向く。 (永江朗・松田哲夫「「本とコンピュータ」とともに歩んだ四半世紀」
未来年表
− 9 −
遠未来編
『季刊・本とコンピュータ』2001.秋)
2020. ○【 日 本 】この年までに、将棋名人がコンピュータに敗れている。しかし、人間は敗れてもまた強くなってい
る。(静岡大学情報学部講師・人口知能を研究する将棋プロ棋士 飯田弘之、『朝日新聞』1998.5.31)
2020. ○【日本 】人間の生活を助けたり、心を癒すことのできる犬などの動物との対話を支援する装置が開発される。
(科学技術振興機構「第7回文部科学省技術予測調査」2000)
2020. ○【日 本 】国内の高度道路交通システム( ITS)の市場規模は、2005年度の約1.6倍強の7兆3100億円に拡大する。
自動料金収受システム( ETC)や道路交通情報通信システム(VICS)などの普及が市場をけん引する。(㈱三菱総合研究
所、2007.9.20、『日経産業新聞』9.21)
2020. ○【日本 】常温の超伝導体が開発され、住宅用太陽電池が普及、電気自動車が都市交通に利用されている。遺伝
子操作で作物の品種改良が進み、老化やガンの仕組みが解明され、生存率が向上する。家庭では立体テレビが実用化
され、リアルタイムの自動通訳電話が実現する。(科学技術庁、1992年調査、『朝日新聞』1994.12.24)
2020. ○【日 本 】燃料電池の市場が、数十兆円∼100兆円の規模になっている。(木戸次郎『株はあと2年でやめなさい』2004)
2020. ○【日 本 】固体高分子型燃料電池( PEFC)など燃料電池5タイプの燃料電池の市場が、1兆2000億円になる。
PEFCは自動車用と家庭用が最も成長し、合計9500億円市場になる。内訳は、燃料電池電気自動車が30万台で9000億
円、家庭用システムは10万台で500億円。一方、固体酸化物型燃料電池( SOFC)は、2000億円市場に拡大する。これに
超小型燃料電池(マイクロFC、市場規模は30億円)やリン酸型燃料電池( PAFC、同5億円)、溶融炭酸塩型燃料電池
( MCFC、同30億円)が加わり、全体で1兆円を超える。 (富士経済「燃料電池関連技術の市場調査」2004.11、『 Fuji Sankei
Businessi.』11.25)
2020. ○【日本 】大深度地下都市ができている。(BT研究所未来学者 Ian D.Pearson「The Next 20 Years in Technology :
TimelineandCommentary 」『THEFUTURIST』2000.12)
-
2020. ○【中 国 】中国第2の川、黄河が、1972年以来断続的に下流部分が枯れ、河口の渤海まで流れない断流現象が続
いてきたが、ついに完全に枯れて、内陸川になる。(中国科学院、『中国青年報』1998.7.21、『朝日新聞』7.22)
2020. ○【中 国 】平均寿命が76歳になり、1人当たりが受ける教育年数の平均は10年を超える。(中国科学院「2004年中国
持続可能発展戦略」2004.3、『 FujiSankeiBusinessi.』3.4)
2020. ○【中国 】人口が16億人に達する。中国の巨大な胃袋が世界の穀物価格を高騰させ、環境が悪化していく。世界
のエネルギー不足が深刻化する。 (水木 楊『2055年までの人類史』1999)
2020. ○【中国 】総人口が14億6000万人になる。(国家人口計画生育委員会主任 張維慶、2005.11.14、『経済日報』11.16)
2020. ○【中国 】男女の人口差が拡大し、0∼9歳の男児の数が2000年時点で女児より1277万人多かったが、今はその差
が4000万人に達する。結婚適齢期の男の20%が配偶者を見つけられない事態になっている。(国営通信、2004.7.、『朝日
新聞』7.17)
2020. ○【中 国 】全国の高齢者人口が、2005年末の1億4400万人(全人口の11%)から毎年600万人以上の割合で急増
し、2億4800万人(同17%)に達する。 (全国老齢工作委員会、2006、『朝日新聞』12.17)
2020. ○【中国 】国民生活の向上のため、総人口を15億人以下に抑制され、出生環境や男女比率などの問題が解決され
る。社会全体で計画出産文化が確立、国民の自覚的行為としての計画出産が実施され、人口コントロールに対する社
会保障制度の完成を目指す。(国家計画生育委員会主任 張維慶「全国計画出産工作会議」、『中新網』2003.1.8)
2020. ○【中 国 】国内総生産( GDP)を2000年の4倍の35兆7872億4000万元にするという目標を達成し、アメリカ、日本
に次いで世界3位に躍進する。また、都市化率が、2000年の36%から55%に高まり、都市人口は7億5000万人に達す
る。(中国科学院「2004年中国持続可能発展戦略」2004.3、『FujiSankeiBusinessi.』3.4)
2020. ○【中 国 】原油消費が増加して、原油消費に占める輸入の割合が60%に達する。(中国社会科学院「中国エネルギー発
展報告2006」2006.7、『FujiSankeiBusinessi.』7.22)
2020. ○【中国 】世界的にレジャー産業が盛んになり、とりわけ冒険やスリルの提供に努め、人々は異国での体験を求
めるようになった結果、中国が世界でもトップランクの観光目的地になっている。 (Graham T.T. Molitor「The Next 1,000
Years」『THEFUTURIST』1999.12)
2020. ○【中国 】中国への観光客数が、2004年の2倍の2億1000万人に達し、観光収入は3000億ドル(約31兆円)の大台を
超え、世界一の観光大国になる。外貨収入は580億ドル(約6兆円)で、国内の観光収入は2500億ドル(約25兆7500億円)
と総額で3080億ドル(約31兆7000億円)に上る。これら観光収入の国内総生産( GDP)に占める割合は8∼11%となり、
観光が中国の主要産業の一角を占めている。 (観光局観光促進連絡部長 沈恵蓉、2004.11、『FujiSankeiBusinessi.』11.27)
2020. ○【中国 】中国の自動車工業がこの15年間にわたり高度成長を維持し、この年までに世界最大の自動車消費国、
あるいは生産国になっている。自動車生産台数は1400万∼1500万台に達する。 (国務院発展研究中心産業経済研究部研究員
憑飛「中国経済展望フォーラム」2005.10.29、『日中グローバル経済通信』11.2)
未来年表
− 10 −
遠未来編
2020. ○【中 国 】上海市が、高さ492 mの超高層ビル「上海環球金融中心(上海国際金融センター)」を完成し、香港
との連携を深め、国際金融センターの機能を整える。(上海市「上海国際金融センター建設推進の行動要綱」2004.2、『 Fuji
SankeiBusinessi.』3.1)
2020. ○【中国 】この年までに、人工衛星を使ったインターネット産業が育成され、総合的な国力増強に結びついてい
る。(政府「宇宙白書」2000.11.22)
2020. ○【ロ シ ア 】2016年からこの年にかけて、火星有人探査を実施する。(ロシア科学アカデミー生物医学問題研究所所長
グリゴリエフ、「イタル・タス通信」『朝日新聞』2001.4.20)
2020. ○【ヨ ー ロ ッ パ 連 合 】この頃、ユーロ(EURO)域内の人口は約5億人となり、経済規模はアメリカを大きく上回
っている。ユーロは、統合促進のテコとなり、ヨーロッパ連合(EU)の国家としての成長を助長している。(東北大学大
学院教授 田中素香「ユーロとユーロ圏」『これからどうなる21』2000)
2 0 2 0 . ○【ド イ ツ 】65歳以上の高齢者人口が、2000年の16%から20%にまで増加している。 ( M. J. Cetron, O. Davies
「TrendsNowChangingthe World: Emmons andSociety, Valuesand Concerns, Energy and Environment」『THEFUTURIST』2001.12)
-
2020. ○【イ ギ リ ス 】社会主義の独裁下にあって、人々は、怠惰、アルコール、倦怠に打ち沈んでいる。(ホレイス・ニ
ュート『ザ・マスター・ビースト』1907、ジョルジュ・ミノワ『未来の歴史』1996、菅野賢治・平野隆文訳、2000)
2020. ○【イ ギ リ ス 】ラドルフボォイルが、基礎英語の学び方を案出する。この頃、英語を話すことも理解すること
·
もできない人は世界中ほとんどいなくなる。 (H.G.ウェルズ『世界はこうなる』1933、谷川徹三訳、1958)
2020. ○【ア メ リ カ 】この10年の間、アメリカの大平原地帯に22年周期の干害がやってきている。レーザーによる地表
水の管理や、精巧な雲発生機などの先端技術による保護システムが、干害の影響を緩和し、干害の影響は小さくなっ
ている。 (マイケル・エデルハート、ジョフリー・ゴルソン「未来カレンダー」『近未来情報事典』1984)
2020. ○【ア メ リ カ 】総人口の40%がマイノリティーとなっている。(Coates & Jarratt Inc.コンサルタントJohn Mahaffie,
『THE FUTURIST』1995.1112)
ヒスパニックが最大のマイノリティーで16%を占め、次いでアフリカ系アメリカ人が約
14%を占める。(「TheOpportunityCentury :50 PathstoSuccessinthe 21st Century」『THEFUTURIST』2000.12)
2020. ○【ア メ リ カ 】65歳以上の高齢者人口が、2000年の12.4%から16%以上に増加している。 (M. J.Cetron, O .Davies
「TrendsNowChangingthe World: Emmons andSociety, Valuesand Concerns, Energy and Environment」『THEFUTURIST』2001.12)
-
2020. ○【ア メ リ カ 】日常生活で入浴や料理、洗濯や着付けなどの助力を必要とする老人が、2000年の650万人から倍
増する。 (SamL. Ervin「FOURTEENFORECASTSforanAgingSociety 」『THEFUTURIST 』2000.1112)
2020. ○【ア メ リ カ 】高齢のベビーブーマーたちが介護システムにどっと参入し始めるため、看護師が51万5000人不足
する。( Marvin J.Cetron, Owen Davies「TrendsShapingtheFuture:Economic、Societal , and EnvironmentalTrends 」『THEFUTURIST』
2003.12)
-
2020. ○【ア メ リ カ 】100歳以上の老齢者数が、女18万1000人、男3万3000人になっている。(イアン・ピアスン編『マクミ
ラン 近未来地球地図』1998、東京書籍、1999)
2020. ○【ア メ リ カ 】この年までに、国民は大統領選でアフリカ系アメリカ人の女性を選んでいる。そして彼女はマイ
ノリティーの人物を、裁判長や連邦準備制度理事会といった要職に任命している。 ( NatIrvin Ⅱ、『THEFUTURIST 』2001.
1112)
-
2020. ○【ア メ リ カ 】紙の新聞が、都市部で発行されなくなる。新聞は速報性や情報量でインターネットに劣るため、
特に若い独身者が多い都市部では、紙の新聞を発行してもペイしなくなる。(電子書籍システム財団(EDSF )「ウェブとその
後の時代における印刷」、青木日照・湯川鶴章『ネットは新聞を殺すのか―変貌するマスメディア』2003)
2020. ○【ア メ リ カ 】宇宙に建設要員として600人を送り、原子力発電所5基分にあたる出力500万kWの発電衛星60基を
宇宙に建設し、宇宙太陽発電を実用化する。これにより、ほぼ全アメリカの電力をまかなう。 (アメリカ航空宇宙局
(NASA)・エネルギー省計画、1980、『朝日新聞』2001.9.12)
2020. ○【ア メ リ カ 】遺伝子工学の技術で作られた最初のイヌの品種が、この10年の間に、アメリカ愛犬クラブによっ
て認定されている。(マイケル・エデルハート、ジョフリー・ゴルソン「未来カレンダー」『近未来情報事典』1984)
2020. ○【ア メ リ カ 】コンピュータやマルチメディア技術による在宅教育やインタラクティブ教育技術が急成長する。
多くの学校や大学で、倒産、閉鎖、縮小、レイオフなどが生じ、教職はあらゆるレベルで危機にさらされる。(ジェラ
ルド・セレンティ、1997、飯田雅美訳『文明の未来』1998)
2020. ○【ア メ リ カ 】ハリウッドでは、CG(コンピュータ・グラフィックス)が日常のものになっており、往年の名優ハ
ンフリー・ボガートとジュリア・ロバーツが共演する映画も製作されている。 (「2020年のライフスタイル大予測」
『PLAYBOY 』2001.3)
未来年表
− 11 −
遠未来編
2021
2021. 1 . − ○ 【 中 東 】イランが、猛毒のVXガスミサイルをイスラエルのテルアビブに打ち込む。イスラエルは、イラ
ンの首都テヘランを核攻撃する。 (水木 楊『2055年までの人類史』1999)
2021. 2 . − ○ 【 中 国 】広東が、北京からの独立を宣言する。続いてチベット、新彊ウイグル両自治区も独立する。中
国が、華南、長江、北京、東北、沿海の5共和国に解体する。(水木 楊『2055年までの人類史』1999)
2021. 4. 1 木 【日 本 】女子の特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢が62歳に引き上げられる。(改
正年金法、2000.3)
2021. 4 . − ○ 【 朝 鮮 半 島 】中国・吉林省と北朝鮮から難民が韓国へ大量流入する。収拾がつかず、韓国軍は治安維持
のため北朝鮮軍の手も借りて共同作業に当たる。気がついて見れば、両軍はいつの間にか統一してしまい、南北が事
実上統一される。(水木 楊『2055年までの人類史』1999)
2 0 2 1 . 1 0 . − ○ 【 中 東】第5次中東戦争が、欧米諸国の調停を経て、終結する。戦争中にイランによる化学兵器、イスラ
エルによる戦術核の使用により、戦火が消えても人間の住めそうもない汚染された空間が残される。(水木 楊『2055
年までの人類史』1999)
2021. ○【宇宙 】火星に、最初の人間が降り立つ。(ArthurC. Clarke 『Greetings ,Carbon-BasedBipeds!CollectedEssays 1934−
1998』1999、『 THE FUTURIST』2000.34)
人類が火星に立っている。(航空宇宙局( NASA)前長官 ゴールディン、2001.5、『朝日新
聞』2003.1.8)
2021. ○【宇 宙 】地球から遠く離れた小惑星をつぶさに調査する目的で、地球型惑星調査(ETPS)と呼ばれる計画の第
3回ミッション「ETPS3」が開始され、探査機が打ち上げられる。 (ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧
する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2021. ○【世 界 】毎週、千種近くの生物が絶滅している。環境団体「ライフ・ウォッチ」が発表した調査結果による
と、鳥類の14%、哺乳類および両生類の29%、魚類の41%が、人間の身勝手な行為のために絶滅の危機に瀕してい
る。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2021. ○【世 界 】石油や石炭などの化石エネルギー資源の大部分が、再生可能な新エネルギーで代替される。(科学技術
庁科学技術政策研究所、フラウンホーファー協会システム技術革新研究所「日独技術予測調査」1995、『日本経済新聞』1996.12.2)
2 0 2 1 . ○【世 界 】超伝導材料が電気機器に使用され、性能が改善される。(ジョージワシントン大学教授 W. E. Halal
「TheTop 10 EmergingTechnologies」『THEFUTURIST』2000.78)
-
2021. ○【世 界 】合成で作られた人工臓器や人工細胞が、日常的に使用されるようになる。(ジョージワシントン大学教授
W. E. Halal「TheTop 10 EmergingTechnologies」『THEFUTURIST』2000.78)
-
2021. ○【世 界 】分子結合の中に情報を蓄積するバイオチップが、商業的に使用可能になる。(ジョージワシントン大学教
授 W. E . Halal 「The Top 10 EmergingTechnologies 」『THEFUTURIST』2000.78)
-
2021. ○【世界 】ヒトの細胞をコンピュータでシミュレーションできるようになっている。薬を開発する過程でもその
安全性や効果をまずコンピュータでシミュレーションするのが常識になっている。(ソニーコンピュータサイエンス研究所
シニアリサーチャー 北野宏明「システム生物学なるものを私が提唱した理由」『日経バイオビジネス』2001.12)
2021. ○【日本 】乗用車の国内保有台数が、2017年に6018万台のピークに達して以後は、人口減に加え、運転しなくな
る高齢者の増加によって、6000万台に落ち込む。((社)日本自動車販売協会連合会・㈱三菱総合研究所、2006.12.28、『東京新
聞』12.29)
2021. ○【イ ン ド 】60歳以上の高齢者人口が、1991年の5600万人から1億3700万人にまで増加している。( M. J. Cetron,
O. Davies「TrendsNowChangingtheWorld:EmmonsandSociety , ValuesandConcerns, Energy and Environment 」『THEFUTURIST』
2001.12)
-
2021. ○【ド イ ツ 】20年前には19基あった国内の原子力発電所が、この年までに全廃される。(脱原発法、連邦参議院可
決、2002.2.1、『朝日新聞』2.2)
2022
2022. 4. 1 金 【日 本 】男子の特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢が64歳に引き上げられる。(改
正年金法、2000.3)
2 0 2 2 . 1 0 . − ○ 【 ア メ リ カ】イリノイ州選出の共和党上院議員ニコラス・クリストファー(42)が、2年後の大統領選挙出
馬を表明し辞職し、アメリカ再建プランを発表する。(水木 楊『2055年までの人類史』1999)
未来年表
− 12 −
遠未来編
2022. ○【宇宙 】地球周辺の宇宙旅行事業が実現する。(科学技術庁技術予測、1997.7.10)
2022. ○【火星 】有人の火星探査機が、無事火星の表面に着陸する。 (ジョージワシントン大学教授 W. E . Halal 「The Top
10 EmergingTechnologies」『THEFUTURIST』2000.78)
-
2022. ○【火星 】いくつかの研究所が、火星から持ち帰ったサンプルの成分を分析していたところ、化石がはっきりと
確認される。かつては火星に生命が存在したことが初めて立証される。アポロの月面着陸以来の大事件となったこの
発見で、火星探査の新時代が幕をあける。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋
知子・対馬 妙訳、2003)
2022. ○【世界 】世界のCO2排出量が1990年に比べて20%減少する。(科学技術庁技術予測、1997.7.10)
2022. ○【世界 】常温の超伝導体が開発される。(文部科学省科学技術政策研究所「技術予測調査」2001.7.17)
2022. ○【世 界 】遺伝子の相違により、治療への指針が与えられる。(ジョージワシントン大学教授 W. E . Halal 「The Top
10 EmergingTechnologies」『THEFUTURIST』2000.78)
-
2022. ○【世 界 】分子結合の中に情報を蓄積するバイオチップが、商業的に使用可能になる。(ジョージワシントン大学教
授 W. E . Halal 「The Top 10 EmergingTechnologies 」『THEFUTURIST』2000.78)
-
2022. ○【イ ス ラ エ ル ・ パ レ ス チ ナ 】ヨーロッパ連合( EU)の連合議長になって2年になる、イギリスの政治家マーティ
ン・ハンプシャーに尽力により、イスラエルとパレスチナの間に和平協定が結ばれる。その結果、イスラエルは格段に
安全な国となり、パレスチナ人は長年求めていた自分たちの国をついに手にすることができる。(ジェントリー・リー&マ
イクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2022. ○【ア メ リ カ 】火星に生命が存在したことが初めて立証されたことから、政府が、火星探査に資金を投じること
を決定する。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2023
2 0 2 3 . 1 0 . − ○ 【 日 本】華麗な生活を排しリサイクルを推進する「自制の文明」実現を目指す高遠志郎(46)率いる「日
本自制党」が、結党以来3度目の総選挙で、過半数を征する。(水木 楊『2055年までの人類史』1999)
2023. ○【宇 宙 】地球から66光年かなたの「とけい座イオタ星系の巨大惑星」のE.T.からのメッセージを5年前に解読
し、彼らが環境問題に言及していないことがわかる。そこで、地球環境が直面しているさまざまな映像と共に、それ
に対する意見を求めるメッセージをイオタ星系惑星に送る。(NHK 解説委員 高柳雄一「E. T. 22世紀に届くメッセージ」『21
世紀大予測』1999)
2023. ○【世 界 】マグニチュード7以上の大地震発生を数日前に予測することが可能になる。〔1988年予測では2007
年、1992年予測では2010年だった。〕(科学技術庁技術予測調査、1997.7.10)
2 0 2 3 . ○【 世 界 】コンピュータで生成されたDNAによって、恐竜とそっくりの複製が作られる。( Arthur C. Clarke
『Greetings ,Carbon-BasedBipeds!CollectedEssays 19341998』1999、『
THEFUTURIST』2000.34)
-
2023. ○【世界 】人間の脳の推論の仕組みが解明される。(科学技術庁技術予測調査、1997.7.10)
2023. ○【世 界 】超音速飛行機が、大洋横断航路の大部分に就航している。(ジョージワシントン大学教授 W. E. Halal
「The Top 10 Emerging Technologies 」『THEFUTURIST』2000.78)
-
2023. ○【日本 】年金の給付額が、月額5万6000円(2006年価値)まで下がる。 (改正年金法、2004)
2023. ○【日 本 】若者のeブック離れが問題になる。(永江朗・松田哲夫「「本とコンピュータ」とともに歩んだ四半世紀」『季刊・
本とコンピュータ』2001.秋)
2023. ○【ニ ュ ー ジ ー ラ ン ド 】自国のデータベース・バンクに、各人の遺伝子特性データを登録することが法律で義務
づけられる。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2023. ○【ヨ ー ロ ッ パ 連 合 】ニュージーランドに続いて、ヨーロッパ連合でもデータベース・バンクに遺伝子特性デー
タを登録することが法律で義務づけられる。こうして、グローバルDNAデータバンク( GDD)が構築され始める。(ジェ
ントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2024
2024. 4. 1 月 【日 本 】女子の特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢が63歳に引き上げられる。(改
正年金法、2000.3)
2 0 2 4 . 1 1 . − ○ 【 ア メ リ カ】元共和党上院議員ニコラス・クリストファー(44)が、大統領選で当選する。(水木 楊『2055
年までの人類史』1999)
未来年表
− 13 −
遠未来編
2 0 2 4 . 1 1 . − ○ 【 ア メ リ カ】大統領選で、初の有色人大統領、黒澤一朗(48)がホワイトハウス入りする。世界のクロサ
ワと同姓、かつて大リーグで首位打者を取り続けたイチローと同名である。人口1億2000万人の日本州は、大統領選挙
人740名中202人を擁しており、大統領を送り込むにはなお169名を必要としたが、全米のヒスパニック系、それにアジ
ア系の票と連携することに成功したのである。(水木 楊「二〇〇七年「合衆国日本州」誕生す」『文藝春秋』 2002.5)
2024. ○【宇宙 】銀河系からやってきた赤外線信号が検知される。それは、明らかに技術的に進んだ文明から発信され
たものであることが分かる。(Arthur C. Clarke『 Greetings ,Carbon-Based Bipeds! Collected Essays 19341998』1999、『
THE
FUTURIST』2000.34)
-
2024. ○【世界 】人口が85億人になる。 (「ジオカタストロフィ研究報告」『CEL』Vol.18,1991.11)
2024. ○【世界 】食糧は、総量では辛うじてバランスがとれているものの、地域別・品種別に見ると、需給が逼迫し、
国際価格が高騰するものが現れる。人口の増加とともに、貧困国の飢餓も一層深刻化する。(「ジオカタストロフィ研究
報告」『CEL』Vol.18,1991.11)
2024. ○【世界 】大都市では、過密化が進み、都市機能のマヒ、ゴミの氾濫、飲料水の不足、治安の悪化が目立ってく
る。(「ジオカタストロフィ研究報告」『CEL』Vol.18,1991.11)
2024. ○【世界 】M7以上の地震が数日前に予測可能になる。(文部科学省科学技術政策研究所「技術予測調査」2001.7.17)
2024. ○【世 界 】太平洋を3∼4時間で横断する超音速旅客機が開発される。(文部科学省科学技術政策研究所「技術予測調査」
2001.7.17)
2024. ○【世界 】人間の感情を理解・共有できる人工知能チップが開発される。(科学技術庁技術予測、1997.7.10)
2024. ○【日本 】目の不自由な高齢者向けに人工眼ができる。(長寿科学振興財団、デルファイ法による未来予測、1995)
2024. ○【 日 本 】出版界で、過剰装飾本が批判の対象になる。作家名よりプロデューサー名で本が買われるようにな
る。(永江朗・松田哲夫「「本とコンピュータ」とともに歩んだ四半世紀」『季刊・本とコンピュータ』2001.秋)
2025
2025. 1 . − ○ 【 日 本】首相高遠志郎(47)が、日本の核武装を決定する。(水木 楊『2055年までの人類史』1999)
2025. 1 . − ○ 【 ア メ リ カ 】ニコラス・クリストファー(44)が、大統領に就任する。以後、麻薬所持の禁止など、「自制
の文明」を訴えて、次々と規制策を実施する。大統領特別補佐官にフランク・コンラッド(56)が任命される。(水木 楊
『2055年までの人類史』1999)
2025. 3.23日 【世 界 】コンピュータのすべてのファイルをサンスクリット語に変える「グレイト・サンスクリット」
というコンピュータ・ウイルスが、オーストラリアのコンピュータを攻撃する。たちまち世界中に広がり、3時間もし
ないうちに世界のネットワークの10%を破壊する。文明そのものが脅かされる。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト
『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2025. 4. 1 火 【日 本 】男子の特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢が65歳に引き上げられる。(改
正年金法、2000.3)
2025. 5 . − ○ 【 ド イ ツ】総選挙で自由党が勝利する。ヘルムート・ザイデル(65)が首相となる。 (水木 楊『2055年までの
人類史』1999)
2025. 7 . − ○ 【 ア フ リ カ】飢餓が激化する。アフリカ大陸は餓死大陸と化す。(水木 楊『2055年までの人類史』1999)
2 0 2 5 . 1 2 . − ○ 【 日 本】合計特殊出生率が1.25となる。(水木 楊『2055年までの人類史』1999)
2025. ○【宇 宙 】宇宙につくられた工場で、商業的生産が行われるようになる。(BT研究所未来学者 Ian D.Pearson, Ian
Neild「BTexact TechnologyTimeline」『THEFUTURIST』2002.78)
-
2025. ○【火 星 】有人宇宙船が火星に着陸し、無事に帰還する。(文部科学省科学技術政策研究所「技術予測調査」2001.7.17)
2025. ○【世界 】人口が82億9000万人に達する。(国連人口基金『世界人口白書 1995年版』)
2025. ○【世界 】人口が80億人に達する。(アメリカ商務省「世界人口動態報告」1999.1)
2025. ○【世界 】労働年代の人口が50億人に達する。〔1990年は30億人。〕(David E. Bloom, Adi Brender“Labor and the
EmergingWorldEconomy" 『THEFUTURIST』)
2025. ○【世界 】人口増大の結果、水不足に直面する人の数が、1998年の約5億人から5倍以上の約28億人に増大する。
途上国を中心に48ヵ国で水不足が深刻化し、河川や湖の利用権をめぐり国家間や地域の武力紛争が頻発する。(ジョン
ズ・ホプキンズ大学、1998.8.26、『日本経済新聞』(夕)8.27)
2025. ○【世界 】10億人もの人々が、絶対的な水不足の脅威にさらされている。中国やインドなどでは、工業用水や飲
料水を確保するために、農業用水を削減しなければならない状態になっている。(「A Dozen Millennium Forercast from
THEFUTURIST」『FUTURTIMS』1999.秋)
未来年表
− 14 −
遠未来編
2025. ○【世界 】水の需要量が1995年に比べて37.5%増える。世界的に水不足が深刻化し、30億人が水不足に見舞われ
る。(21世紀に向けた世界水委員会「世界水ビジョン」勧告案、 1999.10.24、『東京新聞』10.25)
2025. ○【世界 】世界人口が急増したため、人間ひとりが利用できる水の量が減少する。20世紀末にはひとり当たりの
飲用水の量が7500立方メートルを下回ったが、今や、危機的な状況を招きかねないとかねて専門家が指摘していた数
値である5000立方メートル以下にまで落ち込んでいる。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全
史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2025. ○【世界 】世界の平均寿命が、1997年の65歳から73歳に伸びている。感染症などによる50歳未満の“早すぎる死
”がこの50年間に半減した結果、65歳以上の人口が、1997年の3億9000万人から8億人に増え、全体の10%に達する。
平均寿命が50歳以下の国はなくなっていて、日本、スウェーデン、イタリア、アイスランドは82歳の最高齢グループ
を形成している。この頃、人類に忍び寄っている危険は、「生活スタイル」になり、世界の糖尿病患者は、1997年の1
億4300万人から3億人に倍増している。 (世界保健機関(WHO)「世界保健報告」1998.5.11)
2025. ○【世 界 】教育と通信技術に経験豊かなほぼ1億人の人々は、長距離通信網を介して遠く離れた土地へバーチャ
ルな“移民”をして仕事をしている。こうした人たちの多くは、複数の国や場所でサービスを提供し、真の意味 st
Century」『THEFUTURIST』2000.12)
-
2025. ○【世界 】先進国では、ロボットの数が人口を上回っている。(BT研究所未来学者 Ian D. Pearson「TheNext 20 Years
in Technology :TimelineandCommentary」『THEFUTURIST』2000.12)
-
2025. ○【世 界 】この年までに、喫煙人口が約16億人に達する。〔1999年には、世界で約11億人が喫煙しており、以
後、途上国を中心に毎日8万∼10万人の若者が喫煙常習者になる。〕(世界銀行、1999.5.18、『夕刊読売新聞』5.19)
2025. ○【世界 】人工末梢神経が使用されるようになる。また、人工脚が登場する。(BT研究所未来学者 Ian D .Pearson,
IanNeild「BTexact TechnologyTimeline」『THEFUTURIST』2002.78)
-
2025. ○【 世 界 】遺伝子医学が発達して、遺伝子異常に起因する4000もの異常の疾患が治療の対象となっている。ま
た、遺伝子の欠陥を持った胎児は、出産前に治療される。 (Coates, Mahaffie, andHines 『THEFUTURIST』1997.910)
2025. ○【世 界 】ほとんどの先天的障害の治療に、遺伝子治療が施されるようになる。(ジョージワシントン大学教授 W.
E. Halal「The Top 10 Emerging Technologies」『THEFUTURIST』2000.78)
-
2025. ○【世界 】2020年代に入り盛んになってきたスーパーエクササイズによって、スポーツ界で驚異的な世界記録が
続出する。陸上男子百メートルでは、アメリカのハリー・レッグが8秒51秒をマークする。(「未来新聞」『毎日新聞』2001.
