2013 年度 事 業 報 告

2013 年度
事 業 報 告
Ⅰ 法人の概要
【1】
建学の精神
世界音楽並ニ音楽ニ関連セル諸般ノ芸術ハ之ノ学校ニヨッテ統一サレ
新音楽新歌劇ノ発生地タランコトヲ祈願スルモノナリ
【2】
学校法人の沿革
1915 年(大正 4 年)
創立者永井幸次により、大阪市南区塩町(現、中央区南船場)
に大阪音楽学校を開校
1926 年(大正 15 年)
大阪市東区味原町(現、天王寺区味原本町)に移転
1948 年(昭和 23 年)
大阪音楽高等学校開校
1951 年(昭和 26 年)
大阪音楽短期大学開学
1954 年(昭和 29 年)
豊能郡庄内町野田(現、豊中市庄内幸町)の現校地に移転
1957 年(昭和 32 年)
付属児童音楽学園開設(のちに付属音楽学園に改組)
1958 年(昭和 33 年)
大阪音楽大学開学
大阪音楽高等学校を付属音楽高等学校に改称
1959 年(昭和 34 年)
大阪音楽短期大学を大阪音楽大学短期大学部に改称
1966 年(昭和 41 年)
音楽文化研究所開設(のちに音楽研究所に改組)
付属図書館開設
1967 年(昭和 42 年)
大学と短期大学部に各音楽専攻科設置
付属音楽幼稚園開設
1968 年(昭和 43 年)
大学院音楽研究科開設
付属楽器博物館開設
1980 年(昭和 55 年)
K 号館竣工(音楽文化研究所、付属楽器博物館を移転)
1981 年(昭和 56 年)
付属音楽高等学校閉校
1989 年(平成元年)
ザ・カレッジ・オペラハウス開館
2000 年(平成 12 年)
P 号館(ミレニアムホール)竣工
2002 年(平成 14 年)
音楽博物館開設(付属楽器博物館、音楽研究所などを統合
して改組)
2003 年(平成 15 年)
付属音楽院を開設(付属音楽学園を改組)
2004 年(平成 16 年)
短期大学部を改組、新たにジャズ・ポピュラー専攻開設
2009 年(平成 21 年)
短期大学部を改組、音楽科の下に 11 コースを置く
1/38
2011 年(平成 23 年)
短大専攻科を音楽専攻の 1 専攻に改組
2012 年(平成 24 年)
大学音楽学部作曲学科・声楽学科・器楽学科の 3 学科を廃止し、音
楽学科 1 学科を新設、ジャズ・クラシックギター・電子オルガン専
攻を開設、短期大学部音楽科にクラシックギター・ダンスパォーマ
ンスコースを開設
【3】
役員・教職員の概要
理 事
理事定数 10~15 名 理事の現員数 11 名
理事長
中村 孝義
理事
大川 真一郎
副理事長
本田 耕一
理事
岡野 幸義
常任理事
十川 輝明
理事
北野 徹
常任理事
中上 善生
理事
永井 譲
常任理事
武藤 好男
理事
古林 清造(2014 年 3 月 31 日退任)
理事
本山 秀毅
監 事
監事定数 2 名
監事の現員数 2 名
永井 俊一
山下 欣男
評議員
評議員定数 21~31 名
評議員の現員数 23 名
大学長及び
大学長及び幼稚園長
大阪音楽大学学長
武藤 好男
大阪音楽大学短期大学部学長
武藤 好男
大阪音楽大学付属音楽幼稚園長
小畑 有子
2/38
【4】
設置する学校・学部・学科等 及び 入学定員、学生数の状況(在籍数は 2013 年 5 月 1 日現在)
● 大阪音楽大学 音楽学部
3 年次編
学 科
入学定員
収容定員
在籍数
入学定員
音楽学科
366 名
(2012 年度以降)
210 名
作曲学科
30 名
900 名
397 名
声楽学科
器楽学科
210 名
計
30 名
900 名
763 名
●大阪音楽大学 音楽専攻科
専
攻
入学定員
在籍数
作曲専攻
2名
0名
声楽専攻
6名
9名
器楽専攻
12 名
19 名
20 名
28 名
計
●大阪音楽大学 大学院
1 年次
研究科
2 年次
計
専攻
音楽研究科
入学定員
在籍数
入学定員
在籍数
収容定員
在籍数
作曲専攻
2名
2名
2名
4名
4名
6名
声楽専攻
4名
4名
3名
10 名
7名
14 名
器楽専攻
7名
7名
5名
6名
12 名
13 名
13 名
13 名
10 名
20 名
23 名
33 名
計
●大阪音楽大学短期大学部
学
音
科
楽
科
計
入学定員
収容定員
在籍数
150 名
350 名
288 名
150 名
350 名
288 名
入学定員
在籍数
15 名
18 名
●大阪音楽大学短期大学部 専攻科
専
音楽専攻
攻
3/38
●大阪音楽大学付属音楽幼稚園
学
年
定
員
在園児数
3 歳児 3 学級
105 名
96 名
4 歳児 3 学級
105 名
94 名
5 歳児 3 学級
105 名
81 名
315 名
271 名
計
Ⅱ 事業の概要
・大学生活上でのさまざまな相談(進路、学業、対人関係、精神面など)を受け付ける場として「学生相談室」
を新たに設置し、相談員として臨床心理士の資格を持つインテーカーを配置した。また、来室者は増加傾向に
あり有効性も伺えることから、次年度はさらに相談時間の拡充を図ることとした。
・第 67 回全日本学生音楽コンクール全国大会シリーズ(毎日新聞社主催)声楽部門において斉戸英美子氏(院 1)
が1位に選ばれた。
・2014 年度に日本高等教育評価機構による認証評価を受審する準備として、2013 年度終了時点までのデータをも
とに、各基準の大まかな原稿を作成した。
・過年度より継続している「石巻・わがふる里」の CD 進呈に加え、今年度は岩手県立大槌高等学校吹奏楽部に来
阪いただき、ザ・カレッジ・オペラハウスにて本学吹奏楽団他と交流コンサートを実施した。
・文化庁文化芸術振興費補助金を得て、第 50 回オペラ公演 20 世紀オペラ・シリーズ B.ブリテン「ピーター・グ
ライムズ」をザ・カレッジ・オペラハウスにて上演し、盛況のうちに終演した。
・親子を対象とした「こどものためのコンサート」を商業施設(ららぽーと甲子園、イオンモール伊丹昆陽池店)
で実施した。音楽的裾野の拡大、イベント広報、新規顧客獲得を目的とし、1200 名以上の来場があり、好評を
博した。松田ひろ子講師、ミュージカル専攻生を起用することで、より親しみやすく観客一体型のコンサート
が可能となった。
・阪急うめだ本店との共同企画で開始した各フロア、祝祭広場における演奏「フライデージャズナイト」の集大
成として同施設内にある阪急うめだホールにおいて、土岐英史、石井彰の両特任教授による「大阪音楽大学ジ
ャズコンサート」を開催した。
また、JRA からファンファーレ演奏の依頼を受け、G1 重賞競走「第 65 回農林水産省賞典 阪神ジュベナイル
フィリーズ」で学生の演奏する模様が全国ネットで放映され、好評を博した。
・キャンパスの将来構想を具現化する「キャンパス再編マスタープラン」を策定した。新校舎建設はその第一段
階とした上で、新校舎基本計画検討委員会における具体的な検討を経て基本計画を策定した。
・専任事務職員、付属音楽幼稚園専任教諭について人事評価制度を正式に導入し、評価結果を等級の調整や賞与
に反映させた。
・大学・短大教授会の承認により西本智実、丸谷明夫、フローラン・エオーの三氏が次年度より客員教授に就任
することが決定した。
以下 555555555
A 教育・
教育・研究事業
【1】大学院・大学・大学専攻科・短大・短大専攻科
4/38
内は事業名を示す。
<大学院>
2013 年度は作曲研究室 3 名、音楽学研究室 3 名、オペラ研究室 7 名、歌曲研究室 7 名、ピアノ研究室 9 名、管
弦打研究室 4 名の計 33 名が在籍、各研究室による修士演奏、修士作品、口述試験の結果、作曲 1 名、音楽学 3
名、オペラ 4 名、歌曲 5 名(内 1 名前期)
、ピアノ 4 名、管弦打 2 名の 19 名が修了した。
「芸術文化の諸相」の授業を、前期は先花智恵子氏(国際通訳案内士)
、後期は佐治晴夫氏(物理学者)が担当
した。
修了生支援の一環としてスタートした「研究生制度」が 2 年目に入り継続 3 名、新規 7 名が各自のテーマで研
究を行った。
ティーチングアシスタントとして、院生 5 名が大学・短大の授業サポートを行った。
その他、各研究室での研究発表会を実施した。
2014 年度入試は、前期・後期あわせて 39 名の志願者があり、17 名(作曲 1 名、オペラ 5 名、歌曲 1 名、ピア
ノ 6 名、管弦打 4 名)が合格した。
2013 年度大学院定期演奏会を、11 月 5 日(火)にザ・カレッジ・オペラハウスで開催し、第一部は、作曲研
究室院生の作品をピアノ研究室、管弦打研究室院生が演奏する新作初演、ピアノ研究室院生によるラフマニノフ
「組曲第 2 番 作品 17」
(2 台 4 手)
、リスト「リゴレットパラフレーズ」を、第二部ではオペラ研究室、歌曲研
究室院生と教員によるヴェルディ「歌劇『仮面舞踏会』抜粋」を演奏し大学院の演奏水準の高さを示す実りある
演奏会になった。
<大学・大学専攻科>
大学は 763 名が在籍し、184 名が卒業した。卒業生の中から、最優秀賞 4 名、優秀賞 9 名を表彰した。
大学専攻科は 28 名が在籍し、全員が修了した。音楽実践演習として西宮フレンテホール、LIC はびきの、綾
部市中丹文化会館で 3 回のオータムコンサートを実施した。
<短大・短大専攻科>
音楽科には 288 名が在籍し、121 名(うち 1 名が前期)が卒業した。卒業生の中から優秀賞 9 名を表彰した。
また、専攻科には 18 名が在籍し、16 名が修了した。
志願者獲得の一環として始めた「ポピュラーコース・オープンカレッジ」は、高大連携対象校以外からも参
加者を得て、2 年目を終えた。
「オープンカレッジ」については、次年度はダンスパフォーマンス・コースにも
拡大する計画である。専攻科は、カリキュラムの特色を打ち出すための授業である「コンサート・プロデュー
ス」による演奏会を開催した。
創立100周年記念プロジェクト ~社会と歴史を動かしてきた音楽の創造性~「作曲作品コンサート」
●要旨
2013 年度のテーマである「創造×音楽」を受け、本学の海外提携校であるフランスのブローニュ=ビヤンク
ール地方音楽院から作曲家であり同校教授のジャン-リュック・エルヴェ氏を招き、同氏の作品の他、同校元院
長アラン・ルヴィエ教授や両校の学生の作品を演奏した。また、指揮者不在では演奏困難と思われる作品につ
いては、フランス側の作品はフルート奏者・指揮者のピエール・モンティ氏を招聘し、本学学生の作品は高昌
帥准教授と卒業生の冨田一樹氏の計 3 名に指揮を依頼した。
●成果及び達成度
フランスのブローニュ=ビヤンクール地方音楽院学生の作品と本学学生の作品をひとつの演奏会で同時に発
5/38
表することにより、国の違いを超えた現代音楽の学生交流となり、本学学生への刺激にもなった。また、2013
年度のテーマである「創造×音楽」の達成となった。
●今後の展望
平素から実技系他専攻の学生との交流を密にし、作品発表時の協力支援体制を保てるようにして、プロフェ
ッショナルへの依存度を下げることが必要である。
ポータルシステムのスマートフォン対応
●要旨
ポータルシステムの下記の機能について、スマートフォン対応を行った。
①掲示・連絡機能
ンケート回答
②B群履修登録
⑨メールアドレス登録
③C群履修登録
④時間割表
⑤成績表
⑥曲目届
⑦安否確認
⑧ア
⑩パスワード変更
●成果及び達成度
