抗がん剤治療を受けられる さま

抗がん剤治療を受けられる
さま
四国がんセンタ-
外科
2008.9.19. 改訂
もくじ
はじめに
1. がんとは何か?
2. がんの治療にはどんなものがあるの?
3. 抗がん剤の意義は・・・
4. ホルモン(内分泌)療法
5. 抗がん剤の副作用(有害事象)
6. 乳がんの治療薬(抗がん剤)
7. 副作用(有害事象)の対策
・一般的な副作用の種類と出現の時期
・日常生活におけるケア(対策)
*消化器症状 *骨髄抑制 *神経系 *脱毛
*皮膚症状 *間質性肺炎
8. 抗がん剤治療にかかる医療費について
9. 抗がん剤治療の今後
10. 抗がん剤治療中の心のケア
おわりに
はじめに
この冊子は抗がん剤治療を受けられるあなたに、不安を解消できればと、治療の意
義・目的・副作用などについて、ご理解いただくことを目標に書いております
充分に目を通された上で、今後の治療に前向きに取り組んでいただければ幸いです
1. がんとは何か?
がんは、
「遺伝子の異常」が原因でおこります がんの中には遺伝性のものもありま
すが、多くは様々な外的要因(放射線、紫外線、発がん物質など)にさらされること
で、細胞中の遺伝子に傷がつき、突然変異が起こることで、正常細胞ががん細胞に変
わるとされています
細胞内の遺伝子異常が組み合わさった結果、生体によるコントロールを無視して細
胞が次々に増殖していくため、しこり、つまり腫瘍となります この腫瘍には良性腫
瘍と悪性腫瘍(がん)があります
良性腫瘍も細胞が増殖しますが、そのスピードは遅く、体の他の部位へ跳んで行き
増殖すること=転移はありません それに対して、悪性腫瘍(がん)は、増殖のスピ
ードが速く、周囲へ浸潤していったり、転移したりしますそのため、がんにかかった
場合、生命を脅かされることが多いとされているのです
2.がんの治療にはどんなものがあるか?
がんの治療には代表的なものとして、
①外科手術
②放射線療法
③薬物治療(化学療法、ホルモン療法、抗体療法)があります
外科手術と放射線療法は、局所治療の代表的なものであるのに対し、薬物治療は全身
的治療の代表的なものです
全身的治療である薬物治療について、
・抗がん剤治療(化学療法)
・内分泌療法
(女性ホルモンを食べて大きくなるタイプの乳がんに対し、ホルモンをブロックする)
・抗体療法
(がん表面の特異的な物質=抗原を目標にする、ハーセプチンなど)
これらのうち、どの治療法を行うかは、がんが発生した部位や進み具合、患者さんの
年齢・体力などを考慮した上で、最善の治療を検討致します
ご本人やご家族の方に、担当医が治療内容を全て説明し、同意を得た上で、治療をす
すめていくことになります
3.抗がん剤の意義
抗がん剤には様々な種類があります
・アルキル化剤
・代謝拮抗剤
・抗腫瘍性抗生物質
さらに抗がん剤治療には、その目的から、
・再発予防(術後補助化学療法)
・再発もしくは進行がんを抑えるための治療
の 2 種類があります
また最近の新しい試みとして、手術前に抗がん剤を使用して、がんをできるだけ小さ
くして手術をしやすくする術前化学療法も行われるようになってきました
抗がん剤治療の目的について
1)
再発予防(術後補助化学療法)としての治療
がん病巣は、手術で肉眼的に取り除かれても、リンパ節に転移があった場合、目に見
えないがん細胞が全身に残っている可能性は捨て切れません そのため、再発防止の
ために抗がん剤を使います
使用する薬剤は、あなたのからだの状態によって適切な選択により処方して行きます
(薬剤には注射で投与するもの、長期に内服するものなどがあります)
また、薬剤によっては、副作用が現れる可能性があります
副作用には個人差があります 必ずしも副作用がでるわけではないのですが、副作用
がでた場合の対策等についてもよく理解いただくことが大切です
必要に応じて薬剤師から詳しい説明を行います 医師又は看護師に申し出てください
2)
再発もしくは進行がんに対する治療
手術後再発したり、手術が不能なくらいに進行している場合、現在の病気が進まな
いよう、抑制をかける目的で抗がん剤治療を行います
またがんによる痛み、圧迫感といった症状がある場合は、症状を緩和する目的でも
抗がん剤を使用します 抗がん剤により、完全に腫瘍が消失する場合もありますが、
どちらかというと腫瘍細胞の増殖を抑制して、生存期間を延長することに目的が置か
れています したがってなるべく副作用が少なく、かつ、効果のある治療法を選択す
べきであると考えます
4.ホルモン(内分泌)療法
乳がんの薬物療法の一つで、乳がんや前立腺がんなどの限られたがんに有効な治
療法です 乳がん患者のほとんどが女性のかたですが、これは、乳がんと女性ホル
モンとの間に密接な関係があるためです
乳がん細胞は、乳腺の乳管細胞から発生することが多く、本来の乳管細胞の役目で
ある母乳を分泌するためには、妊娠の前後で変化する女性ホルモンの影響を受ける
ことが重要です 従って、乳管細胞を祖先とする乳がん細胞も女性ホルモンの影響
を受けるのです
しかし、すべての乳がんが女性ホルモンの影響を受ける訳ではなく、約 60%程度
の乳がんが女性ホルモンの影響を受けるようです
あなたのがん細胞が女性ホルモンの影響を受けているかどうかは、手術のときに、
病理検査のために切除したがん組織から調べることが可能です
(★病理検査=がん組織はどの程度広がっているか、がん細胞の顔かたちは?