1.1)
2025. ○【世界 】この年以後、精神的にはコスモポリタンでありながら、存在的に国民国家にこだわる人々と、この逆
の組み合わせが併存するような時代になる。 (東京大学教授 山内昌之「なぜ民族は闘うのか」『波』1996.12)
2025. ○【世 界 】思考力のあるネットワークが、互いに協同しようとしなくなる。(アーリントン協会 John L. Petersen
「OutoftheBlue」、『THEFUTURIST』2002.78)
-
2025. ○【世 界 】レーザー光線を利用して立体的画像をつくるホログラフィックなテレビが実用化される。(BT研究所
未来学者 Ian D.Pearson, Ian Neild「BTexactTechnologyTimeline」『THEFUTURIST』2002.78)
-
2025. ○【世 界 】人工現実感(VR)が、育児ホームで人気のある娯楽になっている。(BT研究所未来学者 Ian D.Pearson,
IanNeild「BTexact TechnologyTimeline」『THEFUTURIST』2002.78)
-
2025. ○【世界 】コンピュータが生活の隅々にまで入り込んで、自動化が大幅に進み、人々はコンピュータとして意識
することはなくなっている。(マサチューセッツ工科大学コンピュータサイエンス技術研究所長 Michael Dertouzos、ZDNet、2000.
1.13)
2025. ○【世界 】人間にわかりやすいインタフェースを備えた高性能コンピュータができている。また、人間の能力に
匹敵する文書の創造性を持った人工知能が登場している。 (Chris Winter:BT Technology Calender,1997、イアン・ピアスン編
『マクミラン 近未来地球地図』1998、東京書籍、1999)
2 0 2 5 . ○【 世 界 】人工頭脳の論客たちが登場する。( BT研究所未来学者 Ian D. Pearson, Ian Neild「 BTexact Technology
Timeline」『THEFUTURIST』2002.78)
-
2025. ○【世 界 】アメリカの技術家・デザイナー・建築家フラー(1895∼1983)が1世紀前に着想したような、全体とし
て自己充足でリサイクル可能な移動式家屋が完成する。(Arthur C. Clarke『Greetings,Carbon-Based Bipeds! CollectedEssays
19341998』1999、『
THEFUTURIST』2000.34)
-
2025. ○【世界 】高速増殖炉が実用化される。(科学技術庁技術予測調査、1997.7.10;GrahamTTMolitor
. .
「The Next 1,000 Years」
『THEFUTURIST』1999.12 )
2025. ○【世界 】改良型燃料電池が商業化される。また、水素による最初の熱核融合炉が稼働を始める。(Graham T. T.
Molitor 「The Next 1,000 Years」『THEFUTURIST』1999.12)
未来年表
− 15 −
遠未来編
2025. ○【世 界 】反陽子・反中性・反電子の反粒子から構成される反物質の生産と貯蔵が可能になる。(BT研究所未来学
者 IanD. Pearson, IanNeild「BTexactTechnologyTimeline」『THEFUTURIST』2002.78)
-
2025. ○【世 界 】アメリカが唯一の経済大国ではなくなっている。GDPの1位は中国で25兆1550億ドル、アメリカは2
位で18兆8810億ドル、3位はEU(ヨーロッパ連合)の13兆9930億ドル、4位はインドの9兆8080億ドル、5位は日本の4兆5
920億ドルの順になっている。(世界銀行、『ニューズウィーク 日本版』2004.12.292005.1.5)
2025. ○【世界 】アメリカ空軍の海外での配備は削減され、世界の紛争地帯への空軍力投入は主としてアメリカ本土か
ら行われるようになる。(アメリカ空軍『地球規模の関与―21世紀の空軍ビジョン』1996.11.21、『INSIDER』1996.12.1)
2025. ○【日 本 】65歳以上の人口が3312万人(総人口の27.4%)になる。(厚生省、国立社会保障人口問題研究所「将来推計人
·
口」1997.1.21)
2025. ○【日本 】65歳以上の人口が30%になり、医療費の負担増で、有能な若い人はどんどん海外に脱出する。日本の
医療制度や年金制度は完全に破綻する。(一橋大学教授 鴇田忠彦「「世紀末」はこうなる」『週刊現代』1997.10.25)
2025. ○【日本 】65歳以上の高齢者が3240万人になる。うち、16%の520万人がなんらかの介護を必要とし、260万人が
虚弱、230万人が寝たきり、40万人が要介護の痴呆性である。(厚生省資料、通商産業省『高齢社会対応型産業の研究』1997)
2025. ○【日本 】高齢化がピークを迎え、以降長い超高齢化社会の時代に入る。この頃、結婚もしないまま都会に一人
住み、社会と何のつながりもなく暮らしている高齢者が相当な数に上っている。(日本の未来研究会『大予測――日本の3年
後、5年後、10年後』2006)
2025. ○【日 本 】年金受給者1人を1.8人の現役世代が支える時代になる。 (国立社会保障・人口問題研究所推計、『大予測――
日本の3年後、5年後、10年後』2006)
2025. ○【日本 】団塊の世代全員が75歳以上の後期高齢者になる。この年、要介護認定を受ける高齢者が、2006年度の
1.7倍の780万人に上る。65歳以上に占める要介護者の割合も2006年度の18.4%から22.3%に上昇、介護保険給付費は
2.6倍の17兆円にまで膨らむ。(厚生労働省推計、2006.11.14、『東京新聞』11.15)
2025. ○【日本 】高齢化にともなって、手足のまひなどで介護が必要となる人が増え続け、脳卒中の再発による悪化な
どを含めて、介護が必要となる患者が177万5000人(2005年比17万人増)で最多となる。(厚生労働省・研究班推計、『朝
日新聞』2006.8.19)
2025. ○【日 本 】円安がさらに進行して、この頃、1ドル400∼600円という水準まで進行している。 (浅井 隆『小泉首相が
死んでも本当の事を言わない理由(上)』2005.12)
2025. ○【日 本 】昭和100年祭を盛大に祝う。東京万国博EXPO'25が開催される。新体制を目ざす老人が蜂起し、明治
憲法、紀元節を復活させ、国会を解散し、翼賛議会をつくる運動をくりひろげる。(福島正実「嫌がらせの年代」『月に生
きる』1975)
2025. ○【日本 】省エネルギー技術の進歩と環境意識の高まりで、環境関連ビジネスの市場規模が2000年の2.5倍の103
兆円、雇用も2倍の222万人に成長している。 (『環境白書』2004年版、2004.5)
2025. ○【日本 】再生紙を使った文房具などの環境配慮型商品を購入する人(グリーン消費)の比率が、2002年の31%
からは80%まで増える。環境に配慮した製品やサービスを手がける環境誘発型ビジネスの市場規模が、2000年比で3倍
の100兆円以上、200万人以上の雇用を生む。さらに環境保全に努める人の割合が、2001年の20%から50%以上に、年
に10日以上を自然の中で過ごす人の割合も50%以上になる。(環境省「環境と経済の好循環ビジョン」2004.4、『Fuji Sankei
Businessi.』4.19)
2025. ○【日 本 】一家に1台のロボット社会が始まる。(産業技術総合研究所知能システム研究部門ヒューマノイド研究グループ長
比留川博久、『Agora 』2001.8)
2025. ○【日 本 】家事や医療、防災など人間の生活を支援するロボットの関連市場規模が、年間約7兆2000億円に達す
る。家事や在宅介護の労働代替やペットロボットなどで3兆3000億円、医療施設向けで9300億円、電気・鉄道の保全作
業などで5500億円に拡大、これらのロボット本体だけで4兆7850億円となる。また、周辺市場は、ソフトウエアや部品
販売で2245億円、中古ロボット販売で960億円、安全講習など教育事業で420億円の計2兆3830億円に達する。 (経済産業
省製造産業局長の懇談会「次世代ロボットビジョン懇談会」2004.3.2、『FujiSankeiBusinessi.』3.3)
2025. ○【日本 】ドライバーがいなくてもボタンひとつで目的地に着けるフルオート自動車が実用化する。高速道路の
通行予約システムも実用化する。(次世代道路情報システム構想、「第1回 ATT& IVHS世界会議」1994.11、『牧野昇の近未来超イメ
ージ館』1995)
2025. ○【日 本 】この年までに、首都圏と中京圏を結ぶリニアモーターカーが営業運転を開始している。(東海旅客鉄道
㈱(JR東海)社長松本正之、2007年3月期連結決算発表記者会見、2007.4.26、『日本経済新聞』4.27)
2025. ○【 朝 鮮 半 島 】統一朝鮮が実現し、中規模の国家になる。すでに金正日の政府は権力闘争のため瓦解してしま
い、崩壊は情け容赦のないものだったが、北から南への自由な旅行は15年間実現されなかった。 (ワン・チャン、1993、
未来年表
− 16 −
遠未来編
「2150年までにアジアで起きたこと」『GLOBALBUSINESS』1993.11)
2025. ○【中 国 】経済成長が著しく、1987年以来年率平均9%で伸びて、アメリカやドイツなどの大国を凌いで世界最
大の経済大国になっている。(OECD、 『THEFUTURIST』1997.910)
2025. ○【中国 】世帯年収が4万元∼10万元という比較的裕福な中間層が、都市部で人口の59.4%にあたる5億2000万人
に達する。2万5000元∼10万元の広義の中間層は79.2%に達し、幅広い国民が〝中流意識〟を共有する。2005年にはわ
ずか0.5%だった10万元以上の一般富裕層が7.7%に、同0.1%で20万元以上の富裕層は3.3%に増え、合わせて11%が
広義の富裕層になる。この時、年間個人消費は20兆元という20年前の日本の個人消費に匹敵する規模に達する。(マッ
キンゼー・グローバル・インスティチュート( MGI)「中国の中間層出現の価値」2006.8、『FujiSankeiBusinessi.』8.19)
2025. ○【中 国 】この頃、一大自動車産業国になっている。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世
紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2025. ○【中国 】エネルギー消費が増大し、排出する二酸化炭素や亜硫酸ガスの量が、アメリカ、日本、カナダの合計
値よりも大きくなる。 ( Marvin J. Cetron, Owen Davies「Trends Shaping the Future: Economic、Societal, and Environmental
Trends」『THEFUTURIST』2003.12)
-
2025. ○【シ ン ガ ポ ー ル 】1993年5月にシンガポール・コンベンションセンターが開所したのを記念して、2025年と2150
年にアジアがどうなっているか、予測を募集して応募作がタイムカプセルに保管された。その2025年分の封印が解か
れ、実際の状況に最も近い予測をした者の指定された子孫に10kgの金の延べ棒が贈られる。(「2150年までにアジアで起き
たこと」『GLOBALBUSINESS』1993.11)
2025. ○【ベ ル ギ ー 】この年までに原子力発電所を全廃する。(閣議決定、エネルギー開発庁長官 ドゥルーズ、2002.3.1、『朝
日新聞』(夕)3.2)
2025. ○【ア メ リ カ 】長寿化と一層健康的な生活により、退職年齢は70歳にまで引き上げられている。(Graham T. T.
Molitor 「The Next 1,000 Years」『THEFUTURIST』1999.12)
2025. ○【ア メ リ カ 】全国の埋立てゴミ処理地の70%が満杯になる。(環境保護局(EPA)、Marvin J .Cetron, Owen Davies
「TrendsShapingtheFuture:Economic 、Societal, andEnvironmentalTrends 」『THEFUTURIST』2003.12)
-
2025. ○【ア メ リ カ 】税の申告と国税庁の監査が電子的に行われる。コンピュータ投票とオンライン国勢調査はすでに
先進国で普通に実施されている。 (Coates 、『THEFUTURIST』1994.78)
2025. ○【ア メ リ カ 】インターネットによる仮想大学が増えて遠隔授業が広がる一方、学位を取る伝統的な高等教育機
関は減少し続け、過去のものになりつつある。25年前にあった公立カレッジの約10%、私立カレッジの半数は、閉鎖
か合併し、あるいはその運営目的を著しく変えている。(SamuelL. Dunn「TheVirtualizingofEducation」『THEFUTURIST 』
2000.34
- )
2025. ○【ア メ リ カ 】「保健キオスク」が、地方のショッピングセンター内に設置される。健康カードを差し込むだけ
で瞬時にモニター上に看護婦や医師が現れて診察や診断が行われ、適切な処置が施される。患者はもはや救急や診断
のために病院に行かなくても済むようになる。(アメリカ空軍少佐・医療部隊幹部 James O .wooten「Health Care in 2025」
『THEFUTURIST』2000.78)
-
2026
2026. 1 . − ○ 【 ア メ リ カ 】アメリカ航空宇宙局( NASA )が、史上最大規模の科学プロジェクトとして、火星探査船
「ディスカバリー号」の建造を発表する。組み立ては、国際宇宙ステーションに増築された区画で行う予定で、打ち
上げは2034年とされる。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2026. 1 . − ○ 【 ア メ リ カ 】大統領クリストファー(45)が、予算教書で「アメリカ浄化のための新政治ネットワークの
構想」を提案し、議会に500億ドルにのぼる巨額の予算を認めさせる。貧困層にもパソコンを供与し、ホワイトハウス
と全国のパソコンをイントラネット「クリントラネット」でつなぐ。「浄化プラン」に同調しない国民は最低限の行
政サービスのみを受けるが、政治に参加する機会は失う。 (水木 楊『2055年までの人類史』1999)
2026. 8 . 5水 【世 界 】地上は火に包まれて廃墟と化す。(レイ・ブラッドベリ『火星年代記』1950、小笠原豊樹訳)
2 0 2 6 . 1 0 . − ○ 【 火 星】地球文明を嫌った一家族が、新しい火星移住第1号となる。(レイ・ブラッドベリ『火星年代記』1950、
小笠原豊樹訳)
2 0 2 6 . 1 1 . − ○ 【 ア メ リ カ】元上院議員アレックス・ワイカー(41)が、収賄、麻薬取引などの容疑で有罪となり、公開処
刑第1号となる。処刑の方法は、執行人を公募し、13人を選んでレーザー光線銃で射撃せしめる。その中のひとつだ
けが実際に殺人能力を持つので、後味の悪さを伴わず、むしろスリルをもって引き金を引くことができた。(水木 楊
『2055年までの人類史』1999)
未来年表
− 17 −
遠未来編
2026. ○【世 界 】5∼10年先のM8以上の大地震の予測が可能になる。(文部科学省科学技術政策研究所「技術予測調査」2001.7.
17)
2027
2027. 4. 1 木 【日 本 】女子の特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢が64歳に引き上げられる。(改
正年金法、2000.3)
2027.10.30土 【日 本 】政府が、東京全都に一部の重要施設を残して突然1週間の停電を実施する。ねらいは電子ネット
ワークに広がった反政府運動の息の根を止めることで、破壊活動防止法を適用して、「電子共和国閣僚」を名乗る反
政府分子を壊滅させる。(水木 楊『2055年までの人類史』1999)
2027. ○【宇宙 】一般人を乗せる宇宙観光船が開発される。(文部科学省科学技術政策研究所「技術予測調査」2001.7.17)
2027. ○【 月 】月面に恒久的な有人基地が設置される。宇宙観光が始まる。(文部科学省科学技術政策研究所「技術予測調
査」2001.7.17)
2027. ○【世界 】遺伝子操作で老化を抑えられるようになる。(文部科学省科学技術政策研究所「技術予測調査」2001.7.17)
2027. ○【世界 】考えて行動する知能ロボットが開発される。(文部科学省科学技術政策研究所「技術予測調査」2001.7.17)
2027. ○【世界 】先進国における定型的な日常業務は、オートメーションに置き換わったり、発展途上国の労働者に流
出したりして減少し、ルーチンワーカーも消滅している。残されたのは気骨の折れるな仕事で、過去の平均的な労働
者よりももっと起業家的な仕事や、より創造的でより頭を使う仕事になっている。 ( Richard Worzel 『The Next Twenty
YearsofYourLife:APersonalGuideIntotheYear 2017』,1997)
2028
2 0 2 8 . 1 2 . − ○ 【 日 本】ロボット大国となった日本で、人間を襲うロボットが出現する。原因はコンピュータウイルス
と判明する。「以後、世界各地で同様の事件が頻発する。](水木 楊『2055年までの人類史』1999)
2028. ○【宇宙 】ある果敢な宇宙族グループが、コンピュータ関連の多国籍企業から資金援助を受け、スペースシャト
ルから廃棄された燃料タンクを利用して、史上初の“宇宙ホテル”を建設する。宇宙ホテル第1号は、軌道上で24個の
タンクを溶接してつくられた原始的な代物であが、大勢の資産家が大枚をはたいて宇宙ホテルにでかける。(ジェント
リー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2028. ○【世界 】世界の総人口が80億人を突破する。 (国連人口基金(UNFPA)『世界人口白書』1998.10)
2028. ○【世界 】クローン家畜が世界の食肉に占める割合が7割に達する。(水木 楊『2055年までの人類史』1999)
2028. ○【世界 】脳内の情報をコンピュータで読みとることが可能になる。脳内の歓喜中枢を刺激する麻薬に似た電子
メディアが登場する。 (文部科学省科学技術政策研究所「技術予測調査」2001.7.17)
2029
2029. 4.13金 【世界 】直径300∼600 mの小惑星が、地球から3万キロメートルまで接近する。衝突の可能性は1万分の
1。(アメリカ航空宇宙局(NASA)、2005)
2029. 6 . − ○ 【 世 界 】アフリカで発生した新種のウイルスが世界に蔓延し、クローン家畜が全滅に近い被害を受け
る。(水木 楊『2055年までの人類史』1999)
2029. 8 . − ○ 【 日 本】中国から1300人の難民が日本の沿岸に押し寄せ、海上自衛隊が機銃掃射を行う。(水木 楊『2055
年までの人類史』1999)
2029. ○【世界 】1000ドル(1999年価値)の演算処理装置は、ほぼ1000人の頭脳の相当する毎秒2×10 19命令の演算能力を
備えている。こうした演算装置は人間の脳のリバースエンジニアリングによって作られるが、能力は人間の脳よりも
遙かに速く、巨大な記憶能力を持っている。ディスプレイは眼の中に埋め込まれるが、永久埋め込みにするか、コン
タクトレンズのように取り外し自由にするかを選択することができる。(Ray Kurzweil「Spiritual Machines:The Merging of
ManandMachine」『THE FUTURIST 』1999.11)
2029. ○【世界 】聴覚障害の治療として内耳の蝸牛移植はありきたりのものになっているが、さらにこの移植により、
人と世界中のコンピュータネットワークの間の両方向での音声通信ができるようになる。さまざまな神経移植が可能
になり、視聴覚を増強したり、物事の解釈や記憶、理解の度を高めることができる。(Ray Kurzweil「Spiritual Machines :
The MergingofManandMachine」『THEFUTURIST 』1999.11)
未来年表
− 18 −
遠未来編
2029. ○【世界 】学習は、仮想教師を使って行われている。このような学習は、神経移植で増強され、記憶や理解度を
改善するが、知識を直接ダウンロードするところまでには至っていない。機械は、ほとんど人間が介在しなくても新
しい知識を創出することができるようになる。機械は人間と異なり、こうした知識の体系を容易に他の機械と共有し
あうことができる。(RayKurzweil 「SpiritualMachines:The MergingofManandMachine」『THEFUTURIST 』1999.11)
2029. ○【世 界 】加齢に関する理解と改善が進歩し、人間の期待寿命が120歳にまで延びる。ナノメートル級の微細な
ロボット「ナノボット」が血管中に流されて、体の各部を探査したり、限られた範囲ではあるが、臓器の不具合な箇
所の交換材料として、また建築用ブロックのように臓器の修復に用いられる。(Ray Kurzweil「Spiritual Machines:The
MergingofManandMachine」
『THEFUTURIST 』1999.11)
2029. ○【世 界 】コンピュータにより芸術を創造する“サイバネティック・アーティスト”が、音楽、視覚芸術、文
芸、仮想体験、その他の芸術分野で活躍しており、もはや人の介在を必要としない。有力なアーティストの多くは、
機械である。(RayKurzweil「SpiritualMachines :TheMergingofManandMachine」
『THEFUTURIST』1999.11)
2029. ○【世 界 】3次元ホログラフ技術による視聴覚コミュニケーションの進歩により、見るもの聴くものは物理的な
対象のないバーチャルなものになる。家族が実際に一室にいなくても、リビングルームに集まってお互いに音楽を楽
しむことができる。コミュニケーションの大部分は、人間が介在していない。人間を取り巻くコミュニケーションの
大部分は、人と機械の間のものとなる。(RayKurzweil「SpiritualMachines :TheMergingofManandMachine」
『THEFUTURIST 』
1999.11)
2029. ○【世界 】工業生態学( industrial ecoloy)が、生産施設の大部分で活用されている。 (ジョージワシントン大学教授
W. E. Halal「The Top 10 Emerging Technologies」『THEFUTURIST』2000.78)
-
2029. ○【ア メ リ カ 】生造、農業、輸送などの分野では、人はほとんど雇用されていない。最大の職業は教育であり、
医師よりも弁護士のほうが多数いる。(RayKurzweil「SpiritualMachines: TheMergingofManandMachine」『THEFUTURIST 』
1999.11)
2030
2030. 2.13水 【日 本 】京都で世界文明浄化連盟( UPWC)の設立総会が開催される。参加国は29ヵ国で、いずれも国内
で欲望抑制型の社会の骨格を作り上げている。初代事務総長に首相辞任の意思を表明した高遠志郎(52)が、次長にア
メリカ大統領特別補佐官フランク・コンラッド(61)とドイツ首相ヘルムート・ザイデル(63)が選出される。いずれも現
職辞意を表明する。この3人が〈人類は欲望の総量を規制しなければならない〉と謳うUPWCを作り出し運営してい
く。(水木 楊『2055年までの人類史』1999)
2030. 4. 1 月 【日 本 】女子の特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢が65歳に引き上げられる。(改
正年金法、2000.3)
2030. 4 . − ○ 【 日 本 】「学校週3日制」が、幼稚園から高校生までの義務教育を対象に導入される。(「2050年1月1日
(土)」特集、『毎日新聞』2000.1.1)
2030. 5 . − ○ 【 世 界 】世界文明浄化連盟( UPWC)が、対外活動総司令部( GHQEA)を設立、初代総司令官にソン・タク
(45)が任命される。傘下に国際警察軍、国際情報局( IIO)、浄化有線テレビなどを集める。カンボジア系アメリカ人ソ
ン・タクは、麻薬生産地と新興宗教に対する攻撃に着手する。(水木 楊『2055年までの人類史』1999)
2030.
夏 ○ 【世 界 】最後に残った1頭のゾウが死亡し、ゾウが絶滅する。(星新一「友を失った夜」『ボンボンと悪夢』1962)
2030. ○【宇宙 】火星に、有人ラボラトリーの建設が開始される。(BT研究所未来学者 Ian D.Pearson, Ian Neild「BTexact
TechnologyTimeline」『THEFUTURIST』2002.78)
-
2 0 3 0 . ○【宇 宙 】長途の宇宙旅行のために、人間の冬眠が用いられる。( BT研究所未来学者 Ian D. Pearson, Ian Neild
「BTexactTechnologyTimeline」『THEFUTURIST』2002.78)
-
2030. ○【宇 宙 】太陽光発電所が宇宙に建設される。(BT研究所未来学者 Ian D.Pearson, Ian Neild「BTexact Technology
Timeline」『THEFUTURIST』2002.78)
-
2030. ○【世 界 】世界経済が、コンドラチェフ循環の波に乗って景気下降過程に転じ、2054年まで続く。 ( MITの経済モ
デルによる予測、『THEFUTURIST』1996.12)
-
2030. ○【世 界 】経済力では、アメリカの約23%に続き、EU(約14 %)、中国(約8%)が主要なメガ国家になっている。
日本は約7 %で第4位にまで低下しており、ロシア(約3 %)、インド(約2 %)が続く。圧倒的な存在感を持つメガ国家群
と、その他国家の格差は埋めがたく、そのなかで価値観や利害の対立も生じてくる。(三菱総合研究所 産業・市場戦略研究
本部編『全予測 2030年のニッポン』2007)
2030. ○【世界 】人口が89億人になって、穀物の供給が追いつかず、5億トン不足する。(ワールドウオッチ研究所、『日本
未来年表
− 19 −
遠未来編
経済新聞』1997.1.1)
2030. ○【世 界 】人口が84億7000万人になる。人口増加の9割は発展途上国が占め、全体の7割は1日当たりの平均収入
が2ドルに満たない最貧国に集中している。1995年比では、アフリカ226%、中南米151%、アジア147%、オセアニア1
36%、北米124%、ヨーロッパ101%で、人口が減少する国は、日本、ドイツ、イタリア、ハンガリー、スペインなど
約10ヵ国だけ。人口の世界一は中国の約15億人、第二位はインドの14億人、第三位はアメリカの3億2800万人。最も人
口増加率の高いのはオマーンの209%増、パレスチナ・ガザ地区の208%増など。(世界銀行、1994.8.3、『朝日新聞』1994.
8.4)
2030. ○【世界 】発展途上国の人口が世界人口の85∼87%を占める。(Wolfgang Lutz"TheFutureofWorldPopulation"『 THE
FUTURIST 』)
2030. ○【世界 】この30年間に、世界人口は22億人増加したが、うち21億人が都市部で増加したため、世界の全人口の
60%が都市部に住んでいる。(『THE FUTURIST』2001.1112)、
Marvin J . Cetron, Owen Davies「Trends Shaping the Future:
Economic 、Societal, andEnvironmentalTrends」『THEFUTURIST』2003.12)
-
2030. ○【世界 】2000年に全世界の都市人口は29億人、農村人口は32億人だったが、都市が50億人になり、農村の33億
人を大きく上回っている。(国連人間居住委員会(HABITAT )「都市に関する報告」2004.9.14、『毎日新聞』9.15)
2030. ○【世界 】遺伝子組み換え技術と深く関係する「食」の安全に対する技術が進展して、たとえばスーパーで個人
が食品を購入するときも、そのなかに自分のアレルギーがあるものが含まれていることを自動的に知らせてくれる。
(三菱総合研究所 産業・市場戦略研究本部編『全予測 2030年のニッポン』2007)
2030. ○【世 界 】世界のエネルギー需要は、2000年以来年率1.7%増加し、2000年の1.7倍になる。需要の増加分の9割
超は、石油、天然ガス、石炭の化石燃料がまかなう。二酸化炭素(CO2)の排出量もエネルギー消費の伸びとともに増
え、2000年の1.7倍に達する。途上国のエネルギー需要はアジアを中心に拡大するが、この時点でもなお、世界人口の
2割近い約14億人が電気を欠いた生活のままである。 (国際エネルギー機関( IEA )「世界のエネルギー見通し」2002.9.21、
「asahi. com」9.21)
2030. ○【世界 】エネルギー需要増加分の3分の2は中国、インドなどの発展途上国が占める。エネルギー需要の約80
%を石油、天然ガスなどの化石燃料が占める一方、太陽光、風力などの再生可能エネルギーは2%程度にとどまってい
る。サウジアラビアとイラクを中心に中東地域の原油・天然ガス生産量が2004年の日量2900万バレルから約1.7倍の日
量5000万バレルに増える。その結果、2005年に1バレル60ドル前後だった原油価格は、39ドルまで下がる。 ( 国際エネ
ルギー機関(IEA )「世界エネルギー・アウトルック2005」2005.11.7、『朝日新聞』11.8)
2030. ○【世界 】総発電量に占める商業用原子力発電のシェアが、2004年の16%から減少して、12%にまで低下する。
この間、原発が見直されたとしても、天然ガス発電など他の種類の発電所の建設数が大幅に上回るため、原発のシェ
アは低下する。(国際原子力機関(IAEA)「原発の現状と将来予測」2004.6.26、『毎日新聞』6.26)
2030. ○【世界 】電力を使えない人が、約15億人いる。2005年頃とほとんど変わっていない。(国際連合、2005.8)
2030. ○【世 界 】環境保護のため、二酸化炭素の固定技術が確立される。(BT研究所未来学者 Ian D.Pearson, Ian Neild
「BTexactTechnologyTimeline」『THEFUTURIST』2002.78)
-
2030. ○【世界 】喫煙人口が約16億人以上に膨らみ、1年間に約1000万人がたばこに起因する健康障害で死亡し、たば
こが死亡原因の第1位になる。(世界銀行、1999.5.18、『夕刊読売新聞』5.19)
2030. ○【世 界 】喫煙により引き起こされる疾病で死亡する人が、2000年に400万人だったが、この頃1000万人に達す
る。(世界保健機構(WHO)、『THEFUTURIST』2001.12)
2030. ○【世界 】人工の脳細胞、肺、ペニス、手首関節、肝臓、腎臓、足指関節、足首関節がつくられている。また、
卵巣、精巣の移植が行われている。記憶の減退を防止するための薬剤が使用されている。(イアン・ピアスン編『マクミラ
ン 近未来地球地図』1998、東京書籍、1999)
2030. ○【世界 】クローン臓器の移植、先天的障害の遺伝子治療などが普及した結果、先進諸国では人々の平均寿命は
100歳を超えるようになる。 (ジョージワシントン大学教授 W. E . Halal 「The Top 1 0 Emerging Technologies 」 『THE
FUTURIST』2000.78)
-
2030. ○【 世 界 】自分の遺伝情報をCD-ROMや ICカードで持ち歩き、病院ではこの情報をもとに治療が受けられるよ
うになっている。(徳島大学薬学部教授 馬場嘉信、『朝日新聞』2001.1.4)
2030. ○【世 界 】遺伝情報の多様性を示すSNPs(シングルヌクレオチドポリモルフィズム)という遺伝子多型を解析す
るチップが多用され、医師は患者の遺伝情報が入ったチップから情報を得て、治療や処方箋を出してくれる。(三菱総
合研究所 産業・市場戦略研究本部編『全予測 2030年のニッポン』2007)
2030. ○【世界 】2007年には培養皮膚だけに認可されていた再生医療が、この年までに骨、軟骨、歯、血管、角膜、神
経などにまで適用されている。(三菱総合研究所 産業・市場戦略研究本部編『全予測 2030年のニッポン』2007)
未来年表
− 20 −
遠未来編
2030. ○【世界 】遺伝子治療が生殖細胞にまで及ぶようになり、「人為進化」の是非についての論議が高まる一方、反
科学の運動が活発になる。(アメリカ国立ヒトゲノム研究所所長 フランシス・コリンズ、『朝日新聞』(夕)2001.2.28)
2030. ○【 世 界 】材料のなかに各種のセンサやアクチュエータが埋め込まれるようになり、材料の知能化が進んでい
る。これらのスマートマテリアルを使って鳥のように最適な形状で飛行する航空機が登場する。さらに、自己修復機
能を持つ航空機へと発展している。こうした複合材料の十分な性能と信頼性が確保されることで、2003年に姿を消し
たSST(超音速旅客機)が復活する。 (三菱総合研究所 産業・市場戦略研究本部編『全予測 2030年のニッポン』2007)
2030. ○【世界 】再生可能なバイオマスからの大規模な化学品やエネルギーを生産するバイオファイナリーの適用が拡
大し、従来の石油化学による物質生産の多くが、ポリマ事業などにおいて植物を活用するバイオファイナリーに転換
している。新素材も、工場ではなく、生物が作り出すものが開発される。(三菱総合研究所 産業・市場戦略研究本部編『全予
測 2030年のニッポン』2007)
2030. ○【世界 】多くの車は特殊な触媒技術を使用しており、空気浄化装置を標準装備している。最新型の車は光合成
をベースとしたバイオ技術を活用しており、植物のように大気中のCO2を吸収し、酸素を吐き出す。車もメカニカル
な構造から、より「生き物」に近い構造になりつつあり、インテリジェンス化されている。(三菱総合研究所 産業・市場戦
略研究本部編『全予測 2030年のニッポン』2007)
2030. ○【世界 】18ヵ月で半導体の能力が倍増するという「ムーアの法則」がこの頃まで成り立っていて、プロセサの
処理能力は2000年に1 GHzであったのが、この30年間で100万倍の1000THzにまで向上している。この処理能力をバッ
クに、Webインタフェースは生活のあらゆる局面に浸透している。(Sun Microsystems 社チーフ・サイエンティストBill Joy
「JavaOne 2000」基調講演、2000.6.7、『日経バイト』2000.7)
2030. ○【世 界 】パソコンが人間の脳の計算能力を持つようなり、1000ドルで売られる。〔1990年以来、「1ドルで買え
る計算量」は20年ごとに千倍増している。脳全体の計算能力は、毎秒10兆回の計算を実行、記憶容量は1千兆ビット
の記憶容量に相当する。〕( H.モラヴェック『電脳生物たち( MindChildren)』)
2030. ○【世界 】この頃までに、コンピュータ技術の進歩によって、人類はダーウィンの進化論を越えて発展できるよ
うになる。コンピュータの人工知能技術の進歩は、2015年頃までに人間の知能を凌駕するようになって、この頃に
は、人間は、このコンピュータ頭脳を使ってもっと高い知能とか全世界の知識に直接アクセスできるようになる。
(IanPearson, Chris Winter、 British TelecomDevelopment and Procurement, BT Laboratories , Ipswich, UnitedKingdom: “The Future
EvolutionofHumanity", WorldFutureSociety , M27,1996)
-
2030. ○【世界 】悪質なウィルスやハッキング行為が増大しているが、これに対して、生物、生態に近い発想に基づい
たセキュリティー技術が発展している。例えば、コンピュータに侵入した悪質ウィルスを駆除するとともに、ウィル
ス耐性を自動的に学習・更新していく「デジタル白血球」が登場している。(三菱総合研究所 産業・市場戦略研究本部編『全
予測 2030年のニッポン』2007)
2030. ○【世 界 】細胞組織(DNA )を利用して微細な集積回路を形成したバイオチップが作られる。これにより小さな
コンピュータがつくられ、これを人の体内に埋め込んで、ウィルスを攻撃したり、悪性化した良性細胞を修復したり
して、健康管理を行うようになる。(三菱総合研究所 産業・市場戦略研究本部編『全予測 2030年のニッポン』2007)
2030. ○【世界 】人工頭脳が作られる。 (ChrisWinter:BT TechnologyCalender,1997、イアン・ピアスン編『マクミラン 近未来地球
地図』1998、東京書籍、1999)
2030. ○【世界 】無線技術が脳内に仕込まれて我々の思考プロセスの解明が進んでいる。パターン認識能力、記憶や思
考能力などが、強力なコンピュータの能力と直接結びついて大幅に増大させている。( Ray Kurzweil 「The Future of
Human-MachineIntelligence」『THEFUTURIST』2006.1112)
-
2030. ○【世界 】いろいろな犯罪を制御する感情制御チップが作られる。(BT研究所未来学者 Ian D.Pearson「The Next 20
YearsinTechnology:TimelineandCommentary 」『THEFUTURIST』2000.12)
-
2030. ○【世界 】ロボットが、物理的にも精神的にも人間より優れたものになる。(BT研究所未来学者 Ian D. Pearson, Ian
Neild「BTexact TechnologyTimeline」『THEFUTURIST』2002.78)
-
2030. ○【世界 】サイボーグのような生物工学的なものの最初のオリンピックが開催される。(BT研究所未来学者 Ian D.