特に問題もなく計画通りに 10 月より本番稼動を行った。ポータルシステムを学生が主流で使用しているスマ
ートフォン用に設計し構築したので、学生に対するポータルシステムの操作性・利便性が飛躍的に向上した。
●今後の展望
ポータルシステムに関して、今後も学生の利便性が向上する機能を追加し充実していきたい。2014年6月よ
りポータルシステムのスマートフォン機能に練習室予約を追加する予定である。
特待生授業料減免制度
●要旨
2013 年度より、これまでのフレッシュマン給付奨学金制度を廃止し、入学試験実技成績の上位合格者を「特
待生」として大学・短大、各 20 名程度に授業料からそれぞれ 40 万円、35 万円を減免することとした。この結
果、最終的に適用者大学 24 名、短大 20 名の新入生に対して減免を実施した。
●成果及び達成度
ほぼ想定どおりの人数を特待生として選抜することができたが、本学への入学を辞退する適用者もあり、減
免額や人数について再度検討することとなった。
●今後の展望
この制度の導入による学生募集や教育における効果は今後、詳しく検証することになるが、2年次以降の給付
奨学金に向けて各学生の修学意欲をさらに向上させる方策を講じたい。
サウンドスクール
●要旨
豊中市教育委員会と連携して「サウンドスクール事業」を展開し、市立学校園での授業支援、出張演奏、ク
ラブ活動支援といった活動を年間 80 件(幼稚園 7 件、小学校 53 件、中学校 20 件)実施し、延べ 571 名の学
生(卒業生、教員含む)を教育現場へ派遣した。
●成果及び達成度
<授業支援、クラブ活動支援>
派遣先の小学校、中学校は様々に違うタイプの児童、生徒がおり、本学学生たちはそれぞれに課題を見つけ、
各学校に合った指導を工夫して行うことができた。子供たちの音楽を通した成長とともに、この活動の中で本
学学生も多くの成果を得ることができた。
6/38
<音楽鑑賞>
幼稚園での鑑賞事業では幼児用のプログラムを準備し、小・中学校では楽器紹介や曲目紹介をはさみながら楽
しい鑑賞会にすることができた。
●公的助成・民間助成
実施経費については、豊中市が負担している。
●今後の展望
サウンドスクール事業が発足して8年が経過したが、これまでの積み重ねと反省を踏まえて9年目に向け豊中
市教育委員会と検討を開始している。
教員採用筆記試験対策講座
●要旨
学生及び卒業生に対し、教員採用試験対策講座(筆記試験対策)を実施した。当該講座は 2010 年度から本
学の教職担当教員と連携して開講している。一般教養講座については外部の業者・講師に依頼したが、当初の
開講に対し受講希望者が少なく講座として成り立たないため中止とし、後期に業者と内容を一新し開講した。
講座自体は好評であったが、期間中に大阪府・市等が次年度の採用試験において一般教養試験を課さないこと
を広報したため、後半に欠席者が目立ったのが残念であった。また、教職教養講座を本学の教職担当教員が担
当した。
●成果及び達成度
一般教養講座 31.5 時間、教職教養講座 9 時間を実施した。受講者数は一般教養講座が 15 名、教職教養が 10
名(全て在学生)であった。
●今後の展望
一般教養講座について、内容を変更したことが好評(業者も変更)であったが、次年度このままこの講座を
実施するのではなく、教職部会とも相談・調整の上、筆記試験対策講座の見直しを検討する予定である。
教員免許状更新講習管理システムの導入
●要旨
2013 年度の教員免許状更新講習については、紙媒体を中心に手作業で申込受付、データ入力(エクセル管理)
等を行い、受付を含む講習期間において時間的にも、人的にもかなりの負担となった。このため、管理システム
を導入し、特に受付時や入力情報管理・受講者への連絡等業務負担の軽減を図った。2013 年度は初年度であり、
受講講座情報入力等負担は大きかったが、次年度からはこの部分についてかなり業務の軽減が図れる予定である。
●成果及び達成度
管理システムの導入による効果等は次年度以降に現れるものであるが、受講者自らが個人情報を Web 入力する
ことで入力間違いの減少が予測され、講座受付に於ける事務負担の軽減が図れる一方、受講者側のメリットとし
ては、受講予約から受講者管理まで更新講習に係る事務を Web 上で幅広くサポートすることで受講者に提供する
情報の即時性を高め、受講者サービスの向上につながる。
システムのカスタマイズ等業者による処理完了が 3 月中旬であり、Web 上での公開、受講者個人情報入力開始
に間に合うことができた。
●今後の展望
7/38
導入による効果を今後検証し、より事務的負担の軽減に結びつくカスタマイズを予算とも相談しながら進めて
いきたい。ただ更新講習の内容について、文部科学省内で一部改定する議論が進んでおり、継続実施の有無も含
めて検討が必要であると思われる。
【2】国際交流
海外提携校と協定書に基づいた交流を行った。2013 年 9 月~2014 年 2 月の期間に大学 4 年次生 1 名をブロ
ーニュ=ビヤンクール地方音楽院(フランス)に、大学院 1 年次生と大学 3 年次生の各 1 名をフォルクヴァン
グ芸術大学(ドイツ)に、大学院 2 年次生 1 名を王立ウェールズ音楽演劇大学(イギリス)に送り出した。
また、フォルクヴァング芸術大学から招待を受け 4 月に久合田緑教授を、10 月にはデポール大学(アメリカ)
から招待を受け岡原慎也教授を派遣し、提携大学との教員による交流を深めた。
海外の中高・大学生の来校も増加傾向にあり、今年度も数件を受け入れた。4 月には釜山女子大学が来校し、
オペラハウスと音楽博物館を見学、11 月には中国・香港からセイクリッド・ハート・カナッシアン・カレッジ
(高校)が来校し、箏のワークショップと音楽博物館を見学。シンガポールからタンジョン・カトン・ガール
ズ・スクールが来校し、吹奏楽クリニックを実施した。また、12 月にはマレーシアより個人的な音楽博物館見
学とピアノ演奏法の授業見学希望があり、案内等の対応をした。特に、シンガポールからの来校が盛んで、次
年度 6 月に 3 団体の来校が予定されており、受入準備に入っている。
提携校を中心とした国際交流に関わる業務
●要旨
・ブローニュ=ビヤンクール地方音楽院(フランス)、フォルクヴァング芸術大学(ドイツ)、王立ウェールズ
音楽演劇大学(イギリス)への学生送り出し
・海外交換留学への学生の関心を高めるための基盤づくり、海外提携校留学助成金を受けた在学海外留学制度
による交換留学の PR(交換留学報告会の実施、
「教養基礎セミナー」
「大音コミュニケーション入門」におけ
る PR の実施)
・フォルクヴァング芸術大学(ドイツ)及びデポール大学(アメリカ)への教員派遣
・海外からの訪問などへの応対
釜山女子大学(韓国)
、セイクリッド・ハート・カナッシアン・カレッジ(中国・香港)、タンジョン・カト
ン・ガールズ・スクール(シンガポール)、Cho 氏(個人:マレーシア)
●成果及び達成度
・在学留学制度による提携校への留学を実現できた。
●今後の展望
・海外提携校留学助成制度の一部改定に伴い、より提携校の授業期間等に則した交換留学の実現を目指す。
・海外の提携校及びその他の教育機関において本学をアピールする。
【3】学生生活支援・福利厚生
学生寮への入寮を希望する学生の割合が年々減少しており、近年の学生が集団生活や門限等の規律を好まな
い傾向が明らかになってきた。今後の学生寮運営を改めて検討する時期だと考えられる。
また、音楽基礎科目や外国語科目等において、出席が良好であるにもかかわらず単位修得が困難な事例が報
告され、2014 年度以降の学習支援室の設置を学生生活委員会や大学、短大の各運営委員会で協議した。
学生生活支援・福利厚生全般に関わるデータは以下のとおりである。
8/38
・給付奨学金
学業成績を基準として申請者を選考し、所定の奨学金を支給した。適用者数は以下のとおり。
大学 20 名、短大 2 名、大学専攻科 2 名、短大専攻科 1 名
・海外提携校留学助成金
前期 2 名、後期 2 名の申請があり、選考の結果、4 名全員を助成金の給付対象として提携校へ送り出した。
・国内・海外音楽講座受講助成金
3 名の申請があり、3 名全員を適用者として選出した。
・大阪音楽大学音楽文化振興財団
学生の自主企画演奏会の内、31 件に対して財政的な支援を行った。
・大阪音楽大学奨学事業財団
49 名に奨学金を貸与した。また、コンクールの入賞者等 30 組に対して奨励金を支給した。
・保健室
体調不良等を訴え、毎月約 130 名の学生が利用した。健康診断の受診率は 91.2%であった。
・心の相談室
カウンセラーへの電話相談等を除き、学生の利用は 51 件であった。
・学生寮
新入寮者は 26 名であり、寮生の総数は 75 名となった。4 月に歓迎パーティー、1 月に懇親会を行い、寮
生間の交流を深めた。また、今年度は寮運営委員会を 2 回開催し、寮生活における諸問題の把握と改善を
検討した。この他、寮生を対象とする交通安全講習会、防犯訓練、消防訓練を実施した。
・フレッシュマンキャンプ
4 月 5 日・6 日に一泊二日の研修プログラムを実施し、新入生 118 名が在学生や教職員との交流を深めた。
なお、次年度はこのイベントに替えて、全新入生を対象とする「新入生歓迎祭」を実施することを決定し
た。
学生相談室の設置
●要旨
2013 年 4 月に A 号館 1F の応接室を利用して学生相談室の業務を開始し、相談員として臨床心理士の資格を
持つインテーカー3 名がそれぞれ週 1 回(月火木)、12:00~18:00 の時間帯に学生からの相談を受け付けること
とした。当初は適当な場所が見当たらず、学生支援センターと保健室に近い A 号館 1F の応接室を仮の相談室
として割り当てたが、2014 年 1 月より同じフロアに専用室を設けた。これ以降、学生の休息スペースと個別面
談のコーナーを分ける等、一般的な学生相談室の体裁を整える事ができた。年度当初より来室者は次第に増え、
修学上の悩み等の問題を専門家が適切な判断で対処している。
●成果及び達成度
学生相談室の設置以降、保健室担当職員が学生のメンタルヘルス不全に対応する事例が急速に少なくなり、
本来の健康相談に注力できるようになった。また、学生が保護者同伴で相談室を訪れた事例も報告されており、
学生相談室に対する信頼の厚さが想像される。その一方でインテーカーは学生の自立を促しており、特定の学
生が通年的に来室し続けている事例は報告されていない。
●今後の展望
休学者・退学者を減らすための取り組みとして、2014 年 4 月より開室日を週 3 日から週 4 日に増やし、さら
に時間をかけて学生に対応する。また、試行的に実施したイベントを今後も継続し、学生からより親しまれる
9/38
学生相談室を目指す。
K号館自習室デスクトップ・ミュージック用パソコンの更新
●要旨
K504 教室における「MIDI システムテクノロジー」の授業で使用しているハード及びソフトの更新を 2012 年
度に実施したことに伴い、学生の自習室であるコンピュータルームのハードもこれに合わせる必要が生じた。
当初、コンピュータルームには 9 台を導入し 2012 年度導入済み分と合わせて 11 台とする予定だったが、利用
実績等より 7 台に台数を変更し導入した。K 号館 2 階の演習室にて教員が使用するパソコンについても、上記