再発の危険性は? など調べる検査)
この検査は、がん細胞の細胞膜表面にあるエストロゲン受容体、プロゲステロン受
容体を免疫組織学的検査(健康保険で認められている検査)で調べます
受容体とは、女性ホルモンが細胞の周囲に存在する場合、ホルモンと受容体が結
合して女性ホルモンの細胞への影響、つまり女性ホルモンを栄養としてがん細胞が
成長・増殖することを助けているたんぱく質です
ホルモン(内分泌)療法は、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体のどちら
かのたんぱく質が存在する乳がんには非常に有効です
特に抗がん剤と異なり、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体を持たない正
常細胞に対しては影響を与えませんから、抗がん剤のような細胞毒性の強い薬物とは
異なる副作用を示します 注射、飲み薬のどちらも副作用の発現がゆっくり現れます
ので、急激な体調の変化などは比較的少ない治療です
内分泌療法はがん細胞の栄養源である女性ホルモンの作用をなくすことが目的です
ので、長期間に渡り治療を継続しなければなりません
標準的なホルモン療法として、タモキシフェン(商品名:ノルバデックス、タスオミ
ン)がありますこのタモキシフェンは、女性ホルモン受容体をブロックして効果を発
揮します 基本的には毎日5 年間服用しなければなりません しかしこの薬剤の内服
により、何も治療しない人に比べると、再発が抑制され、予後が改善されたというデ
ータがあり、これに基づいて全世界的に使われている、標準的薬剤です
副作用には、更年期様症状(ほてり、発汗など)
、肝機能障害、骨髄抑制などですが、
化学療法に比べると軽度です
5. 抗がん剤の副作用(有害事象)
抗がん剤は、抗腫瘍効果とともに副作用(有害事象ともいいます)があります
これは「がん細胞を攻撃する」と同時に、正常細胞(骨髄細胞、腸管の上皮細胞、毛
根細胞、その他)にも抗がん剤によるダメージを与えるために起こるのです
<代表的な副作用>
1)
消化器症状(嘔気・嘔吐・食欲不振・便秘、下痢)
2)
脱毛
3)
骨髄抑制(白血球減少、貧血、血小板減少など)
4)
肝機能障害
5)
神経・皮膚症状
6)
腎臓・膀胱への影響(出血性膀胱炎)
7)
肺への影響(間質性肺炎)
これらの症状が出たときは、薬剤投与量を減らしたり、治療を休んだりして、副作用
の回復を待つことがあります また嘔気や便秘・下痢、白血球減少、むくみ等に関し
ては症状をやわらげる治療があります
その発現時期には、それぞれずれがあり、一度に起きるわけではありません
また薬を使用するときに、他に飲んでいるお薬があったり、民間療法として飲んでい
るものがある場合、副作用が強く出たり、抗腫瘍効果が何によるものか明らかになら
ず、治療の障害になることがありますので、
担当医、看護師、薬剤師に、必ずお話しください
6.乳がんの治療薬(抗がん剤)
実際に当院で投与している抗がん剤とその副作用について、また、副作用が出現す
ると予想される時期について説明します
. アンスラサイクリンを含む治療法( A(E)C 療法、CA(E)F 療法 )
アドリアマイシンやエピルビシンという薬は、アンスラサイクリン系薬剤と呼ばれて
います エンドキサン(サイクロフォスファミド)や5-FU と組み合わせて使われる
ことが多いです
A はアドリアマイシン、E はエピルビシン、C はエンドキサン(サイクロフォスファ
ミド)の略号で、アドリアマイシンとエンドキサンの組み合わせを AC、さらに5-FU
との組み合わせを CAF と呼んでいます
再発進行乳がんに対する抗腫瘍効果は 50~60%あるとされていて、標準的治療とさ
れています 現在では術後補助化学療法としても標準的抗がん剤とされています
CMF 療法
エンドキサン(サイクロフォスファミド)
、メソトレキセート、5-FU の組み合わせ
の治療法で、術後補助化学療法で使うと再発予防に有効であることがわかっています
