前頭側頭型認知症 介護者・ご家族様へ

前頭側頭型認知症
介護者・ご
・ご家族様
家族様へ
介護者
・ご
家族様
へ
どんな病気で、どんな症状なの?
ケアのポイントをご紹介します!
国立病院機構 菊池病院
前頭側頭型認知症とは?
○脳の前の部分(
部分(前頭葉)
前頭葉)と横の部分(
部分(側頭葉)
側頭葉)が、徐々に縮んでいく(
んでいく(萎縮)
につれて、
につれて、様々な症状が
症状が引き起こされる状態
こされる状態のことです
状態のことです。
のことです。もの忘れよりも、
れよりも、
性格変化やコミュニケーション
性格変化やコミュニケーション障
やコミュニケーション障害・行動異常といった
行動異常といった、
といった、社会生活上の
社会生活上の支障が
支障が
目立つのが
目立つのが特徴
つのが特徴です
特徴です。
です。はじめのうちから人格
はじめのうちから人格や
人格や行動に
行動に問題がでてくる
問題がでてくること
がでてくることや
ことや、
一般に
一般にあまり知
あまり知られていないことなどから、
られていないことなどから、しばしば精神疾患
しばしば精神疾患や
精神疾患や他の認知症と
認知症と
間違って
間違って診
って診断されることが
されることがあります
ることがあります。
あります。この認知症
この認知症は
認知症は、ご本人や
本人や介護者の
介護者の方にと
って、
って、とても負担
とても負担が
負担が大きいため、
きいため、正しく理解
しく理解し
理解し症状に
症状に合ったケアをしましょう。
ったケアをしましょう。
特徴的な症状
常同
行動
自発性
の低下
脱抑制
被影響
性の亢
進
病識の
欠如
感情
情動の
変化
言葉の
障害
食行動
異常
注意
集中力
低下
脳の前の部分
部分は
は、人間の
衝動を
を抑え
人間の本能的な
本能的な衝動
理性的な
をとる、
、他人の
気持ちを
ちを推
推し量る、
性的な行動をとる
他人の気持
ちを
という
があります。
。また、
物事を
を計画
計画・
・
という働きがあります
また、物事
実行し
関心を
を
実行し、物事に対する興味
する興味や
興味や関心
維持する
もあります。
。
維持する働
する働きもあります
常同行動
決まった時間に決まった
まった行動をする(時刻表的生活)
同じコースを、毎日2回
回以上歩きまわる
同じ内容の話や言葉をくり
をくり返す
同じものばかりを食べる
べる・同じメニューをつくる
絶えず膝を手で擦り続ける・
ける・手でパチパチと叩く(反復行動)
脱抑制
本能のおもむくままの行動
行動(わが道を行く行動)
万引き・痴漢・放尿
周囲や他者への配慮や礼儀
礼儀に欠ける
時として、衝動的な暴力行為
暴力行為
過ちを指摘されても、悪気
悪気なく
あっけらかんとしている
被影響性の
されやすさ)
)
被影響性の亢進(
亢進(影響されやすさ
影響されやすさ
外的刺激に対して容易に
に反応する
相手の言葉をそのまま応
応える(オウム返し)
相手の動作を真似する(
(首をかしげれば同じようにするなど)
カラオケで他の人の順番
順番なのに、イントロが始まると歌いだす
目に入った文字をいちいち
をいちいち読みあげる
注意・
注意・集中力低下
落ち着かずひとつの行為
行為が続けられない
関心がなくなると診察室
診察室や検査室から出て行く(立ち去り行動)
)
感情・
感情・情動の
情動の変化
初期から感情の変化が乏
乏しくなる
理由なくニコニコする一方
一方、不機嫌なときがある
他者と共に笑い、共に感動
感動するといった
情緒的交流が少なくなる
なくなる
病識の
病識の欠如
自分が病気であることの
であることの自覚がない
受診や通院が困難になる
になる
言葉の
言葉の障害
言葉の意味がわからなくなる
がわからなくなる
文字の読み間違いが多い
い
物の名前がでてこない
食行動異常
食欲が変化し、たくさん
たくさん食べる・盗み食い・隠れ食い
嗜好が変化し、甘いものや
いものや味の濃いものを好む
毎日決まった食品を食べる
べる
十分に咀嚼せず嚥下するため
するため、窒息することがある
自発性の
自発性の低下
家事をしなくなる
常同行動以外は何もせず
もせず、ゴロゴロしている
質問をしても真剣に答えない
えない(考え不精)
あまり考えずに即答する
する言動(当意即答)
*「前頭側頭型認知症
前頭側頭型認知症」
」は「前頭側頭葉変性症」
*「前頭側頭型認知症
前頭側頭葉変性症」の1つに分類
つに分類され
分類され、
され、ほかに
「意味性認知症」「
意味性認知症」「
」「進行性非流暢性失語
進行性非流暢性失語」
という病気があります
があります。
進行性非流暢性失語」という病気
病気があります。
常同行動
ケアのポイント
を利用する
利用する!
する!
症状の「常同行動
常同行動」を利用して、ご本人の得意な作業
作業や行動を生活に
取り入れ日課にし、それに沿
沿った時刻表的生活を送ってもらいましょう
ってもらいましょう。
その際、「退屈だから気分転換
気分転換に」と温泉や旅行に連れ出さないようにしましょう
さないようにしましょう。
前頭側頭型認知症の方は、特
特に急激な変化や刺激に弱いので、それを
それを避けるため
ワンパターンの生活を送ることが
ることが望ましいです。こだわりが強く
く、周囲に迷惑を
及ぼすような行動をくり返す
す場合は、デイ・サービスなどを利用
利用し、より良い
生活がパターン化するように
ように導きます。それでも、問題行動がひどい
がひどい場合は、
短期入所や入院なども考える
える必要があります。
影響されやすさ
影響されやすさ
を利用する
利用する!