同様の理由によりソフトを含めてノート型パソコンを 3 台導入した。
●成果及び達成度
DTM のソフトウェアについては、毎年のようにバージョンアップが行なわれるため 2013 年度導入時に、2012
年度のバージョンが入手できない恐れがあった。担当教員とも相談した結果前年度導入分に合わせることとな
り、メーカーに強く要望し旧バージョンのソフトを必要分入手できた。
教員用のノートパソコンについては、設定、ソフトのインストール等を各担当教員に依頼し問題なく実施さ
れた。
当初予算は 312 万円を計上していたが、台数を 2 台減らしたこと及び教員用をノートパソコンにしたこと等
により 230 万円程度に抑えることができた。
学生の自習用コンピュータルームに上記のほかに、K118 の作曲関連授業用の Mac を 2 台移設して学生の教
育環境の充実を図った。
●今後の展望
音楽用ソフトウェアについては、バージョンアップが頻繁で前年のものがすでに旧バージョンとなっており、
通常の方法では入手出来なくなっていた。受講する学生が個人で同ソフトを入手しようとしても別バージョン
になってしまう。また今使用しているソフト「ソナー」については、国内の代理店(メーカー)が取扱を終了
したため、今後のサポートが受けられない状態になってしまっている。将来的に大学として音楽関係のパソコ
ンハード、ソフトについて慎重に選択しなければならない。
なお、K 号館に替わる新校舎においては、現状の K504 教室と K118 教室を統合することが検討されており、
その場合のハード、ソフトウェアについて、早い段階から関係する部会と綿密な打合せを行っていく。
【4】教員の研究活動
本学研究費による研究活動は、通常研究 6 件、特別研究(芸術分野)8 件、研究成果出版 2 件(内、書籍1件、
CD1 件)であった。『大阪音楽大学研究紀要 第 52 号』(論文 2 編と研究ノート 3 編を収録)は 3 月末にホーム
ページ上で公開した。
研究委員会は 10 回開催され、助成申請のあった研究課題に対する審査、『大阪音楽大学研究紀要』への投稿論
文等の査読及び掲載の可否の決定、及び図書館が過年度から継続的に購入している資料(図書・楽譜・雑誌等)
の再検討を行った。また、「大阪音楽大学海外研修規程」及び「大阪音楽大学国内研修規程」について、実態に
合わせて修正した上で両規程を統合し、かつ大学・短大別にそれぞれ「大阪音楽大学専任・専任嘱託教員研修規
程」及び「大阪音楽大学短期大学部専任・専任嘱託教員研修規程」の原案を作成した。両案は、所定の手続きを
経て 2014 年 4 月 1 日からの施行を決定した。
なお、科学研究費の助成については、分担研究課題が 2 件(いずれも過年度からの継続)であった。
10/38
競争的資金等研究費に対する不正防止基準の策定及び公正な研究活動環境の整理
●要旨
文部科学省は、以前から大学等を含む研究機関に対し、国民の税金を原資とする公的研究費の不正使用、及び
盗用・捏造等の研究における不正行為(以下、両者を併せて「研究不正行為」という。
)の防止対策を求めており、
本学においても国民の信頼に応えるべく、研究活動に関わる公正かつ適切な体制を整備するとともに、その取り
組み姿勢を社会に向けて公表することの必要性を認めてきた。このため研究委員会は、不正行為の防止に関する
管理体制の整備、管理責任の明確化、及び不正が行われた場合の措置等について検討を重ね、具体策を取りまと
めた。
●成果及び達成度
研究委員会において、大学・短大別に次の 3 つの文書が作成され、学長裁定により 2014 年度から施行すること
となった。各文書については学内周知を行い、近日中に本学 Web サイトを通じて公表する予定である。
・
「公的研究費の取扱いに関する行動規範」
・
「公的研究費に関する不正防止計画」
・
「研究活動の不正行為防止等に関するガイドライン」
●今後の展望
「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)」(平成 19 年 2 月 15 日文部科学大
臣決定)は、平成 26 年 2 月 18 日付で改正された。このため、上掲の 3 つの文書についても再度検討し、必要に
応じて改定する。また、不正行為の防止を徹底するため、本学の学生に対しても教育・啓発を行う。
【5】自己点検・評価体制
創立 100 周年に向けて、日本高等教育評価機構による認証評価を大学・短大同時受審するため、担当理事と
学長のリーダーシップのもとで報告書作成に着手した。
具体的なデータ等は 2014 年度の 5 月時点のものを用いるが、報告書本文の基本的な論旨や前年度までのデ
ータとそれを裏付けるエビデンス(資料)等はある程度の形が見えるところまで執筆・収集が完成している。
授業評価アンケートに関しては、セメスターごとの実施が軌道に乗ってきた。認証評価受審や FD 活動に関
連し、アンケート結果の返還は今までよりも更に詳細に、自由記述までを含むものとした。その返還結果を基
に、専任教員に対して担当授業に対する授業改善計画書の作成を依頼し、学内での公開を予定している。
認証評価の受審準備
●要旨
認証評価の第 2 クールを受審すべく 2014 年度に、それに伴う最も重要な作業である自己点検評価書の作成
を行う。
●成果及び達成度
昨年度に確定した執筆者それぞれに原稿作成を依頼し、その根拠となる資料(エビデンス)等の収集等も行
っていく。2013 年度終了時点で、各基準の大まかな第一稿はほぼ完成している。また、実地調査における対応
に関しても、学長・副学長・担当理事のリーダーシップのもとに適切な対応を検討している。
●今後の展望
報告書作成については、今後、各執筆者によるブラッシュアップと回覧による確認を経て、2014 年 6 月頭に
は完成をさせる予定である。また、実地調査に向けて、学内の体制を整えていく。
11/38
点検評価「授業アンケート」
●要旨
講義・演習科目については各セメスターごとに、実技科目については年度ごと(後期に実施)に学生による
授業評価アンケートを実施し、その結果を各教員に返還する。
●成果及び達成度
それぞれのアンケートの回収率は高く、大学の点検評価の一環として機能している。本年度から、各教員へ
のアンケート結果返還に学生の自由記述を含めるものとし、授業改善へのより一層積極的な活用が期待できる。
また、授業への PDCA サイクルの構築の意味も含め、後期実施のアンケートから、その結果を基にした授業
改善計画書を作成することとした。今回は専任教員(が担当している授業)が対象である。この結果は冊子化
し学内での公開を予定している。
●今後の展望
授業改善計画書の作成によって、今まで実施していたアンケートの設問上の問題点等が浮き彫りになってき
たので、それを改善することでより学生の意識や考えをアンケートを通じて把握することに努めたい。
また、授業改善計画書の作成を、非常勤を含めた全ての教員に広げることにより、大学全体の自己点検・評
価体制をよりしっかりとしたものにしていきたい。
【6】付属図書館
現在の閲覧業務に加え、2014 年度からは整理・受入業務も外部委託することが確定し、職員が担当している
業務の引き継ぎを行った。今後は他大学や一般の図書館の事例に倣って、管理運営をほぼ全面的に学外のスタ
ッフに委ねることとなる。また、大栗文庫に関しては、出版社からの要請に応える形で、多くの整理済み資料
を提供した。その他、特記すべき点は以下のとおりである。
①音楽雑誌と音楽新聞を第1キャンパスに集約し、今後タイトルで検索ができるように作業を進めている。
②今後の施設利用を視野に入れ、K 号館書庫に所蔵されている図書約 3,500 点、他大学の研究紀要等を整理
した。
③長期延滞資料の追跡調査を行い、最終的に返却されない資料に関しては購入による補充を決定した。
④教育研究データベースの運用や外部委託する閲覧業務の状況を把握するためのミーティングを月 1 回のペ
ースで実施した。
図書館システムの検討
●要旨
動作環境が古く、典拠システムとの同期等に問題が生じている現在の教育研究 DB システムをリプレースす
るため、システム会社の説明会や他大学の見学、学内での協議等を経て、最も汎用性の高いシステムを新規導
入することを学内で意思決定した。
●成果及び達成度
コンピュータ会社、図書館業務担当業者、及び本学職員の三者でプロジェクトチームを形成し、新システム
を導入するための体制を整えた。また、現行システムのデータ抽出、移行に着手した。
●今後の展望
2014 年 7 月末までに大学側の検証作業を終え、8 月より新システムによる OPAC の正常作動を目指す。また、
今後の書誌データについては入力項目の簡素化を検討する。
12/38
【7】音楽博物館
音楽博物館の一般対象開館日を、従来の週 6 日から 2013 年度より月・土曜日の週 2 日に減らした。計画段
階で、一般来館者やグループ見学者の減少が懸念されたが、前年度比 8 割以上の来館者を維持でき、経費縮減
の効果は高いと判断される。
館主催催事は、ミュージアム・コンサート、ミュージアム・セミナー、ガムラン・ワークショップ、古典ピ
アノ・ワークショップを継続催行した。
定例ガイドツアー(月 2 回)
、夏休み開館(6 日間実施)は、1 名~数名のグループや家族単位での参加者が
あり、30 名を越える日もある。
一般開館日外での、本学学生、本学教員の試奏利用が増加傾向にあり、本学関係者への教育施設としてのあ
り方を模索すべきであろう。
音楽博物館の将来計画の策定
●要旨
音楽博物館の移転計画により、所蔵の図書資料を将来的に付属図書館の資料と一体化すべく重複図書の調査
を開始した。
●成果及び達成度
・2013 年 1 月中旬より作業を開始し、同 3 月下旬で 30%程度を処理した。
・音楽博物館の機関研究「関西洋楽受容史研究」は 12 月に担当教員の退職により、研究業務を終了した。2014
年 1 月以降は収集資料の整理にあたる。
・本学 100 年史編纂の資料を整備すべく、校史資料の画像資料整備推進化を開始した。
・学外 2 団体(豊中市立伝統芸能館、岸和田市)との連携講座は 2013 年度をもって終了した。以降、豊中市
関連の連携事業は連携支援センターへ移行される。
【8】付属音楽幼稚園
在園児は 5 月 1 日付けで 271 名(3 歳児 3 クラス 96 名、4歳児 3 クラス 94 名、5 歳児 3 クラス 81 名
前
年度比 4%減)、3 月には 79 名が卒園した。
2 歳児親子教室「いちごクラブ」
(5 月~9 月)は 60 組、
「りんごクラブ」
(11 月~2 月)は 66 組の申し込み
があり(前年度比
27%増)
、昨年度同様クラスを増設した。
今年度より実施した 1 歳児の親子イベント「きらり」は大変好評で、月 1 回の実施では募集人数にすぐ達し
た為、11 月からは月 2 回実施した。
音楽教室「クレフ」は受講者が 5 月 1 日付で 98 名、対象園児の 56%が受講した。
2 歳児の親子教室
●要旨
就園前の 2 歳児と保護者を対象に、子育て支援の一環として「あそびのおへや」を前期「いちごクラブ」
後期「りんごクラブ」として実施した。
●成果及び達成度
