自然を伸ばす活動 - 生長の家青年会

「自然を伸ばす活動」
- ガイドライン -
青年会中央部
2015 年1月発行
2015 年7月改訂
2015 年 12 月改訂
1.「生長の家青年会
ヴィジョン」の実現にむけて
2013 年、生長の家は「神・自然・人間の大調和」をめざして国際本部を山梨県北杜市 “森
の中のオフィス”へと移転しました。これは、地球環境問題等の原因となっている現代人
の“人間中心主義”、“物質偏重”の風潮に警鐘を鳴らし、歯止めをかけるべく、社会に一石
を投じる壮大な取り組みです。これに伴い、同オフィス敷地内では、間伐や農作業、近
隣での清掃活動などの「自然を伸ばす活動」を開始しました。
さらに、2015 年7月、「生長の家青年会
ヴィジョン」が決定されました。同ヴィジ
ョンは、立教以来の念願である世界平和・人類光明化の実現のために、青年会が何をめ
ざし、どのように行動すべきかを明確に示したものです。この中で、
「自然と人間が共存
する新たな文明」の構築のために欠かすことのできない実際活動について、次のように
示されています。
4.私たちは、自己中心的な都市の生活に染まることなく、植林や下刈、間伐、
無農薬有機栽培による農作業、肉食の削減など、自然を含む他者に愛を与える
実際活動に積極的に取り組む。
人類が自然と共に伸び、世界が平和に保たれるためには、各々の地域においても、人々
が“自然を伸ばす”活動に持続的に取り組み、発展させていくことが必要です。同ヴィ
ジョン実現に向け積極的に「自然を伸ばす活動」に取り組んでまいりましょう。
2.「自然を伸ばす活動」の4つの意義
自然を伸ばす活動には、具体的には以下のような意義があります。
意義①
耳学問だけではいけない~自然と直接触れ合う
総裁・谷口雅宣先生は、自然と直接触れ合うことの意義について、次のように示さ
れています。
(前略)山などへ行き自然と直接触れ合うと、自分の“想像”や“考え”などとて
も及ばないのが自然界だ、と思い知らされることが多い。それは、より正しい情報の
取得であるから、ありがたい学習過程といえる。このように、いわゆる“耳学問”と
実際の経験との違いは、とても大きい。そのことは学校でも教わっているはずだが、
実際に経験してみないと、両者に「違いがある」ことの重要性を我々は忘れがちだ。
私は以前のブログ「小閑雑感」で、このことを“左脳的情報”と“右脳的情報”と
いう表現を使って細かく検討したことがある。(中略) “左脳的情報”とは意味的、
言語的情報で、例えば「森の中の倒木は一箇所に集めて通風をよくすれば、森の若返
りに役立つ」という種類のものだ。これに対し“右脳的情報”は、実際に体を使って
倒木処理をするときに得られる感覚的、体験的な情報である。例えば、直径 40 センチ
のカラマツの倒木を長さ1メートルに切ったとき、それを 10 メートル運ぶのにどのく
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らいの力が必要か……という類の体感である。これはもちろん数字でも表現できるが、
その数字を読むのと、実際にそれを運んでエネルギーを使うのとでは、体が受け取る
実感はまったく異なるのである。
私たちが「自然を知る」と言ったとき、これら2種の情報のうちどちらを得ること
をいうのだろうか?もちろん、それは双方を得ることを指すはずだ。片方だけの情報
は不完全であり、不完全な情報にもとづく判断は間違う可能性が大いにある。
(ブログ『唐松模様』2011 年 10 月 14 日「耳学問だけではいけない」より)
現代では、世界人口の半分以上が田舎を離れて都会に住むようになりました。それに
伴い、様々な社会問題が発生し、自然破壊、エネルギーと資源の枯渇、そして地球環境
問題の深刻化が進んでいます。これらの問題の原因には、現代人の多くが都会に移った
ことにより、左脳的情報、非対称性の論理、デジタルなものの見方に偏向していること
があげられます。「自然を伸ばす活動」では、自然との直接体験を通じて、“右脳的情報”
を得るとともに、大自然への畏敬の念や感謝の気持ちを育んでいきます。
意義②
「自然を伸ばす活動」は、教えの具体的な実践
教えは知識として理解するとともに、日常生活や活動の中で、実践することが重要で
す。生活が教えと離れていては、信仰者とは言えません。
生長の家は立教以来「人間は神の子であり、天地万物は神の生命、仏の生命の現れで
ある」という教えのもと、人だけでなく、すべての生命を礼拝する生き方を広め、実践
してきました。
現代では、人間が快適であればよい、という人間至上主義の考え方に基づく生き方が
蔓延し、他の生命を軽んじ、自然破壊を続け、そのために大規模な自然災害が発生する
など、地球環境問題はますます深刻化しています。