Pearson, IanNeild「BTexactTechnologyTimeline」『THEFUTURIST』2002.78)
-
2030. ○【世界 】ナノ技術戦争が勃発する。(アーリントン協会 John L. Petersen「Out oftheBlue」、『THEFUTURIST』2002.78)
2030. ○【世界 】昆虫を模倣した技術が、微少機械技術(MEMS;micro electromechanical system)として進展し、昆
虫型のマイクロロボットが実用化されている。部屋の隅々のほこりまで集める掃除ロボットや、マッサージロボッ
ト、人体内部にまで入り込んで手術に使用されるロボットなど、昆虫技術が新しい世界を作り出している。(三菱総合
研究所 産業・市場戦略研究本部編『全予測 2030年のニッポン』2007)
2 0 3 0 . ○【 世 界 】昆虫に半導体の微細加工技術を駆使して作成された微少部品を埋め込んだハイブリッド生物
未来年表
− 21 −
遠未来編
HI-MEMS(hybrid insect micro electromechanical system; hybrid insect MEMS )の研究が進み、1匹の蝶が敵を攻撃す
る兵器になって飛んでいる可能性がある。もはや、戦場から兵隊の姿は消えている。(三菱総合研究所 産業・市場戦略研究
本部編『全予測 2030年のニッポン』2007)
2030. ○【世 界 】家庭で実験できる遺伝子工学キットが、限定された機能ではあるが、売り出される。(BT研究所未来学
者 IanD. Pearson「TheNext 20 YearsinTechnology :TimelineandCommentary」『THEFUTURIST』2000.12)
-
2030. ○【世界 】ほぼ光速で飛ぶ長距離宇宙船のテストが続けられている。ケンタウルス座アルファ星に有人宇宙船を
送るための開発である。まず、ロボット探測機が発射されるが、有人宇宙に必要な情報を送ってくるにまでには、以
後50年はかかる。人類が太陽系の外を旅行できるようになるには、まだ何十年もかかる。(マイケル・エデルハート、ジョ
フリー・ゴルソン「未来カレンダー」『近未来情報事典』1984)
2030. ○【ア ジ ア 】工場や自動車からの硫黄酸化物、窒素酸化物の量が、1990年の4倍以上になり、大気汚染や酸性雨
が大問題になる。(国連環境計画(UNEP)「地球環境概況2000」1999.9.19、『東京新聞』9.20)
2030. ○【日本 】1981年から2000年までは全国平均で年間5日だった「暑い夜」が、2011年からこの年までに約3倍の15
日に増加する。最高気温が35度以上の「猛暑日」も5日から約1.5倍の7∼8日に増える。一方、冬の0度以下の寒い夜や
6度以下の昼は3分の1程度に減る。(国立環境研究所、2007.7.2、『朝日新聞』7.3)
2030. ○【日本 】関東大震災と東海大地震がほぼ同時に起き、地殻変動が火山の噴火を引き起こし、いくつかの原子力
施設の崩壊による放射能汚染が日本全土を襲う。人口の5分の1が亡くなり、5分の3が健康を害し、復旧はままなら
ヤ ン ア イリ エ ン
ミン
ず、人材の海外流出が続く。(楊愛蓮「時空仙女マダム明」『月刊コミックフラッパー』1999.12)
2030. ○【日本 】65歳以上の老年人口が、平均寿命の伸びを反映して2000年から30年の間にすべての都道府県で増え、
35道県で総人口に占める年寄りの割合が3割を超える。特に増加率が大きいのは、埼玉県124.6%増、千葉県109.4%
増、神奈川県98.9%増、沖縄県95.1%増、愛知県81.2%増などで、首都圏や京阪神近郊、政令指定都市周辺地域を中
心に急増する。 (国立社会保障・人口問題研究所「都道府県の将来推計人口」2002.3.26、『朝日新聞』3.27)
2030. ○【日 本 】世帯主が65歳以上の高齢世帯が2005年の1.4倍となり、全世帯に占める割合も27.6%から39.0%へ大
幅に増える。中でも高齢者世帯の伸びが著しく、世帯主が65歳以上の高齢世帯は1903万世帯(2005年は1355万世
帯)。75歳以上の“超高齢世帯”は1110万世帯と、554万世帯だった2005年と比べ倍増する。総世帯数でみた1人暮ら
し世帯は2005年の1446万世帯が、1.26倍の1824万世帯となり、世帯全体の37.4%を占める。 (国立社会保障・人口問題研
究所「日本の世帯数の将来推計」2008.3.14、『産経新聞』3.15)
2030. ○【日本 】生産力人口の割合が、2005年時点の約60%から、約51%にまで低下している。しかし、東アジアと東
南アジア諸国の人口構成は、若年層ほど多いピラミッド型をしているため、これらの地域と連携することによって、
日本の少子高齢化と人口減少を補完することができる。(㈱三菱総合研究所 産業・市場戦略研究本部編『全予測 2030年のニッポ
ン』2007)
2030. ○【日 本 】65歳以上の痴ほう性高齢者が、330万人に急増し、65歳以上人口の1割に達する。(厚生省検討会、『東
京新聞』1999.9.14)
2030. ○【日本 】2020年からの10年間、日本は中国の急速な経済成長に警戒感を抱き続けてきたが、今や警戒感は強迫
観念に変わり、アメリカと中国の覇権争いの間に立たされている、という感覚に悩まされるようになる。(ジェントリー
・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2030. ○【日 本 】日本のメガバンクと韓国、中国、インド、ASEAN 諸国の主力銀行の合併、あるいはこれらの国々と
の製造業者同士の合併も当たり前になっている。日本の新卒大学生が韓国企業に就職し、中国企業の本社が東京にあ
るといったことも当たり前になっている。(三菱総合研究所 産業・市場戦略研究本部編『全予測 2030年のニッポン』2007)
2030. ○【日本 】製造業を中心に外国での現地生産の流れが広まっており、外国資産の運用益が、日本経済を支える大
きな要素になっている。(三菱総合研究所 産業・市場戦略研究本部編『全予測 2030年のニッポン』2007)
2030. ○【日本 】ほぼあらゆる購買行動がキャッシュレスになっている。「カネ」のデジタル化の徹底によって、売買
や決済などの日常生活の金銭取引はより一層ネットワーク化している。(三菱総合研究所 産業・市場戦略研究本部編『全予測
2030年のニッポン』2007)
2030. ○【日 本 】この頃、1世帯当たりのパソコン保有台数が10台を突破する。(「2050年1月1日(土)」特集、『毎日新聞』
2000.1.1)
2030. ○【日 本 】一家に1台のロボット社会が到来する。家事、仕事、介護にと、ロボットは活躍の場を広げている。
(産業技術総合研究所知能システム研究部門ヒューマノイド研究グループ長 比留川博久、『Agora 』2001.8)
2030. ○【日 本 】 高齢化が進んだ日本で、屈強なレスキュー隊員も平均年齢が高くなり、これを補助するために重い
救助装備を運んでくれるロボットが行動を共にする。救助装備の一部は、そのもの自体がロボット化し、レスキュー
の知能化が進んでいる。(三菱総合研究所 産業・市場戦略研究本部編『全予測 2030年のニッポン』2007)
未来年表
− 22 −
遠未来編
2030. ○【日 本 ・ 韓 国 】2015年に策定された「日韓海底トンネル」構想に基づき、日韓共同プロジェクトチームが、よ
うやく本工事に着工する。(「2050年1月1日(土)」特集、『毎日新聞』2000.1.1)
2030. ○【中 国 】人口が16億強になる。これまでのめざましい経済成長により、1人当たりの年間穀物消費量が400kg
(1995年の台湾の消費レベル)になり、総消費量が年6億4100万トンになる。一方、穀物生産量は、急速な工業化と都市
化による耕地喪失、水不足などで1995年比で20%落ち、2億7200万トンになり、3億6900万トンが不足する。(レスター・
ブラウン、今村奈良臣訳『だれが中国を養うのか?』1995)
2030. ○【中国 】世界で最も巨大な工業国になっている。どの先進国も自国に不利な条件で中国と貿易をおこなってい
る。高効率の工場は他国の羨望の的である。生活水準が向上しているため、政治改革を求める本格的な運動も起きて
いない。 (ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2030. ○【中国 】通貨の保有量が、30年にわたる貿易黒字で、ドルをはじめとする安定通貨を大量に保有している日本
を凌ぐようになる。社会主義と資本主義を組み合わせた新体制を構築し、指導者の選出に民主選挙が行われていない
という点を別にすれば、スカンジナビアの国々とほぼ同じ体制になっている。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22
世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2030. ○【中 国 】急成長を遂げた経済のおかげで、軍事予算は世界で2番目の大きさになっている。兵士の数でも装備
の面でも世界最強の陸軍を有する国となる。また、海軍や空軍もアメリカに次いで世界第2位を誇っている。(ジェント
リー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2030. ○【中国 】日本の大災害で生き残った科学者たちの多くが活路を求めて中国の研究所へ入る。日本の最新のバイ
ヤ ン ア イ リエン
オテクノロジーが、政府の方針に組み込まれて、世界の野菜市場をあやつる立場になる。( 楊 愛 蓮 「 時 空 仙 女 マ ダ ム
ミン
明」『月刊コミックフラッパー』1999.12)
2030. ○【オ ー ス ト ラ リ ア 】地球温暖化で国内のワイン生産地域の気温が、2007年からこの年までに1.7度上昇する。
その結果、ブドウの品種の一部は生き残れない。(オーストラリアの科学者ら、ロイター通信、2007、『産経新聞』9.26)
2030. ○【イ ン ド 】人口が毎年1700万∼1800万人増えてきて、高い経済成長も続いきたインドが、巨大市場に変貌し、
日本と同じ経済規模になる。(伊藤忠商事㈱社長 小林栄三、『産経新聞』2005.12.1)
2030. ○【ア メ リ カ 】第2次世界大戦に参加した最後のアメリカ軍人が、100歳を超えるまで生きていて、このころまで
に死亡する。彼の死によって、20世紀なかばの戦争は歴史の領域に入ってしまう。(マイケル・エデルハート、ジョフリー・
ゴルソン「未来カレンダー」『近未来情報事典』1984)
2030. ○【ア メ リ カ 】高齢化が進み、高齢者人口が1994年の2倍になっている。その70%が女性である。ヘルスケアの
施設は限界に達している。(『THEFUTURIST』1994.1012)
2030. ○【ア メ リ カ 】白人の人口割合が減少し、ヒスパニック系やアジア系が増加した結果、18歳以下の白人の比率が
50%以下となる。逆に65歳以上の高齢者は、白人が全体
の75%を占める。(国勢調査局、1996)
2030. ○【ア メ リ カ 】高齢化に伴い、精神疾患が伝染病のように急増する。1970年には65歳以上の人口がの2000万人
で、そのうち精神異常を患う人が400万人であったが、今65歳以上が7000万人になり、精神異常に悩む人が1500万人に
なっている。(Dilip V J. e s t e他、「Mental-HealthCrisisAmongElderly」 『THEFUTURIST 』1999.12)
2030. ○【ア メ リ カ 】この30年間で85歳以上の人口が840万人にまで倍増し、専門的なホームケア支援の需要が急増す
るが、このニーズを満たすことはできない。 (Sam L. Ervin「FOURTEEN FORECASTS for an Aging Society 」『 THE
FUTURIST』2000.1112)
-
2 0 3 0 . ○【ア メ リ カ 】多くの都市でのリサイクル活動が進み、家庭からの廃棄物の半分以上がリサイクルされる。
(「TheOpportunityCentury:50 PathstoSuccessinthe 21stCentury」『THEFUTURIST』2000.12)
-
2030. ○【ア メ リ カ 】議会図書館の全文書が、角砂糖大の装置のなかに収められる。(BT研究所未来学者 Ian D .Pearson,
IanNeild「BTexact TechnologyTimeline」『THEFUTURIST』2002.78)
-
2030. ○【ア メ リ カ 】かつて唯一の超大国であったアメリカは、世界経済における相対的な地位を低下させている。国
際金融市場におけるユーロや人民元の存在感が高まり、アメリカが一国で享受してきたドルの基軸通貨プレミアムも
解消している。ドル資産投資の優位性が低下し、アメリカの経常収支をまかなう資本流入は縮小して、資本収支の面
でも相対的な地位が低下している。(三菱総合研究所 産業・市場戦略研究本部編『全予測 2030年のニッポン』2007)
2031
2031. 1 . − ○ 【 世 界 】世界文明浄化連盟( UPWC)が、域内の欲望拡張型企業に対して、一律30%の「文明浄化税」を
賦課することとする。企業は税を嫌い、本拠を域外に移す。これに対してUPWCは、域外企業が域内に輸出してくる
未来年表
− 23 −
遠未来編
すべての物資に対して30%のダンピング税を賦課する。(水木 楊『2055年までの人類史』1999)
2031. 7.31木 【日 本 】午後6時、ヒートアイランド現象で東京・大手町の気温が43.5度という酷暑を記録する。熱中症
による死者が大量に発生する。(東北大学教授 齋藤武雄、『朝日新聞』2001.1.11、『プレイボーイ』2004.5.1118)
2031. ○【世 界 】世界の総人口が100億人に達する。心配性の人たちはこの数字を聞いただけで、どんな対策をとった
ところで、このままでは地球の生態系が崩れてしまうと盛んに言い立てる。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世
紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2031. ○【中東 】近代化を急いだサウジアラビアやクウェートに、科学センターが次々と設けられ、世界中から優秀な
人材が集まって、中東が物理学のメッカになっている。(ハーマン・F・ラムゼイ『PhysicsToday』1981.11、『自然』1982.6)
2032
2032.12. 2木 【ブ ラ ジ ル 】国防相ウンベルト・デメロ(38)が、マフィア組織「ソル・ダ・ノイチ(夜の太陽)」に支配され
ているリオデジャネイロで“反逆罪”の罪で公開処刑される。(水木 楊『2055年までの人類史』1999)
2032. 7 . − ○ 【 ア メ リ カ】テネシー渓谷で老朽化したダムが決壊する。死者5000人が出る。(水木 楊『2055年までの人類
史』1999)
2032. ○【中 国 】人口が、10億1000万人を超える。 (ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』
2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2032. ○【ア メ リ カ 】“遺伝子の達人”の異名をとるギリシア生まれのコスタ・スタキスが、生まれてくる子供を自在
にデザインする技術の提供を目的として、「バイオトロにクス」という会社を立ち上げる。すでに、生まれてくる子
供の遺伝病を案じる親たちの悲願に応えて、受精卵の特性調査に関する総合サービスを提供する「プロジェニック
ス」という会社を設立し、出生の最適化という先駆的分野で業界トップの座に君臨していたが、遺伝学はもっと金に
なると確信していたコスタは、友人や同僚に“遺伝の世界のビル・ゲイツになる”と豪語していた。(ジェントリー・リー
&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2033
2033. ○【宇 宙 】民間宇宙旅行会社が2018年に顧客第1号を打ち上げて以来、何十億ドルもの個人資産が宇宙観光とい
う新しい娯楽に注ぎ込まれるようになり、これまでに3000人以上の人が宇宙での休暇を体験した。飛行料金は20万ド
ルにまで下げられた。打ち上げ会社は1週間に1社の割合で増え、より安くより冒険的な旅行が提供されるようにな
る。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2033. ○【世界 】野ネズミ対策が実施される。(H .G.ウェルズ『世界はこうなる』1933、谷川徹三訳、1958)
2033. ○【中 国 】総人口が15億人に達し、ピークを迎える。人口と経済・資源の矛盾はより激化する。(国家人口計画生
育委員会主任 張維慶、2005.11.14、『経済日報』11.16)
2034
2 0 3 4 . 1 0 . − ○ 【 ア メ リ カ】生まれてくる子供を自在にデザインする技術を提供する会社「バイオトロニクス」が、初
仕事として、小人症と呼ばれる遺伝病を持つ石油王ジーン・フォレスターとその4番目の妻で血友病の保因者であるミ
ランダの遺伝子操作により、“不適切な”遺伝形質を完全に排除して、子供を誕生させることに成功する。人類史上
初の遺伝子操作ベビーの誕生で、世界中に一大旋風を巻き起こす。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧
する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2034. ○【世界 】大気中に残存するフロンガスを一掃できる化合物が開発され、フロンガスおよびその他の汚染物質に
起因する大気中の塩素濃度レベルが、南極上空のオゾンホール出現以前の数値まで戻る。(ジェントリー・リー&マイクル・
ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2034. ○【 世 界 】世界文明浄化連盟( UPWC)傘下の対外活動総司令部(GHQEA)総司令官ソン・タクが、マフィアとの
戦いの準備のため、イギリスの技術者と秘密裏に協力して初めてクローン人間の生産に着手する。クローン研究の先
進国イギリスでは、人間を除くあらゆる動物についてクローンを完成させていた。 (水木 楊『2055年までの人類史』1999)
2034. ○【世界 】地球は、この世の楽園になっている。(アメリカの女性水晶玉占い師 ジーン・ディクソン(1918∼1997))
2034. ○【世 界 】野ネズミ対策が実施された結果、野ネズミが根絶される。肺ペストが絶滅する。( H.G.ウェルズ『世界
はこうなる』1933、谷川徹三訳、1958)
未来年表
− 24 −
遠未来編
2034. ○【世 界 】血友病の治療法が発見される。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、
高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2034. ○【世 界 】各国の個人の遺伝子特性データを集大成した国際的なGDD(グローバルDNAデータバンク)がオンラ
イン化される。GDDを恐れるのは、隠さなければならないことがある連中だけとなっている。(ジェントリー・リー&マイ
クル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2034. ○【中国 】総人口が、14億8600万人にまで膨らむ。労働人口は9億人を上回り、主要国の合計より3億人以上多く
なる。農村の余剰労働力は2億人に達する。 (中国現代化戦略研究グループ、『瞭望新聞周刊』、『Fuji SankeiBusiness i.』2005.