いちごクラブ、りんごクラブともに募集人数を大幅に上回る参加があり、それぞれクラスを増設して行った。
保護者に親子で遊べる様々な機会を提供し、園長が子育てについての相談も受け、子育て支援の一端を担うこ
とができた。
13/38
●今後の展望
参加者の増加を新入園児の獲得につなげる。
1 歳児親子教室「きらり」
●要旨
1 歳児の親子教室の前段階として、1 歳児の親子を対象に月 1 回の親子イベントとして「きらり」を実施した。
●成果及び達成度
他園で 1 歳児の教室がまだあまり多く実施されていないこともあり、4 月から月1回実施したところ徐々に
申込み者が増え、11 月から月 2 回実施することになった。その結果、かなり好評で、再度の参加者も多かった。
●公的助成・民間助成
一部、豊中市の地域に開かれた幼稚園づくり事業補助金を充当した。
●今後の展望
1 年間実施してかなり反応がよく、2014 年度は 4 月当初から月 2 回実施を基本とすることにした。入園 2 年
前から本園に興味をもってもらうことは新入園児獲得にかなり大きな成果になり得るので、今後更に定着させ
ていきたい。
B 社会連携活動事業
社会連携活動事業
【1】アドミッション事業
2013 年度入試より「特待生授業料減免制度」を開始した。専門実技試験の上位成績者に対し、1 年次の授業
料の一部(大学 40 万円、短大 35 万円)を減免する制度で、公募推薦・特別推薦・一般入試 A 日程が対象とな
る。
実施 2 年目となる 2014 年度入試では、合格者の中から大学 27 名(前年度 31 名)、短大 18 名(前年度 23
名)が本制度の適用者に選ばれた。
出張授業や進学説明会で本学教職員が訪問した高校は 130 校となった。また、入試事務部門スタッフが大学
広報を目的に訪問した高校・楽器店等は 252 ヵ所となり、合計 482 ヵ所の高校・楽器店等を訪問した(前年度
606 ヵ所)。
・受験産業等が主催する進学相談会は西日本、北陸を中心に 13 会場(前年度 17 会場)に参加した。
・オープンキャンパスを 4 回(吹奏楽フェスティバル含む)実施し、1,280 名を動員した(前年度 2 回 652 名)。
9 月 23 日には祝日の授業日に合わせてオープンキャンパスを実施した。
・土曜日に、学生が施設見学をガイドする「キャンパスツアー」を 16 回開催し、109 組 175 名が参加した(前
年度 7 回開催、80 名)。高校教員対象入試説明会は 21 名(前年度 43 名)が参加した。楽器店講師対象学校
見学会は、29 名の参加があった。
学校見学会(楽器店)
●要旨
楽器店音楽教室のピアノ・電子オルガンの講師を本学に招き、大阪音楽大学を広く知っていただくことを目
的とした『学校見学会』を 6 月 23 日(日)に実施した。
●成果及び達成度
当日は大手楽器店 3 社の音楽教室に所属する講師 29 名の参加があった。オペラハウス、ミレニアムホール、
図書館、練習室、ML 教室などの施設見学ツアーを実施するとともに、ピアノの公開レッスンやピアノと電子
14/38
オルガンの専攻・コース説明、キャリアセンターでのキャリア支援の取組みの説明を通して、本学への理解を
深めていただくことができた。
●今後の展望
本事業については今回で一旦終了し、音楽教室講師への広報については新たな方策を考えたい。
高校訪問プロジェクト
●要旨
教職員による高校訪問の強化を図る。大学案内、入試要項、オープンキャンパス、体験レッスン案内等を直
接高校に持参し、情報交換をすることによって高校側との関係を深める。
●成果及び達成度
入試事務部門スタッフが大学広報を目的に訪問した高校・楽器店等は延べ 252 ヵ所、進学相談会で訪れた高
校は 165 ヵ所であった。2012 年度より入試スタッフの担当地区制を導入、2013 年度より最重要校の担当制を
導入しており、訪問時には高校出身者で本学在学生の学習状況や卒業後の進路を報告することにより、高校と
の信頼関係を深めることができた。
●今後の展望
次年度も引き続き積極的に高校訪問を行い、高校との関係を強化していきたい。
ポピュラーコース・オープンカレッジ
●要旨
高大連携の提携校である帝塚山学院高等学校の生徒、及びポピュラー音楽に関心のある高校生を対象に年間
16 回のポピュラー音楽の授業(講座)を開講した。講師は本学短大ポピュラー・コースの教員 3 名が交替で担
当した。
今年度は帝塚山学院高等学校に対し、オープンカレッジの受講を条件とした「高大連携特別入試」を新設し
た。
●成果及び達成度
ホームページ、チラシ配布による広報活動の結果、年間延べ 336 名(帝塚山学院高等学校の生徒 14 名を含
む)の参加者があった。参加した高校生にとっては、大学におけるポピュラー音楽教育の体験を通して「大学
での学び」について考える機会となった。各講義についても満足度の高い結果を得ることができた。
今年度の参加者から 2014 年度入試(ポピュラー・コース)への志願者が 5 名あった。また、高校 2 年生以
下の参加者においても本学志願を決定づける契機となっている。
●今後の展望
2014 年度も引き続き本講座を開講する。ポピュラー音楽に興味のある高校生に対してチラシ、ホームページ
を通して周知を図り講座申込者を増やすとともに、実際の志願に結び付けるよう働きかけたい。また、帝塚山
学院高等学校以外の高校との高大連携入試の導入について検討したい。
台湾留学生獲得のためのプロジェクト
●要旨
2012 年度に行った入試プロジェクトチームの提案で、留学生獲得を推進するため、本学の提携校のある中国
での留学生獲得を検討しているが、国際問題の影響を受けやすい為、人口ベースでは圧倒的に少ないが、台湾
を視野に入れたプロジェクトを始動した。本学は台湾に提携校や拠点がなく現地の情報を得るため、7 月に台
15/38
北と高雄で行われた独立行政法人日本学生支援機構が主催する「日本留学フェア」へ参加しブースを出展した。
●成果及び達成度
台湾での日本留学フェア会場全体への来場者は非常に多く、現地における日本留学フェアへの関心・知名度
の高さを感じた。その中で、本学の出展したブースへは台北会場で 16 組 32 名、高雄会場で 10 組 15 名の合計
26 組 47 名の来場者を得た。今回が初めての出展だが、本学に興味を示している層があることがわかった。た
だ、台湾の一般的所得水準からすると授業料等の問題はあるが、音楽を学ぶことが一種のステータスとなって
いる為、ある程度の需要が見込まれる。また、台湾の音楽大学のレベルがあまり高くない為、本学に対する需
要も見込まれることがわかった。
●今後の展望
上記の通り、ある程度の需要が見込まれる為、今後も継続して毎年 7 月頃に開催される台湾での「日本留学
フェア」に参加し、ブースを出展する。また、事前の広報活動や留学フェア前後で現地の高校訪問を行い、留
学フェアに出展した本学ブースへの来場者増を促し、知名度を高め、本学への出願に繋げていく。
オープンキャンパス
●要旨
2012 年度まで行っていた1日ですべての専攻・コースを網羅した総花的な形ではなく、2013 年度のオープ
ンキャンパスは実施回ごとに対象とする専攻・コースを特化した内容で実施した。
第1回:6 月 2 日(日)吹奏楽フェスティバル(吹奏楽部員のためのオープンキャンパス)
第2回:7 月 7 日(日)夏のオープンキャンパス vol.1(クラシック系以外の専攻)
第3回:7 月 14 日(日)夏のオープンキャンパス vol.2(クラシック系の専攻)
第4回:9 月 23 日(月・祝)秋のオープンキャンパス(授業公開と施設見学を主体としたオープンキャンパ
ス)
●成果及び達成度
対象とする専攻を絞り、専攻に特化したイベント(公開授業、コンサート、体験レッスン等)を集中的かつ
効果的に実施することにより、今まで以上にオープンキャンパス参加者の満足度及び本学のイメージを向上さ
せることが出来た。
参加人数(来場者カード数)
第1回:6 月 2 日
755 名
第2回:7 月 7 日
118 名
第3回:7 月 14 日
228 名
第4回:9 月 23 日
179 名
年間合計
1,280 名
また、オープンキャンパスを補完する「キャンパスツアー」
(土曜日開催)は年間 14 回開催し、109 組 175 名
の参加があった。1 回の参加者が少人数であることを利点として、きめの細かい対応で本学を紹介することが
できた。
2013 年度よりキャンパスコンシェルジュ(学生アルバイト)登録制度を発足させ、オープンキャンパスを在学
生のキャリア形成実習の場として活用する取組みを開始した。
●今後の展望
次年度も専攻特化型のオープンキャンパスを開催する。2014 年 3 月に実施した本学での「体験レッスン」を
「春のオープンキャンパス」に衣替えすることで年間 5 回開催とし、本学に実際に足を運ぶ高校生の満足度を
16/38
高めるイベントを実施したい。
出張授業のリニューアル
●要旨
今までの社会貢献事業としての「出張授業」を一旦終了し、2013 年度より新たに入試広報事業と位置づけ、
内容を一新した。
1)受講生に対してアンケートを実施し、音楽での進学予定者の個人情報を取得。
2)受講生に入試関連資料を配付。
3)場合によっては入試センタースタッフが同行し、大学説明や個別相談を行う。
4)提供する授業内容を見直す(過去に実績が多かった授業や「公開レッスン」
「楽器別クリニック」
「レクチ
ャーコンサート」等を実施、内容によっては非常勤講師へ依頼する場合や有料講座を開設する)。
5)高等学校側の視点を第一に、わかりやすい案内冊子を作成する。
●成果及び達成度
2013 年度、出張授業は 65 校(内中学校 3 校)で実施し受講した生徒は約 2,000 人であった。実施校からは
いずれも好評をいただき、本学と高校との関係を強化することができた。
●今後の展望
次年度もさらに魅力ある授業科目をそろえ、音楽の素晴らしさを高校生に伝えるとともに、将来的な音楽大
学での学習を喚起する契機としたい。また、実施校の生徒のアンケートからは本学への進学志望を記す回答も
あり、今後の志願に結び付けるようフォローしていきたい。
【2】対社会事業
<キャリア関連>
大学3年次生、短大1年次生を対象に進路ガイダンスを実施した。在学生が卒業後の進路について理解を深め、
具体的な行動に移すための契機として取り組んだ。また早期の意識付けとして、大学1年次生、短大1年次生に
対して通常授業の1コマを使い、キャリア支援センターを紹介、自己分析と将来像について考察する時間を持っ
た。また、大学2年次生に対してキャリアガイダンスを実施し、音楽関連産業等へ進んだ卒業生によるパネルデ
ィスカッションを行った。
これらに加えて、学内で卒業後の進路に関わる各種採用試験説明会を実施した。主に音楽教室(ヤマハ、カ
ワイ、ローランド、島村楽器、三木楽器等)の講師採用説明会や公立学校教員採用試験の説明会を実施した。
他にも多様な進路選択に対応するために、自衛隊音楽隊の採用説明会、ハローワークの活用法についてのセミ
ナー等を実施した。卒業生にも協力を要請し、多様な進路を在学生に提示することができた。
これらの他にも講座やセミナーを多数開催し、教員採用試験対策講座については一般教養、教職教養、専門
