ブタの腎臓の解剖を通して - 北海道立理科教育センター

中学校発展講座
観察
目的
ブタの腎臓の観察
ブタの腎臓の解剖を通して,腎臓の構造の観察に加え,毛細血管のかたまりの顕微鏡観察を
通して,腎臓の働きをより深く理解させる。
準備
ブタの腎臓,解剖用具,バット,ピンセット,カミソリ,
注射器,目玉クリップ,顕微鏡,スライドガラス,カバーガ
ラス,注射針,墨汁,生理食塩水
方法
1
バットに腎臓を載せ,腎臓の外観を観察する。
2
メスで腎臓を縦に切って縦断面を観察し,色調の違いから
皮質部分と髄質部分を確認する(図1)。
3
バットに別の腎臓を載せ,必要に応じて肉を取り外しなが
ら,腎動脈,腎静脈,輸尿管を確認する。
4
図1
腎臓の縦断面
図2
墨汁の注入
水で10倍程度に希釈した墨汁を注射器に10 ˆ取る。次に,
注射針を腎動脈に差し込み,もれないように目玉クリップで
押さえてから,墨汁を注入する(図2)。この操作により,
腎臓表面の一部がしだいに黒く変色してくる。
5
メスで腎臓を縦に切り,縦断面をつくる。次に,しみ出て
きた墨汁を生理食塩水で洗い流してから,皮質部分を観察し,
黒いシミのように見える毛細血管のかたまり(糸球体)が多
数あることを確認する(図3)。
6
カミソリで,黒いシミがたくさん観察される皮質部分の薄
い切片をつくり,毛細血管のかたまり(糸球体)の様子を顕
微鏡で観察する。
参考
1
腎臓は冷凍庫で長期保存が可能である。
2
動物組織の切片をつくるとき,図4のような2枚
のカミソリの間にケント紙をはさんでビニルテープ
で固定した器具を使うと,薄い切片をつくりやすい。
図3
皮質部分の観察
ケント 紙
ビニルテー プ
カミソリ
図4
- 1 -
切片を作成する器具
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