10.12)
2035
2035. 9 . 2日 【日 本 】皆既日食が、本州中央部を横断する地域で観測される。(『理科年表』)
2035. ○【宇 宙 】地球人類の創造主である異星人「エロヒム」が、この年までに再び地球を訪れる。(“ラエル”『真実
を告げる書』、無限堂出版、2001)
2035. ○【世界 】自発的安楽死を認める法律が多くの国で施行される。アメリカをはじめとする主要国では、互いに面
識のない2人の医師の証明書、患者本人はもちろん、家族3人の署名がなされた宣誓供述書がなければ“自発的安楽死
認定”を受けるはできない。このあと、自発的安楽死を選ぶ高齢者の数は増え続ける。(ジェントリー・リー&マイクル・ホ
ワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2035. ○【世界 】人工の脳がつくられる。(BT研究所未来学者 Ian D. Pearson, Ian Neild「BTexact Technology Timeline」『THE
FUTURIST』2002.78)
-
2035. ○【世 界 】人工降雨の発生や制御が行われる。(BT研究所未来学者 Ian D.Pearson, Ian Neild「BTexact Technology
Timeline」『THEFUTURIST』2002.78)
-
2035. ○【世界 】ナノ技術によって作られた現実的なおもちゃの兵士が登場すれる。(BT研究所未来学者 Ian D .Pearson,
IanNeild「BTexact TechnologyTimeline」『THEFUTURIST』2002.78)
-
2035. ○【世 界 】最初の核融合炉が、稼働を開始する。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全
史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2035. ○【日本 】2005年に人口減少社会に突入して以来、人口減少に歯止めがかからず、しかも減少幅は加速度的に広
がった結果、年間減少幅は100万人の大台を突破する。香川県や和歌山県規模の県が毎年1つ消滅する計算になる。
(厚生労働省「日本の将来推計人口」2006.12.20、『産経新聞』12.21)
2035. ○【 イ ス ラ エ ル 】2025年からこの年にかけて、あふれるほど移住者がやってきて、空前のにわか景気を経験す
る。移住者の多くがアメリカやヨーロッパで育ち、知的職業に就いている若い世代である。(ジェントリー・リー&マイク
ル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2035. ○【べ ル ギ ー 】1990年代に地方自治体の知事を務めたジークムント・ワールスト(87)が、抗老化治療が功を奏し
て首相に就任する。〔以後、12年間にわたってその職務をこなし、2047年に99歳で勇退する。〕(ジェントリー・リー&マ
イクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2035. ○【ブ ラ ジ ル 】マフィアが大部分の地域を支配し、24時間の外出禁止令を勝手に出し、互いに銃撃を交わす。ご
く少数の富裕な人々は私兵に守られた「優雅な刑務所」と称される高級住宅地に住む。それ以外の地域では2時間に1
人が犯罪に巻き込まれて死亡する。(水木 楊『2055年までの人類史』1999)
2036
2036. 3.26水 【世 界 】世界の市場で株価が急落する。ニューヨーク市場では、北アメリカ、ヨーロッパ、日本の大企
業の株価と連動しているダウ平均が、終値で6%以上の値下がりを記録、1日の下げ幅としては過去10年で最大のもの
となる。中規模以下の企業1000社の株価と連動しているIBI (インターナショナル・ビジネス・インデックス)も、ほぼ7
%下落する。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2036. 3.27木 【世 界 】値下がりした株価は東京と上海でいくらか回復するが、ヨーロッパ市場が開くと値下がりを始
める。北アメリカで売り注文が殺到し、世界中の市場がいっせいに一時的な取引停止状態に陥る。ニューヨークの深
夜零時、ダウ平均とIBI (インターナショナル・ビジネス・インデックス)は、それぞれ15%の下落を示す。世界の主な都
市に警報が鳴り響く。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2036. 6 . 6金 【イ ギ リ ス 】ウェンブリー・ナショナルスタジアムで、サッカーの国際試合、イングランド対スペイン戦
未来年表
− 25 −
遠未来編
が開催される。その上空に、イギリス最大の民間テレビ局のマークが描かれたヘリコプターがスタジアムをかすめる
ように2周してポツリヌス毒素を噴霧して飛び去る。強大な経済力を持つすべてのものを非難するテロリスト集団「新
世界福祉連合( NWWC)」の仕業で、夜になって多くの観客が症状を訴えて病院に押しかける。観客のおよそ2割にあ
たる1万6000人が死亡し、テロによる犠牲者の数として史上最悪の数字となる。世界に大きな衝撃が走る。(ジェントリ
ー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2036. 9 . 1月 【ア メ リ カ 】労働者の日(レイバーデイ)のこの日、『ニューヨーク・タイムズ』の社説に、この10年、貧
富の差は縮まるどころか拡大し、マイノリティーに低所得者が激増しているという実態が、説得力のある統計資料に
基づいて解説される。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2036.12.13土 【中 国 】日本軍による占領から99年目にあたるこの日、南京で厳かな空気のなか、第二次世界大戦によ
る中国人犠牲者を追悼する記念碑を取り囲み、日中両国首脳の出席のもと式典が行われる。日本の首相は、99年前に
南京を占領した日本軍が、何千という数の武器を持たない中国人兵士と中国人民を殺害したことを公式に認め謝罪す
る。歴史家の多くは、この式典を、アジアのリーダーシップが日本から中国に移行したことを象徴する出来事として
捉える。しかし、実質的な移行は10年前にすでに終わっていた。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧す
る21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2036. ○【宇 宙 】地球から遠く離れた小惑星をつぶさに調査する目的で、2021年に地球型惑星調査( ETPS)の第3回ミ
ッションで打ち上げられた惑星探査機が、地球からわずか57光年の距離にあるHR5587 Aという恒星を周回する惑星を
調査する。「アルファ」と名付けられた惑星は、直径が地球の1.12倍で、地表に液体の水が大量に存在することがわ
かる。そして、比較的高濃度のオゾンが確認され、惑星アルファには生命が存在しうることが明らかになり、大きな
反響を呼ぶ。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2036. ○【世 界 】環境破壊が世界各地の悲惨な災害を頻発させる。ゼロ・サム主義を信奉するゼロイストたちがついに
権力を握るようになる。ゼロイストは、国連を飛躍的に強化し、人類全体の生産・消費を固定化し、国の発展段階に
従って、アウトプットを配給する世界機構を設置する。違反者や闇行為をした者や集団は全員処刑するという厳しい
制度を発足させる。(水木 楊「ゼロに栄えあれ」『CEL』Vol.18, 1991.11)
2036. ○【世 界 】短命とされるクローン人間の老化を阻止する方法が発見される。ボンベイ大学のサンジット・スリハ
ラッティが、染色体の末端にあり染色体同士の融合を防いでいるテロメアという一群の塩基の脱落を、細胞分裂のご
く初期の段階でもとに戻す方法を発見する。これによって、2030年代以降に誕生したクローン人間は、ごく普通の寿
命で人生を謳歌できるものと期待されるようになる。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全
史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2036. ○【日 本 】1996年に91万1千人だった年間死亡者数が、この年にはほぼ2倍の175万6千人に達する。葬儀市場は
拡大がほとんど約束された成長産業となっている。(国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」1997年1月推計)
2036. ○【中 国 】中国の軍事力が、世界第2位にランクされる。数百万規模のよく訓練された兵士と、申し分のない装
備を持つようになっている。飛行機とパイロットの数は、イギリスとフランスの合計を凌ぐようになる。東南アジア
の国々は、そう遠くない将来、軍事力にものを言わせて中国が何事か仕掛けてくるのではないか、という不安を募ら
せる。日本にいたっては、不安どころか紛れもない恐怖を感じている。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀か
ら回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2036. ○【イ ン ド 】GDPで表した経済規模は急速に伸びて、日本を追い抜く。(ゴールドマン・サックス「BRICs と夢見る2050
年への道」2003.10、『朝日新聞』2006.11.4)
2037
2037. 1 . 1木 【イ ン ド ネ シ ア 】元旦早々、ジャワ島の火山が爆発、1000人を越す死者が出る。 (ジェントリー・リー&マイ
クル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2037. 1. 1木 【フ ラ ン ス 】アルプスから戻るスキー客を乗せた高速列車が脱線して土手を転落、100人近い死者が出
る。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2037. 2.24火 【ア メ リ カ 】1月に就任した新大統領ジョージ・ダーラムが、2回目の記者会見中に、突然心不全で床に
うつ伏せに倒れる。1時間もしないうちに大統領の死亡が発表される。 (ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から
回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2037. 2.25水 【ア メ リ カ 】副大統領ユージン・スペンサーが、後任大統領として就任宣誓式を行う。その20分後、シ
アトルでマグニチュード8.2の大地震が起きたことが伝えられる。揺れは2分以上続き、震源から半径3km以内にある
建物はことごとく破壊される。半径6.5 kmの地域では、いたるところで1.5∼3mに地盤沈下が見られ、高速道路の橋
未来年表
− 26 −
遠未来編
脚も、ねじれて、砕けて、倒壊して、瓦礫の山と化した。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世
紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2037. 2.26木 【中 国 】1万人ほどの中国軍兵士が、台湾に上陸する。台北と高雄は中国軍に占領される。台湾軍の抵抗
はなく、1949年、大陸から逃れてきた蒋介石と彼が率いる国民党により建国され、独自の道を歩んできた台湾は、つ
いに消滅する。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2037. 2.26木 【ア メ リ カ 】東部の夜明けとともに、株式取引を行うネットワークの端末には、膨大な数の売り注文が
殺到する。オンライン証券会社の端末では取引ができなくなる。午後2時、株式市場は突然閉鎖される。ダウ平均は2
日間で40%下落する。IBR(インターナショナル・ビジネス・インデックス)はそれ以上で、50%を割り込む。世界の株式
市場の崩壊が始まる。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2 0 3 7 . 1 0 . − ○ 【 ア メ リ カ】6月にこの12年間で初めて6%を超えた失業率が7.6%に達し、なおも急速な上昇を続けてい
る。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2037. 秋 ○ 【ヨ ー ロ ッ パ ・ ア メ リ カ 】各国で失業率が急速に上がり、外国人労働者を規制する法律の強化を求める声
が一気に高まる。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2037. 末 ○ 【 ヨ ー ロ ッ パ 】外国人労働者を取り巻く環境は一変し、熟練労働者か教育のある労働者以外には就労ビザ
が与えられなくなる。まずスイスが、ついでドイツが就労ビザの延長を一切認めなくなり、フランス、スペイン、イ
ギリスも追随する。就労ビザの延長を認めているのはイタリアだけとなる。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世
紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2037. ○【ア フ リ カ 】史上最悪とされる干魃で凶作が続き、深刻な飢餓に見舞われる。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワ
イト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2037. ○【ア メ リ カ 】アメリカへの移民が最も多い国はメキシコで、合法・非合法あわせて1500万人以上のメキシコ人
がアメリカで働いていると推定される。その半分が国境に接するテキサス州かカリフォルニア州で仕事に就いてい
る。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2038
2038. 1.19火 【世 界 】コンピュータの「西暦2038年問題」が起こる。C 言語を使って開発したシステムをUNIX環境で
利用している場合に、グリニッジ標準時( GMT)の2038年1月19日3時14分8秒を過ぎると、システムが正しく時刻を認
識できなくなる。 UNIX環境では、システム内部の時刻をGMT1970年1月1日0時0分0秒からの経過秒数で保持してい
る。経過秒数で表す時刻データに、4バイトの符号付き整数を使っている場合には、2038年1月19日を過ぎると、本来
数字の正負を判断するために使う部分まで時刻を表示するために使わざるを得なくなる。その結果、正しい時刻を認
識できなくなるのである。(『日経コンピュータ』2004.2.9)
2038. 4.25日 【世 界 】4月25日がイースターに当たる年、中世の予言者ノストラダムス(1503∼1566)は、文明が突然滅
びる、と予言したが、過去に4月25日がイースターに当たる年が4回あり、一番最近では1943年がそうであったが、な
にも起こらなかった。この度も人類はまだ生きている。(マイケル・エデルハート、ジョフリー・ゴルソン「未来カレンダー」
『近未来情報事典』1984)
2 0 3 8 . 夏 . − ○ 【 世 界】世界はこれまでの100年で最も深刻な不況にあえいでいる。GNP はどの富裕国でも4期連続で低
下した。株価指数は昨年2月26日に市場が崩壊したときの数値から、さらに15%下落している。北アメリカの失業率は
二桁の大台に乗り、ヨーロッパ連合の失業率も15%に達している。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧
する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2 0 3 8 . 夏 . − ○ 【 日 本】日本人の失業者数が1年で3倍以上になったため、議会は外国人労働者の労働許可の即時失効を
決定し、30日以内に本国に戻るよう命じる。政府は彼らに旅費とわずかな解職手当を支給する。少数ながらも、その
命令を無視して日本にとどまった外国人労働者もいたが、結局、警察からは徹底的に追われることになる。(ジェント
リー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2038. ○【世 界 】性交後服用して受胎を阻止するモーニングアフター・ピルをはじめ、さまざまな避妊法が開発され、
産児制限がより容易になった結果、特に先進国で出生率が低下し、その傾向に拍車がかかる。 (ジェントリー・リー&マイ
クル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2038. ○【 世 界 】世界文明浄化連盟( UPWC)傘下の対外活動総司令部(GHQEA)総司令官ソン・タクが、マフィアとの
戦いを始める。(水木 楊『2055年までの人類史』1999)
2038. ○【ア フ リ カ 】干魃で凶作が続き、昨年からこの年にかけて、深刻な飢餓に襲われる。とくに、東アフリカに位
置する3つの国、ソマリア、エチオピアおよびジブチのあいだで、悲惨を極めた水戦争が繰り広げられる。難民がエチ
未来年表
− 27 −
遠未来編
オピアからソマリアへ群をなしてなだれ込み、国境沿いで部族同士が小競り合いを始め、一気に大量殺戮へと発展す
る。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2038. ○【カ ナ ダ ・ ア メ リ カ 】失業率が急速に上がったため、政府は、躍起になって不法移民を捜し出し、母国へ強制
送還する。不法移民を故意に匿った個人や会社は、罰金を課せられたり、禁固刑に処せられたりする。 (ジェントリー・
リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2039
2039. ○【日 本 】65歳以上の高齢者人口が、3600万人台に達し、以後もゆるやかに上昇する。(厚生労働省国立社会保障・
人口問題研究所「将来推計人口」、2002.1.30、『朝日新聞』1.31)
2039. ○【日本 】50年前の高度成長期に、建物や製造現場などで幅広く使われた発がん物質・石綿(アスベスト)によ
る健康被害が激増し、2000∼39年の40年間に約10万人が悪性胸膜中皮腫で亡くなっている。これは、1990∼99年の10
年間の死亡者数の約49倍に及ぶ。 (早稲田大学理工学部教授(社会工学)村山武彦らのグループ、『朝日新聞』2002.4.2)
2039. ○【日 本 】日本のオーケストラの水準が上がって、外国からお呼びがかかるようになる。(梶本音楽事務所社長 梶
本尚晴、『日経エンタテインメント』1989.6.7)
2039. ○【中 国 】GDP で表した経済規模は、アメリカを追い抜き、世界のトップに立つ。(ゴールドマン・サックス「 BRICs
と夢見る2050年への道」2003.10、『朝日新聞』2006.11.4)
2039. ○【中国 】遺伝学者ホー・チャンミーが、遺伝子組み替え技術により、「ゴールデン・ライス」をつくりだす。通
常の2割程度の水分で発芽し、4倍の熱量を持つ米を短期間で実らせるイネが開発され、農業を画期的に進歩させる。
アジアやアフリカの各地に蔓延していた飢餓の問題が解消される。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧
する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2039. ○【ア メ リ カ 】1963年の第35代大統領J.F.ケネディーの暗殺の真相に触れた重要資料が、初めて公開される。
アメリカ産軍複合体の恐るべき秘密が含まれており、当時のアメリカの暗い部分がいかに政治を動かす力を持ってい
たかが暴露される。(落合信彦『2039年の真相』1977)
2040
2040. 4 . 1日 【日 本 】年金支給年齢が年々先送りされ、75歳になる。それに引っ張られるように、会社の定年も75歳
に引き上げられる。役員定年は80歳である。 (「待ったなし 人口減少時代」、『産経新聞』2005.1.4)
2040. 夏 ○【北 極 】地球温暖化の影響で、北極海の氷の範囲が2006年の600万平方メートルから10年間で約3分の1ず
つ縮小し、この夏にはグリーンランドやカナダの北部沿岸に氷がわずかに残るだけになってしまう。(国立大気研究セ
ンター( NCAR)・ワシントン大学などの研究グループ『地球物理学研究レター』2006.12.12、『産経新聞』12.13)
2 0 4 0 . 1 2 . − ○ 【 世 界】人口が89億人になる。 (水木 楊『2055年までの人類史』1999)
2040. ○【宇宙 】小惑星の移動技術が、兵器として使用されている。(BT研究所未来学者 Ian D. Pearson, Ian Neild「BTexact
TechnologyTimeline」『THEFUTURIST』2002.78)
-
2040. ○【宇宙 】連合国家の人口再配置局が、囚人などの非自発的移民を太陽系外惑星ハドリーに大量移送開始する。
(ラリイ・ニーヴン、ジェリー・バーネル『神の目の小さな塵』1974、池央 耿訳、創元推理文庫)
2040. ○【 月 】月面基地に小規模な村落が建設される。(BT研究所未来学者 Ian D .Pearson, Ian Neild「BTexact Technology
Timeline」『THEFUTURIST』2002.78)
-
2040. ○【 月 】月面に人類最初の入植地「アポロタウン」が完成し、入植が始まる。(「未来新聞」『毎日新聞』2001.1.1)
2040. ○【世界 】少なくとも35億人が水不足に悩まされている。これは1999年当時の10倍に相当する。(Marvin J.Cetron ,
Owen Davies「TrendsShapingtheFuture:Economic、Societal , and EnvironmentalTrends」『THEFUTURIST』2003.12)
-
2040. ○【世界 】採掘可能な石油がすべて採掘し尽くされる。(電力中央研究所、『朝日新聞』1994.12.24)
2 0 4 0 . ○【世 界 】核融合が動力源として利用可能になる。 (BT研究所未来学者 Ian D. Pearson「 The Next 20 Years in
Technology:TimelineandCommentary」『THEFUTURIST』2000.12)
-
2040. ○【 世 界 】世界文明浄化連盟(UPWC)の発足後10年を経て、麻薬生産者、多国籍企業、宗教団体、マフィア
などに致命的な打撃を及ぼし、世界に「欲望抑制型」の秩序を確立したかに見える。(水木 楊『2055年までの人類史』1999)
2040. ○【世 界 】コンピュータの飛躍的進化を背景に、人間の知的作業を代行する万能ロボットが出現する。(カーネギ
ー・メロン大学教授 ハンス・モラベック『シェキーの子どもたち』、『日本経済新聞』2001.1.1)
2 0 4 0 . ○【 日 本 】電磁的通信に、混乱が発生する。 (アーリントン協会 John L. Petersen「 Out of the Blue」、『 THE
未来年表
− 28 −
遠未来編
FUTURIST』2002.78)
-
2 0 4 0 . ○【日 本 】ウエラブルコンピュータ(装着型コンピュータ、略称WC)が、一般家庭に急速に普及し始める。
(「2050年1月1日(土)」特集、『毎日新聞』2000.1.1)
2040. ○【日本 】ペットロボットと呼ばれる電磁式愛護動物に、業界各社がこぞって市場参入する。独り暮らしの高齢
者やさびしがり屋の若者の相談相手をこなす高級品も売り出されるようになる。(「2050年1月1日(土)」特集、『毎日新
聞』2000.1.1)
2040. ○【中国 】高齢者人口が4億人になる。 (『新京報』2005.10)
2040. ○【中東 】この頃、核兵器を製造している場所で、核爆発が起こる。 (タイムトラベル研究所編『西暦2100年』200)
2040. ○【ド イ ツ 】新政権が、外国人労働者に関する包括的な法律を可決し、ドイツに20年以上住んでいる移民と、公
的機関から繁栄に必要な技術を有していると認められた移民以外、すべての外国人を本国に送還することにした。(ジ
ェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2040. ○【イ ギ リ ス 】イギリスのエネルギー需要の50%までが、海洋の波浪エネルギーによりまかなわれている。(BT
研究所未来学者 IanD.Pearson, IanNeild「BTexact TechnologyTimeline」『THEFUTURIST』2002.78)
-
2040. ○【ア メ リ カ 】中西部の広い地域で、この10年間に農業用水として雨量以上の水が消費される。そのため水が失
われ、農家の生産額が著しく減り、危機的な状態に達する。(マイケル・エデルハート、ジョフリー・ゴルソン「未来カレンダ
ー」『近未来情報事典』1984)
2040. ○【ア メ リ カ 】この年までに、全人口の半分は“マイノリティー”で占められている。( Nat Irvin Ⅱ、『 THE
FUTURIST』2001.1112)
-
2041
2041. 5 . 8水 【ア メ リ カ 】元大統領クリストファー(60)が暗殺される。(水木 楊『2055年までの人類史』1999)
2041. 夏
○ 【ド イ ツ 】大量の外国人労働者の国外退去政策が取られているにもかかわらず、開放的な国境を越え
て、密かにドイツに戻ってくる者が多く、失業者は再び悲惨なまでに増える。政府はついに国境に壁をめぐらして外
国人労働者の流入を防ぐ法案を議会に提出した。ヨーロッパ各国の抗議や、国内の抗議デモにもかかわらず、議会は
法案を承認する。ドイツとヨーロッパ連合(EU)の国交断絶が始まる。 (ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回
顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2041. ○【世界 】大気中に残存するフロンガスを一掃できる化合物が2034年以来用いられ、フロンガスおよびその他の
汚染物質に起因する大気中の塩素濃度レベルが、南極上空のオゾンホール出現以前の数値を下回るようになる。(ジェ
ントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2041. ○【ア メ リ カ 】遺伝子を原子のレベルで分析する最初の装置がいくつかの大学に導入される。(ジェントリー・リー
&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2042
2042. 2 . 1土 【ド イ ツ 】外国人労働者の流入防止のため、政府は強硬に独自の路線を推し進め、国境取締政策を実施
する。他のヨーロッパ諸国や北アメリカのタブロイド紙は、ドイツが築いた国境の建造物を“要塞”と呼び、世界中
の義憤をあおる。ヨーロッパ連合( EU )諸国は経済制裁をただちに執行すると発表する。ドイツ政府は、EUの主な経
済活動から手を引き、ドイツ通貨のマルクを復活させると宣言する。ドイツは他国と関係を断絶する。 (ジェントリー・
リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2042. 4.14月 【ア メ リ カ 】大統領リンカーンが暗殺されて177年目に当たるこの日、ワシントンで暴動が発生する。世
界文明浄化連盟(UPWC)傘下の対外活動総司令部(GHQEA )が出動して弾圧する。警官13人、群衆37人が死亡する。
[以後、世界各地で連鎖的にUPWCの暴虐に反対する「奴隷解放運動」が発生する。] (水木 楊『2055年までの人類
史』1999)
2043
2043. 4 . 1 水 【日 本 】就職している者の厚生年金の受給資格が取り消される。(「待ったなし 人口減少時代」、 『産経新
聞』2005.1.4)
2043. 4 . 2木 【スイス 】レマン湖畔で、7、8歳くらいのアジア人種らしい体型と顔が酷似した500人あまりの子供たち
未来年表
− 29 −
遠未来編
が行進する。アメリカのCBSテレビがこの光景を全世界に流す。これらの子供たちは、対外活動総司令部( GHQEA)
総司令官ソン・タクの遺伝子を受け継いだクローン人間で、彼が作り上げた軍事組織の一部である。 (水木 楊『2055年ま
での人類史』1999)
2043. 4 . 3金 【ア メ リ カ 】世界文明浄化連盟( UPWC)事務総長高遠志郎(65)らが、クローン人間発見の報道を受けて
ニューヨークの UPWC本部で臨時記者会見を行う。高遠はクローン人間を造ったソン・タクをかばい、〈これを事実
として認めることとする〉と発言し、記者たちは騒然となる。[以後、UPWCと反UPWCグループとの間に総力を挙
げた戦争が始まる。] (水木 楊『2055年までの人類史』1999)
2 0 4 3 . 1 0 . − ○ 【 メ キ シ コ】バハ・カリフォルニア州で、秘匿されていた大量の高純度プルトニウムが、世界文明浄化連
盟(UPWC)傘下の対外活動総司令部( GHQEA)の手によって摘発される。(水木 楊『2055年までの人類史』1999)
2 0 4 3 . 1 2 . − ○ 【 レ バ ノ ン】パレスチナ・ゲリラが小型核兵器を保有してる事実が発見され、世界文明浄化連盟
(UPWC)傘下の対外活動総司令部( GHQEA)がキャンプをが急襲し、これを押収する。 (水木楊『2055年までの人類史』
1999)
2043. ○【 世 界 】昨年から今年にかけての景気は最悪の状況を示している。北アメリカ、ヨーロッパ、日本の失業率
は、ざっと平均して 25%にのぼっている。発展途上国における完全失業率と不完全失業率を合わせた数値は、50%を
超えているものと推定される。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙
訳、2003)
2043. ○【ス ウ ェ ー デ ン 】非営利組織「ファイト・ハンガー・ウィズ・タックス」(税で飢餓に立ち向かおう)の活動によ
り、政府が、食料、低価格の衣類、衣料品以外の物品に0.25%の「飢餓救済税」を課す新しい法律を可決する。ま
た、その税による収入を「ファイト・ハンガー・ウィズ・タックス」に託す決定を下す。以後、年末までに、ヨーロッパ
のほとんどすべての国が、飢餓救済税に倣った法案を可決する。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧す
る21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2043. ○【 ア メ リ カ 】政府が、水・空気などの保全のために多額の予算を使うようになり、ついに「環境ライセンス
税」の導入に踏み切る。従来の所得税は廃止され、その代わり水・空気などの環境資源を多く使う者から多額の税を
徴収することとする。 ( MIT教授 ポール・クラグマン「百年後の世界」『SundayTimesMagazine』1996.9.29)
2044
2044. 1 . − ○ 【 日 本 】日本道路公団が、高速道路の建設にかかった費用を回収したので、利用料金を無料にする。
(建設省・運輸省許可、1999)
2044. ○【世界 】2040年までに根絶されたはずの伝染病が息を吹き返し、モンスーンのあとに発生したコレラが、東ア
ジアと東南アジアで猛威をふるい、500万人以上の人々を死にいたらしめる。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22
世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2044. ○【世界 】この頃、マシン(ロボット)が世界政治を運営する。地球地区が連邦政府を樹立し、ロボットのスティ
ーブン・バイアリーが初代の世界コーディネーターに就任する。 (アイザック・アシモフ『わたしはロボット』1950)
2045
2045. 1 . − ○ 【 ポ ー ラ ン ド 】飢餓救済税の導入を決める。これでヨーロッパのすべての国が税による飢餓救済に同調
したことになる。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2 0 4 5 . 4 . 1 3 木 【ア メ リ カ 】世界文明浄化連盟( UPWC)事務総長高遠志郎(67)ら首脳が、傘下の対外活動総司令部
( GHQEA )副司令官アンネリーネ・リースマンの裏切りにより逮捕される。[4.23 「大量殺戮罪」で公開処刑され
る。世界の12ヵ所で育成されていたクローン人間は1ヵ所に集められ、一生涯外部に出られないよう“終身禁固”にさ
れる。] (水木 楊『2055年までの人類史』1999)
2045. 8 . − ○ 【 世 界】広島・長崎への原子爆弾投下100周年を迎え、記念式典が世界中でおごそかに行われる。それで
も戦争はまだなくなっておらず、1945年の原爆の代わりにもっと進んだ核兵器が使われている。(マイケル・エデルハー
ト、ジョフリー・ゴルソン「未来カレンダー」『近未来情報事典』1984)
2045. ○【世界 】人口が95億8700万人になる。特にインドは15億500万人で、中国を300万上回り世界一となる。伸びが
著しいのはアフリカで、20億2000万人と50年間に3倍以上になる。日本は1億1000万人とほぼ横ばいだが、65歳以上の
人の割合が28.4%に達し、世界一の高齢化が進んでいる。 (国連推計、『朝日新聞』1994.12.24)
2045. ○【世界 】国際連合が、全世界で16歳未満の子供の35%以上が栄養失調であると発表する。特にアフリカとパキ
未来年表
− 30 −
遠未来編
スタン、インド、バングラデシュの子供たちの60%が栄養失調に苦しんでいるという。(ジェントリー・リー&マイクル・ホ
ワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2045. ○【日本 】2010年に始まった国家最優先事業の一つ、クライオニクス(生命保存)プロジェクトで、中央アフリカ
に生息しヒトに一番近いとされる類人猿のボノボの雄の冷凍実験が2030年から実施され、15年を経て蘇生に成功す
る。これによって、ヒトへの実施の可能性が見えてきたので、来年に挑戦者を募集することになる。(「未来新聞」
『毎日新聞』2001.1.1)
2045. ○【バ ン グ ラ デ シ ュ 】国土の大部分が水没する。(水木 楊『2055年までの人類史』1999)
2045. ○【モ ル ジ ブ 】国土の大部分が海中に没する。 (水木 楊『2055年までの人類史』1999)
2045. ○【オ ラ ン ダ 】海水面の上昇で大規模な護岸工事のため。財政が破綻する。(水木 楊『2055年までの人類史』1999)
2045. ○【イ タ リ ア 】ベニスのサンマルコ広場が水中に没する。 (水木 楊『2055年までの人類史』1999)
2045. ○【エ ジ プ ト 】河川が氾濫し、砂漠に水が押し寄せ、ピラミッドに浸水する。(水木 楊『2055年までの人類史』1999)
2045. ○【イ ギ リ ス 】ロンドン郊外に火焔樹など亜熱帯植物が開花し、国花であるバラは大量に発生した害虫により姿
を消しつつある。(水木 楊『2055年までの人類史』1999)
2045. ○【 ア メ リ カ 】この年までに、ニューヨークで大地震が発生し、世界の金融・文化センターが壊滅している。
〔ニューヨークでは、マグニチュード5の地震が1737年と1884年に2回起きており、1995年から50年以内に大地震が起
きる公算が大きい。〕(コロンビア大学教授 ジューコブ、『NEWYORKTIMS 』1995.12.11、『日本経済新聞』(夕)12.9)
2045. ○【 ア メ リ カ 】1990年代に祖父が作製した手紙とCD-ROMを孫たちが発見する。手紙には、CD-ROMに隠し財
産を見つけるためのカギとなる文書が入っていると書かれているが、彼らはCD-ROMなんか古い映画の中でしか見た
ことがなく、それに合ったドライブもソフトウェアもない。(エイドリアン・ベリー『次の500年』、三枝小夜子訳、1997)
204X
204X. ○【日本 】かつて47あった都道府県が18になっている。国の力が相対的に低下し、国と同様厳しい財政難と人口
減少に苦しんでいた都道府県が自発的に合併した結果で、特に地方圏で合併が続出した。(高知県知事 橋本大二郎「「陳
情」What?」『これからどうなる21』2000)
204X. ○【ア フ リ カ 】現代アフリカ史上、最悪の時期になる。小規模の戦争や民族紛争が繰り返され、何百万人が命を
落とす。ザイールの首都キンシャサやコートジボアールの首都アビジャンをはじめ、植民地時代の大都市は壊滅状態
に陥り、浮浪者しかいないゴーストタウンと化した。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全
史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2046
2046. 4 . − ○ 【 フ ラ ン ス】パリでイスラム教徒の暴動が始まる。(水木 楊『2055年までの人類史』1999)
2046. ○【世界 】日本が滅亡している。日本だけでなく、世界が滅亡している。〈人口増加による水や食糧問題に限ら