実技に分けてそれぞれ実施した。また、同試験の受験を将来的に考えている学生を対象に3月に合宿を行った。
音楽教室講師を目指す学生にはヤマハ音楽指導グレード5級資格取得準備講座、音楽教室how to セミナー等を
開催した。一般的な就職活動にも応用できる講座にも取り組んでいる。資格取得を目的としながら、ビジネス
マナーにも応用できる秘書検定2級対策講座を開催した。
インターンシップは公共ホールや楽器店、楽団など受入先を開拓し、21の事業所で夏期・春期併せて延べ49
名が体験した。終了後、体験学生によるインターンシップ報告会を行った。
●2013年度進路調査結果(2014年3月卒業生、2013年9月卒業生含む)
17/38
大学
短大
大学院
大専
短専
音楽教室(企業)
16
8
3
2
4
音楽教室(自営)
5
0
2
3
1
演奏活動
5
3
0
0
1
企業
32
15
0
3
2
教員
19
0
3
8
0
公務員
6
2
0
0
0
その他
7
2
2
2
0
90
30
10
18
8
42
39
4
0
1
音楽活動準備及びアルバイト
17
22
1
3
0
アルバイトしながら演奏活動
22
23
2
6
2
その他(未提出含む)
13
7
2
1
5
52
52
5
10
7
184
121
19
28
16
就職
小計
進学
その他
小計
卒業・修了者数
<エクステンション関連>
キャリア支援センターが実施するエクステンション関連事業は、指導者研修と教員免許状更新講習の2件で、
受講者はそれぞれ266名、706名であった。(人数は延べ数)
<連携関連>
連携支援センターは、大学の教育研究活動の一端を地域社会に還元するために地域社会、自治体・公共団体、
企業等さまざまな分野で連携を結び、社会貢献を果たしている。当センターの事業は大きく公開講座、社学連
携事業、被災地支援活動、創立 100 周年記念事業、依頼演奏等に分けることができる。
■公開講座
「ミレニアムホール特別講座(年 4 回)」
「オペラ物知り講座(年 4 回)」「一般社会人のためのオペラ講座」
を開講した。また、高槻市、豊中市、羽曳野市、NPO 法人大阪府高齢者大学校など自治体・公共団体と協力し
提携講座の実施、講師派遣を行った。
■社学連携事業
・サウンドスクール事業
豊中市教育委員会と連携して「サウンドスクール事業」を展開し、市立学校園での授業支援、出張演奏、
クラブ活動支援といった活動を年間 80 件(幼稚園 7 件、小学校 53 件、中学校 20 件)実施し、延べ 571
名の学生(卒業生、教員含む)を教育現場へ派遣した。
・地域社会との連携
豊中中央ライオンズクラブ・豊中市と共催した「豊中こども音楽フェスティバル」や、豊中市と共催した
「とよなか音楽月間」
「オーケストラの日」「市民ロビーゆうゆうコンサート」等を実施した。
豊中中央ライオンズクラブの寄付で「豊中病院ランチタイムコンサート」を実施した。
また、大阪大学 21 世紀懐徳堂とのジョイント企画「奏でる物理学」を実施した。
富田林市すばるホールとの連携で「すばる音楽祭」を実施した。
18/38
新たに寝屋川市と包括連携協定を締結した。
・被災地支援活動
石巻市よりお二人をお招きし震災関連映画の上映会を実施した。また、
「石巻・わがふる里」の CD を石巻
市内の中学 3 年生に卒業の記念品として贈呈する活動を行った。石巻市内での映画上映会でも来館者に進
呈した。
■創立 100 周年記念事業
「フローラン・エオー&パトリック・ジグマノフスキー
ニ
フランス音楽の夕べ」、「ファブリツィオ・メロー
マスタークラス&リサイタル」
、
「マッシモ・ラ・ローサ
「オスター・エスピナ=ルイス
トロンボーン
マスタークラス・リサイタル」
、
クラリネット・レクチャー・コンサート」を実施した。
また、創立 100 周年記念倶楽部を開催した。これは卒業生との関係強化及び情報ネットワークの構築を目的
としている。
■依頼演奏
行政、公益法人、学校、企業、個人等から多くの演奏依頼を受け、卒業生支援を目的に一定のクオリティー
を確保しつつ演奏者の手配、派遣を行った。これは卒業生の活躍の場を確保すると同時に大学広報にも貢献
している。
社学連携事業
●要旨
<公開講座>
「ミレニアムホール特別講座(年 4 回)」
「オペラ物知り講座(年 4 回)」「一般社会人のためのオペラ講座」
を開講した。また、高槻市、豊中市、羽曳野市、NPO 法人大阪府高齢者大学校など自治体・公共団体と協力し
提携講座の実施、講師派遣を行った。
<豊中市や市内の団体との連携>
豊中中央ライオンズクラブ、豊中市と共催した「豊中こども音楽フェスティバル」や、豊中市と共催した「と
よなか音楽月間」等を実施した。特に「とよなか音楽月間」については豊中市の策定した文化芸術推進プランに
協力し「文化芸術の発表や鑑賞の場と機会の提供」
「文化芸術活動に携わる次世代の育成とすそ野の拡大」
「音楽
あふれるまちを通じての地域の活性化と魅力あるまち豊中の発信」をねらいに、合唱のワークショップと日本の
歌コンサートや吹奏楽のワークショップ(楽器クリニック)
、まちかどコンサート等さまざまな催事を 9 月末から
11 月末のおよそ 2 ヶ月間に渡り市内各所で実施した。岩手県立大槌高等学校との吹奏楽交流コンサートも実施し
た。年 4 回の「市民ロビーゆうゆうコンサート」
、年 6 回の「豊中病院ランチタイムコンサート」も実施している。
また、大阪大学 21 世紀懐徳堂との 5 回目のジョイント企画「奏でる物理学」を実施した。
●成果及び達成度
<公開講座>
学内で実施する講座は一定数の受講者を確保、開講継続の希望も多く寄せられている。また、学外講座につ
いても自治体、公共機関から評価をいただき、広報誌にも掲載された。
<豊中市や市内の団体との連携>
豊中市、豊中中央ライオンズクラブ、豊中南ライオンズクラブ、大阪大学 21 世紀懐徳堂と連携し、様々な事業
を実施することができた。また、豊中南ロータリークラブとの連携で「豊中
夢の第九コンサート」が始動、
2014 年 5 月にオペラハウスで第九コンサートの実施を予定している。
・富田林市すばるホールとの連携により「すばる音楽祭」を実施した。すばるホールでの 5 公演、富田林市内
19/38
8 中学校での吹奏楽クリニック、1 小学校での音楽鑑賞会を行い、様々な場面で音楽を届けた。
・新たな連携として、寝屋川市と包括連携協定を締結した。音楽による文化振興をはじめ、様々な分野における
協働を進める予定である。第一回は寝屋川市のミュージカル公演に協力した。
●公的助成・民間助成
豊中市、豊中中央ライオンズクラブ、豊中南ロータリークラブから助成を受けた。
●今後の展望
連携先とのコミュニケーションを図り、本学の持つ人材、設備を生かして社会とのつながりを深めていく必
要がある。また、広く活動することで大阪音楽大学の広報活動の一端を担う。
創立 100 周年記念事業
●要旨
・来日演奏家のマスター・クラスとコンサートを4公演実施した。
・
「創立 100 周年記念倶楽部」として音楽教育に関わり活躍している卒業生との関係強化並びに情報ネットワーク
の構築を図った。
●成果及び達成度
創立 100 周年記念事業については、
「フローラン・エオー&パトリック・ジグマノフスキー
夕べ」
、「ファブリツィオ・メローニ
マスタークラス&リサイタル」
、「マッシモ・ラ・ローサ
マスタークラス・リサイタル」
、「オスター・エスピナ=ルイス
フランス音楽の
トロンボーン
クラリネット・レクチャー・コンサート」を
実施した。学生は超一流の演奏家から指導を受けることができた。
卒業生との関係強化及び情報ネットワークの構築を目的に、今年度は関西地区の吹奏楽分野で活躍されてい
る卒業生(主に高校教員)との交歓会を開催した。教職員と卒業生との交流並びに卒業生間の交流を深め、一
定の有意義な情報を吸収し、大学の情報を発信することができた。
●今後の展望
一流演奏家の演奏に触れる機会を設けていきたい。2014年度も卒業生とのより一層の関係強化を図るととも
に分野の拡大を目指す。
被災地支援活動
●要旨
東日本大震災で大きな被害を受けた被災地への支援を継続的に行い、音楽の力で勇気と希望を届けるという
目的を持って活動している。
●成果及び達成度
・過年度より継続している「石巻・わがふる里」の CD を石巻市に届ける活動を行った。860 枚を石巻市内の
中学 3 年生に卒業の記念品として、400 枚を石巻市内で行われた震災関連映画会の来場者に贈呈した。
・映画「3 月 11 日を生きて」の上映とミニコンサート「石巻・わがふる里」を実施した。石巻市より教育関係
者お二人を招き、貴重なお話を伺う機会も得た。
・岩手県立大槌高等学校吹奏楽部が豊中市を来訪、大阪府立桜塚高等学校吹奏楽部、大阪音楽大学吹奏楽団と
交流コンサートを行った。会場のザ・カレッジ・オペラハウスでは演奏とともに、ロビーで現地訪問時の写真
展示も行った。
●公的助成・民間助成
吹奏楽交流コンサートについては豊中市から助成を受けた。
20/38
●今後の展望
CDの贈呈については子どもたちを中心に、できる限り多くの石巻市民に行き渡るように継続して実施してい
く予定である。
産業界のニーズに対応した教育改革・充実体制整備事業
●要旨
この事業は、大阪・兵庫・和歌山の 14 大学・短期大学部の協働のもと、
「産官学地域協働による人材育成の
環境整備と教育の改善・充実」として、2012 年度に文部科学省「産業界のニーズに対応した教育改善・充実体
制整備事業」において 3 年間にわたる取組として採択され、大学改革推進等補助金を得ている。本学は 14 大学・
短大の中の 1 大学・1 短大として、大学グループの協働取組及び本学の独自取組を並行して進めている。
協働取組としては、取組テーマⅡ「人材のミスマッチの解消をめざす産官学地域協働」委員会に参加し、2013
年度の中心企画として、日本経済新聞社主催「企業の求める人材調査」を実施した。これは学生が自分の「人
材力」を知るための WEB テストで、大学・短大の学生 45 名が受診している。また 14 大学・短大で合同フォ
ーラムを共催し、大学生のキャリア教育について事例報告と意見交換を行った。事例報告では音楽関連機関に
おける短期インターンシップを取り上げ、学生による口頭発表と教員によるレポート提出を行った。
独自取組としては、2012 年度に引き続き文書作成能力の向上支援として、日本語ライティング支援室の常時
開放を行い、レポートやエントリーシート、企画書作成などの個人添削指導や、自己分析、進路相談のための
カウンセリングを行った。その成果は教材『writing note 増補改訂版
第 2 刷』としてまとめ、全学生に配布
した。また自己表現のスキルアップとして、名刺作成講座(11 回実施)
、PV(プロモーション・ビデオ)作成
講座(2 回実施)、インターンシップ実習の日誌書き方講座(キャリア支援センターとの協働、2 回実施)、キャ
ンパス・コンシェルジュのための敬語講座(入試センターとの協働、2 回実施)を実施した。敬語講座の成果
は『キャンパス・コンシェルジュのための敬語集』
(B6 判 16 頁)としてまとめている。
また、講座ではなく学生自身に問題点を考えさせ、解決する実行力を身につけさせる取組として、日本語ラ