タキサン系薬剤( タキソール、タキソテール )
タキサン系薬剤( タキソール、タキソテール )とは約 10 年位前に出たお薬で、ほか
の薬剤とはがんへの作用の仕方が違います
再発進行乳がんに対する抗腫瘍効果は約 50%で、広く日本でも用いられています
7.副作用(有害事象)の対策
現在、様々なおくすりによって、ある程度まで副作用を抑えることができます
あなた自身ができることで、症状を軽くすることもできます
副作用は個人差が大きく、現れる副作用の種類・強さ・時期は人によって大きく異
なります 以下にあげた副作用は、代表的なものであり、これ以外にも副作用は起こ
る可能性があります しかし、副作用は治療終了とともに必ず回復します
医師・看護師・薬剤師と一緒に対応していきましょう
一般的な副作用出現の時期と種類
投与直後~数日
AC
CMF
タキサン系
・発熱
・皮膚が赤くなる
・蕁麻疹
・かゆみ
・吐き気
・嘔吐
数日~数週間
・下痢、腹痛
・口内炎
・食欲不振
・身体がだるい
・白血球減少により感染
しやすくなる
(発熱、のどの痛み、膀
胱炎、肛門周囲の痛み)
・脱毛
・血小板減少による出血
傾向(鼻血,歯ぐきの出血、
青あざ)
・血尿、排尿困難
数週間~数ヶ月
・血小板減少による出血
傾向(鼻血、歯ぐきの出
血、青あざ)
・色素沈着(皮膚や爪が黒
くなる)
・爪の変形
・肝機能障害
数ヶ月以降
・匂いを感じにくくなる
・味覚の変化
・肺障害
・腎障害
・心機能障害
日常生活におけるケア(対策)について
消化器症状
吐き気の出る時期は、点滴中(1~2 時間後)に出ておよそ 4~6 時間で落ち着く
もの、点滴後 24~48 時間で出現し、数日から一週間続くものがあります
吐き気に伴い、食欲不振も同様に起こってきます また、先入観や、思い込みから
吐き気を誘発することもあります 治療の時はあらかじめ吐き気止めの注射をしたり、
薬を内服したりします
① 吐き気、食欲不振の対策
・ 吐き気をもよおしたら横向きに寝て体を曲げ背中を丸くしさすってもらう
・ 窓をあけて空気の入れ換えをする
・ 冷たいお水でうがいをする リラックスする
・ 吐いた後はすぐに水分を飲むと吐きやすいのでうがいだけにしましょう
・ うがいは、冷水・氷水・番茶・レモン水でするとさっぱりするでしょう
・ 軽く目を閉じて静かにしていましょう
・ 食事は、少量ずつ気分の良いときに食べたいものを優先して食べましょう
・ 水分を、ジュースやゼリーなどで上手にとりましょう
★あっさりした口当たりの良いもの (例:果物・乳製品・酢の物など)
★刺激の少ない消化の良いもの (例:かゆ・もち・麺類・パン類など)
★電解質を豊富に含む食品 (例:バナナ・スイカ・いも類・味噌汁など)
★食事の工夫 (少量でカロリーの高いものを主食に変化をつける)
≪point≫
食べることで、吐き気を誘う恐れがあります 食べたいもの・好きなものを食べたい
ときに、適温で、無理をせず食べましょう 食欲がないときは、脂肪の多い食品や油
っぽい料理はさけ、さっぱりした料理や酸味のある食品が食べやすいようです
また、冷たいものも食べやすいようです
② 口内炎の対策
・ 口の中がしみるときには酸味のもの・熱いものや硬いものは控えましょう
・ 炭酸飲料や香辛料も控えましょう 食事にとろみをつけてみましょう
・ 味付けは薄味で刺激にならないようにしてみましょう
うがい薬や塗り薬もあります 医師・看護師・薬剤師にご相談ください
③ 便秘・下痢の対策
抗がん剤の種類によっては、便秘、下痢を起こすものがあります
また、食欲不振などで便通が狂うこともあります
本来なら、運動や食事の工夫で改善したいものですが、治療中はうまくいかないでし
ょう
緩下剤の内服など、医師・看護師・薬剤師にご相談ください
骨髄抑制
① 白血球減少
白血球は、外部からの有害物(悪い微生物など)の侵入から身を守る役目を行なって
います 白血球の値は成人の正常値が、2000~8000 といわれています
