1)透析液水質管理状況 4)大腿骨頸部骨折既往の現状 (1)大腿骨頸部骨折の疫学(図表38) 表1 大腿骨頸部骨折の既往 性別 大腿骨頸部骨折の既往 既往なし 既往あり 既往率(1万人あたり) 合計 不明 記載なし 総計 男性 119,536 1,705 140.6 121,241 1,152 39,116 161,509 女性 73,670 2,502 328.5 76,172 767 24,706 101,645 合計 193,206 4,207 213.1 197,413 1,919 63,822 263,154 性別記載なし 59 総計 193,265 4,207 213.0 197,472 1,919 63,868 263,259 59 46 105 表2 大腿骨頸部骨折の既往 性別、糖尿病有無別 男性 大腿骨頸部骨折の既往 既往なし 既往あり 既往率(1万人あたり) 合計 不明 記載なし 総計 骨折既往率 (人 /1 万人) 1200 糖尿病 43,498 699 158.2 44,197 497 14,043 58,737 女性 非糖尿病 75,952 1,005 130.6 76,957 655 24,919 102,531 糖尿病 21,119 856 389.5 21,975 230 6,840 29,045 グラフ1 大腿骨頸部骨折の既往率(性別・年齢別) 合計 非糖尿病 52,511 1,641 303.0 54,152 536 17,786 72,474 154 241 45 1 80 126 193,206 4,207 213.1 197,413 1,919 63,822 263,154 男性 800 女性 女性 700 800 600 500 600 400 400 300 200 200 0 87 総計 骨折既往率 グラフ2 大腿骨頸部骨折の既往率(性別・透析歴別) (人 /1 万人) 900 男性 1000 193,080 4,201 212.9 197,281 1,918 63,588 262,787 糖尿病有無記載なし(男女) 記載なし(男性) 記載なし(女性) 86 40 1 5 100 20歳未満 骨折既往率 (人 /1 万人) 450 2 0∼ 3 0∼ 4 0∼ 5 0∼ 年齢 6 0∼ 7 0∼ 8 0∼ 0 9 0∼ グラフ3 大腿骨頸部骨折の既往率(性別・Kt/V別) 2年未満 骨折既往率 (人 /1 万人) 2500 男性 400 女性 350 2 年∼ 5 年∼ 10 年∼ 15 年∼ 透析歴(年) 20 年∼ 25 年∼ 30 年∼ グラフ4 透析導入患者における骨折既往率とカールソンスコア 男性 女性 2000 300 1500 250 200 1000 150 100 500 50 0 0.8未満 0.8∼ 1.0∼ 1.2∼ Kt/V 1.4∼ 1.6∼ 0 1.8∼ 2 4 6 8 10 カールソンスコア 12 14 16 以上 患者調査による集計 解説 今年度はじめて大腿骨頸部骨折既往に関して調査をおこなった。巻末に骨折既往に関する多変量ロジ スティック解析を施行しているので、参照されたい。女性での骨折既往率は男性のそれの2倍以上であり、 どの年齢層においても女性で骨折率が高かった。また糖尿病では非糖尿病に比して骨折率は高く、この 傾向は男女とも同様であった(表1、2、グラフ1)。男性においても女性においても透析歴が25年を超え るころから骨折既往率が高くなることは注目に値する。Kt/Vと骨折既往率の単変量の関係では、女性で は低いKt/Vと高い骨折既往率とに関連があった。 (巻末の多変量解析では男性でむしろこの傾向が顕著で あった。)また透析導入患者のみにおける骨折既往も男性に比べて女性で多く、また高いカールソンスコ アと骨折既往率は関連した。 40
© Copyright 2024 Paperzz