イティング支援室発行の広報誌『WRITING NOTE vol.11』(B6 判 16 頁、2014 年 3 月発行)に学生記者 4 名
を参加させ、特集記事の企画立案、取材、原稿作成を指導した。
また音楽の仕事情報館と協働して、
「有馬温泉ゆけむり大学 2013」
(近畿大学・武庫川女子大学・神戸芸術工
科大学・有馬温泉観光協会との共催)において、イベント企画立案から事後の報告会まで、言葉による振り返
りとプレゼンテーションの指導を集中的に行った。加えて、演奏インターンシップにおける評価シートの運用
を本格的に開始した。
その他、音楽講師として活躍する卒業生を招き、進路について考えるトークイベントを 4 回実施した。
●成果及び達成度
大学グループへの参画により、他大学との情報共有と意見交換が進み、本学のキャリア教育カリキュラムや
インターンシップの現状について、他大学と比較した現状や課題点を把握することができた。教職員の参加に
加え、学生の参加数も昨年の 2 名から約 50 名に増えたことで、学生が直接他大学生と交流することができ、自
立性や自己を客観視する力が身についたと思われる。
独自取組でも、学生が社会について知る・自分を客観視する機会を多く設けることができた。キャリア支援
センター、音楽の仕事情報館、入試センターとの連携を通じて、学内の課題を共有することで、複数の講座を
連動させたり、個別相談と講座と連動させたりするといったきめ細かな取組が可能になった。また『WRITING
NOTE vol.11』作成や「有馬温泉ゆけむり大学 2013」によって、多数の読者や観客を意識して作品を作り上げ
る機会を設けることができた。
21/38
●公的助成・民間助成
本事業は、
「産業界のニーズに対応した教育改善・充実体制整備事業」として大学改革推進等補助金の認定を
平成 24 年 9 月 20 日付(文科高第 536 号)にて受けている。この「産業界ニーズ事業」は大学間連携に基づく
ブロックとして採択を得ており、本学(短期大学部含む)は「大阪・兵庫・和歌山ブロック」に 1 大学・1 短
大として参加し、国庫補助金も幹事校である大阪府立大学に支給され、各大学からの補助金調書申請・承認に
基づき配分されている。
●今後の展望
2014年度は当初の補助金調書から約1割の減額で交付内定を得ており、事業を継続していく予定である。補
助期間の最終年度として、産業界と積極的に連携しながら、参加した学生がより主体的に卒業後の進路を考え
ていけるよう支援していく予定である。
【3】オペラハウス事業
本格的なオペラ公演の出来る音楽専用ホールとして建設されたザ・カレッジ・オペラハウスは、大学の使命
である教育・研究の成果発表の場として、また学校法人として様々な催事の会場として広い用途に活用されて
いる。
研究の成果発表としては、オペラハウス主催公演として、①20 世紀の作曲家のオペラを 1 企画・2 公演開催
し 1,164 名が入場した。②ザ・カレッジ・オペラハウス合唱団・新国立劇場合唱団合同演奏会&オペラ合唱ワ
ークショップを 1 企画 1 公演開催し 262 名が入場した。
教育の成果発表としては、大学主催演奏会として 11 公演を開催し 3,933 名が入場した。また、学生の自主公
演として開催されているが、授業の延長線上のコンサートを主として 10 公演開催し 5,271 名が入場した。
なお、
卒業年次の学生は、クラシック系のほぼ全ての学生がこのホールで卒業実技試験として演奏の機会を持ち、28
回に及ぶ卒業・修了演奏で 2,695 名が入場した。
上記以外の催事としては、付属音楽幼稚園が 2 公演、本学同窓会(幸楽会)が 1 公演の演奏会を行い 2,176
名の入場者があった。演奏会以外では、オープンキャンパス、講座やセミナー、オペラ関係の記者発表会やプ
レトーク、公開ゲネプロ、入学式・卒業式など 15 件で 3,235 名の入場者があった。
以上が大学主催及びそれに準ずる催事の状況である。その他としては、大学の共催及び協力で 5 件の催事が
あり、3,593 名が入場した。
オペラハウスは、2013 年度合計 100 件の催事で 23,249 名の総入場者数であった。なお、練習や見学、ホー
ル打合せ等を含めホールの総稼働日数は 229 日(舞台稼働日数)に及んだ。
オペラハウス管弦楽団は、京阪神地域を中心に 16 件 25 回の依頼演奏を実施した。オペラハウス合唱団は,
1 件 1 回の依頼演奏を実施した。
また、オペラハウス管弦楽団は、平成 25 年度文化庁「次代を担う子どもの文化芸術体験事業(巡回公演事業)」
において、新潟・富山・福井各県及び京都府の 1 府 3 県で巡回公演事業を実施し、公演準備のためのワークシ
ョップと本公演を各 24 回実施した。
創立 100 周年記念プロジェクト 第 50 回オペラ公演 20 世紀オペラ・シリーズ B.ブリテン「ピーター・グライムズ」
●要旨
公演日〉 2013 年 10 月 12 日(土)/14 日(月祝)
(スタッフ) 指揮:高関健
美術:増田寿子
演出:中村敬一
照明:原中治美
衣裳:前岡直子
22/38
舞台監督:岩崎由香
原語指導:山本妙
合唱指導:本山秀毅
(キャスト) ピーター・グライムズ:小餅谷哲男
アーンティ:西原綾子
スワロー:山川大樹
キーン:藤村匡人
合唱指揮:大浦智弘
エレン:平野雅世
姪: 大﨑友美/喜多ゆり
セドリー夫人:野間直子
バルストロード:桝貴志
ボウルズ:安川忠之
アダムス:谷浩一郎
ホブスン:西尾岳史
(合 唱)
ザ・カレッジ・オペラハウス合唱団/学生選抜メンバー
(管弦楽)
ザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団
●成果及び達成度
ブリテン生誕 100 年の年に「ピーター・グライムズ」を上演したのは国内では、本学のみである。そのこと
だけでも、大いに評価されるべきである。また新国立劇場のように、海外から指揮者、演出家、歌手を招聘す
ることをせずに、全員日本人による原語オペラを上演したことは国内初の快挙と言っても差し支えない。また
14 年前に初めてブリテンの「アルバート・へリング」を取り上げた時からすれば、オペラハウスが確実に力を
付けてきたと自負できる。今回は合唱に学生を 27 名動員した。この「合唱オペラ」を成功に導いた要素の一つ
は、学生たちの健闘であり、いかに本学の声楽の学生が優秀であるかを、この公演を通して示すことができた。
●公的助成・民間助成
文化庁、ローム ミュージック ファンデーション、アサヒグループ芸術文化財団、三菱UFJ信託芸術文化財
団、花王芸術・科学財団、朝日新聞文化財団より助成を受けた。
●今後の展望
歌手による歌劇団、官庁ベースの劇場とは一線を画し、またイタリアオペラ至上主義に反旗を翻し、
「ピーター・
グライムズ」のような価値ある 20 世紀オペラを上演することでオペラハウスは本学だけでなく日本のオペラ界の
財産と言える。
文化庁巡回公演事業
●要旨
この事業は、小学校・中学校において一流の文化芸術団体による巡回公演を行い、優れた舞台芸術を鑑賞す
る機会を提供することにより、次代の担い手となる子どもたちの発想力やコミュニケーション能力の育成を図
り、将来の芸術家の育成や国民の芸術鑑賞能力の向上につなげることを目的とした事業である。オペラハウス
管弦楽団は、新潟県・富山県・福井県・京都府(舞鶴市・綾部市・福知山市・京都市)においてこの巡回公演
を実施した。
●成果及び達成度
本公演の実施に当たり、事前に公演に関するワークショップを行い、オーケストラの説明や楽器紹介・ミニ
コンサートなどを実施した。また、児童・生徒との共演の演目の実演指導を行い、本公演に向けて子どもたち
の関心を高めた。
本公演ではオーケストラの演奏を鑑賞するだけではなく、校歌をオーケストラの伴奏で歌ったり、指揮者体
験や共演コーナーではオーケストラと子どもたちとのコラボレーションを実現した。また、プロのオペラ歌手
の歌声にも触れることができ、子どもたちにとっては大変貴重な体験となった。平成 25 年度は、24 公演を実
施した。
●公的助成・民間助成
この事業は、文化庁へ申請し採択され実施しているが、経費については委託費として事業完了後振り込まれる。
●今後の展望
23/38
2014 年度は、事業名が「文化芸術による子供の育成事業」に変わり、茨城県、千葉県、東京都、山梨県にお
いて既に 19 公演の実施が採択されており、引き続き事業を進めていく予定である。
【4】付属音楽院
2013 年度講座受講者数は 3,145 名(3 ヶ月 1 期とした延べ人数)で、前年度に比べ若干の減少となった。
音楽院の主要セクターごとの受講者数は以下のとおりである(それぞれ 3 ヶ月 1 期での延べ人数)
。
・教養講座:社会人向けの生涯学習
1,632 名(前年度比微減)
・こども音楽教育講座:幼児~中学生向けの早期教育
640 名(前年度比ほぼ同等)
・進学講座:高校生(既卒者を含む)向けの進学対策
34 名(前年度比減)
・個人レッスン
839 名(前年度比微減)
受講生の少ない講座の一部に関しては一度閉講し、2014 年度に向けてリニューアル案の検討を行った。その
ため各セクターともに受講生は前年度に比べ若干の減少となったが、5 月と 6 月に外部ショッピングモール
にて行った「こどものためのコンサート」では合計約 1,150 名の観客を動員し、また 9 月に実施した「音楽
院コンサート」では第一部 202 名・第二部 232 名の観客を集めるなど、音楽院の催し物に対するニーズは高
いと考える。今後も、新規受講者(顧客)の獲得及び既存会員の満足度を高めるべく、定期的なランチタイ
ムコンサートの開催や、会員特典の充実(練習室の有料貸出ほか)など、採算を意識した運営を行っていく。
こども音楽教育講座
●要旨
<こども音楽教育講座無料体験>
4 月にこども音楽教育講座無料体験を実施し、受講者数延べ 179 名の参加者を得た。そのうち延べ 32 名の参
加者が新規受講を申し込んだ。
<夏の音楽院フェスティバル>
7 月に「夏の音楽院フェスティバル」として親子コンサートやミュージカル体験教室など各種講座を実施(参
加幼児・児童延べ 83 名、保護者同伴必須につき約 166 名が来場)。
<クリスマス会>
12 月にぱうぜ 2 階にて恒例のクリスマス会(幼児音楽クラス講師・アシスタントが出演)を行い、271 名の
参加者を得た。
<ミュージックカーニバル>
こども音楽教育講座並びに個人レッスンを受講の中学生以下の幼児・児童を対象とした発表会(一部教養講
座含)を実施(総出演者数 205 名)。
<その他>
5 月と 6 月に外部ショッピングモールにて行った「こどものためのコンサート」
(ミュージカル・コースの教
員・学生が出演)では、合計約 1,150 名の観客を動員。また、イベントとして新規に実施した「ジュニアコー
ラス Pa・Pa・Pa」は、14 名の受講生を得て、2014 年度は通年の講座として開講することが決定した。
●成果及び達成度
<こども音楽教育講座無料体験>
日曜日の開講ということで、両親共に付き添いがあるご家族が多く、申込を即決される方が多かった。おお
よそ問題なく実施できたが、やはり一日開講では体験内容を詰め込みすぎて、結果的にこども自身が疲れてし
まうことや、スケジュールの過密さを踏まえ、2014 年度は半日規模を二日間に分けて実施することとなった。