する!
ご本人の得意な
な作業や介護者の方がやってもらいたい
がやってもらいたい作業がある
場合、症状の「影響されやすさ
されやすさ」を利用します。作業の道具は
は見えやすい所に置
き、すぐ手に取れる所に準備
準備します。また、優しい言葉をかけ、
、自然なかたちで道
具を手渡すなどの工夫をしましょう
をしましょう。その際、言葉による強い指示
指示や無理に誘うこ
とは避けてください。かえって
かえって、症状の「立ち去り行動」を誘発
誘発することがあるか
らです。拒否や抵抗がみられるときは
がみられるときは、なじみの歌を歌いかける
いかける、別な興味のある
活動を促すなど、その場と関係
関係のない刺激を与えてください。注意
注意をそらせること
で、活動を継続できる場合があります
があります。
得意な
得意な作業
を日課にする!
にする!
ご本人の過去の
の仕事や趣味から得意なもの(編み
み物や踊りが上手など)
をみつけてください。たとえばジグソーパズル・
たとえばジグソーパズル・七ならべなどのゲーム・カラオケ
ならべなどのゲーム・カラオケ・
絵画などご本人の好むものを
むものを選び、それを毎日やってもらいます
やってもらいます。少なくともそれ
を行っている間は問題行動が
が減り、保たれている機能の維持にも
にも役立ちます。
。
環境を
環境を整える!
える!
周囲の環境に影響
影響されやすいので、騒音・映像・
・食べ物の匂いなどに
注意してください。また、広すぎる
すぎる場や強すぎる光などもご本人
本人を刺激しますので、
環境を調整してください。デイ・サービスなどでは
デイ・サービスなどでは静かな刺激の
の少ない環境で
1:1の個別対応が望ましいです
ましいです。
なじみの関係
じみの関係
くる!
をつくる!
前頭側頭型認知症の方が安心して暮らすにはなじみの関係が大切です。
はじめのうちは記憶力がある程度保たれていますので、デイ・ サービスなどの場所
や施設スタッフとなじみの関係を作りやすいです。同じ場所で同じスタッフに対応
してもらうとよいでしょう。そうすることで、ご本人の安心を得られ落ち着きへと
つながります。最初は嫌がっていても、しだいになじみの人間関係や環境ができあ
がれば、喜んで通所するようになる場合もあります。その間、介護者の方が自分の
時間を確保し気分転換することも、長い介護生活の中ではとても重要なことです。
背景を
背景を知る!
周囲に迷惑の及ばない行動はなるべく見守ってください。
ご本人の意に反してさえぎると、興奮し暴力になることもあります。攻撃的言動に
振り回されず、不満・不安・怒り・恐怖・過去の悔しかったことなどに固執してい
ることが原因の場合もありますので、何よりもご本人のこれまでの生活状況を知り、
対応することが大切です。まず、話を聞くこと(傾聴)とご本人のありのままを認
めること(受容)が基本となります。逆に介護者の方が感情的になられると、「影
響されやすさ」があるため、更にご本人が興奮するといった悪循環におちいります。
暴力になっても、あっけらかんとしているのが特徴なので、介護者の方もそれを念
頭にいれて、しばらく距離を置くなどの
工夫をしましょう。
食行動異常に
食行動異常に
対処する
対処する!
する!
食行動異常では、大食いや甘いもの・味の濃いものを好んで
食べるようになりますので、肥満や糖尿病といった身体的合併症を引き起こさな
いよう注意が必要です。しかし、厳しく注意するのではなく、目のつくところに
食べ物を置かない・食べ物から注意をそらす、などの工夫をしましょう。十分に
咀嚼せず嚥下することもあるため、むせや窒息などを予防し、見守りやゆったり
とした食事の雰囲気作りなどを心がけましょう。
前頭側頭型認知症は
は、ご本人だけでなく
前頭側頭型認知症
本人だけでなく
介護者の
の方にとって、
負担が
が大きい
介護者
にとって、とても負担
とても負担
ものです
です。
もの
です。したがって、
したがって、介護者の
介護者の方の労を
ねぎらい、
、ご本人を
病気特有
特有の
の症状
ねぎらい
本人を尊重し
尊重し、病気
特有
の理解に
対応していくことが
していくことが大切
大切です
です。
。
理解に努め対応
していくことが大切
です
前頭側頭型認知症!?
~もしかして前頭側頭型認知症
もしかして前頭側頭型認知症
!?~
同じコースを歩
じコースを歩きまわる
同じ話ばかりする
家事や
仕事をしなくなった
家事や仕事
をしなくなった
無感動でぼんやりしている
無感動でぼんやりしている
早期発見・
早期発見・早期治療の
早期治療の介入が
介入が何より重要
より重要で
重要です。
お気軽に
気軽に当院もの
当院もの忘
もの忘れ外来にお
外来にお越
にお越しください。
しください。
周囲や
他者への
への配慮
配慮がない
がない
周囲や他者
への
配慮
イライラして怒
イライラして怒る、または上機嫌
または上機嫌
運転時に
交通ルールを
ルールを守
守らない
運転時に交通
ルールを
物の名前や
言葉がでてこない
名前や言葉
がでてこない
甘いものや同
じものを食
食べる
いものや同じものを
該当するものはありませんか
該当するものはありませんか?
するものはありませんか?
専門の
専門の医師・スタッフが
医師・スタッフが担当
・スタッフが担当いたします
担当いたします。
いたします。
国立病院機構 菊池病院
(℡)096-248-2111(
(内線 232)
)