2014 年 5 月 28 日 電子出版の発展に向けた著作権法改正に関する見解と今後の対応 出版広報センター 日本書籍出版協会 日本雑誌協会 日本電子書籍出版社協会 日本出版インフラセンター 平成 26 年4月8日に衆議院、同 25 日 に参議院において、「著作権法 の一部を改正する法律」が可決成立し、27 年 1 月 1 日より施行されるこ とが決まりました。 こ の 改 正法 で は、 出版 権 制 度の 対 象が 、現 行 の 印刷 媒 体に 加え 電 子書 籍 に も 拡 張さ れ るこ とと な り まし た 。今 後急 速 に 発展 す るこ とが 期 待さ れ る 電 子 書籍 の 流通 促進 を 図 る上 で 、本 改正 の 持 つ意 味 は大 変大 き なも のがあります。 出版界は、1990 年 (平成2年)の文化審議会第8小委員会報告書(出 版 者 の 法 的保 護 関係 )以 来 、 出版 者 独自 の権 利 の 法制 化 を求 めて き まし た 。 ま た 、近 年 の電 子書 籍 の 普及 に 伴い 、海 賊 版 等の 侵 害行 為に 対 し、 出版者自らが法的に対抗できる手段の必要性を強く主張してきました。 こ う し た 私 たち の 要 望 を踏 ま え 、今 般 の 文 化審 議 会 著作 権 分 科 会出 版 関 連 小 委 員会 に おけ る検 討 で は、 著 作権 者、 利 用 者団 体 等の 意見 も 尊重 し 、 出 版 権制 度 の電 子へ の 拡 大と い う形 での 法 改 正に 向 けた 提言 が なさ れ、今回の法改正の実現へとつながりました。 出 版 界 と し ては 、 今 回 の立 法 趣 旨を 尊 重 し 、さ ら な る電 子 出 版 の普 及 発 展 に 努 めて ま いり ます 。 そ のた め には 、新 た な 出版 権 制度 に基 づ く著 作 権 者 と の出 版 契約 の確 立 に 向け て 、関 係団 体 等 との 間 の今 まで 以 上の 信頼と相互理解が不可欠であると考えます。 そ う し た 観 点か ら 、 出 版契 約 に 関す る 著 作 権者 と 出 版社 間 の さ まざ ま な行き違いや紛争を解決するため、著作者団体と協同して出版 ADR(裁判 外 紛 争 処 理) の 設立 を準 備 し ます 。 加え て、 出 版 権設 定 に関 する 情 報ま で含めた書誌情報の基盤整備にも積極的に尽力してまいります。 今 回 の 法 改 正は 、 出 版 権の 電 子 への 拡 大 が 実現 し た とい う 点 で 大き な 意 味 が あ りま す が、 衆参 両 議 院に お ける 附帯 決 議 にみ ら れる よう に 、今 後 に 向 け た課 題 も多 く残 さ れ てい ま す。 出版 界 と して は 、新 たな 制 度の 適 切 な 活 用を 図 りつ つ、 さ ら に有 効 な海 賊版 対 策 のた め の制 度改 正 の実 現 等 、 著 作者 や 利用 者と と も に、 我 が国 の出 版 文 化の さ らな る発 展 と次 代への継承に貢献してまいる所存です。 以 上
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