24/38
どちらがより効果的か、実績を比較しながら検討していきたい。無料体験は、受講への敷居を下げるために重
要であるだけではなく、受講前のイメージと実際の受講時の内容との違いによるクレームを回避するためにも
有用であり、その他イベントの広報の場としても活用でき、全体としての会員・受講者増に役立っている。
<夏の音楽院フェスティバル>
「音の遊園地」をテーマに、二日間にわたり数多くのイベントを実施した。新規の企画としては、
「楽器作り
体験教室」や音楽博物館の協力を得て「音楽博物館ツアー&ガムラン体験」を実施した。また、学生によるぱ
うぜでのミニコンサートや木管・金管楽器に触れてみるコーナーなど、かなり大きな規模で実施することとな
った。ミレニアムホールでの「親子コンサート」も、指揮者体験コーナーを設けるなど、家族で楽しめる内容
となった。また、昨年に引き続き、ハープやパイプオルガンなど普段一般の方が触れることの無い楽器を身近
に感じる機会を提供することで、それらの楽器に対する関心を喚起した。しかしながら、マンパワーとしては
規模に対して不足していた感があり、また、プログラムの時間配分をより家族向けに検討していく必要がある。
<クリスマス会>
当日の天候には恵まれなかったが、例年に引き続き多くの参加者を得た。昨年よりもプレゼント代などの経
費を削減して実施したが、参加者の満足度には影響は無く、身近に音楽を感じられる場所として音楽院のクリ
スマス会が定着したように見受けられた。
<ミュージックカーニバル>
会員サービスの向上と共に、幅広い年齢層の会員への舞台経験を体験させることにより、継続受講へのモチ
ベーション向上につながったのではないかと考える。
<その他>
外部ショッピングモールでのコンサートは初の試みであるが、来場者からの問い合わせも多く、音楽院の存
在を広報する場としては有用であった。ホールでないため音響等に経費がかかる面もあるので、客層や地理面
を考慮して引き続き実施を検討する。
●今後の展望
これまでの実績を踏まえて、夏の音楽院フェスティバル並びに特別講座、音楽院コンサートや発表会などを
実施する予定であるが、対象・形態・内容など再検討し、より収益性の高い講座、コンサートを展開し、顧客
満足度の向上に努めたい。特に「ソルフェージュ」のクラス授業については、進路についての判断時期が近い
高学年に対しても、引き続ききめ細やかに対応していく。今後もこどもの音楽教育に重点を置いて、体験講座・
講座開講並びに広報を行っていく。
進学コース受講生獲得キャンペーン実施及び実力診断の広報拡充
●要旨
<音楽系進学のための実力診断
実施状況>
2013 年 9 月 21 日(土)に実施
ピアノ 8 名、クラリネット 2 名
<小学生のための実力診断
計 10 名
新規実施>
2013 年 8 月 24 日(土)
(ピアノ)
、8 月 25 日(土)
(ヴァイオリン)に実施。※8 月 25 日については悪天候
により中止。
24 日
18 名(内 1 名欠席)
25 日
1名
雨天により中止
<進学コースリニューアルに向けての検討>
25/38
様々な形式の入試が実施されている現在、入試事務部門とも連携をとり、学科・実技の両主任の意見も伺
いながら、より具体的でニーズにあったリニューアル案を固めていく必要がある。
●成果及び達成度
<音楽系進学のための実力診断>
ミレニアムホールを使用して、大学の教員による実技審査を受ける機会は貴重であると考える。対象は中学
生以上としており、ほぼ中学生・高校生で占められているが、中には高卒後の参加者や大学入学を考える社会
人の参加者も見受けられた。以前に参加したのちに再び申し込まれている方も 2~3 割程度おり、実施後に送付
しているアドバイスシートの判定や講評が参加者の満足度を高めていると考えられる。今後も、入試事務部門
と主に広報面において連携をはかりながら、中学生・高校生をメインターゲットとしつつも、幅広い層の参加
者を受け入れていきたい。
<小学生のための実力診断>
昨年度に比べると参加人数が減少したが、これが本来の期待値であるのか今後もより発展していく可能性が
あるのか見極めねばならない。小学生にとって、本格的なホールで、かつコンクールとは違い自由曲で参加で
きるというのは珍しく、参加者の満足度は高い結果となった。
今年は優秀者に審査教員による特別レッスンを実施した。多感で吸収力の高い時期に本学教員による具体的
なアドバイスを受けられたことは、参加者・保護者にとって強い印象を与えられたものと考える。
<進学コースリニューアルに向けての検討>
2015 年度に向け、引き続きの懸案として検討を進めていく。2014 年度は、進学コースの受講生に限り副科
ピアノの個人レッスンを割引するなど、従来の枠の中での小規模なアレンジにとどめた。
●今後の展望
これまでの実績を踏まえて、引き続き、2015 年度に向けて実力診断及び進学コース関連のリニューアルを進
めていく。また、2014 年度には社会人のための実力診断についても試験的に実施する。
C 法人組織運営事業
【1】広報活動
本年度は集客力のある施設でのイベント演奏やマスメディアによる大学の露出機会創出とともに、社会への
情報発信のツールとして拡大する SNS やスマートフォン等ネット社会への対応を強化した。
大学の露出機会創出の活動としては、梅田地区の百貨店やディベロッパー、スポーツ関連企業等と連携し、
集客力のある施設において学生主体の編成によるイベント演奏を実施し、多くの聴衆を集めた。また、マスメ
ディアについては、中高生をメインターゲットとした情報番組から全国放送の情報番組、スポーツ等、テレビ
を中心に露出を増やした。新聞においてもオペラ公演関連記事を中心に掲載があった。さらに全日本学生音楽
コンクール声楽部門での本学学生の活躍を報じる特集誌面において本学の実績を謳う広告を打ち出しアピール
を行った。
インターネット関連は様々な角度からネットを絡めた活動を行った。Facebook、Twitter、LINE の3つの代
表的な SNS については魅力的な情報発信を継続的に行うことで、現在いずれも登録者数が 1,000 を超えた。さ
らに、本学の情報をポータル的に発信するスマートフォン用アプリも導入し、中高生のスマホユーザー増加に
対応した。スマートフォンを含めたインターネット上の動画コンテンツの充実を図るため、100 周年記念とも
絡め一部専攻・コースのコンセプト動画を制作した。また、広報誌において、スマートフォンで誌面上の写真
をアプリを通じてかざすと映像が流れる AR 技術を活用し紙面と動画の融合を行うことにより、音楽大学なら
ではの活動をリアリティのある形で提供する冊子とした。創立 100 年関連の活動としても、2015 年度に発行予
26/38
定の記念誌の編集段階で集めた写真や映像をホームページ上に年表形式で順次公開してくための環境づくりを
行った。
その他の活動として、広報誌を都心の大手 CD ショップやホールに設置する働きかけを行い、本学関係者以
外の音楽に興味をもつ人にも手に取ってもらう機会を増やした。また、本学オリジナルキャラクターを浸透さ
せるため、ヤマハ楽器心斎橋店の特設コーナー設置やオペラ公演時の会場ロビーでのグッズ販売を行った。関
係者及び来校者に対する 100 周年の認知度向上と盛り上げを図るために本学オペラハウスやミレニアムホール
隣接の街路灯に記念フラッグを設置、学生サロン「ぱうぜ」の大型ガラスに記念ロゴシールを貼付するなどの
活動も行った。
「大学ブランド力」強化に向けた広報の推進
●要旨
志願者獲得を目的とした入試広報によい循環をもたらすため、本学最大の広報ツールである演奏の活用、創
立 100 周年に向けた活動、各専攻・コースと連携した活動を展開するなどして大学ブランド力の強化を目的と
した広報を実践する。
●成果及び達成度
阪急うめだ本店の祝祭広場や併設されたホールでのジャズコンサート、JR 大阪駅構内施設「時空の広場」での
ミニコンサート、スポーツイベントによる演奏等、集客力のある施設において、各企業と連携し、テーマに応
じた各専攻・コースの学生主体の編成による演奏を広報的活動として行った。これらの施設においては多数の
集客があることに加え、主催者によるホームページ上や告知看板、駅、百貨店、新聞折込にて配布される告知
ちらし等各所にて案内され、本学及び各専攻・コースの認知度・イメージ向上において意義がある活動となっ
た。特に JRA からの依頼による G1 重賞競走「第 65 回農林水産省典 阪神ジュベナイルフィリーズ」の発走直
前ファンファーレ演奏については、テレビをはじめラジオ、ケーブルテレビ、場内放送を通して全国に生中継
で放映され、本学学生の演奏が絶賛された。
●今後の展望
演奏関連、100 周年関連、各種イベント、各専攻・コース別の動画やパンフレット制作等様々な活動を通じ、
本学及び各専攻・コースに対する認知を高め、ホームページや入試関連イベント、演奏会等への誘導を図るこ
とにより理解も深め入試広報に好循環をもたらしていく。
【2】施設・設備
設備整理の面においては、ポータルシステム機能のスマートフォン対応を行った。これにより掲示、連絡や
B群・C群の登録、時間割や成績の確認、実技試験の曲目届、安否情報の確認等の利便性が飛躍的に向上した。
今後、学生の利便性が向上する機能を充実させ、2014 年 6 月よりポータルシステムのスマートフォン機能に練
習室予約を追加する予定である。また、K号館自習室デスクトップ・ミュージック用のパソコンの購入につい
て、昨年度に続き K504 教室の DTM パソコンと同機能の機器を導入した。これが学生の予習、復習に大いに
役立っている。設備整備面においては O 号館出入口の自動ドア化を行った。大型楽器の搬入や搬出作業をスム
ーズに行う事が出来、学生が楽譜や楽器を持ち移動するのに不便であったドアの開閉がスムーズになり、扉の
開閉により楽器等を傷める事がなくなった。強風により自然にドアが開き、ごみ等が館内に入り困っていたが、
解消された。また O2 号館については、建物全体が経年劣化によるクラックがかなり目立つ状態となり、雨漏
りを未然に防ぐための改修工事を実施した。屋根の補修、防水工事、建物外壁塗装や全部屋の窓枠コーキング
作業に加え、北側ドア修繕も行った
27/38
学内インフラ整備として電話交換機(PBX)の経年劣化に伴い不具合が頻発しており、特に本校と名神口、
本校と野田の間でトラブルが生じるケースが多く、使用出来る回線数が不足している点を解消するために電話
交換機(PBX)を最新型に交換し、使用回線数を 100 回線増加した事により送受信の不具合が解消された。ア
ナログ回線からデジタル回線に変更し、各部門の電話をダイヤルイン化した。ダイヤルイン化する事により外
部からの問い合わせが、代表番号経由ではなく担当部門に直接つながり待ち時間が減少した。ダイヤルイン化
に伴い使用されていない内線番号を含めて整理及び削減を図った。NTTよりソフトバンクテレコムへ電話会
社を変更する事により回線使用料を含む通話料金の軽減を図った。また、法人契約をしている携帯電話につい
てもKDDIよりソフトバンクテレコムへ電話会社を変更する事により回線使用料を含む通話料金の軽減を行
う予定である。