白血球は治療後 2・3 日から減り始め、7~14 日で最も低くなります 白血球が減少
すると、他の人より感染(口内炎・気管支炎・下痢・化膿・発熱など)しやすくなり
ます治療中は 2000 以上あれば、ほとんど感染の危険はありません
(ここで示している白血球の値はあくまで目安です 個人差がありますので数値だけ
では判断できないこともあります 医師・看護師・薬剤師にご相談ください)
<白血球 2000 以下の時>
・ 白血球が減少したら手洗いを行ない、マスクを使用する
・ 外出は控え、人ごみを避けましょう
・ 入浴を避け、清拭かシャワー浴にする
・ 感染を予防するために毎食後のはみがきを習慣化する
<白血球1000 以下の時>
・ うがい薬(イソジンガ―グル)を起床時・毎食前後・寝る前に使用する
・ 生ものを食べるのを控える 傷を作らない
・ 白血球を増やす お薬を注射することもあります
(38℃以上の熱があれば抗生剤を投与します)
② 貧血
貧血の目安になるヘモグロビンという血液成分の値は、成人の正常値で 10~
15mg/dl といわれています 治療中は 10mg/dl 以上あれば良いとされています
貧血になったら
・ 十分な休養と睡眠をとり、無理をしない
・ 動き始めるときはゆっくりと(起き上がり・立ち上がりなど)
・ 急激な運動は避ける(走る・階段をかけ上るなど)
・ 鉄分を多く含む食品(レバー・ほうれん草・ひじき)を摂る
③ 血小板減少
出血傾向の目安になる血小板という血液成分の値は、成人の正常値で 10~30 万
といわれています 治療中は 10 万 以上あれば良いとされています
鼻血が出やすい、血が止まりにくい、青あざができやすいなど出血傾向があれば医師・
看護師に連絡して下さい
また、転んだり、頭をぶつけたりなど怪我に注意してください
神経系
抗がん剤が抹消神経に影響して、指先のしびれが現れることがあります 手足がしび
れたり、ピリピリする感じがします 症状が進むと字が書きにくくなったり、物を落
としたりすることがあります 耳が聞こえにくくなることもあります
対策:症状に応じた治療をします
しびれがあるときは
・ 指先を温める
・ 体の中心に向かってマッサージする
・ 重いものはなるべく持たない(ハンドバッグをひじに下げるなど)
脱毛
治療開始より3週間ごろより出現してきます アドリアマイシン使用時は 100%、
タキソテールおよびタキソール使用時出現率は 78%、エンドキサン・メソトレキセ
ート・5-FU(CMF)療法使用時出現率は 36%とされています
脱毛とは、髪の毛だけでなく体に生えている全ての体毛のことを指します 抜ける量、
部位は個人差があります 脱毛は、消化器症状とともに副作用の中でも気分を憂鬱に
する大きな原因となります 抜けた毛は、治療終了後約 3 ヵ月くらいから必ず生えて
きます 抜け始めたらナイトキャップや帽子、かつらなどを準備すると良いでしょう
前もって髪を短くする必要はありません(あまり短くしていると衣服の間に髪の毛が
落ち、不快な気持ちになります)脱毛している間は、外出をこわがらずに帽子やかつ
らのおしゃれを楽しんでください また、髪を洗うことで脱毛がひどくなることはあ
りませんが、以下のことには注意してください
・ なるべく刺激の強いシャンプーやリンスは避ける
・ 乾燥はタオルでやさしくたたく
・ ドライヤーを使うときは、弱風で地肌を傷つけないように乾かす
・ 整髪について目の粗いくしを使用する
・ パーマや毛染めは刺激になりますのでなるべく避ける
衣類や枕の周囲についた髪の毛は、ガムテープなどを使用してとると簡単です
皮膚症状
皮膚や爪・指先などが黒くなったリ、発疹・発赤、手足の紅班が出たりすることが
あります
対策:症状に応じた治療をします
爪を短く切り、マニキュアや徐光液の使用は避けましょう
出血性膀胱炎
出血性膀胱炎、つまり排尿痛、残尿感、尿が赤みを帯びる、といった症状が出るこ
とがあります 排尿痛・残尿感がある場合は、トイレは我慢せず、しっかり水分を取
るようにしましょう.