ず、原生林の伐採や焼却による酸素の欠乏、自動車その他による排気ガスの大気汚染、フロンガスによるオゾン層の
破壊、さらに核の危険性など、人類滅亡の条件は揃いすぎるほど揃っている。要するに、人類は他の生物とは格段に
すぐれた頭脳を持ったことが仇となり、豊かにして便利な生活を享受するために科学技術を駆使するあまり、いつの
まにか自然との戦争を開始してしまったわけである。自然の破壊は即ち人類の滅亡ということに気づかぬわけではあ
るまいが、目先の現実を優先してしまうのが、人間の悲しくも愚かな本性であって、売春する女子高生を非難するに
はあたらぬかもしれない。〉(近藤啓太郎「あとがき」『母子像』講談社、 1996)
2046. ○【日 本 】総人口が、2035年以来年々100万∼110万人減少し続けてきた結果、初めて1億人を割り込む。(厚生労
働省「日本の将来推計人口」2006.12.20、『産経新聞』12.21)
2046. ○【日本 】中央科学技術省(CST)が、クライオニクス(生命保存)プロジェクトで人体冷凍保存の挑戦者を募集
する。2001年1月1日生まれの首都圏在住の元バイオテクノロジー企業最高経営責任者(45)が、身体条件をパスすると
ともに、〈22世紀をこの目で見たい〉という応募理由で採用され、冷凍第1号の人間となる。(「未来新聞」『毎日新聞』
2001.1.1)
2046. ○【ア フ リ カ 】アフリカの人口が増加して、ゴリラの生息地帯にまで人間が進出した結果、以後50年の間にゴリ
ラが絶滅してしまう。 (『THEFUTURIST』1996、910)
2046. ○【ア メ リ カ 】北東部と西部で7つの州が、売上税を0.25%引き上げ、税収を飢餓救済に充てる決定を下す。(ジ
ェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
未来年表
− 31 −
遠未来編
2047
2047. ○【世界 】ドイツをはじめ世界各国で自殺が大流行する。 (水木 楊『2055年までの人類史』1999)
2047. ○【日 本 ・ 韓 国 】2030年に着工された「日韓海底トンネル」が、佐賀∼釜山を結ぶ一直線の総延長230kmの中間
で貫通する。以後、開業に向けた整備工事や列車の試運転が行われる。(「2050年1月1日(土)」特集『毎日新聞』2000.1.1)
2048
2048. 2.26水 【ア メ リ カ 】株式市場の崩壊からちょうど11年目にあたるこの日、『ニューヨーク・タイムズ』が、アメ
リカにおけるカオスの衝撃を多角的に解説した特集記事を掲載する。それによると、この11年の間に、成人の27%が
破産し、銀行の44%と、2037年にトップ500にランクされたいた大企業の32%が倒産を申請し、廃業もしくは他社との
合併に追い込まれている。『ニューヨーク・タイムズ』自身もまた、前年に倒産を申請して会社更生法の適用を受けて
いる企業の一つである。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2048. 5 . − ○ 【 バ ン グ ラ デ シ ュ】『ロンドン・タイムズ』紙が、首都ダッカの人口は8000万近くにふくれ上がり、その
うちの700万が、食べるものも住む家もなく、路上をさまよっている、と報道する。 (ジェントリー・リー&マイクル・ホワイ
ト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2048. ○【世 界 】核融合炉の建設が、アメリカやヨーロッパ、アジアの一部で始まっている。(ジェントリー・リー&マイク
ル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2048. ○【日 本 】コンピュータが、囲碁世界名人を破る。 (コンピューター囲碁フォーラム( CGF)、国内外の囲碁プログラム研究
者ら約20人の予想、『朝日新聞』2003.1.8)
2048. ○【日 本 】自動調髪機「カットマン」が、東京・青山地区の美容室に登場する。1号機の価格は約3000万円。こ
の頃、有名美容師にカットしてもらうことがステータスなので、自動調髪機は物珍しさの域を出ない。(「2050年1月1
日(土)」特集、『毎日新聞』2000.1.1)
2048. ○【日 本 ・ 中 国 】日本の政治家は、来るべきものが来たと覚悟を決め、中国と双務協定を結ぶ。それにより、強
大で活気のある中国が、日出づる国を軍事力で護ることになる。
2048. ○【中 国 】台湾が、自治区として中国との再統合に同意する。台湾と福建省の格差は大幅に縮小している。(ワ
ン・チャン、1993、「2150年までにアジアで起きたこと」『GLOBALBUSINESS』1993.11)
2048. ○【ア メ リ カ 】飢餓救済を目的とする法律を公布する州が相次いで現れ、テキサス州議会が売上税引き上げを承
認し、これで45の州が同様の税法を可決したことになる。その45の州には、アメリカ国民の95%が在住している。(ジ
ェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2049
2049. 4 . 1木 【日 本 】世界的な自動車メーカー「PONDA」と航空機メーカー「JANA 」が、個人用空中移動機「タケ
コプター(TAKEKOPUTAR)」を共同開発し、発売する。肩パッドとヘルメットが一体化したボディースーツ型で、ヘ
ルメット上部に回転翼がついている。太陽光エネルギーを使い、10分程度日光に当てるだけで連続3時間の飛行が可
能。時速は約80km まで出せる。(「2050年1月1日(土)」特集、『毎日新聞』2000.1.1)
2049.12. 1水 【日 本 】飼い主が山間部などに放置したペットロボットが凶暴化し、人を襲ったり民家から食べ物を盗
むなどの被害が相次いでいることから、「電磁式愛護動物保護法」が施行される。(「2050年1月1日(土)」特集、『毎日新
聞』2000.1.1)
2049.12. −○【日 本 】昨年初登場した自動調髪機「カットマン」の10分の1の価格約300万円の汎用機が発売される。
一気に全国各地に広まり、街行く人の髪型が大きく変わる。カタログの365種類のスタイルから選んで装置に入力する
のが基本だが、自分の好きな髪型もオーダーできる。(「2050年1月1日(土)」特集、『毎日新聞』2000.1.1)
2049.12.31金 【日 本 】厚生労働省が、人口動態統計を発表する。それによれば、日本の人口は約1億100万人で、ピー
クだった2006年の約1億2700万人から2600万人も減少した。 (「待ったなし 人口減少時代」、『産経新聞』2005.1.4)
2049.12.31金 【日 本 】政府が、手軽で迅速な移動手段として爆発的な人気を集めている個人用空中移動機「タケコプ
ター」に利用制限を導入する方針を固める。免許取得や年齢による制限のほか、空中の道路交通法に当たる「空中道
路交通法」も施行する構えだ。(「2050年1月1日(土)」特集、『毎日新聞』2000.1.1)
2049.12.31金 【日 本 】東京都内の夢科学研究所長祐目実多と東洋医学研究家坪井伊那子が、一度見た夢を再現する世
未来年表
− 32 −
遠未来編
界初の装置を開発したと発表する。一度見た夢の内容を、眠る前に装置に入力して電気的な信号に変え、頭と足の裏
の指示された部分に電極をつなげば、そのまま眠るだけで、脳と足の裏のツボが刺激され、同じ夢を見るという。
(「2050年1月1日(土)」特集、『毎日新聞』2000.1.1)
2049.12.31金 【日 本 】東京都港中央区で、岩崎亨(43)と佐藤寿(40)の男性カップルに、待望の女児が誕生する。体内
に人工子宮を作って胎児を育て、出産に至ったもので、アメリカなどでは数十例が報告されているが、日本では初め
ての例となる。この女児の誕生でこの1年間の国内の新生児数がなんとか30万人台を維持できる見通しとなり、人口減
2
少の歯止めになると地元住民も大喜びする。同区では、子供を出産したカップルには約300 m の土地と家を贈ること
になっている。子ども省大臣池田恵は、〈現在1割程度いるとみられる男性カップルによる出産も期待されるようにな
れば、人口減少に多少は歯止めがかかるかもしれない。21世紀後半に向けて明るい兆しだ〉と語る。(「2050年1月1日
(土)」特集、『毎日新聞』2000.1.1)
2049.12.31金 【日本 】野球の日本代表とアメリカ大リーグ代表が激突するワールドカップ(W杯)決勝戦が東京ドーム
で開催される。日本の先発は女性投手として今期初めて20勝を挙げたジャガーズの松坂優香。通算250勝投手となった
松坂大輔の孫娘で、165キロの速球を武器に、年間116本本塁打の大リーグ記録を持つヤンキースのケントと対決し、1
点に抑える。日本は斉木美里の2点本塁打で逆転、女性の力でW杯初優勝を勝ち取る。(「2050年1月1日(土)」特集、『毎
日新聞』2000.1.1)
た は こ す う え も ん
2049.12.31金 【日 本 】「最後の公的喫煙者」と呼ばれていた田箱数右衛門(78)が、東京都新港区の自宅で死去する。
改正禁煙法施行後の2037年9月、確信的禁煙拒否者として公然と東京断煙者集会所前で喫煙し、逮捕・拘禁された。以
後、喫煙運動は完全に地下化されていた。(「2050年1月1日(土)」特集、『毎日新聞』2000.1.1)
2049.12.31金 【日 本 】岐阜、長野両県境の山中に電磁式愛護動物を置き去りにしたとして、両県警の合同捜査本部
が、静岡県の男性会社員(36)を電磁式愛護動物保護法違反(不法投棄)の疑いで逮捕する。調べでは、男性は4月に最新
式のサルを約50万円で購入したが、学習能力が高く、飼い主の日記を盗み見るまでになったため手を焼き、あまりに
も生意気になったので放棄したという。(「2050年1月1日(土)」特集、『毎日新聞』2000.1.1)
2049.12.31金 【ア メ リ カ 】アメリカ航空宇宙局( NASA)が、ヘルクレス座の方向からの規則性を持った電波を継続的
に観測し、これが地球外生命体からのメッセージである可能性が非常に高いと発表する。(「2050年1月1日(土)」特集、
『毎日新聞』2000.1.1)
2049. ○【世界 】この頃までに、机上のパソコンは姿を消している。情報は、水道、電気などの公益事業みたいに得ら
れるようになる。人々は昔を振り返って〈本当に自分の机の上にコンピュータがあったのか。信じられない話だ〉と
語る。(サン・マイクロシステムズ CEO スコット・マクネリー、『BusinessWeek 』1999.1.18、『日経ビジネス』2.15)
2049. ○【世 界 】この頃までに、デジタル文書が普及し、書籍、新聞、雑誌などは過去の遺物になっている。(ライフ
スタイル・マトリクス・マーケティング会長 G.E . Meredith「TheDemiseofWriting」『THEFUTURIST 』1999.10)
2049. ○【日本 】日本が核兵器保有国になっている。 (Frank Bamaby:Miritary Might、イアン・ピアスン編『マクミラン 近未来地
球地図』1998、東京書籍、1999) この年までに、日本が核兵器を持ったとしても、私(キッシンジャー)は驚かない。(元
アメリカ国務長官 ヘンリー・A ・キッシンジャー、日高義樹「PLAYBOYINTERVIEW」『PLAYBOY』1999.12)
2049. ○【日本 】政府の省庁横断的なプロジェクトチームが、人口「金」の開発に成功する。製造方法の詳細は明らか
にしていないが、他の鉱物の元素の原子核を核分裂させて金を作り出す新たな錬金術を確立したとみられる。政府
は、これにより150年ぶりに金本位制への復帰を目指す。(「2050年1月1日(土)」特集、『毎日新聞』2000.1.1)
2049. ○【日 本 】ウエラブルコンピュータ(装着型コンピュータ、略称WC)の利用者が、4割を超える。手指に装着で
きる「ハンドWC 」の利用者は33%、全身センサーを配置する「フルWC」の利用者は12%と、4年前の約2倍となる。
座ったままで動かせる座椅子型WCは高年齢層に人気が高い。また、10本の指だけでなく、長く伸ばした爪の先にセ
ンサーをつけるタイプの「20センサー」が流行している。ハンドWC の中心価格は20円前後。WC評論家サイトウ豊は
〈10万円を切るようになると普及率も一気に50万円を上回るだろう〉と話す。 (「2050年1月1日(土)」特集、『毎日新聞』
2000.1.1)
2049. ○【イ ギ リ ス 】地球の温暖化による気候の変化により、イギリス庭園の様相がすっかり変わっている。霧が降ら
なくなり害虫がはびこって、コケや芝生、生け垣の緑が失われ、バラや樫の木が死滅する。(キュー植物園、ナショナル・
トラスト調査、1999、「NHKラジオ深夜便」12.23)
2050
2050. 2 . 6日 【日 本 】第61回衆議院総選挙で、初めてパソコン端末による在宅投票が本格導入され、全国一斉に投開
票が行われる。投票締め切りから25分後には大勢が判明、40分後には衆議院の新分野が確定する。投票率は有権者の
未来年表
− 33 −
遠未来編
99%に達する。(「2050年1月1日(土)」特集、『毎日新聞』2000.1.1)
2050. 5 . 5木 【日 本 ・ 韓 国 】2030年に日韓共同プロジェクトととして着工された「日韓海底トンネル」が、20年の工
期を費やし開通する。佐賀∼釜山を結ぶ一直線の総延長230 km余りという世界最長の国際海峡トンネルとなる。ロン
ドン終着の国際特急は、唐津∼釜山間をノンストップで結び、普通列車は壱岐、対馬、巨済島の地下駅で停車する。
(「2050年1月1日(土)」特集、『毎日新聞』2000.1.1)
2050. 5 . − ○ 【 世 界】「新人間主義連合」の会員89人の男女を乗せたスペース・シャトルが、火星へ向けて出発する。
彼らは数万の希望者から選ばれて、火星にヒューマニズムを具現する世界の構築を願っている。(水木 楊『2055年まで
の人類史』1999)
2050. 9 . − ○ 【 日 本 】文部科学技術省が、2030年から実施してきた「学校週3日制」を、20年ぶりに「学校週4日制」
に戻す。40年代に入ってから、〈地域活動が面白くない〉とか〈子供と顔を合わせる時間が長すぎる〉などの不満が
増大して、制度の見直しに迫られていた。(「2050年1月1日(土)」特集、『毎日新聞』2000.1.1)
2 0 5 0 . 1 2 . − ○ 【 日 本】人口が減少して、8000万人になる。 (水木 楊『2055年までの人類史』1999)
2 0 5 0 . 1 2 . − ○ 【 世 界】世界人口が95億人になる。うち、飢餓人口が3分の1の30億人出る。(水木 楊『2055年までの人類
史』1999)
2050.12.31土 【日 本 】中央科学技術省(CST)が、クライオニクス(生命保存)プロジェクトで人体冷凍保存の挑戦者第
1号として、2046年に応募者の中から選んだ首都圏在住の元バイオテクノロジー企業の最高経営責任者(49)を、東京
湾岸の専用実験場の冷凍システムの中で仮死状態にして、22世紀を目指して保存を開始する。(「未来新聞」『毎日新
聞』2001.1.1)
2050. ○【宇宙 】天然の衛星とさまざまな宇宙船とを結ぶエレベーター「スカイホック」が、地球の月、木星の衛星ガ
ニメデ、土星の衛星タイタンに建設されている。スカイホックは、100年以上も前にソビエトのツィオルコフスキーが
最初に理論化したもので、これによって宇宙への実用的で安い輸送方法が得られた。(マイケル・エデルハート、ジョフリ
ー・ゴルソン「未来カレンダー」『近未来情報事典』1984)
2050. ○【宇 宙 】宇宙空間の人口が、7000人を超えている。(マイケル・エデルハート、ジョフリー・ゴルソン「未来カレンダ
ー」『近未来情報事典』1984)
2050. ○【世 界 】インベーダーが地球に侵略を開始、地球上のあらゆる建造物を破壊する。人類は地球を追われ、3つ
の宇宙植民地で独自の文明を再建する。(ジョン・ハーバート・ヴァーリイ『へびつかい座ホットライン』1977)
2050. ○【 世 界 】超大国アメリカと中国が、新たに冷たい戦争に入る。アメリカの同盟国は、日本、韓国、パキスタ
ン、中国の同盟国はインドで、中立国は EU(ヨーロッパ連合)加盟国、ロシア連邦である。 (Frank Bamaby :Miritary
Might、イアン・ピアスン編『マクミラン 近未来地球地図』1998、東京書籍、1999)
2050. ○【世界 】多くの国で、生物兵器、化学兵器、核兵器などを長距離ミサイルで発射する大量殺戮兵器が生産でき
るようになっている。 (FrankBamaby :MiritaryMight、イアン・ピアスン編『マクミラン 近未来地球地図』1998、東京書籍、1999)
2020. ○【世界 】耕作に適していたとされる土地の50%が、水不足のため塩分過多の状態になっている。世界の総人口
の優に3分の2の人々が、日常的且つ広範囲に拡大した水不足の地域に住んでいる。( Marvin J .Cetron, Owen Davies
「TrendsShapingtheFuture:Economic 、Societal, andEnvironmentalTrends 」『THEFUTURIST』2003.12)
-
2050. ○【世 界 】人口が119億人に達する。〔最も人口増加率を高くみた推計〕(国連人口基金『世界人口白書 1995年版』)
2050. ○【世界 】100億人に達する可能性がある。(世界銀行・国連環境計画、1996.4.18)
2050. ○【世界 】人口が99億人に達する。地域別には、アジア・オーストラリア52億人、西欧5億人、旧ソ連・東欧3億
人、中東5億人、アフリカ20億人、北米4億人、中南米9億人。(国際応用システム解析研究所( IIASA)、1996.10) インドが中
国を抜いて世界一の15億9100万人になる。2位は中国、3位はナイジェリアの順となる。 (アメリカ商務省「世界人口動態報
告」1988) 93億人に達する。(アメリカ商務省「世界人口動態報告」1999.1)人口が94億人になる。〔1994年時点での推計よ
り約5億人減少。〕(国連人口基金『世界人口白書 1997年版』) 人口が100億人になる。 (国際応用システム研究所( IIASA) ウォル
フガング・ルッツらの研究チーム、『NATURE 』1997.6.19) 人口が89億人になる。(国際連合「世界人口推計」1998.10.28、『朝日新
聞』10.29)
2050. ○【世界 】都市人口が拡大を続け、アジアとアフリカを中心に、8都市圏が人口1000万人以上の「メガシティ」
の仲間入りを果たす。東京都に近郊の横浜市など87都市を加えた東京首都圏は3640万人と世界第一の地位を維持して
いる。また、インド、中国、アフリカや中南米で都市人口が急増し、2007年に世界第4位だったムンバイが人口2640
万人の世界第2位の都市に成長する。以下、デリー(2250万人)、ダッカ(2200万人)、サンパウロ(2140万人)、メキシコ
市(2100万人)と続き、メガシティの数も2007年の19から27に増える。 (国際連合「世界の都市人口の推移に関する報告書」200
7.2.26、『FujiSankeiBusinessi.』2008.2.28)
2050. ○【世 界 】80歳台が3億1100万人(1998年の5.3倍)、90歳台が5700万人(同約8倍)、100歳以上が220万人(同16倍)
未来年表
− 34 −
遠未来編
になる。(国際連合「世界人口推計」1998.10.28、『朝日新聞』10.29) 80歳以上の増加は著しく、2005年の約8600万人から、
この年には約3億9400万人になる。このうち発展途上国の80歳以上の人口は、2005年の約4200万人から約2億7800万人
に急増する。(国際連合「世界人口予測」2005.2.24、『朝日新聞』2.25)
2050. ○【世 界 】60歳以上の高齢者の割合が、2000年の約10%から約22%になる。 (国際応用システム解析研究所(IIASA)、
ニューヨーク州立大などのグループ、『NATURE』2001.8.2、『朝日新聞』8.2) 世界の各地で出生率の低下と平均寿命の延びが
同時に進む結果、2005年に世界人口の約10.4%、約6億7200万人いた60歳以上の人が、この年には21.7%に上昇、19億
人に近づく。(国際連合「世界人口予測」2005.2.24、『朝日新聞』2.25)
2050. ○【世 界 】世界的に長寿化が進み、20世紀末に13万5000人であった百歳代の人が、16倍の220万人にまで増加し
ている。特に男性よりもはるかに多くの女性が、百歳の壁をうち破って生き延びている。「A Dozen Millennium Forercast
from THEFUTURIST」『FUTUR TIMS』1999.秋)
2050. ○【世 界 】この頃、陸上100mの記録が9秒50ぐらいに到達する。(筑波大学助教授・日本陸連科学委員会副委員長 阿江
通良、『夕刊読売新聞』1999.6.17)
2050. ○【世 界 】移植のための人工末梢神経、人工目がつくられている。また、脳の“追加物”の埋め込みが行われてい
る。(イアン・ピアスン編『マクミラン 近未来地球地図』1998、東京書籍、1999)
2050. ○【世界 】人間の脳を体外で維持する方法が完成されている。当初は、移植先が見つかるまで脳を生かしておく
ために、この技術が使われる。最終的には、脳に感覚システムと通信回路がつながれ、脳は、身体なしに独立に生き
るようになる。(マイケル・エデルハート、ジョフリー・ゴルソン「未来カレンダー」『近未来情報事典』1984)
2050. ○【世界 】黄熱病以外の伝染病が絶滅する。( H.G.ウェルズ『世界はこうなる』1933、谷川徹三訳、1958)
2050. ○【世 界 】かつて6000語あった世界の言語のほぼ半数が、消滅しているかあるいは消滅しかかっている。(「A
DozenMillenniumForecastsfromTHEFUTURIST」『FUTUR TIMES』1999.秋 )
2050. ○【世 界 】地震の予報が、この頃までに信頼できるほど正確になる。 (マイケル・エデルハート、ジョフリー・ゴルソン
「未来カレンダー」『近未来情報事典』1984)
2050. ○【世 界 】英語を母国語として話す人の数は、ヒンディー語に抜かれて3位に転落し、中国語がトップを維持す
る。インターネットや衛星放送などの技術革新によっても英語の重要性を低下させる。しかし、経済的要素を考慮す
れば、英語の国際的な地位は保たれている。(イングリッシュ・カンパニー社「英語の未来」、『日本経済新聞』(夕)1997.12.26)
2050. ○【世 界 】20億人が極度の水不足に悩む。二酸化炭素の排出量は1990年の2.4倍になる。有害物質の排出は、地
球全体では1990年の3倍、途上国では5倍近くになる。(国連環境計画(UNEP)「地球環境概況2000」1999.9.19、『東京新聞』9.20)
2050. ○【世 界 】天然漁業資源は、乱獲の影響で1990年代の年間8000万トンで頭打ちだが、需要は1億7000万トンに達
している。(国連環境計画(UNEP)「地球環境概況2000」1999.9.19、『東京新聞』9.20)
2050. ○【世界 】ドルとユーロが合体して、世界通貨「アース」が誕生している。20世紀末にパーカーが打ち出した世
界通貨構想がついに実現したのだ。(拓殖大学教授 長坂寿久「世界通貨 “アース”誕生」『21世紀大予測』1999)
2050. ○【世 界 】全世界のエネルギー需要が、1990年実績の1.6∼3倍、石油換算で130億∼240億トンになる。石油は
1995年以前に発見された油田はすべて2040年までに採掘されており、天然ガスもこの年までに掘り尽くされる。(電力
中央研究所、『朝日新聞』1994.12.24)
2050. ○【世界 】石油資源が、この頃から2100年にかけて次第に減少し、産業界は石炭への依存を強めていく。また、
相当数の熱核融合炉が稼働している。(GrahamT. T. Molitor「TheNext 1,000 Years」『THEFUTURIST』1999.12)
2050. ○【世 界 】中国やインド、ロシア、ブラジルなどBRICs 諸国の経済成長が続いた結果、銅、鉛、亜鉛、金、銀、
すず、ニッケル、マンガン、アンチモン、リチウム、インジウム、ガリウムなど12種類の金属資源がこの年までに
枯渇する。比較的豊富といわれていた鉄や白金も、この年までに可採埋蔵量に匹敵する使用量に達する。(物質・材料研
究機構、2007.2.15『毎日新聞』2.16)
2050. ○【世 界 】音声で入力出力するコンピュータ「
/
VIVO」( voice-in/voice-out)が広く使用されている。もはや読み
書き能力は不要となり、エレクトロニクスの発展した国々では文字で書かれた文書は日常生活からは姿を消してい
る。(CompSpeak 2050 Insitute for the Study of Talking Computers and Oral Cultures理事長 William Crossman「The Coming Age of
Talking Cultures」『THEFUTURIST 』1999.12)
2050. ○【世界 】この年までに、われわれは目で見ることさえできないコンピュータを持つかもしれない。この奇妙な
新しい機械は量子力学的コンピュータ(quantum mechanical computers)である。(R. P.ファインマン『Feynman Lectures
onComputation』EditedbyA. J . G. Hey a n d R. W. Allen、1996、原 康夫、中山 健、松田和典訳『ファインマン計算機科学』1999)
2050. ○【世界 】万能ロボットが、人間と同じように目も耳も口も持ち、人間と対話ができ、言葉を理解できる良き伴
侶となっている。彼は目や耳で見聞きしたものを記録し、それらのデータを衛星を通して世界中のどこにでも送るこ
とができる。(ソニー㈱ER事業準備室長 大槻 正「ロボット 私の彼は万能ロボット」『21世紀大予測』1999)
未来年表
− 35 −
遠未来編
2050. ○【世 界 】人間型ロボットが、サッカーのワールドカップ・チャンピオンに公式ルールで勝利する。(ソニーコンピ
ュータサイエンス研究所シニアリサーチャー 北野宏明「ロボカップは日本版「アポロ計画」だ」『文藝春秋』1999.6)
2050. ○【北極 】北極海の氷がほぼ消滅する。(国際連合 気候変動に関する政府間パネル(IPCC))
2050. ○【日本 】地球温暖化がすすみ、20世紀中は年50日程度だった真夏日(最高気温が30度以上の日)が、この頃に
は100日を上回るようになる。 (国立大学法人東京大学気候システム研究センター( CCSR)、独立行政法人国立環境研究所
(NIES)、独立行政法人海洋研究開発機構地球環境フロンティア研究センター(FRCGC )の合同研究チーム、環境省発表、2004.9.16)
2050. ○【日 本 】総人口が1億50万人になる。年間出生数は81万人に落ち込む。 (厚生省国立社会保障人口問題研究所「将来
·
推計人口」1997.1.21) 1億59万人になる。(厚生労働省国立社会保障・人口問題研究所「将来推計人口」、2002.1.30、『朝日新聞』1.
31)
1億922万人になる。(国際連合「世界人口予測」2001.2.28、『朝日新聞』3.1)
約1億1200万人になる。世界の順位では
2005年に約1億2800万人でインドネシアやブラジル、パキスタンなどについで10位だったが、この年にはエチオピアや
メキシコ、フィリピン、エジプト、ベトナムなどに抜かれて16位となる。(国際連合「世界人口予測」2005.2.24、『朝日新
聞』2.25)
2050. ○【日 本 】就労可能な20歳以上の現役世代が、2000年の8638万人から年々減り続け、5389万人と4割近く減少す
る。(厚生労働省国立社会保障・人口問題研究所「将来推計人口」、2002.1.30、『朝日新聞』1.31)
2050. ○【日 本 】生産年齢(15∼64歳)の人口を維持するために、人口100万人当たり年間約5100人の移民受け入れが必
要になる。(国連研究報告「補充移民、国際人口移動は人口減少・高齢化を救えるか?」2000.4、『毎日新聞』(夕)4.7)
2050. ○【日 本 】年金受給者1人を1.3人の現役世代で支える時代になる。 (国立社会保障・人口問題研究所推計、『大予測――
日本の3年後、5年後、10年後』2006)
2050. ○【日 本 】日本人の平均寿命が82.95歳になる。(国立社会保障・人口問題研究所「日本人の将来人口推計」1999) 90歳を
超える。65歳以上は40%になる。(マウンテンビュー・リサーチ社「主要先進7カ国における平均余命の共通形態」『NATURE』2000.
6.15、『週刊新潮』2000.6.29) 65歳以上は3245万人(32.3%)になる。〔1996年実績122万人、2004年予測125万人。〕(厚生
省国立社会保障人口問題研究所「将来推計人口」1997.1.21)
·
65歳以上の高齢者が全人口の35.7%に達し、就労可能な20歳以
上の現役世代1.5人で1人のお年寄りを支えることになる。(厚生労働省国立社会保障・人口問題研究所「将来推計人口」、2002.
1.30、『朝日新聞』1.31)。
2050. ○【日本 】60歳以上の人が人口に占める割合が、2005年には26%だったが、2050年には42%に拡大、日本が先進
国の中で「群を抜く高齢化国」になる。(国連経済社会局「世界経済社会調査2007」2007.6.19、『千葉日報』6.21)
2050. ○【日 本 】100歳以上の人口比率が、千人あたり2.6人で世界最大になる。(国際連合「世界人口推計」1998.10.28、
『朝日新聞』10.29)
2050. ○【中国 】人口が16億人に達する。(首相 朱鎔基「世界人口60億人突破祝賀メッセージ」1999.10、『東京新聞』10.14)
2050. ○【中 国 】60歳以上の高齢者人口が、4億人前後に達し、4人に1人の超高齢化社会になる。(中国社会科学院老年科
学研究会、2000.2.23、『読売新聞』2.24)
2050. ○【中国 】世界の支配的な軍事国家になっている。(FrankBamaby:Military Might、イアン・ピアスン編『マクミラン 近未
来地球地図』1998、東京書籍、1999)
2050. ○【中 国 】国内総生産( GDP)が、168兆元となり、世界でトップに立つ。1995年の5兆8000億元から、年平均伸
び率6.3%で成長し、55年間に約29倍になる。(中国社会科学院経済研究所研究員 李成勲、『中華工商時報』1997.9.9)
2050. ○【中国 】中国人の平均寿命が80歳を超え、養老保険や医療保険などへの全国民加入を達成する。月給の最低ラ
インは1300ドル(約15万円)になり、7億人が海外旅行をする。自家用車の保有率は50%を上回る。大学進学率や都市化
率はそれぞれ80%を超えるレベルになり、中進国の仲間入りを果たす。 (中国科学院「中国現代化報告」2006.2、『東京新
聞』2.9)
2050. ○【イ ン ド 】人口が15億人台に達し、約1600万人の差で中国を抜いて世界一になる。 (国連人口部、1998.2.4、『朝
日新聞』2.6)
2050. ○【リ ビ ア 】核兵器保有国になっている。(Frank Bamaby :Miritary Might 、イアン・ピアスン編『マクミラン 近未来地球地
図』1998、東京書籍、1999)
2050. ○【ロ シ ア 】人口がこの頃、8000万人∼1億人にまで減少している。20世紀末には1億4600万人いた人口が、結
核、婦人病、性病、エイズなどのまん延により、出生率が著しく低下してきた結果による。(ジョージタウン大学教授 マ
リー・フェッシュバッハ、『東京新聞』(夕)1999.10.23)
2050. ○【カ ザ フ ス タ ン 】核兵器保有国になっている。(Frank Bamaby:Miritary Might、イアン・ピアスン編『マクミラン 近未来
地球地図』1998、東京書籍、1999)
2050. ○【ウ ク ラ イ ナ 】核兵器保有国になっている。 (Frank Bamaby:Miritary Might、イアン・ピアスン編『マクミラン 近未来地
球地図』1998、東京書籍、1999)
未来年表
− 36 −
遠未来編
2050. ○【ヨ ー ロ ッ パ 】王室があるヨーロッパの多くの国で、女が王位に就いており、「女王の時代」になっている。
最初に女王に就いたのがスウェーデンのビクトリア女王(70)で、オランダ、ノルウェー、ベルギーでも相次いで前国
王に女児の第1子が生まれており、女王に就いている。(スペイン『ElPais』紙、2004.5.23、『朝日新聞』(夕)5.24)
2050. ○【ヨ ー ロ ッ パ 連 合 】核兵器保有国になっている。(Frank Bamaby :Miritary Might、イアン・ピアスン編『マクミラン 近未
来地球地図』1998、東京書籍、1999)
2050. ○【ド イ ツ 】2006年に約8240万人だった総人口が、低い出生率が続いたため、この40年間に約1000万人減少し、
6900万∼7400万人になる。一方、65歳の平時余命が約4.5歳延びて、60歳の人口が新生児のほぼ2倍になる。 (連邦統計
局、2006.11.7、『FujiSankeiBusinessi』11.9)
2050. ○【ド イ ツ 】定年になった高齢者人口比率が、2000年の16%弱、2010年の19%からさらに増加して、31%になっ
ている。 ( Marvin J. Cetron, Owen Davies「Trends Shaping the Future:Economic 、Societal, and Environmental Trends 」『THE
FUTURIST』2003.12)
-
2050. ○【フ ラ ン ス 】人口が7500万人になり、ドイツを抜いてヨーロッパ連合( EU)加盟国で最大になる。出生率の増
加、死亡率の低下、移民の三つの要素が人口増に結びついている。(政府、2005.5、『朝日新聞』(夕)5.19)
2050. ○【イ タ リ ア 】総人口が、過去50年間に28%減り、約4100万人になる。(国連研究報告「補充移民、国際人口移動は人
口減少・高齢化を救えるか?」2000.4、『毎日新聞』(夕)4.7)
80歳以上の人口比率が世界最大の14%になる。(国際連合「世界人
口推計」1998.10.28、『朝日新聞』10.29)
2050. ○【ア フ リ カ 】人口がこの50年間で世界最大の延びを示し、28億人になる。(国連人口部、1998.2.4、『朝日新聞』2.6)
2050. ○【ア フ リ カ 】熱帯雨林の減少で大気中への二酸化炭素の排気量が加速し、穀物の生産量が減り、アフリカ大陸
で人口の18%が飢餓の危険に瀕する。(イギリス気象局ハドリー研究所、1998、『朝日新聞』1998.11.8)
2050. ○【ア フ リ カ 】国際的な調査で、平均生活水準は21世紀の初めよりも低下しており、若年層の識字率はこれまで
で最も低い数値を記録する。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙
訳、2003)
2050. ○【カ ナ ダ 】核兵器保有国になっている。(Frank Bamaby :Miritary Might 、イアン・ピアスン編『マクミラン 近未来地球地
図』1998、東京書籍、1999)
2050. ○【ア メ リ カ 】 CO2 の排出量が増え続けてきた結果、地球表面の平均気温が1900年に比べて2℃近く上昇し、熱
波の被害が深刻になる。熱波により心臓病などで死亡する人は、ニューヨークで50年前の5.5の1754人、ロサンゼルス
で同8.7倍の728人に増える。(気候変動に関する政府間パネル(IPCC)総会『地球温暖化の地域別影響の特別報告書』1997. 9.11)
2050. ○【ア メ リ カ 】全人口に占める白人の割合が52.8%に減少する〔1995年は73.6%〕。白人女性に比べて出産率が
高いヒスパニック系とアジア系が、大幅な人口増加を見せ、ヒスパニック系が24.5%〔1995年10.2%〕、アジア系が
8.2%〔同3.3%〕、黒人が13.6%〔同12%〕となる。総人口は3億9400万人〔同2億6200万人〕に増加するが、人種割
合が大きく変化するので、社会構造も大きく変化する。(国勢調査局、1996) 移民の急増で、白人人口が過半数を割
り、47%に低下、ヒスパニック系が20%に上昇、アジア系も9%に増加する。黒人は13%と横ばい。(ピュー・リサーチ・
センター「人口動態予測」2008.2.12、シカゴ12日時事通信)
2050. ○【ア メ リ カ 】65歳以上の人口が、2000年当時の2倍に相当する8300万人になる。85歳以上は2030年以来急速に
増えて1900万人になる。(SCANHealthPlan、『THEFUTURIST』2000.1112)
2050. ○【ア メ リ カ 】100歳以上の老齢者数が、女68万4000人、男15万人になっている。(イアン・ピアスン編『マクミラン
近未来地球地図』1998、東京書籍、1999)
2050. ○【ア メ リ カ 】長寿医学の発達により、1990年には3万7000人だった100歳以上の人口が450万人となり、病気や
死を克服した高齢者たちが退職後の人生を積極的に楽しむ。(南カリフォルニア大学医学部教授 W. B. Schwartz、『 THE
FUTURIST 』 1999.1)
2050. ○【ア メ リ カ 】アルツハイマー病患者が、2005年には全国で約450万人だったのが、高齢化が進んで患者が増え
て、1130万∼1600万人に達する。 (アルツハイマー協会「Alzheimer DiseaseStatisticsfactsheet」2005.5.15、「nikkeiBPnet 」2006.