キャンパス構想の具現化については、新校舎建設のプランの検討、老朽化したK号館の対応、C号館の耐震
化対策等を含め問題点などを専門家の見解も踏まえ、キャンパス全体の中長期構想を計画し、教育環境の整備
を推進した。現存する建物等の現状を把握し、教職員及び設計事務所による施設整備事業検討プロジェクトチ
ームを組織し、将来の経営戦略等を踏まえ、今後 30 年程度の「キャンパス再編マスタープラン」を策定、新校
舎基本計画検討委員会が第一段階として野田校地新校舎基本計画を策定した。
O 号館出入口の自動ドア化
●要旨
O 号館正面出入口(2 箇所)の手動ドア 1 箇所を自動ドアとして工事を実施した。
●成果及び達成度
大型楽器の搬入や搬出作業をスムーズに行う事が出来、多くの学生が楽譜や楽器を持ち移動するのに不便で
あったドアの開閉がスムーズになった。また、扉の開閉により楽器等を傷める事がなくなった。強風により自
然にドアが開き、ごみ等が館内に入り困っていたが、解消された。
●今後の展望
自動ドアの設置に伴い既設されている入口のスロープと合わせバリアフリー化に貢献できる。
O2 号館防水工事
●要旨
建物全体が経年劣化によるクラックがかなり目立つ状態となっている。雨漏りを未然に防ぐためにコーキン
グによる補修を継続しているが改修工事が必要となり実施した。
●成果及び達成度
屋根の補修、防水工事、建物外壁塗装、全部屋の窓枠コーキング作業を行った。北側ドア修繕を行った。
●今後の展望
1 階、2 階の廊下部分、個々の部屋の傷みがひどく、今後、改修工事を検討したい。
学内インフラ整備
●要旨
現行の電話交換機(PBX)の経年劣化に伴い不具合が頻発している。特に本校と名神口、本校と野田の間で
トラブルが生じるケースが多く、使用出来る回線数が不足していたため工事を行った。
●成果及び達成度
電話交換機(PBX)を最新型に交換し、使用回線数を従来より 100 回線増加した事により送受信の不具合が
28/38
解消された。アナログ回線からデジタル回線に変更し、各部門の電話をダイヤルイン化した。このことにより
外部からの問い合わせが、代表番号経由ではなく担当部門に直接つながり待ち時間が減少した。
●今後の展望
ダイヤルイン化に伴い使用されていない内線番号を含めて整理及び削減。今後、NTTよりソフトバンクテ
レコムへ電話会社を変更する事により回線使用料を含む通話料金の軽減を図る。また、法人契約をしている携
帯電話についてもKDDIよりソフトバンクテレコムへ電話会社を変更する事により回線使用料を含む通話料
金の軽減を図る。
オペラハウス映像収録機器の更新
●要旨
オペラハウスの映像収録機器については、前回の導入からすでに 10 年を経過し老朽化しており、一般化して
いる横長(ハイビジョン)映像にも対応していない。そこで同施設に見合った最新の比較的安価な機器システ
ムを急遽 2013 年度内での導入を決定した。
移動カメラ 1 台、固定リモートカメラ 1 台の旧システムから移動カメラ 2 台、固定リモートカメラ 5 台と最
新のノンリニア編集機を含んだ新システムの導入が年度内に完了した。
●成果及び達成度
2013 年度内の導入が決定してから時間的余裕の無い中で、機種等の選定、業者の決定、工事スケジュールの
調整等を行った。オペラハウスの映像現場担当者と導入業者を交えて出来るだけコストを抑えて、最大限の効
果が得られるように固定カメラの位置を検討した。バルコニー等の制約がある中でほぼ理想のカメラ位置を確
保する事ができた。
完成後すぐに演奏会本番があったので、十分なトレーニングなしの収録となった為、初日、二日目に収録し
た映像は機器の性能を十分には反映していないものであったが、三日目には性能どおりの映像が収録できた。
また業者側のトラブルに対する素早い対応があったので、収録した成果物に対しては大きな問題は生じなかっ
た。
今までに無いアングルの映像や、複数カメラによる映像効果等、今後操作側の熟練度が高まれば貴重なオペ
ラ公演や、各種演奏会を上質な映像に記録していく事が可能となった。
●公的助成・民間助成
文部科学省より平成 25 年度補正予算に伴う補助金の募集が 1 月 30 日付けで有り、
「年度内に事業完了する ICT
活用推進事業」に申請、3 月 26 日付で交付決定の通知を受けた。
●今後の展望
オペラハウスの音響、映像について老朽化が進んでおり、今回映像収録の部分については更新が出来たが、
例えば館内の映像配信については改修が出来ておらず、アナログ方式のままであり、ロビーのモニターテレビ
には以前より多少良くなったとは言え、不鮮明な画面しか表示できない。
他にも音響の収録用のミキサー卓、周辺機器、場内拡声用の PA 卓、アンプ類、スピーカー類及び吊マイク
装置等、大幅な更新の必要のある機材は多い。
2014 年度より、オペラハウス音響映像の担当業者が変更となりほぼ常駐の契約になった為、今後の機器更新
等についても今まで以上に現場サイドから適切な提案が期待できる。
オペラハウスにおけるオペラ公演や演奏会の記録を高画質、高音質で残す事は、本学にとって重要であり、
コストを抑えつつも出来るだけ補助金等を利用して機器の更新を行う必要がある。
29/38
キャンパス構想の具現化
●要旨
前年度に K 号館の老朽化に対応するために、新校舎建設のプランを検討したが、本学では、K 号館だけでな
く全学的に経年劣化対策が必要であり、また C 号館の耐震化対策やキャンパス内の建て詰まり等の問題を抱え
ている。そこで専門的な見解も踏まえながら、各館単位ではなくキャンパス全体の中長期構想を計画し、教育
環境の整備を推進する。
●成果及び達成度
教職員及び設計事務所による施設整備事業検討プロジェクトチームを組織して、既存建物の現状把握を行い、
将来の経営戦略及び法令等を踏まえて、今後 30 年程度での実現を目指して、
「キャンパス再編マスタープラン」
を策定した。これにより将来ビジョンを持って順次校舎を建替えていくことになり、建て詰まりの問題は解消
される。そして新校舎基本計画委員会がその第一段階として、K 号館老朽化対策として野田校地新校舎基本計
画を策定した。
●今後の展望
「キャンパス再編マスタープラン」の第一段階として野田校地新校舎建設を行う。
【3】法人の運営
能力開発、公正な処遇、組織の方針徹底などを趣旨に、組織活性化の一助とすべく専任事務職員及び専任幼
稚園教諭の人事制度を実施した。これに伴い、専任教員を含め等級別の新給与制度を導入し、5 か年をかけて
移行していくことになった。厳しい財政状況を踏まえ、前年度に決定した「財務体質の改善」に基づき経費の
削減に取り組む一方、人事処遇制度検討プロジェクトチームを編成して人件費に係る諸策を実施した。
戦略企画事務室のもとに置く成長戦略のためのプロジェクトチームから、社会人を受け入れる制度として、
長期履修制度の導入、科目等履修制度のパッケージ化及び社会人向け広報の PR 活動の提言を受け、長期履修
制度については 2015 年度より短期大学において実施することを決定しその準備に着手した。さらに、同チー
ムに教員を加えて再編し、演奏系以外のセミナー型音楽教育体制の構築の検討に入った。
また、今年度は理事会を 5 回、評議員会を 3 回開催した。理事会において決定した学校法人の業務並びに理
事長の職務を円滑に遂行するために、常任理事会を 25 回開催し、延べ 174 件の議題を審議した。また、各役
職者の意思疎通と連絡調整を目的とする執行部連絡協議会を 7 回開催した。
今年度の教職員数は 517 名、内専任教員は 75 名(大学・短大 62 名、付属音楽幼稚園教諭 13 名)、専任職
員 77 名。この内年度中の退職者は 62 名(専任教員 6 名、専任職員 14 名、非常勤講師 19 名、その他 23 名)
であった。
O 号館事務室(楽器楽譜室含む)及びK号館事務室における窓口業務の委託化
●要旨
O 号館及び K 号館の事務室には、職員を配置していたが、窓口業務に長けた業者に事務業務の一部を委託す
ることにより、利用者の満足度向上と業務効率化を実現する。
●成果及び達成度
レファレンスサービスの業務ノウハウを有する業者を選定することにより、学生の満足度向上につながった。
さらに事務処理の効率化と委託範囲の拡大に向けて業者の再選定を行った。
●今後の展望
委託の範囲に P 号館を加え、また委託時間も終日とすることにより、O 号館、P 号館、K 号館の受付業務全
30/38
面委託となる。
事務機構の再編
●要旨
これまでも各事務部門において日々業務の見直しを行ってきたが、近年、部門を横断した連携型の業務が増
加傾向にあることから、事務機構そのものを再編することによってさらなる運営体制の効率化を模索する。
●成果及び達成度
事務機構を再編することによって業務上の支障が発生しないよう、段階的な移行とする。2014 年度は業務内
容が類似している「音楽の仕事情報館」と「依頼演奏」の窓口を統一し、連携・演奏事務部門に配置した。ま
た、図書館については既に窓口業務を外部業者に委託していたが、2014 年度より全面委託することで図書館内
の情報共有をスムーズにし、学生サービスの向上を目指すとともに、人件費削減を行った。
●今後の展望
2014 年度及び 2015 年度はさらなる業務精査を行い、2016 年度より新たな事務機構で運営が開始できるよう
計画する。
職員人事制度の導入
●要旨
管理事務部門(総務担当)が中心となり「労働に関する法令順守」の徹底等、人事・労務関係の業務に取り
組んできた。2012 年度に、人事・労務関係を担う人事事務部門を独立させ、
「職員人事制度の導入とその効果
的運用」により学校法人の経営資源でもある「ひと」の育成やモチベーションアップをその役割として掲げた。
能力と成果を半年ごとに評価し、評価結果は等級や賞与に反映させる。また、評価制度の導入に伴い、新給
与制度を 2013 年度より段階的に導入し、2017 年度に完全移行する。
2012 年度はトライアル期間として、仮等級付けを行った上で、試験的に評価を実施。評価傾向や問題点の収
集・改善に努めた。
2013 年度はトライアル結果を十分に踏まえ、評価制度を導入した。また、評価結果は予定通り、等級の調整
や賞与に反映した。
●成果及び達成度
ややもするとルーチンワークに追われがちな業務であっても、等級による役割の定義、部門ミッションの明
確化、評価期間の期首・期末に行う面談を通じてのコミュニケーション強化により、個々人の目標を認識させ
ることができた。業務の効率化、新規提案等の改善活動を行っていくきっかけとなり、成果も現れつつある。
一方で、管理職者のマネージメント力向上は現在、急務の課題である。
また、人事異動を計画する際には、評価制度における面談記録、評価結果は、客観性・公平性・納得性とい
う観点で有効であり、実際にそれらを活用した能力開発を行っている。
●今後の展望
評価制度に対する信頼性の向上に努める。
新給与制度の移行に関して 2014 年度は 40%、2015 年度は 60%、2016 年度は 80%とし 2017 年度で 100%と
する。
また、今回の専任職員への評価制度の導入で既に一定の効果が確認できたため、2014 年度からは専任嘱託職
員についても評価制度を導入する。
31/38
Ⅲ 財務の概要
別紙をご参照ください。
32/38