対策:症状に応じた治療をします
間質性肺炎
間質性肺炎のため、発熱(37.5℃以上)の持続・から咳・体動時の息切れが出現す
ることがあります はじめは風邪に似た症状ですが、放って置けば重篤になり得る副
作用ですから、早めに医師・看護師に相談するようにしましょう
対策:症状に応じた治療をします
肺炎にならないために、風邪を引かないようにしましょう
外出から帰ってきたら必ず、うがいや手洗いをしましょう
以上の副作用に対する対策をご自身で行なうようにしてみて下さい
8.抗がん剤治療にかかる医療費について
これらの化学療法を行う際、かかる費用も重要な問題です 当院において試算した
結果は、入院患者さんで 1 回入院して諸検査を行なった上で化学療法を行うと平均
45~50 万円、
外来で検査をした上で化学療法を行うと 1 回平均 4~5 万円かかりま
す 実際には保健によって、これの何割かを負担していただくわけです 使う薬剤に
おいて差もありますので、詳しいことにつきましては医師・看護師にご相談下さい
9.抗がん剤治療の今後
化学療法は日々進歩しております 新しい薬が出るたびに、その臨床効果はどうか、
副作用はどうか、といった点は、臨床試験を行って初めて確認されているのです
臨床試験は、新しい治療と標準的治療を比較して、その有用性を確認したり、新し
い薬の適正な投与量や効果を確定したりするために行なわれます 従って現在行なわ
れている標準的治療は、一世代昔の患者さんのご好意に基づいて行なわれた臨床試験
の結果から、選択されたものなのです
今後新しい治療を作り上げていく過程として、臨床試験へのご参加をお願いするこ
ともあるかも知れません また新薬の開発の段階で、患者さんに実際投与して効果・
副作用を確認する臨床試験(治験)もあり、同様にご参加をお願いすることもあるか
もしれません 是非、これらの臨床試験に対するご理解を頂きたいと考えています
10.抗がん剤治療中の心のケア
この章では、化学療法中の心の問題について考えてみましょう そもそもがんを体
にかかえることは、大変なストレスです 化学療法を受ける時にも、患者さんは身
体だけでなく心の負担も経験しますがんは、身体の病気ですが、こころの負担を軽
くすることも大切ですよい心の状態を維持することは、がんの治療を受けていく上
での助けになると考えられています
以下のような状態を、多くの方が経験されますが、このような状態が和らいでいく
には、しばらく時間がかかります
◆頭が真っ白になったような感じ
◆がんであることを否定したい気持ち
◆孤立した感じ
◆不安になる
◆気持ちが落ち込む
◆眠れない
◆食欲がでない
など
このような状態が長い期間(目安として 2 週間以上)続く場合があります ご本人
ではなく、ご家族がお気づきになることもあります また、化学療法中は、抗がん
剤やホルモン剤の影響で、眠れなくなったり、ゆううつになることもあります
そのような時には「病気や治療でつらいのだから仕方ない」とあきらめずに、担当
医や看護師に相談されたほうが良いでしょう オープンに相談していただくことが、
上手に治療を受けていただくことにつながると考えています
四国がんセンターでは、がん患者さんのための精神科を開設しており、こころの
問題に対して精神科医師(精神腫瘍学専門)がカウンセリングや
お薬の調整などのケアを行っています
受診については、医師・看護師にご相談下さい
おわりに
多くの方があなたと同じ治療を体験しています そして、家事や仕事など治療前と
同じ生活を送って頑張っています しかし、どんな方でも、治療の副作用の辛さに耐
え兼ねたり、がんになった自分を責めたり、弱気になったりしてしまうこともあるで
しょう 皆さん同じ悩みを抱えているのですあなたは一人ではないのです 家族の
方・医師・看護師、みんながあなたの協力者なのです
当院では、毎月乳がんの治療に関する情報提供と、患者さん同士のコミュニケーシ
ョンの場として「カニさんの会」を開いてます そこでは患者さんの悩みを相談した
り、治療について理解を深めたりしています もし、ご興味がおありでしたら、是非
ご参加ください
一通りこのパンフレットに目を通されて、いかがだったでしょうか
少しでも、あなたの負担を取り除き、治療に対しての心構えができたなら、私たち
医療スタッフにとってとてもうれしいことです
あなたのサポートを充分行なえるように、今後も取り組んでいきますので、ともに
治療を頑張っていきましょう
お問い合わせは
平日午前 8 時 30 分から午後 5 時 15 分までは
がん相談支援・情報センターが窓口になり対応いたします
それ以外の時間帯(夜間、休日等)の緊急時は、
当直師長が窓口になり対応いたします
〒791-0280
松山市南梅本町甲 160
独立行政法人国立病院機構
四国がんセンター
連絡先:089-999-1111(代表)
:089-999-1114(相談支援センター)