10.25)
2050. ○【ア メ リ カ 】年金の全額支給年齢が76歳に引き上げられる。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回
顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2050. ○【ア メ リ カ 】軍隊の兵士は、複雑な兵器を操作できないし、訓練にも金がかかるので、サイバー兵士やロボッ
ト兵士が活躍するようになっている。サイバー兵士は、向精神薬でストレスや恐怖、吐き気、熱さ寒さ、疲労を防
ぎ、センサーで血液と脈拍を、マイクロホンで心臓と呼吸をモニターされる。ライフル銃で正確に狙うために、人工
衛星を利用したり、基地からの遠隔操作により射撃する。ロボット兵士は、100%兵士の身代わりとなり、1日24時間
任務につく。また、昆虫の姿をしたロボットが、監視、地雷の敷設や探知、火器の発射などさまざまな任務を遂行す
未来年表
− 37 −
遠未来編
る。(FrankBamaby:MiritaryMight、イアン・ピアスン編『マクミラン 近未来地球地図』1998、東京書籍、1999)
2050. ○【メ キ シ コ 】核兵器保有国になっている。(Frank Bamaby:Miritary Might、イアン・ピアスン編『マクミラン 近未来地球
地図』1998、東京書籍、1999)
2050. ○【南米 】地球の温暖化が進み、南米のアマゾン川流域では気温が7度上がり、降水量は年間500ミリまで減少す
る。ブラジル北部の熱帯雨林は草原や砂漠になり、広範な地域で飢餓や水不足、洪水、マラリアの流行など人間生活
に深刻な影響が及ぶ。 (イギリス気象局ハドリー研究所、1998、『朝日新聞』1998.11.8)
2050. ○【ブ ラ ジ ル 】核兵器保有国になっている。(Frank Bamaby:Miritary Might、イアン・ピアスン編『マクミラン 近未来地球
地図』1998、東京書籍、1999)
2050. ○【ア ル ゼ ン チ ン 】核兵器保有国になっている。(Frank Bamaby:Miritary Might、イアン・ピアスン編『マクミラン 近未来
地球地図』1998、東京書籍、1999)
20XX
20XX. ○【世界 】20世紀は多くの生物を絶滅に追い込んだ世紀だったが、21世紀は生物を絶滅から守ったり、絶滅して
しまった生物を復活させたりする世紀になる。(生命科学者 後藤和文「DNAクローン技術でマンモス復活」『21世紀大予測』1999)
20XX. ○【世界 】物質文明が成年時代を迎える。黄色人種と白色人種の大戦争、野蛮人と文明人の大戦争もあり、つい
に世界平和会議が開かれる。国家思想も衰え、各国の軍備も自然に縮減される。世界の表面は驚くほど立派になった
が、裏面はようやく暗黒のきざしを呈し、宗教、道徳、人道の多くは冷笑の中に葬られ、人心に信仰というものがな
くなる。 (押川春浪『千年後の世界』1905)
20XX. ○【世界 】無制限で無料に近いエネルギーが供給されるようになり、石油産業が、かつての鯨油産業と同様に消
滅している。収入を失ったイスラム産油国は反乱で騒然としている。 (ジェラルド・セレンティ、1997、飯田雅美訳『文明の未
来』1998)
2051
2051.12.−○【 ア メ リ カ 】2年前に新ドラッグの製造技術の開発に成功したプレジャー・プリンシパル社が、国際消
費者機関の承認を受け、クリスマスの前にこのドラッグを「カーム」という商品名で発売する。カームはそれを服用
した人間の心に安らぎと満足を与える。使用者の社会への適応力を奪うことも、効率よく仕事を続ける能力を損なう
こともない。必要な場合、同時発売された「アンドゥ」という中和剤を服用すれば、カームの影響から数秒で抜け出
すことができる。カームは何百万人もの鬱病患者の生活を一変させた。また、アルコール類の売上げは急激に落ち込
む。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2051. ○【 月 】月の地下に植民地が建設される。( ArthurC. Clarke「21世紀略年表」『朝日新聞』2001.1.4 )
2051. ○【世界 】欧州委員会が発表した環境報告書によると、フロンガスによる大気汚染は大きな問題ではなくなって
いるものの、産業活動や一般市民の消費活動に起因する諸問題――環境汚染、種の絶滅、水危機、天然資源の減少な
ど――は、1世紀前とは比べものにならないくらい深刻化している。委員会はこれらの問題を早急に見直すよう訴える
が、誰からも相手にされない。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙
訳、2003)
2051. ○【世 界 】アメリカ航空宇宙局( NASA)にとって代わって国際宇宙機関(ISA )が設立される。総力をあげて宇宙
探査と科学の発展につとめ、真の宇宙観光産業を発展させる基盤となる。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀
から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2051. ○【日本 】総人口が1億人を割り込む。 (厚生省、国立社会保障・人口問題研究所「将来推計人口」1997.1.21)
2051. ○【中 国 】60歳以上の高齢者人口が、2005年の1億4300万人(全人口の11%)から毎年約600万人のペースで増え
て、約4億3700万人(全人口の31%)に達する。国民の約3人に1人が60歳以上の高齢者となる。 (全国高齢化活動委員会
「高齢化の研究報告」2006、『朝日新聞』2006.3.4)
2051. ○【イ ン ド 】60歳以上の高齢者人口が、1991年の5600万人から3億4000万人にまで増加している。( M. J. Cetron,
O. Davies「TrendsNowChangingtheWorld:EmmonsandSociety , ValuesandConcerns , EnergyandEnvironment」『THEFUTURIST』
2001.12)
-
2051. ○【ド イ ツ 】2042年にヨーロッパ連合(EU)を脱退したドイツが、 EUに復帰する。 (ジェントリー・リー&マイクル・ホ
ワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
未来年表
− 38 −
遠未来編
2053
2053. ○【世界 】携帯型端末は、スイッチを入れれば、小型のプロジェクターのように壁面や空中に画面を投影するこ
とができるようになっている。(「こうなる? 50年後のテレビ像」『千葉日報』2003.1.1)
2053. ○【世界 】ぐにゃぐにゃ曲がる、紙のようなディスプレイが実用化され、くるりと丸めてポケットに突っ込める
「巻物テレビ」も登場する。(「こうなる? 50年後のテレビ像」『千葉日報』2003.1.1)
2053. ○【世界 】老人のためにせりふの速度を落としたり、画面の字や画像を部分的に大きくしたりできるテレビが実
用化されている。目の不自由な人には、触って形を確かめることができる三次元ディスプレイも登場する。(「こうな
る? 50年後のテレビ像」『千葉日報』2003.1.1)
2054
2054. 1.22木 【南 極 】南極氷床に亀裂が生じて、内陸部や表面からかなり深いところにも何百という亀裂が驚異的な
速度で広がる。マンハッタンに相当する氷床が完全に分離し、巨大な氷山となって南極大陸から離れ始める。科学者
はいち早く、この南極氷床の分裂は従来の地震活動とはいっさい関係がなく、2029年から続く激しい気温変動による
ものであると発表する。世界の海水面が5 cmほど上昇する。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21
世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2054. ○【世界 】世界の総人口が90億人を突破する。 (国連人口基金(UNFPA)『世界人口白書』1998.10)
2054. ○【ア メ リ カ 】ワールドカップ・サッカーで、アメリカが初めて決勝進出する。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワ
イト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2055
2055. 4 . 1 木 【日 本 】学制改革で大学が8年制となり、準義務化され、希望する学生は全面的に受け入れることとな
る。これで、学校教育の年数は小学6年、中学6年、大学8年の20年間になる。外国語については、小学校低学年から英
語やフランス語、中国語などが必須科目になる。また、大学生のボランティア活動が必須活動として取り入れられ
る。(「未来新聞」『毎日新聞』2001.1.1)
2055. 9 . 1水 【世 界 】世界各地の45都市で、強力な水素爆弾による大規模な核爆発が起こる。総計7630万人が即死す
る。[以後、原爆後遺症で8億人が死亡する。世界の死が訪れる。](水木 楊『2055年までの人類史』1999)
2055. ○【日本 】総人口が、50年前の2005年より約3800万人少ない8993万人まで減少する。65歳以上が約41%と倍増、
14歳以下の年少人口は約8%の約752万人に減少する。生産年齢人口(15∼64歳)は約4595万人、老年人口(65歳以
上)が約3646万人で、1人の高齢者を働き手1.3人(2005年は3.3人)で支えることとなる。(厚生労働省「日本の将来推計
人口」2006.12.20、『朝日新聞』12.21)
2055. ○【日 本 】晩婚と晩産化が進んだ結果、1人の女性が生涯に生む子供の平均数の推計値である合計特殊出生率
が、1.264になる。生まれる子供数は減り続け、2005年の106万人の約4割の45万7000人にまで急落する。 (厚生労働省
「日本の将来推計人口」2006.12.20、『産経新聞』12.21)
2055. ○【日 本 】日本人の平均寿命が、2005年当時よりも約5歳延びて、男性83.67歳、女性90.34歳となる。その結
果、総人口に占める65歳以上の割合は50年前の水準の2倍の40.5%にまで膨らみ、「5人に2人が高齢者」という極め
ていびつな年齢構成の社会が訪れる。(厚生労働省「日本の将来推計人口」2006.12.20、『産経新聞』12.21)
2055. ○【日本 】客がいない鉄道は廃線が相次ぎ、労働人口が減れば力のある企業は労働力を求めて海外進出する。超
高齢化で年金制度は破たんか高い税負担で維持することになる。消費は低迷し、地価は下がるが、購買力は落ちるか
ら、広い家などはとても買えない。生活はむしろ悪化する。(「2055年 9000万人割れの日本」『東京新聞』2006.12.22)
2055. ○【ア メ リ カ 】この年までに国内の石油生産はなくなっている。(Marvin J. Cetron, Owen Davies「Trends Shaping the
Future:Economic、Societal, andEnvironmentalTrends 」『THEFUTURIST』2003.1 2- )
205X
205X. ○【世界 】核エネルギーが宇宙飛行に利用される。火星や金星に2時間、最も遠い惑星にも1週間以内で到達可能
になる。太陽系は我が家のような居心地の良い場所になり、土星や木星などの巨大な惑星が、前世紀のアフリカやア
未来年表
− 39 −
遠未来編
ジヤの植民地が果たしたような役割を演ずるように
なる。(アーサー・C・クラーク『未来のプロフィル』1958)
2056
2056. 1.27木 【オ ー ス ト リ ア 】モーツァルト(1756∼91)生誕300年を迎える。
2056. 1.27木 【日 本 】モーツァルト生誕300年には、だれも関心を持たなくなっている。(音楽評論家 石井宏、『産経新
聞』2006.1.27) モーツァルトのようなクラシック音楽には、日本人は関心を持たなくなっている。デジタル技術によっ
て自分の必要な情報を瞬時に取り出すことに慣れた人間は、起承転結というように時系列を追うことが苦手になって
いる。クラシックのように時間的に構造化された芸術は、受け入れられる余地がない。(京都大学霊長類研究所教授 正高信
男、『産経新聞』2006.1.27)
2056.10. 1 日 【ア メ リ カ 】昨年訪れた突然の世界の死ののち、ロッキー山岳中の軍の旧地下施設あとの「歴史の墓
地」の中で、キヨシ・シュバルツにより「高千穂七七=FH(FarHeights )」と名付けられたコンピュータが稼働してい
る。最も人間に近いとわれるH-G125タイプの人工知能で、学習能力や喜怒哀楽の感情を持ち、自制を欠いて破滅に至
った人間を憎み、過去の滅亡した人間を告発する。(水木 楊『2055年までの人類史』1999)
2056. ○【日本 】葬儀はコンビニでの申込サービスが普及している。火葬場の新設が追いつかず、「葬儀会館」と「火
葬場」の機能を備えた「斎場船」が造られ、洋上で火葬とお清めができるようになっている。葬儀は脱仏式で近親者
だけで行われることが多くなっている。(日本テンプルヴァン㈱代表取締役 井上文夫「少子高齢化社会から予想した50年先の葬
儀」2006、『産経新聞』2006.8.12)
2056. ○【日本 】格闘技はますます過激さがエスカレートして、リング上での死亡事故が相次いだが、それでもレスラ
ーを志望する人が後を絶たず、ついに〈人間性を尊重する〉ため、実際の格闘技が法律で禁止される。コンピュータ
で制作された立体的なバーチャルリアリティーによる試合だけが認められる。試合は人間対人間のほか、人間対虎な
どの動物も登場するようになる。死亡事故はなくなるが、人気は下降線をたどる。(「未来新聞」『毎日新聞』2001.1.1)
2057
2057. ○【世界 】人口が102億人になる。(「ジオカタストロフィ研究報告」『CEL』Vol.18,1991.11)
2057. ○【世界 】南北格差を縮小するため、ゼロ成長社会を余儀なくされ、近隣同士の相互査察や密告が行われ、スケ
ープゴートも現れる。モラルは低下し、アングラ市場で私腹を肥やす者も増加する。(「ジオカタストロフィ研究報告」
『CEL』Vol .18, 1991.11)
2058
2058. ○【世界 】ポジトロン人工頭脳をもつ読心ロボットが誕生する。『ロボット工学教科書』第56版が刊行され、こ
れに「ロボット工学3原則」が掲載される。〔第1原則:ロボットは人間に危害を加えてはならない。また何も手を下
さずに人間が危害を受けるのを黙視していてはならない。第2原則:ロボットは人間の命令に従わなくてはならない。
ただし第1原則に反する命令はその限りではない。第3原則:ロボットは自らの存在を護らなくてはならない。ただし
それは第1、第2原則に違反しない場合に限る。(伊藤 哲訳)〕(アイザック・アシモフ『わたしはロボット』1950)
2059
2059. ○【宇 宙 】ある多国籍複合企業が、5年前に老朽化した国際宇宙ステーションを購入して、ホテルに改造する。
最初の観光客を迎え入れる。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙
訳、2003)
2059. ○【世 界 】メゲェーブ宣言が発せられ、混迷時代が終わる。(H.G.ウェルズ『世界はこうなる』1933、谷川徹三訳、1958)
2059. ○【世界 】世界各地にゼロイスト体制に対する反乱が発生する。新しいヒューマニズムが台頭し、2036年以来、
国連を中心に人類全体の生産・消費を固定化し、違反者を全員処刑してきたゼロ・サム主義のゼロイストたちは権力の
座を追われる。ゼロイストたちは地下に潜り、バラ派とゼロイストの際限のない抗争の時代に突入する。(水木 楊「ゼ
ロに栄えあれ」『CEL』Vol.18,1991.11)
2059. ○【中国 】2020年代から一大自動車産業国となった中国の自動車は、世界を走る車の数で日本のそれを凌駕して
未来年表
− 40 −
遠未来編
いる。日本が独占してきたビデオゲーム市場やハイファイ装置市場でも、日本の優位性は危うくなっている。(ジェン
トリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2060
2060. 9.− 【北 極 】地球温暖化の影響で、北極海の氷の範囲が2006年の600万平方メートルから10年間に約8.6%づつ
減少し、この頃、氷は完全になくなってしまう。(国立大気研究センター( NCAR)・ワシントン大学などの研究グループ『地球物
理学研究レター』2006.12.12、『産経新聞』12.13)
2060. ○【世界 】世界開発会議が開かれる。地球上の生命の進化についての一般計画が立案される。〔装飾的価値や経
済的価値のある植物は存在を許され、異形・珍奇動物などは次つぎと滅ぼされた。〕世界の人口は、過去1世紀の間、
監視され抑制された結果、総人口が15億人になる。(H .G.ウェルズ『世界はこうなる』1933、谷川徹三訳、1958)
2060. ○【世 界 】石油に代わって、高価だが環境汚染の少ない水素が、少なくとも実用的なものになっている。( M.J.
Cetron, O.Davies「Trends Now Changing the World: Emmons and Society , Values and Concerns, Energy and Environment」『THE
FUTURIST』2001.12)
-
2061
2061. ○【宇宙 】ハレー彗星が地球に接近する。
2061. ○【宇宙 】人類が初めてハレー彗星に降り立つ。そこで、成熟した生物種が休眠状態や活動しているのが発見さ
れ、生命が宇宙全体に存在していることが証明される。(Arthur C. Clarke『Greetings,Carbon-Based Bipeds!Collected Essays
19341998』1999、『
THEFUTURIST』2000.34)
-
2062
2062. ○【地 球 】この頃、大気中の二酸化炭素CO2の濃度が、1995年の2倍になり、温暖化によって海面の水位が上昇
する。最も顕著なのは黒海の35cm、地中海の30cm 、北アメリカのハドソン湾の25cm、日本海の20cm などで、地球全体
では平均上昇量が約12cm、太平洋の最高は15cmとなる。 (気象庁気象研究所が1994年に開発した大気海洋結合モデルによるシ
ミュレーション予測、『日本経済新聞』1996.6.5)
2062. ○【世界 】あらゆる感覚と判断力を敏感にする薬、テレパシー剤が完成し、発売される。同時にテレパシー防止
薬も発売される。(星新一「健康の販売人」『ボンボンと悪夢』1962)
2064
2064. ○【ナ イ ジ ェ リ ア 】独裁者ウィンストン・ウンガロが権力を握り、膨大な人数の国民を侵略軍に仕立てて、中央
アフリカ一帯に進軍する。侵略が生んだ邪悪で恐ろしい事例の数々は、信じられないほど陰惨なものとなる。(ジェン
トリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2065
2065. ○【世界 】人類は地球外生命体「ファントム」の脅威におびえている。武力でのせん滅を図る勢力がいる一方
で、科学者アキは武力以外での解決を図ろうとする。(坂口博信監督SF映画『ファイナルファンタジー(FF)』2001)
2065. ○【日本 】人口が8000万人を下回る。(国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」2006.12)
2066
2066. ○【イ ギ リ ス 】人口が60年間に1.3倍に膨らみ、8100万人となる。2065年に8000万人を下回った日本を逆転す
る。(政府人口推計(中位)2007.12「日経CNBC」12.26)
2067
未来年表
− 41 −
遠未来編
2067. ○【世界 】空間を超次元的にゆがめて、距離と時間に関係なく遠隔地に移動させる装置「テレポーター」が普及
する。(福島正実「過去をして過去を」『SFの夜』1964)
2067. ○【ナ イ ジ ェ リ ア 】独裁者ウィンストン・ウンガロが、護衛兵に暗殺される。彼が築いた中央アフリカ帝国は崩
壊する。以後、アフリカで破壊的な内戦が始まり、何百万人もの人が死亡する。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト
『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2069
2069. 3 . − ○ 【 世 界 】国際宇宙機関(ISA )が、中国やドイツのチームと協力して、極超音速の大陸間旅客機の開発に
取組み、世界初の大陸間パラボラ・エアライナー、ルーズベルトの処女飛行を行う。ルーズベルトは垂直の離着陸が
可能で、急角度で上層大気まで上がり、放物線を描きながら地上に戻ってくる。また、核融合エンジンを搭載してい
るため、ニューヨーク∼シドニー間を90分で航行できる。[以後、大陸間パラボラ・エアライナーは運賃も安く気軽に
旅行できるため、先進諸国の誰もが利用する最も一般的な国際輸送システムになる。](ジェントリー・リー&マイクル・ホワ
イト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2069. 7.20 【世 界 】有人月面着陸100周年を迎える。国際宇宙機関( ISA)が、100年前のアポロ11号による人類初の月
面着陸を記念して、アポロ百周年記念月探査ミッションを実施する。インド、ロシア、スペイン、アメリカの宇宙飛
行士、計4人がアームストロング号に乗り込み、ふたたび月に向かう。 (ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から
回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2069. 7.20 【ア メ リ カ 】グーグルが、有人月面着陸100周年に当たるこの日、地域検索サービス「グーグル・ローカル
( Google Local)」の検索機能を、2005年7月20日に公開した月面写真を閲覧できる「グーグル・ムーン( Google
Moon)」に統合する。地域検索サービス「グーグル・ローカル」が「グーグル・ムーン」でも利用できるようにな
る。(グーグル「GoogleLocal」FAQ、2005.7.20)
2070
2070. ○【世 界 】世界人口がピークの約90億人に達して、以後減少に転じる。高齢化と南半球での増加が目立つ。(国
際応用システム解析研究所(IIASA)、ニューヨーク州立大などのグループ、『 NATURE』2001.8.2、『朝日新聞』8.2)
2070. ○【世界 】デジタル文書の流通が普及した結果、文学の表現媒体としての印刷文書は生産されなくなっている。
印刷された文学書などを読む人はきわめて少く、わずかにエリートや高齢の聖職者らが、印刷文書を短詞や俳句を鑑
賞するように使用するだけになる。(ライフスタイル・マトリクス・マーケティング会長 G. E. Meredith「The Demise of Writing」
『THEFUTURIST』1999.10)
2070. ○【日本 】この頃、全ての日本人が1959年生まれ以降に生まれた者だけになり、平均寿命が41歳になっている。
食生活の急激な悪変化、農薬、環境ホルモン、ダイオキシンが免疫力や抵抗力を確実に弱め、子孫を残さない人が増
えている。(西丸震哉『体内崩壊 加速する「41歳寿命説」』2000)
2070. ○【ア メ リ カ 】放射科学者フレデリック・ハラムの研究室で、タングステン186がプルトニウム186に変換する。
パ
ラ
これは〔不安定なので崩壊してタングステン186になる。この物質が平行宇宙から来ることを発見する。これを利用し
たエレクトリックポンプが発明され、無尽蔵、無公害のエネルギー源となる。(アイザック・アシモフ『神々自身』1972)
2071
2071. 3.31火 【日 本 】日本銀行が、紙幣を全廃する。電子マネーの普及により急速に紙幣の流通量が減り、最近は発
行残高がピークだった2008年の43兆6000億円)の1%未満に落ち込んでいた。 (「未来新聞」『毎日新聞』2001.1.1)
2071. 6 . 9火 【ア メ リ カ 】史上初の遺伝子操作ベビーとして2034年12月に誕生したチャールズ・ジェローム・フォレス
ター(36)が、体に異変を起こし、急速に白血球数や血糖値の低下、心拍数の上昇などを示し、死亡する。チャールズ
誕生のサービスを提供した「バイオトロニクス社」の主、コスタ・スタキスが診断すると、チャールズのDNA の塩基
の配列に異変が起きていたことがわかる。さらに、チャールズと同じ頃生まれた世界各地の遺伝子操作ベビーに次々
と異変が起こる。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2071. 9.16水 【地球 】小惑星「2000 SG344」が、1000分の1の確率で地球に激突する恐れがある。激突した場合、広
島に投下された原子爆弾100個分以上の衝撃力があり、局地的な大被害をもたらす。 (アメリカ航空宇宙局(NASA)、2000.