これらの問題に対処し、人と自然が調和した社会を実現するには、教えに基づく具体
的な実践活動を展開することが必要です。間伐や農作業、植樹・植林は、他の生命の幸
福や地域の自然の回復に貢献し、ひいては人々の幸福、世界の平和へとつながります。
つまり、「自然を伸ばす活動」は、すべての生命や自然に愛を行じ、“天地の万物に感謝
する”立教以来の教えの実践にほかなりません。
意義③
自然の恵みに感謝し、体感することで得る喜び
自然と触れ合う体験をすると、日々私たちがいかに自然から与えられ、生かされてい
るかということに気づきます。白鳩会総裁・谷口純子先生は、次のようにお説きくださ
っています。
(前略)果実が毎年実をつけるということも、当たり前と言えば当たり前だ。が、そ
れが不思議でありがたいことだと気がつくと、自分の生きる世界が急に大きな意味を
もってくる。この地球の生態系は、人間が豊かに生きることができるようにと、大き
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な配慮がされているのだ。
現代人がもし何かを忘れているとしたら、それはこの自然の大いなる恵みに感謝す
る気持ではないだろうか。
(中略)そして、人間が求めてきた幸せは、物や金銭の中にはなく、すでに目の前に
与えられている豊かさに気づくことから得られる―そういうテーマの本や雑誌が売
れるようになっている。
そんな“豊かさ”を得るための近道は、自然との触れ合いである。木がそこにある
だけで、花が咲いているだけで、私たちは心の安らぎや安心を得るし、鳥や虫などの
動物たちからも多くの恩恵を受けている。が、多くの人は、そんなことは“当たり前”
すぎて、あるいは頭では知っていても、実際に感じようとしてこなかったのではない
か。」
(『“森の中”へ行く』P53~56)
家庭菜園や森の間伐、川原や海岸での清掃活動などで自然に直接触れると、日頃は忘
れている自然に対する感動や、感謝の気持ちがわき起こってきます。この思いが、自然
と人間との一体感を高め、喜びとなるのです。また、自然の香り、虫や動物たちの音だ
けでなく、思い通りにはならない難しさや、厳しさなど、自然の中で作業することによ
り得られる本物の情報は、私たちをより自然と調和した生き方へと転換していくきっか
けを与えてくれます。
意義④
活動が伝道の場になる
善い行いは、継続するうちに周囲の人々の意識や行動に変化を与えます。例えば、一
人でゴミを拾う行為を継続することで、周囲の人々もやがてゴミをむやみに捨てなくな
ったり、あるいは空き缶を拾うようになるなど、協力者を増やしていくことにつながり
ます。
私たちが教えに基づいて実践する活動は、周囲から協力者や賛同を得る機会となり、
ひいてはそれが、教えを伝えていく契機となるのです。
またこの活動は、間伐や畑作業など、一般の人でも参加しやすく、生長の家の教えを
知ってもらう機会ともなります。幹部会員だけで行うのではなく、より多くの方に「自
然を伸ばす活動」に参加してもらえるよう、Facebook やウェブサイトなどのインターネ
ットを活用して、広くお知らせし、友人知人を誘ったり、教区や地域の特性に応じた内
容を企画したりして、誰でも参加しやすい工夫をしましょう。
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3.「自然を伸ばす活動」優秀賞について
生長の家青年会は、2015年度より「自然を伸ばす活動優秀賞」を新たに設けました。
各教区青年会は「自然を伸ばす活動」ガイドラインに則り、率先して“自然を伸ばす活
動”を実施しましょう。
自然を伸ばす活動優秀賞
農業や林業、環境保全活動等の自然を伸ばす活動において、企画やアイディアを駆
使し、積極的に取り組んだ教区を表彰する。
なお、教区青年会として取り組む「自然を伸ばす活動」とは、教区青年会または単位
青年会の活動として(他団体へのイベント、研修への参加を含む)
、2名以上の青年(未
会員を含む)が実践した活動を指します。
4.具体的な取り組みについて
(1) 「自然を伸ばす活動」企画、実施にあたって
教区青年会は、毎年、青年会中央部から提供される「自然を伸ばす活動」目標・計画書
を提出し、年度当初より実施します。地域には、それぞれ特有の自然環境があり、課題が
あります。それらに考慮し、十分に理解したうえで、活動内容について検討してください。
また、この活動を通して、幹部や会員が「自然と調和した生き方」へと転換していくよう
導きましょう。
(2) 自然を伸ばす活動の一例
○森林整備、間伐・下草刈り
下草刈りや間伐により、地域の森林育成や自然の回復に貢献する。専門の指導
者を招き、教区青年会で主催するほか、他組織との共同開催、NPOや各自治体が