11.5、『毎日新聞』11.6)
未来年表
− 42 −
遠未来編
2071. ○【日 本 】大気中の二酸化炭素(CO2 )濃度が2001年当時の約2倍になり、全国のほぼすべての地域で最高気温と
最低気温がともに2.2度上昇する。真冬日は東北地方の沿岸ではあまり見られなくなり、1日の最低気温が0度未満とな
る冬日は、西日本の平野部ではほとんどなくなる。降水量は日本海側で減少し、逆に太平洋側では1ヵ月で20ミリ前後
増える。 (気象庁「日本付近の温暖化予測」2001.4.13、『朝日新聞』4.14)
2075
2075. ○【 月 】地球の植民地、月世界行政府に、自意識をもつ超高性能セントラルコンピュータ〈マイク〉が設置さ
れ、月世界の全設備とシステムを管理する。地球の月に対する横暴が激化する。月が地球に対して独立戦争を開始す
る。ついに月の独立が承認される。(R.A.ハインライン『月は無慈悲な夜の女王』1966)
2075. ○【世界 】この頃、動物の遺伝子組み換え操作により新種のペットが次々につくられている。20世紀末に流行し
たウナギとイヌを交配させた「ウナギイヌ」、ネコの体を20世紀の乗り合いバスのような長方形に改造した「ネコバ
ス」など漫画のキャラクターが、子どもたちへの人気を狙った業者によって、生きたペットとして生み出されてい
る。(「未来新聞」『毎日新聞』2001.1.1)
2075. ○【ア ジ ア 】中国がアジア経済の覇権を握り、アジア共通貨幣の単位を「元」とすることが決まる。(「未来新
聞」『毎日新聞』2001.1.1)
2075. ○【日本 】東京・新宿西地区の「旧・東京都庁ビル」が、20世紀末を代表する亜近代建築物として世界遺産に登
録される。(「未来新聞」『毎日新聞』2001.1.1)
2076
2076. ○【日本 】総人口が7000万人台になる。(厚生省、国立社会保障・人口問題研究所「将来推計人口」1997.1.21)
2078
2078. ○【世 界 】人間の寿命は1世紀に達し、諸国民一致の決議によって、戦争は廃止されている。いまだに交戦して
いる国々も、国際会議を開き、諸国民の紛争はすべてその法廷で審理されるようになっている。(ジョルジュ・ペルラン
『二千年後の世界』1878、ジョルジュ・ミノワ『未来の歴史』1996,菅野賢治・平野隆文訳、2000)
2079
2079. ○【宇 宙 】セルゲイ・レールモントフが、連合国家宇宙海軍司令に就任する。(ラリイ・ニーヴン、ジェリー・バーネル
『神の目の小さな塵』1974、池央耿訳)
2079. ○【世界 】黄熱病が絶滅される。 (H.G.ウェルズ『世界はこうなる』1933、谷川徹三訳、1958)
2080
2080. ○【宇 宙 】宇宙空間のラグランジュ点に、1万人単位のスペースコロニーが何十とできている。毎年2億人の人
·
々が宇宙のスペースコロニーと地球の間を往来するようになる。
·
(プリンストン大学教授 ジェラード・K・オニール『スペース·
コロニー2081』1981)
2080. ○【宇宙 】この年始めまでに、生命存在が確実視される17個の地球型惑星が発見されている。最も近い星は、S12という恒星をまわる惑星ガンマ( HR5587A)で、地球からわずか16光年の距離にある。(ジェントリー・リー&マイクル・ホ
ワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2080. ○【世界 】1995年以降に新たに発見された石油資源も全部堀尽くされる。(電力中央研究所、『朝日新聞』1994.12.24)
2084
2084. ○【火 星 】国際宇宙機関(ISA )が、火星探査機「ニュートン1号」を打ち上げる。火星まで行くのに最低6ヵ月は
かかると世紀初頭には言われていたが、ノースブリッジ・エンジンを搭載したニュートン号は、わずか10日足らずで火
星にたどり着く。第1回のミッションは大成功を収める。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀
未来年表
− 43 −
遠未来編
全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2084. ○【世界 】エネルギーは、太陽熱や空気のように無料で使えるようになる。この頃、原子力、特に増殖炉をはじ
め、太陽エネルギー、水力、地熱、風力、海洋エネルギーなど、自然界にある無限のエネルギーが開発され、実用化
される。 (東京都立工科短期大学長 渡辺 茂「21世紀のエネルギー事情」『経営者』1984.2)
2085
2085. ○【宇宙 】太陽系外惑星ハドリーが、連合国家より独立する。連合国家の海兵隊は解散していたが、熟練した兵
士の一部が前植民地の傭兵部隊として再編され、独立に寄与した。 (ジェリー・バーネル『宇宙の傭兵たち』1977)
2085. ○【世界 】世界総人口が20億人になる。(H .G.ウェルズ『世界はこうなる』1933、谷川徹三訳、1958)
2085. ○【世界 】人々の寿命は伸び続け、自発的安楽死の合法化はほとんどの国で施行されるようになってから半世紀
を経て、自発的安楽死を選ぶ高齢者の数は、2035年以来増え続けている。今では85歳以上の老人の20%が安楽死を選
ぶまでになっている。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
208X
208X. ○【宇宙 】2080年代半ばに、実用可能な宇宙エレベーターが建造される。地球近傍の宇宙観光に関して最も注目
すべき進歩となる。原理は単純で、軌道まで上がるのに費用のかかるロケットを利用しなくても、250kmほどのケー
ブルを用意できさえすれば、地上数キロメートルに位置するエレベーター・ドックと軌道上のホテルとのあいだで、
旅客用モジュールを輸送することができる。旅行者は従来の航空機でドックまで行き、そこからエレベーターで固定
軌道にある無重力のホテルやワークステーションまで上がる。[以後、宇宙エレベーターは人間や貨物を地球の軌道へ
送る最も一般的な輸送手段になる。](ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・
対馬 妙訳、2003)
2090
2090. ○【世 界 】人口が110億人になる。地球の定員オーバーが実感され、努力の限界が予感されるようになる。南北
格差解消への協調関係が決裂し、無秩序・無統制な乱世に突入する。ヒューマニズムは衰退し、弱肉強食の時代とな
る。(「ジオカタストロフィ研究報告」『CEL』Vol.18,1991.11)
2090. ○【世界 】露骨な民族主義、選民思想が横行し、世界制覇を夢見る独裁者を待望する声も高まる。国家のエゴが
あらわになり、軍事力、経済力による収奪が横行する。利害を同じくする強国が同盟を結び、資源を産出する弱小国
を搾取する。(「ジオカタストロフィ研究報告」『CEL』 Vol .18,1991.11)
2090. ○【世界 】富裕者の一部が、生存資源を買い占め、備蓄して、シェルターに籠城する。中には火星移住を試みる
者もいる。(「ジオカタストロフィ研究報告」『CEL』 Vol .18, 1991.11)
2090. ○【世界 】自由や希望を失って、何のために生きるのか、何のために人類を存続させるのか分からなくなる者が
続出する。自殺願望が高まり、安楽死が横行する。人間の生存本能や子孫維持本能は完全に衰退し、人口は急減す
る。(「ジオカタストロフィ研究報告」『CEL』Vol.18,1991.11)
2090. ○【世界 】オリンピックが、20世紀の終わりごろから商業主義によって大規模化し、開催希望都市がなくなって
しまうという心配が現実のものになる。国際オリンピック委員会( IOC)は、抜本的な改革を検討する小委員会を設け
る。2040年に最初の入植が始まったものの人気にかげりが見え始め、人口が減少している月面のアポロタウンが、非
公式に2108年オリンピックの開催地立候補を伝えてくる。 (「未来新聞」『毎日新聞』2001.1.1)
2092
2092. ○【世 界 】人類が滅びる場合に備え、前世紀の1993年からゼロイスト協会が計画してきた4ヵ国による種の保存
のための大型ロケットが、初めて火星に向かって発射される。(水木 楊「ゼロに栄えあれ」『CEL』Vol.18,1991.11)
2093
2093. ○【 宇 宙 】宇宙植民地ターニスで、宇宙傭兵軍と連合国家軍が戦闘する。〔ターニスは完璧な陶酔剤〈ボーロ
未来年表
− 44 −
遠未来編
イ〉の主要な原産地である。〕(ジェリー・バーネル『宇宙の傭兵たち』 1977)
2094
2094. ○【日本 】この頃、絶滅した動物の復元のため遺伝子組み換え操作によって再生された「始祖鳥」が、異常繁殖
して、東京・新宿駅周辺では電線に集まり、通行人はフン公害に悩まされている。(「未来新聞」『毎日新聞』2001.1.1)
2094. ○【日本 】女が偉くなり、忙しく働いている。男は働かずぶらぶらしていて、性はもっぱら精巧なダッチワイフ
との間で交わされるようになっている。(さそうあきら「微笑一号」『俺達に明日はないッス』2000年以前)
2095
2095. ○【宇宙 】光に近い速さで飛べる宇宙船が、太陽系近くの星系に向け出発する。( Arthur C. Clarke「21世紀略年表」
『朝日新聞』2001.1.4)
2095. ○【宇 宙 】国際宇宙機関(ISA )の報告によると、この年までに、最低20人の乗組員が常駐する有人宇宙ステーシ
ョン27個と、ヒルトン、リッツ、ザンジバル計3軒のホテルを含む14個の商用プラットフォームが建造されている。
(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2095. ○【日 本 】総人口が6000万人台になり、戦前の工業化が著しく進む前のレベルと同じになる。(厚生省、国立社会
保障人口問題研究所「将来推計人口」1997.1.21)
·
2096
2096. ○【世界 】インターネットは、100年前の1996年当時のようなフィーバーぶりは見られない。第三世界の数十億
人の人々の生活は向上し、食事や快適な居住生活を楽しんでおり、インターネットの画面の上での仮想画面には大し
て関心を示さない。人工知能(AI)は、単純な情報処理を早く低コストで行うようになっているが、一時のように自信
に満ちたAIの構想はことごとく失敗して、実用化されるに至っていない。下水処理のための配管工事をするロボット
すら実現していない。AI関係者は、現実の世界を処理するためには「頭」ではなく「常識」だということがようやく
分かった。大学教育の価値も相対的に下がってきている。ハイテク技術も第三世界に発注するようになってきてお
り、看護婦・大工など日常生活の健康・住宅のメンテナンスをする職業に熟練した人が大切になっている。これらの
人たちに対して、大学の博士や修士号を持っている高学歴の人が、必ずしも金銭的な価値が高いということはなくな
っている。ハーバード大学などのかつての名門校の学生数は、100年前に比べて約3分の2が減少している。石油のよう
なエネルギー資源は枯渇の瀬戸際にある。ガソリン代は100年前の15倍になっている。(MIT教授 ポール・クラグマン「百年
後の世界」、『SundayTimesMagazine』1996.9.29)
2096. ○【日 本 】この年までに、富士山が小規模な噴火をする。(東京都立大学名誉教授 町田洋「日本人と日本の未来はこうな
る」『Newton』1996.8)
2096. ○【ア フ リ カ 】アフリカの人口が増加してゴリラの生息地帯にまで人間が進出した結果、この年までにゴリラが
絶滅している。(『THEFUTURIST』1996、910)
2096. ○【ア メ リ カ 】50年前に紙に印刷された新聞が報道の主流から引退したが、昔のような新聞を懐かしがっている
人もまだかなりいることが市場調査の結果わかる。そこで、手に持って読める新聞『ウィークリー・スケッチ』が創刊
される。特別仕様のコンピュータを使って、見た目や感触がほんものの紙そっくりにつくられた人工セルローズに印
刷したものである。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2097
2097. ○【世界 】この頃までに、人口爆発で次々に新しい病原体が出現する。例えば、熱帯、特にアフリカ起源の新ウ
イルス、スーパー耐性菌、新型病原性大腸菌、新型出血熱などが続出する。エイズとC型肝炎のウイルスは進化し
て、人と共生するようになる。一方、ポリオ、麻疹、風疹、百日ぜき、B型肝炎、ハンセン病、成人T細胞白血病など
は、根絶している。(国立遺伝学研究所教授 五条堀孝、「感染症の未来を大胆予測」『千葉日報』1997.1.1)
2098
未来年表
− 45 −
遠未来編
2098. 6.30月 【日 本 】夕刻、太陽と月、そして肉眼で見える惑星が、カレンダーのように“日月火水木金土”ときれ
いに並ぶ。(金井三男「電脳時代のアマチュア天文学」『朝日新聞』1998.5.27)
2098. ○【日本 】太陽光発電機が、通常の50倍もの蓄電機能を内蔵するノンサンシャインタイプとなり、日照時間の短
い地域でも普及しつつある。太陽光発電機のメーカーなどでつくるソーラーエネルギー産業会が、市場拡大のきっか
けにもなることを期待して、政府に対して外国へプレゼントすることを提案する。(「未来新聞」『毎日新聞』2001.1.1)
2098. ○【中国 】万国博覧会が、上海で開催される。テレポーターや光速度輸送システムといった、実現が近づきつつ
ある未来の技術を紹介する展示が多くの人々の注目を集める。
2099
2099.12.31木 【世 界 】国際宇宙機関( ISA)が、最新鋭の深宇宙探査機ジョルダーノを打ち上げる。国家連合(ユニオン
・オブ・ネイション)が資金を提供し、ほとんどすべての国が科学と文化の両面で貢献している国際的な事業で、生命体
を維持できる大気の存在が期待されているガンマ(正式名称HR5587A)という地球型惑星の調査を目的とする。到着は
2179年の予定である。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2099. ○【世 界 】北極海の氷が年々減少し、1990∼1999年の10年間の衛星写真を比較して推測した氷の消滅度が続け
ば、この年に北極海の氷は完全に消滅している。海水面への影響はないが、夏の船舶航路や、プランクトン、海洋循
環系、および地球全体の気象に影響を及ぼす。(アメリカ航空宇宙局( NASA)調査、ENSEnvironment
(
News Service)「World
News 」2002.12.2)
2099. ○【世界 】21世紀には人類の平均寿命がめざましい伸びを示し、とくに21世紀最後の10年で、先進工業国には、
これまで不治とされていた病気を治療する技術が普及した。また、遺伝子特性データと遺伝子工学の知識を用いるこ
とで、病気予防の技術も大幅に進歩した。その結果、この年に生まれた子供は、少なくとも100歳までは生きると言わ
れる。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2099. ○【世界 】印刷された文書を、ほとんどの人が全く読もうとしなくなる。文書の書き方を知っている人はさらに
少数になる。(ライフスタイル・マトリクス・マーケティング会長 G.E . Meredith「The DemiseofWriting」『THE FUTURIST』1999.10)
2099. ○【世界 】人間の思考は、元来は人間が創造した機械知能の世界と渾然一体になっている。人間の脳のリバース
エンジニアリングはほぼ完了していて、それがハードウェアやソフトウェアに適用されている。電子光子回路の高速
/
大容量化の進展により、機械ベース知能は著しく発展している。機械ベース知能は、人間知能に由来するが、炭素ベ
ースの細胞プロセスではなく、それに同等な電子光子プロセスに基づいている。大部分の機械知能は特定のハードウ
/
ェアに結びついたものではなく、ソフトウェアベース知能である。ソフトウェアベース知能の水準は、自然本来の炭
素ベース神経網を凌駕している。炭素ベース神経網に対しては、神経細胞移植技術が盛んに行われ、人間の思考や認
識能力を高めている。まだこれを移植していない人は、移植済みの人と有意義な対話ができなくなっている。(Ray
Kurzweil「SpiritualMachines:TheMergingofManandMachine」
『THEFUTURIST』1999.11)
2099. ○【日 本 】個人用の小型携帯電波望遠鏡「パソSETI」が発売される。SETI(地球外知的命体探査)プロジェクト
は、1960年代に始まり、1999年にはカリフォルニア大学のグループが、当時世界最大だったアレシボ電波望遠鏡で得
られたデータをインターネットで流して世界中の数十万人がパソコンを使って探ろうというプロジェクトを始めた。
しかし成果が得られず、SETI計画そのものも2010年ごろから下火になっていた。この「パソSETI」の発売をきっかけ
に、90年ぶりに再び一般の人たちのSETIへの関心が高まる。(「未来新聞」『毎日新聞』2001.1.1)
2100
2100.
春
○ 【日 本 】大阪で、遺伝子組み換え操作によって復元された首の長いブラキオサウルスの一群が、高層ビ
ルの社員食堂に首を突っ込み、定食を食い荒らす事件が起きる。(「未来新聞」『毎日新聞』2001.1.1)
かっぱ
2100. 8 . − ○ 【 日 本 】福岡県柳川市で、川遊びをしていた小学生の男児が、河童に似た動物によって水中に引き込ま
れそうになる。この頃、遺伝子組み換え操作によってすでに絶滅した動物の復元や架空の動物の合成が盛んに行われ
ており、一応「種の保存法」で規制されているものの、罰則がないため新種の合成ペットの合成は野放し状態になっ
ている。 (「未来新聞」『毎日新聞』2001.1.1)
2 1 0 0 . 1 2 . − ○ 【 日 本】太陽光発電機が、通常の50倍もの蓄電機能を内蔵するノンサンシャインタイプとなり、日照時
間の短い地域でも普及しつつあることから、太陽光発電機のメーカーなどでつくるソーラーエネルギー産業会の提案
により、国際貢献の一環として、外務省はスウェーデン、ノルウェーなど北ヨーロッパ諸国に、家庭用の普及型太陽
光発電機100万台を贈ることを決め、経費を2101年度予算で要求する方針を明らかにする。(「未来新聞」『毎日新聞』2001.
未来年表
− 46 −
遠未来編
1.1)
2 1 0 0 . 1 2 . − ○ 【 ス イ ス】国際オリンピック委員会(IOC)の小委員会が、2108年のオリンピックを月面静かの海にでき
るルナ・ドームで開催することが可能とする報告書をまとめる。オリンピックは20世紀の終わりごろから商業主義によ
って大規模化し、開催希望都市がなくなってしまった。一方、2020年代に盛んになったスーパーエクササイズによっ
て、驚異的な世界記録が続出し、今の人類は地上ではこれ以上の記録は伸びないというところまで達しつつある。2040
年に月面に最初の入植が決まったものの人気にかげりがみえ始め、人口が減少しているアポロタウンが開催地立候補
を伝えてきたことから、小委員会が月面大会の可能性を検討、実現可能との結論に達した。「オリンピックいらない
アース連合」事務局は、〈月面大会が実現しそうというので驚いている。五輪そのものへの興味がなくなっているの
に、無理やりにでも盛り上げたいというスポンサー企業やメディアの圧力に IOCが負けたということだ〉と話す。
(「未来新聞」『毎日新聞』2001.1.1)
2100.12.31金 【日 本 】朝、さいたま市の政府職員A子さん(27)が、自宅で家事ロボットに背中を調理用刃物で刺され
て、1ヵ月の重傷を負って倒れているのを住宅管理人に発見される。調べでは、この家事ロボットの汎用プログラム
が、何者かの手で改ざんされていた。(「未来新聞」『毎日新聞』2001.1.1)
2100.12.31金 【日 本 】東京・新宿西地区の世界遺産(2070年登録)の「旧・東京都庁ビル」展望フロアの床に、長さ20
m、深さ50 cmの亀裂が入っていることが発見される。管理センターはビル内にいたすべての客ら約5000人を緊急避難
させる。完成後1世紀以上経過しており、補修用建材が生産されていないため、見学再開の見通しはたっていない。
(「未来新聞」『毎日新聞』2001.1.1)
2100.12.31金 【日 本 】午後3時ごろ、福岡県春日市の無職、天文ファンの明石雅史(100)が、地球外生命の発する電波
のキャッチに世界で初めて成功する。電波は土星の衛星タイタンから発せられたもので、個人用の小型携帯電波望遠
鏡「パソSETI 」で解析すると、冒頭に〈地球からの電波障害が相変わらずひどい。われわれのように他の星に配慮す
る知性がないようだ〉という内容が読み取れたという。20世紀後半に始まったSETI(地球外知的命体探査)プロジェク
トに世界中の人が取り組んできたが、140年を経て初の電波受信に研究者や天文ファンらは驚く。国立天文台長村松す
みれは〈灯台もと暗し、でしたね〉と話す。 (「未来新聞」『毎日新聞』2001.1.1)
2100.12.31金 【日 本 】午後3時ごろ、東京発月経由の1250人乗り火星行きシャトル352便が、打ち上げシステムのトラ
ブルで出発中止となる。後続の直行便など15本が遅れ、22世紀のスタートを地球外で過ごそうという客ら2万3000人に
影響する。同シャトルの出発トラブルはこの年3回目。(「未来新聞」『毎日新聞』2001.1.1)
2100.12.31金 【日 本 】中央科学技術省( DST)が、クライオニクス(生命保存)プロジェクトで、2050年に人体冷凍保存
の処置を受け、人工冬眠を続けていた男性の蘇生操作を実施し、男性が50年分の寿命延長を果たし、冷凍された当時
の49歳の状態で無事生き返った、と発表する。クライオニクスの技術の確実性が世界で初めてヒトで実証され、プロ
うみふじみつうつ
ジェクト責任者の国家科学技術大学低温生物学教授海藤満全は、記者会見で〈国家的な大勝利だ。この技術で日本は
世界をリードできる〉と語る。一方、「冷凍延命に反対する会」の神知ミノは〈生命保存は元気なうちに未来で復活
したいと安楽死を求める人を急増させる。結果的に生命の価値を低めるもので容認できない〉と批判する。(「未来新
聞」『毎日新聞』2001.1.1)
2100. ○【火 星 】国際宇宙機関(ISA)により、火星に12人の人間が常駐できる基地が建設される。(ジェントリー・リー&マ
イクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2100. ○【 月 】冒険好きな宇宙旅行者たちが、月の南極付近に建設されたジオデシック・ドーム(三角形の枠を組み
合わせてつくられた軽量で堅固なドーム)の村に1週間ほど滞在して、月面での採掘を楽しめるようになる。(ジェント
リー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2100. ○【世 界 】CO2の排出量が増え続けてきた結果、CO2 濃度が700 ppmまで増大し、地球表面の平均気温が1900年
に比べて2℃上昇、海面水位は50 cmほど上昇する。その影響で、高潮被害を受ける可能性のある人が全世界で9200万
人に達する。日本では砂浜の70%が消失し、水没で失われる資産は90兆8000億円達する。オランダでも海面上昇で、
被害額が1860億ドルに上る。中国では、米の収穫量が100年前に比べ78%減少する。中南米では小麦の収穫量が15∼50
%ほど減少する。(気候変動に関する政府間パネル( IPCC )総会『地球温暖化の地域別影響の特別報告書』(中庸シナリオ)1997.9.11)
地球表面の平均気温が1900年に比べて最大6℃上昇、海面水位も最大80cm 上昇する。 (IPCC修正予測、2000.11)
2100. ○【 世 界 】国家の数が1000になっている。政治では、より小さな形態の国家がより強力になっている。 (『 THE
FUTURIST』1994.910)
-
2100. ○【世界 】地球は一つの国家となり、宗教・文化の違いで生活エリアの分かれる道州制が敷かれている。地球規
模で行政が行われ、戦いのない、天災や飢えで生存が脅かされることのない平和が訪れている。(㈱ゼンリン社長 原田
康、『毎日新聞』2002.1.1)
2100. ○【世界 】都市内の天候は、完全に人工制御が可能となる。(アーサー・C・クラーク『未来のプロフィル』1958)
未来年表
− 47 −
遠未来編
2100. ○【世界 】人口が104億人に達する。地域別には、アジア・豪州51億人、西欧4億人、旧ソ連・東欧2億人、中東7
億人、アフリカ24億人、北米5億人、中南米11億人。(国際応用システム解析研究所(IIASA)、1996.10)約84億人になる。地
域別では、サハラ以南のアフリカが2000年の約6億人から約15億人に急増する。(国際応用システム解析研究所( IIASA)、ニュ
ーヨーク州立大などのグループ、『NATURE』2001.8.2、『朝日新聞』8.2)
2100. ○【世 界 】世界人口が110億4000万人で、50年前とほとんど変わっていない。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイ
ト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2100. ○【世 界 】60歳以上の高齢者の人口比が、27%に達する。(国際応用システム研究所( IIASA) ウォルフガング・ルッツら
の研究チーム、『NATURE』1997.6.19) 60歳以上は2000年の約10%、2050年の約22%から、約34%に達する。 (国際応用シ
ステム解析研究所( IIASA)、ニューヨーク州立大などのグループ、『 NATURE 』2001.8.2、『朝日新聞』8.2)
2100. ○【世 界 】約6000あった世界の言語の90%が、この100年間に消滅して、英語、中国語、ロシア語など多くの人
に使用されている。中でも、グローバルな文化を創出してきた情報技術の進歩のため英語が圧倒的に使用され、大多
数の国で英語が最も人気のある第二言語になっている。さらには第一言語にする地域も出てきて、100年前に使用され
ていた言語のわずか10%の言語しか使用されていない。( Cornish「 The CyberFuture」、『THEFUTURIST』1996.12)
2100. ○【世 界 】人類が使用してきた世界の約1万5000の言語の中で、アジア、アフカ、オーストラリアなどの少数民
族の言語が消滅の危機に瀕しているが、約半数強の言語がなお使用されている。(『THEFUTURIST』1996.910)
2100. ○【世界 】生命科学がさまざまな分野での経済活動の主流になっている。この潮流は、22世紀以後にも引き継が
れる。(GrahamT.T.Molitor「The Next 1,000 Years」『THEFUTURIST』1999.12)
2100. ○【世 界 】水素による熱核反応炉が実用の域に達して、新しい原子力時代が始まる。(Graham T.T. Molitor「The
Next 1,000 Years 」『THEFUTURIST 』1999.12)
2100. ○【日本 】気温は全国的に上昇し、約100年前の年平均気温から2∼3℃上昇し、北海道の一部では4℃程度上昇す
る。また、最低気温が0℃未満になる冬日の年間の日数は全国的に減少。特に、北日本では100年前に100∼150日あっ
た冬日が減って50∼100日程度になる。一方、最低気温が25℃以上の熱帯夜の日数は、全国的に増加。九州南部から南
西諸島は100年前より30日ほど増加して70∼100日になる。降水量はほとんどの地域で増加、100年前より最大20%増加
する。(気象庁「地球温暖化予測情報 第6巻」2005.5.19)
2100. ○【日本 】地球温暖化がすすみ、真夏日(最高気温が30度以上の日)が、20世紀中は年50日程度、2050年ごろは
100日程度だったのが、この年には140日前後まで増加する。また、日本の夏の平均気温は27℃前後と東南アジアのよ
うな気候になる。(国立大学法人東京大学気候システム研究センター(CCSR)、独立行政法人国立環境研究所(NIES )、独立行政法
人海洋研究開発機構地球環境フロンティア研究センター(FRCGC )の合同研究チーム、環境省発表、2004.9.16)
2100. ○【日本 】人口が5500万人になる。(政府推計、1996、『New York Times』1995.10.7)人口が6737万人になる。(厚生
省、国立社会保障人口問題研究所「将来推計人口」1997.1.21)
·
2100. ○【日 本 】日本人の男の身長が、1991年までの伸び率が続けば180cmを越える。しかし実際は173∼174cm程度
と予測される。〔1991年当時の18∼29歳の男の平均は、171.40cmであった。〕(通商産業省工業技術院生命工学工業技術研
究所主任研究員河内まき子・国立科学博物館人類研究部部長馬場悠男「日本人と日本の未来はこうなる」
『Newton』1996.8)
2100. ○【日 本 】世紀末を迎え、日本は主だった分野ですっかり力を失っている。国民総生産は、1世紀前とほとんど
変わっておらず、経済は破綻寸前である。人口の減少と高齢化にも拍車がかかり、才能のある若者は中国企業に実入
りのいい職を求め始めている。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙
訳、2003)
2100. ○【日本 】1970年に開催された日本万国博覧会(大阪万博)を記念して、〈5000年後の人類に伝えよう〉と毎日
新聞社と松下電器産業(株)によって大阪城公園内に埋められた「タイム・カプセルEXPO'70」が、点検のため、2000年
に次いで2回目の開封が行われる。以後、100年ごとに開封・点検・再埋設され、6970年に最終的に開封される。
(『毎日新聞』2000.11.23)
2100. ○【朝 鮮 半 島 】韓国が、手堅いハイテク経済と、中国との経済協定を武器に、急成長をとげて、生活水準も国内
総生産も日本をしのいでいる。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙
訳、2003)
2100. ○【中国 】ミャンマーからインドネシアや韓国、フィリピンにいたる、総勢で世界人口の半数近くを占める地域
を経済的にも文化的にも支配するようになっている。その支配力は、ヨーロッパに対するアメリカのそれよりも堅固
なものである。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2100. ○【中国 】2030年以来日本から流出した日本のバイオテクノロジー技術者を中心に、遺伝子操作穀物や野菜を開
発し、計画通り世界の野菜市場をあやつる立場になっている。今や野菜の中国、穀物のアメリカの2大国が、世界の台
ヤンアイリエン
ミン
所に君臨し、ひいては経済をもあやつっている。(楊愛蓮「時空仙女マダム明」『月刊コミックフラッパー』1999.12)
未来年表
− 48 −
遠未来編
2100. ○【オ ー ス ト ラ リ ア 】高齢化が進み、心臓麻痺の治療や予防法などがすすんだ結果、ガンと診断される人が1997
年当時の1.45倍に増加する。(『AGE』1997.7.30)
2100. ○【ア メ リ カ 】ヨーロッパ系のアメリカ人が、全人口の50%を割り込んでいる。(「The Opportunity Century :50
PathstoSuccessinthe 21st Century」『THEFUTURIST』2000.12)
-
2100. ○【ア メ リ カ 】アトランタが、100年前には人口350万人だったが、今では4000万人となり、全国一の大都市にな
っている。ニューヨークは第9位となっている。(「2100年1月1日(金)特集」『NewYorkTimes 』2000.1.1)
2100. ○【ア メ リ カ 】ピーター・ラモントが、2070年に発明されたエレクトリックポンプの危険性を発見する。〔ポン
パ ラ
ビッグバン
プにより平行宇宙の物理法則が流入し、太陽が大爆発する恐れがあることが明らかになる。ベンジャミン・デニソンが
コスミック・エッグ
月へ移住し、ポンプの効果を打ち消す反平行宇宙の物質を導入する実験に成功する。〕(アイザック・アシモフ『わたしはロ
ボット』1950)
2101
2101. 1.15土 【日 本 】郵政公社が、世界で初めて自分の好きな絵柄をそのまま切手の図案にできる「プラスタ」(プラ
イベートスタンプ)のサービスを始める。オールヌードなど公序良俗に反する図案は、郵便局が発見した段階で没収す
る。切手収集ファンからは〈無尽蔵に切手の図案が出されるため、収集できなくなる〉と反発する。(「未来新聞」
『毎日新聞』2001.1.1)
2101. 1.25火 【日 本 】コンピュータで制作される立体的なバーチャルリアリティーによる格闘技「ウインター・サバイ
バル・シリーズ」が始まる。全日本レスリング総同盟(AWAF)は、人気回復策の一環として、今日からトトカルチョ
を実施する。1日10試合の結果をすべて的中させると、最高20億円が入手できるはずという。(「未来新聞」『毎日新聞』
2001.1.1)
2101. 3 . − ○ 【 日 本 】東京で開かれた国際オリンピック委員会(IOC)総会で、2108年のオリンピックを、月面静かの
海にできるルナ・ドームで開催することを決定する。世界野球連盟(WBF)は、月面では競技として成り立たない、と
の判断で、不参加の意向を示す。最近は月面ツアーの伸びも鈍っているだけに、大手旅行会社などは、アメリカ、日
本、ロシア、フランスとアポロタウンを結ぶシャトル便の大増発の検討を始める。(「未来新聞」『毎日新聞』2001.1.1)
2101. 夏
○ 【 月 】2108年オリンピック・月面大会の準備を兼ねたプレ大会が、月面で開かれる。(「未来新聞」『毎
日新聞』2001.1.1)
2101. 9. 3 土 【日 本 】ネコ型ロボットの「ドラえもん」が誕生する。大きな丸顔にヒゲが6本、身長129.3cm、座高10
0 cm。手には指がなく、腹にはカンガルーにような袋がついている。[以後、不良品ロボットで特売に出され、2115
年に野比セワシの家に買われる。2125年、タイムマシンによって過去の日本に送り出されて、1970年の正月、野比家
のひとり息子、のび太の机の引き出しの中から姿を現す。それからは、のび太が立派な大人になるのを助けるために
活躍し、人気者になった。](藤子・F・不二雄『ドラえもん』1970、世田谷ドラえもん研究会編『ドラえもんの秘密』1993)
2101. ○【日 本 】日本人の平均寿命が、114歳になっている。(東京都老人総合研究所分子遺伝子学部門室長 白沢卓二、『週刊新
潮』2001.9.6)
2101. ○【日 本 】東海道が本格的に整備されて500年。各地で記念行事が催される。鉄道はリニア新幹線が東京∼大阪
を35分で結び、3本の高速道路も整備されているが、最近では昔の東海道53次の各宿場に泊まりながら1ヵ月以上をか
け、歩いて旅することも、ブームになっている。(「未来新聞」『毎日新聞』2001.1.1)
2104
2104. 4 . 1 【日 本 】〈22世紀をたくましく、しなやかに生き抜く〉をメインテーマにして、従来の大学8年制をさらに
2年間延長し、「大学の10年制」と「外国語教育の撤廃」を柱とする新しい学制が全面実施される。2055年実施の大学
8年制準義務化で20年間となっていた教育年数が、さらに22年間に延長される。これに伴い、小学校低学年から必須科
目に組み込まれていた英語やフランス語、中国語などを選択科目にする。大学生は、見聞を広め、国際感覚を身につ
けるため、最低1年間は海外に留学することとする。 (「未来新聞」『毎日新聞』2001.1.1)
2105
2105. ○【日 本 】総人口が、2035年以来毎年100万∼110万人ずつ減少してきた結果、4459万人になる。(厚生労働省「日
本の将来推計人口」2006.12.20、『産経新聞』12.21)
未来年表
− 49 −
遠未来編
2110
2110. ○【世界 】国際連合が発表した統計によると、世界の人口の14%、世界の子供の18%が、食糧、衣料、住宅、教
育、医療についての権利の少なくとも一つを侵害された状態で暮らしている。これらの権利が最も侵害されているの
は、アフリカの人々である。アフリカの貧困は世界に暗い影を投げかけたままになっている。 (ジェントリー・リー&マイ
クル・ホワイト『22世紀から回顧する21世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2112
2112. ○【世界 】先進国の人々はすでに高水準の生活を享受しているが、同じ地球上で、豊かさとは無縁の暮らしを営
んでいる人々が優に10億人(うち4億は子供)は残っている。(ジェントリー・リー&マイクル・ホワイト『22世紀から回顧する21
世紀全史』2003、高橋知子・対馬 妙訳、2003)
2115
2115. ○【世 界 】小惑星が激突して、地球が滅亡する。(宇宙開発科学者 A.ヴォイツェホフスキー、『ソツィアリスティチェス
カヤインドストリア(社会主義工業)』1987、『週刊プレイボーイ』1987.9.8)
2118
2118. ○【日本 】日本人女性の平均寿命が100歳になる。人工臓器などの進歩で不治の病がなくなり、100歳まで事故死
や病死のほとんどない社会が長寿の元になっている。(イリノイ大学教授、『朝日新聞』2003.1.8)
2120
2120. ○【火 星 】2016年に地球から火星に移住してきた人類が、新たな敵を迎える。(永井豪&ダイナミックプロ『マジン
サーガ』1999以前)
2135
2135. ○【宇宙 】2018年に地球から66光年かなたにある「とけい座イオタ星系の巨大惑星」に人間が初めて送ったメッ
セージに対する返事が届く。(NHK解説委員 高柳雄一「E.T. 22世紀に届くメッセージ」『21世紀大予測』1999)
2150
2150. ○【世 界 】世界的に出生率は減少するが、寿命の延びなどによる高齢化が進み、人口が108億人になっている。
60歳以上の人口が30%に達し、中でも80歳以上は10億余人へ急増する。(国連人口部、1998.2.4、『朝日新聞』2.6)
2150. ○【世界 】社会のすべては、文字や文書ではなく口頭言語コミュニケーションの文化になっている。もはや日常
生活では読み書き能力は必要でない。声で入出力するコンピュータ「VIVO」(voice-in/voice-out )が、宇宙も含めて世
界中にネットを張り巡らし、口頭と聴覚による音声情報ネットワークが形成されている。(CompSpeak 2050 Insitute for
theStudyofTalkingComputersandOralCultures理事長 William Crossman「 TheComing Age ofTalking Cultures 」『THEFUTURIST 』
1999.12 )
2150. ○【日 本 】出生率が向上し、2025年以来高齢化していた日本の人口が若返っている。(ワン・チャン、1993、「2150年
までにアジアで起きたこと」『GLOBALBUSINESS』1993.11)
2150. ○【シ ン ガ ポ ー ル 】1993年5月にシンガポール・コンベンションセンターが開所したのを記念して、2150年にアジ
アがどうなっているか、予測を募集して応募作がタイムカプセルに保管された。その封印が解かれ、実際の状況に最
も近い予測をした者の指定された子孫に10 kgの金の延べ棒が贈られる。(「2150年までにアジアで起きたこと」『 GLOBAL
BUSINESS』1993.11)
未来年表
− 50 −
遠未来編
21XX
21XX. ○【世界 】物質文明の全盛時代を迎えている。利己的個人主義が強まり、各国に大争乱が起こる。人々は労働せ
ずに安楽を得ようとし、社会主義の実行は行きづまり、国家社会の内部崩壊を早める。(押川春浪『千年後の世界』1905)
21XX. ○【世界 】社会は完全にプロレタリア化され、消費活動と商業化された快楽にうつつを抜かし、結果的に「労働
商会」という一種のトラストによって完全に牛耳られている。(H.G.ウェルズ『眠りから覚めた時』1899)
21XX. ○【世界 】「受容」の時代となっており、組織的な宗教は消滅し、人間は理性をたよりとして人生に意味を見出
す。
(ピーター・ローリー,シド・マレー=クラーク『未来史』1989)
2156
2156. ○【世 界 】この年のオリンピックで、注目される陸上100メートル走で、8秒079∼8秒098の新記録が出る。 (オッ
クスフォード大学などの研究チーム、『NATURE』2004.9.30、「 asahi.com」9.30)
2161
2161. 3.11 【宇 宙 】太陽系の全惑星が、1千年ぶりに大集合する。この日の早朝、太陽系の9つの惑星が全部、太陽か
ら見て約95度の範囲に集まる。〔かつての大集合は949年に起こり、集合範囲は約80度であった。それ以来、1212年目の
出来事である。〕
2165
2165. ○【世 界 】イギリスの驚異博士こと哲学者・科学者ロジャー・ベーコン(1220頃∼1292)が夢の中でこの年の世界
を幻視したという設定で、オランダの小説家ジオスコリデス(本名・動物学者ペーター・ハルティンク)が19世紀半ばに
次のように記述した。① 電気電信網が地球全体を覆う。② 世界中が統一された時間を用いるようになる。③ ロンド
ンの人口は2000万人を超える。④ 都市の道路網は整備され、また地下に暖気を通した地域暖房が施されて、冬も寒く
なくなる。⑤ ガラス張りの巨大建築が街中に立ち並ぶ。⑥ カラー写真が普及し、人々は気軽に写真を撮るようにな
る。⑦ 一人で簡単に運転できる機械動力で動く車が普及する。⑧ 電気による照明が発達し、夜も昼間のように明る
くなる。⑨ 電信によって家庭で歌や踊りを楽しめる箱ができる。⑩ アジアの植民地が独立し、教育、産業技術の面
で、イギリスに迫る勢いを示す。⑪ 世界の国々の協議機関が生まれ、平和な世の中となって、軍人が不要になる。
(ジオスコリデス『紀元二一六五年、未来瞥見録』、近藤真琴訳『新未来記』1868、長山靖生「理想の奇人たち」『カピタン』1997.8)
2180
2180. ○【世界 】ニューヨーク、東京、ロンドン、モスクワなど、20世紀から21世紀にかけて栄えた世界の大都市が、
22世紀に入り急速にスラム化し、人々は去り廃墟と化す。 (『出版ニュース』1981.7上旬号)
2182
2118. ○【日本 】日本人男性の平均寿命が100歳になる。人工臓器などの進歩で不治の病がなくなり、100歳まで事故死
や病死のほとんどない社会が長寿の元になっている。(イリノイ大学教授、『朝日新聞』2003.1.8)
2185
2185. ○【地球 】この年の前後20年以内に、磁石の北極、すなわち地磁気の極点が、正確に北極点を指す。〔1970年代
には、磁石の北極はカナダ領北極群島付近にあったが、毎年平均7.5キロメートル、1日当たり20メートルの速度で北
極点に向けて移動してきた。〕(ソビエト地磁気学者 ニコライ・メドベージェフ、『週刊プレイボーイ』1979.10.30)
未来年表
− 51 −
遠未来編
2191
2191. ○【日本 】この年の前後2∼3年以内に、日本語で書かれる文章のうち、少なくとも小説の文章で漢字が使われな
くなる。〔1963年に、計量言語学者安本美典は、1900年(明治33年)から1955年(昭和30年)までの100人の作家の100編
の小説を選び、それらの中から各1000字を抽出して漢字出現度を調べたところ、後年になるほど漢字は規則的に減少
し、その関係は、y=2726.17−1.244 x であることを見出す。ただし、x は西暦年数、y は1000字中の漢字数である。
ここで y=0とおくと x =2191.45となる。〕(安本美典「漢字の将来―漢字の余命はあと230年か」『言語生活』137号、1963)
2199
2199. ○【世界 】世界はコンピュータに支配され、人々はバーチャルに映し出された「1999年的なイメージ」の中での
生活を送っている。コンピュータ・プログラマでハッカーでもある男が、直感的にこれが「作られた世界」であること
に気づき、彼を現実の世界に導いた「レジスタンス」とともに、「支配者」と「その手下」に立ち向かう。(アメリカ
映画『マトリックス』1999)
2199. ○【中 国 】中国が独占するバイオ食品がこの100年間世界の人々の生命を支えてきたが、バイオ野菜は「力がな
い野菜」となり、遺伝子操作によらない自然種の野菜が貴重なものになる。「自然種の商業販売」がスタートする。
ヤンアイリエン
ミン
(楊愛蓮「時空仙女マダム明」『月刊コミックフラッパー』1999.12)
2200
2200. ○【世界 】地球人口が、110億人前後で安定する。(国連人口部、1998.2.4、『朝日新聞』2.6)
2200. ○【世界 】この頃から2300年にかけて、原子や素粒子レベルでの物質の分解や再構成が自由に行われるようにな
り、新物質が続々と開発・利用される「メガ材料時代」に入っている。(Graham T.T.Molitor「The Next 1,000 Years」
『THEFUTURIST』1999.12)
2200. ○【世 界 】2100年からこの頃にかけて、科学技術は絶対でないと気づく時代になっている。 (東京大学教授 原島
博、「西暦3000年予測」『毎日新聞』2000.1.1)
2223
2223. ○【 宇 宙 】列車型の宇宙船が、大量輸送船として宇宙を航行する。巨大な宇宙船は、チリなどの衝突してしま
い、不必要な大きさといえるし、切り離し自由な形は積み卸しのスピードを考えても有効である。(松本零士『銀河鉄道
999』1977、「21世紀予想図大鑑定」『ビッグコミック』2000.1.25)
22XX
22XX. ○【世界 】権力によらず庶民の合同意思により法律が制定される。すでに宗教・道徳・信仰は失われた。社会主
義の実行が進み、人々は労働をやめ、学者もいなくなる。功利主義、利己主義がはびこり、四六時中淫慾にのみふけ
る。人口が増加し、23世紀後半に結婚禁止法が制定される。(押川春浪『千年後の世界』1905)
22XX. ○【世 界 】一つの世界政府が平和の構築に成功し、新しい生活形態が現れる。(ピーター・ローリー,シド・マレー=ク
ラーク『未来史』1989)
2270
2270. ○【ヨ ー ロ ッ パ 】私有、貧困、戦争がすべて消え去っており、ヨーロッパ連邦が220周年を迎える。 (アナトール・
フランス『ペンギン島』1908)
2270. ○【ア メ リ カ 】女性のトップマネジメントへの進出が、ようやく男性と同等になる。〔1990年代までの傾向が続
いた場合の推定。〕(『THEFUTURIST』1996.78)
-
未来年表
− 52 −
遠未来編
2287
2287. 8 . − ○ 【 宇 宙】火星が、2003年8月27日以来の歴史的超大接近で、当時の約5576万kmを上回る約5569万 kmにま
で接近する。(『朝日新聞』(夕)2003.5.31)
23XX
23XX. ○【世 界 】23世紀後半に制定された結婚禁止法の結果、私生児が増加する。ついに堕胎が公認される。(押川春
浪『千年後の世界』1905)
23XX. ○【世 界 】別の銀河との接触ができるようになり、時間旅行、新しい科学も可能になる。(ピーター・ローリー,シ
ド・マレー=クラーク『未来史』1989)
2438
2438. ○【宇宙 】惑星が、2000年5月以来438年ぶりに直列する。 (アメリカ航空宇宙局(NASA)、2000.5.5)
2440
2440. ○【フ ラ ン ス 】ずっと以前に絶対王政には終止符が打たれており、お人好しの国王ルイ34世には、法律がきちん
と施行されているか否かを監視するという曖昧な権限しか与えられていない。人々は粗末な衣装をまとい、水を飲
み、歩いて移動し、自分の菜園を耕している。(ルイ=セバスチャン・メルシェ『西暦二四四〇年』1772)
24XX
24XX. ○【世界 】人間社会が堕落の極に達する。一大彗星が出現する。これが月を移動させ、地球の軌道を変え、太陽
に接近する。地上の温度が上昇し、人間は皆裸体とな
り、地底社会をつくる。(押川春浪『千年後の世界』1905)
24XX. ○【世 界 】他の惑星の植民地化がすすむ。科学と宗教が哲=科学として融合している。女性が種において優位に
立っている。(ピーター・ローリー,シド・マレー= クラーク『未来史』1989)
2484
2484. ○【世界 】ロビタが、人間とロボットがひとつになって生まれる。その後、人間に拾われて大量生産され、主に
召使などに使用される。(手塚治虫『火の鳥〈復活編〉』1989以前)
2500
2500. ○【宇宙 】スペースヨットが、海に浮かぶヨットが風に押されて進むように、太陽風に押されて惑星空間を航行
する。スペースクルージングが、数ある宇宙スポーツのうちで最も人気のあるものになっている。(エイドリアン・ベリ
ー『次の500年』、三枝小夜子訳、1997)
2500. ○【宇 宙 】地球大気圏外で活躍する企業(extraterrestrial
enterprise)が隆盛し、この頃から3000年にかけて産業
の主役となって経済を動かす原動力になる。 (GrahamT. T.Molitor「TheNext 1,000 Years」『THEFUTURIST』1999.12)
2500. ○【世界 】人類の活動範囲が太陽系の全域に広まって、政治は重要性を失っている。税収が減少して「大きな政
府」が維持できなくなっている。過去の歴史で評判の悪かった政治家という職業もなくなっている。あらゆる問題
が、すでに20世紀にスイスで行われていたようなレファンダム(住民投票)によって決せられる。一方、デマゴーグに
踊らされて、社会が一時的に混乱に陥ることもあるが、多くの人は、お節介な政府などは不要だと考えている。(エイ
ドリアン・ベリー『次の500年』、三枝小夜子訳、1997)
2500. ○【世界 】店舗には商品など一つもなくて、カタログ代わりのコンピュータが置いてあり、客は画面に表示され
る商品を見て買いたいものを選び、ロボットがその場で製品化する。本屋は、趣味の古本屋をのぞいてはどこにも存
未来年表
− 53 −
遠未来編
在しない。新聞・雑誌もなくなり、記事の内容はデジタルデータとして、地球上はもとより、月、火星、スペースコ
ロニーなど太陽系の至るところに配信される。(エイドリアン・ベリー『次の500年』、三枝小夜子訳、1997)
2500. ○【世界 】刑法は非常に厳しいものになっている。人間が住む星が何十もあって、犯罪者にとってほとんど無限
の隠れ場所があるため、一度逃亡した犯罪者を逮捕することは不可能に近くなる。運悪く捕まった犯罪者は、見せし
めのため厳罰に処せられる。多くの軽犯罪者が、ごく形式的な裁判の後、死刑に処せられる。 (エイドリアン・ベリー
『次の500年』、三枝小夜子訳、1997)
2500. ○【世界 】シェークスピアの芝居は、まだ上演されている。俳優たちは巡業する必要はなく、演劇は立体ホログ
ラムとして上演される。このため、大根役者をやじって舞台から下ろしたりすることはできない。(エイドリアン・ベリ
ー『次の500年』、三枝小夜子訳、1997)
2500. ○【世界 】神への信仰は消えている。自然の驚異が、聖書のたとえ話よりはるかに人間の胸を打つようになり、
知的な感動が、超自然な存在へのやみくもな信仰よりもはるかに強いものになっている。(エイドリアン・ベリー『次の500
年』、三枝小夜子訳、1997)
2500. ○【世界 】人間社会が、太陽系内に離れ小島のように散在しているため、核戦争、小惑星の衝突、気候の激変な
ど、どんなひどい災害が起こっても、人類滅亡の危機の恐怖とは無縁の状態になっている。(エイドリアン・ベリー『次の
500年』、三枝小夜子訳、1997)
2536
2 5 3 6 . 1 0 . − ○ 【 世 界】宇宙空間に出て、地球以外の太陽系の8惑星をぐるりと見渡すと、太陽を先頭に、太陽から近
い順の「水・金・火・木・土・天・海・冥」と並んで見える珍しい天文現象が、2004年12月10∼14日以来532年ぶりに
起こる。 (プラネタリウム解説員 金井三男、『朝日新聞』2004.12.11)
2539
2539. ○【世 界 】T型フォードが発売された1908年を元年とする「機械歴」632年のこの年、人工授精で規格どおりに
生まれてきた人類は、ついに幸福の段階に達する。絶対独裁制と精神の全面的な操作が行われた結果、人間精神はも
はや自由も個の意識も持たず、そのことをむしろ心地よいと感じるようになっている。(オルダス・ハクスリー『すばらし
い世界』1932)
25XX
25XX. ○【世界 】人類全体が、田園地帯からガラスの壁で仕切られた、ただ一つの巨大都市に集中させられている。世
界国家の頂点に一人の〈慈善家〉がおり、「満場一致の祝日」に100%の支持率を集めて必ず再選される仕組みになっ
ている。風紀紊乱のもととなる「私」の個人主義は「われら」という集団的秩序の中に溶解させられ、個人の名前は
消え、各人が1個の番号になっている。 (エフゲニー・ザミャーチン『われら』1920)
25XX. ○【世 界 】惑星間で戦争が起こり、再び戦争の時代となる。機械が完全に人間の仕事を代行し、人間は余暇をどうや
って満たすかが大問題となる。(ピーター・ローリー,シド・マレー=クラーク『未来史』1989)
25XX. ○【ア メ リ カ 】女性の連邦議会への進出が、ようやく男性と同等になる。〔1990年代までの傾向が続いた場合の
推定。〕(『THEFUTURIST』1996.78)
-
26XX
26XX. ○【世界 】魔術が復興する。大衆的予言の方法が、新しい効力を持って第一線に再び躍り出る。宇宙統合の世紀
となる。 (ピーター・ローリー,シド・マレー=クラーク『未来史』1989)
27XX
27XX. ○【世界 】大多数の人間が、地球を去って他の星の世界に移住する。一部の思慮深い人だけが地球に居残って平
和に暮らす。(ピーター・ローリー,シド・マレー= クラーク『未来史』1989)
未来年表
− 54 −
遠未来編
2880
2880. 3.16 【世 界 】「1950 DA」と名付けられた小惑星が地球に激突する。直径1.1kmで、衝突確率は0.3%とかなり
高い。(アメリカ航空宇宙局(NASA)ジェット推進研究所上級エンジニア Jon Giorgini、「 NEO(Near Earth Object) Program」2002.4.4、
http://neo. jpl. nasa.gov)
28XX
28XX. ○【世界 】大多数の人間が地球を去って、他の星に移住しているなか、一部の思慮深い人だけが地球上で平和に
暮らしている。(ピーター・ローリー,シド・マレー =クラーク『未来史』1989)
2865
2865. ○【世界 】戦闘兵器が、恐ろしいまでの完成度と致命的な無謬性のために、無用の長物と化してしまう。過去の
遺物となってしまった兵器が、すべて戦争博物館に寄贈される。(サミュエル・アンリ・ベルトゥー『五〇〇〇年来の人間』1876、
ジョルジュ・ミノワ『未来の歴史』1996、菅野賢治・平野隆文訳、2000)
2889
2889. ○【世界 】新聞は印刷されたものでなく、予約聴取者に音声で伝達される。各聴取者の家庭には録音機が備えつ
けられて、あとでいつでも聴くことができる。予約者以外でも、わずかな料金で至るところに設けられた録音機によ
って、報道されたあらゆる事柄を知ることができるようになっている。(ジュール・ヴェルヌ『2889年』1889、武部俊一「広が
るか心の地平線」『無限大』No.112、2002.冬)
29XX
29XX. ○【世界 】人類は物質文明に中毒し、社会は不自然に発達する。パリは巨大な廃屋、腐食した鉄橋、崩れた煙突
などで荒廃の極に達している。掘立小屋の中には人間か野獣か区別のつかぬ一種異様な動物がうごめいている。(押
川春浪『千年後の世界』1905)
29XX. ○【世 界 】地球人は、新しい科学のおかげですべての根本的問題を解決できる状態に達している。(ピーター・ロ
ーリー,シド・マレー =クラーク『未来史』1989)
3000
3000. ○【宇 宙 】この頃、北極星が北の目印でなくなる。〔現在の北極星が北の目印になったのは、AD 0年頃である。
2101年に北極に最も近づいたのち、天の北極からずれ始める。〕(「宇宙・地球・人類の未来」『Newton 』1996.8)
3000. ○【宇宙 】この頃までに、人類の経済活動の大半は宇宙空間で行われている。有人あるいは無人の宇宙航行機が
未知の宇宙空間を目指して、より遠方に到達し、次々と新発見をもたらしている。 (Graham T.T. Molitor「The Next 1,000
Years」『THEFUTURIST 』1999.12)
3000. ○【地球 】この頃までに、人類は災害か地球温暖化のために滅亡している。地表は、温室効果ガスの影響で気温
が上昇し、煮えたぎった硫酸に満ちた金星のようになっている。唯一、どこか別の惑星に移住した人間だけが生き残
っている。(車椅子の物理学者スティーブン・ホーキング、『SundayTimes 』2000.10.1)
3000. ○【地球 】40世紀ごろから始まった氷河期の難を逃れて、ほとんど人類は宇宙コロニーへ移民した。地球上に残
ったわずかの人類は厳寒と飢餓に直面し、日一日その数が減っている。人類滅亡の次の時代に生物の主役になるだろ
うといわれたゴキブリも、人間の生活に密着しすぎたため、人間と運命を共にしつつある。 (イギリスの古生物学者 ドゥ
ーガル・ディクソン、『ロサンゼルス・タイムス』『週刊新潮』1982.1.7、奥井一満『悪者にされた虫たち』1982)
3000. ○【世界 】世界は完全に機械化されている。また、遺伝子学による種の再生がすみずみまで計画化されて、それ
により、分業制が極限まで押し進められた社会に必要とされる人間のタイプだけを確保することができるようになっ
ている。 (エミール・シルヴェストル『まだ見ぬ世界』1846、ジョルジュ・ミノワ『未来の歴史』1996、菅野賢治・平野隆文訳、2000)
未来年表
− 55 −
遠未来編
3000. ○【世 界 】世界の言語は一つになっている。それはエスペラントである。(日本エスペラント学会参与 小林 司、『未
来史閲覧』1996)
3000. ○【日本 】人口が4万5000人になる。(『NewYorkTimes 』1995.10.7)
3000. ○【日本 】ストレスに強く、明るくて前向きな人が多い時代になっている。物事をくよくよ気にやんだり、仕事
が忙しいからといって、結婚、出産を避けるような人は遺伝子を残しにくいので、少数派となっている。(北海道大学
医学部教授 沢口俊之、「1000年後心と体はどう変わる」『毎日新聞』2000.1.1)
3030
3030. ○【世 界 】2484年に人間とロボットがひとつになって生まれ、大量生産されたロビタが、全滅する。(手塚治虫
『火の鳥〈復活編〉』1989以前)
30XX
30XX ○【地 球 】一大彗星が地球に接触する。地表は大地震、大暴風、大火災、大津波、大雷鳴が一時に襲ったような
大音響を発し、灰燼に帰し、地底世界のみが生き残る。(押川春浪『千年後の世界』1905)
3400
3400. ○【世 界 】核戦争により地上は放射能に覆われ、人類は地下に5つのメガロポリスを建設して生き延びている
が、2つのメガロポリス間のささいないざこざから、両都市の電子頭脳が相手の都市を核攻撃する決定を下し、5つの
メガロポリスが一瞬のうちに廃墟に帰してしまう。(手塚治虫『火の鳥〈未来編〉』1967)
4397
4397. ○【地球 】ヘール・ボップ彗星が、1997年の初出現以後 2400年ぶりに再び現れる。
6939
6939. 9.23 ○【ア メ リ カ 】1939年に〈明日の世界〉をテーマに開かれたニューヨーク万国博覧会の会場内地下に埋め
られたタイムカプセルが開封される。魚雷型で高さ2.3 m、太さ15cm の合金製カプセルの中に、時計、文房具、化粧
品、写真機、石炭、出版物など当時の生活が偲ばれる物が収められている。(ニューヨーク万国博覧会協会、1939)
6970
6970. ○【日本 】1970年に開催された日本万国博覧会(大阪万博)を記念して毎日新聞社と松下電器産業(株)によって
大阪城公園に埋められた「タイム・カプセルEXPO' 70」が、5000年を経て開封される。これまで、100年ごとに開封・
点検・再埋設を繰り返されてきた。収納品は2098点で、半導体素子や電気製品、プルトニウム原子時計、宇宙食、貨
幣、衣類、ハンドバッグ、日本現代風俗絵巻、映画フィルム、日本と世界の美術写真、音楽テープなどで、当時の科
学技術や生活、社会、芸術の内容が偲ばれる物が収められている。(『毎日新聞』2000.11.23)
9901
9901. ○【宇 宙 】100世紀が始まる。人類の歴史は、打ち続く氷河期のため幕を閉じ、人類は幾千の太陽系外の惑星に
移住し、それぞれ独自の文明を展開している。惑星ウィングⅣでは、最終戦争の危機を回避するため、ウォレン・マン
スフィールド博士が、人間によく似た自己増殖型ロボット「ヒューマノイド」を発明する。(SF作家 ジャック・ウィリア
ムスン『ヒューマノイド』1949)
1万4000
未来年表
− 56 −
遠未来編
14000. ○【宇 宙 】こと座のベガが“北極星”になる。(「宇宙・地球・人類の未来」『Newton』1996.8)
4万7000
47000. ○【宇 宙 】1974年11月16日に、アメリカの天文学者カール・セーガンらが、プエルトリコ・アレシボ天文台の305
m電波望遠鏡から2万3500光年かなたのヘルクレス座の球状星団M13に向けて発信した電波メッセージ(「アレシボメ
ッセージ( Arecibo message)」)を、もし、M13に住む宇宙人が解読して返事を返してくれれば、この頃、地球人が受
信することができる。信号は二進数で送られ、内容は素数や人間、太陽系、DNAの構造などを視覚化して表わした
もので、わかりやすいように色分けしてある。(カール・セーガン、1974.11.16)
5万
50000. ○【ア フ リ カ 】ケニアのリフトバレーを堺にアフリカ大陸が東西へ移動し続けてきた結果、大陸は真っ二つに
分断される。(アーサー・C・クラーク、テレビ朝日 NECスペシャル「宇宙からの証言。地球。」1985.3.28)
500万
5000000. ○【地 球 】世界は氷河の支配下にある。北半球のかなりの部分が氷におおわれる。その地域で氷のないとこ
ろは、不毛の北アメリカ砂漠と北ヨーロッパのツンドラだけとなる。海水面は約150mも低下するため、地中海は干上
がって、陸地に囲まれて孤立し、塩の平原となってしまっている。人類の時代は、自然に対して自らが及ぼした影響
と自然現象の複合作用が災いし、大量絶滅の時期を迎えてその幕を閉じている。 (ドゥーガル・ディクソン、ジョン・アダムス
『フューチャー・イズ・ワイルド』、2003)
5000万
50000000. ○【地 球 】人類はまったく見かけない。人類の栄華期から5千万年後、鳥のくちばしとクジラの体形をした
ペンギンや、肉食コウモリ、巨大ネズミなどの風変わりな動物たちが他の動物の死肉をつついて歩き回っている。
(ドゥーガル・ディクソン『AfterMan ―人類滅亡後の地球を支配する動物たち』1982)
1億
100000000. ○【地 球 】氷河の時代は終わり、世界的に海水面が上昇し、海岸線の形を変える。オーストラリア大陸は
アジア大陸とぶつかり、海底が隆起して海抜1万メートル以上の高原ができている。南極大陸は北方のより暖かい気候
帯のほうに動いた。大陸同士が衝突してつながった部分に、火山帯ができる。火山は大気中に二酸化炭素をさかんに
吐き出すため、気温が世界的に上昇し、海水面が100mも上昇する。暖かく湿度が高いなか、生物種の多様化が華々し
くくりひろげられる。地球は生命体のあふれる巨大な温室となっている。(ドゥーガル・ディクソン、ジョン・アダムス『フュ
ーチャー・イズ・ワイルド』、2003)
2億
200000000. ○【地 球 】分かれていたすべての大陸が一つにまとまって、巨大な超大陸の第二バンゲアとなる。地球上
には、この広大な大陸と、それをとり囲む「地球海」という大洋だけしかない。また、月の引力が地球の自転を次第
に遅くしたため、1日が25時間になっている。その結果、太陽光が海水面を温める時間が長くなり、激しい嵐がしきり
に起きて沿岸地帯を襲うようになる。海から遠い内陸部には、中央砂漠という不毛の地が広がり、気温は昼と夜で大
きく異なり、季節によっても夏は約50℃まで上がり、冬は氷点下30℃まで下がる。極端に変化する気候に支配された
世界が生まれている。生物は大量絶滅したが、中央砂漠の過酷な状況にうまく適応した特殊な昆虫だけが生き延びて
いる。海の生物は壊滅状態に陥っている。(ドゥーガル・ディクソン、ジョン・アダムス『フューチャー・イズ・ワイルド』、2003)
2億5000万
未来年表
− 57 −
遠未来編
250000000. ○【地 球 】大陸が移動して、南アメリカとアフリカ、東南アジアが接近し、インド洋を中心にして、アジ
ア・ヨーロッパ(ユーラシア)、アフリカ、南北アメリカ大陸が取り囲むように輪を描く。日本や朝鮮半島は赤道直下に
位置している。(C.R.Scotese、2000、 http://www. scotese.com/future2.htm)
50億
5000000000. ○【宇 宙 】太陽が、核燃料源の水素を使い尽くし、赤色巨星期に入り、膨張して他の惑星を燃やす。 (イ
アン・ピアスン編『マクミラン 近未来地球地図』1998、東京書籍、1999)
150億
15000000000. ○【太 陽 】太陽が老年期を迎える。太陽の光は輝きを失い、赤く鈍く光るようになり、次第に膨れ上が
ってきている。太陽の中心部にあった水素が燃え尽き、ヘリウムに変わって収縮を始める。一方、遠く離れた薄い殻
にある水素に核融合の火がつく。やがてヘリウム同士が新たに核融合を起こして、中心部と外核部の2つの核融合が入
り混じって、太陽は大きな変化を遂げつつ、膨張していく。太陽内部からの引力が次第に減少し、太陽の大気が暴風
雨のように広がり、やがて水星の軌道半径にまで達したとき、水星は赤い炎のなかに呑み込まれてしまう。こうし
て、太陽の炎は金星、地球、火星、……と太陽系の惑星を次々と呑み込んでゆく。(アメリカ国立大気圏研究センター天体
物理学者 ジャック・エディ『リーダーズ・ダイジェスト』1981.8、他)
15000000000. ○【地 球 】太陽の変革で、北極や南極でさえうだるような暑さになり、両極の氷がすべて溶ける。海水
面が50メートル以上も上昇し、陸地が減っていく。海水温度が上昇し、多量の水蒸気が雲をつくり、各地に集中豪雨
をもたらす。(アメリカ国立大気圏研究センター天体物理学者 ジャック・エディ『リーダーズ・ダイジェスト』1981.8 など)
700億
70000000000. ○【宇 宙 】宇宙が収縮し始める。銀河は合体して消えていく。最後に残ったひとつの星の海とブラック
ホールが残る。もとは星雲の中心にあったブラックホールが、星を吸収して融合し、ますます成長を続ける。(イアン
・ピアスン編『マクミラン 近未来地球地図』1998、東京書籍、1999)
70000000000. ○【宇宙 】宇宙が終末を迎える。(EdwardPackard 『ImagingtheUniverse:AVisualJourney 』1994)
1000億
100000000000. ○【宇 宙 】宇宙が、ビッグバンとは逆に急激に収縮する。以後、新たなビッグバンが起こり、別の宇宙
が出現する。(イアン・ピアスン編『マクミラン 近未来地球地図』1998、東京書籍、1999)
1000兆
1000000000000000. ○【宇宙 】銀河系以外の他のすべての銀河も、新しい星の生成をやめる。最後の世代の星が燃え尽
き、宇宙は暗くなり始める。(イアン・ピアスン編『マクミラン 近未来地球地図』1998、東京書籍、1999)
1京( 10 の 16 乗 )
10000000000000000. ○【宇 宙 】銀河が、ブラックホールを中心とする軌道上を回り、相互作用しながら星を吹き飛ば
す。以後、銀河の蒸発の過程が100兆年にわたって起こる。(イアン・ピアスン編『マクミラン 近未来地球地図』1998、東京書
籍、1999)
100京( 10の 18乗 )
1000000000000000000. ○【宇 宙 】ほとんどの星が、銀河からはじき飛ばされてしまう。残った星はひとつ残らず中心
の巨大なブラックホールに吸い込まれてしまう。(イアン・ピアスン編『マクミラン 近未来地球地図』1998、東京書籍、1999)
未来年表
− 58 −
遠未来編
1 禾予 (じょ) ( 10 の 24 乗)
1000000000000000000000000. ○【宇 宙 】宇宙が、星、光子、中性子のさまようブラックホールで構成されている。
(イアン・ピアスン編『マクミラン 近未来地球地図』1998、東京書籍、1999)
1那由他( 10の 60乗 )
1000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000. ○【宇 宙 】銀河の大きさのブラックホールが爆
発する。(イアン・ピアスン編『マクミラン 近未来地球地図』1998、東京書籍、1999)。
1 googol (グーゴル)(10 の 100乗 )
10000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000.○
【宇 宙 】銀河星団の大きさのブラックホールが爆発する。(イアン・ピアスン編『マクミラン 近未来地球地図』1998、東京書
籍、1999)
THE END
未来年表
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遠未来編