主催するイベント、研修等に参加する。
○植樹、植林
植樹や植林により、地域の森林育成や自然の回復に貢献する。植樹や植林に詳
しい会員(他組織を含む)などから協力を得たり、NPOや各自治体が主催するイ
ベント等に参加する。
○無農薬有機栽培による農作業
耕耘、種まき、田植え、農作物の収穫などを無農薬有機栽培で行う。教区青年
会で畑を借り、共同菜園に取り組むほか、農業に従事する会員(他組織を含む)
に協力を得たり、NPOが主催する農業体験等に参加して実施する。
○農作物、きのこ等の収穫・採取
農作物、きのこ等の収穫・採取。きのこは毒性の強いものがあり、初心者では
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判断がつかず、事故につながる恐れがあるので、必ず専門知識のある人に協力して
もらう。収穫物は食材としてノーミート料理を作るなど、自然の恵みに感謝する機
会として使用する。
○清掃活動
清掃を行い、地域の環境美化に貢献する。それぞれの地域に応じ、海岸や山林
の清掃、市街地でのクリーン・ウォーキングなどを実施する。
○災害ボランティア
※今回の改訂により、2016年度から「自然を伸ばす活動」は、直接的に地域の環境
負荷を低減させる活動を指すものとし、以下の活動は「自然を伸ばす活動」の対象か
ら除外いたしました。
○DIY、クラフト、サイクリング、啓発活動、ネイチャーゲーム
(3) 企画のポイントと実施方法
《企画のポイント》
①
企画、開催にあたってわからないことがあれば、中央部に相談してください。
②
それぞれの地域特有の自然環境などを十分に考慮し、同活動の計画を、定期的な開
催のほか、見真会などの行事に取り入れるなど、教区に応じたプランを立案してくだ
さい。
③
農作業や間伐など、専門的な技術を必要とする場合は必ず指導者を招いたり、NPO
などが企画する植樹、植林、農業などに参加するようにしてください。幹部は、教区
青年会が主催できるよう、参加した際に、自主的に開催するノウハウも学習してくだ
さい。
④
他団体が企画するイベント等に参加する場合は、どのような団体なのか充分に調べ
てください。
⑤
他団体に頼らず、教区青年会が独自に開催する場合は、生長の家の信徒でない人々
にも参加してもらえるように企画を工夫し、広く宣伝してください。
⑥
安全面には細心の注意を払ってください。特に森林での間伐作業など危険を伴う場
合は、必ず保険に加入してください。
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「自然を伸ばす活動」実施方法
年度末
青年会中央部より提供される「自然を伸ばす活動」の計画書に、そ
目標・計画書提出
れぞれの地域特有の自然環境などを十分に考慮し、定期的な開催や、
見真会などの行事に取り入れるなど、教区委員会などで検討し提出し
開催2・3カ月前~
ましょう。
実施の周知や宣伝を行いましょう。全会員にお知らせするととも
活動のお知らせ
に、Facebook ページやイベント機能を利用するなどして、生長の家
を知らない人々にも活動の趣旨や内容を伝え、イベントに招待して参
加を促してみましょう。また、ブログやウェブサイトに実施要項を掲
載するなどして、広く周知してみましょう。
1カ月前~
1週間前
参加促進と確定
参加対象者へ推進し、参加者を確定します。
準備
タイムプログラムを作成し、備品の調達などの準備をしましょう。
活動の開始前と終了後には、必ず祈りを行いましょう。なお、他団
①お祈り
体が企画するイベントなど、祈りの実修が難しい場合は、出発前や帰
った後に、教化部など祈りやすい場所で行います。初参加者がいる場
実施当日
合、主催者のみで実修するなどご配慮ください。
②活動前
③活動中
当日は、活動を始める前に必ず参加者へ「自然を伸ばす活動」の意
義を伝えましょう。
活動の様子を撮影し、記録を残しておきます。
活動が終わった後には懇談の時間を設け、参加者に感想等を発表し
④活動後
てもらいながら、喜びを共有し、記録しましょう。
次の行事のお知らせを行いましょう。
★報告
終了後、所定の方法により、中央部に報告してください。
実施後
Facebook やブログ、ウェブサイト、教区機関誌などを通じて、取
インターネットの
活用
り組みや感想を報告してみましょう。また、Facebook の青年会員向
けグループ「 Prayer & Action! 生長の家青年会 Member’s グルー
プ」にも、活動の様子を撮影した画像とともに、活動の内容や感想な
どを投稿してください。
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